JP2016133173A - 液圧装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液圧シリンダのピストンを往復動させる液圧装置において、ピストンの移動方向の反転に起因するショックを抑える。【解決手段】液圧装置では、液圧シリンダのピストンが往復動する。移動動作ではピストンが設定速度で移動し、反転動作ではピストンの移動方向が反転する。反転動作におけるピストンの減速開始から加速終了までに要する時間を反転時間とする。液圧装置の反転制御器は、設定速度が基準速度以上の場合は反転時間RT_sR,RT_sLを設定速度に応じて設定し、設定速度が基準速度未満の場合は反転時間RT_s,RT_sLを設定速度が基準速度である場合の値RT_rR,RT_rLに保つ。【選択図】図3
Description
本発明は、液圧シリンダのピストンを往復動させる液圧装置に関するものである。
液圧シリンダのピストンを往復動させる液圧装置は、例えば特許文献1に開示されている。この液圧装置は、例えば平面研削盤のテーブルを往復動させるために用いられる。つまり、この液圧装置を備えた平面研削盤では、液圧シリンダのロッドがテーブルに連結され、往復動するピストンに連結されたロッドによってテーブルが駆動される。
上述した液圧装置は、液圧シリンダのピストンを所定の設定速度で移動させる移動動作と、上記ピストンの移動方向を反転させる反転動作とを交互に繰り返すことによって、上記ピストンを往復動させる。また、反転動作では、ピストンの減速と停止と加速とが順に行われる。
ここで、反転動作におけるピストンの減速開始から加速終了までに要する時間を、反転時間とする。この反転時間が短すぎると、反転動作におけるピストンの速度の変化率(即ち、加速度)が過大となり、ピストンや油圧シリンダによって駆動される対象物(例えば、平面研削盤のテーブル)に作用する力の大きさと向きが急激に変化してショックが生じる。
一方、反転時間を充分に長くすれば、反転動作におけるピストンの速度の変化率が低く抑えられるため、ピストンの移動方向の反転に起因するショックを防ぐことができる。しかし、反転時間が長すぎると、ピストンの往復動に要する時間が長くなる。このため、例えば上述した液圧装置で平面研削盤のテーブルを駆動する場合には、テーブルの往復動に要する時間が長くなり、被削物の加工に要する時間が長くなってしまう。
そこで、特許文献1の液圧装置では、液圧シリンダのピストンの設定速度に比例するように反転時間を変化させ、反転動作におけるピストンの速度の変化率をある程度以下に抑えることで、ピストンの移動方向の反転に起因するショックを防止しようとしている。
上述したように、特許文献1の液圧装置では、液圧シリンダのピストンの設定速度に比例するように反転時間を変化させており、移動動作におけるピストンの設定速度が低ければ低いほど反転時間が短くなる。しかし、実際にテーブル等の対象物を液圧装置によって往復動させる場合は、対象物に作用する摩擦力や作動油の圧縮性に起因する応答遅れ等の要因が存在するため、ショックを生じさせずに対象物を反転させるために最低限必要な時間が存在する。このため、液圧シリンダのピストンの設定速度に比例するように反転時間を設定すると、設定速度が低い値に設定された場合は反転時間が短くなり過ぎ、ピストンの反転時にショックが生じやすくなる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液圧シリンダのピストンを往復動させる液圧装置において、ピストンの設定速度に拘わらずピストンの移動方向の反転に起因するショックを抑えることにある。
第1の発明は、複動型の液圧シリンダ(30)と、該液圧シリンダ(30)に接続される液圧ポンプ(40)とを備え、上記液圧シリンダ(30)のピストン(32)を所定の設定速度で移動させる移動動作と、上記ピストン(32)の減速と停止と加速とを順に行って該ピストン(32)の移動方向を反転させる反転動作とを交互に繰り返すことによって、上記ピストン(32)を往復動させるように構成されると共に、上記移動動作における上記設定速度を変更可能に構成されている液圧装置を対象とする。そして、上記反転動作における上記ピストン(32)の減速開始から加速終了までに要する時間である反転時間を、上記設定速度が所定の基準速度以上の場合は上記設定速度が遅いほど上記反転時間が短くなるように上記設定速度に応じて設定し、上記設定速度が上記基準速度未満の場合は上記設定速度が上記基準速度と等しいときの反転時間と同じ時間に設定するように構成された反転制御器(60)を備えるものである。
第1の発明の液圧装置(20)では、液圧ポンプ(40)が液圧シリンダ(30)へ作動流体を供給することによって、液圧シリンダ(30)のピストン(32)が駆動される。この液圧装置(20)は、移動動作と反転動作とを交互に繰り返すことによって、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を往復動させる。移動動作におけるピストン(32)の設定速度が変更されると、反転制御器(60)が反転時間を更新する。液圧装置(20)は、反転時間が反転制御器(60)によって設定された時間となるように、反転動作を行う。
第1の発明において、移動動作におけるピストン(32)の設定速度が基準速度以上の場合、反転制御器(60)は、設定速度が遅いほど反転時間が短くなるように、反転時間を設定速度に応じて設定する。一方、移動動作におけるピストン(32)の設定速度が基準速度未満の場合、反転制御器(60)は、反転時間を“設定速度が基準速度と等しいときの反転時間”と同じ時間に設定する。つまり、ピストン(32)の設定速度が基準速度未満の場合は、設定速度の値に拘わらず判定時間が一定の時間に保たれる。従って、この発明では、“設定速度が基準速度と等しいときの反転時間”が、反転時間の調節範囲の下限値となる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記反転制御器(60)は、上記反転動作における上記ピストン(32)の減速開始から停止までに要する時間である減速時間、又は上記反転動作における上記ピストン(32)の停止から加速終了までに要する時間である加速時間の、上記反転時間に対する割合である反転用時間割合を変更可能に構成されるものである。
第2の発明では、反転用時間割合が変更可能となる。反転用時間割合と反転時間が決まれば、反転時間に反転用時間割合を乗ずることによって減速時間と加速時間の一方が決まる。そして、減速時間と加速時間の一方が決まれば、減速時間と加速時間の他方も決まる。従って、反転用時間割合が変更されると、反転時間は変化せずに減速時間と加速時間が変化する。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記反転制御器(60)は、上記ピストン(32)の移動方向を右方向から左方向へ反転させる上記反転動作における上記反転用時間割合と、上記ピストン(32)の移動方向を左方向から右方向へ反転させる上記反転動作における上記反転用時間割合とを、個別に設定可能に構成されるものである。
第3の発明では、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる際の反転用時間割合と、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる際の反転用時間割合とが、個別に設定可能となる。
第4の発明は、上記第2又は第3の発明において、上記反転制御器(60)は、上記設定速度が調節範囲の上限値となっている場合の上記反転時間である最大反転時間を変更可能に構成されるものである。
第4の発明では、最大反転時間が変更可能となる。反転制御器(60)は、ピストン(32)の設定速度が基準速度以上の場合に、反転時間を設定速度に応じて設定する。このため、最大反転時間を変更すると、それに伴って、ピストン(32)の設定速度が上限値未満で基準速度以上の場合における反転時間が変化する。
第5の発明は、上記第4の発明において、上記反転制御器(60)は、上記ピストン(32)の移動方向を右方向から左方向へ反転させる上記反転動作における上記最大反転時間と、上記ピストン(32)の移動方向を左方向から右方向へ反転させる上記反転動作における上記最大反転時間とを、個別に設定可能に構成されるものである。
第5の発明では、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる際の最大反転時間と、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる際の最大反転時間とが、個別に設定可能となる。
第6の発明は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、上記液圧ポンプ(40)から上記液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量と上記液圧シリンダ(30)に対する作動流体の供給位置とを変更するための制御弁(50)を備える一方、上記反転制御器(60)は、上記移動動作と上記反転動作とが交互に繰り返し行われるように上記制御弁(50)を操作するように構成されるものである。
第6の発明では、液圧装置(20)に制御弁(50)が設けられる。液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量を制御弁(50)によって変更すると、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度が変化する。また、液圧シリンダ(30)に対する作動流体の供給位置を制御弁(50)によって変更すると、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向が変化する。
第6の発明の反転制御器(60)は、移動動作と反転動作とが交互に繰り返し行われるように、制御弁(50)を操作する。具体的に、移動動作中において、反転制御器(60)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度が設定速度となるように、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量を調節する。また、反転動作中において、反転制御器(60)は、ピストン(32)の減速と停止と加速とが反転時間中に完了するように、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量を調節すると共に、液圧シリンダ(30)に対する作動流体の供給位置を変更する。
第7の発明は、上記第1〜第5のいずれか1つの発明において、上記液圧ポンプ(40)は、可逆回転形のポンプであり、上記反転制御器(60)は、上記移動動作と上記反転動作とが交互に繰り返し行われるように、上記液圧ポンプ(40)の回転方向と回転速度を制御するように構成されるものである。
第7の発明では、可逆回転形のポンプが液圧ポンプ(40)として用いられる。液圧ポンプ(40)の回転方向が変化すると、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向が反転する。また、液圧ポンプ(40)の回転速度が変化すると、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度が変化する。そこで、この発明の反転制御器(60)は、移動動作と反転動作とが交互に繰り返し行われるように、液圧ポンプ(40)の回転方向と回転速度を制御する。
本発明において、移動動作におけるピストン(32)の設定速度が基準速度以上の場合、反転制御器(60)は、反転時間を設定速度に応じて設定する。このため、設定速度が基準速度以上の場合には、設定速度が遅いほど反転時間が短くなるため、ピストン(32)の移動方向の反転に起因するショックを抑えつつ、ピストン(32)の往復動に要する時間を必要最低限に抑えることが可能となる。
また、本発明において、移動動作におけるピストン(32)の設定速度が基準速度未満の場合、反転制御器(60)は、反転時間を“設定速度が基準速度と等しいときの反転時間”と同じ時間に設定する。従って、ピストン(32)の設定速度がどのような速度であっても、反転時間が“設定速度が基準速度と等しいときの反転時間”よりも短くなることは無い。このため、ピストン(32)の設定速度が基準速度未満の場合でも、反転時間を十分に確保することができ、ピストン(32)の移動方向の反転に起因するショックを抑えることが可能となる。
ここで、液圧シリンダ(30)において、ピストン(32)を減速する際の特性とピストン(32)を加速する際の特性とは、必ずしも一致しない。このため、ショックを抑えつつピストン(32)を停止させるのに要する時間と、ショックを抑えつつピストン(32)を設定速度まで加速するのに要する時間とは、必ずしも一致しない。このため、減速時間と加速時間のそれぞれを最適な時間に設定できれば、ピストン(32)の移動方向の反転に起因するショックを抑えつつ反転時間を短縮できる可能性がある。
ところが、例えば減速時間と加速時間の一方だけを変更すると、それに伴って反転時間が変化する。また、減速時間と加速時間の両方を変更して反転時間を一定に保つことも可能であるが、反転時間が変化しないように減速時間と加速時間の値を個別に設定する必要があり、減速時間と加速時間を最適化する作業が繁雑となっていた。
これに対し、上記第2の発明では、反転用時間割合が変更可能となっており、この反転用時間割合を変更することによって、反転時間は変化させずに減速時間と加速時間を変化させることが可能となる。従って、この発明によれば、反転時間を一定に保ったまま減速時間と加速時間を調節することが可能となり、減速時間と加速時間を最適化する作業を簡素化することができる。
ここで、液圧シリンダ(30)によって対象物(例えば、平面研削盤のテーブル)を駆動する場合は、その対象物の特性(例えば、対象物の質量や、対象物の支持構造など)が異なると、設定速度が同じであっても、ピストン(32)の移動方向の反転に起因するショックを抑えるのに必要な反転時間が異なる。
一方、上記第4の発明では、ピストン(32)の設定速度が調節範囲の上限値となっている場合の反転時間である最大反転時間が変更可能となっている。このため、反転時間を液圧シリンダ(30)によって駆動される対象物の特性に応じて調節する作業を、簡素化できる。
ここで、液圧装置(20)において、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる際の特性と、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる際の特性とは、必ずしも一致しない。このため、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる反転動作と、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる反転動作とでは、ショックを抑えるのに必要な反転時間と、ショックを抑えるのに必要な減速時間と、ショックを抑えるのに必要な加速時間とのそれぞれが、必ずしも一致しない。
これに対し、上記第3の発明では、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる際の反転用時間割合と、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる際の反転用時間割合とが、個別に設定可能となっている。従って、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる反転動作と、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる反転動作のそれぞれにおいて、減速時間と加速時間の両方を最適値に設定することが可能となる。
また、上記第5の発明では、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる際の最大反転時間と、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる際の最大反転時間とが、個別に設定可能となっている。従って、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる反転動作と、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる反転動作のそれぞれにおいて、反転時間を最適値に設定することが可能となる。
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下で説明する実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
また、以下の説明に示す「右」と「左」は、特にことわらない限り、後述する平面研削盤(10)を正面から見たときの方向である。
《実施形態1》
実施形態1について説明する。本実施形態の液圧装置(20)は、平面研削盤(10)に設けられてテーブル(14)を駆動する。
実施形態1について説明する。本実施形態の液圧装置(20)は、平面研削盤(10)に設けられてテーブル(14)を駆動する。
−平面研削盤−
図1に示すように、平面研削盤(10)は、台座である本体部(11)と、本体部(11)の上面から突出するコラム(15)とを備えている。
図1に示すように、平面研削盤(10)は、台座である本体部(11)と、本体部(11)の上面から突出するコラム(15)とを備えている。
本体部(11)の上部には、平板状のサドル(12)が取り付けられている。サドル(12)には、ワーク(18)を載せるためのテーブル(14)が設けられている。テーブル(14)は、一対のレール(13)を介してサドル(12)の上面に取り付けられ、サドル(12)に対して左右方向へスライド自在となっている。本体部(11)には、テーブル(14)を駆動するための液圧装置(20)が収容されている。詳しくは後述するが、テーブル(14)は、液圧装置(20)の液圧シリンダ(30)のロッド(33)に連結されている。
コラム(15)には、砥石ヘッド(16)が上下に移動可能に設けられている。砥石ヘッド(16)には、円板状の砥石(17)が設けられている。また、図示しないが、砥石ヘッド(16)には、砥石(17)を回転駆動するためのモータが設けられている。
平面研削盤(10)では、ワーク(18)を載せたテーブル(14)が左右に往復動する。この状態で砥石ヘッド(16)を下降させ、回転する砥石(17)をワーク(18)に接触させると、ワーク(18)の表面が砥石(17)によって研削される。
−液圧装置−
図2に示すように、液圧装置(20)は、液圧シリンダ(30)と、液圧ポンプ(40)と、制御弁(50)と、反転制御器(60)とを備えている。この液圧装置(20)は、作動流体として油を用いている。
図2に示すように、液圧装置(20)は、液圧シリンダ(30)と、液圧ポンプ(40)と、制御弁(50)と、反転制御器(60)とを備えている。この液圧装置(20)は、作動流体として油を用いている。
〈液圧シリンダ〉
液圧シリンダ(30)は、複動形の両ロッドシリンダである。この液圧シリンダ(30)は、シリンダ本体(31)と、ピストン(32)と、ロッド(33)とを備えている。シリンダ本体(31)は、両端が閉塞された円筒状に形成されている。棒状のロッド(33)は、シリンダ本体(31)と同軸に配置され、シリンダ本体(31)を貫通している。ピストン(32)は、ロッド(33)に連結されると共にシリンダ本体(31)に収容され、シリンダ本体(31)の内部空間を第1液室(36)と第2液室(37)に仕切っている。
液圧シリンダ(30)は、複動形の両ロッドシリンダである。この液圧シリンダ(30)は、シリンダ本体(31)と、ピストン(32)と、ロッド(33)とを備えている。シリンダ本体(31)は、両端が閉塞された円筒状に形成されている。棒状のロッド(33)は、シリンダ本体(31)と同軸に配置され、シリンダ本体(31)を貫通している。ピストン(32)は、ロッド(33)に連結されると共にシリンダ本体(31)に収容され、シリンダ本体(31)の内部空間を第1液室(36)と第2液室(37)に仕切っている。
〈液圧ポンプ〉
液圧ポンプ(40)は、可変容量形のピストンポンプである。また、液圧ポンプ(40)は、圧力補償制御を行うように構成されている。つまり、この液圧ポンプ(40)は、吐出する作動流体の圧力が設定値を超えないようにポンプ容量を調節する機能を備えている。液圧ポンプ(40)は、吸入ポート(41)が作動流体を貯留するタンク(25)に接続され、吐出ポート(42)が制御弁(50)に接続されている。液圧ポンプ(40)には、一定速モータ(45)が連結されている。液圧ポンプ(40)は、一定速モータ(45)によって駆動され、一定の回転速度で回転する。
液圧ポンプ(40)は、可変容量形のピストンポンプである。また、液圧ポンプ(40)は、圧力補償制御を行うように構成されている。つまり、この液圧ポンプ(40)は、吐出する作動流体の圧力が設定値を超えないようにポンプ容量を調節する機能を備えている。液圧ポンプ(40)は、吸入ポート(41)が作動流体を貯留するタンク(25)に接続され、吐出ポート(42)が制御弁(50)に接続されている。液圧ポンプ(40)には、一定速モータ(45)が連結されている。液圧ポンプ(40)は、一定速モータ(45)によって駆動され、一定の回転速度で回転する。
〈制御弁〉
制御弁(50)は、第1ポート(51)と第2ポート(52)と流入ポート(53)と排出ポート(54)とを備えた電磁比例切換弁である。この制御弁(50)は、弁体(55)と、弁体(55)を駆動する第1ソレノイド(56)及び第2ソレノイド(57)と、弁体(55)を中立位置へ押圧する第1ばね(58)及び第2ばね(59)とを備えている。
制御弁(50)は、第1ポート(51)と第2ポート(52)と流入ポート(53)と排出ポート(54)とを備えた電磁比例切換弁である。この制御弁(50)は、弁体(55)と、弁体(55)を駆動する第1ソレノイド(56)及び第2ソレノイド(57)と、弁体(55)を中立位置へ押圧する第1ばね(58)及び第2ばね(59)とを備えている。
第1ソレノイド(56)に通電すると、弁体(55)が図2の右側へ移動して第1状態となり、第1ポート(51)が流入ポート(53)に連通し且つ第2ポート(52)が排出ポート(54)に連通する。また、第1ソレノイド(56)を流れる電流が大きくなるほど、流入ポート(53)から第1ポート(51)へ流れる作動流体の流量と、第2ポート(52)から排出ポート(54)へ流れる作動流体の流量とが増加する。
第2ソレノイド(57)に通電すると、弁体(55)が図2の左側へ移動して第2状態となり、第2ポート(52)が流入ポート(53)に連通し且つ第1ポート(51)が排出ポート(54)に連通する。また、第2ソレノイド(57)を流れる電流が大きくなるほど、流入ポート(53)から第2ポート(52)へ流れる作動流体の流量と、第1ポート(51)から排出ポート(54)へ流れる作動流体の流量とが増加する。
ソレノイド(56,57)を流れる電流が所定値(バイアス電流A_b)以下の状態では、弁体(55)の位置が中立位置となり、第1ポート(51)と第2ポート(52)と流入ポート(53)と排出ポート(54)とが互いに遮断される。つまり、制御弁(50)が遮断状態となる。
制御弁(50)は、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量と、液圧シリンダ(30)に対する作動流体の供給位置とを変更する。この制御弁(50)は、第1ポート(51)が第1配管(26)を介して液圧シリンダ(30)の第1液室(36)に接続され、第2ポート(52)が第2配管(27)を介して液圧シリンダ(30)の第2液室(37)に接続されている。また、制御弁(50)は、流入ポート(53)が液圧ポンプ(40)の吐出ポート(42)に接続され、排出ポート(54)が作動流体のタンク(25)に接続されている。なお、排出ポート(54)が接続するタンク(25)は、液圧ポンプ(40)の吸入ポート(41)が接続するタンク(25)と同じものである。
制御弁(50)が第1状態(弁体(55)が図2の右側へ移動した状態)になると、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)の第1液室(36)へ作動流体が供給され、液圧シリンダ(30)の第2液室(37)の作動流体がタンク(25)へ排出される。その結果、液圧シリンダ(30)のピストン(32)と平面研削盤(10)のテーブル(14)が、右方向へ移動する。また、第1液室(36)へ流入する作動流体の流量と第2液室(37)から流出する作動流体の流量が増えるほど、ピストン(32)とテーブル(14)の移動速度が速くなる。
制御弁(50)が第2状態(弁体(55)が図2の左側へ移動した状態)になると、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)の第2液室(37)へ作動流体が供給され、液圧シリンダ(30)の第1液室(36)の作動流体がタンク(25)へ排出される。その結果、液圧シリンダ(30)のピストン(32)と平面研削盤(10)のテーブル(14)が、左方向へ移動する。また、第2液室(37)へ流入する作動流体の流量と第1液室(36)から流出する作動流体の流量が増えるほど、ピストン(32)とテーブル(14)の移動速度が速くなる。
〈液圧装置の動作〉
平面研削盤(10)は、ワーク(18)を研削するためにテープルを繰り返し往復動させる動作を行う。そのため、テーブル(14)を駆動する液圧装置(20)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を所定の設定速度で移動させる移動動作と、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向を反転させる反転動作とを、交互に繰り返し行う。また、反転動作中の液圧装置(20)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の減速と停止と加速とを順に行う。
平面研削盤(10)は、ワーク(18)を研削するためにテープルを繰り返し往復動させる動作を行う。そのため、テーブル(14)を駆動する液圧装置(20)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を所定の設定速度で移動させる移動動作と、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向を反転させる反転動作とを、交互に繰り返し行う。また、反転動作中の液圧装置(20)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の減速と停止と加速とを順に行う。
ここで、反転動作におけるピストン(32)の減速開始から停止まで(即ち、ピストン(32)の移動速度が設定速度からゼロになるまで)に要する時間を減速時間DTとし、反転動作におけるピストン(32)の停止から加速終了まで(即ち、ピストン(32)の移動速度がゼロから設定速度に達するまで)に要する時間を加速時間ATとする。反転動作に要する時間(即ち、ピストン(32)の減速開始から加速終了までに要する時間)である反転時間RTは、減速時間DTと加速時間ATの和である(RT=DT+AT)。また、反転用時間割合RCは、減速時間DTの反転時間RTに対する比(DT/RT)である。
−反転制御器−
図2に示すように、反転制御器(60)は、設定速度を設定するための第1設定部(61)と、最大反転時間を設定するための第2設定部(62)と、反転用時間割合を設定するための第3設定部(63)と、制御用算出部(64)と、弁制御部(65)とを備えている。
図2に示すように、反転制御器(60)は、設定速度を設定するための第1設定部(61)と、最大反転時間を設定するための第2設定部(62)と、反転用時間割合を設定するための第3設定部(63)と、制御用算出部(64)と、弁制御部(65)とを備えている。
〈第1設定部〉
第1設定部(61)は、移動動作における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度である設定速度を設定する。具体的に、第1設定部(61)は、例えば平面研削盤(10)の操作パネルに入力された設定速度V_sを受信し、受信した値を制御用算出部(64)へ出力するように構成されている。また、第1設定部(61)では、ピストン(32)の設定速度V_sを、所定の上限値(最大速度V_m)以下の範囲で設定可能となっている。
第1設定部(61)は、移動動作における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度である設定速度を設定する。具体的に、第1設定部(61)は、例えば平面研削盤(10)の操作パネルに入力された設定速度V_sを受信し、受信した値を制御用算出部(64)へ出力するように構成されている。また、第1設定部(61)では、ピストン(32)の設定速度V_sを、所定の上限値(最大速度V_m)以下の範囲で設定可能となっている。
移動動作中には、液圧シリンダ(30)のピストン(32)が所定の設定速度で移動し、その結果、平面研削盤(10)のテーブル(14)が設定速度で移動する。テーブル(14)の移動速度は、ワーク(18)の材質や加工条件に応じて、平面研削盤(10)のユーザーが調節するパラメータである。
〈第2設定部〉
第2設定部(62)は、移動動作における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度が最大速度V_mである場合の反転時間(即ち、最大反転時間)を設定する。第2設定部(62)は、例えば平面研削盤(10)の操作パネルに入力された最大反転時間の設定値を受信し、受信した値を制御用算出部(64)へ出力するように構成されている。また、第2設定部(62)は、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作における最大反転時間RT_mRと、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作における最大反転時間RT_mLとを、個別に設定可能となっている。最大反転時間RT_mR,RT_mLの設定は、主に平面研削盤(10)の製造工程において行われる。この最大反転時間RT_mR,RT_mLは、概ね0.5〜1秒程度の値に設定される場合が多い。
第2設定部(62)は、移動動作における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度が最大速度V_mである場合の反転時間(即ち、最大反転時間)を設定する。第2設定部(62)は、例えば平面研削盤(10)の操作パネルに入力された最大反転時間の設定値を受信し、受信した値を制御用算出部(64)へ出力するように構成されている。また、第2設定部(62)は、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作における最大反転時間RT_mRと、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作における最大反転時間RT_mLとを、個別に設定可能となっている。最大反転時間RT_mR,RT_mLの設定は、主に平面研削盤(10)の製造工程において行われる。この最大反転時間RT_mR,RT_mLは、概ね0.5〜1秒程度の値に設定される場合が多い。
〈第3設定部〉
第3設定部(63)は、移動動作における減速時間DTの反転時間RTに対する割合(DT/RT)である反転用時間割合RCを設定する(RC=DT/RT)。第3設定部(63)は、例えば平面研削盤(10)の操作パネルに入力された反転用時間割合の設定値を受信し、受信した値を制御用算出部(64)へ出力するように構成されている。また、第3設定部(63)は、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作における反転用時間割合RC_Rと、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作における反転用時間割合RC_Lとを、個別に設定可能となっている。反転用時間割合RC_R,RC_Lの設定は、主に平面研削盤(10)の製造工程において行われる。この反転用時間割合RC_R,RC_Lは、概ね0.4〜0.6程度の値に設定される場合が多い。
第3設定部(63)は、移動動作における減速時間DTの反転時間RTに対する割合(DT/RT)である反転用時間割合RCを設定する(RC=DT/RT)。第3設定部(63)は、例えば平面研削盤(10)の操作パネルに入力された反転用時間割合の設定値を受信し、受信した値を制御用算出部(64)へ出力するように構成されている。また、第3設定部(63)は、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作における反転用時間割合RC_Rと、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作における反転用時間割合RC_Lとを、個別に設定可能となっている。反転用時間割合RC_R,RC_Lの設定は、主に平面研削盤(10)の製造工程において行われる。この反転用時間割合RC_R,RC_Lは、概ね0.4〜0.6程度の値に設定される場合が多い。
〈制御用算出部〉
制御用算出部(64)は、第1設定部(61)が出力した設定速度V_sを受信し、この設定速度V_sから設定電流A_sを算出するように構成されている。
制御用算出部(64)は、第1設定部(61)が出力した設定速度V_sを受信し、この設定速度V_sから設定電流A_sを算出するように構成されている。
上述したように、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度は、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量に応じて変化する。また、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量は、制御弁(50)のソレノイド(56,57)を流れる電流に応じて変化する。そこで、制御用算出部(64)は、移動動作中におけるピストン(32)の移動速度を設定速度V_sとするために制御弁(50)のソレノイド(56,57)へ流す必要のある電流の値を算出し、その値を設定電流A_sとする。制御用算出部(64)は、算出した設定電流A_sを弁制御部(65)へ出力する。
制御用算出部(64)は、第2設定部(62)が出力した最大反転時間RT_mR,RT_mLと、第3設定部(63)が出力した反転用時間割合RC_R,RC_Lとを受信し、移動動作における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の速度が設定速度V_sである場合の減速時間DT_sR,DT_sLと加速時間AT_sR,AT_sLとを算出するように構成されている。
その際、制御用算出部(64)は、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作における減速時間DT_sR及び加速時間AT_sRを、第1反転動作における最大反転時間RT_mR及び反転用時間割合RC_Rを用いて算出する。また、制御用算出部(64)は、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作における減速時間DT_sL及び加速時間AT_sLを、第2反転動作における最大反転時間RT_mL及び反転用時間割合RC_Lを用いて算出する。
また、制御用算出部(64)は、最大電流A_mと基準電流A_rとバイアス電流A_bとを予め記憶している。最大電流A_mは、移動動作中における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度を最大速度V_mとするためにソレノイド(56,57)へ流す必要のある電流である。基準電流A_rは、移動動作中における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度を基準速度V_rとするためにソレノイド(56,57)へ流す必要のある電流である。バイアス電流A_bは、制御弁(50)が遮断状態に切り換わる時点でソレノイド(56,57)を流れている電流であって、制御弁(50)の特性に応じて決まる。
ここでは、制御用算出部(64)が第1反転動作の減速時間DT_sR及び加速時間AT_sRを算出する動作について、説明する。制御用算出部(64)は、設定速度V_sが基準速度V_r以上である場合(即ち、設定電流A_sが基準電流A_r以上である場合)と、設定速度V_sが基準速度V_r未満である場合(即ち、設定電流A_sが基準電流A_r未満である場合)とで、異なる動作を行う。
先ず、設定電流A_sが基準電流A_r以上である場合に制御用算出部(64)が行う動作を、図3(A)を参照しながら説明する。
この場合、制御用算出部(64)は、設定速度V_s(設定電流A_s)に対応する反転時間RT_sRを、最大反転時間RT_mRに基づいて算出する。具体的には、制御用算出部(64)は、設定電流A_sに比例して反転時間RT_sRが小さくなるように定めた下記の式1を用いて、設定速度V_sに対応する反転時間RT_sRを算出する。
(式1)RT_sR = ((A_s-A_b)/(A_m-A_b))・RT_mR
(式1)RT_sR = ((A_s-A_b)/(A_m-A_b))・RT_mR
続いて、制御用算出部(64)は、反転時間RT_sRに反転用時間割合RC_Rを乗じて減速時間DT_sRを算出し(DT_sR= RC_R・RT_sR)、反転時間RT_sRから減速時間DT_sRを減じて加速時間AT_sRを算出する(AT_sR=RT_sR- DT_sR)。
次に、設定電流A_sが基準電流A_r未満である場合に制御用算出部(64)が行う動作を、図3(B)を参照しながら説明する。
この場合、制御用算出部(64)は、設定速度V_s(設定電流A_s)に対応する反転時間RT_sRを、移動動作中のピストン(32)の移動速度が基準速度V_rである場合の反転時間RT_rRに固定する(RT_sR=RT_rR)。続いて、制御用算出部(64)は、反転時間RT_sRに反転用時間割合RC_Rを乗じて減速時間DT_sRを算出し(DT_sR= RC_R・RT_sR)、反転時間RT_sRから減速時間DT_sRを減じて加速時間AT_sRを算出する(AT_sR=RT_sR- DT_sR)。
なお、第2反転動作の反転時間RT_sLと減速時間DT_sLと加速時間AT_sLとは、上記の説明における第1反転動作の最大反転時間RT_mR及び反転用時間割合RC_Rを第2反転動作の最大反転時間RT_mL及び反転用時間割合RC_Lに置き換えれば算出できる。
ここで、図3に示す例では、第1反転動作における最大反転時間RT_mRが第2反転動作における最大反転時間RT_mLと同じ値(RT_mL=RT_mR)であり、第1反転動作における反転用時間割合RC_Rが第2反転動作における反転用時間割合RC_Lと同じ値(RC_L=RC_R)である。また、この例では、第1反転動作における減速時間DT_sRと加速時間AT_sRが等しく(DT_sR=AT_sR)、第2反転動作における減速時間DT_sLと加速時間AT_sLが等しい(DT_sL=AT_sL)。
一方、図4に示す例では、第1反転動作における最大反転時間RT_mRが第2反転動作における最大反転時間RT_mLよりも長く(RT_mL<RT_mR)、第1反転動作における反転用時間割合RC_Rが第2反転動作における反転用時間割合RC_Lよりも小さい(RC_L>RC_R)。
また、この例では、第1反転動作における減速時間DT_sRが加速時間AT_sRよりも短く(DT_sR<AT_sR)、第2反転動作における減速時間DT_sLと加速時間AT_sLが等しい(DT_sL=AT_sL)。
また、この例では、第1反転動作における減速時間DT_sRが加速時間AT_sRよりも短く(DT_sR<AT_sR)、第2反転動作における減速時間DT_sLと加速時間AT_sLが等しい(DT_sL=AT_sL)。
〈弁制御部〉
弁制御部(65)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を往復動させて平面研削盤(10)のテーブル(14)を往復動させるために、制御弁(50)を操作するように構成されている。この弁制御部(65)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を所定の設定速度で移動させる移動動作と、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向を反転させる反転動作とが交互に繰り返し行われるように、制御弁(50)を操作する。
弁制御部(65)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を往復動させて平面研削盤(10)のテーブル(14)を往復動させるために、制御弁(50)を操作するように構成されている。この弁制御部(65)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を所定の設定速度で移動させる移動動作と、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向を反転させる反転動作とが交互に繰り返し行われるように、制御弁(50)を操作する。
移動動作において、弁制御部(65)は、第1ソレノイド(56)又は第2ソレノイド(57)を流れる電流を設定電流A_sに保つ。ソレノイド(56,57)を流れる電流が一定に保たれると、弁体(55)の位置が一定に保持される。その結果、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量が一定に保たれ、ピストン(32)が一定の速度(設定速度V_s)で移動する。
反転動作において、弁制御部(65)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の減速と停止と加速が順に行われるように、制御弁(50)のソレノイド(56,57)へ流す電流を調節する。この弁制御部(65)の動作を、図3を参照しながら説明する。
先ず、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作において、弁制御部(65)は、第1ソレノイド(56)を流れる電流を設定電流A_sから減少させ、第1ソレノイド(56)を流れる電流がゼロになると第2ソレノイド(57)への通電を開始し、その後に第2ソレノイド(57)を流れる電流を設定電流A_sにまで増加させる。
つまり、図3の例において、弁制御部(65)は、時刻t4までは第1ソレノイド(56)を流れる電流を設定電流A_sに保ち、時刻t4から時刻t5にかけて第1ソレノイド(56)を流れる電流を設定電流A_sからバイアス電流A_bにまで次第に減少させ、時刻t5において第1ソレノイド(56)への通電を停止する。このため、時刻t4から時刻t5までの間は、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)の第1液室(36)へ供給される作動流体の流量が次第に減少し、ピストン(32)が減速する。そして、時刻t5には、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)への作動流体の供給が停止し、ピストン(32)が停止する。なお、時刻t5は、時刻t4から減速時間DT_sRが経過した時刻である。
また、弁制御部(65)は、時刻t5において第2ソレノイド(57)への通電を開始し、時刻t5から時刻t6にかけて第2ソレノイド(57)を流れる電流をバイアス電流A_bから設定電流A_sにまで次第に増加させ、時刻t6以降は第2ソレノイド(57)を流れる電流を設定電流A_sに保つ。このため、時刻t5から時刻t6までの間は、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)の第2液室(37)へ供給される作動流体の流量が次第に増加し、ピストン(32)が加速する。そして、時刻t6には、ピストン(32)の左方向への移動速度が設定速度V_sに達する。なお、時刻t6は、時刻t5から加速時間AT_sRが経過した時刻である。
次に、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作において、弁制御部(65)は、第2ソレノイド(57)を流れる電流を設定電流A_sから減少させ、第2ソレノイド(57)を流れる電流がゼロになると第1ソレノイド(56)への通電を開始し、その後に第1ソレノイド(56)を流れる電流を設定電流A_sにまで増加させる。
つまり、図3の例において、弁制御部(65)は、時刻t1までは第2ソレノイド(57)を流れる電流を設定電流A_sに保ち、時刻t1から時刻t2にかけて第2ソレノイド(57)を流れる電流を設定電流A_sからバイアス電流A_bにまで次第に減少させ、時刻t2において第2ソレノイド(57)への通電を停止する。このため、時刻t1から時刻t2までの間は、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)の第2液室(37)へ供給される作動流体の流量が次第に減少し、ピストン(32)が減速する。そして、時刻t2には、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)への作動流体の供給が停止し、ピストン(32)が停止する。なお、時刻t2は、時刻t1から減速時間DT_sLが経過した時刻である。
また、弁制御部(65)は、時刻t2において第1ソレノイド(56)への通電を開始し、時刻t2から時刻t3にかけて第1ソレノイド(56)を流れる電流をバイアス電流A_bから設定電流A_sにまで次第に増加させ、時刻t3以降は第2ソレノイド(57)を流れる電流を設定電流A_sに保つ。このため、時刻t2から時刻t3までの間は、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)の第1液室(36)へ供給される作動流体の流量が次第に増加し、ピストン(32)が加速する。そして、時刻t3には、ピストン(32)の右方向への移動速度が設定速度V_sに達する。なお、時刻t3は、時刻t2から加速時間AT_sLが経過した時刻である。
−実施形態1の効果−
本実施形態の液圧装置(20)おいて、移動動作におけるピストン(32)の設定速度V_sが基準速度V_r以上の場合、反転制御器(60)の制御用算出部(64)は、反転時間RT_sR,RT_sLを設定速度V_sに応じて設定する。このため、設定速度V_sが基準速度V_r以上の場合には、設定速度V_sが遅いほど反転時間RT_sR,RT_sLが短くなるため、ピストン(32)によって駆動されるテーブル(14)の移動方向の反転に起因するショックを抑えつつ、テーブル(14)の往復動に要する時間を短縮することが可能となる。
本実施形態の液圧装置(20)おいて、移動動作におけるピストン(32)の設定速度V_sが基準速度V_r以上の場合、反転制御器(60)の制御用算出部(64)は、反転時間RT_sR,RT_sLを設定速度V_sに応じて設定する。このため、設定速度V_sが基準速度V_r以上の場合には、設定速度V_sが遅いほど反転時間RT_sR,RT_sLが短くなるため、ピストン(32)によって駆動されるテーブル(14)の移動方向の反転に起因するショックを抑えつつ、テーブル(14)の往復動に要する時間を短縮することが可能となる。
また、本実施形態の液圧装置(20)において、移動動作におけるピストン(32)の設定速度V_sが基準速度V_r未満の場合、反転制御器(60)の制御用算出部(64)は、反転時間RT_sR,RT_sLを“設定速度V_sが基準速度V_rと等しいときの反転時間RT_rR,RT_rL”と同じ時間に設定する。従って、ピストン(32)の設定速度V_sがどのような速度であっても、反転時間RT_sR,RT_sLが“設定速度V_sが基準速度V_rと等しいときの反転時間RT_rR,RT_rL”よりも短くなることは無い。このため、ピストン(32)の設定速度V_sが基準速度V_r未満の場合でも、反転時間RT_sR,RT_sLを十分に確保することができ、ピストン(32)によって駆動されるテーブル(14)の移動方向の反転に起因するショックを抑えることが可能となる。
また、本実施形態の液圧装置(20)では、反転用時間割合RC_R,RC_Lが変更可能となっており、この反転用時間割合RC_R,RC_Lを変更することによって、反転時間RT_sR,RT_sLは変化させずに減速時間DT_sR,DT_sLと加速時間AT_sR,AT_sLを変化させることが可能となる。従って、本実施形態によれば、反転時間RT_sR,RT_sLを一定に保ったまま減速時間DT_sR,DT_sLと加速時間AT_sR,AT_sLを調節することが可能となり、減速時間DT_sR,DT_sLと加速時間AT_sR,AT_sLを最適化する作業を簡素化することができる。
ここで、制御弁(50)の特性は、第1状態と第2状態で必ずしも一致しない。また、第1配管(26)と第2配管(27)の長さも、必ず一致するとは限らない。このため、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作と、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作とで、液圧装置(20)の特性が異なることがある。
これに対し、本実施形態の液圧装置(20)では、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作の最大反転時間RT_mR及び反転用時間割合RC_Rと、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作の最大反転時間RT_mL及び反転用時間割合RC_Lとが、個別に設定可能となっている。従って、第1反転動作と第2反転動作のそれぞれにおいて、減速時間DT_sR,DT_sLと加速時間AT_sR,AT_sLの両方を最適値に設定することが可能となる。その結果、ピストン(32)によって駆動されるテーブル(14)の移動方向の反転に起因するショックを抑えつつ、テーブル(14)の往復動に要する時間をできるだけ短縮することが可能となる。
−実施形態1の変形例−
本実施形態の反転制御器(60)の第3設定部(63)は、移動動作における加速時間ATの反転時間RTに対する割合(AT/RT)を、反転用時間割合RCとして設定するように構成されていてもよい(RC=AT/RT)。
本実施形態の反転制御器(60)の第3設定部(63)は、移動動作における加速時間ATの反転時間RTに対する割合(AT/RT)を、反転用時間割合RCとして設定するように構成されていてもよい(RC=AT/RT)。
本変形例において、反転制御器(60)の制御用算出部(64)は、反転時間RT_sRに反転用時間割合RC_Rを乗じて加速時間AT_sRを算出し(AT_sR= RC_R・RT_sR)、反転時間RT_sRから加速時間AT_sRを減じて減速時間DT_sRを算出する(DT_sR=RT_sR-AT_sR)。また、制御用算出部(64)は、反転時間RT_sLに反転用時間割合RC_Lを乗じて加速時間AT_sLを算出し(AT_sL= RC_L・RT_sL)、反転時間RT_sLから加速時間AT_sLを減じて減速時間DT_sLを算出する(DT_sL=RT_sL-AT_sL)。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。ここでは、本実施形態の液圧装置(20)について、実施形態1の液圧装置(20)と異なる点を説明する。
実施形態2について説明する。ここでは、本実施形態の液圧装置(20)について、実施形態1の液圧装置(20)と異なる点を説明する。
−液圧装置−
図5に示すように、本実施形態の液圧装置(20)では、制御弁(50)が省略され、液圧シリンダ(30)が液圧ポンプ(40)に直接に接続されている。
図5に示すように、本実施形態の液圧装置(20)では、制御弁(50)が省略され、液圧シリンダ(30)が液圧ポンプ(40)に直接に接続されている。
本実施形態の液圧ポンプ(40)は、可逆回転形のピストンポンプである。この液圧ポンプ(40)は、第1ポート(43)と第2ポート(44)とを備えている。第1ポート(43)は、第1配管(26)を介して液圧シリンダ(30)の第1液室(36)に接続される。第2ポート(44)は、第2配管(27)を介して液圧シリンダ(30)の第2液室(37)に接続される。また、液圧ポンプ(40)は、正方向へ回転すると作動流体を第2ポート(44)から吸い込んで第1ポート(43)から吐出する第1状態となり、逆方向へ回転すると作動流体を第1ポート(43)から吸い込んで第2ポート(44)から吐出する第2状態となる。
本実施形態の液圧ポンプ(40)には、可変速モータ(46)が連結されている。この可変速モータ(46)は、その回転速度を変更可能に構成されると共に、その回転方向を反転可能に構成されている。液圧ポンプ(40)の回転速度は、可変速モータ(46)の回転速度と一致する。従って、可変速モータ(46)の回転速度を変更すると、液圧ポンプ(40)の回転速度が変化し、その結果、液圧ポンプ(40)から吐出される作動流体の流量が変化する。また、可変速モータ(46)の回転方向を変更すると、液圧ポンプ(40)の回転方向が変化し、その結果、液圧ポンプ(40)が第1状態と第2状態に相互に切り換わる。
本実施形態の液圧装置(20)において、作動流体を貯留するタンク(25)は、第1パイロットチェック弁(28)を介して第1配管(26)に接続されると共に、第2パイロットチェック弁(29)を介して第2配管(27)に接続される。また、第1パイロットチェック弁(28)のパイロットポートは第2配管(27)に接続され、第2パイロットチェック弁(29)のパイロットポートは第1配管(26)に接続される。
ここで、作動流体には僅かに圧縮性があるため、液圧シリンダ(30)への作動流体の流入量と、液圧シリンダ(30)からの作動流体の流出量とは完全には一致しない。パイロットチェック弁は、このような液圧シリンダ(30)に対する作動流体の流入量と流出量の僅かな差を吸収するために使用される。
第1パイロットチェック弁(28)は、タンク(25)から第1配管(26)へ向かう作動流体の流通を許容し、逆方向への作動流体の流通を遮断する。また、液圧ポンプ(40)が第2ポート(44)から作動流体を吐出する状態(第2状態)では、第2配管(27)が高圧側となり、第2配管(27)の作動流体の圧力が第1パイロットチェック弁(28)のパイロットポートへ導入される。その結果、第1パイロットチェック弁(28)が開き、第1配管(26)がタンク(25)と連通し、第1配管(26)の作動流体の圧力がタンク(25)に開放される。
第2パイロットチェック弁(29)は、タンク(25)から第2配管(27)へ向かう作動流体の流通を許容し、逆方向への作動流体の流通を遮断する。また、液圧ポンプ(40)が第1ポート(43)から作動流体を吐出する状態(第1状態)では、第1配管(26)が高圧側となり、第1配管(26)の作動流体の圧力が第2パイロットチェック弁(29)のパイロットポートへ導入される。その結果、第2パイロットチェック弁(29)が開き、第2配管(27)がタンク(25)と連通し、第2配管(27)の作動流体の圧力がタンク(25)に開放される。
本実施形態の液圧装置(20)の動作を説明する。
可変速モータ(46)が液圧ポンプ(40)を正方向へ回転駆動すると、液圧ポンプ(40)が第1状態となる。その結果、液圧シリンダ(30)では、第2液室(37)から作動流体が排出されると同時に第1液室(36)へ作動流体が供給され、ピストン(32)が右方向へ移動する。また、液圧ポンプ(40)の回転速度を変更すると、液圧シリンダ(30)では、第1液室(36)へ供給される作動流体の流量と第2液室(37)から排出される作動流体の流量が変化し、ピストン(32)の右方向への移動速度が変化する。
一方、可変速モータ(46)が液圧ポンプ(40)を逆方向へ回転駆動すると、液圧ポンプ(40)が第2状態となる。その結果、液圧シリンダ(30)では、第1液室(36)から作動流体が排出されると同時に第2液室(37)へ作動流体が供給され、ピストン(32)が左方向へ移動する。また、液圧ポンプ(40)の回転速度を変更すると、液圧シリンダ(30)では、第2液室(37)へ供給される作動流体の流量と第1液室(36)から排出される作動流体の流量が変化し、ピストン(32)の左方向への移動速度が変化する。
−反転制御器−
本実施形態の反転制御器(60)は、制御用算出部(64)の構成が実施形態1と異なっている。また、本実施形態の反転制御器(60)は、弁制御部(65)に代えてモータ制御部(66)を備えている。
本実施形態の反転制御器(60)は、制御用算出部(64)の構成が実施形態1と異なっている。また、本実施形態の反転制御器(60)は、弁制御部(65)に代えてモータ制御部(66)を備えている。
〈制御用算出部〉
本実施形態の制御用算出部(64)は、第1設定部(61)が出力した設定速度V_sを受信し、この設定速度V_sから設定回転速度R_sを算出するように構成されている。
本実施形態の制御用算出部(64)は、第1設定部(61)が出力した設定速度V_sを受信し、この設定速度V_sから設定回転速度R_sを算出するように構成されている。
上述したように、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度は、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量に応じて変化する。また、液圧ポンプ(40)から液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量は、液圧ポンプ(40)の回転速度に応じて変化する。そこで、制御用算出部(64)は、移動動作中におけるピストン(32)の移動速度が設定速度V_sとなるときの液圧ポンプ(40)の回転速度を算出し、その値を設定回転速度R_sとする。制御用算出部(64)は、算出した設定回転速度R_sをモータ制御部(66)へ出力する。
また、本実施形態の制御用算出部(64)は、最大回転速度R_mと基準回転速度R_rとを予め記憶している。最大回転速度R_mは、移動動作中における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度が最大速度V_mとなるときの液圧ポンプ(40)の回転速度である。基準回転速度R_rは、移動動作中における液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動速度が基準速度V_rとなるときの液圧ポンプ(40)の回転速度である。
本実施形態の制御用算出部(64)が第1反転動作の減速時間DT_sR及び加速時間AT_sRを算出する動作について、説明する。制御用算出部(64)は、設定速度V_sが基準速度V_r以上である場合(即ち、設定回転速度R_sが基準回転速度R_r以上である場合)と、設定速度V_sが基準速度V_r未満である場合(即ち、設定回転速度R_sが基準回転速度R_r未満である場合)とで、異なる動作を行う。
先ず、設定回転速度R_sが基準回転速度R_r以上である場合に制御用算出部(64)が行う動作を、図6(A)を参照しながら説明する。
この場合、制御用算出部(64)は、設定速度V_s(設定回転速度R_s)に対応する反転時間RT_sRを、最大反転時間RT_mRに基づいて算出する。具体的には、制御用算出部(64)は、設定回転速度R_sに比例して反転時間RT_sRが小さくなるように定めた下記の式2を用いて、設定速度V_sに対応する反転時間RT_sRを算出する。
(式2)RT_sR = (R_s/R_m)・RT_mR
(式2)RT_sR = (R_s/R_m)・RT_mR
続いて、制御用算出部(64)は、反転時間RT_sRに反転用時間割合RC_Rを乗じて減速時間DT_sRを算出し(DT_sR= RC_R・RT_sR)、反転時間RT_sRから減速時間DT_sRを減じて加速時間AT_sRを算出する(AT_sR=RT_sR- DT_sR)。
次に、設定回転速度R_sが基準回転速度R_r未満である場合に制御用算出部(64)が行う動作を、図6(B)を参照しながら説明する。
この場合、制御用算出部(64)は、設定速度V_s(設定回転速度R_s)に対応する反転時間RT_sRを、移動動作中のピストン(32)の移動速度が基準速度V_rである場合の反転時間RT_rRに固定する(RT_sR=RT_rR)。続いて、制御用算出部(64)は、反転時間RT_sRに反転用時間割合RC_Rを乗じて減速時間DT_sRを算出し(DT_sR= RC_R・RT_sR)、反転時間RT_sRから減速時間DT_sRを減じて加速時間AT_sRを算出する(AT_sR=RT_sR- DT_sR)。
なお、第2反転動作の反転時間RT_sLと減速時間DT_sLと加速時間AT_sLとは、上記の説明における第1反転動作の最大反転時間RT_mR及び反転用時間割合RC_Rを第2反転動作の最大反転時間RT_mL及び反転用時間割合RC_Lに置き換えれば算出できる。
〈モータ制御部〉
モータ制御部(66)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を往復動させて平面研削盤(10)のテーブル(14)を往復動させるために、液圧ポンプ(40)の回転速度と回転方向を制御するように構成されている。このモータ制御部(66)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を所定の設定速度で移動させる移動動作と、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向を反転させる反転動作とが交互に繰り返し行われるように、液圧ポンプ(40)を駆動する可変速モータ(46)の回転速度と回転方向を制御する。
モータ制御部(66)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を往復動させて平面研削盤(10)のテーブル(14)を往復動させるために、液圧ポンプ(40)の回転速度と回転方向を制御するように構成されている。このモータ制御部(66)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)を所定の設定速度で移動させる移動動作と、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の移動方向を反転させる反転動作とが交互に繰り返し行われるように、液圧ポンプ(40)を駆動する可変速モータ(46)の回転速度と回転方向を制御する。
移動動作において、モータ制御部(66)は、可変速モータ(46)の回転速度を設定回転速度R_sに保つ。可変速モータ(46)の回転速度が一定に保たれると、液圧ポンプ(40)を通過する作動流体の流量が一定に保持される。その結果、液圧シリンダ(30)の第1液室(36)と第2液室(37)の一方から他方へ移動する作動流体の流量が一定に保たれ、ピストン(32)が一定の速度(設定速度V_s)で移動する。
反転動作において、モータ制御部(66)は、液圧シリンダ(30)のピストン(32)の減速と停止と加速が順に行われるように、液圧ポンプ(40)を駆動する可変速モータ(46)の回転速度と回転方向を制御する。このモータ制御部(66)の動作を、図6を参照しながら説明する。
先ず、ピストン(32)の移動方向を右から左に反転させる第1反転動作において、モータ制御部(66)は、可変速モータ(46)の正方向の回転速度を設定回転速度R_sから低下させ、可変速モータ(46)が停止すると可変速モータ(46)の回転方向を反転させ、その後に可変速モータ(46)の逆方向の回転速度を設定回転速度R_sにまで上昇させる。
つまり、図6の例において、モータ制御部(66)は、時刻t4までは可変速モータ(46)の正方向の回転速度を設定回転速度R_sに保ち、時刻t4から時刻t5にかけて可変速モータ(46)の正方向の回転速度を設定回転速度R_sからゼロにまで次第に減少させ、時刻t5において可変速モータ(46)を停止させる。このため、時刻t4から時刻t5までの間は、液圧シリンダ(30)の第2液室(37)から第1液室(36)へ移動する作動流体の流量が次第に減少し、ピストン(32)が減速する。そして、時刻t5には、液圧ポンプ(40)が停止し、ピストン(32)が停止する。なお、時刻t5は、時刻t4から減速時間DT_sRが経過した時刻である。
また、モータ制御部(66)は、時刻t5において可変速モータ(46)の逆方向への回転を開始し、時刻t5から時刻t6にかけて可変速モータ(46)の逆方向への回転速度をゼロから設定回転速度R_sにまで次第に増加させ、時刻t6以降は可変速モータ(46)の逆方向への回転速度を設定回転速度R_sに保つ。このため、時刻t5から時刻t6までの間は、液圧シリンダ(30)の第1液室(36)から第2液室(37)へ異動する作動流体の流量が次第に増加し、ピストン(32)が加速する。そして、時刻t6には、ピストン(32)の左方向への移動速度が設定速度V_sに達する。なお、時刻t6は、時刻t5から加速時間AT_sRが経過した時刻である。
次に、ピストン(32)の移動方向を左から右に反転させる第2反転動作において、モータ制御部(66)は、可変速モータ(46)の逆方向の回転速度を設定回転速度R_sから減少させ、可変速モータ(46)が停止すると可変速モータ(46)の回転方向を反転させ、その後に可変速モータ(46)の正方向の回転速度を設定回転速度R_sにまで上昇させる。
つまり、図6の例において、モータ制御部(66)は、時刻t1までは可変速モータ(46)の逆方向の回転速度を設定回転速度R_sに保ち、時刻t1から時刻t2にかけて可変速モータ(46)の逆方向の回転速度を設定回転速度R_sからゼロにまで次第に減少させ、時刻t2において可変速モータ(46)を停止させる。このため、時刻t1から時刻t2までの間は、液圧シリンダ(30)の第1液室(36)から第2液室(37)へ移動する作動流体の流量が次第に減少し、ピストン(32)が減速する。そして、時刻t2には、液圧ポンプ(40)が停止し、ピストン(32)が停止する。なお、時刻t2は、時刻t1から減速時間DT_sLが経過した時刻である。
また、モータ制御部(66)は、時刻t2において可変速モータ(46)の正方向への回転を開始し、時刻t2から時刻t3にかけて可変速モータ(46)の正方向への回転速度をゼロから設定回転速度R_sにまで次第に増加させ、時刻t3以降は可変速モータ(46)の正方向への回転速度を設定回転速度R_sに保つ。このため、時刻t2から時刻t3までの間は、液圧シリンダ(30)の第2液室(37)から第1液室(36)へ異動する作動流体の流量が次第に増加し、ピストン(32)が加速する。そして、時刻t3には、ピストン(32)の右方向への移動速度が設定速度V_sに達する。なお、時刻t3は、時刻t2から加速時間AT_sLが経過した時刻である。
以上説明したように、本発明は、液圧シリンダのピストンを往復動させる液圧装置について有用である。
20 液圧装置
30 液圧シリンダ
32 ピストン
40 液圧ポンプ
50 制御弁
60 反転制御器
30 液圧シリンダ
32 ピストン
40 液圧ポンプ
50 制御弁
60 反転制御器
Claims (7)
- 複動型の液圧シリンダ(30)と、該液圧シリンダ(30)に接続される液圧ポンプ(40)とを備え、
上記液圧シリンダ(30)のピストン(32)を所定の設定速度で移動させる移動動作と、上記ピストン(32)の減速と停止と加速とを順に行って該ピストン(32)の移動方向を反転させる反転動作とを交互に繰り返すことによって、上記ピストン(32)を往復動させるように構成されると共に、
上記移動動作における上記設定速度を変更可能に構成されている液圧装置であって、
上記反転動作における上記ピストン(32)の減速開始から加速終了までに要する時間である反転時間を、上記設定速度が所定の基準速度以上の場合は上記設定速度が遅いほど上記反転時間が短くなるように上記設定速度に応じて設定し、上記設定速度が上記基準速度未満の場合は上記設定速度が上記基準速度と等しいときの反転時間と同じ時間に設定するように構成された反転制御器(60)を備えている
ことを特徴とする液圧装置。 - 請求項1において、
上記反転制御器(60)は、上記反転動作における上記ピストン(32)の減速開始から停止までに要する時間である減速時間、又は上記反転動作における上記ピストン(32)の停止から加速終了までに要する時間である加速時間の、上記反転時間に対する割合である反転用時間割合を変更可能に構成されている
ことを特徴とする液圧装置。 - 請求項2において、
上記反転制御器(60)は、上記ピストン(32)の移動方向を右方向から左方向へ反転させる上記反転動作における上記反転用時間割合と、上記ピストン(32)の移動方向を左方向から右方向へ反転させる上記反転動作における上記反転用時間割合とを、個別に設定可能に構成されている
ことを特徴とする液圧装置。 - 請求項2又は3において、
上記反転制御器(60)は、上記設定速度が調節範囲の上限値となっている場合の上記反転時間である最大反転時間を変更可能に構成されている
ことを特徴とする液圧装置。 - 請求項4において、
上記反転制御器(60)は、上記ピストン(32)の移動方向を右方向から左方向へ反転させる上記反転動作における上記最大反転時間と、上記ピストン(32)の移動方向を左方向から右方向へ反転させる上記反転動作における上記最大反転時間とを、個別に設定可能に構成されている
ことを特徴とする液圧装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
上記液圧ポンプ(40)から上記液圧シリンダ(30)へ供給される作動流体の流量と上記液圧シリンダ(30)に対する作動流体の供給位置とを変更するための制御弁(50)を備える一方、
上記反転制御器(60)は、上記移動動作と上記反転動作とが交互に繰り返し行われるように上記制御弁(50)を操作するように構成されている
ことを特徴とする液圧装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
上記液圧ポンプ(40)は、可逆回転形のポンプであり、
上記反転制御器(60)は、上記移動動作と上記反転動作とが交互に繰り返し行われるように、上記液圧ポンプ(40)の回転方向と回転速度を制御するように構成されている
ことを特徴とする液圧装置。
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- 2015-01-20 JP JP2015008323A patent/JP6041003B2/ja active Active
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