JP2016132794A - 基材搬送処理装置 - Google Patents

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博史 酒井
誠樹 森
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Abstract

【課題】複数列で走行する基材に生じる張力の乱れを抑え、基材搬送位置を安定させて、安定した基材処理を行う搬送装置の提供。
【解決手段】互いに対向して配置され、基材2が複数回架け渡され、複数の基材2が走行する基材並走部を形成する主ロール部と副ロール部とを有しており、主ロール部及び副ロール部は、基材並走部の基材2に応じた複数の個別主ロール51a及び個別副ロール52aを有し、複数の個別主ロール51aは、回転軸の方向が全て同一であり、各々が独立して回転可能であり、駆動装置からの駆動力は伝達されずに自由に回転する個別主ロール51aを少なくとも一つ含み、複数の個別副ロール52aは、回転軸58が主ロール部の回転軸53の方向に対して傾斜して配置され、各々が独立して回転可能であり、複数段に配列され、基材2が搬送される順番において隣り合う順番にある個別副ロール52a同士は異なる段に配置されている基材搬送処理装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、いわゆるロールトゥロールにより搬送される薄板長尺体の基材上に所定の処理を行う基材搬送処理装置に関するものである。
基材上に所定の処理を行う基材処理装置として、例えば、基材上に薄膜を形成する製膜装置(基材処理装置)では、スパッタやCVD法などによりチャンバ内で枚葉の基材を固定した状態で基材上に薄膜を形成するものが知られており、このような製膜装置により、例えば太陽電池モジュール、有機EL等が形成されている。
最近では、基材を無駄なく使用できること、製膜処理速度が各製膜チャンバでの製膜レートに依存しないというメリットが得られることから、ロールトゥロールタイプの搬送製膜装置(基材搬送処理装置)が開発されている。このロールトゥロールタイプの搬送製膜装置は、例えば図10に示すように、送出ロールBと、巻取ロールCと、複数の製膜処理部Dとを備えており、送出ロールBに巻回された基材Aが複数の製膜処理部Dを通過することにより基材A上に所定の薄膜が順次製膜される。そして、最終的に巻取ロールCに巻き取られることにより、すべての製膜処理が完了した製膜基材Aが巻回された状態で形成されるようになっている。
この製膜処理部Dは、製膜処理が行われるチャンバD1と、このチャンバD1内に配置されるロール部D2とを有している。このロール部D2は、図11に示すように、円筒形状の主ロール部Fと副ロール部Gとを有している。主ロール部Fは、その回転軸f(主ロール軸)が基材Aの搬送方向に対して略垂直に配置されており、副ロール部Gは、その回転軸g(副ロール軸)が主ロール部Fの回転軸fに対してねじれの関係になる所定角度に傾斜させて配置されており、例えばネルソンロールとして構成されている。すなわち、副ロール軸方向に延びる円筒形状の副ロール部Gは、その全体が所定角度傾斜させた状態で、主ロール部F及び副ロール部Gの外周面がそれぞれ対向するように配置されている。
この主ロール部Fと副ロール部Gに、基材Aが複数回交互に架け渡されることにより、主ロール部Fと副ロール部Gとの間を基材Aが所定間隔で複数列走行するようになっている。そして、基材Aが複数列走行する部分(基材並走部)には、製膜材料供給部Hが対向して配置されており、この製膜材料供給部Hから原料ガスが供給されることにより、基材A上に所定厚さの薄膜が形成されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。そして、製膜材料供給部Hに備えられた熱源(不図示)と主ロール部Fと副ロール部Gとの間に設置される熱源(不図示)とによって原料ガスと基材Aとが熱せられることにより、所定の製膜温度下で製膜できるようになっている。
特開2013−139621号公報
しかし、上記製膜搬送装置では、製膜処理が安定しないという問題があった。すなわち、製膜材料供給部Hに備えられた熱源及び主ロール部Fと副ロール部Gとの間に設置される熱源の影響を受けることにより、基材並走部の基材Aの熱膨張に伴って、それぞれの基材Aの周長が不規則に変化してそれぞれの基材Aの張力が異なることにより、製膜処理が安定しないという問題があった。すなわち、基材Aの張力が異なると、基材並走部における基材Aの走行位置が次第にずれることにより、基材並走部を走行する基材Aと製膜材料供給部Hとの対向位置関係が次第にずれてしまい、基材Aに形成される薄膜の厚みに影響が出る問題が生じる虞がある。さらに、基材Aのずれが大きい場合には、基材並走部における隣りの基材Aに接触するという問題もある。
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、ロールトゥロールを用いた基材搬送処理装置において、基材を処理するチャンバ内に対向して配置されるロール間を複数列で走行する基材それぞれに生じる張力の乱れを抑えることができ、基材搬送位置を安定させて、安定した基材処理を行うことができる基材搬送処理装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明の基材搬送処理装置は、薄板長尺体の基材を送出ロール部から巻取ロール部に基材処理部を通過させて連続的に搬送し、前記基材処理部により搬送中の基材に所定の処理を行って、基材の表面を処理する基材搬送処理装置であって、前記基材処理部は、互いに対向して配置され、前記基材が複数回架け渡されることにより複数の基材が走行する基材並走部を形成する主ロール部と副ロール部とを有しており、前記主ロール部および前記副ロール部は、前記基材並走部の基材に応じた複数の個別主ロールおよび個別副ロールを有し、複数の前記個別主ロールは、回転軸の方向が全て同一であり、かつそれぞれが独立して回転可能であって、駆動装置からの駆動力は伝達されずに自由に回転する前記個別主ロールを少なくとも一つ含み、複数の前記個別副ロールは、回転軸が前記主ロール部の回転軸の方向に対して傾斜して配置され、かつそれぞれが独立して回転可能であり、複数段に配列され、基材が搬送される順番において隣り合う順番にある前記個別副ロール同士は異なる段に配置されていることを特徴としている。
上記基材搬送処理装置によれば、主ロール部と副ロール部との間に架け渡される複数の基材の間で張力の差を少なくし、安定した基材処理を行うことができる。具体的には、複数の個別主ロールは、駆動装置に接続されずに自由に回転する個別主ロールを含み、また、それぞれが独立して回転可能であることから、駆動装置に接続されない個別主ロールは駆動装置に接続された個別主ロールの回転に影響されず、その個別主ロールに巻回された基材の張力に応じた回転速度で回転することが可能であるため、基材並走部を構成する複数列の基材の張力を平準化することが容易である。また、副ロールは複数段に配列され、基材が搬送される順番において隣り合う順番にある前個別副ロール同士は異なる段に配置されていることにより、各個別副ロールの両側方にスペースを確保することができるため、個別副ロールの傾きの調節などを容易に行うことができる。
また、複数の前記個別主ロールは複数段に配列され、基材が搬送される順番において隣り合う順番にある前記個別主ロール同士は異なる段に配置されていても良い。
この構成によれば、個別主ロールの両側方にもスペースを確保することができ、個別主ロールのメンテナンスも容易に行うことができる。
また、複数の前記個別主ロールと複数の前記個別副ロールは同一の径を有していても良い。
この構成によれば、基材に対する抱き角を容易に均一にすることができ、基材並走部を構成する複数列の基材のピッチを容易に均一にすることができる。
また、駆動装置から駆動力が伝達される前記個別主ロールの近傍には、基材にかかる張力を測定する張力測定手段が設けられている構成としても良い。
この構成によれば、張力測定手段による測定結果を個別主ロールの回転制御に反映させることにより、この個別主ロールに架け渡された基材をはじめ、基材並走部を構成する複数列の基材全体の張力を正確に制御できる。
また、駆動装置からの駆動力は伝達されずに自由に回転する前記個別主ロールは、クラウン形状を有する構成としても良い。
この構成によれば、基材と個別主ロールとの接触位置は個別主ロールの径が最も大きい部分に規制されるため、基材の走行位置を正確に制御することができる。
また、前記個別副ロールは、クラウン形状を有する構成としても良い。
この構成によれば、基材と個別副ロールとの接触位置は個別副ロールの径が最も大きい部分に規制されるため、基材の走行位置を正確に制御することができる。
本発明の基材搬送処理装置によれば、ロールトゥロールを用いた基材搬送処理装置において、複数列で走行するそれぞれの基材に生じる張力の乱れを抑えることができ、基材搬送位置を安定させて、安定した基材処理を行うことができる。
本発明の一実施形態における搬送製膜装置(基材搬送処理装置)を示す図である。 上記搬送製膜装置(基材搬送処理装置)の製膜処理部を拡大した図である。 製膜用ロールの概略図であり、図2におけるa方向から見た図である。 製膜用ロールの概略図であり、図2におけるb方向から見た図である。 第2の実施形態における個別主ロールの概略図である。 第3の実施形態における製膜用ロールの概略図である。 第4の実施形態における製膜用ロールの概略図である。 第5の実施形態における製膜用ロールの概略図である。 (a)は、太陽電池モジュールを示す図であり、(b)は太陽電池セルを示す図である。 従来の搬送製膜装置を示す図である。 従来のネルソンロールを示す図である。
次に、本発明の搬送製膜装置の実施の形態について説明する。ここで、図1は、本実施形態における基材搬送処理装置全体を示す概略図であり、図2は、基材処理部の主要構成を示す図である。なお、本実施形態では、基材搬送処理装置として基材に製膜処理を行う搬送製膜装置を例に説明する。そして、搬送製膜装置の対象として、太陽電池セルの製膜形成に適用した場合を一例として説明する。
図1及び図2に示すように、搬送製膜装置(基材処理装置)は、送出ロール部10と、巻取ロール部20と、製膜処理部(基材処理部)30とを有しており、送出ロール部10に巻回された基材2が製膜処理部30を通過することにより基材2上に太陽電池セル4を形成する表面処理が行われ(製膜処理が行われ)、巻取ロール部20に巻き取られることにより、ロール状の太陽電池セル母材4’が形成される。すなわち、送出ロール部10から巻取ロール部20に基材2が連続的に搬送される、いわゆるロールトゥロールにより、基材2上に太陽電池に必要な薄膜が積層されて太陽電池セル母材4’が形成される。この太陽電池セル母材4’は、後工程である切断工程により、図9(b)に示す短冊状の太陽電池セル4が形成され、さらに接合工程などを経ることにより、太陽電池セル4同士が短手方向に配列して接合された太陽電池モジュール1が形成される(図9(a))。
なお、本実施形態では、送出ロール部10側を上流側とし、基材2が処理される後工程側、すなわち、巻取ロール部20側を下流側として説明を進めることにする。また、本説明では、送出ロール部10から巻取ロール部20へ向かう方向をX軸方向、水平面上でX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向およびY軸方向と直交する方向、すなわち鉛直方向をZ軸方向と呼ぶ。
送出ロール部10は、基材2を下流側に供給するためのものである。送出ロール部10は、基材2を巻き付ける送出ロール11を有しており、この送出ロール11を駆動制御することにより基材2を送り出すことができるようになっている。すなわち、図示しない制御装置により送出ロール11の回転が制御されることにより、基材2の送出量を増加及び減少させることができる。具体的には、基材2が下流側から引張力を受けた状態で送出ロール11を回転させることにより基材2が下流側に送り出され、適宜、送出ロール11にブレーキをかけることにより基材2が撓むことなく一定速度で送り出されるようになっている。
ここで、基材2は、薄板の長尺体であり、たとえば、厚み0.01mm〜0.2mm、幅5mm〜50mmの平板形状を有する長尺体が適用される。また、材質として、特に限定しないが、ステンレス、銅等が好適に用いられる。
巻取ロール部20は、供給された基材2を巻き取るものである。巻取ロール部20は、送出ロール部10と同様に、巻取ロール21を有しており、この巻取ロール21を駆動制御することにより基材2を巻き取ることができるようになっている。すなわち、図示しない制御装置により巻取ロール21の回転が制御されることにより、基材2の巻取量を増加及び減少させることができる。具体的には、巻取ロール21の回転が調節されることにより、送り出された基材2が撓むのを抑えつつ、逆に基材2が必要以上の張力がかからないように巻き取られるようになっている。そして、本実施形態では、送出ロール部10を出た基材2が一定速度で搬送され、巻取ロール部20に巻き取られるように駆動制御されている。なお、これら送出ロール部10と巻取ロール部20は、真空環境を形成するチャンバー(破線で示す)内に配置されている。
製膜処理部(基材処理部)30は、基材2上に太陽電池に必要な薄膜を形成する(製膜する)ためのものであり、本実施形態では、複数の製膜処理部30が設けられている。具体的には、送出ロール部10と巻取ロール部20との間に複数の製膜処理部30が直線的に配置されており、送出ロール部10から送り出された基材2が各製膜処理部30を走行して通過することにより基材2上に順次薄膜が形成される。すなわち、基材2側から下部電極層3a、光電変換層3b、上部電極層3c等の薄膜がこの順に製膜され、太陽電池セル母材4’が形成される(図9(b)参照)。
これら製膜処理部30は、CVD、スパッタ、または蒸着装置などで構成されており、図2に示すように、チャンバー31と、このチャンバー31に収容される製膜用ロール(基材処理用ロール)5と材料供給部6とを有している。チャンバー31は、その内部を真空環境に保つものである。そして、真空環境に保たれたチャンバー31内に材料供給部6から特定の原料(薄膜を形成する材料、ガス等。以下、「原料」と呼ぶ。)が供給されることにより基材2上に所定の薄膜が形成される。チャンバー31には、入口部31aと出口部31bが形成されており、上流側から搬送される基材2が入口部31aからチャンバー31内に供給され、チャンバー31内で製膜処理された後、出口部31bを通じて下流側に搬送される。これら入口部31aと出口部31bとは、基材2が通過可能にシールされており、基材2が搬送により走行した場合でも、各チャンバー31は各薄膜を形成するのに適切な真空度に保たれるようになっている。
材料供給部6は、基材2上に薄膜を形成するための材料を供給するためのものである。材料供給部6は、薄膜の原料を噴出する噴出部(不図示)を有している。そして、噴出部から噴出した原料が基材2上に堆積することにより所定の薄膜が形成される。この材料供給部6は、噴出部が基材並走部2aと対向した状態で設けられている。具体的には、図2の例では、主ロール部51と副ロール部52との間に配置されており、材料供給部6の噴出部が主ロール部51と副ロール部52との間に形成される基材並走部2aと対向する状態で設けられている。すなわち、基材並走部2aを形成する複数列の基材2に対して材料供給部6が基材2の配列方向にわたって共通に設けられている。これにより、原料が基材2上に堆積することにより所定の薄膜が形成される。そして、基材2が主ロール部51と副ロール部52との間を複数回走行することにより、基材2上に複数の薄膜が積層されるようになっている。このとき、基材並走部2aを形成する複数列の基材2に同じ原料からなる薄膜を形成させ続けることにより、同じ原料の層が重なった厚膜を形成することができ、また、異なる原料を供給する材料供給部6を基材並走部2aを形成する複数列の基材2の配列方向に沿って配列することにより、図9(b)に示すような複数種の薄膜を基材2に形成させることができる。
製膜用ロール5は、基材2が複数列並んだ状態の基材並走部2aを形成するためのものである。ここで、図3、図4は、製膜用ロール5の概略図であり、図3は、図2におけるa方向から見た図であり、図4は、図2におけるb方向から見た図である。製膜用ロール5は、主ロール部51と副ロール部52とを有しており、これらが所定の距離をおいて対向して配置されている。そして、この主ロール部51及び副ロール部52に基材2が交互に架け渡され、1本の基材2が軸方向に所定間隔をおいて複数列並んだ状態の基材並走部2aを形成して走行している。
主ロール部51は、入口部31aから搬送される基材2の搬送方向に対して直交する状態で配置されるロールである複数の個別主ロール51aの集合体である。この複数の個別主ロール51aは、それぞれ個別に回転軸(主ロール軸53)を有し、それぞれの個別主ロール51aが独立して回転可能である。また、個別主ロール51aは、それぞれの主ロール軸53の延びる方向が全て同一であり、かつ配列方向がこの主ロール軸53の延びる方向となるように配列されており、上流側の入口部31aから搬送される基材2の搬送方向と直交する状態で配置されている。また、個別主ロール51aは、配列方向にほぼ等間隔に配置されている。
これら複数の個別主ロール51aは、駆動装置に接続されて駆動装置54から駆動力が伝達され回転が制御される個別主ロール51aと、駆動装置に接続されず、駆動装置からの駆動力は伝達されずに自由に回転する個別主ロール51aとを含んでいる。すなわち、一部の個別主ロール51a(図3でハッチングで示した個別主ロール51a)には、サーボモータなどの駆動装置54が連結されており、この駆動装置54を駆動制御することにより主ロール軸53を軸回りに回転及び停止できるようになっている。これに対し、その他の駆動装置54が連結されていない個別主ロール51aは自由に回転することが可能なように主ロール軸53が支持されており、個別主ロール51aに架け渡された基材2との摩擦力などにより従動回転する。
また、各個別主ロール51aは、略円筒形状を有しており、主ロール軸53の軸方向に延びる外周面55を有している。そして、この外周面55に沿って基材2が搬送される。すなわち、搬送された基材2が個別主ロール51aの外周面55に沿って走行した後、後述する個別副ロール52aを経て、隣接する個別主ロール51aの外周面55に沿って走行するというように、それぞれの個別主ロール51aの外周面55に一度ずつ基材2が巻回されて走行する。そして、主ロール部51と副ロール部52とに基材2が交互に架け渡されることにより、主ロール部51と副ロール部52との間には、基材2が主ロール軸53の軸方向に所定間隔で並んだ基材並走部2aが形成される。すなわち、駆動装置54に連結された個別主ロール51aが回転すると、各個別主ロール部51aの外周面55に沿う基材2に張力が掛かり、1本の基材2が主ロール軸53の軸方向に複数列並んだ状態で走行するようになっている。なお、本実施形態では、駆動装置54に連結された個別主ロール51aの近傍には張力計56(張力測定手段)が設けられており、この個別主ロール51aの近傍における基材2にかかる張力を測定する。
なお、基材並走部2aにおける基材2の走行方向は、主ロール軸53の軸方向に直交する方向である。図3では、主ロール軸53に対して一定角度を有しているが、実際は直交方向に走行し、副ロール部52付近で副ロール部52の外周面に沿ってねじれるように走行している。したがって、基材並走部2aの走行方向とは、主ロール軸53および後述する副ロール軸58に対して直交する方向である。
また、本実施形態では、主ロール部51と副ロール部52とは、同じ高さ位置に設定されており、それぞれの径も同一に設定されているため、基材2は、主ロール部51の外周面55のほぼ半分と接触して走行する。
副ロール部52は、主ロール部51に対向して配置されるロールである。副ロール部52は、複数の個別副ロール52aを有しており、図3の例では5つの個別副ロール52aを有し、これら5つの個別副ロールは、独立してそれぞれの回転軸57を中心に従動回転する。
これらの個別副ロール52aには基材2が巻回されている。すなわち、個別主ロール51aから搬送された基材2が個別副ロール52aに巻かれ、個別主ロール51aを経た後、隣接する個別副ロール52aに巻かれるというように基材2が個別主ロール51aと個別副ロール52aとに交互に架け渡されている。したがって、駆動装置54と連結された個別主ロール51aを駆動させると、入口部31aから搬送された基材2は、個別主ロール51a及び個別副ロール52aを交互に走行し、出口部31bから搬出されるようになっている。
また、個別主ロール51aと個別副ロール52aとによって基材並走部2aが形成されている。この基材並走部2aは、複数本の基材2が並走する部分であり、個別主ロール51aと個別副ロール52aの間に形成される。この基材並走部2aに材料供給部6を対向させることにより、各基材2に複数層の薄膜を形成することができる。すなわち、入口部31aから搬送してきた基材2が基材並走部2aを走行することにより、原料ガスが基材2上に1層目を形成する。その後、隣接する個別主ロール51aおよび隣接する個別副ロール52aへ移り再度基材並走部2aを走行することにより1層目の上に2層目を形成する。このように基材並走部2aを複数回走行することにより、基材2上には走行回数に応じた複数の薄膜が積層される。
また、各個別副ロール52aは、主ロール軸53に対して所定の傾きを有する状態で支持されている。具体的には、各個別副ロール52aが主ロール軸53に対して所定角度を有するように図示しないホルダにより支持されており、本実施形態では、図4に示すように、個別副ロール52aは、その回転軸57が図4の方向から見て主ロール軸53に対して角度αを有するように配置されており、すべての個別副ロール52aは、主ロール軸53に対して一定の角度αを有する状態で配置されている。すなわち、主ロール軸53と個別副ロール52aの回転軸57とがねじれの関係になることにより、主ロール部51と個別副ロール52aとがネルソンロールの関係を有しており、主ロール部51に対して所定角度αを有する状態で走行するため、基材2が主ロール部51と副ロール部52とに架け渡されて走行させた場合でも、基材2が軸方向に移動することなく個別副ロール52a上の初期の走行位置を保った状態で安定して走行することができる。
また、本実施形態では、個別副ロール52aそれぞれと、主ロール部51とは、同じ高さ位置に設定されており、それぞれの径も同一に設定されている。そのため、基材2は、個別副ロール52aの外周面59のほぼ半分と接触して走行する。すなわち、基材2は、個別副ロール52aの外周面59のうち、主ロール部51と反対側部分と接触しつつ走行する。すなわち、基材2に対する全ての個別副ロール52aの抱き角はほぼ180度を維持した状態で走行する。なお、図4では、図を理解しやすくするために主ロール部51(個別主ロール51a)の径と個別副ロール部52aの径を異なる径とし、本実施形態とは異なる形態で表している。
このように基材2に対する個別副ロール52aの抱き角が均一となることにより、基材2のピッチの制御が容易となり、容易に基材2のピッチを均一にすることができる。
ここで、本実施形態では、図3に示す通り個別副ロール52aは2段に配列され、基材2が搬送される順番において隣り合う順番にある個別副ロール52a同士は異なる段に配置されている。すなわち、個別副ロール52aは一直線状には配列されておらず、副ロール軸58a、副ロール軸58bという主ロール軸53と平行な2本の副ロール軸58のいずれかに沿ってそれぞれの個別副ロール52aが配列されている。さらに、図面中で上から1、3、5番目の個別副ロール52aは副ロール軸58aに沿って配列され、上から2、4番目の個別副ロール52aは副ロール軸58bに沿って配列されていることにより、基材2が搬送される順番において隣り合う順番にある個別副ロール52a同士は異なる段に配置された状態となっている。
このように副ロール部52が構成されることにより、図3に2点鎖線の楕円で示したように、各個別副ロール52aの両側方にスペースが設けられる。
個別副ロール52aは、作業者が回転軸57の傾きの調節などを行う機会が多く、それぞれの個別副ロール52aの周辺には作業者の手が入るスペース(メンテナンススペース)が必要である。そこで、本実施形態の通り個別副ロール52aを複数段配置にすることにより、基材2の搬送順において個別副ロール52aの配置間隔を広くすることができ、メンテナンススペースを十分確保することが可能となる。
また、互いが独立して回転する個別副ロール52aの配置間隔が狭い場合、個別副ロール52aの内部に軸受が内包される必要が生じる。この場合、ロールの精度(振れ、同軸度)が悪くなるおそれがある。これに対し、本実施形態のように個別副ロール52aの配置間隔が広くなることにより、個別副ロール52aの両側方に軸受を設けることができるため、ロールの精度が向上する。
また、個別主ロール51a、個別副ロール52aにおいて回転軸が個別になっていることにより、各ロールの撓みが小さくなるため、細い軸や軸受けを用いて主ロール部51および副ロール部52を構成することが可能となり、製作コストの低減にもつながる。
以上の構成の製膜処理部30によって主ロール部51と副ロール部52との間に基材2が架け渡されて搬送されることにより、主ロール部51と副ロール部52との間に架け渡される複数の基材2の間での張力の差を少なくし、基材搬送位置を安定させて、安定した基材処理を行うことができる。具体的には、複数の個別主ロール51aは、駆動装置54に接続されて回転が制御される個別主ロール51aと、駆動装置54に接続されずに自由に回転する個別主ロール51aとを含み、また、それぞれが独立して回転可能であることから、駆動装置54に接続されない個別主ロール51aは駆動装置54に接続された個別主ロール51aの回転に影響されず、その個別主ロール51aに巻回された基材2の張力に応じた回転速度で回転することが可能である。
ここで、仮に図11に示す主ロール部Fのように1本の駆動ロールに基材が複数回巻回される場合、巻回されたそれぞれの基材に対して駆動ロールの回転速度は一律であるため、一部の基材においてたわみがあり基材の張力が不均一であったとしても、主ロール部Fと基材Aとの間の滑りが小さい場合には張力が平準化されず、基材並走部を形成する複数の基材の間で張力が不安定となる。特に、基材2上に薄膜を形成する手段としてプラズマCVD法、スパッタリング、もしくは蒸着などを用いる場合、製膜と同時に基材2が加熱されるため、基材2の温度上昇度に応じて基材2に伸びが生じるため上記のような基材の張力の不均一が生じやすくなる。
これに対し、本実施形態のように各個別主ロール51aが独立して回転することが可能であり、それぞれの個別主ロール51aに巻回された基材2の張力に応じた回転速度で回転することにより、基材並走部2aを形成する複数の基材2の間で張力が自然に平準化される。すなわち、基材2の一部においてたわみなどが生じたとしても、基材2の張力を平準化させることができる。
さらに、駆動装置に接続されている個別主ロール51aの近傍に張力計56が設けられていることにより、張力計による測定結果をこの個別主ロール51aの回転制御に反映させることにより、この個別主ロール51aに架け渡された基材2をはじめ、基材並走部2aを構成する複数列の基材2全体の張力を正確に制御できるようになる。すなわち、基材2の張力を安定させることが可能である。したがって、基材2の姿勢を常に安定させることができるため、薄膜の形成状態が安定し、基材2上に均質な薄膜を形成することができる。
また、主ロール部51と副ロール部52とがネルソンロールの関係となっていることにより、基材2の幅が個別主ロール51a(個別副ロール52a)の各ロール間のピッチより小さければ、どのような幅の基材2であっても安定して搬送することが可能である。また、ヤング率などの物性についてもさまざまな条件の基材2を同一の製膜用ロール5で搬送することが可能である。
次に、第2の実施形態における個別主ロールの形状について、図5に示す。この実施形態において、個別主ロール51aは、図5の通り、回転軸方向に関して中央に近いほど径が大きくなる形状を有する。いわゆるクラウン形状を有している。このように回転軸方向に関して径が変化する形状にすることにより、個別主ロール51aに巻回されて搬送される基材2は、径の最も大きい中央部に寄る傾向を示す。これにより、個別主ロール51aから基材2が外れることを防止すると同時に、基材並走部2aを形成する基材2のピッチを個別主ロール51aのピッチと同等にすることができ、基材2上に均質な薄膜を形成することができる。
また、このようなクラウン形状は、個別副ロール52aの形状に採用しても良い。
ここで、クラウン形状のロールは、駆動装置54に接続されていない個別主ロール51aおよび個別副ロール52aのような、いわゆる従動ロールに対して採用することが好ましい。これに対し、駆動装置54に接続されている個別主ロール51aに対しては、基材2に十分駆動力を伝えることができるように個別主ロール51aと基材2との接触面積をできるだけ大きくする必要があり、ロール側面の形状は、回転軸方向に関して径が均一であることが好ましいが、図5のようなクラウン形状であっても基材2に十分駆動力が伝わるのであれば、駆動装置54に接続されている個別主ロール51aもクラウン形状であっても構わない。
次に、第3の実施形態における製膜用ロールを図6に示す。この実施形態において、図3に示した製膜用ロール5とは異なり、駆動装置54に接続されていない個別主ロール51aに混ざり、配列の途中にも駆動装置54に接続されている個別主ロール51aが設けられている。すなわち、図6に示す製膜用ロール5は、図3に示した実施形態の製膜用ロール5が複数連結された形態となっている。
このようにすることにより、搬送の途中で基材2に駆動力を与えることができるため、個別主ロール51aおよび個別副ロール52aの数が多くなり、個別主ロール51a、個別副ロール52aの外周面55、59における摩擦力および個別主ロール51a、個別副ロール52aの回転部のベアリングにおけるメカニカルロスの合計が大きくなったとしても、基材2にかかる張力が小さい条件でかつ基材2の張力を平準化させながら基材2を搬送させることができる。
ここで、以上の説明にかかる製膜用ロール5は、個別副ロール52aが2段に配列された構成で説明を行っているが、これに限らず、3段以上に配列されていても構わない。
また、以上の説明では、個別副ロール52aはX軸方向に複数段配列された構成となっているが、これに限らない。図7に本発明の第4の実施形態を示すが、このようにたとえばZ軸方向に個別副ロール52aが複数段配列された構成であっても良い。
また、図8に示した第5の実施形態のように、個別主ロール51aも複数段設けられた構成としても良い。個別主ロール51aは個別副ロール52aと比べて回転軸の傾きの調節を行う機会は少ないが、このような構成にしておくことにより、個別主ロール51aの両側方にもスペースを確保することができ、個別主ロール51aのメンテナンスも容易に行うことができる。
以上の基材搬送処理装置により、ロールトゥロールを用いた基材搬送処理装置において、複数列で走行するそれぞれの基材に生じる張力の乱れを抑えることができ、基材搬送位置を安定させて、安定した基材処理を行うことが可能である。
なお、上記の説明では、複数の個別主ロール51aの中に駆動装置54に接続されている個別主ロール51aが設けられている形態について説明を行ったが、複数の個別主ロール51aが全て駆動装置54に接続されていない個別主ロール51aであっても構わない。この場合、駆動装置に接続された搬送ロールが主ロール部51と副ロール部52とで形成された製膜用ロール5の上流もしくは下流に設けられることになる。
1 太陽電池モジュール
2 基材
2a 基材並走部
3a 下部電極層
3b 光電変換層
3c 上部電極層
4 太陽電池セル
4’ 太陽電池セル母材
5 製膜用ロール
6 材料供給部
10 送出ロール部
11 送出ロール
20 巻取ロール部
21 巻取ロール
30 製膜処理部(基材処理部)
31 チャンバー
31a 入口部
31b 出口部
51 主ロール部
51a 個別主ロール
52 副ロール部
52a 個別副ロール
53 主ロール軸
53a 主ロール軸
53b 主ロール軸
54 駆動装置
55 外周面
56 張力計
57 回転軸(個別副ロールの回転軸)
58 副ロール軸
58a 副ロール軸
58b 副ロール軸
59 外周面
A 基材
B 送出ロール
C 巻取ロール
D 製膜処理部
D1 チャンバ
D2 ロール部
F 主ロール部
f 回転軸
G 副ロール部
g 回転軸
H 基材供給部

Claims (6)

  1. 薄板長尺体の基材を送出ロール部から巻取ロール部に基材処理部を通過させて連続的に搬送し、前記基材処理部により搬送中の基材に所定の処理を行って、基材の表面を処理する基材搬送処理装置であって、
    前記基材処理部は、互いに対向して配置され、前記基材が複数回架け渡されることにより複数の基材が走行する基材並走部を形成する主ロール部と副ロール部とを有しており、
    前記主ロール部および前記副ロール部は、前記基材並走部の基材に応じた複数の個別主ロールおよび個別副ロールを有し、
    複数の前記個別主ロールは、回転軸の方向が全て同一であり、かつそれぞれが独立して回転可能であって、駆動装置からの駆動力は伝達されずに自由に回転する前記個別主ロールを少なくとも一つ含み、
    複数の前記個別副ロールは、回転軸が前記主ロール部の回転軸の方向に対して傾斜して配置され、かつそれぞれが独立して回転可能であり、複数段に配列され、基材が搬送される順番において隣り合う順番にある前記個別副ロール同士は異なる段に配置されていることを特徴とする、基材搬送処理装置。
  2. 複数の前記個別主ロールは複数段に配列され、基材が搬送される順番において隣り合う順番にある前記個別主ロール同士は異なる段に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の基材搬送処理装置。
  3. 複数の前記個別主ロールと複数の前記個別副ロールは同一の径を有することを特徴とする、請求項1もしくは2のいずれかに記載の基材搬送処理装置。
  4. 駆動装置から駆動力が伝達される前記個別主ロールの近傍には、基材にかかる張力を測定する張力測定手段が設けられていることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の基材搬送処理装置。
  5. 駆動装置からの駆動力は伝達されずに自由に回転する前記個別主ロールは、クラウン形状を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の基材搬送処理装置。
  6. 前記個別副ロールは、クラウン形状を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の基材搬送処理装置。
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