JP2016132791A - 電子・電気部品 - Google Patents
電子・電気部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016132791A JP2016132791A JP2015007468A JP2015007468A JP2016132791A JP 2016132791 A JP2016132791 A JP 2016132791A JP 2015007468 A JP2015007468 A JP 2015007468A JP 2015007468 A JP2015007468 A JP 2015007468A JP 2016132791 A JP2016132791 A JP 2016132791A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- masking
- plating
- substrate
- acid
- electronic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Chemically Coating (AREA)
Abstract
【課題】メッキによる導電部が、レーザを使用することなく、容易かつ高い寸法精度で基体表面に形成され、しかも導電率が高く、高品質の電子・電気部品を提供する。【解決手段】基体表面に、メッキによる導電部が形成された電子・電気部品であって、基体が、融点180〜260℃の合成樹脂、メッキ時のマスキングが、ポリ乳酸、ポリ乳酸を主体とする脂肪族ポリエステルとの混合体または共重合体、ポリプロピレングリコールのうちの少なくとも一種であり、マスキング、またはマスキングと基体とが、3Dプリンティングにより成形されたものであることを特徴とする電子・電気部品。【選択図】図2
Description
本発明は、基体表面に、メッキによる導電部が、容易かつ高い寸法精度で形成された電子・電気部品に関する。
近年、携帯情報端末や自動車部品などの電子・電気部品は、さらなる高機能化を図るうえで、より一層の薄型化・軽量化が望まれており、このような背景のもと、MID技術が脚光を浴びてきている。
MID(Molded Interconnect Device)とは、一般的に、立体的な成形品(例えば、射出成形品など)の表面上に直接、電気回路や配線パターン等の導電部を形成したデバイス(部品)をさす。
MID(Molded Interconnect Device)とは、一般的に、立体的な成形品(例えば、射出成形品など)の表面上に直接、電気回路や配線パターン等の導電部を形成したデバイス(部品)をさす。
このような立体的な成形品の表面に、メッキにて導電部を形成するには、例えば、特許文献1,2に記載するように、得られた成形品を金型にインサートし、この金型内にマスキング材を射出することで、メッキ施工面以外の部分(非メッキ面)を覆う方法がある。
この方法では、成形品の形状・サイズ等が変化する度に、マスキング材射出用の金型を、その都度製作しなければならない。加えて、成形品の成形工程と、マスキング材の射出工程が別工程(2段階の工程)ゆえ、手間とコストがかかるうえ、成形品の形状が複雑化すればするほど、成形品とマスキング材との十分な密着性が得られず、境界面にメッキ液が入り込み、寸法精度が低下してくる等、改善の余地があった。
この方法では、成形品の形状・サイズ等が変化する度に、マスキング材射出用の金型を、その都度製作しなければならない。加えて、成形品の成形工程と、マスキング材の射出工程が別工程(2段階の工程)ゆえ、手間とコストがかかるうえ、成形品の形状が複雑化すればするほど、成形品とマスキング材との十分な密着性が得られず、境界面にメッキ液が入り込み、寸法精度が低下してくる等、改善の余地があった。
これに対し、非メッキ面へのマスキングを行わずに、導電部を形成する方法として、
i)成形品の全表面にメッキした後、メッキすべき部分以外のメッキ部分を、レーザで除去する方法、
ii)射出成形前の合成樹脂に予め銅粉などを混ぜ、射出成形後、導電部を形成すべき部分にのみレーザをあて、活性化、金属化する方法、
iii)結晶性樹脂(耐薬品性樹脂)と非結晶性樹脂(耐薬品性が弱い樹脂)とを2成分射出成形(2色成形)し、非結晶性樹脂の表面のみ、エッチングし、触媒を付着させることで、メッキにて導電部を形成する方法、
等も知られている。
i)成形品の全表面にメッキした後、メッキすべき部分以外のメッキ部分を、レーザで除去する方法、
ii)射出成形前の合成樹脂に予め銅粉などを混ぜ、射出成形後、導電部を形成すべき部分にのみレーザをあて、活性化、金属化する方法、
iii)結晶性樹脂(耐薬品性樹脂)と非結晶性樹脂(耐薬品性が弱い樹脂)とを2成分射出成形(2色成形)し、非結晶性樹脂の表面のみ、エッチングし、触媒を付着させることで、メッキにて導電部を形成する方法、
等も知られている。
しかし、上記i)やii)の方法は、いずれもレーザを使用するため、手間や熟練者による高度な技術を要するのみならず、設備などのコスト面の問題もある。さらに、i)の方法では、一度成形品の全表面にメッキ用触媒が付着した状態となるため、メッキ後、すなわち導電部(回路)形成後の電気的な表面抵抗値が低くなりやすい。
上記iii)の方法では、結晶性樹脂と非結晶性樹脂との境界面にメッキ液が入り込みやすく、寸法精度が低いうえ、メッキ厚みが厚くなりやすい。
上記iii)の方法では、結晶性樹脂と非結晶性樹脂との境界面にメッキ液が入り込みやすく、寸法精度が低いうえ、メッキ厚みが厚くなりやすい。
本発明は、メッキによる導電部が、レーザを使用することなく、容易かつ高い寸法精度で基体表面に形成され、しかも導電率が高く、高品質の電子・電気部品(3次元造形物)を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を、非メッキ面へのマスキングを射出成形にて行わず、マスキング、あるいは、基体とマスキングとを、3Dプリンティングにより成形することで、達成しようとするものである。
すなわち、本発明の電子・電気部品は、
基体表面に、メッキによる導電部が形成された電子・電気部品であって、
前記基体が、融点180〜260℃の合成樹脂、
前記メッキ時のマスキングが、ポリ乳酸、ポリ乳酸を主体とする脂肪族ポリエステルとの混合体または共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体)、ポリプロピレングリコールのうちの少なくとも一種であり、
マスキング、またはマスキングと基体とが、3Dプリンティングにより成形されたものであることを特徴とする。
このとき、基体が、メッキ用触媒を含有する合成樹脂であることが好ましい。
すなわち、本発明の電子・電気部品は、
基体表面に、メッキによる導電部が形成された電子・電気部品であって、
前記基体が、融点180〜260℃の合成樹脂、
前記メッキ時のマスキングが、ポリ乳酸、ポリ乳酸を主体とする脂肪族ポリエステルとの混合体または共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体)、ポリプロピレングリコールのうちの少なくとも一種であり、
マスキング、またはマスキングと基体とが、3Dプリンティングにより成形されたものであることを特徴とする。
このとき、基体が、メッキ用触媒を含有する合成樹脂であることが好ましい。
本発明によれば、3Dプリンティングにより、基体と、該基体上の非メッキ面へのマスキングとを同時に成形することができるので、マスキング材射出用の金型をその都度製作する必要もなければ、レーザを使用する必要もなく、寸法精度および導電率の高い、高品質の電子・電気部品(3次元造形物)を容易に提供することができる。
また、非メッキ面には、メッキ用触媒が付着しないので、メッキ後、すなわち導電部(回路)形成後の絶縁抵抗値は高く維持され、得られる電子・電気部品の電気的特性を向上させることができる。
さらに、基体として、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸を用いれば、ポリ乳酸、またはポリ乳酸を主体とする脂肪族ポリエステルとの混合体または共重合体であるマスキングとの境界面との密着性が飛躍的に高まり、メッキの寸法精度をより一層向上させることができる。
また、非メッキ面には、メッキ用触媒が付着しないので、メッキ後、すなわち導電部(回路)形成後の絶縁抵抗値は高く維持され、得られる電子・電気部品の電気的特性を向上させることができる。
さらに、基体として、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸を用いれば、ポリ乳酸、またはポリ乳酸を主体とする脂肪族ポリエステルとの混合体または共重合体であるマスキングとの境界面との密着性が飛躍的に高まり、メッキの寸法精度をより一層向上させることができる。
図1は、本発明の電子・電気部品の製造工程の一例を説明するための模式的な断面図である。
自動車のセンサーカバーや施錠システムの回路部品等のような電子・電気部品(3次元造形物)は、一般的に複雑な形状をなしている。
以下、本発明の電子・電気部品の説明を簡単にするため、図1の断面模式図に示すような形状の成形品(以下、「基体」とも言う)2を想定し、このような基体2の表面に、メッキによる導電部3が形成された電子・電気部品10について説明していく。
自動車のセンサーカバーや施錠システムの回路部品等のような電子・電気部品(3次元造形物)は、一般的に複雑な形状をなしている。
以下、本発明の電子・電気部品の説明を簡単にするため、図1の断面模式図に示すような形状の成形品(以下、「基体」とも言う)2を想定し、このような基体2の表面に、メッキによる導電部3が形成された電子・電気部品10について説明していく。
図1(A)は、基体2と、基体2上のマスキング4とを、図示しない3Dプリンティングにより、成形した状態を示す断面模式図である。
本発明では、3Dプリンティングを用いることで、3次元の造形物である基体2と、この基体2上の非メッキ面への立体的なマスキング4とが、同時に成形される。
このように、基体2の成形工程とマスキング4の成形工程とが同時に行われる結果、マスキング材射出用の金型をその都度製作する手間やコストを省くことができるし、基体(成形品)2の形状が複雑なものであっても、マスキング4との優れた密着性が得られやすい。
なお、本発明では、マスキング4と基体2とを3Dプリンティングにて成形する際に、基体2上の非メッキ面を、基体2の表面より1.0〜1.5mmへこまして、そのへこみに厚みが1.0mm以下のマスキング4を形成することで、十分な回路精度を確保してもよい。
本発明では、3Dプリンティングを用いることで、3次元の造形物である基体2と、この基体2上の非メッキ面への立体的なマスキング4とが、同時に成形される。
このように、基体2の成形工程とマスキング4の成形工程とが同時に行われる結果、マスキング材射出用の金型をその都度製作する手間やコストを省くことができるし、基体(成形品)2の形状が複雑なものであっても、マスキング4との優れた密着性が得られやすい。
なお、本発明では、マスキング4と基体2とを3Dプリンティングにて成形する際に、基体2上の非メッキ面を、基体2の表面より1.0〜1.5mmへこまして、そのへこみに厚みが1.0mm以下のマスキング4を形成することで、十分な回路精度を確保してもよい。
3Dプリンティングの方式については、光造形方式、熱溶解積層方式、インクジェット方式、粉末焼結方式など、特に限定されないが、基体2として、メッキによる導電部3を形成しやすい合成樹脂を選択でき、また、マスキング4として、除去しやすい合成樹脂を選択できる、熱溶解積層方式、インクジェット方式が好ましい。
図1(B)は、基体2表面にメッキによる導電部3が形成された状態を示す。
図1(B)に示すような電子・電気部品10は、図1(A)に示すような非メッキ面がマスキングされた成形体10’を得た後、
〔1〕「成形体10’(基体2のマスキング4で覆われていない部分)の脱脂工程、または脱脂とエッチング(粗化)工程」、「メッキ用触媒の付与後または付与と同時に行うマスキング4の除去工程」、「メッキによる導電部3の形成工程」を経て製造してもよいし(以下、〔1〕の製法)、
あるいは、基体2がメッキ用触媒を含有する合成樹脂である場合には、メッキ用触媒の付与工程を省略できるので、
〔2〕「成形体10’(基体2のマスキング4で覆われていない部分)の脱脂工程、またはエッチング(粗化)と脱脂工程 ≪このとき、マスキング4の除去工程は、脱脂工程と同時に行われる≫」、「メッキによる導電部3の形成工程」を経て製造することもできる(以下、〔2〕の製法)。
図1(B)に示すような電子・電気部品10は、図1(A)に示すような非メッキ面がマスキングされた成形体10’を得た後、
〔1〕「成形体10’(基体2のマスキング4で覆われていない部分)の脱脂工程、または脱脂とエッチング(粗化)工程」、「メッキ用触媒の付与後または付与と同時に行うマスキング4の除去工程」、「メッキによる導電部3の形成工程」を経て製造してもよいし(以下、〔1〕の製法)、
あるいは、基体2がメッキ用触媒を含有する合成樹脂である場合には、メッキ用触媒の付与工程を省略できるので、
〔2〕「成形体10’(基体2のマスキング4で覆われていない部分)の脱脂工程、またはエッチング(粗化)と脱脂工程 ≪このとき、マスキング4の除去工程は、脱脂工程と同時に行われる≫」、「メッキによる導電部3の形成工程」を経て製造することもできる(以下、〔2〕の製法)。
〔基体〕
基体2としては、融点が180〜260℃の合成樹脂を用いる。
融点が、180℃未満の合成樹脂では、得られる電子・電気部品10が高温に弱く、変形しやすい虞があり、260℃以上の合成樹脂では、使用する3Dプリンターによっては成形できないことがあり、好ましくは、190〜240℃程度である。
融点が180〜260℃の合成樹脂の具体例としては、ポリエステル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ナイロン、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(PMMA系樹脂)などが挙げられ、好ましくは、ABS樹脂、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸、PMMA系樹脂、より好ましくは、融点およそ230℃のABS樹脂、および、融点が215℃前後のステレオコンプレックス型ポリ乳酸である。
基体2としては、融点が180〜260℃の合成樹脂を用いる。
融点が、180℃未満の合成樹脂では、得られる電子・電気部品10が高温に弱く、変形しやすい虞があり、260℃以上の合成樹脂では、使用する3Dプリンターによっては成形できないことがあり、好ましくは、190〜240℃程度である。
融点が180〜260℃の合成樹脂の具体例としては、ポリエステル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ナイロン、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸、ポリメタクリル酸メチル系樹脂(PMMA系樹脂)などが挙げられ、好ましくは、ABS樹脂、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸、PMMA系樹脂、より好ましくは、融点およそ230℃のABS樹脂、および、融点が215℃前後のステレオコンプレックス型ポリ乳酸である。
ステレオコンプレックス型ポリ乳酸(SC−PLA)は、一般に、ポリ−L−乳酸(PLLA)とポリ−D−乳酸(PDLA)とを所定の重量比で共存させ混合することにより製造される。
本発明では、基体2として、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸を用いる場合は、例えば、特許第5046491号(特許文献3)に記載の製造方法にて得られたステレオコンプレックスポリ乳酸を含有する樹脂組成物や、特許第5129945号(特許文献4)に記載のステレオコンプレックスポリ乳酸組成物を好適に用いることができる。また、帝人(株)社製の商品名“バイオフロント(登録商標)”などを用いてもよい。
本発明では、基体2として、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸を用いる場合は、例えば、特許第5046491号(特許文献3)に記載の製造方法にて得られたステレオコンプレックスポリ乳酸を含有する樹脂組成物や、特許第5129945号(特許文献4)に記載のステレオコンプレックスポリ乳酸組成物を好適に用いることができる。また、帝人(株)社製の商品名“バイオフロント(登録商標)”などを用いてもよい。
上記特許文献3にも記載されているように、基体2は、フィラーとして、ガラス繊維、ピロリン酸カルシウム、ワラストナイト、炭酸カルシウム、チタン酸バリウム、炭素繊維、石英繊維、硫酸バリウム等を加えたものであってもよい。
また、基体2は、メッキ用触媒(以下、単に触媒と記すこともある)として、PdやPtを含むものが好ましく、これらは、例えば、塩化物等の無機塩として使用すればよい。この場合、前記〔2〕の製法に記載したように、メッキ用触媒の付与工程が省略でき、マスキング4の除去が脱脂と同時に行われることになる。
基体2の形状に制限はなく、平板状であっても、図1に示すような各種の形状に成形したものであってもよい。
例えば、基体2の厚みが、1.0〜3.0mm程度の成形体であれば、後述するマスキング4の厚みは、0.2〜1.0mm程度とするのがよい。
例えば、基体2の厚みが、1.0〜3.0mm程度の成形体であれば、後述するマスキング4の厚みは、0.2〜1.0mm程度とするのがよい。
〔マスキング〕
基体2上の非メッキ面へ施されるマスキング4は、基体2を3Dプリンティングする際のサポート材としての機能も発現する。
本発明では、このようなマスキング4として、ポリ乳酸を単独で使用してもよいし、あるいはポリ乳酸を主成分とし、これに脂肪族ポリエステル(ポリヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸又は脂肪族多価アルコールと脂肪族多価塩基酸とからなる脂肪族ポリエステル、ヒドロキシカルボン酸や脂肪族多価アルコールから選ばれる2種以上のモノマー成分と、脂肪族多価塩基酸から選ばれる2種以上のモノマー成分とからなるランダム共重合体やブロック共重合体等)の単独又は2種以上を、混合したものや、ランダム共重合又はブロック共重合させたものであってもよい。
この脂肪族ポリエステルの混合量又は共重合量は、混合体又は共重合体の全量に対して1〜10wt%程度が適している。
基体2上の非メッキ面へ施されるマスキング4は、基体2を3Dプリンティングする際のサポート材としての機能も発現する。
本発明では、このようなマスキング4として、ポリ乳酸を単独で使用してもよいし、あるいはポリ乳酸を主成分とし、これに脂肪族ポリエステル(ポリヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸又は脂肪族多価アルコールと脂肪族多価塩基酸とからなる脂肪族ポリエステル、ヒドロキシカルボン酸や脂肪族多価アルコールから選ばれる2種以上のモノマー成分と、脂肪族多価塩基酸から選ばれる2種以上のモノマー成分とからなるランダム共重合体やブロック共重合体等)の単独又は2種以上を、混合したものや、ランダム共重合又はブロック共重合させたものであってもよい。
この脂肪族ポリエステルの混合量又は共重合量は、混合体又は共重合体の全量に対して1〜10wt%程度が適している。
なお、上記のポリ乳酸の重量平均分子量は、1万〜40万程度が好ましく、脂肪族ポリエステルは、ポリ乳酸と混合させる場合の重量平均分子量は、1万〜50万程度、好ましくは3万〜40万程度、より好ましくは5万〜30万程度が適しており、またポリ乳酸と共重合させる場合はその共重合体の重量平均分子量が、1万〜50万程度、好ましくは3万〜40万程度、より好ましくは5万〜30万程度が適している。
また、上記のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、L−乳酸、D−乳酸、D/L−乳酸、3−ヒドロキシブチリックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、3−ヒドロキシバレリックアシッド、5−ヒドロキシバレリックアシッド、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられ、これらの1種以上が使用できる。
脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール等が挙げられ、これらの1種以上が使用できる。
脂肪族多価塩基酸としては、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が挙げられ、これらの1種以上が使用できる。
また、上記のヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、L−乳酸、D−乳酸、D/L−乳酸、3−ヒドロキシブチリックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッド、3−ヒドロキシバレリックアシッド、5−ヒドロキシバレリックアシッド、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられ、これらの1種以上が使用できる。
脂肪族多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ベンゼンジメタノール等が挙げられ、これらの1種以上が使用できる。
脂肪族多価塩基酸としては、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、フェニルコハク酸、1,4−フェニレンジ酢酸等が挙げられ、これらの1種以上が使用できる。
このようなポリ乳酸、またはポリ乳酸を主体とする脂肪族ポリエステルとの混合体または共重合体には、必要に応じて、アルカリ分解促進剤、有機及び無機充填剤、可塑剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤等の汎用の合成樹脂に使用できる添加剤を混合したものであってもよい。
アルカリ分解促進剤としては、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリアミノ酸等の親水性高分子化合物、無水コハク酸、ポリコハク酸イミド等のアルカリ加水分解性化合物等が挙げられ、これらの1種以上が使用できる。中でも、ポリ乳酸や脂肪族ポリエステルへの分散性や相溶性、あるいはブリードアウトのし難さ等から、ポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコールが好ましい。
上記アルカリ分解促進剤の混合量は、混合体全量に対して1〜100wt%程度、好ましくは5〜80wt%、より好ましくは10〜60wt%が適している。一方、その他の添加剤の混合量は混合体全量に対して1〜5%程度が適している。
なお、本発明では、マスキング4として、水溶性のポリプロピレングリコールを使用することもできる。
アルカリ分解促進剤としては、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリアミノ酸等の親水性高分子化合物、無水コハク酸、ポリコハク酸イミド等のアルカリ加水分解性化合物等が挙げられ、これらの1種以上が使用できる。中でも、ポリ乳酸や脂肪族ポリエステルへの分散性や相溶性、あるいはブリードアウトのし難さ等から、ポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコールが好ましい。
上記アルカリ分解促進剤の混合量は、混合体全量に対して1〜100wt%程度、好ましくは5〜80wt%、より好ましくは10〜60wt%が適している。一方、その他の添加剤の混合量は混合体全量に対して1〜5%程度が適している。
なお、本発明では、マスキング4として、水溶性のポリプロピレングリコールを使用することもできる。
上記のようなマスキング4を除去するには、アルカリ水溶液や酸液(各種の無機酸の液)を用いて行えばよい。
中でも、濃度2〜15wt%程度で温度25〜70℃程度のカ性アルカリ(NaOH、KOH等)水溶液中に1〜120分程度浸漬して除去することが好ましい。
本発明では、メッキ用触媒の付与工程において、メッキ用触媒の付与と同時にマスキング4の除去を行うこともできるし(前記〔1〕の製法参照)、基体2としてメッキ用触媒を含む合成樹脂を用いた場合には、脱脂工程と同時にマスキング4の除去を行うこともできる(前記〔2〕の製法参照)。
中でも、濃度2〜15wt%程度で温度25〜70℃程度のカ性アルカリ(NaOH、KOH等)水溶液中に1〜120分程度浸漬して除去することが好ましい。
本発明では、メッキ用触媒の付与工程において、メッキ用触媒の付与と同時にマスキング4の除去を行うこともできるし(前記〔1〕の製法参照)、基体2としてメッキ用触媒を含む合成樹脂を用いた場合には、脱脂工程と同時にマスキング4の除去を行うこともできる(前記〔2〕の製法参照)。
〔基体2表面の脱脂〕
基体2表面を脱脂する方法としては、公知の脱脂方法が適用でき、例えば、アルカリ浸漬洗浄法(水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ塩を用いた脱脂液に浸漬する)により行うことができる。このアルカリ塩を用いた脱脂液は、pH12〜13程度、温度50〜70℃程度の条件とすることが好ましい。
前記したように、本発明のマスキング4は、酸又はアルカリ処理によって除去されるので、基体2をなす合成樹脂がメッキ用触媒を含む場合には、マスキング4の除去を、この脱脂工程(アルカリによる洗浄)の際に、該アルカリ洗浄と同時に行うこともできる(前記〔2〕の製法参照)。
なお、基体2が、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸の場合は、メッキ用触媒の含有の有無に拘らず、この脱脂工程でエッチングが達成されやすいので、後述のエッチング工程を省略することもできる
基体2表面を脱脂する方法としては、公知の脱脂方法が適用でき、例えば、アルカリ浸漬洗浄法(水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等のアルカリ塩を用いた脱脂液に浸漬する)により行うことができる。このアルカリ塩を用いた脱脂液は、pH12〜13程度、温度50〜70℃程度の条件とすることが好ましい。
前記したように、本発明のマスキング4は、酸又はアルカリ処理によって除去されるので、基体2をなす合成樹脂がメッキ用触媒を含む場合には、マスキング4の除去を、この脱脂工程(アルカリによる洗浄)の際に、該アルカリ洗浄と同時に行うこともできる(前記〔2〕の製法参照)。
なお、基体2が、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸の場合は、メッキ用触媒の含有の有無に拘らず、この脱脂工程でエッチングが達成されやすいので、後述のエッチング工程を省略することもできる
〔基体2表面のエッチング(粗化)〕
基体2の表面を粗化する方法としては、公知のエッチング方法が適用できる。
エッチング方法には、湿式と乾式とがあり、基体2に使用されている材料の種類等により、適宜の方式のエッチング方法を採用すればよい。
乾式法は、例えば、プラズマを照射したり、気体を使用する等して行うことができる。
湿式法は、例えば、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、アルコール性ナトリウム、アルコール性カリウム等のアルカリ金属アルコラートの水溶液、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤、あるいはクロム酸、濃硫酸、塩酸、フッ酸等の酸溶液を用い、これらのエッチング液を基体2表面に塗布したり、これらの液中に非メッキ面がマスキングされた成形体10'を浸漬させる等して接触させて行うことができる。
基体2の表面を粗化する方法としては、公知のエッチング方法が適用できる。
エッチング方法には、湿式と乾式とがあり、基体2に使用されている材料の種類等により、適宜の方式のエッチング方法を採用すればよい。
乾式法は、例えば、プラズマを照射したり、気体を使用する等して行うことができる。
湿式法は、例えば、NaOH、KOH等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、アルコール性ナトリウム、アルコール性カリウム等のアルカリ金属アルコラートの水溶液、ジメチルホルムアミド等の有機溶剤、あるいはクロム酸、濃硫酸、塩酸、フッ酸等の酸溶液を用い、これらのエッチング液を基体2表面に塗布したり、これらの液中に非メッキ面がマスキングされた成形体10'を浸漬させる等して接触させて行うことができる。
〔基体2表面へのメッキ用触媒の付与〕
前記〔1〕の製法では、基体2の脱脂(およびエッチング)した部分にメッキ用触媒を付与する。
メッキ用触媒の付与は、PdやPtの塩化物等の無機塩(以下、単に「導電性金属」と記すこともある)を、基体2表面(マスキング4で覆われていない部分)に付着させた後、アクセレータ処理により上記の導電性金属を析出(露出)させることで行われる(詳細は、特許文献1,2参照)。
アクセレータ(促進液)としては、硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、アンモニア等の無機溶液を用いればよい。
前記したように、マスキング4は、酸又はアルカリ処理によって除去されるので、マスキング4の除去を、上記アクセレータ処理(酸又はアルカリによる処理)の際に、該アクセレータ処理と同時に行うこともできる。
なお、アクセレータ処理とマスキング4の除去とを同時に行うことで、工程面での効果はもとより、脱脂(およびエッチング)処理後の基体2表面の保護、延いては高精度でのメッキによる導電部3の形成という効果をも得ることができる。
前記〔1〕の製法では、基体2の脱脂(およびエッチング)した部分にメッキ用触媒を付与する。
メッキ用触媒の付与は、PdやPtの塩化物等の無機塩(以下、単に「導電性金属」と記すこともある)を、基体2表面(マスキング4で覆われていない部分)に付着させた後、アクセレータ処理により上記の導電性金属を析出(露出)させることで行われる(詳細は、特許文献1,2参照)。
アクセレータ(促進液)としては、硫酸、塩酸、水酸化ナトリウム、アンモニア等の無機溶液を用いればよい。
前記したように、マスキング4は、酸又はアルカリ処理によって除去されるので、マスキング4の除去を、上記アクセレータ処理(酸又はアルカリによる処理)の際に、該アクセレータ処理と同時に行うこともできる。
なお、アクセレータ処理とマスキング4の除去とを同時に行うことで、工程面での効果はもとより、脱脂(およびエッチング)処理後の基体2表面の保護、延いては高精度でのメッキによる導電部3の形成という効果をも得ることができる。
前記〔2〕の製法では、基体2は予めメッキ用触媒を含有しているので、基体2の脱脂(またはエッチング後に脱脂)した部分に、上記のようなアクセレータ処理が施されることにより、導電性金属が析出してくる。
〔メッキによる導電部3の形成〕
メッキによる導電部3は、図1(B)に示すように、基体2表面のマスキング4で覆われなかった部分(メッキ用触媒中の導電性金属が析出(露出)した部分)に形成される。
本発明におけるメッキ方法は、公知のメタライジング方法(無電解メッキ方法や電気メッキ方法)が採用でき、メッキ金属としては、銅、錫、鉛、ニッケル、金、その他各種の金属が挙げられる。好ましくは無電解メッキ法であり、メッキ工程は、多数回に分けて行うこともできるし、1回で一度に行うこともできる。
なお、メッキ厚み(導電部3の厚み)は、特に制限されないが、前記したような厚み(1.0〜3.0mm)を有する基体2においては、0.3〜20.0μmが一般的であり、また、数mm程度の厚付けメッキを行うこともできる。
メッキによる導電部3は、図1(B)に示すように、基体2表面のマスキング4で覆われなかった部分(メッキ用触媒中の導電性金属が析出(露出)した部分)に形成される。
本発明におけるメッキ方法は、公知のメタライジング方法(無電解メッキ方法や電気メッキ方法)が採用でき、メッキ金属としては、銅、錫、鉛、ニッケル、金、その他各種の金属が挙げられる。好ましくは無電解メッキ法であり、メッキ工程は、多数回に分けて行うこともできるし、1回で一度に行うこともできる。
なお、メッキ厚み(導電部3の厚み)は、特に制限されないが、前記したような厚み(1.0〜3.0mm)を有する基体2においては、0.3〜20.0μmが一般的であり、また、数mm程度の厚付けメッキを行うこともできる。
また、基体2が、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸の場合は、厚付けメッキの際のアンカー強度を高めるために、基体2と導電部3との間に充填材を介在させてもよい。
この充填材としては、タルクやピロリン酸カルシウムなどが挙げられる。
この充填材としては、タルクやピロリン酸カルシウムなどが挙げられる。
実施例1 ≪基体がステレオコンプレックス型ポリ乳酸≫
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
熱溶解積層方式の3Dプリンターを用いて、図2(A)(斜視図),(B)((A)に示した貫通孔Hの拡大図),(C)((A)の背面図)に示すような形状の、非メッキ面がマスキングされた成形体20'を成形した。
基体22として、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸(帝人(株)社製 商品名"バイオフロント(登録商標)":融点およそ215℃)、マスキング24として、ポリ乳酸(帝人(株)開発品で特許出願中のもの)を用いた。
この成形体20'は、図示するように、天面の対角線上の位置に、8個の貫通孔(Through Hole)Hを有したドーム型であり、外径(天面とは反対側の外周)が約10cm、ドーム高さが約5cm、厚み(基体22の厚み)が約2.0mmの外形寸法を有し、基体22の非メッキ面が約0.6mm厚みのマスキング24で覆われている。
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
熱溶解積層方式の3Dプリンターを用いて、図2(A)(斜視図),(B)((A)に示した貫通孔Hの拡大図),(C)((A)の背面図)に示すような形状の、非メッキ面がマスキングされた成形体20'を成形した。
基体22として、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸(帝人(株)社製 商品名"バイオフロント(登録商標)":融点およそ215℃)、マスキング24として、ポリ乳酸(帝人(株)開発品で特許出願中のもの)を用いた。
この成形体20'は、図示するように、天面の対角線上の位置に、8個の貫通孔(Through Hole)Hを有したドーム型であり、外径(天面とは反対側の外周)が約10cm、ドーム高さが約5cm、厚み(基体22の厚み)が約2.0mmの外形寸法を有し、基体22の非メッキ面が約0.6mm厚みのマスキング24で覆われている。
〔基体表面の脱脂工程〕
得られた成形体20'を、60℃に加熱したアルカリ塩を含む脱脂液(奥野製薬社製 商品名"エースクリーンA220"の50g/L水溶液)に10分間浸漬した後、水洗して脱脂した。
得られた成形体20'を、60℃に加熱したアルカリ塩を含む脱脂液(奥野製薬社製 商品名"エースクリーンA220"の50g/L水溶液)に10分間浸漬した後、水洗して脱脂した。
〔メッキ用触媒の付与工程およびマスキングの除去工程〕
メチルアルコールに、メッキ用触媒塩としての塩化第一スズと塩化パラジウムとの混合塩酸液(荏原ユージライト社製商品名"エニレックスCT−8")を20mL/Lの割合で添加し、これを30℃に保持し、この溶液中に、上記の成形体20'を浸漬した後、水洗し、60℃に加温した塩酸(50mL/L)中に60分間浸漬(アクセレータ処理)し、成形体20'のマスキング24以外の部分にメッキ用触媒を付与すると共に、マスキング24の溶解除去を行った。
メチルアルコールに、メッキ用触媒塩としての塩化第一スズと塩化パラジウムとの混合塩酸液(荏原ユージライト社製商品名"エニレックスCT−8")を20mL/Lの割合で添加し、これを30℃に保持し、この溶液中に、上記の成形体20'を浸漬した後、水洗し、60℃に加温した塩酸(50mL/L)中に60分間浸漬(アクセレータ処理)し、成形体20'のマスキング24以外の部分にメッキ用触媒を付与すると共に、マスキング24の溶解除去を行った。
〔メッキによる導電部の形成工程〕
マスキング24除去後の基体22を、表1に示す組成の銅メッキ浴中に浸漬させ、表2に示すメッキ条件で、基体22のメッキ用触媒が付与された部分に厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、170℃で1時間保持し、室温まで徐冷するというアニール処理を行った。
この銅メッキは、メッキ用触媒付与面のみ、すなわち図2(A)〜(C)に示したマスキング24で覆われていた部分以外の部分と、貫通孔H内の表面に施されていた。
マスキング24除去後の基体22を、表1に示す組成の銅メッキ浴中に浸漬させ、表2に示すメッキ条件で、基体22のメッキ用触媒が付与された部分に厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、170℃で1時間保持し、室温まで徐冷するというアニール処理を行った。
この銅メッキは、メッキ用触媒付与面のみ、すなわち図2(A)〜(C)に示したマスキング24で覆われていた部分以外の部分と、貫通孔H内の表面に施されていた。
表1
銅メッキ浴組成
CuSO4・5H2O:0.04モル/L
HCHO :0.1モル/L
NaOH :0.2モル/L
EDTA・4Na :0.08モル/L
α,α’−ジピリジル:5〜10ppm
PEG−1000*1 :50〜100ppm
*1PEG−1000:安定剤(荏原ユージライト社製商品名)
銅メッキ浴組成
CuSO4・5H2O:0.04モル/L
HCHO :0.1モル/L
NaOH :0.2モル/L
EDTA・4Na :0.08モル/L
α,α’−ジピリジル:5〜10ppm
PEG−1000*1 :50〜100ppm
*1PEG−1000:安定剤(荏原ユージライト社製商品名)
表2
メッキ条件
浴温度 :60〜70℃
エア攪拌:0.1L/L・分
浴 :0〜1dm2/L
メッキ条件
浴温度 :60〜70℃
エア攪拌:0.1L/L・分
浴 :0〜1dm2/L
実施例2 ≪基体がABS樹脂≫
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
基体22として、ABS樹脂(融点およそ230℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様の非メッキ面がマスキングされた成形体20'を成形した。
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
基体22として、ABS樹脂(融点およそ230℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様の非メッキ面がマスキングされた成形体20'を成形した。
〔基体表面の脱脂工程〕
この成形体20'を、実施例1と同様にして脱脂した。
この成形体20'を、実施例1と同様にして脱脂した。
〔基体表面の粗化工程〕
クロム酸溶液を90℃に加熱し、この加熱溶液中に、上記脱脂後の成形体20'を30〜80分間(本例では40分間)浸漬して、基体22の表面を粗化した。
クロム酸溶液を90℃に加熱し、この加熱溶液中に、上記脱脂後の成形体20'を30〜80分間(本例では40分間)浸漬して、基体22の表面を粗化した。
〔メッキ用触媒の付与工程およびマスキングの除去工程〕
実施例1と同様にして、成形体20'のマスキング24以外の部分にメッキ用触媒を付与すると共に、マスキング24の溶解除去を行った。
実施例1と同様にして、成形体20'のマスキング24以外の部分にメッキ用触媒を付与すると共に、マスキング24の溶解除去を行った。
〔メッキによる導電部の形成工程〕
実施例1と同様にして、マスキング24除去後の基体22のメッキ用触媒付与面に、厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、アニール処理を行った。
実施例1と同様にして、マスキング24除去後の基体22のメッキ用触媒付与面に、厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、アニール処理を行った。
実施例3 ≪基体がメッキ用触媒を含有するステレオコンプレックス型ポリ乳酸≫
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
基体22として、メッキ用触媒(荏原ユージライト社製商品名"エニレックスCT−8")を含有するステレオコンプレックス型ポリ乳酸(帝人(株)社製 商品名"バイオフロント(登録商標)")を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様の非メッキ面がマスキングされた成形体20'を成形した。
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
基体22として、メッキ用触媒(荏原ユージライト社製商品名"エニレックスCT−8")を含有するステレオコンプレックス型ポリ乳酸(帝人(株)社製 商品名"バイオフロント(登録商標)")を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様の非メッキ面がマスキングされた成形体20'を成形した。
〔基体表面の脱脂工程およびマスキングの除去工程〕
得られた成形体20'を、60℃に加熱したアルカリ塩を含む脱脂液(奥野製薬社製 商品名"エースクリーンA220"の50g/L水溶液)に10分間浸漬した後、水洗し、60℃に加温した塩酸(50mL/L)中に60分間浸漬(アクセレータ処理)することで、
成形体20'のマスキング24以外の部分に導電性金属を析出させると共に、マスキング24の溶解除去を行った。
得られた成形体20'を、60℃に加熱したアルカリ塩を含む脱脂液(奥野製薬社製 商品名"エースクリーンA220"の50g/L水溶液)に10分間浸漬した後、水洗し、60℃に加温した塩酸(50mL/L)中に60分間浸漬(アクセレータ処理)することで、
成形体20'のマスキング24以外の部分に導電性金属を析出させると共に、マスキング24の溶解除去を行った。
〔メッキによる導電部の形成工程〕
マスキング24除去後の基体22の導電性金属の析出面に、実施例1と同様にして、厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、アニール処理を行った。
マスキング24除去後の基体22の導電性金属の析出面に、実施例1と同様にして、厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、アニール処理を行った。
実施例4 ≪基体がメッキ用触媒を含有するABS樹脂≫
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
基体22として、メッキ用触媒(荏原ユージライト社製商品名"エニレックスCT−8")を含有するABS樹脂(融点およそ230℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様の非メッキ面がマスキングされた成形体20'を成形した。
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
基体22として、メッキ用触媒(荏原ユージライト社製商品名"エニレックスCT−8")を含有するABS樹脂(融点およそ230℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例1と同様の非メッキ面がマスキングされた成形体20'を成形した。
〔基体表面の粗化工程〕
この成形体20'を、実施例2と同様にして粗化した。
この成形体20'を、実施例2と同様にして粗化した。
〔基体表面の脱脂工程およびマスキングの除去工程〕
粗化後の成形体20'を、60℃に加熱したアルカリ塩を含む脱脂液(奥野製薬社製 商品名"エースクリーンA220"の50g/L水溶液)に10分間浸漬した後、水洗し、60℃に加温した塩酸(50mL/L)中に60分間浸漬(アクセレータ処理)することで、
成形体20'のマスキング24以外の部分に導電性金属を析出させると共に、マスキング24の溶解除去を行った。
粗化後の成形体20'を、60℃に加熱したアルカリ塩を含む脱脂液(奥野製薬社製 商品名"エースクリーンA220"の50g/L水溶液)に10分間浸漬した後、水洗し、60℃に加温した塩酸(50mL/L)中に60分間浸漬(アクセレータ処理)することで、
成形体20'のマスキング24以外の部分に導電性金属を析出させると共に、マスキング24の溶解除去を行った。
〔メッキによる導電部の形成工程〕
マスキング24除去後の基体22にの導電性金属の析出面に、実施例1と同様にして、厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、アニール処理を行った。
マスキング24除去後の基体22にの導電性金属の析出面に、実施例1と同様にして、厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、アニール処理を行った。
実施例5 ≪基体がPMMA系樹脂≫
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
インクジェット方式の3Dプリンター((株)キーエンス製 商品名“アジリスタ”)を用いて、図3の模式断面図に示すような、非メッキ面をマスキングした成形体30'を成形した。
基体32として、PMMA系樹脂(アクリル系モノマーを主成分とし、ウレタンアクリレート系オリゴマーと光重合開始剤との混合物)、マスキング34として、ポリプロピレングリコール(ポリプロピレングリコールを主成分とし、アクリル系モノマーと光重合開始剤との混合物)を用いた。
〔基体と該基体上のマスキングの成形工程〕
インクジェット方式の3Dプリンター((株)キーエンス製 商品名“アジリスタ”)を用いて、図3の模式断面図に示すような、非メッキ面をマスキングした成形体30'を成形した。
基体32として、PMMA系樹脂(アクリル系モノマーを主成分とし、ウレタンアクリレート系オリゴマーと光重合開始剤との混合物)、マスキング34として、ポリプロピレングリコール(ポリプロピレングリコールを主成分とし、アクリル系モノマーと光重合開始剤との混合物)を用いた。
基体32は、実施例1〜4で得た成形体20'と略同様のドーム型で、外径(天面とは反対側の外周)が約10cm、ドーム高さが約5cm、厚みが約2.0mmの外形寸法を有するが、図3に示すように、基体32の非メッキ面を覆うマスキング34は、ドームの縁(天面とは反対側の外周)と同一の高さ、あるいは、ドームの縁よりも若干(1.0mmほど)高めの柱状体に形成されている。
なお、本実施例では行っていないが、マスキング34の表面(柱状体の側面全面)を基体32で覆うこともできる。
なお、本実施例では行っていないが、マスキング34の表面(柱状体の側面全面)を基体32で覆うこともできる。
〔基体表面の脱脂工程〕
得られた成形体30'を、50℃に加熱したアルカリ塩を含む脱脂液(奥野製薬社製 商品名"エースクリーンA220"の50g/L水溶液)に5分間浸漬した後、水洗して脱脂した。
得られた成形体30'を、50℃に加熱したアルカリ塩を含む脱脂液(奥野製薬社製 商品名"エースクリーンA220"の50g/L水溶液)に5分間浸漬した後、水洗して脱脂した。
〔基体表面の粗化工程〕
まず、水酸化ナトリウム水溶液を60℃に加熱し、この加熱溶液中に、上記脱脂後の成形体30'を5〜15分間(本例では10分間)浸漬して、水洗した。
次いで、無水クロム酸と98%硫酸との混合溶液を65℃に加熱し、この加熱溶液中に、上記水洗後の成形体30'を約5〜10分間浸漬して、基体32の表面(マスキング34で覆われていない部分)を粗化した。
まず、水酸化ナトリウム水溶液を60℃に加熱し、この加熱溶液中に、上記脱脂後の成形体30'を5〜15分間(本例では10分間)浸漬して、水洗した。
次いで、無水クロム酸と98%硫酸との混合溶液を65℃に加熱し、この加熱溶液中に、上記水洗後の成形体30'を約5〜10分間浸漬して、基体32の表面(マスキング34で覆われていない部分)を粗化した。
〔メッキ用触媒の付与工程およびマスキングの除去工程〕
実施例1と同様にして、成形体30'のマスキング34で覆われていない部分にメッキ用触媒を付与すると共に、マスキング34の溶解除去を行った。
実施例1と同様にして、成形体30'のマスキング34で覆われていない部分にメッキ用触媒を付与すると共に、マスキング34の溶解除去を行った。
〔メッキによる導電部の形成工程〕
実施例1と同様にして、マスキング34除去後の基体32のメッキ用触媒付与面に、厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、アニール処理を行った。
実施例1と同様にして、マスキング34除去後の基体32のメッキ用触媒付与面に、厚さ0.3〜20.0μm(本例では10μm)となるように、無電解銅メッキを施した後、アニール処理を行った。
本発明に係る電子・電気部品は、3Dプリンティングにより寸法精度および導電率が高く、高品質の3次元造形物である。したがって、センサーカバーや施錠システムの回路部品等の自動車の電気部品をはじめ、携帯電話機や携帯ゲーム機などの携帯用電子部品などにも適用でき、その産業上の利用価値は極めて高い。
10:電子・電気部品
10',20',30':非メッキ面がマスキングされた成形体
2,22,32:基体
3:メッキによる導電部
4,24,34:マスキング
H:貫通孔
10',20',30':非メッキ面がマスキングされた成形体
2,22,32:基体
3:メッキによる導電部
4,24,34:マスキング
H:貫通孔
Claims (2)
- 基体表面に、メッキによる導電部が形成された電子・電気部品であって、
前記基体が、融点180〜260℃の合成樹脂、
前記メッキ時のマスキングが、ポリ乳酸、ポリ乳酸を主体とする脂肪族ポリエステルとの混合体または共重合体、ポリプロピレングリコールのうちの少なくとも一種であり、
マスキング、またはマスキングと基体とが、3Dプリンティングにより成形されたものであることを特徴とする電子・電気部品。 - 基体が、メッキ用触媒を含有する合成樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の電子・電気部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015007468A JP2016132791A (ja) | 2015-01-19 | 2015-01-19 | 電子・電気部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015007468A JP2016132791A (ja) | 2015-01-19 | 2015-01-19 | 電子・電気部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016132791A true JP2016132791A (ja) | 2016-07-25 |
Family
ID=56425918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015007468A Pending JP2016132791A (ja) | 2015-01-19 | 2015-01-19 | 電子・電気部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016132791A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108250704A (zh) * | 2016-12-28 | 2018-07-06 | 上海邦中新材料有限公司 | 一种3d打印的医用面罩专用树脂 |
JP2019044248A (ja) * | 2017-09-06 | 2019-03-22 | 電気興業株式会社 | 金属作製物の製造方法 |
-
2015
- 2015-01-19 JP JP2015007468A patent/JP2016132791A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108250704A (zh) * | 2016-12-28 | 2018-07-06 | 上海邦中新材料有限公司 | 一种3d打印的医用面罩专用树脂 |
JP2019044248A (ja) * | 2017-09-06 | 2019-03-22 | 電気興業株式会社 | 金属作製物の製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20090169850A1 (en) | Plated Resin Molded Article | |
JP5835947B2 (ja) | 金属膜パターンが形成された樹脂基材 | |
CN109644582A (zh) | 电子设备用壳体、电子设备用壳体的制造方法、展开图状金属树脂接合板及电子装置 | |
JPWO2014168220A1 (ja) | 立体導電パターン構造体の製造方法及びそれに用いる立体成形用材料 | |
JP2016132791A (ja) | 電子・電気部品 | |
KR100495340B1 (ko) | 베이스의 부분적 도금 방법 | |
JP4036571B2 (ja) | 基体の部分的メッキ方法 | |
JP2013216746A (ja) | 成形体の製造方法 | |
JP5604692B2 (ja) | 選択的無電解めっき層の成形方法。 | |
JP2007201212A (ja) | 導電性回路の形成方法 | |
JP4610079B2 (ja) | 基体の部分的メッキ方法 | |
JP2012036478A (ja) | 無電解めっき法により金属膜を形成するための下地塗料、めっき下地用塗膜層の製造方法、めっき物の製造方法 | |
JP4331840B2 (ja) | 微細メッキ方法 | |
JP2001214278A (ja) | ダイレクトプレーティング用アクセレレータ浴液およびダイレクトプレーティング方法 | |
JP2010159468A (ja) | 成形回路部品の製造方法 | |
JP4311853B2 (ja) | 筒体内面への部分メッキ方法 | |
JP3715866B2 (ja) | 立体回路基板の製造方法及び立体回路基板 | |
JP4722254B2 (ja) | 筒体内面ヘリカルアンテナ | |
JP7194372B2 (ja) | 樹脂成形品の被膜形成方法 | |
CN101431866B (zh) | 利用水洗工艺制造软性电路板的方法 | |
JP2007191742A (ja) | ポリ乳酸樹脂成形品へのめっき方法 | |
ES2230796T3 (es) | Procedimiento para metalizar plastico usando una carga catalitica. | |
WO2006006735A1 (ja) | メッキ樹脂成形体 | |
JP2009062609A (ja) | 成形回路部品の製造方法 | |
JP4803420B2 (ja) | 射出成形回路部品とその製造方法 |