JP2016132700A - ポリエステル系樹脂組成物及びそれからなる成形体 - Google Patents

ポリエステル系樹脂組成物及びそれからなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】ブロー成形に適した特性を有し、ブロー成形時の成形性に優れ、優れた耐衝撃性を有するブロー成形体を得ることができるポリエステル系樹脂組成物の提供。
【解決手段】酸成分がテレフタル酸を主成分とし、グリコール成分がエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとを主成分とし、エチレングリコールと1,4−ブタンジオールの質量比が80/20〜30/70であって、かつ結晶融点が160〜205℃、極限粘度が0.5〜1.4であるポリエステル系樹脂(A)と、炭素数2〜20の変性オレフィン共重合体(B)とを含有するポリエステル系樹脂組成物であって、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、変性オレフィン共重合体(B)を0.2〜25質量部含有するポリエステル系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、低温での成形が可能で、耐衝撃性に優れた成形体を生産性よく得ることができるポリエステル系樹脂組成物に関するものである。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、機械的特性、化学的安定性、透明性等に優れ、かつ、安価であり、各種のシート、フィルム、容器等として幅広く用いられており、特に昨今では、塩化ビニル樹脂製成形品におけるような残留モノマーや有害添加剤の心配が少なく、衛生性及び安全性が高い点から、各種用途において塩化ビニル樹脂からの置き換えも進んでいる。
PETを各種用途に広く利用するためには、耐衝撃性を有していることが必要である。特にシート状成形体から得られる容器や、ブロー成形により得られたブロー成形体などにおいては、耐久性などの点からも優れた耐衝撃性を有していることが求められる。
特許文献1には、熱可塑性ポリマーとコアシェル型耐衝撃緩衝剤とからなる熱可塑性ポリマー組成物が記載されている。そして、熱可塑性ポリマーとしては、PETやポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステルも記載されている。
しかしながら、特許文献1ではブロー成形により成形体を得ることは記載されておらず、特許文献1の熱可塑性ポリマー組成物をブロー成形して得られた成形体(ボトル等)は、耐衝撃性の向上効果が不十分なものであった。
また、特許文献2には、PETに変性ポリオレフィンや変性オレフィン系エラストマーを添加した樹脂組成物が記載されている。しかしながら、特許文献2記載の樹脂組成物もブロー成形により成形体を得ることは考慮されておらず、射出成形にて耐衝撃性と耐熱性に優れた成形体を得ることを目的とするものであった。このため、特許文献2記載の樹脂組成物は、結晶核剤、(メタ)アクリレート共重合体、エステル系可塑剤及び繊維状強化材を必須とするものであり、ブロー成形することが困難なものであり、たとえブロー成形が可能であっても、得られた成形体(ボトル等)は、耐衝撃性の向上効果が不十分なものであった。
特許文献1:特開2012−126902号公報
特許文献2:特開昭61−200159号公報
本発明は上記の問題点を解決し、ブロー成形に適した特性を有し、低温でのブロー成形が可能で、優れた耐衝撃性を有するブロー成形体を得ることができるポリエステル系樹脂組成物を提供しようとするものである。
本発明者等は、上記の課題を解決するために、鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、次の(1)〜(4)を要旨とするものである。
(1)酸成分がテレフタル酸を主成分とし、グリコール成分がエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとを主成分とし、エチレングリコールと1,4−ブタンジオールの質量比が80/20〜30/70であって、かつ結晶融点が160〜205℃、極限粘度が0.5〜1.4であるポリエステル系樹脂(A)と、炭素数2〜20の変性オレフィン共重合体(B)とを含有するポリエステル系樹脂組成物であって、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、変性オレフィン共重合体(B)を0.2〜25質量部含有することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
(2)変性オレフィン共重合体(B)は、オレフィン構造単位と官能基構造単位を有し、オレフィン構造単位と官能基構造単位の質量比(オレフィン構造単位/官能基構造単位)が100/0.1〜100/10である、(1)に記載のポリエステル系樹脂組成物。
(3)融点+10℃、21.2N条件下で測定される溶融粘度(MFR−1)が0.1〜20g/10分であり、融点+10℃、130N条件下で測定される溶融粘度(MFR−2)との比(MFR−2/MFR−1)が7.5〜20である(1)又は(2)に記載のポリエステル系樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物からなる成形体。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、特定の共重合ポリエステル系樹脂と特定の変性オレフィン共重合体を適量含有し、特にブロー成形に適した特性を有するものである。このため、成形性よく、耐衝撃性に優れたブロー成形体を得ることが可能であり、また、低温で成形することができ、生産性に優れている。
そして、本発明の成形体は、本発明のポリエステル系樹脂組成物を用いて形成されたものであるため、生産性よく得ることができ、耐衝撃性に優れたものであって、種々の用途に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂(A)と変性オレフィン共重合体(B)を含有するものである。まず、ポリエステル系樹脂(A)について説明する。
本発明のポリエステル系樹脂(A)は、酸成分がテレフタル酸(以下、TPAと略記することがある。)を主成分とするものであり、中でもテレフタル酸は、酸成分の90モル%以上であることが好ましく、さらには95モル%以上であることが好ましい。テレフタル酸は、ポリエチレンテレフタレートの酸成分として知られているように、ポリエステル一般に共通の好ましい物性を与えるのに寄与する。テレフタル酸の割合が90モル%未満であると、このような樹脂から得られる成形体は結晶性に劣るものとなる。
一方、ポリエステル系樹脂(A)中のグリコール成分は、エチレングリコール(以下、EGと略記することがある。)と1,4−ブタンジオール(以下、BDと略記することがある。)を主成分とするものであり、中でも両成分の割合が80モル%以上であることが好ましく、さらには85モル%以上であることが好ましい。
そして、両者の質量比(EG/BD)は、80/20〜30/70であり、中でも70/30〜40/60であることが好ましい。この範囲を外れると、ポリエステル系樹脂(A)の融点が高くなる。また、樹脂の結晶性が悪くなったり、重縮合反応中にテトラヒドロフランが生成したり、ポリエステル系樹脂(A)の熱安定性の悪化を招く。このため、ブロー成形を低温で行うことができず、また、高温でブロー成形を行ったとしても、樹脂のドローダウンが生じ、成形が困難になったり、成形できたとしても厚みムラのある成形体となる。
また、得られる成形体の柔軟性を向上させるためには、ポリエステル系樹脂(A)中のグリコール成分に、共重合成分としてポリテトラメチレングリコールが含有されていることが好ましい。ポリテトラメチレングリコールの含有量(共重合量)は、0.1〜20モル%であることが好ましく、中でも0.1〜15モル%であることが好ましい。
さらには、ポリエステル樹脂を構成する成分として、本発明の目的を損なわない範囲において、上記したテレフタル酸、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール及びポリテトラメチレングリコールに加えて、次のような成分が共重合されていてもよい。イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、ナフタレンジカルボン酸、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の成分が挙げられる。
なお、上記したポリエステルを構成する成分としてのテレフタル酸、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール及び他の成分には、これらのエステル形成性誘導体が概念として含まれる。そしてこのようなエステル形成性誘導体を共重合成分として併用してもよい。
そして、本発明のポリエステル系樹脂(A)は、結晶融点を有するものであり、その結晶融点は、160〜205℃であり、中でも180〜200℃であることが好ましい。結晶融点が160℃未満であると、得られる成形品の耐熱性が不足する。一方、205℃を超えると、成形時の熱処理温度を高温にしなければならないため、コスト的に不利となる。
次に、本発明のポリエステル系樹脂(A)は、極限粘度(IV)が、0.5〜1.4であることが必要であり、中でも0.6〜1.2であることが好ましい。なお、極限粘度(IV)は、フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃で測定するものである。
極限粘度が0.5未満の場合は、樹脂の粘度が低いため、ブロー成形時にパリソンのドローダウンが大きくなったり、得られる成形品は厚みムラが生じたものとなる。一方、極限粘度が1.4を超える場合は、成形時の温度を上げる必要があり、コスト的に不利となり、また、得られる成形品は耐衝撃性や色調に劣るものとなる。
さらに、本発明のポリエステル系樹脂(A)は、カルボキシル末端基濃度が30当量/t以下であることが好ましく、中でも28当量/t以下であることが好ましい。ポリエステル系樹脂(A)のカルボキシル末端基濃度を30当量/t以下とすることによって、加工中に熱分解が生じることがなく、安定した成形が可能となる。また、耐久性にも優れた成形体を得ることが可能となる。
カルボキシル末端基濃度が30当量/tを超える場合は、加工中の熱履歴によって、樹脂の熱分解が生じる。このため、成形体が物性に劣るものになったり、着色などの外観悪化を起こすため好ましくない。また、耐久性にも劣るため好ましくない。
次に、変性オレフィン共重合体(B)について説明する。変性オレフィン共重合体(B)は、炭素数2〜20の変性オレフィン共重合体であるが、中でもオレフィン構造単位と官能基構造単位を有するものであることが好ましい。
オレフィン構造単位としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体などが挙げられる。これらの中でエチレン系重合体が好ましい。
エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチレン系不飽和エステル共重合体等が挙げられる。また、共役ジエンや非共役ジエン等の多不飽和化合物とエチレンとα−オレフィンとの共重合体も挙げることができる。これらは単独もしくは複数を組み合わせて使用してもよい。中でもエチレンと1種類以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることが好ましい。
α−オレフィンとしては、炭素数3〜12のα−オレフィンが好ましい。具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、ノルボルネン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。これらの中でもα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が好ましい。
さらに、本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンから導かれる構造単位の割合が、70〜99.5モル%であることが好ましく、中でも75〜95モル%であることが好ましい。
次に、官能基構造単位の官能基としては、ヘテロ原子を含む官能基であることが好ましい。より具体的には炭素、水素、酸素を含む官能基が好ましく、さらに具体的にはエステル基、エーテル基、カルボキシル基(無水物を含む)、アルデヒド基、ケトン基が好ましい。
上記の中でも特に好ましい官能基は、無水マレイン酸である。無水マレイン酸は、前述のオレフィン構造単位との反応性が比較的高く、それ自身が重合等による大きな構造変化が少なく、基本構造として安定な傾向がある。このため、安定した品質の変性オレフィン共重合体(B)を得られるなどの様々な利点がある。
変性オレフィン共重合体(B)における、オレフィン構造単位と官能基構造単位の質量比(オレフィン構造単位/官能基構造単位)は、100/0.1〜100/10であることが好ましく、中でも100/0.3〜100/8であることが好ましく、100/0.5〜100/5であることがより好ましい。官能基構造単位の含有量が上記範囲より少ない場合、ポリエステル系樹脂(A)との反応点が少なく、得られる樹脂組成物の耐衝撃性を向上させることが困難となりやすい。一方、官能基構造単位の含有量が上記範囲よりも多い場合、ポリエステル系樹脂(A)との反応が過剰に進行し、ポリエステル系樹脂(A)のゲル化がおこり、樹脂組成物の成形性が阻害されたり、外観不良になる場合がある。また、多過ぎる官能基が、熱や光による変性などを受けて着色を引き起こす場合もある。
変性オレフィン共重合体(B)は、ポリエステル系樹脂(A)との相溶性や衝撃強度向上の面から、メルトフローレート(MFR)(ASTM D1238により、190℃、21.2N荷重で測定)が0.01〜20g/10分であることが好ましく、中でも0.05〜20g/10分であることが好ましい。
上記したような変性オレフィン共重合体(B)のうち、最も好ましい態様である、無水マレイン酸変性エチレン−α−オレフィンとして市販されているものとしては、三井化学社製「タフマーMシリーズ」、ダウ・ケミカル日本社製「パラロイドEXL−3808」などが挙げられる。
変性オレフィン共重合体(B)の含有量は、前記ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して0.2〜25質量部であることが必要であり、中でも0.5〜20質量部であることが好ましく、さらには0.5〜15質量部であることが好ましい。含有量が0.2質量部未満である場合には、得られる樹脂組成物の衝撃強度を十分に向上させることができない。一方、25質量部を超える場合には、ポリエステル系樹脂(A)との相溶性が低下し、成形性が悪化し、特にブロー成形が困難となり、得られる成形体は厚みムラの生じたものとなり、耐衝撃性にも劣るものとなる。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、融点+10℃、21.2N条件下で測定される溶融粘度(MFR−1)が0.1〜20g/10分であり、中でも1〜15g/10分であることが好ましい。MFR−1がこの範囲外のものであると、ブロー成形に適した流動性を有するものとならず、成形性が悪化し、得られるブロー成形体は厚み斑の生じたものとなりやすい。
また、融点+10℃、130N条件下で測定される溶融粘度(MFR−2)との比(MFR−2/MFR−1)が7.5〜20であることが好ましく、8〜15であることがより好ましい。なお、MFR−1、MFR−2ともに、JIS K−7210に従って測定するものである。
MFR−2/MFR−1の値は、樹脂組成物の分子量分布、直鎖分岐の目安でもあり、MFR−2/MFR−1の値が高いほど、分子量分布が広いまたは/あるいは直鎖分岐が高いことを示す。MFR−2/MFR−1の値が7.5未満の場合、流動性が高すぎるため、ブロー成形時に厚みに斑ができやすくなるため好ましくない。一方、MFR−2/MFR−1の値が20以上の場合、流動性が悪いため、成形温度を高くする必要がある。それにより、樹脂が分解しやすくなり、着色やゲル化など外観が悪化する可能性が高くなるため好ましくない。また、分解によって樹脂組成物のカルボン酸末端が増えることで、得られる成形体の耐久性も悪くなるために好ましくない。
そして、ポリエステル系樹脂組成物のMFRの比を本発明で規定する上記範囲を満足するものとするためには、ポリエステル系樹脂組成物中に、脂肪酸エステルやヒンダードフェノール系抗酸化剤が添加されていることが好ましい。樹脂組成物中のこれらの含有量は、0.01〜1.0質量%であることが好ましく、中でも0.05〜1.0質量%であることが好ましい。
脂肪酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレート等が挙げられる。中でも、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサステアレートが好ましい。
また、ヒンダードフェノール系抗酸化剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1’−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン等が用いられるが、効果とコストの点で、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンが好ましい。
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物中には、上記のような酸化防止剤の他、着色防止剤として、例えば、亜リン酸、リン酸、トリメチルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリメチルフォスフェート、トリデシルフォスフェート、トリフェニルフォスフォート等のリン化合物を用いることができ、これらのリン化合物は単独で使用しても2種以上使用しても良い。また、ポリエステル系樹脂の熱分解による着色を抑制するために酢酸コバルト等のコバルト化合物、酢酸マンガン等のマンガン化合物、アントラキノン系染料化合物、銅フタロシアニン系化合物等の添加剤が含有されていてもよい。
本発明のポリエステル系樹脂組成物中のポリエステル系樹脂(A)と変性オレフィン共重合体(B)の合計含有量は、80質量%以上であることが好ましく、中でも90質量%以上であることが好ましく、さらには95質量%以上であることが好ましい。
本発明のポリエステル系樹脂組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂成分が含有されていてもよい。例えば、熱可塑性樹脂として、ポリエチレングリコールまたはその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ナイロンその他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等の弗化炭素樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンまたはアクリロニトリル−スチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリオキシメチレン、ポリホルムアルデヒド、ポリアセタール等の熱可塑性樹脂またはグラフト、レゾール及びノボラック等のフェノール−ホルムアルデヒド樹脂及びこれらの共重合体、及びこれらの混合物などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、ポリウレタン、シリコーン、フルオロシリコーン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド、ウレア・ホルムアルデヒドおよびこれらの共重合体、及びこれらの混合物などが挙げられる。
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、顔料、熱安定剤、耐候剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等を添加してもよい。熱安定剤としては、たとえば、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用することができる。これらの添加剤は、一般に溶融混練時あるいは重合時に加えられる。
また、本発明のポリエステル系樹脂組成物中には、下記に示すような発泡剤が含有されていてもよく、発泡ブロー成形により、本発明の成形体を発泡ブロー成形体としてもよい。
発泡剤としては、熱分解型の、例えば、アゾ、N−ニトロソ、複素環式窒素含有及びスルホニルヒドラジド基のような分解しうる基を含有する有機化合物、炭酸アンモニウムや炭酸水素ナトリウムなどの無機化合物を挙げることができる。その具体例としては、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、ジアゾアミノベンゼン、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4−トルエンスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシ−ビス(ベンゼンスルホニル)セミカルバジド、4−トルエンスルホニルセミカルバジド、バリウムアゾジカルボキシレート、5−フェニルテトラゾール、トリヒドラジノトリアジン、4−トルエンスルフォニルアザイド、4,4’−ジフェニルジスルフォニルアザイドなどが挙げられる。
発泡剤としては、ガス状フルオロカーボン、窒素、二酸化炭素、空気、ヘリウム、アルゴンなど常温で気体のものや、液状フルオロカーボン、ペンタンなどの常温で液体のものも使用できる。
次に、本発明のポリエステル系樹脂の製造方法について説明する。まず、本発明におけるポリエステル系樹脂(A)は、エステル化反応、溶融重合反応工程を経て得られるものであることが好ましい。
また、溶融重合反応工程後に固相重合反応工程を経てもよい。これらの工程や条件を特定のものにすることによって、本発明のポリエステル系樹脂(A)を得ることができる。
具体的には、例えば、次のような方法で製造することができる。
まず、温度230〜250℃で窒素ガス制圧下、ビス-(β-ヒドロキシエチル)テレフタレート又はその低重合体の存在するエステル化反応槽に、エチレングリコールとテレフタル酸とからなり、両者の物質量(モル)比が1,1〜2.0のスラリーを連続的に添加し、滞留時間7〜8時間で平均重合度10以下のエステルオリゴマーを連続的に得る。次に、このテレフタル酸とエチレングリコールからなるエステルオリゴマーを溶融重縮合反応缶に移し、1,4−ブタンジオールを、エチレングリコール/1,4-ブタンジオールの質量比が80/20〜30/70の範囲内となる量で加え、200〜230℃で反応を行う。なお、反応の温度が200℃未満では、反応が遅くなるばかりであり、また、エステルオリゴマーが固化してしまうおそれがある。また、230℃を超えると、1,4−ブタンジオールが反応中に分解してテトラヒドロフランとなり、所定の1,4−ブタンジオールの比率のポリエステル樹脂が得られない。
さらに重縮合触媒を添加した後、溶融重縮合反応缶の温度を200〜260℃に昇温し、0.01〜13.3hPaの減圧下にて、所定の極限粘度となるまで溶融重縮合反応を行う。このようにして、所定の条件で溶融重縮合反応を行って製造された本発明のポリエステル系樹脂(A)は、ガス圧を利用してノズルから押出すことにより多数の棒状に払い出され、カットされてチップ形態として得られる。
本発明のポリエステル系樹脂(A)のカルボキシル末端基濃度は、30当量/t以下であることが好ましいが、これは、上記のように、テレフタル酸とエチレングリコールからなるエステルオリゴマーに、ブタンジオールをエチレングリコール/ブタンジオールの質量比が80/20〜30/70の範囲内となる量で加え、解重合反応を所定の温度で行うことで、達成される。
また、溶融重合反応工程後に固相重合反応工程を経る場合は、あらかじめ、ポリエステル系樹脂(A)を乾燥、結晶化させた後、通常、減圧下あるいは窒素などの不活性ガス流通下にて、ポリエステル樹脂の融点よりも20〜30℃低い温度で3時間〜50時間、反応器内にてポリエステル樹脂を反応させることにより行うことが好ましい。固相重合反応を行うことにより、極限粘度を更に高くしたり、含有オリゴマー量をさらに少なくすることができる。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、上記のポリエステル系樹脂(A)と変性オレフィン共重合体(B)とを溶融混練することで得ることができる。混練方法は、特に限定されないが、例えば、工業的に最も簡便である溶融混練法を採用することができる。溶融混練には一般的な押出機を用いることができ、混練状態の向上のためには、二軸押出機を使用することが好ましい。ポリエステル系樹脂(A)と変性オレフィン共重合体(B)の押出機への供給の際には、予め全ての原料をドライブレンドしたものを一つのホッパーに供給してもよいし、2つのホッパーにそれぞれの樹脂を仕込み、ホッパー下のスクリュー等で定量しながら供給してもよい。
このとき、変性オレフィン共重合体(B)の添加方法に関しては、ポリエステル系樹脂(A)中に変性オレフィン共重合体(B)が高濃度に添加されたマスターバッチペレットを作製し、このマスターバッチペレットをポリエステル系樹脂(A)で希釈することによりポリエステル系樹脂組成物を得る方法を採用することが好ましい。このような方法を採用することで、成形体を得る際のコストが抑えられると同時に、成形体を得る際の熱履歴が少なくなるために、ポリエステル系樹脂の熱劣化が抑えられ、粘度や張力の低下を抑えることができる。これにより、成形加工性に優れ、また、得られる成形体は、より耐衝撃性に優れた成形体となり、色調にも優れたものとすることが可能となる。
このようなマスターバッチペレットにおいて、変性オレフィン共重合体(B)の含有量は、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、3〜40質量部であることが好ましく、中でも4〜35質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。変性オレフィン共重合体(B)の含有量が3質量部未満であると、本発明の樹脂組成物を得る際にマスターバッチペレットの使用量が多くなり、変性オレフィン共重合体(B)を高濃度に含有するマスターバッチペレットとは言えないものとなる。一方、含有量が40質量部を超えると、マスターバッチペレット作製時の操業性が低下し、変性オレフィン共重合体(B)の分散性が低くなり、得られるマスターバッチペレットに濃度ムラが生じやすくなる。
次に、上記したような本発明のマスターバッチペレットを製造した後、ポリエステル系樹脂(A)で希釈して、本発明のポリエステル系樹脂組成物を製造する方法について説明する。
まず、本発明のマスターバッチペレットの製造方法について説明する。押出機中に、ポリエステル系樹脂(A)と、変性オレフィン共重合体(B)を添加し、溶融混練する。このとき、1軸押出機あるいは2軸押出機で溶融混練を行い、溶融混練時の温度をポリエステル系樹脂(A)の融点+20℃として、樹脂組成物を溶融混練して押出し、ストランドを冷却後、ペレットサイズにカットする方法が好ましい。用いる押出機は混練能力から2軸押出機が好ましい。また、添加方法としては、変性オレフィン共重合体(B)を別フィーダーから添加する方法、ドライブレンドをしてホッパーから添加する方法など特に制限はないが、濃度を正確に測定でき、分散ムラを抑えることができるため、それぞれ別フィーダーで計量して添加することが好ましい。
そして、本発明のポリエステル系樹脂組成物は、上記のようにして得られたマスターバッチペレットを用い、変性オレフィン共重合体(B)が所望の濃度となるように、ポリエステル系樹脂(A)で希釈することにより得ることができる。具体的には、マスターバッチペレットとポリエステル系樹脂(A)をドライブレンドした後、1軸押出機あるいは2軸押出機で溶融混練を行うことが好ましい。
その際、マスターバッチペレットとポリエステル系樹脂(A)の割合は5/95〜20/80質量部であることが好ましい。
本発明のポリエステル系樹脂組成物は、上記したように、ブロー成形に適したものであるが、射出成形や延伸法を採用しても、耐衝撃性に優れた成形体(射出成形体、シート、フィルム等)を得ることができる。
次に、本発明の成形体は、本発明のポリエステル系樹脂組成物を用いて形成されたものであり、中でもブロー成形体とすることが好ましい。本発明のブロー成形体は、汎用のダイレクトブロー成形機や延伸ブロー成形機を用いて製造することが可能であり、成形機のシリンダー各部及びノズルの温度は、160〜250℃の範囲とするのが好ましい。
そして、本発明のブロー成形体は、本発明の樹脂組成物のみを用いて形成された単層構造のブロー成形体であってもよいし、本発明の樹脂組成物を少なくとも一部に用いた多層構造のブロー成形体であってもよい。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、実施例中の各種の特性値等の測定、評価方法は次の通りである。
(a)極限粘度
フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、温度20℃で測定した。
(b)カルボキシル末端基濃度
得られたポリエステル樹脂0.1gをベンジルアルコール10mlに溶解し、この溶液にクロロホルム10mlを加えた後、1/10規定の水酸化カリウムベンジルアルコール溶液で滴定して求めた。
(c)組成
得られたポリエステル系樹脂組成物を重水素化ヘキサフルオロイソプロパノールと重水素化クロロホルムとの用量比が1/20の混合溶媒に溶解させ、日本電子社製LA−400型NMR装置1H−NMRを測定し、得られたチャートの各成分のプロトンピークの積分強度から、共重合量と含有量を求めた。
(d)結晶融点(Tm)
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用い、昇温速度20℃/分で測定した。
(e)溶融粘度(MFR)
前記の方法で測定した。
(f)耐衝撃性(シャルピー衝撃強度)
得られたポリエステル系樹脂組成物を日精樹脂社製NEX110型射出成形機に投入し、シリンダ温度270℃、金型表面温度40℃で、一般物性測定用試験片(ISO型)及び2mm厚プレート(長さ90mm、幅50mm)を作製した。
得られた一般物性測定用試験片(ISO型)にV字型切込みを入れたものを試験サンプルとして用い、ISO 179−1に従って、シャルピー衝撃強さを測定した。シャルピー衝撃強さは、4kJ/m以上であることが好ましい。
(g)耐衝撃性(デュポン衝撃強度)
(f)で得られた2mm厚のプレートの中心部に直径=2.5mmの穴を空けたものを測定用サンプルとして用い、JIS K5600−5−3の「6.デュポン式」に従って耐衝撃性(耐おもり落下性)を測定した。測定によって得られた50%破壊エネルギーの値で耐衝撃性を評価した。破壊エネルギーは、1J以上であることが好ましく、2J以上であることがさらに好ましい。
(h)ダイレクトブロー成形性
得られたダイレクトブロー成形品(サンプル数100本)の胴部の厚さを測定し、最厚部と最薄部の厚さの差が0.30mmまでのものを合格とし、合格のサンプル数を示した。合格のサンプル数が90本〜94本であるものを△、95本以上であるものを○、90本未満であるものを×とした。
(i)延伸ブロー成形性
得られた延伸ブロー成形品(サンプル数100本)の胴部の厚さを測定し、最厚部と最薄部の厚さの差が30μmまでのものを合格とし、合格のサンプル数を示した。合格のサンプル数が90本〜94本であるものを△、95本以上であるものを○、90本未満であるものを×とした。
下記の実施例及び比較例において使用した樹脂は次の通りである。
ポリエステル系樹脂(A)
・A−1:製造例1に示す方法で作製した、表1に示す組成、特性値を有するもの
・A−2:製造例2に示す方法で作製した、表1に示す組成、特性値を有するもの
・a−1:製造例3に示す方法で作製した、表1に示す組成、特性値を有するもの
変性オレフィン共重合体(B)
・B−1:パラロイドEXL−3808(ダウ社製、無水マレイン酸変性エチレン−オクテン共重合体、無水マレイン酸含率0.8質量%、MFR:1g/10分)
その他のエラストマー(X)
・X−1:タフテックM1943(旭化成ケミカルズ社製、無水マレイン酸変性SEBS、スチレン含有量20質量%、無水マレイン酸含率1.1質量%、MFR:0.6g/10分)
・X−2:メタブレンC−223(三菱レイヨン株式会社製、コアシェル型耐衝撃改良剤コア層成分:ブタジエン系ゴム、シェル層成分:(メタ)アクリル酸メチル重合体)
製造例1
ビス(β-ヒドロキシエチル)テレフタレート及びその低重合体の存在するエステル化反応缶に、テレフタル酸とエチレングリコールとのモル比1/1.6のスラリーを連続的に供給し、温度250℃、圧力0.2MPaの条件で反応させ、滞留時間を8時間として、エステル化反応率95%のエステルオリゴマーを連続的に得た。このエステルオリゴマー60.3kgを溶融重縮合反応缶に仕込み、1,4−ブタンジオールをエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとのモル比が55/45となる量(16.2kg)添加し、さらに、重縮合触媒として、テトラ−n−ブチルチタネート(表1中、Ti系と表記)、二酸化ゲルマニウム(表1中、Ge系と表記)、酢酸コバルト(表1中、Co系と表記)と酸化防止剤としてヒンダードフェノール系抗酸化剤(ADEKA社製:アデカスタブAO−60)をそれぞれ加え、徐々に減圧して、最終的に圧力0.9hpa、温度250℃で4時間重縮合反応を行い、常法により払い出してチップ状のポリエステル系樹脂(A−1)を得た。
製造例2、3
ポリエステル系樹脂を製造する際のブタンジオールの添加量を変更し、組成を表1の値となるように変更した以外は、製造例1と同様にしてポリエステル系樹脂(A−2)と(a−1)を得た。
製造例4:B−1のMB作製
二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)を用い、ポリエステル系樹脂(A−1)100質量部と、変性オレフィン共重合体(B−1)25質量部とをドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度200℃、スクリュー回転数150rpm、吐出20kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂組成物をペレット状にカッティングし、B−1のMBペレットを得た。
得られたB−1のMBペレットを85℃×12時間熱風乾燥したものをB−1のMBとして各種成形体作製に用いた。
Figure 2016132700
実施例1
二軸押出機(東芝機械社製TEM37BS型)を用い、ポリエステル系樹脂(A−1)100質量部と、変性オレフィン共重合体(B−1)0.5質量部とをドライブレンドして押出機の根元供給口から供給し、混練温度200℃、スクリュー回転数150rpm、吐出20kg/hの条件で、ベントを効かせながら押出しを実施した。押出機先端から吐出された樹脂組成物をペレット状にカッティングした。得られたペレットを85℃×12時間熱風乾燥したものをポリエステル系樹脂組成物として各種成形体作製に用いた。
また、該ポリエステル系樹脂組成物をダイレクトブロー成形機(タハラ社製)を用い、押出温度195℃で樹脂を押出して円筒形パリソンを形成し、(パリソン径3cmで長さが25cmとなったところで成形し)、パリソンが軟化状態にあるうちに金型で挟み、底部形成を行い、これをブローし、胴部の平均肉厚1.0mm、内径3.5cm、高さ11.5cmの円筒状のボトル(内容量100ccの中空容器;ダイレクトブロー成形品)を得た。
さらに、該ポリエステル系樹脂組成物を、シリンダー各部およびノズル温度を220℃、スクリュー回転数100rpm、射出時間10秒、冷却時間10秒、金型温度15℃に設定した射出成型機(日精エーエスビー社製、ASB−50TH型)を用いてプリフォームを成形した。次いで、このプリフォームを100℃雰囲気下、ブロー圧力2MPaで延伸ブロー成形し、胴部の平均肉厚300μm、内径3.5cm、高さ15cmの円筒状のボトル(内容積150ccの中空容器;延伸ブロー成形品)を得た。
実施例2〜5、比較例1〜4
表2に示すように、変性オレフィン共重合体(B−1)等の添加剤の種類と割合を変更した以外は、実施例1と同様に行ってポリエステル系樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル系樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてダイレクトブロー成形品及び延伸ブロー成形品を得た。
実施例6
ポリエステル系樹脂(A−1)と変性オレフィン共重合体(B−1)の割合が表2に示すものとなるように、ポリエステル系樹脂(A−1)と製造例4で作製したB−1のMBをドライブレントした以外は、実施例1と同様に行ってポリエステル系樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル系樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてダイレクトブロー成形品及び延伸ブロー成形品を得た。
実施例7〜8
ポリエステル系樹脂(A)として、ポリエステル系樹脂(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行ってポリエステル系樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル系樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてダイレクトブロー成形品及び延伸ブロー成形品を得た。
実施例9
ポリエステル系樹脂(A)として、ポリエステル系樹脂(A−3)を用いた以外は、実施例1と同様に行ってポリエステル系樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル系樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてダイレクトブロー成形品及び延伸ブロー成形品を得た。
比較例5
ポリエステル系樹脂として、ポリエステル系樹脂(a−1)を用いた以外は、実施例1と同様に行ってポリエステル系樹脂組成物を得た。
得られたポリエステル系樹脂組成物を用い、実施例1と同様にしてダイレクトブロー成形及び延伸ブロー成形に供した。
実施例1〜9、比較例1〜5で得られたポリエステル系樹脂組成物及び成形体の評価結果を表2に示す。
Figure 2016132700
表2から明らかなように、実施例1〜9で得られたポリエステル系樹脂組成物は、優れた耐衝撃性を有しており、ダイレクトブロー成形、延伸ブロー成形ともに良好に行うことができ、厚み斑の少ない、耐衝撃性に優れた成形体を得ることができた。
一方、比較例1で得られたポリエステル系樹脂組成物は、変性オレフィン共重合体(B)の含有量が多すぎたため、溶融粘度が低く、ブロー成形時の流動性が悪いものとなった。このため、成形性が悪く、成形品を得ることができなかった。比較例2で得られたポリエステル系樹脂組成物は、変性オレフィン共重合体(B)の含有量が少なすぎたため、耐衝撃性に劣るものであった。比較例3で得られたポリエステル系樹脂組成物は、変性オレフィン共重合体(B)に代えて、他のエラストマーを添加したため、耐衝撃性に劣るものであった。比較例4で得られたポリエステル系樹脂組成物は、変性オレフィン共重合体(B)に代えて、他のエラストマーを添加したため、耐衝撃性に劣るものであった。さらに、溶融粘度の比が7.5未満となったため、ブロー成形時にドローダウンが生じ、得られた成形品は厚み斑の生じたものがあった。比較例5で得られたポリエステル系樹脂組成物は、ポリエステル系樹脂として1,4−ブタンジオールの含有量が多いもの用いたため、融点が高く、実施例1と同様の条件ではダイレクトブロー成形、延伸ブロー成形ともに行うことができなかった。

Claims (4)

  1. 酸成分がテレフタル酸を主成分とし、グリコール成分がエチレングリコールと1,4−ブタンジオールとを主成分とし、エチレングリコールと1,4−ブタンジオールの質量比が80/20〜30/70であって、かつ結晶融点が160〜205℃、極限粘度が0.5〜1.4であるポリエステル系樹脂(A)と、炭素数2〜20の変性オレフィン共重合体(B)とを含有するポリエステル系樹脂組成物であって、ポリエステル系樹脂(A)100質量部に対して、変性オレフィン共重合体(B)を0.2〜25質量部含有することを特徴とするポリエステル系樹脂組成物。
  2. 変性オレフィン共重合体(B)は、オレフィン構造単位と官能基構造単位を有し、オレフィン構造単位と官能基構造単位の質量比(オレフィン構造単位/官能基構造単位)が100/0.1〜100/10である、請求項1に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  3. 融点+10℃、21.2N条件下で測定される溶融粘度(MFR−1)が0.1〜20g/10分であり、融点+10℃、130N条件下で測定される溶融粘度(MFR−2)との比(MFR−2/MFR−1)が7.5〜20である請求項1又は2に記載のポリエステル系樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル系樹脂組成物からなる成形体。
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