JP2016132616A - 眼疾患治療用ナノ粒子製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬物の眼内移行性を向上し、持続性等の機能を著しく向上させる眼疾患治療用製剤の提供。
【解決手段】薬物と脂溶性分子とからなる薬物複合体を含んでなる、眼疾患治療用ナノ粒子製剤であって、薬物と脂溶性分子とが眼内pHで加水分解しうる酸アミド結合を介して連結された、眼疾患治療用ナノ粒子製剤。薬物複合体としては、下式で例示されるブリンゾラミドの誘導体等であることが好ましいナノ製剤。前記薬物がブリンゾラミド、ドルゾラミド、カルテオロール、ニプラジノール、ブリモニジン及びブナゾシン等であるナノ製剤。

(RはMe、i−BuO、t−BuO、n−C17O又はn−C1225O)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な薬物複合体およびそれを用いた眼疾患治療用ナノ粒子製剤に関する。
現在、緑内障および高眼圧症等の眼疾患の治療には、眼圧降下効果のある薬物としてブリンゾラミド等の炭酸脱水素酵素阻害薬が点眼や内服液として眼科分野で使用されている。しかしながら、これらの薬物は腎臓などに蓄積し易いことから眼局所的な投与が望ましく、更に、薬物(薬効成分)量を抑える努力が必要である。一方、眼表面には角膜上皮のバリアが存在し、薬物の浸入を妨げており、結果的にこれらの薬物の有効濃度を上げている。
その結果、例えば、薬物としてブリンゾラミドを用いた場合、ブリンゾラミド市販薬には有効成分であるブリンゾラミドが極めて高濃度で懸濁しており、点眼後に視界を失うという問題点が指摘されている。
特許文献1では、親水性の蛍光イメージング剤であるフルオロセインをアセチル化することで疎水性プロドラッグとし、更に、ナノ粒子化することで眼内移行性の高い点眼薬とする方法が示されている。
このときプロドラッグをナノ粒子化する方法として再沈法が用いられる。プロドラッグが溶解する溶媒に溶解し、得られた溶液を、プロドラッグが溶解しない溶媒と混合し、プロドラッグがナノ粒子として存在する溶液を得て、これを点眼基材と混合することにより製造することができる。
特許文献2では、GABA類似体であるバクロフェンをアシルオキシアルキルオキシカルボニル化することにより体内に吸収され易いプロドラッグとする方法を提供している。しかしながらアセタール部分の不斉誘導は高度な技術を要し、キラルなブリンゾラミドに、ラセミ体のプロドラッグ化試薬を用いるとジアステレオマー混合物を与え、ナノ粒子化が困難となることが予想される。また、眼内でプロドラッグが加水分解されて生じるアルデヒド類は、毒性および臭気が強く患者に不快感を与える可能性があり、眼疾患治療薬プロドラッグの構成成分として適当でない。
特許文献3では、ニューロキノン系抗菌剤ノルフロキサシンをジオキソレニルメチル化することにより体内に吸収され易いプロドラッグとする方法を提供している。しかしながら、本プロドラッグ化法を薬物に適用した場合、ジオキソレニル基自体が疎水性を低下させるため、目的とするナノ粒子製剤の製造が困難となる。また、眼内でプロドラッグが加水分解されて生じる1,2−ジケトン類は、臭気が強く患者に不快感を与える可能性があり、眼疾患治療薬プロドラッグの構成成分として適当でない。
通常酸アミド構造の生体内での加水分解速度は遅いことが知られている。一方、例えば、非特許文献1に記載されているように、いわゆるトリメチルロックと呼ばれる構造を有するカルボン酸由来の酸アミドの加水分解速度が通常の酸アミドと比較して約1011倍であることが知られている。
また、非特許文献2では、上述のトリメチルロックとアミノ基を有する蛍光イメージング剤を複合体化させ、細胞内における複合体の加水分解により発色試薬を放出させることに成功している。しかしながら、非特許文献2には、薬物を用いること、および眼内移行性を向上させることについては何ら記載されていない。
特許文献4では、薬物内包リポソームナノ粒子の作成技術が示されている。リポソームは細胞毒性を示さないものの、リポソームの作成に必要なリン脂質の量は原薬の数百倍と多くその安全性は十分立証されていない。
特許文献5では、水に難溶なシロスタゾールをシクロデキストリンに包接させることで水に可溶とし、緑内障治療薬としての効果が期待される点眼薬の製造法が示されている。この技術はシクロデキストリンの疎水性キャビティーとの親和性が高い部位を有する原薬に適用可能であるが必ずしも一般的ではない。
非特許文献3では、緑内障治療薬メタゾシンをリン酸カルシウムナノ粒子に内包させることで眼内移行性が向上することが示されている。リン酸カルシウムは生体適合性の高い物質であるが、点眼時の刺激性や眼内に取り込まれた際の安全性は十分立証されていない。
WO2010/053101号公報 特表2007−521318号公報 WO1996/002253号公報 WO2009/107753号公報 特開2009−227650号公報
Levine et al.,Chem.Sci.,(2012),3,p.2412 Chandran et al.,J.Am.Chem.Soc.,(2005),127,p.1652 Chen et al.,薬学雑誌,(2010),130,p.419
本発明者らは、薬物と脂溶性高分子とからなる新規な薬物複合体を眼疾患治療に用いると、持続的に著しい眼疾患治療効果が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
したがって、本発明は、新規な薬物複合体およびそれを用いた眼疾患治療用製剤を提供することをその目的としている。
本発明には以下の発明が包含される。
[1]薬物と脂溶性分子とからなる薬物複合体を含んでなる、眼疾患治療用ナノ粒子製剤であって、
上記薬物と上記脂溶性分子とが、眼内pHにて加水分解しうる酸アミド結合を介して連結している、眼疾患治療用製剤。
[2]上記脂溶性分子が以下の一般式(I)で表されるものである、[1]に記載の製剤:
(式中、
R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシまたは置換されていてもよいフェノキシを表し、
あるいは、R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し、
Y は、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシおよび置換されていてもよいフェノキシからなる群から選択される基を表す)。
[3]上記薬物がブリンゾラミド、ドルゾラミド、メタゾラミド、ジピベフリン、カルテオロール、チモロール、ベタキソロール、ニプラジノール、レボブノロール、ブリモニジンおよびブナゾシンから選択されるものである、[1]または[2]に記載の製剤。
[4]上記複合体が、一般式(II)に記載の複合体である、[1]〜[3]のいずれかに記載製剤:
(式中、
A は水素またはXであり、
B は水素またはXであり、
AおよびB は同時に水素でなく、
Xが、以下の一般式(I)で表される基である:
(式中、
R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシまたは置換されていてもよいフェノキシを表し、
あるいは、R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し、
Y は置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシおよび置換されていてもよいフェノキシからなる群から選択される基である))。
[5]上記複合体が以下のいずれかの式で表されるものである[1]〜[4]のいずれかに記載の製剤:
(式中、RはMe、i-BuO、t-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
(式中、RはMe、i-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
(式中、RはMe、i-BuOおよびn-C8H17Oから選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、R1=R2=Me;R1=R2= i-BuO;R1=R2= n-C8H17O;またはR1= i-BuOおよびR2= n-C8H17Oである)、
(式中、R1=R2=MeまたはR1=R2= i-BuOである)。
[6]上記眼疾患が緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄班変性症、網膜色素変性症または高度近視である、[1]〜[5]のいずれかに記載の眼疾患治療用ナノ粒子製剤。
[7]上記ナノ粒子の平均粒径が10〜1,000nmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の製剤。
[8]一般式(II)で表される複合体:
(式中、
A は水素またはXであり、
B は水素またはXであり、
AおよびB は同時に水素でなく、
Xは以下の一般式(I)で表される基である:
(式中、
R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシまたは置換されていてもよいフェノキシを表し、
あるいは、R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し、
Yは、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシおよび置換されていてもよいフェノキシからなる群から選択される基である))。
[9]以下の化合物からなる群から選択される、[8]に記載の複合体:
(式中、RはMe、i-BuO、t-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
(式中、RはMe、i-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
(式中、RはMe、i-BuOおよびn-C8H17Oからなる群から選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、R1=R2=Me;R1=R2= i-BuO;R1=R2= n-C8H17O;またはR1= i-BuOおよびR2= n-C8H17Oである)、
(式中、R1=R2=MeまたはR1=R2= i-BuOである)。
[10][1]〜[7]のいずれかに記載の複合体の製造方法であって、上記薬物と脂溶性分子を酸アミド結合を介して連結させることを含んでなる、製造方法。
[11]上記複合体を再沈法で処理することにより上記ナノ粒子を得ることを含んでなる、[1]〜[7]のいずれかに記載のナノ粒子製剤の製造方法。
本発明によれば、上記薬物複合体をプロドラッグとして眼疾患治療に用いることにより、顕著な眼疾患治療効果を持続的に奏することができる。本発明の薬物複合体によれば、薬物自体が難吸収性であっても、薬物の眼表面バリア透過性や眼内移行性を著しく向上させることができる。かかる本発明によれば、眼疾患治療製剤における薬物濃度を著しく低下させることもでき、眼疾患治療上有利である。
本発明の眼疾患治療用ナノ粒子製剤の製造過程の概略の一例を示す。 従来の市販品ブリンゾラミド点眼剤:製品名「エイゾプト」(A)、およびブリンゾラミドと脂溶性分子とからなる薬物複合体(以下、ブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体ともいう)を含んでなるナノ粒子製剤(B)を走査型電子顕微鏡で撮影した写真像を示す。 従来の市販品ブリンゾラミド点眼剤(A)、および本発明のナノ粒子製剤(B)を用いたラットに対する眼圧測定実験の結果を示す。*は、試験液を点眼したラット群が生理食塩水を点眼したラット群と比較して統計学的に有意な差があることを表す(マン・ホイットニーのU検定に寄る有意差P>0.1、N=6)。
発明の具体的説明
定義
本発明において、一般式(I)のR1、R2 、R3 、R4 またはYにおける「C1-18アルキル」とは、基が直鎖状、分岐鎖状、環状あるいはそれらの組み合わせの炭素数1〜18個のアルキルを意味する。「C1-18アルキル」としては、「C1-18直鎖アルキル」、「C3-18分岐アルキル」、または「C3-8シクロアルキル」が挙げられる。
本発明において、一般式(I)のR1、R2 、R3 、R4 またはYにおける「C1-18アルコキシ」とは、基が直鎖状、分岐鎖状、環状あるいはそれらの組み合わせの炭素数1〜18個のアルコキシを意味する。「C1-18アルコキシ」としては、「C1-18直鎖アルコキシ」、「C3-18分岐アルコキシ」、または「C3-8シクロアルコキシ」が挙げられる。
本発明において、一般式(I)のR1、R2 、R3 、R4 またはYにおける「C7-18アラルコキシ」とは、脂肪族部分が直鎖状、分岐鎖状、環状あるいはそれらの組み合わせを有する炭素数7〜18個のアラルコキシを意味する。「C7-18アラルコキシ」とは、脂肪族部分に1〜6個の炭素原子を有し芳香族部分に6〜12個の炭素原子を有するものが挙げられる。「C7-18アラルコキシ」としては、「C7-18直鎖アラルコキシ」、「C8-18分岐アラルコキシ」、または「C9-18シクロアラルコキシ」が挙げられる。
本発明において、一般式(I)の「C1-18アルキル」、「C1-18アルコキシ」、「C7-18アラルコキシ」および「フェノキシ」は置換されていてよく、かかる置換基としては、ジアルキルアミノ基、モノアルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、またはハロゲン基が挙げられる。
本発明において、一般式(I)の「R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し」とは、置換基R1、R2、R3およびR4のうち互いに隣接する置換基が連結して炭素環を形成することを意味する。かかる環は一般式(I)におけるベンゼン環の炭素原子と共に、好ましくは5〜7員環を形成する。
また、かかる環は置換されてよく、かかる置換基としては、アルキル基、ジアルキルアミノ基、モノアルキルアミノ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、またはハロゲン基が挙げられる。
本発明において、「水難溶性」とは、25℃で水に対する溶解度が10mg/mL未満、好ましくは0.1mg/mL未満などであることを示し、日本薬局方の溶解性の記載における「溶けにくい」、「極めて溶けにくい」、「ほとんど溶けない」に相当する。
本発明は、薬物と脂溶性分子とからなる薬物複合体を含んでなる、眼疾患治療用ナノ粒子製剤であって、薬物と脂溶性分子とが眼内pHにて加水分解しうる酸アミド結合を介して連結されたことを特徴としている。
薬物
本発明における薬物とは、特に限定されないが、眼疾患治療に用いられる薬物が挙げられ、特に、水難溶性で難吸収性である薬物にも適用可能である。上記薬物としては、特に限定されるものではないが、ブリンゾラミド、ドルゾラミド、メタゾラミド等のスルホンアミド系化合物を含んでなる炭酸脱水素酵素阻害薬、ジピベフリン等のアドレナリン誘導体を含んでなる交感神経刺激薬、カルテオロール等のカルボスチリル誘導体、チモロール等のβ-ヒドロキシルアミン系化合物を含んでなるβ遮断薬、ベタキソロール等のβ-ヒドロキシルアミン系化合物を含んでなるβ1遮断薬、ニプラジノール、レボブノロール等のβ-ヒドロキシルアミン系化合物を含んでなるα1・β遮断薬、ブリモニジン等のキノキサリン系化合物等を含んでなるα2遮断薬、ブナゾシン等のキナゾリン系化合物等を含んでなるα1遮断薬、ラタノプロスト等のプロスタグランジン関連薬、およびバルサルタン等のアンジオテンシンII受容体拮抗薬等が挙げられる。なお、ジピベフリン、カルテオロールはβ-ヒドロキシルアミン系化合物でもある。具体的には、本発明における薬物としては、好ましくはアミノ基を有する化合物であり、より好ましくは、ブリンゾラミド、ドルゾラミド等のスルホンアミド系化合物を含んでなる炭酸脱水素酵素阻害薬、ブナゾシン等のキナゾリン系化合物等のα1遮断薬が挙げられ、さらに好ましくはブリンゾラミドである。
脂溶性分子
本発明における脂溶性分子は、例えば、眼表面に存在する角膜バリア等の脂質性(疎水性)の層との相溶性が高く、その結果、該脂溶性分子と薬物複合体を形成する薬物が難吸収性の化合物であっても、該化合物の上記の眼表面バリアの透過性を向上させることができる物質が好ましい。
本発明における上記脂溶性分子の好適な実施態様としては、トリメチルロックを挙げることができる。
また、本発明の上記脂溶性分子の別の好適な実施態様としては、以下の一般式(I)で表されるものである:
(式中、
R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシまたは置換されていてもよいフェノキシを表し、
あるいは、R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し、
Y は、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシおよび置換されていてもよいフェノキシからなる群から選択される基を表す)。
R1、R2 、R3 またはR4 は、好ましくは、互いに独立して、水素、C1-10アルキル、C1-5アルコキシまたはC7-15アラルコキシであり、より好ましくは水素、メチル基、メトキシ基またはベンジルオキシ基である。
あるいは、R1、R2 、R3 またはR4 は、互いに隣接する置換基が連結して、好ましくは5〜7員環、さらに好ましくは2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジイル基を形成する。
Yは、好ましくはC1-12アルキル、C1-12アルコキシ、C7-15アラルコキシまたはフェノキシであり、より好ましくはメチル基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、オクチルオキシ基またはドデシルオキシ基である。
本発明の好ましい実施態様によれば、R1、R2 、R3 またはR4 は、互いに独立して、水素、C1-5アルキル、C1-5アルコキシまたはC7-10フェニルアルコキシであり、あるいは、R1、R2 、R3 またはR4 は、互いに隣接する置換基が連結してC1-5アルキルで置換されてよい5〜7員環を形成し、Yは、C1-5アルキルまたはC1-12アルコキシである。
本発明の別の好ましい実施態様によれば、R1、R2 、R3 またはR4 のいずれか一つがC7-10フェニルアルコキシであり、その他の置換基が互いに独立して、水素またはC1-5アルキルであり、Yは、C1-5アルキルまたはC1-12アルコキシである。
本発明の別の好ましい実施態様によれば、R3 がC7-10フェニルアルコキシであり、R1、R2 またはR4は互いに独立して、水素またはC1-5アルキルであり、Yは、C1-5アルキルまたはC1-12アルコキシである。
本発明の別の好ましい実施態様によれば、R1、R2 、R3 またはR4 は、互いに独立して、水素、メチル基、メトキシ基またはベンジルオキシ基であり、あるいは、R1、R2 、R3 またはR4 は、互いに隣接する置換基が連結して、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジイル基を形成し、Yは、メチル基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基、オクチルオキシ基またはドデシルオキシ基である。
薬物と脂溶性分子との薬物複合体
本発明における薬物と脂溶性分子との薬物複合体は、薬物と脂溶性分子とが眼内pHで加水分解しうる酸アミド結合を介して連結された構造を有する。かかる複合体はプロドラッグとして用いることもできる。本発明によれば、薬物を脂溶性分子と化学結合させることにより、疎水性を向上させ、該薬物の細胞膜親和性、吸収性、または薬効の持続性を著しく向上することができる。
本発明の薬物複合体は、眼内pHにおいて加水分解することができる。また、本発明の薬学複合体を加水分解するpHの好適な例としては7.0〜8.0であり、より好適な例は7.3〜7.6である。
また、上記複合体の構造として、例えば、一般式(II)が挙げられる:
(式中、
A は水素またはXであり、
B は水素またはXであり、
AおよびB は同時に水素でなく、
Xが、以下の一般式(I)で表される基である:
(式中、
R1、R2 、R3 またはR4 は、互いに独立して、水素、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシまたは置換されていてもよいフェノキシを表し、
あるいは、R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し、
Y は、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシおよび置換されていてもよいフェノキシからなる群から選択される基を表す)。
本発明の薬物複合体における一般式(I)の好ましい態様は、上述の脂溶性分子における一般式(I)と同様であってよい。
本発明の薬物複合体として、好ましくは複合体が以下の化合物からなる群から選択される化合物である。
なお、以下の式において、「Me」はメチル基を表し、「i-BuO」はイソ−ブトキシ基を表す。
(式中、RはMe、i-BuO、t-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
(式中、RはMe、i-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
(式中、RはMe、i-BuOおよびn-C8H17Oからなる群から選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
(式中、R1=R2=Me;R1=R2= i-BuO;R1=R2= n-C8H17O;またはR1= i-BuOおよびR2= n-C8H17Oである)、
(式中、R1=R2=MeまたはR1=R2= i-BuOである)。
ナノ粒子製剤
本発明の眼疾患治療用ナノ粒子製剤は、上記薬物と脂溶性分子との薬物複合体を有効成分として含有してなる。かかる本発明の製剤は、ナノ結晶性を向上させ、眼内移行性を向上し、薬物の薬効の持続を向上する上で有利である。したがって、本発明の製剤は、好ましくは持続性製剤である。
本発明の製剤におけるナノ粒子は薬物と脂溶性分子との薬物複合体が集合して形成されるものが好ましい。上記複合体の大きさは、特に限定されないが、例えば、平均粒径が、10〜1,000nm、好ましくは10〜200nmである。さらに、上記複合体の形状は、特に限定しないが、球体、長楕円体、略真球体、多面体、ロッド状等が挙げられ、好ましくは球体である。
なお、ナノ粒子の平均粒径は、再沈法で作成した懸濁液をフィルターで濾過し、走査型電子顕微鏡溶試料台の上に滴下して乾燥させた後Ptスパッタリングして、走査型電子顕微鏡観察して求めることができる。
ナノ粒子製剤の製造方法
このような本発明のナノ粒子製剤は、当業者に公知の任意の手段、方法で製造することができる。その代表的な方法として、例えば、薬物である有機化合物と脂溶性分子を化学的に結合させ薬物複合体を製造する工程、および、該複合体をナノ粒子化する工程を含む製造方法を挙げることができる。
本発明の製造方法において、薬物および脂溶性分子の複合体化は当業者に公知の任意の方法で行うことができる。例えば、ジクロロメタンおよびエチレンジクロリド等の適当な有機溶媒中にN、N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEPA)のような塩基およびEDCのような縮合剤を共存させた系における酸アミド化反応(1〜24時間、0℃〜室温)によって、該薬物と脂溶性分子とを共有結合することにより薬物複合体とすることができる。
上記の反応系において、薬物と脂溶性分子の溶媒中における濃度、それらのお互いの割合、およびその他の反応条件は当業者が適宜設定することができる。
なお、本発明のナノ粒子製剤が所望の作用・効果を発揮できる限り、薬物と脂溶性分子との薬物複合体は共有結合以外の任意の様式で複合化していてもよい。さらに、この際に、該薬物と脂溶性分子とを、例えば、飽和炭化水素基、ペプチド基等の適当なリンカ―分子を介して結合させることも可能である。
このようにして得られた薬物複合体は、例えば、再沈法等の当業者に公知の任意の方法で結晶化させることによって、ナノ粒子化することができる。このようなナノ粒子化における様々な具体的な条件は当業者が適宜設定することができる。
本発明では、例えば、撹拌した貧溶媒(蒸留水、超純水または適当な中性塩溶液)に、薬物である化合物と脂溶性分子を含んでなる薬物複合体および適宜ポリソルベート等の界面活性剤を含むTHFおよびアセトン等の適当な良溶媒(有機溶媒)の溶液を添加して分散液を調製した後、マイクロ波照射および透析、限外濾過等の当業者公知の任意の手段を用いて有機溶媒を除去することによって、当該複合体を含んでなるナノ粒子製剤を製造することができる。
なお、上記の好適な粒径を有するナノ粒子製剤を製造するには、貧溶媒と良溶媒との容量比は1000:1〜3:1程度の範囲が好ましく、さらに、有機溶液中の薬物複合体の濃度は、例えば、0.1〜500mg/mlの範囲であることが好ましい。
剤形
本発明の眼疾患治療用ナノ粒子製剤は、上記薬物と脂溶性分子とからなる薬物複合体をそのまま用いてもよく、薬学的に許容可能な添加剤とともに医薬組成物として用いることもできる。
本発明の眼疾患治療用ナノ粒子製剤を組成物として提供する場合、上記薬物と脂溶性分子からなる薬物複合体の含有量は、本願発明の効果を妨げない限り特に限定されない。上記薬物と脂溶性分子からなる薬物複合体の含有量は、例えば、眼疾患治療用ナノ粒子製剤全量に対して、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%、さらに好ましくは0.1〜1質量%とすることができる。
また、上記眼疾患治療用ナノ粒子製剤における薬学的に許容可能な添加剤としては、特に限定されないが、溶剤、溶解補助剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、乳化剤、懸濁剤、pH調整剤、無痛化剤、等張化剤、緩衝剤、界面活性剤、賦形剤、増粘剤、粘稠剤、着色剤、公知のキャリア(ポリアミノ酸キャリア、合成高分子、天然高分子等)等が挙げられる。上記添加剤としては、塩化ナトリウム、濃グリセリン、ソルビトール、ブドウ糖等の等張化剤;リン酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸、クエン酸等の緩衝化剤;ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60等の界面活性剤;クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、パラオキシ安息香酸メチル、グルコン酸クロルヘキシジン液等の防腐剤;ポリビニルピロリドンK30、ヒドロキシエチルセルロース、プロピレングリコール、メチルセルロース、マクロゴール4000等の粘稠剤;カルボキシビニルポリマー、マクロゴール6000、ポリビニルピロリドンK25、ポリビニルピロリドンK30等の懸濁化剤;塩酸、氷酢酸、水酸化ナトリウム等のpH調整剤;塩化マグネシウム、エタノール、プロピレングリコール等の溶解補助剤を挙げることができる。
また、本発明の眼疾患治療用ナノ粒子製剤は、眼疾患に適用できるものであれば、剤形は特に限定されず、点眼剤(水溶性製剤、懸濁製剤、ゲル化製剤等)、眼軟膏、内服薬(経口薬)、点滴薬(静注薬)、コンタクトレンズ付加型薬剤等として提供することができる。
本発明の薬物と脂溶性分子からなる薬物複合体は、眼疾患に対する優れた治療または予防効果を有している。したがって、本発明の別の態様によれば、上記薬物と脂溶性分子からなる薬物複合体を有効成分として含有する、眼疾患の治療または予防剤が提供される。ここで、「治療」とは、確立された病態を改善することを意味し、「予防」とは、想定される悪化に対して事前に備えておくことであって、疾患の発生を未然に防ぐことを意味する。
本発明のナノ粒子製剤の適用対象となる眼疾患に特に制限はないが、例えば、視神経細胞が関与する眼疾患が挙げられ、好ましくは、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄班変性症、網膜色素変性症、または、高度近視である。
なお、緑内障とは、視神経細胞が障害され萎縮し、視野が損なわれ、視力も低下していく眼疾患である。一般に、緑内障には、正常眼圧緑内障、色素緑内障、偽離脱緑内障、急性隅角閉塞緑内障、絶対緑内障、単性緑内障、および、満性解放隅角緑内障といった各疾患が含まれるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の別の態様によれば、有効量の本発明の薬物と脂溶性分子からなる薬物複合体を被験体に投与することを含んでなる、眼疾患の治療または予防方法が提供される。また、本発明の別の態様によれば、有効量の本発明の薬物と脂溶性分子からなる薬物複合体を被験体に投与することを含んでなる、被験体の眼疾患の発生リスクを軽減する方法が提供される。
上記被験体としては、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
また、本発明の薬物と脂溶性分子からなる薬物複合体は、眼疾患に用いられる他の薬剤と組み合わせて同時または逐次に哺乳動物に投与してもよい。
また、本発明の別の態様によれば、眼疾患治療用ナノ粒子製剤の製造における、本発明の薬物と脂溶性分子とからなる複合体の使用が提供される。また、本発明の別の態様によれば、眼疾患を治療するための、本発明の薬物と脂溶性分子とからなる薬物複合体が提供される。
上記別の態様はいずれも、本発明の眼疾患治療用ナノ粒子製剤の記載に準じて実施することができる。
以下、実施例に即して本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの記載によって何等制限されるものではない。
実施例1
[薬物複合体の製造]
本発明の眼疾患治療用ナノ粒子製剤に用いる薬物複合体の製造工程の反応式の一例として、反応式(I)を示す。
[ブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体の合成]
化合物4は、例えば、J.Org. Chem.,(1989),54,p.3303およびChem.Pharm.Bull.,(2000),48,p.238等に記載の当該分野の公知技術にしたがい市販の2,6−ジメチルヒドロキノンより合成した。
化合物5の合成
反応式(I)において、化合物4(16.9g、53.7mmol)およびN、N―ジメチルアミノピリジン(9.84g、80.5mmol)のTHF溶液を0〜5℃に冷却し、t−ブチルジメチルクロロシラン(9.75g、64.7mmol)を加え、室温で20時間撹拌した。水を加えて反応を終了した後、酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ロータリーエバポレータ―を用いてろ液を濃縮すると化合物5(23.0g)が得られた。
1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 ) δ 0.02 (s, 6H), 0.87 (s, 9H), 1.58 (s, 6H), 2.09 (t, 2H, J = 6.6 Hz, ), 2.22 (s, 3H), 2.42 (s, 3H), 3.63 (t, 2H, J = 6.6 Hz), 4.70 (s, 2H), 5.84 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 7.33 (t, 1H, J = 7.2 Hz), 7.39 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 7.47 (d, 2H, J = 7.2 Hz); 13 C NMR (101 MHz, CDCl 3 ) δ -5.13, 16.3, 16.5, 18.4, 26.1, 32.5, 40.0, 44.9, 62.0, 74.1, 117.8, 127.55, 127.64, 128.3, 128.8, 131.0, 131.1, 137.7, 149.8, 151.6.
化合物6の合成
反応式(I)において、化合物5(23.0g、53.7mmol)およびトリエチルアミン(10.9g、107mmol)、N、N―ジメチルアミノピリジン(1.31g、10.7mmol)のTHF溶液を0〜5℃に冷却し、クロロギ酸イソブチル(9.86g、80.5mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。水を加えて反応を終了した後、酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ロータリーエバポレータ―を用いてろ液を濃縮すると化合物6(28.4g)が得られた。
1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 ) δ 0.02 (s, 6H), 0.85 (s, 9H), 1.00 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.51 (s, 6H), 2.00-2.09 (m, 1H), 2.07 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 2.26 (s, 3H), 2.49 (s, 3H), 3.52 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 4.02 (d, 2H, J = 6.6 Hz), 4.74 (s, 2H), 6.70 (s, 1H), 7.34 (t, 1H, J = 7.2 Hz), 7.40 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 7.47 (d, 2H, J = 7.2 Hz); 13 C NMR (101 MHz, CDCl 3 ) δ -5.12, 16.3, 16.6, 18.3, 19.0, 26.0, 27.9, 31.8, 40.0, 45.8, 60.8, 73.7, 74.5, 123.7, 127.5, 127.8, 128.3, 129.5, 131.9, 136.0, 137.3, 145.8, 154.21, 154.27.
化合物7の合成
反応式(I)において、化合物6(28.4g、53.7mmol)のTHF溶液に酢酸(64.5g、1.07mol)および水(40ml)を加え40℃で4時間加熱した。酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ロータリーエバポレータ―を用いてろ液を濃縮すると化合物7(22.3g)が得られた。
1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 ) δ 1.00 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.52 (s, 6H), 2.00-2.07 (m, 1H), 2.10 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 2.26 (s, 3H), 2.48 (s, 3H), 3.57 (t, 2H, J = 7.6 Hz), 4.03 (d, 2H, J = 6.6 Hz), 4.75 (s, 2H), 6.71 (s, 1H), 7.35 (t, 1H, J = 7.2 Hz), 7.40 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 7.46 (d, 2H, J = 7.2 Hz); 13 C NMR (101 MHz, CDCl 3 ) δ 16.3, 16.6, 19.0, 27.9, 31.9, 39.6, 45.7, 60.5, 73.7, 74.7, 123.9, 127.5, 127.8, 128.3, 129.8, 132.1, 135.6, 137.2, 145.7, 154.38, 154.47.
化合物8の合成
反応式(I)において、化合物7(22.3g、53.7mmol)のジクロロメタン溶液を0〜5℃に冷却し、クロロクロム酸ピリジニウム(17.4g、80.7mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液にカラムクロマトグラフィー用シリカゲルを加え、ロータリーエバポレータ―を用いて濃縮した。桐山ロートにセライトおよびカラムクロマトグラフィー用シリカゲルを順に敷き、この上に反応混合物を吸着させたシリカゲルを載せた。ろ過びんを吸引しながら、混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=4:1(v:v))を流した。ロータリーエバポレータ―を用いてろ液を濃縮すると化合物8(17.8g)が得られた。
1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 ) δ 1.00 (d, 6H, J = 6.4 Hz), 1.51 (s, 6H), 2.01-2.08 (m, 1H), 2.26 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 2.87 (s, 2H), 4.04 (d, 2H, J = 6.4 Hz), 4.74 (s, 2H), 6.76 (s, 1H), 7.34 (t, 1H, J = 7.2 Hz), 7.40 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 7.46 (d, 2H, J = 7.2 Hz), 9.55 (t, 1H, J = 2.6 Hz); 13 C NMR (101 MHz, CDCl 3 ) δ 16.3, 16.7, 19.0, 27.9, 31.5, 38.6, 56.7, 73.8, 74.7, 123.9, 127.5, 127.8, 128.3, 130.4, 131.5 , 134.4, 137.1, 145.3, 153.9, 154.5, 202.2 .
化合物9の合成
過マンガン酸カリウム(6.82g、43.1mmol)に水を加えて溶解した。反応式(I)において、化合物8(17.8g、43.1mmol)にアセトンおよび水を加えて溶液とし、0〜5℃に冷却し、上記過マンガン酸カリウム水溶液を加え、室温で17時間撹拌した。ろ過により固形物を除去した後、エバポレータ―を用いてろ液を濃縮する。塩酸を加えて酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ロータリーエバポレータ―を用いてろ液を濃縮した。得られた反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:3(v:v))で精製すると化合物9(12.0g)が得られた。
1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 ) δ 0.99 (d, 6H, J = 6.8 Hz), 1.60 (s, 6H,), 2.04 (sep, 1H, J = 6.8 Hz), 2.23 (s, 3H), 2.48 (s, 3H), 2.89 (s, 2H), 4.02 (d, 2H, J = 6.8 Hz), 4.73 (s, 2H), 6.72 (s, 1H), 7.33 (t, 1H, J = 7.2 Hz), 7.38 (t, 2H, J = 7.2 Hz), 7.45 (d, 2H, J = 7.2 Hz); 13 C NMR (101 MHz, CDCl 3 ) δ 16.3, 16.5, 19.0, 27.9, 31.3, 39.2, 47.4, 73.8, 74.6, 123.6, 127.5, 127.7, 128.3, 129.8, 131.6, 135.2, 137.2, 145.5, 154.0, 154.2, 177.2.
ブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体(10)の合成
ブリンゾラミド(2.00g、5.22mmol)および化合物9(3.36g、7.83mmol)のジクロロメタン溶液を0〜5℃に冷却し、EDC(2.00g、10.4mmol)およびN、N―ジメチルアミノピリジン(63.8mg、0.52mmol)を加え、室温で18時間撹拌した。酢酸エチルで抽出し、水および飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過で除去し、ロータリーエバポレータ―を用いてろ液を濃縮した。得られた組成生物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=50:1(v:v))で精製するとブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体10(2.55g、3.46mmol、66%)が得られた。
1 H NMR (400 MHz, CDCl 3 ) δ 1.03 (d, 6H, J = 6.6 Hz), 1.06 (t, 3H, J = 7.0 Hz), 1.668 (s, 3H), 1.672 (s, 3H), 1.85 (quin, 2H, J = 7.0 Hz), 2.10 (sep, 1H, J = 6.6 Hz), 2.22 (s, 3H), 2.30 (s, 3H), 2.45 (d, 1H, J = 13.0 Hz), 2.49 (d, 1H, J = 13.0 Hz), 2.55 (dq, 1H, J = 11.2, 7.2 Hz), 2.61 (dq, 1H, J = 11.2, 7.2 Hz), 3.15 (quin, 1H, J = 6.8 Hz), 3.33 (s, 3H), 3.42-3.53 (m, 5H), 3.82 (t, 1H), 4.14 (d, 2H, J = 6.6 Hz), 4.61 (d, 1H, J = 10.6 Hz), 4.65 (d, 1H, J = 10.6 Hz), 6.74 (s, 1H), 7.37 (t, 1H, J = 7.0 Hz), 7.42 (t, 2H, J = 7.0 Hz), 7.48 (d, 2H, J = 7.0 Hz), 7.52 (s, 1H); 13 C NMR (101 MHz, CDCl 3 ) δ 15.70, 15.78, 16.5, 18.9, 27.9, 29.6, 32.4, 32.5, 41.1, 41.3, 46.3, 49.98, 50.03, 51.4, 58.7, 69.2, 74.7, 75.8, 123.9, 128.2, 128.49, 128.51, 131.3, 132.5, 132.8, 133.9, 136.6, 140.4, 142.1, 143.9, 146.0, 154.6, 156.0, 170.9.
実施例2
[再沈法によるナノ結晶化]
ブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体の濃度が25mg/mL、ポリソルベート80の濃度が50mg/mLとなるように調製したアセトン溶液200μLを、激しく撹拌した800μLの超純水に一気に加えて0.5%ナノ粒子分散液を調製した。これを透析膜に入れ撹拌した1%ポリソルベート80水溶液中で透析を2回行い分散液中のアセトンを除去した。アセトン除去後に得られたナノ粒子分散液を濾過した。その概略の一例を図1に示す。
試験例1
[電子顕微鏡による撮影]
実施例2で記載の濾過後のナノ粒子分散液をフィルターで濾過し、走査型電子顕微鏡用試料台の上に滴下して乾燥させた後Ptスパッタリングして観測用サンプルにした後、走査型電子顕微鏡(JEOL製、JCM-6700F)を用いて、加速電圧25kVおよび5万倍という観測条件下、粒径を測定したところ30〜300nmであった(図2(B))。一方、従来の市販品ブリンゾラミド点眼剤(製品名「エイゾプト」(登録商標)、販売元 日本アルコン株式会社)(以下、参考例1ともいう)に関しても走査型電子顕微鏡により、3千倍という観測条件下、写真撮影を行った(図2(A))。
実施例3
[ナノ粒子製剤の調製]
実施例2で得られた濾過後のナノ粒子分散液を用いてブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体含有ナノ粒子製剤を調製した。
具体的には、0.5%ナノ粒子分散液90μLに、9%食塩水10μLを添加し0.45%ブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体含有ナノ粒子製剤を調製した。
試験例2
[ラットに対する眼圧測定実験]
ラット(11〜12週齢、SD、オス)をイソフルランで麻酔した後、点眼実験開始前に両目の眼圧を接触型眼圧測定機(トノラボ手持ち眼圧計、エムイーテクニカ)を用いて計測した。眼圧は一匹あたり一度の測定で6回計測し、その平均を測定値とした。
試験薬として、実施例3で製造した0.45%ブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体含有ナノ粒子製剤(本発明の製剤)、または市販品ブリンゾラミド点眼剤(製品名「エイゾプト」(登録商標)、販売元 日本アルコン株式会社)10μlを右目に点眼し、生理食塩水10μlを左目に点眼した。各試験薬を用いた実験において、ラット6匹を用いた。点眼から1時間後に眼球を生理食塩水で洗浄し、両目の眼圧を測定した。その後、眼圧測定前に適宜麻酔を追加し、点眼から2,3,4,5,6時間後に同様に眼圧(IOP/mmHg)を測定した。その結果を図3に示す。データのプロットは6匹の測定値の平均値であり、これに標準誤差を示す誤差バーを付した。この結果から、市販品ブリンゾラミド点眼剤では生理食塩水と比較して1時間程度の有意な眼圧降下が認められた(図3(A))のに対して、ブリンゾラミド・脂溶性分子−薬物複合体含有ナノ粒子製剤では、ブリンゾラミド市販薬の5分の1程度の低い薬物濃度(モル濃度換算:5.7 mM)であるにもかかわらず、ブリンゾラミド市販薬と比較して、数時間程度持続的に有意な眼圧降下作用が認められた(図3(B))。

Claims (11)

  1. 薬物と脂溶性分子とからなる薬物複合体を含んでなる、眼疾患治療用ナノ粒子製剤であって、
    前記薬物と前記脂溶性分子とが、眼内pHにて加水分解しうる酸アミド結合を介して連結している、眼疾患治療用製剤。
  2. 前記脂溶性分子が以下の一般式(I)で表されるものである、請求項1に記載の製剤:
    (式中、
    R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシまたは置換されていてもよいフェノキシを表し、
    あるいは、R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し、
    Y は、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシおよび置換されていてもよいフェノキシからなる群から選択される基を表す)。
  3. 前記薬物がブリンゾラミド、ドルゾラミド、メタゾラミド、ジピベフリン、カルテオロール、チモロール、ベタキソロール、ニプラジノール、レボブノロール、ブリモニジンおよびブナゾシンから選択されるものである、請求項1または2記載の製剤。
  4. 前記複合体が、一般式(II)に記載の複合体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載製剤:
    (式中、
    A は水素またはXであり、
    B は水素またはXであり、
    AおよびB が同時に水素でなく、
    Xが、以下の一般式(I)で表される基である:
    (式中、
    R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシまたは置換されていてもよいフェノキシを表し、
    あるいは、R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し、
    Y は置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシおよび置換されていてもよいフェノキシからなる群から選択される基である))。
  5. 前記複合体が以下のいずれかの式で表されるものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製剤:
    (式中、RはMe、i-BuO、t-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
    (式中、RはMe、i-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
    (式中、RはMe、i-BuOおよびn-C8H17Oから選択される基を表す)、
    (式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
    (式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
    (式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
    (式中、R1=R2=Me;R1=R2= i-BuO;R1=R2= n-C8H17O;またはR1= i-BuOおよびR2= n-C8H17Oである)、
    (式中、R1=R2=MeまたはR1=R2= i-BuOである)。
  6. 前記眼疾患が緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄班変性症、網膜色素変性症または高度近視である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の眼疾患治療用ナノ粒子製剤。
  7. 前記ナノ粒子の平均粒径が10〜1,000nmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製剤。
  8. 一般式(II)で表される複合体:
    (式中、
    A は水素またはXであり、
    B は水素またはXであり、
    AおよびB が同時に水素でなく、
    Xは以下の一般式(I)で表される基である:
    (式中、
    R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、水素、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシまたは置換されていてもよいフェノキシを表し、
    あるいは、R1、R2、R3およびR4のいずれかの隣り合う基が一緒になって、置換されてもよい環を形成し、
    Yは、置換されていてもよいC1-18アルキル、置換されていてもよいC1-18アルコキシ、置換されていてもよいC7-18アラルコキシおよび置換されていてもよいフェノキシからなる群から選択される基である))。
  9. 以下の化合物からなる群から選択される、請求項8に記載の複合体:
    (式中、RはMe、i-BuO、t-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
    (式中、RはMe、i-BuO、n-C8H17Oおよびn-C12H25Oからなる群から選択される基を表す)、
    (式中、RはMe、i-BuOおよびn-C8H17Oからなる群から選択される基を表す)、
    (式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
    (式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
    (式中、RはMeおよびi-BuOから選択される基を表す)、
    (式中、R1=R2=Me;R1=R2= i-BuO;R1=R2= n-C8H17O;またはR1= i-BuOおよびR2= n-C8H17Oである)、
    (式中、R1=R2=MeまたはR1=R2= i-BuOである)。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の複合体の製造方法であって、前記薬物と脂溶性分子を酸アミド結合を介して連結させることを含んでなる、製造方法。
  11. 前記複合体を再沈法で処理することにより前記ナノ粒子を得ることを含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載のナノ粒子製剤の製造方法。
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