JP2016131754A - X線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザが画像を確認する時の余分な情報を軽減することができるX線装置を提供することを目的とする。
【解決手段】血管輪郭像を含むマスク像Pを表示する際に、透視画像の一部領域のみにマスク像Pを重畳して表示画像を生成して表示する。よって、不必要な部分を除いた関心領域ROIのみをユーザが確認することができるようにし、ユーザの(認識や操作)ミスを軽減する。その結果、マスク像における不必要な表示を軽減することができ、ユーザが画像を確認する時の余分な情報を軽減することができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、検出されたX線に基づいて透視画像を取得するX線装置に係り、特に、血管構造などを確認しながら手技を行う技術に関する。
医用X線装置では、リアルタイムの透視画像の他に、血管輪郭像を含むマスク像を透視前に予め取得し、マスク像を透視画像に重ね合わせる重畳処理(加算処理)、もしくは減算処理することで、血管構造などを確認しながら手技を行うことができる機能(マップモードまたはマップ機能)が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1:国際公開第2008/013255号では、造影剤投与前のX線画像における画素値から、造影剤投与後のX線画像における画素値を減算することによって、得られた造影サブトラクション画像をマスク像としている。
そして、リアルタイムの透視画像(例えば背景的箇所が除かれた非造影透視画像)とマスク像(造影サブトラクション画像)とを重ね合わせる重畳処理を行う。CO以外の造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が黒っぽく写って血管の画素値が低くなるので、マスク像において画素値の反転(白黒反転)を行って重畳処理、もしくは減算処理を行う。なお、造影サブトラクション画像はDSA(DSA: Digital Subtraction Angiography)画像とも呼ばれている。
X線装置のマップ機能は、1フレームもしくは数フレームのX線画像を積算した画像全体をマスク像として用いている。なお、DSA画像以外にも、造影剤投与後のX線画像における画素値の最大値あるいは最小値をホールドしたピークホールド像をマスク像として用いる場合がある。ピークホールド像をマスク像として用いる場合には、上述したような数フレームのX線画像が必要になる。
また、透視画像の範囲よりも広い範囲の参照画像(例えばDSA画像)を形成して、透視範囲に対応する範囲の参照画像を切り出して読み出して、透視画像と(切り出された)参照画像とを表示する技術がある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2:特開2000−342565号公報では、透視範囲が変更された場合に追従して参照画像の読み出し(切り出し)範囲を変更するので、透視視野の変更に伴う参照画像の再撮影や、それに付随する装置の操作を不要とすることができる。
国際公開第2008/013255号 特開2000−342565号公報
しかしながら、特許文献1:国際公開第2008/013255号の場合には、マップを使用して血管形状を確認しながら手技を行う際に、現状のマップは、関心領域(ROI: Region Of Interest)外の余分な血管やノイズがマスク像には含まれている。よって、これらの余分な血管やノイズを含む多くの不必要な情報から必要な情報をユーザは抽出しなければならないので、手技の妨げとなる。また、マスク像は血管輪郭像であるので、関心領域(ROI)外の余分な血管やノイズを含む不必要な線がとても多くなり、ユーザの認識ミスや操作ミスの恐れも考えられる。
また、特許文献2:特開2000−342565号公報の場合には、透視範囲に対応して参照画像が切り出されて読み出されるので、切り出された参照画像において不必要な部分が多く含まれていると、同じく手技の妨げになる。また、透視範囲は方形状で検出されてしまうので、たとえ関心領域(ROI)内であっても、切り出された参照画像には不必要な部分が含まれてしまい、フレキシブルに手技を行うことができない。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、ユーザが画像を確認する時の余分な情報を軽減することができるX線装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係るX線装置は、検出されたX線に基づいて透視画像を取得する画像取得手段と、前記透視画像に血管輪郭像を含むマスク像を重畳する画像重畳手段と、前記透視画像に前記マスク像を重畳した表示画像を生成する表示画像生成手段と、当該生成された画像を表示する表示手段とを備え、前記画像重畳手段は、前記マスク像を前記透視画像の一部領域のみに重畳することを特徴とするものである。
[作用・効果]この発明に係るX線装置によれば、血管輪郭像を含むマスク像を表示する際に、透視画像の一部領域のみにマスク像を重畳して表示画像を生成して表示する。よって、不必要な部分を除いた一部領域(例えば関心領域)のみをユーザが確認することができるようにし、ユーザの(認識や操作)ミスを軽減する。その結果、マスク像における不必要な表示を軽減することができ、ユーザが画像を確認する時の余分な情報を軽減することができる。
上述したこの発明に係るX線装置において、マスク像自体を全領域に生成した後に、画像重畳手段による重畳処理のときに一部領域(例えば関心領域)にのみに重畳してもよい。後述する関心領域設定手段を備えることで、マスク像の生成自体を関心領域の部分に限定した後に、画像重畳手段による重畳処理を行ってもよい。すなわち、上述したこの発明に係るX線装置において、予め撮影した透視画像中における関心領域を設定する関心領域設定手段をさらに備え、画像重畳手段は、マスク像を設定された関心領域のみに重畳してもよい。
ここで、設定される関心領域の形状や設定される個数については特に限定されない。関心領域の形状については、閉じられた図形であれば、方形以外に多角形や三角形でもよいし、星形であってもよいし、不必要な部分を除いた血管周りに沿った形状であってもよい。また、関心領域の個数については、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、後述するように関心領域以外の領域を直接的に指定することで、当該指定された領域以外に該当する関心領域を設定してもよい。この場合には、関心領域以外の領域を複数に直接的に指定することで、複雑な形状の関心領域を簡易に設定することができる。
上述した関心領域設定手段を備えたX線装置において、関心領域設定手段を、関心領域以外の領域に対応する画素の画素値を所定の画素値に設定する電子シャッタで構成してもよい。マスク像の撮像後(設定後)に、電子シャッタにより関心領域を任意に設定変更することができる。また、関心領域設定手段を、関心領域以外の領域でのX線を遮光する機械シャッタで構成してもよい。マスク像の撮像前(設定前)に、機械シャッタにより関心領域を予め設定することができる。
上述した関心領域設定手段を備えたX線装置において、関心領域設定手段の前者の一例は、入力に基づいて関心領域を設定してもよい。ユーザが入力することによって、入力に基づいて関心領域を手動で設定することができる。もちろん、関心領域設定手段の後者の一例は、初期値に基づいて関心領域を予め設定してもよい。また、前者の一例および後者の一例を両方組み合わせもよい。例えば、後者の一例において、上述した初期値に基づく関心領域を、入力に基づいて設定変更するように、関心領域設定手段を構成する。このように構成することで、ユーザが入力しない場合には初期値に基づく関心領域で設定され、ユーザが入力する場合には入力に基づいて関心領域を手動で設定変更することができる。
また、関心領域以外の領域を直接的に指定することで、当該指定された領域以外に該当する関心領域を設定するように、関心領域設定手段を構成してもよい。上述したように、関心領域以外の領域を複数に直接的に指定することで、複雑な形状の関心領域を簡易に設定することができる。
上述したこれらの発明に係るX線装置において、マスク像における画素値の反転を行う反転手段を備えてもよい。特に、CO以外の造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が黒っぽく写って血管の画素値が低くなるので、マスク像において画素値の反転(白黒反転)を行うことで、反転後ではマスク像における血管に該当する画素の画素値は高くなって、血管が白っぽく写る。
上述したこれらの発明に係るX線装置において、透視画像における画素値から、マスク像における画素値を減算する減算手段を備えてもよい。上述した反転手段を備えてなくても、CO以外の造影剤を用いた場合において、透視画像における画素値からマスク像における画素値を減算することで、反転手段および画像重畳手段を備えた場合と同等の効果を奏する。すなわち、CO以外の造影剤を用いた場合に、透視画像における画素値からマスク像における画素値を減算することで、血管に該当する画素の画素値が高い状態で透視画像に重ね合わされる。
この発明に係るX線装置によれば、血管輪郭像を含むマスク像を表示する際に、透視画像の一部領域のみにマスク像を重畳して表示画像を生成して表示するので、マスク像における不必要な表示を軽減することができ、ユーザが画像を確認する時の余分な情報を軽減することができる。
実施例に係るCアームを備えたX線装置の正面図である。 実施例に係るX線装置における画像処理系のブロック図である。 コリメータの平面図である。 各画像データの模式図である。 実施例に係る一連の撮影のフローチャートである。 (a)〜(c)は、関心領域の設定の各々の一態様である。 (a)は初期値に基づく関心領域の設定の態様、(b)は関心領域の設定変更の態様である。 変形例に係るX線装置の側面図である。 さらなる変形例に係るX線装置における画像処理系のブロック図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係るCアームを備えたX線装置の正面図であり、図2は、その装置における画像処理系のブロック図であり、図3は、コリメータの平面図であり、図4は、各画像データの模式図である。なお、図2のブロック図では、各画像データの流れを併記している。
本実施例に係るX線装置は、図1に示すように、被検体Mを載置する天板1と、その被検体Mの透視、あるいは透視よりも事前の撮影を行う映像系2とを備えるとともに、図2に示すように、画像処理系3を備えている。天板1は、図1に示すように、昇降および水平移動可能に構成されている。
先ず、映像系2について図1を参照して説明する。映像系2は、床面(図中のxy平面)に設置された基台部21と、基台部21に支持されたCアーム支持部22と、Cアーム支持部22に支持されたCアーム23と、Cアーム23の一端に支持されたX線管24と、他端に支持されたフラットパネル型X線検出器(FPD: Flat Panel Detector)25とを備えている。Cアーム23の一端に支持されたX線管24のX線照射側にはX線の照視野を制御するコリメータ26を配設している。フラットパネル型X線検出器(FPD)25は、この発明における画像取得手段に相当する。コリメータ26は、後述する機械シャッタの機能を有しており、この発明における関心領域設定手段に相当する。
また、床面に対して基台部21を鉛直軸(図中のz軸)心周りに回転移動させる第1映像系移動部27を備えている。第1映像系移動部27は、モータ27aと、モータ27aの回転を伝達するベルト27bと、ベルト27bに伝達された回転を鉛直軸心周りの回転に変換するギヤボックス27cと、ギヤボックス27cからの鉛直軸心周りの回転を伝達するギヤ27dと、このギヤ27dに噛合されたギヤ27eとを備えている。ギヤ27eは、図示を省略するベアリングが介在された状態で、床面に固定されている。モータ27aが回転駆動することで、ベルト27b,ギヤボックス27cおよびギヤ27dを介して、ギヤ27eが鉛直軸心周りに回転して、このギヤ27eの回転によって、床面に対して基台部21が鉛直軸心周りに回転移動する。また、第1映像系移動部27によって基台部21が鉛直軸心周りに回転移動することで、基台部21に支持されたCアーム支持部22も鉛直軸心周りに回転移動し、Cアーム支持部22に支持されたCアーム23も鉛直軸心周りに回転移動し、Cアーム23に支持されたX線管24およびフラットパネル型X線検出器(FPD)25も鉛直軸心周りに回転移動する。以上のように、第1映像系移動部27は、映像系2を鉛直軸心周りに回転移動させる。
また、基台部21に対してCアーム支持部22を被検体Mの体軸(図中のx軸)に対して水平面で直交する軸(図中のy軸)心周りに回転移動させる第2映像系移動部28を備えている。第2映像系移動部28は、モータ28aと、モータ28aの回転を伝達するベルト28bと、ベルト28bに伝達された回転を体軸に対して水平面で直交する軸心周りの回転に変換するギヤボックス28cと、ギヤボックス28cからの体軸に対して水平面で直交する軸心周りの回転を伝達するギヤ28dと、このギヤ28dに噛合されたギヤ28eとを備えている。ギヤ28eは、図示を省略するベアリングが介在された状態で、基台部21に固定されている。モータ28aが回転駆動することで、ベルト28b,ギヤボックス28cおよびギヤ28dを介して、ギヤ28eが体軸に対して水平面で直交する軸心周りに回転して、このギヤ28eの回転によって、基台部21に対してCアーム支持部22が体軸に対して水平面で直交する軸心周りに回転移動する。また、Cアーム支持部22に支持されたCアーム23も体軸に対して水平面で直交する軸心周りに回転移動し、Cアーム23に支持されたX線管24およびFPD25も体軸に対して水平面で直交する軸心周りに回転移動する。以上のように、第2映像系移動部28は、映像系2を体軸に対して水平面で直交する軸心周りに回転移動させる。
また、Cアーム23を被検体Mの体軸(図中のx軸)心周りに回転移動させる第3映像系移動部29を備えている。Cアーム23はレール形状で形成されており、第3映像系移動部29は、Cアーム23の溝部に嵌合した2つのベアリング29aと、Cアーム23の外周面に沿って付設されたベルト29bと、ベルト29bの一部を巻き取るモータ29cとを備えている。モータ29cが回転駆動することで、ベルト29bが周回し、それに伴ってベアリング29aに対してCアーム23が摺動する。この摺動によりCアーム23が、体軸心周りに回転移動する。また、Cアーム23に支持されたX線管24およびFPD25も体軸心周りに回転移動する。以上のように、第3映像系移動部29は、映像系2を体軸心周りに回転移動させる。
このように、X線管24を支持しFPD25を支持するCアーム23は、第3映像系移動部29による体軸心周りの回転移動の方向に沿って「C」の字で湾曲されて形成されており、Cアーム23の湾曲方向に沿ってX線管24およびFPD25が体軸心周りに回転移動するとも言える。また、第2映像系移動部28は、Cアーム23の体軸心周りの回転移動とは別の方向である体軸に対して水平面で直交する軸心周りの回転移動の方向にCアーム23を回転移動させることで、映像系2を体軸に対して水平面で直交する軸心周りに回転移動させるとも言える。
この他に、基台部21、Cアーム支持部22あるいはCアーム23を水平方向(例えば図中のx方向またはy方向)に平行移動させることで、映像系2を水平方向に平行移動させる映像系移動部(図示省略)や、Cアーム23がFPD25を支持する支持軸心周りに回転移動させるFPD移動部(図示省略)などを備えている。また、Cアーム23自体、またはCアーム23に支持されたX線管24やFPD25の自重によるたわみ(位置ズレ)を調整するために、たわみ方向に回転移動させる映像系調整部(図示省略)を備えてもよい。また、Cアーム支持部22またはCアーム23を鉛直軸に沿って昇降移動させることで、映像系2を鉛直軸に沿って平行移動させる映像系昇降部(図示省略)を備えてもよい。
なお、Cアーム23がFPD25を支持する支持軸方向に沿って、FPD25を平行移動させるFPD移動部(図示省略)を備えてもよい。この場合には、Cアーム23がFPD25を支持する支持軸が、X線管24からFPD25に下ろした垂線(すなわち照射中心軸)方向に平行であるので、FPD移動部が支持軸方向に沿ってFPD25を平行移動させることで、FPD25を垂線方向に沿って平行移動させることになる。すなわち、X線管24からFPD25に垂線を下ろした距離(すなわちSID)をFPD移動部が可変にして、映像系2を垂線方向に沿って平行移動させる。
天板1や映像系2を上述のように移動させて、X線管24から照射されたX線をFPD25が検出して得られたX線検出信号を、後述する画像処理系3で処理することで被検体MのX線画像を得る。特に、透視よりも事前の撮影では、所望の位置にX線管24およびFPD25を設置して、造影剤を投与する前の被検体Mを天板1に載置して、所望の姿勢に被検体Mをセッティングした状態で造影剤投与前の被検体MのX線画像(元画像)を取得する。さらに、X線管24およびFPD25の設置位置や被検体Mの姿勢を変えずに造影剤を投与して5秒〜20秒経過後に、造影剤投与後の被検体MのX線画像を取得する。造影剤投与後の被検体MのX線画像からピークホールド像を求め、ピークホールド像と元画像との差分を求めることで血管輪郭像を含むマスク像を取得する。一方、造影剤投与後のX線画像を取得した後にX線管24およびFPD25の設置位置や被検体Mの姿勢を変えずに、透視により複数のX線画像(透視画像)を取得する。各々の画像やそれらに基づく画像処理については、詳しく後述する。このようにして、FPD25は、検出されたX線に基づいて透視画像を取得する。
次に、画像処理系3について図2を参照して説明する。画像処理系3は、X線検出信号に基づくFPD25の検出面に投影されたX線画像を検出する画像検出部31と、X線画像を一旦記憶する画像メモリ部32と、造影剤投与後のX線画像からピークホールド像P(図4も参照)を求めるピークホールド33と、ピークホールド像Pと元画像P(図4も参照)との差分を求める減算器34と、血管輪郭像を含むマスク像P(図4も参照)を一旦記憶するマスク像メモリ部35と、マスク像Pの局所的な関心領域ROI(図4を参照)を設定する電子シャッタ36と、電子シャッタ36で設定された関心領域ROIに限定したマスク像P(図4も参照)を生成するマスク像生成部37と、マスク像生成部37で生成されたマスク像Pにおける画素値の反転を行う反転部38と、透視によりその後に取得された複数の透視画像における画素値と、マスク像生成部37で生成され、かつ反転部38での反転後のマスク像P(図4も参照)における画素値とを加算することで、透視画像にマスク像Pを重ね合わせる重畳処理を行う重畳処理部39とを備えている。
電子シャッタ36は、この発明における関心領域設定手段に相当し、上述したようにコリメータ26(図1および図3も参照)も、この発明における関心領域設定手段に相当する。よって、本実施例では、関心領域設定手段は、機械シャッタの機能を有したコリメータ26、および電子シャッタ36で構成されている。なお、反転部38は、この発明における反転手段に相当し、重畳処理部39は、この発明における画像重畳手段に相当する。また、重畳処理部39は、この発明における表示画像生成手段にも相当する。
その他に、画像処理系3は、関心領域ROIを手動で設定する入力部41と、画像処理系3の各構成を統括制御するコントローラ42と、重畳処理部39での重畳処理後のX線画像を表示するモニタ43とを備えている。入力部41は、ユーザが入力したデータや命令を入力するためであって、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。コントローラ42は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。なお、図2では、図示の便宜上、コントローラ42から、コントローラ42が制御する構成を結ぶ結線については、図示を省略する。なお、コントローラ42は電子シャッタ36を制御する他に映像系2のコリメータ26等も制御する。モニタ43は、この発明における表示手段に相当する。
コリメータ26(図1も参照)は、図3に示すようにX線を遮光する部材(例えば鉛)で構成されている。図3の矢印に示す方向に各々の部材を動かすことで、X線の照視野の大きさを設定変更する。よって、関心領域ROI以外の領域でのX線を遮光する機械シャッタとしてコリメータ26は機能する。
図2の説明に戻って画像処理系3の各構成について説明する。
画像検出部31は、FPD25で取得されたX線画像の画素値情報に基づいて、造影剤投与前の被検体M(図1を参照)のX線画像(元画像),造影剤投与後の被検体MのX線画像(最終的にはピークホールド像)または透視によりその後に取得された複数のX線画像(透視画像)のいずれかとして画像を検出する。具体的には、CO以外の造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が黒っぽく写って血管の画素値が低くなる。よって、最初に取得される造影剤投与前の元画像は画素値が全体的に高く、次に取得される造影剤投与後のピークホールド像は画素値が全体的に低く、造影剤が流れ切った後において透視によりその後に取得された各々のX線画像(透視画像)は画素値が全体的に高くなる。このようにして画像検出部31で検出された画像のうち、透視によりその後に取得された複数のX線画像(透視画像)についてはモニタ43にリアルタイムに表示するために、画像メモリ部32に記憶せずに、重畳処理部39を介してモニタ43に送り込む。一方、画像検出部31で検出された画像のうち、透視よりも事前の撮影で取得された造影剤投与前のX線画像(元画像)や造影剤投与後のX線画像については画像メモリ部32に送り込む。
上述した元画像や造影剤投与後のX線画像を画像メモリ部32に書き込んで記憶する。図4に示すように、元画像PにはガイドワイヤGやガイドワイヤGに取り付けられたステントSやステントSに付属するマーカMが写り込むとともに、血管外においてクリップやペースメーカー等の人工構造物Cも写り込む。組織(図示省略)や人工構造物Cを除外するために、画像メモリ部32に記憶された元画像Pを読み出して減算器34に送り込む。
一方、画像メモリ部32に記憶された造影剤投与後のX線画像を読み出してピークホールド33に送り込む。ピークホールド33は、造影剤投与後のX線画像における画素値の最大値あるいは最小値をホールドして、図4に示すようなピークホールド像Pを取得する。具体的には、CO以外の造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が黒っぽく写って血管の画素値が低くなるので、造影剤投与後のX線画像において画素値の最小値をホールドして、画素値が閾値以下のピクセル(画素)を血管とすることによりピークホールド像Pを取得する。図4に示すように、ピークホールド像Pには造影剤によって血管Bが影となって写り込む。このようにして取得されたピークホールド像Pを減算器34に送り込む。
減算器34は、ピークホールド像Pと元画像Pとの差分を求めることにより、図4に示すような血管像Pを取得する。具体的には、ピークホールド像Pおよび元画像Pにおいて同一画素毎に差分を求めることにより、組織(図示省略)や人工構造物Cを除外して、図4に示すように血管Bのみが写り込んだ画像を、血管輪郭像を含むマスク像Pとして取得する。このようにして取得されたマスク像Pをマスク像メモリ部35に送り込む。
マスク像Pをマスク像メモリ部35に書き込んで記憶する。局所的な関心領域を設定するために、マスク像メモリ部35に記憶されたマスク像Pを読み出して電子シャッタ36に送り込む。
電子シャッタ36は、図4に示すようにマスク像Pの関心領域ROIを設定する。具体的には、関心領域以外の領域に対応する画素の画素値を所定の画素値(図4では“0”の画素値)に設定する。もちろん、それ以外にも、ユーザが図4中の点線に示す関心領域ROIを手動で設定してもよい。このように電子シャッタ36で設定された関心領域ROIをマスク像生成部37に送り込む。
マスク像生成部37は、電子シャッタ36で設定された関心領域ROIに限定したマスク像を生成する。図4に示すように関心領域ROIに限定したマスク像をPとする。マスク像生成部37で生成されたマスク像Pを反転部38に送り込む。
反転部38は、マスク像生成部37で生成されたマスク像Pにおける画素値の反転を行う。具体的には、関心領域ROIに限定したマスク像Pにおいて画素値の反転(白黒反転)を行うことで、反転後のマスク像を取得する。図4に示すように反転後のマスク像をPとする。反転部38での反転後のマスク像Pを透視時に重畳処理部39に送り込む。
重畳処理部39は、透視によりその後に取得された複数の透視画像における画素値と、マスク像生成部37で生成され、かつ反転部38での反転後のマスク像Pにおける画素値とを加算することで、透視画像とマスク像Pとを重ね合わせる重畳処理を行う。重畳処理部39での重畳処理後の各々のX線画像を表示画像としてモニタ43に送り込む。
コントローラ42と同様に、上述した画像検出部31や電子シャッタ36やマスク像生成部37や反転部38や重畳処理部39は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。画像メモリ部32やマスク像メモリ部35は、RAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体で構成されている。ピークホールド33はピークホールド回路で構成されている。減算器34はオペアンプや抵抗で構成されている。
次に、一連の撮影について、図1〜図4とともに、図5〜図7を参照して説明する。図5は、実施例に係る一連の撮影のフローチャートであり、図6(a)〜図6(c)は、関心領域の設定の各々の一態様であり、図7(a)は、初期値に基づく関心領域の設定の態様であり、図7(b)は、関心領域の設定変更の態様である。
(ステップS1)造影剤投与前の撮影
造影剤を投与する前の被検体Mの撮影を行う。FPD25の検出面に投影されたX線画像を画像検出部31(図2を参照)は造影剤投与前のX線画像(元画像)として検出する。元画像P(図2および図4を参照)を画像メモリ部32(図2を参照)に書き込んで記憶する。
なお、機械シャッタの機能を有したコリメータ26(図1および図3を参照)により関心領域ROI(図4を参照)を予め設定した後に、ステップS1を行ってもよい。ただし、コリメータ26により関心領域ROIを狭めすぎると、電子シャッタ36(図2を参照)で関心領域ROIを設定変更する際に、コリメータ26による関心領域ROIよりも拡げて、電子シャッタ36で関心領域ROIを設定変更することができない。よって、コリメータ26で関心領域ROIを設定する場合には、X線の照視野を広めに設定するのが好ましい。
(ステップS2)造影剤投与
被検体Mに造影剤を投与する。ここでは、CO以外の造影剤を投与するとして以下を説明する。
(ステップS3)造影剤投与後の撮影
造影剤を投与後の被検体Mの撮影を行う。造影剤を投与して5秒〜20秒経過後に撮影を自動的に行う。もちろん、造影剤を投与して5秒〜20秒経過後にユーザが曝射スイッチ(図示省略)を押して撮影を手動で行ってもよい。FPD25の検出面に投影されたX線画像を画像検出部31は造影剤投与後のX線画像として検出する。上述したようにCO以外の造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が黒っぽく写って血管の画素値が低くなるので、画素値情報に基づいて造影剤投与後のX線画像として検出すればよい。造影剤投与後のX線画像を画像メモリ部32に書き込んで記憶する。
ステップS4の透視、およびステップS11のピークホールド像の取得・ステップS12のマスク像の取得・ステップS13の関心領域の設定・ステップS14のマスク像の生成・ステップS15の反転については、ほぼ並列的に行う。なお、後述するステップS5の重畳処理をステップS4の後に直ぐに行うので、ステップS5までにステップS11〜S15が済んでいればよく、ステップS4の後にステップS11を開始してもよいし、ステップS4の前にステップS11を開始してもよいし、ステップS4と同時にステップS11を開始してもよい。
(ステップS11)ピークホールド像の取得
画像メモリ部32に記憶された造影剤投与後のX線画像を読み出してピークホールド33(図2を参照)に送り込む。ピークホールド33は、造影剤投与後のX線画像における画素値の最小値をホールドして、画素値が閾値以下のピクセル(画素)を血管とすることによりピークホールド像P(図2および図4を参照)を取得する。このようにして取得されたピークホールド像Pを減算器34(図2を参照)に送り込む。
(ステップS12)マスク像の取得
画像メモリ部32に記憶された元画像Pを読み出して減算器34に送り込み、減算器34はピークホールド像Pと元画像Pとの差分を求めることにより、血管輪郭像を含むマスク像P(図2および図4を参照)を取得する。このようにして取得されたマスク像Pをマスク像メモリ部35(図2を参照)に送り込む。
(ステップS13)関心領域の設定
マスク像メモリ部35に記憶されたマスク像Pを読み出して電子シャッタ36(図2を参照)に送り込み、電子シャッタ36は、マスク像Pの関心領域ROIを設定する。具体的には、図4でも述べたように、関心領域以外の領域に対応する画素の画素値を“0”の画素値に設定、あるいは図4中の点線に示す関心領域ROIを手動で設定する。ここでは、所定の画素値として、“0”の画素値に設定することにより黒となるような画素値としたが、白や灰色となるような画素値でもよいし、カラーでもよい。また、必ずしも一様な画素値である必要はなく、関心領域以外の領域をモザイク状としてもよい。
図4では関心領域ROIを方形状としたが、設定される関心領域ROIの形状や設定される個数については特に限定されない。関心領域ROIの形状については、閉じられた図形であれば、方形以外に多角形や三角形でもよいし、星形であってもよいし、図6(a)に示すように不必要な部分を除いた血管周りに沿った形状であってもよい。また、関心領域の個数については、図4や図6(a)に示すように単数であってもよいし、図6(b)に示すように複数であってもよい。
また、図6(c)に示すように関心領域以外の領域をEXとすると、関心領域以外の領域EXを直接的に指定することで、当該指定された領域以外に該当する関心領域ROIを設定してもよい。すなわち、関心領域以外の領域EXを直接的に指定することで、当該指定された領域以外に該当する関心領域ROIを設定するように、電子シャッタ36を構成する。この場合には、関心領域以外の領域EXを複数に直接的に指定することで、複雑な形状の関心領域ROIを簡易に設定することができる。図6(c)では、血管以外の領域を、関心領域以外の領域EXとして複数に直接的に指定することで、血管周りの関心領域ROIを簡易に設定することができる。
なお、入力に基づいて関心領域ROIを設定するように電子シャッタ36を構成する(「前者の構成」とする)。すなわち、ユーザが入力部41に入力することによって、入力に基づいて関心領域ROIを手動で設定する。また、初期値に基づいて関心領域ROIを設定するように電子シャッタ36を構成する(「後者の構成」とする)。
また、前者の構成および後者の構成を両方組み合わせてもよい。例えば、後者の構成において、上述した初期値に基づく関心領域ROIを、入力に基づいて設定変更するように、電子シャッタ36を構成する。例えば、図7(a)では初期値に基づいて関心領域ROIを設定するとして、図7(b)では入力に基づいて関心領域ROIを設定変更するとする。このように構成することで、ユーザが入力しない場合には初期値に基づく関心領域ROIで設定され、ユーザが入力する場合には入力に基づいて関心領域ROIを手動で設定変更することができる。
このようにして設定された関心領域ROIをマスク像生成部37(図2を参照)に送り込む。
(ステップS14)マスク像の生成
電子シャッタ36で設定された関心領域ROIに限定したマスク像P(図2および図4を参照)をマスク像生成部37が生成する。このようにして設定された関心領域ROIに限定したマスク像Pを反転部38(図2を参照)に送り込む。
(ステップS15)反転
マスク像生成部37で生成されたマスク像Pにおける画素値の反転を反転部38は行う。特に、CO以外の造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が黒っぽく写って血管の画素値が低くなるので、マスク像Pにおいて画素値の反転(白黒反転)を行うことで、反転後ではマスク像における血管に該当する画素の画素値は高くなって、血管が白っぽく写る。このようにして反転後のマスク像P(図2および図4を参照)を重畳処理部39(図2を参照)に送り込む。
(ステップS4)透視
一方、上述したステップS11のピークホールド像の取得・ステップS12のマスク像の取得・ステップS13の関心領域の設定・ステップS14のマスク像の生成・ステップS15の反転と並行して、ステップS1やS3の撮影よりも弱い線量のX線を照射する透視を行う。ステップS3の造影剤投与後の撮影から所定時間経過後に透視を自動的に行う。ステップS3の造影剤投与後の撮影からステップS4の透視の開始までの所定時間については、造影剤が流れ切る時間を当該所定時間としてユーザが予め設定すればよい。もちろん、ステップS3の造影剤投与後の撮影から造影剤が流れ切った後にユーザが透視開始スイッチ(図示省略)を押して透視の開始を手動で行ってもよい。
FPD25の検出面に投影されたX線画像を画像検出部31は透視により得られたX線画像として検出する。上述したように造影剤が流れ切った後において透視によりその後に取得されたX線画像は画素値が全体的に高くなるので、画素値情報に基づいて透視によりその後に取得されたX線画像として検出すればよい。透視によりその後に取得されたX線画像(透視画像)についてはモニタ43(図2を参照)にリアルタイムに表示するために、画像メモリ部32に記憶せずに、重畳処理部39を介してモニタ43に送り込む。
(ステップS5)重畳処理
先ず、重畳処理部39は、ステップS4の透視によりその後に取得されたX線画像(透視画像)における画素値と、ステップS14のマスク像生成部37で生成され、かつステップS15の反転部38での反転後のマスク像Pにおける画素値とを加算することで、X線画像(透視画像)とマスク像Pとを重ね合わせる重畳処理を行う。このようにして重畳処理後の各々のX線画像を表示画像としてモニタ43に送り込む。
(ステップS6)重畳処理後のX線画像の表示
重畳処理後のX線画像(表示画像)をモニタ43に表示する。これによって、ステップS14のマスク像生成部37で生成され、かつステップS15の反転部38での反転後のマスク像Pとともに、ステップS4の透視によりその後に取得されたX線画像をモニタ43にリアルタイムに表示する。なお、ステップS4の透視からステップS6の重畳処理後のX線画像の表示までにステップS5の重畳処理を挟むが、ステップS5は複雑な演算処理ではないので、ステップS4の透視・ステップS5の重畳処理・ステップS6の重畳処理後のX線画像の表示をほぼ同時に行うことができ、ステップS4の透視によりその後に取得されたX線画像をモニタ43にリアルタイムに表示することができる。
(ステップS7)所定フレーム?
複数フレームにわたって透視を行うので、透視を行う複数フレームを所定フレームとしてユーザは予め設定する。そして、所定フレームに達したか否かを判断する。所定フレームに達していない場合には透視が終了していないとしてステップS4の透視に戻って、ステップS4〜S7を繰り返し行う。所定フレームに達した場合には透視が終了したとして一連の撮影を終了する。なお、図5のフローチャートでは固定の所定フレームを設定して、設定された所定フレームにわたって透視を行ったが、ユーザが透視を終了する指令を与えるまで複数フレームにわたって透視を行ってもよい。何れの場合においても、ステップS4〜S7を繰り返し行うことにより、透視によりその後に取得された各々のX線画像を動画として表示することができる。
上述の本実施例に係るX線装置によれば、血管輪郭像を含むマスク像P(図2および図4を参照)を表示する際に、透視画像(透視によりその後に取得されたX線画像)の一部領域のみにマスク像Pを重畳して表示画像を生成して表示する。よって、不必要な部分を除いた一部領域(例えば関心領域ROI)のみをユーザが確認することができるようにし、ユーザの(認識や操作)ミスを軽減する。その結果、マスク像における不必要な表示を軽減することができ、ユーザが画像を確認する時の余分な情報を軽減することができる。
本実施例では、関心領域設定手段(本実施例ではコリメータ26や電子シャッタ36)を備えることで、マスク像Pの生成自体を関心領域ROIの部分に限定した後に、画像重畳手段(本実施例では重畳処理部39)による重畳処理を行う。すなわち、本実施例では、予め撮影した透視画像中における関心領域ROIを設定する関心領域設定手段(コリメータ26や電子シャッタ36)をさらに備え、画像重畳手段(重畳処理部39)は、マスク像Pを設定された関心領域のみに重畳する。
上述したように、関心領域設定手段を、関心領域以外の領域に対応する画素の画素値を所定の画素値(図4では“0”の画素値)に設定する電子シャッタ36で構成してもよい。マスク像の撮像後(設定後)に、電子シャッタ36により関心領域ROIを任意に設定変更することができる。また、関心領域設定手段を、関心領域以外の領域でのX線を遮光する機械シャッタ(コリメータ26)で構成してもよい。マスク像の撮像前(設定前)に、機械シャッタ(コリメータ26)により関心領域ROIを予め設定することができる。また、本実施例のように電子シャッタ36および機械シャッタ(コリメータ26)を両方組み合わせてもよい。
本実施例では、マスク像Pにおける画素値の反転を行う反転手段(本実施例では反転部38)を備えている。特に、CO以外の造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が黒っぽく写って血管の画素値が低くなるので、マスク像において画素値の反転(白黒反転)を行うことで、反転後ではマスク像における血管に該当する画素の画素値は高くなって、血管が白っぽく写る。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、放射線検出手段としてフラットパネル型X線検出器を例に採って説明したが、イメージインテンシファイア(I.I)などに例示されるように、通常において用いられるX線を検出するX線検出器であれば、特に限定されない。
(2)関心領域については特に限定されず、例えば脳が関心領域であってもよい。また、造影剤についても特に限定されず、COの造影剤を用いてもよい。
(3)上述した実施例では、映像系2を回転移動させるCアーム23を備えたX線装置であったが、図8に示すように、X線管24およびFPD25を平行移動させてX線画像を得るX線装置に適用してもよい。
(4)上述した実施例では、マスク像における画素値の反転を行う反転手段(実施例では反転部38)を備えたが、必ずしも反転する必要はない。例えば、COの造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が白っぽく写って血管の画素値が高くなるので、マスク像を反転せずに、透視画像とマスク像とを重ね合わせる重畳処理を行うことが可能である。また、図2の反転部38や重畳処理部39の替わりに、図9に示すように、透視画像(透視によりその後に取得されたX線画像)における画素値から、マスク像における画素値を減算する減算手段(図9では減算器44)を備えてもよい。上述した反転手段(反転部38)を備えてなくても、CO以外の造影剤を用いた場合において、透視画像における画素値からマスク像における画素値を減算することで、反転手段および画像重畳手段(実施例では重畳処理部39)を備えた場合と同等の効果を奏する。すなわち、CO以外の造影剤を用いた場合に、透視画像における画素値からマスク像における画素値を減算することで、血管に該当する画素の画素値が高い状態で透視画像に重ね合わされる。
(5)上述した実施例では、関心領域設定手段は、機械シャッタの機能を有したコリメータ26、および電子シャッタ36の両方で組み合わせて構成されていたが、必ずしも両方である必要はない。ただ、マスク像の撮像後(設定後)に電子シャッタにより関心領域ROIを任意に設定変更することを考慮すれば、少なくとも電子シャッタで関心領域設定手段を構成するのが好ましい。コリメータについては、関心領域より広いX線の照視野のみを制御するために備えるだけでよい。
(6)上述した実施例では、造影剤投与前のX線画像(元画像)および造影剤投与後のX線画像(最終的にはピークホールド像)に基づいて血管輪郭像を含むマスク像を取得したが、造影剤投与後のX線画像のみをマスク像として取得し、そのマスク像(造影剤投与後のX線画像)の関心領域を設定してもよい。血管における画素値とそれ以外の部分における画素値との間に隔たりがある場合には、造影剤投与後のX線画像において組織や人工構造物などが写り込んだとしても、造影剤投与後のX線画像であるマスク像から関心領域を設定することが可能である。例えばCO以外の造影剤を用いた場合には、造影剤投与によって血管が黒っぽく写って血管の画素値が低くなる。人工構造物が反射物の場合には人工構造物が白っぽく写って人工構造物の画素値が高くなる。よって、造影剤投与後のX線画像において人工構造物などが写り込んだとしても、血管での画素値は低く、人工構造物での画素値は高く両者の画素値との間に隔たりがあり、造影剤投与後のX線画像であるマスク像から関心領域を設定することが可能である。
(7)上述した実施例では、取得された画像の画素値情報に基づいて、造影剤投与前のX線画像(元画像),造影剤投与後のX線画像または透視によりその後に取得されたX線画像(透視画像)のいずれかとして画像を検出する画像検出手段(実施例では画像検出部31)を備えることで、各々の画像を自動的に検出したが、必ずしも自動的に検出する必要はない。取得された画像を、造影剤投与前のX線画像(元画像),造影剤投与後のX線画像または透視によりその後に取得されたX線画像(透視画像)のいずれかに分類する入力設定を行う入力部(図示省略)を備えてもよい。各々の画像を手動で分類するためにユーザが入力部に入力設定を行い、コントローラ42(図2を参照)を介して造影剤投与前のX線画像(元画像),造影剤投与後のX線画像または透視によりその後に取得されたX線画像(透視画像)のいずれかに、取得された画像を分類する。上述の入力設定を、入力部を介してユーザが手動で行う。
(8)上述した実施例では、関心領域設定手段(実施例ではコリメータ26や電子シャッタ36)については、関心領域を手動で設定する構成であったが、中央演算処理装置(CPU)で関心領域設定手段を構成し、血管輪郭像での画素値に基づいて不要な部分を除外した関心領域を演算することにより、関心領域を自動で設定してもよい。
(9)上述した実施例では、関心領域設定手段(実施例ではコリメータ26や電子シャッタ36)を備えることで、マスク像の生成自体を関心領域の部分に限定した後に、画像重畳手段による重畳処理を行ったが、マスク像自体を全領域に生成した後に、重畳処理のときに一部領域(例えば関心領域)にのみに重畳してもよい。このときには、当該一部領域は関心領域に一致する必要はなく、関心領域よりも広い領域を一部領域として重畳して、必要に応じて関心領域のみに狭めて重畳してもよい。
25 … フラットパネル型X線検出器(FPD)
26 … コリメータ
36 … 電子シャッタ
38 … 反転部
39 … 重畳処理部
43 … モニタ
… マスク像
ROI … 関心領域
EX … 関心領域以外の領域
M … 被検体

Claims (10)

  1. 検出されたX線に基づいて透視画像を取得する画像取得手段と、
    前記透視画像に血管輪郭像を含むマスク像を重畳する画像重畳手段と、
    前記透視画像に前記マスク像を重畳した表示画像を生成する表示画像生成手段と、
    当該生成された画像を表示する表示手段と
    を備え、
    前記画像重畳手段は、前記マスク像を前記透視画像の一部領域のみに重畳することを特徴とするX線装置。
  2. 請求項1に記載のX線装置において、
    予め撮影した透視画像中における関心領域を設定する関心領域設定手段をさらに備え、
    前記画像重畳手段は、前記マスク像を前記設定された関心領域のみに重畳することを特徴とするX線装置。
  3. 請求項2に記載のX線装置において、
    前記関心領域設定手段を、前記関心領域以外の領域に対応する画素の画素値を所定の画素値に設定する電子シャッタで構成することを特徴とするX線装置。
  4. 請求項2に記載のX線装置において、
    前記関心領域設定手段を、前記関心領域以外の領域での前記X線を遮光する機械シャッタで構成することを特徴とするX線装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかに記載のX線装置において、
    前記関心領域設定手段は、入力に基づいて前記関心領域を設定することを特徴とするX線装置。
  6. 請求項2から請求項5のいずれかに記載のX線装置において、
    前記関心領域設定手段は、初期値に基づいて前記関心領域を予め設定することを特徴とするX線装置。
  7. 請求項6に記載のX線装置において、
    前記初期値に基づく前記関心領域を、入力に基づいて設定変更するように、前記関心領域設定手段を構成することを特徴とするX線装置。
  8. 請求項2から請求項7のいずれかに記載のX線装置において、
    前記関心領域以外の領域を直接的に指定することで、当該指定された領域以外に該当する関心領域を設定するように、前記関心領域設定手段を構成することを特徴とするX線装置。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のX線装置において、
    前記マスク像における画素値の反転を行う反転手段を備えることを特徴とするX線装置。
  10. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のX線装置において、
    前記透視画像における画素値から、前記マスク像における画素値を減算する減算手段を備えることを特徴とするX線装置。
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