JP2016130675A - 鉄道車両の走行速度・位置検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 GPSデータを使用することなく、また車輪の回転パルスデータを用いることなく、車両の走行速度及び走行位置を無人で正確に検出できる車両速度・位置検出方法を提供する。
【解決手段】 振動、騒音等の各種計測に先立って、営業路線における軌道勾配γを事前に求める第1ステップと、各種計測の際に車両に搭載した加速度センサにより車両の前後方向加速度αを計測し、これと事前に求めた軌道勾配γとから、車両を進行方向に運動させるための車両の走行加速度Pを求める第2ステップとからなる。第2ステップでは、計測された車両の前後方向加速度αから、当該計測地点における軌道勾配γが車両の前後方向加速度αに与える影響を除去するべく、車両の前後方向加速度αに当該計測地点における軌道勾配γによる補正を加える。
【選択図】 図4
【解決手段】 振動、騒音等の各種計測に先立って、営業路線における軌道勾配γを事前に求める第1ステップと、各種計測の際に車両に搭載した加速度センサにより車両の前後方向加速度αを計測し、これと事前に求めた軌道勾配γとから、車両を進行方向に運動させるための車両の走行加速度Pを求める第2ステップとからなる。第2ステップでは、計測された車両の前後方向加速度αから、当該計測地点における軌道勾配γが車両の前後方向加速度αに与える影響を除去するべく、車両の前後方向加速度αに当該計測地点における軌道勾配γによる補正を加える。
【選択図】 図4
Description
本発明は、鉄道車両における振動や騒音、車体応力、脱線係数等の計測を実施する際に必要な車両の走行速度データ及び走行位置データを得るのに用いられる鉄道車両の走行速度・位置検出方法に関し、特に地下鉄車両における各種計測に適した鉄道車両の走行速度・位置検出方法に関する。
鉄道車両においては、車両の性能調査試験の一環として、現車を用いて車両の振動や台車応力、脱線係数、騒音等を測定することが行われる。この測定は現在は有人で行われているが、今後は無人で行われ、その測定データが無線伝送される時代に移行することは間違いない。すなわち、鉄道車両の安全性や乗り心地、強度等を無人で監視する時代が到来するということである。そして、その際に重要なことは、各種の測定データに車両の走行速度及び走行位置を正確に対応させること、すなわち測定データがどの走行位置でのものか、いかなる走行速度でのものかは明確にすることである。このため、各種の測定データと共に、車両の走行速度及び走行位置を正確に検出することが求められる。
鉄道車両の走行速度・走行位置の検出についてはGPSの利用が考えられる。しかしながら、地下鉄車両ではGPSの利用が不可能である。地下鉄車両を考慮すると、GPSデータを用いない車両の走行速度・走行位置の検出方法が求められる。
GPSを用いない鉄道車両の走行速度・走行位置の検出方法については、主体的にしろ補足的にしろ、車輪の回転数パルス、或いはこれに類するパルス信号を用いるものが、特許文献1〜3に見られるとおり一般的である。また、路線図(軌道管理図)の情報と慣性センサの出力データとの合わせ込みによって車両の走行位置を特定する方法も、特許文献4により提示されている。しかしながら、これらの従来技術には以下の問題がある。
特許文献1〜3により提示された方法では、車輪の回転パルスから車両の走行距離を求める必要がある。鉄道車両から車輪の回転パルスを取り出すためには、鉄道車両の制御系統、信号系統に手を加える必要があり、手間がかかるだけでなく、鉄道車両の制御系統に悪影響を与える危険性があり、場合によっては事故を招くことも考えられる。このため、鉄道車両の側に手を加えることなく、その車両に測定機器を載置するだけで車両の走行速度及び走行位置の検出が可能になる技術の開発が待たれている。
また、特許文献4により提示された方法では、常に同じ線路上を走行する営業路線車両を対象に、その車両の測定データに、路線図(軌道管理図)に付与されているキロ程を作業者が都度都度対応させる。また、駅や他の特定の場所に車両が停止した場合に作業者が都度都度その地点を装置に入力する。いずれの作業も人手で行われるため、無人化の要求に応えることができない。また、位置精度を高めるために路線図(軌道管理図)の情報を用いるが、路線図(軌道管理図)の情報は不正確であるために期待するほどの効果は得られない。
本発明の目的は、GPSデータを使用することなく、また車輪の回転パルスデータを用いることなく、車両の走行速度及び走行位置を無人で正確に検出できる車両速度・位置検出方法を提供することにある。
車両の走行速度及び走行位置の無人計測に有効な方法として、車両に発生する前後方向の加速度を、当該車両に搭載した加速度センサによって計測し、この前後方向の加速度を積分して車両の走行速度を検出し、更にこれを積分して車両の走行位置を検出する慣性法がある。しかしながら、この方法は、測定された前後方向の加速度に軌道勾配に起因する加速度の影響が含まれるために、精度が低い。ここにおける精度の低下を補う方法として、路線図(軌道管理図)内の勾配情報による補正が考えられるが、路線図(軌道管理図)の情報に精度上の問題があることは前述したとおりである。
このような現状において前記目的を達成するために、本発明者らは路線図(軌道管理図)の情報を使用しないことが不可欠であると考える一方、車両の前後方向の加速度から車両の走行速度及び走行位置を検出する慣性法の実施が不可欠であると考え、鋭意検討した。その結果、次の事実が判明した。
GPSデータを使わずに車両の走行速度及び走行位置を検出するためには、慣性法が有効であるが、慣性法による車両の走行速度及び走行位置の検出では、前述したとおり、測定された加速度データに軌道勾配による加速度が含まれ、速度データ及び位置データに悪影響を及ぼす。このため、測定された加速度データから軌道勾配による加速度の影響を取り除くことが重要である。
また、路線図(軌道管理図)の情報の不正確さの影響を排除するためには、路線図(軌道管理図)の情報を使用しないことが重要であり、そのためには事前に軌道勾配を求めテーブル化しておくことが必要である。すなわち、実際の検査検出を行う前に、対象とする路線について軌道勾配の正確な情報を求め、テーブル化しておくことが必要である。
本発明の鉄道車両の走行速度・位置検出方法は、かかる知見を基礎として完成されたものであり、鉄道車両の走行速度及び走行位置を検出するにあたり、対象路線の軌道勾配γを事前に求めてテーブル化する第1ステップと、鉄道車両に搭載された加速度センサにより車両の前後方向加速度αを計測すると共に、軌道勾配γのテーブルから当該計測地点における軌道勾配γを求め、計測された車両の前後方向加速度αから、当該計測地点における軌道勾配γが車両の前後方向加速度αに与える影響を除去するべく、車両の前後方向加速度αに当該計測地点における軌道勾配γによる補正を加えて、車両を進行方向に運動させるための車両の走行加速度Pを求める第2ステップとから構成されている。
本発明の鉄道車両の走行速度・位置検出方法においては、鉄道車両の走行速度及び走行位置を検出するにあたり、対象路線の軌道勾配γを事前に求めてテーブル化しておき、実際の検出の際は鉄道車両に搭載された加速度センサにより車両の前後方向加速度αを計測すると共に、その計測された車両の前後方向加速度αから、テーブル化された軌道勾配γを用いて、その軌道勾配γが車両の前後方向加速度αに与える影響を除去するので、車両を進行方向に運動させるための車両の走行加速度Pが正確に求まる。
車両を進行方向に運動させるための車両の走行加速度Pが求まると、これを積分することにより車両の走行速度vが求まり、更にこれを積分することにより車両の走行距離Lが求まる。
第1ステップでの軌道勾配γの検出は、車両の走行速度又は走行距離に対応する信号データから車両の進行方向加速度βを求め、次の数式1にて行うのがよい。
後で詳しく説明するが、軌道勾配γは近似的に上式により表される。また、車両の進行方向加速度βは車両の車輪回転数等から簡単に検出可能である。したがって、上式によりステップ1での軌道勾配γの算出が簡単に行われる。
第2ステップでの走行加速度Pの算出は、下式にて行うのが簡単で好ましい。車両の走行加速度Pは、車両の前後方向加速度αから軌道勾配γの影響を取り除いたものであるので、近似的に次の数式2により表される。
車両の進行方向加速度β及び車両の前後方向加速度αは、車両の走行時間tの関数β(t)及びα(t)とし、軌道勾配γは車両の走行距離Lの関数γ(L)とするのが好ましい。車両の進行方向加速度β及び車両の前後方向加速度αを車両の走行時間tの関数β(t)及びα(t)とすることにより、これらの計測が簡単になる。軌道勾配γを車両の走行距離Lの関数γ(L)とすることにより、第2ステップでの扱いが簡単になる。
軌道勾配γは、車両が同じ線路上を走行する営業路線における軌道勾配とするのが好ましく、通常はその起点から終点までの軌道勾配とされる。営業路線であると、第1ステップで求めた軌道勾配γを繰り返し使えるので、合理的である。
本発明の鉄道車両の走行速度・位置検出方法は、各種の計測において、各種の計測データに対応させる車両の走行速度及び走行位置を慣性法で検出するので、GPSデータを使う必要がない。このため地下鉄車両にも対応できる。その際、車輪の回転パルスデータを使用する必要がないので、車両に手を加える必要がなく、計測装置の車両への設置が容易であると共に、その設置に伴う車両制御系統への悪影響を排除することができる。そして、慣性法による車両走行速度及び走行位置の検出では、計測された前後方向加速度に含まれる軌道勾配による加速度の影響を取り除くので、GPSデータを使用せず車輪の回転パルスデータを使用せずとも、高精度の検出を行うことができる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態の車両速度・位置検出方法は、例えば地下鉄の営業路線における振動や騒音、車体応力、脱線係数等の各種の計測を行う際に各種の計測データに対応させる車両の走行速度データ及び走行位置データを採取するのに使用される。地下鉄の営業路線では、車両は決められた路線を走行する。
この車両速度・位置検出方法は、各種の計測に先立って前記営業路線における軌道勾配を事前に求める第1ステップと、各種の計測の際に車両に搭載した加速度センサにより車両の前後方向加速度を計測し、これと事前に求めた軌道勾配とから車両の走行速度及び走行位置を求める第2ステップとからなる。
事前準備工程である第1ステップでは、図1に示すシステムにより、前記営業路線を走行する車両10の制御系から車輪11の回転パルス信号を取り出すと共に、前記車両10に搭載した加速度センサ20から前記車両10の前後方向加速度信号を取り出す。そして取り出した両信号のデータ(車輪の回転数データ及び車両の前後方向加速度データ)を図3に示すフローにより処理して前記営業路線における軌道勾配を求める。ここにおける軌道勾配算出法を、以下に図5〜図8を参照して詳述する。
まず、第1ステップにおける軌道勾配算出法の原理を図5により説明する。軌道に勾配が存在しない地点を車両が走行するときは、車輪の回転パルスをカウントして求められる車輪の回転数をnとし、車輪半径をrとすると、車両の走行距離Lは次の数式3で表される。これは車両の実際の走行距離である。
このときの車両の走行速度vは、走行距離Lを時間tで微分することで得られ、次の数式4のとおりとなる。この走行速度vは車両の実際の走行速度である。
また、車両の進行方向加速度βは、車両の走行速度vを更に時間tで微分することで得られ、次の数式5のとおりとなる。この車両の進行方向加速度βは、車両が走行する線路に平行な方向の加速度である。
今、車両に搭載された加速度センサで計測された車両の前後方向加速度をαとすると、この計測された車両の前後方向加速度αは、軌道勾配γによる誤差を含む。この誤差は、図5から分かるとおり、軌道勾配γの傾斜角度をθとすると、−g・sinθとなる。すなわち、計測された車両の前後方向加速度αは、−g・sinθ分のみ小さく表されるのでる。このため、α+g・sinθが、車両の進行方向加速度βに等しくなり、その結果、次の数式6の関係及び数式7の関係が成立する。
ちなみに、車両に搭載された加速度センサは、取付け方向の加速度を計測するので、計測される車両の前後方向加速度αも、車両の進行方向加速度βと同様、車両が走行する線路に平行な方向の加速度となる。
一方、軌道勾配γの傾斜角度θは、最大でも数十‰であり、走行距離Lに対しての高低差Hは小さいため、近似的に数式8の関係が成立する。
そして、車両の前後方向加速度αと車両の進行方向加速度βとの間に先の数式7の関係が成立することから、軌道勾配γは、次の数式9により求めることが可能となる。これは先の数式1と同じものである。
第1ステップでは、このような原理に基づいて、営業路線における軌道勾配γを、搭載センサにより計測した車両の前後方向加速度αと、車輪の回転パルスから求めた車両の進行方向加速度βとから全区間にわたって求める。求めた軌道勾配γの分布がテーブルである。このテーブルは、実際は各因子が時間関数であることから図6〜図8のような処理を経て、走行距離Lの関数として変換される。
実際の第1ステップでは、車輪の回転パルス及び車両の前後方向加速度αを単位時間Δt毎に計測する。回転パルスから求められる車両の走行距離Lは、L(t)という走行時間tの関数となる。これを走行時間tで微分して得られる車両の走行速度vも、v(t)という走行時間tの関数となり、それを更に走行時間tで微分して得られる車両の進行方向加速度βも、β(t)という走行時間tの関数となる。また、車両に搭載された加速度センサにより計測される車両の前後方向加速度αも、α(t)という走行時間tの関数となる。
図6において、走行時間tがt0からt1に至るまでの期間は加速期間である。この期間の進行方向加速度β(t)はβ0(正の一定値)であり、走行速度v(t)がv0(=0)からv1へ一定比率で上昇する。走行距離L(t)はL0(=0)からL1へ二次関数的に増加する。
走行時間tがt1からt2に至るまでの期間は、加速も減速もしない定速期間である。この期間の進行方向加速度β(t)はβ1(=0)であり、走行速度v(t)はv1(一定)である。走行距離L(t)はL1からL2へ比例的に増加する。
走行時間tがt2からt3に至るまでの期間は減速期間である。この期間の進行方向加速度β(t)はβ2(負の一定値)であり、走行速度v(t)がv2からv3(=0)へ一定比率で低下する。走行距離L(t)はL2からL3へ増加率を下げながら増加する。
t3以降は停止期間である。進行方向加速度β(t)はβ3(=0)であり、走行速度v(t)はv3(=0)のまま、走行距離L(t)はL3のままである。
車両の走行距離L(t)、走行速度v(t)及び進行方向加速度β(t)は、このような関係になっているので、実際のステップ1では、回転パルスデータから走行距離L(t)を求め、微分処理により、走行速度v(t)及び進行方向加速度β(t)を求める。
更に、軌道勾配γは、先の数式9で表されることから、γ(t)という時間関数となり、回転パルスから求めた車両の進行方向加速度β(t)と、車両に搭載した加速度センサから求めた車両の前後方向加速度α(t)とから、次の数式10で求めることができる。3者の関係は図7に示すとおりである。
ここで、当初に得られる軌道勾配γ(t)は走行時間tの関数であり、走行時間tに依存するので、取り扱い性が悪い。このため、軌道勾配γ(t)を図8に示すように走行距離Lの関数に変換する。走行距離Lの関数に変換された軌道勾配γ(L)は、次の数式11のとおりとなる。これは、営業路線の起点から終点までの走行距離Lに対応する軌道勾配(勾配分布)を示し、軌道勾配γのテーブルに他ならない。
次に、実際の第2ステップでは、各種の計測の際に、車両の前後方向加速度α(t)を所定の単位時間Δt毎に計測し、事前に求めた軌道勾配γ(L)を用いて、軌道勾配γ(L)による加速度の影響を取り除くことにより、車両を進行方向に運動させるための走行加速度Pを求め、車両の走行速度v(t)及び走行距離L(t)を求める。
装置としては、図2に示すように、車両10に搭載した前後加速度センサ20を用いる。そして、前後加速度センサ20から得た車両10の前後方向加速度α(t)についての信号データを図4に示すフローにより処理して、先ず軌道勾配γ(L)による加速度の影響を除去された車両の走行加速度P(t)を求め、次いでこれを積分して車両の走行速度v(t)を求め、更にこれを積分して車両の走行距離L(t)を求める。
軌道勾配γ(L)による加速度の影響を除去された車両の走行加速度P(t)は、車両に搭載された加速度センサにより計測された車両の前後方向加速度α(t)から、理論的には、次の数式12により求められる(先の数式7参照)。この数式は、先の数式2と同じものである。
また、車両の走行速度v(t)及び走行距離L(t)は、理論的には次の数式13及び数式14により求められる。
しかし、ここで車両の前後方向加速度αは走行時間tの関数α(t)であり、車両の走行加速度Pも走行時間tの関数P(t)である。これに対し、軌道勾配γは走行距離Lの関数γ(L)である。そこで、図9に示す手法により、車両の前後方向加速度αから車両の走行加速度P(t)を求める。詳細は以下のとおりである。
車両の前後方向加速度α(t)の計測がスタートする時点をt=0とする。このとき(計測スタート時)から微小時間Δt毎に車両の前後方向加速度α(t)を計測する。計測スタート時における車両の走行速度v(t0)及び走行距離L(t0)、並びに走行距離L(t0)の地点における軌道勾配γ(L0)は既知とする。
計測スタート時においては、このときの車両の走行加速度P(t0)、すなわち軌道勾配γ(L0)による加速度の影響を除去された車両の走行加速度P(t0)を、計測された車両の前後方向加速度α(t0)から次の数式15に基づき求める(数式12参照)。
次に、計測スタート時から微小時間Δtを経過した後(走行時間t=t1)における車両の走行速度v(t1)及び走行距離L(t1)を、次の数式16及び数式17に示す積分処理より求める。
計測スタート時から微小時間Δtを経過した後(走行時間t=t1)における車両の走行距離L(t1)が求まると、その走行距離L(t1)の地点における軌道勾配γ(L)が判明し、これをγ(L1)とする。また、計測スタート時から微小時間Δtを経過した後(走行時間t=t1)に計測された前後方向加速度α(t)をα(t1)とする。両者から、t=t1時における車両の走行加速度P(t1)、すなわち軌道勾配γ(L1)による加速度の影響を除去された車両の走行加速度P(t1)を次の数式18により求める。
t=t1時における車両の走行加速度P(t1)が求まると、t1時から微小時間Δtを経過した後(走行時間t=t2)における車両の走行速度v(t2)及び走行距離L(t2)を、次の数式19及び数式20に示した積分処理より求める。
これを繰り返すことにより、車両に搭載された加速度センサによりリアルタイムで測定された車両の前後方向加速度α(t)から、事前に求められた軌道勾配γ(L)を用いつつ、車両の走行加速度P(t)を求めることができ、これに積分処理を施すことにより、車両の走行速度v(t)及び走行距離L(t)を求めることができる。一般的で表すと、次の数式21〜数式23のとおりである。
計測された車両の前後方向加速度α(t)及び算出される車両の走行加速度P(t)は走行時間tの関数であり、事前に求められた軌道勾配γ(L)は走行距離L(t)の関数である
10 車両
11 車輪
20 加速度センサ
11 車輪
20 加速度センサ
Claims (6)
- 鉄道車両の走行速度及び走行位置を検出するにあたり、対象路線の軌道勾配γを事前に求めてテーブル化する第1ステップと、
鉄道車両に搭載された加速度センサにより車両の前後方向加速度αを計測すると共に、軌道勾配γのテーブルから当該計測地点における軌道勾配γを求め、計測された車両の前後方向加速度αから、当該計測地点における軌道勾配γが車両の前後方向加速度αに与える影響を除去するべく、車両の前後方向加速度αに当該計測地点における軌道勾配γによる補正を加えて、車両を進行方向に運動させるための車両の走行加速度Pを求める第2ステップとからなる鉄道車両の走行速度・距離検出方法。 - 請求項1に記載の鉄道車両の走行速度・距離検出方法において、第2ステップで求められた車両の走行加速度Pを積分することにより車両の走行速度vを求め、更にこれを積分することにより車両の走行距離Lを求める鉄道車両の走行速度・距離検出方法。
- 請求項1又は2に記載の鉄道車両の走行速度・距離検出方法において、第1ステップでの軌道勾配γの算出を下式にて行う鉄道車両の走行速度・距離検出方法。
γ=(β−α)/g(βは車両の走行速度又は走行距離に対応する信号データから求めた車両の進行方向加速度、gは重力加速度) - 請求項1〜3の何れかに記載の鉄道車両の走行速度・距離検出方法において、第2ステップでの走行加速度Pの算出を下式にて行う鉄道車両の走行速度・距離検出方法。
P=α+g・γ(gは重力加速度) - 請求項1〜4の何れかに記載の鉄道車両の走行速度・距離検出方法において、車両の進行方向加速度β及び車両の前後方向加速度αは車両の走行時間tの関数β(t)及びα(t)であり、軌道勾配γは車両の走行距離Lの関数γ(L)である鉄道車両の走行速度・距離検出方法。
- 請求項1〜5の何れかに記載の鉄道車両の走行速度・距離検出方法において、軌道勾配γは、車両が同じ線路上を走行する営業路線における軌道勾配である鉄道車両の走行速度・距離検出方法。
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