JP2016130305A - ポリエステル樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性に優れたガラス転移温度と成形性に優れた融点を両立し、耐熱性と成形性に優れた新規なジカルボン酸化合物を用いたポリエステル樹脂の提供。
【解決手段】式(1)及び/又は下記式(2)で示されるジカルボン酸化合物(A)とジオール化合物(B)とを含むポリエステル樹脂。ジオール化合物が、脂肪族ジオール化合物又は芳香族ジオール化合物であるポリエステル樹脂。脂肪族ジオール化合物が炭素数2〜6の直鎖状の脂肪族ジオール化合物を含むポリエステル樹脂。
【選択図】なし
【解決手段】式(1)及び/又は下記式(2)で示されるジカルボン酸化合物(A)とジオール化合物(B)とを含むポリエステル樹脂。ジオール化合物が、脂肪族ジオール化合物又は芳香族ジオール化合物であるポリエステル樹脂。脂肪族ジオール化合物が炭素数2〜6の直鎖状の脂肪族ジオール化合物を含むポリエステル樹脂。
【選択図】なし
Description
本開示は、新規なジカルボン酸化合物を用いたポリエステル樹脂に関する。
ポリエステル樹脂は、ポリカルボン酸化合物と、ポリオール化合物を、重縮合して得られるプラスチックであり、熱可塑性プラスチックとして、多くの製品が利用されている。プラスチックの利用の範囲は、その特性の向上と共に広がりを見せてきた。特に、耐熱性に優れるプラスチックは、利用の範囲を大きく広げる有用なものである。近年の自動車の低燃費化、ハイブリッド化に伴い、車体重量を低減可能なプラスチック部品の採用は加速する傾向があるが、これらの部品には、エンジンルーム等、機械部の熱が伝わるような部位にも利用可能な耐熱性が求められる。
ポリエステル樹脂の例としては、コハク酸と1,4-ブタンジオールの重縮合物(ポリブチレンサクシネート)、ポリ乳酸などの、脂肪族ポリエステルが挙げられる。これらのポリエステル樹脂は、非強化で40〜60℃と、低い荷重たわみ温度を有し、成形性に優れる一方で、高温にさらされるような用途には不向きである。
耐熱性を改善すべく、芳香族のジカルボン酸であるテレフタル酸とエチレングリコールの重縮合物(ポリエチレンテレフタレート)やテレフタル酸と1,4−ブタンジオールの重合物(ポリブチレンテレフタレート)に代表される芳香族ポリエステルが開発された(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。これら芳香族ポリエステルに関しても、ガラス転移温度は30℃〜80℃程度である。これらポリエステル樹脂は、テレフタル酸のみでは、融点(荷重たわみ温度)が高くなるため、コハク酸や、アジピン酸との共重合物で利用されているが、共重合成分により構造的な均一性が失われることで、融点(荷重たわみ温度)やガラス転移温度がさらに低下する。また、テレフタル酸は石油由来資源からの製法に依存が高く、再生可能な資源により環境負荷を低減するという流れに対応できない樹脂であった。
特許文献1、2および3に記載のポリエステル樹脂を使用した場合、テレフタル酸のみでは融点が高くなることで成形が困難であること。また、コハク酸や、アジピン酸との共重合物ポリエステル樹脂の場合、ガラス転移温度の低下が起こることから、融点とガラス転移温度の両立、成形性と耐熱性の両立が困難であるという課題を見出した。
上記事情に鑑みて、本開示は、耐熱性に優れたガラス転移温度と成形性に優れた融点を両立し、耐熱性と成形性に優れたポリエステル樹脂を提供するものである。
本開示は、以下の(1)〜(4)による。
(1)下記式(1)および/または下記式(2)で示されるジカルボン酸化合物(A)とジオール化合物(B)とを含むポリエステル樹脂。
(2)前記ジオール化合物(B)が、脂肪族ジオール化合物または芳香族ジオール化合物である(1)記載のポリエステル樹脂。
(3)前記脂肪族ジオール化合物が、炭素数2〜6の直鎖状の脂肪族ジオール化合物を含むものである(2)記載のポリエステル樹脂。
(4)前記脂肪族ジオール化合物が、エチレングリコール、1、4−ブタンジオールまたは1、6−ヘキサンジオールを含むものである(2)または(3)記載のポリエステル樹脂。
(1)下記式(1)および/または下記式(2)で示されるジカルボン酸化合物(A)とジオール化合物(B)とを含むポリエステル樹脂。
(2)前記ジオール化合物(B)が、脂肪族ジオール化合物または芳香族ジオール化合物である(1)記載のポリエステル樹脂。
(3)前記脂肪族ジオール化合物が、炭素数2〜6の直鎖状の脂肪族ジオール化合物を含むものである(2)記載のポリエステル樹脂。
(4)前記脂肪族ジオール化合物が、エチレングリコール、1、4−ブタンジオールまたは1、6−ヘキサンジオールを含むものである(2)または(3)記載のポリエステル樹脂。
特定構造のジカルボン酸化合物を用いることで、耐熱性と成形性に優れるポリエステル樹脂を得ることができた。
<ジカルボン酸化合物(A)>
本開示は、特定構造のジカルボン酸化合物を用いたポリエステル樹脂に関するものである。特定構造のジカルボン酸化合物は、以下式で表される構造のものである。
本開示は、特定構造のジカルボン酸化合物を用いたポリエステル樹脂に関するものである。特定構造のジカルボン酸化合物は、以下式で表される構造のものである。
このジカルボン酸化合物は、プロトカテク酸エステルと、ジハロゲン化プロパン酸エステルを、アルカリの存在下で反応させ、しかる後に、保護基であるエステル基を脱離することで得ることができる。
上記ジカルボン酸化合物は、原料としてプロトカテク酸と、ジハロゲン化プロパン酸を原料として用いるが、これらの原料として、非石油由来の原料を用いることもできる。プロトカテク酸の非石油由来製造法については、WO2014/007273号または非特許文献 J.AM.CHEM.SOC.,vol127、pp2874−2882(2005)に開示されている。また、ジハロゲン化プロパン酸は、アクリル酸から誘導することができるが、アクリル酸の非石油由来製造法については、特開2012-162471号公報、 特表2013-505727号公報に開示されている。これらの非石油由来原料を用いることで、ポリエステル樹脂が環境負荷の低減を図ることができるため好ましい。
本発明のポリエステル樹脂には、上記ジカルボン酸化合物の他に、一般的にポリエステル樹脂に利用されるようなジカルボン酸化合物を併用することができる。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類、アジピン酸、1,5−ジカルボキシルペンタン、1,6−ジカルボキシルヘキサン、1,7−ジカルボキシルヘプタン、1,8−ジカルボキシルオクタン、1,9−ジカルボキシルノナン、1,10−ジカルボキシルデカン、1,11−ジカルボキシルウンデカン、1,12−ジカルボキシルドデカンなどの直鎖アルキルジカルボン酸類などを挙げることができる。なお上記ジカルボン酸類は、アリールエステル、酸クロライド等のエステル形成誘導体として用いても良い。
<ジオール化合物(B)>
本発明のポリエステル樹脂は、前述ジカルボン酸化合物と、ジオール化合物を重合することで得ることができる。ジオール化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、などの脂肪族ジオール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコールなどの芳香族ジオールなどを用いることができるが、脂肪族ジオールを用いると、ポリエステル樹脂に柔軟性を持たせ、熱可塑性樹脂として適切な融点を得ることができ、成形樹脂としてのハンドリングに優れるので好ましい。また、脂肪族ジオールとして、炭素数2〜6の、直鎖状アルキルジオール類を用いると、前述の柔軟性付与効果に優れるため好ましい。これらの直鎖状アルキルジオール類のうち、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオールは、入手が容易であり、特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂は、前述ジカルボン酸化合物と、ジオール化合物を重合することで得ることができる。ジオール化合物としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、などの脂肪族ジオール、ヒドロキノン、レゾルシノール、カテコールなどの芳香族ジオールなどを用いることができるが、脂肪族ジオールを用いると、ポリエステル樹脂に柔軟性を持たせ、熱可塑性樹脂として適切な融点を得ることができ、成形樹脂としてのハンドリングに優れるので好ましい。また、脂肪族ジオールとして、炭素数2〜6の、直鎖状アルキルジオール類を用いると、前述の柔軟性付与効果に優れるため好ましい。これらの直鎖状アルキルジオール類のうち、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオールは、入手が容易であり、特に好ましい。
<ポリエステル樹脂の重合>
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができるが、例えば、製造方法の簡便さから、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを触媒存在下加熱重合せしめる溶融重合法を好ましく挙げることができる。また、特に限定はされないが、ジカルボン酸化合物としては、入手し易さや、ポリエステル樹脂の収率の点を考慮し、ジカルボン酸化合物またはジカルボン酸ジエステル化合物を適宜使用することができる。
ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができるが、例えば、製造方法の簡便さから、ジカルボン酸化合物とジオール化合物とを触媒存在下加熱重合せしめる溶融重合法を好ましく挙げることができる。また、特に限定はされないが、ジカルボン酸化合物としては、入手し易さや、ポリエステル樹脂の収率の点を考慮し、ジカルボン酸化合物またはジカルボン酸ジエステル化合物を適宜使用することができる。
この反応においては、上記ジカルボン酸化合物と、ジオール化合物をエステル化触媒の存在下に、加熱溶融せしめる。エステル化触媒としては、例えば、チタニウムテトラブトキシド、三酸化アンチモン、酢酸第1錫、ジブチル錫オキシド、酸化ゲルマニウム等を用いることができるが、高収率でポリエステル樹脂を得ることができることからチタニウムテトラブトキシドを用いることが好ましい。
以下重合反応について詳細に説明する。ジカルボン酸化合物とジオール化合物の重合前期は、ジカルボン酸化合物のカルボキシル基の少なくとも50%がヒドロキシ成分と反応してエステル化される段階である。この段階では反応によって副生成物(水ないしアルコール)が生成するので、これを反応系外に留去する。この段階ではヒドロキシ成分が反応系外に留去しないようにする必要がある。
重合後期では、さらにエステル化が進むと同時にそれまでに生成したエステルと残りのヒドロキシ基との交換反応も進み重合が進行する段階である。重合前期と重合後期とは、明確に分けることはできないが、重合前記ではヒドロキシ成分の反応系外への留去を積極的に抑え、重合後期では留去させる点で区別する。
重合前期の反応温度は、触媒によっても異なるが、150℃以上とするのが好ましい。より好ましくは180℃〜250℃であり、特に好ましくは200℃〜240℃である。また反応温度は、反応の進行とともに昇温するのが好ましい。重合前期の反応時間は、0.5時間〜3時間が好ましい。前記反応温度条件、反応時間範囲とすることで、副反応を抑制し高収率でポリエステル樹脂を得ることができる。
重合前期は常圧〜加圧下で行うことができる。また、反応系は窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下とすることが好ましい。不活性ガス雰囲気下とすることで、副反応を抑制し高収率でポリエステル樹脂を得ることができる。
重合後期の反応温度は300℃以下で行うことが好ましい。より好ましくは、230℃〜280℃である。反応時間は1時間〜3時間が好ましい。前記反応温度条件、反応時間範囲とすることで、副反応を抑制し高収率でポリエステル樹脂を得ることができる。
重合後期では、系中を減圧することにより、反応副生物およびヒドロキシ成分を留去することができる。反応容器を減圧させる場合は、1Torr以下まで減圧することが好ましい。これにより、副反応を効率的に抑制することができる。
前記、減圧により反応副生物およびヒドロキシ成分を留去する操作において、反応温度が下がるので、再度昇温させ反応させる必要がある。この再度の昇温については、230℃以上280℃以下が好ましく、その温度を保った状態で1時間〜5時間反応させることが好ましい。これらの昇温温度と反応時間により、効率的な留去をおこなうことができる。
ポリエステル樹脂に使用するジカルボン酸化合物の物質量と、その他併用されるジカルボン酸類の物質量の総量1モルに対し、ジオール化合物の物質量は、1モル以上の比率で用いるのが好ましい。好ましくは、反応中において有効なジオール化合物の活量を考慮し、ジオール化合物を1.0〜2.0モル用いるのが好ましい。これにより、高収率でポリエステル樹脂を得ることができる。
また、ポリエステル樹脂の重合において、ポリエステル樹脂の末端反応基を残さないために、フェノール、モノアルコールなどの、単官能成分を併用することができる。これらの単官能成分は、ジカルボン酸化合物に対し、0.1〜5モル%の比率で利用することが好ましい。これにより、繰り返し製造した場合の、各ポリエステル樹脂の特性バラツキがより安定化する。
本発明のポリエステル樹脂は、必要に応じ、ガラス、シリカ、アルミナ、マイカ、カオリン、クレー、酸化亜鉛、タルク等の無機充填材、木粉、樹脂粉などの有機充填材などを併用し、複合材料として用いることもできる。これらの充填材は、球状、粉状、針状、繊維状、鱗辺状、平板状、クロス状などの形状または不定形状で用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂には、必要に応じ、滑材、酸化防止剤、離型剤、高温安定剤、カップリング剤などを添加して用いることができる。
本発明のポリエステル樹脂は、必要に応じ、その他の樹脂類と混合して用いることもできる。例えば、ポリフェニレンスルフィド、半芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、ポリエステル、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテルなどが挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂は、熱可塑性を有するため、成形装置を用いることで、所望の形状に成形し用いることができる。このような成形機としては、圧縮成形機、射出成形機、押し出し成形機などを挙げることが出来る。
この化合物は樹脂中に含まれていることにより、樹脂の材料特性を調整する用途で使用することができる。具体的には、樹脂の分子量の調整、成形性の改良のための可塑剤等として用いることができる。
本発明を実施例により説明する。しかし本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
以下に、実施例、比較例において用いた各種原料について記載する。
プロトカテク酸:和光純薬工業製
メタノール:和光純薬工業製
2,3−ジブロモ安息香酸エチル:東京化成工業製
N,N−ジメチルホルムアミド:和光純薬工業製
炭酸カリウム:和光純薬工業製
酢酸エチル:和光純薬工業製
水酸化ナトリウム:和光純薬工業製
エチレングリコール:東京化成工業製
1、4−ブタンジオール:東京化成工業製
1、6−ヘキサンジオール:東京化成工業製
チタニウムテトラブトキシド:東京化成工業製
塩酸:和光純薬工業製
濃硫酸:和光純薬工業製
プロトカテク酸:和光純薬工業製
メタノール:和光純薬工業製
2,3−ジブロモ安息香酸エチル:東京化成工業製
N,N−ジメチルホルムアミド:和光純薬工業製
炭酸カリウム:和光純薬工業製
酢酸エチル:和光純薬工業製
水酸化ナトリウム:和光純薬工業製
エチレングリコール:東京化成工業製
1、4−ブタンジオール:東京化成工業製
1、6−ヘキサンジオール:東京化成工業製
チタニウムテトラブトキシド:東京化成工業製
塩酸:和光純薬工業製
濃硫酸:和光純薬工業製
本発明で用いられる、式(1)および/または式(2)で示されるジカルボン酸化合物は、以下の方法により調整される。
プロトカテク酸は下記手順に従い、メチルエステル化して使用した。プロトカテク酸84g、メタノール350mLを500mLナス型フラスコに混合し、濃硫酸7mLを添加し、8時間加熱還流撹拌した。反応後、メタノールをエバポレーションし、得られた固体を酢酸エチルに溶解させ、イオン交換水を加え、水層が中性になるまで分液を行った。その後、有機層を分取し、有機層をエバポレーションすることにより固体を得た。固体を減圧乾燥し、プロトカテク酸メチルを82g(収率90%)で得た。引き続き、1L反応容器にプロトカテク酸メチル78g、2、3−ジブロモプロピオン酸エチル146g、N、N−ジメチルホルムアミド500mLを入れ溶解させた。炭酸カリウム78gを加え、窒素雰囲気下90℃昇温し、5時間反応させた。反応溶液にイオン交換水を加え、不溶成分を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルをエバポレーションし、減圧乾燥した。これにより式(3)および式(4)で示されるジカルボン酸ジエステル化合物を得た。
式(3)および式(4)で示されるジカルボン酸ジエステル化合物92gに2.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液500mLを加え、室温で24時間撹拌した。得られた水溶液に塩酸を滴下し、系中を酸性にし、遊離した固体を減圧濾過にて回収し、イオン交換水で洗浄した。得られた固体を減圧乾燥した。これにより、式(1)および式(2)で示されるジカルボン酸化合物75g(収率98%)を得た。
(実施例1)
撹拌装置を備えた反応容器に、式(3)および式(4)で示されるジカルボン酸ジエステル化合物70.2g、エチレングリコール19.7gを入れ、重合触媒としてチタニウムテトラブトキシド0.12gを仕込み、窒素雰囲気下常圧で220℃に昇温し溶融させた。そのまま、撹拌しながら1.5時間反応させた後、反応容器内を1Torrまで徐々に減圧した。その後、反応容器内を280℃まで徐々に昇温し、最終的に280℃で2時間反応させた。その結果、ポリエステル樹脂75gを得た。
撹拌装置を備えた反応容器に、式(3)および式(4)で示されるジカルボン酸ジエステル化合物70.2g、エチレングリコール19.7gを入れ、重合触媒としてチタニウムテトラブトキシド0.12gを仕込み、窒素雰囲気下常圧で220℃に昇温し溶融させた。そのまま、撹拌しながら1.5時間反応させた後、反応容器内を1Torrまで徐々に減圧した。その後、反応容器内を280℃まで徐々に昇温し、最終的に280℃で2時間反応させた。その結果、ポリエステル樹脂75gを得た。
(実施例2〜6)
実施例1記載の式(3)および式(4)で示されるジカルボン酸ジエステル化合物70.2gを、表1の実施例2〜6に記載の式(3)および式(4)で示されるジカルボン酸ジエステル化合物およびその仕込み量、または式(1)および式(2)で示されるジカルボン酸化合物およびその仕込み量に変更し、実施例1記載のエチレングリコール19.7gを、表1の実施例2〜6記載に記載のジオール化合物およびその仕込み量に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例2〜6のポリエステル樹脂を得た。
実施例1記載の式(3)および式(4)で示されるジカルボン酸ジエステル化合物70.2gを、表1の実施例2〜6に記載の式(3)および式(4)で示されるジカルボン酸ジエステル化合物およびその仕込み量、または式(1)および式(2)で示されるジカルボン酸化合物およびその仕込み量に変更し、実施例1記載のエチレングリコール19.7gを、表1の実施例2〜6記載に記載のジオール化合物およびその仕込み量に変更した以外は、実施例1と同様に操作を行い、実施例2〜6のポリエステル樹脂を得た。
(比較例1、2)
比較例1、2として、テレフタル酸を用いた市販の芳香族ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)をそれぞれ用いた。
比較例1、2として、テレフタル酸を用いた市販の芳香族ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)をそれぞれ用いた。
実施例1〜6、比較例1、2について、以下の方法にて評価した。
1)ガラス転移温度
JIS K 7121に準拠して、セイコーインスツルメンツ社製DSC (型式DSC6100R)により、昇温速度5℃/min、2サイクル目のDSC曲線から求めた。
JIS K 7121に準拠して、セイコーインスツルメンツ社製DSC (型式DSC6100R)により、昇温速度5℃/min、2サイクル目のDSC曲線から求めた。
2)融点
セイコーインスツルメンツ社製DSC (型式DSC6100R)により、昇温速度5℃/minにて測定し、融解吸熱のピーク温度をもって融点とした。
セイコーインスツルメンツ社製DSC (型式DSC6100R)により、昇温速度5℃/minにて測定し、融解吸熱のピーク温度をもって融点とした。
表1からわかるように、本発明によれば、従来のテレフタル酸を用いたポリエステル樹脂に比べ、耐熱性に優れたガラス転移温度と成形性に優れた融点を両立し、耐熱性と成形性に優れた樹脂を得ることが出来る。
Claims (4)
- 下記式(1)および/または下記式(2)で示されるジカルボン酸化合物(A)とジオール化合物(B)とを含むポリエステル樹脂。
- 前記ジオール化合物(B)が、脂肪族ジオール化合物または芳香族ジオール化合物である請求項1記載のポリエステル樹脂。
- 前記脂肪族ジオール化合物が、炭素数2〜6の直鎖状の脂肪族ジオール化合物を含むものである請求項2記載のポリエステル樹脂。
- 前記脂肪族ジオール化合物が、エチレングリコール、1、4−ブタンジオールまたは1、6−ヘキサンジオールを含むものである請求項2または請求項3記載のポリエステル樹脂。
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