JP2016129870A - 有機性廃棄物の発酵制御システム及び発酵制御方法 - Google Patents

有機性廃棄物の発酵制御システム及び発酵制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発酵中の有機性廃棄物の含水率を直接測定することなく、簡易な方法で含水率低下による微生物活性が低くなるタイミングを検知しそれに応じた発酵制御を行うことで、乾燥不良や過乾燥による発酵停止を起こさずに順調な発酵を可能とする技術を提供することを目的とする。【解決手段】撹拌機11が発酵物Mを撹拌し、発酵物Mの温度とpHならびに撹拌強度と空気供給量とを発酵と乾燥が進行する一定の状態に維持した状態で、CO2センサー15が該発酵物Mから発生する二酸化炭素濃度を測定し、二酸化炭素濃度が所定の値以下の時は、発酵物Mに与える空気の供給量を少なくするとともに撹拌強度を小さくすることで乾燥を抑制して有機性廃棄物の発酵を進行させる。【選択図】図1

Description

本発明は、水分含有量が比較的高い食品製造残渣(焼酎粕、ビール粕、オカラ等)、生ごみ、汚泥、家畜糞尿その他の有機性廃棄物を好気性発酵処理する際の発酵制御システム及び発酵制御方法に関する。
生ゴミ等の有機性廃棄物の発酵処理においては、内容物の含水率が高すぎれば乾燥不良になり、低すぎれば発酵が停止するため、含水率が重要な管理項目となる。
しかしながら、安価で信頼性の高い有機性廃棄物の発酵槽用の制御用水分計は実用化されておらず、有機性廃棄物処理システムの運転管理人員が常駐してサンプリングにより測定することができる大型の発酵設備以外では有機性廃棄物の含水率の制御をしていない場合が多いのが実情である。そのため有機性廃棄物の発酵に最適な水分領域を保持できずに乾燥不良や発酵不良によるランニングコストの上昇などのトラブルが多く発生する。
このような問題に鑑み、有機性廃棄物の含水率の測定を直接行わず、温度やCO2、重量などの値から有機性廃棄物の含水率の測定を間接的に推計して発酵を制御する方法が提案されている。
例えば、特開2005−288237号公報では、二酸化炭素濃度、有機性廃棄物の重量及び温度を測定し、格納データから所定時間経過後の有機性廃棄物の発酵状態を判断して、次回の有機性廃棄物の予測投入時期や予測投入量を予測できる発酵処理装置、および発酵状態判断方法が開示されている(特許文献1)。しかしながら、有機性廃棄物は一定の品質のものを一定量、定期的に確保できるものではないため、予測された投入時期や投入量を厳密に守ることは困難であり、変更が生じた場合、適切な投入時期や投入量は結局のところ使用者側で判断しなければならないという問題がある。
また、特開平07−33573号公報では、排ガス中のCO2量を測定することで発酵槽内の有機性廃棄物の発酵状態を検知し、必要な空気量を制御する堆肥化方法及び装置並びにこの装置に用いる回転ドラム式発酵槽及び製品貯槽が開示されている(特許文献2)。しかしながら、最適発酵条件を維持するために、有機性廃棄物の水分変動に対し、水分が低いときにはCO2濃度は高くなり、水分が高いときにはCO2濃度は低くなるように送風量の調整を行うような制御は、その前提として温度やpHを一定に維持しなければ、それらによってもCO2濃度が大きく変動するため実際上水分の推計は困難であり制御ができない。
特開2005−288237号公報 特開平07−33573号公報
上記のように、有機性廃棄物の発酵に最適な含水率を制御できる発酵制御方法の確立が求められていた。
そこで、本発明は、発酵中の有機性廃棄物の含水率を直接測定することなく、簡易な方法で含水率低下による微生物活性が低くなるタイミングを検知しそれに応じた発酵制御を行うことで、乾燥不良や過乾燥による発酵停止を起こさずに順調な発酵を可能とする技術を提供することを目的とする。
本発明者は、発酵中の有機性廃棄物から発生する二酸化炭素の発生量を指標として発酵槽中の環境を制御することにより上記課題を解決することができるとの知見を得た。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、有機性廃棄物を撹拌する撹拌手段と、該有機性廃棄物に空気を供給する空気供給手段と、二酸化炭素を検出する二酸化炭素測定手段と、を備えた有機性廃棄物の発酵制御システムであって、該撹拌手段が該有機性廃棄物を撹拌し、該有機性廃棄物の温度とpH並びに撹拌強度と空気供給量とを発酵と乾燥が進行する一定の状態に維持した状態で、該二酸化炭素測定手段が該有機性廃棄物から発生する二酸化炭素濃度を測定し、該二酸化炭素濃度が所定の値以下の時は、該有機性廃棄物に与える空気の供給量を少なくするとともに撹拌強度を小さくすることで乾燥を抑制して該有機性廃棄物の発酵を進行させる、有機性廃棄物の発酵制御システムを提供するものである。
また、本発明は、撹拌手段で有機性廃棄物を撹拌し、該有機性廃棄物の温度とpHとを一定の状態に維持した状態で、該有機性廃棄物から発生する二酸化炭素濃度を測定する工程と、該二酸化炭素濃度が所定の値以下の時は、該有機性廃棄物に与える空気の供給量を少なくするとともに撹拌強度を小さくすることで乾燥を抑制して該有機性廃棄物の発酵のみを進行させる工程と、を有する、有機性廃棄物の発酵制御方法を提供するものである。
本発明によれば、発酵中の有機性廃棄物の含水率を直接測定することなく、二酸化炭素濃度を指標とすることで、含水率低下による微生物活性が低くなるタイミングを検知しそれに応じた発酵制御を行うことができ、乾燥不良や過乾燥による発酵停止を起こさずに順調な発酵を実現することができる。
本実施形態に係る有機性廃棄物の発酵制御システムの概略図である。 発酵乾燥槽10の概要を説明するための左側面図である。 本実施形態の有機性廃棄物の制御方法に係る制御プロセスを説明するための図である。 本実施形態の有機性廃棄物の発酵制御システム1を用いて発酵を制御したときの二酸化炭素濃度、有機性廃棄物の含水率、分解率、排気風量、撹拌強度の状態を経時的に測定した結果を示す図である。 発酵制御を行わずに有機性廃棄物を発酵処理した場合の図である。 乾燥能力が低いときの状態量の変化を経時的に測定した場合を示す図である。
初めに、本発明の実施形態に係る有機性廃棄物の発酵制御システムについて説明する。図1は、本実施形態に係る有機性廃棄物の発酵制御システム1の概略図であり、図2は、有機性廃棄物処理槽10の概要を説明するための左側面図である(説明の都合上、空気の供給路に関する説明は省略している)。
実施形態に係る有機性廃棄物の発酵制御システム1は、有機性廃棄物処理槽10と、有機性廃棄物処理槽10内に設置された撹拌機11と、有機性廃棄物処理槽10に空気を供給する排気ファン12と、有機性廃棄物処理槽1に設置された温度センサー13及びCO2センサー15と、発酵制御システム1の動作を制御する制御装置16と、を備えている。
有機性廃棄物処理槽10は、ほぼ密閉可能な構造になっており、発酵物M(有機性廃棄物)を収容し乾燥処理及び発酵処理を行うことができるように構成されている。また、通気経路17から取り入れた空気を通気口18から有機性廃棄物処理槽10の内部に供給し、排気口19から排出された空気は排気経路20によって外部へ排出されるように構成されている。なお、有機性廃棄物処理槽10は全体が断熱構造を有していることが好ましい。
また、本発明において必須ではないが、排気口19から排出された空気を再び通気口18から有機性廃棄物処理槽10に循環させるための循環経路21を備えることもできる。風量調節弁22a、22bの開閉は自在に行うことができるため、空気の排気量と循環量を適宜調節することができる。
通気経路17には不足熱量を供給するための加熱器23を備えている。加熱温度の設定は空気の流量によって適宜調整されるが、発酵制御システム1内での発酵物M(有機性廃棄物)の温度は好気性高温菌の活動が最も盛んになる温度(60〜70℃)となるように設定される。加熱器23は、例えば、電熱ヒータ、バーナヒータ、熱交換器による加熱、蒸気や温水ジャケットの併用方式などを採用することができる。
有機性廃棄物処理槽10の上部には発酵物M(有機性廃棄物)を投入するための原料投入口25を備え、下部には発酵を終えた発酵生成物搬出口26を備えている。
有機性廃棄物は、産業廃棄物および都市ゴミを問わず微生物により分解されうる有機物を主体とする廃棄物であって、食品残渣、焼酎粕、ビール粕、オカラ、ジュース搾りかす、醤油粕などの食品系廃棄物;廃棄農産物、廃糖蜜などの農産廃棄物;家畜の敷き藁、動物の糞尿、動物の屍体などの畜産廃棄物;魚の内蔵、頭部、骨、鰭、斃死魚、エビカニなど甲殻類の殻などの水産廃棄物、排水処理汚泥等を含む。なお、本実施形態において、有機性廃棄物は発酵物Mと同義のものとして扱う。
発酵を行うため、好気性高温菌を有機性廃棄物に添加する。発酵物M(有機性廃棄物)と好気性高温菌との混合は有機性廃棄物処理槽10に投入する前に行っても、有機性廃棄物処理槽10に投入した後に行ってもよい。また、発酵終了後の発酵物Mの一部を種菌および水分調整材として有機性廃棄物と撹拌混合してもよい。
前記好気性高温菌としては、バチルス(Bacillus)属細菌、ゲオバチルス(Geobacillus)属細菌、サーマス(Thermus)属細菌、アクチノマイセテス(Actinomycetes)属放線菌からなる群から選択された少なくとも1種類を含むことが好ましい。これらの好気性高温菌は、自然界、例えばコンポストや土壌に存在しているものを使用することができるが、上記以外の、酵素生産能に優れた特定の種などを優先種として用いることを妨げるものではない。
撹拌機11は、横軸式または縦軸式、その他の各種のものを用いることができる。具体的には、例えば、パドル式、スクリュー式、リボンスクリュー式、スクープ式、ロータリー式、キルン式などの撹拌手段を採用することができる。撹拌機11は、発酵物M(有機性廃棄物)を常時撹拌することで内容物を均一化し、表面の更新による酸素を供給する。また、水分の蒸発を促進して発酵物Mの温度とpHとを一定範囲に維持する。また、撹拌機11は後述する制御装置16からの指示に基づいて撹拌強度(撹拌速度)を変化させることができるように構成されている。
温度センサー13、CO2センサー15及びpHセンサー14は、後述する制御装置16に電気的に接続され、有機性廃棄物処理槽10内の測定結果に関するデータを制御装置16に送信するように構成されている。
制御装置16は、温度センサー13、CO2センサー15及びpHセンサー14から送信されたデータに基づき、排気ファン12の空気の供給量や撹拌機11の撹拌強度を調整するものである。そのため、制御装置16は排気ファン12及び撹拌機11の駆動モーター24とも電気的に接続されている。
制御装置16は、予め設定された排気ファン12の風力と撹拌機11の回転強度を制御し、有機性廃棄物に与える空気の供給量と表面の更新を多くすることで発酵物M(有機性廃棄物)の発酵と乾燥が進行するようにする。有機性廃棄物の投入により二酸化炭素濃度は徐々に高くなりやがて定常値に達する。発酵乾燥が進み含水率の低下に伴い二酸化炭素濃度が低下し所定の値以下になった時は、排気ファン12の風力を弱めるとともに撹拌機11の回転強度を小さくし、発酵物M(有機性廃棄物)に与える空気の供給量と表面の更新を少なくすることで発酵物M(有機性廃棄物)の乾燥を抑制して発酵のみが進行するようにする。
微生物の働きで発酵物M(有機性廃棄物)中の有機物が分解するとき二酸化炭素が発生する。発酵物M(有機性廃棄物)から発生する二酸化炭素の量は、温度、pH、発酵物M(有機性廃棄物)の含水率などで大きく変動する好気性高温菌の活性度による。温度やpHは微生物種により最適範囲があり、その範囲外では活性が大きく低下し二酸化炭素発生量も少ない。本実施形態においては、発酵物M(有機性廃棄物)有機性廃棄物の温度は60〜70℃の範囲内に維持され、pHが7〜9の範囲内に維持されることが好ましい。
発酵物M(有機性廃棄物)の含水率が高すぎれば乾燥不良になる。一方、発酵物M(有機性廃棄物)の含水率が低すぎる場合は好気性高温菌の活性が低下し、二酸化炭素発生量が減少する。さらには発酵が停止する。
そのため、二酸化炭素濃度が所定の値以下になった時に、所定量の水を発酵物M(有機性廃棄物)に加水することが好ましい。二酸化炭素濃度が所定の値以下になった時点で、すでに微生物の活性が低下し始めているため、加水により含水率を数%アップさせて活性を回復させることにより、発酵効率を高めることができる。
撹拌機11による発酵物M(有機性廃棄物)の撹拌が間欠的に行われる場合は、二酸化炭素濃度が急変動するため、制御要素として用いることはできない。従って撹拌間隔、温度又はpHが変動するような条件では、二酸化炭素発生量のみで含水率を推計することは困難である。そのため本実施形態においては、撹拌機11は常時撹拌を行い、温度とpHをほぼ一定の条件(60〜70℃、pH7〜9)に維持することで、二酸化炭素発生量の変動は含水率の影響によるものと推定することができる。
二酸化炭素の発生量は二酸化炭素濃度×排気空気量で求めることができることから、空気の供給量を一定に保ったときは二酸化炭素濃度が二酸化炭素の発生量に比例する。このような条件において、発酵物M(有機性廃棄物)の含水率が低下して微生物の活性が低下すれば二酸化炭素濃度も減少するので、二酸化炭素濃度が低下しはじめたタイミングで発酵乾燥モードから発酵モードに切替えることで低水分による活性低下や停止を起こさずに順調な発酵を行うことができる。
なお、二酸化炭素の測定値の時間平均や変化率など、測定データを加工した値からモード切替点を設定することもできる。さらに、酸素濃度を測定して二酸化炭素濃度を算出し、モードの切替点を設定することもできる。算出式は、CO2(%)=20.9−O2(%)で表わすことができる。
図3は本実施形態の有機性廃棄物の制御方法に係る制御プロセスを説明するための図である。図1も同時に参照しつつ、制御プロセスを説明する。
原料としての有機性廃棄物が発酵制御システム1に投入されると、撹拌機11が発酵物M(有機性廃棄物)を撹拌すると共に、排気ファン12の作動により通気口18が有機性廃棄物処理槽10に空気を供給する。これにより内容物を均一化し、表面の更新による酸素を供給し、また、水分の蒸発を促進して発酵物M(有機性廃棄物)の温度とpHとを一定範囲に維持する。本実施形態においては、発酵物M(有機性廃棄物)の温度は60〜70℃の範囲内に維持され、pHが7〜9の範囲内に維持されることが好ましい。そして、CO2センサー15により発酵物M(有機性廃棄物)から発生した二酸化炭素を測定し、そのデータが制御装置16に送信される。
制御装置16は予め設定された排気ファン12の風力と、撹拌機11の撹拌強度の指令を出す。これにより発酵物M(有機性廃棄物)の発酵と乾燥が進行する(これを「発酵乾燥モード」という)。このプロセスでは発酵と乾燥が同時に進行するプロセスであり、撹拌機11による撹拌強度が大きく、排気ファン12による空気の供給量も多い。その結果、発酵物M(有機性廃棄物)の表面の更新が大きくなり、発生した水蒸気も速やかに排出されるので、乾燥と発酵が同時に進行する。
発酵乾燥モードにおいては発酵と乾燥が同時に進行するが、乾燥能力をやや大きめに設定し、所定の終了時間よりやや早く含水率が低下するようにする。このようにすることで二酸化炭素濃度が低下し始めるモード切替点が現れるからである。また一時的な高水分原料の投入時においても乾燥不良を防ぐことができる。
次に、二酸化炭素濃度が定常値から低下し、所定の値以下になった時は、制御装置16は排気ファン12の風力を弱め、発酵物M(有機性廃棄物)に与える空気の供給量を少なくするとともに、撹拌機11の撹拌強度を小さくする指令を出す。これにより発酵物M(有機性廃棄物)の乾燥が抑制され発酵のみが進行する(これを「発酵モード」という)。このプロセスでは、発酵のみが進行するように、撹拌機11による撹拌強度を発酵に必要な酸素が供給できる最低限にし、排気ファン12による空気の供給量は発酵に伴う発生ガスを排出できる最低限にする。発酵モードでは撹拌強度が低く、排気風量も少ないため乾燥速度は低くなるが、温度、pHが発酵に適当な条件のままであり、必要な酸素が供給されるので発酵は進行する。
発酵乾燥モードから発酵モードに切り替わる時点では含水率が微生物活動範囲の下限に近いため、この時点で発酵物M(有機性廃棄物)に加水して含水率をやや高くすることも発酵の効率が上がる。
発酵モードでは含水率が微生物活動範囲の下限に近い35〜40%程度であるため、さらに乾燥させるために、発酵モードの後に乾燥モードを付加することにより同一槽で乾燥まで行うことができる(これを「乾燥モード」という)。乾燥モードでは二酸化炭素濃度の制御を外し、排気ファン12による空気の供給量を多くして撹拌機11の撹拌強度も大きくする。含水率が低いため発酵は進行しないが乾燥が効率よく進む。
なお、発酵制御システム1の能力を上回った高水分原料の場合は、所定の時間で発酵モードに移行しないことから、警告手段により警報等を出すことができる。警報等を出すまでの時間は適宜設定することができるが、例えば、20時間前後に設定することが好ましい。
図4は本実施形態の有機性廃棄物の発酵制御システム1を用いて発酵を制御したときの二酸化炭素濃度、発酵物M(有機性廃棄物)の含水率、分解率、排気風量、撹拌強度の状態を経時的に測定した結果を示す図である。
原料となる有機性廃棄物を投入した後は「発酵乾燥モード」にて運転する。撹拌強度が大きく、排気風量も多いので発酵と乾燥が同時に効率よく進む。含水率が低下して二酸化炭素濃度が低下した時に、「発酵モード」に切替える(図4中「モード切替」と示す)。撹拌強度を小さく、排気風量も少なくする。このとき乾燥速度は低下するが、発酵は引き続き継続し、所定の分解率を得ることができる。このように含水率が低下して二酸化炭素濃度が低下した時に、「発酵乾燥モード」から「発酵モード」に切替える制御を行うことで順調な発酵を継続して行わせることができる。
投入負荷が低いときや低水分の原料のときでも二酸化炭素の値により適切に発酵モードに切替えることができるので過乾燥に至らず、安定した発酵を行うことができる。この制御を行わなければ、発酵物M(有機性廃棄物)の乾燥が進み発酵が停止するので所定の分解率が得られない。
図5は、発酵制御を行わずに有機性廃棄物を発酵処理した場合の図である。このような状態では、時間の経過とともに発酵不良が起こり、所望の発酵処理を行うことができない。本実施形態の発酵制御システム1においては、先述のように、投入負荷が高いときや高水分原料のときは所定時間経過しても発酵モードに切替わらないので、このような状況が所定時間継続した場合は警報等を出すことができる(図3参照)。
図6は、比較例として発酵制御システムの乾燥能力が低いときの状態量の変化を経時的に測定した場合を示す図である。ここで、「乾燥能力」とは、発酵制御システムの設定水分蒸発能力をいう。例えば水100kgを1日で蒸発させる装置では約4.2kg/hの水分蒸発能力が必要になる。乾燥能力が所定の発酵時間で所定の含水率になるより小さめの設定では、発酵終了まで「発酵乾燥モード」が継続するが、含水率が所定まで低下しないままで終了する。
1…発酵制御システム
10…有機性廃棄物処理槽
11…撹拌機
12…排気ファン
13…温度センサー
14…pHセンサー
15…CO2センサー
16…制御装置
17…通気経路
18…通気口
19…排気口
20…排気経路
21…循環経路
22a,22b…風量調節弁
23…加熱器
24…駆動モーター
25…有機性廃棄物投入口
26…発酵物搬出口
M…発酵物

Claims (8)

  1. 有機性廃棄物を撹拌する撹拌手段と、
    該有機性廃棄物に空気を供給する空気供給手段と、
    二酸化炭素を検出するための二酸化炭素測定手段と、
    を備えた有機性廃棄物の発酵制御システムであって、
    該撹拌手段が該有機性廃棄物を撹拌し、該有機性廃棄物の温度とpH並びに撹拌強度と空気供給量とを発酵と乾燥が進行する一定の状態に維持した状態で、
    該二酸化炭素測定手段が該有機性廃棄物から発生する二酸化炭素濃度を測定し、
    該二酸化炭素濃度が所定の値以下の時は、該有機性廃棄物に与える空気の供給量を少なくするとともに撹拌強度を小さくすることで該有機性廃棄物の乾燥を抑制して発酵を進行させる有機性廃棄物の発酵制御システム。
  2. 前記二酸化炭素濃度が所定の値以下の時、前記有機性廃棄物に加水する、請求項1に記載の有機性廃棄物の発酵制御システム。
  3. 前記有機性廃棄物の温度が60〜70℃である、請求項1又は2に記載の有機性廃棄物の発酵制御システム。
  4. さらに、前記二酸化炭素濃度が所定の値以下である時間が予め設定した時間を超えたときに異常を知らせる警告手段を備えた、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機性廃棄物の発酵制御システム。
  5. 撹拌手段で有機性廃棄物を撹拌し、該有機性廃棄物の温度とpH並びに撹拌強度と空気供給量とを発酵と乾燥が進行する一定の状態に維持した状態で、該有機性廃棄物から発生する二酸化炭素濃度を測定する工程と、
    該二酸化炭素濃度が所定の値以下の時は、該有機性廃棄物に与える空気の供給量を少なくするとともに撹拌強度を小さくすることで乾燥を抑制して該有機性廃棄物の発酵を進行させる工程と、
    を有する、有機性廃棄物の発酵制御方法。
  6. 前記二酸化炭素濃度が所定の値以下の時、前記有機性廃棄物に加水する工程を有する、請求項5に記載の有機性廃棄物の発酵制御方法。
  7. 前記有機性廃棄物の温度が60〜70℃である、請求項5又は6に記載の有機性廃棄物の発酵制御方法。
  8. さらに、警告手段により前記二酸化炭素濃度が所定の値以下である時間が予め設定した時間を超えたときに異常を知らせる工程を有する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の有機性廃棄物の発酵制御方法。
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