JP2016129863A - 電気式脱イオン水製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱塩水の製造開始から短時間で良好な水質の脱塩水を得ることができ、通水運転時の電気抵抗を低減すること。
【解決手段】本発明の電気式脱イオン水製造装置は、対向する陽極室E1および陰極室E2と、これらの間にイオン交換膜AEM,CEMで画成され、第1のイオン交換体を収容した脱塩室Dと、脱塩室Dの両側のイオン交換膜AEM,CEMにそれぞれ隣接した一対の濃縮室C1,C2と、を有する。脱塩室には第1のイオン交換体として、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の少なくとも一方が湿潤状態の再生形で充填されている。濃縮室には第2のイオン交換体が充填されている。第2のイオン交換体は、電気式脱イオン水製造装置での脱塩水製造後の濃縮室から取り出した第2のイオン交換体の体積が濃縮室容積の103%〜125%となるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理水からイオンを電気的に排除した脱塩水(処理水)を製造する電気式脱イオン水製造装置に関し、特に、該装置に充填されるイオン交換体の態様に関する。
半導体や液晶の製造プロセスでは、不純物が高度に除去された超純水を用いて、半導体ウエハやガラス基板の洗浄が行われている。こうした洗浄に用いられる超純水の製造装置として、電気式脱イオン水製造装置(以下、EDIと称する。)が利用され始めている。
従来から実用化されているEDIは、基本的にはカチオン交換膜とアニオン交換膜で形成される隙間に、イオン交換体としてアニオン交換樹脂やカチオン交換樹脂などのイオン交換樹脂を充填して脱塩室とし、当該イオン交換樹脂層に被処理水を通過させるものとなっている。当該EDIでは、カチオン交換膜とアニオン交換膜の両方を介して被処理水の流れに対して直角方向に直流電流を作用させることにより、脱塩室の外側に形成された濃縮室を流れている濃縮水中に被処理水中のイオンを電気的に排除しながら脱塩水(処理水)を製造している。
特許文献1には、EDIにおいて、通水運転時の電気抵抗を小さくするために、脱塩室に収容したイオン交換体同士及びイオン交換膜との密着性を上げることが記載されている。さらに同文献には、自由状態(脱塩室による拘束の無い状態)のイオン交換体の再生形での体積が脱塩室の容積に対して103〜170%になる量のイオン交換体を脱塩室に充填することが記載されている。
特許文献1に記載された発明では、EDIの通水運転時(使用時)におけるイオン交換体の体積については十分に検討されていないため、必ずしも良好な水質を得られるわけでない。脱塩室容積に対してイオン交換体が過充填であると、脱塩室の圧力損失が増えて処理水量が低下するとともに、脱塩室とこれに隣接する濃縮室の間のシール性も低下する場合がある。
そこで、特許文献2には、脱塩室に充填されたイオン交換体の通水時の容積の、脱塩室容積に対する割合が101〜120%となるように、当該イオン交換体を脱塩室に収容することが提案されている。
特開平10−216729号公報 特開2001−104960号公報
上述した特許文献1,2に記載された発明では、脱塩室への充填前にイオン交換体を乾燥させる、あるいは再生形以外のイオン形(たとえば、Na形、やCl形などの塩形)のイオン交換体に変換しておく手法により、脱塩室の通水運転時にイオン交換体の体積を膨張させて、脱塩室内のイオン交換体同士及びイオン交換膜との密着性を上げている。
しかし、上記の各手法にてイオン交換体を脱塩室に充填したEDIを運転したところ、EDIの運転開始から所望の水質(例えば比抵抗値)の脱塩水を製造できるまでの時間、いわゆる立ち上がり時間が長いことが判明した。
具体的には、イオン交換体を乾燥させるとイオン交換体の劣化が進行する。このようなイオン交換体を脱塩室に充填して脱塩水の製造を開始した場合、イオン交換体由来の有機物成分(TOC)が脱塩水中にリークすることを確認した。また、Na形、Cl形などの塩形に変換しておいたイオン交換体を脱塩室に充填して脱塩水の製造を開始した場合、製造初期においては該塩形のイオン交換体から脱塩水中に塩成分(Na、Clなど)がリークすることが起こり、水質が向上するまでに時間を要することを確認した。
その一方で、脱塩室にイオン交換体を湿潤状態の再生形で充填しただけの場合、脱塩室内のイオン交換体同士及びイオン交換膜との密着性が不十分となり、通水運転時の電気抵抗や電圧も高くなる場合がある。
本発明は、上述した背景技術の問題点に鑑み、脱塩水の製造開始から短時間で良好な水質の脱塩水を得ることができ、通水運転時(脱塩水の製造時)の電気抵抗を低減することも可能な電気式脱イオン水製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、対向する陰極および陽極と、陰極と陽極の間にイオン交換膜で画成され、第1のイオン交換体を収容した脱塩室と、脱塩室の両側のイオン交換膜にそれぞれ隣接した一対の濃縮室と、を有する脱塩水を製造する電気式脱イオン水製造装置に係わる。この装置において、第1のイオン交換体は湿潤状態の再生形で脱塩室に充填されている。濃縮室には第2のイオン交換体が充填されている。さらに、第2のイオン交換体は、電気式脱イオン水製造装置での脱塩水製造後の濃縮室から取り出した第2のイオン交換体の体積が濃縮室容積の103%〜125%となるものであることを特徴とする。
上記態様では、脱塩室内に充填した第1のイオン交換体が湿潤状態の再生形とされている。このように脱塩室に塩形でなく再生形のイオン交換体を充填しておくと、脱塩水の製造開始から塩成分が脱塩水にリークすることなく脱塩水の製造が可能となるため、脱塩水の製造開始から所望の処理水質を得るまでの時間が短くなる。加えて、脱塩室にイオン交換体を湿潤状態で充填したので、イオン交換体由来の有機物成分(TOC)のリークも低減できる。
加えて、濃縮室には体積が濃縮室容積の103%〜125%となるイオン交換体を充填して、濃縮室内におけるイオン交換体の充填量を高めることとにより、濃縮室内のイオン交換体同士及びイオン交換膜との密着性が向上するとともに、濃縮室に隣接する脱塩室のイオン交換体も圧縮される。このことにより、濃縮室および脱塩室でのイオンの移動が容易になり、脱塩が円滑に進行する。したがって、脱塩水製造時の電気抵抗および電圧の低減、ならびに、処理水質の向上を達成することができる。
したがって本発明によれば、脱塩水の製造開始から短時間で良好な水質の脱塩水を得ることができ、通水運転時(脱塩水の製造時)の電気抵抗を低減することも可能となる。
本発明を適用可能なEDIの一の構成例を示す模式的断面図である。 本発明を適用可能なEDIの他の構成例を示す模式的断面図である。 イオン交換体の充填態様を変えて脱塩水を製造した際の該脱塩水のTOCを示すグラフである。 イオン交換体の充填態様を変えて脱塩水を製造した際の該脱塩水の比抵抗を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明に係るEDIは、図1又は図2に示すような構成をとることができる。
(EDIの構成例1)
図1の構成例では、EDI1は、脱塩室Dと脱塩室Dの両側に配置された一対の濃縮室C1,C2とを有する脱塩処理部と、一方の濃縮室C1の外側に配置された陽極室E1と、他方の濃縮室C2の外側に配置された陰極室E2とを有する。
脱塩室Dは、対向配置されたアニオン交換膜AEMおよびカチオン交換膜CEMと、アニオン交換膜AEMとカチオン交換膜CEMの間に充填された混床タイプのイオン交換体(アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したもの)とを有する。また濃縮室C1,C2内にも混床タイプのイオン交換体が充填されている。なお、本例では脱塩室や濃縮室に充填したイオン交換体を混床タイプとするが、脱塩室または濃縮室には混床でも複層床でも単床でもいずれのタイプも使用可能である。
陰極室E1には陰極が収容されている。陰極は金属の網状体あるいは板状体からなっており、例えばステンレス製の網状体あるいは板状体を用いることができる。陽極室E2には陽極が収容されている。陽極は金属の網状体あるいは板状体からなっている。被処理水にClを含む場合、陽極に塩素が発生する。このため、陽極には耐塩素性能を有する材料を用いることが望ましく、一例として、白金、パラジウム、イリジウム等の金属、あるいはチタンをこれらの金属で被覆した材料が挙げられる。
図1に示したEDI1によって脱塩水(処理水)を製造するには、陽極室E1および陰極室E2にそれぞれ設けられている電極間に直流電圧を印加した状態で給水ライン2より脱塩室Dに被処理水を通水させる。脱塩室Dでは、アニオン交換樹脂によってアニオン成分(Cl、CO 2−、HCO 、SiO等)が、カチオン交換樹脂によってカチオン成分(Na、Ca2+、Mg2+等)が捕捉される。同時に、脱塩室D内のアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の界面で水の解離反応が起こり、水素イオン(H)と水酸化物イオン(OH)が発生する。カチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂といったイオン交換体に捕捉されたイオン成分は、水素イオン及び水酸化物イオンと交換されてイオン交換体から遊離する。遊離したイオン成分はイオン交換体を伝ってイオン交換膜(アニオン交換膜AEMまたはカチオン交換膜CEM)まで電気泳動し、イオン交換膜で電気透析されて濃縮室C1,C2内へ移動する。濃縮室C1,C2内に移動したイオン成分は、濃縮室C1,C2を流れる濃縮水によって排出される。
以上のように直流電圧が印加された状態の脱塩室Dを通過した被処理水は脱塩水(処理水)となり、処理水ライン3により不図示のユースポイントに送られる。
なお、図1の構成例ではEDI1が単一の脱塩室Dを有するが、EDI1は、図1に示した配置で積層された脱塩室Dと濃縮室C1からなる複数個のユニットを、濃縮室C2と陽極室E1の間に電流電圧の印加方向に積層したものであってもよい。
また、本実施形態の脱塩室Dに充填するイオン交換体としては、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の両方が、再生形(OH形またはH形)で湿潤状態のイオン交換樹脂とされている。このように脱塩室Dに塩形でなく再生形のイオン交換体を充填しておくと、脱塩水の製造開始から塩成分が脱塩水にリークすることなく脱塩水の製造が可能となるため、脱塩水の製造開始から所望の処理水質を得るまでの時間が短くなる。加えて、湿潤状態のイオン交換体を脱塩室に充填したので、イオン交換体由来の有機物成分(TOC)のリークも低減できる。
しかし、本発明は、脱塩室Dに充填したイオン交換体全体で上記の2つの効果を生じさせればよく、したがって、イオン交換体を構成するアニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の両方が再生形(OH形またはH形)の湿潤状態でなくてもよい。つまり、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂のいずれか一方が再生形(OH形またはH形)で脱塩室Dに充填されるか、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂のいずれか一方が湿潤状態で脱塩室Dに充填されてもよい。
特に、EDI1で脱塩水を製造する前の時点で、脱塩室内のイオン交換体が湿潤状態の再生形になっていればよく、この状態は、以下の4つのケースで実現可能である。
(ケース1)
「湿潤状態であって、再生形のイオン交換体」そのものを脱塩室に充填したもの。
(ケース2)
「湿潤状態であって、塩形のイオン交換体」を脱塩室に充填し、その後、電圧を印加した状態で通水運転(試運転)を行う、もしくは再生薬品(塩酸や水酸化ナトリウム)を通液することにより、脱塩室内のイオン交換体を「湿潤状態であって、再生形のイオン交換体」に変換したもの。
(ケース3)
「乾燥状態であって、再生形のイオン交換体」を脱塩室に充填し、その後、通水運転(試運転)を行うことにより、脱塩室内のイオン交換体を「湿潤状態であって、再生形のイオン交換体」に変換したもの。
(ケース4)
「乾燥状態であって、塩形のイオン交換体」を脱塩室に充填し、その後、電圧を印加した状態で通水運転(試運転)を行う、もしくは再生薬品(塩酸や水酸化ナトリウム)を通液することにより、脱塩室内のイオン交換体を「湿潤状態であって、再生形のイオン交換体」に変換したもの。
また、上記脱塩室Dに充填するイオン交換体において充填時の体積は以下の問題を発生させない体積であればよい。脱塩室容積に対してイオン交換体が過充填であると、脱塩室Dの圧力損失が増えて処理水量が低下するとともに、脱塩室Dとこれに隣接する濃縮室C1,C2の間のシール性が低下する問題が考えられる。その一方で脱塩室D内のイオン交換体の充填量が少なすぎると、脱塩室D内でイオンが移動しにくくなり、処理水質が低下する問題も生じる。したがって、このような問題を発生させないイオン交換体の充填時の体積であればよく、例えば、脱塩室Dの容積の80〜130%程度の体積のイオン交換体を脱塩室D内に収容すればよい。
また濃縮室C1,C2内にもイオン交換体が充填されている。脱塩室Dだけでなく濃縮室C1,C2にもイオン交換体を充填することで、脱塩室Dに隣接するイオン交換膜を透過したイオンが濃縮室C1,C2内部へ速やかに移動し、脱塩室D内のイオン移動も極めて早くなり、脱塩水の製造効率を大幅に向上させることができる。
さらに、濃縮室C1,C2に充填するイオン交換体としては、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の少なくとも一方が、再生形以外のイオン形すなわち塩形のイオン交換樹脂、あるいは、乾燥状態のイオン交換樹脂で充填されている。これは、濃縮室C1,C2に充填されたイオン交換体の体積が通水運転時に膨張するものであり、膨張により当該濃縮室内のイオン交換体同士及びイオン交換膜との密着性が向上するとともに、脱塩室Dのイオン交換体も圧縮される。このことにより、濃縮室および脱塩室でのイオンの移動が容易になり、脱塩が円滑に進行する。したがって、塩形、あるいは、乾燥状態のイオン交換樹脂を濃縮室に充填すると、EDI運転時の電気抵抗および電圧を低減することが可能となる。
なお、「湿潤状態」とはイオン交換体の含水率(重量)が45%を超えている状態をいい、「乾燥状態」とはイオン交換体の含水率(重量)が45%以下の状態をいう。
カチオン交換樹脂の場合、塩形としては、Na形、Ca形、Mg形などが挙げられる。アニオン交換樹脂の場合、塩形としては、Cl形、HCO形などが挙げられる。具体的に、濃縮室C1,C2に充填するアニオン交換樹脂としては、スチレン系ゲル型、スチレン系MR型、アクリル系ゲル型、アクリル系MR型の強塩基性、弱塩基性のアニオン交換樹脂が使用される。これは、Cl形もしくはHCO形の湿潤状態のものである。当該アニオン交換樹脂は、濃縮室の容積に相当する体積(充填時の体積)を100%とすると、EDI1の通水運転にてCl形、HCO形からOH形になる過程(再生形への変換)で110〜120%程度の体積膨張が生じる。一方、カチオン交換樹脂にはスチレン系ゲル型、スチレン系MR型、アクリル系ゲル型、アクリル系MR型の強酸性、弱酸性カチオン交換樹脂が使用される。これは、Na形の湿潤状態のものである。当該カチオン交換樹脂は、濃縮室の容積に相当する体積(充填時の体積)を100%とすると、EDI1の通水運転にてNa形からH形になる過程(再生形への変換)で110〜120%の体積膨張が生じる。
なお、上記のような再生形への変換時に膨張するアニオン交換樹脂に代えて、含水率が40%程度になるまで乾燥させたアニオン交換樹脂が使用可能である。同様に、再生形への変換時に膨張するカチオン交換樹脂に代えて、含水率が40%程度になるまで乾燥させたカチオン交換樹脂が使用可能である。これらは、濃縮室の容積に相当する体積(充填時の体積)を100%とすると、EDI1の通水運転時の湿潤した状態で110〜120%程度の体積膨張が生じる。
以上に説明したように、濃縮室C1,C2には塩形のイオン交換樹脂、あるいは、乾燥状態のイオン交換樹脂を充填している。濃縮室C1,C2に通水する濃縮水は、脱塩水(処理水)とは異なる流路Lによって系外へ排出されることとなる。このため、塩形または乾燥状態のイオン交換樹脂を濃縮室に充填し、濃縮室の通水時にイオン交換樹脂から塩成分やTOCなどが濃縮水にリークしても、脱塩水の水質には影響を与えない。むしろ、塩形または乾燥状態のイオン交換樹脂は通水時に体積膨張するので、濃縮室内のイオン交換体同士及びイオン交換膜との密着性が向上し、さらには脱塩室内のイオン交換体も圧縮して、濃縮室および脱塩室内でイオンが移動しやすくなり、EDI運転時の電気抵抗および電圧を低減するという効果が得られる。
(EDIの構成例2)
図2の構成例では、脱塩室Dは二つの小脱塩室に仕切られている。具体的には、脱塩室Dは、第1の濃縮室C1に隣接している第1小脱塩室D1と、第2の濃縮室C2に隣接している第2小脱塩室D2とに仕切られている。具体的には、陰極室E2は、アニオン交換膜AEMを介して第2の濃縮室C2に隣接し、第2の濃縮室C2は、カチオン交換膜CEMを介して第2小脱塩室D2と隣接している。第2小脱塩室D2は、アニオン交換膜AEMを介して第1小脱塩室D1と隣接し、第1の濃縮室C1は、アニオン交換膜AEMを介して第1小脱塩室D1と隣接し、陽極室E1は、カチオン交換膜CEMを介して第1の濃縮室C1と隣接している。
本明細書では、上記複数のイオン交換膜のうち、脱塩室Dを第1小脱塩室D1と第2脱塩室D2とに仕切っているアニオン交換膜AEMを「中間イオン交換膜」と呼んで他のイオン交換膜と区別する。中間イオン交換膜は所望される性能に応じてカチオン交換膜やバイポーラ膜などに変更してもよい。
さらに図2において、第1小脱塩室D1には、アニオン交換体が単床形態で充填されている。第2小脱塩室D2には、混床タイプのイオン交換体(アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂を混合したもの)が充填されている。なお、本例では脱塩室D1に充填したイオン交換体をアニオン交換体の単床、脱塩室D2に充填したイオン交換体を混床タイプとするが、それぞれ混床、複層床、単床のいずれのタイプでも使用可能である。
ここで、図2に示すEDI1における被処理水および濃縮水の主な流れについて予め概説する。被処理水は、給水ライン2により第1小脱塩室D1へ供給され、小脱塩室D1を通過する。第1小脱塩室D1を通過した被処理水は、流路L1によって第2小脱塩室D2に供給され、第2小脱塩室D2を通過した後に処理水ライン3に排出される。一方、濃縮水は、第1の濃縮室C1および第2の濃縮室C2にそれぞれ並列的に供給され、濃縮室C1,C2を通過して流路L2に排出される。なお、図示は省略されているが、陰極室E2および陽極室E1には、電極水を供給するための流路と供給された電極水を排出するための流路がそれぞれ接続されている。なお、本例では第1小脱塩室D1を通過した被処理水を第2小脱塩室D2に供給しているが、第2小脱塩室D2を通過した被処理水を第1小脱塩室D1に供給してもよい。
次に、図2に示した構成例のEDI1の動作について説明する。
陽極室E1の陽極と陰極室E2の陰極の間に所定の直流電圧が印加される。この通電状態の下で、給水ライン2から第1小脱塩室D1に被処理水が供給される。供給された被処理水中のアニオン成分(Cl、CO 2−、HCO 、SiO等)は、被処理水が第1小脱塩室D1を通過する過程で捕捉される。そして、第1小脱塩室D1において捕捉されたアニオン成分は、第1小脱塩室D1とこれに隣接するアニオン交換膜AEMを介して第1の濃縮室C1へ移動し、第1の濃縮室C1を通水する濃縮水と共に流路L2に排出される。
次に、第1小脱塩室D1を通過した被処理水は、流路L1を介して第2小脱塩室D2に供給される。ここで、第2小脱塩室D2には、混床または複層床タイプのイオン交換体が充填されている。この場合、第2小脱塩室D2に供給された被処理水については、カチオン交換樹脂で水中のカチオン成分(Na、Ca2+、Mg2+等)が捕捉される。当該カチオン交換樹脂に捕捉されたカチオン成分は、第2小脱塩室D2とカチオン交換膜CEMを介して隣接する第2の濃縮室C2へ移動し、第2の濃縮室C2を通水する濃縮水と共に流路L2に排出される。
さらに、第2小脱塩室D2を通過する被処理水中に残存するアニオン成分(Cl、CO 2−、HCO 、SiO等)は、アニオン交換樹脂に捕捉される。第2小脱塩室D2のアニオン交換樹脂に捕捉されたアニオン成分は、第2小脱塩室D2と中間イオン交換膜AEMを介して隣接する第1小脱塩室D1へ移動する。第1小脱塩室D1へ移動したアニオン成分は、第1小脱塩室D1とアニオン交換膜AEMを介して隣接する第1の濃縮室C1へ移動し、第1の濃縮室C1を通水する濃縮水と共に流路L2に排出される。
以上のように図2の構成例は、図1の構成例と比べて高い脱塩処理能を有している。
本発明において、第1小脱塩室D1および第2小脱塩室D2に充填するイオン交換体は、再生形(OH形またはH形)で湿潤状態のものとされる。この理由は、図1の構成例と同じように、脱塩水の製造開始から塩成分が脱塩水にリークすることなく脱塩水の製造を可能として、脱塩水の製造開始から所望の処理水質を得るまでの時間を短くするためと、イオン交換体由来の有機物成分(TOC)のリークを低減するためである。なお、脱塩室内のイオン交換体は、上述したように、EDI1で脱塩水を製造する前の時点で湿潤状態の再生形になっていればよい。
一方、濃縮室C1,C2に充填するイオン交換体としては塩形のイオン交換樹脂、あるいは、乾燥状態のイオン交換樹脂を充填している。これは、図1の構成例と同じように、濃縮室C1,C2内のイオン交換体同士及びイオン交換膜との密着性を上げて、EDI運転時の電気抵抗を低減するためである。
(その他の実施形態)
なお、本発明は、上述したEDI1のみを単独にて運転してもよいし、EDI1の前段にRO膜分離装置などの前処理装置を設置してもよい。より好ましくは、EDI1の前段に2段のRO膜分離装置を設置するとよい。EDI1とRO膜分離装置の両方に被処理水を通すことで、処理水(脱塩水)の水質をより高めることができる。
以下、本発明の効果について検証した試験結果を示す。
下記の試験1〜3において、図1の構成例のEDIを使用した。また、各試験において、脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2の容積をすべて150mm×300mm×10mmとし、脱塩水の製造運転時の被処理水の流量を100L/h、濃縮水の流量を10L/h、通電する電流値は2.5Aとした。なお、被処理水には3.0±0.5μS/cmのRO透過水を用いた。
[試験1]
試験1では、脱塩室Dにイオン交換体を再生形あるいは湿潤状態で充填する場合の効果を検証した。このため、EDI1(図1の構成例)を通水運転し、運転時間の経過に従って、処理水(脱塩水)のTOC[μg/L]および比抵抗[MΩ・cm]を測定した。この測定を、脱塩室Dに充填するイオン交換体と濃縮室C1,C2に充填するイオン交換体のそれぞれの態様を変更した4つの組み合わせ(以下の実施例1、実施例2、比較例1、比較例2)について行なった。
実施例1
実施例1では、脱塩室Dに混床タイプのイオン交換体を湿潤状態の再生形で充填し(混床/再生形/湿潤)、濃縮室C1,C2には、混床タイプのイオン交換体を湿潤状態の塩形で充填する(混床/塩形/湿潤)。
具体的には、脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2に充填するイオン交換体は、アニオン交換樹脂(スチレン系ゲル型強塩基性アニオン交換樹脂)と、カチオン交換樹脂(スチレン系ゲル型強酸性カチオン交換樹脂)との混床タイプを使用し、このような混床タイプのイオン交換体を含水率50%程度の湿潤状態で充填する。また、脱塩室Dにおいては、そのアニオン交換樹脂を再生形(OH形)、カチオン交換樹脂を再生形(H形)で使用する。一方、濃縮室C1,C2においては、アニオン交換樹脂を塩形(Cl形)、カチオン交換樹脂を塩形(Na形)で使用する。
さらに、脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2における各イオン交換体の充填時の体積は脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2の容積の100%とする。また、EDI1の通水運転後に脱塩室Dから取り出したイオン交換体の体積が脱塩室D1の容積に対して94%になるものであり、その通水運転後に濃縮室C1,C2から取り出した各イオン交換体の体積が濃縮室C1,C2の容積に対して112%となるものである。
このように各室にイオン交換体を充填して通水運転を行なったところ、処理水のTOC[μg/L]について、運転開始から10分後に157、60分後に16、120分後に13、180分後に6という測定値を示した。また、処理水の比抵抗[MΩ・cm]は、運転開始から10分後に18.2という測定値を示し、その後、60分後、120分後、180分後も18.2であった。
実施例2
実施例2では、脱塩室Dに混床タイプのイオン交換体を湿潤状態の再生形で充填し(混床/再生形/湿潤)、濃縮室C1,C2には、混床タイプのイオン交換体を乾燥状態の再生形で充填する(混床/再生形/乾燥)。
具体的には、脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2に充填するイオン交換体は、アニオン交換樹脂(スチレン系ゲル型強塩基性アニオン交換樹脂)と、カチオン交換樹脂(スチレン系ゲル型強酸性カチオン交換樹脂)との混床タイプを使用する。また、脱塩室Dにおいては、そのアニオン交換樹脂を再生形(OH形)、カチオン交換樹脂を再生形(H形)で使用し、このような混床タイプのイオン交換体を含水率50%程度の湿潤状態で充填する。一方、濃縮室C1,C2においては、アニオン交換樹脂を再生形(OH形)、カチオン交換樹脂を再生形(H形)で使用し、このような混床タイプのイオン交換体を含水率40%程度の乾燥状態で充填する。
さらに、脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2における各イオン交換体の充填時の体積は脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2の容積の100%とする。また、EDI1の通水運転後に脱塩室Dから取り出したイオン交換体の体積が脱塩室D1の容積に対して95%になるものであり、その通水運転後に濃縮室C1,C2から取り出した各イオン交換体の体積が濃縮室C1,C2の容積に対して117%となるものである。
このように各室にイオン交換体を充填して通水運転を行なったところ、処理水のTOC[μg/L]について、運転開始から10分後に180、60分後に13、120分後に12、180分後に5という測定値を示した。また、処理水の比抵抗[MΩ・cm]は、運転開始から10分後に18.2という測定値を示し、その後、60分後、120分後、180分後も18.2であった。
比較例1
比較例1では、脱塩室Dに混床タイプのイオン交換体を乾燥状態の再生形で充填し(混床/再生形/乾燥)、濃縮室C1,C2にはイオン交換体を充填しない。
具体的には、脱塩室Dに充填するイオン交換体は、アニオン交換樹脂(スチレン系ゲル型強塩基性アニオン交換樹脂)と、カチオン交換樹脂(スチレン系ゲル型強酸性カチオン交換樹脂)との混床タイプを使用する。また、脱塩室Dにおいて、そのアニオン交換樹脂を再生形(OH形)、カチオン交換樹脂を再生形(H形)で使用し、このような混床タイプのイオン交換体を含水率40%程度の乾燥状態で充填する。
さらに、脱塩室Dにおける各イオン交換体の充填時の体積は脱塩室Dの容積の80%とする。また、EDI1の通水運転後に脱塩室Dから取り出したイオン交換体の体積が脱塩室D1の容積に対して95%になるものである。
このように各室にイオン交換体を充填して通水運転を行なったところ、処理水のTOC[μg/L]について、運転開始から10分後に1225、60分後に210、120分後に140、180分後に89という測定値を示した。また、処理水の比抵抗[MΩ・cm]は、運転開始から10分後に16.5、60分後に17.8、120分後に17.9、180分後に18.2という測定値を示した。
比較例2
比較例2では、脱塩室Dに混床タイプのイオン交換体を湿潤状態の塩形で充填し(混床/塩形/湿潤)、濃縮室C1,C2にはイオン交換体を充填しない。
具体的には、脱塩室Dに充填するイオン交換体は、アニオン交換樹脂(スチレン系ゲル型強塩基性アニオン交換樹脂)と、カチオン交換樹脂(スチレン系ゲル型強酸性カチオン交換樹脂)との混床タイプを使用する。また、脱塩室Dにおいて、そのアニオン交換樹脂を塩形(Cl形)、カチオン交換樹脂を塩形(Na形)で使用し、このような混床タイプのイオン交換体を含水率50%程度の湿潤状態で充填する。
さらに、脱塩室Dにおける各イオン交換体の充填時の体積は脱塩室Dの容積の85%とする。また、EDI1の通水運転後に脱塩室Dから取り出したイオン交換体の体積が脱塩室D1の容積に対して96%になるものである。
このように各室にイオン交換体を充填して通水運転を行なったところ、処理水のTOC[μg/L]について、運転開始から10分後に254、60分後に25、120分後に18、180分後に14という測定値を示した。また、処理水の比抵抗[MΩ・cm]は、運転開始から10分後に2.1、60分後に5.5、120分後に7.5、180分後に9.8という測定値を示した。
図3および図4は、上述したイオン交換体の充填態様ごとに、測定された処理水のTOCおよび比抵抗をそれぞれプロットしたグラフである。これらの図から分かるように、脱塩室Dにイオン交換体を湿潤状態の再生形で充填した実施例1および2ではTOCのリークが少なく、脱塩室の製造開始から短時間で良好な処理水質が得られている。しかし、脱塩室Dにイオン交換体を乾燥状態で充填した比較例1はTOCのリークが多く、塩形で充填した比較例2は脱塩室の製造開始から良好な処理水質を得られるまでの時間が長い。つまり、比較例1では処理水質(比抵抗)の低下はないが処理水のTOCは多いことが確認でき、比較例2では処理水質(比抵抗)は低いが処理水のTOCの増加はないことが確認できる。
[試験2]
試験2では、濃縮室C1,C2に乾燥状態または塩形のイオン交換体を充填する場合の効果を検証した。このため、濃縮室におけるイオン交換体の充填率を変えて、EDI1(図1の構成例)を通水運転し、運転開始から500時間の経過後、処理水の水質(比抵抗)と、陰極と陽極間の通電に要する電圧とを測定した。この測定では、脱塩室Dには混床タイプのイオン交換体を湿潤状態の再生形で充填し(混床/再生形/湿潤)、濃縮室C1,C2には混床タイプのイオン交換体を乾燥状態の再生形で充填した(混床/再生形/乾燥)。
特に、この測定において、脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2に充填する各イオン交換体の樹脂の態様は上述した実施例2と同じとする。
また、濃縮室におけるイオン交換体の充填率は次のように設定した。EDI1を500時間通水運転した後、EDI1を解体して濃縮室C1,C2内のイオン交換体を取り出し、該イオン交換体の自由に体積膨張させた状態の体積を測定する。この測定値の、濃縮室容積(イオン交換体の充填前の濃縮室の容積)に対する割合[%]を、濃縮室におけるイオン交換体の充填率とした。
濃縮室におけるイオン交換体の充填率[%]を98、103、125、129に変更し、それぞれの充填率に対する、EDI運転時の電圧と処理水質を測定したところ、表1に示すような結果となった。なお、表1では、測定された各電圧を、濃縮室のイオン交換体充填率が98%であるときの電圧を基準にした相対比で示した。
Figure 2016129863
表1から分かるように、運転終了時の脱塩室のイオン交換体充填率は全ての系で同程度であった。濃縮室のイオン交換体充填率98%での電圧はイオン交換体充填率103%での電圧の1.5倍と大幅に高くなる。一方、イオン交換体充填率129%と125%ではほぼ同程度の電圧を示し、大きな差はない。水質に関しては、充填率が125%から129%の間にて低下する傾向がある。よって、濃縮室の最適なイオン交換体充填率は103〜125%であることが明らかとなった。つまり、この充填率の範囲にすると、電気抵抗が小さくなってEDI運転時の電圧を低く抑えることができ、イオン交換体の過充填にもならないで良好な処理水質が得られる。したがって、本発明では、EDIの通水運転後に濃縮室から取り出したイオン交換体の自由状態での体積が濃縮室容積の103〜125%となるようなイオン交換体を濃縮室に充填する。ここで、「自由状態」とはイオン交換体を拘束することなく自由に体積膨張させた状態をいう。
なお、濃縮室C1,C2に混床タイプのイオン交換体を湿潤状態の塩形で充填した(混床/塩形/湿潤)としても、上記の測定結果と似たような結果になると推測する。
[試験3]
試験3では、脱塩室Dと濃縮室C1,C2の厚さを変更した場合の効果を検証した。このため、濃縮室の厚さの、脱塩室の厚さに対する割合を変えて、EDI1(図1の構成例)を通水運転し、運転開始から500時間の経過後、陰極と陽極間の通電に要する電圧を測定した。この測定では、濃縮室C1,C2については同一の厚さに変更することとする。ここでいう脱塩室や濃縮室の「厚さ」とは、陰極と陽極間の通電方向に対応する方向の幅を指す。また、この測定では、脱塩室Dには混床タイプのイオン交換体を湿潤状態の再生形で充填し(混床/再生形/湿潤)、濃縮室C1,C2には混床タイプのイオン交換体を湿潤状態の塩形で充填した(混床/塩形/湿潤)。
特に、この測定において、脱塩室Dおよび濃縮室C1,C2に充填する各イオン交換体の樹脂の態様は上述した実施例1と同じとする。
脱塩室の厚さに対する濃縮室の厚さの比を1/4、1/3、1/1、2/1に変更し、それぞれの比で作製した各EDIの運転時の電圧を測定したところ、表2に示すような結果となった。なお、表2では、測定された各電圧を、脱塩室の厚さに対する濃縮室の厚さの比が1/4のときの電圧を基準にした相対比で示した。
Figure 2016129863
表2から分かるように、脱塩室の厚さに対して濃縮室の厚さが薄すぎると、濃縮室におけるイオン交換体の充填率を上げた効果、すなわちEDI運転時の電圧低減が得られにくい。上記結果より、濃縮室厚さは脱塩室厚さの1/3以上あることが好ましく、1/1以上ではほぼ同程度の電圧を示し、大きな差はないことが明らかとなった。
濃縮室の厚さが厚くなることはEDI1の寸法が大きくなることを意味しているため、濃縮室厚さは脱塩室厚さの1/3〜1/1の範囲が最適である。
なお、イオン交換体の含水率の測定方法について補足説明しておく。
イオン交換樹脂の含水率については加熱乾燥法にて測定した。加熱乾燥法は試料を水の沸点である100℃以上に加熱し水分を除去し、加熱前後の質量差から水分を求める方法である。水分測定方法として技術確立されているカールフィッシャー方式と同等精度の結果を簡便に得られる。
本発明においては、株式会社エー・アンド・デイ社製の加熱乾燥式水分計MX−50を用いて含水率の測定を実施した。具体的な測定時の条件と含水率の算出方法は次のとおりとなる。
サンプルとなるイオン交換樹脂5gを110℃にて加熱し、1分あたりの質量変化が0.05%以下になった時点を終点として、加熱前後の質量差をイオン交換樹脂に含まれる水分量として下記の式にて含水率を算出した。
W = M0 − M1
X = W/M0 × 100
ここで、M0 (g):イオン交換樹脂質量、
M1 (g):加熱乾燥後のイオン交換樹脂質量、
W (g):イオン交換樹脂に含まれる水分量、
X (%):イオン交換樹脂含水率、
とする。
1 EDI
2 被処理水の給水ライン
2a 濃縮水の給水ライン
3 処理水の給水ライン
D 脱塩室
D1,D2 小脱塩室
C1,C2 濃縮室
E1,E2 電極室
AEM アニオン交換膜
CEM カチオン交換膜

Claims (5)

  1. 対向する陰極および陽極と、前記陰極と前記陽極の間にイオン交換膜で画成され、第1のイオン交換体を収容した脱塩室と、前記脱塩室の両側の前記イオン交換膜にそれぞれ隣接した一対の濃縮室と、を有する脱塩水を製造する電気式脱イオン水製造装置において、
    前記第1のイオン交換体は湿潤状態の再生形で前記脱塩室に充填されており、
    前記濃縮室に第2のイオン交換体が充填されており、
    前記第2のイオン交換体は、
    前記電気式脱イオン水製造装置での脱塩水製造後の前記濃縮室から取り出した前記第2のイオン交換体の体積が濃縮室容積の103%〜125%となるものであることを特徴とする電気式脱イオン水製造装置。
  2. 請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置において、
    前記濃縮室には前記第2のイオン交換体として、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の少なくとも一方が塩形で充填されていることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
  3. 請求項1に記載の電気式脱イオン水製造装置において、
    前記濃縮室には前記第2のイオン交換体として、アニオン交換樹脂とカチオン交換樹脂の少なくとも一方が乾燥状態で充填されていることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置において、
    前記濃縮室の厚さが前記脱塩室の厚さの1/3〜1/1であることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の電気式脱イオン水製造装置において、
    前記脱塩室はイオン交換膜によって2室に仕切られており、前記2室の少なくとも一方に前記第1のイオン交換体が充填されていることを特徴とする、電気式脱イオン水製造装置。
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