JP2016128876A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色点の発生を抑制する静電荷像現像用トナーを提供する。【解決手段】光輝性顔料を含有するトナー粒子と光輝性顔料を含有しないトナー粒子とを含み、前記光輝性顔料を含有するトナー粒子の80個数%以上が円形度0.850以上0.940以下であり、且つ前記光輝性顔料を含有しないトナー粒子の80個数%以上が円形度0.950以上である、静電荷像現像用トナー。【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
金属光沢を有する画像の形成に、光輝性トナーが用いられている。例えば、特許文献1には、結着樹脂と光輝性顔料とを含有し、断面における長軸径と短軸径との比の平均値が0.1以上0.7以下であり、断面における円形度の平均値が0.50以上0.90以下であるトナー粒子を含む光輝性トナーが開示されている。特許文献2には、トナー粒子全体に占める光輝性顔料を含まないトナー粒子の割合が5個数%以上80個数%以下である光輝性トナーが開示されている。特許文献3には、5μm乃至30μmの体積平均粒径を有し且つ光輝性顔料を含むトナーと、1μm乃至15μmの体積平均粒径を有し且つ光輝性顔料を含まないトナーと、特定の体積平均粒径のキャリアとを組み合せた現像剤が開示されている。
特開2013−134314号公報 特開2013−73017号公報 特開2013−200522号公報
本発明は、光輝性顔料を含有するトナー粒子と光輝性顔料を含有しないトナー粒子とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、光輝性顔料を含有しないトナー粒子の80個数%未満が円形度0.950以上である場合に比べ、色点の発生を抑制する静電荷像現像用トナーを提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
光輝性顔料を含有するトナー粒子と、光輝性顔料を含有しないトナー粒子と、を含み、
前記光輝性顔料を含有するトナー粒子の80個数%以上が円形度0.850以上0.940以下であり、且つ
前記光輝性顔料を含有しないトナー粒子の80個数%以上が円形度0.950以上である、
静電荷像現像用トナー。
請求項2に係る発明は、
全トナー粒子に占める前記光輝性顔料を含有しないトナー粒子の割合が5個数%以上80個数%以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項3に係る発明は、
前記光輝性顔料を含有するトナー粒子の体積平均粒径が5μm以上30μm以下であり、且つ
前記光輝性顔料を含有しないトナー粒子の体積平均粒径が1μm以上15μm以下である、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項4に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項6に係る発明は、
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項7に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項8に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1に係る発明によれば、光輝性顔料を含有するトナー粒子と光輝性顔料を含有しないトナー粒子とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、光輝性顔料を含有しないトナー粒子の80個数%未満が円形度0.950以上である場合に比べ、色点の発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項2に係る発明によれば、全トナー粒子に占める光輝性顔料を含有しないトナー粒子の割合が前記範囲から外れる場合に比べ、転写性及び画像の光輝性に優れ、且つ、色点の発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3に係る発明によれば、1)光輝性顔料を含有するトナー粒子の体積平均粒径が前記範囲から外れる、又は2)光輝性顔料を含有しないトナー粒子の体積平均粒径が前記範囲から外れる場合に比べ、転写性及び画像の光輝性に優れ、且つ、色点の発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項4、5、6、7、8に係る発明によれば、光輝性顔料を含有するトナー粒子と光輝性顔料を含有しないトナー粒子とを含む静電荷像現像用トナーにおいて、光輝性顔料を含有しないトナー粒子の80個数%未満が円形度0.950以上である場合に比べ、色点の発生を抑制する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法が提供される。
本実施形態に係るトナーに含まれる光輝性トナー粒子の一例を概略的に示す断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。これらの説明及び実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリロは、アクリロ又はメタクリロを意味する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(「トナー」とも称する。)は、光輝性顔料を含有するトナー粒子(「光輝性トナー粒子」とも称する。)と、光輝性顔料を含有しないトナー粒子(「非光輝性トナー粒子」とも称する。)と、を含む光輝性トナーである。そして、本実施形態に係るトナーは、光輝性トナー粒子の80個数%以上が円形度0.850以上0.940以下であり、非光輝性トナー粒子の80個数%以上が円形度0.950以上である。かかる構成により、本実施形態に係るトナーは、色点の発生を抑制する。
従来、光輝性トナー粒子を含む光輝性トナーが知られている。光輝性トナー粒子は、画像の光輝感を高める点では、円形度が低めであることが望ましい。しかし一方で、光輝性トナー粒子の円形度が低いほどトナーの流動性や転写性は低下する傾向があり、画像形成を繰り返すうちに光輝性トナーの凝集体がトナーカートリッジ内や現像器内に生じ、それらの一部が感光体表面に移行し残留し、その結果、記録媒体上に色点が出現するという画像欠陥が経時で発生することがあった。特に高温高湿条件下で光輝性トナーが残留した場合にこの傾向が強くなる。
これに対し、本実施形態に係るトナーは、80個数%以上が円形度0.850以上0.940以下である光輝性トナー粒子と併用する非光輝性トナー粒子の80個数%以上を円形度0.950以上とする。この円形度分布の非光輝性トナー粒子(つまり、光輝性トナー粒子に比べて、表面に凹凸が少なく、球形に近い形状のトナー粒子)を前記光輝性トナー粒子と併用することにより、トナーの流動性と転写性が改善され、その結果、画像形成を繰り返した場合でも、色点の発生が抑制されるものと考えられる。
より具体的には、円形度0.850以上0.940以下の光輝性トナーにより、画像の光輝性を維持しつつ、円形度0.950以上の非光輝性トナーによりトナーの流動性が低下することを抑制する。同時に、画像の光輝性を維持できる程度の量で現像される非光輝性トナーが、現像されたトナー像全体の感光体表面との接触面積を相対的に減少させることにより、転写性の低下を抑制する。
トナーは通常、種類、形状、粒径等により現像性や転写性が異なり、一般的に粒径の大きいものが現像されやすく、形状が球状なものが転写されやすい。本実施形態ではこれらの傾向を踏まえ、全トナー粒子に占める前記光輝性顔料を含有しないトナー粒子の割合が5個数%以上80個数%以下であることが望ましく、この範囲の割合であるとより効果的に光輝性を維持し色点の発生を抑制できる。
本実施形態に係るトナーは、光輝性トナー粒子の体積平均粒径が5μm以上30μm以下であることが好ましい。光輝性トナー粒子の体積平均粒径が5μm以上であると、画像の光輝感がよりよい。一方、光輝性トナー粒子の体積平均粒径が30μm以下であると、色点がより発生しにくい。上記の観点で、光輝性トナー粒子の体積平均粒径は、5μm以上30μm以下が好ましく、7μm以上25μm以下がより好ましい。
本実施形態に係るトナーは、非光輝性トナー粒子の体積平均粒径が1μm以上15μm以下であることが好ましい。非光輝性トナー粒子の体積平均粒径が1μm以上であると、トナーの転写性がよいために画像の光輝感が維持されやすい。一方、非光輝性トナー粒子の体積平均粒径が15μm以下であると、色点がより発生しにくい。上記の観点で、非光輝性トナー粒子の体積平均粒径は、1μm以上15μm以下が好ましく、3μm以上12μm以下がより好ましい。
本実施形態に係るトナーは、色点がより発生しにくい観点で、光輝性トナー粒子の体積平均粒径よりも非光輝性トナー粒子の体積平均粒径の方が小さいことが好ましい。
本実施形態に係るトナーは、画像の光輝感とトナーの転写性及び色点の発生抑制とのバランスの観点で、全トナー粒子に占める非光輝性トナー粒子の割合が、5個数%以上80個数%以下であることが好ましく、10個数%以上50個数%以下がより好ましく、15個数%以上40個数%以下が更に好ましい。
本実施形態に係るトナーは、感光体や中間転写体のクリーニング性の点では、非光輝性トナー粒子の円形度が1未満であることが好ましく、非光輝性トナー粒子の80個数%以上が円形度0.950以上0.990以下であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の解析は、トナーを分散媒(例えば、アイソトン水溶液)に分散した分散液を試料にして、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製FPIA−3000)で行う。
フロー式粒子像分析装置で観察すると、トナー粒子は、光輝性顔料を含有する場合、暗く見え、光輝性顔料を含有しない場合、明るく見える。これによって、トナー粒子を、光輝性トナー粒子と非光輝性トナー粒子との2種類に区別する。合計4500個以上のトナー粒子を画像解析し、2種類のトナー粒子それぞれの円形度分布、2種類のトナー粒子それぞれの体積平均粒径(μm)、及び、全トナー粒子に占める非光輝性トナー粒子の割合(個数%)を求める。
トナー粒子の円形度分布は、個々のトナー粒子の円形度(=トナー粒子像の面積と面積が等しい円の周囲長/トナー粒子像の周囲長)を算出して求める。
トナー粒子の円形度分布、トナー粒子の体積平均粒径、及び、全トナー粒子に占める非光輝性トナー粒子の割合は、トナー粒子の製造工程の各種条件を調整することにより制御可能である。詳細は後記[トナーの製造方法]において説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を含み、さらに外添剤を含んでもよい。即ち、本実施形態は、トナー粒子をトナーとしてもよく、トナー粒子に外添剤を外添してトナーとしてもよい。ただし、本実施形態におけるトナー粒子の解析は、外添剤を含まない状態で行い、トナー粒子の円形度分布、トナー粒子の体積平均粒径、及び、全トナー粒子に占める非光輝性トナー粒子の割合を求める。トナー粒子に外添剤を外添した後のトナーについては、外添剤を除去してトナー粒子を解析する。この場合、トナー1gを、界面活性剤を含む水溶液に分散させ、超音波分散装置(日本精機製作所製RUS−600TCVP)を用いて超音波を印加してトナー粒子から外添剤を除き、その後、分散液を濾紙に通し、濾紙上の残留物をイオン交換水で洗浄し乾燥させてトナー粒子を得る。
本実施形態に係るトナーは、ベタ画像を形成した場合に、該画像に対し変角光度計により入射角−45°の入射光を照射した際に測定される受光角+30°での反射率Aと受光角−30°での反射率Bとの比(A/B)が2以上100以下であることが望ましい。
比(A/B)が2以上であることは、入射光が入射する側(上記受光角が負の側)への反射よりも入射する側とは反対側(上記受光角が正の側)への反射が多いことを表し、入射した光の乱反射が抑制されていることを表す。入射した光が様々な方向へ反射する乱反射が生じた場合、その反射光を目視にて確認すると色がくすんで見える。そのため、比(A/B)が2以上である場合、その反射光を視認すれば光沢が確認されるようになり光輝性に優れる。一方、比(A/B)が100以下であれば、反射光を視認し得る視野角が狭すぎないため、角度によって黒っぽく見えてしまう現象が発生しにくい。
上記観点で、比(A/B)は、2以上100以下であることが好ましく、5以上80以下であることがより好ましく、10以上50以下であることが更に好ましく、10以上40以下であることが更に好ましい。
・変角光度計による比(A/B)の測定
まず、入射角および受光角について説明する。本実施形態において変角光度計による測定の際には、入射角を−45°とするが、これは光沢度の広い範囲の画像に対して測定感度が高いためである。また、受光角を−30°および+30°するのは、光輝感のある画像と光輝感のない画像を評価するのに最も測定感度が高いためである。
次いで、比(A/B)の測定方法について説明する。
本実施形態においては、比(A/B)を測定するに際し、まず「ベタ画像」を以下の方法により形成する。試料となる現像剤を、富士ゼロックス社製DocuCentre−III C7600の現像器に充填し、紙(王子製紙社製OKトップコート+紙)上に、定着温度190℃、定着時の荷重4.0kg/cmにて、トナー載り量が4.5g/cmのベタ画像を形成する。「ベタ画像」とは濃度100%の画像を指す。
形成したベタ画像の画像部に対し、変角光度計として日本電色工業社製の分光式変角色差計GC5000Lを用いて、ベタ画像への入射角−45°の入射光を入射し、受光角+30°における反射率Aと受光角−30°における反射率Bを測定する。反射率Aおよび反射率Bは、400nmから700nmの範囲の波長の光について20nm間隔で測定を行い、各波長における反射率の平均値とする。これらの測定結果から比(A/B)が算出される。
本実施形態に係るトナーは、比(A/B)の前記範囲を満たす観点から、全トナー粒子に占める非光輝性トナー粒子の割合が、5個数%以上80個数%以下であることが好ましく、10個数%以上50個数%以下がより好ましく、15個数%以上40個数%以下が更に好ましく、15個数%以上30個数%以下が更に好ましく、20個数%以上30個数%以下が更に好ましい。
また、本実施形態に係るトナーは、比(A/B)の前記範囲を満たす観点から、光輝性トナー粒子が下記(1)乃至(2)の要件を満たすことが好ましい。
(1)光輝性トナー粒子は平均最大厚さよりも平均円相当径が長い。
(2)光輝性トナー粒子の厚さ方向断面を観察した場合に、光輝性トナー粒子の該断面における長軸方向と光輝性顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる光輝性顔料の割合が、観察される全光輝性顔料の60%以上である。
図1は、上記(1)乃至(2)の要件を満たす光輝性トナー粒子の一例を概略的に示した図である。図1に示す概略図は、光輝性トナー粒子の厚さ方向への断面図である。図1に示す光輝性トナー粒子2は、最大厚さLよりも円相当径が長い扁平形状の光輝性トナー粒子であり、扁平形状(具体的には鱗片状)の光輝性顔料4を含有している。
図1に示すように最大厚さLよりも円相当径が長い扁平状である光輝性トナー粒子2は最終的に記録媒体上において、その扁平な面側が記録媒体表面と相対するよう並んで定着されると考えられる。そのため、光輝性トナー粒子2に含有される鱗片状の金属顔料のうち上記(2)の要件を満たす金属顔料は、面積が最大となる面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。こうして形成された画像に対し光を照射した場合には、入射光に対して乱反射する金属顔料の割合が抑制されるため、比(A/B)の前記範囲が達成されるものと考えられる。また、入射光に対して乱反射する金属顔料の割合が抑制されると、見る角度により反射光強度が大きく変化するため、より理想的な光輝性が得られる。
以下、本実施形態に係るトナーの構成を詳細に説明する。
[トナー粒子]
光輝性トナー粒子は、光輝性顔料が結着樹脂により結着された態様が好ましく、着色剤や離型剤、その他の内添剤をさらに含有してもよい。
非光輝性トナー粒子は、少なくとも結着樹脂を含有し、着色剤や離型剤、その他の内添剤をさらに含有してもよい。非光輝性トナー粒子は、光輝性顔料を実質的に含まず検出限界以下である。
−光輝性顔料−
光輝性顔料とは、光輝性を呈する顔料である。光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛等の金属の粉末;酸化チタン、黄色酸化鉄等を被覆した雲母;アルミノケイ酸塩、塩基性炭酸塩、硫酸バリウム、酸化チタン、オキシ塩化ビスマス等の薄片状結晶又は板状結晶;薄片状ガラス粉、金属蒸着された薄片状ガラス粉;グアニン結晶;などが挙げられる。中でも、鏡面反射強度の観点で金属粉末が望ましく、鏡面反射強度がより高い観点で、扁平な形状の金属粉末がより望ましい。金属粉末の中でも、扁平状の粉末を得やすい観点から、アルミニウムの粉末が望ましい。金属粉末の表面は、シリカ、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等で被覆されていてもよい。
光輝性トナー粒子における光輝性顔料の含有量としては、例えば、1質量%以上70質量%以下であり、5質量%以上50質量%以下であり、5質量%以上30質量%以下である。
−結着樹脂−
トナー粒子の結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−(メタ)アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。光輝性トナー粒子の結着樹脂と、非光輝性トナー粒子の結着樹脂とは、同種でもよく異種でもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。ポリエステル樹脂は、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求める。より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求める。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上1,000,000以下が好ましく、7,000以上500,000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000以上100,000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製HLC−8120を用い、カラムとして東ソー社製TSKgel SuperHM−M15cm)を用い、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
結着樹脂の含有量は、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料;が挙げられる。着色剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。
着色剤の含有量は、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
離型剤の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量は、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の形状係数SF1は、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
[外添剤]
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量は、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量は、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2質量%以下がより好ましい。
[トナーの製造方法]
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造し、該トナー粒子をトナーとしてもよく、該トナー粒子に外添剤を外添してトナーとしてもよい。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。これらの中でも、凝集合一法によりトナー粒子を得ることがよい。
本実施形態に係るトナーは、周知の製法で光輝性トナー粒子と非光輝性トナー粒子とを別々に製造した後、両トナー粒子を混合して製造してもよい。または、本実施形態に係るトナーは、光輝性トナー粒子と非光輝性トナー粒子とを一緒に製造してもよい。
トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、例えば、下記の工程を経る凝集合一法により、光輝性トナー粒子と非光輝性トナー粒子とを両方含むトナー粒子群を製造する。
・結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)。
・光輝性顔料が分散された光輝性顔料分散液を準備する工程(光輝性顔料分散液準備工程)。
・樹脂粒子分散液と光輝性顔料分散液とを混合した分散液中で、樹脂粒子及び光輝性顔料を凝集させ、第一の凝集粒子を形成する工程(第一の凝集粒子形成工程)。
・樹脂粒子分散液中で樹脂粒子を凝集させ、第二の凝集粒子を形成する工程(第二の凝集粒子形成工程)。
・第一の凝集粒子を含む凝集粒子分散液と第二の凝集粒子を含む凝集粒子分散液とを混合した分散液中で、第一の凝集粒子の凝集及び第二の凝集粒子の凝集を促進する工程(凝集促進工程)。
・凝集が促進された第一の凝集粒子及び凝集が促進された第二の凝集粒子を含む凝集粒子分散液を加熱し、第一の凝集粒子及び第二の凝集粒子をそれぞれ融合・合一して、光輝性トナー粒子と非光輝性トナー粒子とを形成する工程(融合・合一工程)。
以下、各工程の詳細について説明する。
−樹脂粒子分散液準備工程−
樹脂粒子分散液準備工程によって、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する。樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下が更に好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を描き、全粒子に対して体積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量は、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
樹脂粒子分散液の調製方法と同様にして、離型剤分散液、及び着色剤分散液も調製される。つまり、離型剤分散液、及び着色剤分散液の、分散媒、界面活性剤、分散方法、粒子の体積平均粒径、及び粒子含有量は、樹脂粒子分散液のそれらと同様である。
−光輝性顔料分散液準備工程−
光輝性顔料分散液準備工程によって、光輝性顔料が分散された顔料分散液を準備する。
光輝性顔料分散液は、例えば、光輝性顔料を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。光輝性顔料分散液の分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;これらの混合物;が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
光輝性顔料を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等を用いた一般的な分散方法が挙げられる。
光輝性顔料分散液の、粒子の体積平均粒径、及び粒子含有量は、樹脂粒子分散液のそれらと同様である。
−第一の凝集粒子形成工程、第二の凝集粒子形成工程−
第一の凝集粒子形成工程は、樹脂粒子分散液(第一の樹脂粒子分散液)と光輝性顔料分散液とを混合し、混合分散液中で樹脂粒子と光輝性顔料とをヘテロ凝集させ、樹脂粒子と光輝性顔料とを含む第一の凝集粒子を形成する。
第二の凝集粒子形成工程は、樹脂粒子分散液(第二の樹脂粒子分散液)中で樹脂粒子を凝集させ、第二の凝集粒子を形成する。
上記いずれの工程とも、離型剤分散液及び着色剤分散液も混合して、第一の凝集粒子及び第二の凝集粒子に離型剤及び着色剤を含ませてもよい。第一の樹脂粒子分散液と、第二の樹脂粒子分散液とは、同種の樹脂を含んでいてもよく、異種の樹脂を含んでいてもよい。
凝集粒子の形成は、例えば、室温(例えば25℃)下で分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌しながら凝集剤を添加して、分散液に分散されている粒子を凝集させることで行う。この際、必要に応じて、分散安定剤の添加;分散液のpH調整(例えばpH2以上5以下に調整);分散液の加熱、具体的には、樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(例えば、樹脂粒子のガラス転移温度の−30℃以上且つガラス転移温度の−10℃以下)に加熱;を行ってもよい。
凝集粒子形成工程において、上記の条件を調整することで凝集粒子の粒径を制御し、よって、出来あがりのトナー粒子の粒径を制御することができる。
凝集剤としては、例えば、分散液に含まれる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体又は類似の結合を形成する添加剤を用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩;ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体;などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−凝集促進工程−
次に、第一の凝集粒子が分散された凝集粒子分散液(第一の凝集粒子分散液)と第二の凝集粒子が分散された凝集粒子分散液(第二の凝集粒子分散液)とを混合し、その混合分散液中で、第一の凝集粒子の凝集及び第二の凝集粒子の凝集を促進する。
第一の凝集粒子分散液と第二の凝集粒子分散液との混合比を調整することで、全トナー粒子に占める非光輝性トナー粒子の割合を制御できる。全トナー粒子に占める非光輝性トナー粒子の割合を5個数%以上80個数%以下の範囲とするには、第一の凝集粒子中の樹脂と第二の凝集粒子中の樹脂との比(質量基準)が3:97乃至48:52となるように混合することが好ましい。前記比は、より好ましくは6:94乃至30:70であり、更に好ましくは9:91乃至24:76である。
凝集粒子の凝集促進は、例えば、混合分散液を攪拌しながら加熱し、混合分散液の温度を樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(例えば、樹脂粒子のガラス転移温度の−30℃以上且つガラス転移温度の−10℃以下)まで上昇させることで行う。この際、必要に応じて、凝集剤の添加;分散安定剤の添加;混合分散液のpH調整(例えばpH2以上5以下に調整);を行ってもよい。
−融合・合一工程−
次に、凝集促進工程を経た凝集粒子分散液を加熱し、第一の凝集粒子及び第二の凝集粒子をそれぞれ融合・合一して、光輝性トナー粒子と非光輝性トナー粒子とを形成する。具体的には、凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば、樹脂粒子のガラス転移温度より10℃乃至30℃高い温度以上)に加熱する。融合・合一工程において、例えば、層流を形成する攪拌翼(例えば2枚のパドル)を使用しその攪拌速度を調整することで、トナー粒子の円形度分布を制御することができる。具体的には、攪拌翼の攪拌速度を高速にしてより強いせん断力を加えることで、非光輝性トナー粒子の円形度を高めることができ、非光輝性トナー粒子の80個数%以上を円形度0.950以上とするには、攪拌速度を2000rpm以上3000rpm以下とすることが好ましい。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集促進工程を経た凝集粒子分散液に、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液をさらに混合し、第一の凝集粒子及び第二の凝集粒子それぞれの表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集させた後に凝集粒子分散液を加熱し、コア・シェル構造のトナー粒子を形成してもよい。
トナー粒子の体積平均粒径は、凝集粒子形成工程及び凝集促進工程の各種条件を調整することにより制御可能である。具体的には、凝集剤の添加量、攪拌条件、加熱温度及び加熱時間を調製し、目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ凝集粒子を形成する。
融合・合一工程の終了後、溶液中に形成されたトナー粒子に、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を施し、乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から、吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、この表面に樹脂を被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;などが挙げられる。
被覆用の樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。被覆用の樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等の添加剤を含ませてもよい。導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属;カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子;などが挙げられる。
芯材の表面を樹脂で被覆するには、被覆用の樹脂、及び各種添加剤(必要に応じて使用する)を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する樹脂の種類や、塗布適性等を勘案して選択すればよい。具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法;被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法;芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法;ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、その後に溶剤を除去するニーダーコーター法;等が挙げられる。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;等の周知の画像形成装置が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。以下の説明においては、本実施形態に係るトナーが銀色のトナーである場合を例として説明するが、これに限定されるわけではない。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図であり、5連タンデム方式且つ中間転写方式の画像形成装置を示す図である。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、銀色(G)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第5の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K、10G(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10K、10Gは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10K、10Gは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10K、10Gの下方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22、支持ロール23、及び対向ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第5のユニット10Gに向う方向に走行するようになっている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置21が備えられている。
各ユニット10Y、10M、10C、10K、10Gの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4K、4Gのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8K、8Gに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、銀色の各トナーの供給がなされる。
第1乃至第5のユニット10Y、10M、10C、10K、10Gは、同等の構成、動作、及び作用を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線によって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3Y、静電荷像にトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5K、5Gには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエローの画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3Yからレーザ光線を照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、露光装置3Yからのレーザ光線によって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線が照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、第1ユニット10Yでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5K、5Gに印加される一次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第5のユニット10M、10C、10K、10Gを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第5のユニットを通して5色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、中間転写ベルトの内面に接する対向ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが対向ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像手段と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8K、8Gが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4K、4Gは、各々の色に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<実施例1>
[結着樹脂の合成]
・アジピン酸ジメチル :74部
・テレフタル酸ジメチル :192部
・ビスフェノールAエチレンオキシド2モル付加物:216部
・エチレングリコール :38部
・テトラブトキシチタネート(触媒) :0.037部
上記材料を加熱乾燥した二口フラスコに入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち攪拌しながら昇温した後、160℃で7時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧(1気圧)に戻し、無水トリメリット酸9部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し220℃で1時間保持することにより結着樹脂を合成した。
[樹脂粒子分散液の調製]
・結着樹脂 :160部
・酢酸エチル :233部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N):0.1部
上記材料を1000mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学社製)により攪拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに攪拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより樹脂粒子分散液(固形分濃度30%)を調製した。
[離型剤分散液の調製]
・カルナバワックス(東亜化成社製RC−160) :50部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK):1.0部
・イオン交換水 :200部
上記材料を混合して95℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン型高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で6時間の分散処理をして、体積平均粒径0.23μmの離型剤粒子を分散させてなる離型剤分散液(固形分濃度20%)を調製した。
[光輝性顔料分散液の調製]
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー社製2173EA):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンR) :1.5部
・イオン交換水 :900部
アルミニウム顔料のペーストから溶剤を除去した後、上記材料を混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工社製CR1010)を用いて1時間分散して、光輝性顔料(アルミニウム顔料)を分散させてなる光輝性顔料分散液(固形分濃度10%)を調製した。
[トナー粒子の作製]
・樹脂粒子分散液(第一の樹脂粒子分散液) :212.5部
・離型剤分散液 :25部
・光輝性顔料分散液 :100部
・ノニオン界面活性剤(IGEPAL CA897):1.40部
上記材料を2Lの円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)により4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5000rpmにして15分間分散して混合し、第一の凝集粒子分散液を調製した。この分散液の調製は、光学顕微鏡で粒子の大きさ及び形態を確認しながら行った。
次に、光輝性顔料分散液を用いることなく、樹脂粒子分散液(第二の樹脂粒子分散液)を37.5部用いて、上記と同様にして第二の凝集粒子分散液を調製した。この分散液の調製は、光学顕微鏡で粒子の大きさ及び形態を確認しながら行った。
次いで、第一の凝集粒子分散液及び第二の凝集粒子分散液を混合した。層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置、及び温度計を備えた重合釜に混合分散液を移し、攪拌回転数を500rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。この際、0.3Nの硝酸水溶液及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液で分散液のpHを2.2以上3.5以下の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持した。
次に、樹脂粒子分散液33.3部を追添加し、前記凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させた。56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。
その後、凝集粒子を合一させるためにpHを8.0に上げた後、72.5℃まで昇温させた。昇温後、攪拌回転数を2700rpmにして1.5h保持し、光学顕微鏡で凝集粒子が合一したのを確認した後、72.5℃で保持したままpHを6.0まで下げ、1時間保持した後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後40μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥してトナー粒子(光輝性トナー粒子及び非光輝性トナー粒子を含む粒子群)を得た。
[測定]
得られたトナー粒子をアイソトン水溶液に分散した分散液を試料にして、フロー式粒子像分析装置FPIA−3000(シスメックス社製)で、光輝性トナー粒子及び非光輝性トナー粒子を解析した。トナー粒子の解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、粒径解析範囲を0.5μm乃至50μmとし、円形度解析範囲を0.700乃至1.00とした。
[外添トナーの作製]
トナー粒子100部に対して疎水性シリカ(日本アエロジル社製RY50)1.5部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製T805)1.0部とを、サンプルミルを用いて10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分し、外添トナーを得た。
[キャリアの作製]
・フェライト粒子(体積平均粒径35μm) :100部
・トルエン :14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(臨界表面張力24dyn/cm、共重合比2:8、重量平均分子量77000):1.6部
・カーボンブラック(商品名VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率100Ωcm以下) :0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒径0.3μm、トルエン不溶) :0.3部
パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加え、サンドミルで分散した。次いで、これに架橋メラミン樹脂粒子を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調製した。次いで被覆層形成液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去(蒸発させて除去)して、樹脂被覆キャリアを得た。
[現像剤の作製]
外添トナー36部とキャリア414部とを2リットルのVブレンダーに入れ、20分間攪拌し、目開き212μmの篩を用いて篩分して、現像剤を得た。
[評価]
作製した現像剤を、富士ゼロックス社製DocuCentre−III C7600改造機の現像器に充填し、以下の評価試験を行った。この改造機は、各工程終了前に強制的にマシンを停止させ、感光体上、中間転写体上、紙上(未定着)の各トナー量を測定可能にしたものである。評価結果を表1に示す。
・転写性
32℃80%RHの環境下、紙(富士ゼロックス社製C2紙)に、トナー載り量4.5g/mの5cm×5cmのパッチを1万枚形成した後に、感光体上、中間転写体上、及び紙上(未定着)の各トナー量を測定し、下記式により1次転写効率、2次転写効率、及び転写性を算出した。転写性80%以上が許容レベルである。
1次転写効率=(中間転写体上のトナー量)/(感光体上のトナー量)
2次転写効率=(紙上未定着のトナー量)/(中間転写体上のトナー量)
転写性(%)=(1次転写効率)×(2次転写効率)×100
・光輝性、比(A/B)
転写性評価で用いた1万枚形成した後の現像剤で、トナー載り量4.5g/mの10cm×10cmのベタ画像を形成した。定着温度は190℃、定着圧力は4.0kg/cmとし、記録媒体は王子製紙社製ОKトップコート+紙を使用した。
得られたベタ画像について、JIS K 5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で目視にて光輝性を評価した。光輝性は、粒子感(キラキラと輝く光輝性の効果)と、光学的効果(見る角度による色相の変化)とを観察し、下記の判定基準に従って評価した。判定基準2以上が許容レベルである。
−判定基準−
5:粒子感と光学的効果があり、両者が調和している。
4:粒子感と光学的効果があり、両者の調和がやや感じられる。
3:粒子感と光学的効果がそれぞれ感じられる。
2:粒子感と光学的効果があるが、ぼけた感じがする。
1:粒子感と光学的効果がまったくない。
また、得られたベタ画像について、既述の方法で比(A/B)を求めた。
・画像欠陥
転写性評価で用いた1万枚形成した後の現像剤を用いて、32℃80%RHの環境下、紙(富士ゼロックス社製C2紙)に、トナー載り量4.5g/mの5cm×5cmのパッチをさらに1万枚形成した後に、画像なしで1枚出力し紙上の色点の個数を肉眼で数えた。色点10個未満が許容レベルである。
<実施例2〜11、比較例1〜3>
第一の樹脂粒子分散液、光輝性顔料分散液、及び第二の樹脂粒子分散液の部数、融合・合一工程における攪拌翼の攪拌回転数、保持温度及び保持時間を表1に記載のとおりに変更した以外は実施例1と同様にしてトナー粒子、外添トナー及び現像剤を作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
なお、比較例1の光輝性トナー粒子は、円形度0.940超が21.7個数%、円形度0.850未満が0.3個数%であった。
10Y、10M、10C、10K、10G 画像形成ユニット
1Y、1M、1C、1K、1G 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、2G 帯電ロール(帯電手段の一例)
3Y、3M、3C、3K、3G 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
4Y、4M、4C、4K、4G 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K、5G 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K、6G 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K、8G トナーカートリッジ
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
21 中間転写体クリーニング装置
22 駆動ロール
23 支持ロール
24 対向ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (8)

  1. 光輝性顔料を含有するトナー粒子と、光輝性顔料を含有しないトナー粒子と、を含み、
    前記光輝性顔料を含有するトナー粒子の80個数%以上が円形度0.850以上0.940以下であり、且つ
    前記光輝性顔料を含有しないトナー粒子の80個数%以上が円形度0.950以上である、
    静電荷像現像用トナー。
  2. 全トナー粒子に占める前記光輝性顔料を含有しないトナー粒子の割合が5個数%以上80個数%以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記光輝性顔料を含有するトナー粒子の体積平均粒径が5μm以上30μm以下であり、且つ
    前記光輝性顔料を含有しないトナー粒子の体積平均粒径が1μm以上15μm以下である、
    請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  6. 請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  8. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項4に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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