JP2016128754A - 高速増殖炉の崩壊熱除去系設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備を大型化することなく信頼性を向上させることができる崩壊熱除去系設備を提供する。【解決手段】崩壊熱除去系設備において、中間熱交換器21が原子炉容器10内の一次冷却材17の液面よりも高い位置に設置され、一次系コールドレグ配管23の原子炉容器10側の端部が原子炉容器10の上部プレナム14内であって中間プレナム15側に配設され、ホットレグ配管22の原子炉容器10側の端部が原子炉容器10の上部プレナム14内であって一次冷却材17の液面よりも低く且つ一次系コールドレグ配管23の原子炉容器10側の先端よりも高い位置に配設されるとともに、一次系ホットレグ配管22を覆う一次系ホットレグ配管保温材24よりも一次系コールドレグ配管23を覆う一次系コールドレグ配管保温材25の放熱性を高くした。【選択図】図1

Description

本発明は、高速増殖炉の崩壊熱除去系設備に関する。
高速増殖炉では、原子炉を停止した後にも発生する崩壊熱(残留熱)を除去するため、一次冷却系に崩壊熱除去系設備が設置される。崩壊熱除去系設備は、プラント運転中においては待機状態となる。
従来、このような崩壊熱除去系設備として、例えば図2に示す一次冷却系に動的機器を設置せず原子炉容器内に直接熱交換器を浸漬して原子炉容器内の冷却材を冷却する直接炉心補助冷却方式(DRACS:Direct Reactor Auxiliary Cooling system)51、一次冷却系に補助冷却器を組み込んで冷却する一次系炉心補助冷却方式(PRACS:Primary Reactor Auxiliary Cooling system)52、二次冷却系に補助冷却器を設けて冷却する二次系炉心補助冷却方式(IRACS:Intermediate Reactor Auxiliary Cooling system)53等の崩壊熱除去系設備が公知となっている(下記非特許文献1,2参照)。なお、図2中、10は原子炉容器、11は炉心、51a,52a,53aは空気冷却器、61は中間熱交換器(IHX)、62は蒸気発生器(SG)、63はタービンである。
また、主冷却系を利用しないで炉心を冷却する補助炉心冷却方式の崩壊熱除去設備も知られている(下記特許文献1参照)。
このような崩壊熱除去系設備は、プラントに何らかの異常が発生し原子炉が緊急停止(原子炉トリップ)すると、原子炉トリップ信号等により起動して原子炉トリップ後の炉心で発生する崩壊熱を除去し、プラントを安全に低温状態に導くように設計されており、極めて高い信頼性が要求されるものである。
図3に従来の補助炉心冷却方式の崩壊熱除去系設備の一例を示す。図3に示す補助炉心冷却方式の崩壊熱除去系設備では、崩壊熱除去運転時には一次系電磁ポンプ26で原子炉容器上部プレナム14内の一次冷却材17を一次系ホットレグ配管22を介して中間熱交換器21に循環させ、これを二次冷却系の冷却器31で冷却された二次冷却材で冷却した後、冷却された一次冷却材17を一次系コールドレグ配管23を介して原子炉容器下部プレナム16ヘ戻すことにより、炉心11の冷却を行う。
ここで、崩壊熱除去系設備は、原子炉の定格出力運転時には待機状態となるが、このとき高圧の原子炉容器下部プレナム16から一次系コールドレグ配管23、中間熱交換器21、および一次系ホットレグ配管22を通って原子炉容器上部プレナム14へ一次冷却材17が流入することで、炉心11の冷却材流量が減少することを防止するため、一次系コールドレグ配管23には逆止弁27が設けられている。
ところで、原子炉格納容器40内の雰囲気温度は55℃前後であるのに対し、例えば一次冷却材17として用いられる液体ナトリウムの融点は約100℃である。そのため、一次冷却材17が一次系ホットレグ配管22内、一次系コールドレグ配管23内に滞留した状態が長時間続くと待機中に一次系ホットレグ配管22内、一次系コールドレグ配管23内の一次冷却材17温度が放散熱により融点以下となり一次冷却材17が凍結するおそれがある。
そのため、補助炉心冷却方式の崩壊熱除去系設備では、逆止弁27をバイパスするバイパスライン28を設けて、原子炉の定格出力運転時には、高圧の原子炉容器下部プレナム16から一次系コールドレグ配管23(バイパスライン28)、中間熱交換器21、一次系ホットレグ配管22を通って原子炉容器上部プレナム14へと一次冷却材17を微小流量循環させて一次系ホットレグ配管22、一次系コールドレグ配管23内の冷却材が凍結することを防止するようにしている。原子炉容器下部プレナム16の圧力は、原子炉容器上部プレナム14の圧力より炉心11の圧力損失の分高いため、補助炉心冷却方式の崩壊熱除去設備は、待機時において一次冷却材17の流れが崩壊熱除去運転時の逆となる。
なお、原子炉の定格出力運転時に炉心11をバイパスする一次冷却材17の流量が多くなると、炉心11を通る冷却材の流量が減少することになる。そのため、バイパスライン28には調整弁(バイパス弁)29が設けられて炉心11をバイパスする一次冷却材17の流量を調整できるようになっている。
特開昭59−222790号公報 特開2002−341080号公報
堀雅夫、基礎高速炉工学編集委員会(編)、「基礎高速炉工学」、日刊工業新聞社、1993年10月、p.172 「原子炉百科事典 ATOMICA」、[online]、2010年9月、一般財団法人 高度情報科学技術研究機構(RIST)、[平成26年7月28日検索]、インターネット〈URL:http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=03-01-02-12〉
しかしながら、上述したように、従来の補助炉心冷却方式の崩壊熱除去系設備では、プラント運転中に一次冷却材17の一部が炉心11をバイパスすることになる。そのため、運転初期に調整弁29の開度を調節して炉心11をバイパスする冷却材の流量を微小流量に制限するため調整弁29の開度を固定することが必要となり、弁開度を固定する設備を付加しなければならない。さらに、炉心11を流れる流量を確保するために図示しない主冷却系の一次系ポンプにより一次冷却材17の流量を炉心バイパス流量分増加させる必要もあり、一次系ポンプを大型化させるという問題があった。
さらに加えて、原子炉の定格出力運転時に調整弁29が故障等により開度が開きバイパスライン28を流れる一次冷却材17の流量が増加した場合は、炉心11を通る一次冷却材17の流量が不足するためプラントを停止させる必要がある。したがって、バイパスライン28を流れる一次冷却材17の流量を常に監視し必要なときにはプラントを停止させる信号を確実に発信することができるようにしておかなければならなかった。
また、崩壊熱除去運転の起動時には、一次系電磁ポンプ26に通電されることにより一次冷却材17が中間熱交換器11から一次系コールドレグ配管23(逆止弁27)を通って原子炉容器下部プレナム16へと流動する。そのため、逆止弁27が固着して動作しないなど逆止弁27の開動作に不具合が生じると炉心11の崩壊熱の除去に必要な一次冷却材17の流量を確保することができなくなり、安全に炉心を冷却する機能を喪失するおそれがあるという問題もあった。
すなわち、従来の補助炉心冷却方式の崩壊熱除去系設備では、一次系動的機器(一次系電磁ポンプ26)の駆動及び弁動作(逆止弁27の動作)が必須であり、換言すると、炉心11を冷却するために必要な一次系動的機器及び弁動作に不具合が生じるおそれを排除できず、一次冷却系動的機器の不動作、故障により炉心を冷却できなくなるというリスクを有しているという問題があり、さらなる信頼性の向上が求められていた。
図3に示す補助炉心冷却方式の崩壊熱除去系設備に対し、図2に示す直接炉心補助冷却方式の崩壊熱除去系設備51は、熱交換器内で一次冷却材が二次冷却材との熱交換によって冷却され冷却材の密度差によって下部に向かって流動する。そのため、自然循環により熱交換器の上部に設けられた流入口から流入した一次冷却材が当該熱交換器により冷却されてこの熱交換器の下部に設けられた流出口から流出する流れが形成される。熱交換器で冷却された原子炉容器上部プレナムの一次冷却材は、発熱していない炉心を囲む図示しない遮蔽体を通常運転時とは逆に流れて炉心下部に流入し、炉心を通って原子炉容器上部プレナムに流出することにより炉心を冷却する。
このシステムの場合には、熱交換器が原子炉容器上部プレナム内に設置されており、一次冷却材として液体ナトリウムを用いた場合であっても一次冷却材との熱交換によりプラント運転中にこの二次冷却材が凍結することを防止できる。しかしながら、熱交換器を原子炉容器内に設置することから、熱交換器の二次側の冷却材が放射化されることを避けるために熱交換器の周りを遮蔽する必要があり、径の大きな熱交換器を原子炉容器に設置する必要がある。このため、原子炉容器の直径が大きくなって原子炉容器及び原子炉建屋が大きくなり、プラントの建設費が増加するという問題があった。
このようなことから本発明は、設備を大型化することなく信頼性を向上させることができる崩壊熱除去系設備を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る崩壊熱除去系設備は、
原子炉容器の外部に配設された中間熱交換器、前記原子炉容器と前記中間熱交換器とを結ぶ一次系ホットレグ配管及び一次系コールドレグ配管、並びに前記一次系ホットレグ配管及び一次系コールドレグ配管をそれぞれ覆う一次系ホットレグ配管保温材及び一次系コールドレグ配管保温材を備えた一次冷却系を有する崩壊熱除去系設備において、
前記中間熱交換器が、前記原子炉容器内の一次冷却材の液面よりも高い位置に設置され、
前記一次系コールドレグ配管の前記原子炉容器側の端部が、前記原子炉容器の上部プレナム内であって該上部プレナムと中間プレナムとを仕切る隔壁側に配設され、
前記一次系ホットレグ配管の前記原子炉容器側の端部が、前記原子炉容器の上部プレナム内であって前記一次冷却材の液面よりも低く且つ前記一次系コールドレグ配管の前記原子炉容器側の先端よりも高い位置に配設され、
かつ、前記一次系コールドレグ配管保温材が、前記一次系ホットレグ配管保温材よりも放熱性が高い
ことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第2の発明に係る崩壊熱除去系設備は、第1の発明に係る崩壊熱除去系設備において、
前記一次系ホットレグ配管保温材と前記一次系コールドレグ配管保温材とが同一の材料からなり、前記一次系コールドレグ配管保温材の厚さが前記一次系ホットレグ配管保温材の厚さよりも薄い
ことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第3の発明に係る崩壊熱除去系設備は、第1又は第2の発明に係る崩壊熱除去系設備において、
前記一次冷却系がポンプを有しない
ことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するための第4の発明に係る崩壊熱除去系設備は、第1から第3のいずれか一つの発明において、
前記一次系コールドレグ配管保温材が、一次冷却材が予め設定する高温状態になったときに該一次系コールドレグ配管保温材の表面温度が予め設定する所定温度以下となるように材料及び厚さを設定された
ことを特徴とする。
上述した本発明に係る崩壊熱除去系設備によれば、中間熱交換器を原子炉容器外に設置できることから、原子炉容器の径を大型化させることなく、従来一次冷却系に設置されていた電磁ポンプ、逆止弁などの動的機器を廃止することができるため、崩壊熱除去系設備の信頼性を向上させることが可能になるとともに、これら動的機器を必要としないことにより設備の合理化を図ることもできる。
本発明の一実施例に係る崩壊熱除去系設備を示す模式図である。 従来の崩壊熱除去系設備の一例を示す模式図である。 従来の補助炉心系冷却方式の崩壊熱除去系設備の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る崩壊熱除去系設備の詳細を説明する。
図1を用いて本発明の実施例に係る崩壊熱除去系設備について説明する。
図1に示すように、原子炉容器10は内部に炉心11を有している。この原子炉容器11の内部には、隔壁12及び炉心11を支持するスカート部13によって上下に仕切られた原子炉容器上部プレナム14、原子炉容器中間プレナム15、及び原子炉容器下部プレナム16が形成されている。
そして、本実施例に係る崩壊熱除去系設備の一次冷却系20は、原子炉容器10の外部に配設された中間熱交換器21、中間熱交換器21の上部に設けられた上部ノズル21aと原子炉容器上部プレナム14とを結ぶ一次系ホットレグ配管22、及び、中間熱交換器21の下部に設けられた下部ノズル21bと原子炉容器上部プレナム14とを結ぶ一次系コールドレグ配管23を備えている。
中間熱交換器21は、下部ノズル21bの位置が原子炉容器上部プレナム14内の一次冷却材17の液面(より具体的には、図1に実線で示す原子炉容器上部プレナム14内の一次冷却材17が高温状態にあるときの一次冷却材17の液面)17aよりも高くなるように配設されている。中間熱交換器21としては、例えば上記特許文献2に開示されているものを用いることができる。
一次系ホットレグ配管22は原子炉容器上部プレナム14側の端部が原子炉容器10内の一次冷却材17の液面(より具体的には、図1に一点鎖線で示す原子炉容器上部プレナム14内の一次冷却材17が低温状態にあるときの一次冷却材17の液面)17aから露出しない位置であって一次系コールドレグ配管23の原子炉容器上部プレナム14側の端部よりも高い位置に配設されている。また、一次系ホットレグ配管22は一次冷却材17の温度維持及び空調への負担低減のため一次系ホットレグ配管保温材24によって覆われている。
ここで、一次系ホットレグ配管保温材24の材料、厚さ及び密度等は、少なくとも、一次冷却材17が予め設定する高温状態(例えば、650℃)になったときに該一次系ホットレグ配管保温材24の表面温度が予め設定する所定温度(例えば、70℃)以下となるものとするなど、原子炉格納容器40内の雰囲気温度を所定の温度(例えば、55℃)以下に維持することができる材料、厚さ及び密度等とする。
また、一次系コールドレグ配管23は原子炉容器上部プレナム14側の端部が原子炉容器上部プレナム14と原子炉容器中間プレナム15との間の隔壁12の近傍に配設されている。すなわち、本実施例において一次系コールドレグ配管23は原子炉容器中間プレナム15を貫通していない。また、一次系コールドレグ配管23は冷却材の温度維持及び空調への負担低減のため一次系コールドレグ配管保温材25によって覆われている。
ここで、一次系コールドレグ配管保温材25の材料、厚さ及び密度等は、その放熱性が一次系ホットレグ配管保温材24の放熱性よりも大きく、且つ一次系コールドレグ配管23内の一次冷却材17を凍結しない温度に維持することができ、さらに一次冷却材17が予め設定する高温状態(例えば、650℃)になったときでも該コールドレグ配管保温材24の表面温度が一次系ホットレグ配管保温材24と同格の予め設定する所定温度(例えば、70℃)以下となるものとするなど原子炉格納容器40内の雰囲気温度を所定の温度(例えば、55℃)以下に維持することができる材料、厚さ及び密度とする。
なお、本実施例において崩壊熱除去系設備の二次冷却系30は、原子炉格納容器40の外に設けられた冷却器(最終除熱源は海水又は空気)31、中間熱交換器21から冷却器31へ二次冷却材を排出する二次系ホットレグ配管32、及び冷却器31で冷却された二次冷却材を冷却器31から中間熱交換器21へ供給する二次系コールドレグ配管33を備えている。
原子炉が定格出力運転しているとき、原子炉容器上部プレナム14内の一次冷却材17は約550℃になっており、崩壊熱除去系設備は待機運転となる。崩壊熱除去系設備の一次系ホットレグ配管22及び一次系コールドレグ配管23それぞれの口径を外径318.5mm、それぞれの配管22,23の長さを30mとし、一次系ホットレグ配管保温材24の厚さを一次系コールドレグ配管保温材25の1.5倍の厚さ(例えば、一次系コールドレグ配管保温材25の厚さを80mmとした場合、一次系ホットレグ配管保温材24の厚さは120mm)とし、中間熱交換器21の伝熱中心と原子炉容器上部プレナム14内の一次冷却材17の液面との差を10m設けると、一次冷却材17が液体ナトリウムの場合、待機運転状態は以下の通りとなる。
すなわち、原子炉容器上部プレナム14内の550℃の一次冷却材17は、一次系ホットレグ配管22から一次系コールドレグ配管23に約13.6t/hの流量で流れ、一次系ホットレグ配管22内では温度がほぼ維持される一方一次系コールドレグ配管23内では放熱により温度が低下して、約547℃で原子炉容器上部プレナム14に流出する。
要するに、一次系ホットレグ配管保温材24は一次系コールドレグ配管保温材25の1.5倍の厚さとなっており、一次系コールドレグ配管保温材25の厚さが一次系ホットレグ配管保温材24よりも薄くなっているため、一次系コールドレグ配管23の放散熱量が一次系ホットレグ配管22の放散熱量よりも大きくなり、これにより一次系ホットレグ配管22内の一次冷却材17の温度よりも一次系コールドレグ配管23内の一次冷却材17の温度が低くなる。そのため、中間熱交換器21での放熱がないものとしても、一次系ホットレグ配管22内の一次冷却材17と一次系コールドレグ配管23内の一次冷却材17の温度の違いによる密度差によって、一次系ホットレグ配管22から一次系コールドレグ配管23に一次冷却材17が自然に循環するのである。
なお、一次系コールドレグ配管23から原子炉容器上部プレナム14に流入した液体ナトリウムは、炉心11を囲む図示しない遮蔽体を通って炉心11下部に流入し、炉心11を通過して炉心11を冷却し、原子炉容器上部プレナム14へ戻る。
この場合、一次冷却材17の温度低下は3℃程度と小さく、原子炉容器上部プレナム14の機器に悪影響を及ぼすことはない。また、一次系ホットレグ配管22と一次系コールドレグ配管23の放散熱の合計は約16kWであり、原子炉格納容器40内の換気空調系の熱負荷に対する影響も小さい。
このように、一次系コールドレグ配管保温材25を、一次系ホットレグ配管保温材24よりも放熱性が高くなるように構成し、一次系ホットレグ配管保温材24と一次系コールドレグ配管保温材25を同じ材料且つ同じ厚さとした場合に比較して、一次系ホットレグ配管22と一次系コールドレグ配管23の放散熱量が異なるため、一次冷却材17が流動することなく停止した状態で雰囲気温度まで低下するおそれがない。このため、一次冷却材17として液体ナトリウムを用いた場合であっても、液体ナトリウムが融点(約100℃)以下となることを防止することができ、崩壊熱除去運転時に駆動できるようにヒータなどによって液体ナトリウムの温度を高温に維持する必要もない。
また、高速増殖炉では、約200℃の低温停止状態で機器のメンテナンスなどを行うが、この場合の崩壊熱除去系設備の待機運転状態は上述した条件下で以下の通りとなる。
すなわち、原子炉容器上部プレナム14内の200℃の一次冷却材17は、一次系ホットレグ配管22から一次系コールドレグ配管23に約7.9t/hの流量で自然循環し、一次系ホットレグ配管22内では温度がほぼ維持される一方一次系コールドレグ配管23内では放熱により温度が低下して約199℃で原子炉容器上部プレナム14に流出する。一次系コールドレグ配管23から原子炉容器上部プレナム14に流入した液体ナトリウムは、炉心11を囲む遮蔽体を通って炉心11下部に流入し、炉心11を通過して炉心11を冷却し原子炉容器上部プレナム14へ戻る。
この場合も、一次冷却材17の温度低下は小さく、原子炉容器上部プレナム14の機器に悪影響を及ぼすことなく、一次冷却材17が凍結することを防止することもできる。
また、崩壊熱除去運転時には、二次冷却系の冷却器31によって冷却された二次冷却材により、中間熱交換器21内で一次側冷却材が冷却され、温度の低い一次冷却材17が一次系コールドレグ配管23を通って、原子炉容器上部プレナム14に流出する。一次系コールドレグ配管23から原子炉容器上部プレナム14に流入した液体ナトリウムは、炉心11を囲む遮蔽体を通って炉心11下部に流入し、炉心11を通過して炉心11を冷却し原子炉容器上部プレナム14へ戻る。
以上に説明したように、本実施例に係る崩壊熱除去系設備によれば、一次冷却系に原子炉容器10の外部に設けた中間熱交換器21を有する構成であっても、当該一次冷却系に電磁ポンプ、逆止弁、調整弁等の動的機器を設置することなく待機運転時に原子炉容器10と中間熱交換器21との間で一次冷却材17を自然循環により循環させて一次冷却材17の凍結を防止することができる。そのため、炉容器内冷却方式に比べて原子炉容器10の径を小さくすることができ、また、従来の動的機器の設置を必要とする補助炉心冷却方式、一次系炉心補助冷却方式、二次系炉心補助冷却方式等に比べて動的機器を設置する必要がなく動的機器の不具合が発生するおそれがないことから信頼性が向上する。さらに、動的機器を設置する必要がないため設備の合理化を図ることも可能となる。
なお、上述した実施例では、一次系ホットレグ配管保温材24と一次系コールドレグ配管保温材25をそれぞれ同一の材料で一次系ホットレグ配管保温材24を一次系コールドレグ配管保温材25の1.5倍の厚さとする例を示したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではない。
一例として、表1に、一次系ホットレグ配管22、一次系コールドレグ配管23の配管長をそれぞれ30mとし、一次系コールドレグ配管保温材25として、冷却材温度650℃において保温材表面温度が70℃以下となるように厚さ80mmのマイクロサーム(商品名、日本マイクロサーム株式会社製)を用い、一次系ホットレグ配管保温材24を一次系コールドレグ配管保温材25と同一の材料で厚さを一次系コールドレグ配管保温材25の1.25倍、1.5倍、2倍と変化させた場合の待機運転状態のシミュレーション結果を示す。
Figure 2016128754
表1からもわかるように、一次系ホットレグ配管保温材24の厚さを一次系コールドレグ配管保温材25の厚さの1.25倍から2倍とした場合、好適に待機運転時に原子炉容器10と中間熱交換器21との間で一次冷却材17を自然循環により循環させることができる。ここで、一次系ホットレグ配管保温材24、一次系コールドレグ配管保温材25の材料としては、マイクロサームのほか、耐熱性を有するロックウール、グラスウール等を適用してもよい。
また、一次系ホットレグ配管保温材24よりも一次系コールドレグ配管保温材25の放熱性が高くなり、待機運転時に原子炉容器10と中間熱交換器21との間で一次冷却材17を自然循環により循環させることができれば、一次系ホットレグ配管保温材24と一次系コールドレグ配管保温材25を異なる材料で同じ厚さとしてもよく、異なる材料かつ異なる厚さとしてもよく、また、同一の材料で同一の厚さとし保温材密度を変えてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は、高速増殖炉の崩壊熱除去系設備に適用して好適なものである。
10 原子炉容器
11 炉心
12 隔壁
13 スカート部
14 原子炉容器上部プレナム
15 原子炉容器中間プレナム
16 原子炉容器下部プレナム
17 一次冷却材
17a 一次冷却材の液面
20 一次冷却系
21 中間熱交換器
21a 上部ノズル
21b 下部ノズル
22 一次系ホットレグ配管
23 一次系コールドレグ配管
24 一次系ホットレグ配管保温材
25 一次系コールドレグ配管保温材
30 二次冷却系
31 二次冷却器
32 二次系ホットレグ配管
33 二次系コールドレグ配管
40 原子炉格納容器

Claims (4)

  1. 原子炉容器の外部に配設された中間熱交換器、前記原子炉容器と前記中間熱交換器とを結ぶ一次系ホットレグ配管及び一次系コールドレグ配管、並びに前記一次系ホットレグ配管及び一次系コールドレグ配管をそれぞれ覆う一次系ホットレグ配管保温材及び一次系コールドレグ配管保温材を備えた一次冷却系を有する崩壊熱除去系設備において、
    前記中間熱交換器が、前記原子炉容器内の一次冷却材の液面よりも高い位置に設置され、
    前記一次系コールドレグ配管の前記原子炉容器側の端部が、前記原子炉容器の上部プレナム内であって該上部プレナムと中間プレナムとを仕切る隔壁側に配設され、
    前記一次系ホットレグ配管の前記原子炉容器側の端部が、前記原子炉容器の上部プレナム内であって前記一次冷却材の液面よりも低く且つ前記一次系コールドレグ配管の前記原子炉容器側の先端よりも高い位置に配設され、
    かつ、前記一次系コールドレグ配管保温材が、前記一次系ホットレグ配管保温材よりも放熱性が高い
    ことを特徴とする崩壊熱除去系設備。
  2. 前記一次系ホットレグ配管保温材と前記一次系コールドレグ配管保温材とが同一の材料からなり、前記一次系コールドレグ配管保温材の厚さが前記一次系ホットレグ配管保温材の厚さよりも薄い
    ことを特徴とする請求項1記載の崩壊熱除去系設備。
  3. 前記一次冷却系がポンプを有しない
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の崩壊熱除去系設備。
  4. 前記一次系コールドレグ配管保温材は、一次冷却材が予め設定する高温状態になったときに該一次系コールドレグ配管保温材の表面温度を予め設定する所定温度以下に維持可能な材料及び厚さに設定された
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載された崩壊熱除去系設備。
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