JP2012207917A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器を追加または交換することなく、設置スペースが少ないにもかかわらず、十分な冷却能力を有する使用済燃料プールの冷却装置を提供する。
【解決手段】原子力発電所の使用済燃料プール206内に浸漬される冷却装置100であって、冷却面が使用済燃料プール206の水と熱交換可能な位置に配置されたペルチェ素子102と、ペルチェ素子102の発熱面を冷却する冷却水路110と、冷却水路110内の水を、原子力発電所内で水を循環させて冷却を行っている冷却系に接続する冷却配管112とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、原子力発電所の使用済燃料プールを冷却するための冷却装置に関する。
沸騰水型原子炉(BWR)や改良型沸騰水型原子炉(ABWR)では、炉心が原子炉圧力容器に収容され、原子炉圧力容器は原子炉格納容器に収容される。原子炉圧力容器には冷却水(軽水)が注水され、炉心から生じる熱によって高温高圧の蒸気を生じて、タービンを回転させる動力に利用する。原子炉格納容器の上方には、原子炉ウェル、DSピット(蒸気乾燥器・気水分離器ピット)、使用済燃料が載置される使用済燃料プールが備えられている。
かかる原子力発電所においては、安全に運用するために、定期検査(以下、「定検」という)が行われる。定検に際しては原子炉を停止して、発電所各系統から冷却水や海水を抜き、配管やポンプ、制御装置その他の点検が行われる。
原子炉は運転時には300℃弱の高温高圧の蒸気を発生させているから、原子炉を停止した際には、まず原子炉を冷却する必要がある。さらに、原子炉を停止(原子炉を未臨界に)した後も燃料が崩壊熱を発生するため、継続的に熱を除去し続けなければならない。具体的には、各種機器を保護するために、52℃以上にならないように冷却する必要がある。原子炉が停止した後に、燃料がまだ炉心にある間は、原子炉圧力容器に接続された残留熱除去系(RHR系)によって崩壊熱が冷却される。崩壊熱は、時間の経過と共に徐々に低減する。
原子炉停止後、燃料は使用済燃料プールに、蒸気乾燥器・気水分離器はDSピットに、各々移動する。使用済燃料プールの冷却は、通常、燃料プール冷却浄化系にて行うが、崩壊熱量が燃料プール冷却浄化系の冷却能力を超える場合は、非常時最大熱負荷運転として、残留熱除去系(RHR系)を併用する。
定検終了時、RHR系は低圧注水系としてスタンドバイ状態としなければならないが、今後原子力発電の運転期間最適化に伴って定検の間隔が長くなった場合、原子炉復旧時点での崩壊熱量が燃料プール冷却浄化系の冷却能力を超えている可能性もある。その場合、現状設備のままではRHR系は燃料貯蔵プールの燃料の崩壊熱除去運転を継続し続けなければならなくなり、RHR系は低圧注水系としてスタンドバイ状態に移行できない。つまりは、FPC系での崩壊熱除去ができるまで定検が終了できないという状況になる。
特許文献1には、原子炉及び燃料プールを直接冷却する系統には残留熱除去系(RHR系)、燃料プール冷却浄化系及び原子炉冷却材浄化系(CUW系)があることが説明されている(一般的な構成である)。なお特許文献1は、定検の大日程とプラント仕様から、簡単かつ安全な定検工程を作成する方法を提案している。
特許文献2には、燃料プール冷却浄化系を、通常2系統あるところを1系統とし、その代わりに燃料プール冷却浄化系の熱交換器に対する原子炉補機冷却系からの冷却水の供給経路を2系列にした構成が提案されている。特許文献2では、これにより、コスト低減を図りつつ安全性を確保できるとしている。
特開平11−242092号公報 特開2003−121588号公報
今後、原子力発電の運転期間最適化に伴い、定検の間隔を長く設定する可能性がある。例えば、現在は13ヶ月間隔で定検を行っているところを、18ヶ月間隔、ないしは24ヶ月間隔に設定する可能性もある。これを達成するための課題の1つに、増大する崩壊熱の除去がある。
定検の間隔が長くなると、取り替える燃料の本数が増加するため、使用済燃料プールに収容される燃料の本数が増大する。またプルサーマル計画の進行に伴いMOX燃料(Mixed Oxide Fuel:ウラニウムとプルトニウムの混合燃料)の使用が増えてくると考えられるが、モックス燃料は新燃料の状態でもウラン燃料より崩壊熱が大きい。このようなモックス燃料が現状のウラン燃料よりも数多く収容されるとなれば、使用済燃料プール(SFP)内の熱量は飛躍的に増大し、燃料プール冷却浄化系単独での冷却能力では崩壊熱を除去しきれなくなることがわかっている。
燃料プール冷却浄化系の冷却能力不足を補う方法として、燃料プール冷却浄化系の熱交換器の熱容量を増加することが考えられる。具体的には、熱交換器の追加や、熱交換効率の高い熱交換器への交換(シェル&チューブ式のものをプレート式に交換するなど)が考えられる。しかしながら、燃料プール冷却浄化系の熱交換器を追加または交換するとなると、30〜40日程度は原子炉を停止しなくてはならない。熱交換器を交換するためだけにそれほどの長い期間を停止させることは極めて困難であり、事実上不可能である。また熱交換器を追加する場合には、比較的作業期間は短くて済むようにも思われるが、そのような大型の熱交換器を設置するようなスペースはない。
また冷却能力不足を補う他の方法として、使用済燃料プールに空冷チラーによる冷却器を追加することが考えられる。しかしこの場合、機器の費用が非常に高くなってしまうこと、および冷却塔(空冷)の設置面積が数百m必要になるため、これもまた実現は極めて困難である。
上記を考え合わせれば、すなわち、燃料プール冷却浄化系の熱交換器を交換する時間はなく、熱交換器を追加するスペースはない。また空冷の冷却装置を設置するスペースもない。したがって、極めて小型で、かつ崩壊熱を除去するに際して有意な冷却能力(単独で崩壊熱の全てを除去できないとしても、燃料プール冷却浄化系と組み合わせれば増大した崩壊熱を全て除去できる程度の有意義な冷却能力)を有する冷却装置が必要ということになる。
そこで本発明は、熱交換器を追加または交換することなく、設置スペースが少ないにもかかわらず、十分な冷却能力を有する使用済燃料プールの冷却装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る冷却装置の代表的な構成は、原子力発電所の使用済燃料プール内に浸漬される冷却装置であって、冷却面が使用済燃料プールの水と熱交換可能な位置に配置されたペルチェ素子と、ペルチェ素子の発熱面を冷却する冷却水路と、冷却水路内の水を、原子力発電所内で水を循環させて冷却を行っている冷却系に接続する冷却配管とを有することを特徴とする。
上記構成によれば、使用済燃料プールの水の熱を冷却水路内の水に移動させて、使用済燃料プール内の崩壊熱を除去することができる。このとき、ペルチェ素子は強制的に熱を移動させることから、冷却水よりも低い温度まで冷却することができる。すなわち、大きな熱交換器を設置することなく、必要分の崩壊熱を除去することが可能である。したがって、熱交換器を追加または交換することなく、設置スペースが少ないにもかかわらず、十分な冷却能力を得ることができる。
冷却水路内に、ペルチェ素子の発熱面の熱を水と熱交換させるためのフィンを備えていることが好ましい。これにより、ペルチェ素子の発熱面を効率的に冷却することができる。
冷却系は原子炉補機冷却系および2系統の残留熱除去冷却系を含み、冷却配管はいずれかの冷却系と択一的に切替えて接続可能であることが望ましい。
燃料プール冷却浄化系の熱交換器は、原子炉補機冷却系によって冷却される。原子炉補機冷却系は、燃料プール冷却浄化系以外にも多数の機器の冷却を行う系統である。しかし、定検時には、燃料プール冷却浄化系以外のほとんどの機器が停止する(負荷が軽くなる)ため、熱源としてはほぼ崩壊熱のみが対象となる。したがって、原子炉補機冷却系の熱容量には、十分な余力が生じる。そこで、冷却系として原子炉補機冷却系に接続することにより、ペルチェ素子を十分に冷却することが可能となる。
ただし、定検の間には、原子炉補機冷却系を冷却するための補機冷却海水系が停止する場合もある。このような場合には、2系統ある残留熱除去系のいずれか一方が稼働しているから、これらを当該冷却装置の冷却系として利用する。これにより、定検中のいかなる場合にも冷却能力を確保することができる。
なお、冷却系としては、海水を直接プラント内部へ引き込むと、万が一にも使用済燃料プールの中で漏水した場合に支障がある。このため、冷却系としては海水系ではなく、プラントの内部でループが閉じている循環冷却系を用いることが好ましい。
本発明によれば、ペルチェ素子を用いて冷却することにより、大きな熱交換器を必要とせずに使用済燃料プールから必要分の崩壊熱を除去することが可能である。したがって、熱交換器を追加または交換することなく、設置スペースが少ないにもかかわらず、十分な冷却能力を得ることができる。
冷却装置を設置した状態を示す概念図である。 冷却装置の構成を説明する図である。 冷却装置のペルチェ素子を冷却するための構成を説明する図である。 崩壊熱の熱量と除熱能力の実施例と比較例を示す図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は冷却装置を設置した状態を示す概念図である。原子炉ウェル202、DSピット204(蒸気乾燥器・気水分離器ピット)、使用済燃料プール206は、原子炉圧力容器200の上方に配置され、コンクリートで仕切られた空間である。原子炉ウェル202は、燃料交換作業等において遮蔽水が張られ、原子炉圧力容器200(図3参照)から出る放射線を遮蔽する。DSピット204は、機器仮置きプールとも呼ばれ、炉内構造物を一時的に保管する。使用済燃料プール206は、使用済み燃料を貯蔵するプールであって、常時水が張られている。
原子炉ウェル202とDSピット204とは、DSPゲート208を挿入することで隔離可能となっている。同様に、原子炉ウェル202と使用済燃料プール206はSFPゲート210を挿入することでそれぞれが隔離可能になっている。なお、これらのプールゲートの挿入は、不図示の原子炉建屋天井クレーンを用いて行われる。
原子炉停止時には、原子炉圧力容器200から取り出された蒸気乾燥器や気水分離器はDSピット204に移動し、燃料は使用済燃料プール206に移動する。そして、原子炉ウェル202、DSピット204、使用済燃料プール206をDSPゲート208、SFPゲート210で仕切った上で、原子炉ウェル202および原子炉圧力容器200の水抜きが行われる。
ここで従来は、後述する燃料プール冷却浄化系(FPC系)と残留熱除去系(RHR系)で使用済燃料プール206を冷却していた。これに対し本実施形態では、冷却装置100を使用済燃料プール206に設置している。
図1に示すように、冷却装置100は使用済燃料プール206の内部に浸漬されている。なお図1では2つの冷却装置100を設置しているが、その数は1つでも複数でもよい。
図2は冷却装置100の構成を説明する図であって、図2(a)は正面透視図、図2(b)は横断面図である。図2(a)に示すように、冷却装置100は複数のペルチェ素子102を配列して備えている。各ペルチェ素子102には、電源ケーブル104によって電力が供給される(図2では詳細な回路は省略している)。
図2(b)に示すように、各ペルチェ素子102は冷却面102aを吸熱板106に沿って配置しており、吸熱板106は使用済燃料プール206の水と接している。すなわちペルチェ素子102の冷却面102aは、使用済燃料プール206の水と熱交換可能な位置に配置されている。
一方、ペルチェ素子102の発熱面102b側には、これを冷却する冷却水路110が設置されている。冷却水路110には冷却水を循環させるための冷却配管112(給水管114、排水管116)が接続されている。冷却配管112は原子力発電所に従来から設置されていた冷却系に接続して、これから冷却装置100が冷却水の供給を受ける。
またペルチェ素子102の発熱面102bには、ペルチェ素子102の発熱面102bの熱を水と熱交換させるためのフィン118が備えられている。フィン118は、アルミニウムや銅などの熱伝導性の高い材料で形成されていて、ペルチェ素子102から冷却水路110内の水に放熱する際の伝熱性を高めている。これにより、ペルチェ素子の発熱面102bを効率的に冷却することができる。
本実施形態では冷却系として、原子炉補機冷却系および2系統の残留熱除去冷却系を含み、冷却配管はいずれかの冷却系と択一的に切替えて接続可能とする。
図3は冷却装置のペルチェ素子102を冷却するための構成を説明する図である。まず、既存の冷却系である原子炉補機冷却系および残留熱除去系について説明する。
図3に示すように、使用済燃料プール206には燃料プール冷却浄化系220(FPC系)が設けられている。燃料プール冷却浄化系220は、使用済燃料プール206からの溢水をスキマサージタンク222(Skimmer Surge Tank)で受けて、FPCポンプ224で送出し、ろ過脱塩器226で浄化する。そして、浄化された水をFPC熱交換器228に通水して冷却し、使用済燃料プール206へと戻す。
燃料プール冷却浄化系220のFPC熱交換器228は、原子炉補機冷却系230(RCW)と呼ばれる冷却系で熱交換して冷却される。原子炉補機冷却系230にはFPC熱交換器228のほか、冷凍機やCRD油冷却器、PLR_MGセット冷却器(原子炉再循環系の発電機・電動機の冷却器)など、図示しない複数の補機が接続されている。原子炉補機冷却系230は、RCW熱交換器232において補機冷却海水系234と熱交換して海に廃熱する。
原子炉ウェル202の下にある原子炉圧力容器200には、2系統の残留熱除去系(A)240、残留熱除去系(B)250が接続されている。なお残留熱除去系には熱交換器を有しないC系も存在する(注水が主な役割である)が、本発明には関与しないので紹介するに留める。
残留熱除去系(A)240には、RHRポンプ242とRHR熱交換器244が備えられている。停止時冷却モードでは、RHRポンプ242によって原子炉圧力容器200から抜き出された水が、RHR熱交換器244に通水されて冷却される。そして冷却された水は、ふたたび原子炉圧力容器200に供給されたり、使用済燃料プール206に供給されたりする。RHR熱交換器244では、RCW熱交換器232と同様に残留熱除去冷却系246があり、更に補機冷却海水系234と同様、残留熱除去冷却海水系(A)248と熱交換を行って海に廃熱する。また残留熱除去系(B)250でも同様に、RHRポンプ252、RHR熱交換器254、残留熱除去冷却系(B)256、残留熱除去冷却海水系(B)258が備えられている。
さて、冷却装置100の冷却配管112の給水管114から分岐した給水管114a、排水管116から分岐した116aは、原子炉補機冷却系230に接続されて、原子炉補機冷却系230を循環する冷却水の供給を受ける。そしてこの冷却水を、冷却装置100の冷却水路110に直接通すことにより、ペルチェ素子102の発熱面102bを冷却する。
原子炉補機冷却系230は、上記のように燃料プール冷却浄化系220以外にも多数の機器の冷却を行う系統である。しかし、定検時には燃料プール冷却浄化系以外のほとんどの機器(補機)が停止する(負荷が軽くなる)ため、熱源としてはほぼ燃料の崩壊熱のみが対象となる。したがって特に定検時には、原子炉補機冷却系230の熱容量(冷却水の流量)には、十分な余力がある。具体例としては、RCW熱交換器232には1600t/時の流量があり、定検中は10%も使っていない。そこで、冷却系として原子炉補機冷却系230に接続することにより、新たな熱交換器や冷却系を追加することなく、ペルチェ素子102を十分に冷却することが可能となる。
ただし、定検の間には、補機冷却海水系234が停止する場合がある。このような場合には、2系統ある残留熱除去冷却系(A)246、残留熱除去冷却系(B)256のいずれか一方が稼働しているから、これらを冷却装置100の冷却系として利用する。RHR熱交換器244においても、例えば300〜400t/時程度の余力がある。
そこで給水管114から分岐した給水管114b、排水管116から分岐した排水管116bは、残留熱除去冷却系(A)246にそれぞれ接続する。同様に、給水管114c、排水管116cは残留熱除去冷却系(B)256にそれぞれ接続する。この場合も、残留熱除去冷却系(A)246または残留熱除去冷却系(B)256を循環する冷却水を冷却装置100の冷却水路110に直接通すことにより、ペルチェ素子102の発熱面102bを冷却する。
給水管114a〜114c、排水管116a〜116cの分岐箇所には、それぞれ弁120a〜120fを設けて、いずれかの冷却系と択一的に切替えて接続可能とする。択一的に切替えるのは、各冷却系で流量(圧力)が異なっていたり、稼働していなかったりするためである。このように、冷却配管112を原子炉補機冷却系230、残留熱除去冷却系(A)246、残留熱除去冷却系(B)256と複数の冷却系と接続することで、定検中のいかなる場合にも冷却能力を確保することができる。
なお、冷却系としては原子炉補機冷却系230および残留熱除去冷却系(A)246、残留熱除去冷却系(B)256が適しているけれども、他の既存の冷却系を利用してもよい。ただし、海水を直接引き回すと、万が一にも使用済燃料プールの中で漏水した場合に支障がある。このため、冷却系としては海水系ではなく、プラントの内部でループが閉じている循環冷却系を用いることが好ましい。
上記説明したように、本発明の構成によれば、使用済燃料プール206の水の熱を冷却水路110内の水に移動させて、使用済燃料プール206内の崩壊熱を除去することができる。このとき、ペルチェ素子102は強制的に熱を移動させることから、冷却水よりも低い温度まで冷却することができる。希望するのであれば、印加電圧、冷却水量を調節することにより氷点下まで下げることもでき、いわば溶けない氷を使用済燃料プール206に投入することと同義である。このように、大きな熱交換器を設置することなく任意の温度に調節し、必要分の崩壊熱を除去することが可能である。したがって、熱交換器を追加または交換することなく、設置スペースが少ないにもかかわらず、十分な冷却能力を得ることができる。
図4は崩壊熱の熱量と除熱能力の実施例と比較例を示す図である。図に示すように、残留熱除去系統は、A系またはB系の一方だけでも大きな除熱能力を持っており、原子炉の停止直後から余裕を持って冷却を行うことができる。しかし定検の段取りが進むに従い、SFPゲート210を閉じると、原則として燃料プール冷却浄化系で冷却する。SFPゲート210を閉じた後も、崩壊熱量が燃料プール冷却浄化系の冷却能力を超える場合は、図4に一点鎖線で示すように、非常時最大熱負荷運転として、残留熱除去系(RHR系)を併用する。
破線で示すのは燃料プール冷却浄化系単独の除熱能力であり、従来の13ヶ月間隔の定検の場合には、原子炉復旧時に燃料プール冷却浄化系の除熱能力が崩壊熱を上回っている。しかし、定検の間隔が18ヶ月や24ヶ月の場合には、燃料プール冷却浄化系の除熱能力を崩壊熱が上回ってしまうと考えられる。これは交換する燃料の数が増えるために、使用済燃料プール206に収容される燃料の数が増えるなどのためである。また今後、新燃料の状態でも大きな崩壊熱を出すMOX燃料を使用したり、またその割合が増えると考えられるためもある。
さらに原子炉復旧時(定検終了時)、RHR系は低圧注水系としてスタンドバイ状態としなければならない。しかしながら、現状設備のままではRHR系は使用済燃料プール206の崩壊熱除去運転を継続し続けなければならなくなり、RHR系は低圧注水系としてスタンドバイ状態に移行できない。
これに対し、燃料プール冷却浄化系220とあわせて本発明にかかる冷却装置100を用いることにより、定検間隔が延びた場合であっても、崩壊熱を除去することができることがわかる。すなわち図4に示すように、原子炉復旧の前に冷却装置100による冷却を開始し、継いでRHR系による崩壊熱除去運転を停止する。これにより、FPC系での崩壊熱除去ができるまで原子炉復旧を待つ必要がなくなり、定検間隔を延ばしても、定検期間が延びてしまうことを防止することができる。ここで重要なことは、大幅な設備の改造を伴わないこと(冷却配管112を接続する程度である)、および大きな熱交換器や空冷チラーを設置することなく、冷却装置100を使用済燃料プール206に沈めるだけであるため、設置スペースがほとんど必要ないという点である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、原子力発電所の使用済燃料プールを冷却するための冷却装置として利用することができる。
100…冷却装置、102…ペルチェ素子、104…電源ケーブル、106…吸熱板、110…冷却水路、112…冷却配管、114…給水管、116…排水管、118…フィン、120…弁、200…原子炉圧力容器、202…原子炉ウェル、204…DSピット、206…使用済燃料プール、208…DSPゲート、210…SFPゲート、220…燃料プール冷却浄化系、222…スキマサージタンク、224…FPCポンプ、226…ろ過脱塩器、228…FPC熱交換器、230…原子炉補機冷却系、232…RCW熱交換器、234…補機冷却海水系、240…残留熱除去系(A)、242…RHRポンプ、244…RHR熱交換器、246…残留熱除去冷却系、248…残留熱除去海水系、250…残留熱除去系(B)、252…RHRポンプ、254…RHR熱交換器、256…残留熱除去冷却系(B)、258…残留熱除去冷却海水系(B)

Claims (3)

  1. 原子力発電所の使用済燃料プール内に浸漬される冷却装置であって、
    冷却面が前記使用済燃料プールの水と熱交換可能な位置に配置されたペルチェ素子と、
    前記ペルチェ素子の発熱面を冷却する冷却水路と、
    前記冷却水路内の水を、原子力発電所内で水を循環させて冷却を行っている冷却系に接続する冷却配管とを有することを特徴とする冷却装置。
  2. 前記冷却水路内に、前記ペルチェ素子の発熱面の熱を水と熱交換させるためのフィンを備えていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記冷却系は原子炉補機冷却系および2系統の残留熱除去冷却系を含み、前記冷却配管はいずれかの冷却系と択一的に切替えて接続可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷却装置。
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