JP2016128590A - 炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高強度の炭素繊維強化熱可塑性樹脂を簡便に製造することができる製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含む熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させることにより炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含む熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させることにより炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法に関する。
繊維強化複合材料として、炭素繊維と樹脂とからなる炭素繊維強化樹脂が知られている。炭素繊維強化樹脂は、機械的強度が高いことから、航空、宇宙、スポーツ用品分野、一般産業用途、土木、建築、輸送用機器分野等の幅広い分野での応用が可能な材料として、開発が進んでいる。
炭素繊維強化樹脂として、炭素繊維と熱可塑性樹脂とからなる炭素繊維強化熱可塑性樹脂が知られている。炭素繊維強化熱可塑性樹脂は、樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合と比べ、成形性が良好であり、大量生産に好適であるため、繊維強化複合材料の1つとして有用である。
しかしながら、従来の炭素繊維強化熱可塑性樹脂においては、炭素繊維が一般に熱可塑性樹脂に対するぬれ性及び含浸性に乏しいため、炭素繊維と熱可塑性樹脂との接着性不良及び/又は含浸不良が起こり、十分な物性向上が図れなかった。
このような問題を解決するため、炭素繊維にサイジング剤を付与すること(例えば、特許文献1参照)、炭素繊維及び熱可塑性樹脂の複合化後に電子線を照射すること(例えば、特許文献2参照)、炭素繊維表面を酸化すること(例えば、特許文献3参照)等が提案されている。
特許文献1の炭素繊維にサイジング剤を付与する方法は、熱可塑性樹脂の種類に応じてサイジング剤の種類、量等を最適化する必要があり、また、サイジング剤では未だに十分な物性向上効果が得られていない。特許文献2の炭素繊維及び熱可塑性樹脂の複合化後に電子線を照射する方法は、処理コストが大きいため、汎用的な手法として採用することは困難であり、さらに、この処理方法では、複合化する際の樹脂の流動性が不十分なためにボイドが発生するという問題もあった。また、特許文献3の炭素繊維表面を酸化処理する方法によれば、表面への官能基付与により樹脂との界面強度は向上するが、酸化処理にコストがかかることに加えて、複合化時の流動性が不十分なためにボイドが発生するという問題もあった。
本発明の主な目的は、高強度の炭素繊維強化熱可塑性樹脂を簡便に製造することができる製造方法を提供することであり、さらには、この製造方法により得られる高強度の炭素繊維強化熱可塑性樹脂を提供することである。
本発明者らは、上記のような事情を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、フルオレン化合物が様々な樹脂との相溶性に優れ、樹脂への添加により樹脂の流動性及び剛性の向上に寄与する一方で、炭素材料との親和性も非常に高いという特性があることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成するに至った。
本発明は、下記の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法及び炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
項1.熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含む熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させることにより炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
項2.前記フルオレン化合物が、下記式(I):
項1.熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含む熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させることにより炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
項2.前記フルオレン化合物が、下記式(I):
[式中、X1及びX2は同一又は異なって、ヒドロキシル基、−O(AO)pH基(式中、Aは、C2−3アルキレン基を表し、pは1以上の整数を表す)、グリシジルオキシ基、アミノ基又はN−モノ置換アミノ基を表し、R1〜R4は同一又は異なって、非反応性基を表し、m1及びm2は同一又は異なって1〜3の整数、m1+m2=1〜6の整数であり、n1〜n4は同一又は異なって0〜4の整数である。ただし、m1+n1及びm2+n2は、1〜5の整数である。]
で表される化合物である、項1に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。項3.前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である、項1又は2に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
項4.項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法により製造される、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
で表される化合物である、項1に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。項3.前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である、項1又は2に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
項4.項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法により製造される、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物。
本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂組成物として熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含むものを用いる。フルオレン化合物は熱可塑性樹脂との相溶性に優れ、該樹脂の流動性及び剛性を向上させるとともに、炭素繊維との親和性にも優れることから、フルオレン化合物を含む熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中に溶融含浸させるという非常に簡便な方法で、高強度且つ高い成形性を有する炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。よって、本発明の製造方法によって得られる炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、強度が高く、成形性に優れている。
本発明は、熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含む熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させることにより炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法である。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含む。
フルオレン化合物として、下記式(I):
[式中、X1及びX2は同一又は異なって、ヒドロキシル基、−O(AO)pH基(式中、Aは、C2−3アルキレン基を表し、pは1以上の整数を表す)、グリシジルオキシ基、アミノ基又はN−モノ置換アミノ基を表し、R1〜R4は同一又は異なって、非反応性基を表し、m1及びm2は同一又は異なって1〜3の整数、m1+m2=1〜6の整数であり、n1〜n4は同一又は異なって0〜4の整数である。ただし、m1+n1及びm2+n2は、1〜5の整数である。]
で表される化合物が挙げられる。
で表される化合物が挙げられる。
前記式(I)において、pは、オキシアルキレン基の繰り返し数を示し、好ましくは1〜50の整数、好ましくは1〜30の整数、さらに好ましくは1〜10(例えば、1〜5)の整数である。
前記X1及びX2で表されるN−モノ置換アミノ基としては、炭化水素基(C1−6アルキル基、C5−6シクロアルキル基、C6−10アリール基など)で置換されたN−モノ置換アミノ基が挙げられる。
X1及びX2の置換位置は特に制限されず、フルオレンに対してo−,m−又はp−位のいずれであってもよいが、m−及び/又はp−位が好ましい。
前記式(I)において、「非反応性基」とは、エステル結合形成反応、ウレタン結合形成反応、アミド結合形成反応、イミド結合形成反応などの反応に対して非反応性の基を意味する。R1〜R4で表される非反応性基には、炭化水素基、アルコキシ基、N,N−ジ置換アミノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。前記炭化水素としては、直鎖又は分岐C1−6アルキル基(メチル基など)、直鎖又は分岐C2−6アルケニル基(ビニル基など)、C5−6シクロアルキル基(シクロヘキシル基など)、C5−6シクロアルケニル基(シクロヘキセニル基など)、C6−10アリール基(フェニル基など)、C6−10アリール−直鎖又は分岐C1−4アルキル基(ベンジル基など)などが挙げられる。前記アルコキシ基には、メトキシ基などの直鎖又は分岐C1−6アルコキシ基が含まれ、N,N−ジ置換アミノ基には、前記N−モノ置換アミノ基に対応し、前記炭化水素基で二置換されたアミノ基(ジメチルアミノ基など)が含まれる。ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子が含まれる。
n1及びn2は、好ましくは0〜2の整数、さらに好ましくは0又は1である。n3及びn4は、好ましくは0〜3の整数、さらに好ましくは0〜2の整数、特に0又は1である。m1及びm2は、それぞれ1〜3の整数、好ましくは1〜2の整数(特に1)である場合が多く、通常、それぞれ1(m1=m2=1)、2(m1=m2=2)又は3(m1=m2=3)であってもよい。
なお、基X1(又はX2)の置換位置は、特に限定されず、フルオレンの9位に置換するフェニル基の2〜6位から選択できる。例えば、基X1(又はX2)の置換位置は、m1(又はm2)が1の場合、例えば、2〜6位(好ましくは2又は4位、特に4位)であってもよく、m1(又はm2)が2の場合、例えば、3,4−位、3,5−位などであってもよく、m1(又はm2)が3の場合、例えば、3,4,5−位、2,3,4−位、2,3,5−位、2,3,6−位などであってもよい。
前記式(I)の化合物のうち、m1=m2=1、2又は3である化合物、すなわち、ビスフェノールフルオレン[9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類]、9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(トリヒドロキシフェニル)フルオレン類及びそのC2−4アルキレンオキシド付加体などのビスフェノールフルオレン類(9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類);9,9−ビス(モノグリシジルオキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ジグリシジルオキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(トリグリシジルオキシフェニル)フルオレン類などのビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン類;並びにビスアニリンフルオレン及びビス(N−モノ置換アニリン)フルオレンなどのビスアニリンフルオレン類(9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類)が好ましい。
前記ビスフェノールフルオレン類のうち、ビスフェノールフルオレンとしては、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(ビスフェノールフルオレン,BPF);ビスクレゾールフルオレン(BCF、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1−4アルキルヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジC1−4アルキルヒドロキシフェニル)フルオレン;これらの化合物に対応し、置換基R1及びR2がC3−10シクロアルキルやC6−12アリール基であるビスフェノールフルオレン類が挙げられる。
9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、上記ビスフェノールフルオレン(9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類)に対応するフルオレン類、例えば、9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレン(ビスカテコールフルオレン(BCAF))、9,9−ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,5−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アルキル−ジヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−5−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(C1−4アルキル−ジヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,4−ジヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジC1−4アルキル−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなど];これらの化合物に対応し、置換基R1及びR2がC3−10シクロアルキルやC6−12アリール基である9,9−ビス(ジヒドロキシフェニル)フルオレン類などが挙げられる。
9,9−ビス(トリヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、上記9,9−ビス(モノ又はジヒドロキシフェニル)フルオレン類に対応するフルオレン類、例えば、9,9−ビス(3,4,5−トリヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,3,5−トリヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2,3,6−トリヒドロキシフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(トリヒドロキシフェニル)フルオレンなどが含まれる。
また、前記ビスフェノールフルオレン類のうち、アルキレンオキシド付加物としては、ビスフェノールフルオレン類のヒドロキシル基1モルに対してC2−4アルキレンオキサイド1〜10モル(好ましくは1〜5モル、特に1〜3モル)程度が付加した化合物が挙げられる。アルキレンオキサイド1モルが付加した化合物としては、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)フルオレン(ビスフェノキシエタノールフルオレン,BPEF)などの9,9−ビス[4−(ヒドロキシC2−3アルコキシ)フェニル]フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(ビスクレゾールエタノールフルオレン,BCEF)、9,9−ビス(4−ヒドロキシイソプロポキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アルキルヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシイソプロポキシ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(ジアルキルヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(シクロアルキルヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アリールヒドロキシC2−3アルコキシフェニル)フルオレンなど]、これらの化合物に対応する9,9−ビス[ジ(ヒドロキシアルコキシ)フェニル]フルオレン類{例えば、9,9−ビス[3,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ジ(2−ヒドロキシC2−3アルコキシ)フェニル]フルオレンなど}、これらの化合物に対応する9,9−ビス[トリ(ヒドロキシアルコキシ)フェニル]フルオレン類{例えば、9,9−ビス[3,4,5−トリ(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[3,4,5−トリ(2−ヒドロキシC2−3アルコキシ)フェニル]フルオレンなど}などが挙げられる。
ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン(BPFG)、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCFG)などの9,9−ビス(モノグリシジルオキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス[3,4−ジ(グリシジルオキシ)フェニル]フルオレン(ビスカテコールフルオレンテトラグリシジルエーテル)などの9,9−ビス(ジグリシジルオキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス[3,4,5−トリ(グリシジルオキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(トリグリシジルオキシフェニル)フルオレン類など]、9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシフェニル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシフェニル)フルオレン(ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテル)(BPEFG)、9,9−ビス(4−グリシジルオキシエトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCEFG)などの9,9−ビス(モノグリシジルオキシアルコキシフェニル)フルオレン類;これらに対応する9,9−ビス(ジ又はトリ(グリシジルオキシアルコキシ)フェニル)フルオレン類など]などが挙げられる。
前記ビスアニリンフルオレン(9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類)としては、例えば、9,9−ビス(モノアミノフェニル)フルオレン類[例えば、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン(ビスアニリンフルオレン);9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−アミノ−2−メチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アミノ−C1−4アルキルフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2,6−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(アミノ−ジC1−4アルキルフェニル)フルオレン;これらの化合物に対応する9,9−ビス(ジ又はトリアミノフェニル)フルオレン類;これらの化合物のアルキレンオキサイド付加体;これらの化合物に対応し、アミノ基がN−モノ置換アミノ基であるビスアニリンフルオレン類;これらの化合物に対応し、置換基R1及びR2がC3−10シクロアルキルやC6−12アリール基であるビスアニリンフルオレン類が挙げられる。
なお、n=0のビスフェノールフルオレン類は、例えば、文献[J. Appl. Polym. Sci., 27(9), 3289, 1982]、特開平6−145087号公報、特開平8−217713号公報に記載されている方法に準じて、塩化水素ガスおよびメルカプトプロピオン酸を触媒として用い、フルオレノンとフェノール類とを縮合させることにより製造できる。また、前記塩化水素ガスに代えて、塩酸水や硫酸を用いてもよい。
なお、ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類は、種々の合成方法、例えば、(a)塩化水素ガス及びメルカプトカルボン酸の存在下、フルオレノン類とフェノール類とを反応させる方法(文献[J. Appl. Polym. Sci., 27(9), 3289, 1982]、特開平6−145087号公報、特開平8−217713号公報)、(b)酸触媒(及びアルキルメルカプタン)の存在下、9−フルオレノンとアルキルフェノール類とを反応させる方法(特開2000−26349号公報)、(c)塩酸及びチオール類(メルカプトカルボン酸など)の存在下、フルオレノン類とフェノール類とを反応させる方法(特開2002−47227号公報)、(d)硫酸及びチオール類(メルカプトカルボン酸など)の存在下、フルオレノン類とフェノール類とを反応させ、炭化水素類と極性溶媒とで構成された晶析溶媒で晶析させてビスフェノールフルオレンを製造する方法(特開2003−221352号公報)などを利用して製造できる。
また、9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシフェニル)フルオレン類は、上記9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類の製造方法において、フェノール類の代わりに、対応する多価アルコール類(ジヒドロキシフェノール類、トリヒドロキシフェノール類)を使用することにより製造できる。これらの方法のうち、特に、塩酸を使用する方法(c)、又は特定の晶析溶媒を使用する方法(d)を応用すると、より高収率でかつ高純度の生成物が得られる場合が多い。
さらに、9,9−ビス(モノヒドロキシフェニル)フルオレン類のアルキレンオキシド付加体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類と、対応するアルキレンオキシド(C2−4アルキレンオキシド)又はアルキレンカーボネート(C2−4アルキレンカーボネート)を、必要に応じて触媒(塩基触媒など)の存在下で反応させる方法や、フルオレノンと対応するフェノキシC2−4アルコール類とを反応させる方法(例えば、特開平11−349657号公報)などにより製造してもよい。また、9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシフェニル)フルオレン類のアルキレンオキシド付加体は、上記製造方法において、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類又はフェノキシC2−4アルコール類に代えて、対応するアルコール類[9,9−ビス(ジ又はトリヒドロキシフェニル)フルオレン類、ジ又はトリ(ヒドロキシC2−4アルコキシ)ベンゼン類など]を使用することにより製造できる。
X1及びX2がグリシジルオキシであるビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレンは、少なくとも前記ビスフェノールフルオレン類とエピクロルヒドリンとを反応させることにより得ることができる。
X1及びX2がアミノ基であるビスアニリンフルオレンは、前記ビスフェノールフルオレンの製造方法において、フェノール類に代えて対応するアニリン類を用いることにより調製できる。
フルオレン化合物は熱可塑性樹脂との相溶性が高く、反可塑剤として作用するため、熱可塑性樹脂に添加した場合、該樹脂の流動性及び剛性の向上に寄与する。また、フルオレン化合物は、炭素繊維との親和性にも優れている。よって、熱可塑性樹脂にフルオレン化合物を添加することにより、流動性及び炭素繊維との親和性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては特に限定はなく、汎用樹脂、耐熱性樹脂、エンジニアリング樹脂等の様々な熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のビニル系共重合体;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン61、ナイロン6T、ナイロン9T等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド等の縮合系重合体;ポリアセタール;ポリフェニレンオキサイド;ポリフェニレンサルファイド;ポリエーテルスルホン等が挙げられる。
これらの中でも、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド等が、機械的強度、耐熱性、加工性等の点で好ましい。
上記熱可塑性樹脂は1種単独で用いてもよく、又は2種以上をブレンドして用いてもよい。
熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂とフルオレン化合物との割合(重量比)は、通常、前者/後者=50/50〜99/1程度の範囲から選択することができ、好ましくは70/30〜98/2程度、より好ましくは80/20〜97/3程度である。
また、熱可塑性樹脂組成物の量は、本発明の製造方法により得られる炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物中に占める熱可塑性樹脂組成物の割合が30〜99.9体積%、好ましくは40〜80体積%(ただし、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を100体積%とする)の範囲となる量であることが好ましい。前記範囲内であれば、本発明の製造方法により得られる炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂の有する柔軟性を保持しつつ、高い機械的強度を有することができるために好ましい。
本発明に用いられる炭素繊維としては特に限定はないが、例えば、アクリル系繊維、あるいはピッチ、レーヨン等を原料として製造した繊維から、炭化工程を経て製造された炭素繊維が用いられる。前記炭素繊維は、例えば、アクリロニトリルを主成分としたアクリル系繊維を加熱酸化し、さらに不活性雰囲気下で炭化する方法で製造することができる。また、その種類は、高強度タイプの低弾性炭素繊維、中高弾性炭素繊維、超高弾性炭素繊維等のいずれの種類のものでもよい。さらに、その形態は、長繊維、短繊維、あるいは織物、編み物、不織布等のシート状形態を有するもの等、任意のものが使用可能である。なお、上記炭素繊維は、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
炭素繊維シート状物としては、織布、一方向配列シート、不織布、マット等、及びこれらを組み合わせたものが挙げられる。織り組織は特に限定されず、平織り、綾織り、朱子織り等のほか、これらの原組織を変化させたものでもよい。また、緯糸と経糸とが共に上記のような炭素繊維でもよく、また他の炭素繊維又は炭素繊維以外の繊維との混織でもよい。このような繊維としては、ガラス繊維、チラノ繊維、SiC繊維等の無機繊維;アラミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、ポリイミド、ビニロン等の有機繊維等が挙げられる。
本発明においては、上記フルオレン化合物、熱可塑性樹脂及び炭素繊維以外の成分として、各種添加剤を含んでもよい。
添加剤として、例えば、充填材、難燃剤、難燃助剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱安定化剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、導電性付与剤、帯電防止剤、剛性付与剤等の任意の添加剤を使用することができる。
本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物に添加剤が含まれる場合には、通常、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部、好ましくは0.02〜10重量部含有される。
本発明の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含む熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させることにより炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する。フルオレン化合物の添加により流動性及び炭素繊維との親和性が改善された熱可塑性樹脂組成物を用いることにより、この樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させるだけで、高強度の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造することができる。
熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させる方法としては、炭素繊維と熱可塑性樹脂組成物とを溶融混練後、射出成型する方法;熱可塑性樹脂組成物シートと炭素繊維組成物シートとを熱可塑性樹脂組成物の流動点温度以上にて加圧下含浸するSMC(Sheet Molding Compounding)法;炭素繊維組成物を予め型内に配置した後、本型内に熱可塑性樹脂組成物を注入するRTM(Resin Transfer Molding)法等の繊維強化複合材料向けの様々な方法を利用することができる。また、熱可塑性樹脂組成物を溶液として炭素繊維組成物中に含浸した後、溶媒を乾燥するような湿式のプロセスも利用することができる。
上記の方法により製造された炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物は、強度が高く、成形性に優れているため、航空機、宇宙ロケット、自動車、輸送機器、スポーツ用品、土木建築用品等の各種産業分野における製品、機械部品等として用いることができる。
以下に本発明の実施例を示すことにより、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
(参考例1)
ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製、パンライト(登録商標)L−1225L、以下「PC」という)を、二軸押出機((株)テクノベル製、KZW15−30MG)を用いてシリンダー温度240〜260℃の条件で溶融押出し、ペレット化を行った。
(参考例2)
PC100重量部に対し、フルオレン化合物としてBPFG(9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン)5重量部を添加し、参考例1と同様の条件でペレット化を行った。
(参考例3〜8)
下記表1に記載のフルオレン化合物を、表1に記載した量で添加し、参考例1と同様の条件でペレットを製造した。なお、表1中のBPEFは9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのことであり、BCFはビスクレゾールフルオレンのことである。
(参考例9)
ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート(東洋紡績(株)製、バイロペットEMC500、以下「PET」という)を用い、参考例1と同様の機械を用いてシリンダー温度240〜270℃の条件で溶融押出し、ペレット化を行った。
(参考例10)
PET100重量部に対し、フルオレン化合物としてBPFG10重量部を添加し、参考例9と同様の条件でペレット化を行った。
(参考例11)
ポリエステル樹脂であるポリエチレンナフタレート(帝人化成(株)製、テオネックス(登録商標)TN−8065S、以下「PEN」という)を用い、参考例1と同様の機械を用いてシリンダー温度240〜270℃の条件で溶融押出し、ペレット化を行った。
(参考例12)
PEN100重量部に対し、フルオレン化合物としてBPFG10重量部を添加した以外は、参考例11と同様の条件でペレット化を行った。
ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製、パンライト(登録商標)L−1225L、以下「PC」という)を、二軸押出機((株)テクノベル製、KZW15−30MG)を用いてシリンダー温度240〜260℃の条件で溶融押出し、ペレット化を行った。
(参考例2)
PC100重量部に対し、フルオレン化合物としてBPFG(9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン)5重量部を添加し、参考例1と同様の条件でペレット化を行った。
(参考例3〜8)
下記表1に記載のフルオレン化合物を、表1に記載した量で添加し、参考例1と同様の条件でペレットを製造した。なお、表1中のBPEFは9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのことであり、BCFはビスクレゾールフルオレンのことである。
(参考例9)
ポリエステル樹脂であるポリエチレンテレフタレート(東洋紡績(株)製、バイロペットEMC500、以下「PET」という)を用い、参考例1と同様の機械を用いてシリンダー温度240〜270℃の条件で溶融押出し、ペレット化を行った。
(参考例10)
PET100重量部に対し、フルオレン化合物としてBPFG10重量部を添加し、参考例9と同様の条件でペレット化を行った。
(参考例11)
ポリエステル樹脂であるポリエチレンナフタレート(帝人化成(株)製、テオネックス(登録商標)TN−8065S、以下「PEN」という)を用い、参考例1と同様の機械を用いてシリンダー温度240〜270℃の条件で溶融押出し、ペレット化を行った。
(参考例12)
PEN100重量部に対し、フルオレン化合物としてBPFG10重量部を添加した以外は、参考例11と同様の条件でペレット化を行った。
参考例1〜12で製造したペレットについて、以下のような評価を行った。
(1)熱物性評価
参考例1〜12で製造したペレットをそれぞれ10mg計りとり、リガク(株)製高感度示差走査熱量計DSC8230で、昇温温度10℃/min、室温〜融点+50℃の範囲でガラス転移温度、融点及び流動開始温度の測定を行った。
(2)流動性評価
島津製作所製フローテスタCFT−500Cを用い、昇温法(昇温速度5℃/min)で樹脂組成物の流動性を測定した。
(3)物性試験
引張試験及びIzod衝撃試験を以下のように行った。
(1)熱物性評価
参考例1〜12で製造したペレットをそれぞれ10mg計りとり、リガク(株)製高感度示差走査熱量計DSC8230で、昇温温度10℃/min、室温〜融点+50℃の範囲でガラス転移温度、融点及び流動開始温度の測定を行った。
(2)流動性評価
島津製作所製フローテスタCFT−500Cを用い、昇温法(昇温速度5℃/min)で樹脂組成物の流動性を測定した。
(3)物性試験
引張試験及びIzod衝撃試験を以下のように行った。
試験サンプル:引張試験用には2号ダンベル型試験片を、Izod試験用に短冊試験片(JISK7110衝撃試験用1型試験片)を射出成型により作製した。
引張試験:射出成型により作成した2号ダンベル型試験片について、チャック間距離35mm、引張試験速度20mm/minの条件にて引張試験を実施した。
Izod衝撃試験:射出成型により作成したJIS−K7110衝撃試験用1型試験片についてJIS−K7110に準拠した方法にて試験を実施した(ノッチ無)。
(1)及び(3)の結果を表1に示し、(2)の結果を図1〜5に示す。
これらの結果より、樹脂とフルオレン化合物との相溶性が高く、樹脂にフルオレン化合物を添加して得られた熱可塑性樹脂組成物(ペレット)は、高い流動性及び優れた物性を兼ね備えていることがわかる。
(実施例1)
厚み250μmの炭素繊維クロス(東レ(株)製トレカ(登録商標)クロスC6343)を用い、まずこの炭素繊維クロスに予め付着したサイジング剤を除去するため、該炭素繊維クロスをアセトン及びトルエンにより十分に洗浄した。次に、洗浄した炭素繊維クロスを、参考例2で製造したペレットで作成したシート(厚み200μm)で挟み込み、2分間プレス成型(270℃、0.5MPa)を行い、冷却することにより、厚みが約250μmのCFRTPシートを得た。
(実施例2〜7)
参考例2のペレットの代わりに参考例3〜8のペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によりCFRTPシートを調製した。
(比較例1)
参考例2のペレットの代わりに参考例1のペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によりCFRTPシートを調製した。
厚み250μmの炭素繊維クロス(東レ(株)製トレカ(登録商標)クロスC6343)を用い、まずこの炭素繊維クロスに予め付着したサイジング剤を除去するため、該炭素繊維クロスをアセトン及びトルエンにより十分に洗浄した。次に、洗浄した炭素繊維クロスを、参考例2で製造したペレットで作成したシート(厚み200μm)で挟み込み、2分間プレス成型(270℃、0.5MPa)を行い、冷却することにより、厚みが約250μmのCFRTPシートを得た。
(実施例2〜7)
参考例2のペレットの代わりに参考例3〜8のペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によりCFRTPシートを調製した。
(比較例1)
参考例2のペレットの代わりに参考例1のペレットを用いた以外は、実施例1と同様の方法によりCFRTPシートを調製した。
得られた実施例1〜7及び比較例1のCFRTPシートをダンベルカッターにてダンベル2号形状に切り出し、引張試験サンプルとした。この試験サンプルを、チャック間距離15mm、引張試験速度0.75mm/minの条件で引張試験を行った(各サンプルについてn=5)。結果を表2及び図7〜9に示す。
また、炭素繊維と樹脂との間の界面強度改善効果を確認するために、比較例1及び実施例1〜3の引張試験後のサンプル表面を金蒸着後、電子顕微鏡にて破断面観察を実施した(図9:比較例1、図10〜図12:実施例1〜3)。本結果より、フルオレン化合物(BPFG)の添加量が多いほど、炭素繊維表面への樹脂付着量が多くなっている様子が見られた。
これらの結果より、フルオレン化合物を含む樹脂組成物を用いて炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を調製することにより、炭素繊維と樹脂との界面強度が向上し、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の物性が向上することがわかる。
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂及びフルオレン化合物を含む熱可塑性樹脂組成物を炭素繊維中へ溶融含浸させることにより炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物を製造する、炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、
前記炭素繊維が、炭素繊維シート状物である、製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及びポリアミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の炭素繊維強化熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
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