[ぱちんこ遊技機の全体構成]
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず始めに、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。
始めに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプ10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者による押圧操作が可能な演出ボタンユニット100が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。
遊技盤20は、ルータ加工等を施した矩形状の積層合板に、所定の図柄が印刷されたセルを貼り付けて成型される化粧板を基板として構成される。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、第1特図始動口61、第2特図始動口62、普図始動口63、大入賞口64、などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置(例えば、液晶パネル)の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤2
0の裏側へ排出するアウト口29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1特図始動口61は、第1特別図柄遊技(以下、単に「第1特図遊技」と称する)に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動入賞検出器611を備えている。第1始動入賞検出器611は、例えば第1特図始動口61への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す第1始動入賞情報を生成する。
第2特図始動口62は、第2特別図柄遊技(以下、単に「第2特図遊技」と称する)に対応する始動入賞口として設けられている。第2特図始動口62は、第2始動入賞検出器621と、いわゆる電チュー(電動チューリップ)と称される電動役物622と、電動役物622を開閉作動させるための電動役物ソレノイド623とを備える。第2始動入賞検出器621は、例えば第2特図始動口62への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す第2始動入賞情報を生成する。電動役物622は、第2特図始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。
普図始動口63は、普図始動入賞検出器631を備えている。普図始動入賞検出器631は、例えば普図始動口63への遊技球の通過を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の通過時に該通過を示す普図始動口通過情報を生成する。なお、普図始動口63への遊技球の通過は、第2特図始動口62の電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口64は、第1特別図柄又は第2特別図柄が所定態様で変動停止した場合、「大当り」として開放状態となる、横長方形状をなし遊技領域PAの下方に位置した入賞口である。大入賞口64は、大入賞検出器641と、電動役物642と、電動役物642を開閉作動させるための大入賞口ソレノイド643とを備える。大入賞検出器641は、例えば大入賞口64への遊技球の入球を検出するいわゆる通過型センサであり、遊技球の入球時に該入球を示す大入賞情報を生成する。電動役物642は、大入賞口64に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球し易い開放状態とに大入賞口64を可変させる。
続いて、第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)は、第1特図遊技(第2特図遊技)に対応する第1特別図柄(第2特別図柄)の変動表示及び停止表示を行う。第1特別図柄表示装置71(第2特別図柄表示装置72)は、例えば8個のランプから構成され、特別図柄の変動表示は当該ランプの点灯パターンに従って表現される。第1特図保留ランプ73(第2特図保留ランプ74)は、例えば2個のランプから構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特図遊技(第2特図遊技)に係る保留数(最大4個)を表現する。第1特図保留ランプ73(第2特図保留ランプ74)の保留数は、第1特別図柄(第2特別図柄)の変動中、第1特図遊技及び第2特図遊技の実行中のうちいずれかの間に第1特図始動口61(第2特図始動口62)へ入賞した抽選結果の数であり、まだ図柄変動が実行されていない入賞球の数を示す。
普通図柄表示装置75は、普通図柄の変動表示及び停止表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄・第2特別図柄と連動して変動・停止する装飾図柄や予告表示を含む演出画像の変動表示及び停止表示を行うとともに、装飾図柄
の保留表示を行う。なお、本実施形態では液晶パネルで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されてもよい。
最後に、センター飾り22は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する可動役物24などが設けられている。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述するメイン制御基板1000及びサブ制御基板2000が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御するメイン制御基板(メイン制御基板ユニット)1000や、遊技展開に応じた画像表示、効果照明、効果音等の演出全般の制御を行うサブ制御基板(サブ制御基板ユニット)2000などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板(払出制御基板ユニット)3000や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板(電源基板ユニット)4000などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)で接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島(設置枠台)に固定設置され、前枠2、ガラス枠5等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構によって1球ずつ発射機構に送り出され、発射機構により遊技領域PAに打ち出されて、以降パチンコゲームが展開される。
[演出ボタンユニットの構成]
次に、本実施形態に係る演出ボタンユニット100の構成について図3〜図7を参照して説明する。ここで、図3(a)は演出ボタンユニット100が退避位置にある状態の斜視図、図3(b)は演出ボタンユニット100が突出位置にある状態の斜視図、図4は演出ボタンユニット100が中間位置にある状態の断面図、図5は演出ボタンユニット100が退避位置にある状態の断面図、図6は演出ボタンユニット100が突出位置にある状態の断面図、図7は演出ボタンユニット100のボタン駆動手段を示す斜視図、である。なお、以降の説明においては、説明の便宜のため、上下及び左右前後の方向は、ぱちんこ遊技機PMへの取付状態での方向として、図3の状態を基準にして定義しており、図3に
示す矢印の方向をそれぞれ前後、左右、上下と称して説明する。
演出ボタンユニット100は、上球皿8の前面中央に着脱自在に設けられて該ユニット100のベースとなるケース筐体110と、ケース筐体110に進退動可能に支持されて遊技者による押圧操作が可能な演出ボタン120と、演出ボタン120を演出的に進退動作させるボタン駆動手段150と、を主体として構成されており、演出ボタン120を該遊技機PMの前面側に露出させて配置することで、遊技者による押圧操作が可能となっている。
ケース筐体110は、上下面に開口112,113を有して中空円筒状をなすケース本体111と、このケース本体111の下面開口113を閉止して取り付けられるケース底蓋116とを有してなり、その内部には演出ボタン120を挿着可能なボタン収容空間114が形成されている。ケース筐体110の上面開口112には、演出ボタン120をボタン収容空間114内に抜け止め状態で収容するためのストッパ115が突設されている。
演出ボタン120は、遊技者により押圧操作されるボタン本体130と、該押圧操作を受けてボタン本体130を上下動可能に支持する可動部材140と、を有して構成されている。演出ボタン120は、ケース筐体110の上面開口112から僅かに飛び出した退避位置(図3及び図5を参照)と、ケース筐体110の上面開口112から大きく飛び出した突出位置(図3及び図6を参照)と、の間で上下方向に進退動作が可能となっている(すなわち、可動式の操作ボタンとして構成されている)。なお、演出ボタン120は、ケース底蓋116に配設された不図示のコイルバネによって上方へ向けて常時付勢されており、これにより退避位置から突出位置への上昇移動がアシストされるようになっている。
ボタン本体130は、下方に開口を有する中空円筒状をなすボタンカバー131と、ボタンカバー131の下端部に一体的に固定されるボタンベース135とを組み合わせてなり、ボタンカバー131とボタンベース135とに囲まれて演出ボタン120を電飾するための電飾空間が形成されている。なお、本実施形態では、ボタンカバー131には無色透明な樹脂材料を、ボタンベース135には内部構造を透視し難くする有色透明な樹脂材料をそれぞれ用いている。
ボタンベース135には、演出ボタン120を電飾するための複数の発光体136aを備えた電飾基板136が取り付けられている。発光体136aとしては表面実装(SMD)型のフルカラーLEDが適用されている。この電飾基板136の真上には、例えば透光性を有する合成樹脂材の表面に凹凸を形成する表面加工(光拡散処理)が施されたレンズ部材137が配置されており、電飾基板136から照射される光がレンズ部材137を介して広範囲に拡散されることで高い光装飾効果が得られるように構成されている。また、ボタンベース135の底面中央には、中空状の摺動ボス138が下方に向けて突設されている。さらに、ボタンベース135には、演出ボタン120の押圧操作を検出するための板状の検出片139が下方に向けて突設されている。
可動部材140は、ボタン駆動手段150からの動力を受ける部分であり、その下端部には詳細後述するクランク機構160と連結するための連結フレーム141が固着されている。可動部材140には、ボタンベース135の摺動ボス138を挿入支持してボタン本体130の上下動を円滑に案内するための中空の支持筒142が上方に向けて突設されている。この支持筒142と摺動ボス138との内方には、ボタン本体130を上方に向けて常時付勢するためのコイルバネ143が介装されている。そのため、ボタン本体130は常にはこのコイルバネ143の付勢力によって遊技者による押圧操作が可能な自由端
位置に付勢配設される。なお、ボタン本体130の自由端位置は可動部材140に対する相対的な位置であって、演出ボタン120全体が突出位置又は退避位置にある状態でもボタン本体130は可動部材140に対して自由端位置をとり得る。つまり、演出ボタン120の動作位置(退避位置及び突出位置)に依存せず、ボタン本体130は自由端位置から下方へ向けて押圧操作が可能である。
さらに、可動部材140には、ボタン本体130の検出片139によって演出ボタン120の押圧操作を検出するための操作検出センサS3が取り付けられている。この操作検出センサS3は、光を発光する発光部と、この発光部からの光を受光する受光部とを有し、検出片139を挿入可能な間隙を有して略コ字形に配置されたフォトセンサである。この操作検出センサS3は、演出ボタン120が操作されず検出片139が当該センサS3の発光部と受光部との間に介在していない(遮光されてない)ときはオフとなり、演出ボタン120が下方向に押し込まれて検出片139が当該センサS3の発光部と受光部との間に介在している(遮光されている)ときにオンとなる。なお、この操作検出センサS3の検出信号(オン/オフ信号)はサブ制御基板2000に入力され、サブ制御基板2000により演出ボタン120のオン/オフ操作が検出される。
ボタン駆動手段150は、図7に示すように、ケース筐体110に固定される駆動ベース151と、駆動源としてのボタンモータ152と、ボタンモータ152の回転軸に同軸的に連結されるボタンインデックス153と、演出ボタン120とボタンインデックス153との間に介在配置されてボタンモータ152の回転駆動力を演出ボタン120に伝達するクランク機構160と、演出ボタン120の動作位置を検出するための位置検出センサS1,S2と、を備えて構成されている。
駆動ベース151は、略矩形の底板151aと、底板151aから立設されてボタンモータ152及び位置検出センサS1,S2を支持するモータ支持板151bと、底板151aから立設されてボタンインデックス153及びクランク機構160を支持するクランク支持板151cと、を有して形成されている。
ボタンモータ152は、例えば、A相、B相、A-相、B-相の磁界を形成するステータコイルを有する2相のユニポーラ型ステッピングモータであり、周知のように、該モータ130の回転軸に取り付けられたロータ(回転子)と、その外側に固定されたステータ(固定子)とで構成される。ボタンモータ152は、サブ制御基板2000から所定の励磁方式に従って、所定ステップ数の駆動パルス信号を与えることにより回転駆動する。
ボタンインデックス153は、略円盤状をなす回転検出盤154と、この回転検出盤154の一方の側面から突出してボタンモータ152の回転軸に接続される第1軸部155と、回転検出盤154の他方の側面から突出してクランク支持板151cに軸支される第2軸部156と、から形成される。回転検出盤154には、検出スリット154aが凹設されており、この検出スリット154aが位置検出センサS1,S2によって検出可能となっている。
クランク機構160は、ボタンインデックス153の第2軸部156に軸着されてボタンインデックス153と一体回動する第1クランク軸161と、演出ボタン120の連結フレーム141に回動自在に枢支される第2クランク軸162とからなり、第1クランク軸161と第2クランク軸162とがクランクピン163により接続されて該ピン163を中心として互いに接近及び離反する方向に相対揺動可能に構成されている。クランク機構160は、ボタンモータ152の回転運動を演出ボタン120の直線往復運動(すなわち、進退運動)に変換する。
各位置検出センサS1,S2は、光を発光する発光部と、この発光部からの光を受光する受光部とを有し、回転検出盤154を挿入可能な間隙を有して略コ字形に配置されたフォトセンサである。各位置検出センサS1,S2は、回転検出盤154の検出スリット154aが発光部と受光部との間に介在している(光路を開放している)ときはオンとなり、回転検出盤154の検出スリット154aが発光部と受光部との間に介在していない(遮光している)ときにはオフとなる。
ここで、第1位置検出センサS1の発光部と受光部との間に検出スリット154aが介在して、位置検出センサS1がオン且つ第2位置検出センサがオフのときは、演出ボタン120が退避位置に存在することが検出される。他方、第2位置検出センサS2の発光部と受光部との間に検出スリット154aが介在して、第1位置検出センサS1がオフ且つ第2位置検出センサS2がオンのときは、演出ボタン120が突出位置に存在することが検出される。
かかる構成の演出ボタンユニット100において、まず始めに、演出ボタン120が初期位置としての退避位置にある状態では、第1位置検出センサS1がボタンインデックス153の検出スリット154aを検出することで、第1位置検出センサS1がオンとなる。この検出信号(オン信号)はサブ制御基板2000に入力され、サブ制御基板2000において演出ボタン120が退避位置に存在することが検出される。この退避位置おいて、演出ボタン120はボタン本体130の押圧移動量だけケース筐体110の上面開口112から僅かに突出した状態となっており、演出ボタン120は遊技者による押圧操作が可能である。ここで、遊技者が演出ボタン120を押圧操作して、ボタン本体130が自由端位置にある状態からコイルバネ143の付勢力に抗して押下位置まで下降すると、操作検出センサS3がボタン本体130の検出突起139を検出して、操作検出センサS3がオンとなる。この検出信号(オン信号)はサブ制御基板2000に入力され、サブ制御基板2000において演出ボタン120が押圧操作されたことが検出される。そして、演出ボタン120から遊技者の手が離されると、コイルバネ143の復元力によって、ボタン本体130が可動部材140に対して上方へ相対移動して元の自由端位置へ復帰する。
続いて、演出ボタン120を退避位置から突出位置に突出動作させる過程について説明する。ボタンモータ152が正転方向(CW方向)に回転すると、ボタンインデックス153が同方向に一体回動するとともに、この回転駆動力がボタンインデックス153を介してクランク機構160に伝達される。第1クランク軸161がA方向に回動すると、第2クランク軸162がクランクピン163を中心として上方向に揺動して、演出ボタン120が押し上げられる。このようにボタンモータ152の正転方向(CW方向)への回転運動はクランク機構160によって演出ボタン120の上方への直線運動に変換され、その結果として演出ボタン120がケース筐体110から外方へ突出動作することとなる。
そして、ボタンモータ152が正転方向(CW方向)に所定角度だけ回転すると、演出ボタン120がケース筐体110の上面開口112から大きく飛び出した突出位置(最大可動位置)に到達する。演出ボタン120が突出位置にある状態では、第2位置検出センサS2がボタンインデックス153の検出スリット154aを検出することで、第2位置検出センサS2がオンとなる。この検出信号(オン信号)はサブ制御基板2000に入力され、サブ制御基板2000において演出ボタン120が突出位置に存在することが検出される。
この突出位置おいて、演出ボタン120は遊技者による押圧操作が可能である。ここで、遊技者が演出ボタン120を押圧操作して、ボタン本体130が自由端位置にある状態からコイルバネ143の付勢力に抗して押下位置まで下降すると、操作検出センサS3がボタン本体130の検出突起139を検出して、操作検出センサS3がオンとなる。この
検出信号(オン信号)はサブ制御基板2000に入力され、サブ制御基板2000において演出ボタン120が押圧操作されたことが検出される。そして、演出ボタン120から遊技者の手が離されると、コイルバネ143の付勢力によって、ボタン本体130が可動部材140に対して上方へ相対移動して元の自由端位置へ戻る。
続いて、演出ボタン120を突出位置から退避位置に退避動作させる過程について説明する。ボタンモータ152が逆転方向(CCW方向)に回転すると、ボタンインデックス153が同方向に一体回動するとともに、この回転駆動力がボタンインデックス153を介してクランク機構160に伝達される。第1クランク軸161がB方向に回動すると、第2クランク軸162がクランクピン163を中心として下方向に揺動して、演出ボタン120が引き下げられる。このようにボタンモータ152の逆転方向(CCW)への回転運動はクランク機構160によって演出ボタン120の下方への直線運動に変換され、その結果として演出ボタン120がケース筐体110内に退避動作することとなる。
そして、ボタンモータ152が逆転方向(CCW方向)に所定角度だけ回転すると、演出ボタン120がケース筐体110内に収まった退避位置に到達する。演出ボタン120が退避位置にある状態では、第1位置検出センサS1がボタンインデックス153の検出スリット154aを検出することで、第1位置検出センサS1がオンとなる。この検出信号(オン信号)はサブ制御基板2000に入力され、サブ制御基板2000において演出ボタン120が退避位置に復帰したことが検出される。これにて、演出ボタン120の演出動作(突出動作及び退避動作)が1サイクルだけ完了することとなる。
[機能構成]
次に、図8のブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、メイン制御基板1000/サブ制御基板2000)の各種機能について説明する。
《メイン制御基板》
メイン制御基板1000は、制御中枢としてのCPU、このCPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(例えば、遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するワークエリアとしてのRAM、等を備えており、ROMに記憶された制御プログラムに従って各駆動回路等が動作することにより、ぱちんこ遊技機PMにおける遊技に関する主たる制御が行われるように構成されている。
メイン制御基板1000には、第1特図始動口61、第2特図始動口62、普図始動口63、大入賞口64、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、普通図柄表示装置75、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普図保留ランプ76等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
本実施形態において、メイン制御基板1000は、主遊技(第1特図遊技、第2特図遊技、特別遊技等)・補助遊技(普図遊技等)・一般遊技に関する主たる制御を司る遊技制御手段1100と、サブ制御基板2000側に各種遊技情報(例えば、図柄情報、保留情報、各種コマンドなど)を送信するための情報送信手段1200と、払出制御基板3000と協働して各種入賞口への遊技球の入球に基づき所定の賞球の払出制御を行う賞球払出決定手段1300と、を有している。
遊技制御手段1100は、各入賞口への遊技球の入球を判定するための入球判定手段1110と、抽選乱数値を取得するための抽選乱数値取得手段1120と、変動表示中における各始動口への入球を保留球として一時記憶するための保留制御手段1130と、特別
遊技の当否及び電動役物622の開放可否を抽選する当否抽選手段1135と、特別図柄の変動開始条件を充足したか否かの判定処理を司る図柄変動開始条件充足判定手段1138と、各図柄の停止図柄及び変動パターンを決定するための図柄内容決定手段1140と、各図柄の変動及び停止表示する制御を行うための表示制御手段1150と、電動役物622の開閉決定に直接関連する各種処理を行うための電チュー開閉制御手段1160と、特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御手段1170と、小当り遊技に関する制御を司る小当り遊技制御手段1175と、第1特図遊技及び第2特図遊技並びに普図遊技に関し、現在の遊技状態をどの遊技状態に移行させるかの決定と、当該決定に基づき遊技状態を移行させる処理を行うための特定遊技制御手段1180と、メイン制御基板1000側で実行される処理に関する遊技一般の情報(フラグを含む)を一時記憶するための遊技関連情報一時記憶手段1190と、を有している。以下、各手段について詳述する。
まず、入球判定手段1110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段1110は、第1始動入賞情報を取得すると遊技球が第1特図始動口61に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を取得すると遊技球が第2特図始動口62に入賞したと判断する。また、入球判定手段1110は、大入賞情報を取得すると遊技球が大入賞口64に入賞したと判断する。さらに、入球判定手段1110は、普図入賞情報を取得すると遊技球が普図始動口63に入賞したと判断する。
次に、抽選乱数値取得手段1120は、第1特図始動口61への遊技球の入球を契機として第1特図抽選に係る乱数の値(「第1抽選乱数値」と称する)を取得するか否かを判定すると共に、この判定結果に応じて当該乱数値(第1当否抽選乱数値、第1特別図柄抽選乱数値、第1変動パターン抽選乱数値)を取得する第1特図抽選乱数値取得手段1121と、第2特図始動口62への遊技球の入球を契機として第2特図抽選に係る乱数の値(「第2抽選乱数値」と称する)を取得するか否かを判定すると共に、この判定結果に応じて当該乱数値(第2当否抽選乱数値、第2特別図柄抽選乱数値、第2変動パターン抽選乱数値)を取得する第2抽選乱数値取得手段1122と、普図始動口63への遊技球の通過を契機として普通図柄抽選に係る乱数の値(「普図抽選乱数値」と称する)の取得の可否を判定すると共に、この判定結果に基づき当該乱数値(普図当否抽選乱数値、普通図柄抽選乱数値、普図変動パターン抽選乱数値)を取得する普図抽選乱数値取得手段1123と、を有する。
次に、保留制御手段1130は、第1特別図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該第1抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで保留するための第1特図保留手段1131と、第2特別図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該第2抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで保留するための第2特図保留手段1132と、普通図柄変動許可が下りてない状況で取得した当該普図抽選乱数値を一時記憶するか否かを判定し、判定結果に基づき当該乱数値を図柄変動許可が下りるまで保留するための普図保留手段1133と、を有する。ここで、第1特図保留手段1131、第2特図保留手段1132及び普図保留手段1133は、前記乱数値を保留順序と結合した形で最大4個まで一時記憶可能である。
次に、当否抽選手段1135は、当否抽選の結果、第1抽選乱数値に基づき通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する第1特図当否抽選手段1135aと、第2抽選乱数値に基づき通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する第2特図当否抽選手段1135bと、普図抽選乱数値に基づき第2特図始動口62の電動役物622を開放させるか否かを決定する普図当否抽選手段1135cと、を有する。第1特図当否抽選手段1135a及び第2特図当否抽選手段1135bは、当否抽選で参照する特図当否抽選テーブル(第1特図当否抽選テーブル
、第2特図当否抽選テーブル)を複数保持する。特図当否抽選テーブルには、当否抽選値と、大当り、小当り、ハズレの判定結果と、が対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1特図当否抽選手段1135a及び第2特図当否抽選手段1135bは、通常時には通常確率による特図当否抽選テーブルを参照し、確率変動時には通常確率よりも当選確率が高くなる特図当否抽選テーブルを参照する。
次に、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動開始条件(特別遊技中ではないこと、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中でないこと等)を充足したか否かの判定処理を行う。また、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄及び第2特別図柄のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を留保する。本実施形態では、図柄変動開始条件充足判定手段1138は、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第2特図保留手段1132に第2抽選乱数値が保留されている間は、第1特図保留手段1131に第1抽選乱数値が保留されていても、第2特図保留手段1132に保留された第2抽選乱数値を優先的に消化する。これにより、第2特図保留手段1132により第2抽選乱数値が保留されているという状態を維持する限り、第2特図抽選を継続的に実行させることができる。
次に、図柄内容決定手段1140は、前記取得した第1抽選乱数値に基づき、第1特別図柄の停止図柄と変動パターンを決定する第1特図内容決定手段1141と、前記取得した第2抽選乱数値に基づき、第2特別図柄の停止図柄と変動パターンを決定する第2特図内容決定手段1142と、前記取得した普図抽選乱数値に基づき普通図柄の停止図柄と変動パターンを決定する普図内容決定手段1143と、を有する。
第1特図内容決定手段1141は、第1特別図柄に係る停止図柄及び変動パターンを決定する際に参照される第1特別図柄抽選テーブル及び第1特図変動パターン抽選テーブルを有する。同様に、第2特図内容決定手段1142は、第2特別図柄に係る停止図柄及び変動パターンを決定する際に参照される第2特別図柄抽選テーブル及び第2特図変動パターン抽選テーブルを有する。ここで、停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。大当たり図柄としては複数存在しており、この図柄の種類に基づいて、特別遊技時の利益状態や特別遊技後の遊技状態が決まるよう構成されている。また、複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつと共に、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に特別図柄及び装飾図柄の変動が停止される。
次に、表示制御手段1150は、第1特別図柄表示装置71上で、所定時間だけ第1特別図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第1特図制御手段1151と、第2特別図柄表示装置72上で、所定時間だけ第2特別図柄を表示させた後に停止表示する制御を行う第2特図制御手段1152と、普通図柄表示装置75上で、所定時間だけ普通図柄を変動表示させた後に停止表示する制御を行う普図制御手段1153と、を有する。
次に、電チュー開閉制御手段1160は、第2特図始動口62の電動役物622を開閉する制御を行うための条件を充足しているか否かを判定するとともに、電動役物622を開閉する制御を行う。
次に、特別遊技制御手段1170は、特別遊技(大当り)に移行するための条件を充足しているか否か、具体的には、大当りに当選しているか否かを判定する条件判定手段1171と、特別遊技移行条件を充足している場合、当該特別遊技の内容(具体的には、開状態となる大入賞口、ラウンド数、ラウンド時間等)を特図遊技関連情報一時記憶手段1191にセットする特別遊技内容決定手段1172と、大入賞口64を所定条件で開状態に
するという特別遊技を実行するための特別遊技実行手段1173と、特別遊技に関する各種処理の時間管理(例えば、大入賞口64の開閉時間の管理)を行うための特別遊技時間管理手段1174と、を有する。また、特別遊技内容決定手段1172は、特図遊技関連情報一時記憶手段1191にセットされるべき前記特別遊技の内容を特定する際に参照される特別遊技内容参照テーブルを更に有している。
特別遊技制御手段1170は、第1及び第2特図抽選に係る抽選結果が特別遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄が所定の当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口64を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、大入賞口64の開閉動作を複数回連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技(ラウンド)で構成される。特別遊技制御手段1170は、その単位遊技の設定ラウンド数(例えば、15ラウンド又は2ラウンド)を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当り遊技制御手段1175は、第1及び第2特図抽選に係る抽選結果が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、特別図柄が所定の当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口64を開放させることにより小当り遊技を実行する。小当り遊技は1回の単位遊技で構成される点で特別遊技とは異なる。
次に、特定遊技制御手段1180は、特定遊技の内容を決定する特定遊技可否・内容決定手段1183と、特定遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する特定遊技終了条件判定手段1181と、を有する。ここで、特定遊技終了条件判定手段1181は、特別図柄時短回数(普通図柄時短回数)をカウント可能な時短回数カウンタを有している。ここで、「特定遊技」とは、例えば、特別遊技への抽選確率が通常遊技時よりも高い確変状態、特別図柄の変動時間が通常遊技時よりも相対的に短い時短状態、第2特図始動口62への入球容易性が高められる電チューサポート状態など、による通常遊技を指す。
特定遊技制御手段1180は、確変状態、時短状態、および電チューサポート状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段1180は、特別遊技の終了後に遊技状態を時短状態及び電チューサポート状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、図柄内容決定手段1140により決定された特別図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態及び開放容易状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。ただし、同時に確変状態へ移行した場合は確変状態が続く限り時短状態及び電チューサポート状態も継続される。すなわち、次の大当りまで継続される。このように時短状態及び電チューサポート状態の終期は遊技状態に応じて定まる。時短状態においては、特別図柄の変動時間が概ね短い変動パターンが出現しやすくなる。一方、確変状態は、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は当否抽選手段1135による当否抽選結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
次に、遊技関連情報一時記憶手段1190は、特別図柄に関する制御や特別遊技・小当り遊技に関する制御等の特図遊技(主遊技)に関連した処理の際の情報を一時記憶するための特図遊技関連情報一時記憶手段1191と、普通図柄に関する制御や第2始動口62の電動役物622に関する情報等の普図遊技に関連した処理の際の情報を一時記憶するための普図遊技関連情報一時記憶手段1192と、を有する。
《サブ制御基板》
サブ制御基板2000は、制御中枢としてのCPU、このCPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータを一時的に記憶するワークエリアとしてのRAM、等を備えており、ROMに記憶された制御プログラムに従って各駆
動回路等が動作することにより、ぱちんこ遊技機PMにおける演出全般に関する制御が行われるように構成されている。
サブ制御基板2000には、演出ランプ10、スピーカ11、演出表示装置70、演出ボタンユニット100等のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。
本実施形態において、サブ制御基板2000は、メイン制御基板1000側からのコマンドや各種情報を受信するための情報受信手段2100と、メイン制御基板1000側からのコマンド等に基づき演出全般に関する制御を司る演出制御手段2200と、サブ制御基板2000側で実行される処理に関する演出一般の情報(フラグを含む)を一時記憶するための演出関連情報一時記憶手段2300と、を有している。
情報受信手段2100は、メイン制御基板1000側からの特図遊技に関する図柄情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段2110を有する。なお、ここで一時記憶された情報は、以下で説明する各処理において、後述の各手段により必要に応じて適宜参照される。
演出制御手段2200は、主として演出表示装置70上での演出表示に関する制御を司る演出表示制御手段2210と、装飾図柄の保留情報や保留先読みの決定処理及び表示処理等、保留情報の表示処理に関する制御を司る装図保留情報表示制御手段2220と、演出ボタンユニット100の動作制御を司る演出ボタン制御手段2230と、を有する。
演出表示制御手段2210は、装飾図柄や変動演出パターン等に関するデータを含め演出表示に関する一切のデータを記憶するための演出パターン記憶手段2211と、メイン制御基板1000側からの図柄情報等に基づき装飾図柄の停止図柄と変動演出パターン等を決定するための演出内容決定手段2212と、演出表示装置70上での画像表示に関する制御を実行するための画像表示制御手段2213と、を有する。また、演出表示制御手段2210は、特別遊技の実行に先立って、その特別遊技中に表示させる開始デモ及び終了デモを含む大当り演出の内容を決定する。さらに、演出表示制御手段2200は、小当り遊技の実行に先立って、その小当り遊技中に表示させる開始デモ及び終了デモを含む小当り演出の内容を決定する。
演出パターン記憶手段2211は、装飾図柄の変動において演出表示装置70に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの信頼度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
演出内容決定手段2212は、メイン制御基板1000側から受け取る特別図柄情報(停止図柄情報や変動パターン情報)に基づき、演出画像表示制御手段2213によって演出表示装置70へ表示させる演出内容を決定する。演出内容決定手段2212は、装飾図柄の停止図柄の組み合わせとその配置及び変動演出パターンを、当否抽選手段1135による抽選の結果や、図柄内容決定手段1140によって決定された特別図柄の停止図柄及び変動パターンに応じて決定する。演出パターン記憶手段2211は、図柄内容決定手段1140によって決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動演出パターンを演出パターン記憶手段2211から読み出し、その変動演出パターンの情報を演出画像表示制御手段2213へ送る。また、演出内容決定手段2212は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を画像表示制御手段2213に送信する。演出内容決定手段2212は、装飾
図柄の停止図柄及び変動演出パターンを決定する際に参照するための抽選テーブルを有する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了までの一連の演出表示過程が定義されている。変動演出パターンには、通常のハズレ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てハズレ図柄又は大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。例えば、ノーマルリーチとは、比較的変動時間が短く、大当たりとなる期待の低いリーチ演出であり、3個ある図柄列のうち2列が仮停止した後、残り1個の図柄列が変動する態様(変動時間が相対的に短い態様)を指し、スーパーリーチとは、ノーマルリーチに比べ変動時間が長く、大当たりとなる期待がノーマルリーチより高いリーチ演出であり、3個ある図柄列のうち2列が仮停止した後、残り1個の図柄列がコマ送り変動する態様(変動時間が相対的に長い態様)を指す。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過後に図柄変動が停止される。演出内容決定手段2212は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、例えば当否抽選手段1135による当否抽選結果が15R特別遊技への移行を示す場合には特定の組み合わせ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組み合わせが選択される。当否抽選結果が2R特別遊技への移行を示す場合や小当りの場合もまた特定の組み合わせ、例えば「357」のような所定の組み合わせが選択される。すなわち、2R大当りや小当りの特定の組み合わせは必ずしも3つの図柄が揃った組み合わせでなくてもよい。当否抽選結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組み合わせであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組み合わせに該当しない組み合わせが選択される。当否抽選結果が15R大当りでない場合であって、リーチ付きのハズレを示す変動演出パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組み合わせを選択する。
本実施形態では、遊技者介入型の予告演出が設定されており、その予告演出の実行に際して遊技者による演出ボタン120の操作入力を要求する入力画面(例えば、演出ボタン120を示す画像)が表示される。遊技者がその入力要求に応じて所定の操作要求タイミングの期間内に演出ボタン120を操作した場合(操作検出センサS3からのON信号が入力された場合)には、当否抽選の結果に応じた予告演出が実行される。
画像表示制御手段2213は、演出内容決定手段2212において選択された変動演出パターンに従って演出表示装置70へ装飾図柄を含む演出画像を変動表示させる。画像表示制御手段2213は、主制御基板1000から、装飾図柄の変動開始コマンドを受信したときに新たな図柄変動を開始させ、変動停止コマンドを受信したときに図柄変動を停止させて停止図柄を確定表示させる。
画像表示制御手段2213は、演出内容決定手段2212によって予告演出を表示させる旨が決定された場合、選択された予告演出パターンに従った予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置70へ表示させる。なお、画像表示制御手段2213は、演出ランプ11の点灯及び消灯や、スピーカ12からの音声出力、可動役物24による演出動作などの演出処理をさらに制御する。
次に、装図保留情報表示制御手段2220は、保留に関する各種情報を一時記憶するための保留情報一時記憶手段2221を有する。
次に、演出ボタン制御手段2230は、演出ボタン120の演出動作を制御する演出動作制御手段2231と、演出ボタン120の動作状態を監視する監視制御手段2232と、演出ボタン120の動作状態を管理するためのステータス情報を記憶保持するステータス記憶手段2233と、演出ボタン120を復旧させるためのリトライ動作を制御するリトライ動作制御手段2234と、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に演出ボタン120の復帰駆動処理を実行する電源投入時処理制御手段2235と、を有している。
演出動作制御手段2231は、演出上の所定の契機において演出表示制御手段2210から受け取る指示に基づき、予め定められた所定の演出動作パターンに従って、演出ボタン120を演出的に進退動作させるための演出動作処理を実行する。この演出動作処理には、演出ボタン120を退避位置から突出位置へ動作させるための突出動作処理と、演出ボタン120を突出位置から退避位置へ動作させるための退避動作処理と、に大別される。この演出動作処理では、初期位置としての退避位置から演出動作を開始して、その演出動作が終了する際には必ず退避位置に復帰するように設定されている。ここで、演出動作パターンには、その動作内容が、例えば、ボタンモータ152のステップ数、加速度、駆動速度、回転方向、動作時間等により規定されている。なお、所定の契機としては、例えば、図柄の変動開始時、図柄の変動中(リーチとなったとき)、図柄の変動停止時、当否抽選結果が当りと判定されたとき、所定の演出(予告演出、特別遊技演出)の実行時、などが該当する。
監視制御手段2232は、演出ボタン120の動作状態を監視するとともに、この動作状態をステータス情報(「管理ステータス」と称する)として取得する。管理ステータスとは、演出ボタン120の動作状態が、「正常状態」、「監視状態」、「仮の正常状態」、「仮の異常状態」、「異常状態」、のいずれであるかを特定するためのステータス情報である。ここで、「正常状態」とは演出動作処理の実行を許容する状態(確定的正常状態)であり、「異常状態」とは演出動作処理の実行を禁止する状態(確定的異常状態)であり、「仮の正常状態」とは演出動作処理の実行を暫定的に許容する状態(暫定的正常状態)であり、「仮の異常状態」とは演出動作処理の実行を暫定的に禁止する状態(暫定的異常状態)であり、「監視状態」とは所定時間の経過を監視する状態である。本実施形態では、演出ボタン120の動作状態が異常である度合いが高くなるにつれて、管理ステータスは「正常状態」→「監視状態」→「仮の正常状態」→「仮の異常状態」→「異常状態」へと遷移する。
管理ステータス記憶手段2233は、例えば1バイト(8ビット)のRAMから構成されている。管理ステータス記憶手段2233には、8ビットの格納領域中の下位の3ビットに0〜4のデータが管理ステータスの値(「ステータス値」と称する)として記憶されている。ここで、図9は管理ステータス(ステータス値)と演出ボタン120の動作状態との対応関係を示す模式図である。管理ステータスが「正常状態」である場合、管理ステータス記憶手段2233にはステータス値として「0」が設定される(ビットデータ「00000000」)。管理ステータスが「監視状態」である場合、管理ステータス記憶手段2233にはステータス値として「1」が設定される(ビットデータ「00000001」)。管理ステータスが「仮の正常状態」である場合、管理ステータス記憶手段2233にはステータス値として「2」が設定される(ビットデータ「00000010」)。管理ステータスが「仮の異常状態」である場合、管理ステータス記憶手段2233にはステータス値として「3」が設定される(ビットデータ「00000011」)。管理ステータスが「異常状態」である場合、管理ステータス記憶手段2233にはステータス値として「4」が設定される(ビットデータ「00000100」)。
リトライ動作制御手段2234は、演出ボタン120が所定の復帰タイミングで初期位
置としての退避位置へ復帰しなかった場合に、予め定められた駆動パターン(ボタンモータ152のステップ数、加速度、駆動速度、回転方向など)に従ってリトライ処理を実行する。ここで、図10には駆動パターン選択テーブルの模式図を示している。図10に示すように、駆動パターン選択テーブルには、駆動パターン毎に異なる加速度及び駆動速度の組み合わせが規定されている。ここで、駆動パターン0には、通常の演出動作パターンと同一の加速度及び駆動速度(加速度:中、駆動速度:中)が設定されている。駆動パターン選択テーブルには、この駆動パターン0の加速度及び駆動速度を基準として、加速度を小・中・大の3段階、且つ、駆動速度を遅・中・速の3段階で異ならしめたかたちで、計9つの駆動パターン0〜8が割り振られている。リトライ動作制御手段2234は、リトライ処理の実行回数に応じて設定される駆動パターン選択カウンタの値(0〜8)に基づき、駆動パターン0〜8を選択する。
本実施形態では、演出ボタン120が復旧するまではリトライ処理が繰り返し実行される。1回目のリトライ処理(「第1のリトライ処理」とも称する)では、通常の演出動作パターン(駆動パターン0)を利用して、演出ボタン120をリトライ動作させる。つまり、第1のリトライ処理では、もう一度同じ動作パターンで、演出ボタン120の退入動作を再試行する。一方、2回目以降のリトライ処理(「第2のリトライ処理」とも称する)では、リトライ動作を1回実行する毎に、駆動パターンを切り替えるとともに、次回のリトライ動作を実行するまでの時間間隔(WAIT時間)を長くしていく。つまり、第1のリトライ処理を実行しても演出ボタン120が復旧しない場合には、第2のリトライ処理を実行する度に該リトライ動作の再試行タイミングを異ならしめるとともに、毎回異なる駆動パターンを選択して、演出ボタン120の退避動作を再試行する。
電源投入時制御手段2235は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、演出ボタン120を初期動作させるための復帰駆動処理を実行させる。復帰駆動処理とは、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に1度だけ実行される初期化処理のことであり、具体的には、演出ボタン120を突出動作させて第2位置検出センサS2のオン信号を確認した後、演出ボタン120を退避動作させて第1位置検出センサS1のオン信号を確認して、初期動作完了となる。ここで、監視制御手段2232は、電源遮断時にRAMのバックアップ領域に退避させておいた管理ステータスを、この復帰駆動処理の結果(復帰状況)に応じて、新たな管理ステータスに更新する。
ここで、図11は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に実行されるステータス更新処理の概要を説明するための模式図である。初期動作が正常に完了した場合(演出ボタン120が退避位置に復帰した場合)、電源断時に記憶しておいた管理ステータスを上位に変更して(「正常状態」の場合は該状態を維持して)、これを電源投入時の新たな管理ステータスとして更新する。他方、初期動作が正常に完了しなかった場合(演出ボタン120が退避位置に復帰しなかった場合)、電源断時に記憶しておいた管理ステータスを下位に変更して(「異常状態」の場合は該状態を維持して)、これを電源投入時の新たな管理ステータスとして更新する。
[ぱちんこ遊技機の処理]
次に、図12〜図22のフローチャートを参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの処理の流れを説明する。
《メイン制御基板側の処理》
はじめに、図12のフローチャートを参照しながら、メイン制御基板1000側での処理の流れを説明する。ここで、図12は、メイン制御基板1000側で実行される一般的な処理の流れを示すメインフローチャートである。まず、ステップS1100で、メイン制御基板1000は、遊技球が特図始動口61,62、普図始動口63、大入賞口64な
どへ入賞した場合の入賞処理を実行する。次に、ステップS1400で、メイン制御基板1000は、普通図柄に係る当否抽選を行うための通常遊技制御処理を実行する。次に、ステップS1600で、メイン制御基板1000は、特別図柄に係る当否抽選を行うための通常遊技制御処理を実行する。次に、ステップS1800で、メイン制御基板1000は、特別図柄表示装置71,72及び演出表示装置70に所定の図柄が確定表示されて「大当り」となり、特別遊技状態へ移行する場合の特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップS1900で、メイン制御基板1000は、小当りが発生した場合の小当り遊技制御処理を実行する。そして、ステップS1950で、メイン制御基板1000は、遊技球が入賞した入賞口に基づき、払出制御基板3000に対して賞球払出コマンドを送信して所定の賞球数の払出処理を行い、再びステップS1100に戻る。なお、S1800の特別遊技とS1900の小当り遊技は同時並行に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。
《サブ制御基板側の処理》
次に、図13のフローチャートを参照しながら、サブ制御基板2000側での処理の流れを説明する。ここで、図13は、サブ制御基板2000側での処理の流れを示したメインフローチャートである。はじめに、ステップS2100で、サブ制御基板2000は、メイン制御基板1000側から保留情報を受信した場合の保留表示制御処理を実行する。次に、ステップS2200で、サブ制御基板2000は、装飾図柄の停止図柄と変動演出パターンを決定する場合の装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップS2300で、サブ制御基板2000は、演出表示装置70上で装飾図柄の変動表示を行う場合の装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップS2400で、サブ制御基板2000は、特別遊技状態での演出を実行する特別遊技中表示制御処理を実行する。次に、ステップS2500で、サブ制御基板2000は、小当り遊技状態での演出を実行する小当り遊技中表示制御処理を実行する。そして、ステップS2600で、サブ制御基板2000は、演出ボタンユニット100の動作を制御する演出ボタン動作制御処理を実行し、ステップS2100に戻る処理を繰り返す。なお、ステップS2400の特別遊技中表示とステップS2500の小当り遊技中表示は同時並行に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。
次に、図14は、図13におけるステップS2600のサブルーチンに係る、演出ボタン動作制御処理のフローチャートである。まず、ステップS3000で、演出ボタン制御手段2230は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に管理ステータスを更新する電源投入時ステータス更新処理を実行する。ステップS3100で、演出ボタン制御手段2230は、演出ボタン120を退避位置から突出位置に動作させる突出動作処理を実行する。次に、ステップS3200で、演出ボタン制御手段2230は、演出ボタン120を突出位置から退避位置へ動作させる退避動作処理を実行する。次に、ステップS3300で、演出ボタン制御手段2230は、演出ボタン120の経過を監視する監視制御処理を実行する。次に、ステップS3400で、演出ボタン制御手段2230は、演出ボタン120を復旧させるための再試行動作を実行する第1のリトライ処理を実行する。次に、ステップS3500で、演出ボタン制御手段2230は、演出ボタン120を復旧させるための再試行動作を実行する第2のリトライ処理を実行する。次に、ステップS3600で、演出ボタン制御手段2230は、演出ボタン120が正常に復旧したか否かを確認する動作確認処理を実行する。次に、ステップS3700で、演出ボタン制御手段2230は、ぱちんこ遊技機PMの電源断時に管理ステータスをバックアップ保存するための電源断時ステータス保存処理を実行する。以下、演出ボタン動作制御処理の各サブルーチンについて説明するが、その説明の理解を容易にするため、ステップS3100(突出動作処理)からステップS3700(電源断時ステータス保存処理)まで順番に説明した後、最後にステップS3000(電源投入時ステータス更新処理)を説明する。
次に、図16は、図14におけるステップS3100のサブルーチンに係る、突出動作処理のフローチャートである。まず、ステップS3102で、監視制御手段2232は、演出動作処理の実行要求が許可されているか否かを判定する。ステップS3102でYesの場合、すなわち、管理ステータスが「正常状態」である場合には、ステップS3104で、演出動作制御手段2231は、演出ボタン120を突出動作すべき実行タイミングであるか否かを判定する。ステップS3104でYesの場合、すなわち、突出動作の実行タイミングである場合には、演出動作制御手段2231は、演出動作パターンに従ってボタンモータ152を正転方向に回転駆動させ、演出ボタン120の突出動作を開始する。一方、ステップS3104でNoの場合、すなわち、突出動作の実行タイミングでない場合には、ステップS3108で、演出動作制御手段2231は、演出ボタン120がすでに突出動作中であるか否かを判定する。ステップS3108でYesの場合、ステップS3106をスキップして、ステップS3110に移行する。続いて、ステップS3110で、演出動作制御手段2311は、演出ボタン120が突出位置に到達したか否か(第2位置検出センサS2がオンになったか否か)を判定する。ステップS3110でYesの場合、すなわち、演出ボタン120が突出位置に到達した場合には、ステップS3112で、演出動作制御手段2311は、ボタンモータ152の回転を停止させて、演出ボタン120の突出動作を終了して、次の処理(ステップS3200の退避動作処理)に移行する。なお、ステップS3102、ステップS3108又はステップS3110でNoの場合にも、次の処理(ステップS3200の退避動作処理)に移行する。
次に、図17は、図14におけるステップS3200のサブルーチンに係る、退避動作処理のフローチャートである。まず、ステップS3202で、監視制御手段2232は、演出動作処理の実行要求が許可されているか否かを判定する。ステップS3202でYesの場合、すなわち、管理ステータスが正常状態である場合には、ステップS3204で、演出動作制御手段2231は、演出ボタン120を退避動作すべき実行タイミングであるか否かを判定する。ステップS3204でYesの場合、すなわち、退避動作の実行タイミングである場合には、ステップS3206で演出動作制御手段2231は、演出動作パターンに従ってボタンモータ152を逆転方向に回転駆動させ、演出ボタン120の退避動作を開始する。続いて、ステップS3208で、監視制御手段2232は、演出ボタン120の退避動作に要する時間を計時するためのタイマをスタートさせる。一方、ステップS3204でNoの場合、すなわち、退避動作の実行タイミングでない場合には、ステップS3210で、演出動作制御手段2231は、演出ボタン120がすでに退避動作中であるか否かを判定する。ステップS3210でYesの場合、ステップS3206及びステップS3208をスキップして、ステップS3212に移行する。続いて、ステップS3212で、演出動作制御手段2231は、演出ボタン120が退避位置に到達したか否か(第1位置検出センサS1がオンになったか否か)を判定する。ステップS3212でYesの場合、すなわち、演出ボタン120が退避位置に到達した場合には、ステップS3114で、演出動作制御手段2231は、ボタンモータ152の回転を停止させて、演出ボタン120の退避動作を終了する。このときボタンモータ152への通電はオン(但し、励磁相は切り換えずに励磁モードを維持した状態)であり、演出ボタン120はボタンモータ152に生じるホールディングトルクにより退避位置で保持される。
他方、ステップS3212でNoの場合、すなわち、未だ演出ボタン120が退避位置に到達していない場合には、ステップS3216で、監視制御手段2232は、タイマのカウント値が予め定められた規定復帰時間T1+ΔT1を経過したか否かを判定する。ここで、「規定復帰時間」とは、演出ボタン120が演出動作パターンに従って突出位置から退避位置に復帰することが予想される正常な復帰時間T1に、マージンとして所定時間Δ
T1を加算した時間である。なお、所定時間(マージン)ΔT1としては、例えば、正常な復帰時間T1に対して1.5倍から2倍の時間が設定される。ステップS3216でYe
sの場合、すなわち、規定復帰時間T1+ΔT1を経過している場合には、ステップS32
17で、監視制御手段2232は、管理ステータスが正常状態であるか否かを判定する。ステップS3218でYesの場合には、ステップS3218で、監視制御手段2232は、管理ステータスを正常状態から監視状態に遷移して、ステップS3220に移行する。そして、ステップS3220で、監視制御手段2232は、タイマのカウント値をゼロクリアして、次の処理(ステップS3300の監視制御処理)に移行する。他方、ステップS3216でNoの場合、すなわち、規定復帰時間T1+ΔT1を経過していない場合には、ステップS3220をスキップして、次の処理(ステップS3300の監視制御処理)に移行する。なお、ステップS3202又はステップS3210でNoの場合にも、次の処理(ステップS3300の監視制御処理)に移行する。
次に、図18は、図14におけるステップS3300のサブルーチンに係る、監視制御処理のフローチャートである。まず、ステップS3302で、監視制御手段2232は、管理ステータスが監視状態であるか否かを判定する。ステップS3302でYesの場合、すなわち、管理ステータスが監視状態である場合には、ステップS3304で、監視制御手段2232は、経過監視に係るタイムカウント中であるか否かを判定する。ステップS3304でNoの場合、ステップS3306で、監視制御手段2232は、監視状態に移行してからの時間の経過を監視するためのタイマをスタートさせる。続いて、ステップS3308で、演出ボタン制御手段2230は、ボタンモータ152への通電をオフにする。他方、ステップS3304でNoの場合、すなわち、既にタイムカウント中である場合には、ステップS3306及びステップS3308をスキップして、ステップS3310に移行する。続いて、ステップS3310で、監視制御手段2232は、タイマのカウント値が予め定められた経過監視時間T2を経過したか否かを判定する。例えば、演出ボ
タン120の復帰を妨げる障害が解消して自重等によって退避位置に復帰する場合や、遊技者による押圧操作によって演出ボタン120が退避位置に戻される場合があるからである。ステップS3310でYesの場合、すなわち、経過監視時間T2を経過した場合に
は、ステップS3312で、演出ボタン120が退避位置に復帰したか否か(第1位置検出センサS1がオンになったか否か)を判定する。ステップS3312Yesの場合、ステップS3314で、監視制御手段2232は、管理ステータスを監視状態から正常状態に遷移する。
他方、ステップS3312でNoの場合、ステップS3316で、監視制御手段2232は、演出動作処理の実行要求を中止(禁止)させる。続いて、ステップS3318及びステップS3320で、リトライ動作制御手段2234は、リトライカウンタに「0」を設定するとともに、リトライWAITカウンタに「1」を設定する。続いて、ステップS3322で、リトライ動作制御手段2234は、駆動パターン選択カウンタに「0」を設定して、ステップS3324へ移行する。続いて、ステップS3324で、監視制御手段2232は、タイマのカウント値をゼロクリアする。そして、ステップS3326で、演出ボタン制御手段2230は、ボタンモータ152への通電をオンに戻して、次の処理(ステップS3400の第1のリトライ処理)へ移行する。
次に、図19は、図14におけるステップS3400のサブルーチンに係る、第1のリトライ処理のフローチャートである。ステップS3402で、監視制御手段2232は、管理ステータスが「監視状態」であるか否かを判定する。ステップS3402でYesの場合、すなわち、管理ステータスが「監視状態」である場合には、ステップS3404で、リトライ動作制御手段2234は、リトライWAITカウンタが「1」であるか否かを判定する。このとき、「監視状態」でこの処理に移行してきた場合には、前述のステップS3318でリトライWAITカウンタに「1」が設定されている筈なので、このステップS3404でYesとなり、次のステップS3406に移行する。続いて、ステップS3406で、リトライ動作制御手段2234は、ボタンモータ152を所定の駆動パターンに従って回転駆動し、演出ボタン120を退避位置に復帰させるためのリトライ動作(
第1のリトライ動作)を実行する。このとき、監視状態からこの処理に移行してきた場合には、前述のステップS3320で、駆動パターン選択カウンタに「0」が設定されている筈なので、図11に示す駆動パターン選択テーブルから駆動パターン0(加速度:中、駆動速度:中)が選択される。続いて、ステップS3408で、リトライ動作制御手段2234は、演出ボタン120が退避位置に復帰したか否か(第1位置検出センサS1がオンになったか否か)を判定する。ステップS3408でYesの場合、すなわち、退避位置に復帰した場合には、ステップS3410で、監視制御手段2232は、管理ステータスを「監視状態」から「正常状態」に遷移する。続いて、ステップS3412及びステップS3414で、リトライ動作制御手段2234は、リトライカウンタに「0」を設定するとともに、リトライWAITカウンタに「0」を設定する。続いて、ステップS3416で、リトライ動作制御手段2322は、駆動パターン選択カウンタに「0」を設定する。そして、演出ボタン制御手段2230は、演出動作処理の実行要求を許容(再開)して、次の処理に移行する。
他方、ステップS3408でNoの場合、すなわち、演出ボタン120が退避位置に復帰しなかった場合には、ステップS3420で、監視制御手段2332は、管理ステータスを「監視状態」から「仮の異常状態」に遷移する。続いて、ステップS3422で、リトライ動作制御手段2234は、リトライカウンタに「1」を加算する。このとき、「監視状態」でこの処理に移行してきた場合には、リトライカウンタには「1」が設定される。続いて、ステップS3424で、リトライ動作制御手段2234は、リトライWAITカウンタにWAIT時間T3として「リトライカウンタ値×500+1(ms)」を設定
する。このとき、「監視状態」でこの処理に移行してきた場合には、リトライWAITカウンタには501(ms)が設定される。そして、ステップS3426で、リトライ動作制御手段2234は、駆動パターン選択カウンタに「1」を加算して次の処理に移行する。このとき、「監視状態」でこの処理に移行してきた場合には、駆動パターン選択カウンタには「1」が設定される。
次に、図20は、図14におけるステップS3500のサブルーチンに係る、第2のリトライ動作制御処理のフローチャートである。ステップS3502で、監視制御手段2232は、リトライカウンタが0であるか否かを判定する。ステップS3502でYesの場合、すなわち、リトライカウンタが0でない場合(第2のリトライ処理の実行要求がある場合)には、ステップS3504で、リトライ動作制御手段2234は、リトライWAITカウンタが「1」であるか否かを判定する。なお、リトライWAITカウンタの値は、図20の右側に付記するタイマ割込み処理において、1msが経過する毎に「1」減算されることとなる。従って、このタイマ割込み処理によって、リトライWAITカウンタの値が1となった場合、すなわち、ステップS3422においてリトライWAITカウンタに設定されたWAIT時間T3が経過した場合(「仮の異常状態」でこの処理に移行し
てきた場合には「500ms」が経過した場合)、このステップS3504でYesとなり、次のステップS3506に移行する。つまり、本処理では、リトライWAITカウンタに設定されたWAIT時間T3が経過する毎に、リトライ動作が実行されることとなる
。
続いて、ステップS3506で、リトライ動作制御手段2234は、ボタンモータ152を所定の駆動パターンに従って回転駆動し、演出ボタン120を退避位置に復帰させるためのリトライ動作(第2のリトライ動作)を実行する。このとき、「仮の異常状態」からこの処理に移行してきた場合には、前述のステップS3420で、駆動パターン選択カウンタに「1」が設定されている筈なので、駆動パターン選択テーブルから駆動パターン1(加速度:小、駆動速度:遅)が選択される。続いて、ステップS3508で、リトライ動作制御手段2234は、演出ボタン120が退避位置に復帰したか否か(第1位置検出センサS1がオンになったか否か)を判定する。ステップS3508でYesの場合、
すなわち、退避位置に復帰した場合には、ステップS3510で、監視制御手段2232は、管理ステータスを「監視状態」から「仮の正常状態」に遷移する。続いて、ステップS3512及びステップS3514で、リトライ動作制御手段2234は、リトライカウンタに「0」を設定するとともに、リトライWAITカウンタに「0」を設定する。続いて、ステップS3516で、リトライ動作制御手段2322は、駆動パターン選択カウンタに「0」を設定する。続いて、ステップS3518で、監視制御手段2232は、演出関連情報一時記憶手段2300のフラグ領域にアクセスして、リトライ完了フラグをオンにする。ここで、リトライ完了フラグとは、第2のリトライ処理によって演出ボタン120が退避位置に復帰した場合にオンとなるフラグである。他方、ステップS3508でNoの場合、すなわち、演出ボタン120が退避位置に復帰しなかった場合には、ステップS3522で、監視制御手段2332は、管理ステータスを「異常状態」に遷移する。続いて、ステップS3524で、リトライ動作制御手段2234は、リトライカウンタに「1」を加算する。続いて、ステップS3526で、リトライ動作制御手段2234は、リトライWAITカウンタに「リトライカウンタ値×500+1(ms)」を設定する。このように、リトライ動作によって演出ボタン120が退避位置に復帰しない限りは、リトライカウンタ及びリトライWAITカウンタの値が増加していき、次回のリトライ動作が実行されるまでのWAIT時間(実行間隔)T3が長くなっていく。そして、ステップS
3528で、リトライ動作制御手段2234は、駆動パターン選択カウンタに「1」を加算して次の処理に移行する。このように、リトライ動作によって演出ボタン120が退避位置に復帰しない限りは、駆動パターン選択カウンタの値が増加していき、次回以降のリトライ動作で実行される駆動パターンが順次切り換えられていく(駆動パターン1→2→3→4→…→8→0)。以上のように、この第2のリトライ処理(ステップS3500)では、演出ボタン120がリトライ動作によって退避位置に復帰するまでは、駆動パターン及び実行間隔を変えながら繰り返し実行される。
次に、図21は、図14におけるステップS3600のサブルーチンに係る、動作確認処理のフローチャートである。まず、ステップS3602で、監視制御手段2232は、管理ステータスが「仮の正常状態」であるか否かを判定する。ステップS3602でYesの場合、ステップS3604で、監視制御手段2232は、演出関連情報一時記憶手段2300のフラグ領域を参照して、リトライ完了フラグがオンであるか否かを判定する。ステップS3604でYesの場合、ステップS3606で、演出動作制御手段2231は、演出動作確認回数Nに初期値として「0」を設定する。ここで、演出動作確認回数Nとは、演出動作処理の実行要求が再開された場合に、該演出動作が予め定められた規定回数だけ連続して正常に完了したか否かを判定するための値である。続いて、ステップS3608で、監視制御手段2232は、演出関連情報一時記憶手段2300のフラグ領域にアクセスして、リトライ完了フラグをオフにする。続いて、ステップS3610で、演出動作制御手段2321は、演出動作処理が正常に完了したか否かを判定する。ステップS3610でYesの場合、すなわち、演出動作処理が正常に完了した場合には、ステップS3612で、監視制御手段2232は、演出動作確認回数Nに「1」を加算する。続いて、ステップS3614で、監視制御手段2232は、演出動作確認回数Nが予め定められた規定回数に達したか否かを判定する。ステップS3614でYesの場合、すなわち、演出動作確認回数Nが規定回数に達した場合(演出動作が連続して規定回数だけ完了した場合)には、ステップS3616で、監視制御手段2232は、管理ステータスを「仮の正常状態」から「正常状態」へ遷移して、次の処理に移行する。
他方、ステップS3610でNoの場合、すなわち、演出動作処理を完了していない場合には、ステップS3618で、監視制御手段2232は、演出ボタン120が規定復帰時間T1+ΔT1内に退避位置へ復帰しなかったか否かを判定する。ステップS3618でYesの場合、すなわち、演出ボタン120が規定復帰時間T1+ΔT1内に復帰しなかった場合には、ステップS3620で、監視制御手段2232は、管理ステータスを「仮の
正常状態」から「仮異常状態」に戻して、次の処理に移行する。
次に、図22は、図14におけるステップS3700のサブルーチンに係る、電源断時ステータス保存処理のフローチャートである。まず、ステップS3702で、サブ制御基板2000は、ぱちんこ遊技機PMの電源が遮断されたか否か、すなわち、電源断信号(NMI信号)を受信したか否かを判定する。なお、NMI信号を受信した場合には、他の処理が実行中であっても他の処理を中断して当該処理を優先実行するように構成されている。ステップS3702でYesの場合、ステップS3704で、サブ制御基板2000は、ステータス記憶手段(ステータスレジスタ)2233に設定された管理ステータスをRAMのバックアップ領域に退避する。次に、ステップS3706で、サブ制御基板2000は、RAMへのアクセスを禁止し、CPUのリセットがなされるまで、当該処理をループする。なお、電源断後は、電源基板4000のバックアップ電源回路からサブ制御基板2000のRAMへバックアップ電源が供給され、電源断時におけるRAMの記憶内容がバックアップデータとして保持される。
次に、図15は、図14におけるステップS3000のサブルーチンに係る、電源投入時ステータス更新処理のフローチャートである。まず、ステップS3002で、サブ制御基板2000は、ぱちんこ遊技機PMに電源が投入されたか否かを判定する。続いて、ステップS3004で、サブ制御基板2000は、電源断時にRAMのバックアップ領域に退避させた管理ステータスを復帰する。続いて、ステップS3006で、電源投入時処理制御手段2235は、演出ボタン120の復帰駆動処理(初期動作)を実行する。続いて、ステップS3008で、電源投入時処理制御手段2235は、復帰駆動処理(初期動作)が正常に完了したか否か、すなわち、最終的に演出ボタン120が退避位置に復帰したか否かを判定する。ステップS3008でYesの場合、すなわち、復帰駆動処理が正常に完了した場合には、ステップS3010で、監視制御手段2232は、電源遮断時に記憶しておいた管理ステータスを昇格させて、これを新たな管理ステータスとしてステータス記憶手段2233に設定する。他方、ステップS3008でNoの場合、すなわち、復帰駆動処理が正常に完了しなかった場合には、ステップS3012で、監視制御御手段2232は、電源遮断時に記憶しておいた管理ステータスを降格させて、これを新たな管理ステータスとしてステータス記憶手段2233に設定する。
[作用]
次に、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの作用について、図23を追加参照して説明する。ここで、図23は演出ボタン120の動作状態を説明するための状態遷移図である。
まず、管理ステータスが「正常状態」のとき、演出ボタン120が所定の演出動作パターンに従って突出位置から退避位置へ退避動作する場合を考える(S1)。このとき、演出ボタン120が規定復帰時間T1+ΔT1以内に退避位置へ復帰した場合には、管理ステータスを「正常状態」で維持する(S2)。他方、演出ボタン120が正常な復帰時間T1よりも早いタイミングで退避位置へ復帰した場合でも、管理ステータスを「正常状態」
で維持する(S3)。例えば、演出ボタン120の退避動作よりも早いタイミングで、遊技者により演出ボタン120が押圧操作された場合などが該当し、この場合には不具合が発生している可能性が低いため、管理ステータスを遷移させない。これに対して、演出ボタン120が規定復帰時間T1+ΔT1を経過しても退避位置へ復帰しない場合には、管理ステータスを「正常状態」から「監視状態」に移行し、ボタンモータ152への通電をオフにしてその経過を監視する(S4)。このとき、経過監視時間T2を経過する前に、演
出ボタン120が退避位置へ復帰した場合には、管理ステータスを「監視状態」から「正常状態」に移行する(S5)。例えば、遊技者による動作妨害で演出ボタン120が復帰できなかった場合には、この経過監視中に該妨害行為が中断されて、演出ボタン120が
退避位置へ復帰することが期待される。他方、経過監視時間T2を経過しても、演出ボタ
ン120が退避位置へ復帰しない場合には、演出動作処理時と同一の駆動パターンに従って第1のリトライ処理を即実行する(S6)。例えば、演出ボタン120に生じた不具合が軽微な場合には、もう一度同じ駆動パターンで演出ボタン120の復帰動作を再試行することにより、演出ボタン120が退避位置へ復帰することが期待されるからである。このリトライ処理によって、演出ボタン120が退避位置へ復帰した場合には、管理ステータスを「監視状態」から「正常状態」に移行する(S7)。他方、リトライ処理によって演出ボタン120が退避位置へ復帰しなかった場合には、管理ステータスを「監視状態」から「仮の異常状態」に移行し、演出動作処理の実行要求を中止する(S8)。
そして、WAIT時間T3の経過後に、演出動作処理時とは異なる駆動パターンに変更
して、第2のリトライ処理を実行する(S9)。この第2のリトライ処理を実行しても演出ボタン120が退避位置へ復帰しなかった場合には、管理ステータスを「仮の異常状態」から「異常状態」へ移行して、演出ボタン120が退避位置へ復帰するまでリトライ処理が継続して行われる(S10)。そして、リトライ処理が実行される毎に、WAIT時間T3の間隔を徐々に長く設定するとともに、駆動パターンを変更して(加速度及び駆動
速度の組み合わせを変えて)、このWAIT時間T3の経過後にリトライ処理を再度実行
する。他方、第2のリトライ処理によって演出ボタン120が退避位置へ復帰した場合には、管理ステータスを「仮の正常状態」に移行して、演出動作処理の実行要求を許可する(S11)。ここで、演出ボタン120が退避位置に復帰しても直ちに「正常状態」に戻さないのは、「異常状態」又は「仮の異常状態」で演出ボタン120が1回復帰しただけでは、演出ボタン120に生じた不具合が本当に解消されたどうかを判断するのは困難であるからである。
演出動作処理が再開されて、演出ボタン120が規定回数N以内に動作不良となった場合(すなわち、退避位置に復帰しなかった場合)には、管理ステータスを「仮の正常状態」から「仮の異常状態」に再び戻して、WAIT時間T3の経過後に再びリトライ動作を
実行させる(S12)。これに対して、演出動作が規定回数Nの全てにおいて正常に動作完了した場合(すなわち、演出動作の終了時に退避位置に復帰した場合)には、管理ステータスを「仮の正常状態」から「正常状態」へ復帰させる(S13)。以降、管理ステータスが「正常状態」であることを条件に、演出上の所定の契機が成立する度に演出動作処理が実行される。
以上、本発明を例示する態様(1)では、演出ボタン120を所定の演出動作パターンに従って進退動作させる演出動作処理の制御を行う演出動作制御手段2231と、演出ボタン120の動作状態を監視して、当該動作状態を、演出動作処理を許容する「正常状態」、演出動作処理を禁止する「異常状態」、演出動作処理を暫定的に許容する「暫定的正常状態(仮の正常状態)」、演出動作処理を暫定的に禁止する「暫定的異常状態(仮の異常状態)」、及び所定期間の経過を監視する「監視状態」、のいずれかを示すステータス情報(管理ステータス)として取得する監視制御手段2232と、ステータス情報を記憶保持するステータス記憶手段2233と、演出ボタン120を所定の駆動パターンに従って退避位置へ復帰させるためのリトライ動作を実行するリトライ動作制御手段2234と、を有して構成される。
従って、上記態様(1)に従えば、演出ボタン120の動作状態を正常か異常かの画一的な判断に依拠することなく、該動作状態を適正かつ柔軟に管理することができるとともに、動作状態の誤判定による弊害を未然に防止することが可能になるという効果を奏する。
本発明を例示する態様(2)では、演出ボタン120が演出動作パターンに従って進退
動作した後に退避位置へと復帰しなかった場合、ステータスを「正常状態」から「監視状態」へ遷移させるとともに、演出ボタン120を退避位置へ復帰させるためのリトライ動作を実行し、当該リトライ動作を実行しても演出ボタン120が退避位置へ復帰しなかった場合に、ステータスを「監視状態」から「暫定的異常状態」に遷移させるとともに、リトライ動作を再度実行し、当該再度のリトライ動作によって演出ボタン120が退避位置へ復帰したときはステータスを「暫定的異常状態」から「暫定的正常状態」に遷移させ、当該再度のリトライ動作によって演出ボタン120が退避位置へ復帰しなかったときはステータスを暫定的「異常状態」から「異常状態」に遷移させるよう構成される。
従って、上記態様(2)に従えば、従来のように所定のリトライ動作(例えば、演出動作と同じ動作パターンによる再試行動作)を実行して1度でも復帰しなかった場合に、直ちに異常状態であると終局的な判断をしてそれ以降の演出動作処理を中止するのではなく、一旦、ステータスを「暫定的異常状態」で留保しておきリトライ動作を継続実行することで、演出ボタン120の復旧の機会を最大限確保することができる。
本発明を例示する態様(3)では、演出ボタン120がリトライ動作によって退避位置へ復帰して、ステータスが「暫定的正常状態」に遷移した場合には、演出ボタン120を所定の規定回数だけ進退動作させ、当該規定回数の進退動作を正常に完了したときにステータスを「暫定的正常状態」から「正常状態」に復帰させるよう構成する。
従って、上記態様(3)に従えば、従来のように所定のリトライ動作を実行して退避位置へ復帰した場合に直ちに「正常状態」と判断して演出動作処理を再開させるのではなく、一旦、ステータスを「暫定的正常状態」で留保しておき、規定回数の動作確認を実行することで、演出ボタン120の動作不良が本当に解消されたのかどうかを正確に判定することが可能となり、演出動作処理を再開した直後に動作不良が再び発生するのを未然に防止できる。
また、本発明を例示する態様(4)では、ステータスが「正常状態」から「監視状態」に遷移した場合、演出ボタン120を所定時間だけ経過監視した後に、演出ボタン120を退避位置へ復帰させるためのリトライ動作を実行するよう構成される。
従って、上記態様(4)に従えば、リトライ動作を実行する前に所定時間の経過を監視することで、この経過監視中に遊技者による動作妨害や軽微な不具合が解消され、リトライ動作を成功させる可能性を高めることが可能である。なお、この経過監視中にボタンモータ(駆動源)152への通電を遮断するように構成してもよい。
本発明を例示する態様(5)では、演出ボタン120が演出動作パターンに従って退避位置に復帰しなかった場合に、ステータスを「正常状態」から「監視状態」へ遷移させるとともに、演出ボタン120を退避位置へ復帰させるためのリトライ動作を実行し、当該リトライ動作が実行されても演出ボタン120が退避位置へ復帰しなかった場合は、ステータスを「監視状態」から「暫定的異常状態」に遷移させるとともに、演出ボタン120が退避位置へ復帰するまでリトライ動作を継続的に実行し、リトライ動作の実行回数が増加するに従って、次回のリトライ動作が開始されるまでの時間間隔を長くするとともに、リトライ動作が実行される毎に、リトライ動作パターンを変更するよう構成される。
従って、上記態様(5)に従えば、リトライ動作が実行される毎に、該動作の実行間隔と駆動パターンとを変化させて、演出動作とは異なる変則的なリトライ動作を実行せしめることで、演出ボタン120に生じた不具合(例えば、機構部品同士の引っ掛かり等の機械的な不具合)が次第に解消され、演出ボタン120を退避位置に復帰させる可能性を高めることが可能である。
また、本発明を例示する態様(6)では、ぱちんこ遊技機PMの電源遮断時にステータス情報を保存するサブ制御基板2000のRAMと、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に演出ボタン120に所定の初期動作(復帰駆動処理)を実行させる電源投入時処理制御手段2235とを有し、当該電源投入時に初期動作が正常に完了したか否かを判定して、当該判定結果に応じてステータスを更新するよう構成される。
従って、上記態様(6)に従えば、電源断時にステータス情報をバックアップ保存し、この保存したステータス情報を電源投入時の初期動作の判定結果に基づき更新することで、演出ボタン120の動作状態を電源投入時から適正且つ効率的に管理することができるとともに、電源断復帰時に遊技を円滑に再開して電源断復帰後の演出動作制御の信頼性を高めることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。
上述の実施形態において、管理ステータスに関する情報を所定の表示手段により報知するように構成してもよい。例えば、管理ステータスが「仮の異常状態」又は「異常状態」に遷移したときに、演出表示装置70上において当該異常を報知するように構成してもよい。また、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、過去の管理ステータスの履歴情報として、「仮の異常状態」及び「異常状態」が発生した回数を演出表示装置70上において表示してもよい。また、サブ制御基板2000等に、RTC(Real Time Clock)等の計時手
段を搭載している場合には、「仮の異常状態」及び「異常状態」が発生した発生時刻や発生間隔を併せて表示して、演出ボタンユニット100の不具合状況をより詳細に把握できるようにしてもよい(これにより異常発生傾向の解析が容易となる)。
また、上述の実施形態において、演出ボタン120を下方に付勢するコイルバネ(引張コイルバネ)をケース筐体110に配設し、ボタンモータ152への通電遮断時にコイルバネの付勢力によって演出ボタン120が突出位置から退避位置へ自動的に戻るように構成してもよい。すなわち、演出ボタン120が突出位置に存在する状態において、ボタンモータモータ152を通電状態にしているときはホールディングトルク(励磁保持トルク)によって演出ボタン120が退避位置で保持され、ボタンモータ152を非通電状態としたときにはコイルバネの付勢力によって演出ボタン120が退避位置へ復帰するように構成する。このような構成によれば、管理ステータスが「監視状態」である場合に、ボタンモータ152への通電を遮断することで、所定時間の経過監視中に演出ボタン120が退避位置へ復帰する可能性が高まるからである。
また、上述の実施形態において、管理ステータスが「仮の異常状態」又は「異常状態」へ遷移して、演出動作処理の実行要求が中止された場合には、演出ボタン120の入力操作を条件とする演出(予告演出など)を行わないよう制御することが望ましい。
また、上述の実施形態において、管理ステータスが「仮の異常状態」又は「異常状態」に遷移して、演出動作処理の実行要求が中止された場合には、演出ボタン120の入力機能を、ガラス枠5の前面側に搭載された十字キーや決定ボタン、他の入力デバイス等で代用してもよい。
また、上述の実施形態では、リトライ処理における駆動パターンの変更として、加速度と駆動速度との組み合わせのパターンを変更しているが、この構成に限定されるものではなく、加速度及び駆動速度の一方のみを変更したり、駆動時間、駆動トルクなどの他の条件を付加してもよい。また、駆動パターンの変更として、ボタンモータ(ステッピングモ
ータ)152の励磁方式(例えば、1−1相励磁、1−2相励磁、2−2相励磁など)を変更してもよい。
また、上述の実施形態では、可動演出体としての演出ボタン120を上下方向に進退動作(押圧操作)する構成を例示して説明したが、この構成に限定されるものではなく、例えば、前後方向、左右方向など他の方向に押圧操作する構成であってよい。
また、上述の実施形態では、演出ボタンユニット100を上球皿8の前面側に設置した構成を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、演出ボタンユニット100を下球皿9などの他の部位に設置してもよく、いずれにしても遊技者が操作可能な位置に設けられていればよい。
なお、上述の実施形態においては、演出ボタンユニットをぱちんこ遊技機に適用した場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、ぱちんこ遊技機以外の遊技機、例えば、スロットマシン、アレンジボール機、雀球遊技機、封入式遊技機(所定個数の遊技球を機内に封入して循環使用する遊技機)等の他の遊技機、更にはメダル遊技機、ゲーム機などのアミューズメント機器、に適用することができ、同様の効果を得ることができる。