以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に本発明の表示制御装置の一例としてのデジタルカメラ100の外観図を示す。表示部28は画像や各種情報を表示する表示部である。シャッターボタン61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。操作部70はユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材より成る操作部である。操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコン(表示アイテム)を選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば再生ボタン74、メニューボタン75、戻るボタン76等がある。例えば、メニューボタン75が押されると表示設定を含む各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。コントローラホイール73は操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替えるための押しボタンである。記録媒体200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となり記録や再生が可能となる。蓋202は記録媒体スロット201の蓋である。図においては、蓋202を開けて記録媒体スロット201から記録媒体200の一部を取り出して露出させた状態を示している。照度計測部57は、デジタルカメラ100の周辺の照度を計測する照度センサーである。
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
図2において、撮影レンズ103はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。シャッター101は絞り機能を備えるシャッターである。撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。バリア102は、デジタルカメラ100の、撮影レンズ103を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画や所定時間の動画および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像(ライブビュー画像)を表示可能である。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのコンピュータプログラムのことである。
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
モード切替スイッチ60、シャッターボタン61、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える(モード設定する)。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60で、これらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、メニュー画面に一旦切り換えた後に、メニュー画面に含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。メニュー画面には他に編集モードもあり、編集モードにおいては選択した画像に効果をかけたり、他の画像と合成をしたり、大きさを変えたりする等の画像編集を行うこともできる。
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや光ディスク、磁気ディスク等から構成される。
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号等の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
照度計測部57は、デジタルカメラ100がある環境周辺の照度を計測する照度センサーである。
表示制御部55は表示部28の光学輝度を変更することができる。表示の光学輝度変更はバックライト等の輝度調整装置を調整することででき、本実施形態においては、表示の光学輝度は0cd/m2〜300cd/m2程度の間で調整することができるものとする。また、表示制御部55は、表示部28に表示する画像及び表示アイテムをなす画素の各RGB成分の割合を変更することができる。RGB成分は0〜255の256段階で変更可能であるが、もともとの(R成分、G成分、B成分)が(150、25、250)であった場合に(255、50、20)といったようにそれぞれを変更することができる。RGB成分の値は、表示制御部55によって検出可能(取得可能)であるが、各画像や表示アイテムと共に不揮発性メモリ56に記憶しておいてもよい。各画素の色彩を変更する方法としては、RGB信号の成分を変更するだけでなく、少なくとも青色成分(B成分)の値を変更可能であればRGB信号処理に限らない。
暗所ではユーザが暗順応していない間は画像や表示アイテムといった表示が見えにくく、特に撮影においてはこれらの表示が見えないと撮影結果に影響を及ぼすことがある。よって、暗所においてはより早く暗順応し、また暗順応がとけにくいような表示をした方がよい。暗所において青色成分(RGB成分ではB成分)の高い画像はユーザの暗順応を妨げる可能性がある。そこで、表示中の画像の青色成分の明度が暗順応を妨げる所定以上の値である場合には、暗順応を妨げない赤色表示(暗所表示)に表示中の画像の色彩成分を切り替えて表示させることがある。青色成分をユーザの暗順応が妨げられない程度に低減させて表示することで、暗順応を妨げない画像を表示することができる。さらに、青色成分を低減させると、暗順応を妨げない色彩成分である赤色に近づくような色彩で表示中の画像が表示(赤色表示)され、ユーザの視認性も保つことができる。
本実施形態においては、暗所表示(赤色表示)をする際にRGB信号処理を行う。B成分を所定以下にして画像を表示するような赤色(または赤色と黒色)で画像や表示を認識できるような表示をすると、画面の視認性や設定等を行う際の操作性が向上する。
本実施形態で暗所表示をするための処理は、もともとの画像が赤色に近づくように各画素のB成分の明度を0まで低減させることにより行う。ただし、表示アイテム等の予め表示するものが決まっている場合には毎回画素ごとにB成分を低減させる処理(暗所表示処理)を行わなくてもよく、暗所表示のための表示アイテムをメモリ32に記録して、表示をするようにしてもよい。なお、上述した暗所表示処理における各RGBの割合は一例であり、この限りではなく、B成分を0にしなくてもよいし、B成分とともにG成分も低減させるようにしてもよい。さらに、B成分を低減させたことに応じてR成分の明度をあげるようにしてもよい。また、ユーザの視認性がさらに向上するようにR成分を上げて表示をするようにしてもよい。表示制御部55が行うものとして説明する暗所表示処理は、画像処理部24で行うものとしてもよい。
また、表示の輝度(Y信号)は一般的には、Y=(0.2990×R)+(0.5870×G)+(0.1140×B)で求めることができる。RGB成分より求められる明るさは通常Y信号と呼ばれ、Y信号の値が大きいほどユーザは明るいと感じる画像になる。Y信号が高い画像は、ユーザが明るいと感じる画像である。暗所において撮影されるような星空等の夜景はY信号が低いが、青空の下や明るい室内で撮影されたような画像はY信号が高くなる。例えば、青空の画像や明るい室内等の明るい場所で撮影された画像を暗所で表示すると光学輝度を下げて表示をしたとしても、Y信号が高くユーザがまぶしいと感じることがある。よって、暗順応ではなく、ただユーザが明るいと感じる画像を表示しない場合には、Y信号によって画像の明るさを判定してもよい。また、暗所でユーザに表示した場合に、ユーザの視認性が低下するか否かをY信号に加えてB成分の値により判定するようにしてもよい。
本実施形態においては、表示部28の光学輝度は、照度計測部57によって検出された周囲の照度に応じて表示制御部55が光学輝度を明るくしたり暗くしたりする。周囲の照度が明るければ光学輝度も明るく、周囲の照度が暗ければ光学輝度も暗くなるように制御する。
図3のフローチャートを用いて、本実施形態における画像表示について図7〜図9を使用して説明する。画像表示のフローは、デジタルカメラ100に電源が入り、表示部28への表示が可能になると開始する。この処理は、不揮発性メモリ56に記録されたプログラムをシステムメモリ52に展開してシステム制御部50が実行することで実現する。
S301では、システム制御部50は、表示設定が選択されたか否かを判定する。表示設定が選択されたと判定した場合は、S302へ進み、そうでない場合は、S303へ進む。表示設定ではデジタルカメラ100の表示に関する設定であり、明るさ設定、文字の大きさ設定、表示のレイアウト設定、暗所表示設定等の様々な設定を行うことができる。また、表示設定はメニューボタン75の押下により表示されるメニュー画面において選択することができる。
S302では、システム制御部50は、表示設定を行う。表示設定については、図4の表示設定のフローで説明する。
S303では、システム制御部50は、暗所表示設定がONであるか否かを判定する。暗所表示設定がONであると判定した場合は、S304へ進み、そうでない場合は、S317へ進む。
S304では、システム制御部50は、撮影モードが開始されたか否かを判定する。撮影モードが開始されたと判定された場合は、S318へ進み、そうでない場合は、S305へ進む。撮影モードは、シャッターボタン61の押下やタッチパネル上の撮影開始指示の操作等に応じて、静止画または動画の撮影を開始することができるモードである。撮影モードにおいてライブビュー画像を表示部28に表示すると、ユーザは撮影される画像を確認しながら撮影の開始指示をすることができる。初期設定では、電源を入れると最初にライブビュー画面が表示され、すぐに撮影を行えるようになっている。また、撮影モードから再生ボタン74の押下により再生モードに切り替え、再生画面が表示されている状態から再生ボタン74を押すと撮影モードに切り替わりライブビュー画面が表示される。同様に、メニュー画面が表示されている状態からメニューボタン75を押下すると撮影モードになりライブビュー画面が表示される。
S305では、システム制御部50は、再生モードが開始されたか否かを判定する。再生モードが開始されたと判定した場合は、S306へ進み、そうでない場合は、S302へ戻る。再生モードは、撮影画面やメニュー画面が表示部28に表示されている時に再生ボタン74を押下すると開始される。
S306では、システム制御部50は、表示アイテムを暗所表示処理して表示部28に表示する。図7(b)、(c)に示すように再生画面において再生画像ではない表示アイテム705〜707、709〜710の表示色彩が赤色(赤色表示)になるように暗所表示処理して表示する。図7は表示部28に再生画面を表示した場合の例を示しており、図7(a)は暗所表示がOFFの場合の再生画面の一例である。また、図7(b)は暗所表示がONの場合に青色成分が所定以上の(暗順応を妨げる可能性の高い)画像を再生した場合の再生画面の一例である。図7(c)は暗所表示がONの場合に青色成分が所定未満の(暗順応を妨げる可能性の低い)画像を再生した場合の再生画面の一例を示したものである。図7(a)の表示アイテム702、703は図7(b)、(c)のように暗所表示処理されていない場合の表示アイテムを示している。再生画面において表示アイテムは、暗所表示設定がONになっていれば暗所表示処理されて表示される。
S307では、システム制御部50は、スライドショーが開始されたか否かを判定する。スライドショーが開始されたと判定した場合は、S308へ進み、そうでない場合は、S310へ進む。スライドショーは、不揮発性メモリ56に記憶されている画像を2秒や4秒といった所定時間が経過する毎に次々に表示部28に表示するものである。ユーザは表示する画像を切り替える操作をしなくても(手動画像切替えしなくても画像が自動切替えされ)複数枚の画像を確認、鑑賞することができる。スライドショーは再生画面用の設定画面(表示モード設定の画面)から開始の指示をすることができる。スライドショーで再生する画像は不揮発性メモリ56に記録されている画像全てでも、撮影された日にち毎でもよいし、ユーザが再生する画像を設定してもよい。スライドショーは再生する画像が全て1回ずつ再生された、もしくは、ユーザの操作によりスライドショーが中止されたことに応じて終了するものとする。
S308では、システム制御部50は、表示する画像を所定時間毎に切替え、順次画像を表示していく。スライドショーは観賞のために行っている可能性が高いため青色成分が多い、または輝度が高い画像であっても暗所表示処理を行わずにそのまま表示をする。
S309では、システム制御部50は、スライドショーが終了したか否かを判定する。スライドショーが終了したと判定した場合は、S314へ進み、そうでない場合は、S308へ戻りスライドショーを続ける。
S310では、システム制御部50は、次に表示する画像の青色成分を計測する。画像の青色成分の計測については図6の青色成分の計測のフローで説明する。
S311では、システム制御部50は、S310において次に表示する画像の青色成分が所定以上(所定値以上)であったか否かを判定する。図6に示すフローにおいてシステムメモリ52に記録されている青色成分が所定以上であるか所定未満であるかに応じて、S311では次に表示する画像の明るさを判定する。青色成分が所定以上であったと判定した場合は、S312へ進み、そうでない場合は、S313へ進む。なお、画像の属性情報から画像の撮影時刻や撮影モード等を読みとり、画像が撮影された際の情報を取得して(すなわち画像自体は解析することなく)、この情報に基づいて判定するものとしてもよい。つまり、属性情報に暗所において撮影されたことを含む情報があれば、暗所表示処理をしないようにする。撮影時刻が夜間の時刻であったり、暗所用の撮影モードで撮影されたことを示す属性情報が記録されていた場合は、暗所表示処理をしないようにする。また、画像の属性情報に既に解析済みのRGBヒストグラムの情報(各色成分の割合を示す情報)が記録されている場合には、この情報に基づいて判定するものとしてもよい。
S312では、システム制御部50は、次に表示する画像を図7(b)に示すように暗所表示処理して表示する。図7(b)の再生画像704は、図7(a)の再生画像701を暗所表示処理した画像である。この時に不揮発性メモリ56に本来記録されている画像とは異なる色彩の画像を表示していることを示す色彩変更表示707を表示部28に表示する。このように本来記録されている色彩とは異なる画像であることを示す表示をすることにより、ユーザは赤色表示されている画像が記録されているわけではないことを認識することができる。
S313では、システム制御部50は、次に表示する画像を図7(c)に示すように記録されているRGB成分のまま表示(通常表示)する。青色成分が所定値よりも小さいような画像であれば暗所においてそのまま表示してもよい。また、暗所において撮影した画像は青色成分が所定未満である可能性が高く、暗所において撮影した画像をすぐに確認したい場合には、そのままのRGB成分で表示した方が撮影した画像をより正確に確認することができる。そのため、暗所において撮影された画像は、赤色表示するよりも正確に表示して表示精度を向上させるようにする。一方で明所において撮影された画像は、暗所において色彩を正確に(明所で撮影されたままの画像を)表示すると暗順応を大きく阻害する可能性が高いので、正確に表示するよりも赤色表示をするようにする。
S314では、システム制御部50は、再生モードが終了したか否かを判定する。終了したと判定した場合には、S316へ進み、そうでない場合は、S315へ進む。再生モードの終了は、再生モード以外の撮影モードやメニュー画面に切替えたり、電源がOFFになったりすることである。
S315では、システム制御部50は、画像送り(画像切替え)が行われたか否かを判定する。画像送りが行われたと判定した場合には、S310に戻り該画像送りの指示により現在表示されている画像ではなく、次に再生されると指示された画像の青色成分が所定以上であるか否かを判定する。画像送りが行われなかったと判定した場合には、S307に戻る。ここで、画像送りの指示とは、ユーザによる表示中の画像に対するスワイプ操作やドラッグ操作等のタッチ操作等や、画像送りボタンの押下等である。スライドショーとは異なり、該操作を受け付けたこと応じて現在表示されている画像から他の画像に切り替わるような操作を画像送りの指示をする操作とする。
S316では、システム制御部50は、表示部28への表示が終了したか否かを判定する。表示が終了したと判定した場合は、画像表示のフローを終了し、そうでない場合は、S304へ戻る。表示部28への表示はユーザの最後の操作があってから所定時間以上なにも操作がなかった場合にスリープ状態に入り表示を中止してもよい。また、電源がOFFされたことによっても表示は終了する。
S317では、システム制御部50は、明所表示をする。明所表示については、図5の明所表示のフローで説明する。
S318では、システム制御部50は、撮影した画像にかけることのできる効果の作例表示が開始されたか否かを判定する。効果の作例表示が開始されたと判定した場合は、S319へ進み、そうでない場合は、S326へ進む。効果の作例表示とは、撮影する画像の色彩やピント等を変更してもともとの画像とは異なる雰囲気の画像になるような画像にかける効果を説明するためのものであり、既に効果のかけられた画像を作例として表示する。作例表示で説明されている各効果のかかった作例表示(作例画像)から、ユーザは直感的に効果を把握することができる。図8は効果の作例画面の一例であるノスタルジー効果を示す作例画面を示している。ノスタルジーは暗所ではなく明るい室内や昼間に(明所において)撮影された画像に対してかけるのに適した画像処理の効果であり、青色成分と緑色成分の明度を低くし、さらに画像全体をぼかすようにすることで画像がノスタルジックな雰囲気になるようにする。画像の青色成分の明度を低くする処理を含む効果なので、暗所において撮影された画像にかける効果には適さない。例えば、星空にノスタルジーの効果をかけると星が赤っぽくぼやけて表示されてしまう可能性がある。図8(a)の効果表示803のノスタルジーという効果を画像にかけた場合には、作例画像801のような画像(効果画像)になることを示している。また、効果説明802にはノスタルジー効果に関する説明を表示している。作例表示によって説明されている効果は、画像の撮影前に該画像にかけるように設定をすることもできるし、画像の撮影後に該画像にかけるように設定することもできる。図8(a)は暗所表示設定OFFの場合のノスタルジー効果の作例画面である。図8(b)は暗所表示設定ONの場合のノスタルジー効果の作例画面である。図8(c)は星空強調効果を説明するための作例画像807が表示されており、暗所表示設定ONの場合の作例画面を示している。星空強調効果は星空を強調するために画像の白色部分が目立つようにする効果であり、暗所において(星空を)撮影した画像に対してかけるのに適した効果である。作例画面で説明される効果には、他にコントラスト強調効果、紅葉効果、ファンタジック効果、青強調効果、夜景ぼけ効果等がある。星空強調効果および夜景ぼけ効果は暗所で撮影された(もしくは暗所モードが設定された場合に撮影された)画像にかけるための効果である。夜景ぼけ効果は星空強調効果と同様に暗所において撮影された画像にかけるための適した効果であり、夜景に写る光をぼかすような効果である。一方で、紅葉効果、ファンタジック効果、青強調効果は明所で撮影された画像にかけるための効果(明所用の効果)である。紅葉効果は赤色、黄色、青色として取得された色彩がさらに強調されるようにする効果であり、ファンタジック効果は全ての色彩の明度を高くするようにする効果である。青色強調効果は青色が強調されるようにする効果である。これらの明所で撮影された画像にかける効果は、黒色部分の多いような暗所で撮影された画像にかけてもあまり画像に変化がない、もしくはユーザが好ましくないと感じる画像になる可能性がある。なお、現在表示されている効果とは異なる効果の作例画面を表示するには、十字キーの左右キーやスワイプ操作等の切替操作により行われる。
S319では、システム制御部50は、ユーザの操作に従って順次作例の表示を開始する。
S320では、システム制御部50は、次に表示する作例が星空強調効果または夜景ぼけ効果のいずれかの効果か否かを不揮発性メモリ56に記録されている効果の種類により判定する。星空強調効果および夜景ぼけ効果は暗所において撮影された画像にかけるのに適した効果(暗所用の効果)であり、予め暗所用の効果であると不揮発性メモリ56に記録されている。星空強調効果または夜景ぼけ効果の作例が次に表示されると判定した場合は、S323へ進み、そうでない場合は、S321へ進む。
S321では、システム制御部50は、作例画像を非表示にし、図8(b)の中止説明804に示すように表示部28に作例画像を非表示にしたことを説明する表示をする。作例画像は効果をユーザにより分かりやすく説明するために表示するものであり、暗所表示処理が行われた状態で作例画像を表示すると誤った効果がユーザに伝わる可能性がある。よって、暗所表示設定がONの場合には、明所用の効果の作例画像は暗所表示処理するのではなく、画像自体を表示せずに、効果表示806や効果説明805の記載により効果を説明する。ノスタルジー効果は明所において撮影された画像にかけるのに適した効果であり、ノスタルジー効果を説明する作例画像は明所において撮影された画像である。ノスタルジー効果等の明所用の効果は、明所(暗所でない場所)で撮影された画像にかけるのに適した効果であり、表示される作例画像の青色成分も高いと考えられる。これらの作例画像の青色成分が所定以上であった場合に、暗所表示処理をした作例画像を表示すると、本来画像にかかる効果とは異なる効果になり、ユーザが効果を誤って理解してしまう可能性があるので、作例画像自体を表示しない。もしくは、暗所表示設定ONの場合には、作例画像だけでなく明所用の効果の作例自体を表示しないようにしてもよい。
S322では、システム制御部50は、図8(b)に示すように、次に表示する作例表示の中止説明804や効果表示806や効果説明805を含む全ての表示部分に対して暗所表示処理をして表示部28に表示する。
S323では、システム制御部50は、図8(c)に示すように、次に表示する作例のうち作例画像807以外の部分を暗所表示処理して表示部28に表示する。
S324では、システム制御部50は、図8(c)に示すように、次に表示する作例の作例画像807を不揮発性メモリ56に記録されているRGBのまま表示部28に表示(通常表示)する。暗所撮影で使用される効果の作例画像807は、明所撮影で使用される効果の作例画像よりも、青色成分が小さいためユーザの暗順応を阻害する可能性も低い。また、暗所においては暗所モードに適した効果の作例を見て撮影を行う可能性が高いため、不揮発性メモリ56に記録してあるままの色彩で(暗所表示処理をすることなく)正確に画像を表示した方が効果を分かりやすくユーザに伝わる。
S325では、システム制御部50は、表示中の作例の効果に決定(効果選択)されたか否かを判定する。作例中の効果を決定されたと判定した場合は、S326へ進み、そうでない場合は、S319へ戻る。表示中の作例の効果は、メニューボタン75の押下により決定することができる。効果を決定すると選択した効果をかけるように撮影を行う、または撮影した画像に効果をかける。ここで、作例表示は終了しライブビュー画像に切り替わる。
S326では、システム制御部50は、図9(b)に示すようにライブビュー画面における表示アイテム904、906に対して暗所表示処理をして表示する。図9はライブビュー画面の一例を示したものであり、図9(a)は暗所表示設定OFF、図9(b)は暗所表示設定ONの場合のライブビュー画面である。図9(a)に示す表示アイテム901、903は暗所表示処理をしていない場合の表示アイテムを示したものである。ライブビューにおけるこれらの設定に関する表示アイテムを表示すると素早く設定の変更をすることができるが、ライブビュー表示中に必ずしも表示部28に表示しなくてもよい。
S327では、システム制御部50は、図9(b)に示すように撮像部22において得たライブビュー画像905に対して暗所表示処理をせずに表示をする。暗所において得られるライブビュー画像905の青色成分は暗い画像であるため低く、暗順応が阻害される可能性が低いのでそのまま表示する。また、暗所において撮影を行っているのだから撮像部22で得られた画像をそのまま表示した方が撮影した画像を正確に確認することができる。明所であればそもそも暗順応する必要がないので、ライブビュー画像は暗所表示処理せずにそのまま表示する。なお、ライブビュー画像だけでなく画像に効果をかけたり、他の画像と合成をしたり、大きさを変えたりする等の編集をした場合にも、該編集中に該画像を表示する際には青色成分の値に関わらず、暗所表示処理を行わずに表示をしてもよい。暗所表示設定がONであっても、編集作業や撮影を行う場合には暗所表示処理を行わない方が対象となる画像を正確に確認できる。
S328では、システム制御部50は、撮影指示があったか否かを判定する。撮影指示があったと判定した場合は、S329へ進み、そうでない場合は、S331へ進む。撮影指示とは、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押しの操作のことを示す。撮影指示がされると第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22で得られた画像が記録媒体200に画像データとして書き込まれる。
S329では、システム制御部50は、撮影を行う。ここでは静止画撮影を行うものとする。
S330では、システム制御部50は、最新のS329において撮影された画像を表示部28に表示する。このとき撮影した画像に対して暗所表示処理は行わない。このように、撮影が行われた直後に該撮影で得られた画像を表示するレックレビュー表示においては、ライブビュー画像同様に暗所表示処理は行わない。また、画像に効果をかけたり、他の画像と合成をしたり、大きさを変えたりする等の編集をした場合にも、該編集の直後に該画像を表示する際には暗所表示処理を行わずに表示をしてもよい。
S331では、システム制御部50は、撮影モードを終了する指示があったか否かを判定する。撮影モードを終了する指示があったと判定した場合は、S332へ進み、そうでない場合は、S318へ戻る。撮影モードを終了する処理は、撮影モード以外の再生モードやメニュー画面に切替えたり、電源がOFFになったりすることである。
S332では、システム制御部50は、S316と同様に表示部28への表示が終了したか否かを判定する。表示が終了したと判定した場合は、画像表示処理を終了し、そうでない場合は、S304へ戻る。
次に図4の表示設定のフローについて図10を使用して説明する。表示設定では、表示に関する設定を行うことができ、ここでは主に暗所表示設定について説明する。図4の表示設定のフローは図3のS302もしくは図5のS502に移行すると開始する。
S401では、システム制御部50は、表示設定において暗所表示のON(有効)とOFF(無効)を切り替える暗所表示設定が選択されたか否かを判定する。暗所表示設定が選択されたと判定した場合は、S402へ進み、そうでない場合は、S407へ進む。
S402では、システム制御部50は、図10(a)に示す暗所表示設定の画面1004において暗所表示設定がONにされたか否かを判定する。図10は暗所表示設定の画面を示したものであり、図10(a)は暗所表示設定OFF、図10(b)は暗所表示設定ONの場合の暗所表示設定の画面を示したものである。暗所表示設定がONにされたと判定した場合は、S403へ進み、そうでない場合は、S405へ進む。図10(a)の暗所表示設定画面において、コントローラホイール73の回転操作や十字キー等の下キーボタンの押下といった操作部70への操作によりONとOFFは切り替えることができる。
S403では、システム制御部50は、暗所表示設定をONにし、システムメモリ52に記録する。
S404では、システム制御部50は、図10(b)に示すように暗所表示処理を行った暗所表示設定の画面1005を表示する。
S405では、システム制御部50は、暗所表示設定をOFFにし、システムメモリ52に記録する。
S406では、システム制御部50は、図10(a)に示すように暗所表示処理を行っていない暗所表示設定の画面1004を表示する。暗所表示設定がONからOFFに切り替えられた場合は、図10(b)の暗所表示設定の画面1005の表示から図10(a)の暗所表示設定の画面1004の表示に切替えられる。
S407では、システム制御部50は、表示設定に関する他の明るさ設定、文字の大きさ設定、表示のレイアウト設定等の様々な設定を行う。ここでは、それぞれの設定の説明は割愛する。
S408では、システム制御部50は、表示設定を終了する指示があったか否かを判定する。表示設定を終了する指示があったと判定した場合は、表示設定の処理を終了し、そうでない場合は、S401へ戻る。表示設定を終了する指示とは、戻るボタン1003の押下によって表示設定に戻り、更に表示設定から戻るボタンの押下によってメニュー画面に戻ることや、再生画面やライブビュー画面に切り替えられることである。
次に図5の明所表示のフローについて説明する。明所表示のフローは、暗所表示設定がOFFの場合の表示のフローを示しており、撮影を行っている場所が明所であるからといって必ずしも明所表示の処理を行うわけではない。図5の明所表示のフローは図3のS317に移行すると開始する。
S501〜S502は、図3のS301〜S302と同様の処理である。
S503では、システム制御部50は、暗所表示設定がONであるか否かを判定する。暗所表示設定がONであると判定した場合は、図3のS304へ進み、そうでない場合は、S504へ進む。
S504〜S505は、図3のS304〜S305と同様の処理である。
S506〜S508は、図3のS307〜S309と同様の処理である。
S509では、システム制御部50は、図7(a)に示すように次に表示する再生画像701と表示アイテム702、703に対して暗所表示処理をせずに表示(通常表示)する。
S510〜S512は、図3のS314〜S316と同様の処理である。
S513〜S514は、図3のS318〜S319と同様の処理である。
S515は、システム制御部50は、図8(a)に示すように次に表示する作例画像801、効果説明802、効果表示803に対して暗所表示処理をせずに表示(通常表示)する。
S516では、システム制御部50は、図3のS325と同様に、表示中の作例の効果に決定したか否かを判定する。作例中の効果を決定したと判定した場合は、S517へ進み、そうでない場合は、S514へ戻る。表示中の作例の効果は、メニューボタン75の押下により決定することができる。効果を決定すると選択した効果をかけるように撮影を行う、または撮影した画像に効果をかける。ここで、作例表示は終了しライブビュー画像に切り替わる。
S517では、システム制御部50は、図9(a)に示すようにライブビュー画像902と表示アイテム901、903に対して暗所表示処理をせずに表示(通常表示)する。
S518〜S522は、図3のS328〜S332と同様の処理である。
次に図6の青色成分計測のフローについて説明する。青色成分の計測方法について第一の計測方法(S601〜S607)と第二の計測方法(S610〜S616)の二つについて説明する。計測方法はどちらの方法であってもよい。
[第一の計測方法]
第一の計測方法では、画像の画素1つ1つのB成分を取得し、B成分が閾値以上であるか否かを判定する。さらに、B成分が閾値以上(例えば256段階での150以上)である画素が画像全体の画素の2割以上(所定の割合以上)であれば画像のB成分が所定以上であると判定するものとする。このように計測を行うことで画像に部分的にB成分の多い箇所があった場合には、その画像をB成分が所定以上あるものとして把握することができる。一方で、B成分が閾値以上である画素が2割未満(所定の割合未満)である場合には、画像のB成分が所定未満であり、暗順応を妨げる画像として判定しないものとする。前述した画素のB成分の閾値(本実施形態では150)と、閾値以上のB成分の画素の割合(本実施形態では2割)は、暗順応がとけにくい値であれば上述した値でなくてもよい。また、G成分も含めて閾値を判定する場合には、(B成分の明度×1)+(G成分の明度×2)が200以上であるか否かを判定するようにしてもよい。少なくともB成分の明度の値を含めた値で暗順応を妨げる可能性のある画像か否かの判定を行う必要がある。
S601では、システム制御部50は、n番目の画素のB成分を取得する。nの初期値は0であるものとする。すなわち、最初はn=0+1=1の画素のB成分を取得する。画素は画像の左上から右上に向かって、上から下に向かって順に番号が増えていくように計測する順番を決定するものとする。つまり、左上の画素が1番目、右下の画素がN番目となるようにする。n=1の画素のB成分の取得がされた次にはn=1+1の画素の青色成分の取得を行う。
S602では、システム制御部50は、取得された画素のB成分が閾値150以上であるか否かを判定する。画素のB成分が150以上であると判定した場合は、S603へ進み、そうでない場合は、S606へ進む。
S603では、システム制御部50は、B成分が閾値以上である画素の数bを1増やして(b=b+1にして)、システムメモリ52に記録する。B成分が閾値以上の画素の数bはS603の処理が行われる度に書きかえられる。bの初期値は0であるものとする。
S604では、システム制御部50は、B成分が閾値以上であるとされた画素の数(b)が画像全体のN個の画素のうち2割以上(b≧N×0.2)あるか否かを判定する。2割以上あると判定した場合は、S605へ進み、そうでない場合は、S606へ進む。
S605では、システム制御部50は、画像のB成分(青色成分)が所定以上であること(暗順応を妨げる可能性の高い画像であること)をシステムメモリ52に記録する。
S606では、システム制御部50は、N番目の画素までB成分の取得を終了したか(n=Nになるまで画素の取得を行ったか)否かを判定する。N番目の画素までB成分の取得を終えたと判定した場合は、S607へ進み、そうでない場合は、S601へ戻り次の画素(n+1番目の画素)のB成分の取得を行う。
S607では、システム制御部50は、画像のB成分が所定未満であること(暗順応を妨げる可能性の低い画像であること)をシステムメモリ52に記録する。
上述の計測方法では、所定数(画像全体の2割)の閾値以上のB成分の画素が見つかった時点で処理を終了するので処理時間が短くなる。
なお、B成分が閾値以上の画素の割合が2割の場合暗順応を妨げる画像とするとしたのは夜景撮影や星空撮影等の暗所撮影で撮影される画像では、B成分が閾値以上であると判定される部分が2割に満たないとしたためであるが、必ずしも2割でなくてもよい。または、部分的にでも明るい箇所が少しでもあるとユーザにとって不都合があるような場合には2割ではなく1割や0.5割としてもよいし、B成分の閾値自体を変更してより正確に所定以上のB成分の画像を取得できるようにしてもよい。また、長秒露光撮影やパノラマ撮影で得られた画像は明るい部分が他の夜景撮影で得られた画像よりも多い場合が多いので、長秒露光やパノラマの場合には閾値を3割や2.5割といった通常よりも大きな値にしてもよい。
また、画像全体の2割でなくても例えば画像の中央部のある領域にある画素のみを判定し、そのうち所定の割合の画素のB成分が閾値以上であれば、暗順応を妨げる可能性の高い画像として判定してもよい。
[第二の計測方法]
第二の計測方法では、画像の画素1つ1つのB成分を取得し、N個全ての画素のB成分の平均値が所定以上であるか否かを判定する。各画素のB成分の平均を求めるので、画像の一部にB成分の多い箇所があり、その他の部分がそうでない部分であっても平均化される。よって、第二の計測方法であれば部分的にB成分の多い画像であってもよいが、画像全体が青色に近い色であるような画像を表示したくない場合は好適である。
S610では、システム制御部50は、S601と同様にn番目のB成分を取得する。
S611では、システム制御部50は、最後にS611において加算された(n−1)個の画素のB成分の合計C(n−1)に、最新のS610で取得された画素のB成分の値cを加算した結果Cnをシステムメモリ52へ記録する。このように各画素のB成分を加算していき、N個全ての画素のB成分を加算していく。
S612では、システム制御部50は、最後の画素までB成分の明度の取得を行い、N個の画素のB成分の明度を加算したか否かを判定する。N個の画素のB成分の明度を加算し終えたと判定した場合は、S613へ進み、そうでない場合は、S610へ戻る。
S613では、システム制御部50は、全画素N個のB成分の明度の平均値caを計算する。caはN個の画素のB成分の明度の合計Cnを画素の数Nで割った値である。
S614では、システム制御部50は、B成分の明度の平均が閾値150以上(ca>150)であるか否かを判定する。画素のB成分の明度が150以上であると判定した場合は、S615へ進み、そうでない場合は、S616へ進む。ここで、システムメモリ52に記録していたB成分の明度の合計Cnの値は消去する。
S615は、S605と同様の処理である。
S616は、S607と同様の処理である。
なお、上述したB成分の計測方法では、画像と共に表示部28に表示される表示アイテムが表示されている領域については、画素のB成分の取得を行わなくてもよいし、表示アイテムがないものとしてもよい。また、全画素数のうち所定数の画素のみについて計測を行うようにしてもよい。いずれの場合にも表示アイテムが表示される場合には、表示アイテムに対して暗所表示処理がされて表示される。
以上、説明した実施形態によれば、暗所表示設定をONにした場合には暗順応を妨げるような画像に対しては暗所表示処理をすることで暗順応を妨げる可能性を低減する。また、暗所等において撮影されたB成分が所定未満の画像についてはそのまま表示するので、暗所において暗順応の妨げを低減させるだけでなく、表示精度を向上させることができる。また、暗所において撮影に関する操作を行っている際にユーザが画像を表示する場合には、暗所で撮影された画像の確認または暗所撮影で使用する作例画像の確認等のためであると考えられる。これらの画像が暗所表示処理されて表示(赤色表示)されると、赤色表示された画像をみたユーザは、表示部において正確に観察できなかったり、誤った撮影の設定を行ってしまう可能性がある。一方で、暗所において明るい場所で撮影されたような明るい画像、つまり暗順応を妨げる可能性の高い画像を表示する場合には鑑賞用もしくは画像の再生中誤って表示をしてしまった可能性が高い。表示される画像が自動的に切り替わるスライドショーは撮影した画像の確認というよりも鑑賞用であること考えられるため、スライドショーにおいては画像の明るさに関わらず暗所表示処理をせずに画像を表示する。鑑賞用であるのだから、ユーザは撮影や設定等を正確に行いたいというよりもただ画像を見たいだけである可能性が高く、暗順応が阻害されることを防ぐよりも鑑賞する画像をそのまま表示した方がよい。しかしながら、撮影した画像を画像送りにより誤って表示してしまった場合には、明るい表示により不用意に暗順応がとけてしまうので、画像送りにより表示される画像の青色成分が所定以上である場合には暗所表示処理をして表示をする。暗所表示がONに設定されている場合には画像と共に表示部28に表示される文字や記号等の表示アイテムは画像の明るさに関わらず暗所表示処理して赤色表示される。よって画像の表示中に表示アイテムを表示するような操作や設定を行ったり、設定画面において設定行っても暗順応が妨げられる可能性が低くなる。
なお、図6のフローにおいてはシステムメモリ52に画像のB成分が所定以上であったか否かを記録し、記録された判定に基づいてS311において暗所表示処理をする画像か(暗順応を妨げる画像か)否かを判定するとした。しかし、図6のフローにおいてはB成分の値のみをシステムメモリ52に記録するようにして、記録されたB成分の値によりS311において画像のB成分が所定以上であったか(暗順応を妨げる画像か)否かの判定を行ってもよい。また、一度B成分を計測した画像に対しては、各画像に対応するようにB成分の値、または、B成分が所定以上の画像であるか否かを記録してもよい。
なお、本実施形態においては暗所に適した暗所表示処理としてRGB信号を変更する暗所表示処理をするとして説明したが暗所表示処理はこれに限らず、YUV信号を変更する処理等においても行うことができる。すなわち、他の色空間で表示する際にも、青色成分(または青色成分と緑色成分)を低減して赤っぽく表示する。また、本実施形態においてはB成分を0に低減させるとしたが、B成分を(10以上であった場合には)10に、G成分を(30以上であった場合には)30まで低減させてもよい。
なお、本実施形態においては、暗所表示設定がONされたことに応じて前述した画像の暗所表示処理をするか否かを判定するとしたが、これに限らず以下のように周囲の明るさに応じて判定をしてもよい。つまり、暗所表示設定がONされていてもデジタルカメラ100の周囲が明るい場合(照度計測部57により所定以上の明るさであることが取得された場合)には、青色成分が所定以上の場合であっても暗所表示処理をせずに表示をする。また、暗所表示設定がOFFもしくは、暗所表示設定を行わないような場合であっても照度計測部57により所定未満の明るさであることが取得された場合に、青色成分が所定以上の画像を表示する指示を受け付けた場合には暗所表示処理をして該画像を表示する。このように周辺の照度に応じて暗所表示処理を行うか否かを決定すると、ユーザは周辺の照度に応じて細かく設定を変更しなくてもよい。
また、静止画以外の動画を再生する場合にも該動画の各コマの青色成分が所定以上であっても暗所表示処理をせずに表示をするようにしてもよい。暗所において動画を再生する場合には、暗所において撮影した動画を確認するためか、明るい場所で撮影した動画を鑑賞するためである可能性が高い。よって、動画の再生をする場合には、動画に含まれる画像の青色成分の値に関わらず暗所で撮影されたものであれば画像の確認をするために暗所表示処理をせずに表示をした方がよく、また鑑賞のためである場合も暗所表示処理をせずに表示をした方がよい。
なお、上述した2つの青色成分の計測方法でなくても各画像が撮影された撮影モードに応じて画像の青色成分が一定以上の画像であるか否か(暗順応を妨げる画像か否か)を判定するようにしてもよい。画像が撮影された時に設定されていた撮影モードが暗所に適したものであった場合には、撮影された画像の青色成分は所定未満の画像であるとする。または、撮影された時の撮影設定が暗所で使用するような長秒露光等であれば暗所で撮影された画像としてもよい。また、画像が撮影された時刻が夜で、かつ野外で撮影された場合には、暗所で撮影された画像としてもよい。このように撮影状態に応じて撮影された画像が暗順応を妨げる可能性の高い画像か否かを判定することで画像の輝度を取得する処理をしなくてよく、画像送りにおいてより短い時間で次の画像を送ることができる。
なお、表示制御装置の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず表示部に表示する画像や表示アイテムのRGB成分をそれぞれ変更することができるような表示制御装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ファインダーを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。