以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
図1に本発明の電子機器(表示制御装置)の一例としてのデジタルカメラの外観図を示す。表示部111は画像や各種情報を表示するディスプレイである。シャッターボタン116は撮影指示を行うための操作部である。モードダイヤル117は各種モードを切り替えるための操作部である。メインダイヤル50、情報表示切替ボタン55、再生ボタン57、ライブビューボタン60、撮影設定ボタン70、方向ボタン80、SETボタン90はユーザーからの操作を受け付ける操作部材である。なお、方向ボタン80には、上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタンが含まれる。以下、上ボタンと下ボタンを総称して上下キー、左ボタンと右ボタンを総称して左右キーと称するものとする。
図2に、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図を示す。図2において、撮影レンズ104はズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。レンズ群は着脱可能な交換レンズとしても良い。シャッター105は絞り機能を備えるシャッターである。撮像部106は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器107は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器107は、撮像部106から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。バリア103は、デジタルカメラ100の、撮影レンズ104を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ104、シャッター105、撮像部106を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
画像処理部102は、A/D変換器107からのデータ、又は、メモリ制御部108からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部102では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部101が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部102では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
A/D変換器107からの出力データは、画像処理部102及びメモリ制御部108を介して、或いは、メモリ制御部108を介してメモリ109に直接書き込まれる。メモリ109は、撮像部106によって得られA/D変換器107によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部111に表示するための画像データを格納する。メモリ109は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ109は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器110は、メモリ109に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部111に供給する。こうして、メモリ109に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器110を介して表示部111により表示される。表示部111は、LCD等の表示器上に、D/A変換器110からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器107によって一度A/D変換されメモリ109に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器110においてアナログ変換し、表示部111に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能する。すなわち、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行える。
不揮発性メモリ114は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ114には、システム制御部101の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
システム制御部101は、デジタルカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ114に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。113はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ113には、システム制御部101の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ114から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部はメモリ109、D/A変換器110、表示部111等を制御することにより表示制御も行う。
システムタイマー112は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
第1シャッタースイッチ116a(SW1)は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン116の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。第2シャッタースイッチ116bは、シャッターボタン116の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部101は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部106からの信号読み出しから記録媒体123に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
モード切替スイッチ117は、システム制御部101の動作モードを複数の静止画記録モードの何れか、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える(モード設定する)。静止画記録モードに含まれるモードは、大きく分けて、主にユーザーが露出を決めて撮影設定を行う応用撮影ゾーンと、主にデジタルカメラ100が自動的に露出(シャッター速度、絞り値など)を決めて撮影設定を行うかんたん撮影ゾーンとに分類される。各分類には以下の撮影モード(第1の動作モード、第2の動作モード、第3の動作モードを含む動作モー度)が含まれる。
[応用撮影ゾーン]
・プログラムAEモード(Pモード)
・シャッター優先AEモード(Tvモード)
・絞り優先AEモード(Avモード)
・マニュアル露出モード(Mモード)
[かんたん撮影ゾーン]
・ストロボ発光禁止モード
・クリエイティブオートモード(CAモード)
・ポートレートモード
・風景モード
・クローズアップ(マクロ)モード
・スポーツモード
・スペシャルシーンモード(SCNモード)
さらに、モード切り替えスイッチ117でスペシャルシーンモードに設定したのち、以下のモードの何れかに他の操作部材を用いて切り替えられる。
[スペシャルシーンモード(SCNモード)]
・キッズモード
・料理モード
・キャンドルライトモード
・夜景ポートレートモード
・手持ち夜景モード
・HDR(ハイダイナミックレンジ)逆光補正モード。
モード切り替えスイッチ117で、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切り替えスイッチ117で静止画撮影モードに一旦切り換えた後に、静止画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
操作部115には、メインダイヤル50、情報表示切替ボタン55、再生ボタン57、ライブビューボタン60、撮影設定ボタン70、方向ボタン80、SETボタン90などの各種操作部材が含まれる。操作部115の各操作部材は、表示部111に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部111に表示される。利用者は、表示部111に表示されたメニュー画面と、方向ボタン80やSETボタン90とを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
電源制御部119は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部119は、その検出結果及びシステム制御部101の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体123を含む各部へ供給する。
電源部120は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F122は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体123とのインターフェースである。記録媒体123は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
デジタルカメラ100は、クリエイティブフィルター機能、ピクチャースタイル機能、雰囲気機能、エフェクトショット機能を設定して撮影すること可能である。これらはそれぞれ異なる設定メニュー(第1の設定メニュー、第2の設定メニュー、第3の設定メニュー、第4の設定メニュー)の階層下で設定値を設定可能である。
クリエイティブフィルターは、撮像された画像に特殊な画像処理効果を施して記録する機能である。クリエイティブフィルターにはフィルター効果として、ラフモノクロ、ソフトフォーカス、トイカメラ風、魚眼風などがある。ラフモノクロは、ざらついた感じの白黒写真を生成するモードである。ユーザーがフィルターレベルを調整することでコントラストが調整され、ざらつきの感じを変えられる。ソフトフォーカスは、やわらかい感じの画像を生成するモードである。ユーザーがフィルターレベルを調整することでぼかしの設定が調整され、やわらかさの感じを変えられる。トイカメラは、トイカメラのような独特の色調の画像を生成するモードである。ユーザーがフィルターレベルを調整することで色調が調整され、色の感じを変えられる。魚眼風は魚眼レンズで撮影したような画像となるように、画像中央部を広げ、周辺部を狭めるような、樽状の歪みを加えた画像処理を施すモードである。ユーザーがフィルターレベルを調整することで歪みの強さを変えられる。クリエイティブフィルターは、HDR逆行補正モード、手持ち夜景モードに設定されているときに使用(設定)でき、その他の撮影モードの場合は無効となり設定することができない。
ピクチャースタイルは、ポートレート、風景、モノクロなど選択したシーン(項目)ごとにシャープネス、コントラスト、色相、彩度を最適なものに調整する機能である。ピクチャースタイルは、かんたん撮影ゾーンに含まれる撮影モードでは、オートに設定され、ユーザーが任意のシーン(項目)や設定値に設定することはできない。応用撮影ゾーンに含まれる撮影モード、すなわちPモード、Tvモード、Avモード、Mモードの場合は、ポートレート、風景、モノクロなどの複数のシーン(項目)のうち任意の項目に設定することができる。また、シーンに対してシャープネス、コントラスト、色相、彩度などの設定値を調整して設定できる。
雰囲気機能(雰囲気を選んで撮影:Shoot by Ambience Selection)は、撮りたい写真のイメージで記述された選択肢の何れかをユーザーが選択する。選択肢には、くっきり鮮やかに(sharp and vivid)、ふんわりやわらかく(softer and more dainty)などがある。そして、選択された選択肢に合わせて色彩や色の濃さをベースに露出補正、ホワイトバランス補正が自動的に行われる機能である。雰囲気機能は、かんたん撮影ゾーンに含まれる撮影モードのうち、以下のモードに設定されている場合に使用(設定)できる。その他のモードでは無効となり設定することができない。クリエイティブオートモード(CAモード)、ポートレートモード、風景モード、クローズアップ(マクロ)モード、スポーツモード。スペシャルシーンモード(SCNモード)に含まれる撮影モードのうち、キッズモード、夜景ポートレートモード、手持ち夜景モード。
エフェクトショットは、クリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能の少なくともいずれかの設定値がプリセットされた選択肢の中から何れかをユーザーが選択して撮影する機能である。エフェクトショットの選択肢は、クリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能で設定可能な設定値がそれぞれセットされた各プリセットを巡回的に選択できるように選択順が定められている。エフェクトショットを用いることで、クリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能の各機能に詳しくないユーザーであっても、各機能の各種詳細項目を設定する操作することなく、代表的な設定を気軽に利用して撮影することができる。エフェクトショットは、CAモードに設定されているときに使用(設定)でき、その他の撮影モードの場合は無効となり設定することができない。
以下に、各撮影モードで上述の各機能のいずれが使用可能であるかをまとめる。クリエイティブフィルター機能が利用できる撮影モードに「C」、ピクチャースタイル機能のうちオート以外が利用できる撮影モードに「P」、雰囲気機能が利用できる撮影モードに「A」、エフェクトショットが利用できる撮影モードに「E」を付す。
[応用撮影ゾーン]
・プログラムAEモード(Pモード)…「C」、「P」
・シャッター優先AEモード(Tvモード)…「C」、「P」
・絞り優先AEモード(Avモード)…「C」、「P」
・マニュアル露出モード(Mモード)…「C」、「P」
[かんたん撮影ゾーン]
・ストロボ発光禁止モード…「C」
・クリエイティブオートモード(CAモード)…「C」、「A」、「E」
・ポートレートモード…「C」、「A」
・風景モード…「C」、「A」
・クローズアップ(マクロ)モード…「C」、「A」
・スポーツモード…「C」、「A」
[スペシャルシーンモード(SCNモード)]
・キッズモード…「C」、「A」
・料理モード…「C」、「A」
・キャンドルライトモード…「C」
・夜景ポートレートモード…「C」
・手持ち夜景モード…「A」
・HDR(ハイダイナミックレンジ)逆光補正モード…なし
以下、クリエイティブフィルター機能、ピクチャースタイル機能、雰囲気機能、エフェクトショット機能の撮影での利用方法について説明する。
<撮影モード処理>
図3に、デジタルカメラ100における撮影モード処理のフローチャートを示す。この処理は、不揮発性メモリ114に記録されたプログラムを、システムメモリ113に展開してシステム制御部101が実行することにより実現する。デジタルカメラ100が撮影モードで起動されると図3の処理が開始される。
S301ではまず、システム制御部101は、ライブビューがオンで撮影モードが起動されたか否かを判定する。ライブビューがオンである場合S302に進み、そうでない場合はS303に進む。
S302では、システム制御部101は、光学ファインダに被写体光を導くミラーをアップし(ミラーアップ)、被写体光を撮像部106に導く。そして撮像部106で連続的に撮影したスルー画像をライブビュー画像として表示部111に表示し、ライブビュー表示を行う。
S303では、システム制御部101は、撮影設定ボタン70が押下されたか否かを判定する。撮影設定ボタン70が押下されたと判定するとS304に進んで撮影設定処理(図4を用いて後述)を行い、そうでない場合はS305に進む。
S305では、システム制御部101は、モードダイヤル117が操作されたか否かを判定する。モードダイヤル117が操作されたと判定するとS306に進み、モードダイヤル117の操作に応じて撮影モードを変更する。モードダイヤル117が操作されていない場合はS307に進む。
S307では、システム制御部101は、ライブビューボタン60が押下されたか否かを判定する。ライブビューボタン60が押下された場合はS308に進む。S308では、システム制御部101は、ライブビューがオフであった場合にはオンに切り替え、ミラーアップしてライブビュー表示を行う。ライブビューがオンであった場合にはオフに切り替え、ミラーをダウンして被写体光を光学ファインダに導く。なお、ライブビュー表示では、後述するクリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能、エフェクトショットで設定された各設定値を反映した画像処理を施したライブビュー画像が表示されるものとする。
S309では、システム制御部101は、メインダイヤルが操作されたか否かを判定する。メインダイヤルが操作された場合(特定の操作が行われた場合)はS310に進み、そうでない場合はS313に進む。
S310では、システム制御部101は、システムメモリ113を参照し、現在エフェクトショットがオンとなっているか否かを判定する。エフェクトショットがオンとなっている場合はS311に進み、そうでない場合、すなわちエフェクトショットがオフである場合はS312に進む。S311では、システム制御部101は、メインダイヤルの回転操作に応じてエフェクトショットの効果を切り替えるエフェクト切替処理を行う(図7を用いて後述する)。S312では、システム制御部101は、現在の撮影モードに応じてメインダイヤル50の回転操作に応じた処理を行う。例えば、現在の撮影モードがシャッタースピード優先モード(Tvモード)であれば、メインダイヤル50の回転操作に応じてシャッタースピードの設定を変更する。
S313では、システム制御部101は、SW1がオンとなったか否かを判定する。SW1がオンとなった場合はS314に進み、そうでない場合はS321に進む。S314では、システム制御部101は、撮影準備処理としてオートフォーカス処理(AF)、自動露出制御処理(オートエクスポージャー/AE)を行う。S315では、システム制御部101は、SW2がオンとなったか否かを判定する。SW2がオンとなった場合はS317に進み、そうでない場合はS316に進む。S316では、システム制御部101は、SW1がオンのままであるか否かを判定する。SW1がオンのままである場合にはS315に進み、SW1がオンでない、すなわちシャッターボタン116が離された場合にはS321に進む。
S317では、システム制御部101は、撮像部106での撮影を行い、撮影で得られた画像データをメモリ109に一時格納する。ここでの撮影は、撮影した画像を画像ファイルとして記録するための撮影であるため、前述のライブビュー表示を行うための撮影と区別するために本撮影と称する。
S318では、システム制御部101は、S317でメモリ109に一時格納した画像データに、画像処理部102を制御して画像処理を施す。ここでの画像処理は、前述のクリエイティブフィルター機能、ピクチャースタイル機能、雰囲気機能、エフェクトショット機能で設定された内容に基づく画像処理が施される。
S319では、システム制御部101は、S318で画像処理を施された画像を表示部111に所定時間(2秒程度)表示するクイックレビュー表示を行う。なお、クイックレビュー表示の設定が予めオフに設定されていた場合はこの処理を省いても良い。
S320では、システム制御部101は、S318で画像処理を施された画像を画像ファイルとして記録媒体123に記録する。また、システム制御部101は、画像ファイルのヘッダに、撮影された画像が、どの撮影モードに設定されて撮影された画像かどうかの情報、及びどんな撮影パラメータで撮影及び/または画像処理されたかを示す情報を記録する。このように記録された画像ファイルのヘッダを読むことで、画像ファイルに含まれる画像がどの撮影モードで、どのような設定で撮影されたかを再生時に解析することができる。例えば、エフェクトショット機能がオンで撮影されたか否か、どの機能名のどの項目がどの設定値に設定されて撮影されたかを再生時に判別できるようにしている。
S321では、システム制御部101は、再生ボタン57が押下されたか否かを判定する。再生ボタン57が押下された場合はS322に進み、そうでない場合はS323に進む。S322では、システム制御部101は、再生モード処理を行う。再生モード処理の詳細は図12を用いて後述する。
S323では、システム制御部101は、終了イベントがあったか否かを判定する。終了イベントには、電源をオフとする操作、電池残量が無くなることが検知されたこと、所定時間無操作であったことを条件とするオートパワーオフが実行されることなどがある。終了イベントが無かった場合はS301に戻って処理を繰り返し、終了イベントがあった場合には撮影モード処理を終了する。
図4に、撮影設定処理のフローチャートを示す。この処理は、図3で前述したS304の撮影設定処理の詳細である。また、この処理は、不揮発性メモリ114に記録されたプログラムをシステムメモリ113に展開してシステム制御部101が実行することで実現する。
S401では、システム制御部101は、表示部111に撮影設定画面を表示する。
図8(a)に、現在の撮影モードがCAモードであった場合の撮影設定画面の表示例を示す。表示部111には、選択可能な撮影設定の大項目として、項目801〜804が画面右側に縦に並んで表示される(大項目メニュー)。大項目には、第1の項目、第2の項目、第3の項目、第4の項目を含む。このうち、項目802が雰囲気機能、項目803がクリエイティブフィルター、項目804がエフェクトショットを示す項目である。大項目の何れか1つがカーソルを付して選択された状態で表示される。図8(a)の例では、クリエイティブフィルターの項目803にカーソルが当たっており、選択された状態となっている。画面下部には、大項目801〜804のうち、カーソルの当たっている項目(選択されている大項目)についての設定値の選択肢である、下位項目が表示される(第1の設定メニュー)。図8(a)の例では、選択されている大項目がクリエイティブフィルターの項目803であるため、画面下部にはクリエイティブフィルターの下位項目811〜818(設定値群)が表示されている(下位項目のメニュー)。なお、大項目801〜804、下位項目811〜818、及び選択されている大項目が何であるかを示すダイアログは、ライブビューがオンである場合にはライブビュー画像に重畳して表示される。
図8(c)に、現在の撮影モードがPモードであった場合の撮影設定画面の表示例を示す。Pモードであるため、雰囲気機能とエフェクトショットは利用できず無効であるため、対応する項目802、804は表示されない。一方でCAモードでは無効であったピクチャースタイルが有効であるため、ピクチャースタイルの項目である大項目805が表示されている。図示の例はピクチャースタイルの項目805にカーソルが当たった状態を示したものである。下位項目には、ピクチャースタイルの下位項目である下位項目821〜825が表示され、このうち、項目821に下位項目のカーソルが表示されている(第2の設定メニュー)。下位項目821〜825が表示されている場合は、同じ画面内には他の大項目(上位項目)の下位項目であるクリエイティブフィルターの下位項目811〜818は表示されない。
S402では、システム制御部101は、上下キーのいずれかが押下されたか否かを判定する。上下キーが押下された場合はS403に進み、そうでない場合にはS407に進む。
S403では、システム制御部101は、システムメモリ113を参照し、エフェクトショットがオンであるか否かを判定する。オンである場合はS404に進み、そうでない場合はS405に進む。なお、現在の撮影モードがCAモード以外の時はエフェクトショットは利用できず無効であり、エフェクトショットはオフとなっているものとする。
S404では、システム制御部101は、上下キーの操作に応じて、表示されている大項目のうち、クリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能以外の大項目にカーソルを移動する。
S405では、システム制御部101は、上下キーの操作に応じて、クリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能を含めた、現在の撮影モードで有効な大項目の何れかにカーソルを移動する。
S406では、システム制御部101は、S404またはS405で移動されたカーソルによって選択された大項目の下位項目を、表示部111の画面下部に表示する。表示された複数の下位項目の何れか1つにはカーソルが表示される。なお、エフェクトショットの下位項目としては、「ON」と「OFF」が選択肢として表示されるものとする。
このように、上下キーの操作に応じて選択している大項目を変更できるが、エフェクトショットがオンの場合には大項目のうち、クリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能は無効として選択できないようにしている。これによって、クリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能での設定と、エフェクトショットでの設定が矛盾してしまうことを防いでいる。
S407では、システム制御部101は、現在クリエイティブフィルターが選択されているか(クリエイティブフィルターの大項目にカーソルがあるか)を判定する。クリエイティブフィルターが選択されている場合はS408に進み、クリエイティブフィルター設定処理(図5で後述)を行う。
S409では、システム制御部101は、現在雰囲気機能が選択されているか(雰囲気機能の大項目にカーソルがあるか)を判定する。雰囲気機能が選択されている場合はS410に進み、雰囲気設定処理を行う。雰囲気設定処理は、設定可能なパラメータが異なるのみで、操作方法はクリエイティブフィルターとほぼ同等なので説明を省略する。
S411では、システム制御部101は、現在ピクチャースタイルが選択されているか(ピクチャースタイルの大項目にカーソルがあるか)を判定する。ピクチャースタイルが選択されている場合はS412に進み、ピクチャースタイル設定処理(図6で後述)を行う。
S412では、システム制御部101は、クリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能、エフェクトショット以外の大項目(例えばホワイトバランスの項目801)が選択されているか否かを判定する。Yesである場合はS414に進み、選択されている大項目に応じた設定処理を行う。
S415では、システム制御部101は、大項目のうち、現在エフェクトショットが選択されているか(エフェクトショットの大項目にカーソルがあるか)を判定する。エフェクトショットが選択されている場合はS416に進み、そうでない場合はS422に進む。なお、現在の撮影モードがCAモードである場合以外は、エフェクトショットの大項目は表示されないため、S415の判定はNoとなる。
S416では、システム制御部101は、左右キーが押下されたか否かを判定する。左右キーが押下されたと判定するとS417に進み、そうでない場合はS422に進む。
S417では、システム制御部101は、左右キーの押下に応じて下位項目のカーソルを移動させることによって、カーソルが「ON」に移動するか否かを判定する。「ON」に移動する場合はS418に進み、そうでない場合(すなわち「OFF」に移動する場合)はS420に進む。
S418では、システム制御部101は、下位項目のカーソルを「ON」移動させ、エフェクトショットをONに設定する。エフェクトショットがONに設定されると、システムメモリ113に「ON」である旨を記録する。
S419では、システム制御部101は、撮影設定画面に表示された大項目のうち、クリエイティブフィルターの項目804、ピクチャースタイルの項目802、雰囲気機能の項目803をグレーアウト表示し、無効とする。これによってユーザーに、エフェクトショットをオンにするとクリエイティブフィルター、ピクチャースタイル、雰囲気機能が無効になり、選べなくなることを認識させることができる。
S420では、システム制御部101は、下位項目のカーソルを「OFF」移動させ、エフェクトショットをOFFに設定する。エフェクトショットがOFFに設定されると、システムメモリ113に「OFF」である旨を記録する。
S421では,システム制御部101は、撮影設定画面に表示された大項目のうち、クリエイティブフィルターの項目804、ピクチャースタイルの項目802、雰囲気機能の項目803のグレーアウト表示を解除して、有効となったことが識別可能な表示に更新する。
S422では、システム制御部101は、SETボタン90が押下されたか否かを判定する。SETボタン90が押下されていない場合はS402に戻って処理を繰り返す。SETボタン90が押下された場合は撮影設定画面を非表示にし、図3のS305に進む。
図5に、クリエイティブフィルター設定処理のフローチャートを示す。この処理は、図4で前述したS408の処理の詳細である。また、この処理は、不揮発性メモリ114に記録されたプログラムをシステムメモリ113に展開してシステム制御部101が実行することで実現する。
S501では、システム制御部101は、左右キーが押下されたか否かを判定する。左右キーが押下された場合はS502に進み、そうでない場合はS503に進む。
S502では、システム制御部101は、左右キーの押下に応じて、表示された下位項目811〜818の何れかに下位項目のカーソルを移動し、カーソルが当たった下位項目が示す設定に設定変更する。
S503では、システム制御部101は、情報表示切り替えボタン55が押下されたか否かを判定する。情報表示切り替えボタン55が押下された場合はS504に進み、そうでない場合は図5の処理を終了して前述した図4のS415に進む。
S504では、システム制御部101は、表示部111にフィルター効果の強弱画面(フィルターレベルの設定画面)を表示する。図8(b)に、フィルター効果の強弱画面の表示例を示す。
S505では、システム制御部101は、左右キーが押下されたか否かを判定する。左右キーが押下されたと判定するとS506に進み、そうでない場合はS507に進む。
S506では、システム制御部101は、左右キーの押下に応じてフィルターレベルを上げる、または下げる。すなわちフィルター効果の強弱設定を変更する。
S507では、システム制御部101は、情報表示切り替えボタン55が押下されたか否かを判定する。情報表示切り替えボタン55が押下されていない場合はS505に戻る。情報表示切り替えボタン55が押下された場合はフィルター効果の強弱設定画面を閉じて(非表示として)撮影設定画面を表示し、図5の処理を終了して前述した図4のS415に進む。
図6に、ピクチャースタイル設定処理のフローチャートを示す。この処理は、図4で前述したS412の処理の詳細である。また、この処理は、不揮発性メモリ114に記録されたプログラムをシステムメモリ113に展開してシステム制御部101が実行することで実現する。
S601では、システム制御部101は、左右キーが押下されたか否かを判定する。左右キーが押下された場合はS602に進み、そうでない場合はS603に進む。
S602では、システム制御部101は、左右キーの押下に応じて、表示された下位項目の何れかに下位項目のカーソルを移動し、カーソルが当たった下位項目が示す設定に設定変更する。
S603では、システム制御部101は、情報表示切り替えボタン55が押下されたか否かを判定する。情報表示切り替えボタン55が押下された場合はS604に進み、そうでない場合は図6の処理を終了して前述した図4のS415に進む。
S604では、システム制御部101は、表示部111にピクチャースタイルの詳細設定画面を表示する。図8(d)に、ピクチャースタイルの詳細設定強弱画面の表示例を示す。画面右側には、複数の詳細設定項目が表示される。画面下部には、複数の詳細設定項目のうち、カーソルがあたって選択されている項目(図示の例ではシャープネス)の設定可能な値(設定値の設定バー)を表示する。
S605では、システム制御部101は、ピクチャースタイルの詳細設定画面の画面右側に表示された複数の詳細設定項目のうちの何れかにカーソルを表示する。
S606では、システム制御部101は、ピクチャースタイルの詳細設定画面で選択された詳細設定項目に対応して画面下側に表示された設定可能な値のうち、現在設定されている値を表示する。図8(d)の例では、逆三角形の表示アイテムによって指示された位置が現在の設定値である。
S607では、システム制御部101は、上下キーが押下されたか否かを判定する。上下キーが押下された場合はS608に進み、そうでない場合はS609に進む。
S608では、システム制御部101は、上下キーの押下に応じて、詳細設定項目のカーソルを移動する(複数の詳細設定項目のうち選択されている項目を変更する)。
S609では、システム制御部101は、左右キーが押下されたか否かを判定する。左右キーが押下されたと判定するとS610に進み、そうでない場合はS507に進む。
S610では、システム制御部101は、左右キーの押下に応じて、選択された詳細設定項目の設定値を、画面下部に表示された設定可能な値のいずれかに変更する。設定された値はシステムメモリ113に記憶する。
S611では、システム制御部101は、情報表示切り替えボタン55が押下されたか否かを判定する。情報表示切り替えボタン55が押下されていない場合はS606に戻る。情報表示切り替えボタン55が押下された場合はピクチャースタイルの詳細設定画面を閉じて(非表示として)撮影設定画面を表示し、図6の処理を終了して前述した図4のS415に進む。
以上、クリエイティブフィルター、雰囲気、ピクチャースタイルについての設定方法を説明してきた。しかし、ユーザーがクリエイティブフィルター、雰囲気、ピクチャースタイルのいずれか異なる機能に属する設定項目を切り替えるには撮影モードの切り換えや大項目の選択変更など、複雑な操作が必要である。また、クリエイティブフィルター、雰囲気、ピクチャースタイルの各機能で設定できるパラメータと、そのパラメータでどのような効果が得られるのかといった理解がないと、どの機能を使えばいいかがわからず、使いこなすことが難しい。そこで、クリエイティブフィルター、雰囲気、ピクチャースタイルのいずれかの階層下で設定可能な撮影設定(設定パラメータ)として代表的な設定を予め何パターンかプリセットしておく。そしてそれらのパターンの中から選ぶだけという簡単な利用方法を提供するのがエフェクトショットである。
図7に、エフェクトショットがオンの場合にメインダイヤル50が回された時の処理である、エフェクト切替処理のフローチャートを示す。この処理は、図3のS311の処理の詳細である。エフェクトショットでは、メインダイヤル50の回転操作に応じて、図10のテーブルに示す順番(設定順序N)で設定が切り替わる。図10は、エフェクト切替処理での切替順番と設定値とが対応付いたテーブルであり、不揮発性メモリ114に記憶されている。少なくとも18の設定値のパターン(第1の設定値、第2の設定値、第3の設定値、第4の設定値、第5の設定値、第6の設定値、第7の設定値、第8の設定値、第9の設定値、第10の設定値、第11〜第18の設定値)がある。
また、この処理は、不揮発性メモリ114に記録されたプログラムをシステムメモリ113に展開してシステム制御部101が実行することで実現する。
S701では、システム制御部101は、メインダイヤル50の回転方向が時計回りであるか否かを判定する。時計回りであると判定するとS702に進み、そうでない場合(すなわち反時計回りに回転操作された場合)にはS705に進む。
S702では、システム制御部101は、システムメモリ113に保持した変数Nを1つインクリメントする(ダイヤル1クリック分の操作毎に1つインクリメントする)。変数Nは、選択される設定の順番に対応する数値であり、図10に示した設定順序のうち、変数Nに対応するものが設定される。
S703では、システム制御部101は、変数Nが図10に示すテーブルにある設定順序のうち最大の値(最大値)を超えたか否かを判定する。最大値を超えたと判定するとS704に進んでNを1に設定し、最大値を超えていない場合はS708に進む。
一方S705では、システム制御部101は、システムメモリ113に保持した変数Nを1つデクリメントする(ダイヤル1クリック分の操作毎に1つデクリメントする)。
S706では、システム制御部101は、変数Nが0以下となったか否かを判定する。0以下である場合はS707に進んでNを最大値に設定し、0以下でない場合はS708に進む。
S708では、システム制御部101は、図10のテーブルにある設定パターンのうち、設定順序がNの設定パターン(設定項目と設定値)に設定する。
S709では、システム制御部101は、S708で設定された設定項目と設定値、機能名を表示部111に表示する。
図9(a)〜図9(c)に、エフェクト切替処理で設定が切り替えられた場合の表示部111での表示例を示す。
図9(a)は、図10のうち、設定順序1の設定パターンに設定された場合に表示例である。機能名がクリエイティブフィルターであり、設定項目名が「ラフモノクロ」であり、設定値が標準(3段階の中央の値)であることが表示されている。この設定は、変数N=1のときに設定される。また、画面下部には、メインダイヤル50の操作で別の設定に切り替えられることを示す操作ガイダンスが表示される。
図9(b)は、図10のうち、設定順序2の設定パターンに設定された場合の表示例である。機能名が雰囲気であり、設定項目名が「くっきり鮮やかに」であり、設定値が強め(3段階のうち最大値)であることが表示されている。この設定はN=2の時に設定されるものであり、N=1である図9(a)の状態からメインダイヤル50を時計回りに1クリック分回転させると設定される。
図9(c)は、図10のうち、設定順序3の設定パターンに設定された場合の表示例である。機能名がピクチャースタイルであり、設定項目が「モノクロ」
であり、設定値が“3,0、N,N”であることが表示されている。この設定は変数N=3の時に設定されるものであり、N=2である図9(b)の状態からメインダイヤル50を時計回りに1クリック分回転させると設定される。
このように、メインダイル50を回転させると、クリエイティブフィルターの機能で設定できる設定値、雰囲気で設定できる設定値、ピクチャースタイルで設定できる設定値の順番で設定が切り替わる。すなわち、クリエイティブフィルターの設定パターンが設定された状態(例えばN=1)からメインダイヤルを1クリック分時計回りに操作すると、雰囲気の設定パンターン(N=2)に設定が切り替わる。クリエイティブフィルターの設定パターンが設定された状態(例えばN=1)から、1クリック分の回転操作では、図10のテーブルにある同じクリエイティブフィルターに属する他の設定パターンには切り替わらない。また、図10のテーブルにあるクリエイティブフィルターの設定パターンが設定された状態(例えばN=7)から、メインダイヤルを1クリック分時計回りに操作すると、異なる機能である雰囲気の設定パターン(N=8)に設定が切り替わる。このように、同一機能の階層化の設定が連続するような順番とはせず、階層の異なる機能が順次選択されるようにして、メインダイヤルの操作に応じて、より多様な設定が現れるように図10のテーブルが構成されている。より具体的には、設定パターンを3つの群(第1群〜第3群)に分け、メインダイヤル50の操作に応じて、現在の設定されている群とは異なる群の設定パターンに順次設定されるような順番としている。第1群はクリエイティブフィルターで設定可能な設定パターンに対応付いている。第2群は雰囲気ンお機能と、ピクチャースタイルの機能のうちモノクロ以外の設定項目で設定可能な設定パターンに対応付いている。第3群は、ピクチャースタイルの機能のうちモノクロの設定項目で設定可能な設定パターンに対応付いている。なお、ピクチャースタイルに含まれるモノクロ設定は撮影効果が見た目に分りやすく詳細設定も多いため、モノクロ設定のみで第3群を構成している。すなわち、ピクチャースタイルに含まれる設定値(設定パターン)は、モノクロ設定以外の設定値でなる第1のグループ(第2群の設定パターン)と、モノクロ設定の設定値でなる第2のグループ(第3群の設定パターン)とにグループ分けされている。
このように、エフェクトショットを使わない場合はそれぞれ異なる撮影モードや、それぞれ異なる階層(大項目)下で設定できる値を、エフェクトショットではメインダイヤル50の操作に応じて、撮影モードや階層を跨いだ順番で選択できる。また、その順番は、異なる項目群の設定パターンが巡回的に設定されるようにしている。このようにすることで、デジタルカメラ100の操作に慣れていないユーザーであっても、メインダイヤル50を回転させてみることで、様々な効果の画像処理を施す設定が可能であることを認識させることができる。すなわち、ユーザーは手軽に様々な設定パターンを利用できる。また、エフェクトショットでの設定を用いることで、クリエイティブフィルターや雰囲気、ピクチャースタイルといった機能へのユーザーの理解が深まることが期待できる。そしていずれはエフェクトショットを用いずに、クリエイティブフィルターや雰囲気、ピクチャースタイルといった機能を直接設定して、ユーザーがより高度に画質を調整して撮影できるようになっていくことを促すことができる。
なお、上述のエフェクトショットは、撮影された画像に対する画像処理の設定が行える機能であるが、本発明はこれらの画像処理の設定項目に限らず適用可能である。すなわち、撮像装置以外の機器であっても、機器のそれぞれ異なる項目で(他の上位階層下で)設定できる設定パターンを、動作モードや項目(階層)を切り替えることなしに、順次選択して設定できるようにすればよい。その際、選択する順番を、互いに違う項目下の設定値が隣り合うようにする。このようにすることで、その機器における多様な階層下で設定可能な設定を、初心者ユーザーでも気軽に利用できるようになる。すなわち、ユーザーは、簡単な操作で多様な機能を利用することができる。
<再生モード処理>
上述のようにして撮影された、エフェクトショットをオンにして撮影された画像(以下、エフェクトショットで撮影された画像と称する)の再生表示方法について説明する。上述のとおり、エフェクトショットでは、撮影された画像にクリエイティブフィルター、雰囲気機能、ピクチャースタイルで設定可能ないずれかのパラメータを用いて画像処理された画像が記録される。そのため、エフェクトショットで撮影された画像は、エフェクトショットで撮影された旨のみを表示してもどのよう効果が施されて撮影されたかがわからない。そこで本発明では、エフェクトショットで撮影された画像を再生表示するとともに、どのような機能のどのような撮影パラメータを用いて撮影されたのかを表示する。また、上述のとおり、クリエイティブフィルター、雰囲気機能、ピクチャースタイルは、それぞれ利用できる撮影モードが異なる。そのため、クリエイティブフィルター、雰囲気機能、ピクチャースタイルで設定可能な設定パラメータを用いたことをユーザーがわかったとしても、どのように操作すればその設定を再現できるのかがわからない。より詳しくは、どの撮影モードに設定すれば所望の機能を利用でき、どの撮影モードだと所望の機能を利用できないのかがわからない。さらには、どの撮影モードに設定すれば良いかがわかったとしても、どのようにすれば所望の撮影モードに設定できるのかの操作方法がわからない。そこで本発明では、エフェクトショットで撮影された画像を再生表示する際に、どのような機能のどのような撮影パラメータを用いて撮影されたのかを表示する。さらにエフェクトショットで撮影された画像に用いられた設定パラメータを設定可能な機能が何であるかと、その機能が使用可能な撮影モードはなにか、さらにはどのようにしてその撮影モードに設定するかを表示する。
図11(a)に、エフェクトショットで撮影された画像の再生モードでの表示部111への表示例を示す。エフェクトショットアイコン1101は、再生表示されている画像がエフェクトショットをオンにして撮影された画像であることを示している。この状態で、ユーザーによって操作部115に含まれる撮影効果表示ボタンを押下されると、図11(b)の表示となる。
図11(b)に、表示部111における、エフェクトショットで撮影された画像の撮影効果の表示例を示す。画像に重畳して、撮影効果ダイアログ1102が表示されている。撮影効果ダイアログには、機能名1103、項目名/設定値表示1104、操作キーガイド1105が表示される。ユーザーは、機能名1103により、現在表示している画像が、雰囲気機能の設定を用いて撮影された画像だということがわかる。また、ユーザーは、項目名/設定値表示1104により、雰囲気機能のうち、「くっきり鮮やかに」の下位項目で、設定値3段階のうち最大値に設定して撮影された画像だということがわかる。また、操作キーガイド1105により、情報表示切替ボタン55を押下することによりさらなる詳細情報を表示させることができることがわかる。この状態でユーザーによって情報表示切替ボタン55が押下されると、図11(c)の表示となる。
図11(c)に、表示部111における、エフェクトショットで撮影された画像で用いられた機能の操作方法ガイダンスの表示例を示す。操作方法ガイダンス1106には、モードダイヤル117を模した操作部材アイコン1107と、SCNモードに含まれる撮影モードのアイコンを一覧した吹き出し1108が表示される。操作部材アイコン1107と吹き出し1108には、設定可能な撮影モードの全てに対応するアイコン(撮影モードアイコン)が表示されている。これらの撮影モードアイコンのうち、撮影効果ダイアログ1102に表示された機能名が利用できる撮影モードに対応するアイコンを白で表示し、利用できない撮影モードに対応するアイコンをグレーアウトして表示している。この表示をみることで、ユーザーは、現在再生表示している画像に用いられた機能と同じ機能に設定して撮影を行うためには、どの撮影モードにすればよいか、すなわち、白で表示されている撮影モードアイコンの撮影モードに設定すればよいことがわかる。なお、このとき白で表示される撮影モードアイコンは、表示されている画像の撮影時に設定されていた撮影モードに限らない。すなわち、表示されている画像を撮影した際に設定されていた動作モード以外の動作モードを含む、表示されている画像を撮影した際の撮影設定を設定可能な動作モードが白で表示される。また、設定可能な撮影モードのうち、現在再生表示している画像に用いられた機能と同じ機能に設定することができない撮影モード(グレーアウトされている撮影モード)も知ることができる。また、操作部材アイコン1107と吹き出し11008によって、撮影モードダイヤルをどの位置に回せば白のアイコンで表示されている撮影モードに設定できるかがわかる。すなわち、現在再生表示している画像に用いられた機能が利用可能な撮影モードに設定する操作方法までわかる。この状態で上下キーが押下されると、図11(d)の表示となる。また、この状態で情報表示切替ボタン55が押下されると、図11(a)の表示となる。
図11(d)に、表示部111における、エフェクトショットで撮影された画像で用いられた機能に関する効果詳細ガイダンスの表示例を示す。機能ガイド1109には、現在表示している画像に用いられた設定パラメータが利用できる機能であって、撮影効果ダイアログ1102に表示された機能がどのような機能であるのかが表示される。図11(d)の例では、雰囲気の機能がどのようなものなのかが表示されている。文章で説明することで、ユーザーが機能を理解するのに役立てることができる。下位項目ガイド1110は、現在表示している画像に用いられた設定項目であって、撮影効果ダイアログ1102に表示された設定項目がどのような設定なのかが表示されている。文章で説明することで、ユーザーが機能を理解するのに役立てることができる。
上述の再生動作の詳細を説明する。
図12に、再生モード処理のフローチャートを示す。この処理は、前述した図3のS322の処理の詳細である。また、この処理は、不揮発性メモリ114に記録されたプログラムをシステムメモリ113に展開してシステム制御部101が実行することで実現する。
S1201では,システム制御部101は、初期表示する画像として、ファイル番号がn番目の画像ファイルを記録媒体123から読込む。初期表示する画像は、最後に撮影された画像、あるいは前回再生モードの際に最後に表示されていた画像とし、その画像のファイル番号をnの初期値とする。
S1202では、システム制御部101は、読込んだn番目の画像ファイルのうち、属性情報(ヘッダ情報)を読込む。属性情報には,図3のS320で説明したとおり、どの撮影モードに設定されて撮影された画像かどうかの情報、及びどんな撮影パラメータで撮影及び/または画像処理されたかを示す情報が記録されている。
S1203では、システム制御部101は,表示部111に読込んだ画像ファイルの画像を表示する。ここでは,画像1枚の全体が表示部111に収まるシングル表示を行うものとする。
S1204では、システム制御部101は、S1202で読込んだ属性情報より、読込んだn番目の画像がエフェクトショットをオンにして撮影された画像であるか否かを判定する。エフェクトショットをオンにして撮影された画像である場合にはS1205に進み、そうで内場合はS1216に進む。
S1205では、システム制御部101は、エフェクトショットで撮影された画像で有ることを示すエフェクトショットアイコン1101を表示する。このアイコンは、さらなる詳細情報を表示できることを示すアイコンでもある。このときの表示例が前述した図11(a)の表示例である。
S1206では、システム制御部101は、操作部115に含まれる撮影効果表示ボタンが押下されたか否かを判定する。撮影効果表示ボタンが押下された場合はS1207に進み、そうでない場合はS1216に進む。
S1207では、システム制御部101は、表示部111に表示された画像に重畳して撮影効果ダイアログ1102を表示する。より詳しくは、S1202で読込んだ属性情報より、表示している画像が撮影された際に設定されていた機能名、項目名、設定値を特定し、これらの情報を撮影効果ダイアログ1101に表示する。このときの表示例が前述した図11(b)の表示例である。
S1208では、システム制御部101は、情報表示切替えボタン55が押下されたか否かを判定する。情報表示切り替えボタン55が押下されたと判定するとS1209に進み、そうで内場合はS1214に進む。
S1209では、システム制御部101は、表示部111に表示された画像に重畳して、操作方法ガイダンス1106を表示する。より詳しくは、S1202で読込んだ属性情報より、表示している画像が撮影された際に設定されていた機能(クリエイティブフィルターか、ピクチャースタイルか、雰囲気かの大項目の種別)を特定する。そして、不揮発性メモリ114に記憶された情報に基づき、特定した機能をエフェクトショットを使わずに利用可能な撮影モードを特定する。そして、モードダイヤル117を模した操作部材アイコン1107と、SCNモードに含まれる撮影モードのアイコンを表示するための画像データを不揮発性メモリ114から読み出して表示する。この際、特定した機能を利用可能な撮影モードに対応するアイコンを白で、その他の撮影モードに対応するアイコンをグレーで表示する。このときの表示例が前述した図11(c)の表示例である。
S1210では、システム制御部101は、上下キーが押下されたか否かを判定する。上下キー画像が押下された場合はS1211に進み、そうでない場合はS1212に進む。
S1211では、システム制御部101は、表示部に操作方法ガイダンス1106が表示されていた場合は効果詳細ガイダンスの表示に切替え、効果詳細ガイダンスが表示されていた場合は操作方法ガイダンス1106の表示に切替える。効果詳細ガイダンスの表示例が、前述した図11(d)の表示例である。
S1212では、システム制御部101は、情報表示切り替えボタン55が押下されたか否かを判定する。情報表示切り替えボタン55が押下された場合はS1213に進み、そうでない場合はS1210に戻る。
S1213では、システム制御部101は、操作方法ガイダンス、または効果詳細ガイダンスを非表示にし、S1215に進んで撮影効果ダイアログ1102も非表示にし、S1205に進んで図11(a)の表示状態に戻る。
S1214では、システム制御部101は、操作部115に含まれる撮影効果表示ボタンが押下されたか否かを判定する。撮影効果表示ボタンが押下された場合はS1215に進み、そうで内場合はS1208に戻る。
S1215では、システム制御部101は、撮影効果ダイアログ1102も非表示にし、S1205に進んで図11(a)の表示状態に戻る。
一方S1216では、システム制御部101は、シングル再生の終了指示があったか否かを判定する。表示部111に複数の画像を表示するマルチ表示を行う指示、表示部111に画像を拡大表示する指示、撮影モードなどの他の動作モードに移行する指示等を、シングル再生の終了指示と見なすものとする。シングル再生の終了指示があると本処理を終了する。シングル再生の終了指示が無い場合にはS1217に進む。
S1217では、システム制御部101は、画像送り指示(表示されている画像を他の画像に切替える指示)があったか否かを判定する。画像送り指示は、例えば左右キーの押下によって行えるものとする。画像送り指示があった場合はS1218に進み、そうでない場合はS1204に戻る。
S1218では、システム制御部101は、システムメモリ113に保持した画像送りのための変数nを1つインクリメントし、S1201に進み次の画像の表示処理を行う。なお、画像戻しの場合は変数nを1つデクリメントするものとする。
以上説明した本発明の再生モード処理によれば、再生表示された画像が、どのような撮影モード(撮影設定)で撮影されたのかをユーザーが識別することができる。また、再生表示された画像の撮影の際に用いた撮影設定を、どのように操作すれば設定できるのかを知ることができる。さらに、その撮影設定がどのような効果のある設定なのかを理解することができる。
なお、システム制御部101の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルカメラ100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されない。上述の撮影モード処理と同様の処理は、撮影や画像処理に関する設定に限らず、それぞれ異なる複数の項目の階層下で異なる設定値を設定可能な電子機器であれば適用可能である。例えば画像表示に関する設定や通信に関する設定にも適用可能である。また、上述の再生モードと同様の処理は、撮影済みの画像の属性情報を読み込めるとともに、撮影済みの画像を表示することのできる表示制御装置であれば適用可能である。すなわち、本発明はパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。