JP2016125633A - 変速制御装置 - Google Patents

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種甲 金
近藤 真実
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Abstract

【課題】過給機を備えた車両において、加速時におけるもたつきの発生を抑制すること。【解決手段】過給機を有する内燃機関と、トルクコンバータを介して内燃機関に接続された自動変速機と、車速を計測する車速センサと、を備える車両に用いられる変速制御装置であって、車速センサから出力される車両の車速、および要求されるトルクから目標ギア段を設定し、変速指令を出力する制御を行う第1変速制御手段と、パワーオンダウンシフト時に目標ギア段へのダウンシフト指令が第1変速制御手段から出力された時点において、内燃機関の回転数が所定値未満であった場合、目標ギア段に対して変速比が小さいギア段である中間ギア段を経由して目標ギア段に変速する制御を行う第2変速制御手段と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、変速制御装置に関する。
過給機を備える車両において、車両の加速時に低ギア段にする、いわゆるダウンシフトを実行する場合がある。例えば特許文献1には、過給機において過給遅れに応じて開放側のクラッチの油圧を補正することによって、過給機のタービンに対する変速装置の負荷を小さくして、過給遅れを低減する技術が開示されている。
特開2010−144760号公報
しかしながら、エンジンの回転数が低い時には、過給機の過給動作が機能する前のトルクが小さくなってしまう。そのため、過給機の過給動作が機能する前に加速感のもたつきが生じる可能性がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、過給機を備えた車両において、加速時におけるもたつきの発生を抑制することができる変速制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る変速制御装置は、過給機を有する内燃機関と、トルクコンバータを介して内燃機関に接続された自動変速機と、車速を計測する車速センサと、を備える車両に用いられる変速制御装置であって、車速センサから出力される車両の車速、および要求されるトルクから目標ギア段を設定し、変速指令を出力する制御を行う第1変速制御手段と、パワーオンダウンシフト時に目標ギア段へのダウンシフト指令が第1変速制御手段から出力された時点において、内燃機関の回転数が所定値未満であった場合、目標ギア段に対して変速比が小さいギア段である中間ギア段を経由して目標ギア段に変速する制御を行う第2変速制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る変速制御装置によれば、パワーオンダウンシフト時に、目標ギア段へのダウンシフト指令が出力された時点で内燃機関の回転数が所定値未満の場合、変速比が比較的小さいギア段である中間ギア段を経由して目標ギア段に変速することにより、内燃機関の回転数が小さい場合に中間ギア段により早期に加速を発生させるため、過給機を備えた車両において、加速時におけるもたつきの発生を抑制することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態による変速制御が行われる車両を示す概略構成図である。 図2は、本発明が好適に適用される車両に備えられた車両用駆動装置の構成を説明するための概要図である。 図3は、図1の車両用駆動装置に含まれる自動変速機において複数のギア段(変速段)を成立させる際の係合要素の作動状態を説明するための作動表である。 図4は、本発明の実施の形態による変速制御方法を説明するためのフローチャートである。 図5は、車両のエンジンにおけるトルク応答性をエンジンの初期回転数ごとに示すグラフである。 図6は、本発明の一実施の形態による変速制御方法において、中間のギア段を経由する場合を示すタイミングチャートである。 図7は、本発明の一実施の形態による変速制御方法において、中間のギア段を経由しない場合を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。
図1は、実施の形態1に係る変速制御装置を搭載した車両の概略構成図である。図1に示すように、車両1は、内燃機関である過給機付きのエンジン11と、自動変速機12と、プロペラシャフト13と、デファレンシャルギア14と、左右の駆動軸15と、左右の駆動輪16と、油圧制御部17と、車速センサ18と、アクセル開度センサ19と、エンジンECU(Electronic Control Unit)2と、自動変速機ECU3と、を備える。エンジン11には、エンジン11の回転数を計測するエンジン回転数センサ11aが設けられている。エンジン回転数センサ11aは、エンジンECU2と電気的に接続され、エンジンECU2に回転数データを出力する。また、自動変速機12には、エンジン11のクランクシャフトと連結されたトルクコンバータ12aが設けられている。
エンジン11には、トルクコンバータ12aを介して有段式の自動変速機12が連結されている。自動変速機12は、出力側にプロペラシャフト13が連結されている。このプロペラシャフト13にデファレンシャルギア14を介して左右の駆動軸15が連結されている。さらに、左右の駆動軸15のそれぞれに左右の駆動輪16が連結されている。
エンジン11が駆動すると、その駆動力がクランクシャフトから出力され、トルクコンバータ12aを介して自動変速機12の入力軸に入力され、所定の変速が行われる。その後、駆動力は、自動変速機12の出力軸からプロペラシャフト13に出力され、プロペラシャフト13からデファレンシャルギア14を介して左右の駆動軸15に伝達されることにより、左右の駆動輪16を駆動回転することができる。なお、自動変速機12は、油圧制御部17により制御されることで、変速動作を行うことができる。
車速センサ18は、車両1の走行速度を検知する。アクセル開度センサ19は、ドライバのアクセルペダルの踏み込み量に応じたアクセル開度を検知する。車速センサ18およびアクセル開度センサ19はそれぞれ、エンジンECU2に電気的に接続され、エンジンECU2に検知結果を出力する。
なお、エンジンECU2および自動変速機ECU3は、物理的には、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)および入出力等のインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路である。これらのECUの機能は、ROMが保持するアプリケーションプログラムをRAMにロードしてCPUに実行させ、CPUの制御のもとで制御対象を動作させるとともに、RAMやROMにおけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。さらに、エンジンECU2および自動変速機ECU3は、相互に通信可能に構成されており、各種指令や各種センサの検知結果等の送受信を行う。
エンジンECU2には、上述した各種センサの検知結果が入力される。エンジンECU2は、入力された検知結果に基づいてエンジン11の運転状態を検知し、インジェクタ(図示せず)による燃料噴射量や噴射時期、点火プラグ(図示せず)による点火時期などを制御する。
自動変速機ECU3は、車速およびアクセル開度の検知結果等に基づいて、油圧制御部17に制御信号を出力する。油圧制御部17は、制御信号に基づき自動変速機12の油圧機構を制御する。これにより、自動変速機12の変速が行われる。
本実施の形態に係る変速制御装置は、自動変速機ECU3、または自動変速機ECU3およびエンジンECU2を含む構成により実現される。
ここで、変速制御装置による変速は、基本的には、予め記憶された変速マップや変速線図に基づいて、車速およびアクセル開度の検知結果に応じた変速点で行われる。しかしながら、過給機を備えたエンジンにおいて、キックダウン(以下、K/Dともいう)による再加速時におけるトルクの応答は、自然吸気(NA:Natural Aspiration)のトルクが低いため、シフトを低ギア段に切り換えた場合であっても変速に時間を要し、運転者が所望する時間内に車両1を十分に加速させることができない場合がある。すなわち、トルクの応答は、キックダウンを行った際のエンジンの回転数によって大きく変わる。特にエンジン11のエンジン回転数が低回転でリーン燃焼を行っている間は、トルク応答性が低下してしまう。そのため、自然吸気においてキックダウン時におけるエンジンの回転数が低い場合、キックダウンによるエンジンのトルクの応答が遅くなることから、運転者がもたつき感を感じる場合がある。
これに対し、本実施の形態による変速制御装置は、キックダウン時において、低いギア段に切り換えるまでの間に、中間のギア段を経由して目標ギア段としての最終的な低いギア段に移行する。そのため、最終的な低いギア段に切り換えるまでに変速制御が遅れた場合であっても、中間のギア段に切り換えることによって、早い時点で車両1を加速させることができるので、加速性能を向上できる。他方、キックダウン時におけるエンジンの回転数が高い場合、エンジンのトルク応答は比較的早いので、中間のギア段を経由することなく、最終的な低いギア段にまで一気に変速させる。これにより、早い時点で車両1を大きく加速させることができる。したがって、エンジンの回転数が低い場合においては滑らかな加速を実現でき、マニュアル変速やパワーモード走行時においては、メリハリのある加速を実現できるので、運転者の選択モードに適した走行性能を得ることができる。なお、変速制御装置による変速制御方法の詳細については後述する。
(車両駆動装置)
図2は、上述した車両1におけるエンジン11および自動変速機12の構成を説明するための概略図である。図2に示すように、自動変速機12は、エンジン11から駆動輪16(図1参照)への動力伝達経路の一部を構成しており、エンジン11から入力された動力を駆動輪16に向けて出力する。すなわち、変速機入力軸21に入力されたエンジン11の動力を出力歯車22から駆動輪16に向けて出力する。
自動変速機12は、第1遊星歯車装置23、第2遊星歯車装置24、および第3遊星歯車装置25の複数の遊星歯車装置と、複数の油圧式摩擦係合装置であるクラッチCおよびブレーキBと、一方向クラッチF1とを備える。そして、自動変速機12は、複数の油圧式摩擦係合装置の何れかの掴み替えにより複数のギア段が択一的に成立させられる有段の変速機である。なお、クラッチCは具体的に、第1クラッチC1および第2クラッチC2から構成される。また、ブレーキBは具体的に、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3から構成される。すなわち、複数の油圧式摩擦係合装置は、例えば5つの油圧式摩擦係合装置から構成される。
また、自動変速機12は、車速Vとアクセル開度PAP(単位は例えば%)とから表される車両状態に基づきあらかじめ設定された関係(変速線図)に従って、アクセル開度に応じて要求されるトルクから設定される目標ギア段までの変速を行う。換言すると、自動変速機12は、一般的な車両1に用いられる、いわゆるクラッチツークラッチ変速を行う有段変速機である。すなわち、自動変速機12の変速、すなわちダウンシフトまたはアップシフトは、その変速のために係合される係合装置である係合側係合装置が係合作動するとともに、変速のために解放される係合装置である解放側係合装置が解放作動して進行する。
具体的に、自動変速機12の第1遊星歯車装置23は、シングルピニオン型であり、第1サンギアS1、第1ピニオンギアP1、第1キャリヤCA1、および第1リングギアR1を備える。また、第2遊星歯車装置24は、ダブルピニオン型であり、第2サンギアS2、第2ピニオンギアP2、第3ピニオンギアP3、第2キャリヤCA2、および第2リングギアR2を備える。また、第3遊星歯車装置25は、シングルピニオン型であり、第3サンギアS3、第3ピニオンギアP3、第3キャリヤCA3、第3リングギアR3を備える。第2遊星歯車装置24および第3遊星歯車装置25においては、第2リングギアR2および第3リングギアR3が共通の部材から構成されている。さらに、第3遊星歯車装置25の第3ピニオンギアP3は、第2遊星歯車装置24の一方のピニオンギアを兼ねたラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
また、自動変速機12の入力回転部材である変速機入力軸21は、トルクコンバータ12aのタービン軸である。また、図2に示すように、自動変速機12の出力回転部材である出力歯車22は、デファレンシャルギア14のデフドリブンギア(大径歯車)(図示せず)と噛み合うデフドライブギアとして機能している。エンジン11の出力は、トルクコンバータ12a、自動変速機12、デファレンシャルギア14、および一対の駆動軸15を介して一対の駆動輪16へ伝達される。なお、自動変速機12は中心線に対して略対称的に構成されており、図2ではその中心線の下半分が省略されている。
図3は、自動変速機12において複数のギア段(変速段)を成立させる際の係合要素の作動状態を説明するための作動表である。図3の作動表は、上述したそれぞれのギア段とクラッチC1,C2、ブレーキB1,B2,B3の作動状態との関係を示す。図3において、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合、「△」は駆動時のみ係合を示す。図3に示すように、自動変速機12は、それぞれの係合要素(クラッチC1,C2、ブレーキB1〜B3)の作動状態に応じて、第1速ギア段「1st」から、第6速ギア段「6th」までの6つの前進ギア段が成立するとともに、後進ギア段「R」の後進ギア段が成立する。なお、第1ギア段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチF1が設けられているため、発進時(加速時)において必ずしもブレーキB2を係合させる必要はない。また、自動変速機12の変速比γatは、変速機入力軸21の回転速度Ninである入力回転速度Ninと出力歯車22の回転速度Noutである出力回転速度Noutとに基づいて、以下の(1)式から算出される。
変速比γat=入力回転速度Nin/出力回転速度Nout …(1)
また、上述したクラッチC1,C2、およびブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合はそれぞれ、クラッチC、ブレーキBという)はそれぞれ、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置である。油圧式摩擦係合装置は、油圧制御部17(図1、図2参照)に設けられたリニアソレノイドバルブの励磁、非励磁や電流制御により、係合状態と解放状態とが切り換えられるとともに、係合時や解放時における過渡油圧などが制御される。
トルクコンバータ12aは、ポンプ翼車12aa、タービン翼車12ab、およびステータ翼車12acを備え、エンジン11が発生した動力を、流体を介して自動変速機12に伝達する流体伝動装置である。ポンプ翼車12aaは、エンジン11のクランク軸である出力軸11bに連結されている。タービン翼車12abは、自動変速機12の変速機入力軸21に連結されている。ステータ翼車12acは、一方向クラッチを介して自動変速機12のハウジング(トランスミッションケース)30に連結されている。また、上述したポンプ翼車12aaとタービン翼車12abとの間には、直結クラッチであるロックアップクラッチ26が設けられている。油圧制御等によってロックアップクラッチ26が制御されると、ポンプ翼車12aaとタービン翼車12abとは、係合状態、スリップ状態、または解放状態となる。このロックアップクラッチ26が係合状態、厳密には完全係合状態となることによって、ポンプ翼車12aaとタービン翼車12abとが一体回転する。
エンジン11は、ガソリンエンジンなどの点火装置を有する内燃機関であって、過給機50を備える。過給機50は、エンジン11の吸排気系に設けられ、エンジン11から排気される排気ガスの一部または全部によって回転駆動されて、エンジン11の吸気を昇圧する。具体的には、過給機50は、公知の排気タービン過給機であり、具体的には例えば、過給圧制御手段としてのエンジンECU2により制御されて、エンジン11の排気によって過給圧Pcmを発生するターボチャージャである。
図2に示すように、過給機50は、排気タービンホイール51、吸気コンプレッサーホイール52、排気タービンホイール51と吸気コンプレッサーホイール52とを連結する回転軸53とを備える。排気タービンホイール51は、エンジン11の排気管54内に設けられ、エンジン11の排気によって回転駆動される。吸気コンプレッサーホイール52は、エンジン11の吸気管55内に設けられ、排気タービンホイール51により回転されてエンジン11の吸気を圧縮する。そして、エンジン11は、過給機50を駆動するのに十分なエンジン11の排気が排気タービンホイール51に導かれると、過給機50により過給されている過給状態で動作する。一方、排気タービンホイール51に導かれるエンジン11の排気が過給機50の駆動に不十分になると、過給機50はほとんど駆動されない。この場合、エンジン11は、過給状態に比して過給が抑制された状態、すなわち過給機50を備えていない自然吸気エンジンと同等の自然吸気状態で動作する。なお、自然吸気状体は、NA状態または非過給状態とも言う。
また、エンジン11は、過給機50により過給された吸入空気を冷却するインタークーラー56を備える。インタークーラー56は、エンジン11の吸気管55によって構成される吸気経路において、吸気コンプレッサーホイール52と電子スロットル弁57との間に設けられている。そのため、吸気コンプレッサーホイール52から吐出された吸入空気は、インタークーラー56を介して電子スロットル弁57を通過する。
また、過給機50は、排気管54内の排気タービンホイール51が設けられている排気経路と並列に配設された排気バイパス経路58、および排気バイパス経路58を開閉するウェイストゲートバルブ59が設けられている。ウェイストゲートバルブ59は、ウェイストゲートバルブ59の開度θwg(以下、ウェイストゲートバルブ開度θwg)が連続的に調節可能に構成されている。そして、自動変速機ECU3は、電動アクチュエータ60を制御することによって、吸気管55内の圧力を利用してウェイストゲートバルブ59を連続的に開閉する。
また、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほど、エンジン11からの排気は排気バイパス経路58を通って排出されやすくなる。そのため、エンジン11を上述した過給状態にすることが可能な程度に、エンジン11の排気ポートからの排気が得られている場合、吸気管55内での吸気コンプレッサーホイール52の下流側気圧PLinは、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほど低くなる。すなわち、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほど、吸気コンプレッサーホイール52の出口圧力である過給機50による過給圧Pcm(=PLin)は低くなる。このように、ウェイストゲートバルブ59は、エンジン11からの排気のうち過給機50を回転駆動する排気の量、具体的には過給機50の排気タービンホイール51に供給される排気の量を調節することで過給圧Pcmを調節する、過給圧調節装置として機能する。例えば、ウェイストゲートバルブ59は、その開度θwgにより過給機50を回転駆動する排気の量を増減でき、過給機50を回転駆動する排気の量を増やすことで過給圧Pcmを高くし、反対に、過給機50を回転駆動する排気の量を減らすことで過給圧Pcmを低くする。
また、エンジン11は電子スロットル弁57を備えている。電子スロットル弁57は、エンジン11の吸入空気量Qin(単位は例えばg/sec)を調節する弁機構であり、電動のスロットルアクチュエータ61によって開閉作動される。なお、スロットルアクチュエータ61は、エンジンECU2により制御される。また、電子スロットル弁57の開度θth、すなわちスロットル開度θthはスロットル開度センサ74により検出される。検出されたスロットル開度θthを表す信号は、エンジンECU2に供給される。具体的に、電子スロットル弁57の開度であるスロットル開度θthが小さいほど、換言すると電子スロットル弁57が閉じられて絞られるほど、エンジン11の吸入空気量Qinは減少する。また、電子スロットル弁57は、エンジン11の吸気管55によって構成される吸気経路において、過給機50の下流に配設されている。具体的には、過給機50の吸気コンプレッサーホイール52よりも下流側に配設されている。また、過給圧計測手段としての過給圧センサ62は、吸気管55内において、吸気コンプレッサーホイール52の下流側気圧PLin(=過給圧Pcm)を計測する。
(変速制御方法)
次に、この一実施の形態の変速制御装置による変速制御方法について説明する。図4は、この一実施の形態による変速制御方法を説明するためのフローチャートである。図5は、アクセルをオンにした後におけるエンジンのトルク応答性を初期エンジン回転数ごとに示すグラフである。また、図6および図7は、この一実施の形態による変速制御方法において、中間のギア段を経由する場合および経由しない場合を示すタイミングチャートを示す。なお、以下に説明するフローチャートは、車両1が走行可能な状態である間において所定周期で実行される。
図4に示すように、エンジンECU2は、ステップST1において、種々のセンサから供給されるデータに基づいて、情報収集を行う。具体的にエンジンECU2は、アクセル開度センサ19から出力されるアクセル開度、エンジン回転数センサ11aから出力されるエンジン回転数、タービン回転数センサ(図示せず)から出力されるタービン回転数、および自動変速機12から供給されるギア段などの各種情報を収集する。
次に、ステップST2に移行すると、第1変速制御手段の一部としてのエンジンECU2は、アクセル開度が大きくなってキックダウン操作が行われているか否かを判断する。そして、アクセル開度が大きくなっている場合には、エンジンECU2はダウンシフト指令を出力する。エンジンECU2がダウンシフト指令を出力すると、自動変速機ECU3は、油圧制御部17を介して自動変速機12においてダウンシフト、いわゆるパワーオンダウンシフトを行う(ステップST2:Yes)。その後、ステップST3に移行する。ここで、パワーオンダウンシフトとは、運転者のアクセルペダルに対するキックダウン操作に伴うスロットル開度の増加とともに行われるダウンシフトのことである。他方、ダウンシフト指令が出力されない場合(ステップST2:No)、変速制御処理は終了する。
ステップST3においては、エンジンECU2は、キックダウン操作が行われてギア段を切り換える変速処理を行う前の時点でのエンジンの回転数(初期エンジン回転数)が高いか否かを判断する。すなわち、図5に示すように、初期エンジン回転数が高い場合には、アクセルをオンにしてキックダウンを行った後における時間の経過に伴って、エンジン11のトルクは早い段階で増加する。そこで、この一実施の形態においては具体的に、エンジンECU2は、エンジン11の初期エンジン回転数があらかじめ設定された所定回転数以上、具体的には例えばアイドル回転数程度の1500rpm以上であるか否かを判断する。図4に示すように、初期エンジン回転数が、所定回転数以上に高い場合(ステップST3:Yes)には、ステップST4に移行する。これは、エンジンECU2または自動変速機ECU3により、時間の経過に伴ってエンジン11のトルクは早い段階で増加すると想定されるためである。
そこで、ステップST4においては、第1変速制御手段の一部としての自動変速機ECU3の制御により、パワーオンダウンシフトによる最終的なギア段、すなわち目標ギア段まで一気に変速を行う。具体的には、図7に示すように、ギア段が6段の状態でアクセルをオンにした時点から、自動変速機12の変速を開始し変速が終了するまでの間(図7中、上点線囲み部)において、エンジン11のトルクは増加する。そして、ギア段が例えば2段にまで変速されることによって、車両1の加速度Gはさらに増加する(図7中、下点線囲み部)。すなわち、車両1は、運転者がもたつき感を感じることなく加速される。なお、図7中、C1圧およびC2圧はそれぞれ、第1クラッチC1および第2クラッチC2に対するクラッチ制御圧であり、B1圧は、第1ブレーキB1に供給される油圧である。以上により、変速制御処理が終了する。
他方、図4に示すステップST3において、エンジンECU2または自動変速機ECU3が、エンジン11の初期エンジン回転数があらかじめ設定された所定回転数未満であると判断した場合、ステップST5に移行する。すなわち、図5に示すように、初期エンジン回転数が低い場合には、アクセルをオンにしてキックダウン操作を行った後、時間が経過しても、エンジン11のトルクの増加は低い状態が継続する。そこで、この一実施の形態においては具体的に、エンジンECU2は、エンジン11の初期エンジン回転数があらかじめ設定された所定回転数未満である場合(ステップST3:No)、ステップST5に移行する。これは、キックダウン操作によって自動変速機ECU3が、最終的なギア段までダウンシフトを行ったとしても、時間の経過に伴うエンジン11のトルクの増加が遅いと想定されるためである。
そこで、ステップST5において、第2変速制御手段としての自動変速機ECU3は、自動変速機12に対して、キックダウン操作によるパワーオンダウンシフトによって、目標ギア段としての最終的なギア段まで変速する前に、最終的なギア段より変速比が小さいギア段の中間ギア段を経由する制御を行う。具体的には、図6に示すように、ギア段が6段の状態でアクセルがオンにされた後に変速が開始されると、自動変速機12は中間のギア段である例えば4段に変速される。なお、経由されるギア段は4段に限定されず、6段未満の5段や3段であってもよい。この時点において、車両1はギア段に応じて加速され、例えばギア段が4段の状態で加速される(図6中、点線丸囲み部)。これにより、図4に示すステップST6において、車両1が加速されるので、運転者がもたつき感を感じる可能性が低減する。また、ステップST6においては、図6におけるC2圧のグラフに示すように、例えば4段に切り換えられた時点での第2クラッチC2の解放側の圧力を制御することによって、最終的なギア段、ここでは例えば2段への変速進行度を調整して変速時間を遅らせる。これによって、運転者が車両1の加速をさらに実感できる。
その後、ステップST7に移行して、所定の加速度を得た状態で、自動変速機ECU3の制御によって、ギア段が例えば4段から最終段のギア段である例えば2段にまで変速される。自動変速機12のギア段が最終段のギア段まで変速されると、図6中の加速度Gのグラフに示すように、車両1の加速度Gはさらに増加する。なお、エンジン11のトルクは、アクセルがオンにされる間において増加する。また、図6中、C1圧およびC2圧はそれぞれ、第1クラッチC1および第2クラッチC2に対するクラッチ制御圧、B1圧は第1ブレーキB1に供給される油圧である。以上により、変速制御処理が終了する。
以上のステップST5〜ST7の制御によって、初期エンジン回転数が低い場合に、最終段のギア段に切り替わるまでの間に、中間のギア段を経由していることにより、運転者は途中で加速感を得ることができるので、もたつき感を抑制できる。
以上説明した本発明の一実施の形態によれば、エンジン11の回転数が低く、過給機50による過給動作が機能する前に自然吸気でのエンジン11のトルクが低い場合に、パワーオンダウンシフトを行っても、自動変速機12の変速に時間を要し、車両1における運転者が所望する加速が得られないという問題を回避できる。すなわち、過給機50を備えた車両1は、過給機50によるトルクアップの効果があることから、過給機50を備えてない同程度のクラスの車両に比して自然吸気でのトルクが小さい。また、燃費を向上させるためにエンジン11の燃焼方式をリーン燃焼に切り換えたり、エンジン11の回転数を低回転の状態にしたりして、車両1を走行させる場合もある。このような場合であっても、エンジン11のトルクをすべて低いギア段での駆動に利用しても、変速を終了させるまでに時間を要するため、運転者が所望する時間内に所望の加速性能を得られない、という問題を回避できる。したがって、パワーオンダウンシフト時に、過給機50を備えた車両1において、加速時におけるもたつき感の発生を抑制できる。
以上、本発明の一実施の形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の一実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施の形態において挙げたギア段や回転数はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なるギア段や回転数としてもよい。
1 車両
2 エンジンECU
3 自動変速機ECU
11 エンジン
11a エンジン回転数センサ
12 自動変速機
12a トルクコンバータ
17 油圧制御部
18 車速センサ
19 アクセル開度センサ
50 過給機
B1 第1ブレーキ
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ

Claims (1)

  1. 過給機を有する内燃機関と、トルクコンバータを介して前記内燃機関に接続された自動変速機と、車速を計測する車速センサと、を備える車両に用いられる変速制御装置であって、
    前記車速センサから出力される前記車両の車速、および要求されるトルクから目標ギア段を設定し、変速指令を出力する制御を行う第1変速制御手段と、
    パワーオンダウンシフト時に目標ギア段へのダウンシフト指令が前記第1変速制御手段から出力された時点において、前記内燃機関の回転数が所定値未満であった場合、前記目標ギア段に対して変速比が小さいギア段である中間ギア段を経由して前記目標ギア段に変速する制御を行う第2変速制御手段と、を備える
    ことを特徴とする変速制御装置。
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