JP2013170469A - 車両用駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過給機を有するエンジンを備えた車両において、スロットル開度特性の切替えの際に駆動力の急変を抑えることができる車両用駆動制御装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置52は、予め定められた複数のスロットル開度特性から選択されたスロットル開度特性をその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替える際に、過給機54の過給圧Pcmoutと目標吸気圧PTcmoutとの圧力差PGcmoutが大きいほど、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して過給圧Pcmoutの変化を緩慢にする。従って、電子制御装置52は、前記選択されたスロットル開度特性が切り替えられる際に、その切替えと共に過給圧上昇が生じたとしても、前記過給圧Pcmoutの変化が緩慢にされない場合と比較して駆動力Fcの急変を抑えることができる。
【選択図】図13

Description

本発明は、過給機付のエンジンを備えた車両において、ドライバビリティを向上させる技術に関するものである。
過給機を有するエンジンを備えた車両に設けられた車両用駆動制御装置が、従来からよく知られている。例えば、特許文献1の内燃機関の制御装置がそれである。その内燃機関の制御装置は、前記過給機に含まれるコンプレッサの吐出圧が所定値以上で且つインテークマニホルド内圧力が所定値以上である場合には、インテークマニホルド内圧力が所定値を超えないようにスロットル開度を制御する。このようにスロットル開度が制御されることで、過給圧の異常上昇を防止することができる。
実開昭62−79944号公報 特開昭61−083460号公報 特開2002−038961号公報 特開2010−163915号公報 特開平10−238379号公報 特開平04−187820号公報
ところで、エンジンのスロットル開度を制御するためのスロットル開度特性が例えば走行状態や負荷状態等に基づいて切り替えられる車両がよく知られている。そのような車両において、前記スロットル開度特性がスロットル開度の大きくなる側に切り替えられる際に、そのスロットル開度特性の切替えと共に過給圧上昇が生じると、駆動力が急変するという未公知の課題があった。そのように駆動力が急変すると、例えばドライバビリティを悪化させる可能性がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、過給機を有するエンジンを備えた車両において、スロットル開度特性の切替えの際に駆動力の急変を抑えることができる車両用駆動制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(a)過給機を有するエンジンを備えた車両において、予め定められた複数のスロットル開度特性から選択されたスロットル開度特性に従って前記エンジンのスロットル開度を制御し、前記過給機の過給圧を予め定められた目標吸気圧に近付けるようにその過給機を作動させる車両用駆動制御装置であって、(b)前記選択されたスロットル開度特性をその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度の大きくなる側の特性に切り替える際に、前記過給機の過給圧と前記目標吸気圧との圧力差が大きいほど、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して前記過給圧の変化を緩慢にすることを特徴とする。
このようにすれば、前記選択されたスロットル開度特性が切り替えられる際に、その切替えと共に過給圧上昇が生じたとしても、前記過給圧の変化が緩慢にされない場合と比較して駆動力の急変を抑えることができる。なお、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して前記過給圧の変化を緩慢にすることは、或る大きさの前記圧力差を境に段階的に実施されてもよいし、前記過給圧の変化を緩慢にする度合が前記圧力差に応じて連続的に変更されてもよい。
ここで、第2発明の要旨とするところは、前記第1発明の車両用駆動制御装置であって、前記過給圧の変化を緩慢にすることとは、その過給圧の時間上昇率を小さくすることであることを特徴とする。このようにすれば、前記過給圧の変化を緩慢にしない場合に対し過給圧を上昇させるタイミングを変更しなくても、前記過給圧の変化を緩慢にすることができるので、制御負荷の軽減を図ることが可能である。
また、第3発明の要旨とするところは、前記第2発明の車両用駆動制御装置であって、(a)前記圧力差が大きいほど前記過給圧の変化を緩慢にすることとは、その圧力差が予め定められた圧力差判定値を超えた場合に、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して前記過給圧の変化を緩慢にすることであり、(b)前記圧力差が前記圧力差判定値を超えた圧力差範囲では、前記圧力差が小さいほど前記過給圧の時間上昇率を小さくすることを特徴とする。このようにすれば、前記過給圧の変化を緩慢にしたとしても、その過給圧の変化を緩慢したことによる効果が得られる範囲内で、前記過給圧の時間上昇率が前記圧力差に拘らず一定である場合と比較して、過給圧の上昇遅れを抑えることが可能である。
ここで、好適には、前記複数のスロットル開度特性とは、スロットル開度とアクセル開度との関係である。
また、好適には、前記過給圧の変化を緩慢にするか否かを決定する前記圧力差は、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度の大きくなる側の特性に切り替わる際の値とされる。
本発明が好適に適用される車両に備えられた車両用駆動装置の構成を説明するための骨子図である。 図1の車両用駆動装置に含まれる自動変速機において複数の変速段(ギヤ段)を成立させる際の係合要素の作動状態を説明するための作動表である。 図1の車両用駆動装置を制御するための電子制御装置に入力される信号を例示した図であると共に、その電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図3の電子制御装置がスロットル開度の制御に用いる予め定められた複数のスロットル開度とアクセルペダル開度との関係を表した図であって、スロットル開度特性を説明するための図である。 図4とは別のスロットル開度特性を説明するための図であって、スロットル開度の制御に用いられる予め設定された複数のタービン回転速度とエンジントルクとの関係で構成されたエンジントルクマップを示した図である。 車速およびアクセルペダル開度をパラメータとする変速線図と重ねて表された、図5に示される複数のタービン回転速度とエンジントルクとの関係から一の関係を選択するためのマップの一部を抜粋して表した図である。 図4に示された複数のスロットル開度とアクセルペダル開度との関係を基にして、図3の電子制御装置により選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度の大きくなる側の特性に切り替えられることになる例を示した図である。 図5に示された複数のタービン回転速度とエンジントルクとの関係を基にして、図3の電子制御装置により選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度の大きくなる側の特性に切り替えられることになる例を示した図である。 図3の電子制御装置が実行する過給圧変化制限制御を説明するためのタイムチャートである。 図9のX部に対応したタイムチャートの第1の抜粋図である。 図9のX部に対応したタイムチャートの第2の抜粋図であって、図10とは異なる例を示した図である。 図3の電子制御装置が実行する過給圧変化制限制御において過給圧の時間上昇率を過給圧と目標吸気圧との圧力差に基づいて決定するための過給圧上昇率マップである。 図3の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、前記過給圧変化制限制御を実行する制御作動を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両6に備えられた車両用駆動装置7の構成を説明するための骨子図である。車両6は車両用駆動装置7及び一対の駆動輪38等を備えており、その車両用駆動装置7は車両用動力伝達装置8(以下、「動力伝達装置8」という)とエンジン10とを備えている。その動力伝達装置8は、エンジン10と駆動輪38との間に介装されており、自動変速機12と、エンジン10の出力軸13に連結されてそのエンジン10と自動変速機12との間に介装されたトルクコンバータ14とを備えている。そして、動力伝達装置8は、車両6(図3参照)の左右方向(横置き)に搭載するFF車両に好適に用いられるものである。
自動変速機12は、エンジン10から駆動輪38(図3参照)への動力伝達経路の一部を構成しており、エンジン10の動力を駆動輪38に向けて出力する。すなわち、変速機入力軸26に入力されたエンジン10の動力を出力歯車28から駆動輪38に向けて出力する。自動変速機12は、複数の遊星歯車装置16,20,22と、複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチC、ブレーキB)具体的には5つの油圧式摩擦係合装置(C1,C2,B1,B2,B3)と、一方向クラッチF1とを備え、その複数の油圧式摩擦係合装置の何れかの掴み替えにより複数の変速段(ギヤ段)が択一的に成立させられる有段の変速機である。例えば、自動変速機12は、車速Vとアクセルペダル開度Accとで表される車両状態に基づき予め設定された関係(変速線図)に従って変速を行う。端的に言えば、一般的な車両によく用いられる所謂クラッチツークラッチ変速を行う有段変速機である。具体的に、自動変速機12の第1遊星歯車装置16はシングルピニオン型であり、第1サンギヤS1と第1ピニオンギヤP1と第1キャリヤCA1と第1リングギヤR1とを備えている。また、第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型であり、第2サンギヤS2と第2ピニオンギヤP2と第3ピニオンギヤP3と第2キャリヤCA2と第2リングギヤR2とを備えている。また、第3遊星歯車装置22はシングルピニオン型であり、第3サンギヤS3と第3ピニオンギヤP3と第3キャリヤCA3と第3リングギヤR3とを備えている。その第2遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置22は、第2、第3リングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成されており、且つ第3遊星歯車装置22の第3ピニオンギヤP3が第2遊星歯車装置20の一方のピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。図1から判るように、自動変速機12の入力回転部材である変速機入力軸26はトルクコンバータ14のタービン軸である。また、自動変速機12の出力回転部材である出力歯車28は、差動歯車装置32(図3参照)のデフドリブンギヤ(大径歯車)34と噛み合うデフドライブギヤとして機能している。エンジン10の出力は、トルクコンバータ14、自動変速機12、差動歯車装置32、および一対の車軸36を介して一対の駆動輪(前輪)38へ伝達されるようになっている(図3参照)。なお、この自動変速機12は中心線に対して略対称的に構成されており、図1ではその中心線の下半分が省略されている。
図2は、自動変速機12において複数の変速段(ギヤ段)を成立させる際の係合要素の作動状態を説明するための作動表である。図2の作動表は、上記各変速段とクラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3の作動状態との関係をまとめたものであり、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合、「△」は駆動時のみ係合を表している。図2に示すように、自動変速機12は、各係合要素(クラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3)の作動状態に応じて第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の6つの前進変速段が成立させられるとともに、後進変速段「R」の後進変速段が成立させられる。なお、第1変速段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチF1が設けられているため、発進時(加速時)には必ずしもブレーキB2を係合させる必要は無いのである。また、自動変速機12の変速比γatは、変速機入力軸26の回転速度Ninである入力回転速度Ninと出力歯車28の回転速度Noutである出力回転速度Noutとに基づいて「変速比γat=入力回転速度Nin/出力回転速度Nout」という式から算出される。
上記クラッチC1、C2、およびブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置であり、油圧制御回路40(図1参照)に設けられたリニアソレノイドバルブの励磁、非励磁や電流制御により、係合、解放状態が切り換えられるとともに、係合、解放時の過渡油圧などが制御される。
トルクコンバータ14は、エンジン10の出力軸(クランク軸)13に連結されたポンプ翼車14aと、自動変速機12の変速機入力軸26に連結されたタービン翼車14bと、一方向クラッチを介して自動変速機12のハウジング(トランスミッションケース)30に連結されたステータ翼車14cとを備えており、エンジン10により発生させられた動力を自動変速機12へ流体を介して伝達する流体伝動装置である。また、上記ポンプ翼車14a及びタービン翼車14bの間には、直結クラッチであるロックアップクラッチ46が設けられており、油圧制御等により係合状態、スリップ状態、或いは解放状態とされるようになっている。このロックアップクラッチ46が係合状態とされることにより、厳密に言えば、完全係合状態とされることにより、上記ポンプ翼車14a及びタービン翼車14bが一体回転させられる。
エンジン10は、ディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンなどの内燃機関であり、過給機54を備えている。その過給機54は、エンジン10の吸気系に設けられており、エンジン10の排気によって回転駆動されてエンジン10の吸気を昇圧する公知の排気タービン過給機、すなわちターボチャージャーである。具体的には図1に示すように、過給機54は、エンジン10の排気管56内に設けられエンジン10の排気によって回転駆動される排気タービンホイール58と、エンジン10の吸気管60内に設けられ排気タービンホイール58により回転させられることでエンジン10の吸気を圧縮する吸気コンプレッサーホイール62と、排気タービンホイール58と吸気コンプレッサーホイール62とを連結する回転軸64とを備えている。エンジン10は、過給機54を駆動するのに十分なエンジン10の排気が排気タービンホイール58に導かれると、過給機54により過給される過給状態で動作する。一方で、排気タービンホイール58に導かれるエンジン10の排気が過給機54の駆動に不十分であると過給機54が殆ど駆動されず、エンジン10は、前記過給状態に比して過給が抑制された状態すなわち過給機54の無い自然吸気エンジンと同等の過給されない吸気の状態である自然吸気状態(NA状態又は非過給状態とも言う)で動作する。
また、排気管56内の排気タービンホイール58が設けられている排気経路と並列に配設された排気バイパス経路66と、その排気バイパス経路66を開閉するウェイストゲートバルブ68とが設けられている。ウェイストゲートバルブ68は、そのウェイストゲートバルブ68の開度θwg(以下、ウェイストゲートバルブ開度θwgという)が連続的に調節可能になっており、電子制御装置52は、電動アクチュエータ70を制御することにより、吸気管60内の圧力を利用してウェイストゲートバルブ68を連続的に開閉する。また、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほどエンジン10の排気は排気バイパス経路66を通って排出され易くなるので、エンジン10を前記過給状態にすることが可能な程度にエンジン10の排気ポートからの排気が得られていれば、吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧PLin、要するに過給機54の過給圧Pcmout(=PLin)は、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほど低くなる。すなわち、ウェイストゲートバルブ68は、過給圧Pcmoutを調節する過給圧調節装置として機能する。例えば、エンジン10を前記過給状態にする動作範囲(エンジン動作点の範囲)である過給域と、その過給域に対して低エンジントルク側に設けられ且つエンジン10を前記非過給状態にする動作範囲である非過給域とに領域分けされた過給動作マップが予め実験的に設定されている。そして、電子制御装置52は、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとで表されるエンジン10の動作点(エンジン動作点)を前記非過給域から前記過給域に移行する場合には、ウェイストゲートバルブ68を閉方向に作動させることにより過給機54に過給させる。逆に、前記エンジン動作点を前記過給域から前記非過給域に移行する場合には、ウェイストゲートバルブ68を開方向に作動させることにより過給機54による過給を停止又は抑制する。前記過給動作マップは、例えば、運転者の要求に従って可及的に大きな駆動力Fcが得られるように、且つ、車両6の燃費悪化が可及的に抑えられるように、予め実験的に設定されている。駆動力Fcとは車両6を進行方向へ推進する推進力である。
また、電子制御装置52は、エンジン10が前記過給状態にある場合には、予め実験的に定められた関係から、アクセルペダル開度Acc及び車速V等で表される車両状態に基づいて、過給圧Pcmoutの目標値である目標吸気圧PTcmout(目標過給圧PTcmoutと呼んでもよい)を逐次決定し、その予め決定した目標吸気圧PTcmoutに過給圧Pcmoutを近づけるように過給機54を作動させる。具体的には、ウェイストゲートバルブ開度θwgまたはスロットル開度θthを制御することにより過給圧Pcmoutを目標吸気圧PTcmoutに近づける。例えば、目標吸気圧PTcmoutは、前記予め実験的に定められた関係に従って、アクセルペダル開度Accが大きいほど大きく設定される。
また、エンジン10は電子スロットル弁72を備えている。その電子スロットル弁72は、エンジン10の吸気管60内の吸気コンプレッサーホイール62よりも下流側に設けられエンジン10の吸入空気量を調節する弁機構であって、電動のスロットルアクチュエータ94により開閉作動させられる。
図3は、エンジン10等の駆動制御を行う車両用駆動制御装置としての機能を含む電子制御装置52に入力される信号を例示した図であると共に、電子制御装置52に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。この電子制御装置52は、所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより例えばエンジン10や自動変速機12に関する車両制御を実行するものである。
電子制御装置52には、図3に示すような各センサやスイッチなどから、スロットル開度センサ74により検出される電子スロットル弁72の開度θthすなわちスロットル開度θthを表す信号、第1吸気センサ76により検出される吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の上流側気圧PHinを表す信号、第2吸気センサ(過給圧センサ)78により検出される吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧PLin(=過給圧Pcmout)を表す信号、エンジン回転速度センサ84により検出されるエンジン回転速度Neを表す信号、出力回転速度センサ86により検出される出力歯車28の回転速度Noutを表す信号、運転者の要求出力に対応するアクセルペダル88の操作量であるアクセルペダル開度Acc(アクセル開度Accとも呼ぶ)を表すアクセルペダル開度センサ90からの信号、タービン翼車14bの回転速度Nt(以下、「タービン回転速度Nt」という)すなわち変速機入力軸26の回転速度Nin(=Nt)を表すタービン回転速度センサ92からの信号、および、車速センサ96により検出される車速Vを表す信号等が、それぞれ供給される。なお、出力歯車28の回転速度Noutは車速Vに対応するので、出力回転速度センサ86と車速センサ96とは一つの共通のセンサとされてもよい。また、コンプレッサー上流側吸気圧PHinは大気圧Pairと同じであるので、第1吸気センサ76はその大気圧Pairを検出する大気圧センサとしても機能する。
また、電子制御装置52から、車両6に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、電子制御装置52は、逐次検出されるアクセルペダル開度Accに基づき、予め定められたスロットル開度θthとアクセルペダル開度Accとの関係であるスロットル開度特性に従ってスロットル開度θthを制御する。具体的には、アクセルペダル開度Accが大きいほど前記スロットル開度特性に従ってスロットル開度θthが大きくされる。前記スロットル開度特性は、後述するように、車両6の走行状態または負荷状態に基づいて切り替えられる。その走行状態および負荷状態は、互いに厳密に区別されるものではなく、前記走行状態も負荷状態も、例えば、車速V、エンジン回転速度Ne、アクセルペダル開度Acc、スロットル開度θth、過給圧Pcmoutなどのパラメータの一部若しくは全部により表される。その走行状態および負荷状態は車両状態と総称されてもよい。
ところで、本実施例の車両6では、前記スロットル開度特性は車両走行中に切り替えられることがあるが、そのスロットル開度特性がスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられると共に過給圧Pcmoutが過渡的に上昇すると、駆動力Fcの急変を生じるおそれがある。そこで、本実施例の電子制御装置52は、そのような駆動力Fcの急変を抑える制御を実行する。その制御機能の要部について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、電子制御装置52は、特性切替判断部である特性切替判断手段100と、過給状況判断部である過給状況判断手段102と、過給圧上昇制限部である過給圧上昇制限手段104とを機能的に備えている。
本実施例では、図4に示すように、スロットル開度θthとアクセルペダル開度Accとの関係である複数のスロットル開度特性が、予め実験的に定められている。その複数のスロットル開度特性の何れにおいても、アクセルペダル開度Accが大きくなるほどスロットル開度θthが大きくなる。そして、エンジン10のスロットル開度θthは、その複数のスロットル開度特性から択一的に選択されたスロットル開度特性に従って制御される。例えば図4では、逐次検出される車速Vが低いほど、前記選択されたスロットル開度特性はスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられる。例えば実線L01Aで示されるスロットル開度特性は、破線L01Bで示されるスロットル開度特性が選択されるときの車速Vよりも高車速時に選択される。
また、スロットル開度θthが複数のスロットル開度特性から択一的に選択されたスロットル開度特性に従って制御される図4とは別の例が、図5に示されている。図5は、スロットル開度θthの制御に用いられる予め実験的に設定された複数のタービン回転速度NtとエンジントルクTeとの関係(特性)で構成されたエンジントルクマップを示した図である。この図5は、アクセルペダル開度Accが或る値である場合の例、すなわち、アクセルペダル開度Accを一定とした場合の例を前記エンジントルクマップから抜粋して表しており、前記エンジントルクマップでは、タービン回転速度NtとエンジントルクTeとの関係はアクセルペダル開度Accに応じて図5とは異なるものとなる。具体的には、図6に一部が抜粋して示されているように車速Vおよびアクセルペダル開度Accをパラメータとするマップが予め実験的に設定されており、そのマップに従い車両状態(車速V、アクセルペダル開度Acc)に基づいて、図5に示される複数の特性から一の特性が選択される。例えば、車速Vおよびアクセルペダル開度Accで表される車両状態が、図6の二点鎖線Lbrを境として低車速側の領域に属する場合には実線L02A(図5参照)で示される特性が選択され、その車両状態がその二点鎖線Lbrを境として高車速側の領域に属する場合には破線L02B(図5参照)で示される特性が選択される。図5に示される前記エンジントルクマップでは、エンジントルクTeはスロットル開度θthに対応するので、例えば実線L02Aで示される特性は破線L02Bで示される特性よりもスロットル開度θthが小さくなる側の特性である。従って、図5は、タービン回転速度NtとエンジントルクTeとを座標軸とする二次元座標で表されているが、その図5に表された複数のタービン回転速度NtとエンジントルクTeとの関係から何れか一の関係が選択されれば、アクセルペダル開度Accに対するスロットル開度θthの大きさが切り替わることになり、前記スロットル開度特性が選択されることと同じである。
図4〜図6を用いて上述したように、予め実験的に定められている複数のスロットル開度特性から一のスロットル開度特性が選択されるので、特性切替判断手段100は、前記複数のスロットル開度特性から選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられたか否かを判断する。ここで、特性切替判断手段100は、上記選択されたスロットル開度特性が切り替えられる直前であれば、その切替えを決定する車速V等の検出値から、上記選択されたスロットル開度特性が切り替えられるか否かを予測して判断することができるので、前記選択されたスロットル開度特性が切り替えられたか否かを判断してもよいし、切り替えられるか否かを判断してもよい。
例えば、図4の例で説明すれば、特性切替判断手段100は、スロットル開度θthとアクセルペダル開度Accとの関係が、図7のパターンA(実線L01A)からパターンB(破線L01B)に切り替わった場合に、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられたと判断する。或いは、図5の例で説明すれば、特性切替判断手段100は、タービン回転速度NtとエンジントルクTeとの関係が、図8のパターンA(実線L02A)からパターンB(破線L02B)に切り替わった場合に、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられたと判断する。なお、図4の実線L01A及び破線L01Bはそれぞれ図7の実線L01A及び破線L01Bと同じものであり、図5の実線L02A及び破線L02Bはそれぞれ図8の実線L02A及び破線L02Bと同じものである。
過給状況判断手段102は、前記目標吸気圧PTcmoutを逐次取得すると共に、過給機54の過給圧Pcmoutを逐次検出している。また、過給状況判断手段102は、特性切替判断手段100がその判断を肯定した場合、すなわち、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられたと判断された場合に、過給圧Pcmoutと目標吸気圧PTcmoutとの圧力差PGcmout(=PTcmout−Pcmout)、言い換えれば、目標吸気圧PTcmoutに対する過給圧Pcmoutの乖離幅である過給圧乖離幅PGcmoutを算出する。そして、その算出した圧力差PGcmoutが予め実験的に定められた圧力差判定値αを超えているか否かを判断する。その圧力差判定値αは、運転者に違和感を与える駆動力Fcの急変につながるほどの過給圧上昇を生じさせる圧力差PGcmoutであるか否かを判断できるように予め実験的に設定されており、一定値であってもよし或いは前記走行状態または負荷状態に応じて異なる値とされても差し支えない。
過給圧上昇制限手段104は、前記予め定められた複数のスロットル開度特性から選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられる際に、前記圧力差PGcmoutが大きいほど、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して過給圧Pcmoutの変化を緩慢にする過給圧変化制限制御を実行する。過給圧上昇制限手段104は、前記過給圧変化制限制御では、例えばウェイストゲートバルブ開度θwgを調節することにより前記過給圧Pcmoutの変化を緩慢にする。具体的に、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられる際とは、特性切替判断手段100がその判断を肯定した場合、すなわち、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられた場合または切り替えられる場合である。また、前記圧力差PGcmoutが大きいほど、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して過給圧Pcmoutの変化を緩慢にすることとは、前記圧力差判定値αを境に段階的に緩慢にすることであり、詳細に言えば、前記圧力差PGcmoutが圧力差判定値αを超えた場合に、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して過給圧Pcmoutの変化を緩慢にすることである。その圧力差PGcmoutが圧力差判定値αを超えたか否かは過給状況判断手段102の判断による。前記過給圧Pcmoutの変化を緩慢にするか否かを決定する前記圧力差PGcmout、すなわち前記圧力差判定値αと比較される前記圧力差PGcmoutは、その過給状況判断手段102による圧力差PGcmoutの算出過程から判るように、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替わる際の値とされている。
過給圧上昇制限手段104が実行する前記過給圧変化制限制御について図9を用いて説明する。図9は、前記過給圧変化制限制御を説明するためのタイムチャートであって、運転者により加速操作がなされているパワーオン時における前記選択されたスロットル開度特性の切り替わり前後の極めて短い時間を表している。図9のtA1時点では、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられている。そのため、そのtA1時点にて、特性切替判断手段100は、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられたと判断している。また、そのように前記選択されたスロットル開度特性が切り替えられたので、tA1時点直後にてスロットル開度θthが増大している。次にtA2時点にて、過給状況判断手段102により前記圧力差PGcmoutが算出され、その圧力差PGcmoutが前記圧力差判定値αを超えていると判断されている。そのため、tA2時点から、過給圧上昇制限手段104は前記過給圧変化制限制御を実行している。具体的には、前記過給圧変化制限制御が実行されないとすれば、過給圧PcmoutはtA2時点の経過後から二点鎖線L001のように推移して、実線L002で表されている目標吸気圧PTcmoutにtA3時点で収束するが、前記過給圧変化制限制御の実行により、tA2時点以後の二点鎖線L001に比して過給圧Pcmoutの変化(上昇)が緩慢にされて、過給圧Pcmoutは破線L003のように推移し目標吸気圧PTcmoutにtA4時点で収束する。ここで、緩慢にされた過給圧Pcmoutの変化パターンとしては種々のパターンが考えられる。例えば、図9のX部に対応したタイムチャートの抜粋図である図10において破線L003-1で示されるように、過給圧上昇制限手段104は、過給圧Pcmoutを上昇させ始める上昇タイミングをtA2時点から所定時間経過後のtA2'時点に設定し、そのtA2'時点までは過給圧Pcmoutを上昇させずに保持しtA2'時点から過給圧Pcmoutを所定の時間上昇率(例えば二点鎖線L001と同じ時間上昇率)で上昇させてもよい。この場合、tA2時点からtA2'時点までは過給圧Pcmoutは上昇しないので、少なくともtA2'時点までは過給圧Pcmoutの変化を二点鎖線L001に比して緩慢にしていると言える。また、その図10とは別の例として、前記X部に対応した抜粋図であって図11において破線L003-2で示されるように、過給圧上昇制限手段104は、二点鎖線L001と同じタイミングで過給圧Pcmoutを上昇させるものの、その過給圧Pcmoutの時間上昇率を二点鎖線L001に比して小さくしてもよい。更に、過給圧上昇制限手段104は、tA2時点から所定時間経過後のtA2''時点までは破線L003-2のように過給圧Pcmoutを上昇させるが、tA2''時点からは過給圧Pcmoutの時間上昇率をtA2''時点前よりも大きくして破線L003-3のように過給圧Pcmoutを上昇させてもよい。この場合、少なくともtA2''時点までは過給圧Pcmoutの変化を二点鎖線L001に比して緩慢にしていると言える。また、図10のtA2'時点および図11のtA2''時点、すなわち、過給圧Pcmoutの時間上昇率を大きくするタイミングは、前記走行状態または負荷状態に基づいて異なるものとされてもよい。なお、図10および図11で説明した複数の過給圧Pcmoutの変化パターンは、前記走行状態または負荷状態に基づいて互いに切り替えられてもよいし、或いは、その複数の変化パターンのうちの何れかだけが常に採用されてもよい。また、過給圧Pcmoutの時間上昇率とは、単位時間当たりの過給圧Pcmoutの上昇幅である。
図12は、前記過給圧変化制限制御の実行により上昇させられる過給圧Pcmoutの時間上昇率を前記圧力差PGcmoutに基づいて決定するための過給圧上昇率マップである。例えば、その過給圧上昇率マップは、図11の破線L003-2のように過給圧Pcmoutを上昇させる場合に用いられる。或いは、図10の破線L003-1のように過給圧Pcmoutを上昇させる場合においてtA2'時点からの前記所定の時間上昇率を決定するために用いられる。過給圧上昇制限手段104は、前記過給圧変化制限制御において過給圧Pcmoutを上昇させる際にその過給圧Pcmoutの時間上昇率を前記圧力差PGcmoutに拘らず定めても差し支えないが、本実施例では、前記過給圧変化制限制御において、図12の過給圧上昇率マップから前記圧力差PGcmoutに基づき過給圧Pcmoutの時間上昇率を決定し、その決定した時間上昇率で過給圧Pcmoutを目標吸気圧PTcmoutに向けて上昇させる。すなわち、その図12から判るように、前記圧力差PGcmoutが前記圧力差判定値αを超えた圧力差範囲では、その圧力差PGcmoutが小さいほど過給圧Pcmoutの時間上昇率を小さくする。但し、前記過給圧変化制限制御において図12から決定される前記時間上昇率は、常に、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらないとした場合の前記時間上昇率未満である。なお、図12の横軸である前記圧力差PGcmoutが検出される時点には特に限定はないが、例えば、過給圧上昇制限手段104は、図9のtA2時点での前記圧力差PGcmoutに基づいて図12の過給圧上昇率マップから過給圧Pcmoutの時間上昇率を決定する。また、図12のΔP0は、図9にてtA2時点以後の二点鎖線L001で表される前記過給圧変化制限制御が実行されないとした場合の前記時間上昇率、すなわち、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらないとした場合の前記時間上昇率である。
図13は、電子制御装置52の制御作動の要部、すなわち、前記過給圧変化制限制御を実行する制御作動を説明するためのフローチャートである。この図13に示す制御作動は、単独で或いは他の制御作動と並列的に実行される。
先ず、ステップ(以下、「ステップ」を省略する)SA1においては、車速V、エンジン回転速度Ne、アクセルペダル開度Acc、及び過給圧Pcmout(=吸気圧)などが検出され取得される。要するに前記走行状態や負荷状態が検出される。SA1の次はSA2に移る。なお、SA1は、特性切替判断手段100、過給状況判断手段102、及び過給圧上昇制限手段104に対応する。
特性切替判断手段100に対応するSA2においては、前記複数のスロットル開度特性から選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられたか否かが判断される。例えば、図7のように、スロットル開度θthとアクセルペダル開度Accとの関係がパターンA(実線L01A)からパターンB(破線L01B)に切り替えられた場合、または、図8のように、タービン回転速度NtとエンジントルクTeとの関係がパターンA(実線L02A)からパターンB(破線L02B)に切り替えられた場合には、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられたと判断される。また、車両6の走行モードをノーマル走行モードとそのノーマル走行モードよりも加速応答性が高いスポーツ走行モードとに切り替えるモード切替スイッチが設けられているのであれば、そのモード切替スイッチの手動操作により前記走行モードが前記ノーマル走行モードから前記スポーツ走行モードに切り替えられた場合にも、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられたと判断される。前記スポーツ走行モードでは前記ノーマル走行モードよりもスロットル開度θthの大きい側のスロットル開度特性が採用されるからである。このSA2の判断が肯定された場合、すなわち、前記選択されたスロットル開度特性がその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替えられた場合には、SA3に移る。一方で、このSA2の判断が否定された場合には、SA1に戻る。
過給状況判断手段102に対応するSA3においては、過給圧Pcmoutと目標吸気圧PTcmoutとの圧力差PGcmout(=PTcmout−Pcmout)が算出される。そして、その算出された圧力差PGcmoutが予め定められた前記圧力差判定値αを超えているか否かが判断される。このSA3の判断が肯定された場合、すなわち、前記圧力差PGcmoutが前記圧力差判定値αを超えている場合には、SA4に移る。一方で、このSA3の判断が否定された場合には、SA3を繰り返す。
過給圧上昇制限手段104に対応するSA4においては、過給圧Pcmoutの変化が、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合すなわち前記SA2の判断が否定されたとした場合と比較して緩慢にされる。例えば、図9のタイムチャートの破線L003に示されるように、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して過給圧Pcmoutの時間上昇率が小さくされる。言い換えれば、過給圧Pcmoutの上昇ゲイン(上昇勾配)が小さくされる。そして、その小さくされた時間上昇率で過給圧Pcmoutが目標吸気圧PTcmoutに向けて上昇させられる。
上述のように、本実施例によれば、電子制御装置52は、予め定められた前記複数のスロットル開度特性から選択されたスロットル開度特性をその選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度θthの大きくなる側の特性に切り替える際に、過給機54の過給圧Pcmoutと前記目標吸気圧PTcmoutとの圧力差PGcmoutが大きいほど、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して過給圧Pcmoutの変化を緩慢にする。従って、電子制御装置52は、前記選択されたスロットル開度特性が切り替えられる際に、その切替えと共に過給圧上昇が生じたとしても、前記過給圧Pcmoutの変化が緩慢にされない場合と比較して駆動力Fcの急変を抑えることができる。
また、本実施例によれば、前記過給圧Pcmoutの変化を緩慢にすることとは、例えば、その過給圧Pcmoutの時間上昇率を小さくすることである。このようにすれば、前記過給圧Pcmoutの変化を緩慢にしない場合に対し過給圧を上昇させるタイミングを変更しなくても、前記過給圧Pcmoutの変化を緩慢にすることができるので、電子制御装置52の制御負荷の軽減を図ることが可能である。
また、本実施例によれば、前記圧力差PGcmoutが大きいほど前記過給圧Pcmoutの変化を緩慢にすることとは、具体的に言えば、その圧力差PGcmoutが予め定められた前記圧力差判定値αを超えた場合に、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して前記過給圧Pcmoutの変化を緩慢にすることである。そして、図12に示されるように、前記圧力差PGcmoutが前記圧力差判定値αを超えた圧力差範囲では、前記圧力差PGcmoutが小さいほど過給圧Pcmoutの時間上昇率は小さくされる。従って、前記過給圧Pcmoutの変化を緩慢にしたとしても、その過給圧Pcmoutの変化を緩慢したことによる効果が得られる範囲内で、過給圧Pcmoutの時間上昇率が前記圧力差PGcmoutに拘らず一定である場合と比較して、過給圧Pcmoutの上昇遅れを抑えることが可能である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
例えば、前述の実施例において、車両6は走行用の駆動力源として電動機を備えていないが、走行用の電動機を備えたハイブリッド車両であっても差し支えない。
また、前述の実施例において、過給機54の過給圧Pcmoutはウェイストゲートバルブ開度θwgが調節されることにより制御されるが、他の方法によって制御されても差し支えない。例えばスロットル開度θthの調節によって制御されてもよい。
また、前述の実施例において、車両6は自動変速機12を備えているが、変速機を備えていない車両であっても差し支えない。
また、前述の実施例において、図1に示すように車両6はトルクコンバータ14を備えているが、そのトルクコンバータ14は必須ではない。
また、前述の実施例において、過給機54は排気タービン過給機であるが、エンジン10の出力軸13の回転で回転駆動される機械式過給機、すなわちスーパーチャージャーであっても差し支えない。
6:車両
10:エンジン
38:駆動輪
52:電子制御装置(車両用駆動制御装置)
54:過給機

Claims (3)

  1. 過給機を有するエンジンを備えた車両において、予め定められた複数のスロットル開度特性から選択されたスロットル開度特性に従って前記エンジンのスロットル開度を制御し、前記過給機の過給圧を予め定められた目標吸気圧に近付けるように該過給機を作動させる車両用駆動制御装置であって、
    前記選択されたスロットル開度特性を該選択されたスロットル開度特性よりもスロットル開度の大きくなる側の特性に切り替える際に、前記過給機の過給圧と前記目標吸気圧との圧力差が大きいほど、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して前記過給圧の変化を緩慢にする
    ことを特徴とする車両用駆動制御装置。
  2. 前記過給圧の変化を緩慢にすることとは、該過給圧の時間上昇率を小さくすることである
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動制御装置。
  3. 前記圧力差が大きいほど、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して前記過給圧の変化を緩慢にすることとは、該圧力差が予め定められた圧力差判定値を超えた場合に、前記選択されたスロットル開度特性が切り替わらない場合と比較して前記過給圧の変化を緩慢にすることであり、
    前記圧力差が前記圧力差判定値を超えた圧力差範囲では、前記圧力差が小さいほど前記過給圧の時間上昇率を小さくする
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用駆動制御装置。
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