JP2013174295A - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】過給機を有するエンジンと自動変速機とを備えた車両用駆動装置において、前記自動変速機のアップシフトの変速時間が過給圧の上昇に起因して延びることを抑制することができる車両用駆動装置の制御装置を提供する。
【解決手段】油圧制御補正手段104は、パワーオンアップシフト中において過給圧Pcmoutがイナーシャ相開始後に上昇する場合には、そのイナーシャ相開始後に上昇しない場合と比較して、自動変速機12の係合側係合装置に作用する係合側油圧を前記イナーシャ相開始後において増大する係合側油圧補正制御を実行する。従って、前記係合側係合装置の同期が前記イナーシャ相開始後での過給圧Pcmoutの上昇に起因して遅れることを打ち消すように前記係合側油圧が増大されるので、自動変速機12のアップシフトの変速時間が過給圧Pcmoutの上昇に起因して延びることを抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、過給機付のエンジンと自動変速機とを備えた車両において、自動変速機の変速制御を適切に実行する技術に関するものである。
エンジンと複数の係合装置を含む自動変速機とを備えた車両用駆動装置の制御装置が、従来からよく知られている。例えば、特許文献1の車両用制御装置がそれである。その特許文献1の車両用制御装置は、車両加速時での前記自動変速機のアップシフトすなわちパワーオンアップシフトに伴うエンジンの出力トルク増大中に、前記複数の係合装置のうちの前記アップシフトで係合される係合装置に作用する係合側油圧を増圧する。これにより、その係合される係合装置の滑りが大きくなることが抑制され、前記自動変速機の出力トルクの落込みが低減される。
特開2010−242659号公報
ところで、特許文献1のエンジンは過給機を有さないが、過給機を有するエンジンも一般的に知られている。そのような過給機を有するエンジンを駆動力源とする車両において、前記パワーオンアップシフト中に過給圧が上昇すると、前記自動変速機に入力されるトルクが大きくなることで、前記係合される係合装置の同期が遅れ、実質的に変速時間が延びることが想定された。そして、前記特許文献1では、前記過給機が前記パワーオンアップシフトに与える影響が考慮されていないので、改良の余地があった。なお、このような課題は未公知のことである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、過給機を有するエンジンと自動変速機とを備えた車両用駆動装置において、前記自動変速機のアップシフトの変速時間が過給圧の上昇に起因して延びることを抑制することができる車両用駆動装置の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(a)過給機を有するエンジンと、複数の係合装置を含み前記エンジンの動力を駆動輪へ出力する自動変速機とを備えた車両用駆動装置の制御装置であって、(b)車両加速時での前記自動変速機のアップシフト中においてイナーシャ相開始後に過給圧が上昇する場合には、そのイナーシャ相開始後に過給圧が上昇しない場合と比較して、前記複数の係合装置のうちの前記アップシフトのために係合される係合装置に作用する係合側油圧を前記イナーシャ相開始後において増大することを特徴とする。
このようにすれば、前記係合される係合装置の同期が前記イナーシャ相開始後での過給圧の上昇に起因して遅れることを打ち消すように前記係合側油圧が増大されるので、前記自動変速機のアップシフトの変速時間が過給圧の上昇に起因して延びることを抑制することができる。ここで、前記変速時間とは、例えば、前記アップシフトの変速判断時または変速指示時から、前記係合される係合装置の同期完了時すなわち完全係合時までの時間であるが、その変速時間の開始時点は特定されていれば他の時点であっても差し支えない。
ここで、第2発明の要旨とするところは、前記第1発明の車両用駆動装置の制御装置であって、前記イナーシャ相開始以前の予め定められた時間内で過給圧が低下するほど、前記係合側油圧を増大する油圧増大幅を大きくすることを特徴とする。このようにすれば、前記係合側油圧を増大するか否かを含めて前記油圧増大幅を、過給圧の上昇が前記変速時間に影響する前に、前もって決めることが可能である。
また、第3発明の要旨とするところは、前記第1発明又は前記第2発明の車両用駆動装置の制御装置であって、前記イナーシャ相開始時からの所定時間内で過給圧が増大するほど、前記係合側油圧を増大する油圧増大幅を大きくすることを特徴とする。このようにすれば、前記イナーシャ相開始以前における過給圧変化に基づいて前記係合側油圧を増大する場合と比較して、前記係合側油圧を増大するタイミングに近い時期の過給圧変化に基づいて前記係合側油圧を増大することになるので、その係合側油圧を増大する目的に即して適切にその係合側油圧を増大することが可能である。
ここで、好適には、前記過給機は、前記エンジンの排気によって回転駆動されてそのエンジンの吸気を昇圧する排気タービン過給機である。
また、好適には、前記油圧増大幅は、前記イナーシャ相の途中の時点から前記アップシフトが進行するほど大きくされる。
本発明が好適に適用される車両に備えられた車両用駆動装置の構成を説明するための骨子図である。 図1の車両用駆動装置に含まれる自動変速機において複数の変速段(ギヤ段)を成立させる際の係合要素の作動状態を説明するための作動表である。 図1の車両用駆動装置を制御するための電子制御装置に入力される信号を例示した図であると共に、その電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図3の電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するためのタイムチャートであって、n速からn+1速へのパワーオンアップシフト中に係合側油圧補正制御が実行されるタイムチャートである。 図3の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、パワーオンアップシフト中に係合側油圧補正制御を実行する制御作動を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両6に備えられた車両用駆動装置7の構成を説明するための骨子図である。車両6は車両用駆動装置7及び一対の駆動輪38等を備えており、その車両用駆動装置7は車両用動力伝達装置8(以下、「動力伝達装置8」という)とエンジン10とを備えている。その動力伝達装置8は、エンジン10と駆動輪38との間に介装されており、自動変速機12と、エンジン10の出力軸13に連結されてそのエンジン10と自動変速機12との間に介装されたトルクコンバータ14とを備えている。そして、動力伝達装置8は、車両6(図3参照)の左右方向(横置き)に搭載するFF車両に好適に用いられるものである。
自動変速機12は、エンジン10から駆動輪38(図3参照)への動力伝達経路の一部を構成しており、エンジン10の動力を駆動輪38に向けて出力する。すなわち、変速機入力軸26に入力されたエンジン10の動力を出力歯車28から駆動輪38に向けて出力する。自動変速機12は、複数の遊星歯車装置16,20,22と、複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチC、ブレーキB)具体的には5つの油圧式摩擦係合装置(第1クラッチC1,第2クラッチC2,第1ブレーキB1,第2ブレーキB2,第3ブレーキB3)と、一方向クラッチF1とを備え、その複数の油圧式摩擦係合装置の何れかの掴み替えにより複数の変速段(ギヤ段)が択一的に成立させられる有段の変速機である。例えば、自動変速機12は、車速Vとアクセル開度Accとで表される車両状態に基づき予め設定された関係(変速線図)に従って変速を行う。端的に言えば、一般的な車両によく用いられる所謂クラッチツークラッチ変速を行う有段変速機である。すなわち、自動変速機12の変速(ダウンシフト又はアップシフト)は、その変速のために係合される係合装置である係合側係合装置が係合作動すると共に、その変速のために解放される係合装置である解放側係合装置が解放作動することにより、進行する。具体的に、自動変速機12の第1遊星歯車装置16はシングルピニオン型であり、第1サンギヤS1と第1ピニオンギヤP1と第1キャリヤCA1と第1リングギヤR1とを備えている。また、第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型であり、第2サンギヤS2と第2ピニオンギヤP2と第3ピニオンギヤP3と第2キャリヤCA2と第2リングギヤR2とを備えている。また、第3遊星歯車装置22はシングルピニオン型であり、第3サンギヤS3と第3ピニオンギヤP3と第3キャリヤCA3と第3リングギヤR3とを備えている。その第2遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置22は、第2、第3リングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成されており、且つ第3遊星歯車装置22の第3ピニオンギヤP3が第2遊星歯車装置20の一方のピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。図1から判るように、自動変速機12の入力回転部材である変速機入力軸26はトルクコンバータ14のタービン軸である。また、自動変速機12の出力回転部材である出力歯車28は、差動歯車装置32(図3参照)のデフドリブンギヤ(大径歯車)34と噛み合うデフドライブギヤとして機能している。エンジン10の出力は、トルクコンバータ14、自動変速機12、差動歯車装置32、および一対の車軸36を介して一対の駆動輪(前輪)38へ伝達されるようになっている(図3参照)。なお、この自動変速機12は中心線に対して略対称的に構成されており、図1ではその中心線の下半分が省略されている。
図2は、自動変速機12において複数の変速段(ギヤ段)を成立させる際の係合要素の作動状態を説明するための作動表である。図2の作動表は、上記各変速段とクラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3の作動状態との関係をまとめたものであり、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合、「△」は駆動時のみ係合を表している。図2に示すように、自動変速機12は、各係合要素(クラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3)の作動状態に応じて第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の6つの前進変速段が成立させられるとともに、後進変速段「R」の後進変速段が成立させられる。なお、第1変速段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチF1が設けられているため、発進時(加速時)には必ずしもブレーキB2を係合させる必要は無いのである。また、自動変速機12の変速比γatは、変速機入力軸26の回転速度Ninである入力回転速度Ninと出力歯車28の回転速度Noutである出力回転速度Noutとに基づいて「変速比γat=入力回転速度Nin/出力回転速度Nout」という式から算出される。
上記クラッチC1、C2、およびブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置であり、油圧制御回路40(図1参照)に設けられたリニアソレノイドバルブの励磁、非励磁や電流制御により、係合、解放状態が切り換えられるとともに、係合、解放時の過渡油圧などが制御される。
トルクコンバータ14は、エンジン10の出力軸(クランク軸)13に連結されたポンプ翼車14aと、自動変速機12の変速機入力軸26に連結されたタービン翼車14bと、一方向クラッチを介して自動変速機12のハウジング(トランスミッションケース)30に連結されたステータ翼車14cとを備えており、エンジン10により発生させられた動力を自動変速機12へ流体を介して伝達する流体伝動装置である。また、上記ポンプ翼車14a及びタービン翼車14bの間には、直結クラッチであるロックアップクラッチ46が設けられており、油圧制御等により係合状態、スリップ状態、或いは解放状態とされるようになっている。このロックアップクラッチ46が係合状態とされることにより、厳密に言えば、完全係合状態とされることにより、上記ポンプ翼車14a及びタービン翼車14bが一体回転させられる。
エンジン10は、ディーゼルエンジンまたはガソリンエンジンなどの内燃機関であり、過給機54を備えている。その過給機54は、エンジン10の吸排気系に設けられており、エンジン10の排気によって回転駆動されてエンジン10の吸気を昇圧する公知の排気タービン過給機、すなわちターボチャージャーである。具体的には図1に示すように、過給機54は、エンジン10の排気管56内に設けられエンジン10の排気によって回転駆動される排気タービンホイール58と、エンジン10の吸気管60内に設けられ排気タービンホイール58により回転させられることでエンジン10の吸気を圧縮する吸気コンプレッサーホイール62と、排気タービンホイール58と吸気コンプレッサーホイール62とを連結する回転軸64とを備えている。エンジン10は、過給機54を駆動するのに十分なエンジン10の排気が排気タービンホイール58に導かれると、過給機54により過給される過給状態で動作する。一方で、排気タービンホイール58に導かれるエンジン10の排気が過給機54の駆動に不十分であると過給機54が殆ど駆動されず、エンジン10は、前記過給状態に比して過給が抑制された状態すなわち過給機54の無い自然吸気エンジンと同等の過給されない吸気の状態である自然吸気状態(NA状態又は非過給状態とも言う)で動作する。
また、排気管56内の排気タービンホイール58が設けられている排気経路と並列に配設された排気バイパス経路66と、その排気バイパス経路66を開閉するウェイストゲートバルブ68とが設けられている。ウェイストゲートバルブ68は、そのウェイストゲートバルブ68の開度θwg(以下、ウェイストゲートバルブ開度θwgという)が連続的に調節可能になっており、電子制御装置52は、電動アクチュエータ70を制御することにより、吸気管60内の圧力を利用してウェイストゲートバルブ68を連続的に開閉する。また、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほどエンジン10の排気は排気バイパス経路66を通って排出され易くなるので、エンジン10を前記過給状態にすることが可能な程度にエンジン10の排気ポートからの排気が得られていれば、吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧PLin、要するに過給機54の過給圧Pcmout(=PLin)は、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほど低くなる。すなわち、ウェイストゲートバルブ68は、過給圧Pcmoutを調節する過給圧調節装置として機能する。例えば、エンジン10を前記過給状態にする動作範囲(エンジン動作点の範囲)である過給域と、その過給域に対して低エンジントルク側に設けられ且つエンジン10を前記非過給状態にする動作範囲である非過給域とに領域分けされた過給動作マップが予め実験的に設定されている。そして、電子制御装置52は、エンジン回転速度NeとエンジントルクTeとで表されるエンジン10の動作点(エンジン動作点)を前記非過給域から前記過給域に移行する場合には、ウェイストゲートバルブ68を閉方向に作動させることにより過給機54に過給させる。逆に、前記エンジン動作点を前記過給域から前記非過給域に移行する場合には、ウェイストゲートバルブ68を開方向に作動させることにより過給機54による過給を停止又は抑制する。前記過給動作マップは、例えば、運転者の要求に従って可及的に大きな駆動力Fcが得られるように、且つ、車両6の燃費悪化が可及的に抑えられるように、予め実験的に設定されている。駆動力Fcとは車両6を進行方向へ推進する推進力である。
また、電子制御装置52は、エンジン10が前記過給状態にある場合には、予め実験的に定められた関係から、アクセル開度Acc及び車速V等で表される車両状態に基づいて、過給圧Pcmoutの目標値である目標過給圧PTcmout(目標吸気圧PTcmoutと呼んでもよい)を逐次決定し、その予め決定した目標過給圧PTcmoutに過給圧Pcmoutを近づけるように過給機54を作動させる。具体的には、ウェイストゲートバルブ開度θwgまたはスロットル開度θthを制御することにより過給圧Pcmoutを目標過給圧PTcmoutに近づける。例えば、目標過給圧PTcmoutは、前記予め実験的に定められた関係に従って、アクセル開度Accが大きいほど大きく設定される。
また、エンジン10は電子スロットル弁72を備えている。その電子スロットル弁72は、エンジン10の吸気管60内の吸気コンプレッサーホイール62よりも下流側に設けられエンジン10の吸入空気量Qinを調節する弁機構であって、電動のスロットルアクチュエータ94により開閉作動させられる。
図3は、車両用駆動装置7の制御装置としての機能を含む電子制御装置52に入力される信号を例示した図であると共に、電子制御装置52に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。この電子制御装置52は、所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより例えばエンジン10や自動変速機12に関する車両制御を実行するものである。
電子制御装置52には、図3に示すような各センサやスイッチなどから、スロットル開度センサ74により検出される電子スロットル弁72の開度θthすなわちスロットル開度θthを表す信号、第1吸気センサ76により検出される吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の上流側気圧PHinを表す信号、第2吸気センサ(過給圧センサ)78により検出される吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧PLin(=過給圧Pcmout)を表す信号、エンジン回転速度センサ84により検出されるエンジン回転速度Neを表す信号、出力回転速度センサ86により検出される出力歯車28の回転速度Noutを表す信号、運転者の要求出力に対応するアクセルペダル88の踏込量であるアクセル開度Accを表すアクセル開度センサ90からの信号、タービン翼車14bの回転速度Nt(以下、「タービン回転速度Nt」という)すなわち変速機入力軸26の回転速度Nin(=Nt)を表すタービン回転速度センサ92からの信号、車速センサ96により検出される車速Vを表す信号、および、吸入空気量センサ98により検出されるエンジン10の吸入空気量Qin(以下、エンジン吸入空気量Qinという)を表す信号等が、それぞれ供給される。なお、出力歯車28の回転速度Noutは車速Vに対応するので、出力回転速度センサ86と車速センサ96とは一つの共通のセンサとされてもよい。また、コンプレッサー上流側吸気圧PHinは大気圧Pairと同じであるので、第1吸気センサ76はその大気圧Pairを検出する大気圧センサとしても機能する。
また、電子制御装置52から、車両6に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、電子制御装置52は、逐次検出されるアクセル開度Accに基づき、予め定められたスロットル開度θthとアクセル開度Accとの関係であるスロットル開度特性に従ってスロットル開度θthを制御する。具体的には、アクセル開度Accが大きいほど前記スロットル開度特性に従ってスロットル開度θthが大きくされる。
ところで、本実施例の車両6では、車両加速時での自動変速機12のアップシフト中すなわちパワーオンアップシフト中に、そのアップシフトのイナーシャ相開始時までは車速Vの上昇に連れてエンジン回転速度Neが上昇するので、そのエンジン回転速度Neの上昇に伴い過給圧Pcmoutが低下することがある。一方で、前記イナーシャ相開始時からはエンジン回転速度Neが変速進行に従って低下するので、そのエンジン回転速度Neの低下に伴い過給圧Pcmoutが上昇することがある。更に、前記イナーシャ相開始時までに生じる過給圧Pcmoutの低下が急であるほど、前記イナーシャ相開始時から過給圧Pcmoutが急に上昇し易い傾向にある。このようにしてアップシフトのイナーシャ相中に過給圧Pcmoutが上昇すること、特にそのイナーシャ相の終期に過給圧Pcmoutが上昇することは、エンジントルクTeを増大させるので、前記係合側係合装置の同期(完全係合)を遅らせ、前記パワーオンアップシフトの実質的な終了時点を遅らせるように作用する。また、過給機54は前記排気タービン過給機であるので、精度の高い制御性を見込むことはできず、非常に短時間である変速中に過給圧Pcmoutを最適に制御することは困難であり、エンジントルクTeは過給圧Pcmoutの変動に対して応答遅れを有して変動する。そこで、本実施例の電子制御装置52は、前記パワーオンアップシフトの実質的な終了時点、具体的には前記係合側係合装置の完全係合時点が過給圧Pcmoutの上昇に起因して遅れることを抑制する制御を実行する。その制御機能の要部について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、電子制御装置52は、変速状況判断部である変速状況判断手段100と、過給状況判断部である過給状況判断手段102と、油圧制御補正部である油圧制御補正手段104とを機能的に備えている。
変速状況判断手段100は、自動変速機12が前記パワーオンアップシフト中であるか否かを逐次判断する。例えば、自動変速機12のアップシフトを行う変速判断が前記変速線図からなされており、且つ、アクセル開度Accが、運転者の加速意思を判断できるように予め実験的に設定されたパワーオン判定値以上である場合に、変速状況判断手段100は、自動変速機12が前記パワーオンアップシフト中であると判断する。
過給状況判断手段102は、第2吸気センサ78により過給圧Pcmoutを逐次検出しており、前記パワーオンアップシフト中において過給圧Pcmoutがイナーシャ相開始時に対してそのイナーシャ相開始後に上昇するか否かを判断する。すなわち、前記パワーオンアップシフト中において過給圧Pcmoutがイナーシャ相の初期からイナーシャ相の終期にかけて上昇するか否かを判断する。自動変速機12が前記パワーオンアップシフト中であるか否かに関しては変速状況判断手段100の判断に基づく。具体的には、前述したように、前記パワーオンアップシフトでは、前記イナーシャ相開始時までに生じる過給圧Pcmoutの低下が急であるほど、前記イナーシャ相開始時から過給圧Pcmoutが急に上昇し易いので、過給状況判断手段102は、前記イナーシャ相開始時までの過給圧Pcmoutの変化に基づいて、詳細には、そのイナーシャ相開始以前の予め定められた時間内における過給圧Pcmoutの変化に基づいて、過給圧Pcmoutがイナーシャ相開始時に対してそのイナーシャ相開始後に上昇するか否かを予測して判断する。例えば、過給状況判断手段102は、前記アップシフトの変速判断時からそのアップシフトのイナーシャ相開始時までの過給圧Pcmoutの上昇幅ΔP1である第1過給圧上昇幅ΔP1(過給圧Pcmoutが上昇すればΔP1>0、逆に、過給圧Pcmoutが低下すればΔP1<0)が予め実験的に定められた第1過給圧変動判定値α未満であれば、過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇すると判断する。ここで、その第1過給圧変動判定値αは負の値であって、例えば、前記係合側係合装置の完全係合を遅らせる程度にまで過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇することを予測できるように、予め実験的に定められている。また、第1過給圧上昇幅ΔP1および第1過給圧変動判定値αは、過給圧Pcmoutが上昇する方向が正方向である。
また、過給状況判断手段102は、前記第1過給圧上昇幅ΔP1が前記第1過給圧変動判定値α以上である場合には、前記イナーシャ相開始時からの所定時間t内での過給圧Pcmoutの変化に基づいて、詳細には、そのイナーシャ相開始初期の極めて短い前記所定時間t内での過給圧Pcmoutの変化に基づいて、過給圧Pcmoutがイナーシャ相開始時に対してそのイナーシャ相開始後に上昇するか否かを予測して判断する。その所定時間tは、過給圧Pcmoutがイナーシャ相開始後に上昇するか否かを予測でき且つ可及的に短時間になるように予め実験的に設定されている。例えば、過給状況判断手段102は、前記イナーシャ相開始時から前記所定時間tが経過するまでの過給圧Pcmoutの上昇幅ΔP2である第2過給圧上昇幅ΔP2(過給圧Pcmoutが上昇すればΔP2>0、逆に、過給圧Pcmoutが低下すればΔP2<0)が予め実験的に定められた第2過給圧変動判定値βよりも大きければ、過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇すると判断する。ここで、第2過給圧変動判定値βは正の値であって、例えば、前記係合側係合装置の完全係合を遅らせる程度にまで過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇することを予測できるように、予め実験的に定められている。また、第2過給圧上昇幅ΔP2および第2過給圧変動判定値βは、過給圧Pcmoutが上昇する方向が正方向である。なお、前記第1過給圧上昇幅ΔP1に基づいた判断に加えて前記第2過給圧上昇幅ΔP2に基づいた判断を行うのはより正確な判断を行うためであるので、その第1過給圧上昇幅ΔP1に基づいた判断と第2過給圧上昇幅ΔP2に基づいた判断との一方だけが行われても差し支えない。
油圧制御補正手段104は、前記パワーオンアップシフト中において過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇する場合には、そのイナーシャ相開始後に上昇しない場合と比較して、前記係合側係合装置を係合作動させる係合側油圧を前記イナーシャ相開始後において増大する係合側油圧補正制御を実行する。前記パワーオンアップシフト中において過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇する場合であるか否かに関しては過給状況判断手段102の判断に基づく。この係合側油圧補正制御を説明するためのタイムチャートが図4に表されている。
図4は、n速からn+1速への前記パワーオンアップシフト中に前記係合側油圧補正制御が実行されるタイムチャートである。この図4に示されるアップシフトは、自動変速機12の例えば第3速から第4速への変速のような前記クラッチツークラッチ変速である。第3速から第4速へのアップシフトであれば、図2から判るように、第3ブレーキB3が前記解放側係合装置に該当し、第2クラッチC2が前記係合側係合装置に該当する。また、図1の構成から判るように、エンジン回転速度Neはトルクコンバータ14のスリップを加味すれば自動変速機12の入力回転速度Ninに対応して変化するので、エンジン回転速度Neのタイムチャートは入力回転速度Ninのタイムチャートと見ることができる。図4のt1時点は、自動変速機12のアップシフトを行う変速判断がなされた時点すなわち変速開始時点であり、そのt1時点では前記変速判断と同時に、その変速判断に基づいた変速指示すなわち変速のための指令信号を出力する変速出力がなされている。また、そのt1時点以前において過給圧Pcmoutは目標過給圧(目標吸気圧)PTcmoutに既に到達している。
t2時点は前記アップシフトのイナーシャ相開始時点であり、過給状況判断手段102は、t1時点からt2時点までの過給圧Pcmoutの上昇幅を第1過給圧上昇幅ΔP1として算出する。そして、t2時点にて、過給状況判断手段102は、その第1過給圧上昇幅ΔP1が前記第1過給圧変動判定値α未満であるか否かを判断する。
また、過給状況判断手段102は、第1過給圧上昇幅ΔP1が第1過給圧変動判定値α未満ではない場合には、t2時点から前記所定時間tが経過するまでの過給圧Pcmoutの上昇幅を第2過給圧上昇幅ΔP2として算出する。そして、前記所定時間tが経過した時点にて、過給状況判断手段102は、その第2過給圧上昇幅ΔP2が前記第2過給圧変動判定値βよりも大きいか否かを判断する。図4には、t2時点よりも前ではエンジン回転速度Neが上昇するに連れて過給圧Pcmoutが低下し、t2時点以降ではエンジン回転速度Neが低下するに連れて過給圧Pcmoutが上昇することが表されている。
そして、過給状況判断手段102は、第1過給圧上昇幅ΔP1が第1過給圧変動判定値α未満であれば、或いは、第2過給圧上昇幅ΔP2が第2過給圧変動判定値βよりも大きければ、t2時点以降の過給圧Pcmoutのタイムチャートのように、過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇すると判断する。過給状況判断手段102により過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇すると判断されると、油圧制御補正手段104は、前記イナーシャ相の途中のt3時点から前記係合側油圧補正制御を開始する。例えばそのイナーシャ相の終期(変速終期)において前記係合側油圧補正制御を実行する。図4では、その係合側油圧補正制御が実行されたときのエンジン回転速度Neのタイムチャートが破線L01で表されており、その係合側油圧補正制御が実行されたときの前記係合側油圧(制御指示値)のタイムチャートが破線L02で表されている。一方で、前記破線L01に対し並列的に示された実線L03は、過給状況判断手段102により過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇すると判断されたにも拘らず前記係合側油圧補正制御が実行されないと仮定したときのエンジン回転速度Neのタイムチャートを表している。また、前記破線L02に対し並列的に示された実線L04は、前記係合側油圧補正制御が実行されないときの前記係合側油圧(制御指示値)のタイムチャート、すなわち、過給状況判断手段102により過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇すると判断されなかったときの前記係合側油圧(制御指示値)のタイムチャートを表している。前記破線L02と実線L04との間の圧力差で示されるように、油圧制御補正手段104は、前記係合側油圧補正制御の実行で前記係合側油圧を増大する油圧増大幅dPenを、t3時点からアップシフトが進行するほど大きくする。例えば、前記破線L02で示される前記係合側油圧(制御指示値)は、油圧増大幅dPenが、予め実験的に定められた関係から前記変速の進行度に応じて逐次決定され、予め決まっている実線L04で示される前記係合側油圧(制御指示値)にその油圧増大幅dPenが加算されることにより、逐次算出されてもよい。しかし本実施例では、前記入力回転速度Ninが逐次検出されており、前記破線L02で示される前記係合側油圧(制御指示値)は、目標とする変速の進行度と入力回転速度Ninとの予め定められた関係が維持されてイナーシャ相が進行するように、具体的にはエンジン回転速度Neが破線L01のように変化するように、前記入力回転速度Ninに基づいてフィードバック制御により逐次決定される。従って、前記係合側油圧補正制御の開始時点であるt3時点は、エンジン回転速度Neのタイムチャートで破線L01と実線L03とが互いに分岐する時点に一致又は略一致する。
また、前記係合側油圧(制御指示値)が、破線L02に示されるように、前記係合側油圧補正制御の実行によってイナーシャ相中に増圧されるので、前記係合側係合装置の完全係合時点は、前記係合側油圧補正制御が実行されないと仮定したときのt4'時点から、前記係合側油圧補正制御が実行されたときのt4時点へと、その係合側油圧補正制御の実行により早まっている。詳細には、前記係合側油圧補正制御が実行されないと、実線L03のようにエンジン回転速度Neの低下勾配が次第に緩やかになって前記係合側係合装置の完全係合時点がt4'時点にまで遅れることになる。これに対し、前記係合側油圧補正制御が実行されると、破線L01のようにエンジン回転速度Neの低下勾配が目標に近い勾配に維持されたまま前記係合側係合装置がt4時点で完全係合に至るので、過給圧Pcmoutの上昇に起因した前記完全係合時点の遅延が抑制されている。
図5は、電子制御装置52の制御作動の要部、すなわち、前記パワーオンアップシフト中に前記係合側油圧補正制御を実行する制御作動を説明するためのフローチャートである。この図5に示す制御作動は、単独で或いは他の制御作動と並列的に実行される。
先ず、ステップ(以下、「ステップ」を省略する)SA1においては、車両6の走行状態や負荷状態が検出される。その走行状態および負荷状態は、互いに厳密に区別されるものではなく、その走行状態も負荷状態も、例えば、車速V、エンジン回転速度Ne、アクセル開度Acc、スロットル開度θth、過給圧Pcmout(=吸気圧)などのパラメータの一部若しくは全部により表される。その走行状態および負荷状態は車両状態と総称されてもよい。SA1の次はSA2に移る。
変速状況判断手段100に対応するSA2においては、自動変速機12が前記パワーオンアップシフト中であるか否かが判断される。このSA2の判断が肯定された場合、すなわち、自動変速機12が前記パワーオンアップシフト中である場合には、SA3に移る。一方で、このSA2の判断が否定された場合には、SA2を繰り返す。
SA3においては、前記第1過給圧上昇幅ΔP1が前記第1過給圧変動判定値α未満であるか否かが判断される。このSA3の判断が肯定された場合、すなわち、第1過給圧上昇幅ΔP1が第1過給圧変動判定値α未満である場合には、SA5に移る。一方で、このSA3の判断が否定された場合には、SA4に移る。
SA4においては、前記第2過給圧上昇幅ΔP2が前記第2過給圧変動判定値βよりも大きいか否かが判断される。このSA4の判断が肯定された場合、すなわち、第2過給圧上昇幅ΔP2が第2過給圧変動判定値βよりも大きい場合には、SA5に移る。一方で、このSA4の判断が否定された場合には、本フローチャートは終了する。なお、SA3およびSA4は過給状況判断手段102に対応する。
油圧制御補正手段104に対応するSA5においては、前記係合側油圧補正制御が実行される。その係合側油圧補正制御では、図4に示されるように、自動変速機12のアップシフトの終期において、すなわちそのアップシフトの終了時において、前記係合側油圧が増圧補正される。
上述のように、本実施例によれば、油圧制御補正手段104は、前記パワーオンアップシフト中において過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始後に上昇する場合には、そのイナーシャ相開始後に上昇しない場合と比較して、前記係合側係合装置に作用する前記係合側油圧を前記イナーシャ相開始後において増大する前記係合側油圧補正制御を実行する。従って、前記係合側係合装置の同期が前記イナーシャ相開始後での過給圧Pcmoutの上昇に起因して遅れることを打ち消すように前記係合側油圧が増大されるので、自動変速機12のアップシフトの変速時間が過給圧Pcmoutの上昇に起因して延びることを抑制することができる。
また、本実施例によれば、油圧制御補正手段104は、前記パワーオンアップシフトの変速判断時からそのアップシフトのイナーシャ相開始時までの過給圧Pcmoutの上昇幅である前記第1過給圧上昇幅ΔP1が、予め定められた前記第1過給圧変動判定値α未満である場合には、前記係合側油圧補正制御を実行する。すなわち、油圧制御補正手段104は、過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始以前の予め定められた時間内(例えば図4のt1〜t2時点)で大幅に低下するほど、前記係合側油圧を増大する前記油圧増大幅dPenを大きくする。従って、前記係合側油圧を増大するか否かを含めて前記油圧増大幅を、過給圧Pcmoutの上昇が前記変速時間に影響する前に、前もって決めることが可能である。
また、本実施例によれば、油圧制御補正手段104は、前記イナーシャ相開始時から前記所定時間tが経過するまでの過給圧Pcmoutの上昇幅である前記第2過給圧上昇幅ΔP2が、予め定められた前記第2過給圧変動判定値βよりも大きい場合には、前記係合側油圧補正制御を実行する。すなわち、油圧制御補正手段104は、過給圧Pcmoutが前記イナーシャ相開始時からの所定時間t(図4参照)内で大幅に増大するほど、前記油圧増大幅dPenを大きくする。従って、前記イナーシャ相開始以前における過給圧Pcmoutの変化に基づいて前記係合側油圧補正制御を実行する場合と比較して、前記係合側油圧補正制御を開始するタイミング(例えば図4のt3時点)に近い時期の過給圧Pcmout変化に基づいて前記係合側油圧補正制御を開始することになるので、前記係合側油圧補正制御を実行する目的に即してその係合側油圧補正制御が適切に実行される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
例えば、前述の実施例において、車両6は走行用の駆動力源として電動機を備えていないが、走行用の電動機を備えたハイブリッド車両であっても差し支えない。
また、前述の実施例において、前記第1過給圧上昇幅ΔP1は、自動変速機12のアップシフトの変速判断時からそのアップシフトのイナーシャ相開始時までの過給圧Pcmoutの変化に基づいて算出されるが、そのイナーシャ相開始以前における過給圧Pcmoutの変化に基づいて算出されればよく、例えば、そのイナーシャ相開始以前の予め定められた時間内における過給圧Pcmoutの変化に基づいて算出されても差し支えない。
また、前述の実施例において、図5のフローチャートはSA1を備えているが、そのSA1が無くSA2から開始しても差し支えない。
また、前述の実施例の図1において、ウェイストゲートバルブ68が設けられているが、そのウェイストゲートバルブ68は無くても差し支えない。
また、前述の実施例において、図1に示すように車両6はトルクコンバータ14を備えているが、そのトルクコンバータ14は必須ではない。
また、前述の実施例において、図4のタイムチャートに例示されているアップシフトは前記クラッチツークラッチ変速であるが、クラッチツークラッチ変速ではなく例えば前記解放側係合装置が一方向クラッチであることも考え得る。
また、前述の実施例において、油圧制御補正手段104は、前記第1過給圧上昇幅ΔP1が前記第1過給圧変動判定値α未満である場合、又は、前記第2過給圧上昇幅ΔP2が前記第2過給圧変動判定値βよりも大きい場合には、前記係合側油圧補正制御を実行するが、過給圧Pcmoutの変化が、図4に示されるように、前記パワーオンアップシフトのイナーシャ相開始時に低下から上昇に変わった場合には、そのイナーシャ相の途中の所定時点から前記係合側油圧補正制御を実行しても差し支えない。言い換えれば、油圧制御補正手段104は、過給圧Pcmoutの変化が前記パワーオンアップシフトのイナーシャ相開始時に低下から上昇に変わった場合には、そうならない場合と比較して、前記油圧増大幅dPenを大きくしても差し支えないということである。
6:車両
7:車両用駆動装置
10:エンジン
12:自動変速機
38:駆動輪
52:電子制御装置(制御装置)
54:過給機
C1:第1クラッチ(係合装置)
C2:第2クラッチ(係合装置)
B1:第1ブレーキ(係合装置)
B2:第2ブレーキ(係合装置)
B3:第3ブレーキ(係合装置)

Claims (3)

  1. 過給機を有するエンジンと、複数の係合装置を含み前記エンジンの動力を駆動輪へ出力する自動変速機とを備えた車両用駆動装置の制御装置であって、
    車両加速時での前記自動変速機のアップシフト中においてイナーシャ相開始後に過給圧が上昇する場合には、該イナーシャ相開始後に過給圧が上昇しない場合と比較して、前記複数の係合装置のうちの前記アップシフトのために係合される係合装置に作用する係合側油圧を前記イナーシャ相開始後において増大する
    ことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  2. 前記イナーシャ相開始以前の予め定められた時間内で過給圧が低下するほど、前記係合側油圧を増大する油圧増大幅を大きくする
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用駆動装置の制御装置。
  3. 前記イナーシャ相開始時からの所定時間内で過給圧が増大するほど、前記係合側油圧を増大する油圧増大幅を大きくする
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用駆動装置の制御装置。
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