JPWO2013084360A1 - 車両用エンジン制御装置 - Google Patents

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Abstract

過給機付きエンジンと自動変速機とを備えた車両において、駆動力の応答性悪化を回避しつつ変速ショックを低減することができる車両用エンジン制御装置を提供する。過給圧抑制制御手段108は、過給機54の過給圧が予め定められた過給圧抑制閾値以上である場合には、前記過給圧が上昇する過程でその過給圧の上昇が止まるように電子スロットル弁を作動させる過給圧抑制制御を実行する。そして、過給圧抑制制御制限手段110は、自動変速機12の変速中には、その変速の変速進行度が変速終了に近いほど、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁の閉方向への作動を制限する。従って、前記過給圧抑制制御の実行によるエンジントルクの急変動が自動変速機12の変速終期に発生し難くなるので、変速ショックを低減できる。また、前記過給圧が自動変速機12の変速中に一律に低下させられるわけではないので、駆動力の応答性悪化を回避できる。

Description

本発明は、過給機付のエンジンと自動変速機とを備えた車両において、変速ショックを低減する技術に関するものである。
エンジンと、そのエンジンの吸気を昇圧する過給機と、前記エンジンの動力を駆動輪へ出力する有段の自動変速機とを備えた車両において、前記過給機の過給圧の制御を行う車両用エンジン制御装置が、従来からよく知られている。例えば、特許文献1の車両用エンジン制御装置がそれである。その車両用エンジン制御装置は、フィードフォワード制御とフィードバック制御とを併用して前記過給圧の制御を行う。具体的には、前記フィードフォワード制御によって決定された過給圧の制御値に、前記フィードバック制御によって決定された過給圧の制御値を加算して得られた値を、過給圧制御出力として前記過給圧の制御に用いる。そして、前記車両用エンジン制御装置は、前記自動変速機のダウンシフト時に、不必要に過給圧が上昇することを防止するために、前記過給圧のフィードバック制御を禁止して前記フィードフォワード制御だけで前記過給圧の制御を行う。これにより、前記ダウンシフト時の過給圧を低下させる。
特開2010−242722号公報 特開平9−42000号公報 特開平7−195963号公報
前述した特許文献1の車両用エンジン制御装置のように、前記変速中に過給圧を低下させ、前記変速の終了後にその過給圧の低下を解除すると、エンジントルクは過給圧の上昇に遅れて上昇するので、駆動力の応答性が悪化したり、前記過給圧の上昇遅れに起因してエンジントルクが滑らかには上昇せずに快適性が悪化する可能性があった。更に、飛び変速時にはその応答性悪化が顕著に生じ易いものと考えられる。また、前記自動変速機の変速中に、例えば前記過給圧が上昇しその過給圧の上昇を積極的に抑えようとすれば、その抑えるタイミングによっては変速ショックを大きくすることにつながるおそれがあった。例えば、自動変速機の変速終期に、前記過給圧の上昇が抑えられそれによりエンジントルクが急に変動すれば、変速ショックが大きなるおそれがある。なお、上述したような課題は未公知のことである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンと、そのエンジンの吸気を昇圧する過給機と、自動変速機とを備えた車両において、駆動力の応答性悪化を回避しつつ変速ショックを低減することができる車両用エンジン制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、そのエンジンの吸気を昇圧する過給機と、その過給機の過給圧を調節する過給圧調節機構と、前記エンジンの動力を駆動輪へ出力する有段の自動変速機とを備えた車両において、前記過給機の過給圧が上昇する過程でその過給圧の上昇を抑制するように前記過給圧調節機構を作動させる過給圧抑制制御を実行する車両用エンジン制御装置であって、(b)前記過給圧抑制制御は、前記自動変速機の変速中には、前記自動変速機の変速後よりも制限されることを特徴とする。
このようにすれば、前記自動変速機の変速中には前記過給圧の上昇が強制的に抑えられ難くなるので、駆動力の応答性悪化を回避できる。また、前記過給圧抑制制御の実行に起因したエンジントルクの急変動が変速中には発生し難くなるので、前記自動変速機の変速ショックを低減することができる。
ここで、第2発明の要旨とするところは、前記第1発明の車両用エンジン制御装置であって、前記過給圧抑制制御が制限される前記自動変速機の変速は、アクセルペダルの踏込操作に起因して実行されるパワーオンダウンシフトであることを特徴とする。このようにすれば、運転者が駆動力の高い応答性を要求しているときに、適切に駆動力の応答性悪化が回避される。
また、第3発明の要旨とするところは、前記第1発明または前記第2発明の車両用エンジン制御装置であって、前記過給圧抑制制御の制限は、前記自動変速機の変速の進行度が変速終了に近いほど、その過給圧抑制制御における前記過給圧調節機構の作動を制限するものであることを特徴とする。このようにすれば、前記過給圧抑制制御において前記過給圧の上昇が抑制されるように前記過給圧調節機構を作動させることを、例えば前記自動変速機の変速中に一律に制限する場合と比較して、駆動力の応答性悪化を回避し変速ショックの低減を図るという観点から、過不足なく制限することが可能である。
また、第4発明の要旨とするところは、前記第1発明から前記第3発明の何れか一の車両用エンジン制御装置であって、前記過給圧抑制制御の制限は、その過給圧抑制制御を実行する際に、前記過給圧調節機構の作動開始時を前記自動変速機の変速終了後にまで遅延することであることであることを特徴とする。このようにすれば、前記自動変速機の変速終期に、前記過給圧の上昇が抑制されるように前記過給圧調節機構が自動的に作動することはないので、前記変速終期でのエンジントルクの急変を高い確実性で回避でき、変速ショックを低減することができる。
また、第5発明の要旨とするところは、前記第1発明から前記第4発明の何れか一の車両用エンジン制御装置であって、前記自動変速機の変速中にその変速の進行度が予め定められた変速進行度閾値以上である場合に、前記過給圧抑制制御における前記過給圧調節機構の作動を制限することを特徴とする。このようにすれば、前記過給圧抑制制御を実行する際に、前記過給圧抑制制御における前記過給圧調節機構の作動を制限するか否かを前記変速進行度閾値を用いて簡潔に判断することが可能であり、前記車両用エンジン制御装置の制御負荷の軽減を図り得る。
また、第6発明の要旨とするところは、前記第1発明から前記第5発明の何れか一の車両用エンジン制御装置であって、前記過給機の過給圧が予め定められた過給圧抑制閾値以上である場合に、前記過給圧抑制制御を実行することを特徴とする。このようにすれば、前記過給機の過給圧が過剰に高くならないように、前記過給圧抑制制御を実行するか否かを前記過給圧抑制閾値を用いて簡潔に判断することが可能であり、前記車両用エンジン制御装置の制御負荷の軽減を図り得る。
ここで、好適には、前記過給機は、前記エンジンの排気によって駆動される排気タービン過給機である。
また、好適には、前記自動変速機は遊星歯車装置と複数の係合装置とを備えて構成されており、前記自動変速機の変速は前記係合装置の掴み替えによる変速である。
また、好適には、前記過給圧抑制制御の制限とは、その過給圧抑制制御を実行する際に、前記過給圧調節機構の作動開始時を前記変速の終了後にまで遅延すること、又は、前記過給圧抑制制御において前記過給圧調節機構を前記過給圧の上昇が抑制される方向へ作動させる際の作動量もしくは作動速度を、その過給圧抑制制御が制限されない場合と比較して減少させることである。
また、好適には、前記車両用エンジン制御装置は、前記自動変速機の変速開始前のエンジン回転速度に基づいて前記変速進行度閾値を決定する。ここで、前記過給圧調節機構の作動に対する前記過給圧の応答性はエンジン回転速度が高いほど高くなるので、前記過給圧抑制制御の実行が変速ショックの大きさに及ぼす影響はエンジン回転速度の高低に応じて異なってくる。従って、例えば前記変速進行度閾値が一定値である場合と比較して、前記過給圧抑制制御における前記過給圧調節機構の作動が前記自動変速機の変速中に制限される機会を過不足なく得ることが可能である。
本発明が好適に適用される車両に備えられた車両用駆動装置の構成を説明するための骨子図である。 図1の車両用駆動装置に含まれる自動変速機において複数の変速段(ギヤ段)を成立させる際の係合要素の作動状態を説明するための作動表である。 図1の車両用駆動装置を制御するための電子制御装置に入力される信号を例示した図であると共に、その電子制御装置に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。 図3の電子制御装置の制御作動の要部、すなわち、自動変速機の変速の際に過給圧抑制制御を実行する制御作動を説明するためのフローチャートである。 図1の車両においてアクセルペダルが大きく踏み込まれ自動変速機のダウンシフトが実行されるパワーオンダウンシフト時を例として、図4のフローチャートを説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される車両6に備えられた車両用駆動装置7の構成を説明するための骨子図である。車両6は車両用駆動装置7及び一対の駆動輪38等を備えており、その車両用駆動装置7は車両用動力伝達装置8(以下、「動力伝達装置8」という)とエンジン10とを備えている。その動力伝達装置8は、エンジン10と駆動輪38との間に介装されており、自動変速機12と、エンジン10の出力軸13に連結されてそのエンジン10と自動変速機12との間に介装されたトルクコンバータ14とを備えている。そして、動力伝達装置8は、車両6(図3参照)の左右方向(横置き)に搭載するFF車両に好適に用いられるものである。
自動変速機12は、エンジン10から駆動輪38(図3参照)への動力伝達経路の一部を構成しており、エンジン10の動力を駆動輪38に向けて出力する。すなわち、変速機入力軸26に入力されたエンジン10の動力を出力歯車28から駆動輪38に向けて出力する。自動変速機12は、複数の遊星歯車装置16,20,22と、複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチC、ブレーキB)具体的には5つの油圧式摩擦係合装置(C1,C2,B1,B2,B3)と、一方向クラッチF1とを備え、その複数の油圧式摩擦係合装置の何れかの掴み替えにより複数の変速段(ギヤ段)が択一的に成立させられる有段の変速機である。例えば、自動変速機12は、車速Vとアクセル開度Accとで表される車両状態に基づき予め設定された関係(変速線図)に従って変速を行う。端的に言えば、一般的な車両によく用いられる所謂クラッチツークラッチ変速を行う有段変速機である。具体的に、自動変速機12の第1遊星歯車装置16はシングルピニオン型であり、第1サンギヤS1と第1ピニオンギヤP1と第1キャリヤCA1と第1リングギヤR1とを備えている。また、第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型であり、第2サンギヤS2と第2ピニオンギヤP2と第3ピニオンギヤP3と第2キャリヤCA2と第2リングギヤR2とを備えている。また、第3遊星歯車装置22はシングルピニオン型であり、第3サンギヤS3と第3ピニオンギヤP3と第3キャリヤCA3と第3リングギヤR3とを備えている。その第2遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置22は、第2、第3リングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成されており、且つ第3遊星歯車装置22の第3ピニオンギヤP3が第2遊星歯車装置20の一方のピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。図1から判るように、自動変速機12の入力回転部材である変速機入力軸26はトルクコンバータ14のタービン軸である。また、自動変速機12の出力回転部材である出力歯車28は、差動歯車装置32(図3参照)のデフドリブンギヤ(大径歯車)34と噛み合うデフドライブギヤとして機能している。エンジン10の出力は、トルクコンバータ14、自動変速機12、差動歯車装置32、および一対の車軸36を介して一対の駆動輪(前輪)38へ伝達されるようになっている(図3参照)。なお、この自動変速機12は中心線に対して略対称的に構成されており、図1ではその中心線の下半分が省略されている。
図2は、自動変速機12において複数の変速段(ギヤ段)を成立させる際の係合要素の作動状態を説明するための作動表である。図2の作動表は、上記各変速段とクラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3の作動状態との関係をまとめたものであり、「○」は係合、「◎」はエンジンブレーキ時のみ係合、「△」は駆動時のみ係合を表している。図2に示すように、自動変速機12は、各係合要素(クラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3)の作動状態に応じて第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の6つの前進変速段が成立させられるとともに、後進変速段「R」の後進変速段が成立させられる。なお、第1変速段「1st」を成立させるブレーキB2には並列に一方向クラッチF1が設けられているため、発進時(加速時)には必ずしもブレーキB2を係合させる必要は無いのである。また、自動変速機12の変速比γatは、変速機入力軸26の回転速度Ninである入力回転速度Ninと出力歯車28の回転速度Noutである出力回転速度Noutとに基づいて「変速比γat=入力回転速度Nin/出力回転速度Nout」という式から算出される。
上記クラッチC1、C2、およびブレーキB1〜B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置であり、油圧制御回路40(図1参照)に設けられたリニアソレノイドバルブの励磁、非励磁や電流制御により、係合、解放状態が切り換えられるとともに、係合、解放時の過渡油圧などが制御される。
トルクコンバータ14は、エンジン10の出力軸(クランク軸)13に連結されたポンプ翼車14aと、自動変速機12の変速機入力軸26に連結されたタービン翼車14bと、一方向クラッチを介して自動変速機12のハウジング(トランスミッションケース)30に連結されたステータ翼車14cとを備えており、エンジン10により発生させられた駆動力を自動変速機12へ流体を介して伝達する流体伝動装置である。また、上記ポンプ翼車14a及びタービン翼車14bの間には、直結クラッチであるロックアップクラッチ46が設けられており、油圧制御等により係合状態、スリップ状態、或いは解放状態とされるようになっている。このロックアップクラッチ46が係合状態とされることにより、厳密に言えば、完全係合状態とされることにより、上記ポンプ翼車14a及びタービン翼車14bが一体回転させられる。
過給機54は、エンジン10の吸気系に設けられており、エンジン10の排気によって回転駆動されてエンジン10の吸気を昇圧する公知の排気タービン過給機、すなわちターボチャージャーである。具体的には図1に示すように、過給機54は、エンジン10の排気管56内に設けられエンジン10の排気によって回転駆動される排気タービンホイール58と、エンジン10の吸気管60内に設けられ排気タービンホイール58により回転させられることでエンジン10の吸気を圧縮する吸気コンプレッサーホイール62と、排気タービンホイール58と吸気コンプレッサーホイール62とを連結する回転軸64とを備えている。エンジン10は、過給機54を駆動するのに十分なエンジン10の排気が排気タービンホイール58に導かれると、過給機54により過給される過給状態で動作する。一方で、排気タービンホイール58に導かれるエンジン10の排気が過給機54の駆動に不十分であると過給機54が殆ど駆動されず、エンジン10は、前記過給状態に比して過給が抑制された状態すなわち過給機54の無い自然吸気エンジンと同等の吸気の状態である自然吸気状態(NA状態とも言う)で動作する。
また、排気管56内の排気タービンホイール58が設けられている排気経路と並列に配設された排気バイパス経路66と、その排気バイパス経路66を開閉するウェイストゲートバルブ68とが設けられている。ウェイストゲートバルブ68は、そのウェイストゲートバルブ68の開度θwg(以下、ウェイストゲートバルブ開度θwgという)が連続的に調節可能になっており、電子制御装置52は、電動アクチュエータ70を制御することにより、吸気管60内の圧力を利用してウェイストゲートバルブ68を連続的に開閉する。例えば、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほどエンジン10の排気は排気バイパス経路66を通って排出され易くなるので、エンジン10の前記過給状態において、吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧PLin、要するに過給機54の過給圧Pcmout(=PLin)は、ウェイストゲートバルブ開度θwgが大きいほど低くなる。また、過給機54の過給圧Pcmoutは、一般的に知られているように、エンジン10の前記過給状態において電子スロットル弁72の開度θthすなわちスロットル開度θthを小さくするほど低下する。従って、本実施例では、電子スロットル弁72が、上記過給圧Pcmoutを調節する過給圧調節機構として機能する。なお、特に断わりのない限り、ウェイストゲートバルブ68は全閉状態とされているものとして、本実施例の説明を行う。
図3は、本実施例の車両用駆動装置7を制御するための制御装置として機能する電子制御装置52に入力される信号を例示した図であると共に、電子制御装置52に備えられた制御機能の要部を説明するための機能ブロック線図である。この電子制御装置52は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン10や自動変速機12に関する車両制御を実行するものである。例えば、電子制御装置52は、エンジン10を制御する車両用エンジン制御装置として機能する。
電子制御装置52には、図3に示すような各センサやスイッチなどから、スロットル開度センサ74により検出されるエンジン10のスロットル開度θthを表す信号、第1吸気センサ76により検出される吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の上流側気圧PHin(以下、コンプレッサー上流側吸気圧PHinという)を表す信号、第2吸気センサ(過給圧センサ)78により検出される吸気管60内での吸気コンプレッサーホイール62の下流側気圧PLin(以下、コンプレッサー下流側吸気圧PLinという)を表す信号、加速度センサ80により検出される車両進行方向すなわち車両前後方向の加速度ACLである車両前後加速度ACLを表す信号、エンジン回転速度センサ84により検出されるエンジン回転速度Neを表す信号、出力歯車28の回転速度Noutに対応する車速Vを表す車速センサ86からの信号、運転者の要求出力に対応するアクセルペダル88の操作量であるアクセル開度Accを表すアクセル開度センサ90からの信号、および、タービン翼車14bの回転速度Nt(以下、「タービン回転速度Nt」という)すなわち変速機入力軸26の回転速度Nin(=Nt)を表すタービン回転速度センサ92からの信号等が、それぞれ供給される。
また、電子制御装置52から、車両6に設けられた各装置に各種出力信号が供給されるようになっている。例えば、電子制御装置52は、電動のスロットルアクチュエータ94によりスロットル開度θthをアクセル開度Accに応じて調節するスロットル制御を行っており、そのスロットル制御では、基本的にアクセル開度Accが増加するほどスロットル開度θthを増加させる。
図3に示すように、電子制御装置52は、変速中判断部である変速中判断手段100と、変速進行度判断部である変速進行度判断手段102と、フラグ切換部であるフラグ切換手段104と、過給圧判断部である過給圧判断手段106と、過給圧抑制制御部である過給圧抑制制御手段108と、過給圧抑制制御制限部である過給圧抑制制御制限手段110とを機能的に備えている。
変速中判断手段100は、自動変速機12が変速中であるか否かを判断する。その自動変速機12と変速中とは、その変速のトルク相とイナーシャ相とを併せた期間であってもよいが、本実施例の変速中判断手段100は、自動変速機12がイナーシャ相にある期間を自動変速機12の変速中と判断する。自動変速機12が変速中であるか否かは、例えば、自動変速機12の入力回転速度Ninの変化、又は、自動変速機12のクラッチCもしくはブレーキBを係合もしくは解放させる油圧制御回路40内のリニアソレノイドバルブの制御信号などから判断できる。
変速進行度判断手段102は、変速中判断手段100により自動変速機12が変速中であると判断された場合には、自動変速機12の入力回転速度Nin(=Nt)を逐次検出し、その入力回転速度Ninに基づいて自動変速機12の変速の進行度すなわち変速進行度PRatを逐次算出する。具体的に、変速進行度判断手段102は、自動変速機12の変速開始時に、その変速開始時の入力回転速度Ninである変速開始時入力回転速度N01inを取得すると共に、変速後の目標変速段と車速Vとに基づいて、変速終了時の目標とされる入力回転速度Ninである変速終了時目標入力回転速度N02inを算出する。そして、その変速開始時入力回転速度N01inと変速終了時目標入力回転速度N02inとタービン回転速度センサ92により検出される現在の入力回転速度Nin(=Nt)とに基づいて、下記式(1)から自動変速機12の変速進行度PRatを算出する。従って、その変速進行度PRatは、その値が変速開始時には0であって、変速の進行に従って連続的に大きくなり、変速終了時には1になる。
PRat=(Nin−N01in)/(N02in−N01in) ・・・(1)
そして、変速進行度判断手段102は、自動変速機12の変速進行度PRatが予め定められた変速進行度閾値PR1at以上であるか否かを判断する。その変速進行度閾値PR1atは、変速進行度PRatがその変速進行度閾値PR1at以上になれば自動変速機12の変速が変速終期に入ったことを表すように設定された閾値であり、例えば、変速進行度PRatが変速進行度閾値PR1at以上になれば、自動変速機12の変速ショックを抑えるために後述の過給圧抑制制御の実行開始を制限すべきと判断できるように、予め実験的に設定されている。例えば、変速進行度閾値PR1atは一定値であっても差し支えないが、本実施例では、自動変速機12の変速開始前のエンジン回転速度Ne、詳細にはその変速開始時のエンジン回転速度Neが取得され、変速進行度閾値PR1atは、その変速開始前のエンジン回転速度Neに基づいて、予め実験的に定められた関係から決定される。また、変速進行度閾値PR1atは、上記変速開始前のスロットル開度θthまたは自動変速機12への入力トルク等で表される車両状態に基づいて決定されてもよいし、変速開始前の変速段と変速終了後の目標変速段とに基づいて決定されても差し支えない。
フラグ切換手段104は、変速進行度判断手段102により自動変速機12の変速進行度PRatが前記変速進行度閾値PR1at以上であると判断された場合には、後述の過給圧抑制制御の実行を制限するか否かを示す過給圧抑制制御変更フラグFLAG01をオフ(OFF)からオン(ON)に切り換える。そして、その自動変速機12の変速が終了した場合には、その過給圧抑制制御変更フラグFLAG01をオンからオフに切り換える。従って、過給圧抑制制御変更フラグFLAG01は、自動変速機12の変速進行度PRatが前記変速進行度閾値PR1at以上になった時から変速終了時までオンにされる。
過給圧判断手段106は、第2吸気センサ78によって過給機54の過給圧Pcmout(=PLin)を逐次検出しており、その過給圧Pcmoutが予め定められた過給圧抑制閾値P1cmout以上であるか否かを判断する。その過給圧抑制閾値P1cmoutは、エンジン10の耐久性維持や燃費向上等の観点から後述の過給圧抑制制御が過給圧Pcmoutが過剰に大きくならずに適切に実行されるように、且つ、ドライバビリティ向上等の観点から過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制制御により抑制される機会を可及的に減らすように、予め実験的に設定されている。また、その過給圧Pcmoutの変化には応答遅れが伴うので、過給圧抑制閾値P1cmoutは、その過給圧Pcmoutの応答遅れが加味されて余裕をもって設定されている。過給圧抑制閾値P1cmoutは、例えば一定値とされている。
過給圧抑制制御手段108は、過給圧判断手段106により過給機54の過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制閾値P1cmout以上であると判断された場合には、その過給圧Pcmoutを抑える過給圧抑制制御を実行する。具体的に、その過給圧抑制制御は、過給機54の過給圧Pcmoutが上昇する過程でその過給圧Pcmoutの上昇を抑制するように電子スロットル弁72を作動させる制御である。言い換えれば、スロットル開度θthが小さくされるほど、過給圧Pcmoutは上昇し難くなるので、過給圧抑制制御手段108は、前記過給圧抑制制御では、アクセル開度Accが減少しなくても、電子スロットル弁72を閉方向に自動的に作動させることで過給圧Pcmoutの上昇を止める。詳細に説明すると、その電子スロットル弁72は前記スロットル制御によりアクセル開度Accに応じて作動させられており、そのためスロットル開度θthはアクセル開度Accに応じて大きさとされているので、過給圧抑制制御手段108は、前記過給圧抑制制御では、スロットル開度θthが前記スロットル制御によるアクセル開度Accに応じた大きさから小さくなるように電子スロットル弁72を作動させることで、過給圧Pcmoutの上昇を止める。前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動量および作動速度は、例えば、前記過給圧抑制制御による過給圧Pcmoutの変化に起因した違和感を乗員に与えないように、且つ、速やかに過給圧Pcmoutの上昇が止まるように、予め実験的に定められている。なお、電子スロットル弁72は本発明の過給圧調節機構に対応する。また、過給圧抑制制御手段108は、過給機54の過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制閾値P1cmout以上になった場合には、直ちに前記過給圧抑制制御の実行により電子スロットル弁72を閉方向に作動させるが、過給圧抑制制御制限手段110により前記過給圧抑制制御での電子スロットル弁72の作動が制限された場合には、電子スロットル弁72の作動開始時を、過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制閾値P1cmout以上になった時から遅延させることがある。
過給圧抑制制御制限手段110は、自動変速機12の変速中には、その変速の変速進行度PRatが変速終了に近いほど、すなわち、変速進行度PRatが1に近いほど、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動を制限する過給圧抑制作動制限制御を実行する。具体的には、自動変速機12の変速進行度PRatが前記変速進行度閾値PR1at以上である場合に、前記過給圧抑制作動制限制御を実行する。詳細には、過給圧抑制制御制限手段110は、過給圧抑制制御変更フラグFLAG01を利用しており、その過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンにされている期間中には、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動を制限する。例えば、過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンにされている期間中においては、過給圧抑制制御手段108が前記過給圧抑制制御を実行する際にその過給圧抑制制御手段108に対し、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動を禁止する。言い換えれば、過給圧抑制制御制限手段110は、自動変速機12の変速中において過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンにされている場合には、過給圧抑制制御手段108が前記過給圧抑制制御を実行する際に、その過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動開始時を変速終了後にまで遅延させる。要するに、過給圧抑制制御制限手段110が自動変速機12の変速中に前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動を制限することとは、過給圧抑制制御手段108が前記過給圧抑制制御を実行する際に、過給圧抑制制御制限手段110が、その過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動開始時を変速終了後にまで遅延させることである。
過給圧抑制制御制限手段110は、前記過給圧抑制作動制限制御では、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動開始時を変速終了後にまで遅延させるが、その作動開始時の遅延に替えて又はその作動開始時の遅延と共に、他の方法により前記過給圧抑制作動制限制御で電子スロットル弁72の作動を制限しても差し支えない。例えば前記他の方法の一例として、過給圧抑制制御制限手段110は、過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンにされている場合には、前記過給圧抑制制御において過給圧抑制制御手段108が電子スロットル弁72を過給圧Pcmoutの上昇が止まる方向(閉方向)へ作動させる際の作動量もしくは作動速度を、その過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオフにされている場合と比較して減少させる。すなわち、過給圧抑制制御制限手段110が自動変速機12の変速中に前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動を制限することとは、前記過給圧抑制制御において過給圧抑制制御手段108が電子スロットル弁72を過給圧Pcmoutの上昇が止まる方向(閉方向)へ作動させる際の作動量もしくは作動速度を、その電子スロットル弁72の作動が制限されていない場合と比較して減少させることである、ということである。このようにした場合には、過給圧抑制制御制限手段110は、過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンにされている場合であっても、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動開始時を遅延させないとしてもよいし、遅延させるとしてもよい。また、過給圧抑制制御制限手段110は、自動変速機12の変速中に前記過給圧抑制制御の実行により電子スロットル弁72の作動が開始される場合には、過給圧抑制制御手段108に対して指令して、その作動開始時における変速進行度PRatが低いほど、すなわちその作動開始時における変速進行度PRatが変速開始時に近いほど、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への前記作動速度を小さくさせてもよい。過給圧抑制制御制限手段110が前記過給圧抑制制御での電子スロットル弁72の作動を制限した際のその電子スロットル弁72の作動量および作動速度は、自動変速機12の変速ショックが前記過給圧抑制制御の実行に起因して大きくならないように、且つ、可及的に速やかに過給圧Pcmoutの上昇が止まるように、予め実験的に設定されている。
図4は、電子制御装置52の制御作動の要部、すなわち、自動変速機12の変速の際に前記過給圧抑制制御を実行する制御作動を説明するためのフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行される。この図4に示す制御作動は、単独で或いは他の制御作動と並列的に実行される。
先ず、ステップ(以下、「ステップ」を省略する)SA1においては、自動変速機12が変速中であるか否かが判断される。このSA1の判断が肯定された場合、すなわち、自動変速機12が変速中である場合には、SA2に移る。一方で、このSA1の判断が否定された場合には、SA8に移る。なお、SA1は変速中判断手段100に対応する。
変速進行度判断手段102に対応するSA2においては、自動変速機12の変速進行度PRatが算出される。そして、その変速進行度PRatが前記変速進行度閾値PR1at以上であるか否かが判断される。このSA2の判断が肯定された場合、すなわち、変速進行度PRatが変速進行度閾値PR1at以上である場合には、SA3に移る。一方で、このSA2の判断が否定された場合には、SA1に移る。
フラグ切換手段104に対応するSA3においては、前記過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオン(ON)に設定される。SA3の次はSA4に移る。
過給圧判断手段106に対応するSA4においては、過給機54の過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制閾値P1cmout以上であるか否かが判断される。このSA4の判断が肯定された場合、すなわち、過給機54の過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制閾値P1cmout以上である場合には、SA5に移る。一方で、このSA4の判断が否定された場合には、SA1に移る。
過給圧抑制制御手段108および過給圧抑制制御制限手段110に対応するSA5においては、前記過給圧抑制制御が実行される。但し、過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンにされている期間内においては、その過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動が制限される。過給圧抑制制御変更フラグFLAG01は前記SA3にてオンにされているので、このSA5では、その電子スロットル弁72の閉方向への作動が制限される。例えば、その過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動が制限されることとは、前記過給圧抑制制御による過給圧抑制が遅延されること、具体的には、前記過給圧抑制制御が実行される際に、電子スロットル弁72の作動開始時が自動変速機12の変速終了後にまで遅延されることである。或いは、その遅延に替えてもしくはその遅延と共に、その過給圧抑制制御において電子スロットル弁72を過給圧Pcmoutの上昇が止まる方向へ作動させる際の作動量もしくは作動速度が、その電子スロットル弁72の作動が制限されていない場合と比較して減少させられることであってもよい。その電子スロットル弁72の作動速度を減少させることとは、表現を変えれば、電子スロットル弁72を作動させる制御において制御ゲインを前記作動速度が減少(低下)する方向に変更することである。SA5の次はSA6に移る。
変速中判断手段100に対応するSA6においては、自動変速機12の変速が終了したか否かが判断される。このSA6の判断が肯定された場合、すなわち、自動変速機12の変速が終了した場合には、SA7に移る。一方で、このSA6の判断が否定された場合には、SA6が繰り返される。
フラグ切換手段104に対応するSA7においては、前記過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオフ(OFF)に設定される。前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動が前記SA5にて制限され始めたところ、このSA7にて過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオフ(OFF)に設定されたことにより、その電子スロットル弁72の作動制限は解除される。
フラグ切換手段104に対応するSA8においては、前記過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオフ(OFF)に設定される。過給圧抑制制御変更フラグFLAG01が既にオフであれば、そのオフの状態が継続される。
図5は、アクセルペダル88が大きく踏み込まれ自動変速機12のダウンシフトが実行されるパワーオンダウンシフト時を例として、図4のフローチャートを説明するためのタイムチャートである。この図5において行われる自動変速機12のダウンシフトは、例えば自動変速機12の第4速から第3速への変速のように、自動変速機12に備えられたクラッチCまたはブレーキBの掴み替えによる変速すなわち前記クラッチツークラッチ変速である。図5では、その説明を簡潔に行うため、ロックアップクラッチ46は係合状態であるとして、エンジン回転速度Neとタービン回転速度Ntとのタイムチャートが同一のタイムチャートで表されている。
図5のt1時点は、アクセルペダル88が大きく踏み込まれた時点を示している。従って、図5では、t1時点においてアクセル開度Accが段階的に増大し、それに伴いスロットル開度θthも段階的に増大している。そして、そのアクセル開度Accの増大により、自動変速機12のダウンシフトを行わせる変速指示がなされている。また、t1時点でのスロットル開度θthの増大により、車両前後加速度ACLがt1時点からt2時点に向けて次第に上昇している。また、t1時点でスロットル開度θthが増大したので、過給機54の過給圧Pcmoutが応答遅れを含みつつ上昇し始めている。
t1時点とt2時点との間で、自動変速機12のダウンシフトを成立させるためのクラッチCまたはブレーキBの掴み替えが開始されており、t2時点から、そのダウンシフトのイナーシャ相が始まっている。図5では、t2時点からt5時点までが上記イナーシャ相に該当する。そのため、図4のSA1の判断がt2時点にて肯定される。また、図5のt2時点からのダウンシフトの進行に伴い、t2時点からt5時点に向けて、エンジン回転速度Ne及びタービン回転速度Ntが次第に上昇しており、自動変速機12の変速進行度PRatも次第に上昇している。図5に示すように、その変速進行度PRatは、自動変速機12の変速開始時(イナーシャ相開始時)であるt2時点にて0であり、変速終了時(イナーシャ相終了時)であるt5時点にて1である。なお、t2時点からt5時点までの期間では、自動変速機12がイナーシャ相にあるので、車両前後加速度ACLは徐々に低下している。
図5のt3時点は、変速進行度PRatが前記変速進行度閾値PR1at以上になった時点を示している。そのため、t3時点にて図4のSA2の判断が肯定され、それにより、前記過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオフ(OFF)からオン(ON)に切り換えられている。
また、t5時点は前記ダウンシフトの終了時点を示しており、このt5時点において、エンジン回転速度Ne及びタービン回転速度Ntの上昇が終わっている。そして、自動変速機12の変速進行度PRatが、変速終了時(ダウンシフト終了時)であるt5時点で1に到達してから、その変速終了後に0に戻っている。また、t5時点で前記ダウンシフトが終了したので、図4のSA6の判断が肯定され、図4のSA7で、前記過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンからオフに切り換えられている。
図5のt4時点は、上昇過程にある過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制閾値P1cmout以上になった時点を示している。そのため、t4時点にて図4のSA4の判断が肯定され、それにより図4のSA5が実行される。ここで、t4時点では過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンであるので、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動が制限されるが、仮に、その電子スロットル弁72の作動制限がなされていないとすれば、スロットル開度θthは、図5の実線L11のように通常通りt4時点から直ちに減少し、それにより過給機54の過給圧Pcmoutが実線L12のように変化してその過給圧Pcmoutの上昇が止まる。そうすると、前記ダウンシフト終了時におけるクラッチC等の同期の際に自動変速機12の入力トルクの急変動が生じ、それに起因して、t5時点の直後に実線L13のように車両前後加速度ACLが振動し、変速ショックが大きくなる。
一方、本実施例では、過給圧抑制制御変更フラグFLAG01がオンであるt3〜t5時点において、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動が制限される。例えば、その電子スロットル弁72の作動制限が、前記過給圧抑制制御において電子スロットル弁72を過給圧Pcmoutの上昇が止まる方向へ作動させる際の作動速度を、その電子スロットル弁72の作動制限がない場合(図5の実線L11参照)と比較して減少させることである場合には、t4時点からスロットル開度θthが二点鎖線L21のように減少する。すなわち、前記過給圧抑制制御の実行において、例えば電子スロットル弁72を作動させる制御ゲインが変更されることでスロットル開度θthの時間減少率が実線L11と比較して小さくされて、電子スロットル弁72が閉方向へ作動させられる。これにより過給圧Pcmoutは二点鎖線L22のように、実線L12よりも緩やかに変化して、その過給圧Pcmoutの上昇が止まる。
また別の例として、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動制限が、前記過給圧抑制制御が実行される際に、電子スロットル弁72の作動開始時が自動変速機12の変速終了後にまで遅延されることである場合には、前記過給圧抑制制御の実行によりスロットル開度θthは破線L31のように減少する。すなわち、前記過給圧抑制制御でのスロットル開度θthの減少開始時がt4時点からt5時点にまで遅延され、スロットル開度θthはt5時点から、例えば実線L11と同じ減少勾配で減少する。これにより過給圧Pcmoutは破線L32のように、t5時点から十分に遅れて減少し始める。
このように、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動がt3〜t5時点において制限されると、前記ダウンシフトの終了時に変速ショックを実線L31に示すように拡大させることが回避され、車両前後加速度ACLはt5時点の直後には破線L33のように変化する。
本実施例によれば、過給圧抑制制御手段108は、過給機54の過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制閾値P1cmout以上である場合には、過給機54の過給圧Pcmoutが上昇する過程でその過給圧Pcmoutの上昇を抑制するように例えばその過給圧Pcmoutの上昇が止まるように電子スロットル弁72を作動させる前記過給圧抑制制御を実行する。そして、その過給圧抑制制御は、図5タイムチャートに示されるように、自動変速機12の変速中には、その自動変速機12の変速後よりも制限される。言い換えれば、その自動変速機12の非変速中よりも制限される。従って、自動変速機12の変速中には過給圧Pcmoutの上昇が強制的に抑えられ難くなるので、駆動力の応答性悪化を回避できる。また、前記過給圧抑制制御の実行に起因したエンジントルクの急変動が変速中には発生し難くなるので、自動変速機12の変速ショックを低減することができる。要するに、ドライバビリティ悪化を回避することができる。
また、本実施例によれば、図5のタイムチャートに示すように、例えば、前記過給圧抑制制御が制限される自動変速機12の変速は、アクセルペダル88の踏込操作に起因して実行される前記パワーオンダウンシフトである。従って、運転者が駆動力の高い応答性を要求しているときに、適切に駆動力の応答性悪化が回避される。
また、本実施例によれば、過給圧抑制制御制限手段110は、過給圧抑制制御手段108に対して、自動変速機12の変速中には、その変速の変速進行度PRatが変速終了に近いほど、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動を制限する。すなわち、自動変速機12の変速中における前記過給圧抑制制御の制限は、その変速の変速進行度PRatが変速終了に近いほど、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動を制限するものである。従って、前記過給圧抑制制御において過給圧Pcmoutの上昇が抑制されるように電子スロットル弁72を作動させることを、例えば自動変速機12の変速中に一律に制限する場合と比較して、駆動力の応答性悪化を回避し変速ショックの低減を図るという観点から、過不足なく制限することが可能である。
また、本実施例によれば、自動変速機12の変速中に前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動を制限することとは、例えば、前記過給圧抑制制御を実行する際に、電子スロットル弁72の作動開始時を前記変速の終了後にまで遅延することである。従って、自動変速機12の変速終期に、過給圧Pcmoutの上昇が抑制されるように電子スロットル弁72が自動的に作動することはないので、前記変速終期でのエンジントルクTeの急変を高い確実性で回避でき、変速ショックを低減することができる。
また、本実施例によれば、過給圧抑制制御制限手段110は、自動変速機12の変速進行度PRatが前記変速進行度閾値PR1at以上である場合に、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動を制限する。従って、前記過給圧抑制制御の実行の際に、その過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動を制限するか否かを前記変速進行度閾値PR1atを用いて簡潔に判断することが可能であり、電子制御装置52の制御負荷の軽減を図り得る。
また、本実施例によれば、過給圧抑制制御手段108は、過給機54の過給圧Pcmoutが前記過給圧抑制閾値P1cmout以上である場合に、前記過給圧抑制制御を実行する。従って、過給機54の過給圧Pcmoutが過剰に高くならないように、前記過給圧抑制制御を実行するか否かを前記過給圧抑制閾値P1cmoutを用いて簡潔に判断することが可能であり、電子制御装置52の制御負荷の軽減を図り得る。
また、本実施例によれば、変速進行度判断手段102は、自動変速機12の変速開始前のエンジン回転速度Neに基づいて前記変速進行度閾値PR1atを決定する。ここで、電子スロットル弁72の作動に対する過給機54の過給圧Pcmoutの応答性はエンジン回転速度Neが高いほど高くなるので、前記過給圧抑制制御の実行が変速ショックの大きさに及ぼす影響はエンジン回転速度Neの高低に応じて異なってくる。従って、例えば前記変速進行度閾値PR1atがエンジン回転速度Neに関わらず一定値である場合と比較して、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の作動が自動変速機12の変速中に制限される機会を過不足なく得ることが可能である。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
例えば、前述の実施例において、排気バイパス経路66とウェイストゲートバルブ68とが図1のように設けられているが、車両6は、その排気バイパス経路66とウェイストゲートバルブ68とを備えていない車両であっても差し支えない。
また、前述の実施例において、電子スロットル弁72は、前記過給圧抑制制御で過給圧Pcmoutの上昇が止まるように作動させられる前記過給圧調節機構として機能させられているが、ウェイストゲートバルブ開度θwgが拡大するほど過給圧Pcmoutは上昇し難くなるので、電子スロットル弁72に替えて或いは電子スロットル弁72と共に、ウェイストゲートバルブ68が、上記過給圧抑制制御で上記過給圧調節機構として機能させられても差し支えない。
また、前述の実施例において、自動変速機12の変速進行度PRatは前記式(1)から算出されるが、その式(1)はあくまで例示であり、変速進行度PRatは、他の算出方法により算出されても差し支えない。また、自動変速機12の入力回転速度Nin以外の他のパラメータ例えば変速開始時からの経過時間等に基づいて算出されても差し支えない。
また、前述の実施例において、自動変速機12の変速進行度PRatは、変速開始時に零であり、変速終了時に1になるが、そのように0から1までの間で変化しなくても差し支えない。
また、前述の実施例の図5において、過給機54の過給圧Pcmoutはその上昇過程では成り行きで上昇しているが、過給圧Pcmoutは所定の目標過給圧に収束するようにフィードバック制御で調節され、そのフィードバック制御で調節される過給圧Pcmoutに対して前記過給圧抑制制御が実行されても差し支えない。
また、前述の実施例において、図5のタイムチャートではアクセルペダル88が踏み込まれるアクセルオンがきっかけとなり自動変速機12の変速が開始されているが、前記アクセルオンをきっかけとはしない自動変速機12の変速において、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動が制限されても差し支えない。例えば、運転者によるシフトレバー操作すなわちシーケンシャルシフト操作により自動変速機12のダウンシフトまたはアップシフトが発生することもあり得る。
また、前述の実施例において、図5のタイムチャートでは自動変速機12のダウンシフトが行われているが、自動変速機12のアップシフト中において、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動が制限されても差し支えない。また、自動変速機12の前記クラッチツークラッチ変速以外の変速中において、前記過給圧抑制制御における電子スロットル弁72の閉方向への作動が制限されても差し支えない。
また、前述の実施例において、車両6は走行用の駆動力源として電動機を備えていないが、走行用の電動機を備えたハイブリッド車両であっても差し支えない。
また、前述の実施例において、図1に示すように車両6はトルクコンバータ14を備えているが、そのトルクコンバータ14は必須ではない。
また、前述の実施例において、過給機54は排気タービン過給機であるが、エンジン10の出力軸13の回転で回転駆動される機械式過給機、すなわちスーパーチャージャーであっても差し支えない。過給機54がスーパーチャージャーであれば、排気バイパス経路66およびウェイストゲートバルブ68は設けられない一方で、エンジン10の出力軸13と前記スーパーチャージャーの回転軸とを選択的に連結するクラッチが設けられる。
6:車両
10:エンジン
12:自動変速機
38:駆動輪
52:電子制御装置(車両用エンジン制御装置)
54:過給機
72:電子スロットル弁(過給圧調節機構)

Claims (6)

  1. エンジンと、該エンジンの吸気を昇圧する過給機と、該過給機の過給圧を調節する過給圧調節機構と、前記エンジンの動力を駆動輪へ出力する有段の自動変速機とを備えた車両において、前記過給機の過給圧が上昇する過程で該過給圧の上昇を抑制するように前記過給圧調節機構を作動させる過給圧抑制制御を実行する車両用エンジン制御装置であって、
    前記過給圧抑制制御は、前記自動変速機の変速中には、前記自動変速機の変速後よりも制限される
    ことを特徴とする車両用エンジン制御装置。
  2. 前記過給圧抑制制御が制限される前記自動変速機の変速は、アクセルペダルの踏込操作に起因して実行されるパワーオンダウンシフトである
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジン制御装置。
  3. 前記過給圧抑制制御の制限は、前記自動変速機の変速の進行度が変速終了に近いほど、該過給圧抑制制御における前記過給圧調節機構の作動を制限するものである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用エンジン制御装置。
  4. 前記過給圧抑制制御の制限は、該過給圧抑制制御を実行する際に、前記過給圧調節機構の作動開始時を前記自動変速機の変速終了後にまで遅延することである
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両用エンジン制御装置。
  5. 前記自動変速機の変速中に該変速の進行度が予め定められた変速進行度閾値以上である場合に、前記過給圧抑制制御における前記過給圧調節機構の作動を制限する
    ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の車両用エンジン制御装置。
  6. 前記過給機の過給圧が予め定められた過給圧抑制閾値以上である場合に、前記過給圧抑制制御を実行する
    ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の車両用エンジン制御装置。
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