JP2016125003A - インクセット及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Shuhei Takiguchi
修平 瀧口
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佳久 山下
悠平 清水
Yuhei Shimizu
悠平 清水
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Masafumi Tsujimura
政史 辻村
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Abstract

【課題】発色性(特に暗部の色再現範囲)に優れた2次色画像を記録することができるとともに、記録媒体の種類によらずに光学濃度の高い画像を記録することができるインクを含むインクセットを提供する。【解決手段】第1インク及び第2インクの組み合わせを有する水性のインクセットである。第1インクが、酸化処理された自己分散カーボンブラックを含有し、第2インクが、下記一般式(I)(R1:アルキル基など、R2:−OR3又は−NHR4、R5:2価のヘテロ環基、R6:2価の連結基、M:水素原子、アルカリ金属など)で表される化合物を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット及びインクジェット記録方法に関する。
インクジェット記録方法に用いるインクには、近年、記録した画像の画質をこれまで以上に向上することが要求されている。また、ブラックインクとカラーインクとを併用する場合には、発色性、なかでも暗部の色再現範囲に優れた2次色画像を記録しうることが要求されている。
一方、ブラックインクには、記録される2次色画像の発色性が高いことに加え、画像の光学濃度をより一層向上することが求められている。画像を記録する記録媒体のなかでも、普通紙にはインクの浸透性が異なる様々な種類のものが存在する。そして、記録媒体のインクの浸透性の違いは、記録される画像の特性に影響を及ぼす。例えば、インクの浸透性が高い普通紙に記録した画像の光学濃度は低下する傾向にある。インクジェット記録方法の普及が著しい近年にあっては、記録媒体の種類によることなく光学濃度の高い画像を記録しうることが要求されている。
このような要求に対し、暗部の色再現範囲を向上させるべく、自己分散顔料を含むインクと、発色性の高いマゼンタ染料を含むインクとで構成されたインクセットが提案されている(特許文献1)。また、オゾンを用いて酸化処理した自己分散顔料と多価カチオンを含むインクが提案されている(特許文献2)。
特開2012−193308号公報 特表2005−529210号公報
しかし、特許文献1で提案されたインクセットを用いると、暗部の色再現範囲については十分なレベルの画像を記録することができるが、光学濃度については未だ不十分であった。また、特許文献2で提案された、オゾンを用いて酸化処理された自己分散顔料を含有するインクを用いると、画像の光学濃度は向上するが、2次色画像の暗部の色再現範囲については不十分なレベルであった。
したがって、本発明の目的は、発色性(特に暗部の色再現範囲)に優れた2次色画像を記録することができるとともに、記録媒体の種類によらずに光学濃度の高い画像を記録することができるインクを含むインクセットを提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記インクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、第1インク及び第2インクの組み合わせを有する水性のインクセットであって、前記第1インクが、酸化処理された自己分散カーボンブラックを含有し、前記第2インクが、下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とするインクセットが提供される。
Figure 2016125003
(前記一般式(I)中、R1は、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を表し、R2は、−OR3又は−NHR4を表し(R3及びR4は、水素原子又は1価の基を表す)、R5は、2価のヘテロ環基を表し、R6は、2価の連結基を表し、mは0又は1を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、nは1又は2を表す)
本発明によれば、発色性(特に暗部の色再現範囲)に優れた2次色画像を記録することができるとともに、記録媒体の種類によらずに光学濃度の高い画像を記録することができるインク(第1インク)を含むインクセットを提供することができる。また、本発明によれば、このインクセットを用いたインクジェット記録方法を提供することができる。
以下、好適な実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
本発明者らは、普通紙の種類によらずに光学濃度の高い画像を記録することができるインクについて種々の検討を行った。普通紙の種類によらずに光学濃度の高い画像を記録するためには、普通紙のなかでも、インクの浸透性の高い普通紙に記録した画像の光学濃度に着目する必要がある。浸透性の高い普通紙には、填料やサイズ剤といったインクの浸透を抑制する添加剤がほとんど含まれていない。このため、インク中の色材が普通紙の表面や表層に定着しにくく、内部に沈み込みやすいことが、画像の光学濃度の低下要因であると推測した。
そして、検討の結果、酸化処理された自己分散カーボンブラックを色材として含有するインクを用いることで、インクの浸透性の高い普通紙にも光学濃度の高い画像を記録できること、すなわち、記録媒体の種類によらず光学濃度の高い画像を記録できることを見出した。この理由を本発明者らは以下のように推測している。
カーボンブラックの粒子表面を酸化処理すると、化学的に表面修飾する場合と比較して、カーボンブラックの粒子表面にヒドロキシ基などのノニオン性の親水性基が導入されやすい。ノニオン性の親水性基は普通紙の主成分であるセルロースと水素結合を形成するため、ノニオン性の親水性基をその粒子表面に有する自己分散カーボンブラックは、普通紙の表面やその近傍に留まりやすくなる。このため、酸化処理された自己分散カーボンブラックを含有するインクを用いると、インクの浸透性の高い普通紙に記録する場合であっても、光学濃度の高い画像を得ることができる。
一方、酸化処理された自己分散カーボンブラックは、ノニオン性の親水性基が導入されやすいために凝集しにくい。このため、顔料の凝集体が記録媒体上で形成されにくく、かつ、反射光を抑えにくくなる。したがって、2種類のインクを併用して記録される2次色画像の暗部の色再現範囲が低下しやすくなると考えられる。そこで本発明者らは、2種類のインク(第1インクと第2インク)の関係に着目し、第2インクの色材として種々の化合物を検討した。その結果、酸化処理された自己分散カーボンブラックを含有する第1インクと、一般式(I)で表される化合物を含有する第2インク(イエローインク)とを併用することで、2次色画像の発色性が向上することが判明した。
一般式(I)で表される化合物はカルボキシ基を有するため、スルホン酸基を有する同様の化合物と比べて酸性度が低く、電解質によって不安定化されやすい。さらに、一般式(I)中のR1及びR2で表される基は、いずれも電子供与性基である。このため、一般式(I)で表される化合物は、無置換又は電子吸引性基を有する同様の化合物と比べて酸性度が低く、凝集しやすい。したがって、第1インク中の自己分散カーボンブラックが電解質の役割を果たし、第2インク中の一般式(I)で表される化合物が速やかに不安定化されたため、2次色画像の発色性が向上したものと推測される。
また、一般式(I)で表される化合物の酸性度が暗部の色再現範囲に及ぼす影響は、一般式(I)で表される化合物を含有する第2インクと、酸化処理された自己分散カーボンブラックを含有する第1インクとを併用した場合に顕著となることがわかった。この理由を本発明者らは以下のように推測している。
酸化処理された自己分散カーボンブラックは、化学的に表面修飾され、同程度のカルボキシ基量である自己分散カーボンブラックと比較して、普通紙への沈み込みが抑制されて表層に留まりやすい。これは、酸化処理された自己分散カーボンブラックの表面に存在するノニオン性の親水性基が、普通紙の主成分であるセルロースと水素結合を形成しやすいためであると考えられる。そして、記録媒体上で接触する第1インクに含まれる色材のカルボキシ基によって、第2インクの色材(一般式(I)で表される化合物)は不安定化されて凝集しやすくなる。したがって、第2インク中の色材がより記録媒体の表面上に残りやすくなり、分光特性が損なわれることなく維持される。さらに、第1インクと第2インクとの接触界面で第2インク中の色材が凝集すると、第1インクの色材(酸化処理された自己分散カーボンブラック)が凝集しやすくなる。このため、顔料の凝集体が島状に形成され、反射光が抑えられると考えられる。
<インクセット>
本発明のインクセットは、第1インク及び第2インクの組み合わせを有する。また、本発明のインクセットは、第1インク及び第2インク以外のインクをさらに有してもよい。本発明のインクセットは、インクジェット用のインクセットとして特に好適である。本発明のインクセットの形態としては、(i)各インクをそれぞれ独立に収容した複数のインクカートリッジのセットや、(ii)各インクをそれぞれ独立に収容した複数のインク収容部を組み合わせて一体的に構成されたインクカートリッジなどがある。但し、本発明のインクセットは、第1インク及び第2インクを組み合わせて用いることができるように構成されていれば上記の(i)及び(ii)の形態に限定されるものではない。以下、本発明のインクセットを構成する第1インク(ブラックインク)及び第2インク(イエローインク)に含有させる成分やインクの物性などについて詳細に説明する。
(第1インクの色材:自己分散カーボンブラック)
本発明のインクセットを構成する第1インクは、酸化処理された自己分散カーボンブラックを色材として含有する。自己分散カーボンブラックは、カーボンブラックの粒子表面にカルボキシ基などが直接結合しているものである。オゾンなどの酸化剤を用いてカーボンブラックを酸化処理すると、カーボンブラックの粒子表面に存在する炭素原子が酸化されてカルボキシ基などが生成する。このため、カーボンブラックの粒子表面にカルボキシ基が直接結合した自己分散カーボンブラックを得ることができる。
カーボンブラックの種類としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックなどを挙げることができる。カーボンブラックとしては、インクジェット用のインクに使用可能なものをいずれも用いることができる。また、調色などの目的のために、自己分散カーボンブラックに加えてさらに染料などを併用してもよい。第1インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上10.0質量%以下であることがさらに好ましい。第1インク中の顔料の含有量が15.0質量%を超えると、第1インクと第2インクを併用して記録される2次色画像の発色性が低下する場合がある。
カーボンブラックの粒子表面にカルボキシ基が直接結合している自己分散カーボンブラックを色材として用いることで、第1インク中に色材を分散させるための分散剤の添加が不要となる、又は分散剤の添加量を少量とすることができる。カーボンブラックの酸化処理としては、オゾンや次亜塩素酸カリウムなどの酸化剤による酸化処理などを挙げることができる。なかでも、自己分散カーボンブラックは、オゾン酸化処理された自己分散カーボンブラックであることが好ましい。オゾン酸化処理された自己分散カーボンブラックを色材として用いると、酸化剤により処理された自己分散カーボンブラックを色材として用いた場合に比べて、記録される画像の光学濃度が高くなるために好ましい。酸化剤によってカーボンブラックを酸化処理すると、酸化剤に含まれる塩素のようなアニオン性物質がカーボンブラックの粒子表面に付着しやすい。アニオン性物質が粒子表面に付着した自己分散カーボンブラックは記録媒体へ沈み込みやすいため、記録される画像の光学濃度が低下する傾向にあると推測される。これに対して、オゾンによってカーボンブラックを酸化処理した場合には、アニオン性物質がカーボンブラックの粒子表面に付着しないため、記録される画像の光学濃度が高くなると考えられる。
自己分散カーボンブラックの表面に化学的に直接結合している官能基としては、例えば、カルボン酸基、ヒドロキシ基、及びラクトン基などを挙げることができる。また、上記官能基のうち、カルボキシ基のカウンターイオンとしては、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオンなどが好ましい。
[カルボキシ基の量]
自己分散カーボンブラックの表面に存在するカルボキシ基の量は、0.15mmol/g以上0.40mmol/g以下であることが好ましい。カルボキシ基の量が0.15mmol/g未満であると自己分散カーボンブラックの分散安定性が低下しやすく、記録品質が低下することがある。一方、カルボキシ基の量が0.40mmol/g超であると、自己分散カーボンブラックの親水性が高くなりすぎてしまう。このため、自己分散カーボンブラックが記録媒体に沈み込みやすくなり、画像の光学濃度が低下することがある。なお、自己分散カーボンブラックの表面に存在するカルボキシ基の量は、自己分散カーボンブラックの固形分1g当たりのカルボキシ基のミリモル数である。
[ヒドロキシ基の量]
自己分散カーボンブラックの表面に存在するヒドロキシ基の量は、0.05mmol/g以上0.20mmol/g以下であることが好ましい。ヒドロキシ基の量が0.05mmol/g未満であると、自己分散カーボンブラックと記録媒体中のセルロースとの水素結合性が不十分となって自己分散カーボンブラックが記録媒体に沈み込みやすくなるため、画像の光学濃度が低下する傾向にある。一方、ヒドロキシ基の量が0.20mmol/g超であると、記録媒体上における自己分散カーボンブラックの粒子同士による凝集体の形成が阻害されて自己分散カーボンブラックが記録媒体に沈み込みやすくなるため、画像の光学濃度が低下する傾向にある。なお、自己分散カーボンブラックの表面に存在するヒドロキシ基の量は、自己分散カーボンブラックの固形分1g当たりのヒドロキシ基のミリモル数である。
[カルボキシ基の量及びヒドロキシ基の量の測定方法:選択的中和法]
従来、自己分散顔料の官能基量の測定方法としては、アニオン性基のカウンターイオンの濃度を測定してアニオン性基の量に換算する方法や、滴定法により分散状態の顔料の粒子表面のアニオン性基の量を測定する方法が利用されている。しかし、これらの方法では、顔料の粒子表面に結合したノニオン性の親水性基であるヒドロキシ基の量を測定することはできない。
これに対して、選択的中和法によれば、自己分散顔料の表面に存在するカルボキシ基の量とヒドロキシ基の量のいずれも測定することができる。選択的中和法は、アニオン性の官能基やノニオン性の官能基の解離定数がそれぞれ異なることを利用し、強度が異なる塩基性物質によって中和滴定して顔料の粒子表面に導入されている官能基を定量する方法である。前述の通り、本発明のインクセットを構成する第1インクは自己分散カーボンブラックの表面特性を利用している。このため、従来の方法ではなく、選択的中和法によって測定される官能基の量により自己分散カーボンブラックの表面特性を規定することが適している。
以下、顔料分散液を試料とし、選択的中和法によって自己分散カーボンブラックの表面に存在する官能基の量を測定する方法について説明する。なお、顔料分散液ではなく、インクから適切な方法により分取した自己分散カーボンブラックを水に分散させたものを試料として官能基の量を測定することも勿論可能である。
(1)顔料分散液に酸を加えてpHを2以下とし、常温(25℃)で24時間撹拌して顔料を沈殿させる。
(2)遠心分離により上澄みの液体を除去して、顔料(固形分)を採取する。
(3)採取した顔料を十分に乾燥させた後、メノウ乳鉢を用いてすり潰して試料を調製する。
(4)秤量した試料に濃度既知の塩基性化合物の水溶液を所定量添加して24時間撹拌し、測定対象である官能基を中和する(選択的中和)。
(5)遠心分離により上澄みの液体を採取して、中和に使用されなかった塩基性化合物を、濃度既知の酸を用いて中和滴定して定量する。
(6)上記(4)の選択的中和に用いたものと同量の濃度既知の塩基性化合物の水溶液(ブランク)を、濃度既知の酸を用いて中和滴定して定量する。
(7)上記(6)と(5)の定量値の差分を選択的中和で使用した塩基性化合物量(mmol)とし、顔料1gの値に換算して、測定対象である官能基の量(mmol/g)を求める。
顔料の選択的中和法においては、塩基性化合物として炭酸水素ナトリウムを用いるとカルボキシ基の量を定量することができる。また、塩基性化合物として炭酸ナトリウムを用いると、カルボキシ基の量及びラクトン基の量の合計を定量することができる。さらに、塩基性化合物として水酸化ナトリウムを用いると、カルボキシ基の量、ラクトン基の量、及びヒドロキシ基の量の合計を定量することができる。したがって、ヒドロキシ基の定量値は、水酸化ナトリウムによる定量値(カルボキシ基量+ラクトン基量+ヒドロキシ基量)から、炭酸ナトリウムによる定量値(カルボキシ基量+ラクトン基量)を引いた値となる。
(第2インクの色材:一般式(I)で表される化合物)
本発明のインクセットを構成する第2インクは、下記一般式(I)で表される化合物を色材(染料)として含有する。第2インク中の一般式(I)で表される化合物の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.1質量%以上10.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5.0質量%以下であることがさらに好ましい。一般式(I)で表される化合物の含有量が0.1質量%未満であると、画像の発色性や耐候性が不十分になる場合がある。一方、一般式(I)で表される化合物の含有量が10.0質量%を超えると、インクの耐固着性などの特性が不十分になる場合がある。
Figure 2016125003
(前記一般式(I)中、R1は、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を表し、R2は、−OR3又は−NHR4を表す(R3及びR4は、水素原子又は1価の基を表す)。R5は、2価のヘテロ環基を表し、R6は、2価の連結基を表し、mは0又は1を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、nは1又は2を表す)
一般式(I)中のR1は、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を表す。アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基としては、炭素数1乃至30のアルキル基が好ましい。置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホン酸基(塩型でもよい)、カルボキシ基(塩型でもよい)が好ましい。アルキル基としては、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル、4−スルホブチル、4−カルボキシブチルなどを挙げることができる。
アルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシ基としては、炭素数1乃至30のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシなどを挙げることができる。
アリール基には、置換又は無置換のアリール基が含まれる。置換又は無置換のアリール基としては、炭素数6乃至30のアリール基が好ましい。アリール基としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどを挙げることができる。
一般式(I)中のR2は、−OR3又は−NHR4を表す。また、R3及びR4は、水素原子又は1価の基を表す。1価の基としては、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基(塩型でもよい)、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホン酸基(塩型でもよい)、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などを挙げることができる。
アルキル基には、置換又は無置換のアルキル基が含まれる。置換又は無置換のアルキル基としては、炭素数1乃至30のアルキル基が好ましい。置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、スルホン酸基(塩型でもよい)、カルボキシ基(塩型でもよい)が好ましい。アルキル基としては、メチル、エチル、ブチル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、ヒドロキシエチル、シアノエチル、4−スルホブチル、4−カルボキシブチルなどを挙げることができる。
シクロアルキル基には、置換又は無置換のシクロアルキル基が含まれる。置換又は無置換のシクロアルキル基としては、炭素数5乃至30のシクロアルキル基が好ましい。シクロアルキル基としては、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシルなどを挙げることができる。
アラルキル基には、置換又は無置換のアラルキル基が含まれる。置換又は無置換のアラルキル基としては、炭素数7乃至30のアラルキル基が好ましい。アラルキル基としては、ベンジル、2−フェネチルなどを挙げることができる。
アルケニル基には、直鎖、分岐、又は環状の、置換又は無置換のアルケニル基が含まれる。置換又は無置換のアルケニル基としては、炭素数2乃至30のアルケニル基が好ましい。アルケニル基としては、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イルなどを挙げることができる。
アルキニル基には、置換又は無置換のアルキニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキニル基としては、炭素数2乃至30のアルキニル基が好ましい。アルキニル基としては、エチニル、プロパルギルなどを挙げることができる。
アリール基には、置換又は無置換のアリール基が含まれる。置換又は無置換のアリール基としては、炭素数6乃至30のアリール基が好ましい。アリール基としては、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニルなどを挙げることができる。
ヘテロ環基には、置換又は無置換の、芳香族又は非芳香族のヘテロ環化合物から1個の水素原子を取り除いた1価の基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環基としては、炭素数3乃至30の、5員又は6員の芳香族ヘテロ環基が好ましい。このような芳香族ヘテロ環基としては、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリルなどを挙げることができる。
アルコキシ基には、置換又は無置換のアルコキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシ基としては、炭素数1乃至30のアルコキシ基が好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−オクチルオキシ、メトキシエトキシ、ヒドロキシエトキシ、3−カルボキシプロポキシなどを挙げることができる。
アリールオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシ基としては、炭素数6乃至30のアリールオキシ基が好ましい。アリールオキシ基としては、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシなどを挙げることができる。
シリルオキシ基としては、炭素数3乃至20のシリルオキシ基が好ましい。シリルオキシ基としては、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシなどを挙げることができる。
ヘテロ環オキシ基には、置換又は無置換のヘテロ環オキシ基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環オキシ基としては、炭素数2乃至30のヘテロ環オキシ基が好ましい。ヘテロ環オキシ基としては、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシなどを挙げることができる。
アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルオキシ基が好ましい。アシルオキシ基としては、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシなどを挙げることができる。
カルバモイルオキシ基には、置換又は無置換のカルバモイルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のカルバモイルオキシ基としては、炭素数1乃至30のカルバモイルオキシ基が好ましい。カルバモイルオキシ基としては、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニルオキシ基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニルオキシ基が好ましい。アルコキシカルボニルオキシ基としては、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルオキシ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニルオキシ基が好ましい。アリールオキシカルボニルオキシ基としては、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−(n−ヘキサデシルオキシ)フェノキシカルボニルオキシなどを挙げることができる。
アルキルアミノ基には、置換又は無置換のアルキルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアルキルアミノ基が好ましい。アルキルアミノ基としては、メチルアミノ、ジメチルアミノなどを挙げることができる。
アニリノ基には、置換又は無置換のアニリノ基が含まれる。置換又は無置換のアニリノ基としては、炭素数6乃至30のアニリノ基が好ましい。アニリノ基としては、アニリノ、N−メチルアニリノ、ジフェニルアミノなどを挙げることができる。
アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、炭素数1乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニルアミノ基が好ましい。アシルアミノ基としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アミノカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアミノカルボニルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアミノカルボニルアミノ基が好ましい。アミノカルボニルアミノ基としては、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニルアミノ基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニルアミノ基が好ましい。アルコキシカルボニルアミノ基としては、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニルアミノ基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニルアミノ基が好ましい。アリールオキシカルボニルアミノ基としては、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−(n−オクチルオキシ)フェノキシカルボニルアミノなどを挙げることができる。
スルファモイルアミノ基には、置換又は無置換のスルファモイルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のスルファモイルアミノ基としては、炭素数0乃至30のスルファモイルアミノ基が好ましい。スルファモイルアミノ基としては、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N,N−オクチルアミノスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アルキルスルホニルアミノ基には、置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルホニルアミノ基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルホニルアミノ基が好ましい。アルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アリールスルホニルアミノ基には、炭素数6乃至30の置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルホニルアミノ基としては、炭素数6乃至30のアリールスルホニルアミノ基が好ましい。アリールスルホニルアミノ基としては、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノなどを挙げることができる。
アルキルチオ基には、置換又は無置換のアルキルチオ基が含まれる。置換又は無置換のアルキルチオ基としては、炭素数1乃至30のアルキルチオ基が好ましい。アルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオなどを挙げることができる。
アリールチオ基には、置換又は無置換のアリールチオ基が含まれる。置換又は無置換のアリールチオ基としては、炭素数6乃至30のアリールチオ基が好ましい。アリールチオ基としては、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオなどを挙げることができる。
ヘテロ環チオ基には、置換又は無置換のヘテロ環チオ基が含まれる。置換又は無置換のヘテロ環チオ基としては、炭素数2乃至30のヘテロ環チオ基が好ましい。ヘテロ環チオ基としては、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオなどを挙げることができる。
スルファモイル基には、置換又は無置換のスルファモイル基が含まれる。置換又は無置換のスルファモイル基としては、炭素数0乃至30のスルファモイル基が好ましい。スルファモイル基としては、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)などを挙げることができる。
アルキルスルフィニル基には、置換又は無置換のアルキルスルフィニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルフィニル基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルフィニル基が好ましい。アルキルスルフィニル基としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルなどを挙げることができる。
アリールスルフィニル基には、置換又は無置換のアリールスルフィニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルフィニル基としては、炭素数6乃至30のアリールスルフィニル基が好ましい。アリールスルフィニル基としては、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニルなどを挙げることができる。
アルキルスルホニル基には、置換又は無置換のアルキルスルホニル基が含まれる。置換又は無置換のアルキルスルホニル基としては、炭素数1乃至30のアルキルスルホニル基が好ましい。アルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル、エチルスルホニルなどを挙げることができる。
アリールスルホニル基には、置換又は無置換のアリールスルホニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールスルホニル基としては、炭素数6乃至30のアリールスルホニル基が好ましい。アリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニルなどを挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル基、炭素数2乃至30の置換又は無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7乃至30の置換又は無置換のアリールカルボニル基、炭素数4乃至30の置換又は無置換の、炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基が好ましい。アシル基としては、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−(n−オクチルオキシ)フェニルカルボニル、2―ピリジルカルボニル、2―フリルカルボニルなどを挙げることができる。
アリールオキシカルボニル基には、置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基が含まれる。置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基としては、炭素数7乃至30のアリールオキシカルボニル基が好ましい。アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−(t−ブチル)フェノキシカルボニルなどを挙げることができる。
アルコキシカルボニル基には、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基が含まれる。置換又は無置換のアルコキシカルボニル基としては、炭素数2乃至30のアルコキシカルボニル基が好ましい。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニルなどを挙げることができる。
カルバモイル基には、置換又は無置換のカルバモイル基が含まれる。置換又は無置換のカルバモイル基としては、炭素数1乃至30のカルバモイル基が好ましい。カルバモイル基としては、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイルなどを挙げることができる。
イミド基には、置換又は無置換のイミド基が含まれる。置換又は無置換のイミド基としては、炭素数4乃至30のイミド基が好ましい。イミド基としては、スクシンイミド、フタルイミド、グルタルイミド、ヘキサンイミドなどを挙げることができる。
ホスフィノ基には、置換又は無置換のホスフィノ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィノ基としては、炭素数2乃至30のホスフィノ基が好ましい。ホスフィノ基としては、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノなどを挙げることができる。
ホスフィニル基には、置換又は無置換のホスフィニル基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニル基としては、炭素数2乃至30のホスフィニル基が好ましい。ホスフィニル基としては、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニルなどを挙げることができる。
ホスフィニルオキシ基には、置換又は無置換のホスフィニルオキシ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニルオキシ基としては、炭素数2乃至30のホスフィニルオキシ基が好ましい。ホスフィニルオキシ基としては、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシなどを挙げることができる。
ホスフィニルアミノ基には、置換又は無置換のホスフィニルアミノ基が含まれる。置換又は無置換のホスフィニルアミノ基としては、炭素数2乃至30のホスフィニルアミノ基が好ましい。ホスフィニルアミノ基としては、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノなどを挙げることができる。
シリル基には、置換又は無置換のシリル基が含まれる。置換又は無置換のシリル基としては、炭素数3乃至30のシリル基の好ましい。シリル基としては、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリルなどを挙げることができる。
上述の1価の基の中で水素原子を有するものは、この水素原子が前述の1価の基で置換されていてもよい。そのような置換基としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基などが挙げられる。その具体例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基などを挙げることができる。
一般式(I)中のR2は、−OH又は−NH2が好ましく、−NH2がさらに好ましい。
一般式(I)中のR5は、2価のヘテロ環基を表す。R5で表される2価のヘテロ環基は5員環又は6員環であることが好ましい。これらの2価のヘテロ環はさらに縮環していてもよく、芳香族ヘテロ環であっても、非芳香族ヘテロ環であってもよい。一般的に、ヘテロ環基はI型とII型に分類することができる。I型のヘテロ環基は、酸性核として知られている。I型のヘテロ環基としては、5−ピラゾロン環、5−アミノピラゾール環、オキサゾロン環、バルビツール酸環、ピリドン環、ローダニン環、ピラゾリジンジオン環、ピラゾロピリドン環、メルドラム酸環などを挙げることができる。なかでも、5−ピラゾロン環、及び5−アミノピラゾール環が好ましい。II型のヘテロ環基は、塩基性核として知られている。II型のヘテロ環基としては、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、キノキサリン、ピロール、インドール、フラン、ベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、ベンズオキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾール、イソオキサゾール、ベンズイソオキサゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリジン、チアゾリンなどを挙げることができる。なかでも、芳香族ヘテロ環基が好ましく、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、ピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、イソチアゾール、ベンズイソチアゾール、チアジアゾールがさらに好ましく、耐光性の観点からチアジアゾールが特に好ましい。2価のヘテロ環基は置換基を有していてもよい。置換基としては、前述の1価の基として例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のR6は2価の連結基を表し、mは0又は1を表す。mが0である場合、2つのR5が互いに結合した構造であることを意味する。R6で表される2価の連結基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンなどのアルキレン基;エテニレン、プロぺニレンなどのアルケニレン基;エチニレン、プロピニレンなどのアルキニレン基;フェニレン、ナフチレンなどのアリーレン基;6−クロロ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル基、ピリミジン−2,4−ジイル基、キノキサリン−2,3−ジイル基などの2価のヘテロ環基;−O−;−CO−;−NR7−(R7は水素原子、アルキル基又はアリール基);−S−;−SO2−;−SO−;及びこれらの組み合わせなどを挙げることができる。
アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、R7で表されるアルキル基及びアリール基は、いずれも置換基を有していてもよい。置換基としては、前述の1価の基として例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。R7で表されるアルキル基及びアリール基としては、前述の1価の基として例示したものと、好ましいものを含めて同様のものを挙げることができる。
一般式(I)中のR6は、炭素数10以下のアルキレン基、炭素数10以下のアルケニレン基、炭素数10以下のアルキニレン基、炭素数6以上10以下のアリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−、又はこれらの組み合わせであることがさらに好ましい。これらのなかでも、−S−とアルキレン基との組み合わせであることが、一般式(I)で表される化合物の安定性の観点から特に好ましい。
6で表される2価の連結基の総炭素数は、0乃至50であることが好ましく、0乃至30であることがさらに好ましく、0乃至10であることが特に好ましい。
一般式(I)中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、nは1又は2を表す。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを挙げることができる。有機アンモニウムとしては、メチルアミン、エチルアミンなどの炭素数1以上3以下のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの炭素数1以上4以下のモノ、ジ又はトリアルカノールアミン類などの有機アンモニウムなどを挙げることができる。なお、一般式(I)で表される化合物が、置換基としてイオン性基を有する場合にも、塩型であってもよく、この場合のカウンターイオンとしては、上述のカチオンと同様のものを挙げることができる。
一般式(I)で表される化合物の好適例を遊離酸型で表すと、以下に示す例示化合物1〜29を挙げることができる。勿論、本発明においては、一般式(I)の構造及びその定義に包含されるものであれば、以下に示す例示化合物に限定されない。本発明においては、暗部の色再現範囲の観点から、以下に示す例示化合物のなかでも例示化合物2が好ましい。
Figure 2016125003
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(水性媒体)
本発明のインクセットを構成する各インクは、水、又は水及び水溶性有機溶剤の混合溶媒である水性媒体を含有する水性インクである。水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、10.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、水溶性であれば特に制限はなく、アルコール、多価アルコール、ポリグリコール、グリコールエーテル、含窒素極性溶媒、含硫黄極性溶媒などを用いることができる。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、5.0質量%以上90.0質量%以下、さらには10.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明のインクセットを構成する各インクには、上記成分の他に必要に応じて、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類;尿素やその誘導体などの常温で固体の水溶性有機化合物を含有させてもよい。さらに、本発明のインクセットを構成する各インクには、必要に応じて、界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、及び水溶性樹脂などの種々の添加剤を含有させてもよい。
第1インク及び第2インクには、界面活性剤をそれぞれ含有させることが好ましい。各インク中の界面活性剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として、0.05質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。第1インクには、アセチレングリコール系、フッ素系、シリコーン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系などの界面活性剤を含有させることが好ましい。また、第2インクには、アセチレングリコール系の界面活性剤を含有させることが好ましい。なかでも、第2インクには、水性媒体への溶解性に優れるため、アセチレングリコールのエチレンオキサイド付加物を含有させることが特に好ましい。
(インクの物性)
本発明のインクセットを構成する各インクの25℃における静的表面張力は、10mN/m以上60mN/m以下であることが好ましい。また、20mN/m以上60mN/m以下であることがさらに好ましく、30mN/m以上40mN/m以下であることが特に好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクは、その表面張力を上記した範囲内とすることで、インクジェット方式に適用した際に吐出口近傍の濡れによる吐出ヨレ(インクの着弾点のズレ)などの発生を有効に抑制することが可能となる。インクの表面張力は、インク中の界面活性剤などの含有量を適宜設定することで調整することができる。また、本発明のインクセットを構成する各インクは、インクジェット記録装置に適用する際に良好な吐出特性が得られるよう、所望のpHに調整することが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクの25℃における粘度は、1.0mPa・s以上5.0mPa・s以下であることが好ましい。
<インクカートリッジ>
インクカートリッジは、インクと、このインクを収容するインク収容部とを備える。そして、インク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクセットを構成する第1インク及び第2インクの少なくとも1種であることが好ましい。なお、1種のインクを収容するインクカートリッジを、本発明のインクセットを構成する2種のインクに対応するように2つ組み合わせてもよく、1つのインクカートリッジ内に上記2種のインクを個別に収容するように構成してもよい。
インクカートリッジとしては、インク収容部が、負圧によりインクを含浸した状態で保持する負圧発生部材を収容する負圧発生部材収容室、及び負圧発生部材により含浸されない状態でインクを収容するインク収容室で構成されるものを挙げることができる。また、上記のようなインク収容室を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸した状態で保持する構成や、負圧発生部材を持たず、インクの全量を負圧発生部材により含浸されない状態で収容する構成のインク収容部としてもよい。さらに、インク収容部と記録ヘッドとを有するように構成された形態のインクカートリッジとしてもよい。
<インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置>
本発明のインクジェット記録方法は、上記で説明した本発明のインクセットを構成する各インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出して記録媒体に画像を記録する方法である。また、インクジェット記録装置は、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備える。そして、インク収容部に収容されているインクが、上記で説明した本発明のインクセットを構成する第1インク及び第2インクの少なくとも1種であることが好ましい。本発明のインクセットを用いること以外、インクジェット記録方法の工程やインクジェット記録装置の構成は公知のものとすればよい。
本発明のインクセットを構成する各インクを用いて画像を記録する記録媒体としては一般的なインクジェット用に使用可能ないずれのものも用いることができる。このような記録媒体としては、例えば、光沢紙、コート紙、光沢フィルムなどの支持体上に多孔質層が配設されたインクジェット用の記録媒体や、表面の少なくとも一部に繊維が露出した、いわゆるコピー用紙などの普通紙を挙げることができる。
また、本発明のインクセットを構成する各インクと、さらに別のインクとを組み合わせてインクジェット記録方法に用いてもよい。組み合わせて用いることができる別のインクとしては、例えば、色材として染料を含有する、ブラック、シアン、イエロー、レッド、ブルー、グリーンなどの各インク(濃インク)を挙げることができる。また、色材として染料を含有する、淡シアン、淡マゼンタ、淡イエロー、グレーなどの各インク(淡インク)を挙げることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、成分量の記載について「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<顔料分散液の調製>
(自己分散顔料のカルボキシ基量の測定方法)
顔料分散液に1.0mol/L塩酸を加えてpHを2以下とし、25℃で24時間撹拌して顔料を沈殿させた。5,000rpmで30分間遠心分離した後、上澄みの液体を除去して顔料を採取した。採取した顔料を60℃のオーブンに入れて24時間乾燥させた後、メノウ乳鉢を用いてすり潰して試料を調製した。調製した試料(顔料)0.5gに0.1mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液30.0gを添加して24時間撹拌し、カルボキシ基の選択的中和を行った。80,000rpmで60分間遠心分離した後、上澄みの液体を採取した。採取した液体に含まれる炭酸水素ナトリウム(中和に使用されなかったもの)の量を、0.1mol/L塩酸を用いて中和滴定して定量した(Aモルとする)。ブランクとして0.1mol/L炭酸水素ナトリウム水溶液30.0gを用意し、このブランク中の炭酸水素ナトリウムの量を、0.1mol/L塩酸を用いて中和滴定して定量した(Bモルとする)。得られた上記の定量値A及びBの差分(A−B)を選択的中和で使用した炭酸水素ナトリウムの量とし、自己分散顔料1g当たりのカルボキシ基の量C(mmol/g)を算出した。
(自己分散顔料のヒドロキシ基量の測定方法)
炭酸水素ナトリウムに代えて水酸化ナトリウムを用いたこと以外は、上記の「自己分散顔料のカルボキシ基量の測定方法」と同様の手順で、自己分散顔料量1g当たりのカルボキシ基、ラクトン基、及びヒドロキシ基の合計の量D(mmol/g)を算出した。また、炭酸水素ナトリウムに代えて炭酸ナトリウムを用いたこと以外は、上記の「自己分散顔料のカルボキシ基量の測定方法」と同様の手順で、自己分散顔料量1g当たりのカルボキシ基及びラクトン基の合計の量E(mmol/g)を求めた。そして、下記式より、自己分散顔料1g当たりのヒドロキシ基の量H(mmol/g)を算出した。
自己分散顔料1g当たりのヒドロキシ基の量H=D−E
(顔料分散液1〜9)
特表2003−535949号公報の実施例3の記載を参考にし、オゾンガスを用いて顔料を表面酸化処理して自己分散顔料を調製した。具体的には、まず、顔料をイオン交換水に予備分散させた後、表1に示す時間のオゾン処理を行った。顔料としては、カーボンブラック(商品名「FW−18」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積260m2/g、DBP吸油量140mL/100g)を用いた。次いで、水酸化カリウムを添加して混合物のpHを7程度に調整しながら、表1に示す時間、液−液衝突型の分散機を用いて混合物を循環させた後、限外ろ過により精製した。適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整し、自己分散顔料の含有量が10.0%である顔料分散液1〜9を得た。表1には、各顔料分散液中の自己分散顔料のカルボキシ基量及びヒドロキシ基量も示す。
Figure 2016125003
(顔料分散液10)
国際公開第2000/058411号の実施例1の記載を参考にし、酸化剤を用いて顔料を表面酸化処理して自己分散顔料を調製した。具体的には、まず、顔料14.0部をイオン交換水65.0部に分散させた後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度4%)21.0部を滴下して、温度100℃で10時間撹拌した。顔料としては、カーボンブラック(商品名「FW−18」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積260m2/g、DBP吸油量140mL/100g)を用いた。次いで、限外ろ過により精製した後、適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整し、自己分散顔料の含有量が10.0%である顔料分散液10を得た。顔料分散液10中の自己分散顔料のカルボキシ基量は0.30mmol/gであり、ヒドロキシ基量は0.10mmol/gであった。
(顔料分散液11)
国際公開第2000/058411号の実施例1の記載を参考にし、酸化剤を用いて顔料を表面酸化処理して自己分散顔料を調製した。具体的には、まず、顔料14.0部をイオン交換水76.0部に分散させた後、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度4%)10.0部を滴下して、温度100℃で10時間撹拌した。顔料としては、カーボンブラック(商品名「FW−18」、オリオンエンジニアドカーボン製、BET比表面積260m2/g、DBP吸油量140mL/100g)を用いた。次いで、限外ろ過により精製した後、適量のイオン交換水を添加して顔料の含有量を調整し、自己分散顔料の含有量が10.0%である顔料分散液11を得た。顔料分散液11中の自己分散顔料のカルボキシ基量は0.14mmol/gであり、ヒドロキシ基量は0.04mmol/gであった。
(顔料分散液12)
カーボンブラックの粒子表面に化学修飾によりベンゼンカルボン酸基を結合させた自己分散顔料を含有する水分散液(商品名「CAB−O−JET300」、キャボット製、自己分散顔料の含有量:20.0%)を顔料分散液12として用いた。
<一般式(1)で表される化合物の合成>
(化合物A)
特開2004−083903号公報の記載を参考に、遊離酸型として下記式で表される化合物の、カリウム塩である化合物Aを合成した。
Figure 2016125003
(化合物B)
特開2004−083903号公報の記載を参考に、遊離酸型として下記式で表される化合物の、カリウム塩である化合物Bを合成した。
Figure 2016125003
(比較化合物Aの合成)
特開2004−083903号公報の記載を参考に、遊離酸型として下記式で表される化合物の、カリウム塩である比較化合物Aを合成した。
Figure 2016125003
(比較化合物Bの合成)
特開2004−083903号公報の記載を参考に、遊離酸型として下記式で表される化合物の、カリウム塩である比較化合物Bを合成した。
Figure 2016125003
(比較化合物Cの合成)
特開2004−083903号公報の記載を参考に、遊離酸型として下記式で表される化合物の、カリウム塩である比較化合物Cを合成した。
Figure 2016125003
(比較化合物Dの合成)
特開2010−37505号公報の記載を参考に、遊離酸型として下記式で表される化合物の、カリウム塩である比較化合物Dを合成した。
Figure 2016125003
<インクの調製>
表2及び3の上段に示す各成分(単位:%)を混合し、十分に撹拌した後、ポアサイズ1.2μmのメンブレンフィルター(商品名「HDCIIフィルター」、ポール製)で加圧ろ過して各インクを調製した。表2及び3中の「アセチレノールE100」(川研ファインケミカル製)は、ノニオン性界面活性剤の商品名である。
Figure 2016125003
Figure 2016125003
<評価>
上記で得られた各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、表4に示す組み合わせのインクセットとした。そして、下記の各項目の評価を行った。評価結果を表4に示す。本発明においては、以下に示す評価基準で、「A」及び「B」を許容できるレベル、「C」及び「D」を許容できないレベルとした。
(2次色画像の発色性:暗部の色再現範囲)
インクセットを構成する各インクが充填されたインクカートリッジを、インクジェット記録装置(商品名「PIXUSiP7200」、キヤノン製)にそれぞれセットした。第1インクが充填されたインクカートリッジはブラックインクのポジションにセットした。また、第2インクが充填されたインクカートリッジはイエローインクのポジションにセットした。他のインクとしては、BCI−351C、BCI−351M、及びBCI−351K(いずれも商品名(キヤノン製))をそれぞれ所定のポジションにセットした。そして、普通紙(商品名「Bright White Inkjet Paper」、ヒューレッドパッカード製)に、高精細XYZ・CIELAB・RGB標準画像(SHIPP)(監修:高精細標準画像作成委員会、発行:画像電子学会)のRGBカラーチャートを記録した。そして、記録の24時間後に測色を行い、上記標準画像の技術解説書に記載されている方法で、色彩分布の3次元的な広がり(色域体積)を計算して色域体積の値を得た。なお、分光光度計(商品名「Spectrolino」、GretagMacbeth製)を使用し、光源:D50、視野:2°の条件で測色した。そして、L*=0〜65かつ色相角0°〜150°の範囲における色域体積の値から、以下に示す評価基準にしたがって暗部の色再現範囲を評価した。
A:色域体積の値が39k以上であった。
B:色域体積の値が31k以上39k未満であった。
C:色域体積の値が23k以上31k未満であった。
D:色域体積がの値23k未満であった。
(光学濃度)
第1インクが充填されたインクカートリッジを、熱エネルギーによりインクを吐出する記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置(商品名「PIXUSiP2700」、キヤノン製)にセットした。なお、上記のインクジェット記録装置の解像度は600dpi×600dpiである。また、1/600インチ×1/600インチの単位領域に、1滴当たりの質量が25ng±10%であるインク滴を1滴付与する条件を記録デューティが100%であると定義する。そして、普通紙(商品名「Xerox4200」、ゼロックス製)に、記録デューティが100%であるベタ画像(2cm×2cm/1ライン)を記録した。記録の1日後に反射濃度計(商品名「MacbethRD−918」、マクベス製)を使用してベタ画像の光学濃度を測定し、以下に示す評価基準にしたがって光学濃度を評価した。
A:光学濃度の平均値が1.35以上であった。
B:光学濃度の平均値が1.25以上1.35未満であった。
C:光学濃度の平均値が1.25未満であった。
Figure 2016125003

Claims (5)

  1. 第1インク及び第2インクの組み合わせを有する水性のインクセットであって、
    前記第1インクが、酸化処理された自己分散カーボンブラックを含有し、
    前記第2インクが、下記一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とするインクセット。
    Figure 2016125003
    (前記一般式(I)中、R1は、アルキル基、アルコキシ基、又はアリール基を表し、R2は、−OR3又は−NHR4を表し(R3及びR4は、水素原子又は1価の基を表す)、R5は、2価のヘテロ環基を表し、R6は、2価の連結基を表し、mは0又は1を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、nは1又は2を表す)
  2. 前記自己分散カーボンブラックが、オゾン酸化処理された自己分散カーボンブラックである請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記自己分散カーボンブラックの表面に存在するカルボキシ基の量が、0.15mmol/g以上0.40mmol/g以下である請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記自己分散カーボンブラックの表面に存在するヒドロキシ基の量が、0.05mmol/g以上0.20mmol/g以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. インクをインクジェット方式の記録ヘッドから吐出させて記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    前記インクが、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクセットを構成する各インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
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