JP2016124915A - 研磨用組成物、研磨方法、及びセラミック製部品の製造方法 - Google Patents

研磨用組成物、研磨方法、及びセラミック製部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価であり且つセラミックに対して高品位な鏡面仕上げを行うことができる研磨用組成物、研磨方法、及びセラミック製部品の製造方法の提供。
【解決手段】セラミックを研磨する研磨用組成物であって、炭化物からなる砥粒を含有する研磨用組成物。前記砥粒の平均二次粒子径が0.1〜10.0μmであり、前記炭化物として炭化ケイ素又は炭化ホウ素の少なくとも一方である研磨用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物、研磨方法、及びセラミック製部品の製造方法に関する。
ダイヤモンドからなる砥粒を含有する研磨用組成物を用いてセラミック製部品の表面を研磨し、鏡面仕上げや平滑化を行う技術が知られている(例えば特許文献1、2を参照)。しかしながら、ダイヤモンドからなる砥粒を含有する研磨用組成物は高価である上、スクラッチが生じやすく高品位な鏡面が得られにくいという問題があった。
特開平7−179848号公報 特開2008−290183号公報
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、安価であり且つセラミックに対して高品位な鏡面仕上げを行うことができる研磨用組成物、研磨方法、及びセラミック製部品の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様に係る研磨用組成物は、セラミックを研磨する研磨用組成物であって、炭化物からなる砥粒を含有することを要旨とする。
また、本発明の他の態様に係る研磨方法は、上記一態様に係る研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨することを要旨とする。
さらに、本発明のさらに他の態様に係るセラミック製部品の製造方法は、上記他の態様に係る研磨方法でセラミック製部品を研磨することを含むことを要旨とする。
本発明の研磨用組成物、研磨方法、及びセラミック製部品の製造方法は、安価であり且つセラミックに対して高品位な鏡面仕上げを行うことができる。
本発明の一実施形態について詳細に説明する。本実施形態の研磨用組成物は、セラミックを研磨する研磨用組成物であって、炭化物からなる砥粒を含有する。そして、この砥粒の平均二次粒子径は0.1μm以上10.0μm以下としてもよい。また、炭化物は炭化ケイ素及び炭化ホウ素の少なくとも一方としてもよい。
さらに、本実施形態の研磨用組成物は、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、及びこれらの塩のうち少なくとも1種をさらに含有してもよい。さらに、本実施形態の研磨用組成物は、平均二次粒子径が0.1μm以下であり且つ炭化物以外の物質からなる非炭化物粒子をさらに含有してもよい。
このような本実施形態の研磨用組成物は、セラミックの研磨に好適に用いられ、スクラッチが生じにくいため、セラミックに対して高光沢で高品位な鏡面仕上げを行うことができる。また、本実施形態の研磨用組成物は、ダイヤモンドからなる砥粒を含有していないので安価である。さらに、本実施形態の研磨用組成物は、金属や樹脂等の材料に比べ硬度が高く研磨加工が困難なセラミックを、十分に高い研磨速度で研磨することができる。
よって、本実施形態の研磨用組成物を用いてセラミック製の研磨対象物を研磨することにより、表面が鏡面仕上げされた高い質感(例えば高級感)を有するセラミック製部品を製造することができる。金属や樹脂等の材料は表面の質感の向上に限界があるが、セラミックは鏡面仕上げにより高い質感を付与することができるので、より顧客満足度の高い商品を作出することができる。
強度、耐久性、軽量性、意匠性に優れているセラミックを素材として、装飾品(例えばアクセサリー、腕時計)、電子機器(例えば携帯電話端末、パーソナルコンピュータ)、カメラ、スポーツ・ヘルスケア用品、歯科用品(例えば義歯)、自動車内装部材等の様々な物品の部品を製造することができる。これらの中でも、装飾品、電子機器、自動車内装部材等では、特に表面デザインに対する要求が強く、例えばハイグレード商品では質感(例えば高級感)を重視した表面デザインが強く求められているため、このような物品のセラミック製部品の製造に対して、本実施形態の研磨用組成物は好適である。
セラミック製部品の表面に塗装、コーティング、めっき等を施して鏡面仕上げする方法もあるが、研磨による鏡面仕上げの方が優れた鏡面が得られる上、塗料やコーティングが不要である。また、研磨による鏡面は、塗装、コーティング、めっき等による鏡面に比べて耐久性が高いため、鏡面が長期間にわたって持続する。これらの点から、研磨による鏡面仕上げは、塗装、コーティング、めっき等による鏡面仕上げよりも優れた点を有している。
なお、質感とは、セラミック含有物に特有の素材感を指し、例えば重量感、存在感と表現することもできる。また、セラミックは、金属や樹脂とは異なる色調を演出することが可能なものである。さらに、セラミックの質感は、例えば金属的、プラスチック的なものとは異なり、深みや温かみ、独特の艶感を包含しており、これらは、例えば陶磁器が有するような美観や高級感を見る者や触る者に与え得る。研磨により表面が鏡面となったセラミックは光沢を有することから、金属や樹脂とは異なる光沢性の質感を有しており、光沢を有する表面は、例えば工芸品や美術品としての陶磁器が有するものとは異なるが、遜色ない、あるいは、より優れた美観や高級感を有するものであり得る。さらに、平滑性の高い表面を有するセラミック製部品は手触り感にも優れ、耐衝撃性等の強度面でも優れたものであり得る。
以下に、本実施形態の研磨用組成物について詳細に説明する。なお、以下に説明する種々の操作や物性の測定は、特に断りがない限り、室温(20℃以上25℃以下)、相対湿度40%以上50%以下の条件下で行われたものである。
1.研磨対象物であるセラミックについて
本実施形態の研磨用組成物による研磨に適用可能なセラミックの種類は特に限定されるものではなく、Mg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,La,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Ag,Au,Zn,Al,Ga,In,Sn,Pb,Bi,Ce,Pr,Nd,Er,Lu等の金属元素の酸化物を主成分とするセラミックがあげられる。これらのセラミックは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、Mg,Y,Ti,Zr,Cr,Mn,Fe,Zn,Al,Erの酸化物を主成分とするセラミックは、本実施形態の研磨用組成物で研磨するセラミックとして好適であり、ジルコニアとアルミナがより好適である。
さらに、金属酸化物系のセラミック以外では、チタン酸アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素等は、本実施形態の研磨用組成物による研磨に適用可能である。
なお、本発明におけるセラミックには、サファイア、炭化ケイ素等の単結晶は含まれない。
2.砥粒について
砥粒を構成する炭化物の種類は特に限定されるものではないが、例えば、炭化チタン、炭化タングステン、炭化アルミニウム、炭化クロム等の金属炭化物や、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化窒素等があられる。これらの炭化物の中では、炭化ケイ素は研磨速度に優れ、入手が容易である。1種の砥粒を単独で用いてもよいし、2種以上の砥粒を併用してもよい。また、2種以上の炭化物の混合物からなる砥粒を用いてもよい。
砥粒の平均二次粒子径は0.1μm以上としてもよく、好ましくは0.5μm以上である。砥粒の平均二次粒子径が上記の範囲内であれば、セラミックの研磨速度が向上する。一方、砥粒の平均二次粒子径は20μm以下としてもよく、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。砥粒の平均二次粒子径が上記の範囲内であれば、研磨によって低欠陥且つ面粗度の小さい表面を得ることが容易である。
また、研磨後のセラミックの表面に大粒子径の砥粒が残留することが問題となる場合には、大粒子径を含まない小粒子径(例えば、平均二次粒子径が5μm以下)の砥粒を用いた研磨用組成物で研磨することが好ましい。
なお、砥粒の平均二次粒子径は、電気抵抗法によって測定することができる。さらに具体的には、後述する実施例に記載の方法によって求めることができる。
研磨用組成物中の砥粒の含有量は1質量%以上としてもよく、好ましくは2質量%以上である。砥粒の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物によるセラミックの研磨速度が向上する。一方、研磨用組成物中の砥粒の含有量は50質量%以下としてもよく、好ましくは45質量%以下である。砥粒の含有量が上記の範囲内であれば、研磨用組成物の製造コストが低減する。また、研磨後のセラミックの表面上に残存する砥粒の量が低減され、セラミックの表面の清浄性が向上する。
3.ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、及びこれらの塩について
本実施形態の研磨用組成物は、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、及びこれらの塩のうち少なくとも1種をさらに含有してもよい。ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、及びこれらの塩は分散剤として機能するので、研磨用組成物において砥粒が容易に再分散することができる。なお、本明細書においては、ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、及びこれらの塩を「分散剤」と記すこともある。
ポリカルボン酸の種類は特に限定されるものではないが、例えばポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸があげられる。あるいは、これらのポリカルボン酸のうちの2種以上の共重合体、ポリカルボン酸とポリスルホン酸の共重合体、又はこれら共重合体の塩でもよい。これらの中でも、比較的多様な分子量があることから、ポリアクリル酸又はその塩が好ましい。
ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、又はこれらの塩の分子量は、500以上としてもよく、好ましくは1000以上である。ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、又はこれらの塩の分子量の増大によって、研磨用組成物における砥粒の再分散性がより高くなる。また、砥粒の再分散性と研磨速度の維持の観点から、通常は、分子量は10000以下が適当である。
ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、又はこれらの塩の添加量は、0.1g/L以上としてもよく、好ましくは1g/L以上であり、より好ましくは5g/L以上である。ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、又はこれらの塩の添加量の増大によって、研磨用組成物における砥粒の再分散性がより高くなる。また、研磨速度の維持とコストの観点から、通常は、含有量は200g/L以下が適当であり、好ましくは100g/L以下である。
4.非炭化物粒子について
本実施形態の研磨用組成物は、平均二次粒子径が0.1μm以下であり且つ炭化物以外の物質からなる非炭化物粒子をさらに含有してもよい。この非炭化物粒子は分散剤として機能するので、研磨用組成物において砥粒が容易に再分散することができる。なお、本明細書においては、非炭化物粒子を「分散剤」と記すこともある。
非炭化物粒子の種類は特に限定されるものではないが、例えばアルミナ、ジルコニア、ジルコン、セリア、チタニア、シリカ、酸化クロム、酸化鉄、窒化ケイ素、窒化チタン、ホウ化チタン、ホウ化タングステン、酸化マンガン等があげられる。これらの非炭化物粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、2種以上の物質の混合物からなる非炭化物粒子を用いてもよい。
これらの中でも、入手が容易で低コストであることから、金属酸化物が好ましく、アルミナ(例えばα−アルミナ、中間アルミナ、フュームドアルミナ、アルミナゾルやこれらの混合物)、水和アルミナ(例えばベーマイト)、水酸化アルミニウム、シリカ(例えばコロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、ゾルゲル法シリカ)がより好ましい。
非炭化物粒子の平均二次粒子径は、入手容易性の観点から、0.005μm以上であることが好ましく、0.01μm以上であることがより好ましい。また、非炭化物粒子の平均二次粒子径は、0.5μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましく、0.1μm以下であることがさらに好ましい。非炭化物粒子の平均二次粒子径が上記の範囲内であれば、コストが低減するだけでなく、砥粒自身の沈降が起こりにくく、研磨用組成物の砥粒の再分散性がより高まる。なお、非炭化物粒子の平均二次粒子径は、例えば動的光散乱法によって測定することができる。動的光散乱法による測定装置の例としては、日機装株式会社製のUPA−UT151があげられる。
5.添加剤について
本実施形態の研磨用組成物には、その性能を向上させるために、必要に応じてpH調整剤、エッチング剤、酸化剤、水溶性重合体(共重合体でもよい。また、これらの塩、誘導体でもよい)、防食剤、キレート剤、分散助剤、防腐剤、防黴剤等の各種添加剤を添加してもよい。
5−1 pH調整剤について
本実施形態の研磨用組成物のpHの値は、pH調整剤の添加により調整することができる。研磨用組成物のpHの値を所望の値に調整するために必要に応じて使用されるpH調整剤は、酸及びアルカリのいずれであってもよく、また、それらの塩であってもよい。pH調整剤の添加量は、特に限定されるものではなく、研磨用組成物が所望のpHとなるように適宜調整すればよい。
pH調整剤としての酸の具体例としては、無機酸や、カルボン酸、有機硫酸等の有機酸があげられる。無機酸の具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、リン酸等があげられる。また、カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ジグリコール酸、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、フェノキシ酢酸等があげられる。さらに、有機硫酸の具体例としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸等があげられる。これらの酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの中では、無機酸では硫酸、硝酸、塩酸、リン酸等が研磨速度向上の観点から好ましく、有機酸ではグリコール酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、イタコン酸等が好ましい。
また、pH調整剤としての塩基の具体例としては、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン、水酸化第四級アンモニウム化合物等の有機塩基、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及びアンモニア等があげられる。これらの中では、入手容易性から水酸化カリウム、アンモニアが好ましい。これらの塩基は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルカリ金属の具体例としては、カリウム、ナトリウム等があげられる。また、アルカリ土類金属の具体例としては、カルシウム、ストロンチウム等があげられる。さらに、塩の具体例としては、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、酢酸塩等があげられる。さらに、第四級アンモニウムの具体例としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等があげられる。
水酸化第四級アンモニウム化合物としては、水酸化第四級アンモニウム又はその塩を含み、具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等があげられる。
さらに、アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン等があげられる。
また、上記の酸の代わりに、又は、上記の酸と組み合わせて、酸のアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩をpH調整剤として用いてもよい。特に、弱酸と強塩基との塩、強酸と弱塩基との塩、又は弱酸と弱塩基との塩を用いた場合には、pHの緩衝作用を期待することができ、さらに強酸と強塩基との塩を用いた場合には、少量の添加によってpHだけでなく電導度の調整が可能である。
5−2 エッチング剤について
本実施形態の研磨用組成物には、セラミックの溶解を促進するためにエッチング剤を添加してもよい。エッチング剤の例としては、硝酸、硫酸、塩酸、リン酸、フッ酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ、アンモニア、アミン、第四級アンモニウム水酸化物等の有機アルカリ等があげられる。これらのエッチング剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
5−3 酸化剤について
本実施形態の研磨用組成物には、セラミックの表面を酸化させるために酸化剤を添加してもよい。酸化剤の具体例としては、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素、過塩素酸塩、過硫酸塩、硝酸等があげられる。過硫酸塩の具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等があげられる。これら酸化剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
5−4 水溶性重合体について
本実施形態の研磨用組成物には、セラミックの表面や砥粒の表面に作用する水溶性重合体(共重合体でもよい。また、これらの塩、誘導体でもよい。)を添加してもよい。水溶性重合体、水溶性共重合体、これらの塩又は誘導体の具体例としては、ポリアクリル酸塩等のポリカルボン酸、ポリホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸等のポリスルホン酸、キタンサンガム、アルギン酸ナトリウム等の多糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ソルビタンモノオレエート、単一種又は複数種のオキシアルキレン単位を有するオキシアルキレン系重合体等があげられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
5−5 防食剤について
本実施形態の研磨用組成物には、セラミックの表面の腐食を抑制するために防食剤を添加してもよい。防食剤の具体例としては、アミン類、ピリジン類、テトラフェニルホスホニウム塩、ベンゾトリアゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、安息香酸等があげられる。これらの防食剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
5−6 キレート剤について
本実施形態の研磨用組成物には、キレート剤を添加してもよい。キレート剤の具体例としては、グルコン酸等のカルボン酸系キレート剤、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチルテトラアミン等のアミン系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のポリアミノポリカルボン酸系キレート剤、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸等の有機ホスホン酸系キレート剤、フェノール誘導体、1,3−ジケトン等があげられる。これらのキレート剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
5−7 分散助剤について
本実施形態の研磨用組成物には、砥粒の凝集体の再分散を容易にするために分散助剤を添加してもよい。分散助剤の具体例としては、ピロリン酸塩やヘキサメタリン酸塩等の縮合リン酸塩等があげられる。これらの分散助剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
5−8 防腐剤について
本実施形態の研磨用組成物には、防腐剤を添加してもよい。防腐剤の具体例としては、次亜塩素酸ナトリウム等があげられる。防腐剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
5−9 防黴剤について
本実施形態の研磨用組成物には、防黴剤を添加してもよい。防黴剤の具体例としては、オキサゾリジン−2,5−ジオン等のオキサゾリン等があげられる。
6.液状媒体について
本実施形態の研磨用組成物は、炭化物からなる砥粒と、水、有機溶剤等の液状媒体と、を含有してもよい。このとき、所望により、ポリカルボン酸、非炭化物粒子、添加剤を添加してもよい。
液状媒体は、研磨用組成物の各成分(砥粒、ポリカルボン酸、非炭化物粒子、添加剤等)を分散又は溶解するための分散媒又は溶媒として機能する。液状媒体としては水、有機溶剤があげられ、1種を単独で用いることができるし、2種以上を混合して用いることができるが、水を含有することが好ましい。ただし、各成分の作用を阻害することを抑制するという観点から、不純物をできる限り含有しない水を用いることが好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後にフィルタを通して異物を除去した純水や超純水、あるいは蒸留水が好ましい。
7.研磨用組成物の製造方法について
本実施形態の研磨用組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、砥粒と、所望によりポリカルボン酸、非炭化物粒子、各種添加剤とを、水等の液状媒体中で攪拌、混合することによって製造することができる。例えば、炭化物からなる砥粒と、ポリカルボン酸(ポリスルホン酸でもよいし、あるいはこれらの塩でもよい)と、平均二次粒子径が0.1μm以下の非炭化物粒子と、各種添加剤とを、水中で攪拌、混合することによって製造することができる。混合時の温度は特に限定されるものではないが、10℃以上40℃以下が好ましく、溶解速度を向上させるために加熱してもよい。また、混合時間も特に限定されない。
8.研磨方法及びセラミック製部品の製造方法について
本実施形態の研磨用組成物を用いたセラミックの研磨は、通常の研磨に用いられる研磨装置や研磨条件により行うことができる。例えば片面研磨装置や両面研磨装置を使用することができる。
例えば、研磨対象物であるセラミック製部品をセラミック製の基板とし、片面研磨装置を用いて研磨する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板を保持し、研磨布が貼付された定盤を基板の片面に押しつけて研磨用組成物を供給しながら定盤を回転させることにより、基板の片面を研磨する。
また、両面研磨装置を用いてセラミック製の基板を研磨する場合には、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板を保持し、研磨布が貼付された定盤を基板の両側から基板の両面にそれぞれ押しつけて、研磨用組成物を供給しながら両側の定盤を回転させることにより、基板の両面を研磨する。
いずれの研磨装置を用いた場合でも、摩擦(研磨布及び研磨用組成物と、セラミックとの摩擦)による物理的作用と研磨用組成物がセラミックにもたらす化学的作用とによって基板が研磨される。
ダイヤモンドからなる砥粒を含有する研磨用組成物を用いてセラミック製部品を研磨する従来の研磨方法においては、銅、鋳鉄、スズ、スズ合金、又はこれら金属と樹脂を混合し焼き固めたものからなる定盤を使用して研磨を行うが、本実施形態の研磨用組成物を用いてセラミック製部品を研磨する研磨方法においては、研磨布が貼付された定盤を使用して研磨を行うことができるので、上記の従来の研磨方法に比べて優れた鏡面がより得られやすい。
研磨布としては、ポリウレタン、不織布、スウェード等の種々の素材のものを用いることができる。また、素材の違いの他、硬度や厚さ等の物性が種々異なるものを用いることができる。さらに、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもののいずれも用いることができるが、砥粒を含まないものを使用することが好ましい。
さらに、研磨条件のうち研磨荷重(研磨対象物に負荷する圧力)については特に限定されないが、4.9kPa(50gf/cm)以上98kPa(1000gf/cm)以下としてもよく、好ましくは7.8kPa(80gf/cm)以上78kPa(800gf/cm)以下であり、より好ましくは9.8kPa(100gf/cm)以上59kPa(600gf/cm)以下である。研磨荷重がこの範囲内であれば、十分な研磨速度が発揮され、荷重により研磨対象物が破損したり、研磨対象物の表面に傷等の欠陥が発生したりすることを抑制することができる。
また、研磨条件のうち研磨速度(線速度)については特に限定されないが、10m/分以上300m/分以下としてもよく、好ましくは30m/分以上200m/分以下である。研磨速度(線速度)がこの範囲内であれば、十分な研磨速度が得られる。また、研磨対象物の摩擦による研磨布の破損を抑制でき、さらに研磨対象物へ摩擦が十分に伝わり、所謂研磨対象物が滑る状態を抑制することができ、十分に研磨することができる。
さらに、研磨条件のうち研磨用組成物の供給量については、研磨対象物の種類、研磨装置の種類、研磨条件によっても異なるが、研磨対象物と研磨布との間に研磨用組成物がムラ無く全面に供給されるのに十分な量であればよい。研磨用組成物の供給量が少ない場合は、研磨用組成物が研磨対象物全体に供給されないことや、研磨用組成物が乾燥凝固し研磨対象物の表面に欠陥を生じさせることがある。逆に研磨用組成物の供給量が多い場合は、経済的でないことの他、過剰な研磨用組成物(特に水等の液状媒体)により摩擦が妨げられて研磨が阻害されるおそれがある。
なお、本実施形態の研磨用組成物を用いて研磨を行う本研磨工程の前に、別の研磨用組成物を用いて研磨を行う予備研磨工程を設けてもよい。研磨対象物の表面に加工ダメージや輸送時に付いた傷等がある場合は、それらの傷を一つの研磨工程で鏡面化するには多くの時間を要するため不経済である上、研磨対象物の表面の平滑性が損なわれるおそれがある。
そこで、予備研磨工程により研磨対象物の表面の傷を除去しておくことにより、本実施形態の研磨用組成物を用いた本研磨工程で要する研磨時間を短縮することができ、優れた鏡面を効率的に得ることができる。予備研磨工程において用いる予備研磨用組成物としては、本実施形態の研磨用組成物に比べて研磨力がより強いものを用いることが好ましい。具体的には、本実施形態の研磨用組成物に用いる砥粒よりも、硬度が高く、平均二次粒子径が大きい砥粒を使用することが好ましい。なお、予備研磨用組成物に含有される砥粒の平均二次粒子径は、例えば、電気抵抗法によって測定することができる。この電気抵抗法による装置の例としては、ベックマン・コールター社製のMultisizerIIIがあげられる。
また、本実施形態の研磨用組成物を用いて研磨を行う本研磨工程の後に、さらに別の研磨用組成物を用いて研磨を行う仕上げ研磨工程を設けてもよい。仕上げ研磨工程により、さらに優れた鏡面を得ることができる。仕上げ研磨工程において用いる仕上げ研磨用組成物としては、本実施形態の研磨用組成物に比べて研磨力がより低いものを用いることが好ましい。具体的には、本実施形態の研磨用組成物に用いる砥粒よりも、硬度が低く、平均二次粒子径が小さい砥粒を使用することが好ましい。なお、仕上げ研磨用組成物に含有される砥粒の平均二次粒子径は、例えば、動的光散乱法によって測定することができる。動的光散乱法による測定装置の例としては、日機装株式会社製のUPA−UT151があげられる。
また、本実施形態の研磨用組成物は、研磨対象物の研磨に使用された後に回収し、研磨対象物の研磨に再使用することができる。研磨用組成物を再使用する方法の一例としては、研磨装置から排出された研磨用組成物をタンクに回収し、再度研磨装置内へ循環させて研磨に使用する方法があげられる。研磨用組成物を循環使用すれば、廃液として排出される研磨用組成物の量を減らすことができるので、環境負荷を低減することができる。また、使用する研磨用組成物の量を減らすことができるので、研磨対象物の研磨に要する製造コストを抑制することができる。
本実施形態の研磨用組成物を再使用する際には、研磨に使用したことにより消費、損失された砥粒、添加剤等の一部又は全部を、組成調整剤として添加した上で再使用するとよい。組成調整剤としては、砥粒、添加剤等を任意の混合比率で混合したものを用いることができる。組成調整剤を追加で添加することにより、研磨用組成物が再使用されるのに好適な組成に調整され、好適な研磨を行うことができる。組成調整剤に含有される砥粒及びその他の添加剤の濃度は任意であり、特に限定されず、タンクの大きさや研磨条件に応じて適宜調整すればよい。
さらに、本実施形態の研磨用組成物は、一液型であってもよいし、研磨用組成物の成分の一部又は全部を任意の比率で混合した二液型等の多液型であってもよい。また、研磨対象物の研磨においては、本実施形態の研磨用組成物の原液をそのまま用いて研磨を行ってもよいが、原液を水等の希釈液で例えば10倍以上に希釈した研磨用組成物の希釈物を用いて研磨を行ってもよい。
〔実施例〕
以下に実施例を示し、表1を参照しながら本発明をさらに具体的に説明する。
炭化ケイ素又は炭化ホウ素からなる砥粒と、液状媒体である水と、を混合して、砥粒を水に分散させ、実施例1〜6の研磨用組成物を製造した。また、炭化ケイ素からなる砥粒と、液状媒体である水と、添加剤である分散剤と、を混合して、砥粒を水に分散させ、実施例7,8の研磨用組成物を製造した。さらに、表1に示す各種砥粒と、液状媒体である水と、を混合して、砥粒を水に分散させ、比較例1〜3の研磨用組成物を製造した。
実施例1〜8及び比較例1〜3のいずれにおいても、研磨用組成物全体における砥粒の含有量は21質量%である。また、実施例1〜8及び比較例1〜3の研磨用組成物の砥粒の平均二次粒子径は、表1に示される通りである。なお、砥粒の平均二次粒子径は、ベックマン・コールター社製のMultisizerIII装置を用いて測定したものである。さらに、実施例7の研磨用組成物に添加した分散剤は、ポリアクリル酸ナトリウムであり、研磨用組成物中の濃度は50g/Lである。さらに、実施例8の研磨用組成物に添加した分散剤は、平均一次粒子径25nmのアルミナを含有するアルミナゾルであり、研磨用組成物中の濃度は1g/Lである。
実施例1〜8及び比較例1〜3の研磨用組成物を用いて、下記の研磨条件で、白色ジルコニアセラミック製の矩形板状部材(寸法は縦60mm、横80mm)の研磨を行った。そして、研磨前の矩形板状部材の質量と、研磨後の矩形板状部材の質量とを測定し、研磨前後の質量差から研磨速度を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2016124915
(研磨条件)
研磨装置:片面研磨装置(定盤の直径:380mm)
研磨布:ポリウレタン製研磨布
研磨荷重:17.6kPa(180gf/cm
定盤の回転速度:90min−1
研磨速度(線速度):71.5m/分
研磨時間:15分
研磨用組成物の供給速度:26mL/分
また、下記の方法により、実施例1〜8及び比較例1〜3の研磨用組成物の再分散性を評価した。研磨用組成物を容量100mLのポリビンに入れ、ポリビンの底部を下方に向けて直立した姿勢で24時間静置し、その後にポリビンを反転して倒立させた。倒立した姿勢を30秒間保った後に、ポリビンの内部の底面に付着している砥粒を観察し、底面の面積に対する砥粒の付着部分の面積の比率を目視により算出した。結果を表1に示す。
表1から分かるように、実施例1〜8の研磨速度は比較例1〜3に比べて十分に高い値であり、特に、砥粒の平均二次粒子径が0.1μm以上10.0μm以下の範囲内である実施例3〜8の研磨速度は高い値であった。また、いずれの実施例においても、白色ジルコニアセラミック製の矩形板状部材の表面は、スクラッチの少ない高品位な鏡面であった。
さらに、ポリビンの内部の底面の面積に対して砥粒の付着部分の面積が小さいことから、分散剤が添加された実施例7,8の研磨用組成物は、分散剤が添加されていない実施例1〜6及び比較例1〜3の研磨用組成物よりも砥粒の再分散性が優れていることがわかる。

Claims (7)

  1. セラミックを研磨する研磨用組成物であって、炭化物からなる砥粒を含有する研磨用組成物。
  2. 前記砥粒の平均二次粒子径が0.1μm以上10.0μm以下である請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記炭化物が炭化ケイ素及び炭化ホウ素の少なくとも一方である請求項1又は請求項2に記載の研磨用組成物。
  4. ポリカルボン酸、ポリスルホン酸、及びこれらの塩のうち少なくとも1種をさらに含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  5. 平均二次粒子径が0.1μm以下であり且つ炭化物以外の物質からなる非炭化物粒子をさらに含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する研磨方法。
  7. 請求項6に記載の研磨方法でセラミック製部品を研磨することを含むセラミック製部品の製造方法。
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