JP2015203080A - 研磨用組成物 - Google Patents

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舞子 浅井
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均 森永
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    • B24B1/00Processes of grinding or polishing; Use of auxiliary equipment in connection with such processes

Abstract

【課題】表面に合金材料および樹脂を含み、かつ前記研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比が特定の範囲である基板に対する研磨を行った際、合金材料の研磨速度と樹脂の研磨速度との差を低減して、合金材料および樹脂を共に高い研磨速度で研磨することができ、さらには、研磨後の基板表面の平滑性に優れ、高光沢な表面を有する基板を得ることができる研磨用組成物を提供する。【解決手段】表面に合金材料および樹脂を含み、かつ研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物であって、体積基準の粒度分布に基づく積算50%粒子径(D50)が5.0μm以上である結晶性砥粒と、酸またはその塩と、水溶性高分子と、を含む、研磨用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物に関する。
合金とは、1種の金属元素に対して、1種以上の金属元素や、炭素、窒素、ケイ素などの非金属元素を共有させた共有体であり、純金属に対し機械的強度や耐薬品性、耐食性、耐熱性等の性質を向上させることを目的として製造される。それらの中でもアルミニウム合金は、軽量かつ優れた強度を有することから、建材や容器等の構造材料、自動車、船舶、航空機などの輸送機器の他、各種電化製品や、電子部品等様々な用途に用いられている。また、チタン合金は、軽量なうえに耐食性に優れていることから、精密機器、装飾品、工具、スポーツ用品、医療部品等に広く用いられている。また、鉄系合金であるステンレスやニッケル合金は、優れた耐食性を有することから、構造材料や輸送機器の他、工具、機械器具、調理器具など様々な用途で使用されている。また、銅合金は、電気伝導性、熱伝導性、耐食性に優れているほか、加工性に優れておりまた仕上げの美しさから、装飾品、食器、楽器や電気材料の部品等に広く用いられている。さらに、最近では上記のような用途で、合金とともにその表面に樹脂を含む材料も使用されてきている。
このような合金および樹脂を表面に含む材料を用いる場合、その表面を光沢面に仕上げる場合がある。光沢面への仕上げは、その表面を塗装するなど、コーティングを施すことにより鏡面処理を行う場合もあるが、研磨によりその表面を鏡面に仕上げることができれば、塗装面よりも優れた光沢面を供することができ、かつコーティングの材料や作業を必要としない。また、研磨による鏡面は、塗装による光沢面に比べ、耐久性が高いので光沢面が長期に亘り持続されるという利点も有する。
従来、合金材料に対して、研磨用組成物を用いた研磨による鏡面化や平滑化が行われてきた。例えば、特許文献1では、(a)シリカ、セリア、およびジルコニアからなる群より選択される研磨材、(b)アルミニウムを酸化させる試薬、および(c)液体キャリアを含む、アルミニウム合金の研磨用途に使用される研磨用組成物が開示されている。
特表2008−544868号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の研磨用組成物を、表面に合金材料および樹脂を含む基板の研磨に使用した場合、合金材料の研磨速度と樹脂の研磨速度との差が大きく、均一に研磨できないという問題があった。また、研磨後の基板表面の平滑性が不十分であり、高光沢な表面が得られないという問題があった。
そこで本発明は、表面に合金材料および樹脂を含み、かつ前記表面の総面積に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板に対する研磨を行った際、合金材料の研磨速度と樹脂の研磨速度との差を低減して、合金材料および樹脂を共に高い研磨速度で研磨することができ、さらには、研磨後、基板表面の平滑性に優れ、高光沢な表面を有する基板を得ることができる研磨用組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らは鋭意研究を積み重ねた。その結果、体積基準の粒度分布に基づく積算50%粒子径(D50)が特定の範囲にある結晶性砥粒、酸またはその塩、および水溶性高分子を含む研磨用組成物を使用することで、上記課題が解決されうることを見出した。そして、上記知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、表面に合金材料および樹脂を含み、かつ研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物であって、体積基準の粒度分布に基づく積算50%粒子径(D50)が5.0μm以上である結晶性砥粒と、酸またはその塩と、水溶性高分子と、を含む、研磨用組成物である。
本発明によれば、表面に合金材料および樹脂を含み、かつ前記表面の総面積に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板に対する研磨を行った際、合金材料の研磨速度と樹脂の研磨速度との差を低減して、合金材料および樹脂を共に高い研磨速度で研磨することができ、さらには、研磨後、表面の平滑性に優れ、高光沢な表面を有する基板を得ることができる研磨用組成物が提供される。
本発明は、表面に合金材料および樹脂を含み、かつ研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物であって、体積基準の粒度分布に基づく積算50%粒子径(D50、以下、単に「D50」とも称する)が5.0μm以上である結晶性砥粒と、酸またはその塩と、水溶性高分子と、を含む、研磨用組成物である。かような構成を有する本発明の研磨用組成物は、合金材料の研磨速度と樹脂の研磨速度との差を低減して、合金材料および樹脂を共に高い研磨速度で研磨することができ、さらには、基板表面の平滑性を向上させ、高光沢な表面を得ることができる。
なぜ、本発明の研磨用組成物により上記効果が得られるのか、詳細は不明であるが、D50が本発明の範囲にある結晶性砥粒は、基板へ作用し、基板へ与える圧力が高く、作用個数も適切となる砥粒個数の範囲である。これにより、化学的研磨作用が働き難い樹脂に対して、機械的研磨作用を大きくすることができ、樹脂の研磨速度を高くすることができる。水溶性高分子は、弱い力ながら結晶性砥粒をさらに凝集させることができるため、粒子径がさらに大きい結晶性砥粒の凝集粒子を形成することができ、これにより樹脂に対する研磨速度がより高くなり得る。本発明の研磨用組成物に含まれる酸またはその塩は、合金材料に対する研磨促進剤となる。よって、D50が特定の範囲である結晶性砥粒、酸またはその塩、および水溶性高分子を含む本発明の研磨用組成物は、合金材料および樹脂を共に高い研磨速度で研磨することができ、さらには、研磨後、表面の平滑性に優れ、高光沢な表面を有する基板を得ることができる。
また、本発明の研磨用組成物は、砥粒の凝集体が容易に再分散しうる。
なお、上記メカニズムは推測によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら限定されるものではない。
[研磨対象物]
本発明の研磨用組成物は、表面に合金材料および樹脂を含む基板を研磨する用途に用いられる。本発明において用いられる該基板の研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比(以下、単に合金材料の面積比とも称する)は60〜95%である。なお、本明細書において、研磨対象物(基板)の合金材料の面積比は、以下の方法により測定した値を採用するものとする。すなわち、研磨対象物の研磨部分を撮影し、撮影画像に上から5mm角の格子を重ね、合金材料と樹脂とが存在する格子部分の数をカウントする。さらに、合金材料単独の格子部分および樹脂単独の格子部分をカウントし、合金材料および樹脂の両方が存在する格子部分は両方のカウントとし、その数で合金材料の面積比を計算する。
以下、研磨対象物(基板)に含まれる合金材料および樹脂について説明する。
〔合金材料〕
合金材料は、主成分となる金属種と、主成分とは異なる金属種と、を含有する。
合金材料は、主成分となる金属種に基づいて名称が付される。合金材料としては、例えば、アルミニウム合金、チタン合金、ステンレス鋼(鉄を主成分とする)、ニッケル合金、および銅合金等が挙げられる。
アルミニウム合金は、アルミニウムを主成分とし、主成分と異なる金属種として、例えば、ケイ素、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、亜鉛、およびクロムからなる群より選択される少なくとも1種が含有される。アルミニウム合金中における主成分とは異なる金属種の含有量は、合金材料全体に対して例えば0.1〜10質量%である。アルミニウム合金としては、例えば、JIS H4000:2006に記載される合金番号において、1085、1080、1070、1050、1050A、1060、1100、1200、1N00、1N30、2014、2014A、2017、2017A、2219、2024、3003、3103、3203、3004、3104、3005、3105、5005、5021、5042、5052、5652、5154、5254、5454、5754、5082、5182、5083、5086、5N01、6101、6061、6082、7010、7075、7475、7178、7N01、8021、8079;JIS H4040:2006に記載される合金番号において、1070、1060、1050、1050A、1100、1200、2011、2014、2014A、2017、2017A、2117、2024、2030、2219、3003、3103、5N02、5050、5052、5454、5754、5154、5086、5056、5083、6101、6N01、6005A、6060、6061、6262、6063、6082、6181、7020、7N01、7003、7050、7075、7049A;JIS H4100:2006に記載される合金番号において、1070 A1070S、1060A1060S、1050 A1050S、1100 A1100S、1200 A1200S、2014 A2014S、2014 A2014AS、2017 A2017S、2017 A2017AS、2024 A2024S、3003 A3003S、3203 A3203S、5052 A5052S、5454 A5454S、5083 A5083S、5086 A5086S、6101 A6101S、6N01 A6N01S、6005A A6005AS、6060 A6060S、6061 A6061S、6063 A6063S、6082 A6082S、7N01 A7N01S、7003 A7003S、7005 A7005S、7020 A7020S、7050 A7050S、7075 A7075S等が挙げられる。
チタン合金は、チタンを主成分とし、主成分とは異なる金属種として、例えば、アルミニウム、鉄、およびバナジウム等が含有される。チタン合金中における主成分とは異なる金属種の含有量は、合金材料全体に対して例えば3.5〜30質量%である。チタン合金としては、例えば、JIS H4600:2012に記載される種類において、11〜23種、50種、60種、61種、および80種のものが挙げられる。
ステンレス鋼は、鉄を主成分とし、主成分とは異なる金属種として、例えば、クロム、ニッケル、モリブデン、およびマンガンからなる群より選択される少なくとも1種が含有される。ステンレス鋼中における主成分とは異なる金属種の含有量は、合金材料全体に対して例えば10〜50質量%である。ステンレス鋼としては、例えば、JIS G4303:2005に記載される種類の記号において、SUS201、303、303Se、304、304L、304NI、305、305JI、309S、310S、316、316L、321、347、384、XM7、303F、303C、430、430F、434、410、416、420J1、420J2、420F、420C、631J1等が挙げられる。
ニッケル合金は、ニッケルを主成分とし、主成分とは異なる金属種として、例えば、鉄、クロム、モリブデン、およびコバルトから選択される少なくとも1種が含有される。ニッケル合金中における主成分とは異なる金属種の含有量は、合金材料全体に対して例えば20〜75質量%である。ニッケル合金としては、例えば、JIS H4551:2000に記載される合金番号において、NCF600,601、625、750、800、800H、825、NW0276、4400、6002、6022等が挙げられる。
銅合金は、銅を主成分とし、主成分とは異なる金属種として、例えば、鉄、鉛、亜鉛、および錫から選択される少なくとも1種が含有される。銅合金中における主成分とは異なる金属種の含有量は、合金材料全体に対して例えば3〜50質量%である。銅合金としては、例えば、JIS H3100:2006に記載される合金番号において、C2100、2200、2300、2400、2600、2680、2720、2801、3560、3561、3710、3713、4250、4430、4621、4640、6140、6161、6280、6301、7060、7150、1401、2051、6711、6712等が挙げられる。
合金材料の主成分は、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、および銅からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。合金材料としては、アルミニウム合金、ステンレス鋼、またはチタン合金がより好ましい。
〔樹脂〕
樹脂の種類としては特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。
熱硬化性樹脂の例としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS樹脂)、(メタ)アクリル樹脂、有機酸ビニルエステル樹脂またはその誘導体、ビニルエーテル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン等のハロゲン含有樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂(ポリエーテルスルホン、ポリスルホンなど)、ポリフェニレンエーテル樹脂(2,6−キシレノールの重合体など)、セルロース誘導体(セルロースエステル類、セルロースカーバメート類、セルロースエーテル類など)、シリコーン樹脂(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンなど)などが挙げられる。
上記樹脂は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。これら樹脂の中でも、耐衝撃性や耐候性の観点から熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂がより好ましい。
次に、本発明の研磨用組成物の構成について、詳細に説明する。
[結晶性砥粒]
本発明の研磨用組成物は、体積基準の粒度分布に基づく積算50%粒子径(D50)が5.0μm以上である結晶性砥粒を含む。かような結晶性砥粒を用いることにより、樹脂の研磨速度を向上させることができ、合金材料の研磨速度と樹脂の研磨速度との差を低減することができる。ここで、本明細書において「結晶性砥粒」とは、X線回折装置を用いて粉末X線回折測定を行った際、その回折パターンにおいて結晶由来のピークを示すものを意味する。
このような結晶性砥粒の具体的な例としては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化セリウム(セリア)、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マンガン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化チタン、窒化ケイ素、ホウ化チタン、およびホウ化タングステンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく挙げられる。これらの中でも、硬度とコストの観点から、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化ジルコニウムが好ましい。
アルミナの種類としては、例えば、α−アルミナ、中間アルミナ(γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ)、フュームドアルミナ等が挙げられ、いずれも好適に用いることができる。
結晶性砥粒の体積基準の粒度分布に基づく積算50%粒子径(D50)は、5.0μm以上である。結晶性砥粒のD50が5.0μm未満の場合、樹脂に対する研磨速度が低下する。結晶性砥粒のD50は7.0μm以上であることが好ましい。また、該D50の上限値は特に制限されないが、30μm以下であることが好ましい。
なお、本明細書において、結晶性砥粒のD50は、市販の粒度測定装置を利用して測定することができる。かかる粒度測定装置としては、動的光散乱法、レーザー回折法、レーザー散乱法、または細孔電気抵抗法等のいずれの手法に基づくものでも使用できる。
研磨用組成物中の結晶性砥粒の含有量の下限値は、0.1質量%以上であることが好ましく、0.2質量%以上であることがより好ましく、1質量%以上であることがさらに好ましい。結晶性砥粒の含有量が多くなるにつれて、研磨速度が上昇する。
また、研磨用組成物中の結晶性砥粒の含有量の上限値は、50質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることがさらに好ましい。結晶性砥粒の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の製造コストが低減するのに加えて、研磨用組成物を用いた研磨により傷等の欠陥が少ない表面を得ることが容易となる。
[酸またはその塩]
本発明の研磨用組成物は、酸またはその塩を含む。酸またはその塩は合金材料の研磨促進剤としての役割を果たし、合金材料の研磨速度をより向上させる。
酸としては、無機酸および有機酸のいずれも用いることができる。無機酸の例としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、およびリン酸等が挙げられる。また、有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ジグリコール酸、2−フランカルボン酸、2,5−フランジカルボン酸、3−フランカルボン酸、2−テトラヒドロフランカルボン酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、およびフェノキシ酢酸等が挙げられる。さらに、塩としては、1族元素塩、2族元素塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、および第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これら酸またはその塩は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
これらの中でも、リン酸、硝酸、クエン酸が好ましい。
研磨用組成物中の酸またはその塩の含有量の下限値は、0.01質量%以上であることが好ましく、0.02質量%以上であることがより好ましく、0.1質量%以上であることがさらに好ましい。酸またはその塩の含有量が多くなるにつれて、研磨速度が上昇する。
また、研磨用組成物中の酸またはその塩の含有量の上限値は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましい。酸またはその塩の含有量が適切である場合、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度がより好適に向上する。
[水溶性高分子]
本発明の研磨用組成物は、水溶性高分子を含む。該水溶性高分子は、結晶性砥粒を弱い力ながら凝集させることができるため、樹脂の研磨速度をさらに向上させうる。また、該水溶性高分子は、砥粒の凝集体を再分散させる役割も果たし得る。
水溶性高分子の例としては、例えば、ポリアクリル酸などのポリカルボン酸、ポリホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸などのポリスルホン酸、キタンサンガム、アルギン酸ナトリウムなどの多糖類、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノオレエート、単一種または複数種のオキシアルキレン単位を有するオキシアルキレン系重合体等が挙げられる。また、上記の化合物の塩も水溶性高分子として好適に用いることができる。これら水溶性高分子は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。
これらの中でも、ポリカルボン酸またはその塩、ポリホスホン酸またはその塩、ポリスルホン酸またはその塩が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリスルホン酸がより好ましい。
該水溶性高分子の重量平均分子量の下限値は、1,000以上であることが好ましい。一方、該水溶性高分子の重量平均分子量の上限値は、1,000,000以下であることが好ましい。なお、水溶性高分子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定することができる。
研磨用組成物中の水溶性高分子の含有量の下限値は、0.01質量%以上であることが好ましい。水溶性高分子の含有量が多くなるにつれて、再分散性を高めることができる。
また、研磨用組成物中の水溶性高分子の含有量の上限値は、10質量%以下であることが好ましい。水溶性高分子の含有量が少なくなるにつれて、研磨速度が上昇する。
[研磨用組成物のpH]
本発明の研磨用組成物のpHの下限値は、1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。
また、本発明の研磨用組成物のpHの上限値は、7以下であることが好ましく、6以下であることがより好ましく、4.5以下であることがより好ましい。
pHは、本発明の研磨用組成物の一成分である酸またはその塩により制御することができるが、それ以外の公知の酸、塩基、またはそれらの塩を使用することによっても制御することができる。
[他の成分]
本発明の研磨用組成物は、必要に応じて、水、合金材料の溶解を促進するエッチング剤、合金材料の表面を酸化させる酸化剤、合金材料の表面の腐食を抑制する防食剤やキレート剤、砥粒の凝集体の再分散を容易にする分散助剤、その他の機能を有する防腐剤、防黴剤等の他の成分をさらに含んでもよい。
〔水〕
本発明の研磨用組成物は、各成分を分散または溶解するための分散媒または溶媒として水を含むことが好ましい。他の成分の作用を阻害することを抑制するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましく、具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後、フィルタを通して異物を除去した純水や超純水、または蒸留水が好ましい。
〔水以外の他の成分〕
エッチング剤の例としては、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの無機アルカリ、アンモニア、アミン、第四級アンモニウム水酸化物などの有機アルカリ等が挙げられる。酸化剤の例としては、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素、過塩素酸塩、過硫酸塩等が挙げられる。防食剤の例としては、アミン類、ピリジン類、テトラフェニルホスホニウム塩、ベンゾトリアゾール類、トリアゾール類、テトラゾール類、安息香酸等が挙げられる。キレート剤の例としては、グルコン酸等のカルボン酸系キレート剤、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリメチルテトラアミンなどのアミン系キレート剤、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸などのポリアミノポリカルボン系キレート剤、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸などの有機ホスホン酸系キレート剤、フェノール誘導体、1,3−ジケトン等が挙げられる。分散助剤の例としては、ピロリン酸塩やヘキサメタリン酸塩などの縮合リン酸塩等が挙げられる。防腐剤の例としては、次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。防黴剤の例としてはオキサゾリジン−2,5−ジオンなどのオキサゾリン等が挙げられる。
[研磨用組成物の製造方法]
本発明の研磨用組成物の製造方法は、特に制限されず、例えば、結晶性砥粒、酸またはその塩、水溶性高分子、および必要に応じて他の成分を、水中で攪拌混合することにより得ることができる。
各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10〜40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
[研磨方法および合金材料の製造方法]
上述のように、本発明の研磨用組成物は、表面に合金材料および樹脂を含む基板の研磨に好適に用いられる。よって、本発明は、表面に合金材料および樹脂を含み、かつ前記研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板を本発明の研磨用組成物を用いて研磨する研磨方法を提供する。また、本発明は、表面に合金材料および樹脂を含み、かつ前記研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板を前記研磨方法で研磨する工程を含む基板の製造方法を提供する。
本発明の研磨用組成物を用いて基板を研磨する際には、通常の金属研磨に用いられる装置や条件を用いて行うことができる。一般的な研磨装置としては、片面研磨装置や、両面研磨装置があり、片面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板を保持し、研磨用組成物を供給しながら基板の片面に研磨布を貼付した定盤を押しつけて定盤を回転させることにより、基板の片面を研磨する。両面研磨装置では、キャリアと呼ばれる保持具を用いて基板を保持し、上方より研磨用組成物を供給しながら、基板の対向面に研磨布が貼付された定盤を押しつけ、それらを相対方向に回転させることにより基板の両面を研磨する。このとき、研磨パッドおよび研磨用組成物と、基板との摩擦による物理的作用と、研磨用組成物が合金にもたらす化学的作用とによって研磨される。
本発明による研磨方法における研磨条件として、研磨荷重が挙げられる。一般に荷重が高くなればなるほど結晶性砥粒による摩擦力が高くなり、機械的な加工力が向上するため研磨速度が上昇する。本発明による研磨方法における荷重は特に限定されないが、基板の単位面積当たりにおいて50〜1,000g/cmであることが好ましく、より好ましくは80〜800g/cm、さらに好ましくは100〜600g/cmである。この範囲であれば、十分な研磨速度が発揮され、荷重による基板の破損や、表面に傷などの欠陥が発生することを抑制することができる。
また、本発明による研磨方法における研磨条件として、研磨における線速度が挙げられる。一般に研磨パッドの回転数、キャリアの回転数、基板の大きさ、基板の数等が線速度に影響するが、線速度が大きい場合は基板にかかる摩擦力が大きくなるため、エッジが機械的に研磨される作用が大きくなる。また、摩擦によって摩擦熱が発生し、研磨用組成物による化学的作用が大きくなることがある。本発明による研磨方法における線速度は特に限定されないが、10〜300m/分であることが好ましく、30〜200m/分であることがより好ましい。この範囲であれば、十分な研磨速度が得られ、また、基板の摩擦による研磨パッドの破損を抑制でき、さらに基板への摩擦が十分に伝わり、所謂基板が滑る状態を防ぐことができ、十分に研磨することができる。
上記実施形態の研磨用組成物を用いた研磨方法で使用される研磨パッドは、例えばポリウレタンタイプ、発泡ポリウレタンタイプ、不織布タイプ、スウェードタイプ等の材質の違いの他、その硬度や厚みなどの物性の違い、さらに砥粒を含むもの、砥粒を含まないものがあるが、中でも、発泡ポリウレタンタイプまたはスウェードタイプを使用することが好ましい。また、スウェードタイプを用いる場合、加工中の圧力による変形の少ないもの、換言すればパッドの硬度が高いものがより好ましい。具体的にはパッドの硬度が、TECLOCKでの測定にて75以上のものがよく、例えば、基材にポリエチレンテレフタレートや不織布を用いることにより硬度の高いスウェードタイプのパッドを得ることが出来る。TECLOCKは、JIS K6253:1997にて測定法が規定されている。
本発明による研磨方法における研磨条件として、研磨用組成物の供給量が挙げられる。供給量は研磨する基板の種類や、研磨装置、研磨条件によっても異なるが、研磨用組成物が、基板と研磨パッドとの間にムラ無く全面に供給されるのに十分な量であればよい。研磨用組成物の供給量が少ない場合は、研磨用組成物が基板全体に供給されないことや、組成物が乾燥凝固し基板表面に欠陥を生じさせることがある。逆に供給量が多い場合は、経済的でないことの他、過剰な研磨用組成物、特に水等の媒体により摩擦が妨げられ研磨が阻害されることがある。
本発明による研磨方法においては、研磨工程前に別の研磨用組成物を用いた予備研磨工程を有することができる。合金表面に加工ダメージや輸送時の傷などを有する場合、それらの傷を一つの工程で鏡面化するには多くの時間が掛かり、不経済なうえ平滑性を損ねるなどの虞がある。予備研磨工程により合金表面の傷を除去しておくことにより、本発明の研磨方法による研磨に要する研磨時間を短縮することができ、優れた鏡面を効率的に得ることが期待できる。以下、予備研磨工程に用いる予備研磨用組成物について説明する。
予備研磨工程に用いる予備研磨用組成物は、本発明で用いる研磨用組成物に比べて、より研磨力の強いものを用いることが好ましい。具体的には、本実施形態に用いる研磨用組成物に用いる結晶性砥粒よりも、より硬度の高く、粒子サイズの大きい砥粒を使用することが好ましい。
予備研磨用組成物に含まれる砥粒としては、例えば炭化ケイ素、酸化アルミニウム(アルミナ)、ジルコニア、ジルコン、セリア、チタニア等が挙げられるが、これらに限定されるものでは無い。これらの砥粒のなかでも、酸化アルミニウムを用いることが特に好ましい。酸化アルミニウムとしては、特に種類を限定されるものではないが、例えば、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナ、およびその他の形態的に異なる物を使用することができる。また、酸化アルミニウムは、アルミニウム以外のケイ素、チタン、鉄、銅、クロム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の不純物元素を含んでいても良い。
なお、基板に含まれる合金材料が硬脆材料であって、その合金材料をより高速度で研磨する場合においては、α−アルミナを主成分とするアルミナであり、アルミナ砥粒を構成するアルミナの結晶形態においてα化率が20%以上、さらには40%以上のものを使用することが好ましい。ここでいうアルミナのα化率は、X線回折測定による(113)面回折線の積分強度比から求められたものである。
予備研磨用組成物中に含まれる砥粒の平均粒子径は0.1μm以上であることが好ましく、0.3μm以上であることがより好ましい。砥粒の平均粒子径が大きくなるにつれて、基板の研磨速度が向上する。
予備研磨用組成物中に含まれる砥粒の平均粒子径は、20μm以下であることが好ましい。砥粒の平均粒子径が小さくなるにつれて、低欠陥で粗度の小さい表面を得ることが容易である。なお、砥粒の平均粒子径の測定は、例えば、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置、例えば、株式会社堀場製作所製の“LA−950”を用いて行うことができる。
予備研磨用組成物中の砥粒の含有量は、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。砥粒の含有量が多くなるにつれて、研磨用組成物による基板の研磨速度が向上する。
予備研磨用組成物中の砥粒の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。砥粒の含有量が少なくなるにつれて、研磨用組成物の製造コストが低減することに加えて、研磨用組成物を用いた研磨によりスクラッチの少ない表面を得ることが容易となる。
予備研磨用組成物のpHは、研磨される基板の種類により異なる。予備研磨用組成物中のpHは公知の酸、塩基、またはそれらの塩により調整される。なかでも酸として有機酸、特にグリコール酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グルコン酸、シュウ酸およびイタコン酸を用いた場合、砥粒表面への作用等により、研磨速度の向上が期待出来る。
本発明の研磨用組成物を用いて基板を研磨する際には、一度研磨に使用された研磨用組成物を回収し、再度研磨に使用することができる。研磨用組成物の再使用する方法の一例として、研磨装置から排出された研磨用組成物をタンク内に回収し、再度研磨装置内へ循環させて使用する方法が挙げられる。研磨用組成物を循環使用することは、廃液として排出される研磨用組成物の量を減らすことで環境負荷が低減できる点と、使用する研磨用組成物の量を減らすことで基板の研磨にかかる製造コストを抑制できる点で有用である。
本発明の研磨用組成物を循環使用する際には、研磨により消費・損失された結晶性砥粒、酸またはその塩、水溶性高分子、およびその他の添加剤の一部または全部を組成物調整剤として循環使用中に添加することができる。この場合、組成物調整剤としては、結晶性砥粒、酸またはその塩、水溶性高分子、およびその他の添加剤の一部または全部を任意の混合比率で混合したものとしてもよい。組成物調整剤を追加で添加することにより、研磨用組成物が再利用されるのに好適な組成物に調整され、研磨が好適に維持される。組成物調整剤に含有される結晶性砥粒、酸またはその塩、水溶性高分子、その他の添加剤の濃度は任意であり、特に限定されないが、循環タンクの大きさや研磨条件に応じて適宜調整されるのが好ましい。
本発明の研磨用組成物は一液型であってもよいし、二液型をはじめとする多液型であってもよい。また、本発明の研磨用組成物は、研磨用組成物の原液を水などの希釈液を使って、例えば10倍以上に希釈することによって調製されてもよい。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1、比較例1〜4)
結晶性砥粒としての下記表2に示す粒子が13質量%の含有量となるように水で希釈し、酸またはその塩としてクエン酸を0.5質量%の含有量となるように、水溶性高分子としてポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量:2,000)を0.5質量%の含有量となるようにそれぞれ加え攪拌し、研磨用組成物を調製した。pHメーターにより確認した研磨用組成物のpHは3.3であった。
実施例1および比較例1〜3ではα−アルミナを用いた。
なお、アルミナのD50は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置 LA−950(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。コロイダルシリカのD50は、動的光散乱法による粒度測定器(日機装株式会社製、UPA−UT151)により測定した。アルミナおよびコロイダルシリカの比表面積は、株式会社島津製作所製、FlowsorbII 2300により測定した。
各実施例および比較例の研磨用組成物を用いて、同じ大きさであるアルミニウム合金からなる基板2枚およびポリカーボネート樹脂(PC)からなる基板1枚を同時に研磨する研磨工程を行った。すなわち、本実験は、合金材料の面積比が66.7%である基板の研磨に該当する実験となる。なお、アルミニウム合金からなる基板としては、JIS H4000:2006に記載される合金番号の5052(A5052)からなる基板を用いた。研磨工程における研磨条件を下記表1に示す。
また、以下に示す方法で研磨速度、および研磨工程後の研磨面における表面粗さを評価した。
<研磨速度>
アルミニウム合金からなる基板およびポリカーボネート樹脂からなる基板の2種類について、研磨工程の前の基板の質量と、研磨工程後の基板の質量とを測定し、研磨工程前後の質量の差から研磨速度を算出した。その結果を下記表2の「研磨速度」の欄に示す。なお、表2中の「速度差」は、合金の研磨速度からポリカーボネートの研磨速度を引いた差の絶対値を表す。
<表面粗さ>
研磨面における表面粗さを示す「Ra」を、JIS B0601:2001に記載の方法に基づき、非接触表面形状測定機(レーザー顕微鏡 VK−X200、株式会社キーエンス製)を用いて、研磨工程後の合金からなる基板およびポリカーボネートからなる基板のそれぞれについて測定した。なお、「Ra」は、粗さ曲線の高さ方向の振幅の平均を示すパラメータであって、一定視野内での基板表面の高さの算術平均を示す。非接触表面形状測定機の測定条件としては、測定範囲を284μm×213μmとした。その結果を下記表2の「Ra」の欄に示す。
上記表2に示すように、実施例1の研磨用組成物を用いた場合、合金材料の研磨速度と樹脂(PC)の研磨速度との差が小さく、合金材料および樹脂を共に高い研磨速度で研磨することができることが分かった。また、表面粗さ(Ra)の結果から、研磨後の基板表面の平滑性にも優れ、高光沢な表面を有する基板が得られることが分かった。
50の値が本発明の範囲外である比較例1〜3の研磨用組成物では、合金材料の研磨速度と樹脂(PC)の研磨速度との差が大きくなった。また、砥粒としてコロイダルシリカを用いた比較例4の研磨用組成物では、樹脂(PC)を研磨することがほとんどできなかった。

Claims (6)

  1. 表面に合金材料および樹脂を含み、かつ研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物であって、
    体積基準の粒度分布に基づく積算50%粒子径(D50)が5.0μm以上である結晶性砥粒と、
    酸またはその塩と、
    水溶性高分子と、
    を含む、研磨用組成物。
  2. 前記結晶性砥粒は、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化マンガン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化チタン、窒化ケイ素、ホウ化チタン、およびホウ化タングステンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記合金材料の主成分が、アルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、および銅からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 表面に合金材料および樹脂を含み、かつ研磨面積全体に対する前記合金材料の面積の比が60〜95%である基板を請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨用組成物を用いて研磨する、研磨方法。
  6. 請求項5に記載の研磨方法で研磨する工程を含む、基板の製造方法。
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