JP2016124842A - 脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、日常的に服用可能で安全性の高い脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤を提供することを目的とする。
【解決手段】パッションフラワー抽出物を含有することを特徴とする脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤を提供する。本発明のパッションフラワー抽出物の摂取量は、成人1日当り1〜1000mgである。本発明に関わる脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤の形態は、飲料、カプセル剤、錠剤、顆粒剤等の通常の医薬品、医薬部外品および食品の形態を採用することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、パッションフラワー抽出物を含有することを特徴とする脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤に関する。
脂肪組織は、生体に存在する重要な臓器の一つであり、白色脂肪組織と褐色脂肪組織の2つのタイプに大別される。白色脂肪組織は、主にエネルギーを中性脂肪として細胞内に貯蓄する白色脂肪細胞から構成されており、生体内の余剰エネルギーを蓄える働きがある。また、この細胞は、運動や飢餓時等、生体がエネルギーを必要とする際に、貯蓄した中性脂肪を遊離脂肪酸へと分解し、ミトコンドリアに存在する電子伝達系を介してアデノシン3リン酸(ATP)を合成することで、エネルギーを生体へ補給する役割を担っている。
一方、褐色脂肪組織は主に褐色脂肪細胞で構成されている。白色脂肪細胞と同様に細胞内に中性脂肪を貯蓄するが、脱共役タンパク質1(UCP1:uncoupling protein 1)の働きにより、電子伝達系におけるATP合成を経ずに、中性脂肪を熱へと変換する。この熱変換は、過剰に摂取したエネルギーを消費することで生体内の中性脂肪量を調節する役割を担っている(非特許文献1〜3)。また、白色脂肪細胞との違いとして、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ活性化補助因子1α(PGC1α:peroxisome proliferator−activated receptor gamma coactivator 1−alpha)、細胞死活性化因子CIDE−A(CIDEA:cell death activator CIDE−A)、ピルビン酸脱水素酵素アイソザイム4(PDK4:pyruvate dehydrogenase kinase isozyme 4)が特異的に発現することが知られている(非特許文献4)。
これら白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の働きによって生体内の中性脂肪量のバランスが保たれているが、エネルギーの過剰摂取により白色脂肪組織に中性脂肪が必要以上に蓄積することで肥満が生じ、これがメタボリックシンドローム発症の主な原因として考えられている(非特許文献5、6)。
肥満やメタボリックシンドロームを改善するにはエネルギーを効率的に消費する必要がある。そのため、エネルギー消費を行う褐色脂肪細胞に着目した研究は年々増加しており、ジェニパー油や共役リノール酸による褐色脂肪組織の重量増加(特許文献1、2)、わさび含有成分による褐色脂肪細胞におけるUCP1の発現亢進(特許文献3)等が知られている。
一方、近年の研究成果として、白色脂肪細胞が寒冷刺激、β3アドレナリン受容体を介した応答、あるいは運動により誘導されるホルモンであるアイリシンによって、褐色脂肪細胞と類似のUCP1を発現する性質をもった細胞になることが確認されている(非特許文献7、8)。そのため、肥満やメタボリックシンドロームの改善に対して、褐色脂肪細胞の増加及びUCP1の発現を亢進させる作用ばかりではなく、白色脂肪細胞の中性脂肪をエネルギーとして消費させる作用の両方の作用をもった素材を見つけだすことができれば、より高い効果が期待できる。
ヒト等の恒温動物の体温は、恒常性(ホメオスタシス)により一定範囲内に保たれている。体温は環境との関係でふたつに大別され、環境温度の影響を受けにくい身体深部の温度を深部体温、影響を受けやすい表層の温度を体表面温という。深部体温は体表面温と異なり体温調節により一定に調節されており、一般的に直腸温、口腔温、腋窩温、鼓膜温を体温計で測定する。一方で、体表面温は身体の外層部の温度であり、環境温度によって変化する。体表面温はサーモグラフィー等を用いて測定する。
不規則な生活や過度なストレスによる基礎代謝量の低下や低温環境の影響により、深部体温が低下した低体温に陥る。低体温になると、悪寒、不快感、免疫力低下、冷え等様々な身体機能への支障が生じる。低体温の改善方法として、高麗人参、生姜等血流を促進させる方法、マッサージにより血行を促進させる方法、温かい飲食物の摂取や入浴等の方法が提案されているものの、それらの方法は体表面温を一過的に上昇させるのみであり、深部体温を上昇させることはできないことから、根本的な低体温の改善には至っていない(特許文献4、5)。
褐色脂肪細胞の役割の一つとして体温維持があり、主に動物の冬眠時や新生児が身体を震わせずに熱を産生するために働く。一方で、UCP1の発現亢進に伴い深部体温が上昇することや、低温暴露や麻酔等により低体温になった際の回復時に褐色脂肪細胞が活性化することが確認されている(非特許文献9〜11)。そのため、褐色脂肪細胞に働きかけて熱産生を増加させることは、低体温の改善に有効であるといえる。
深部体温の上昇を目的として褐色脂肪組織の交感神経活動を上昇させる組成物(特許文献6)が検討されている。しかしながら、従来の技術においては、褐色脂肪細胞における熱産生に寄与するUCP1を増加させるのみである。本発明で提案するような白色脂肪細胞においてもUCP1を増加させることで、より高い低体温改善効果が期待できる。
パッションフラワーは、ブラジル原産のトケイソウ科(Passifloraceae)の植物で、学名をパスシフロラ インカルナタ(Passiflora incarnata)といい、薬草として利用されるのは主にincarnata種(チャボトケイソウ)、edulis種(クダモノトケイソウ)の葉、蔓、幹の部分で、主な成分は、多糖体とアルカノイド類を含むフラボノイドである。パッションフラワーの主な薬効として、鎮静、精神安定、糖化阻害作用等が知られている(特許文献7、8)。また、幹細胞から褐色脂肪細胞への分化促進作用も知られているが(特許文献9)、生体内における褐色脂肪組織重量の増加や白色脂肪細胞におけるUCP1発現亢進作用は未だ知られていない。
特許第3951271号公報 特許第3207823号公報 特開2006−328056号公報 特開2003−40788号公報 特開2007−145773号公報 特開2014−15430号公報 特開2002−101850号公報 特開2008−088102号公報 特開2013−151437号公報 審良静男,医学のあゆみ,1998,184,513−517 斉藤昌之,肥満の科学,第124回日本医学会シンポジウム,62−70 香川靖雄,医学のあゆみ,1998,184,529−533 Jun,Wu.,et al.,Cell,2012,150,366−376 青木茂久ら,日本臨床,2006,64巻,増刊9,175−179 小川佳宏ら,実験医学,2007,25,増刊15,54−60 入江由希子ら,肥満研究,2007,7,1,63−65 Bostrom,P.,et al.,Nature、2012、481、463−468 Kengo,Azushima.,et al.,PLOS ONE、2013、8、10 Bin,Feng.,et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci、2013、1281、160−177 Shimizu,Y.,et al.,Am.J.Physiol、2013、1281、160−177
本発明の目的は、褐色脂肪細胞及び白色脂肪細胞における脂肪燃焼を促進することにより、肥満、メタボリックシンドロームや低体温を改善することができる、日常的に服用可能で安全性の高い脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、パッションフラワー抽出物が褐色脂肪細胞への分化促進、褐色脂肪組織の重量増加、褐色脂肪細胞及び白色脂肪細胞におけるUCP1発現亢進によって、脂肪燃焼促進効果及び低体温改善効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に用いるパッションフラワー抽出物は、パッションフラワーの葉、蔓、幹、茎、果実、花から溶媒で抽出することによって得られるが、全草を用いることが望ましい。その抽出方法は特に限定されず、加熱抽出であっても、常温抽出であってもよい。
パッションフラワーの抽出に用いる溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等)が挙げられるが、好ましくは、水、低級アルコール等の極性溶媒であり、より好ましくは、水、エタノール、および水とエタノールの混合溶媒である。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いてもよい。また、これらの有機溶媒で抽出する際には抽出効率を上げるために、例えば界面活性剤、酵素製剤(ペクチナーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ等)等の添加物を本発明の効果を損なわない範囲で抽出溶媒に加えてもよい。
抽出溶媒として水とアルコール類の混合溶媒を使用する場合は、アルコール濃度が10〜90%とすることが好ましい。具体的には、エタノール濃度が20〜70%の含水エタノール、1,3−ブチレングリコール濃度が20〜70%の含水1,3−ブチレングリコール等の溶媒が好適に使用され、エタノール濃度が30〜60%の含水エタノールの使用が特に好ましい。
抽出に使用する溶媒量は、抽出原料1重量部に対して通常2〜200重量部、好ましくは10〜100重量部である。抽出溶媒量がこの範囲を下回ると、抽出原料全体に抽出溶媒が行き渡らず、抽出効率が低下する可能性があり、抽出溶媒量がこの範囲を超えると、後に抽出溶媒除去を行う際の負担が増加する。
抽出温度は、抽出に使用する溶媒の沸点以下の温度であり、特に限定されず、例えば加熱抽出であってもよいし、常温抽出であってもよい。
抽出時間は、常温抽出の場合は1〜2週間、加熱抽出の場合は30分間〜24時間、好ましくは1〜10時間であるが、抽出溶媒の種類、抽出温度等の条件によって適宜調節できる。抽出操作の回数は特に限定されるものではなく、1回であってもよいし、1回目の抽出後に再度新鮮な抽出溶媒を添加し、2回目以降の抽出操作を行なってもよい。また、同一の抽出溶媒を用いて複数回抽出操作を行ってもよい。
抽出方法は、当分野で通常用いられる方法であればよく、室温又は加熱下で、任意の装置を使用して行う。具体的には、抽出溶媒を満たした抽出処理槽に抽出原料を投入し、必要に応じて時々攪拌しながら可溶性成分を溶出した後、濾過して残渣を除去し、抽出物を得る。
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いてもよく、必要に応じて、その効果に影響のない範囲で更に、濃縮、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノール沈殿等の処理をして用いてもよい。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いてもよい。
本発明に関わる脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤には、発明の効果を損なわない範囲において、生薬、ビタミン、ミネラル、アミノ酸等の他に、乳糖、デンプン、セルロース、マルチトール、デキストリン等の賦形剤、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、ゼラチン、プルラン、シェラック、ツェイン等の被膜剤、小麦胚芽油、米胚芽油、サフラワー油等の油脂類、ミツロウ、米糠ロウ、カルナウバロウ等のワックス類、ショ糖、ブドウ糖、果糖、ステビア、サッカリン、スクラロース等の甘味料、並びにクエン酸、リンゴ酸、グルコン酸等の酸味料等を適宜含有することができる。生薬としては、高麗人参、アメリカ人参、田七人参、プロポリス、アガリクス、ブルーベリー、アイブライト、イチョウ葉及びその抽出物等が挙げられる。ビタミンとしては、ビタミンA、D、E、K等の油溶性ビタミン、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン等の水溶性ビタミンが挙げられる。また、アミノ酸ではL−カルニチン、L−シトルリン、L−オルニチン等も挙げられる。
本発明に関わるパッションフラワー抽出物の摂取量は、形態、症状、年齢、体重等に応じて適宜決定することができる。例えば、成人に経口投与する場合には、一日の投与量は1〜1000mg、好ましくは5〜500mg、特に好ましくは10〜100mgである。
本発明に関わる脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤は、医薬品、医薬部外品、又は食品のいずれにも用いることができる。投与方法としては、経口投与(内服剤)及び経皮投与(外用剤)等が挙げられるため、製剤形態は種々のものを選択できるが、特に内服剤が好ましい。例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤等の通常の医薬品の形態、飲料、ガム、チョコレート、飴、麺、パン、ケーキ、ビスケット、羊羹、ゼリー、缶詰、レトルト食品、畜肉食品、水産練食品、マーガリン、バター、マヨネーズ等の通常の食品の形態を採用することができる。中でも、摂取量を調節しやすい飲料、カプセル剤、錠剤、顆粒剤等が好ましい。外用剤としては、ローション、クリーム、乳液、浴用剤、注射薬、座薬等の剤型が挙げられる。
本発明によれば、褐色脂肪細胞への分化促進、褐色脂肪組織の重量増加、褐色脂肪細胞及び白色脂肪細胞におけるUCP1発現亢進によって脂肪燃焼促進効果及び低体温改善効果を発揮する脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤を提供することができる。
本発明を詳細に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す含有量の%は重量%を示す。
(製造例1)パッションフラワー30%エタノール抽出物
パッションフラワーの全草の乾燥物(フランス産)20gに、精製水560gとエタノール240gを加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してパッションフラワー30%エタノール抽出物を10.6g得た。
(製造例2)パッションフラワー60%エタノール抽出物
パッションフラワーの全草の乾燥物(フランス産)20gに、精製水320gとエタノール480gを加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してパッションフラワー60%エタノール抽出物を10.6g得た。
(製造例3)パッションフラワー熱水抽出物
乾燥したパッションフラワーの茎と葉の混合物(フランス産)40gに、精製水800gを加え、95〜100℃で2時間抽出した。得られた抽出液を濃縮乾燥してパッションフラワー熱水抽出物を11.4g得た。
(製造例4)パッションフラワーエタノール抽出物
パッションフラワーの果実の乾燥物(フランス産)20gに、エタノール800gを加え、室温で1週間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してパッションフラワーエタノール抽出物を2.4g得た。
飲料1
<処方> 含有量(%)
1.パッションフラワー30%エタノール抽出物(製造例1) 0.05
2.アイブライト20%エタノール抽出物 0.05
3.L−カルニチン 1.0
4.マルチトール 8.0
5.クエン酸 0.35
6.香料 0.1
7.精製水で全量を100とする
<製造方法>
成分7に成分1〜6を加え、攪拌溶解して濾過し、加熱殺菌して100mLアルミ缶に充填する。
<用法>
本飲料を1日1本摂取する。
飲料2
<処方> 含有量(%)
1.パッションフラワー60%エタノール抽出物(製造例2) 0.02
2.L−カルニチン 0.3
3.エリスリトール 8.0
4.クエン酸 0.3
5.香料 0.1
6.精製水で全量を100とする
<製造方法>
成分6に成分1〜5を加え、攪拌溶解して濾過し、加熱殺菌して100mLアルミ缶に充填する。
<用法>
本飲料を1日1本摂取する。
軟カプセル剤
<処方> 含有量(%)
1.パッションフラワー熱水抽出物(製造例3) 1.0
2.ひまわり油 90.0
3.ミツロウ 6.0
4.ビタミンE 3.0
<製造方法>
成分1〜4を混合し、ゼラチン、グリセリンで構成される被膜に、250mg充填し、乾燥後、軟カプセル剤を得る。
<用法>
1日当り4粒摂取する。
硬カプセル剤
<処方> 含有量(%)
1.パッションフラワーエタノール抽出物(製造例4) 5.0
2.馬鈴薯デンプン 92.0
3.ショ糖脂肪酸エステル 3.0
<製造方法>
成分1〜3を混合し、2号硬カプセルに250mg充填して硬カプセル剤を得る。
<用法>
1日当り4粒摂取する。
錠剤
<処方> 含有量(%)
1.パッションフラワー30%エタノール抽出物(実施例1) 10.0
2.乳糖 60.0
3.還元麦芽糖水飴 20.0
4.結晶セルロース 5.0
5.グリセリン脂肪酸エステル 5.0
<製造方法>
成分1〜5を混合して打錠成型し、0.3gの錠剤を得る。
<用法>
1日当り3粒摂取する。
比較例1 従来の飲料
実施例1の飲料において、パッションフラワー30%エタノール抽出物を水に置き換えたものを従来の飲料とした。
(実験例1)褐色脂肪細胞への分化促進作用の検討
ヒト皮下脂肪組織由来幹細胞(ZENBIO)を24ウェルプレートに5×10個播種して、細胞増殖培地で6日間培養した。パッションフラワー抽出物(製造例1〜4)を0.25mg/mLとなるように溶解させた白色脂肪細胞分化誘導培地に置換してから7日間培養し、遺伝子発現解析を行った。遺伝子発現解析は、褐色脂肪細胞で発現する遺伝子であるUCP1、PGC1α、CIDEA、PDK4の遺伝子発現変動をリアルタイムPCR法で評価した。対照群を1とした遺伝子発現量比を算出した。
細胞増殖培地は、25mM HEPES(同仁化学)、3% GLUTAMAX−1(GIBCO)、1% Insulin,Transferrin,Selenium,Ethanolamine Solution(GIBCO)、1% ウシ胎児血清(SIGMA、56℃で30分間加温して非動化したもの)、10ng/mL FGF−basic(PEPROTECH)、0.4μg/mL hydrocortison(WAKO)、1% Antibiotic,Antimycotic(GIBCO)となるように添加した50%αMEM(SIGMA)、50%DMEM(SIGMA)培地を使用した。
白色脂肪細胞分化誘導培地は、1μM dexamethason(SIGMA)、0.5mM 3−isobutyl−1−methylxanthine(SIGMA)、0.2mM indomethacin(SIGMA)、10% ウシ胎児血清(SIGMA)、10μg/mL insulin(SIGMA)、33μM biotin(SIGMA)、1% Antibiotic,Antimycotic(GIBCO)となるように添加したDMEM(SIGMA)培地を使用した。
褐色脂肪細胞発現遺伝子の発現量比の結果を表1に示す。パッションフラワー抽出物を添加すると、褐色脂肪細胞発現遺伝子であるUCP1、PGC1α、CIDEA、PDK4の遺伝子発現が亢進した。すなわち、パッションフラワー抽出物には褐色脂肪細胞への分化促進効果があることが示された。
(実験例2)肥満モデルマウスの褐色脂肪組織増加作用の検討
8週齢の雌性C57BL/6Jマウスを予備飼育した後、卵巣摘出を行うことで肥満モデルマウスを作製して未添加群とパッションフラワー抽出物(製造例1〜4)群に分けた。また、偽手術を行ったマウスを対照群として設けた。施術後から、表2に示す実験食を与えて、8週間飼育後、褐色脂肪組織を摘出して重量を測定した。各個体の体重あたりの褐色脂肪組織重量を算出し、評価した。
褐色脂肪組織重量の結果を表3に示す。パッションフラワー抽出物を与えることで、褐色脂肪組織重量が増加した。すなわち、パッションフラワー抽出物には褐色脂肪組織を増加させる効果があることが示された。
(実験例3)肥満モデルマウスの褐色脂肪細胞におけるUCP1増加作用の検討
実験例2と同様の方法にて採取した褐色脂肪組織を用いて、遺伝子発現解析及び免疫染色を行った。遺伝子発現解析は、褐色脂肪細胞で発現するUCP1、PGC1α、CIDEA、PDK4の遺伝子発現変動をリアルタイムPCR法で評価した。対照群を1とした遺伝子発現量比を算出した。免疫染色ではAnti−UCP1(CALBIOCHEM)を用いて赤色の蛍光で染色して、タンパク質量を評価した。
褐色脂肪細胞発現遺伝子の発現量比の結果を表4に示す。肥満モデルマウスにパッションフラワー抽出物を与えることで、褐色脂肪組織におけるUCP1、PGC1α、CIDEA、PDK4の遺伝子発現が亢進した。免疫染色では、パッションフラワー抽出物を与えることで、UCP1を染色した赤色の蛍光強度が増加していたことから、褐色脂肪細胞のUCP1タンパク質が増加したといえる。すなわち、パッションフラワー抽出物には褐色脂肪細胞のUCP1を増加させる効果があることが示された。
(実験例4)白色脂肪細胞におけるUCP1増加作用の検討
実験例1と同様の方法にてヒト皮下脂肪組織由来幹細胞を白色脂肪細胞へと分化させた。次いで、パッションフラワー抽出物を0.75mg/mLとなるように溶解させた細胞維持培地(10% ウシ胎児血清(SIGMA)、10μg/mL insulin(SIGMA)、33μM biotin(SIGMA)、1% Antibiotic,Antimycotic(GIBCO)となるように添加したDMEM(SIGMA)培地)に置換してから4日間培養し、遺伝子発現解析及び免疫染色を行った。遺伝子発現解析は、褐色脂肪細胞で発現するUCP1、PGC1α、CIDEA、PDK4の遺伝子発現変動をリアルタイムPCR法で評価した。対照群を1とした遺伝子発現量比を算出した。免疫染色ではAnti−UCP1(CALBIOCHEM)を用いて赤色の蛍光で染色して、タンパク質量を評価した。
褐色脂肪細胞発現遺伝子の発現量比の結果を表5に示す。パッションフラワー抽出物を添加することで、白色脂肪細胞に分化させた細胞におけるUCP1、PGC1α、CIDEA、PDK4の遺伝子発現が亢進した。免疫染色では、パッションフラワー抽出物を添加することで、UCP1を染色した赤色の蛍光強度が増加していたことから、UCP1タンパク質が増加したといえる。すなわち、パッションフラワー抽出物には白色脂肪細胞のUCP1を増加させる効果があることが示された。
(実験例5)肥満モデルマウスの白色脂肪細胞におけるUCP1増加作用の検討
実験例2と同様の方法で飼育したマウスから鼠径部白色脂肪組織を採取して、遺伝子発現解析及び免疫染色を行った。遺伝子発現解析は、UCP1の遺伝子発現変動をリアルタイムPCR法で評価した。対照群を1とした遺伝子発現量比を算出した。免疫染色ではAnti−UCP1(CALBIOCHEM)を用いて赤色の蛍光で染色して、タンパク質量を評価した。
褐色脂肪細胞発現遺伝子の発現量比の結果を表6に示す。肥満モデルマウスにパッションフラワー抽出物を与えることで、白色脂肪組織におけるUCP1の遺伝子発現が亢進した。免疫染色では、パッションフラワー抽出物を与えることで、UCP1を染色した赤色の蛍光強度が増加していたことから、白色脂肪細胞のUCP1タンパク質が増加したといえる。すなわち、パッションフラワー抽出物には白色脂肪細胞のUCP1を増加させる効果があることが示された。
(試験例6)低体温改善作用の検討
深部体温が低めの男女計20名(口腔温35.9〜36.1℃)を10名ずつ口腔温の平均値が等しくなるように試験群1、試験群2に分け、試験群1にはパッションフラワー30%エタノール抽出物を含有する飲料(実施例1)、試験群2には従来の飲料(比較例1)を用いて、1日1回100mLを1ヶ月間摂取させた。試験前後に口腔温を体温計により測定した。
試験前後の口腔温を表7に示す。比較例1の飲用前後では変化がないが、実施例1の飲用前後では口腔温が上昇した。すなわち、パッションフラワー抽出物には深部体温を上昇させることで低体温を改善させる効果があることが示された。なお、試験期間中、体調を崩した被験者は一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
また、飲料(実施例1)の代わりに、飲料(実施例2)、軟カプセル剤(実施例3)を1日4粒、硬カプセル剤(実施例4)を1日4粒、錠剤(実施例5)を1日3粒摂取した場合も同様の効果が認められた。
本発明は、パッションフラワー抽出物を含有することを特徴とする脂肪燃焼促進剤及び低体温改善剤に関する。よって、肥満、メタボリックシンドローム、低体温の改善及び予防を目的とする医薬品、医薬部外品、食品等に有用である。

Claims (6)

  1. パッションフラワー抽出物を含有する褐色脂肪細胞分化促進剤。
  2. パッションフラワー抽出物を含有する褐色脂肪組織増加剤。
  3. パッションフラワー抽出物を含有する褐色脂肪細胞における脱共役タンパク質1(UCP1)増加剤。
  4. パッションフラワー抽出物を含有する白色脂肪細胞における脱共役タンパク質1(UCP1)増加剤。
  5. パッションフラワー抽出物を含有する脂肪燃焼促進剤。
  6. パッションフラワー抽出物を含有する低体温改善剤。
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