JP2016123940A - 排ガス処理方法およびそのシステム - Google Patents

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拓也 奥村
Takuya Okumura
拓也 奥村
典生 前田
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典生 前田
弘樹 藤平
Hiroki Fujihira
弘樹 藤平
宗治 藤川
Muneharu Fujikawa
宗治 藤川
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Abstract

【課題】一次燃焼によって生成した一次焼却灰から消石灰を生成して該消石灰を排ガスの流れに乗せて確実にバグフィルタへと供給することができるとともに、酸性ガスとの反応効率を良好なものとすることができ、これによって消石灰を別途用意して使用する必要がなくなる、あるいは消石灰を別途用意して使用する必要があってもその使用量を大幅に削減することができる排ガス処理方法およびそのシステムを提供する。【解決手段】一次焼却灰を粉砕機12で粉砕し、粉砕された一次焼却灰から所定の粒径範囲にある小粒径の一次焼却灰を分級機13で選別し、選別された小粒径の一次焼却灰を焼却灰吹込装置14を用いてバグフィルタ5の上流側に吹き込むことにより、小粒径の一次焼却灰中の石灰分と排ガス中の水分との反応で消石灰を生成し、該消石灰を排ガス流れに乗せてバグフィルタ5へと供給するものとする。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばごみ焼却施設において排ガス中のダストをバグフィルタで除去するとともに、排ガス中の酸性ガスと消石灰とを反応させて除去するようにした排ガス処理方法およびそのシステムに関するものである。
例えば図6(a)に示されるごみ焼却施設101は、カルシウム成分を含有するごみ(被燃焼物)を燃焼させる焼却炉102と、この焼却炉102での燃焼に伴い発生した排ガスを処理する排ガス処理システム103とを備えている。
焼却炉102では、一次燃焼によるごみの燃焼によって、一次焼却灰が生成される。また、焼却炉102では、一次燃焼でごみが完全に燃焼することが少ないため、二次燃焼空気を吹き込んで未燃焼の燃焼ガスを再度燃焼(二次燃焼)させ、この二次燃焼によって生成される二次焼却灰が取り除かれた後の燃焼ガスが排ガスとして下流側へと送り出される。
排ガス処理システム103は、主として減温塔104、バグフィルタ105、触媒脱硝塔106および煙突107を備えてなり、焼却炉102からの排ガスを、図示されない誘引ファンによる気流によって減温塔104に送り込み、減温塔104で所定温度以下に減温した排ガスを、ダクト108を介してバグフィルタ105に送り込み、バグフィルタ105内のろ布のろ過作用で排ガス中のダストを除去し、ダストが除去された排ガスを触媒脱硝塔106に送り込み、触媒脱硝塔106で窒素酸化物を除去した後の排ガスを煙突107から外部へと排気するようにされている。
従来、上記の排ガス処理システム103においては、排ガス中に含まれる酸性ガスを除去するために、減温塔104とバグフィルタ105とを繋ぐダクト108の内部に消石灰を吹き込み、排ガス中の酸性ガスと消石灰とを反応させて、酸性ガスを除去するようにされている。
しかし、上記の排ガス処理システム103では、別途用意した消石灰をダクト108に吹き込むようにしているため、消石灰の購入費が嵩むという問題がある。
そこで、このような問題を解決し得るものが、例えば特許文献1にて提案されている。
特開平7−139719号公報
特許文献1には、消石灰の代替、あるいは消石灰の使用量低減を図るようにした焼却炉の排ガス処理装置が開示されている。
図6(b)に示されるように、特許文献1に係る排ガス処理装置は、被燃焼物を燃焼させる一次燃焼部111と、該一次燃焼部111に接続され燃焼ガス中の未燃分を二次空気を吹き込んで燃焼させる二次燃焼部112とを有する焼却炉110の排ガスを処理する装置である。この排ガス処理装置は、二次燃焼部112の上部に接続され排ガスを外方に導く排ガス移送管113と、二次燃焼部112の下部に接続され焼却灰を移送する粉体移送手段114と、排ガス移送管113の途中でバグフィルタ等の排ガス処理系116の上流側に介在状態に設けられかつ粉体移送手段114からの焼却灰を導入して排ガスと接触させる反応部115とを備えてなり、排ガス中の硫黄酸化物や塩化水素等を焼却灰に吸着除去させることにより、消石灰の代替を図り、かつ消石灰を使用する場合にあってもその消費量を低減することができる。
上記のように、消石灰に代えて焼却灰を用いることにより酸性ガスを除去する技術思想は特許文献1にて既に知られていると言える。
しかしながら、図6(a)に示される排ガス処理システム103に特許文献1の技術思想を適用した場合、すなわちダクト108の内部に吹き込む消石灰に代えて、焼却炉102からの一次焼却灰を用いた場合には、以下の(1),(2)のような問題点が生じる。
(1)一次焼却灰は、塊状のものや、大小様々な粒径のものが混在しているため、一次焼却灰に対し何らの前処理も行わなければ、塊状の一次焼却灰は、ダクト108の内部に吹き込むことすら難しく、また大小様々な粒径のものをダクト108の内部に吹き込むと、小粒径の一次焼却灰は、排ガスの流れに乗せてバグフィルタ105へと供給することができるものの、大粒径の一次焼却灰は、バグフィルタ105に到達する前のダクト108の途中で落下・堆積し、ダクト108を閉塞させる恐れがある。
(2)小粒径の一次焼却灰は、比表面積が大きいので、酸性ガスとの反応効率が良好であるのに対し、大粒径の一次焼却灰は、小粒径の一次焼却灰と比べて比表面積が小さいので、酸性ガスとの反応効率が悪く、たとえ大粒径の一次焼却灰をバグフィルタ105へと供給することができても、酸性ガスを効率良く除去することができない。
本発明は、前述のような問題点に鑑みてなされたもので、一次燃焼によって生成した一次焼却灰から消石灰を生成して該消石灰を排ガスの流れに乗せて確実にバグフィルタへと供給することができるとともに、酸性ガスとの反応効率を良好なものとすることができ、これによって消石灰を別途用意して使用する必要がなくなる、あるいは消石灰を別途用意して使用する必要があってもその使用量を大幅に削減することができる排ガス処理方法およびそのシステムを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、第1発明による排ガス処理方法は、
カルシウム成分を含有する被燃焼物を焼却炉で燃焼させるに伴い発生した排ガスを、前記焼却炉の下流側に設置されたバグフィルタに送り込んでその排ガス中のダストを除去するようにした排ガス処理方法において、
前記焼却炉での一次燃焼による前記被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕する粉砕工程と、
前記粉砕工程によって粉砕された前記一次焼却灰から所定の粒径範囲にある小粒径の一次焼却灰を選別する分級工程と、
前記分級工程によって選別された前記小粒径の一次焼却灰を前記バグフィルタの上流側に吹き込むことにより、前記小粒径の一次焼却灰と前記排ガスとの接触で前記小粒径の一次焼却灰に含まれる石灰分と前記排ガス中の水分とを反応させて消石灰を生成するとともに、該消石灰を排ガス流れに乗せて前記バグフィルタへと供給する消石灰生成・供給工程と、
を含むことを特徴とするものである。
第1発明において、前記粉砕工程で前記一次焼却灰を粉砕する前に、その一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級工程を実施し、前記粉砕工程においては、前記粗分級工程で分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰を粉砕するようにするのが好ましい(第2発明)。
次に、第3発明による排ガス処理方法は、
カルシウム成分を含有する被燃焼物を焼却炉で燃焼させるに伴い発生した排ガスを、前記焼却炉の下流側に設置されたバグフィルタに送り込んでその排ガス中のダストを除去するようにした排ガス処理方法において、
前記焼却炉での一次燃焼による前記被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕する粉砕工程と、
前記粉砕工程によって粉砕された前記一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成する消石灰生成工程と、
前記消石灰生成工程によって生成された消石灰を粒径選別により分離回収する分級工程と、
前記分級工程によって分離回収された消石灰を前記バグフィルタの上流側に吹き込むことにより、該消石灰を排ガス流れに乗せて前記バグフィルタへと供給する消石灰供給工程と、
を含むことを特徴とするものである。
第3発明において、前記消石灰生成工程の前に、前記粉砕工程で粉砕された前記一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級工程を実施し、前記消石灰生成工程においては、前記粗分級工程で分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成するようにするのが好ましい(第4発明)。
次に、第5発明による排ガス処理システムは、
カルシウム成分を含有する被燃焼物を焼却炉で燃焼させるに伴い発生した排ガスを、前記焼却炉の下流側に設置されたバグフィルタに送り込んでその排ガス中のダストを除去するようにした排ガス処理システムにおいて、
前記焼却炉での一次燃焼による前記被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕する粉砕機と、
前記粉砕工程によって粉砕された前記一次焼却灰から所定の粒径範囲にある小粒径の一次焼却灰を選別する分級機と、
前記分級機によって選別された前記小粒径の一次焼却灰を前記バグフィルタの上流側に吹き込む焼却灰吹込装置とを備え、
前記焼却灰吹込装置によって吹き込まれた前記小粒径の一次焼却灰と前記排ガスとの接触で前記小粒径の一次焼却灰に含まれる石灰分と前記排ガス中の水分とを反応させて消石灰を生成するとともに、該消石灰を排ガス流れに乗せて前記バグフィルタへと供給するようにしたことを特徴とするものである。
第5発明において、前記粉砕機で粉砕する前の前記一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級機を設け、前記粉砕機においては、前記粗分級機で分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰を粉砕するようにするのが好ましい(第6発明)。
次に、第7発明による排ガス処理システムは、
カルシウム成分を含有する被燃焼物を焼却炉で燃焼させるに伴い発生した排ガスを、前記焼却炉の下流側に設置されたバグフィルタに送り込んでその排ガス中のダストを除去するようにした排ガス処理システムにおいて、
前記焼却炉での一次燃焼による前記被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕する粉砕機と、
前記粉砕機によって粉砕された前記一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成する消石灰生成装置と、
前記消石灰生成装置によって生成された消石灰を粒径選別により分離回収する分級機と、
前記分級機によって分離回収された消石灰を前記バグフィルタの上流側に吹き込む消石灰吹込装置とを備え、
前記消石灰吹込装置によって吹き込まれた消石灰を排ガス流れに乗せて前記バグフィルタへと供給するようにしたことを特徴とするものである。
第7発明において、前記粉砕機によって粉砕された前記一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級機を設け、前記消石灰生成装置においては、前記粗分級機によって分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成するようにするのが好ましい(第8発明)。
第1発明および第5発明においては、焼却炉での一次燃焼による被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕し分級することにより、排ガスの流れに乗り易くて比表面積が大きい小粒径の一次焼却灰が得られる。得られた小粒径の一次焼却灰をバグフィルタの上流側に吹き込み排ガスと接触させることにより、小粒径の一次焼却灰に含まれる石灰分(CaO)と排ガス中の水分とが反応し排ガスの熱で速やかに乾燥されて消石灰が生成され、該消石灰が排ガス流れに乗ってバグフィルタへと供給される。したがって、一次燃焼によって生成した一次焼却灰から消石灰を生成して該消石灰を排ガスの流れに乗せて確実にバグフィルタへと供給することができるとともに、酸性ガスとの反応効率を良好なものとすることができ、これによって消石灰を別途用意して使用する必要がなくなる、あるいは消石灰を別途用意して使用する必要があってもその使用量を大幅に削減することができる。
第3発明および第7発明においては、焼却炉での一次燃焼による被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰が粉砕され、粉砕された一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰が生成され、生成された消石灰が粒径選別によって分離回収される。ここで、分離回収された消石灰は、粉砕された一次焼却灰に浸み込んだ水分が蒸発する際に石灰分(CaO)とともに一次焼却灰の表面に染み出して細かい粉状に固まったものであるから、小粒径のものであり、排ガスの流れに乗り易くて比表面積が大きいものである。そして、この分離回収された消石灰が排ガス流れに乗ってバグフィルタへと供給される。したがって、一次燃焼によって生成した一次焼却灰から消石灰を生成して該消石灰を排ガスの流れに乗せて確実にバグフィルタへと供給することができるとともに、酸性ガスとの反応効率を良好なものとすることができ、これによって消石灰を別途用意して使用する必要がなくなる、あるいは消石灰を別途用意して使用する必要があってもその使用量を大幅に削減することができる。
ところで、本発明者らは、一次焼却灰においては、粒径の細かいものの方が、含まれる石灰分の濃度が高く、酸性ガスとの反応効率もより高いことを見出した。
そこで、第2発明および第6発明の構成を採用することにより、すなわち、粉砕する前の一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに事前に分けておき、事前に分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰を粉砕するようにすることにより、必要とされる消石灰を得る上での一次焼却灰の粉砕量を減らすことができ、粉砕機が小型のもので済むという利点がある。
また、第4発明および第8発明の構成を採用することにより、すなわち粉砕された一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに事前に分けておき、事前に分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成することにより、含有石灰分の濃度が高い一次焼却灰に対して水分との反応が行われることとなり、消石灰の生成効率を向上させることができ、消石灰生成装置が小型のもので済むという利点がある。
本発明の第1の実施形態に係る排ガス処理システムを具備するごみ焼却施設の概略システム構成図である。 本発明の第2の実施形態に係る排ガス処理システムを具備するごみ焼却施設の概略システム構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る排ガス処理システムを具備するごみ焼却施設の概略システム構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る排ガス処理システムを具備するごみ焼却施設の概略システム構成図である。 酸性ガス除去性能試験システムのフロー図である。 従来技術の説明図である。
次に、本発明による排ガス処理方法およびそのシステムの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明は、ごみ焼却施設での排ガス処理に本発明が適用された例であるが、これに限定されるものではない。
〔第1の実施形態〕
図1には、本発明の第1の実施形態に係る排ガス処理システムを具備するごみ焼却施設の概略システム構成図が示されている。
<ごみ焼却施設の概略説明>
図1に示されるごみ焼却施設1Aは、カルシウム成分を含有するごみ(被燃焼物)を燃焼させる焼却炉2と、この焼却炉2での燃焼に伴い発生した排ガスを処理する排ガス処理システム3Aとを備えている。
焼却炉2では、一次燃焼によるごみの燃焼によって、一次焼却灰が生成される。また、焼却炉2では、一次燃焼でごみが完全に燃焼することが少ないため、二次燃焼空気を吹き込んで未燃焼の燃焼ガスを再度燃焼(二次燃焼)させ、この二次燃焼によって生成される二次焼却灰が取り除かれた後の燃焼ガスが排ガスとして下流側へと送り出される。
<排ガス処理システムの説明>
排ガス処理システム3Aは、主として減温塔4、バグフィルタ5、触媒脱硝塔6および煙突7を備えてなり、焼却炉2からの排ガスを、図示されない誘引ファンによる気流によって減温塔4に送り込み、減温塔4で所定温度以下に減温した排ガスを、ダクト8を介してバグフィルタ5に送り込み、バグフィルタ5内のろ布のろ過作用で排ガス中のダストを除去し、ダストが除去された排ガスを触媒脱硝塔6に送り込み、触媒脱硝塔6で窒素酸化物を除去した後の排ガスを煙突7から外部へと排気するようにされている。
上記の排ガス処理システム3Aは、更に、粗物選別機11、粉砕機12、分級機13および焼却灰吹込装置14を備えている。
<粗物選別機(粗物選別工程)の説明>
粗物選別機11は、焼却炉2からベルトコンベヤ等の搬送装置によって送られてくる一次焼却灰の中から金属や岩石などの比較的大きな異物を取り除く粗物選別工程を実施するためのもので、例えばスクリーン式、風力式、比重式、磁力式等の公知の選別機を用いることができる。
この粗物選別機11で異物が取り除かれた後の一次焼却灰は、粉砕機12へと送られる。
<粉砕機(粉砕工程)の説明>
粉砕機12は、粗物選別機11で異物が取り除かれた粒径が数mm程度の一次焼却灰を、圧縮、衝撃、摩砕等の作用で数百μm以下にまで粉砕する粉砕工程を実施するためのものである。この粉砕機12としては、例えば、2個のロールを互いに噛み合うように回転させ、その間で被処理物を圧縮粉砕するロールクラッシャーや、セラミックなどの硬質のボールと、被処理物とを円筒形の容器に入れて回転させることによって被処理物をすり潰すボールミル、多数のハンマーを外周に取り付けた円筒を回転させて衝撃や摩擦により被処理物を粉砕するハンマーミルなどが挙げられる。
この粉砕機12で粉砕された一次焼却灰は、分級機13へと送られる。
<分級機(分級工程)の説明>
分級機13は、粉砕機12による粉砕工程によって数百μm以下にまで粉砕された一次焼却灰から所定の粒径範囲、例えば1μm〜100μmの範囲にある小粒径の一次焼却灰を選別する分級工程を実施するためのものである。なお、一次焼却灰は、粒子が細かいほど排ガスの流れに乗り易く、酸性ガスとの反応効率も良いが、粒径が小さすぎると、バグフィルタ5のろ布の目詰まりを引き起こす原因となることがあり、粒径が大きくなるにつれて、排ガス流れにうまく乗れないことがあるため、分級機13による分級によって、小粒径の一次焼却灰の粒径を5μm〜20μmの範囲で選別するのが好ましい。
分級機13としては、例えば公知のスクリーン分級機や風力分級機を採用することができる。
スクリーン分級機としては、例えば、振動源を用いて共振により直進振動を発生させ、重力で網を通過させる振動スクリーン式のものや、下部モータの偏心振動により被処理物を流動させ、重力で網を通過させる振動篩式のもの、3または4の偏心軸を付けて同調回転させ、円周運動により被処理物を流動させて網を通過させるロータリシフタ式のもの、内部の撹拌羽根の押出しにより、強制的に網を通過させる撹拌篩式のものなどが挙げられる。
一方、風力分級機としては、例えば、内部ロータにより遠心力を発生させ、微粉のみ外部ブロアにより吸引させて分級する強制遠心分離式のものや、内部ロータにより風を循環させ、被処理物の比重差によって分級する比重選別式のもの、被処理物を気流に乗せて管内に投入し、慣性と気流の抵抗を利用して、被処理物の飛行軌跡の違いにより分級する重力慣性分離式のものなどが挙げられる。
<焼却灰吹込装置(消石灰生成・供給工程)の説明>
分級機13によって選別された小粒径の一次焼却灰は、焼却灰吹込装置14によってバグフィルタ5の上流側に吹き込まれる。
焼却灰吹込装置14としては、例えば、押込み気流を発生させるブロワ15と、分級機13からの小粒径の一次焼却灰を貯留するサイロ16と、ブロワ15とダクト8とを接続する粉体輸送管17と、サイロ16に貯留されている小粒径の一次焼却灰を粉体輸送管17内へと供給可能にそれらサイロ16と粉体輸送管17との間に介設されるフィーダ18とを備え、ブロワ15の作動によってダクト8へと向かう押込み気流を粉体輸送管17内に発生させながらサイロ16内に貯留されている小粒径の一次焼却灰をフィーダ18によって粉体輸送管17内へと供給することにより、小粒径の一次焼却灰が粉体輸送管17内の押込み気流によって運ばれてダクト8内に吹き込むことができる構成のものを用いることができる。
この焼却灰吹込装置14を用いて小粒径の一次焼却灰をダクト8内へと吹き込むことにより、小粒径の一次焼却灰と排ガスとの接触で小粒径の一次焼却灰に含まれる石灰分と排ガス中の水分とを反応させて消石灰を生成する消石灰生成工程が実施されるとともに、該消石灰を排ガス流れに乗せてバグフィルタ5へと供給する消石灰供給工程が実施される。
<第1の実施形態の作用効果の説明>
以上に述べたように構成される排ガス処理システム3Aにおいては、焼却炉2での一次燃焼による被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粗物選別機11による粗物選別工程を実施した後に粉砕機12で粉砕し分級機13で分級することにより、排ガスの流れに乗り易くて比表面積が大きい小粒径の一次焼却灰が得られる。得られた小粒径の一次焼却灰を焼却灰吹込装置14でバグフィルタ5の上流側に吹き込み排ガスと接触させることにより、小粒径の一次焼却灰に含まれる石灰分(CaO)と排ガス中の水分とが反応し排ガスの熱で速やかに乾燥されて消石灰が生成され、該消石灰が排ガス流れに乗ってバグフィルタ5へと供給される。したがって、一次燃焼によって生成した一次焼却灰から消石灰を生成して該消石灰を排ガスの流れに乗せて確実にバグフィルタ5へと供給することができるとともに、酸性ガスとの反応効率を良好なものとすることができ、これによって消石灰を別途用意して使用する必要がなくなる、あるいは消石灰を別途用意して使用する必要があってもその使用量を大幅に削減することができる。
〔第2の実施形態〕
図2には、本発明の第2の実施形態に係る排ガス処理システムを具備するごみ焼却施設の概略システム構成図が示されている。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一または同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第1の実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
<排ガス処理システムの説明>
第2の実施形態の排ガス処理システム3Bにおいては、第1の実施形態の排ガス処理システム3Aにおける粗物選別機11と粉砕機12との間に粗分級機21が設けられている。この粗分級機21は、粉砕機12による粉砕工程の実施の前に予め粗物選別機11からの一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級工程を実施するためのものである。この粗分級機21としては、例えば、前記分級機13の説明で述べたような公知のスクリーン分級機や風力分級機を採用することができる。
そして、粉砕機12による粉砕工程においては、粗分級機21で分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰を粉砕するようにされる。
<第2の実施形態の作用効果の説明>
以上に述べたような排ガス処理システム3Bによれば、第1の実施形態の排ガス処理システム3Aと同様の作用効果を得ることができるのは言うまでもない。
さらに、本実施形態の排ガス処理システム3Bによれば、一次焼却灰においては、粒径の細かいものの方が、含まれる石灰分の濃度が高く、しかも酸性ガスとの反応効率が高いとの知見に基づいて、粉砕機12で粉砕する前の一次焼却灰を粗分級機21で比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに事前に分けておき、事前に分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰を粉砕機12で粉砕するようにされているので、必要とされる消石灰を得る上での一次焼却灰の粉砕量を減らすことができ、粉砕機12が小型のもので済むという利点がある。
〔第3の実施形態〕
図3には、本発明の第3の実施形態に係る排ガス処理システムを具備するごみ焼却施設の概略システム構成図が示されている。
なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同一または同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第1の実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
第3の実施形態の排ガス処理システム3Cにおいては、第1の実施形態の排ガス処理システム3Aにおける粉砕機12と分級機13との間に消石灰生成装置22が設けられるとともに、焼却灰吹込装置14に代えて、消石灰吹込装置23が用いられている。
<消石灰生成装置(消石灰生成工程)の説明>
消石灰生成装置22は、粉砕機12によって粉砕された一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成する消石灰生成工程を実施するためのものである。
焼却灰生成装置22としては、例えば、一次焼却灰を貯留することができるとともに貯留した一次焼却灰を大気に接触可能に開放された焼却灰貯留槽が挙げられる。この焼却灰貯留槽によれば、貯留された一次焼却灰を大気に接触させて一次焼却灰に含まれる石灰分(CaO)と大気中の水分とを反応させることにより、消石灰を生成することができる。
ところで、上記焼却灰貯留槽では、消石灰が生成された一次焼却灰を分級機13へと送るために、コンベヤ等の搬送装置に積み替える必要がある。そこで、焼却灰生成装置22として、粉砕機12と分級機13との間に配設され、一次焼却灰を載置可能な無端状の搬送ベルトを周回運動させるようにした焼却灰コンベヤを採用することにより、搬送ベルト上に載置された一次焼却を大気に接触させて一次焼却灰に含まれる石灰分と大気中の水分との反応で消石灰を生成することができるのは勿論のこと、消石灰が生成された一次焼却灰を積み替え等の手間かけることなくそのまま分級機13へと搬送することができる。
ここで、上記消石灰生成装置22の例として挙げた焼却灰貯留槽および焼却灰コンベヤのそれぞれにおいて、一次焼却灰に対し水を霧状に噴霧する水噴霧器または一次焼却灰に対し水蒸気を噴射する水蒸気噴射器を付設し、一次焼却灰に対し積極的に水分を加え、CaOの反応熱や水蒸気の熱を利用して一次焼却灰を乾燥して消石灰を生成するようにしてもよい。こうすると、消石灰を短時間で効率良く生成することができる。
この消石灰生成装置22での消石灰生成工程によって得られる消石灰は、粉砕された一次焼却灰に浸み込んだ水分が蒸発する際に石灰分(CaO)とともに一次焼却灰の表面に染み出して細かい粉状に固まったものであるから、小粒径のものであり、分級機13で粒径選別(例えば、5μm〜20μm)により分離回収される。
<消石灰吹込装置(消石灰供給工程)の説明>
分級機13によって分離回収された消石灰は、消石灰吹込装置23によってバグフィルタ5の上流側に吹き込まれる。
消石灰吹込装置23は、前述した焼却灰吹込装置14と基本的に同構造で、サイロ16に貯留されるのが一次焼却灰から分級機13によって分離回収された消石灰に変わるだけであり、ブロワ15の作動によってダクト8へと向かう押込み気流を粉体輸送管17内に発生させながらサイロ16内に貯留されている消石灰をフィーダ18によって粉体輸送管17内へと供給することにより、消石灰が粉体輸送管17内の押込み気流によって運ばれてダクト8内に吹き込むことができるようになっている。
この消石灰吹込装置23を用いて消石灰をダクト8内へと吹き込むことにより、該消石灰を排ガス流れに乗せてバグフィルタ5へと供給する消石灰供給工程が実施される。
<第3の実施形態の作用効果の説明>
以上に述べたような排ガス処理システム3Cにおいては、焼却炉2での一次燃焼による被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰が粗物選別機11による粗物選別工程の後に粉砕機12で粉砕され、粉砕された一次焼却灰が消石灰生成装置22に送り込まれてその一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰が生成され、生成された消石灰が分級機13による粒径選別によって分離回収される。ここで、分離回収された消石灰は、粉砕された一次焼却灰に浸み込んだ水分が蒸発する際に石灰分とともに一次焼却灰の表面に染み出して細かい粉状に固まったものであるから、小粒径のものであり、排ガスの流れに乗り易くて比表面積が大きいものである。そして、この分離回収された消石灰が焼却灰吹込装置23でバグフィルタ5の上流側に吹き込まれることによって排ガス流れに乗ってバグフィルタ5へと供給される。したがって、一次燃焼によって生成した一次焼却灰から消石灰を生成して該消石灰を排ガスの流れに乗せて確実にバグフィルタ5へと供給することができるとともに、酸性ガスとの反応効率を良好なものとすることができ、これによって消石灰を別途用意して使用する必要がなくなる、あるいは消石灰を別途用意して使用する必要があってもその使用量を大幅に削減することができる。
〔第4の実施形態〕
図4には、本発明の第4の実施形態に係る排ガス処理システムを具備するごみ焼却施設の概略システム構成図が示されている。
なお、第4の実施形態において、第3の実施形態と同一または同様のものについては、図に同一符号を付すに留めてその詳細な説明を省略することとし、以下においては、第3の実施形態と異なる点を中心に説明することとする。
<排ガス処理システムの説明>
第4の実施形態の排ガス処理システム3Dにおいては、第3の実施形態の排ガス処理システム3Cにおける粉砕機12と消石灰生成装置22との間に粗分級機24が設けられている。この粗分級機24は、粉砕機12による粉砕工程で粉砕された一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級工程を実施するためのものである。この粗分級機24としては、例えば、先の分級機13の説明で述べたような公知のスクリーン分級機や風力分級機を採用することができる。
そして、消石灰生成装置22による消石灰生成工程においては、粗分級機24による粗分級工程で分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成するようにされる。
<第4の実施形態の作用効果の説明>
以上に述べたような排ガス処理システム3Dによれば、第3の実施形態の排ガス処理システム3Cと同様の作用効果を得ることができるのは言うまでもない。
さらに、本実施形態の排ガス処理システム3Dによれば、一次焼却灰においては、比較的粒径が小さいものの方が、含まれる石灰分の濃度が高く、しかも酸性ガスとの反応効率が高いとの知見に基づいて、粉砕機12で粉砕された一次焼却灰を粗分級機24で比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに事前に分けておき、消石灰生成装置22において、その事前に分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成することにより、含有石灰分の濃度が高い一次焼却灰に対して水分との反応が行われることとなり、消石灰の生成効率を向上させることができ、消石灰生成装置22が小型のもので済むという利点がある。
以上、本発明の排ガス処理方法およびそのシステムについて、複数の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、各実施形態に記載した構成を適宜組み合わせる等、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
<一次焼却灰の酸性ガス除去性能の説明>
図5に示される試験システムにより一次焼却灰(以下、単に「焼却灰」と称する。)の酸性ガス除去性能を評価した。比較例として消石灰(JIS特号)を用いて同様の試験を行った。
ここで、図5に示される試験システムにおいては、キャリアガスの流れ経路の途中に上流側から下流側に向けて順に蒸発器31および反応器32をそれぞれ配設し、HCl溶液を蒸発器31で蒸発させてHCl含有ガスを生成するとともに、生成されたHCl含有ガスを反応器32に導入して、反応器32内にセットされた充填材(焼却灰/消石灰)と反応させるようにされている。
表1に試験条件を示す。
Figure 2016123940
表2に充填材(焼却灰/消石灰)の性状分析結果を示す。
Figure 2016123940
(試験方法の説明)
焼却灰は45μmのふるい下を使用した。
HCl濃度は硝酸銀滴定により測定した。
充填材のHCl除去能は、HCl含有ガスの反応器32への入口側HCl濃度と、HCl含有ガスの反応器32からの出口側HCl濃度との差に基づいて、以下の算出式で求められるHCl除去率により評価した。
HCl除去率=1−出口側HCl濃度(ppm)/入口側HCl濃度(ppm)
(試験結果の説明)
充填材として焼却灰を用いた場合、HCl含有ガスの通ガス開始直後は70%以上のHCl除去率を示し、8時間経過後に50%程度のHCl除去率を示した。
一方、充填材として消石灰を用いた場合、HCl含有ガスの通ガス開始直後は80%程度のHCl除去率を示し、8時間経過後に76%程度のHCl除去率を示した。
この試験は、焼却灰と消石灰とを同量で行っており、性状分析結果より焼却灰のCa含有量は消石灰より少なかったが、十分な除去性能であることが確認できた。Ca含有量を消石灰と同量とした消石灰であれば、消石灰と同等の除去性能が得られると考えられる。
表3に反応器32の入口側および出口側でのHCl濃度測定に基づくHCl吸収量の結果を示す。
Figure 2016123940
表3より分かるように、8時間経過後のHCl吸収量は消石灰の方が大きかったが、Ca含有量に対するHClでは吸収量は焼却灰の方が大きく、消石灰とほぼ同等の除去性能を確認することができた。
上記の試験の結果により、バグフィルタ5の上流側に焼却灰(一次焼却灰)を吹き込むと、排ガスの熱と水分によって短時間で消石灰が生成されて速やかに酸性ガス除去性能が発揮されるとともに、酸性ガス除去性能が長時間に亘って維持されることが分かった。
<試算の説明>
試算では、消石灰を別途用意して使用する必要がなくなり、消石灰購入費などの維持管理費が低減される。試算例を以下に示す。
[試算条件]
・焼却炉処理量:100t/日
・排ガス量:21500mN/h・炉
・灰分:7%
・酸性ガス(HCl:350ppm→50ppm、SOx:50ppm→30ppm)除去のための消石灰反応当量:1.0
[焼却灰使用量試算]
Ca(OH)の分子量が74g/molであるから、
上記酸性ガス除去に必要なCa(OH)の量は、
Figure 2016123940

となる。
これと同等(16kg/h)を満たす焼却灰中CaO濃度は、
Figure 2016123940

となる。
<粗分級のメリットの説明>
ごみ焼却施設として、A,B,Cの各施設で採取した焼却灰の粒度分布およびそれぞれの粒径に含まれるCa濃度を以下の表4〜6に示す。
Figure 2016123940

Figure 2016123940

Figure 2016123940
Caは、粒径の細かい方が濃度が高い。また、酸性ガスを処理する際に、粒子の細かい方が効率が高い。
粗分級により粒径の大きなものを取り除くことで、Ca濃度が低く、また酸性ガス除去効率の低いものを予め除外することができるので、第2の実施形態の粉砕工程において、微粉砕する際の粉砕量を低減することができ、第4の実施形態の消石灰生成工程において、静置・保管する焼却灰の量を低減することができるとともに、消石灰の生成速度を向上させることができる。
そこで、焼却灰で酸性ガスを処理するために、酸性ガス除去に必要なCa量を補える粒径にて焼却灰を粗分級するとよい。
前述した試算例により、酸性ガス除去に必要なCa量は、焼却灰全体の4.15%(CaO換算)なので、例えば、上記の表6に示されるように、A施設においては、粒径が0より大きく0.85mm以下で分級したもので酸性ガスを除去することができる。また、B施設およびC施設においては、粒径が0より大きく0.425mm以下で分級したもので酸性ガスを除去することができる。したがって、粉砕工程や消石灰生成工程の前に実施される粗分級機よる粗分級工程において、焼却灰(一次焼却灰)を、粒径が0より大きく0.85mm以下の比較的粒径が小さいものと、粒径が0.85mmを超える比較的粒径が大きいものとに分け、粒径が0〜0.85mmの焼却灰を、粉砕工程での粉砕対象として選択し、あるいは消石灰生成工程での水との反応対象として選択するのが好ましいと言える。
本発明の排ガス処理方法およびそのシステムは、一次燃焼によって生成した一次焼却灰から消石灰を生成して該消石灰を排ガスの流れに乗せて確実にバグフィルタへと供給することができるとともに、酸性ガスとの反応効率を良好なものとすることができ、これによって消石灰を別途用意して使用する必要がなくなる、あるいは消石灰を別途用意して使用する必要があってもその使用量を大幅に削減することができるという特性を有していることから、例えばごみ焼却施設や発電所、各種工業炉等における排ガス中の酸性ガスの除去の用途に好適に用いることができる。
1A〜1D ごみ焼却施設
2 焼却炉
3A〜3D 排ガス処理システム
5 バグフィルタ
12 粉砕機
13 分級機
14 焼却灰吹込装置
21,24 粗分級機
22 消石灰生成装置
23 消石灰吹込装置

Claims (8)

  1. カルシウム成分を含有する被燃焼物を焼却炉で燃焼させるに伴い発生した排ガスを、前記焼却炉の下流側に設置されたバグフィルタに送り込んでその排ガス中のダストを除去するようにした排ガス処理方法において、
    前記焼却炉での一次燃焼による前記被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程によって粉砕された前記一次焼却灰から所定の粒径範囲にある小粒径の一次焼却灰を選別する分級工程と、
    前記分級工程によって選別された前記小粒径の一次焼却灰を前記バグフィルタの上流側に吹き込むことにより、前記小粒径の一次焼却灰と前記排ガスとの接触で前記小粒径の一次焼却灰に含まれる石灰分と前記排ガス中の水分とを反応させて消石灰を生成するとともに、該消石灰を排ガス流れに乗せて前記バグフィルタへと供給する消石灰生成・供給工程と、
    を含むことを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 前記粉砕工程で前記一次焼却灰を粉砕する前に、その一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級工程を実施し、前記粉砕工程においては、前記粗分級工程で分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰を粉砕するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理方法。
  3. カルシウム成分を含有する被燃焼物を焼却炉で燃焼させるに伴い発生した排ガスを、前記焼却炉の下流側に設置されたバグフィルタに送り込んでその排ガス中のダストを除去するようにした排ガス処理方法において、
    前記焼却炉での一次燃焼による前記被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕する粉砕工程と、
    前記粉砕工程によって粉砕された前記一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成する消石灰生成工程と、
    前記消石灰生成工程によって生成された消石灰を粒径選別により分離回収する分級工程と、
    前記分級工程によって分離回収された消石灰を前記バグフィルタの上流側に吹き込むことにより、該消石灰を排ガス流れに乗せて前記バグフィルタへと供給する消石灰供給工程と、
    を含むことを特徴とする排ガス処理方法。
  4. 前記消石灰生成工程の前に、前記粉砕工程で粉砕された前記一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級工程を実施し、前記消石灰生成工程においては、前記粗分級工程で分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の排ガス処理方法。
  5. カルシウム成分を含有する被燃焼物を焼却炉で燃焼させるに伴い発生した排ガスを、前記焼却炉の下流側に設置されたバグフィルタに送り込んでその排ガス中のダストを除去するようにした排ガス処理システムにおいて、
    前記焼却炉での一次燃焼による前記被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕する粉砕機と、
    前記粉砕工程によって粉砕された前記一次焼却灰から所定の粒径範囲にある小粒径の一次焼却灰を選別する分級機と、
    前記分級機によって選別された前記小粒径の一次焼却灰を前記バグフィルタの上流側に吹き込む焼却灰吹込装置とを備え、
    前記焼却灰吹込装置によって吹き込まれた前記小粒径の一次焼却灰と前記排ガスとの接触で前記小粒径の一次焼却灰に含まれる石灰分と前記排ガス中の水分とを反応させて消石灰を生成するとともに、該消石灰を排ガス流れに乗せて前記バグフィルタへと供給するようにしたことを特徴とする排ガス処理システム。
  6. 前記粉砕機で粉砕する前の前記一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級機を設け、前記粉砕機においては、前記粗分級機で分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰を粉砕するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の排ガス処理システム。
  7. カルシウム成分を含有する被燃焼物を焼却炉で燃焼させるに伴い発生した排ガスを、前記焼却炉の下流側に設置されたバグフィルタに送り込んでその排ガス中のダストを除去するようにした排ガス処理システムにおいて、
    前記焼却炉での一次燃焼による前記被燃焼物の燃焼によって生成した一次焼却灰を粉砕する粉砕機と、
    前記粉砕機によって粉砕された前記一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成する消石灰生成装置と、
    前記消石灰生成装置によって生成された消石灰を粒径選別により分離回収する分級機と、
    前記分級機によって分離回収された消石灰を前記バグフィルタの上流側に吹き込む消石灰吹込装置とを備え、
    前記消石灰吹込装置によって吹き込まれた消石灰を排ガス流れに乗せて前記バグフィルタへと供給するようにしたことを特徴とする排ガス処理システム。
  8. 前記粉砕機によって粉砕された前記一次焼却灰を比較的粒径が小さいものと比較的粒径が大きいものとに分ける粗分級機を設け、前記消石灰生成装置においては、前記粗分級機によって分けられた比較的粒径が小さい一次焼却灰に含まれる石灰分に対し水分を反応させて消石灰を生成するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の排ガス処理システム。

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