JP2016122138A - 電気光学装置及びその製造方法、電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】色再現性の良い発光素子の発光動作を行うことができる電気光学装置を提供する。
【解決手段】発光素子30は、トランジスターの上に絶縁層34を介して配置されると共に、反射電極35と、保護層37と、光路調整層38と、第1の電極31と、発光層と、第2の電極と、が積層された構造を有する。発光素子30は、コンタクト電極41を介してトランジスターと電気的に接続される。保護層37には、保護層37を貫通するコンタクトホールが形成される。コンタクト電極41は、コンタクトホール41CTに埋め込まれた状態で配置された第1のコンタクト部41aと、保護層37の面上に配置された第2のコンタクト部41bと、を含む。保護層37は、反射電極35の上に配置された第1の絶縁膜39と、第1の絶縁膜39の面上に配置されると共に、第2のコンタクト部41bと同じ形状にパターニングされた第2の絶縁膜42と、を含む。
【選択図】図6

Description

本発明は、電気光学装置及びその製造方法、電子機器に関する。
電気光学装置の一例として、有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)素子を用いた画素が素子基板の表示領域にマトリックス状に配置された有機EL装置が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照。)。
具体的に、特許文献1には、第1の電極(画素電極)、発光層及び第2の電極(対向電極)が順に積層された有機EL素子と、第1の電極と電気的に接続される電源線と、第1の電極と電源線との電気的な接続を切り替えるスイッチング素子(トランジスター)とを備え、光反射性を有する電源線(反射層)の上に第1の電極を重ねて配置したトップエミッション構造の有機EL装置が開示されている。
一方、特許文献2には、反射層、光路調整層、第1の電極(画素電極)、発光層及び第2の電極(対向電極)が順に積層された共振構造(キャビティ構造)の有機EL素子を備え、発光層が発した光を反射層と第2の電極との間で繰り返し反射しながら、光学調整層(光路調整層)によって調整された反射層と第2の電極との間の光学的な距離に応じて、特定波長(共振波長)の光が増強されて光を射出する有機EL装置が開示されている。
特開2013−238725号公報 特開2013−089444号公報
ところで、上述した特許文献2に記載の有機EL装置に、特許文献1に記載の構造を適用した場合には、電源線(反射層)と第1の電極(画素電極)との間に配置された光学調整層(光路調整層)の厚みを調整することによって、反射層と画素電極との間の光路調整が行われる。
しかしながら、特許文献1に記載の有機EL装置では、光学調整層を貫通して配置された中継電極(遮光層)が光学調整層の面上で所定の形状にパターニングされている。このため、中継電極を所定の形状にパターニングする際に、中継電極の下にある光学調整層がエッチングされるおそれがある。したがって、光学調整層がエッチングされた場合には、光学調整層を所定の厚みに制御できなくなってしまう。
本発明の一つの態様は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、色再現性の良い発光素子の発光動作を行うことを可能とした電気光学装置及びその製造方法、並びにそのような電気光学装置を備えた電子機器を提供することを目的の一つとしている。
本発明の一つの態様に係る電気光学装置は、複数の画素がマトリックス状に配列された表示領域を含む素子基板を備える。素子基板は、画素毎に、発光素子と、発光素子を駆動するトランジスターと、を有する。発光素子は、トランジスターの上に絶縁層を介して配置されると共に、反射電極と、保護層と、光路調整層と、第1の電極と、発光層と、第2の電極と、が積層された構造を有する。発光素子は、コンタクト電極を介してトランジスターと電気的に接続される。保護層には、保護層を貫通するコンタクトホールが形成される。コンタクト電極は、コンタクトホールに埋め込まれた状態で配置された第1のコンタクト部と、保護層の面上に配置された第2のコンタクト部と、を含む。保護層は、反射電極の上に配置された第1の絶縁膜と、第1の絶縁膜の面上に配置されると共に、第2のコンタクト部と同じ形状にパターニングされた第2の絶縁膜と、を含む。
この構成によれば、コンタクト電極を所定の形状にパターニングする際に、第1の絶縁膜を第2の絶縁膜のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。これにより、第2の絶縁膜が第2のコンタクト部と同じ形状にパターニングされた場合でも、この第2の絶縁膜の下にある第1の絶縁膜の厚みにバラツキが生じるのを防ぐことができる。したがって、この電気光学装置では、保護層の面上に配置される光路調整層の厚みを調整することによって、反射電極と第1の電極との間の光路調整を正確に行うことができるため、共振構造による色再現性の良い発光素子の発光動作を行うことが可能である。
また、上記電気光学装置において、第2の絶縁膜は、第1の絶縁膜よりもエッチングレートが低い材料からなる構成であってもよい。
この構成によれば、コンタクト電極を所定の形状にパターニングする際の第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とのエッチング選択比を高めることができる。したがって、第2の絶縁膜が第2のコンタクト部と同じ形状にパターニングされる際に、この第2の絶縁膜の下にある第1の絶縁膜をエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
また、上記電気光学装置において、第1の絶縁膜は、窒化シリコンを含み、第2の絶縁膜は、酸化シリコンを含む構成であってもよい。
この構成によれば、例えばフッ素系ガスを用いたドライエッチングによって、窒化シリコンに対して酸化シリコンを選択的にエッチングすることができる。したがって、コンタクト電極を所定の形状にパターニングする際に、第1の絶縁膜を第2の絶縁膜のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
また、上記電気光学装置において、光路調整層の少なくとも一部の端部は、第2のコンタクト電極の面上に位置する構成であってもよい。
この構成によれば、光路調整層を所定の形状にパターニングする際に、第2のコンタクト電極を光路調整層のエッチングストッパーとして機能させると共に、各画素の開口率を高めることが可能である。
また、上記電気光学装置において、反射電極に開口が形成され、第1の絶縁膜は、開口が形成された反射電極の面上を覆うと共に、開口の内側に形成された凹部を有し、凹部に埋め込まれた埋め込み絶縁膜を含む構成であってもよい。
この構成によれば、保護層の光路調整層と接する側の面上を平坦化できるため、画素毎に光路調整層の厚みを調整することによって、反射電極と第1の電極との間の光路調整を正確に行うことができる。これにより、共振構造による色再現性の良い発光素子の発光動作を行うことが可能である。
また、上記電気光学装置において、光路調整層は、埋め込み絶縁膜の面上を覆うと共に、第1の絶縁膜の面上に少なくとも一部の端部が位置するように配置されている構成であってもよい。
この構成によれば、光路調整層を所定の形状にパターニングする際に、埋め込み絶縁膜を保護しながら、第1の絶縁膜を光路調整層のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
また、上記電気光学装置において、第1の絶縁膜は、窒化シリコンを含み、光路調整層は、酸化シリコンを含む構成であってもよい。
この構成によれば、例えばフッ素系ガスを用いたドライエッチングによって、窒化シリコンに対して酸化シリコンを選択的にエッチングすることができる。したがって、光路調整層を所定の形状にパターニングする際に、第1の絶縁膜を光路調整層のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
また、上記電気光学装置において、反射電極の面上に増反射層が配置されている構成であってもよい。
この構成によれば、反射電極による反射特性を高めることが可能である。
また、上記電気光学装置において、反射電極は、画素毎に分割して配置され、コンタクト電極を介して反射電極と第1の電極とが電気的に接続され、絶縁層を貫通して配置されたコンタクト電極を介してトランジスターと反射電極とが電気的に接続され、画素毎に分割して配置された反射電極の各間に間隙が形成されている構成であってもよい。
この構成によれば、反射電極を介してトランジスターと第1の電極とが電気的に接続されるため、反射電極と第1の電極とが同電位となる。これにより、トランジスターから反射電極を介して第1の電極に印加される電位を制御しながら、信頼性の高い発光素子の発光動作を行うことが可能である。また、この構成によれば、歩留まりの更なる向上を図ることが可能である。
また、上記電気光学装置において、反射電極は、電源線の一部により構成され、反射電極には、孔部が形成され、孔部の内側には、中継電極が配置され、コンタクト電極は、中継電極を介してトランジスターと電気的に接続されている構成であってもよい。
この構成によれば、孔部から入射する光をコンタクト電極で遮光することによって、表示品質を向上させることが可能である。
また、本発明の一つの態様に係る電子機器は、上記何れかの電気光学装置を備えることを特徴とする。
この構成によれば、色再現性の良い発光素子の発光動作を行うことを可能とした電気光学装置を備えた電子機器を提供することが可能である。
また、本発明の一つの態様に係る電気光学装置の製造方法は、複数の画素がマトリックス状に配列された表示領域を含む素子基板を備え、素子基板は、画素毎に、発光素子と、発光素子を駆動するトランジスターと、を有し、発光素子は、トランジスターの上に絶縁層を介して配置されると共に、第1の電極と、発光層と、第2の電極と、を備えた電気光学装置の製造方法であって、反射電極の上に第1の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶縁膜の面上に第2の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜を貫通するコンタクトホールを形成する工程と、コンタクトホールに埋め込まれた状態で、第2の絶縁膜の面上を覆う導電膜を形成する工程と、導電膜の面上に所定の形状のマスク層を形成する工程と、第1の絶縁膜の表面が露出するまで導電膜及び第1の絶縁膜をエッチングする工程と、マスク層を除去する工程と、第1の絶縁膜の上方に第1の電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
この方法によれば、コンタクトホールに埋め込まれた状態で配置された第1のコンタクト部と、保護層の面上に配置された第2のコンタクト部と、を含むコンタクト電極を形成することができる。また、コンタクト電極を所定の形状にパターニングする際に、第1の絶縁膜を第2の絶縁膜のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。これにより、第2の絶縁膜が第2のコンタクト部と同じ形状にパターニングされた場合でも、この第2の絶縁膜の下にある第1の絶縁膜の厚みにバラツキが生じるのを防ぐことができる。したがって、この電気光学装置の製造方法では、保護層の面上に形成される光路調整層の厚みを調整することによって、反射電極と第1の電極との間の光路調整を正確に行うことができるため、共振構造による色再現性の良い発光素子の発光動作を行うことを可能とした電気光学装置を製造することが可能である。
また、上記電気光学装置の製造方法において、第2の絶縁膜には、第1の絶縁膜よりもエッチングレートが低い材料を用いる方法であってもよい。
この方法によれば、コンタクト電極を所定の形状にパターニングする際の第1の絶縁膜と第2の絶縁膜とのエッチング選択比を高めることができる。したがって、第2の絶縁膜が第2のコンタクト部と同じ形状にパターニングされる際に、この第2の絶縁膜の下にある第1の絶縁膜をエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
また、上記電気光学装置の製造方法において、第1の絶縁膜として、窒化シリコン膜を形成し、第2の絶縁膜として、酸化シリコン膜を形成する方法であってもよい。
この方法によれば、例えばフッ素系ガスを用いたドライエッチングによって、窒化シリコンに対して酸化シリコンを選択的にエッチングすることができる。したがって、コンタクト電極を所定の形状にパターニングする際に、第1の絶縁膜を第2の絶縁膜のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る有機EL装置の構成を示す平面図である。 図1に示す有機EL装置が備える素子基板の構成を示す回路図である。 図1に示す有機EL装置が備える画素回路の構成を示す回路図である。 図1に示す有機EL装置が備える画素の構成を示す平面図である。 (a)図4中に示す線分A─A’による第1の実施形態に係る断面図、(b)(a)中に示す一部の画素を拡大した断面図である。 (a)図4中に示す線分B─B’による第1の実施形態に係る断面図、(b)図4中に示す線分C─C’による第1の実施形態に係る断面図、(c)図4中に示す線分D─D’による第1の実施形態に係る断面図である。 図1に示す有機EL装置の製造工程を説明するための断面図である。 (a)図4中に示す線分A─A’による第2の実施形態に係る断面図、(b)(a)中に示す一部の画素を拡大した断面図である。 (a)図4中に示す線分B─B’による第2の実施形態に係る断面図、(b)図4中に示す線分C─C’による第2の実施形態に係る断面図、(c)図4中に示す線分D─D’による第2の実施形態に係る断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る有機EL装置が備える画素の構成を示す平面図である。 図10中に示す線分E─E’による断面図である。 図10に示す有機EL装置の製造工程を説明するための断面図である。 有機EL装置を備えた電子機器の一例を示す概略図である。
[第1の実施形態]
(有機EL装置)
先ず、本発明の第1の実施形態として図1に示す有機EL装置100について説明する。
有機EL装置100は、本発明における「電気光学装置」の一例として示す自発光型の表示装置である。なお、図1は、有機EL装置100の構成を模式的に示す平面図である。
有機EL装置100は、図1に示すように、素子基板10と、保護基板70とを有している。素子基板10と保護基板70とは、互いに対向した状態で、図示を省略する接着剤によって接合されている。なお、接着剤には、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などを使用することができる。
素子基板10は、発光素子として、青色(B)光を発する有機EL素子30Bが配置された画素20Bと、緑色(G)の光を発する有機EL素子30Gが配置された画素20Gと、赤色(R)の光を発する有機EL素子30Rが配置された画素20Rとがマトリックス状に配列された表示領域Eを有している。
有機EL装置100では、画素20Bと画素20Gと画素20Rとが表示単位となってフルカラーの表示が提供される。なお、以降の説明では、画素20B、画素20G及び画素20Rをまとめて画素20として扱う場合があり、有機EL素子30B、有機EL素子30G及び有機EL素子30Rをまとめて有機EL素子30として扱う場合がある。
表示領域Eには、カラーフィルター層50が設けられている。カラーフィルター層50のうち、画素20Bの有機EL素子30Bの上には、青色のカラーフィルター層50Bが配置され、画素20Gの有機EL素子30Gの上には、緑色のカラーフィルター層50Gが配置され、画素20Rの有機EL素子30Rの上には、赤色のカラーフィルター層50Rが配置されている。
本実施形態では、同色の発光が得られる画素20がY方向(第1の方向)に配列し、異なる色の発光が得られる画素20がY方向に対して交差(直交)するX方向(第2の方向)に配列している。したがって、画素20の配置は、所謂ストライプ方式となっている。この画素の配列に応じて、有機EL素子30B、有機EL素子30G及び有機EL素子30Rはそれぞれストライプ状に配置されており、青色のカラーフィルター層50B、緑色のカラーフィルター層50G、赤色のカラーフィルター層50Rもまたストライプ状に配置されている。なお、画素20の配置は、ストライプ方式に限定されず、モザイク方式、デルタ方式であってもよい。
有機EL装置100は、トップエミッション構造を有している。したがって、有機EL素子30で発せられた光は、素子基板10のカラーフィルター層50を透過して保護基板70の側から表示光として射出される。
有機EL装置100がトップエミッション構造であることから、素子基板10の基材には、透明な石英基板やガラス基板などに加えて、不透明なセラミック基板や半導体基板などを用いることができる。本実施形態では、素子基板10の基材として、シリコン基板(半導体基板)を使用している。
表示領域Eの外側には、素子基板10の長辺側の一辺に沿って、複数の外部接続用端子103が配列されている。複数の外部接続用端子103と表示領域Eとの間には、データ線駆動回路101が設けられている。素子基板10の短辺側の二辺と表示領域Eとの間には、走査線駆動回路102が設けられている。なお、以降の説明では、素子基板10の長辺に沿った方向をX方向とし、素子基板10の短辺に沿った方向をY方向とし、保護基板70から素子基板10に向かう方向をZ(+)方向とする。
保護基板70は、素子基板10よりも小さく、外部接続用端子103が露出されるように素子基板10と対向して配置されている。保護基板70は、透光性の基板であり、石英基板やガラス基板などを使用することができる。保護基板70は、表示領域Eに配置された有機EL素子30が傷つかないように保護する役割を有し、表示領域Eよりも広く設けられている。
図2は、素子基板10の構成を示す回路図である。素子基板10には、図2に示すように、m行の走査線12がX方向に延在して設けられ、n列のデータ線14がY方向に延在して設けられている。また、素子基板10には、データ線14に沿って列毎に電源線19がY方向に延在して設けられている。
素子基板10には、m行の走査線12とn列のデータ線14との交差部に対応して、画素回路110が設けられている。画素回路110は、画素20の一部をなす。表示領域Eには、m行×n列の画素回路110が、マトリックス状に配列されている。
電源線19には、初期化用のリセット電位Vorstが供給(給電)されている。さらに、図示を省略するが、制御信号Gcmp,Gel,Gorstを供給する3つの制御線が、走査線12に並行して設けられている。
走査線12は、走査線駆動回路102に電気的に接続されている。データ線14は、データ線駆動回路101に電気的に接続されている。走査線駆動回路102には、走査線駆動回路102を制御するための制御信号Ctr1が供給されている。データ線駆動回路101には、データ線駆動回路101を制御するための制御信号Ctr2が供給されている。
走査線駆動回路102は、フレームの期間にわたって走査線12を1行毎に走査するための走査信号Gwr(1)、Gwr(2)、Gwr(3)、…、Gwr(m− 1)、Gwr(m)を、制御信号Ctr1に従って生成する。さらに、走査線駆動回路102は、走査信号Gwrの他に、制御信号Gcmp,Gel,Gorstを制御線に供給する。なお、フレームの期間とは、有機EL装置100で1カット(コマ)分の画像が表示される期間であり、例えば同期信号に含まれる垂直同期信号の周波数が120Hzであれば、1フレームの期間は約8.3ミリ秒となる。
データ線駆動回路101は、走査線駆動回路102によって選択された行に位置する画素回路110に対し、当該画素回路110の諧調データに応じた電位のデータ信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(n)を、1、2、…、n列目のデータ線14に供給する。
図3は、画素回路110の構成を示す回路図である。画素回路110は、図3に示すように、PチャネルMOS型のトランジスター121,122,123,124,125と、有機EL素子30と、容量21とを有している。画素回路110には、上述した走査信号Gwrや制御信号Gcmp,Gel,Gorstなどが供給される。
有機EL素子30は、互いに対向する画素電極(第1の電極)31と対向電極(第2の電極)33とで発光機能層(発光層)32を挟持した構造を有している。
画素電極31は、発光機能層32に正孔を供給するアノードであり、光透過性有する導電材料により形成されている。本実施形態では、画素電極31として、例えば膜厚200nmのITO(Indium Tin Oxide)膜を形成している。画素電極31は、トランジスター124のドレイン及びトランジスター125のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている。
対向電極33は、発光機能層32に電子を供給するカソードであり、例えばマグネシウム(Mg)と銀(Ag)との合金などの光透過性と光反射性とを有する導電材料により形成されている。対向電極33は、複数の画素20に跨って設けられた共通電極であり、電源線8に電気的に接続されている。電源線8には、画素回路110において電源の低位側となる電位Vctが供給されている。
発光機能層32は、画素電極31の側から順に積層された正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、及び電子輸送層などを有している。有機EL素子30では、画素電極31から供給される正孔と、対向電極33から供給される電子とが、発光機能層32の中で結合することによって、発光機能層32が発光する。
また、素子基板10には、各電源線19に交差して電源線6がX方向に延在して設けられている。なお、電源線6はY方向に延在して設けられてもよいし、X方向及びY方向の両方に延在するように設けられてもよい。トランジスター121は、ソースが電源線6に電気的に接続され、ドレインがトランジスター123のソース又はドレインの他方と、トランジスター124のソースとにそれぞれ電気的に接続されている。また、電源線6には、画素回路110において電源の高位側となる電位Velが供給されている。また、電源線6には、容量21の一端が電気的に接続されている。トランジスター121は、トランジスター121のゲート及びソース間の電圧に応じた電流を流す駆動トランジスターとして機能する。
トランジスター122は、ゲートが走査線12に電気的に接続され、ソース又はドレインの一方がデータ線14に電気的に接続されている。また、トランジスター122は、ソース又はドレインの他方が、トランジスター121のゲートと、容量21の他端と、トランジスター123のソース又はドレインの一方とに、それぞれ電気的に接続されている。トランジスター122は、トランジスター121のゲートとデータ線14との間に電気的に接続され、トランジスター121のゲートとデータ線14との間の電気的な接続を制御する書込トランジスターとして機能する。
トランジスター123は、ゲートが制御線に電気的に接続され、制御信号Gcmpが供給される。トランジスター123は、トランジスター121のゲート及びドレインの間の電気的な接続を制御する、閾値補償トランジスターとして機能する。
トランジスター124は、ゲートが制御線に電気的に接続され、制御信号Gelが供給される。トランジスター124は、ドレインがトランジスター125のソース又はドレインの一方と有機EL素子30の画素電極31とにそれぞれ電気的に接続されている。トランジスター124は、トランジスター121のドレインと、有機EL素子30の画素電極31との間の電気的な接続を制御する、発光制御トランジスターとして機能する。
トランジスター125は、ゲートが制御線に電気的に接続され、制御信号Gorstが供給される。また、トランジスター125のソース又はドレインの他方は、電源線19に電気的に接続され、リセット電位Vorstが供給されている。トランジスター125は、電源線19と、有機EL素子30の画素電極31との間の電気的な接続を制御する初期化トランジスターとして機能する。
図4は、画素20(画素20B,20G,20R)の構成を示す平面図である。図5(a)は、図4中に示す線分A─A’による画素20B,20G,20RのX方向に沿った断面図である。図5(b)は、図5(a)中に示す一部の画素20Rを拡大した断面図である。図6(a)は、図4中に示す線分B─B’による画素20BのY方向に沿った断面図である。図6(b)は、図4中に示す線分C─C’による画素20GのY方向に沿った断面図である。図6(c)は、図4中に示す線分D─D’による画素20RのY方向に沿った断面図である。
各画素20B,20G,20Rは、図4及び図5(a),(b)に示すように、それぞれ平面視で矩形状を為して、短手方向がX方向(長手方向がY方向)と平行となるように配置されている。また、各有機EL素子30B,30G,30Rの間には、画素分離層29が設けられている。
画素分離層29は、絶縁材料からなり、隣り合う有機EL素子30B,30G,30Rの間を電気的に絶縁している。本実施形態では、画素分離層29として、例えば膜厚25nmの酸化シリコン(SiO)膜を形成している。画素分離層29は、各画素20B,20G,20Rの画素電極31の周縁部を覆うように設けられている。すなわち、画素分離層29には、各画素20B,20G,20Rの画素電極31の一部を露出させる開口29CTが設けられている。開口29CTは、平面視で矩形状を為して、各画素20の発光領域を規定している。
各画素20B,20G,20Rに配置された有機EL素子30B,30G,30Rは、図5(a),(b)及び図6(a)〜(c)に示すように、層間絶縁層(絶縁層)34の上に、反射電極35と、増反射層36と、保護層37と、光路調整層38と、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とが積層された共振構造(キャビティ構造)を有している。なお、図4、図5(a),(b)及び図6(a)〜(c)では、上述した発光機能層32及び対向電極33の図示を省略している。
共振構造では、発光機能層32が発した光を反射電極35と対向電極33との間で繰り返し反射しながら、光路調整層38によって調整された反射電極35と対向電極33との間の光学的な距離に応じて、特定波長(共振波長)の光を増強させて射出することが可能となっている。
層間絶縁層34には、例えば酸化シリコン(SiO)などの絶縁材料が用いられている。なお、図5(a)においては、層間絶縁層34の下にはトランジスター124のみを示しているが、層間絶縁層34の下には、トランジスター124の他、走査線12、データ線14、電源線19、制御線、電源線6、画素回路110を構成するトランジスター121,122,123,124,125、容量21などが配置されている。層間絶縁層34の表面には、これらのトランジスターや配線などに応じて凹凸が形成される可能性があるが、反射電極35が形成される表面は平坦化されることが好ましい。
反射電極35は、画素20毎に分割して配置されている。すなわち、反射電極35は、画素20B,20G,20Rのそれぞれに設けられている。また、隣り合う反射電極35の各間には、間隙35CTが形成されている。したがって、隣り合う反射電極35の各間には間隙35CTが設けられており、画素20毎に電気的に分離され、異なる電位が印加可能に構成されている。
反射電極35は、光反射性を有する導電材料からなり、平面視で矩形状に形成されている。反射電極35は、画素電極31よりも大きく、各画素20の反射領域を規定している。本実施形態では、反射電極35として、例えば第1層35aとなる膜厚30nmのチタン(Ti)膜の上に、第2層35bとなる膜厚100nmのアルミニウム(Al)と銅(Cu)との合金(AlCu)膜を形成している。
反射電極35は、層間絶縁層34を貫通して配置された第1のコンタクト電極28(図3及び図5(a)を参照。)を介して、上述したトランジスター124のドレインと電気的に接続されている。また、反射電極35は、第1のコンタクト電極28を介してトランジスター125のソース又はドレインの一方(図示せず)と電気的に接続されている。第1のコンタクト電極28には、例えばタングステン(W)やチタン(Ti)、窒化チタン(TiN)などの導電材料を用いることができる。本実施形態では、反射電極35の第1層35aは第1のコンタクト電極28と接続されている。
増反射層36は、反射電極35による反射特性を高めるためのものであり、例えば光透過性を有する絶縁材料からなる。増反射層36は、反射電極35の面上を覆うように配置されている。本実施形態では、増反射層36として、例えば膜厚40nmの酸化シリコン(SiO)膜を形成している。
保護層37は、間隙35CTが形成された反射電極35の面上を覆うように設けられている。保護層37は、第1の絶縁膜39と、埋め込み絶縁膜40とを有している。第1の絶縁膜39は、増反射層36、反射電極35及び層間絶縁層34の面上に設けられており、間隙35CTに沿って形成されている。したがって、第1の絶縁膜39は、間隙35CTに対応した凹部39aを有している。埋め込み絶縁膜40は、凹部39aを埋めるように形成されている。保護層37は、凹部37aに埋め込まれた埋め込み絶縁膜によって、光路調整層38と接する側の面上が平坦化されている。
本実施形態では、第1の絶縁膜39として、例えば膜厚80nmの窒化シリコン(SiN)膜を形成し、埋め込み絶縁膜40として、酸化シリコン(SiO)膜を形成し、第2の絶縁膜42として、例えば膜厚50nmの酸化シリコン(SiO)膜を形成している。
光路調整層38は、保護層37の面上に配置された絶縁膜38a,38bを有している。光路調整層38は、画素20B,20G,20R毎に、反射電極35と対向電極33との間の光学的な距離に応じた光路調整を行う。
具体的に、光路調整層38の膜厚は、画素20B、画素20G、画素20Rの順で大きくなっている。すなわち、画素20Bでは、図6(a)に示すように、例えば共振波長(輝度が最大となるピーク波長)が470nmとなるように、絶縁膜38a,38bが省略されている。画素20Gでは、図6(b)に示すように、例えば共振波長が540nmとなるように、絶縁膜38aが設けられている。画素20Rでは、図6(c)に示すように、例えば共振波長が610nmとなるように、絶縁膜38a,38bが設けられている。本実施形態では、絶縁膜38aとして、例えば膜厚40nmの酸化シリコン(SiO)を形成し、絶縁膜38bとして、例えば膜厚50nmの酸化シリコン(SiO)を形成している。また、増反射層36及び保護層37も、反射電極35と対向電極33との間の光学的な距離に応じた光路調整を行い、例えば、画素20Bでは、増反射層36及び保護層37の膜厚は、例えば共振波長(輝度が最大となるピーク波長)が470nmとなるように設定されている。
これにより、画素20Bからは470nmをピーク波長とする青色(B)の光が発せられ、画素20Gからは540nmをピーク波長とする緑色(G)の光が発せられ、画素20Rからは610nmをピーク波長とする赤色(R)の光が発せられる。有機EL装置100では、このような共振構造を有する有機EL素子30によって、各画素20から発せられる表示光の色純度を高めている。
光路調整層38は、各有機EL素子30B,30G,30Rの間に設けられている。具体的には、光路調整層38は、埋め込み絶縁膜40と同種の材料で構成されており、光路調整層38は埋め込み絶縁膜40を覆うように設けられている。このような構成によれば、保護層37の画素電極31側の表面の平坦性を損なうことなく、共振波長に応じて光路調整層38を加工可能である。本実施形態では、光路調整層38及び埋め込み絶縁膜40は、酸化シリコン(SiO)により構成されている。
光路調整層38の上には、図5(a),(b)及び図6(a)〜(c)に示すように、画素電極31が配置されている。画素電極31は、第2のコンタクト電極41を介して反射電極35と電気的に接続されている。具体的には、保護層37及び増反射層36を貫通するように、コンタクトホール41CTが設けられている。コンタクトホール41CTは、開口29CTとは平面視で重ならない領域、すなわち画素分離層29が形成された領域の下方に位置している。
第2のコンタクト電極41は、第1のコンタクト部41aと、第2のコンタクト部41bとを有している。第1のコンタクト部41aは、コンタクトホール41CT内に配置されており、反射電極35の第2層35bと接続されている。第2のコンタクト部41bは、保護層37の面上に配置されており、画素電極31と接続されている。本実施形態では、第2のコンタクト電極41として、例えば窒化チタン(TiN)膜を形成し、第2のコンタクト部41bの厚みが50nmとなるように形成している。
図5(a),(b)及び図6(a)〜(c)の示すように、光路調整層38の一部は、第2のコンタクト電極41と重なるように形成されている。このような構成によれば、保護層37の画素電極31側の表面の平坦性を損なうことなく、各有機EL素子30B,30G,30Rの間の領域の近傍に第2のコンタクト電極41を配置することができる。これにより、発光に寄与しない領域を縮小でき、各画素20の開口率を高めることが可能である。
図6(a)に示すように、画素20Bにおいて、光路調整層38を構成する絶縁膜38a,38bは、第2のコンタクト電極41の一部又は埋め込み絶縁膜40と重なる領域に設けられている。光路調整層38を構成する絶縁膜38a,38bは、第2のコンタクト電極41の一部の面上には設けられておらず、当該部位において画素電極31を構成する導電材料は第2のコンタクト電極41に積層され、画素電極31を構成する導電材料は第2のコンタクト電極41に接している。
図6(b)に示すように、画素20Gにおいて、光路調整層38を構成する絶縁膜38aは、第2のコンタクト電極41の一部又は埋め込み絶縁膜40と重なる領域に設けられている。そして、絶縁膜38bにはコンタクトホールが設けられ、画素電極31を構成する導電材料がこのコンタクトホール内に配置され、画素電極31は第2のコンタクト電極41と接続される。画素20Gにおいて、光路調整層38を構成する絶縁膜38bは、当該コンタクトホールを除き、ほぼ全面に設けられている。より具体的には、光路調整層38を構成する絶縁膜38aは、第2のコンタクト電極41の一部、反射電極35、又は埋め込み絶縁膜40と重なる領域に設けられている。
図6(c)に示すように、画素20Rにおいて、光路調整層38を構成する絶縁膜38a,38bは、第2のコンタクト電極41の一部、反射電極35、又は埋め込み絶縁膜40と重なる領域に設けられている。そして、絶縁膜38a,38bにはコンタクトホールが設けられ、画素電極31を構成する導電材料がこのコンタクトホール内に配置され、画素電極31は第2のコンタクト電極41と接続される。
また、第2の絶縁膜42は、第2のコンタクト部41bと同じ形状にパターニングされている。すなわち、第2の絶縁膜42は、第1の絶縁膜39と第2のコンタクト部41bとの間に配置されると共に、第2のコンタクト部41bとは平面視で一致した形状を有している。
なお、図示を省略するが、画素電極31の上には、上述した発光機能層32及び対向電極33が配置され、その上に更に、素子基板10の面上を覆うと共に、有機EL素子30の面上を平坦化する封止層(パッシベーション膜)が配置されることによって、有機EL素子30への水分や酸素等の侵入を抑制している。上述したカラーフィルター層50は、この封止層の面上に配置されている。
ところで、本実施形態の有機EL装置100では、上述した第2のコンタクト電極41を所定の形状にパターニングする際に、第1の絶縁膜39を第2の絶縁膜42のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。これにより、第2の絶縁膜42が第2のコンタクト部41bと同じ形状にパターニングされた場合でも、この第2の絶縁膜42の下にある第1の絶縁膜39の厚みにバラツキが生じるのを防ぐことができる。
(有機EL装置の製造方法)
具体的に、本実施形態の有機EL装置100の製造方法について、図7(a)〜(d)を参照して説明する。なお、図7(a)〜(d)は、上記有機EL装置100の構成のうち、保護層37及び第2のコンタクト電極41の製造工程を説明するための断面図である。
本実施形態では、先ず、図7(a)に示すように、保護層37として、反射電極35の上に、増反射層36の面上を覆う第1の絶縁膜39を形成し、凹部39aに埋め込まれた埋め込み絶縁膜40を形成した後に、第1の絶縁膜39の埋め込み絶縁膜40により平坦化された面上を覆う第2の絶縁膜42を形成する。なお、本実施形態では、上述したように、第1の絶縁膜39として、例えば膜厚80nmの窒化シリコン(SiN)膜を形成し、埋め込み絶縁膜40として、酸化シリコン(SiO)膜を形成し、第2の絶縁膜42として、例えば膜厚50nmの酸化シリコン(SiO)膜を形成している。
次に、図7(b)に示すように、増反射層36、第1の絶縁膜39及び第2の絶縁膜42を貫通するコンタクトホール41CTを形成した後、このコンタクトホール41CTに埋め込まれた状態で、第2の絶縁膜42の面上を覆う導電膜41ELを形成する。なお、本実施形態では、上述したように、導電膜41ELとして、厚みが50nmの窒化チタン(TiN)膜を形成している。
次に、図7(c)に示すように、導電膜41ELの面上にレジストを塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて第2のコンタクト部41bに対応した形状のマスク層43を形成する。その後、第1の絶縁膜39の表面が露出するまで導電膜41EL及び第2の絶縁膜42をエッチングする。
このとき、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによって、第1の絶縁膜(窒化シリコン膜)39に対して、この第1の絶縁膜39よりもエッチングレートが低い第2の絶縁膜(酸化シリコン膜)42を選択的にエッチングすることができる。したがって、本実施形態では、第1の絶縁膜39と第2の絶縁膜42とのエッチング選択比(第2の絶縁膜42のエッチングレート/第1の絶縁膜39のエッチングレート)を高めることによって、第1の絶縁膜39を第2の絶縁膜42のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
次に、図7(d)に示すように、マスク層43を除去する。これにより、コンタクトホール41CTに埋め込まれた状態で反射電極35と接続される第1のコンタクト部41aと、第2の絶縁膜42の面上に配置された状態で画素電極31と接続される第2のコンタクト部41bとを有する第2のコンタクト電極41が形成される。
以上のように、本実施形態の有機EL装置100では、上述した第2の絶縁膜42が第2のコンタクト部41bと同じ形状にパターニングされた場合でも、この第2の絶縁膜42の下にある第1の絶縁膜39の厚みにバラツキが生じるのを防ぐことができる。したがって、この有機EL装置100では、保護層37の面上に配置される光路調整層38の厚みを調整することによって、反射電極35と画素電極31との間の光路調整を正確に行うことができるため、共振構造による色再現性の良い有機EL素子30の発光動作を行うことが可能である。
また、本実施形態の有機EL装置100では、上述した第1のコンタクト電極28を介してトランジスター124と反射電極35とが電気的に接続され、第2のコンタクト電極41を介して反射電極35と画素電極31とが電気的に接続された構成となっている。すなわち、画素電極31は、反射電極35を介してトランジスター124と電気的に接続されている。
これにより、本実施形態の有機EL装置100では、電源線の一部が反射電極を構成する場合や、電源線と反射電極とを電気的に接続する場合とは異なり、反射電極35と画素電極31とを電気的に接続することによって、反射電極35と画素電極31とが同電位となっている。これにより、反射電極35と画素電極31との間の絶縁膜(増反射層36や保護層37、光路調整層38など。)に欠陥等が生じて電源線と画素電極との間で短絡(ショート)するといったことを回避できるため、歩留まりの更なる向上を図ることが可能である。
また、本実施形態の有機EL装置100では、このような構成によって、トランジスター124から反射電極35を介して画素電極31に印加される電位を制御しながら、信頼性の高い有機EL素子30の発光動作を行うことが可能である。
また、本実施形態の有機EL装置100では、上述したコンタクト電極41が、コンタクトホール41CTに埋め込まれた状態で反射電極35と接続される第1のコンタクト部41aと、光路調整層38の面上を覆った状態で画素電極31と接続される第2のコンタクト部41bとを有している。この場合、第2のコンタクト電極41を介して反射電極35と画素電極31とを確実に接続することが可能である。
さらに、本実施形態の有機EL装置100では、上述した光路調整層38の少なくとも一部の端部が第2のコンタクト部41bの面上に位置することによって、光路調整層38を所定の形状にパターニングする際に、第2のコンタクト部41bを光路調整層38のエッチングストッパーとして機能させると共に、各画素20の開口率を高めることが可能である。
また、本実施形態の有機EL装置100では、上述した保護層37の光路調整層38と接する側の面上が平坦化されているため、画素20毎に光路調整層38の厚みを調整することによって、反射電極35と画素電極31との間の光路調整を正確に行うことが可能である。これにより、上述した共振構造による色再現性の良い有機EL素子30の発光動作を行うことが可能である。
また、本実施形態の有機EL装置100では、上述した保護層37の面上に配置される光路調整層38も平坦化されるため、この光路調整層38の面上に配置される画素電極31の端部を凹部39aが形成された位置よりも外側に位置させることができる。これにより、画素20の開口率、すなわち上述した画素20の発光領域を規定する開口29CTの開口面積(発光面積)を大きくすることが可能である。
また、本実施形態の有機EL装置100では、上述した第1の絶縁膜39の面上に光路調整層38(絶縁膜38a,38b)の少なくとも一部の端部が位置するように配置されている。このうち、光路調整層38(絶縁膜38a,38b)及び埋め込み絶縁膜40には、酸化シリコン(SiO)が用いられ、第1の絶縁膜39には、酸化シリコン(SiO)よりもエッチングレートが低い窒化シリコン(SiN)が用いられている。
この場合、例えばフッ素系ガスを用いたドライエッチングによって、窒化シリコンに対して酸化シリコンを選択的にエッチングすることができる。したがって、光路調整層38を所定の形状にパターニングする際に、埋め込み絶縁膜40を保護しながら、第1の絶縁膜39を光路調整層38のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
[第2の実施形態]
(有機EL装置)
次に、本発明の第2の実施形態として図8及び図9に示す有機EL装置100Aについて説明する。なお、以下の説明では、上記有機EL装置100と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
図8(a)は、図4中に示す線分A─A’による画素20B,20G,20RのX方向に沿った断面図である。図8(b)は、図8(a)中に示す一部の画素20Rを拡大した断面図である。図9(a)は、図4中に示す線分B─B’による画素20BのY方向に沿った断面図である。図9(b)は、図4中に示す線分C─C’による画素20GのY方向に沿った断面図である。図9(c)は、図4中に示す線分D─D’による画素20RのY方向に沿った断面図である。
第2の実施形態に係る有機EL装置100Aは、図8及び図9に示すように、第3の絶縁膜44を備えた点で第1の実施形態と異なっている。また、光路調整層38の配置が、第1の実施形態に係る有機EL装置100とは異なっている。
各画素20B,20G,20Rは、図4及び図8(a),(b)に示すように、それぞれ平面視で矩形状を為して、短手方向がX方向(長手方向がY方向)と平行となるように配置されている。また、各有機EL素子30B,30G,30Rの間には、画素分離層29が設けられている。
保護層37は、開口35CTが形成された反射電極35の面上を覆うように設けられている。保護層37は、第1の絶縁膜39と、埋め込み絶縁膜40と、第2の絶縁膜42と、第3の絶縁膜44を備えている。
第1の絶縁膜39は、増反射層36、反射電極35及び層間絶縁層34の面上に設けられており、間隙35CTに沿って形成されている。したがって、第1の絶縁膜39は、間隙35CTに対応した凹部39aを有している。埋め込み絶縁膜40は、凹部39aを埋めるように形成されている。
また、第2の絶縁膜42は、第2のコンタクト部41bと第3の絶縁膜44との間に設けられ、第2のコンタクト部41bと同じ形状にパターニングされている。すなわち、第2の絶縁膜42は、第1の絶縁膜39と第2のコンタクト部41bとの間に配置されると共に、第2のコンタクト部41bとは平面視で一致した形状を有している。
第3の絶縁膜44は、第1の絶縁膜39の埋め込み絶縁膜40により平坦化された面上を覆うように形成されている。保護層37は、第3の絶縁膜44によって光路調整層38と接する側の面上が平坦化されている。本実施形態では、第1の絶縁膜39として、例えば膜厚80nmの窒化シリコン(SiN)膜を形成し、埋め込み絶縁膜40として、酸化シリコン(SiO)膜を形成し、第2の絶縁膜42として、例えば膜厚50nmの酸化シリコン(SiO)膜を形成し、第3の絶縁膜44として、例えば膜厚80nmの窒化シリコン(SiN)膜を形成している。
光路調整層38(絶縁膜38a、38b)の端部は、埋め込み絶縁膜40上に位置している。光路調整層38の端部と埋め込み絶縁膜40との間には、第3の絶縁膜44が設けられている。埋め込み絶縁膜40、光路調整層38は、同種の材料で構成されており、第3の絶縁膜44とは異なる材料で構成されている。本実施形態において、埋め込み絶縁膜40、光路調整層38は、酸化シリコン(SiO)であり、第2の絶縁膜42は、窒化シリコン(SiN)膜である。したがって、保護層37の表面の平滑性を損なうことなく、光路調整層38を画素20毎異なる膜厚に形成することが可能である。
画素20Bでは、例えば共振波長(輝度が最大となるピーク波長)が470nmとなるように、増反射層36、第1の絶縁膜39、及び第3の絶縁膜44が反射電極35と画素電極31との間に設けられている。画素20Gでは、例えば共振波長が540nmとなるように、増反射層36、第1の絶縁膜39、第3の絶縁膜44、及び絶縁膜38aが反射電極35と画素電極31との間に設けられている。画素20Rでは、例えば共振波長が610nmとなるように、増反射層36、第1の絶縁膜39、第3の絶縁膜44、絶縁膜38a、及び絶縁膜38bが反射電極35と画素電極31との間に設けられている。
そして、光路調整層38(絶縁膜38a,38b)の端部は、画素20Rと画素20Gとの間、画素20Gと画素20Bとの間、画素20Bと画素20Rとの間に位置している。本実施形態において、図1のように、画素20の配置はストライプ方式となっているため、光路調整層38の端部は、Y方向に延びるストライプ状に設けられている。図10(a),(b)に示すように、光路調整層38の端部は、X方向における隣り合う反射電極35の間隙35CTにおいて、埋め込み絶縁膜40の上方に位置している。
図8(a)及び図9(a)に示すように、画素20Bにおいて、光路調整層38を構成する絶縁膜38a,38bは、ほぼ全面に亘って配置されていない。したがって、画素電極31を構成する導電材料は第2のコンタクト電極41の面上に配置され、画素電極31を構成する導電材料は第2のコンタクト電極41に接している。
このように、画素電極31を構成する導電材料は、第2のコンタクト電極41の上、及び第3の絶縁膜44の上に形成されている。画素分離層29の一部は、第3の絶縁膜44の上に積層されている。図6(a)において、絶縁膜38a,38bが隣り合う画素B間に設けられていたが、図8(a)に示すように、本実施形態では、隣り合う画素B間の光路調整層38は不要になっている。したがって、第3の実施形態の有機EL装置100Bでは、発光機能層32、対向電極33、カラーフィルター層50B等をより平坦の面に形成することができる。
図8(a)及び図9(b)に示すように、画素20Gにおいて、光路調整層38を構成する絶縁膜38aは、ほぼ全面に亘って配置されていない。そして、絶縁膜38bには設けられたコンタクトホールが設けられ、画素電極31を構成する導電材料がこのコンタクトホール内に配され、画素電極31は第2のコンタクト電極41と接続される。
画素20Gにおいて、光路調整層38を構成する絶縁膜38bは、当該コンタクトホールを除き、ほぼ全面に設けられている。より具体的には、光路調整層38を構成する絶縁膜38bは、第2のコンタクト電極41の一部と重なるように設けられており、反射電極35又は埋め込み絶縁膜40の上方において第3の絶縁膜44の上に積層されている。図6(b)において、絶縁膜38aが隣り合う画素G間に設けられていたが、図8(a)に示すように、本実施形態では、隣り合う画素G間の絶縁膜38aは不要になっている。したがって、第3の実施形態の有機EL装置100Bでは、発光機能層32、対向電極33、カラーフィルター層50G等をより平坦の面に形成することができる。
図8(a),(b)及び図9(c)に示すように、画素20Rにおいて、絶縁膜38a,38bには設けられたコンタクトホールが設けられ、画素電極31を構成する導電材料がこのコンタクトホール内に配され、画素電極31は第2のコンタクト電極41と接続される。画素20Rにおいて、光路調整層38を構成する絶縁膜38a,38bは、当該コンタクトホールを除き、ほぼ全面に設けられている。より具体的には、光路調整層38を構成する絶縁膜38a,38bは、第2のコンタクト電極41の一部と重なるように設けられており、反射電極35又は埋め込み絶縁膜40の上方において第3の絶縁膜44の上に積層されている。
なお、図示を省略するが、画素電極31の上には、上述した発光機能層32及び対向電極33が配置され、その上に更に、素子基板10の面上を覆うと共に、有機EL素子30の面上を平坦化する封止層(パッシベーション膜)が配置されることによって、有機EL素子30への水分や酸素等の侵入を抑制している。上述したカラーフィルター層50は、この封止層の面上に配置されている。
ところで、第2の実施形態の有機EL装置100Aでは、上述した保護層37の光路調整層38と接する側の面上が平坦化されているため、画素20毎に光路調整層38の厚みを調整することによって、反射電極35と画素電極31との間の光路調整を正確に行うことが可能である。これにより、上述した共振構造による色再現性の良い有機EL素子30の発光動作を行うことが可能である。
また、第2の実施形態の有機EL装置100Aでは、上述した保護層37の面上に配置される光路調整層38も平坦化されるため、この光路調整層38の面上に配置される画素電極31の端部を凹部39aに近づけて配置可能である。これにより、画素20の開口率、すなわち上述した画素20の発光領域を規定する開口29CTの開口面積(発光面積)を大きくすることが可能である。
また、第2の実施形態の有機EL装置100Aでは、上述した第3の絶縁膜44の面上に光路調整層38(絶縁膜38a,38b)の少なくとも一部の端部が位置するように配置されている。このうち、光路調整層38(絶縁膜38a,38b)及び埋め込み絶縁膜48には、酸化シリコン(SiO)が用いられ、第2の絶縁膜42には、酸化シリコン(SiO)よりもエッチングレートが低い窒化シリコン(SiN)が用いられている。
この場合、例えばフッ素系ガスを用いたドライエッチングによって、窒化シリコンに対して酸化シリコンを選択的にエッチングすることができる。したがって、光路調整層38を所定の形状にパターニングする際に、埋め込み絶縁膜40を保護しながら、第2の絶縁膜42を光路調整層38のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
上述の実施形態では、図5(a),(b)に示すように、光路調整層38は、有機EL素子30Rの反射電極35に重なる領域から、埋め込み絶縁膜40又は反射電極35の間隙35CTと重なる領域、さらには、隣り合う有機EL素子30Bの反射電極35と重なる領域に至るように配置されていた。これに対し、第2の実施形態の有機EL装置100Aでは、図8(a),(b)に示すように第3の絶縁膜44を有するため、光路調整層38は、隣り合う有機EL素子30Bの反射電極35とは重ならずに、有機EL素子30Rの反射電極35に重なる領域から埋め込み絶縁膜40の一部と重なる領域に至るように配置可能である。よって、有機EL素子30Bの反射電極35及び光路調整層38が重なる領域が不要となる。ここでは、画素20B・画素20R間について説明したが、画素20R・画素20G間、画素20G・画素20B間においても同様である。したがって、発光に寄与しない領域を縮小でき、各画素20の開口率を高めることが可能である。
[第3の実施形態]
(有機EL装置)
次に、本発明の第3の実施形態として図10及び図11に示す有機EL装置200について説明する。なお、図10は、画素20(画素20B,20G,20R)の構成を示す平面図である。図11は、図10中に示す線分E─E’による画素20Gの断面図である。また、以下の説明では、上記有機EL装置100と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
有機EL装置200は、図10及び図11に示すように、上記画素20毎に分割して配置された反射電極35の代わりに、電源線6の一部により構成された反射電極60を備えている。すなわち、この反射電極60は、各画素20B,20G,20Rに共通して配置されている。
また、図3に示したように、電源線6には、トランジスター121のソース及び容量21の一端が接続されている。したがって、反射電極60は、発光機能層32側からの光を反射すると共に、電源の高位側となる電位Velを画素回路110に供給する役割を果たす。第1のコンタクト電極28と同様、層間絶縁層(絶縁層)34には、コンタクト電極を備える。
また、有機EL装置200は、上記第1のコンタクト電極28と電気的に接続される中継電極61を備えている。各画素20には、平面視で矩形状の開口60CTが形成されている。コンタクトホール60CTは、反射電極60を貫通する孔部であり、中継電極61は、この開口60CTの内側に配置されている。
本実施形態では、反射電極60及び中継電極61として、例えば膜厚30nmのチタン(Ti)膜の上に、膜厚100nmのアルミニウム(Al)と銅(Cu)との合金(AlCu)膜を形成している。
また、有機EL装置200は、上記増反射層36が省略されると共に、上記保護層37及び光路調整層38の代わりに、光学調整層62を備えている。光学調整層62は、開口60CTが形成された反射電極60の面上を覆うと共に、開口60CTの内側に形成された凹部63aを有する第1の絶縁膜63と、凹部63aに埋め込まれた埋め込み絶縁膜64と、第1の絶縁膜63の面上に配置された第2の絶縁膜65及び第3の絶縁膜66とを有している。
また、有機EL装置200は、上記第2のコンタクト電極41の代わりに、画素電極31と電気的に接続される第2のコンタクト電極67を備えている。第2のコンタクト67電極は、中継電極61と接続される第1のコンタクト部67aと、画素電極31と接続される第2のコンタクト部67bとを有している。コンタクトホール67CTは、光学調整層62(第1の絶縁膜63及び第2の絶縁膜65)を貫通する孔部であり、第1のコンタクト部67aは、コンタクトホール67CTに埋め込まれるように形成されている。第2のコンタクト部67bは、第2の絶縁膜65の面上に配置されている。
光学調整層62のうち、第1の絶縁膜63、埋め込み絶縁膜64及び第2の絶縁膜65は、保護層として機能している。また、第3の絶縁膜66は、光路調整層として機能している。
第2の絶縁膜65は、第2のコンタクト部67bと同じ形状にパターニングされている。すなわち、第2の絶縁膜65は、第1の絶縁膜63と第2のコンタクト部67bとの間、若しくは、埋め込み絶縁膜64と第2のコンタクト部67bとの間に配置されると共に、第2のコンタクト部67bとは平面視で一致した形状を有している。
第3の絶縁膜66は、第1の絶縁膜63及び第2のコンタクト部67bの面上を覆うように配置されている。画素電極31は、この第3の絶縁膜66に形成されたコンタクトホール31CTを介してコンタクト電極67(第2のコンタクト部67b)と接続されている。
なお、本実施形態では、第1の絶縁膜63として、窒化シリコン(SiN)膜を形成し、埋め込み絶縁膜64、第2の絶縁膜65及び第3の絶縁膜66として、酸化シリコン(SiO)膜を形成している。
また、光学調整層62の膜厚は、画素20B、画素20G、画素20Rの順で大きくなっている。すなわち、画素20Bでは、例えば共振波長(輝度が最大となるピーク波長)が470nmとなるように、第1の絶縁膜63が設けられている。画素20Gでは、例えば共振波長が540nmとなるように、第1の絶縁膜63及び第3の絶縁膜66が設けられている。画素20Rでは、例えば共振波長が610nmとなるように、第1の絶縁膜63、第3の絶縁膜66及び第4の絶縁膜(図示せず)が設けられている。
なお、本実施形態において、増反射層36を省略したが、第1の絶縁膜63と反射電極60との間に増反射層36を備えた構成であってもよい。
以上のような構成を有する有機EL装置200では、中継電極61及びコンタクト電極67を介してトランジスター124と画素電極31とが電気的に接続されている。また、コンタクト電極67は、中継電極61及び開口60CTを覆うように設けられている。そして、コンタクト電極67は、反射電極60の少なくとも一部と平面視重なるように設けられている。そして、コンタクト電極67は遮光性を有している。この構成によれば、開口60CTから入射する光をコンタクト電極67で遮光することによって、表示品質を向上させることが可能である。なお、本実施形態では、コンタクト電極67として、例えば厚みが500nmの窒化チタン(TiN)膜を形成している。
本実施形態の有機EL装置200では、上述した第2のコンタクト電極67を所定の形状にパターニングする際に、第1の絶縁膜63を第2の絶縁膜65のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。これにより、第2の絶縁膜65が第2のコンタクト部67bと同じ形状にパターニングされた場合でも、この第2の絶縁膜65の下にある第1の絶縁膜63の厚みにバラツキが生じるのを防ぐことができる。
(有機EL装置の製造方法)
具体的に、本実施形態の有機EL装置200の製造方法について、図12(a)〜(d)を参照して説明する。なお、図12(a)〜(d)は、上記有機EL装置200の構成のうち、光学調整層62及び第2のコンタクト電極67の製造工程を説明するための断面図である。
本実施形態では、先ず、図12(a)に示すように、光学調整層62として、反射電極60が配置された面上を覆う第1の絶縁膜63を形成し、凹部63aに埋め込まれた埋め込み絶縁膜64を形成した後に、第1の絶縁膜63の埋め込み絶縁膜64により平坦化された面上を覆う第2の絶縁膜65を形成する。
次に、図12(b)に示すように、光学調整層62(第2の絶縁膜65、第4の絶縁膜を図示せず)を貫通するコンタクトホール67CTを形成した後、このコンタクトホール67CTに埋め込まれた状態で、第2の絶縁膜65の面上を覆う導電膜67ELを形成する。なお、本実施形態では、上述したように、導電膜67ELとして、窒化チタン(TiN)膜を形成している。
次に、図12(c)に示すように、導電膜67ELの面上にレジストを塗布した後、フォトリソグラフィ技術を用いて第2のコンタクト部67bに対応した形状のマスク層68を形成する。その後、第1の絶縁膜63の表面が露出するまで導電膜67EL及び第2の絶縁膜65をエッチングする。
このとき、フッ素系ガスを用いたドライエッチングによって、第1の絶縁膜(窒化シリコン膜)63に対して、この第1の絶縁膜63よりもエッチングレートが低い第2の絶縁膜(酸化シリコン膜)65を選択的にエッチングすることができる。したがって、本実施形態では、第1の絶縁膜63と第2の絶縁膜65とのエッチング選択比(第2の絶縁膜65のエッチングレート/第1の絶縁膜63のエッチングレート)を高めることによって、第1の絶縁膜63を第2の絶縁膜65のエッチングストッパーとして機能させることが可能である。
次に、図12(d)に示すように、マスク層68を除去する。これにより、コンタクトホール67CTに埋め込まれた状態で反射電極60と接続される第1のコンタクト部67aと、第2の絶縁膜65の面上に配置された状態で画素電極31と接続される第2のコンタクト部67bとを有する第2のコンタクト電極67が形成される。
以上のように、本実施形態の有機EL装置200では、上述した第2の絶縁膜65が第2のコンタクト部67bと同じ形状にパターニングされた場合でも、この第2の絶縁膜65の下にある第1の絶縁膜63の厚みにバラツキが生じるのを防ぐことができる。したがって、この有機EL装置200では、上記有機EL装置100と同様に、光学調整層62の厚みを調整することによって、反射電極60と画素電極31との間の光路調整を正確に行うことができるため、共振構造による色再現性の良い有機EL素子30の発光動作を行うことが可能である。
(電子機器)
次に、上記有機EL装置100,200を備えた電子機器の一例として、図13に示すヘッドマウントディスプレイ1000について説明する。なお、図13は、マウントディスプレイ1000の構成を示す概略図である。
ヘッドマウントディスプレイ1000は、図13に示すように、左右の目に対応して設けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ1000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画像などを見ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上記有機EL装置100,200が用いられている。上記有機EL装置100,200では、上述した共振構造による色再現性の良い有機EL素子30の発光動作を行うことが可能である。したがって、表示部1001に上記有機EL装置100を搭載することで、点欠陥の発生が抑制され且つ高品位の表示のヘッドマウントディスプレイ1000を提供することが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
具体的に、本発明を適用した電気光学装置としては、上述した発光素子として有機EL素子を備えた有機EL装置に限定されず、例えば無機EL素子やLEDなどの自発光型の発光素子備えた電気光学装置に対して本発明を幅広く適用することが可能である。
また、本発明を適用した電子機器としては、上述したヘッドマウントディスプレイ1000に限らず、例えば、ヘッドアップディスプレイや、デジタルカメラの電子ビューファインダー、携帯型情報端末、ナビゲーターなどの表示部に、本発明を適用した電気光学装置を用いた電子機器を挙げることができる。
6…電源線 10…素子基板 20(20B,20G,20R)…画素 28…第1のコンタクト電極 30(30B,30G,30R)…有機EL素子(発光素子) 31…画素電極(第1の電極) 32…発光機能層(発光層) 33…対向電極(第2の電極) 34…層間絶縁層(絶縁層) 35…反射電極 35CT…間隙 36…増反射層 37…保護層 38…光路調整層 39…第1の絶縁膜 39a…凹部 40…埋め込み絶縁膜 41…第2のコンタクト電極 41a…第1のコンタクト部 41b…第2のコンタクト部 41CT…コンタクトホール 41EL…導電膜 42…第2の絶縁膜 43…マスク層 44…第3の絶縁膜 60…反射電極 60CT…開口(孔部) 61…中継電極 62…光学調整層(保護層、光路調整層) 63…第1の絶縁膜 63a…凹部 64…埋め込み絶縁膜 65…第2の絶縁膜 66…第3の絶縁膜 67…第2のコンタクト電極 67a…第1のコンタクト部 67b…第2のコンタクト部 67CT…コンタクトホール 67EL…導電膜 68…マスク層 E…表示領域 100,100A,200…有機EL装置(電気光学装置) 110…画素回路 124…トランジスター 1000…ヘッドマウントディスプレイ(電子機器)

Claims (14)

  1. 複数の画素がマトリックス状に配列された表示領域を含む素子基板を備え、
    前記素子基板は、前記画素毎に、発光素子と、前記発光素子を駆動するトランジスターと、を有し、
    前記発光素子は、前記トランジスターの上に絶縁層を介して配置されると共に、反射電極と、保護層と、光路調整層と、第1の電極と、発光層と、第2の電極と、が積層された構造を有し、
    前記発光素子は、コンタクト電極を介して前記トランジスターと電気的に接続され、
    前記保護層には、前記保護層を貫通するコンタクトホールが形成され、
    前記コンタクト電極は、前記コンタクトホールに埋め込まれた状態で配置された第1のコンタクト部と、前記保護層の面上に配置された第2のコンタクト部と、を含み、
    前記保護層は、前記反射電極の上に配置された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜の面上に配置されると共に、前記第2のコンタクト部と同じ形状にパターニングされた第2の絶縁膜と、を含むことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記第2の絶縁膜は、前記第1の絶縁膜よりもエッチングレートが低い材料からなることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記第1の絶縁膜は、窒化シリコンを含み、
    前記第2の絶縁膜は、酸化シリコンを含むことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記光路調整層の少なくとも一部の端部は、前記第2のコンタクト部の面上に位置することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の電気光学装置。
  5. 前記反射電極に開口が形成され、
    前記第1の絶縁膜は、前記開口が形成された前記反射電極の面上を覆うと共に、前記開口の内側に形成された凹部を有し、前記凹部に埋め込まれた埋め込み絶縁膜を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の電気光学装置。
  6. 前記光路調整層は、前記埋め込み絶縁膜の面上を覆うと共に、前記第1の絶縁膜の面上に少なくとも一部の端部が位置するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
  7. 前記第1の絶縁膜は、窒化シリコンを含み、
    前記光路調整層は、酸化シリコンを含むことを特徴とする請求項6に記載の電気光学装置。
  8. 前記反射電極の面上に増反射膜が配置されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の電気光学装置。
  9. 前記反射電極は、前記画素毎に分割して配置され、
    前記コンタクト電極を介して前記反射電極と前記第1の電極とが電気的に接続され、
    前記絶縁層を貫通して配置されたコンタクト電極を介して前記トランジスターと前記反射電極とが電気的に接続され、
    前記画素毎に分割して配置された前記反射電極の各間に間隙が形成されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の電気光学装置。
  10. 前記反射電極は、電源線の一部により構成され、
    前記反射電極には、孔部が形成され、
    前記孔部の内側には、中継電極が配置され、
    前記コンタクト電極は、前記中継電極を介して前記トランジスターと電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の電気光学装置。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
  12. 複数の画素がマトリックス状に配列された表示領域を含む素子基板を備え、
    前記素子基板は、前記画素毎に、発光素子と、前記発光素子を駆動するトランジスターと、を有し、
    前記発光素子は、前記トランジスターの上に絶縁層を介して配置されると共に、第1の電極と、発光層と、第2の電極と、を備えた電気光学装置の製造方法であって、
    前記絶縁層の上に反射電極を形成する工程と、
    前記反射電極の上に第1の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜の面上に第2の絶縁膜を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜及び前記第2の絶縁膜を貫通するコンタクトホールを形成する工程と、
    前記コンタクトホールに埋め込まれた状態で、前記第2の絶縁膜の面上を覆う導電膜を形成する工程と、
    前記導電膜の面上に所定の形状のマスク層を形成する工程と、
    前記第1の絶縁膜の表面が露出するまで前記導電膜及び前記第2の絶縁膜をエッチングする工程と、
    前記マスク層を除去する工程と、
    前記第1の絶縁膜の上方に前記第1の電極を形成する工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  13. 前記第2の絶縁膜には、前記第1の絶縁膜よりもエッチングレートが低い材料を用いることを特徴とする請求項12に記載の電気光学装置の製造方法。
  14. 前記第1の絶縁膜として、窒化シリコン膜を形成し、
    前記第2の絶縁膜として、酸化シリコン膜を形成することを特徴とする請求項13に記載の電気光学装置の製造方法。
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