JP6201442B2 - 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、電気光学装置、該電気光学装置の製造方法、電子機器に関する。
電気光学装置として、互いに異なる波長の光を出射する、第1画素、第2画素、第3画素を有し、第1画素、第2画素、第3画素のそれぞれにおける光学距離調整層の膜厚が、第1画素>第2画素>第3画素の関係を満たす光共振構造を備えた電気光学装置とその製造方法が開示されている(特許文献1)。
特許文献1の電気光学装置の製造方法によれば、上記光学距離調整層を構成するための透光膜を形成し、該透光膜上に膜厚が第1画素>第2画素>第3画素の関係を満たすマスクを形成する。その後に、膜厚が異なるマスクを段階的にアッシングして除去する工程と、アッシングにより露出した透光膜をエッチングする工程とを組み合わせることにより、膜厚が第1画素>第2画素>第3画素の関係を満たす上記光学距離調整層を形成する例が示されている。
また、他の電気光学装置として、基板上に、複数の有機エレクトロルミネッセンス素子(以降、有機EL素子と表記する)と、複数の有機EL素子の間の素子間領域に設けられた絶縁膜とを有し、隣り合う有機EL素子の間の位置の該絶縁膜に溝が設けられた表示装置が開示されている(特許文献2)。
特許文献2の表示装置によれば、上記溝を設けることにより、隣り合う有機EL素子の間での駆動電流のリークを抑えることができるとしている。
特開2009−134067号公報 特開2012−216338号公報
特許文献1の電気光学装置に特許文献2に開示された技術を適用して、画素間の駆動電流のリークを抑制しようとすると、光学距離調整層に上記溝を形成する工程が必要となり、電気光学装置の製造方法が複雑になるという課題があった。
また、特許文献1の電気光学装置において、第1画素、第2画素、第3画素のそれぞれから所望の共振波長の光を取り出すには、光学距離調整層の膜厚を第1画素、第2画素、第3画素のそれぞれにおいて精度よく実現することが求められる。しかしながら、上記特許文献1の電気光学装置の製造方法では、透光膜を精度よくエッチングすることが難しいという課題があった。その理由として、例えば、上記段階的なアッシングにおいて適正なアッシング量に対して過不足が生ずれば、アッシング後のマスクの膜厚にばらつきが生じ、透光膜を所望の範囲に亘って適正なエッチング量でエッチングできないことが挙げられる。また、例えば、安定したエッチング条件(エッチング速度など)を実現することが難しく、エッチング後の透光膜の膜厚がばらつきやすいということが挙げられる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係わる電気光学装置は、基板と、前記基板上に形成された第1の画素と、前記第1の画素に隣り合う第2の画素と、を有し、前記第1の画素は、光反射性を有する反射層と、光反射性及び光透過性を有する対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、絶縁層と、第1画素電極と、発光層を含む機能層とを含み、前記第2の画素は、前記反射層と、前記対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、前記絶縁層と、第2画素電極と、前記機能層とを含み、前記反射層と前記第1画素電極との間の前記絶縁層の第1の膜厚と、前記反射層と前記第2画素電極との間の前記絶縁層の第2の膜厚とが異なり、隣り合う前記第1画素電極と前記第2画素電極との間の前記絶縁層に段差構造が形成されていることを特徴とする。
本適用例によれば、反射層と第1画素電極との間の絶縁層の第1の膜厚と、反射層と第2画素電極との間の絶縁層の第2の膜厚とを異ならせることにより、隣り合う第1画素電極と第2画素電極との間の絶縁層に段差構造が形成されている。したがって、該段差構造を設けるための工程を新たに設けずに、第1の画素と第2の画素との間のリーク電流を低減可能な電気光学装置を提供できる。
なお、反射層は、第1の画素及び第2の画素に共通に設けられていてもよいし、第1の画素に対応して設けられた反射層と第2の画素に対応して設けられた反射層とを有するものであってもよい。また、発光層は、第1の画素及び第2の画素に共通に設けられてもよいし、第1の画素に対応して設けられた発光層と第2の画素に対応して設けられた発光層とを有するものであってもよい。
上記適用例に係わる電気光学装置において、前記第1画素電極及び前記第2画素電極のそれぞれは、平面視で矩形状であり、短手方向において隣り合う前記第1画素電極と前記第2画素電極との間の前記絶縁層に前記段差構造が形成され、前記段差構造は、前記第1画素電極及び前記第2画素電極の長手方向に延びていることが好ましい。
この構成によれば、第1の画素と第2の画素との間においてリーク電流が流れ易い側に段差構造が形成されているので、リーク電流を効果的に低減することができる。
上記適用例に係わる電気光学装置において、前記絶縁層は、前記反射層側から順に積層された第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を含み、前記段差構造は、少なくとも前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を貫通して形成された凹部であることが好ましい。
上記適用例に係わる電気光学装置において、前記絶縁層は、前記反射層側から順に積層された第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を含み、前記段差構造は、少なくとも前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を用いて形成された凸部であるとしてもよい。
これらの構成によれば、絶縁層に凹部又は凸部の段差構造を設けることで、第1の画素と第2の画素との間におけるリーク電流を低減できる。
上記適用例に係わる電気光学装置において、前記第2の画素に隣り合う第3の画素をさらに有し、前記第3の画素は、前記反射層と、前記対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、前記絶縁層と、第3画素電極と、前記機能層とを含み、前記絶縁層は、前記反射層側から順に積層された第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を含み、前記第3画素電極は、前記第3絶縁層上に配置され、前記反射層と前記対向電極との間の前記絶縁層の第3の膜厚は、前記絶縁層の前記第1の膜厚及び前記第2の膜厚と異なり、隣り合う前記第2画素電極と前記第3画素電極との間の前記絶縁層に前記段差構造が形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1の画素と第2の画素との間のリーク電流の低減に加えて、第2の画素と第3の画素との間のリーク電流も低減することができる。そして、第1の画素、第2の画素、第3の画素において、例えば、赤(R)、緑(G)、青(色)の発光が得られる構成とすれば、優れたフルカラーの表示品質を有する電気光学装置を実現できる。
上記適用例に係わる電気光学装置における、前記基板上において、前記基板と前記段差構造との間には、前記反射層が設けられていないことが好ましい。
この構成によれば、第1の画素と第2の画素との間にリーク電流が生じて、意図しない発光が起ったとしても、画素間に相当する部分に反射層が設けられていないので、意図しない発光が目立ち難い、すなわち、視認され難くなる。
[適用例]本適用例に係わる電気光学装置の製造方法は、基板と、前記基板上に形成された第1の画素と、前記第1の画素に隣り合う第2の画素と、を有し、前記第1の画素は、光反射性を有する反射層と、光反射性及び光透過性を有する対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、絶縁層と、第1画素電極と、発光層を含む機能層とを含み、前記第2の画素は、前記反射層と、前記対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、前記絶縁層と、第2画素電極と、前記機能層とを含む、電気光学装置の製造方法であって、前記第1の画素及び前記第2の画素に亘って前記絶縁層を形成する工程と、前記反射層と前記第1画素電極との間の前記絶縁層の第1の膜厚と、前記反射層と前記第2画素電極との間の前記絶縁層の第2の膜厚とが異なるように、前記絶縁層をエッチングすると共に、隣り合う前記第1画素電極と前記第2画素電極との間の前記絶縁層をエッチングして段差構造を形成する工程と、前記第1の膜厚を有する前記絶縁層上に前記第1画素電極を形成すると共に、前記第2の膜厚を有する前記絶縁層上に前記第2画素電極を形成する画素電極形成工程と、前記第1画素電極と前記第2画素電極とに接する前記機能層を形成する工程と、前記機能層を覆う前記対向電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
本適用例に係わる電気光学装置の製造方法によれば、反射層と第1画素電極との間の絶縁層の第1の膜厚と、反射層と第2画素電極との間の絶縁層の第2の膜厚とが異なるように絶縁層をエッチングする工程で、隣り合う第1画素電極と第2画素電極との間の絶縁層に段差構造を形成する。したがって、該段差構造を設けるための工程を新たに設けずに、第1の画素と第2の画素との間のリーク電流を低減可能な電気光学装置の製造方法を提供できる。
上記適用例に係わる電気光学装置の製造方法において、前記絶縁層をエッチングする工程では、隣り合う前記第1画素電極と前記第2画素電極との間の前記絶縁層をエッチングして前記段差構造としての凹部を形成することを特徴とする。
上記適用例に係わる電気光学装置の製造方法において、前記絶縁層をエッチングする工程では、隣り合う前記第1画素電極と前記第2画素電極との間の前記絶縁層をエッチングして前記段差構造としての凸部を形成するとしてもよい。
これらの方法によれば、絶縁層をエッチングして段差構造としての凹部又は凸部を形成するので、第1の画素と第2の画素との間におけるリーク電流を低減できる。
上記適用例に係わる電気光学装置の製造方法において、前記絶縁層を形成する工程では、前記反射層側から順に、第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を積層して形成し、前記絶縁層をエッチングする工程では、前記第3絶縁層をエッチングして、前記第1画素電極及び前記第2画素電極とに対応した位置に第1開口を形成する工程と、前記第1開口に露出した前記第2絶縁層をエッチングして、前記第1画素電極に対応した位置に第2開口を形成する工程とを含み、前記画素電極形成工程では、前記第2開口において前記第1絶縁層上に前記第1画素電極を形成し、前記第1開口において前記第2絶縁層上に前記第2画素電極を形成することを特徴とする。
この方法によれば、第3絶縁層をエッチングして第1開口を形成してから、第2絶縁層をエッチングして第2開口を形成する。したがって、前述した特許文献1のように1つの絶縁層を段階的にエッチングする場合に比べて、第1絶縁層はエッチングされないので、反射層と第1画素電極との間、及び反射層と第2画素電極との間の絶縁層のエッチングに起因する膜厚すなわち光学的な距離のばらつきを抑えることができる。ゆえに、所望の光学特性が得られる第1の画素と第2の画素とを備えた電気光学装置を製造できる。
上記適用例に係わる電気光学装置の製造方法において、前記基板上に形成された第3の画素をさらに有し、前記第3の画素は、前記反射層と、前記対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、前記絶縁層と、第3画素電極と、前記機能層とを含み、前記絶縁層をエッチングする工程では、前記反射層と前記第3画素電極との間の前記絶縁層の第3の膜厚と、前記絶縁層の前記第1の膜厚及び前記第2の膜厚とが異なるように、前記絶縁層をエッチングすると共に、隣り合う前記第2画素電極と前記第3画素電極との間の前記絶縁層をエッチングして前記段差構造を形成することを特徴とする。
この方法によれば、第1の画素と第2の画素との間のリーク電流の低減に加えて、第2の画素と第3の画素との間のリーク電流も低減することができる。そして、第1の画素、第2の画素、第3の画素において、例えば、赤(R)、緑(G)、青(色)の発光が得られる構成とすれば、優れたフルカラーの表示品質を有する電気光学装置を製造できる。
上記適用例に係わる電気光学装置の製造方法における、前記基板上において、前記第1画素電極、前記第2画素電極、前記第3画素電極と対応するように前記反射層を形成する工程を有し、前記反射層を形成する工程では、前記基板と前記段差構造との間の前記反射層を除去する工程を含むことが好ましい。
この方法によれば、第1の画素と第2の画素との間にリーク電流が生じて、予期しない発光が起ったとしても、画素間に相当する部分の反射層が除去されているので、予期しない発光が目立ち難い、すなわち、視認され難い電気光学装置を製造することができる。
[適用例]本適用例に係わる電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
また、本適用例に係わる他の電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置の製造方法を用いて形成された電気光学装置を備えたことを特徴とする。
これらの適用例によれば、画素間におけるリーク電流が低減されると共に、所望の光学特性が実現され、優れた表示品質を有する電子機器を提供できる。
第1実施形態の電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す概略平面図。 発光画素の電気的な構成を示す等価回路図。 発光画素の構成を示す概略平面図。 発光画素をX方向に沿って切ったときの構造を示す概略断面図。 発光画素をY方向に沿って切ったときの構造を示す概略断面図。 電源線の配置を示す概略平面図。 第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(f)は第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示す概略断面図。 第2実施形態の有機EL装置における発光画素の構成を示す概略平面図。 第2実施形態の有機EL装置における発光画素の構造を示す概略断面図。 第2実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(f)は第2実施形態の有機EL装置の製造方法を示す概略断面図。 電子機器の一例としてのヘッドマウントディスプレイを示す概略図。 変形例の有機EL装置の発光画素の構造を示す概略断面図。 (a)及び(b)は変形例の段差構造を示す概略平面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大又は縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、又は基板の上に他の構成物を介して配置される場合、又は基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1実施形態)
<電気光学装置>
まず、本実施形態の電気光学装置の一例として、有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置と呼ぶ)を挙げ、図1〜図3を参照して説明する。
図1は第1実施形態の電気光学装置としての有機EL装置の構成を示す概略平面図、図2は発光画素の電気的な構成を示す等価回路図、図3は発光画素の構成を示す概略平面図である。
図1に示すように、本実施形態の電気光学装置としての有機EL装置100は、基板としての素子基板10と、素子基板10の表示領域Eにマトリックス状に配置された複数の発光画素20と、複数の発光画素20を駆動制御する周辺回路であるデータ線駆動回路101及び走査線駆動回路102と、外部回路との電気的な接続を図るための複数の外部接続用端子103とを備えている。
発光画素20は、青色(B)の発光が得られる発光画素20Bと、緑色(G)の発光が得られる発光画素20Gと、赤色(R)の発光が得られる発光画素20Rとがある。また、同色の発光が得られる発光画素20が図面上において縦方向に配列し、異なる色の発光が得られる発光画素20が、図面上において横方向にB,G,Rの順に繰り返して配置されている。このような発光画素20の配置は、ストライプ方式と呼ばれるものであるが、これに限定されるものではない。例えば、異なる色の発光が得られる発光画素20の横方向における配置は、B,G,Rの順でなくてもよく、例えば、R,G,Bの順としてもよい。
以降、同色の発光が得られる発光画素20が配列した縦方向をY方向とし、Y方向に直交する方向をX方向として説明する。
発光画素20の詳しい構成については後述するが、本実施形態における発光画素20B,20G,20Rのそれぞれは、発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と呼ぶ)と、B,G,Rの各色に対応するカラーフィルターとを備え、有機EL素子からの発光をB,G,Rの各色に変換してフルカラー表示を可能とするものである。また、有機EL素子からの発光波長範囲のうち特定の波長の輝度を向上させる光共振構造が発光画素20B,20G,20Rごとに構築されている。
有機EL装置100において、発光画素20B,20G,20Rは、サブ画素として機能するものであり、B,G,Rに対応する発光が得られる3つの発光画素20B,20G,20Rにより、画像表示における1つの画素単位が構成されている。なお、画素単位の構成はこれに限定されず、B,G,R以外の発光色(白色を含む)が得られる発光画素20が画素単位に含まれていてもよい。
素子基板10の第1辺部に沿って、複数の外部接続用端子103がX方向に配列して設けられている。また、Y方向において外部接続用端子103と表示領域Eとの間にデータ線駆動回路101が配置され、X方向に延在している。また、X方向において表示領域Eを挟んで互いに対向するように一対の走査線駆動回路102が設けられている。
前述したように表示領域Eには、複数の発光画素20がマトリックス状に設けられており、素子基板10には、図2に示すように、発光画素20に対応する信号線として、走査線11、データ線12、点灯制御線13、電源線14が設けられている。
本実施形態では、走査線11と点灯制御線13とがX方向に並行して延びており、データ線12と電源線14とがY方向に並行して延びている。
表示領域Eには、マトリックス状に配置された複数の発光画素20におけるM行に対応して複数の走査線11と複数の点灯制御線13とが設けられ、図1に示した一対の走査線駆動回路102のそれぞれに接続されている。また、マトリックス状に配置された複数の発光画素20におけるN列に対応して複数のデータ線12と複数の電源線14とが設けられ、複数のデータ線12は、図1に示したデータ線駆動回路101に接続され、複数の電源線14は複数の外部接続用端子103のうちいずれかと接続されている。
走査線11とデータ線12との交差部付近に、発光画素20の画素回路を構成する第1トランジスター21、第2トランジスター22、第3トランジスター23、蓄積容量24、そして発光素子である有機EL素子30が設けられている。
有機EL素子30は、陽極である画素電極31と、陰極である対向電極33と、これらの電極間に挟まれた、発光層を含む機能層32とを有している。対向電極33は、複数の発光画素20に跨って共通に設けられた電極であり、例えば、電源線14に与えられる電源電圧Vddに対して、低位の基準電位VssやGNDの電位が与えられる。
第1トランジスター21及び第3トランジスター23は、例えばnチャネル型のトランジスターである。第2トランジスター22は、例えばpチャネル型のトランジスターである。
第1トランジスター21のゲート電極は走査線11に接続され、一方の電流端はデータ線12に接続され、他方の電流端は第2トランジスター22のゲート電極と、蓄積容量24の一方の電極とに接続されている。
第2トランジスター22の一方の電流端は、電源線14に接続されると共に蓄積容量24の他方の電極に接続されている。第2トランジスター22の他方の電流端は、第3トランジスター23の一方の電流端に接続されている。言い換えれば、第2トランジスター22と第3トランジスター23とは一対の電流端のうち1つの電流端を共有している。
第3トランジスター23のゲート電極は点灯制御線13に接続され、他方の電流端は有機EL素子30の画素電極31に接続されている。
第1トランジスター21、第2トランジスター22及び第3トランジスター23のそれぞれにおける一対の電流端は、一方がソースであり、他方がドレインである。
このような画素回路において、走査線駆動回路102から走査線11に供給される走査信号Yiの電圧水準がHiレベルになると、nチャネル型の第1トランジスター21がオン状態(ON)となる。オン状態(ON)の第1トランジスター21を介してデータ線12と蓄積容量24とが電気的に接続される。そして、データ線駆動回路101からデータ線12にデータ信号が供給されると、データ信号の電圧水準Vdataと電源線14に与えられた電源電圧Vddとの電位差が蓄積容量24に蓄積される。
走査線駆動回路102から走査線11に供給される走査信号Yiの電圧水準がLowレベルになると、nチャネル型の第1トランジスター21がオフ状態(OFF)となり、第2トランジスター22のゲート・ソース間電圧Vgsは、電圧水準Vdataが与えられたときの電圧に保持される。また、走査信号YiがLowレベルになった後に、点灯制御線13に供給される点灯制御信号Vgiの電圧水準がHiレベルとなり、第3トランジスター23がオン状態(ON)となる。そうすると、第2トランジスター22のソース・ドレイン間には、第2トランジスター22のゲート・ソース電圧Vgsに応じた電流が流れる。この電流は、具体的には、電源線14から第2トランジスター22及び第3トランジスター23を経由して、有機EL素子30に至る経路で流れる。
有機EL素子30は、有機EL素子30を流れる電流の大きさに応じて発光する。有機EL素子30を流れる電流は、第2トランジスター22のゲート・ソース間の電圧Vgsで設定される第2トランジスター22と有機EL素子30の動作点によって定まる。第2トランジスター22のゲート・ソース間の電圧Vgsは、走査信号YiがHiレベルのときに、データ線12の電圧水準Vdataと電源電圧Vddとの電位差によって蓄積容量24に保持された電圧である。このように、発光画素20は、データ信号における電圧水準Vdata及び第3トランジスター23がオン状態になる期間の長さによって発光輝度が規定される。つまり、データ信号における電圧水準Vdataの値により、発光画素20において画像情報に応じた輝度の階調性を与えることができ、フルカラー表示を可能としている。
なお、本実施形態において、発光画素20の画素回路は、3つのトランジスター21,22,23を有することに限定されず、スイッチング用トランジスターと駆動用トランジスターとを有する構成としてもよい。また画素回路を構成するトランジスターは、nチャネル型のトランジスターでもよいし、pチャネル型のトランジスターでもよいし、nチャネル型のトランジスター及びpチャネル型のトランジスターの双方を備えるものであってもよい。また、発光画素20の画素回路を構成するトランジスターは、半導体基板にアクティブ層を有するMOS型トランジスターであってもよいし、薄膜トランジスターであってもよいし、電界効果トランジスターであってもよい。
また、走査線11、データ線12以外の信号線である点灯制御線13、電源線14の配置は、トランジスターや蓄積容量24の配置により左右され、これに限定されるものではない。
本実施形態では、発光画素20の画素回路を構成するトランジスターとして、半導体基板にアクティブ層を有するMOS型トランジスターを採用した例について、以降説明する。
<発光画素の構成>
発光画素20の具体的な構成について図3を参照して説明する。図3に示すように、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれは、平面視で矩形状となっており、長手方向がY方向に沿って配置されている。発光画素20B,20G,20Rのそれぞれには、図2に示した等価回路の有機EL素子30が設けられている。発光画素20B,20G,20Rごとに設けられた有機EL素子30を区別するため、有機EL素子30B,30G,30Rとして説明することもある。また、有機EL素子30の画素電極31を発光画素20B,20G,20Rごとに区別するため、画素電極31B,31G,31Rとして説明することもある。
発光画素20Bには画素電極31Bと、画素電極31Bと第3トランジスター23とを電気的に接続させるコンタクト部31Bcとが設けられている。同様に、発光画素20Gには画素電極31Gと、画素電極31Gと第3トランジスター23とを電気的に接続させるコンタクト部31Gcとが設けられている。発光画素20Rには画素電極31Rと、画素電極31Rと第3トランジスター23とを電気的に接続させるコンタクト部31Rcとが設けられている。
各画素電極31B,31G,31Rも平面視で矩形状であり、長手方向の上方側に各コンタクト部31Bc,31Gc,31Rcがそれぞれ配置されている。
発光画素20B,20G,20Rのそれぞれは、隣り合う画素電極31同士を電気的に絶縁すると共に、画素電極31B,31G,31R上に機能層32(図4参照)と接する領域を規定する開口29B,29G,29Rが形成された絶縁構造を有している。
また、該絶縁構造は、X方向に隣り合う発光画素20Bと発光画素20Gとの間、及び発光画素20Gと発光画素20Rとの間の境界に相当する位置に設けられた段差構造としての凹部28aを有している。凹部28aは、矩形状の発光画素20B,20G,20Rの長手方向に沿って設けられている。発光画素20B,20G,20Rは矩形状であることに限定されず、一方の辺部の長さが他方の辺部に比べて長ければよく、円弧で構成された辺部を有するトラック状や楕円形でもよい。凹部28aの詳しい構成と構造については、後述する。
なお、本実施形態において、発光画素20Bが本発明の第1の画素に相当するものであり、発光画素20Gが本発明の第2の画素に相当するものであり、発光画素20Rが本発明の第3の画素に相当するものである。したがって、画素電極31Bが本発明の第1画素電極に相当し、画素電極31Gが本発明の第2画素電極に相当し、画素電極31Rが本発明の第3画素電極に相当するものである。
また、有機EL素子30B,30G,30Rの機能層32に対して電荷を注入する画素電極31B,30G,30Rとして実質的に機能するのは、上記絶縁構造における開口29B,29G,29Rによって規定され、それぞれ機能層32と接する部分である。したがって、画素電極31B,31G,31Rのそれぞれにおいて、後述する第4絶縁層29(図4、図5参照)で覆われる部分は、上記各コンタクト部31Bc,31Gc,31Rcを経由して、第3トランジスター23に電気的に接続される配線部分である。すなわち、機能層32と接する画素電極31B,31G,31Rの部分が、本発明における第1画素電極、第2画素電極、第3画素電極に相当するものであると言い換えることもできる。
また、凹部28aの短手方向の幅は、開口29B,29G,29R内の実質的に機能する画素電極31B,31G,31R間のスペースに対して、半分以上の長さであることが好ましい。例えば、本実施形態では、開口29B,29G,29Rの大きさが4μm×12μmで、その間隔が1μm、凹部28aの短手方向の幅は、0.5μmである。
<発光画素の構造>
次に、発光画素20の構造について、図4及び図5を参照して説明する。図4は発光画素をX方向に沿って切ったときの構造を示す概略断面図、図5は発光画素をY方向に沿って切ったときの構造を示す概略断面図である。なお、図4では画素回路のうち、第1トランジスター21及び第2トランジスター22と、第1トランジスター21及び第2トランジスター22に関連する配線などを示し、第3トランジスター23の図示を省略している。図5では画素回路のうち、第2トランジスター22及び第3トランジスター23と、第2トランジスター22及び第3トランジスター23に関連する配線などを示し、第1トランジスター21の図示を省略している。また、図5は発光画素20GをY方向に沿って切ったときの構造を示すものである。
図4に示すように、有機EL装置100は、発光画素20B,20G,20R、カラーフィルター50などが形成された素子基板10と、透光性の封止基板70とを備えている。素子基板10と封止基板70とは、接着性と透明性とを兼ね備えた樹脂層60によって貼り合わされている。カラーフィルター50は、B,G,Rの各色に対応したフィルター層50B,50G,50Rを有している。各フィルター層50B,50G,50Rは、素子基板10において、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれに対応して配置されている。機能層32から発せられた光は、対応するフィルター層50B,50G,50Rのいずれかを透過して封止基板70側から射出される。つまり、有機EL装置100は、トップエミッション構造となっている。
素子基板10の基材10sは、有機EL装置100がトップエミッション構造であることから、透明なガラス基板だけでなく、不透明なセラミック基板や半導体基板を用いることができる。
本実施形態では、基材10sとして半導体基板を用いている。半導体基板は例えばシリコン基板である。
基材10sには、半導体基板にイオンを注入することによって形成されたウェル部10wと、ウェル部10wとは異なる種類のイオンをウェル部10wに注入することにより形成されたアクティブ層であるイオン注入部10dとが設けられている。ウェル部10wは、発光画素20におけるトランジスター21,22,23のチャネルとして機能し、イオン注入部10dは、発光画素20におけるトランジスター21,22,23のソース・ドレインや配線の一部として機能するものである。
次に、イオン注入部10dやウェル部10wが形成された基材10sの表面を覆う絶縁膜10aが形成される。絶縁膜10aはゲート絶縁膜として機能するものである。絶縁膜10a上に例えばポリシリコンなどの導電膜が成膜され、これをパターニングしてゲート電極22gが形成される。ゲート電極22gは、第2トランジスター22のチャネルとして機能するウェル部10wに対向するように配置されている。他の第1トランジスター21や第3トランジスター23においても同様にゲート電極が配置されている。
次に、ゲート電極22gを覆う第1層間絶縁膜15が形成される。そして、第1層間絶縁膜15を貫通して、例えば第1トランジスター21のドレインや第2トランジスター22のゲート電極22gに至るコンタクトホールが形成される。このコンタクトホール内を少なくとも被覆し、第1層間絶縁膜15の表面を覆う導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、例えば、第1トランジスター21のドレイン電極21dと第2トランジスター22のゲート電極22gとに接続される配線が形成される。
次に、第1層間絶縁膜15上の各種配線を覆う第2層間絶縁膜16が形成される。そして、第2層間絶縁膜16を貫通して、第1層間絶縁膜15上に形成された配線に至るコンタクトホールが形成される。このコンタクトホール内を被覆し、第2層間絶縁膜16の表面を覆う導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、例えば、蓄積容量24の一方の電極24aと、該一方の電極24aと第2トランジスター22のゲート電極22gとを電気的に接続させるコンタクト部とが形成される。また、一方の電極24aと同層にデータ線12が形成される。データ線12は、図4では図示省略された配線によって、第1トランジスター21のソースに接続されている。
次に、少なくとも一方の電極24aを覆う誘電体層(図4では図示を省略している)が形成される。また、誘電体層を挟んで一方の電極24aに対向する位置に蓄積容量24の他方の電極24bが形成される。これにより、一対の電極24a,24b間に誘電体層を有する蓄積容量24が形成される。
次に、データ線12及び蓄積容量24を覆う第3層間絶縁膜17が形成される。第3層間絶縁膜17を貫通して、例えば、蓄積容量24の他方の電極24bや第2層間絶縁膜16上に形成された配線に至るコンタクトホールが形成される。このコンタクトホール内を少なくとも被覆し、第3層間絶縁膜17の表面を覆う導電膜が成膜され、これをパターニングすることにより、電源線14や電源線14と他方の電極24bとを接続させるコンタクト部が形成される。
図6は電源線の配置を示す概略平面図である。本実施形態では、電源線14は光反射性と導電性とを兼ね備えた、例えばAl(アルミニウム)やAg(銀)などの金属、あるいはこれらの金属の合金を用いて形成される。また、電源線14には、図6に示すように、開口14aと開口14bとが形成されている。平面視で矩形状の開口14aは、X方向において隣り合う発光画素20Bと発光画素20Gとの間、及び発光画素20Gと発光画素20Rとの間の境界に対応してY方向に延在するように形成されている。つまり、開口14aは、前述した段差構造としての凹部28aと重なる部分に形成されている。同じく平面視で矩形状の開口14bは、発光画素20B,20G,20Rのコンタクト部31Bc,31Gc,31Rcと重なる部分に形成されている。また、電源線14は、画素電極31B,31G,31Rと対向し、発光画素20B,20G,20Rが設けられた表示領域Eに亘る平面を構成するように形成される。電源線14の画素電極31B,31G,31Rと対向する部分が反射層として機能する。
なお、導電性を有する材料で電源線14を形成し、電源線14と画素電極31B,31G,31Rとの間に反射層を設ける構成としてもよい。該反射層は、画素電極31B,31G,31Rのそれぞれに対して、共通に設けてもよいし、独立して設けてもよい。
ここで、図5を参照して、発光画素20(発光画素20G)におけるY方向の断面構造について説明する。図5に示すように、基材10sには、第2トランジスター22と第3トランジスター23とが共用するウェル部10wが設けられている。当該ウェル部10wには、3つのイオン注入部10dが設けられている。3つのイオン注入部10dのうち中央側に位置するイオン注入部10dは、第2トランジスター22と第3トランジスター23とが共用するドレイン22d(23d)として機能するものである。当該ウェル部10wを覆う絶縁膜10aが設けられる。そして、絶縁膜10aを覆って例えばポリシリコンなどの導電膜が成膜され、この導電膜をパターニングすることによって、絶縁膜10a上に、第2トランジスター22のゲート電極22g及び第3トランジスター23のゲート電極23gが形成される。ゲート電極22g,23gのそれぞれは、中央側のイオン注入部10dと端側のイオン注入部10dとの間のウェル部10wにおけるチャネルとして機能する部分に対向するように配置されている。
次に、第2トランジスター22のゲート電極22gは、第1層間絶縁膜15と第2層間絶縁膜16とを貫通するコンタクトホールによって、第2層間絶縁膜16上に設けられた蓄積容量24の一方の電極24aに接続されている。第2トランジスター22のソース電極22sは、第2層間絶縁膜16及び第3層間絶縁膜17を貫通するコンタクトホールによって、第3層間絶縁膜17上に設けられた電源線14に接続されている。
第3トランジスター23のゲート電極23gは、第1層間絶縁膜15を貫通するコンタクトホールによって、第1層間絶縁膜15上に設けられた点灯制御線13に接続されている。第1層間絶縁膜15上には、点灯制御線13以外に走査線11が設けられている。走査線11は、図5には図示されていないコンタクトホールを経由して、第1トランジスター21のゲートに接続されている。
第3トランジスター23のソース電極23sは、第2層間絶縁膜16及び第3層間絶縁膜17を貫通するコンタクホールと、さらに絶縁層28を貫通するコンタクトホール107とによって、絶縁層28(第3絶縁層27)上に設けられた配線106に接続されている。配線106は、発光画素20Gのコンタクト部31Gcに対応して設けられたものであり、当該コンタクト部31Gcにおいて配線106と画素電極31Gとが接することにより、電気的な接続が図られている。
発光画素20B,20Rの画素電極31B,31Rのそれぞれと対応する第3トランジスター23のソース電極23sとの電気的な接続は、発光画素20Gと同様にコンタクト部31Bc、コンタクト部31Rcを介して行われている(図3参照)。
有機EL素子30は、反射層として機能する電源線14上に設けられている。また、発光画素20B,20G,20Rごとに異なる共振波長の光を取り出すことができる光共振構造が電源線14上に構築されている。電源線14は、前述したように、平面視で発光画素20B,20G,20Rが設けられた表示領域Eに亘って第3層間絶縁膜17の表面を覆うように形成されている。また、電源線14は、段差構造としての凹部28aと重なる部分と、コンタクト部31Bc,31Gc、31Rcと重なる部分とが除去されるようにパターニングされている。したがって、電源線14よりも下層に設けられた画素回路の構成による凹凸が、電源線14よりも上層に設けられる光共振構造に影響を及ぼし難い構造となっている。
電源線14よりも上層に設けられる光共振構造は、本発明の特徴部分に相当するので、以降、本実施形態の電気光学装置の製造方法として、図7、図8を参照して具体的に説明する。図7は第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート、図8(a)〜(f)は第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示す概略断面図である。なお、図8は図4における発光画素20B,20G,20RのX方向の概略断面図に相当するものであって、基材10sにおける電源線14よりも下層に設けられた画素回路や配線の図示を省略している。
<電気光学装置の製造方法>
本実施形態の電気光学装置としての有機EL装置100の製造方法は、図7に示すように、絶縁層の形成工程(ステップS1)、開口・凹部の形成工程(ステップS2)、画素電極の形成工程(ステップS3)、第4絶縁層の形成工程(ステップS4)、機能層の形成工程(ステップS5)、対向電極の形成工程(ステップS6)を含んでいる。なお、開口・凹部の形成工程が、本発明における絶縁層のエッチング工程に相当するものである。
図7のステップS1では、図8(a)に示すように、電源線14を覆うように第1絶縁層25を形成する。続いて、第1絶縁層25に第2絶縁層26、第3絶縁層27を積層形成する。本実施形態では、第1絶縁層25を形成する絶縁材料として窒化シリコン(SiN)が用いられている。第2絶縁層26、第3絶縁層27を形成する絶縁材料として酸化シリコン(SiO2)が用いられている。このように、異なる絶縁材料が用いられているのは、この後に行われる第2絶縁層26及び第3絶縁層27のパターニングにおいて、第1絶縁層25に対してエッチング選択比を持たせるためである。積層された第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27を総称して絶縁層28と呼ぶ。そして、ステップS2へ進む。なお、上記第1絶縁層25を形成する前に、電源線14は、隣り合う発光画素20B,20G,20Rの間の境界にあたる部分に開口14aが開口するようにパターニングされている。
次に、図7のステップS2では、まず、図8(b)に示すように、絶縁層28を覆う感光性レジスト層を形成し、露光・現像することによりレジストパターン81を形成する。レジストパターン81には、発光画素20Bと発光画素20Gとに対応した電源線14の上方において開口する開口81aと、X方向において隣り合う発光画素20間に相当する境界部分に開口する開口81bとが形成される。発光画素20Rに対応した電源線14の上方に位置する第3絶縁層27の部分は感光性レジスト層で覆われる。そして、開口81aと開口81bとに露出した第3絶縁層27を部分的にエッチングして、図8(c)に示すように、平面視で発光画素20Bの画素電極31Bと発光画素20Gの画素電極31Gとがそれぞれ後に配置される開口27cを形成する。また、発光画素20間に開口27bを形成する。基材10sに形成された絶縁層28の表面に対して法線方向から見れば、図3に示すように、発光画素20Bと発光画素20Gとに亘って開口する開口27aが形成される。第3絶縁層27に形成された開口27aは、発光画素20Bと発光画素20Gとに対応してそれぞれ形成された開口27cと、発光画素20B,20G,20Rの間に形成された開口27bとを含むものであり、本発明の第1開口の一例である。
続いて、図8(d)に示すように、絶縁層28を覆う感光性レジスト層を形成し、露光・現像することによりレジストパターン82を形成する。レジストパターン82には、第3絶縁層27の発光画素20Bに対応して形成された開口27cを露出させる開口82aが形成される。また、第3絶縁層27の開口27bを露出させる開口82bが形成される。発光画素20Gに対応して形成された開口27cと、発光画素20Rに対応する電源線14の上方に位置する第3絶縁層27の部分は感光性レジスト層で覆われる。そして、開口82a及び開口82b内に露出させた第2絶縁層26を部分的にエッチングして、図8(e)に示すように、平面視で発光画素20Bの画素電極31Bが後に配置される開口26cを形成する。開口26cは本発明の第2開口の一例である。また、X方向において隣り合う発光画素20B,20G,20Rの間において第2絶縁層26と第3絶縁層27とを貫通する凹部28aを形成する。第2絶縁層26に形成された開口26cと凹部28aを含む部分が図3に示した開口26aに相当する。酸化シリコンを用いて形成された第2絶縁層26及び第3絶縁層27のエッチング方法としては、例えばCF4、C28などのフッ素を含む処理ガスを用いたドライエッチング法を用いることが好ましい。そして、ステップS3へ進む。
図7のステップS3では、図8(f)に示すように、開口26c,27c及び凹部28aを被覆すると共に、第3絶縁層27を覆う透明導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、開口26c内の第1絶縁層25上に画素電極31Bを形成し、開口27c内の第2絶縁層26上に画素電極31Gを形成し、第3絶縁層27上に画素電極31Rを形成する。透明導電膜は例えばITO(Indium Tin Oxide)膜、IZO(Indium Zinc Oxide)膜である。画素電極31B,31G,31Rの膜厚は、それぞれおよそ100nmである。これにより、電源線14と画素電極31Bとの間には第1絶縁層25が存在し、電源線14と画素電極31Gとの間には第1絶縁層25と第2絶縁層26とが存在し、電源線14と画素電極31Rとの間には第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27が存在することになる。以降、電源線14と画素電極31との間に配置された絶縁層の層数に係わらず、これを絶縁層28と呼ぶこととする。第1絶縁層25の平均膜厚をd1とし、第2絶縁層26の平均膜厚をd2とし、第3絶縁層27の平均膜厚をd3とすると、画素電極31B,31G,31Rの間の絶縁層28の膜厚はd1となり、d2にd3を加えた値に相当する段差が画素電極31B,31G,31Rの間に生ずる。
そして、図7のステップS4では、図8(f)に示すように、画素電極31B,31G,31Rと凹部28aとを覆う第4絶縁層29が形成される。第4絶縁層29は例えば酸化シリコン(SiO2)を用いて形成される。そして、この後に形成される機能層32と各画素電極31B,31G,31Rとが接する領域を規定するために、第4絶縁層29を部分的にエッチングして、画素電極31B,31G,31R上に開口する開口29B,29G,29Rを形成する(図3及び図4参照)。第4絶縁層29の膜厚はおよそ60nmである。第4絶縁層29のエッチングも第3絶縁層27と同様にドライエッチング法を用いることが好ましい。そして、ステップS5へ進む。
図7のステップS5では、画素電極31B,31G,31Rが配置された表示領域Eに亘って、上記開口29B,29G,29Rを埋めるように機能層32を形成する(図4参照)。
機能層32は、発光材料として有機半導体材料が用いられた発光層を含んでおり、例えば、画素電極31側から順に積層された、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含んで構成される。機能層32の構成は、特に限定されるものではなく、公知の構成を適用することができる。例えば、機能層32は、B(青),G(緑),R(赤)の各発光色が得られる発光層を含んで白色発光を実現するものや、B(青)と橙の発光色が得られる発光層を含んで擬似白色発光を実現するものでもよい。また、発光層は、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれに対して共通に設けられることに限定されず、機能層32は、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれに対応した発光色が得られる発光層を含んでいてもよい。さらに、発光効率などを改善する目的で、発光層に注入されるキャリアとしての正孔や電子の移動を助けたり、妨げたりする中間層を含む構成としてもよい。
機能層32を構成する各層の形成方法についても特に限定されるものではなく、例えば、真空蒸着法などの気相プロセスやインクジェット法などの液相プロセスを用いることができる。あるいは気相プロセスと液相プロセスの両方を組み合わせて機能層32を形成してもよい。そして、ステップS6へ進む。
図7のステップS6では、少なくとも表示領域Eに亘って機能層32を覆うように共通の陰極である対向電極33を形成する。本実施形態では、対向電極33は、光反射性と光透過性とを有するように、例えば、Agを含む合金(MgAgなど)を用い膜厚を制御して形成する。対向電極33は、水分や熱などによる機能層32の損傷を考慮して、真空蒸着法などの気相プロセスを用いて形成することが好ましい。これにより、発光画素20B,20G,20Rごとに有機EL素子30が形成される(図4参照)。
次に、表示領域Eに形成された複数の有機EL素子30を覆う封止層40を形成する。本実施形態では、封止層40は、対向電極33の表面を覆う第1封止膜41と、緩衝層42と、緩衝層42を覆う第2封止膜43とにより構成されている。
第1封止膜41は、水分や酸素などのガスを透過し難いガスバリア性、且つ透明性が得られる、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化チタンなどの金属酸化物などの無機化合物を用いて形成する。形成方法としては、低温で緻密な膜を形成可能な気相プロセスを用いることが好ましく、例えば、プラズマCVD法やECRプラズマスパッタ法などの高密度プラズマ成膜法や、真空蒸着法、イオンプレーティング法を挙げることができる。第1封止膜41の膜厚はおよそ200nm〜400nmである。
第1封止膜41の表面は、下層に設けられた有機EL素子30などの構造体の影響を受けて凹凸が生ずる。本実施形態では、該凹凸や異物の付着などに起因する第2封止膜43の封止機能の低下を防止するために、第1封止膜41の表面のうち少なくとも表示領域Eを覆い、少なくとも表示領域Eにおける該凹凸を緩和して平坦化する緩衝層42を形成する。
緩衝層42は、例えば、透明性を有する有機樹脂を溶媒に溶解させた溶液を用い、印刷法やスピンコート法で該溶液を塗布して乾燥することにより形成された有機樹脂層である。有機樹脂としては、エポキシ樹脂などを挙げることができる。第1封止膜41の表面の該凹凸を緩和したり、第1封止膜41に付着した異物を覆って平坦化することから、その膜厚は、1μm〜5μmが好ましく、本実施形態では、エポキシ樹脂を用いて膜厚がおよそ3μmの緩衝層42を形成した。緩衝層42は、平面視で少なくとも機能層32を覆うように形成され、且つ対向電極33を覆うように形成されることが好ましい。緩衝層42を少なくとも機能層32を覆うように形成することで、機能層32の端部での凹凸を緩和することができる。なお、緩衝層42は、表示領域Eに加えて、周辺回路(データ線駆動回路101及び一対の走査線駆動回路102)の表示領域E側の少なくとも一部を覆うように形成してもよい(図1参照)。
次に、緩衝層42を覆う第2封止膜43を形成する。第2封止膜43は、第1封止膜41と同様に、透明性とガスバリア性とを兼ね備え、耐水性、耐熱性に優れた無機化合物を用いて形成される。無機化合物としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンが挙げられる。第2封止膜43は、第1封止膜41と同じ方法を用いて形成することができる。第2封止膜43の膜厚は、成膜時にクラックが生じないように、200nm〜700nmの範囲で成膜されることが好ましく、300nm〜400nmの範囲で成膜することがより好ましい。これにより、少なくとも表示領域Eにおいて、緩衝層42を挟んで第1封止膜41と第2封止膜43とが積層された封止層40ができあがる(図4及び図5参照)。封止層40のうちの緩衝層42が対向電極33を覆うように形成すれば、第1封止膜41とこれに直接積層した第2封止膜43により、対向電極33の端部を覆うことができる。
周辺回路(データ線駆動回路101及び一対の走査線駆動回路102)と素子基板10の端面との間の領域では、第1封止膜41と第2封止膜43とが接して積層されている。素子基板10の第1辺部側において、第1封止膜41、第2封止膜43を貫通する開口が設けられ、開口内に外部接続用端子103が位置している(図1参照)。
次に、図4及び図5に示すように、封止層40上にカラーフィルター50を形成する。カラーフィルター50は、発光画素20B,20G,20Rに対応したフィルター層50B,50G,50Rを有するものである。フィルター層50B,50G,50Rのそれぞれは、例えば、染料や顔料などの色材が溶解あるいは分散された感光性樹脂材料を含む溶液を塗布して乾燥することにより得られた感光性樹脂層を露光・現像することにより形成される。したがって、3色のフィルター層50B,50G,50Rを形成する場合、少なくとも3回の露光・現像が行われる。図4では、フィルター層50B,50G,50Rの膜厚が同じであるように示されているが、実際には、有機EL素子30からの発光が各フィルター層50B,50G,50Rを透過したときに、適正な色度やホワイトバランスなどの光学特性が得られるように、1.0μm〜2.0μmの範囲内でフィルター層50B,50G,50Rの膜厚がそれぞれ調整される。
また、フィルター層50B,50G,50Rは平面視でそれぞれ対応する画素電極31B,31G,31Rと重なり合うように露光・現像されている。さらに、隣り合うフィルター層の境界は、画素電極間に位置して、一方のフィルター層に対して他方のフィルター層の一部が重なるように露光・現像されていてもよい。
基材10s上に形成された、画素回路、有機EL素子30、封止層40、カラーフィルター50を含む素子基板10は、接着性と透明性とを兼ね備えた樹脂層60を介して封止基板70と貼り合わされる(図4及び図5参照)。樹脂層60は、例えば、熱硬化型や光硬化型のエポキシ樹脂材料などを用いることができる。該樹脂材料を素子基板10に塗布した後に、封止基板70を素子基板10に押圧して、該樹脂材料を所定の範囲に押し広げた後に硬化させる。これにより、有機EL装置100ができあがる。
本実施形態では、有機EL素子30から発せられた光がカラーフィルター50を透過することで、発光画素20B,20G,20Rごとに所望の発光色が得られる構成となっている。加えて、発光画素20B,20G,20Rごとに反射層として機能する電源線14と対向電極33との間で光共振構造が構築されており、B,G,Rの各発光色に対応した共振波長において輝度が強調された発光が得られる。
発光画素20B,20G,20Rごとの共振波長は、反射層としての電源線14と対向電極33との間の光学的な距離(光路長とも言う)によって決まる。
具体的には、反射層から対向電極33までの光学的な距離をD、反射層での反射における位相シフトをφL、対向電極33での反射における位相シフトをφU、定在波のピーク波長をλ、整数をmとすると、光学的な距離Dは、下記の数式(1)を満たす構造となっている。
D={(2πm+φL+φU)/4π}λ・・・(1)
発光画素20B,20G,20Rの光共振構造における光学的な距離Dは、B,G,Rの順に大きくなり、電源線14と画素電極31との間に配置された絶縁層28の膜厚を異ならせることによって調整されている。具体的には、電源線14と画素電極31Bとの間には第1絶縁層25が存在し、電源線14と画素電極31Gとの間には第1絶縁層25及び第2絶縁層26が存在し、電源線14と画素電極31Rとの間には第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27が存在することで該光学的な距離Dが発光画素20B,20G,20Rごとに異なっている。絶縁層28の光学的な距離は、光が透過する絶縁層28の膜厚(t)と屈折率(n)との積で表すことができる。
例えば、発光画素20Bにおける輝度のピーク波長(共振波長)は、470nmに設定されている。同じく、発光画素20Gにおける輝度のピーク波長(共振波長)は、540nmに設定され、発光画素20Rにおける輝度のピーク波長(共振波長)は、610nmに設定されている。
上記ピーク波長に合わせた上記光学的な距離Dを実現するため、例えば、ITOなどの透明導電膜からなる画素電極31B,31G,31Rの膜厚を前述したようにおよそ100nmとし、機能層32の膜厚をおよそ110nmとして、上記数式(1)において、m=1として、反射層と対向電極33との間の絶縁層28の膜厚を算出すると、発光画素20Bでは50nm、発光画素20Gでは115nm、発光画素20Rでは170nmの値が得られる。したがって、窒化シリコン(SiN)からなる第1絶縁層25の膜厚の範囲を40nm〜100nmとし、酸化シリコン(SiO2)からなる第2絶縁層26の膜厚の範囲を40nm〜50nmとし、酸化シリコン(SiO2)からなる第3絶縁層27の膜厚の範囲を40nm〜70nmとすることができる。
なお、上記ピーク波長に合わせた上記光学的な距離Dを精度よく実現するため、上記光学的な距離Dを発光画素20ごとに調整する絶縁層28の膜厚は、絶縁層28を構成する第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27のそれぞれの屈折率、画素電極31及び機能層32の膜厚及び屈折率、反射層としての電源線14及び対向電極33の膜厚及び屈折率並びに消衰係数を鑑み、設定される。また、光が透過する層の屈折率は透過する光の波長に依存する。
また、画素電極31B,31G,31Rの間に段差構造(凹部28a)を形成して、有機EL素子30B,30G,30Rの間のリーク電流を低減する観点からすると、画素電極31B,31G,31R上に最初に形成される電荷輸送層(正孔注入層、あるいは正孔注入輸送層)の膜厚よりも、段差構造(凹部28a)における段差が大きいことが好ましい。本実施形態における凹部28aの第1絶縁層25上の段差は、第2絶縁層26の平均膜厚d2に第3絶縁層27の平均膜厚d3を加えた値に相当するので、およそ80nm〜120nmである。これに対して、機能層32の膜厚は前述したように110nmであり、そのうちの正孔注入層の膜厚はおよそ50nmである。したがって、凹部28aの段差は正孔注入層の膜厚よりも大きい。
上記第1実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)上記有機EL装置100及びその製造方法によれば、X方向において隣り合う発光画素20B,20G,20Rにおいて、画素電極31B,31G,31Rの間に凹部28aが形成されている。凹部28aは、反射層として機能する電源線14と画素電極31B,31G,31Rとの間に形成された絶縁層28のうち、第2絶縁層26及び第3絶縁層27を部分的にエッチングすることにより形成されている。したがって、X方向において隣り合う画素電極31B,31G,31Rの間に第2絶縁層26の平均膜厚d2に第3絶縁層27の平均膜厚d3を加えた値の段差が生ずる。それゆえに、平均膜厚d2又は平均膜厚d3の値に相当する段差が生じている場合に比べて、有機EL素子30B,30G,30Rの間におけるリーク電流を低減できる。
加えて、発光画素20Bの反射層として機能する電源線14と画素電極31Bとの間には第1絶縁層25が配置され、発光画素20Gの電源線14と画素電極31Gとの間には第1絶縁層25及び第2絶縁層26が配置され、発光画素20Rの電源線14と画素電極31Rとの間には第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27が配置されている。このような光共振構造によれば、第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27を形成する際に、それぞれの膜厚を所定の範囲で制御すれば、有機EL素子30B,30G,30Rのそれぞれから所望のピーク波長の光を取り出すことができる。ゆえに、透光膜を段階的にエッチングして発光画素ごとに光学的な距離を異ならせる光学距離調整層を構成又は形成する場合に比べて、発光画素20B,20G,20Rごとの光共振構造における光学的な距離を精度よく調整できる。すなわち、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれに所望の光学特性を有すると共にリーク電流が低減され、優れた表示品質が得られる有機EL装置100を提供又は製造することができる。
(2)発光画素20B,20G,20Rは平面視で矩形状であって、凹部28aは、短手方向(X方向)に隣り合う画素電極31B,31G,31Rの間に長手方向に延在して形成されている。リーク電流は、画素電極31B,31G,31Rの長辺側であって、画素電極31間の距離が狭い短手方向(X方向)に生じ易いので、リーク電流を効果的に低減できる。
(3)電源線14は、X方向に隣り合う画素電極31B,31G,31Rの間に対応する部分が除かれた開口14aを有している。つまり、絶縁層28の凹部28aの下層には反射層として機能する電源線14が配置されていない。これにより、有機EL素子30B,30G,30Rの間にリーク電流が生じ、意図しない発光が発光画素20B,20G,20Rの間で生じたとしても、反射層として機能する電源線14が配置されていないので、意図しない発光を目立ち難くすることができる。
(第2実施形態)
<電気光学装置>
次に、第2実施形態の電気光学装置としての有機EL装置について、図9及び図10を参照して説明する。図9は第2実施形態の有機EL装置における発光画素の構成を示す概略平面図、図10は第2実施形態の有機EL装置における発光画素の構造を示す概略断面図である。
第2実施形態の有機EL装置は、上記第1実施形態の有機EL装置100に対して、X方向に隣り合う発光画素20B,20G,20Rの間に形成される段差構造を異ならせたものである。したがって、上記第1実施形態の有機EL装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。なお、図10は上記第1実施形態おける図4に相当する概略断面図である。
図9に示すように、本実施形態の電気光学装置としての有機EL装置200は、X方向に隣り合う発光画素20B,20G,20Rを有している。発光画素20B,20G,20Rは、互いに異なる発光色が得られる有機EL素子30(30B,30G,30R)を備えている。有機EL素子30は、画素電極31と対向電極33との間に発光層を含む機能層32を備えている(図2参照)。また、有機EL装置200には、画素電極31B,31G,31Rと機能層32とが接する部分を規定する開口29B,29G,29Rを有する絶縁構造が採用されている。開口29B,29G,29Rの平面形状は、短手方向がX方向に沿い、長手方向がY方向に沿った矩形状である。すなわち、発光画素20B,20G,20Rの平面形状は矩形状である。
X方向に隣り合う画素電極31B,31G,31Rの間の絶縁構造部分には、Y方向に延在する一対の凹部28bと、一対の凹部28bの間で同じくY方向に延在する凸部28cとが形成されている。凸部28cが本発明の段差構造の一例である。次に、図10を参照して本実施形態における発光画素20B,20G,20Rの構造について説明する。なお、素子基板10の基材10s上における電源線14を含む画素回路の構成は、上記第1実施形態と同じであるため、電源線14よりも上層の光共振構造を含む絶縁構造について説明する。
図10に示すように、有機EL装置200は、発光画素20B,20G,20R、カラーフィルター50などが形成された素子基板10と、透光性の封止基板70とを備えている。素子基板10と封止基板70とは、接着性と透明性とを兼ね備えた樹脂層60によって貼り合わされている。カラーフィルター50は、B,G,Rの各色に対応したフィルター層50B,50G,50Rを有している。各フィルター層50B,50G,50Rは、素子基板10において、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれに対応して配置されている。機能層32から発せられた光は、対応するフィルター層50B,50G,50Rのいずれかを透過して封止基板70側から射出される。つまり、有機EL装置200は、第1実施形態の有機EL装置100と同様に、トップエミッション構造となっている。
発光画素20Bでは、電源線14と画素電極31Bとの間に第1絶縁層25が存在している。発光画素20Gでは、電源線14と画素電極31Gとの間に第1絶縁層25及び第2絶縁層26が存在している。発光画素20Rでは、電源線14と画素電極31Gとの間に第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27が存在している。第1絶縁層25は、発光画素20B,20G,20Rに亘って電源線14を覆うように形成されている。これにより、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれから所望の共振波長の光を取り出すことができるように、光共振構造における光学的な距離が、発光画素20B<発光画素20G<発光画素20Rの関係を満たすように調整されている。
また、X方向に隣り合う画素電極31B,31G,31Rの間の第1絶縁層25上に、凸部28cが形成されている。凸部28cは、積層された第2絶縁層26及び第3絶縁層27を部分的にエッチングして形成された一対の凹部28bによって挟まれることにより形成されたものである。言い換えれば、X方向に隣り合う発光画素20B,20G,20Rの間に複数の凹部28bが存在している。これらの凹部28b及び凸部28cを覆うと共に、各画素電極31B,31G,31Rの外縁部を覆って開口29B,29G,29Rを構成する第4絶縁層29が形成されている。
画素電極31B,31G,31Rに接して形成される機能層32、対向電極33、封止層40、カラーフィルター50、樹脂層60、封止基板70の構成は、上記第1実施形態の有機EL装置100と同じである。よって、詳細な説明は省略する。
<電気光学装置の製造方法>
次に、本実施形態の電気光学装置の製造方法としての有機EL装置200の製造方法について、図11及び図12を参照して説明する。図11は第2実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート、図12(a)〜(f)は第2実施形態の有機EL装置の製造方法を示す概略断面図である。なお、図11は図10における発光画素20B,20G,20RのX方向に沿った概略断面図に相当するものであって、基材10sにおける電源線14よりも下層に設けられた画素回路や配線の図示を省略している。
本実施形態の有機EL装置200の製造方法は、図11に示すように、絶縁層の形成工程(ステップS11)、開口・凸部の形成工程(ステップS12)、画素電極の形成工程(ステップS13)、第4絶縁層の形成工程(ステップS14)、機能層の形成工程(ステップS15)、対向電極の形成工程(ステップS16)を含んでいる。なお、開口・凸部の形成工程が、本発明における絶縁層のエッチング工程に相当するものである。
図11のステップS11では、図12(a)に示すように、電源線14を覆うように第1絶縁層25を形成する。続いて、第1絶縁層25に第2絶縁層26、第3絶縁層27を積層形成する。この後に行われる第2絶縁層26及び第3絶縁層27のパターニングにおいて、第1絶縁層25に対してエッチング選択比を持たせるため、窒化シリコン(SiN)を用いて第1絶縁層25を形成し、酸化シリコン(SiO2)を用いて第2絶縁層26及び第3絶縁層27を形成する。積層された第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27を総称して絶縁層28と呼ぶ。そして、ステップS12へ進む。なお、上記第1絶縁層25を形成する前に、電源線14は、隣り合う発光画素20B,20G,20Rの間の境界にあたる部分に開口14aが開口するようにパターニングされている。
次に、図11のステップS12では、まず、図12(b)に示すように、絶縁層28を覆う感光性レジスト層を形成し、露光・現像することによりレジストパターン83を形成する。レジストパターン83には、発光画素20Bと発光画素20Gとに対応した電源線14の上方において開口する開口83aと、X方向において隣り合う発光画素20間に相当する境界部分に開口する一対の開口83bとが形成される。また、発光画素20Rに対応した電源線14の上方に位置する第3絶縁層27の部分は感光性レジスト層で覆われる。そして、開口83aと開口83bとに露出した第3絶縁層27を部分的にエッチングして、図12(c)に示すように、平面視で発光画素20Bの画素電極31Bと発光画素20Gの画素電極31Gとがそれぞれ後に配置される開口27cを形成する。また、発光画素20間に一対の開口27bを形成する。基材10sに形成された絶縁層28の表面に対して法線方向から見れば、図9に示すように、発光画素20Bと発光画素20Gとに亘って開口する開口27aが形成される。第3絶縁層27に形成された開口27aは、発光画素20Bと発光画素20Gとに対応して形成された開口27cと、発光画素20Bと発光画素20Gとの間及び発光画素20Gと発光画素20Rとの間に形成された一対の開口27bとを含むものである。
続いて、図12(d)に示すように、絶縁層28を覆う感光性レジスト層を形成し、露光・現像することによりレジストパターン84を形成する。レジストパターン84には、第3絶縁層27の発光画素20Bに対応して形成された開口27cを露出させる開口84aが形成される。また、第3絶縁層27の一対の開口27bを露出させる開口84bが形成される。発光画素20Gに対応して形成された開口27cと、発光画素20Rに対応する電源線14の上方に位置する第3絶縁層27の部分は感光性レジスト層で覆われる。そして、開口84a及び開口84b内に露出させた第2絶縁層26を部分的にエッチングして、図12(e)に示すように、平面視で発光画素20Bの画素電極31Bが後に配置される開口26cを形成する。また、X方向において隣り合う発光画素20B,20G,20Rの間において第2絶縁層26と第3絶縁層27とを貫通する一対の凹部28bを形成する。これにより、X方向において隣り合う発光画素20B,20G,20Rの間に、一対の凹部28bにより挟まれた凸部28cがそれぞれ形成される。酸化シリコンを用いて形成された第2絶縁層26及び第3絶縁層27のエッチング方法としては、上記第1実施形態と同様に、例えばCF4、C28などのフッ素を含む処理ガスを用いたドライエッチング法を用いることが好ましい。そして、ステップS13へ進む。
図11のステップS13では、図12(f)に示すように、開口26c、開口27c、凹部28b、凸部28cを被覆すると共に、第3絶縁層27を覆う透明導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、開口26c内の第1絶縁層25上に画素電極31Bを形成し、開口27c内の第2絶縁層26上に画素電極31Gを形成し、第3絶縁層27上に画素電極31Rを形成する。透明導電膜は例えばITO(Indium Tin Oxide)膜、IZO(Indium Zinc Oxide)膜である。画素電極31B,31G,31Rの膜厚は、それぞれおよそ100nmである。これにより、電源線14と画素電極31Bとの間には第1絶縁層25が存在し、電源線14と画素電極31Gとの間には第1絶縁層25と第2絶縁層26とが存在し、電源線14と画素電極31Rとの間には第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27が存在することになる。
そして、図11のステップS14では、図12(f)に示すように、画素電極31B,31G,31R、凹部28b、凸部28cを覆う第4絶縁層29が形成される。第4絶縁層29は例えば酸化シリコン(SiO2)を用いて形成される。そして、この後に形成される機能層32と各画素電極31B,31G,31Rとが接する領域を規定するために、第4絶縁層29を部分的にエッチングして、画素電極31B,31G,31R上に開口する開口29B,29G,29Rを形成する(図9及び図10参照)。第4絶縁層29の膜厚はおよそ60nmである。第4絶縁層29のエッチングも第3絶縁層27と同様にドライエッチング法を用いることが好ましい。そして、ステップS15へ進む。
図11のステップS15では、画素電極31B,31G,31Rが配置された表示領域Eに亘って、上記開口29B,29G,29Rを埋めるように機能層32を形成する(図10)。機能層32の形成方法は、上記第1実施形態における有機EL装置100の製造方法のステップS5と同じである。そして、ステップS16へ進む。
図11のステップS16では、少なくとも表示領域Eに跨って機能層32を覆うように共通の陰極である対向電極33を形成する。対向電極33の形成方法は、上記第1実施形態における有機EL装置100の製造方法のステップS6と同じである。
以降の封止層40の形成工程、カラーフィルター50の形成工程、カラーフィルター50が形成された素子基板10と封止基板70とを樹脂層60を介して貼り合わせる工程は、上記第1実施形態にて説明した通りである。
上記第2実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)上記有機EL装置200及びその製造方法によれば、X方向において隣り合う発光画素20B,20G,20Rにおいて、画素電極31B,31G,31Rの間に凸部28cが形成されている。凸部28cは、反射層として機能する電源線14と画素電極31B,31G,31Rとの間に形成された絶縁層28のうち、第2絶縁層26及び第3絶縁層27を部分的にエッチングすることにより形成されている。したがって、X方向において隣り合う画素電極31B,31G,31Rの間に第2絶縁層26の平均膜厚d2に第3絶縁層27の平均膜厚d3を加えた値の段差が生ずる。それゆえに、平均膜厚d2又は平均膜厚d3の値に相当する段差が生じている場合に比べて、有機EL素子30B,30G,30Rの間におけるリーク電流を低減できる。
加えて、発光画素20Bの反射層として機能する電源線14と画素電極31Bとの間には第1絶縁層25が配置され、発光画素20Gの電源線14と画素電極31Gとの間には第1絶縁層25及び第2絶縁層26が配置され、発光画素20Rの電源線14と画素電極31Rとの間には第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27が配置されている。このような光共振構造によれば、第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27を形成する際に、それぞれの膜厚を所定の範囲で制御すれば、有機EL素子30B,30G,30Rのそれぞれから所望の共振波長の光を取り出すことができる。ゆえに、透光膜を段階的にエッチングして発光画素ごとに光学的な距離を異ならせる光学距離調整層を構成又は形成する場合に比べて、発光画素20B,20G,20Rごとの光共振構造における光学的な距離を精度よく調整できる。すなわち、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれに所望の光学特性を有すると共にリーク電流が低減され、優れた表示品質が得られる有機EL装置200を提供又は製造することができる。
(2)発光画素20B,20G,20Rは平面視で矩形状であって、凸部28cは、短手方向(X方向)に隣り合う画素電極31B,31G,31Rの間に長手方向に延在して形成されている。リーク電流は、画素電極31B,31G,31Rの長辺側であって、画素電極31間の距離が狭い短手方向(X方向)に生じ易いので、リーク電流を効果的に低減できる。
(3)電源線14は、X方向に隣り合う画素電極31B,31G,31Rの間に対応する部分が除かれた開口14aを有している。つまり、絶縁層28の凸部28cの下層には反射層として機能する電源線14が配置されていない。これにより、有機EL素子30B,30G,30R間にリーク電流が生じ、意図しない発光が発光画素20B,20G,20Rの間で生じたとしても、反射層として機能する電源線14が配置されていないので、意図しない発光を目立ち難くすることができる。
(第3実施形態)
<電子機器>
次に、第3実施形態としての電子機器について、図13を参照して説明する。図13は電子機器の一例としてのヘッドマウントディスプレイを示す概略図である。
図13に示すように、本実施形態の電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ(HMD)1000は、左右の目に対応して設けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ1000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画像などを見ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上記第1実施形態の自発光型の表示装置である有機EL装置100(又は上記第2実施形態の有機EL装置200)が搭載されている。したがって、所望の光学特性が得られると共に、発光画素20B,20G,20R間のリーク電流が低減され、優れた表示品質を有する軽量なヘッドマウントディスプレイ1000を提供することができる。
ヘッドマウントディスプレイ1000は、観察者Mが表示部1001の表示内容を直接見る構成に限定されず、ミラーなどによって間接的に表示内容を見る構成としてもよい。
また、ヘッドマウントディスプレイ1000は、2つの表示部1001を有することに限定されず、左右の目のいずれかに対応させた1つの表示部1001を備える構成としてもよい。
なお、上記有機EL装置100又は上記有機EL装置200が搭載される電子機器は、ヘッドマウントディスプレイ1000に限定されない。例えば、ヘッドアップディスプレイや、デジタルカメラのEVF(電子ビューファー)、携帯型情報端末、ナビゲーターなどの表示部を有する電子機器が挙げられる。また、表示部に限定されず、本発明を照明装置や露光装置にも適用することができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置の製造方法ならびに該電気光学装置を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)図14は変形例の有機EL装置の発光画素の構造を示す概略断面図である。なお、第1実施形態の図4に対応する概略断面図である。
図14に示すように、変形例1の有機EL装置300は、X方向に隣り合う発光画素20B,20G,20Rの間に段差構造としての凹部28dを有している。凹部28dは、第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27を貫通して形成されている。したがって、上記第1実施形態の有機EL装置100における凹部28aに比べて、画素電極31B,31G,31Rの間に生ずる段差が大きい。つまり、有機EL素子30B,30G,30Rの間に生ずるリーク電流をより効果的に低減できる。
このような凹部28dの形成方法としては、まず、上記第1実施形態の有機EL装置100の製造方法と同じく、ステップS1からステップS2までの工程を済ませる。その後に、画素電極31B,31G,31Rのそれぞれを第3トランジスター23に電気的に接続させるコンタクト部31Bc,31Gc,31Rc(図5参照)を形成する際に、絶縁層28を貫通するコンタクトホール107(図5参照)を形成する工程で、凹部28aに露出した第1絶縁層25をエッチングして除去すれば、製造工程を増やすこと無く、凹部28dを形成することができる。
また、変形例1の凹部28dの形成方法を用いれば、画素電極31B,31G,31Rの間に、一対の凹部28dを形成して、一対の凹部28dの間に、上記第2実施形態の凸部28cよりも段差が大きい凸部を形成することもできる。
(変形例2)上記第2実施形態では、段差構造として一対の凹部28bに挟まれることで構成された凸部28cの例を挙げたが、凸部の構成は、これに限定されない。図15(a)及び(b)は変形例の段差構造を示す概略平面図である。例えば、図15(a)に示すように、画素電極31Bを挟んで設けられた凹部28aの内側に独立した凸部28eを設けてもよい。凸部28eは、凹部28aの長手方向(Y方向)に沿って延在している。
また、例えば、図15(b)に示すように、画素電極31Bを挟んで設けられた凹部28aの内側に島状に独立した複数の凸部28fを設ける構成としてもよい。凸部28fの平面形状は円形に限らず、楕円形、四角形などを挙げることができる。
なお、図15は、有機EL素子30Bを備えた発光画素20Bに対応する変形例の段差構造を示す概略平面図であるが、他の発光画素20G,20Rにも適用されることは言うまでもない。
(変形例3)上記有機EL装置100又は有機EL装置200において、発光画素20B,20G,20Rの構成は、これに限定されない。例えば、カラーフィルター50は、素子基板10側に形成されることに限定されず、封止基板70側に形成されていてもよい。さらには、カラーフィルター50は必須ではなく、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれにおいて有機EL素子30から所望の色の発光が得られる構成としてもよい。
(変形例4)発光画素20B,20G,20Rの間に段差構造としての凹部28aや凸部28cを備える構成は、トップエミッション型の有機EL装置100や有機EL装置200に適用されることに限定されない。例えば、素子基板10の基材10sを光透過性の例えば石英基板とする。そして、絶縁層28を介して画素電極31B,31G,31Rと対向する位置に光透過性と光反射性とを有する半透過反射層を配置し、対向電極33を光反射性を有する構成とする。有機EL素子30からの光は、素子基板10側から取り出される。すなわち、ボトムエミッション型の有機EL装置にも上記段差構造を適用することができる。
10…基板としての素子基板、14…反射層としての電源線、20B…第1の画素としての発光画素、20G…第2の画素としての発光画素、20R…第3の画素としての発光画素、25…第1絶縁層、26…第2絶縁層、26a…第2開口としての開口、27…第3絶縁層、27a…第1開口としての開口、28…絶縁層、28a…段差構造としての凹部、28c…段差構造としての凸部、30,30B,30G,30R…有機EL素子、31B…第1画素電極としての画素電極、31G…第2画素電極としての画素電極、31R…第3画素電極としての画素電極、32…機能層、33…対向電極、100,150,200,250…電気光学装置としての有機EL装置、1000…電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ。

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、第1画素電極を含む第1の画素と、
    前記第1の画素に隣り合い、第2画素電極を含む第2の画素と、
    前記第1の画素及び第2の画素に隣り合い、第3画素電極を含む第3の画素と、を有し、
    前記第1の画素、前記第2の画素及び前記第3の画素は、光反射性を有する反射層と、光反射性及び光透過性を有する対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、絶縁層と、発光層を含む機能層とを含み、
    前記機能層は、前記第1の画素、前記第2の画素及び前記第3の画素に亘って連続的に設けられ、
    前記絶縁層は、前記反射層側から順に積層された第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を含み、前記第1画素電極は前記第1絶縁層上に形成され、前記第2画素電極は前記第2絶縁層上に形成され、前記第3画素電極は前記第3絶縁層上に形成され、
    段差構造が、前記第1画素電極と前記第2画素電極の間、前記第2画素電極と前記第3画素電極の間、前記第3画素電極と前記第1画素電極の間に設けられ、
    前記段差構造は、少なくとも前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を貫通して形成された凹部であることを特徴とする電気光学装置。
  2. 基板と、
    前記基板上に形成され、第1画素電極を含む第1の画素と、
    前記第1の画素に隣り合い、第2画素電極を含む第2の画素と、
    前記第1の画素及び第2の画素に隣り合い、第3画素電極を含む第3の画素と、を有し、
    前記第1の画素、前記第2の画素及び前記第3の画素は、光反射性を有する反射層と、光反射性及び光透過性を有する対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、絶縁層と、発光層を含む機能層とを含み、
    前記機能層は、前記第1の画素、前記第2の画素及び前記第3の画素に亘って連続的に設けられ、
    前記絶縁層は、前記反射層側から順に積層された第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を含み、前記第1画素電極は前記第1絶縁層上に形成され、前記第2画素電極は前記第2絶縁層上に形成され、前記第3画素電極は前記第3絶縁層上に形成され、
    段差構造が、前記第1画素電極と前記第2画素電極の間、前記第2画素電極と前記第3画素電極の間、前記第3画素電極と前記第1画素電極の間に設けられ、
    前記段差構造は、少なくとも前記第2絶縁層及び前記第3絶縁層を用いて形成された凸部であることを特徴とする電気光学装置。
  3. 前記第1画素電極前記第2画素電極及び前記第3画素電極のそれぞれは、平面視で矩形状であり、
    短手方向において隣り合う前記第1画素電極と前記第2画素電極との間、前記第2画素電極と前記第3画素電極との間、前記第3画素電極と前記第1画素電極との間の前記絶縁層に前記段差構造が形成され、
    前記段差構造は、前記第1画素電極前記第2画素電極及び前記第3画素電極の長手方向に延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 前記基板上において、前記基板と前記段差構造との間には、前記反射層が設けられていないことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  5. 基板と、
    前記基板上に形成され、第1画素電極を含む第1の画素と、
    前記第1の画素に隣り合い、第2画素電極を含む第2の画素と、
    前記第1の画素及び第2の画素に隣り合い、第3画素電極を含む第3の画素と、を有し、
    前記第1の画素、前記第2の画素及び前記第3の画素は、光反射性を有する反射層と、光反射性及び光透過性を有する対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、絶縁層と、発光層を含む機能層とを含、電気光学装置の製造方法であって、
    前記反射層側から順に第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を形成し、エッチングして、前記絶縁層を形成する工程と、
    前記第1絶縁層上に前記第1画素電極を形成し、前記第2絶縁層上に前記第2画素電極を形成し、前記第3絶縁層上に前記第3画素電極を形成する画素電極形成工程と、
    前記第1画素電極前記第2画素電極及び前記第3画素電極亘って前記機能層を形成する工程と、
    前記機能層を覆う前記対向電極を形成する工程と、を備え、
    前記絶縁層を形成する工程では、隣り合う前記第1画素電極、前記第2画素電極及び前記第3画素電極の間の前記絶縁層をエッチングして段差構造としての凹部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  6. 基板と、
    前記基板上に形成され、第1画素電極を含む第1の画素と、
    前記第1の画素に隣り合い、第2画素電極を含む第2の画素と、
    前記第1の画素及び第2の画素に隣り合い、第3画素電極を含む第3の画素と、を有し、
    前記第1の画素、前記第2の画素及び前記第3の画素は、光反射性を有する反射層と、光反射性及び光透過性を有する対向電極と、前記反射層と前記対向電極との間に設けられた、絶縁層と、発光層を含む機能層とを含む、電気光学装置の製造方法であって、
    前記反射層側から順に第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層を形成し、エッチングして、前記絶縁層を形成する工程と、
    前記第1絶縁層上に前記第1画素電極を形成し、前記第2絶縁層上に前記第2画素電極を形成し、前記第3絶縁層上に前記第3画素電極を形成する画素電極形成工程と、
    前記第1画素電極、前記第2画素電極及び前記第3画素電極に亘って前記機能層を形成する工程と、
    前記機能層を覆う前記対向電極を形成する工程と、を備え、
    前記絶縁層を形成する工程では、隣り合う前記第1画素電極、前記第2画素電極及び前記第3画素電極の間の前記絶縁層をエッチングして段差構造としての凸部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  7. 前記絶縁層をエッチングする工程では、前記第3絶縁層をエッチングして、前記第1画素電極及び前記第2画素電極とに対応した位置に第1開口を形成する工程と、
    前記第1開口に露出した前記第2絶縁層をエッチングして、前記第1画素電極に対応した位置に第2開口を形成する工程とを含み、
    前記画素電極形成工程では、前記第2開口において前記第1絶縁層上に前記第1画素電極を形成し、前記第1開口において前記第2絶縁層上に前記第2画素電極を形成することを特徴とする請求項5または6に記載の電気光学装置の製造方法。
  8. 前記基板上において、前記第1画素電極、前記第2画素電極、前記第3画素電極と対応するように前記反射層を形成する工程を有し、
    前記反射層を形成する工程では、前記基板と前記段差構造との間の前記反射層を除去する工程を含むことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  10. 請求項乃至のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法を用いて形成された電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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