JP6428822B2 - 電気光学装置及び電子機器 - Google Patents
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Description
特許文献1の電気光学装置の製造方法によれば、上記光学距離調整層を構成するための透光膜を形成し、該透光膜上に膜厚が第1画素>第2画素>第3画素の関係を満たすマスクを形成する。その後に、膜厚が異なるマスクを段階的にアッシングして除去する工程と、アッシングにより露出した透光膜をエッチングする工程とを組み合わせることにより、膜厚が第1画素>第2画素>第3画素の関係を満たす上記光学距離調整層を形成する例が示されている。
加えて、画素間の段差を極力小さくして、画素間の段差を跨ぐ配線や電極における電気抵抗の上昇を抑えたいという課題があった。
ゆえに、特許文献1のように透光膜を段階的にエッチングして光学距離調整層における光学距離を画素ごとに異ならせる場合に比べて、第1絶縁層をエッチングすることなく、第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層の形成時にそれぞれが所望の膜厚となるようにすればよい。すなわち、画素ごとの光共振構造における光学距離を精度よく調整でき、第1の画素と第2の画素とにおいて、それぞれ所望の共振波長の光を取り出すことが可能な電気光学装置を提供できる。
ゆえに、特許文献1のように透光膜を段階的にエッチングして光学距離調整層における光学距離を画素ごとに異ならせる場合に比べて、第1絶縁層をエッチングすることなく、第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層の形成時にそれぞれが所望の膜厚となるようにすればよい。すなわち、画素ごとの光共振構造における光学距離を精度よく調整でき、第1の画素と第2の画素とにおいて、それぞれ所望の共振波長の光を取り出すことが可能な電気光学装置を提供できる。
この構成によれば、第1の画素、第2の画素、第3の画素のそれぞれにおける反射層と画素電極との間の絶縁層の膜厚は、第1の画素<第2の画素<第3の画素となる。つまり、第1の画素、第2の画素、第3の画素のそれぞれにおいて所望の共振波長の光を取り出すことが可能な電気光学装置を提供できる。
これらの構成によれば、第1画素電極と第2画素電極との間には、第2絶縁層の膜厚に相当する段差が生ずるだけなので、第1画素電極と第2画素電極の間の段差を小さくすることができる。また、第2画素電極と第3画素電極との間には、第3絶縁層の膜厚に相当する段差が生ずるだけなので、第2画素電極と第3画素電極の段差を小さくすることができる。
これらの構成によれば、第1画素電極と第2画素電極との間、及び第2画素電極と第3画素電極との間には、第3絶縁層の膜厚に相当する段差が生ずるだけなので、第1画素電極と第2画素電極の間、及び第2画素電極と第3画素電極の間の段差を小さくすることができる。
また、これらの構成により、画素電極間の段差が小さくなれば、それぞれの画素電極上に設けられる機能層、対向電極、封止膜などの表面をそれぞれ平坦にし易い。つまり、該段差を跨ぐ対向電極や配線などの断線を防止することができる。また、対向電極を覆う封止膜の封止性能を向上させることができる。
ゆえに、特許文献1のように透光膜を段階的にエッチングして光学距離調整層における光学距離を画素ごとに異ならせる場合に比べて、第1絶縁層をエッチングすることなく、第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層のそれぞれを所望の膜厚となるように形成すればよい。すなわち、画素ごとの光共振構造における光学距離を精度よく調整でき、第1の画素と第2の画素とにおいて、それぞれ所望の共振波長の光を取り出すことが可能な電気光学装置を製造できる。
ゆえに、特許文献1のように透光膜を段階的にエッチングして光学距離調整層における光学距離を画素ごとに異ならせる場合に比べて、第1絶縁層をエッチングすることなく、第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層のそれぞれを所望の膜厚となるように形成すればよい。すなわち、画素ごとの光共振構造における光学距離を精度よく調整でき、第1の画素と第2の画素とにおいて、それぞれ所望の共振波長の光を取り出すことが可能な電気光学装置を提供できる。
この方法によれば、第1の画素、第2の画素、第3の画素のそれぞれにおいて、光共振構造における光学距離が異なると共に精度よく調整され、所望の共振波長の光を取り出すことが可能な電気光学装置を製造できる。
これらの方法によれば、第1画素電極と第2画素電極との間、第2画素電極と第3画素電極との間には、それぞれの光共振構造における絶縁層の膜厚の差に相当する段差が生ずるだけなので、画素電極間の段差を小さくすることができる。
また、これらの方法により、画素電極間の段差が小さくなれば、それぞれの画素電極上に形成される機能層、対向電極、封止膜などの表面をそれぞれ平坦にし易い。つまり、該段差を跨ぐ対向電極や配線などの断線を防止することができる。また、対向電極を覆う封止膜の封止性能を向上させることができる。
これらの適用例によれば、画素ごとに所望の共振波長の光を取り出すことができ、優れた光学特性を有する電子機器を提供できる。
<電気光学装置>
まず、本実施形態の電気光学装置の一例として、有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置と呼ぶ)を挙げ、図1〜図3を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の電気光学装置としての有機EL装置100は、基板としての素子基板10と、素子基板10の表示領域Eにマトリックス状に配置された複数の発光画素20と、複数の発光画素20を駆動制御する周辺回路であるデータ線駆動回路101及び走査線駆動回路102と、外部回路との電気的な接続を図るための複数の外部接続用端子103とを備えている。
以降、同色の発光が得られる発光画素20が配列した縦方向をY方向とし、Y方向に直交する方向をX方向として説明する。
本実施形態では、走査線11と点灯制御線13とがX方向に並行して延びており、データ線12と電源線14とがY方向に並行して延びている。
表示領域Eには、マトリックス状に配置された複数の発光画素20におけるM行に対応して複数の走査線11と複数の点灯制御線13とが設けられ、図1に示した一対の走査線駆動回路102のそれぞれに接続されている。また、マトリックス状に配置された複数の発光画素20におけるN列に対応して複数のデータ線12と複数の電源線14とが設けられ、複数のデータ線12は、図1に示したデータ線駆動回路101に接続され、複数の電源線14は複数の外部接続用端子103のうちいずれかと接続されている。
有機EL素子30は、陽極である画素電極31と、陰極である対向電極33と、これらの電極間に挟まれた、発光層を含む機能層32とを有している。対向電極33は、複数の発光画素20に跨って共通に設けられた電極であり、例えば、電源線14に与えられる電源電圧Vddに対して、低位の基準電位VssやGNDの電位が与えられる。
第2トランジスター22の一方の電流端は、電源線14に接続されると共に蓄積容量24の他方の電極に接続されている。第2トランジスター22の他方の電流端は、第3トランジスター23の一方の電流端に接続されている。言い換えれば、第2トランジスター22と第3トランジスター23とは一対の電流端のうち1つの電流端を共有している。
第3トランジスター23のゲート電極は点灯制御線13に接続され、他方の電流端は有機EL素子30の画素電極31に接続されている。
第1トランジスター21、第2トランジスター22及び第3トランジスター23のそれぞれにおける一対の電流端は、一方がソースであり、他方がドレインである。
また、走査線11、データ線12以外の信号線である点灯制御線13、電源線14の配置は、トランジスターや蓄積容量24の配置により左右され、これに限定されるものではない。
本実施形態では、発光画素20の画素回路を構成するトランジスターとして、半導体基板にアクティブ層を有するMOS型トランジスターを採用した例について、以降説明する。
発光画素20の具体的な構成について図3を参照して説明する。図3に示すように、発光画素20B,20G,20Rのそれぞれは、平面視で矩形状となっており、長手方向がY方向に沿って配置されている。発光画素20B,20G,20Rのそれぞれには、図2に示した等価回路の有機EL素子30が設けられている。発光画素20B,20G,20Rごとに設けられた有機EL素子30を区別するため、有機EL素子30B,30G,30Rとして説明することもある。また、有機EL素子30の画素電極31を発光画素20B,20G,20Rごとに区別するため、画素電極31B,31G,31Rとして説明することもある。
各画素電極31B,31G,31Rも平面視で略矩形状であり、長手方向の上方側に各コンタクト部31Bc,31Gc,31Rcがそれぞれ配置されている。
また、有機EL素子30B,30G,30Rの機能層32に対して電荷を注入する画素電極31B,30G,30Rとして実質的に機能するのは、上記絶縁構造における開口29B,29G,29Rによって規定され、それぞれ機能層32と接する部分である。したがって、画素電極31B,31G,31Rのそれぞれにおいて、後述する第4絶縁層29(図4、図5参照)で覆われる部分は、上記各コンタクト部31Bc,31Gc,31Rcを経由して、第3トランジスター23に電気的に接続される配線部分である。すなわち、機能層32と接する画素電極31B,31G,31Rの部分が、本発明における第1画素電極、第2画素電極、第3画素電極に相当するものであると言い換えることもできる。
本実施形態では、基材10sとして半導体基板を用いている。半導体基板は例えばシリコン基板である。
なお、導電性を有する材料で電源線14を形成し、電源線14と画素電極31B,31G,31Rとの間に反射層を設ける構成としてもよい。
第3トランジスター23のゲート電極23gは、第1層間絶縁膜15を貫通するコンタクトホールによって、第1層間絶縁膜15上に設けられた点灯制御線13に接続されている。第1層間絶縁膜15上には、点灯制御線13以外に走査線11が設けられている。走査線11は、図5には図示されていないコンタクトホールを経由して、第1トランジスター21のゲートに接続されている。
第3トランジスター23のソース電極23sは、第2層間絶縁膜16及び第3層間絶縁膜17、さらに絶縁層28を貫通するコンタクトホールによって、絶縁層28(第3絶縁層27)上に設けられた配線106に接続されている。配線106は、発光画素20Gのコンタクト部31Gcに対応して設けられたものであり、当該コンタクト部31Gcにおいて配線106と画素電極31Gとが接することにより、電気的な接続が図られている。
本実施形態の電気光学装置としての有機EL装置100の製造方法は、図6に示すように、第1絶縁層の形成工程(ステップS1)、第2絶縁層の形成工程(ステップS2)、第3絶縁層の形成工程(ステップS3)、第2開口の形成工程(ステップS4)、第1開口の形成工程(ステップS5)、画素電極の形成工程(ステップS6)、第4絶縁層の形成工程(ステップS7)、機能層の形成工程(ステップS8)、対向電極の形成工程(ステップS9)を含んでいる。
機能層32は、発光材料として有機半導体材料が用いられた発光層を含んでおり、例えば、画素電極31側から順に積層された、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを含んで構成される。機能層32の構成は、特に限定されるものではなく、公知の構成を適用することができる。例えば、機能層32は、B(青),G(緑),R(赤)の各発光色が得られる発光層を含んで白色発光を実現するものや、B(青)と橙の発光色が得られる発光層を含んで擬似白色を実現するものでもよい。また、発光効率などを改善する目的で、発光層に注入されるキャリアとしての正孔や電子の移動を助けたり、妨げたりする中間層を含む構成としてもよい。
機能層32を構成する各層の形成方法についても特に限定されるものではなく、例えば、真空蒸着法などの気相プロセスやインクジェット法などの液相プロセスを用いることができる。あるいは気相プロセスと液相プロセスの両方を組み合わせて機能層32を形成してもよい。そして、ステップS9へ進む。
素子基板10の第1辺部側において、第1封止膜41、第2封止膜43を貫通する開口が設けられ、開口内に外部接続用端子103が位置している(図1参照)。
また、フィルター層50B,50G,50Rは平面視でそれぞれ対応する画素電極31B,31G,31Rと重なり合うように露光・現像されている。さらに、隣り合うフィルター層の境界は、画素電極間に位置して、一方のフィルター層に対して他方のフィルター層の一部が重なるように露光・現像されていてもよい。
発光画素20B,20G,20Rごとの共振波長は、反射層としての電源線14と対向電極33との間の光学的な距離(光路長とも言う)によって決まる。
具体的には、反射層から対向電極33までの光学的な距離をD、反射層での反射における位相シフトをφL、対向電極33での反射における位相シフトをφU、定在波のピーク波長をλ、整数をmとすると、光学的な距離Dは、下記の数式(1)を満たす構造となっている。
D={(2πm+φL+φU)/4π}λ・・・(1)
発光画素20B,20G,20Rの光共振構造における光学的な距離Dは、B,G,Rの順に大きくなり、電源線14と画素電極31との間に配置された絶縁層28の膜厚を異ならせることによって調整されている。具体的には、電源線14と画素電極31Bとの間には第1絶縁層25が存在し、電源線14と画素電極31Gとの間には第1絶縁層25及び第2絶縁層26が存在し、電源線14と画素電極31Rとの間には絶縁層28(第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27)が存在することで該光学的な距離Dが発光画素20B,20G,20Rごとに異なっている。絶縁層28の光学的な距離は、光が透過する絶縁層28の膜厚(t)と屈折率(n)との積で表すことができる。
例えば、発光画素20Bにおける輝度のピーク波長(共振波長)は、470nmに設定されている。同じく、発光画素20Gにおける輝度のピーク波長(共振波長)は、540nmに設定され、発光画素20Rにおける輝度のピーク波長(共振波長)は、610nmに設定されている。
上記ピーク波長を実現するため、例えば、ITOなどの透明導電膜からなる画素電極31B,31G,31Rの膜厚を前述したようにおよそ100nmとし、機能層32の膜厚をおよそ110nmとして、上記数式(1)において、m=1として、反射層と対向電極33との間の絶縁層28の膜厚を算出すると、発光画素20Bでは50nm、発光画素20Gでは115nm、発光画素20Rでは170nmの値が得られる。したがって、窒化シリコン(SiN)からなる第1絶縁層25の膜厚の範囲を40nm〜100nmとし、酸化シリコン(SiO2)からなる第2絶縁層26の膜厚の範囲を40nm〜50nmとし、酸化シリコン(SiO2)からなる第3絶縁層27の膜厚の範囲を40nm〜70nmとすることができる。
(1)発光画素20Bの反射層として機能する電源線14と画素電極31Bとの間には第1絶縁層25が配置されている。発光画素20Gの電源線14と画素電極31Gとの間には第1絶縁層25及び第2絶縁層26が配置されている。発光画素20Rの電源線14と画素電極31Rとの間には第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27が配置されている。このような光共振構造によれば、第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27を形成する際に、それぞれの膜厚を所定の範囲で制御すれば、有機EL素子30B,30G,30Rのそれぞれから所望のピーク波長の光を取り出すことができる。すなわち、透光膜を段階的にエッチングして発光画素ごとに光学的な距離を異ならせる光学距離調整層を構成又は形成する場合に比べて、発光画素20B,20G,20Rごとの光共振構造における光学的な距離を精度よく調整でき、それぞれに所望の光学特性を有する発光画素20B,20G,20Rを備えた有機EL装置100を提供又は製造することができる。
(2)画素電極31Bは、第2絶縁層26に形成された第1開口26aに露出した第1絶縁層25上に配置されている。X方向において画素電極31Bに隣り合う画素電極31Gは、第3絶縁層27に形成された第2開口27aに露出した第2絶縁層26上に配置されている。また、X方向において画素電極31Gに隣り合う画素電極31Rは、第3絶縁層27上に配置されている。第1絶縁層25は発光画素20B,20G,20Rに亘って共通に形成され、第2絶縁層26は発光画素20G,20Rに亘って共通に形成されている。したがって、X方向に隣り合う画素電極31Bと画素電極31Gとの間の段差は、第2絶縁層26の平均膜厚d2に相当する。また、X方向に隣り合う画素電極31Gと画素電極31Rとの間の段差は、第3絶縁層27の平均膜厚d3に相当する。それゆえに、発光画素ごとに反射層と画素電極との間に膜厚が異なる絶縁層を島状に配置する場合に比べて、画素電極間に生ずる段差を小さくすることができる。よって、当該段差を跨いで形成される機能層32、対向電極33、封止層40が当該段差の影響を受け難い。つまり、当該段差を跨ぐ対向電極33や配線などの断線を防止することができる。また、対向電極33を覆う第1封止膜41の封止性能を向上させることができる。また、例えば、第2絶縁層26と第3絶縁層27の平均膜厚をほぼ同じにすれば、画素電極間の段差のばらつきを小さくできる。
次に、第2実施形態の電気光学装置としての有機EL装置について、図8〜図10を参照して説明する。図8は第2実施形態の有機EL装置の発光画素の構成を示す概略平面図、図9は第2実施形態の有機EL装置の発光画素のX方向における構造を示す概略断面図、図10は第2実施形態の有機EL装置の発光画素のY方向における構造を示す概略断面図である。第2実施形態の電気光学装置としての有機EL装置は、上記第1実施形態の有機EL装置100に対して発光画素20B,20G,20Rにおける光共振構造を異ならせたものである。したがって、有機EL装置100と同じ構成には同じ符号を付して詳細な説明は省略する。また、図9は第1実施形態における図4に対応する概略断面図であり、図10は第1実施形態における図5に対応する概略断面図である。
第1絶縁層25に第2絶縁層26が積層されている。第2絶縁層26には、X方向において隣り合う画素電極31Bと画素電極31Gとに対応した第1開口26bが形成されている。画素電極31Bは第1開口26bにおいて第1絶縁層25上に形成されている。
第2絶縁層26に第3絶縁層27が積層されている。詳しくは、第3絶縁層27は、第1開口26bのほぼ半分を埋めるように、第2絶縁層26に積層されている。これによって、第3絶縁層27には、画素電極31Bに対応した第2開口27bが形成される。画素電極31Gは第1開口26bにおいて第3絶縁層27上に形成されている。また、画素電極31Rは第2絶縁層26を覆う第3絶縁層27上に形成されている。言い換えれば、第3絶縁層27は、X方向において隣り合う画素電極31Gと画素電極31Rとに対応して形成されている。
緩衝層42によって平坦化された第2封止膜43上、つまり封止層40上に、発光画素20B,20G,20Rに対応したフィルター層50B,50G,50R(カラーフィルター50)が形成されている。
次に、本実施形態の電気光学装置の製造方法としての有機EL装置200の製造方法について、図11及び図12を参照して説明する。図11は第2実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート、図12(a)〜(f)は第2実施形態の有機EL装置の製造方法を示す概略断面図である。
(1)発光画素20Bの反射層として機能する電源線14と画素電極31Bとの間には第1絶縁層25が配置されている。発光画素20Gの電源線14と画素電極31Gとの間には第1絶縁層25及び第3絶縁層27が配置されている。発光画素20Rの電源線14と画素電極31Rとの間には第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27が配置されている。このような光共振構造によれば、第1絶縁層25、第2絶縁層26、第3絶縁層27を形成する際に、それぞれの膜厚を所定の範囲で制御すれば、有機EL素子30B,30G,30Rのそれぞれから所望のピーク波長の光を取り出すことができる。すなわち、透光膜を段階的にエッチングして発光画素ごとに光学的な距離を異ならせる光学距離調整層を構成又は形成する場合に比べて、発光画素20B,20G,20Rごとの光共振構造における光学的な距離を精度よく調整でき、それぞれに所望の光学特性を有する発光画素20B,20G,20Rを備えた有機EL装置200を提供又は製造することができる。
(2)画素電極31Bは、第2絶縁層26に形成された第1開口26bに露出した第1絶縁層25上に配置されている。X方向において画素電極31Bに隣り合う画素電極31Gは、第1開口26bを埋めた第3絶縁層27上に配置されている。また、X方向において画素電極31Gに隣り合う画素電極31Rは、第2絶縁層26に積層された第3絶縁層27上に配置されている。第1絶縁層25は発光画素20B,20G,20Rに亘って共通に形成され、第2絶縁層26は発光画素20Rに対応して形成されている。第3絶縁層27は、画素電極31Gと画素電極31Rとに対応して形成されている。したがって、X方向に隣り合う画素電極31Bと画素電極31Gとの間の段差は、第3絶縁層27の平均膜厚d3に相当する。また、X方向に隣り合う画素電極31Gと画素電極31Rとの間の段差は、第2絶縁層26の平均膜厚d2に相当する。それゆえに、発光画素ごとに反射層と画素電極との間に膜厚が異なる絶縁層を島状に配置する場合に比べて、画素電極間に生ずる段差を小さくすることができる。よって、当該段差を跨いで形成される機能層32、対向電極33、封止層40が当該段差の影響を受け難い。つまり、当該段差を跨ぐ対向電極33や配線などの断線を防止することができる。また、対向電極33を覆う第1封止膜41の封止性能を向上させることができる。また、例えば、第2絶縁層26と第3絶縁層27の平均膜厚をほぼ同じにすれば、画素電極間の段差のばらつきを小さくできる。
次に、第3実施形態としての電子機器について、図13を参照して説明する。図13は電子機器の一例としてのヘッドマウントディスプレイを示す概略図である。
また、ヘッドマウントディスプレイ1000は、2つの表示部1001を有することに限定されず、左右の目のいずれかに対応させた1つの表示部1001を備える構成としてもよい。
Claims (9)
- 光反射性を有する反射層と、
対向電極と、
発光層を含み、前記反射層と前記対向電極との間に配置された機能層と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第1画素電極と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第2画素電極と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第3画素電極と、
第1絶縁層、第2絶縁層および第3絶縁層を備えた絶縁層と、を有し、
前記第1絶縁層は、前記反射層と前記第1画素電極との間に配置され、
前記第1絶縁層および前記第3絶縁層は、前記反射層と前記第2画素電極との間に配置され、
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層および前記第3絶縁層は、前記反射層と前記第3画素電極との間に配置され、
前記第2絶縁層は、前記第3画素電極が前記反射層と重なる領域において、前記第1絶縁層と前記第3絶縁層との間に配置され、
前記第3絶縁層は、前記第2画素電極が前記反射層と重なる領域において、前記第1絶縁層と接し、
前記第2絶縁層の少なくとも端部は、前記第3絶縁層で覆われており、
前記第1絶縁層は、窒化シリコンを含み、
前記第2絶縁層は、酸化シリコンを含み、
前記第3絶縁層は、酸化シリコンを含むことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1に記載の電気光学装置において、
前記第1画素電極は、前記第1絶縁層の上に配置され、
前記第2画素電極は、前記第3絶縁層の上に配置され、
前記第3画素電極は、前記第3絶縁層の上に配置されていることを特徴とする電気光学装置。 - 光反射性を有する反射層と、
対向電極と、
発光層を含み、前記反射層と前記対向電極との間に配置された機能層と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第1画素電極と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第2画素電極と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第3画素電極と、
第1絶縁層、第2絶縁層および第3絶縁層を備えた絶縁層と、を有し、
前記第1絶縁層は、前記反射層と前記第1画素電極との間に配置され、
前記第1絶縁層および前記第3絶縁層は、前記反射層と前記第2画素電極との間に配置され、
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層および前記第3絶縁層は、前記反射層と前記第3画素電極との間に配置され、
前記第2絶縁層は、前記機能層が前記第3画素電極と接する領域において、前記第1絶縁層と前記第3絶縁層との間に配置され、
前記第3絶縁層は、前記機能層が前記第2画素電極と接する領域において、前記第1絶縁層と接し、
前記第2絶縁層の少なくとも端部は、前記第3絶縁層で覆われており、
前記第1絶縁層は、窒化シリコンを含み、
前記第2絶縁層は、酸化シリコンを含み、
前記第3絶縁層は、酸化シリコンを含むことを特徴とする電気光学装置。 - 光反射性を有する反射層と、
対向電極と、
発光層を含み、前記反射層と前記対向電極との間に配置された機能層と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第1画素電極と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第2画素電極と、
前記反射層と前記機能層との間に配置された第3画素電極と、
窒化シリコンを含む第1絶縁層、酸化シリコンを含む第2絶縁層および酸化シリコンを含む第3絶縁層を備えた絶縁層と、を有し、
前記第1絶縁層は、前記反射層と前記第1画素電極との間に配置され、
前記第1絶縁層および前記第3絶縁層は、前記反射層と前記第2画素電極との間に配置され、
前記第1絶縁層、前記第2絶縁層および前記第3絶縁層は、前記反射層と前記第3画素電極との間に配置されていることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項4に記載の電気光学装置において、
前記第1画素電極は、前記第1絶縁層の上に配置され、
前記第2画素電極は、前記第3絶縁層の上に配置され、
前記第3画素電極は、前記第3絶縁層の上に配置されていることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1乃至5の何れか一項に記載の電気光学装置において、
前記対向電極を覆う封止層を有することを特徴とする電気光学装置。 - 請求項6に記載の電気光学装置において、
前記封止層の上にカラーフィルターを有することを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1乃至7の何れか一項に記載の電気光学装置において、
前記発光層は、発光材料として有機半導体材料を含むことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1乃至8の何れか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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