JP2016121224A - 補強用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】コンクリート、プラスチック、金属、木材などの補強および補修を目的とした、強度と、柔軟性や接着性などの取扱い性に優れた補強用シートを提供する。【解決手段】無織りのメッシュで補強されたUV硬化性樹脂組成物からなる補強用シート。【選択図】なし
Description
本発明は、コンクリート、プラスチック、金属、木材などの補強および補修を目的とした、強度とともに取扱い性にも優れた補強用シートに関する。
従来、基材の補強および補修の方法としては、一般的にはハンドレイアップ法やスプレーアップ法で繊維強化プラスチック層(FRP層)を積層する方法が知られている。しかしながら、これらの諸技術には、いくつかの不具合な点がある。例えば、液状不飽和樹脂を扱うための臭気による作業環境の悪化や、作業効率の悪さなどである。
これに対して、特許文献1では、メッシュを補修面に貼り付け、その上に重機等を用いてコンクリートを吹き付ける方法が提案されている。また、特許文献2には、紫外線および可視光によって硬化するシートが施工性および作業環境面で有用であることが記載されている。更に、特許文献3、4には、補強繊維として、織物メッシュを使用した方法が提案されている。
これに対して、特許文献1では、メッシュを補修面に貼り付け、その上に重機等を用いてコンクリートを吹き付ける方法が提案されている。また、特許文献2には、紫外線および可視光によって硬化するシートが施工性および作業環境面で有用であることが記載されている。更に、特許文献3、4には、補強繊維として、織物メッシュを使用した方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載されているコンクリート吹付け法では、大掛かりな補修工事となるため、大きな費用、労力を要するという問題がある。また、特許文献2による施工方法では、補強材としての繊維がショートカット繊維のため、シート強力が弱いという問題がある。また、特許文献3、4に記載されている織物メッシュを使用した補強方法では、シート補強用の繊維が織物のため、樹脂が含浸されにくい、嵩高になる、強力が弱いといった問題がある。また、基材貼り付け前のシート成型において、予備重合を行い硬化反応を途中で止める方法の為、貼り付け前シートの柔軟性や粘着性がかならずしも十分でない可能性があり、基材への接着性の点で、更なる改善の余地があった。
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、コンクリート、プラスチック、金属、木材などの補強および補修を目的とした、強度と、柔軟性や接着性などの取扱い性に優れた補強用シートを提供することである。
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、コンクリート、プラスチック、金属、木材などの補強および補修を目的とした、強度と、柔軟性や接着性などの取扱い性に優れた補強用シートを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、無織りのメッシュを用いることによって、強度と、柔軟性や接着性などの取扱い性に優れた補強用シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、無織りのメッシュで補強されたUV硬化性樹脂組成物からなる補強用シートである。
すなわち、本発明は、無織りのメッシュで補強されたUV硬化性樹脂組成物からなる補強用シートである。
本発明におけるメッシュは、引張り伸度が1〜20%であってもよい。
本発明におけるメッシュは、ポリビニルアルコール系繊維であってもよい。
本発明におけるUV硬化性樹脂組成物は、以下の(1)〜(3)を含んでいてもよい。
(1)重合性のオリゴマーおよび/またはポリマー
(2)半硬化剤
(3)光重合開始剤または硬化促進剤
(1)重合性のオリゴマーおよび/またはポリマー
(2)半硬化剤
(3)光重合開始剤または硬化促進剤
本発明におけるUV硬化性樹脂組成物は、重合性オリゴマーおよび/またはポリマーとして、ビニルエステル系樹脂を含んでいてもよい。
本発明におけるUV硬化性樹脂組成物は、半硬化剤としてアクリル系樹脂を含んでいてもよい。
本発明におけるUV硬化性樹脂組成物は光重合開始剤としてラジカル系光重合開始剤を含んでいてもよい。
本発明によれば、コンクリート、プラスチック、金属、木材などの補強および補修を目的とした、強度と、柔軟性や接着性などの取扱い性に優れた補強用シートを提供することができる。特に無織りのメッシュを使用することにより、樹脂の含浸性が高まり、均一で強力な補強用シートを得ることができる。
本発明は、無織りのメッシュで補強されたUV硬化性樹脂組成物からなる補強用シートである。
〔メッシュ〕
本発明においては、補強用シートに用いられるメッシュが無織りであることが重要である。無織りのメッシュを使用することにより、繊維の屈曲が抑えられるため、強度の高い補強用シートが得られる。例えば、メッシュに張力がかかるとメッシュを構成する繊維は張力方向に伸びるが、織物メッシュでは、繊維どうしの接触点が多いので、摩擦が大きく、屈曲部での繊維の損傷が大きくなると考えられる。更に樹脂の含浸性においても、織物メッシュの場合、織り目部分すなわち縦糸と横糸が上下に交差する部分があるため、繊維どうしが上下に行き来する交差部で作られる小さな空間部分には、粘性の高い樹脂は含浸されにくくなると考えられる。
これに対し、無織りのメッシュでは、織り目が無いので、樹脂の入り込みにくい空間が作られにくく、粘度の高い樹脂を用いた場合でも比較的樹脂が含浸しやすい。また、織物メッシュのように繊維どうしが上下を行き来する交差部がないので、メッシュに張力がかかっても繊維同士の摩擦が小さく、繊維の損傷も最小限に抑えることができる。また、メッシュそのものの嵩高性も抑えられる。嵩高性が抑えられることによって、紫外線の透過性にも有利となる。
本発明においては、補強用シートに用いられるメッシュが無織りであることが重要である。無織りのメッシュを使用することにより、繊維の屈曲が抑えられるため、強度の高い補強用シートが得られる。例えば、メッシュに張力がかかるとメッシュを構成する繊維は張力方向に伸びるが、織物メッシュでは、繊維どうしの接触点が多いので、摩擦が大きく、屈曲部での繊維の損傷が大きくなると考えられる。更に樹脂の含浸性においても、織物メッシュの場合、織り目部分すなわち縦糸と横糸が上下に交差する部分があるため、繊維どうしが上下に行き来する交差部で作られる小さな空間部分には、粘性の高い樹脂は含浸されにくくなると考えられる。
これに対し、無織りのメッシュでは、織り目が無いので、樹脂の入り込みにくい空間が作られにくく、粘度の高い樹脂を用いた場合でも比較的樹脂が含浸しやすい。また、織物メッシュのように繊維どうしが上下を行き来する交差部がないので、メッシュに張力がかかっても繊維同士の摩擦が小さく、繊維の損傷も最小限に抑えることができる。また、メッシュそのものの嵩高性も抑えられる。嵩高性が抑えられることによって、紫外線の透過性にも有利となる。
本発明における無織りメッシュの引張り伸度は、1〜20%であることが好ましく、より好ましくは2〜10%であり、更に好ましくは4〜8%である。引張り伸度が20%を超えると基材を固定した際の伸びが大きく、基材を確実に固定できない可能性がある。一方、伸度が1%未満であると、樹脂と共に繊維が伸びず、シートとしての強度が維持できないおそれがある。また、メッシュの引張り伸度が低いと、シートの伸びが小さくなり、基材面へのシートの変形密着性が悪く接着性が低下するおそれがある。引張り伸度を適宜調整することによって、所望の柔軟性を有する補強用シートを得ることができる。
本発明における無織りのメッシュはフィラメントであることが好ましく、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアクリルニトリル系、ポリオレフン系、ポリエーテルエステル系、ポリウレタン系などの繊維が挙げられるが、紫外線の透過性が良好であることから、特にポリビニルアルコール系繊維からなる無織りのメッシュが好ましい。
本発明における無織りのメッシュは、無織りであれば2軸シートでも3軸シートでも、また多軸シートでもよく、厚みと強度のバランスで適宜選択することができる。
本発明における無織りのメッシュの単繊維繊度は、0.1〜50dtexであることが好ましく、より好ましくは0.5〜10dtexであり、更に好ましくは1〜3dtexである。単繊維繊度が0.1dtex未満であると、メッシュの毛羽立ちが多くなる可能性があり、50dtexよりも大きいと、メッシュの柔軟性が損なわれるおそれがある。
本発明における無織りのメッシュの目付けは、1〜1000g/m2であることが好ましく、より好ましくは10〜500g/m2であり、更に好ましくは50〜200g/m2である。目付けが1g/m2未満であるとシート強力が低くなる可能性があり、1000g/m2よりも大きいとシートが重く、又は厚くなり、取扱い性が悪くなるおそれがある。
本発明における無織りのメッシュのヤーンの幅は、1〜10mmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜6mmであり、更に好ましくは2〜4mmである。
本発明における無織りのメッシュの目合いは、樹脂の粘度等に応じて適宜調整できるが、3〜100mmであることが好ましく、より好ましくは3〜50mmであり、更に好ましくは3〜20mmである。目合いを適宜調整することによって、強度と取扱い性のバランスを所望の具合とすることができる。
本発明における無織りのメッシュの厚みは、0.1〜10mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5mmであり、更に好ましくは0.3〜1mmである。厚みが大きすぎると紫外線による硬化が十分に進行しなかったり、硬化にムラが出る可能性がある。
本発明における無織りのメッシュの引張り強度は、300N/5cm以上であることが好ましく、より好ましくは1000N/5cm以上であり、更に好ましくは1500N/5cm以上である。また、一般的には1700N/5cm程度が上限である。
〔UV硬化性樹脂組成物〕
本発明におけるUV硬化性樹脂組成物は、紫外線を照射されることによってコンクリートなどの基材面上で硬化し、基材面を覆って補強すると同時に、本発明の補強シートに含まれる無織りのメッシュを基材面と適度な強力で接着する役割を果たす。
本発明におけるUV硬化性樹脂組成物は、(1)重合性のオリゴマーおよび/またはポリマー、(2)半硬化剤、(3)光重合開始剤または硬化促進剤を含んでいてもよい。
本発明におけるUV硬化性樹脂組成物は、紫外線を照射されることによってコンクリートなどの基材面上で硬化し、基材面を覆って補強すると同時に、本発明の補強シートに含まれる無織りのメッシュを基材面と適度な強力で接着する役割を果たす。
本発明におけるUV硬化性樹脂組成物は、(1)重合性のオリゴマーおよび/またはポリマー、(2)半硬化剤、(3)光重合開始剤または硬化促進剤を含んでいてもよい。
本発明においてUV硬化性樹脂組成物に用いられる重合性のオリゴマーおよび/またはポリマーとしては、紫外線によって硬化する性質を有しているものであれば特に制限されるものではなく、不飽和ポリエステル、アクリル、ビニルウレタンなどが挙げられるが、機械的性質に優れることから、特に不飽和ポリエステルが好ましい。
本発明における重合性のオリゴマーおよび/またはポリマーの不飽和ポリエステルとしては、特に制限なく、従来一般の不飽和ポリエステル樹脂成形品に慣用されている公知の不飽和ポリエステルを用いることができる。この不飽和ポリエステルは、不飽和カルボン酸とアルコール類とから得られるものである。
不飽和カルボン酸としては、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、クロロマレイン酸、あるいはこれらのジメチルエステル類などが挙げられる。重合性のオリゴマーおよびポリマーの性状を調整するために、重合性モノマーを添加してもよい。
重合性モノマーとしては、例えばスチレン、メチルスチレンモノマー、ビニルトルエン、パレメチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族モノマー、官能性アクリレート、ヒドロキシルブチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマーやアクリル酸等、カルボキシル基を有するモノマーも使用できる。更にその他のアクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体、アクリルニトリル、メタアクリルニトリル等の不飽和ニトリル類等のお使用することができ、炭素数1〜4のアルキル基を有するマレイン酸エステルおよびフマル酸エステル等を併用してもよい。更に、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールアクリレート、ブチレングリコールアクリレート、トリメチロールプロパジンアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オリゴエチレンギアクリレートなどの多官性重合性単量体を用いることもできる。これらの重合性単量体のうち、1種用いてもよいし、1種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における重合性のオリゴマーおよび/またはポリマーの不飽和ポリエステルとしては、特に制限なく、従来一般の不飽和ポリエステル樹脂成形品に慣用されている公知の不飽和ポリエステルを用いることができる。この不飽和ポリエステルは、不飽和カルボン酸とアルコール類とから得られるものである。
不飽和カルボン酸としては、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、クロロマレイン酸、あるいはこれらのジメチルエステル類などが挙げられる。重合性のオリゴマーおよびポリマーの性状を調整するために、重合性モノマーを添加してもよい。
重合性モノマーとしては、例えばスチレン、メチルスチレンモノマー、ビニルトルエン、パレメチルスチレン、クロロスチレン等の芳香族モノマー、官能性アクリレート、ヒドロキシルブチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマーやアクリル酸等、カルボキシル基を有するモノマーも使用できる。更にその他のアクリル酸エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体、アクリルニトリル、メタアクリルニトリル等の不飽和ニトリル類等のお使用することができ、炭素数1〜4のアルキル基を有するマレイン酸エステルおよびフマル酸エステル等を併用してもよい。更に、エチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールアクリレート、ブチレングリコールアクリレート、トリメチロールプロパジンアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オリゴエチレンギアクリレートなどの多官性重合性単量体を用いることもできる。これらの重合性単量体のうち、1種用いてもよいし、1種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においてUV硬化性樹脂組成物に用いられる半硬化剤としては、例えば、SMC(Sheet Molding Compound)やBMC(Bulk Molding Compound)に一般的に用いられる酸化マグネシウムなどの金属酸化物や、熱可塑性樹脂粉末などが挙げられるが、特に熱可塑性樹脂粉末のうちアクリル系樹脂からなる微粒子が好ましい。
本発明の半硬化剤に用いられるアクリル系樹脂としては、PMMA、エポキシ基含有PMMA、アクリレート共重合体、コアシェルアクリレート、共重合体、改質PMMAなどが挙げられるが、特に改質PMMAが好ましい。改質PMMAとは水酸基、カルボキシル基などで変性された粒子表面が改質されたPMMAである。
補強用シートを成型するには、予備重合を利用する方法もあるが、これは化学反応による硬化を途中で止める方法のため、シート柔軟性の調整が難しい場合があり、そのため、十分な接着性が得られない場合がある。これに対し、半硬化剤は混合された樹脂を吸収し膨潤することによって増粘作用を発現するもので、混合した半硬化剤に樹脂が吸収されることにより樹脂の流動性が抑制されてゲル状に変化しシートとしての成型が可能になる。更に、添加量を調整することで、シートの硬さや柔軟性が任意に調整可能である。半硬化剤を用いることによって、柔軟性、接着性などの取扱い性に優れる最適な状態のシートが作成できる。
本発明の半硬化剤に用いられるアクリル系樹脂としては、PMMA、エポキシ基含有PMMA、アクリレート共重合体、コアシェルアクリレート、共重合体、改質PMMAなどが挙げられるが、特に改質PMMAが好ましい。改質PMMAとは水酸基、カルボキシル基などで変性された粒子表面が改質されたPMMAである。
補強用シートを成型するには、予備重合を利用する方法もあるが、これは化学反応による硬化を途中で止める方法のため、シート柔軟性の調整が難しい場合があり、そのため、十分な接着性が得られない場合がある。これに対し、半硬化剤は混合された樹脂を吸収し膨潤することによって増粘作用を発現するもので、混合した半硬化剤に樹脂が吸収されることにより樹脂の流動性が抑制されてゲル状に変化しシートとしての成型が可能になる。更に、添加量を調整することで、シートの硬さや柔軟性が任意に調整可能である。半硬化剤を用いることによって、柔軟性、接着性などの取扱い性に優れる最適な状態のシートが作成できる。
本発明においてUV硬化性樹脂組成物に用いられる光重合開始剤としては、ラジカル系光重合開始剤やカチオン系光重合開始剤を用いることができるが、特にラジカル系光重合開始剤が好ましい。
ラジカル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アルキルフェノン、または、これらの誘導体を挙げることができるが、特にアルキルフェノン系光重合開始剤が好ましい。
本発明においてUV硬化性樹脂組成物に用いられる硬化促進剤としては、金属石鹸類、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウムが挙げられ、金属キレート化合物、例えばバナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセテートがある。またアミン酸にはジエチルアニリン、ジメチルトルイジン、ピリジン、フェニルモルモリン、ビベジリン、ジエタノールアニリン等を用いてもよい。
ラジカル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アルキルフェノン、または、これらの誘導体を挙げることができるが、特にアルキルフェノン系光重合開始剤が好ましい。
本発明においてUV硬化性樹脂組成物に用いられる硬化促進剤としては、金属石鹸類、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウムが挙げられ、金属キレート化合物、例えばバナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセテートがある。またアミン酸にはジエチルアニリン、ジメチルトルイジン、ピリジン、フェニルモルモリン、ビベジリン、ジエタノールアニリン等を用いてもよい。
本発明の補強用シートは、無織りのメッシュにUV硬化性樹脂組成物を付着させることによって得ることができるが、その方法は特に制限されるものではなく、例えば、UV硬化性樹脂組成物を無織りのメッシュに含浸させても、無織りのメッシュにUV硬化性樹脂組成物を塗布しても、または吹き付けることによって付着させてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中の単繊維繊度、目付け、ヤーン幅、目合、厚み、メッシュの引張り強度、メッシュの引張り伸度、剥離紙からの剥離性、シートの柔軟性、繊維露出、シート固定性、シート強力、シート伸度は、以下の方法により測定した。
[メッシュの単繊維繊度(dtex)]
JIS L−1013−2010化学繊維フィラメント糸試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの目付け(g/m2)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュのヤーン幅(mm)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの目合(mm)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの厚み(mm)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの引張り強度(N/5cm)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの引張り伸度(%)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
JIS L−1013−2010化学繊維フィラメント糸試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの目付け(g/m2)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュのヤーン幅(mm)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの目合(mm)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの厚み(mm)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの引張り強度(N/5cm)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[メッシュの引張り伸度(%)]
JIS L−1096−2010織物及び編物の生地試験方法に準拠して測定した。
[参考例1(試験片の作成)]
主剤樹脂として不飽和ポリエステル樹脂(DICLITE UE−8071−60BH、DIC株式会社製)100重量部に対し、半硬化剤としてアクリル系増粘剤(ZEFIAC−F303、アイカ工業株式会社製)26重量部を添加し、不飽和ポリエステル樹脂とアクリル系増粘剤が均一に混ざるまで攪拌した。光重合開始剤としてラジカル系光重合開始剤(IRGACURE184、(チバ・ジャパン株式会社製)0.3重量部をさらに添加し、前記混合樹脂とラジカル系光重合開始剤が均一に混ざるまで攪拌混合した。剥離紙(クラミロンSP−64G GPW3/2、リンテック株式会社製)の上にA4サイズに均等に広げた補強繊維を載せ、前記調整樹脂68gをメッシュ上に流し、バーコーターで均一厚みにならした後、一旦メッシュを持ち上げ下面にも樹脂を流し広げメッシュを戻した。更にバーコーターで均一厚みにならした。成型したシートを50℃の環境に置き、約2時間保管した後、上面にも剥離紙を貼り付けたものを試験片とした。
主剤樹脂として不飽和ポリエステル樹脂(DICLITE UE−8071−60BH、DIC株式会社製)100重量部に対し、半硬化剤としてアクリル系増粘剤(ZEFIAC−F303、アイカ工業株式会社製)26重量部を添加し、不飽和ポリエステル樹脂とアクリル系増粘剤が均一に混ざるまで攪拌した。光重合開始剤としてラジカル系光重合開始剤(IRGACURE184、(チバ・ジャパン株式会社製)0.3重量部をさらに添加し、前記混合樹脂とラジカル系光重合開始剤が均一に混ざるまで攪拌混合した。剥離紙(クラミロンSP−64G GPW3/2、リンテック株式会社製)の上にA4サイズに均等に広げた補強繊維を載せ、前記調整樹脂68gをメッシュ上に流し、バーコーターで均一厚みにならした後、一旦メッシュを持ち上げ下面にも樹脂を流し広げメッシュを戻した。更にバーコーターで均一厚みにならした。成型したシートを50℃の環境に置き、約2時間保管した後、上面にも剥離紙を貼り付けたものを試験片とした。
[剥離紙からの剥離性]
試験片の角から手で3秒かけてゆっくりと剥がし、以下の基準で剥離性を評価した。
評価基準
◎:1枚のシートとして剥がすことができ、剥離紙に樹脂残りがなく、剥離前のシート形状が剥離後も変化しない。
○:1枚のシートとして剥がすことはできるが、剥離紙に樹脂が残り、剥離前のシート形状を維持できず剥離後のシートに乱れが生じる。
△:1枚のシートとして剥がすことができず、剥離紙に樹脂が残り、剥離前のシート形状が崩れ2個の断片に分かれる。
×:1枚のシートとして剥がすことができず、剥離紙に樹脂が残り、剥離前のシート形状が崩れ3個以上の断片に分かれる。
試験片の角から手で3秒かけてゆっくりと剥がし、以下の基準で剥離性を評価した。
評価基準
◎:1枚のシートとして剥がすことができ、剥離紙に樹脂残りがなく、剥離前のシート形状が剥離後も変化しない。
○:1枚のシートとして剥がすことはできるが、剥離紙に樹脂が残り、剥離前のシート形状を維持できず剥離後のシートに乱れが生じる。
△:1枚のシートとして剥がすことができず、剥離紙に樹脂が残り、剥離前のシート形状が崩れ2個の断片に分かれる。
×:1枚のシートとして剥がすことができず、剥離紙に樹脂が残り、剥離前のシート形状が崩れ3個以上の断片に分かれる。
[シートの柔軟性]
剥離性を評価する際に剥離紙を剥がした後のシートを20cm×4cmに切り出し、台の上にシートの先端がはみ出さないように置いた。その後、シートを台上より長手方向にはみ出させ、先端部が10cm下がった時のはみ出し距離を測定し、以下の基準で柔軟性を評価した。
評価基準
◎:先端部が10cm下がった時のはみ出し距離が12cm未満
○:先端部が10cm下がった時のはみ出し距離が12cm以上16cm未満
△:先端部が10cm下がった時のはみ出し距離が 16cm以上19cm未満
×:先端部が10cm下がった時のはみ出し距離が19cm以上
剥離性を評価する際に剥離紙を剥がした後のシートを20cm×4cmに切り出し、台の上にシートの先端がはみ出さないように置いた。その後、シートを台上より長手方向にはみ出させ、先端部が10cm下がった時のはみ出し距離を測定し、以下の基準で柔軟性を評価した。
評価基準
◎:先端部が10cm下がった時のはみ出し距離が12cm未満
○:先端部が10cm下がった時のはみ出し距離が12cm以上16cm未満
△:先端部が10cm下がった時のはみ出し距離が 16cm以上19cm未満
×:先端部が10cm下がった時のはみ出し距離が19cm以上
[繊維露出]
剥離性を評価する際に剥離紙を剥がした後のシートを用いて、目視でシート表面からの繊維露出の有無を評価した。
剥離性を評価する際に剥離紙を剥がした後のシートを用いて、目視でシート表面からの繊維露出の有無を評価した。
[シート固定性]
JIS A5371−2010プレキャスト無筋コンクリート平板表面に4種ケレン処理(ワイヤーブラシやサンドペーパーで粉化物及び汚れを除去、清浄にする)し、試験片の片面の剥離紙を剥ぎ、剥ぎ取った面を平板表面に張り合わせローラーで0.2MPa/cm2の力で空隙がなくなるまで圧着した試験片を用いてシート固定性を評価した。評価は指でシートを押し付けながら横に移動させたとき、移動するか否かで評価した。
JIS A5371−2010プレキャスト無筋コンクリート平板表面に4種ケレン処理(ワイヤーブラシやサンドペーパーで粉化物及び汚れを除去、清浄にする)し、試験片の片面の剥離紙を剥ぎ、剥ぎ取った面を平板表面に張り合わせローラーで0.2MPa/cm2の力で空隙がなくなるまで圧着した試験片を用いてシート固定性を評価した。評価は指でシートを押し付けながら横に移動させたとき、移動するか否かで評価した。
[シート強力(N/5cm) ]
試験片の片面の剥離紙を剥ぎ取り、シート面にサンラップSSL250A(スタンレー電気社製)を20分間照射し、硬化させ裏面の剥離紙も剥ぎ取って、JIS L 1096−2010織物及び編物の生地試験方法により、シート強度を測定し以下の基準で評価を行った。
評価基準
◎:1500cN/5cm以上
○:1000cN/5cm以上1500cN/5cm未満
△:300cN/5cm以上1000cN/5cm未満
×:300cN/5cm未満
試験片の片面の剥離紙を剥ぎ取り、シート面にサンラップSSL250A(スタンレー電気社製)を20分間照射し、硬化させ裏面の剥離紙も剥ぎ取って、JIS L 1096−2010織物及び編物の生地試験方法により、シート強度を測定し以下の基準で評価を行った。
評価基準
◎:1500cN/5cm以上
○:1000cN/5cm以上1500cN/5cm未満
△:300cN/5cm以上1000cN/5cm未満
×:300cN/5cm未満
[シート伸度(%) ]
試験片の片面の剥離紙を剥ぎ取りシート面にサンラップSSL250A(スタンレー電気製)を20分間照射し、硬化させ裏面の剥離紙も剥ぎ取って、JIS L 1096−2010織物及び編物の生地試験方法により、シート伸度を測定し以下の基準で評価を行った。
シート伸度(%)=(引張り破断時の変位量(mm)/初期試料長(mm))×100
評価基準
◎:4%以上8%以下
○:2%以上4%未満、または、8%より大きく10%以下
△: 1%以上2%未満、または、10%より大きく20%以下
×:1%未満、または、20%より大きい
試験片の片面の剥離紙を剥ぎ取りシート面にサンラップSSL250A(スタンレー電気製)を20分間照射し、硬化させ裏面の剥離紙も剥ぎ取って、JIS L 1096−2010織物及び編物の生地試験方法により、シート伸度を測定し以下の基準で評価を行った。
シート伸度(%)=(引張り破断時の変位量(mm)/初期試料長(mm))×100
評価基準
◎:4%以上8%以下
○:2%以上4%未満、または、8%より大きく10%以下
△: 1%以上2%未満、または、10%より大きく20%以下
×:1%未満、または、20%より大きい
[実施例1]
参考例1の製造方法で補強繊維としてポリビニルアルコール系繊維からなる無織りのメッシュ(VK−1010:株式会社クラレ製)を使用して試験片を作成した。この試験片を用いて各種測定を行い、その結果を表1に示した。
参考例1の製造方法で補強繊維としてポリビニルアルコール系繊維からなる無織りのメッシュ(VK−1010:株式会社クラレ製)を使用して試験片を作成した。この試験片を用いて各種測定を行い、その結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1の無織りのメッシュをショートカット繊維に変更する以外は、参考例1と同様にして試験片を作製し、実施例1と同様に各種測定を行い、その結果を表1に示した。
実施例1の無織りのメッシュをショートカット繊維に変更する以外は、参考例1と同様にして試験片を作製し、実施例1と同様に各種測定を行い、その結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例1の無織りのメッシュを織物メッシュに変更する以外は、参考例1と同様にして試験片を作製し、実施例1と同様に各種測定を行い、その結果を表1に示した。
実施例1の無織りのメッシュを織物メッシュに変更する以外は、参考例1と同様にして試験片を作製し、実施例1と同様に各種測定を行い、その結果を表1に示した。
[比較例3]
実施例1において、主剤樹脂成分の半硬化剤(アクリル系増粘剤)を添加しないこと以外は、参考例1と同様にして試験片を作成し、実施例1と同様に各種測定を行い、その結果を下記の表1に示した。
実施例1において、主剤樹脂成分の半硬化剤(アクリル系増粘剤)を添加しないこと以外は、参考例1と同様にして試験片を作成し、実施例1と同様に各種測定を行い、その結果を下記の表1に示した。
本発明の補強用シートは、強度とともに柔軟性があり複雑な形状の基材の補修に好適なシートを提供可能である。また、接着性が良好なことから立ち面や天井面にも基材との空間を残すことなく補強や補修に好適なシートが提供可能である。
Claims (7)
- 無織りのメッシュで補強されたUV硬化性樹脂組成物からなる補強用シート。
- 前記メッシュの引張り伸度が1〜20%である請求項1に記載の補強用シート。
- 前記メッシュがポリビニルアルコール系繊維からなる請求項1または2に記載の補強用シート。
- 前記UV硬化性樹脂組成物が以下の(1)〜(3)を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の補強用シート。
(1)重合性のオリゴマーおよび/またはポリマー
(2)半硬化剤
(3)光重合開始剤または硬化促進剤 - 前記UV硬化性樹脂組成物が重合性オリゴマーおよび/またはポリマーとしてビニルエステル系樹脂を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の補強用シート。
- 前記UV硬化性樹脂組成物が半硬化剤としてアクリル系樹脂を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の補強用シート。
- 前記UV硬化性樹脂組成物が光重合開始剤としてアルキルフェノン系光重合開始剤を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の補強用シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014260242A JP2016121224A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | 補強用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014260242A JP2016121224A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | 補強用シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016121224A true JP2016121224A (ja) | 2016-07-07 |
Family
ID=56328146
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014260242A Pending JP2016121224A (ja) | 2014-12-24 | 2014-12-24 | 補強用シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016121224A (ja) |
-
2014
- 2014-12-24 JP JP2014260242A patent/JP2016121224A/ja active Pending
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