JP2016120128A - 磁気共鳴装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】水が主成分の位置であるか、脂肪が主成分の位置であるかを、容易に判断できる技術を提供する。【解決手段】MR装置は、スキャンA1、スキャンA2、およびスキャンBを実行するスキャン手段と、スキャンA1により得られたイメージングデータに基づいて画像IV1〜IVmを作成するとともに、スキャンA2により得られたイメージングデータに基づいて画像IW1〜IWmを作成する画像作成手段と、画像IV1〜IVmおよび画像IW1〜IWmに基づいて、スライスごとに、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するための識別マップを作成する識別マップ作成手段とを有する。【選択図】図9

Description

本発明は、撮影部位をスキャンする磁気共鳴装置、およびこの磁気共鳴装置に適用されるプログラムに関する。
水脂肪分離技術として、2-point Dixon法が知られている(特許文献1参照)。
特開2014−90949号公報
2-point Dixon法では、水と脂肪が同位相(In phase)のときに得られるインフェーズ信号と、水と脂肪が逆位相(Out of phase)のときに得られるアウトオブフェーズ信号とを取得し、インフェーズ信号とアウトオブフェーズ信号とに基づいて水信号と脂肪信号を分離する。したがって、水画像および脂肪画像を得ることができる。
しかし、実際には、静磁場空間には静磁場不均一が生じているので、スピンには、静磁場不均一による位相変化が生じる。したがって、静磁場不均一による位相変化により、水信号と脂肪信号とをうまく分離することができない場合がある。そこで、静磁場不均一に起因したスピンの位相変化を表すフィールドマップを作成し、このフィールドマップに基づいて水信号と脂肪信号とを分離する手法が知られている。フィールドマップを用いることにより、静磁場不均一に起因したスピンの位相変化を補正することができるので、水信号と脂肪信号とを分離することが可能となる。
フィールドマップを作成する場合、一般的には、領域拡張(region growing)法が用いられる。領域拡張法では、位相の算出を開始するためのシードを設定し、シードを起点にして各画素の位相を算出している。
しかし、撮影部位によっては、空気などのノイズの影響を受けて、領域拡張により算出された位相の誤差が大きくなり、領域拡張を行っている途中で、実際には水が主成分の位置を、脂肪が主成分の位置と判断したり、逆に、実際には脂肪が主成分の位置を、水が主成分の位置と判断してしまうことがある。このように、水が主成分の位置なのか、それとも脂肪が主成分の位置なのかを、誤って判断してしまうと、静磁場不均一による位相変化を十分に反映したフィールドマップを得ることができず、水信号と脂肪信号とをうまく分離することができないという問題がある。
したがって、水が主成分の位置であるか、脂肪が主成分の位置であるかを、容易に判断できる技術が望まれている。
本発明の第1の観点は、水および脂肪を含む撮影部位から、水信号と脂肪信号とを含む第1のデータを取得するための第1のシーケンスを含む第1のスキャンと、前記撮影部位における脂肪信号を抑制するための脂肪抑制パルスを有し、前記脂肪抑制パルスが印加された後に、前記撮影部位から、水信号を含むとともに脂肪信号が抑制された第2のデータを取得するための第2のシーケンスを含む第2のスキャンとを実行するスキャン手段と、
前記第1のデータに基づいて第1の画像を作成するとともに、前記第2のデータに基づいて第2の画像を作成する画像作成手段と、
前記第1の画像と前記第2の画像とに基づいて、前記撮影部位の中で、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するための識別マップを作成する識別マップ作成手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
本発明の第2の観点は、水および脂肪を含む撮影部位から、水信号と脂肪信号とを含む第1のデータを取得するための第1のシーケンスを含む第1のスキャンと、前記撮影部位における脂肪信号を抑制するための脂肪抑制パルスを有し、前記脂肪抑制パルスが印加された後に、前記撮影部位から、水信号を含むとともに脂肪信号が抑制された第2のデータを取得するための第2のシーケンスを含む第2のスキャンとを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記第1のデータに基づいて第1の画像を作成するとともに、前記第2のデータに基づいて第2の画像を作成する画像作成処理と、
前記第1の画像と前記第2の画像とに基づいて、前記撮影部位の中で、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するための識別マップを作成する識別マップ作成処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
前記第1の画像と前記第2の画像とに基づいて、前記撮影部位の中で、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するための識別マップを作成する。したがって、水が主成分であるか、脂肪が主成分あるかの判断を容易に行うことができる。
本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。 プロセッサ9が実行する処理を示す図である。 本形態で実行されるスキャンの説明図である。 本形態におけるフローを示す図である。 スキャンA1の説明図である。 スキャンA1によりデータの取得が行われるスライスSL1〜SLmを示す図である。 シーケンスV1の説明図である。 シーケンスV2の説明図である。 シーケンスVmの説明図である。 スキャンA2の説明図である。 シーケンスW1の説明図である。 シーケンスW2の説明図である。 シーケンスWmの説明図である。 スキャンBの説明図である。 スキャンBにおける撮影部位を概略的に示す図である。 スキャンA1により得られたスライスSL1の画像IV1と、スキャンA2により得られたスライスSL1の画像IW1とを概略的に示す図である。 画像IV1およびIW1を2値化するときの説明図である。 2値画像BV1とBW1との差分画像を作成するときの説明図である。 スライスSL1〜SLmにおける識別マップM1〜Mmを示す図である。 フィールドマップIMを概略的に示す図である。 識別マップM1〜Mmの中から特定された胴部データDA、右腕部データDR、および左腕部データDLを概略的に示す図である。 胴部データDAに設定された検索ウィンドウSWを概略的に示す図である。 合計値Nが負の最大値になるときの検索ウィンドウSWの位置(x1,y1,z1)を概略的に示す図である。 フィールドマップIMの胴部に設定されたシードSE1を概略的に示す図である。 フィールドマップIMの右腕部および左腕部に設定されたシードを概略的に示す図である。 位相補正後のフィールドマップIM´を概略的に示す図である。 水画像Wおよび脂肪画像Fを作成するときの一例を示す図である。 実験結果の説明図である。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ。MR:Magnetic Resonance)100は、マグネット2、テーブル3、受信RFコイル(以下、「受信コイル」と呼ぶ)4などを有している。
マグネット2は、被検体13が収容されるボア21を有している。また、マグネット2は、静磁場を発生させるための超伝導コイル、勾配磁場を印加するための勾配コイル、およびRFパルスを送信するためのRFコイルなどを有している。超伝導コイルの代わりに、永久磁石を用いてもよい。
テーブル3は、クレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体13はボア21に搬送される。
受信コイル4は、被検体13の腹部から胸部に掛けて取り付けられている。受信コイル4は、被検体13からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、コンピュータ8、操作部11、および表示部12などを有している。
送信器5はRFコイルに電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイルに電流を供給する。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。尚、マグネット2、受信コイル4、送信器5、勾配磁場電源6、および受信器7を合わせたものがスキャン手段に相当する。
コンピュータ8は、表示部12に必要な情報を伝送したり、画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。コンピュータ8は、プロセッサ9およびメモリ10などを有している。
メモリ10には、プロセッサ9により実行されるプログラムなどが記憶されている。メモリ10は、プロセッサ9で読み取り可能な記録媒体の一例である。プロセッサ9で実行されるプログラムは、ハードディスクなどの非一過性の記録媒体に記憶されていてもよい。プロセッサ9で実行されるプログラムは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ハードディスクなどの記憶媒体に記憶することができる。プロセッサ9は、プログラムに記述されている処理を実行する。図2に、プロセッサ9が実行する処理を示す。プロセッサ9は、メモリ10に記憶されているプログラムを読み出すことにより、画像作成手段91〜補正手段96などを構成する。
画像作成手段91は、後述するスキャンA1、A2、およびA3により得られたデータに基づいて、種々の画像を作成する。
識別マップ作成手段92は、識別マップ(図19参照)を作成する。識別マップについては後述する。識別マップ作成手段92は、2値化手段93および差分手段94などを有している。2値化手段93は、スキャンA1およびA2により得られた画像を2値化する。差分手段94は、2値化手段93により得られた2つの2値画像の差分画像を求める。
フィールドマップ作成手段95は、インフェーズ画像およびアウトオブフェーズ画像に基づいて、磁場不均一の情報を含むフィールドマップを作成する。
補正手段96は、識別マップに基づいて、フィールドマップの位相を補正する。
プロセッサ9は、画像作成手段91〜補正手段96を構成する一例であり、メモリ10に記憶されたプログラムを実行することによりこれらの手段として機能する。
操作部11は、オペレータにより操作され、種々の情報をコンピュータ8に入力する。表示部12は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。
図3は、本形態で実行されるスキャンの説明図である。
本形態では、スキャンA1、スキャンA2、およびスキャンBが実行される。
スキャンA1およびA2は、後述する識別マップを作成するために実行されるスキャンである。スキャンBは、異なる2つのエコー時間において磁気共鳴信号(MR信号)を収集する2Point-Dixon法を用いて水脂肪分離を行うためのスキャンである。
本形態では、スキャンA1、スキャンA2、およびスキャンBを実行し、スキャンA1、スキャンA2、およびスキャンBにより得られたデータに基づいて、水画像および脂肪画像を取得する。以下に、スキャンA1、スキャンA2、およびスキャンBを実行し、水画像および脂肪画像を取得するまでのフローについて説明する。
図4は、本形態におけるフローを示す図である。
ステップST1では、スキャンA1、スキャンA2、およびスキャンBが順に実行される。以下では、先ず、スキャンA1、スキャンA2、およびスキャンBについて順に説明する。
(1)スキャンA1について
図5は、スキャンA1の説明図、図6は、スキャンA1によりデータの取得が行われるスライスSL1〜SLmを示す図である。
スキャンA1では、第1のシーケンスV1〜Vmが実行される。シーケンスV1〜Vmは、それぞれ被検体の胴部を横切るように設定されたスライスSL1〜SLm(図6参照)からMR信号を収集するためのスキャンである。本形態では、スライスSL1〜SLmはアキシャル面のスライスであるが、スライスはアキシャル面に限定されることはなく、コロナル面、サジタル面、又はオブリーク面であってもよい。シーケンスV1〜Vmの各々は、1回の励起でk空間の全ビューのデータを取得するシングルショット高速スピンエコー(SSFSE)のシーケンスである。シーケンスV1〜Vmの各々では、脂肪抑制は行われていないので、各スライスにおける水の含有量および脂肪の含有量を反映したMR信号を発生させることができる。以下、シーケンスV1〜Vmについて順に説明する。
図7は、シーケンスV1の説明図である。
シーケンスV1は、スライスSL1のk空間の全ビューのデータを取得するためのシーケンスである。したがって、シーケンスV1を実行することにより、スライスSL1のk空間の全ビューのデータを表すイメージングデータDV1を取得することができる。画像作成手段91(図2参照)は、イメージングデータDV1をフーリエ変換し、スライスSL1の画像IV1を再構成する。上記のように、シーケンスV1では脂肪抑制が行われていないので、水の含有量と脂肪の含有量とを反映した画像IV1を得ることができる。シーケンスV1を実行した後、次のシーケンスV2が実行される(図8参照)。
図8は、シーケンスV2の説明図である。
シーケンスV2は、スライスSL2のk空間の全ビューのデータを取得するためのシーケンスである。したがって、シーケンスV2を実行することにより、スライスSL2のk空間の全ビューのデータを表すイメージングデータDV2を取得することができる。画像作成手段91は、イメージングデータDV2をフーリエ変換し、スライスSL2の画像IV2を再構成する。上記のように、シーケンスV2では脂肪抑制が行われていないので、水の含有量と脂肪の含有量とを反映した画像IV2を得ることができる。
以下同様に、シーケンスVmが実行されるまで、残りのシーケンスが順に実行される。
図9は、シーケンスVmの説明図である。
シーケンスVmは、スライスSLmのk空間の全ビューのデータを取得するためのシーケンスである。したがって、シーケンスVmを実行することにより、スライスSLmのk空間の全ビューのデータを表すイメージングデータDVmを取得することができる。画像作成手段91は、イメージングデータDVmをフーリエ変換し、スライスSLmの画像IVmを再構成する。上記のように、シーケンスVmでは脂肪抑制が行われていないので、水の含有量と脂肪の含有量とを反映した画像IVmを得ることができる。
シーケンスV1〜Vmは、それぞれ、スライスSL1〜SLmのデータを取得するためのシーケンスであるので、シーケンスV1〜Vmを順に実行することにより、スライスSL1〜SLmの画像IV1〜IVmを得ることができる。
スキャンA1を実行した後、スキャンA2が実行される。
(2)スキャンA2について
図10は、スキャンA2の説明図である。
スキャンA2では、シーケンスW1〜Wmが実行される。シーケンスW1〜Wmは、それぞれスライスSL1〜SLm(図6参照)からMR信号を収集するためのスキャンである。シーケンスW1〜Wmは、ぞれぞれ、シーケンスV1〜Vm(図5参照)と同様に、1回の励起でk空間の全ビューのデータを取得するシングルショット高速スピンエコー(SSFSE)シーケンスである。しかし、シーケンスW1〜Wmは、シーケンスV1〜Vmとは異なり、脂肪を抑制するための脂肪抑制パルスFを有している。シーケンスW1〜Wmの各々は、脂肪抑制パルスFと、脂肪抑制パルスFが印加された後でスライスからデータを取得するためのデータ取得シーケンス部DAQとを有している。脂肪抑制パルスFは、例えば、反転パルスである。シーケンスW1〜Wmの各々では、脂肪抑制が行われるので、脂肪信号が抑制されたMR信号を発生させることができる。以下、シーケンスW1〜Wmについて順に説明する。
図11は、シーケンスW1の説明図である。
シーケンスW1は、スライスSL1(図6参照)のk空間の全ビューのデータを取得するためのシーケンスである。したがって、シーケンスW1を実行することにより、スライスSL1のk空間の全ビューのデータを表すイメージングデータDW1を取得することができる。画像作成手段91は、イメージングデータDW1をフーリエ変換し、スライスSL1の画像IW1を再構成する。上記のように、シーケンスW1では、脂肪抑制パルスFにより脂肪信号が抑制されるので、水に対して脂肪が抑制された画像を得ることができる。シーケンスW1を実行した後、次のシーケンスW2が実行される(図12参照)。
図12は、シーケンスW2の説明図である。
シーケンスW2は、スライスSL2のk空間の全ビューのデータを取得するためのシーケンスである。したがって、シーケンスW2を実行することにより、スライスSL2のk空間の全ビューのデータを表すイメージングデータDW2を取得することができる。画像作成手段91は、イメージングデータDW2をフーリエ変換し、スライスSL2の画像IW2を再構成する。
以下同様に、シーケンスWmが実行されるまで、残りのシーケンスが順に実行される。
図13は、シーケンスWmの説明図である。
シーケンスWmは、スライスSLmのk空間の全ビューのデータを取得するためのシーケンスである。したがって、シーケンスWmを実行することにより、スライスSLmのk空間の全ビューのデータを表すイメージングデータDWmを取得することができる。画像作成手段91は、イメージングデータDWmをフーリエ変換し、スライスSLmの画像IWmを再構成する。
したがって、スキャンA2において、シーケンスW1〜Wmを実行することにより、脂肪が抑制された各スライスの画像を得ることができる。
スキャンA2実行した後、スキャンBを実行する。
(3)スキャンBについて
図14は、スキャンBの説明図、図15はスキャンBにおける撮影部位を概略的に示す図である。
スキャンBでは、撮影部位Rを3D励起し、水と脂肪が同位相(In phase)になるときのMR信号と、水と脂肪が逆位相(Out of phase)になるときのMR信号とを収集する2-point Dixon法を用いた3Dシーケンスが実行される。本形態では、スキャンA1およびA2においてスライスSL1〜SLmが設定された部位が、スキャンBにおける撮影部位Rとして設定される。
スキャンBを実行することにより、水と脂肪が同位相(In phase)になるときのMR信号の情報を含むインフェーズデータと、水と脂肪が逆位相(Out of phase)になるときのMR信号の情報を含むアウトオブフェーズデータとを得ることができる。
画像作成手段91は、インフェーズデータをフーリエ変換し、撮影部位Rの3Dインフェーズ画像IMinを再構成する。また、画像作成手段91は、アウトオブフェーズデータをフーリエ変換し、撮影部位Rの3Dアウトオブフェーズ画像IMoutを再構成する。したがって、スキャンBを実行することにより、インフェーズ画像IMinおよびアウトオブフェーズ画像IMoutを得ることができる。
スキャンA1、スキャンA2、およびスキャンBを実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、識別マップ作成手段92(図2参照)が、スキャンA1により得られた画像IV1〜IVm(図9参照)と、スキャンA2により得られた画像IW1〜IWm(図13参照)とに基づいて、スライスごとに、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するための識別マップを作成する。以下に、識別マップの作成方法について説明する。尚、どのスライスであっても識別マップの作成方法は同じであるので、以下では、スライスSL1〜SLmのうち、代表してスライスSL1を取り上げて識別マップの作成方法について説明する。
スライスSL1における識別マップを作成する場合、スキャンA1により得られたスライスSL1の画像IV1と、スキャンA2により得られたスライスSL1の画像IW1とが使用される。図16に、スキャンA1により得られたスライスSL1の画像IV1と、スキャンA2により得られたスライスSL1の画像IW1とを概略的に示す。
図16では、画像IV1およびIW1の各々において、信号強度の違いを概略的に示してある。画像の信号強度は、ピクセルごとに様々な値をとり得るが、ここでは、説明の便宜上、信号強度を3段階に分けている。以下、画像IV1およびIW1の信号強度について順に説明する。
(1)画像IV1について
画像IV1には、体外領域R1、脂肪が主成分の領域(以下、「脂肪領域」と呼ぶ)R2、水が主成分の領域(以下、「水領域」と呼ぶ)R3が示されている。体外領域R1は、空気の影響を受けて低信号となる。一方、脂肪領域R2および水領域R3は、比較的高信号となる。ここでは、脂肪領域R2の信号が最も高く、次いで、水領域R3の信号が高いとする。
(2)画像IW1について
画像IW1にも、画像IV1と同様に、体外領域R1、脂肪領域R2、水領域R3が示されている。尚、図16では、画像IV1における各領域と、画像IW1における各領域とを区別するために、画像IW1の各領域を表す符号には、ダッシュ「´」を付してある。体外領域R1´は、空気の影響を受けて低信号となる。また、脂肪領域R2´は、脂肪抑制パルスF(図13参照)の効果により、比較的低信号となる。一方、水領域R3´は、脂肪抑制パルスFの影響を受けないので、比較的高信号となる。
識別マップ作成手段92は、スライスSL1における2つの画像IV1およびIW1に基づいて、スライスSL1における識別マップを作成する。尚、本形態では、識別マップの作成を行うためのステップST2は、2つのステップST21およびST22を有している。したがって、以下では、ステップST21およびST22について順に説明する。
ステップST21では、2値化手段93(図2参照)が、画像IV1およびIW1を2値化する。図17は、画像IV1およびIW1を2値化するときの説明図である。2値化手段93は、先ず、画像IV1を2値化する。ここでは、画像IV1の中で、信号値が比較的高い領域(例えば、脂肪領域R2および水領域R3)には信号値「1」が割り当てられ、一方、低信号の領域(例えば、体外領域R1)には信号値「0」が割り当てられるように、画像IV1を2値化する。2値化は、例えば、閾値を用いて行うことができる。画像IV1では、脂肪領域R2および水領域R3は、体外領域R1よりも信号値が十分に大きいので、この信号値の違いを利用することにより、脂肪領域R2および水領域R3の信号値と、体外領域R1の信号値とを区別するための閾値TH1を求めることができる。したがって、画像IV1のピクセルごとに、信号値と閾値TH1とを比較することにより、脂肪領域R2および水領域R3に信号値「1」が割り当てられ、体外領域R1に信号値「0」が割り当てられた2値画像BV1を得ることができる。尚、閾値TH1の値の決定方法としては、被検体のスキャンA1により得られた画像IV1に基づいて閾値TH1の値を決定する方法や、被検体のスキャンを行う前に、予め多数の被検体に対してスキャンA1を行い、これらの多数の被検体から得られたデータに基づいて閾値TH1をデフォルト値として決定しておく方法がある。
画像IV1を2値化した後、2値化手段93は、画像IW1を2値化する。ここでは、画像IW1の中で、信号値が比較的高い領域(例えば、水領域R3´)には信号値「2」が割り当てられ、一方、低信号の領域(例えば、体外領域R1´および脂肪領域R2´)には信号値「0」が割り当てられるように、画像IW1を2値化する。画像IW1では、水領域R3´は、体外領域R1´や脂肪領域R2´よりも信号値が十分に大きいので、この信号値の違いを利用することにより、水領域R3´の信号値と、体外領域R1´および脂肪領域R2´の信号値とを区別するための閾値TH2を求めることができる。したがって、画像IW1のピクセルごとに、信号値と閾値TH2とを比較することにより、水領域R3´に信号値「2」が割り当てられ、体外領域R1´および脂肪領域R2´に信号値「0」が割り当てられた2値画像BW1を得ることができる。尚、閾値TH2の値は、画像IW1に基づいて決定してもよいし、デフォルト値として予め決定しておいてもよい。
2値化をした後、ステップST22に進む。
ステップST22では、差分手段94(図2参照)が、2値画像BV1とBW1との差分画像を作成する(図18参照)。
図18は、2値画像BV1とBW1との差分画像を作成するときの説明図である。
2値画像BV1は、水領域R3に信号値「1」が割り当てられている。一方、2値画像BW1は、水領域R3´には信号値「2」が割り当てられる。したがって、2値画像BV1から2値画像BW1を差分すると、2値画像BV1の水領域R3の信号値「1」から、2値画像BW1の水領域R3´の信号値「2」が減算されるので、差分画像M1の水領域R3の信号値は「−1」となる。
また、2値画像BV1は、脂肪領域R2に信号値「1」が割り当てられている。一方、2値画像BW1は、脂肪領域R2´に信号値「0」が割り当てられる。したがって、2値画像BV1から2値画像BW1を差分すると、2値画像BV1の脂肪領域R2の信号値「1」から、2値画像BW1の脂肪領域R2´の信号値「0」が減算されるので、差分画像M1の脂肪領域R2の信号値は「1」となる。
更に、2値画像BV1は、体外領域R1に信号値「0」が割り当てられている。一方、2値画像BW1は、体外領域R1´に信号値「0」が割り当てられる。したがって、2値画像BV1から2値画像BW1を差分すると、2値画像BV1の体外領域R1の信号値「0」から、2値画像BW1の体外領域R1´の信号値「0」が減算されるので、差分画像M1の体外領域R1の信号値は「0」となる。
したがって、2値画像BV1と2値画像BW1との差分画像M1を求めることにより、体外領域(ノイズ)R1、脂肪領域R2、および水領域R3を識別することができる。本形態では、このようにして得られた差分画像M1が、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するためのスライスSL1における識別マップとして使用される。
尚、図16〜図18では、スライスSL1における識別マップM1の作成方法について説明したが、残りのスライスSL2〜SLm(図6参照)における識別マップM2〜Mmも同様の方法で作成することができる。したがって、スライスSL1〜SLmにおける識別マップM1〜Mmを作成することができる。図19に、スライスSL1〜SLmにおける識別マップM1〜Mmを示す。識別マップを作成した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、フィールドマップ作成手段95(図2参照)が、インフェーズ画像IMinおよびアウトオブフェーズ画像IMoutに基づいて、静磁場不均一の情報を含むフィールドマップIMを作成する。図20に、作成されたフィールドマップIMを概略的に示す。フィールドマップIMを作成した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、補正手段96(図2参照)が、フィールドマップIMの位相を補正する。尚、ステップST4は、ステップST41および42を有しているので、以下、ステップST41およびST42について順に説明する。
ステップST41では、補正手段96が、識別マップM1〜Mmに基づいて、フィールドマップIMに、位相補正を行うための開始点を表すシードを設定する。以下に、シードの設定方法について説明する。
補正手段96は、先ず、識別マップM1〜Mmの中から、胴部の信号値を表すデータ(以下、「胴部データ」と呼ぶ)DA、右腕部の信号値を表すデータ(以下、「右腕部データ」と呼ぶ)DRと、左腕部の信号値を表すデータ(以下、「左腕部データ」と呼ぶ)DLとを特定する。図21に、識別マップM1〜Mmの中から特定された胴部データDA、右腕部データDR、および左腕部データDLを概略的に示す。以下に、識別マップM1〜Mmの中から、胴部データDA、右腕部データDR、および左腕部データDLを特定する方法について簡単に説明する。
補正手段96は、先ず、インフェーズ画像IMin(図14参照)を、胴部、右腕部、および左腕部に分離する。インフェーズ画像IMinを、胴部、右腕部、および左腕部に分離する方法としては、公知のセグメンテーション技術を用いることができる。インフェーズ画像IMinを、胴部、右腕部、および左腕部に分離することにより、胴部、右腕部、および左腕部の各々の位置情報を特定することができる。したがって、胴部、右腕部、および左腕部の各々の位置情報を用いることにより、識別マップM1〜Mmの中から、胴部データDA、右腕部データDR、および左腕部データDLを特定することができる。
胴部データDA、右腕部データDR、および左腕部データDLを特定した後、補正手段96は、胴部データDA、右腕部データDR、および左腕部データDLの各々から、水が主成分の位置を特定し、特定した位置を、フィールドマップIMのシードとして設定する。以下に、シードの設定方法について順に説明する。
補正手段96は、先ず、胴部データDAに、水領域を表す信号値「−1」が最も集中する箇所を検出するための検索ウィンドウを設定する。図22に、胴部データDAに設定された検索ウィンドウSWを概略的に示す。検索ウィンドウSWは、a×b×cのピクセルサイズを有しており、a、b、cは、例えば、a=b=c=10ピクセルである。補正手段96は、胴部データDAの所定のピクセル位置に検索ウィンドウSWを設定し、検索ウィンドウSW内の信号値の合計値を算出する。そして、検索ウィンドウSWをx方向、y向、z方向に1ピクセルづつ移動し、検索ウィンドウSWを移動させるたびに、検索ウィンドウSW内の信号値の合計値を算出する。水領域の信号値は「−1」であるので、水領域の信号値が集中する箇所では、検索ウィンドウSWの信号値の合計値Nは負の値となり、合計値Nの絶対値|N|は大きくなる。したがって、胴部データDAの中から、合計値Nが負の最大値になるときの検索ウィンドウSWの位置を特定することにより、水領域の信号値が集中する箇所を特定することができる。図23に、合計値Nが負の最大値になるときの検索ウィンドウSWの位置(x1,y1,z1)を概略的に示す。
検索ウィンドウSWの位置(x1,y1,z1)を求めた後、補正手段96は、位置(x1,y1,z1)の情報に基づいて、フィールドマップIMの胴部にシードを設定する。図24に、フィールドマップIMの胴部に設定されたシードSE1を概略的に示す。補正手段96は、胴部データDAの位置(x1,y1,z1)における信号値が「−1」であるか否かを確認する。位置(x1,y1,z1)における信号値が「−1」の場合、これは、位置(x1,y1,z1)は水が主成分であることを意味している。したがって、補正手段96は、フィールドマップIMにおける位置(x1,y1,z1)をシードSE1の位置として決定する。一方、胴部データDAの位置(x1,y1,z1)における信号値が「−1」ではない場合、補正手段96は、位置(x1,y1,z1)の近傍から信号値が「−1」となる位置(x1´,y1´,z1´)を探し出す。そして、補正手段96は、フィールドマップIMにおける位置(x1´,y1´,z1´)をシードSE1の位置として決定する。
フィールドマップIMの胴部にシードSE1を設定した後、補正手段96は、同様の方法で、フィールドマップIMの右腕部および左腕部にシードを設定する。図25に、フィールドマップIMの右腕部および左腕部に設定されたシードを概略的に示す。補正手段96は、検索ウィンドウSWを用いて、右腕部データDRの中から水領域の信号値が集中する位置を特定し、その位置情報に基づいて、フィールドマップIMの右腕部にシードSE2を設定する。次に、補正手段96は、検索ウィンドウSWを用いて、左腕部データDLの中から水領域の信号値が集中する位置を特定し、その位置情報に基づいて、フィールドマップIMの左腕部にシードSE3を設定する。
したがって、フィールドマップIMの胴部、右腕部、および左腕部に、シードSE1、SE2、およびSE3を設定することができる。シードSE1、SE2、およびSE3を設定した後、ステップST42に進む。
ステップST42では、補正手段96が、識別マップM1〜Mmを参照し、フィールドマップ内の各位置において、水が主成分の位置であるか脂肪が主成分の位置であるかを判断しながら、領域拡張を行う。したがって、領域拡張を行っている途中で、実際には水が主成分の位置を、誤って脂肪が主成分の位置と判断したり、逆に、実際には脂肪が主成分の位置を、誤って水が主成分の位置と判断する危険性を低減することができる。このため、フィールドマップ内に、局所的に位相が急激に変化している箇所が現れても、位相補正を正しく行うことができる。図26に、位相補正後のフィールドマップIM´を概略的に示す。位相補正後のフィールドマップIM´を求めた後、ステップST5に進む。
ステップST5では、画像作成手段91が、位相補正後のフィールドマップIM´、インフェーズ画像IMin、およびアウトオブフェーズ画像IMoutに基づいて、水画像Wおよび脂肪画像Fを作成する。図27に、水画像Wおよび脂肪画像Fを作成するときの一例を示す。
画像作成手段91は、先ず、位相補正後のフィールドマップIM´に基づいて、インフェーズ画像IMinおよびアウトオブフェーズ画像IMoutの位相を補正する。そして、位相補正後のインフェーズ画像IMin´およびアウトオブフェーズ画像IMout´の加算および減算を行う。このようにして、水画像Wおよび脂肪画像Fを求め、図4のフローを終了する。
本形態では、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するための識別マップM1〜Mmを作成する。補正手段96は、識別マップM1〜Mmに基づいて、フィールドマップIMの領域拡張を行っている。したがって、領域拡張を行っている途中で、実際には水が主成分の位置を、誤って脂肪が主成分の位置と判断したり、逆に、実際には脂肪が主成分の位置を、誤って水が主成分の位置と判断する危険性を低減することができる。このため、静磁場不均一による位相変化を十分に反映したフィールドマップIM´を得ることができるので、水信号と脂肪信号をうまく分離することができ、高品質の水画像Wおよび脂肪画像Fを得ることができる。
また、本形態では、フィールドマップIMの各部位(胴部、右腕部、左腕部)にシードを設定し、領域拡張を行っている。したがって、部位間に存在する空気の影響を受けずに領域拡張を行うことができるので、位相の補正精度を高めることができる。
更に、本形態では、識別マップM1〜Mmの中から、胴部データDA、右腕部データDR、および左腕部データDLを特定し、各データの中から、水領域の信号値「−1」が集中する位置を検出している。したがって、フィールドマップIMの胴部、右腕部、左腕部の各部位において、水が主成分の位置にシードを設定することができる。このため、胴部、右腕部、左腕部のどの部位であっても、水が主成分の位置にシードを設定することができるので、位相の補正精度を更に高めることができる。
本形態では、水領域のピクセルの信号値は「−1」で示されている。しかし、各ピクセルにおける水信号の信号強度に応じて、ピクセルの信号値が変化するようにしてもよい。例えば、水領域のピクセルの信号値を、各ピクセルにおける水信号の信号強度に応じて、−1〜0の間で変化するようにしてもよい。同様に、脂肪領域のピクセルの信号値を、各ピクセルにおける脂肪信号の信号強度に応じて、+1〜0の間で変化するようにしてもよい。
尚、本形態では、上記のように、SSFSEを用いたスキャンA1と、SSFSEに脂肪抑制パルスを組み合わせたスキャンA2とを実行し、スキャンA1により得られた画像IV1〜IVmと、スキャンA2により得られた画像IW1〜IWmとを用いることにより、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するのに適した識別マップM1〜Mmを得ることができる。このことを検証するため、スキャンA1およびA2を実行し、識別マップを求めるための実験を行った。以下に、実験結果について説明する。
図28は、実験結果の説明図である。
図28(a)は、スキャンA1により得られた画像DA1を示し、図28(b)はスキャンA2により得られた画像DA2を示している。図28(c)は、画像DA1およびDA2に基づいて作成された識別マップDMを示す。識別マップDAにおいて、黒の領域は水が主成分の領域を表しており、白の領域は脂肪が主成分の領域を表しており、グレーの領域はノイズ領域を表している。図28から、スキャンA1およびスキャンA2を実行することにより、好適な識別マップが得られることがわかる。
尚、本形態において、スキャンA1およびA2ではSSFSEのシーケンスが実行されているが、識別マップを作成することができるのであれば、SSFSEのシーケンスとは別のシーケンスを実行してもよい。例えば、グラディエントエコー法を用いたシーケンスを実行してもよいし、パラレルイメージング法を用いたシーケンスを実行してもよい。また、スキャンA1およびA2は、各スライスからデータを取得する2Dスキャンであるが、2Dスキャンの代わりに、3Dスキャンを実行してもよい。
また、本形態では、スキャンB(図14参照)は、異なる2つのエコー時間においてMR信号を収集する2point-Dixon法を用いたスキャンであるが、スキャンBは、2point-Dixon法を用いたスキャンに限定されることはない。例えば、スキャンBを、異なるn(≧3)個のエコー時間においてMR信号を収集するスキャンとしてもよい。n=3の場合、スキャンBは、異なる3個のエコー時間においてMR信号を収集する3point-Dixon法を用いたスキャンとすることができる。3point-Dixon法では、反復法(iterative method)を用いて、静磁場B0の収束解が求められる。しかし、真のB0の値の近傍に複数の偽の局所解が現れることがあり、この場合、誤って、偽の局所解をB0の値として決定してしまうことがある。そこで、このような誤りを防止するために、3point-Dixon法を実行する場合でも、本形態で作成した識別マップM1〜Mmを使用することができる。上記のように、識別マップM1〜Mmを用いることにより、水が主成分の位置と、脂肪が主成分の位置とを識別することができる。したがって、識別マップM1〜Mmの情報を参考にすることにより、真のB0の値の近傍に複数の偽の局所解が現れる場合であっても、真のB0の値を選ぶことができる。
また、静磁場が急激に変化する領域においては、識別マップM1〜Mmを、領域拡張のトラジェクトリの方向を決定するときにも使用することができる。
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 コンピュータ
9 プロセッサ
10 メモリ
11 操作部
12 表示部
13 被検体
21 ボア
91 画像作成手段
92 識別マップ作成手段
93 2値化手段
94 差分手段
95 フィールドマップ作成手段
96 補正手段
100 MR装置

Claims (11)

  1. 水および脂肪を含む撮影部位から、水信号と脂肪信号とを含む第1のデータを取得するための第1のシーケンスを含む第1のスキャンと、前記撮影部位における脂肪信号を抑制するための脂肪抑制パルスを有し、前記脂肪抑制パルスが印加された後に、前記撮影部位から、水信号を含むとともに脂肪信号が抑制された第2のデータを取得するための第2のシーケンスを含む第2のスキャンとを実行するスキャン手段と、
    前記第1のデータに基づいて第1の画像を作成するとともに、前記第2のデータに基づいて第2の画像を作成する画像作成手段と、
    前記第1の画像と前記第2の画像とに基づいて、前記撮影部位の中で、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するための識別マップを作成する識別マップ作成手段と、
    を有する、磁気共鳴装置。
  2. 前記第1のスキャンは、
    前記撮影部位に設定された複数のスライスの各々から前記第1のデータを取得し、
    前記第2のスキャンは、
    前記複数のスライスの各々から前記第2のデータを取得する、請求項1に記載の磁気共鳴装置。
  3. 前記スキャン手段は、
    前記撮影部位から、エコー時間が異なる複数のMR信号を収集するための第3のスキャンを実行し、前記複数のMR信号の情報を含む複数の第3のデータを取得し、
    前記画像作成手段は、
    前記複数の第3のデータに基づいて、複数の第3の画像を作成する、請求項2に記載の磁気共鳴装置。
  4. 前記複数の第3の画像に基づいて、静磁場不均一の情報を含むフィールドマップを作成するフィールドマップ作成手段と、
    前記識別マップに基づいて、前記フィールドマップの位相を補正する補正手段と、
    を有する、請求項3に記載の磁気共鳴装置。
  5. 前記補正手段は、領域拡張法を用いて、前記フィールドマップの位相を補正する、請求項4に記載の磁気共鳴装置。
  6. 前記補正手段は、
    前記フィールドマップの位相を補正している間、前記識別マップに基づいて、前記フィールドマップ内の各位置が、水を主成分とした位置なのか、脂肪を主成分とした位置なのかを判断する、請求項5に記載の磁気共鳴装置。
  7. 前記補正手段は、
    前記識別マップに基づいて、前記フィールドマップの中に、前記領域拡張法を行うためのシードを設定する、請求項6に記載の磁気共鳴装置。
  8. 前記識別マップは、複数の部位のデータを含んでおり、
    前記補正手段は、
    前記識別マップの中から前記複数の部位のデータを特定し、前記複数の部位のデータに基づいて、前記フィールドマップに、前記複数の部位の各々に対応したシードを設定する、請求項7に記載の磁気共鳴装置。
  9. 前記第3のスキャンは、エコー時間が異なる2つのMR信号を収集する2-point Dixon法を用いたスキャン、又はエコー時間が異なる3つのMR信号を収集する3-point Dixon法を用いたスキャンである、請求項3〜8のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  10. 前記識別マップ作成手段は、
    前記第1の画像の水領域および脂肪領域に第1の信号値が割り当てられ、前記第1の画像の体外領域に第2の信号値が割り当てられるように、前記第1の画像を2値化するとともに、前記第2の画像の水領域に第3の信号値が割り当てられ、前記第1の画像の脂肪領域および体外領域に前記第2の信号値が割り当てられるように、前記第2の画像を2値化する2値化手段と、
    前記第1の画像を2値化することにより得られた第1の2値画像と、前記第2の画像を2値化することにより得られた第2の2値画像との差分を行うことにより、前記識別マップを求める差分手段と、
    を有する、請求項1〜9のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
  11. 水および脂肪を含む撮影部位から、水信号と脂肪信号とを含む第1のデータを取得するための第1のシーケンスを含む第1のスキャンと、前記撮影部位における脂肪信号を抑制するための脂肪抑制パルスを有し、前記脂肪抑制パルスが印加された後に、前記撮影部位から、水信号を含むとともに脂肪信号が抑制された第2のデータを取得するための第2のシーケンスを含む第2のスキャンとを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
    前記第1のデータに基づいて第1の画像を作成するとともに、前記第2のデータに基づいて第2の画像を作成する画像作成処理と、
    前記第1の画像と前記第2の画像とに基づいて、前記撮影部位の中で、水が主成分の領域と脂肪が主成分の領域とを識別するための識別マップを作成する識別マップ作成処理と、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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