JP2016119980A - 魚介類の加熱処理装置 - Google Patents

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小笠原 幸雄
Yukio Ogasawara
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Abstract

【課題】魚介類にレトルト臭がつかないという魚介類の加熱処理装置を提供する。
【解決手段】一部を大気解放可能な密閉された加熱処理室2と、加熱処理室内2を所定温度に加熱する室内加熱部4と、水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズル3と、トレー棚6と、水蒸気や気体を通過可能で遮菌性を有し、魚介類を収納する魚介類収納部とを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、魚介類の加熱処理装置に関し、特に、魚の骨を食するに支障の無い程度まで柔らかく加工することを可能とした加熱処理装置に関する。
現在、サバ、アジ、サンマ及びイワシ等の煮魚に適した魚を骨まで柔らかくする加工技術として、加工工程においてレトルト内での加圧加熱殺菌処理(レトルト処理)技術があるが、いわゆるレトルト臭(加熱不快臭)において問題があるためマスキング処理が行われたり、含気調理システム等の湿熱を強制供給して昇温速度を改善して品質を向上させたり、更には、特殊容器に食材と液体を非接触状態で密封して加熱処理を行う等の様々な技術が取り入られている。
特許文献1は、サバ、アジ、サンマ及びイワシ等の骨を有する魚介類に対して穏やかな加熱によるレトルト臭防止等を目的とする魚類加工品の加工方法である。具体的には、レトルト製法で使用されるレトルト釜では、ボイラー蒸気等の過熱媒体による加熱が行われ、そのようなレトルト釜を使用するとレトルト臭がするが、特許文献1では、ボイラーからの蒸気を間接的に熱交換器により飽和水蒸気を生成して加熱釜に供給しており、加熱釜へ直接にボイラー蒸気が使われないので、レトルト臭がつかないという技術を開示している。
特許第5155476号公報
特許文献1に開示された技術は、魚介類の被加熱物(以下、被加熱物という。)に対して穏やかな加熱によるレトルト臭防止等を目的として、ボイラーからの蒸気を間接的に熱交換して低温の飽和水蒸気を生成して、加熱処理室へ供給しているが、直接、被加熱物に加熱媒体が接触していることから、安全衛生面において加熱媒体や加熱処理室内を十分に管理する必要が生じる。
また、被加熱物を加熱後の冷却について、従来は食品安全面からコンタミネーション(本来混入するべきでない物質が混入すること)による汚染防止のため直接、流水冷却ができないという問題があった。
本発明は、従来技術の有するこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、魚介類を安全衛生的に加工処理すると共に、さらに加工処理前と加工処理後の魚介類食感に殆んど差がない歩留の向上と被加熱物にレトルト臭がつかないという魚介類の加熱処理装置を提供することにある。
本発明は、魚介類の加熱処理装置であって、魚介類の加熱処理装置であって、 一部を大気解放可能な密閉された加熱処理室と、前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、前記加熱処理室に備えられるトレー棚と、前記トレー棚に入れられ、水蒸気や気体を通過可能で遮菌性を有し、魚介類を収納する魚介類収納部とを備えている。
本発明は、魚介類の加熱処理装置であって、一部を大気解放可能な密閉された加熱処理室と、前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、前記加熱処理室に備えられるトレー棚を多段に配設するコンテナと、前記コンテナに入れられ、水蒸気や気体を通過可能で遮菌性を有し、魚介類を収納する魚介類収納部とを備えている。
本発明は、魚介類の加熱処理装置であって、一部を大気解放可能な密閉された加熱処理室と、前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、前記加熱処理室に備えられる回転体と、前記回転体に入れられ、水蒸気や気体を通過可能で、遮菌性を有する魚介類収納部とを備えている。
本発明は、温度105〜115℃で、水量200〜360spmの過熱水蒸気雰囲気により前記魚介類収納部に収納された前記魚介類を加熱する。
本発明は、前記噴射ノズルは、内圧0.19MPa以上、内部温度120℃以上に制御されており、 前記管路内に0.7gr/sec以上で供給された水を所定温度及び所定圧力で沸騰させることで管路内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成し、 前記噴射ノズルを介して前記気液混合体を前記加熱処理室内に向けて噴出する。
本発明は、前記加熱処理装置を用いて加熱処理を行なう以前に魚介類に食酢を自動かつ連続して注入する前処理装置を備えており、前処理装置は、魚介類を所定方向へと搬送する搬送部と、搬送部によって搬送される魚介類の背骨若しくは背骨周辺の身肉に食酢を自動かつ連続して注入する注入装置からなる食酢注入機構を少なくとも含んでおり、前記搬送部は、魚介類を両側から挟みこんだ状態で搬送可能に一対で構成されており、前記注入装置は、食酢送り機構と連絡されて食酢を流通可能な第一の食酢通路を備えた軸部と、前記軸部の外周にて回転可能に備えられる円盤部と、円盤部の外周に突設される複数個の注入針部とを少なくとも含んで構成されており、前記軸部の第一の食酢通路の出口側は拡開状に形成された吐出口を有し、円盤部は、内径面と外径面にわたり貫通した第二の食酢通路が放射状に複数個設けられており、注入針部は、前記円盤部の外径に開口しているそれぞれの第二の食酢通路の吐出口に連通状に接続されており、前記それぞれの注入針部が、前記一対の搬送部の間に順次挿入されるように注入装置が配設されており、前記円盤部の回転動作において、それぞれの第二の食酢通路の内径面側の開口が、前記軸部の吐出口に対向した際に食酢が第一の食酢通路から第二の食酢通路を介して注入針部へと流通する。
本発明によれば、魚介類を安全衛生的に加工処理すると共に、さらに加工処理前と加工処理後の魚介類における食感に殆んど差がない歩留の向上と被加熱物にレトルト臭がつかないという魚介類の加熱処理装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る魚介類の加熱処理装置の概略正面図である。 図1に示された魚介類の加熱処理装置の一部を切り欠いて示す概略平面図である。 図1に示された魚介類の加熱処理装置を示し、加熱処理室内の側壁を省略して、加熱処理室内にトレー棚が配されている状態を表している概略側面図である。 図1に示された魚介類の加熱処理装置を示し、加熱処理室内の側壁を省略すると共に、トレー棚を加熱処理室から取り出している状態を示している概略側面図である。 電磁定量ポンプから加熱処理室内の室内加熱部、噴射ノズルへの配管状態を示す概略図である。 第1の実施形態の加熱処理時間変化に伴う重量変化と歩留を示す図である。 (a)は、第2の実施形態の魚介類の加熱処理装置概略正面図である。(b)は他の実施形態(a)の魚介類の加熱処理装置を示し、加熱処理室内の側壁を省略して、加熱処理室内にトレー棚が配されている状態を表している概略側面図である。 (a)第3の実施形態の魚介類の加熱処理装置を示し、加熱処理室内の側壁を省略して、加熱処理室内に回転体が配されている状態を表している概略側面図である。(b)は、他の実施形態の魚介類の加熱処理装置を示し、加熱処理室内の側壁を省略すると共に、回転体を加熱処理室から取り出している状態を示している概略側面図である。 第4の実施形態の魚介類の前処理装置を示し、前処理室内の側壁を省略して、前処理室内の構成を表している概略側面図である。 図9に示された魚介類の前処理装置において、魚介類に食酢が注入されている状態を一部拡大して表している概略側面図である。 図9に示された魚介類の前処理装置の一部を切り欠いて示す概略平面図である。 図9に示された魚介類の前処理装置において、食酢通路の構造を一部拡大して示す概略平面図である。 第4の実施形態の前処理装置による重量変化と歩留を示す図である。
以下、本発明の魚介類の加熱処理装置における第1の実施形態を図に基づいて説明する。なお、図示例は本発明の一実施形態であって、何等これに限定されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
[第1の実施形態]
図1乃至4において、符号1は実施形態の加熱処理装置を示し、魚介類加熱処理装置の加熱処理装置1は、架台10の上に備えられて一部を大気解放可能な密閉された加熱処理室2と、加熱処理室2内を所定温度に加熱する室内加熱部4と、加熱処理室2内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、加熱処理室2内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズル3と、水蒸気や気体を通過可能で、遮菌性を有する魚介類aを収容する魚介類収納部Aとで構成している。
そして、架台10の下方領域には、加熱処理室2から排出される水分等を貯留する貯液タンク8を備えている。
また、これらの室内加熱部4と、噴射ノズル3から噴射される過熱水蒸気と高温微細水滴量などを電気的に機能制御するコントロールパネル9を備えている。
加熱処理室2は、図1及び図3乃至4に示すように所定の架台10の上に配設されており、所定長さの略矩形状に形成される処理室本体21と、処理室本体21の一端に設けた開口部Dを遮断して内部を密閉するための開閉可能な略矩形の扉2aとを備え、一部を大気開放な密閉状に形成されている。
また、加熱処理室2は、後述するように室内空間を所定温度以上に加熱制御するため、処理室本体21及び扉2aは断熱構造とし、処理室本体21の所定位置に耐熱ガラスののぞき窓2b(図1参照)を備えている。
なお、本実施形態では、加熱処理室2を耐食性、溶接性、機械的性質が良好な耐熱鋼として最も広く普及している鋼種のステンレス鋼材製としているが、加熱処理室2の全体長さ・全体形状などは本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施形態では、扉2aに対向するとともに所定の間隔をあけて一体に配設したスライドシャッターパネル2dを備えている。
スライドシャッターパネル2dは、扉2aと概ね同じ大きさの矩形板状に形成され、扉2aとスライドシャッターパネル2dは、それぞれの相対向する角部間にわたって円柱状の支柱2cを架け渡して一体となっている。このように構成することによって、扉2aとスライドシャッターパネル2d及び隣り合う4本の支柱2cによって所定長さの中空状の直方体に形成され、かつ隣り合う支柱2c間が開放されて内部中空領域20と外部とを連通せしめている移動構成体22として扉2a以外の部分が処理室本体21内に位置している。
この移動構成体22は、内部中空領域20にトレー棚6を配設した状態で、前記内部中空領域20から引き出し及び収納自在に配設される。具体的には、例えば内部中空領域20の所定位置に備えた図示しないスライド支持部に4本の支柱6cが摺動可能に保持され、開放した扉2aとともに水平方向にスライド移動可能に構成している。スライド移動可能な構成は、特に限定解釈されることなく任意に設計変更可能である。
このように、移動構成体22を、スライド移動可能な構成として処理室本体21内から引き出し或いは収納可能としたのは次の理由からである。
処理室本体21内に処理対象の魚介類aをその都度出し入れする必要があり、その度に扉2aを開放するが、開放したままで作業をしたのでは、加熱処理雰囲気に調整されている処理室本体21内から加熱媒体が外部へと流出してしまい、大きなエネルギーロスを招くこととなり、余計なコストが掛かってしまうばかりか、次の処理をするにあっては、処理室本体21内が十分な加熱処理雰囲気になっていないといった不都合が生じる虞もある。また、高温の加熱媒体が大気中に漏れ出すと、操作者への火傷等で人体を害する虞もある。
このような課題を解決するため、魚介類aを収納するトレー棚を移動構成体22に一体に備えるとともに、扉2aと概ね同じ形状に形成したスライドシャッターパネル6dを備え、移動構成体22を処理室本体21内から外方へとスライド移動した際に、スライドシャッターパネル6dが開口部Dを密閉して内部中空領域20を外部と遮断する構成とした。
なお、移動構成体22は、内部中空領域20内に収まる程度の大きさであれば特にその形状に限定されるものではなく、全体を概ね円筒状に構成する外観形態であってもよく本発明の範囲内で設計変更可能である。すなわち、扉2aとスライドシャッターパネル2dは、開口部Dを塞ぐ形状を有しているものであれば良く、また全体外観形状は、扉2aとスライドシャッターパネル2dの形状に係らず、直方体状であっても円筒状であってもよい。
また、開口部Dと扉2a及びスライドシャッターパネル6dとの間の隙間を埋めるために、密閉状態を完全にするためのパッキングを備えている。
本実施形態では、図2及び3に示すように、処理室本体21における扉2aを備えた端面と相対向する端面の略中央に、加熱処理室2の内部中空領域(加熱空間)20内の加熱処理雰囲気を均一とする攪拌送風機5を備えている(図3参照。)。
攪拌送風機5は、内部中空領域20に位置する前記他端面の内面側にて回転可能に備えられる攪拌送風用のファンの羽根車5aと、加熱処理室2外に位置する前記他端面の外面側に備えられ、前記羽根車5aを回転せしめる駆動源としてのモーター5bとで構成されている(図3、図4参照)。なお、攪拌送風機5は本発明の範囲内で適宜設計変更可能で、その攪拌送風能力や配設個数なども仕様に応じて対応可能である。
羽根車5aを回転させると、加熱処理室2内の加熱処理雰囲気(過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体)を加熱処理室2内の加熱処理雰囲気の気流が循環して、温度を均一に保つことができる。
トレー棚6は、略長方形状を成す箱形のトレーを複数段重ねて、四方片隅を支柱で接合した棚形(図3、図4参照)を成し、加熱処理室2内の略中央部に置かれている。本実施形態では、箱型の前面、後面、側面、及び底面の全てがパンチングメタルによって形成されている。
また、本実施形態では、開口率の高いパンチングメタルで形成し、加熱処理室2内の加熱処理雰囲気(過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体)がトレー棚6内に広く均一に満たされる構造としている。
作業従事者によって、トレー棚6の空いた天井面から魚介類aが収納された魚介類収容物Aの出し入れをする。魚介類収容物Aは、トレー棚6の中に並べられる。
図2、3、4の各図面において、トレー棚6の内部に記載した網掛け状の部分は、トレー棚6内に収容される魚介類aを収容する魚介類収納部Aを示している。
本実施形態では、医療器具の包装材料として使用される滅菌紙を用いたが、水蒸気や空気を通過させ、細菌や水を通過させない構造の包装材料であれば、特に限定されず本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
また、この魚介類収納部Aの面に適度な凹凸があるため、本実施形態では、溶解した樹脂が繊維間に押し込まれることで接着可能とするヒートシールで袋綴じをしている。さらに、PP繊維を混抄したほうが、袋綴じ部分の接着強度がより強くすることができる。
室内加熱部4は、本実施形態では長尺平板状に形成されたヒータパネルを想定しており、加熱処理室2の出入口の扉2aに対して側壁面にあって、一対の室内加熱部4がそれぞれ長尺方向に対向して配設している(図2、3、4参照)。この室内加熱部4は、加熱処理室2本体の内部中空領域を所定の温度に加熱する構成を有するものであればよく、本実施形態のようなパネル状に限らず、コイルヒータなどを採用することも可能である。
本実施形態の室内加熱部4には、室内加熱部4の内部に加熱配管4cを通過させ、貯水タンク7から軟化処理がされている水を流動させ、その水を加熱するように配管されている。
例えば本実施形態では、図5に示すように、室内加熱部4の上端から内部に向けて鉛直方向に内装した第一管部41と、第一管部41から水平方向に内装した第二管部42とによって略L字状に加熱配管4cを内装し、処理室本体21の内部中空領域20を所定の温度に加熱すると同時に、加熱配管4cを加熱して、加熱配管4c内を通過する水を所定温度・所定圧力で沸騰させることで加熱配管4c内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成するものとしている。
室内加熱部4の上方には、水Cを蓄えた貯水タンク7から電磁定量ポンプ4aで加熱処理室2に吸い上げられ、室内加熱部4の方向へと流動するように配管4bが配設されている。なお、電磁定量ポンプ4aの汲み上げ水量は、コントロールパネル9によって、所定の水量に設定される。
なお、貯水タンク7の水Cは、加熱時の加熱配管4c内でのスケールを防止するため軟化処理がされている。これにより、室内加熱部4の耐用年数を延ばすことができる。
加熱配管4cは、室内加熱部4の内部において、所定の内径・長さに形成され、内部に供給された水量は、0.7gr/sec以上、好ましくは0.7gr/sec〜25gr/secとするが、室内加熱部4の構成、加熱管路の管径及び長さは特に限定されず本発明の範囲内において適宜設計可能である。
噴射ノズル3は、加熱処理室2内とスライドシャッター2との間に備えられている。そして、加熱処理室2内の被加熱物aに向けて噴射ノズル3の噴射ノズルヘッダーを向けて噴霧できるようにしている(図2、3参照。)。
本実施形態の噴射ノズル3では、噴射ノズルヘッダーを等間隔で複数、本実施形態ではベースの一面にて鉛直方向(図面では垂直方向)に3個突設して構成され、これを鉛直方向と直交する方向(図面では水平方向)に2列並べている。それぞれノズル内径を0.1mm〜10mm(好ましくは0.5mm〜5mm)とし、ノズル内圧を0.19MPa以上(好ましくは、0.19MPa〜0.41MPa)に制御されている。なお、噴射ノズル3の噴射ノズルヘッダーの形状・構造及び配設数量などについては後述するが、適宜設計変更可能であって、何等本実施形態に限定解釈されるものではない。さらに、ノズル内径、ノズル内圧などは本発明の範囲内で設計変更可能である。
本実施形態における前記噴射ノズル3からの水蒸気と熱水からなる気液混合体の噴射により、前記加熱処理室2内が過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に満たされるメカニズムは次のとおりである。
加熱処理室2内全体を、室内加熱部4によって、常圧で、かつ、低温度(105℃〜115℃)或いは高温度(120℃〜140℃)に加熱制御することができ、また、噴射ノズル3は、内圧0.19MPa以上、内部温度120℃〜135℃程度にコントロールパネル9によって制御されている。そこで、加熱配管4c内に0.7gr/sec以上で供給された水を所定温度及び所定圧力で沸騰させることで加熱配管4c内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成し、噴射ノズル3を介して気液混合体を加熱処理室2内に噴出することにより、加熱処理室2内を過熱水蒸気と60μmから95μmの高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に調整している。
これらの微細水滴は、最終的には加熱処理室2内で蒸発し水蒸気になるが、室内加熱部4を調整し、加熱処理室2内の温度と供給される水量のバランスを取ることにより、常時、過熱水蒸気と高温微細水滴が混在した加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気の状態を作り出すことができる。
このように、魚介類aの処理は、魚介類aへ熱を与える段階で、湿熱量の多い過熱水蒸気と高温微細水滴が混在した状態の加熱媒体を用いて中心部まで加熱を行うことができる。
次に高水量運転における設定条件について説明する。
高水量運転を行うにあたり、コントロールパネル6に、設定を低温度(105〜115℃程度)で、高水量(300〜360spm)で、所定の時間(1〜4時間程度)を入力する。これにより、魚介類収納物Aに入れられた魚介類aを加熱する。本実施形態では、設定温度を108℃で、供水量300spmとしている。
なお、魚介類aの大きさや量等に合わせて、上記の設定温度、水量、時間及び回転数等を調整する必要があるが、経験値から最も適切な値が入力される。
高水量運転の設定を行うと、電磁定量ポンプ4aを介して、加熱処理室2内の加熱配管4c内に0.7gr/secで水を供給し、その供給された水を、約2時間程度、室内加熱部2によって所定温度及び供水量(108℃、300spm)で加熱させ、加熱配管4c内には水蒸気と熱水からなる気液混合体が生成される。
そして、噴射ノズル3から加熱処理室2内に気液混合体を噴出することにより、加熱処理室2内が加熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気に調整される。
なお、気液混合体は、魚介類aの加熱処理中において、連続して噴射されるものとする。ここで、連続とは、僅かな間隔で断続的に噴射する形態も含む概念である。
貯液タンク8は、架台10の下側に取り付けられ、加熱処理室2と連通させ、加熱処理室2より排出される水滴を貯蔵する円筒形状のタンクである。加熱処理後に水蒸気が冷えて液化した水滴が排水口8aから貯液タンク8へと導かれる。排水口8aは、加熱処理室2の下側空間の底板に配設している。なお、排水口8aの穴形状は任意であって、処理対象物の搬送方向にわたって長尺状に貫通してなるものであってもよく、また、その穴数も単数、複数限定されない。さらに、水滴を集めやすくするため底面の内面を排水口8aに向けて下り傾斜状に形成するものであってもよい。
貯液タンク8の側面下方には、貯液タンク8からの排水管8bを設けて、排水管8bのドレン弁8cの開閉操作によって、水滴が逐次溜まるような構造としている。
貯液タンク8の側面上方には、加熱処理室2の上部に備えられ、その内部を常圧に調整する大気開放管(排気管)8dが備えられている。
本実施形態の魚介類収納部Aは、一端側に開閉可能な構成を有する袋状に形成され、その全体は、多数の繊維が絡み合い、繊維同士が密着し合ってできており、水蒸気や空気を気体が通過する経路は、繊維の複雑な絡み合いによって、距離の長い迷路のような構造となっている。
そのため、魚介類aを魚介類収納部Aに入れることにより、気体は通過するにもかかわらず、液体や細菌などは通過することができず遮菌性が確保されることになる。また、一旦溶出した魚油が魚介類収納部Aを通過することがないことから、再び溶出した魚油が魚介類内部にしみて留まるため魚介類aの加熱処理前後による重量の歩留が良くなり、食味・食感とも非常に優れた作用効果が発揮される。
また、高温で魚介類aを魚介類収納部Aに入れて加熱することで、遮菌して殺菌をすることができる効果がある。
本実施形態では、魚介類aとして、サンマとイワシを魚介類収納部A(滅菌紙)に収納して、所定温度108℃、及び供水量300spmで加熱させて、検証した結果、1時間から2時間程度で十分に骨が軟化して、食味テストでもレトルト食品とは、はっきりとした差異が確認され、違和感なく食することができた。
図6に、サンマとイワシの加熱処理前後を、解凍と凍結状態で分けて、処理時間を1時間、1.5時間、2時間とで行った検証結果を示す。サンマが18尾(上表)とイワシ(下表)が28尾の個々の加熱処理前後による重量変化と歩留を示しており、サンマが最高平均歩留は約107%(解凍)、最低平均歩留でも約97%(凍結)と高く、イワシが最高平均歩留は約102%(解凍)、最低歩留でも約82%(凍結)と高く実証されている。
なお、歩留が100%を超えているのは、高温微細水滴含有過熱水蒸気が魚介類収納部Aに入り液化することにより、処理後重量が処理前重量を越えたためである。
また、加熱後の冷却について、液体が通過できない特性を利用して、従来は食品安全面からコンタミネーション(本来混入するべきでない物質が混入すること)による汚染防止のため実施されてこなかった、直接流水冷却等が可能となり大幅な作業改善が期待できる。
ただ、水蒸気や空気が通過しやすさを示す透気低高度(紙の空気の通過しやすを測定した値)が増大すると通気性が悪くなるので、透気低高度を適切に管理して、包装が裂けないようにすることが必要である。
仮に、魚介類aを密封性の高いレトルトパウチに収納して魚介類収納物Aが加熱処理する場合には、袋や容器に魚介類aを入れる際に、袋や容器を真空或いは不活性ガスに置換することで魚介類aの熱伝達を改善しているが、本実施形態においては、高温微細水滴含有過熱水蒸気を用いた常圧状態での加熱処理で、その湿熱成分は魚介類収納物Aを通過し、魚介類aに直接接触することから、湿熱による伝達率が得られる。また、魚介類aへの調味液の有無に関係なく加熱処理を行うことができる。
さらに、レトルトパウチに空気が混入した状態での加熱処理では、容器にピンホールが発生したり、魚介類aが変形したり、或いは容器表面にシワがよって外観が悪くなる等の問題が発生するが、本実施形態においては、魚介類収納物A内部のガス及び蒸気が魚介類収納物Aを通過することから、魚介類収納物A内での膨張がなく形状が変化したりすることはない。すなわち、魚介類aの形状安定が保たれるため、見栄えが良く、美味しく食することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態を図7(a)(b)に示す。本実施形態は、大量の魚介類aを加熱処理する装置であって、第1の実施形態との違う部分について説明を行い、重複する部分は省略をする。
第1の実施形態と比べて、加熱処理室20の体積を拡大して、魚介類aを多段式のコンテナ棚60としていることである。多段式のコンテナ60は、図7(a)に示すように正面から見て10段1列で、図7(b)に示すように側面から見て10段2列となって、約10倍の加熱処理を可能としている。また、コンテナ60の底辺には台車を付けて、加熱処理室20の搬入搬出を容易ならしめている。なお、加熱処理室20と図に示していない室内加熱部(パネルヒータ)の動作・機能は、第1の実施形態と同様である。
このコンテナ棚60は複数の孔を側壁及び底面に備えて、高温微細水滴含有の過熱水蒸気が通過し易くしている。本実施形態において、一つのコンテナに収納される魚介類収納物Aの数は、8個としたが、魚介類aの数によって変わるもので、コンテナ数や段数を限定するものではない。
符号10は、水を加熱して水蒸気を生成する装置である。第1の実施形態では、室内加熱部4の内部の加熱配管によって、水蒸気を生成しているが、本実施形態で加熱処理室20の外部に備えている。
符号30a、30b、30cは、噴射ノズルヘッダーを示しており、加熱処理室20の正面から見た側壁の上中下の3カ所、合計6カ所に備えている。噴射ノゾルの動作・機能は第1の実施形態と同様である。噴射ノズル3に供給される水蒸気は、図に示していない配管によって導かれる構造となっている。
符号40は、攪拌送風機(ファン)の大きな羽根車で、加熱処理室20の内部を攪拌して、均一した高温微細水滴含有の過熱水蒸気と所定の温度を保つようにしており、その動作・機能は、第1の実施形態と同様である。符号50は、攪拌送風機(ファン)の羽根車を回転駆動する攪拌送風機(ファン)モーターである。
符号80は、大気開放管(排気管)で、加熱処理室20の上部に備えられ、その内部を常圧に調整するものである。符号90は、水を加熱して水蒸気を生成する制御、噴射ノズル作動制御及び攪拌送風機(ファン)作動制御を行うコントロールパネル(制御盤)である。
[第3の実施形態]
第3の実施形態の加熱処理装置は、図8(a)に示すように(第1の実施形態と説明が重複する部分は概略し、特に異なる部分の説明を詳細に行う)、魚介類aを収納する回転体600を移動構成体22に一体に備えるとともに、扉2aと概ね同じ形状に形成したスライドシャッターパネル2dを備え、図8(b)に示すように、移動構成体22を処理室本体21内から外方へとスライド移動した際に、スライドシャッターパネル2dが開口部Dを密閉して内部中空領域20を外部と遮断する構成としている。
また、処理室本体21における扉2aを備えた端面と相対向する端面の略中央に、加熱処理室2の内部中空領域(加熱空間)20内の加熱処理雰囲気を均一とする攪拌送風機5を備え、(図8参照。)羽根車回転させて、加熱処理室2内の加熱処理雰囲気(過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体)を加熱処理室2内の加熱処理雰囲気の気流が循環して、温度を均一に保っている。
本実施形態が第1実施形態と相異する部分は、魚介類収納部Aを収納するのが、トレー棚6ではなく特に回転体600であって、回転可能な円筒形状を成すドラムミキサー(図8参照)で、扉2aとスライドシャッターパネル2dの略中央部にわたって軸方向に架け渡されている回転軸60bによって保持されている。
回転軸60bは、扉2aの外面側に配設されたモーター60aと回転可能に連結されている。モーター6aの回転制御は、コントロールパネル9によって、所定の回転数及び回転時間が設定される。この場合、第1の実施形態の加熱処理時間に加えて、さらにミキシングする時間となるので、長めに設定する必要がある。
回転体600は、円板状の前面板610と後面板620と、前記前面板610と後面板620との間にわたって配される中空の円筒部600とで構成されている。本実施形態では、前面板610と後面板620及び円筒部600の全てがパンチングメタルによって形成されている。
また、本実施形態では、開口率の高いパンチングメタルで形成し、加熱処理室2内の加熱処理雰囲気(過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する加熱媒体)が回転体600内に広く均一に満たされる構造としている。
なお、円筒部600の所定位置に設けた図示してない取り入れ口から魚介類収容物Aを出し入れする。
図8において、回転体600の内部に記載した網掛け状の部分は、回転体600内に収容される魚介類aを収容する魚介類収納部A(a)を示している。
本実施形態では、回転体600の形状を筒状としているドラムミキサー(図8参照)としているが、スクロール形状のスクロールミキサーでも構わない。
回転体600(ドラムミキサー)によって、加熱処理室2内の加熱によって骨まで軟化させた魚介類aを魚介類収納部Aに収納したまま、フレークや練り物材料(メンチ)にすることができる。また、この実施形態での魚介類収納部Aには、その収納外観の形態や表面に元の魚介類aの姿形状やイラストがあれば、たとえ、メンチ状態で何の魚介類aであったか分からなくなっても、その収納部の形態や表面を見れば一目瞭然で、判別することができる。そして、商品的にもカルシウム等の栄養価を高いまま食することができる。
さらに、魚介類収納部A内に調味料を加えて魚介類aと併せてミキシングすることで、その調味料が浸み込んだフレークや練り物材料(メンチ)として食べ易くすることができる。
[第4の実施形態]
従来から食酢や梅干し等の酸性食品を利用した軟化調理方法が一般的に知られて、魚介類aをドレス(頭、内臓、えらを取り除いた状態をいう。)のまま食酢に浸漬させて加熱を行う手法があったが、魚骨の軟化に関しては殆んど効果がなかった。また、従来技術として、塩水浸漬による脱水現象を利用して、食酢の骨への浸透を促進させる技術思想(特開2006−6121の明細書段落[0026]−[0028])があるが前処理時間が長いのと浸透した塩分が食味に影響を及ぼす問題があった。
そこで、直接魚骨に食酢を送り込む技術思想として、インジェクション(注射)方式により食酢の注入を行い、一定時間をおいてから第一の実施形態による加熱処理を行うと、魚骨の軟化がさらに進むと共に、食味の変化を感じさせない作用効果があった。
第4の実施形態では、加熱処理工程を実施する前に、魚介類aに食酢を注入する前処理工程を採用している。この前処理工程は、加熱処理する前の魚介類aに食酢を注入することで、加熱処理後の魚介類aの中骨、特に太い背骨を、食するに全く支障のない程度に軟化させるために採用される工程である。
なお、この前処理工程を採用せずに加熱処理した場合であっても魚介類aの中骨などは食するにあたって全く支障のない程度に軟化されるものであるが、本前処理工程を採用することによって、さらに中骨の軟化処理が向上するもので大変有用かつニーズの高いものである。また、この前処理工程後に、魚介類収納部Aに魚介類aを収納の有無に関係なく軟化処理が可能である。
なお、本実施形態では、魚介類aとして、例えば、イワシを想定している。また、魚介類aは特にイワシに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で、サバ、サンマ、アジ等大小さまざまな他の魚介類を対象とすることが可能であることは言うまでもない。
[前処理工程・前処理装置]
本前処理工程は、加熱処理工程に移る前工程として採用されるものであって、例えば、(1)魚介類aの頭部を除去する工程(第一工程)→(2)頭部を除去した魚を食酢注入機構へと搬送する工程(第二工程)→(3)頭部を除去した魚介類aに食酢を注入する食酢注入工程(第三工程)にて構成されている。
「第一工程」
まず、処理対象とされる魚介類aは、例えばイワシの頭部のみを除去する。
この頭部除去工程は、機械による自動かつ連続して除去作業するものとしてもよいし、作業者が一尾ずつ手作業で除去作業するものであってもよい。
なお、本実施形態では、第一工程を前処理工程の一つとして採用しているが、処理対象となる魚介類aは、例えば頭部を切除しない元のままのラウンド状態のものや内臓を除去した状態のものも含む概念であるため、この第一工程を省略した形態であっても本発明の範囲内である。
「第二工程」
次に、頭部を除去した状態の魚介類a(イワシ)を食酢注入機構へと搬送する。なお、この搬送作業は、作業者によって手作業で運ぶものであってもよいが、搬送コンベアなどを設置して第一工程(頭部除去工程)から自動的に連続して第三工程の食酢注入機構へと搬送し得るものを採用することも可能で本発明の範囲内で設計変更可能である。
このように一連の作業を自動化することにより、作業者の手が触れる機会なども減少し、雑菌に接触する機会も減少するため、いわゆるHASSAP(Hazard Analysis and Critical Control Point)を有効に実践し得る。
なお、上述のとおり、第一工程を省略した場合、この第二工程も省略可能であって、第一工程、第二工程を省略することも本発明の範囲内である。すなわち、第三工程のみで構成されているものであっても本発明の範囲内である。
「第三工程」
そして、本実施形態によれば、第二工程によって搬送されてきた頭部を除去した魚介類aに、第三工程にて食酢を注入する。
例えば、本実施形態における食酢注入工程で使用される食酢注入機構の一例を次に説明する。
本実施形態における食酢注入機構(食酢注入装置)100は、所定の架台110上に配設された搬送装置120と注入装置130とを少なくとも含んで構成されている。また、図中140は処理後(食酢注入後)の魚を排出するシュータを示す(図9参照。)。
なお特に限定解釈されるものではないが、このシュータ140に連続して加熱処理工程(加熱処理装置1)を接続することも可能で、さらにHASSAPの実効が図れる。
また、本実施形態で図示・説明した構成以外の構成を付加することも可能で本発明の範囲内で適宜選択される。
搬送装置120は、魚介類aを所定方向へと搬送するために用いられるもので、例えば、載せ板部121と搬送部122で構成されており、魚介類aの腹部を鉛直方向Xで下方に向けた状態(背側を鉛直方向Xで上方に向けた状態)で魚介類aの頭部を切除した前端側a1を搬送方向(図中矢印Yで示す方向)に向けて順次連続して搬送させる(図9、図10参照。)。
載せ板部121は、少なくとも魚介類aの腹部側が接する上面をフラット状とした平板状に形成され、架台110に水平状に配設されており、例えばステンレスなどで形成されている(図10参照。)。なお、特に限定はされないが、搬送される魚介類aがスムーズに搬送されるように鏡面仕上げを行なったりしてもよく、また摩擦抵抗の小さい材質が好ましく、摩擦抵抗が小さければ合成樹脂材などで形成されているものを採用することも可能である。
搬送部122は、載せ板部121上にて、搬送方向(図中矢印Yで示す方向)に沿って相対向して左右一対で配設されており、魚介類aの背側を鉛直方向で上方に向けるとともに左右方向(図中矢印Yで示す方向)から挟んだ状態で搬送方向の手前側(魚投入側123、図にて右側)から奥側(排出側124、図にて左側)へと自動的に搬送する送りベルト構造を採用している(図10参照。)。
すなわち、例えば本実施形態では、両方のベルトで魚介類aをグリップした状態で挟み込んで搬送する搬送構造を採用している。
例えばその実施の一形態を説明すると次のとおりである。
本実施形態では、搬送方向Yの手前側(魚投入側123、図面の右側)から第一のプーリ122a,122a、第二のプーリ122b,122b、第三のプーリ122c,122c、第四のプーリ122d,122d、第五のプーリ122e,122e、そして第六のプーリ122f,122fのそれぞれが、載せ板部121の上面にて、搬送方向(図中矢印Yで示す方向)に所定間隔をあけ、かつ搬送方向と直交する方向(図中矢印Xで示す方向)で相対向して一対ずつ所定間隔をあけて回転可能に立設されている。
また、各プーリは、鉛直方向に所定の長さを有する略円筒状に形成されている。
そして、それぞれの列の第一のプーリ122a,122a、第二のプーリ122b,122b、第三のプーリ122c,122c、第四のプーリ122d,122d、第五のプーリ122e,122e、そして第六のプーリ122f,122fにわたって無端状に環状のベルト部125がそれぞれ架け渡されている。
ベルト部125は、前記各プーリの鉛直方向高さと同じ程度の幅(鉛直方向幅)を有して、例えばゴム材や軟質合成樹脂材などで形成されているVベルトなどが想定される。
本実施形態では、第六のプーリ122f,122fが駆動機構(モータ)126と連結されて駆動プーリとして機能し、第一のプーリ122a,122a乃至第五のプーリ122e,122eは従動プーリ(テンションプーリ)として機能する。また、第三のプーリ122c,122cは、求心プーリとして機能している。
このように構成されることにより、駆動源(モータ)126から駆動力が伝達されると、第六のプーリ122f,122fがそれぞれ所定方向に回転(図中矢印R1,R2は回転方向を示す。)し、その駆動力によって、一対のベルト部125が相対向してそれぞれ搬送方向に向けて連続駆動する。
また、第四のプーリ122d,122dは、常に互いのプーリ同士が近づく方向にバネ部材122d1などを介して付勢されている。
すなわち、この第四のプーリ122d,122dが備えられている領域は、後述する注入装置130の注入針部131を魚介類aの背側a2から刺し込んで食酢を注入する注入領域であるため、魚介類aと注入針部131を鉛直方向で重なる位置に常に位置させる必要性があるため上述のとおりの構成を採用している。
この第四のプーリ122d,122dは、載せ板部121の下面側に回転可能に配設されて互いに噛み合っているギア部122d2と、それぞれのギア部122d2の中心軸に水平方向に一体に取り付けられている腕部122d3とを備え、その腕部122d3の他端側に第四のプーリプーリ122d,122dの軸部122d4が一体に取り付けられており、各腕部同士の間には、例えば引っ張りバネなどが配設されて構成されている。
さらに本実施形態では、第四のプーリ122d,122dだけ、本実施形態の他のプーリと異なり、鉛直方向で上方部分を下方部分と比して小径に形成している(図11参照。)。このように構成した理由は、第四のプーリ122d,122dは搬送領域Vの中でも特に魚介類を左右方向から保持する必要のある注入領域Wに配設されるものであるため、上述のとおり、左右の第四のプーリ同士が近づく方向に付勢されている。従って、それぞれのプーリが近づいたときに、魚介類aの厚み(左右方向の肉厚)によってはプーリ間の間隔が極めて近くなる虞があり、その距離によっては注入針部131がプーリやベルト部125に接触して損傷してしまう虞が考えられる。
このような理由によって、第四のプーリ122d,122dにあっては、上方部分が下方部分と比して小径に形成された円筒状に形成されているものである。なお、この第四のプーリ122d,122dの構成は本発明を採用するにあたって大変有用ではあるが、本発明の一実施形態であって限定解釈されるものではない。
注入装置130は、架台110に固定され、食酢送り機構(食酢貯留タンク、送りポンプ、送りパイプなど)140と連絡されて食酢を流通可能な第一の食酢通路132を備えた軸部133と、前記軸部133の外周に配設されて回転可能に構成されている円盤状本体137aと、円盤状本体137aの外周に配設される複数個の注入針部131と、を備えて構成されている(図12参照。)。
軸部133は、例えば本実施形態によれば、所定径の円筒パイプ状に形成された軸部本体133aと、軸部本体133aの先端側にて一体に固定され、軸部本体133aよりも大径の短尺円筒部で構成されている。
軸部本体133aは、固定支持部134によって架台110の所定位置に水平状に取付固定されている。このとき、軸部本体133aは、先端側に一体に備えた短尺円筒部135が前記搬送部122の一対のベルト部125の間、すなわち、魚介類aが挟み込まれた状態で搬送される搬送領域V(注入領域W)上に鉛直方向で位置するように水平方向に取付固定されている(図12参照。)。
軸部本体133aには、その内部の長さ方向において、食酢送り機構140と連絡される一本の第一の食酢通路132が設けられている。
また、短尺円筒部135にも、前記軸部本体133aの第一の食酢通路132と連通する水平状の短尺食酢通路135aが設けられており、その短尺食酢通路135aの出口側は、鉛直方向で下方に向けて拡開状に形成された吐出口136であって、その吐出口先端側を搬送領域V(注入領域W)に対向させている(図10、図12参照。)。
円盤部137は、軸部本体133aの外周が摺接して嵌り合う内径を有する大径円筒部138と、大径円筒部138よりもさらに大径で、かつ大径円筒部138の先端側にて鉛直方向に直交するように一体に設けられる円盤部本体137aで構成されている。
円盤部本体137aは、その先端面から内部に向けて水平方向に、前記軸部133の短尺円筒部135が緊密かつ摺接可能に嵌り合う凹部139が形成されており、凹部139は前記大径円筒部138の内部空間と連通している。そして、その凹部139の内径139aから外径に向けて細幅状(先細り状)となるように形成されている。
また、円盤部本体137aは、内径と外径にわたり貫通した第二の食酢通路136が放射状に複数個設けられている。本実施形態では、全部で60本の第二の食酢通路136が放射状に等間隔で設けられており、全ての第二の食酢通路136は同一径に構成されている。
注入針部131は、前記円盤部137の外径137bに開口(符号137c)しているそれぞれの第二の食酢通路136の吐出口136aにて、第二の食酢通路136と連通状に着脱可能に接続されている。本実施形態では、前記第二の食酢通路136に合わせて60本の注入針部131が円盤部137の外径137bに等間隔で突設されている。
本実施形態では、注入針部131を円盤部137の吐出口136a,136bに対して着脱可能に構成しているため、注入針部131が個別に損傷した際に交換が容易でコストも安価である。
なお、本実施形態ではこの注入針部131が円盤部137の吐出口136a,136bに対して着脱可能に構成されているものとしたが、特に限定解釈されるものではなく、一体に取り付け固定されているものであっても構わない。また、注入針部131の針径は特に限定されない。
また、本実施形態の注入装置130は、軸部本体133を円盤部137の凹部139側から挿入し、軸部本体133を大径円筒部138内に挿入するとともに、短尺円筒部135を前記凹部139内に嵌め込む。そしてその後、凹部139側から蓋部139bを取り付け固定する。
なお、図12中で符号133bは軸受を示し、133cはシール部材をそれぞれ示す。
そして、本実施形態の円盤部137は、大径円筒部138の後端側に、該大径円筒部138よりも大径なプーリを備え、該プーリには前記搬送部に駆動力を伝達している駆動源126とベルト125を介して連携することで駆動源を共用し、搬送部122の駆動と同期させている。
なお、図12中で符号122kは、前記ベルト125にテンションを掛けるために備えたテンションプーリである。
上述のとおりに構成したため、前記円盤部137の回転動作中において、短尺円筒部の拡開した吐出口136cに対向した第二の食酢通路136のみが連通することとなり、それ以外の第二の食酢通路(図中136b示す注入領域以外に位置する第二の食酢通路)は、その内径側の開口が、短尺円筒部135と緊密に接しているため連通していない(図12。)。
すなわち、それぞれの第二の食酢通路136aの内径面側の開口が、前記軸部133の短尺円筒部135の吐出口136に対向した際に食酢が第一の食酢通路132から第二の食酢通路136を介して注入針部131へと流通することとなる。
本実施形態では、搬送領域Vに突出するように構成されている押圧プーリ122gが備えられている。
押圧プーリ122gは、常に、搬送領域Vにその一部が突出して魚介類aを腹部側から鉛直方向で上方に押し上げるように構成されている。
例えば、その構成の一実施形態を説明すると、鉛直方向に移動可能に配設された回転可能な水平軸122hに一体に備えられており、水平軸122hの一端は、前記搬送部122と、注入装置130の円盤部137に駆動力を伝達している駆動源126を共用して同期させている(図9参照。)。
すなわち、水平軸122hの一端には、プーリ122lが一体に備えられており、当該プーリ122lにベルト125aを掛け渡して同期させている。なお、なお、図12中で符号122jは、前記ベルト125aにテンションを掛けるために備えたテンションプーリである。
また、押圧プーリ122gは、常に搬送領域V内に一部が突出するように引っ張りバネ122iで鉛直方向で上方に付勢されている(図9参照。)。
例えば、本実施形態では、略中心位置に水平軸122hを摺動可能に挿通させ、一端を架台110に軸支すると共に、他端に引っ張りバネ122iの一端(下端)を固定した長尺状の作動秤122mを備えている。引っ張りバネ122iの他端(上端)は、架台110に取り付けられている。
本実施形態では、この押圧プーリ122gの一部が搬送領域Vに突出することができるように、載せ板部121の所定箇所に鉛直方向で開口する突出孔部121aを設けている。また、本実施形態では、載せ板部121の搬送領域上面において、搬送方向にわたって左右一対の長尺棒状の下側ガイド部121bが取付固定されており、それぞれのガイド部間は前記押圧プーリ122gの一部が通過可能な程度の隙間をもって構成されている(図12参照。)。
また本実施形態では、搬送される魚介類aが注入針部131によって円盤部137の回転方向に持ち上げられてしまわないように上側ガイド部121cを備える形態を採用している(図12参照。)。
上側ガイド部121cは、前記下側ガイド部121bと鉛直方向で所定の高さ離した状態で水平方向に左右平行に配設している長尺棒状に形成されている(図12参照。)。
また、左右の上側ガイド部121cは、それぞれの対向する間隔を少なくとも前記注入装置の注入針部が挿入される程度の隙間をもって並設されるようにする。
また、それぞれの上側ガイド部121cは、常に鉛直方向で下方に向けて押し下げられているように付勢するものとしている。すなわち、搬送される魚介類aを下側ガイド部121bとの間で押さえつつ搬送可能なように構成する。例えば本実施形態では、架台110の所定箇所に一端を連結した押圧バネ121d、121eの他端を連結しており、図示したようにガイド部の前後端にそれぞれ備えるものとした。
このような食酢注入装置100を採用することにより、次のような作用効果が発揮される。
まず、本実施形態では、魚介類aの頭部を除去し(第一工程)、頭部を除去した後の魚介類aを食酢注入装置(第三工程)へと搬送する(第二工程)。
なお、本実施形態では、頭部を除去した魚介類aとして、頭部を除去した後の前端側a1から尾ビレまでの全長が147.9mm・鉛直方向高さ(腹部から背側までの高さ)が38mm・厚み(左右方向の肉厚)が30mm・背骨から背側までが15mmであるイワシを採用した。
食酢注入機構(第三工程)へと搬送された魚介類aは、まず、架台110上の載せ板部121に設けた左右の下側ガイド部121b,121b間の隙間に、一尾ずつ腹部側を鉛直方向で下方に向けた状態で載せるとともに、搬送部122の左右のベルト間(搬送領域V)に案内する。
そして、左右のベルト間の搬送領域Vに魚介類aを案内すると、第六のプーリ122f,122fが駆動機構(モータ)126と連結された駆動プーリの回転作動によってそれぞれ所定方向に駆動する左右のベルト125によって、魚介類aは左右から挟みこまれた状態で、魚投入側123(図にて右側)から魚排出側124(図にて左側)へと順次連続して搬送する。
このようにして搬送領域Vに入った魚介類aは搬送部122の一対のベルト部によって魚排出側124へと送られていく過程で、全搬送領域Vの略中間あたりに位置する食酢注入領域Wに入り込む。
そして、食酢注入領域Wでは、前記搬送部122と同期して所定方向に回転作動する(時計回り方向に回転する)食酢注入装置100の円盤部137の回転によって多数の注入針部131が図面上で右方向から左方向へと順次入り込んでくるため、この食酢注入領域Wに入り込んだ魚介類の背側には、前記注入針部131が刺し込まれる。
注入装置130は、前記搬送部122の搬送作動と同期させているため、魚介類aの背側に刺さりながら搬送されていき、注入領域Wから外れることで注入針部131は魚介類aの背側から外れていく。このように、魚介類aの背側から連続して注入針部131が刺さり、背骨若しくは背骨周辺の身に食酢が注入される。
本実施形態では、魚介類a一尾あたり約10mlの食酢を注入した。注入領域W内において魚介類a一尾あたり3本の注入針部131が刺さって、それぞれから食酢が注入されれば、1本あたり約3.3ml程度の食酢が注入されることとなる。また、注入針部131が魚介類a一尾あたり6本であれば、1本あたり約1.7ml程度の食酢が注入されることとなる。なお、注入針部131の本数及び注入量については、魚介類の大きさや長さに応じて、それ以下またはそれ以上の本数が連続的、等間隔に注入され、魚介類a一尾あたり注入量も本実施形態に必ずしも限定されない。
このように、本実施形態の食酢注入機構(前処理工程)を採用することによれば、一時間当たり約3000尾のイワシに食酢注入処理が行なえるため、作業効率の向上が図り得る。
このとき、食酢が注入された魚介類は、上側ガイド部121c,121cによって鉛直方向で上方への動きが制御されているため、注入針部131が刺さった状態で円盤部137の回転動作にしたがって上方に持ち上げられようと作用してもそのような上方への動きは抑制される。よって、食酢注入工程が終了した魚介類aは順次魚排出側124へと搬送されていき、シュータ140から排出されて回収される。
なお、限定解釈されるものではないーが、例えば、このとき、シュータ140の排出先に、加熱処理工程にて使用されるトレー棚6に並べて、順次排出される食酢注入済みの魚介類を回収するものとすれば、そのトレー棚6に載せたままで次の加熱処理工程にスムーズかつ短時間で作業移動できる。このように作業が連続かつ短時間で行なえることでHASSAPの実効がより図れることとなる。
なお、本実施形態で詳述した食酢注入機構(食酢注入装置)100は本発明の一実施形態であって特に限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。
また、本実施形態では、上記詳述したように自動で連続して魚介類aに食酢を注入する機構を採用したが、作業者が魚介類aを一尾ずつに食酢を注射器などで注入する形態であっても本発明の範囲内である。
第1の実施形態に本実施形態の食酢注入機構(食酢注入装置)100によって、魚介類aのイワシの中骨に食酢を注入する前処理を施した評価結果を図13にしめす。注射器にて一尾に10mlの食酢を注入し、処理温度は室内約17℃、加熱処理温度108℃で、加熱処理水量360spmの加熱水蒸気雰囲気により魚介類aを加熱した結果、中骨の軟化が、未加熱では殆ど見られなかったが(図13中の左側の棒グラフ)、加熱処理を施したところ、軟化を示す切断力が約4分の1にまで中骨の軟化がみられ、過熱処理時間が2時間では約7分の1に、さらに4時間では約10分の1にまで軟化が確認された(図中、中骨の軟化強度は、切断力(単位N、ニュートン)で示す。)。これにより、魚介類aのイワシの食感が大幅に良くなったことが確認されている。
1 加熱処理装置
2、20 加熱処理室
3 ノズル
4 室内加熱部
5、40 攪拌送風機(ファン)羽根車
6 トレー棚
7 貯水タンク
8 貯液タンク
9、90 コントロールパネル
10、110 架台
21 処理室本体
22 移動構成体
50 攪拌送風機(ファン)羽根車のモーター
60 コンテナ棚
80、8d大気開放管(排気管)
100 食酢注入装置(食酢注入機構)
120 搬送装置
121 載せ板部
122 搬送部
123 魚投入側
124 魚排出側
130 注入装置
140 シュータ
600 回転体

Claims (6)

  1. 魚介類の加熱処理装置であって、
    一部を大気解放可能な密閉された加熱処理室と、
    前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、
    前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、
    前記加熱処理室に備えられるトレー棚と、
    前記トレー棚に入れられ、水蒸気や気体を通過可能で遮菌性を有し、魚介類を収納する魚介類収納部とを備えていることを特徴とする魚介類の加熱処理装置。
  2. 魚介類の加熱処理装置であって、
    一部を大気解放可能な密閉された加熱処理室と、
    前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、
    前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、
    前記加熱処理室に備えられるトレー棚を多段に配設するコンテナと、
    前記コンテナに入れられ、水蒸気や気体を通過可能で遮菌性を有し、魚介類を収納する魚介類収納部とを備えていることを特徴とする魚介類の加熱処理装置。
  3. 魚介類の加熱処理装置であって、
    一部を大気解放可能な密閉された加熱処理室と、
    前記加熱処理室に備えられ、前記加熱処理室内を所定温度に加熱する室内加熱部と、
    前記加熱処理室内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を噴射し、前記加熱処理室内を過熱水蒸気と高温微細水滴が混在する状態の加熱媒体で満たされた加熱処理雰囲気にする噴射ノズルと、
    前記加熱処理室に備えられる回転体と、
    前記回転体に入れられ、水蒸気や気体を通過可能で、遮菌性を有する魚介類収納部とを備えていることを特徴とする魚介類の加熱処理装置。
  4. 温度105〜115℃で、水量200〜360spmの過熱水蒸気雰囲気により前記魚介類収納部に収納された前記魚介類を加熱する請求項1乃至3のいずれかに記載の魚介類の加熱処理装置。
  5. 前記噴射ノズルは、内圧0.19MPa以上、内部温度120℃以上に制御されており、
    前記管路内に0.7gr/sec以上で供給された水を所定温度及び所定圧力で沸騰させることで管路内に水蒸気と熱水からなる気液混合体を生成し、
    前記噴射ノズルを介して前記気液混合体を前記加熱処理室内に向けて噴出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の魚介類の加熱処理装置。
  6. 前記加熱処理装置を用いて加熱処理を行なう以前に魚介類に食酢を自動かつ連続して注入する前処理装置を備えており、
    前処理装置は、
    魚介類を所定方向へと搬送する搬送部と、
    搬送部によって搬送される魚介類の背骨若しくは背骨周辺の身肉に食酢を自動かつ連続して注入する注入装置からなる食酢注入機構を少なくとも含んでおり、
    前記搬送部は、魚介類を両側から挟みこんだ状態で搬送可能に一対で構成されており、
    前記注入装置は、食酢送り機構と連絡されて食酢を流通可能な第一の食酢通路を備えた軸部と、
    前記軸部の外周にて回転可能に備えられる円盤部と、
    円盤部の外周に突設される複数個の注入針部とを少なくとも含んで構成されており、
    前記軸部の第一の食酢通路の出口側は拡開状に形成された吐出口を有し、
    円盤部は、内径面と外径面にわたり貫通した第二の食酢通路が放射状に複数個設けられており、
    注入針部は、前記円盤部の外径に開口しているそれぞれの第二の食酢通路の吐出口に連通状に接続されており、
    前記それぞれの注入針部が、前記一対の搬送部の間に順次挿入されるように注入装置が配設されており、
    前記円盤部の回転動作において、それぞれの第二の食酢通路の内径面側の開口が、前記軸部の吐出口に対向した際に食酢が第一の食酢通路から第二の食酢通路を介して注入針部へと流通することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の魚介類の加熱処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019187396A (ja) * 2018-04-28 2019-10-31 共栄冷凍水産株式会社 骨付き魚類加工品の製造方法
JP2019187442A (ja) * 2017-06-05 2019-10-31 マルハニチロ株式会社 骨まで食べることができる、焼き魚の食感および外観を有する調理魚
CN111166157A (zh) * 2018-11-13 2020-05-19 宁波方太厨具有限公司 一种蒸箱及其清洁方法

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