JP2016118838A - 情報提示制御装置、情報提示方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、運転中の快適性を向上させることを目的として、再生中の楽曲に関する情報や、再生する楽曲を選択するための情報など、様々な情報が運転者に提示される。また、運転中の利便性を向上させるために、メールの受信や電話の着信を知らせる情報、走行中の経路付近に存在する店舗などの情報、前方の経路上での交通状況に関する情報などが運転者に提示される。更には、走行車線から逸脱した場合や、他車両が接近したり障害物が接近してきたりした場合には、これらを警告する情報も運転者に提示される。
運転負荷が低ければ、運転者が運転を負担に感じる程度も低いと考えられる。このため、提示する情報が多くなっても運転者が煩わしく感じたり、提示された情報に気を取られて周囲に対する注意が疎かになったりすることがなく、運転者に対して適切に情報を提示することが可能になるものと期待されている。
これは次のような理由による。先ず、運転状況が同じで、従って、同じ運転負荷が検出された場合であっても、運転を負担に感じる程度には個人差が存在する。このため、例えば運転を負担に感じにくい運転者に対しては、運転負荷を小さめに評価することによって提示される情報を多くした方が、快適性および利便性を向上させる観点からは好ましいと考えられる。ところが、運転負荷を小さめに評価すると、走行車線からの逸脱や他車両の接近に対する評価も小さくなって警告のタイミングが遅れてしまうので、運転動作を支援する観点からは好ましいことではない。また逆に、運転を負担に感じやすい運転者に対しては、運転負荷を大きめに評価することによって提示される情報を少なくした方が、快適性を向上させる観点からは好ましいと考えられる。ところが、運転負荷を大きめに評価すると、運転者が利用可能な機能が制限されるので利便性を向上させる観点からは好ましくない。また、運転負荷を大きめに評価すると、走行車線からの逸脱や他車両の接近に対する評価も大きくなって警告のタイミングが早すぎてしまうので、運転動作を支援する観点からも好ましいことではない。
更には、同じ運転者であっても、運転者の状態(例えば、運転中の覚醒度や体調)が異なれば同様なことが起こり得る。
このため結局は、標準的な運転者の標準的な状態を想定して運転負荷を評価することになり、その結果、必ずしも適切に情報を提示することができていないためである。
A.装置構成 :
図1には、本実施例の情報提示制御装置10を搭載した車両1が示されている。図示されるように車両1には、周囲の画像を撮影する車載カメラ2や、周囲に存在する車両等の移動体や障害物を検出するレーダー3、赤外光を用いて運転者の顔画像を撮影する運転者カメラ4、ステアリングハンドルの操舵角を検出する操舵角センサー5、車両1の車速を検出する車速センサー6、車両1の現在位置を検出して周辺の地図情報や経路情報などを出力するナビゲーションシステム7などが搭載されている。
また、車両1には、画像情報を出力する表示装置8や、音声情報を出力するスピーカー9も搭載されており、運転者に対して様々な情報を提示することができる。例えば、運転者の快適性や利便性を向上させるため、あるいは運転動作を支援したり、運転者に警告したりするために、表示装置8やスピーカー9を用いて様々な情報が運転者に提示される。
尚、これらの「部」は、情報提示制御装置10が、表示装置8やスピーカー9による情報の提示を制御する機能に着目して、便宜的に情報提示制御装置10の内部構成を分類したものである。従って、情報提示制御装置10がこれらの「部」に物理的に区分されることを表すものではない。これらの「部」は、CPUで実行されるコンピュータープログラムとして実現することもできるし、LSIやメモリーを含む電子回路として実現することもできるし、更にはこれらを組合せることによって実現することもできる。
例えば、車載カメラ2やレーダー3の出力を解析することによって、車両1の周囲に存在する車両や歩行者、障害物などの有無や、それらの位置および距離を検出することができる。また、運転者カメラ4で撮影した顔画像を解析することによって、運転者の覚醒度や眠気度を検出することができる。操舵角センサー5や車速センサー6からは、ステアリングハンドルの操舵角や車速を検出することができる。更に、ナビゲーションシステム7からは、車両1の現在位置や、周辺や経路上に存在する施設や店舗の情報などを取得することができる。その他、車両1にソナーや通信機器が搭載されている場合には、ソナーの出力に基づいて周辺の障害物の有無を検出したり、通信機器を用いて車外の情報(例えば、他車両の位置や車速などや、道路状況など)を取得したりしても良い。
また、算出される個々の指標については後述するが、本明細書ではこれらの指標を、運転の危険度に関する第1指標と、運転者が感じる運転の負担度に関する第2指標とに分けて考える。これは、次のような点に着目したためである。先ず、前提として、指標取得部11が算出する指標は、車載カメラ2やレーダー3などを用いて検出された客観的なデータに基づいて得られる指標であり、この点では、第1指標と第2指標とに違いはない。しかし、指標が運転の負担度に関するものである場合、負担度は運転者の感じ方であることから、指標を定量的に評価するには運転者に応じた補正が必要と考えられる。これに対して、指標が運転の危険度に関するものである場合、運転者がどのように感じているかに関わらず、危険な状況は危険であることに変わりはない。従って、運転の危険度に関する指標は、運転者に応じて補正することなく定量的な評価が可能と考えられる。
尚、本実施例の車載カメラ2や、レーダー3、運転者カメラ4、操舵角センサー5、車速センサー6、ナビゲーションシステム7は、本発明の「検出器」に対応する。
また、補正量は、代表的には補正係数とすることができるが、これに限られるものではなく、例えばオフセット量とすることもできる。
そして、情報提示制御部15は、提示可能情報決定部14が決定した内容に従って、表示装置8やスピーカー9を用いた情報の提示を制御する。
こうすれば、指標取得部11によって得られた複数の指標を定量的に正しく評価した上で、表示装置8やスピーカー9から運転者に提示可能な情報を決定することができる。このため、適切に情報を提示して、運転中の快適性や利便性、運転動作の支援を向上させることが可能となる。以下では、このようなことを実現するために情報提示制御装置10で行われる処理の具体的な内容について説明する。
図3には、本実施例の情報提示制御装置10で行われる提示情報制御処理のフローチャートが示されている。
図示されるように提示情報制御処理では、先ず始めに、各種センサー(車載カメラ2や、レーダー3、運転者カメラ4、操舵角センサー5、車速センサー6、ナビゲーションシステム7など)の出力を取得する(S101)。
そして、それらの出力に基づいて、車両1の走行環境(車両1の周囲の状況や、車両1の走行状態、運転者の状態など)に関する各種の指標を算出する(S102)。
また、車間距離を所定の時間間隔で算出して、その時の変化量に基づいて衝突時間(Time To Collision)を算出し、その逆数を指標とする。あるいは、無線通信によって先行車両の車速を取得して自車両の車速との速度差を求め、得られた速度差で車間距離を除算することによって衝突時間を算出して、その逆数を指標としても良い。この衝突時間は、そのままの状態が継続された時に衝突するまでの時間を表している。従って、衝突時間の逆数が大きくなるほど、衝突の危険度が大きいことを表している。運転者眠気度は、運転者カメラ4で撮影した顔画像から目の開き方や、瞬きの頻度などを検出することによって算出する。
更には、連続して走行している時間(休憩を取らずに運転し続けている時間)が長くなると運転者が疲れてくるので、運転を負担に感じるものと思われる。同様に、夜間の時間帯は昼間の時間帯に比べて周囲の状況が確認しづらいので、運転を負担に感じるものと思われる。そこで、情報提示制御装置10に内蔵されたタイマーや時計の出力に基づいて、連続走行時間や時間帯も第2指標として算出することができる。
その後、車両1の運転者から、アプリの起動または情報提示の要求を受けたか否かを判断する(S103)。あるいは、既に起動中のアプリから、別のアプリの起動や情報提示の要求を受ける場合もあるので、このような要求を受けたか否かを判断する(S103)。その結果、アプリの起動または情報提示の要求を受けていない場合は(S103:no)、提示する情報を制御する必要は無いので、以降の処理は行わずに、処理の先頭に戻って、再び各種センサーの出力を取得した後(S101)、続く上述した処理(S102、S103)を繰り返す。
図5には、起動するアプリあるいは提示する情報に対応する指標が、情報提示制御装置10の図示しないメモリーに記憶されている様子が概念的に示されている。例えば、アプリAに対しては、指標Aと指標Bの2つの指標が記憶されている。更に、メモリーには、これらの指標Aおよび指標Bを用いて記述されたアプリAの起動を許可可能な範囲についても記憶されている。
また、情報Bに対しては、指標C、指標D、指標Eの3つの指標と、これらの指標を用いて記述された情報Bの提示を許可可能な範囲とが、メモリーに記憶されている。情報CやアプリDについても同様に、対応する指標と、指標を用いて記述された許可可能な範囲とが記憶されている。
図3の提示情報制御処理では、アプリの起動または情報の提示の要求を受け取る(S103:yes)、先ず始めに、そのアプリまたは情報に対応して記憶されている指標を取得する(S104)。
また、本実施例では、補正量は補正係数であり、何れの第2指標に対しても一律に同じ補正係数を適用することができるものとして説明するが、これに限られるものではなく、例えば補正量はオフセット量とすることもできる。また、第2指標毎に補正量をメモリーに記憶しておき、指標に応じた補正量を読み出すようにしても良い。
図3のS102で算出された指標Aおよび指標Bによる座標が図中に白丸で示した位置であったとすると、指標Bの値が大きすぎるためにアプリの起動あるいは情報の提示を許可することができない。
もちろん、逆に、標準的な運転者よりも緊張を感じやすい運転者は、そのような状況での運転中にアプリが起動したり情報が提示されたりすると、煩く感じるものである。そこで、このような運転者に対しては、第2指標である指標Bの値を補正することで、図6(a)中での座標が、黒丸で示した位置から白丸で示した位置に移動する。その結果、アプリの起動や情報の提示が許可されないようになる。
例えば、図6(b)に示したように、アプリあるいは情報に対応付けられた指標Cおよび指標Dであり、このうちの指標Cが車間時間の逆数であり、指標Dが連続走行時間であってもよい。図4を用いて前述したように、車間時間の逆数も連続走行時間も第2指標であって、運転者の感じ方に依存する。従って、短い車間時間や、長い連続走行時間も負担に感じない運転者に対しては、指標Cおよび指標Dの値を補正することで、図6(b)中に白丸で示した位置を黒丸の位置に移動させて、アプリの起動や情報の提示が許可されるようにすることができる。
あるいは逆に、短い車間時間や、長い連続走行時間を、標準以上に負担に感じる運転者に対しては、指標Cおよび指標Dの値を補正することで、図6(b)中に黒丸で示した位置を白丸の位置に移動させ、アプリの起動や情報の提示が許可されないようにすることができる。
これに対して、判断の結果が「許可」ではなかった場合は(S109:no)、要求のあったアプリを起動あるいは情報を提示することなく、処理の先頭に戻って、再び各種センサー(車載カメラ2や、レーダー3など)の出力を取得した後(S101)、上述した続く一連の処理を繰り返す。
本実施例の情報提示制御装置10は、このような提示情報制御処理を実行するので、運転者に煩わしく感じさせたり、車両の周囲に対する注意を疎かにさせたりすることなく、運転者に対して適切に情報を提示することができる。その結果、運転中の快適性や利便性を向上させ、更に、運転動作を支援することが可能となる。
これに対して、変形例の情報提示制御装置20では、補正量取得部12が取得した補正量が、補正量修正部16で修正される。そして、補正第2指標生成部13は、修正された補正量を用いて第2指標を補正することによって補正第2指標を生成する点が異なっている。
前述したように、補正量は運転者の感じ方による違いを第2指標の値に反映させるものである。そして、運転者の感じ方は、運転者の状態(例えば眠気度や、疲労、体調)によっても変化する可能性がある。そこで、指標取得部11で取得された指標に基づいて補正量を修正してやれば、より一層正確に第2指標を補正することができ、その結果、より適切に情報を提示することが可能となる。
5…操舵角センサー、 6…車速センサー、 7…ナビゲーションシステム、
8…表示装置、 9…スピーカー、 10…情報提示制御装置、
11…指標取得部、 12…補正量取得部、 13…補正第2指標生成部、
14…提示可能情報決定部、 15…情報提示制御部、 16…補正量修正部、
20…情報提示制御装置。
Claims (4)
- 複数の検出器(2,3,4,5,6,7)を用いて車両(1)の走行環境を検出し、検出した該走行環境に応じて、該車両の運転者に情報を提示する情報提示制御装置(10,20)であって、
前記車両の走行の危険度に関する第1指標と、該走行環境での運転の負担度に関する第2指標とを、前記検出した走行環境から取得する指標取得部(11)と、
前記運転の負担度に対する補正量を取得する補正量取得部(12)と、
前記補正量で前記第2指標を補正することによって補正第2指標を生成する補正第2指標生成部(13)と、
前記第1指標と前記補正第2指標とに基づいて前記運転者に提示可能な情報を決定する提示可能情報決定部(14)と、
前記提示可能な情報の決定結果に基づいて前記運転者への情報の提示を制御する情報提示制御部(15)と
を備える情報提示制御装置。 - 請求項1に記載の情報提示制御装置であって、
前記補正量取得部は、前記車両の運転者に応じて記憶された前記補正量を取得する取得部である
情報提示制御装置。 - 請求項2に記載の情報提示制御装置であって、
前記指標取得部は、取得する前記第1指標または前記第2指標の少なくとも1つが前記運転者の状態に関する指標であり、
前記運転者の状態に関する前記指標に応じて前記補正量を修正する補正量修正部(16)を備え、
前記補正第2指標生成部は、前記修正された補正量を用いて前記補正第2指標を生成する生成部である
情報提示制御装置。 - 複数の検出器(2,3,4,5,6,7)を用いて車両(1)の走行環境を検出し、検出した該走行環境に応じて、該車両の運転者に情報を提示する情報提示制御方法であって、
前記車両の走行の危険度に関する第1指標と、該走行環境での運転の負担度に関する第2指標とを、前記検出した走行環境から取得する指標取得工程(S102)と、
前記運転の負担度に対する補正量を取得する補正量取得工程(S106)と、
前記補正量で前記第2指標を補正することによって補正第2指標を生成する生成工程(S107)と、
前記第1指標と前記補正第2指標とに基づいて前記運転者に提示可能な情報を決定する決定工程(S108)と、
前記提示可能な情報の決定結果に基づいて前記運転者への情報の提示を制御する制御工程(S109,S110)と
を備える情報提示制御方法。
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