JP2016118573A - 液晶配向剤、液晶表示素子の製造方法、液晶配向膜、液晶表示素子、重合体及び化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
[2]導電膜を有する一対の基板の該導電膜上に、上記[1]の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を形成した一対の基板を、液晶層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを構築する工程と、前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程と、を含む液晶表示素子の製造方法。
[3]導電膜を有する一対の基板の該導電膜上に、上記[1]の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を形成した一対の基板を、チオール反応性基を有する化合物(B)を含む液晶層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを構築する工程と、前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程と、を含む液晶表示素子の製造方法。
[4]上記[1]の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
[5]上記[4]の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
[6]テトラカルボン酸無水物、テトラカルボン酸ジエステル及びテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物よりなる群から選ばれる少なくとも一種のテトラカルボン酸誘導体と、ジアミンとを反応させて得られる重合体であって、該ジアミンが下記式(1)で表される化合物を含む重合体。
本発明に係る液晶配向剤は、基「−SR1」(ただし、R1は、水素原子、又は光若しくは熱によって脱離する1価の有機基である。)を有する化合物(A)を含有する。保存安定性の点で、R1は、水素原子よりも上記1価の有機基であることが好ましい。
R1の1価の有機基は、光又は熱によって脱離する基であれば特に制限されないが、好ましい具体例として、例えば下記式(a−1)〜下記式(a−3)のそれぞれで表される基が挙げられる。また、R1が下記式(a−1)で表される基の場合、チオール基の生成時にガスが発生せず、残留ガスによる影響(例えば、膜強度の低下や電気特性の低下など)を抑制できる点で好適である。
X3は、活性水素、水酸基の保護基、又はアミノ基の保護基を有する基であることが好ましい。X3が活性水素を有する基である場合の具体例としては、例えば水酸基、−NR12H(R12は1価の炭化水素基である。)等が挙げられる。
また、X3が、水酸基の保護基を有する基である場合の具体例としては、例えば−OR13(R13は水酸基の保護基である。)などが挙げられる。R13としては、例えばエーテル系保護基、アセタール系保護基、アシル系保護基、シリルエーテル系保護基等が挙げられ、これらの具体例としては、例えばメチル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、メトキシメチル基、アセチル基などが挙げられる。
X3が、アミノ基の保護基を有する基である場合、その具体例としては、例えば−NR14R15(R14は1価の炭化水素基又はアミノ基の保護基であり、R15はアミノ基の保護基である。)などが挙げられる。ここで、アミノ基の保護基としては、例えばカルバメート系保護基、アミド系保護基、イミド系保護基、スルホンアミド系保護基等が挙げられる。アミノ基の保護基は、好ましくはカルバメート系保護基であり、その具体例としては、例えばt−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−ハロエチルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−シアノエチルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基などが挙げられる。
n1及びn2は、それぞれ0又は1が好ましい。
重合体(A)の主骨格は特に限定されず、例えばポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどの主骨格が挙げられる。
これらの中でも、耐熱性や機械的強度、液晶との親和性などの観点から、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン、及びポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、本発明の効果を好適に得る観点から、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。なお、重合体(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを含むことを意味する。
重合体(A)としてのポリアミック酸(以下「ポリアミック酸(A)」ともいう。)は、基「−SR1」を有するポリアミック酸であり、例えばテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。具体的には、[1]基「−SR1」を有するテトラカルボン酸二無水物を含むモノマーを重合する方法、[2]基「−SR1」を有するジアミン(以下「特定ジアミン」ともいう。)を含むモノマーを重合する方法、[3]基「−SR1」を有するテトラカルボン酸二無水物及び上記特定ジアミンを含むモノマーを重合する方法、などが挙げられる。これらのうち、モノマーの選択の自由度が高い点で上記[2]の方法が好ましい。
ポリアミック酸(A)の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−8−メチル−3a,4,5,9b−テトラヒドロナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、下記式(B−1)
などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
上記式(B−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(B−1−1)〜(B−1−4)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
ポリアミック酸(A)の合成に使用する特定ジアミンとしては、基「−SR1」を有している限りその余の構造は特に制限されないが、好ましい具体例として、例えば下記式(1)で表される化合物などが挙げられる。
R7としては、例えばハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基等を好ましい具体例として挙げられる。mは0又は1が好ましい。
ジアミノフェニル基における2つの1級アミノ基は、基「−SR1」に対して、2,4−位又は3,5−位であることが好ましい。
なお、特定ジアミンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
かかるその他のジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これらジアミンの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;
脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
で表される化合物などの配向性基含有ジアミン:
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。
で表される部分構造を基本骨格として含有するエステル基含有構造、等が挙げられる。
特定ジアミンは、有機化学の定法を適宜組み合わせることによって合成することができる。その一例としては、上記式(1)で表される化合物の1級アミノ基に代えてニトロ基を有するジニトロ中間体を合成し、次いで、得られたジニトロ中間体のニトロ基を適用な還元系を用いてアミノ化する方法が挙げられる。
ジニトロ中間体を合成する方法は、目的とする化合物に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えばジニトロベンゼンチオール又はその誘導体と、R1を有するカルボン酸とを、好ましくは有機溶媒中、必要に応じて触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
ジニトロ中間体の還元反応は、好ましくは有機溶媒中、例えばパラジウム炭素、酸化白金、亜鉛、鉄、スズ、ニッケル等の触媒を用いて実施することができる。ここで使用する有機溶媒としては、例えば酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、アルコール系等が挙げられる。ただし、特定ジアミンの合成手順は上記方法に限定されるものではない。
ポリアミック酸は、上記のようなテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを、必要に応じて分子量調整剤とともに反応させることにより得ることができる。ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
反応に使用する有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素などを挙げることができる。これらの有機溶媒のうち、非プロトン性極性溶媒及びフェノール系溶媒よりなる群(第一群の有機溶媒)から選択される1種以上、又は、第一群の有機溶媒から選択される1種以上と、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素よりなる群(第二群の有機溶媒)から選択される1種以上との混合物を使用することが好ましい。後者の場合、第二群の有機溶媒の使用割合は、第一群の有機溶媒及び第二群の有機溶媒の合計量に対して、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下である。
重合体(A)としてのポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記合成反応により得られたポリアミック酸(A)とエステル化剤とを反応させる方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとを反応させる方法、などによって得ることができる。
なお、本明細書において「テトラカルボン酸ジエステル」とは、テトラカルボン酸が有する4個のカルボキシル基のうち2個がエステル化され、残りの2個がカルボキシル基である化合物を意味する。「テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物」とは、テトラカルボン酸が有する4個のカルボキシル基のうち2個がエステル化され、残りの2個がハロゲン化された化合物を意味する。
重合体(A)としてのポリイミドは、例えば上記の如くして合成されたポリアミック酸(A)を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
重合体(A)としてのポリアミドは、例えばジカルボン酸とジアミンとを反応させる方法などによって得ることができる。ここで、ジカルボン酸は、例えば塩化チオニル等の適当な塩素化剤を用いて酸クロリド化した後にジアミンとの反応に供することが好ましい。
シクロブタンジカルボン酸、1−シクロブテンジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式構造を有するジカルボン酸;
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルプロパンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−カルボニル二安息香酸、4−カルボキシ桂皮酸、p−フェニレンジアクリル酸、3,3’−[4,4’−(メチレンジ−p−フェニレン)]ジプロピオン酸、4,4’−[4,4’−(オキシジ−p−フェニレン)]二酪酸、3,4−ジフェニル−1,2−シクロブタンジカルボン酸等の芳香族環を有するジカルボン酸;などを挙げることができる。なお、ジカルボン酸は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合体(A)としてのポリアミドの合成に使用するジアミンは特定ジアミンを含む。また、必要に応じてその他のジアミンを併用してもよい。ジアミンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ジカルボン酸(好ましくは酸クロリド化したジカルボン酸)とジアミンとの反応は、好ましくは塩基の存在下、有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は、0℃〜200℃とすることが好ましく、10〜100℃とすることがより好ましい。反応時間は、0.5〜48時間とすることが好ましく、1〜36時間とすることがより好ましい。
反応に使用する有機溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどを好ましく使用することができる。有機溶媒の使用量は、ジカルボン酸及びジアミンの合計量100重量部に対して、400〜900重量部とすることが好ましく、500〜700重量部とすることがより好ましい。
上記反応に使用する塩基としては、例えばピリジン、トリエチルアミン、N−エチル−N,N−ジイソプロピルアミン等の3級アミンを好ましく使用することができる。塩基の使用量は、ジアミン1モルに対して、2〜4モルとすることが好ましく、2〜3モルとすることがより好ましい。
重合体(A)としてのポリオルガノシロキサン(以下「ポリオルガノシロキサン(A)」ともいう。)は、例えば加水分解性のシラン化合物を加水分解・縮合することにより得ることができる。具体的には、下記[1]又は[2]
[1]エポキシ基を有する加水分解性のシラン化合物(ms−1)、又は当該シラン化合物(ms−1)とその他のシラン化合物との混合物を加水分解縮合してエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを合成し、次いで、得られたエポキシ基含有ポリオルガノシロキサンと、基「−SR1」を有するカルボン酸(以下「特定カルボン酸」ともいう。)と、を反応させる方法、
[2]基「−SR1」を有する加水分解性のシラン化合物(ms−2)、又は当該シラン化合物(ms−2)とその他のシラン化合物との混合物を加水分解縮合させる方法、などが挙げられる。これらのうち、[1]の方法は簡便であって、しかもポリオルガノシロキサン中における基「−SR1」の導入率を高くすることができる点で好ましい。
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−シクロヘキシルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の窒素・硫黄含有のアルコキシシラン;
3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等の不飽和結合含有のアルコキシシラン;のほか、トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物などを挙げることができる。その他のシラン化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
上記[1]の方法において、十分な量の基「−SR1」を重合体の側鎖に導入することを可能にしつつ、エポキシ基が過剰量であることに起因する副反応を抑制する観点から、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンのエポキシ当量は、100〜10,000g/モルであることが好ましく、150〜1,000g/モルであることがより好ましい。したがって、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンを合成するにあたっては、シラン化合物(ms−1)の使用割合を、得られるポリオルガノシロキサンのエポキシ当量が上記範囲となるように調整することが好ましい。加水分解・縮合反応に際し、水の使用割合は、シラン化合物(合計量)1モルに対して、好ましくは0.5〜100モルであり、より好ましくは1〜30モルである。
上記の加水分解・縮合反応の際に使用する有機溶媒としては、例えば炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコールなどを挙げることができる。これらのうち、非水溶性又は難水溶性の有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒の使用割合は、反応に使用するシラン化合物の合計100重量部に対して、好ましくは10〜10,000重量部であり、より好ましくは50〜1,000重量部である。
特定カルボン酸の具体例としては、例えば下記式(2−1)〜式(2−8)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
その他のカルボン酸としては、基「−SR1」を有さないカルボン酸であれば特に制限されないが、例えば上記液晶配向性基を有するカルボン酸などを挙げることができる。その他のカルボン酸は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
その他のカルボン酸の使用割合は、エポキシ基含有ポリオルガノシロキサンと反応させるカルボン酸の合計量に対して、80モル%以下とすることが好ましく、50モル%以下とすることがより好ましい。
重合体(A)としてのポリ(メタ)アクリレートは、例えば、エポキシ基を有する(メタ)アクリル系単量体(m−1)、又は当該(メタ)アクリル系単量体(m−1)とその他の(メタ)アクリル系単量体との混合物を重合開始剤の存在下で重合させた後、その得られた重合体(以下、「エポキシ基含有ポリ(メタ)アクリレート」ともいう。)と、特定カルボン酸とを反応させる方法によって得ることができる。
なお、重合に際しては、(メタ)アクリル系単量体以外の他のモノマーを使用してもよい。他のモノマーとしては、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系化合物;スチレン、メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;などが挙げられる。他のモノマーの使用割合は、ポリ(メタ)アクリレートの合成に使用するモノマーの合計に対して、30モル%以下とすることが好ましく、20モル%以下とすることがより好ましい。
重合開始剤の使用割合は、反応に使用する全モノマー100重量部に対して、0.01〜50重量部とすることが好ましく、0.1〜40重量部とすることがより好ましい。
エポキシ基含有ポリ(メタ)アクリレートと反応させるカルボン酸の使用割合は、エポキシ基含有ポリ(メタ)アクリレートが有するエポキシ基の合計1モルに対して、0.001〜0.95モルとすることが好ましい。より好ましくは、0.01〜0.9モルであり、0.05〜0.8モルとすることが更に好ましい。
なお、重合体(A)としてのポリ(メタ)アクリレートの合成方法は上記方法に限定しない。例えば、基「−SR1」を有する(メタ)アクリル系単量体、又は当該(メタ)アクリル系単量体とその他の(メタ)アクリル系単量体との混合物を重合開始剤の存在下で重合させる方法などによっても得ることができる。
化合物(S)は、基「−SR1」を有していればその余の構造は特に制限されない。化合物(S)が有する基「−SR1」の数は1個でもよく、複数個でもよい。好ましくは1〜4個であり、より好ましくは1個又は2個である。
化合物(S)としては、例えば下記式(3)で表される化合物などが挙げられる。
化合物(S)の具体例としては、例えば下記式(S−1)〜式(S−8)のそれぞれで表される化合物等が挙げられる。
本発明に係る液晶配向剤は、チオール反応性基を有する化合物(B)をさらに含むか、又は化合物(A)がチオール反応性基を有していることが好ましい。ここで、チオール反応性基としては、化合物(A)が有するチオール基、又は化合物(A)の加熱又は光照射により発生したチオール基と反応する官能基であれば特に制限されない。チオール反応性基としては、エポキシ基、オキサゾリン構造、炭素−炭素不飽和結合、マレイミド基、ホルミル基、又はイソシアネート基であることが好ましく、保存安定性の観点から、エポキシ基、オキサゾリン構造、又は炭素−炭素不飽和結合であることがより好ましく、プレチルト角をより良好にできる点や、液晶分子の応答速度をより速くできる点で、炭素−炭素不飽和結合であることが特に好ましい。
チオール反応性基を化合物(A)が有する場合において、化合物(A)の配合割合は、液晶配向剤に含有される重合体成分の合計100重量部に対して、1重量部以上とすることが好ましく、3重量部以上とすることがより好ましく、5重量部以上とすることがさらに好ましい。また、当該割合の上限は、重合体成分の合計100重量部に対して、70重量部以下とすることが好ましく、60重量部以下とすることがより好ましく、50重量部以下とすることがさらに好ましい。
チオール反応性化合物(B)としては、チオール反応性基を有する限りその余の構造は特に限定されない。したがって、チオール反応性化合物(B)は重合体であってもよく、あるいは添加剤の如く配合される比較的低分子量の(例えば分子量800以下の)化合物であってもよい。なお、チオール反応性化合物(B)は、化合物(A)とは異なる化合物である。
チオール反応性化合物(B)が重合体である場合、その主骨格については、重合体(A)の例示及び好ましい具体例の説明を適用できる。なお、チオール反応性基を有する重合体の合成方法は特に制限されず、例えば、チオール反応性基を有する化合物を含むモノマーを重合する方法、エポキシ基とカルボン酸との反応を利用して側鎖に導入する方法、などが挙げられる。
チオール反応性化合物(B)が添加剤である場合の具体例としては、炭素−炭素不飽和結合含有化合物として、例えばトリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン等の多官能ビニル化合物:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、などを;
オキサゾリン含有化合物として、例えば1,3−フェニレンビスオキサゾリン、2,2−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)等を;それぞれ挙げることができる。
液晶配向剤中における基「−SR1」とチオール反応性基との配合比率は、基「−SR1」1当量に対して、チオール反応性基が0.2〜5当量となる比率が好ましく、0.5〜2当量となる比率がより好ましい。したがって、基「−SR1」及びチオール反応性基の比率が上記範囲になるように化合物(A)及びチオール反応性化合物(B)の使用量を設定することが好ましい。
液晶配向剤中においてチオール反応性基は、化合物(A)とは別の成分が有していることが好ましい。この場合、化合物(A)の選択の自由度を高くできる点で好適である。チオール反応性化合物(B)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明に係る液晶配向剤は、化合物(A)を含有すると共に、必要に応じて化合物(B)を含有するが、化合物(A)及び化合物(B)以外のその他の成分を含有していてもよい。当該液晶配向剤に配合してもよいその他の成分としては例えば、基「−SR1」を有さない重合体(以下「その他の重合体」という。)、官能性シラン化合物等が挙げられる。
上記その他の重合体は、溶液特性や電気特性の改善のために使用することができる。また、化合物(A)を添加剤の態様で配合する場合、本発明に係る液晶配向剤は、重合体成分としてその他の重合体を含有する。かかるその他の重合体の主骨格は特に限定されず、例えばポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどの主骨格が挙げられる。
その他の重合体としては、これらのうち、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン、及びポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びポリイミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。なお、その他の重合体は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
その他の重合体を重合体(A)と共に液晶配向剤に配合する場合、その配合割合は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、30重量部以下とすることが好ましく、0.1〜20重量部とすることがより好ましく、0.3〜10重量部とすることが更に好ましい。
官能性シラン化合物は、液晶配向剤の印刷性の向上を目的として使用することができる。このような官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。官能性シラン化合物を液晶配向剤に配合する場合、その配合割合は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、2重量部以下とすることが好ましく、0.02〜0.2重量部とすることがより好ましい。
本発明に係る液晶配向剤は、化合物(A)及び必要に応じて配合されるその他の成分が、有機溶媒中に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。
[1x]重合体(A)と、チオール反応性化合物(B)とを含有し、かつ重合体(A)が、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン及びポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる一種である態様。
[2x]その他の重合体と、添加剤として化合物(S)及びチオール反応性化合物(B)とを含有し、かつその他の重合体が、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン及びポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる一種である態様。
[3x]その他の重合体と、添加剤として化合物(A)とを含有し、かつその他の重合体が、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン及びポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる一種であり、化合物(A)がチオール反応性基を有する態様。
これらのうち、本発明の効果をより好適に得る観点において、[1x]又は[2x]の態様が好ましく、[1x]の態様がより好ましい。
上記で説明した液晶配向剤を用いることにより、本発明に係る液晶配向膜が製造される。また、本発明に係る液晶表示素子は、上記液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。本発明に係る液晶表示素子の動作モードは特に限定せず、例えばTN型、STN型、VA型(VA−MVA型、VA−PVA型などを含む。)、IPS型、FFS型、OCB型など種々の動作モードに適用することができる。
先ず、基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1−1A)例えばTN型、STN型又はVA型の液晶表示素子を製造する場合、まず、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明導電膜の形成面上に、上記で調製した液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後、フォト・エッチングによりパターンを形成する方法;透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法;などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成する面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、上記工程(1−1)で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向能付与処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理、塗膜に対して偏光又は非偏光の放射線を照射する光配向処理などが挙げられる。一方、VA型液晶表示素子を製造する場合には、上記工程(1−1)で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向能付与処理を施してもよい。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。放射線の照射量は、好ましくは100〜50,000J/m2であり、より好ましくは300〜20,000J/m2である。また、塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。加温の際の温度は、通常30〜250℃であり、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。
(1−3A)上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。第一の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより、液晶セルを製造することができる。また、第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、更に液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造することができる。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき更に、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
チオール反応性化合物(B)を液晶層中に配合する場合、その含有割合は適宜選択することができるが、液晶層に含まれる液晶(液晶性化合物)の合計100重量部に対して、0.1〜70重量部とすることが好ましく、20〜60重量部とすることがより好ましい。このとき、チオール反応性化合物(B)は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温で1H−NMRを測定した。得られた1H−NMRスペクトルから、下記数式(1)によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A1/A2×α)×100 …(1)
(数式(1)中、A1は化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、A2はその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
[実施例2−1]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物を100モル部、並びにジアミンとして化合物(1−1)を80モル部、及びコレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼンを20モル部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解し、60℃で6時間反応を行った。NMPを加えて希釈し、ポリアミック酸濃度10重量%となるように調整することにより、ポリアミック酸として重合体(A−1−1)を含有する溶液を得た。
使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの種類及び量を下記表1のとおり変更した以外は実施例2−1と同様にして重合体をそれぞれ合成した。
<テトラカルボン酸二無水物>
AN−1:2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
AN−2:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
AN−3:2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物
AN−4:ピロメリット酸二無水物
<ジアミン>
1−1:上記式(1−1)で表される化合物
1−7:上記式(1−7)で表される化合物
DA−1:コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン
DA−2:p−フェニレンジアミン
DA−3:上記式(E−1−4)で表される化合物
DA−4:3,5−ジアミノ安息香酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル
DA−5:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン
テトラカルボン酸二無水物として2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物を100モル部、並びにジアミンとして化合物(1−1)を80モル部、及びコレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼンを20モル部をNMPに溶解させ、60℃で6時間反応させた。次いで、得られたポリアミック酸溶液にNMPを追加し、ピリジン及び無水酢酸をテトラカルボン酸二無水物の使用量に対してそれぞれ1.0モル部ずつ添加し、110℃で4時間脱水閉環させた。イミド化反応後、系内の溶剤を新たなNMPで溶剤置換し、イミド化率約50%のポリイミド(重合体(A−1−4))を約10重量%含有する溶液を得た。
(1)液晶配向剤の調製
重合体として上記実施例2−1で得た重合体(A−1−1)100重量部、及び添加剤としてトリアリルイソシアヌレート30重量部に、溶剤としてNMP及びブチルセロソルブ(BC)を加えて、固形分濃度3.5重量%、溶媒の混合比がNMP:BC=50:50(重量比)の溶液とした。この溶液を十分に撹拌した後、孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤を調製した。
上記(1)で調製した液晶配向剤を、ガラス基板上にスピンナーを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換した200℃のオーブンで1時間加熱(ポストベーク)することにより、平均膜厚1,000Åの塗膜を形成した。得られた塗膜の表面を原子間力顕微鏡(AFM)にて観察し、中心平均粗さ(Ra)を測定した。このとき、Raが5nm以下の場合を表面凹凸性「良好」、5nmよりも大きく10nm未満であった場合を「可」、10nm以上の場合を「不良」と評価した。本実施例ではRa=4nmであり、表面凹凸性は「良好」であった。
上記(1)で調製した液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて、ファインスリットITO電極構造を有する透明電極付きガラス基板、及びパターンITO電極構造を有する透明電極付きガラス基板の透明電極面にそれぞれ塗布した。次いで、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚800Åの塗膜を形成した。塗膜形成後の各基板に対し、超純水中で1分間超音波洗浄を行い、次いで100℃クリーンオーブン中で10分間乾燥した。これにより、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)得た。
次に、液晶配向膜を有する面の外縁に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化させた。次いで、液晶注入口より一対の基板間にネマチック液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止することにより液晶セルを製造した。
次いで、上記で得た液晶セルに対し、電極間に周波数60Hzの交流10Vを印加し、液晶が駆動している状態で、光源にメタルハライドランプを使用した紫外線照射装置を用いて、紫外線を50,000J/m2の照射量にて照射した。なお、この照射量は、波長365nm基準で計測される光量計を用いて計測した値である。光照射後の液晶セルを用いて以下の(4)及び(5)の評価を行った。
また、ポストベーク温度を200℃から220℃に変更した以外は上記と同様の方法により液晶セルを製造した。得られた液晶セルは、以下の(4)の評価に用いた。
異なるポストベーク温度(200℃及び220℃)で液晶配向膜を作製して得られた液晶セルのプレチルト角をそれぞれ測定した。そして、プレチルト角の測定値の差Δ(220℃−200℃)により、ポストベークの温度ムラに対するプレチルト角のばらつき特性を評価した。なお、Δ(220℃−200℃)が小さいほど、温度ムラに対するプレチルト角のばらつきが小さく、プレチルト角のばらつき特性に優れていると言える。プレチルト角の測定は、非特許文献(T. J. Scheffer et.al. J.Appl.Phys. vo.19, p.2013(1980))に記載の方法に準拠して、He−Neレーザー光を用いる結晶回転法により測定した液晶分子の基板面からの傾き角の値をプレチルト角[°]とした。評価は、Δ(220℃−200℃)が0.2°以下であった場合を「良好」、0.2°よりも大きく0.5°未満であった場合を「可」、0.5°以上であった場合を「不良」とした。その結果、この実施例ではΔ(220℃−200℃)=0.1°であり、「良好」の評価であった。
上記(3)で製造した液晶セルにつき、先ず電圧を印加せずに可視光ランプを照射して、液晶セルを透過した光の輝度をフォトマルチメーターにて測定し、この値を相対透過率0%とした。次に、液晶セルの電極間に交流10Vを5秒間印加したときの透過率を上記と同様にして測定し、この値を相対透過率100%とした。液晶セルに対して交流3.5Vを印加したときに相対透過率が10%から90%に移行するまでの時間を測定し、この時間を応答速度と定義して評価した。応答速度が10msec未満の場合を高速応答性「良好」、10msec以上20msec未満の場合を高速応答性「可」、20msec以上の場合を高速応答性「不良」と評価した。その結果、この実施例では液晶セルの応答速度は5msecであり、「良好」であった。
重合体及び添加剤の種類及び使用量、並びに溶剤組成をそれぞれ下記表2に記載の通りとしたほかは実施例3−1と同様にして液晶配向剤を調製した。また、調製した液晶配向剤を用いて実施例3−1と同様にして各種評価を行った。評価結果は下記表2に示した。
<添加剤>
Add−1:トリアリルイソシアヌレート
Add−2:1,3−フェニレンビスオキサゾリン
Add−3:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
S−1:上記式(S−1)で表される化合物
S−4:上記式(S−4)で表される化合物
S−5:上記式(S−5)で表される化合物
これに対し、比較例では、温度ムラによるプレチルト角のばらつき特性の評価、及び液晶分子の応答速度の評価のいずれかが「不良」の評価であった。
(1)液晶配向剤の調製
重合体として上記実施例2−5で得た重合体(A−2−1)100重量部、及び添加剤としてトリアリルイソシアヌレート30重量部に、溶剤としてNMP及びBCを加えて、固形分濃度3.5重量%、溶媒の混合比がNMP:BC=50:50(重量比)の溶液とした。この溶液を十分に撹拌した後、孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤を調製した。
(2)表面凹凸性(印刷性)の評価
上記(1)で調製した液晶配向剤を使用した以外は上記実施例3−1(2)と同様の方法により塗膜の表面凹凸性を評価した。その結果、この実施例ではRa=3[nm]であり、表面凹凸性「良好」であった。
一対の基板として、ITO膜からなる透明電極を片面に有するガラス基板を用い、この一対のガラス基板上に、上記(1)で調製した液晶配向剤をスピンナーにより塗布し、80℃のホットプレート上で1分間のプレベークを行った。次いで、200℃のホットプレート上で10分間ポストベークして、膜厚約800Åの塗膜を形成した。続いて、どちらか一方の基板の液晶配向膜を有する面の外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、間隙を介して2枚の基板を対向配置し、外縁部同士を当接して圧着して接着剤を硬化した。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマチック液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止した。得られた液晶セルを用いて以下の評価を行った。
上記(3)で製造した液晶セルにつき、23℃において1Vの電圧を0.5マイクロ秒の印加時間、2000ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から2000ミリ秒後の電圧保持率(VHR)を測定した。なお、測定装置としては、(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。評価は、電圧保持率が99.0%以上の場合を「良好」、97.0%以上99.0%未満の場合を「可」、97.0%未満の場合を「不良」とした。その結果、この実施例では電圧保持率が99.5%であり、「良好」の結果であった。
(5)信頼性の評価
上記(3)で製造した液晶セルにつき、上記(4)と同様に電圧保持率を測定し、その値を初期VHR(VHRBF)とした。次いで、初期VHR測定後の液晶セルにつき、LEDランプ照射下、60℃のオーブン中に1000時間静置した。その後、この液晶セルを室温下に静置して室温まで自然冷却させた後、上記(4)と同様にして電圧保持率(VHRAF)を測定した。また、下記数式(2)により、ストレス付与前後の電圧保持率の変化率(△VHR(%))を求めた。
△VHR=((VHRBF−VHRAF)÷VHRBF)×100…(2)
このとき、変化率ΔVHRが3%未満であった場合を信頼性「良好」、3%以上5%未満であった場合を「可」、5%以上であった場合を「不良」とした。その結果、本実施例ではΔVHR=1.2%であり、信頼性「良好」であった。
(6)保存安定性の評価
上記(1)で調製した液晶配向剤をサンプル瓶に入れて、温度40℃のオーブン中に1週間放置し、粘度(mPa・s)の変化を測定した。粘度はE型回転粘度計を用いて25℃で測定した。1週間後の粘度の増減変化をみて、5%未満であった場合に保存安定性「良好(○)」、5%以上10%未満であった場合に保存安定性「可(△)」、10%以上であった場合に保存安定性「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例では保存安定性「良好」と判断された。
重合体及び添加剤の種類及び使用量をそれぞれ下記表3に記載の通りとしたほかは実施例3−12と同様にして液晶配向剤を調製した。また、調製した液晶配向剤を用いて実施例3−12と同様にして各種評価を行った。評価結果は下記表3に示した。
(1)液晶配向剤の調製
重合体として上記実施例2−6で得た重合体(A−2−2)100重量部、及び添加剤としてN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン20重量部に、溶剤としてNMP及びBCを加えて、固形分濃度3.5重量%、溶媒の混合比がNMP:BC=50:50(重量比)の溶液とした。この溶液を十分に撹拌した後、孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤を調製した。
(2)表面凹凸性(印刷性)の評価
上記(1)で調製した液晶配向剤を使用した以外は上記実施例3−1(2)と同様の方法により塗膜の表面凹凸性を評価した。その結果、この実施例ではRa=3[nm]であり、表面凹凸性「良好」であった。
片面に櫛歯状に設けられた一対のクロム電極を有する厚さ1mmのガラス基板上に、上記(1)で調製した液晶配向剤を、膜厚が0.1μmになるようにスピンナーにより塗布し、80℃のホットプレート上で1分間のプレベークを行った後、200℃のホットプレート上で10分間ポストベークして塗膜を形成した。この塗膜を有する基板を「基板A」とした。これとは別に、電極を有さない厚さ1mmのガラス基板の一面に、上記と同様にして液晶配向剤の塗膜を形成した。この塗膜を有する基板を「基板B」とした。次いで、基板A及び基板Bの塗膜表面に、Hg−Xeランプを用いて、254nmの輝線を含む偏光の紫外線10,000J/m2を基板法線方向から照射し、液晶配向膜を形成した。
次に、上記光照射処理を行った一対の基板について、液晶配向膜を形成した面の縁に液晶注入口を残して直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、光照射時の偏光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように基板を重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、一対の基板間に液晶注入口よりネマチック液晶(メルク社製、MLC−7028)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃で加熱してから室温まで徐冷した。次に、基板の外側両面に、偏光板を貼り合わせて液晶表示素子を作製した。
上記(3)で製造した液晶表示素子を用い、上記実施例3−12と同様の方法により電圧保持率を測定した。その結果、この実施例では電圧保持率が99.1%であり、「良好」の評価であった。
(5)信頼性の評価
上記(3)で製造した液晶表示素子を用い、上記実施例3−12と同様の方法により液晶表示素子の信頼性を評価した。その結果、この実施例ではΔVHR=1.8%であり、信頼性「良好」であった。
(6)保存安定性の評価
上記(1)で調製した液晶配向剤を用い、上記実施例3−12と同様の方法により保存安定性を評価した。その結果、この実施例では保存安定性「良好」の評価であった。
(1)液晶配向剤の調製
重合体として上記合成例3で得た重合体(A−2−3)100重量部、並びに添加剤として化合物(S−1)40重量部、及びトリアリルイソシアヌレート20重量部に、溶剤としてNMP及びBCを加えて、固形分濃度3.5重量%、溶媒の混合比がNMP:BC=50:50(重量比)の溶液とした。この溶液を十分に撹拌した後、孔径0.2μmのフィルターで濾過することにより液晶配向剤を調製した。
(2)表面凹凸性(印刷性)の評価
上記(1)で調製した液晶配向剤を使用した以外は上記実施例3−1(2)と同様の方法により塗膜の表面凹凸性を評価した。その結果、この実施例ではRa=4[nm]であり、表面凹凸性「良好」であった。
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、それぞれ上記(1)で調製した液晶配向剤を、スピンナーを用いて塗布して塗膜を形成した。次いで、この塗膜を80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で200℃にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚1,000Åの塗膜を形成した。ここで使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示した。なお、図2(a)はトップ電極13の上面図であり、図2(b)は、図3(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1が4μm、電極間の距離d2が6μmのトップ電極を有する基板を使用した。トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた。図3に、用いた駆動電極の構成を示した。この場合、ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。
次いで、これら塗膜の各表面に、それぞれ、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて、313nmの輝線を含む偏光紫外線300J/m2を、基板法線方向から照射して、液晶配向膜を有する一対の基板を得た。このとき、偏光紫外線の照射方向は基板法線方向からとし、偏光紫外線の偏光面を基板に投影した線分の方向が図2中の両頭矢印の方向となるように偏光面方向を設定したうえで光照射処理を行った。
次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることにより、FFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。
上記(3)で製造した液晶表示素子を用い、上記実施例3−12と同様の方法により電圧保持率を測定した。その結果、この実施例では電圧保持率が99.0%であり、「良好」の評価であった。
(5)信頼性の評価
上記(3)で製造した液晶表示素子を用い、上記実施例3−12と同様の方法により液晶セルの信頼性を評価した。その結果、この実施例ではΔVHR=2.5%であり、信頼性「良好」であった。
(6)保存安定性の評価
上記(1)で調製した液晶配向剤を用い、上記実施例3−12と同様の方法により保存安定性を評価した。その結果、この実施例では保存安定性「良好」の評価であった。
重合体及び添加剤の種類及び使用量をそれぞれ下記表3に記載の通りとしたほかは実施例3−14と同様にして液晶配向剤を調製した。また、調製した液晶配向剤を用いて実施例3−14と同様にして各種評価を行った。評価結果は下記表3に示した。
表3に示すように、実施例ではいずれも、液晶配向剤の保存安定性及び印刷性が「良好」の評価であった。また、液晶セルの電圧保持率は99%以上と高く、信頼性も良好であった。これに対し、比較例のものは、電圧保持率及び信頼性について、実施例のものよりも劣っていた。
Claims (13)
- 基「−SR1」(ただし、R1は、水素原子、又は光若しくは熱によって脱離する1価の有機基である。)を有する化合物(A)を含有する液晶配向剤。
- チオール反応性基を有する化合物(B)をさらに含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記化合物(A)はチオール反応性基をさらに有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記チオール反応性基は、エポキシ基、オキサゾリン構造、炭素−炭素不飽和結合、マレイミド基、ホルミル基又はイソシアネート基である、請求項2又は3に記載の液晶配向剤。
- 前記化合物(A)は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリオルガノシロキサン及びポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 重合体成分と、添加剤としての前記化合物(A)とを含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 導電膜を有する一対の基板の該導電膜上に、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を形成した一対の基板を、液晶層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを構築する工程と、
前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程と、を含む液晶表示素子の製造方法。 - 導電膜を有する一対の基板の該導電膜上に、請求項1に記載の液晶配向剤を塗布して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜を形成した一対の基板を、チオール反応性基を有する化合物(B)を含む液晶層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを構築する工程と、
前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程と、を含む液晶表示素子の製造方法。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
- 請求項10に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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