JP2016118204A - 鞍乗型車両 - Google Patents

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貴比古 原
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Abstract

【課題】触媒の浄化性能を向上でき、触媒の配置位置及び専用排気経路の形状の自由度を向上でき、車両の大型化を抑制することができる鞍乗型車両を提供する。【解決手段】鞍乗型車両のエンジンユニット11は、エンジン本体20と、専用排気経路67と、触媒65と、差圧応動供給機構192及び強制供給機構191を有する二次空気供給機構80と、二次空気供給制御部とを含む。差圧応動供給機構192は、専用排気経路67内の圧力と大気圧との差圧により開閉する第1専用リード弁84が途中に配置された差圧応動経路92aを有する。強制供給機構191は、二次空気を専用排気経路67に向かって圧送するエアポンプ81が途中に配置された強制供給経路91aを有する。二次空気供給制御部は、エアポンプ81の作動と停止を制御し、差圧応動供給機構192により専用排気経路67に二次空気が供給されているときの少なくとも一部でエアポンプ81を停止させる。【選択図】図6

Description

本発明は、鞍乗型車両に関する。
エンジンを搭載する自動二輪車等の鞍乗型車両において、排ガスを浄化する触媒が専用排気経路中に配置されたものが、例えば下記特許文献1に示されている。触媒は、高温となって活性化することで、浄化性能を発揮する。しかしながら、特許文献1においては、触媒がエンジンの下方に配置されているため、専用排気経路を通過する排ガスが触媒に向かう間に冷却されて触媒を不活性状態から活性化させるのに時間がかかる問題があった。
この問題を解決するために、触媒の配置に工夫を施した鞍乗型車両が、例えば特許文献2に示されている。特許文献2において、触媒は、エンジンのクランクケースよりも前方で前輪より後方に、車幅方向に横臥して配置される。このように、触媒を、クランクケースの前方で専用排気経路の上流に配置している。この構成により、触媒の配置に必要なスペースが、上下前後方向に大きくなるのを抑制することができる。また、この構成により、前輪の後方の必要なスペースを確保しつつ、触媒を配置することができる。前輪の後方の必要なスペースは、前輪の可動範囲を含む。そして、触媒を専用排気経路の上流に配置するため、燃焼室から触媒までの経路が短い。このため、短い経路で触媒に排気熱を伝えて触媒の不活性状態から活性化を早め、触媒の浄化性能を向上することができる。また、触媒を配置することによる上下前後方向のスペース増大を抑制し、前輪の後方の必要なスペースが確保できる。
特許4537556号公報 特開2014−137001号公報
しかしながら、上記特許文献2においては、スペースを確保しにくいクランクケースの前方に触媒を配置するために、触媒を車幅方向に横臥して配置する必要がある。この結果、触媒を不活性状態から早期に活性化させ、触媒の浄化性能を向上させることを実現することが可能である。しかしながら、触媒の配置位置に制限を受けるため、触媒が配置される専用排気経路の形状も制限を受ける。
本発明は、触媒の浄化性能を向上でき、触媒の配置位置及び専用排気経路の形状の自由度を向上でき、車両の大型化を抑制することができる鞍乗型車両を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の鞍乗型車両は、少なくとも1つの燃焼室が内部に形成されたエンジン本体と、前記燃焼室ごとに設けられ、前記燃焼室から排出された排ガスが流れる専用排気経路と、前記専用排気経路内に配置される触媒と、前記専用排気経路の前記触媒よりも排ガスの流れ方向の上流の位置に大気を二次空気として供給する二次空気供給機構と、前記二次空気供給機構を制御する制御部とを有するエンジンユニットを備えており、前記二次空気供給機構は、前記専用排気経路内の圧力と大気圧との差圧によって前記二次空気を前記専用排気経路に供給する差圧応動供給機構と、前記専用排気経路内に前記二次空気を強制的に供給する強制供給機構とを有し、前記差圧応動供給機構は、前記専用排気経路内の圧力と大気圧との差圧により開閉する第1専用リード弁が途中に配置された差圧応動経路を有し、前記強制供給機構は、前記二次空気を前記専用排気経路に向かって圧送するポンプが途中に配置された強制供給経路を有し、前記制御部は、前記ポンプの作動と停止を制御し、前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されているときの少なくとも一部で前記ポンプを停止させることを特徴とする。
本発明の鞍乗型車両は、少なくとも1つの燃焼室が内部に形成されたエンジン本体と、前記燃焼室ごとに設けられ、燃焼室から排出された排ガスが流れる専用排気経路と、専用排気経路内に配置される触媒と、専用排気経路の触媒よりも排ガスの流れ方向の上流の位置に大気を二次空気として供給する二次空気供給機構と、二次空気供給機構を制御する制御部とを有するエンジンユニットを備えている。二次空気供給機構は、専用排気経路内の圧力と大気圧との差圧によって大気を二次空気として専用排気経路に供給する差圧応動供給機構と、専用排気経路内に大気を二次空気として強制的に供給する強制供給機構とを有する。差圧応動供給機構は、専用排気経路内の圧力と大気圧との差圧により開閉する第1専用リード弁が途中に配置された差圧応動経路を有する。強制供給機構は、大気を二次空気として専用排気経路に向かって圧送するポンプが途中に配置された強制供給経路を有する。制御部は、ポンプの作動と停止を制御し、差圧応動供給機構によって専用排気経路に二次空気が供給されているときの少なくとも一部でポンプを停止させる。差圧応動経路は、専用排気経路内の圧力と大気圧との差圧により第1専用リード弁が開くことで専用排気経路へ二次空気を供給する。強制供給経路は、ポンプを作動することで専用排気経路へ二次空気を供給する。差圧応動経路及び強制供給経路の2つの経路から専用排気経路の触媒よりも上流の位置に二次空気が供給される。このため、二次空気の供給量、すなわち酸素供給量が増え、触媒に送られる排ガスの熱量を増加させることができ、触媒の浄化性能を向上できる。特に、エンジン始動時(冷間始動時)や低回転時等のエンジン本体が冷機状態で運転されている時には、触媒の浄化性能を向上させることができる。このように触媒の浄化性能を向上できるため、触媒を特定位置に配置させる制限がなくなって、触媒の配置位置の自由度が向上する。触媒の配置の自由度が向上することで専用排気経路の形状の自由度も向上する。専用排気経路へは2つの経路(差圧応動経路及び強制供給経路)から二次空気が供給されるが、強制供給経路から専用排気経路へ二次空気を供給するためのポンプは、差圧応動供給機構によって専用排気経路に二次空気が供給されているときの少なくとも一部で停止される。このため、ポンプの利用が少なくなり、小さいポンプが採用される。したがって、強制供給経路から専用排気経路へと二次空気を強制的に供給するためにポンプを設けても、当該ポンプは小さいものとなり、さらに専用排気経路の形状の自由度も向上するため、車両の大型化を抑制するように、ポンプと専用排気経路を配置させることができる。この結果、車両の大型化を抑制することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記制御部は、前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されていないときの少なくとも一部で前記ポンプを作動させることが好ましい。
この構成によると、専用排気経路内の圧力と大気圧との差圧が小さく差圧応動供給機構によって専用排気経路に二次空気が供給されていないときに強制供給機構から二次空気を専用排気経路に供給することができる。このため、二次空気の供給量の低下を抑制することができる。したがって、エンジン始動時や低回転時等のエンジン本体が冷機状態で運転されている時に、触媒を非活性状態からより早期に活性化でき、触媒の浄化性能をさらに向上できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記制御部は、前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されているときの一部でポンプを作動させることが好ましい。
この構成によると、差圧応動供給機構及び強制供給機構の両方から専用排気経路に二次空気が供給される。このため、差圧応動供給機構及び強制供給機構の一方から専用排気経路に二次空気を供給する場合に比べて、ポンプの容量を維持しつつ、専用排気経路に供給する二次空気の供給量を増やすことができる。したがって、触媒に送られる排ガスの熱量をより増加させて、触媒の浄化性能をさらに向上できる。また、ポンプの容量を維持できるので、車両の大型化をより抑制できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されていないときは、エンジン始動時を含むことが好ましい。
この構成によると、エンジン始動時に、差圧が小さく差圧応動供給機構によって専用排気経路に二次空気が供給されていないときでも、強制供給機構から二次空気を専用排気経路に供給することができる。このため、エンジン始動時に、触媒を非活性状態からより早期に活性化でき、触媒の浄化性能をさらに向上できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記制御部は、前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されていないときの一部でポンプを停止することが好ましい。
この構成によると、燃焼室から排出される排ガスの熱量が高く、専用排気経路に二次空気を供給する必要のない高回転時に、ポンプを停止することができる。このため、ポンプの利用が少なくなり、ポンプを設けても当該ポンプは小さいものとなる。したがって、車両の大型化を抑制することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記差圧応動供給機構は、前記差圧応動経路に配置され、前記制御部によって開閉する動作が制御され、前記差圧応動経路を連通状態と遮断状態とに切り換える第1開閉弁を有し、前記強制供給機構は、前記強制供給経路に配置され、前記制御部によって開閉する動作が制御され、前記強制供給経路を連通状態と遮断状態とに切り換える第2開閉弁とを有し、前記制御部は、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御する場合に、前記ポンプを作動させることが好ましい。
この構成によると、エンジン本体が冷機状態で運転されていない時、例えば、高回転時は、燃焼室から排出される排ガスの熱量が高いため、専用排気経路に二次空気を供給する必要がない。高回転時等のエンジン本体が冷機状態で運転されていない時に第1開閉弁と第2開閉弁を閉じることで、専用排気経路内の負圧によって差圧応動経路及び強制供給経路から専用排気経路に二次空気が引き込まれるのを防止できる。尚、第2開閉弁を開弁状態となるように制御するとは、制御部から第2開閉弁に、第2開閉弁を開弁させるための信号が送られた状態のことである。第2開閉弁が正常に開弁したか否かは問わない。第1開閉弁も同様である。
本発明の鞍乗型車両において、前記差圧応動経路と前記強制供給経路は、前記専用排気経路の同じ位置に接続されており、前記二次空気の流れ方向の下流の部分を共有する共有部分を有しており、前記ポンプは、前記強制供給経路の前記共有部分よりも前記二次空気の流れ方向の上流に配置されていることが好ましい。
この構成によると、差圧応動経路と強制供給経路が、専用排気経路の異なる位置に個別に接続されている場合に比べて、経路を少なくできる。このため、車両の大型化をより抑制できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記第1専用リード弁が、前記共有部分に設けられており、前記第1専用リード弁は、前記共有部分の前記第1専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の下流部分の圧力が前記共有部分の前記第1専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の上流部分の圧力よりも小さいときに開き、前記下流部分の圧力が前記上流部分の圧力よりも大きいときに閉じることが好ましい。
この構成によると、専用排気経路を流れる排ガスがポンプに流れ込むのを、第1専用リード弁によって阻止することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記差圧応動経路と前記強制供給経路は、前記専用排気経路の異なる位置に接続されていることが好ましい。
この構成によると、差圧応動経路は、強制供給経路路に関係なく設置でき、強制供給経路は、差圧応動経路に関係なく設置でき、設置の自由度が高くなる。そのため、空きスペースを有効に利用して、二次空気供給機構を配置することが可能となり、車両の大型化を抑制できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記強制供給機構は、前記強制供給経路の前記ポンプよりも前記二次空気の流れ方向の下流に配置された第2専用リード弁を有し、前記第2専用リード弁は、前記強制供給経路の前記第2専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の下流部分の圧力が前記強制供給経路の前記第2専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の上流部分の圧力よりも小さいときに開き、前記下流部分の圧力が前記上流部分の圧力よりも大きいときに閉じることが好ましい。
この構成によると、専用排気経路を流れる排ガスがポンプに流れ込むのを、第2専用リード弁によって阻止することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジン本体は、複数の前記燃焼室を有しており、前記差圧応動経路は、前記二次空気の流れ方向の下流の部分が前記燃焼室毎に分岐された複数の差圧分岐経路を有しており、前記第1専用リード弁が、前記複数の差圧分岐経路のそれぞれに配置されていることが好ましい。
この構成によると、差圧応動経路の複数の差圧分岐経路のそれぞれに第1専用リード弁が配置される。このため、各燃焼室の排ガスの脈動に応じて各第1専用リード弁を開弁させて、各差圧分岐経路から専用排気経路に二次空気を供給することができる。したがって、専用排気経路に適量の二次空気を供給することができ、エンジン始動時や低回転時に、触媒をより早期に活性化でき、触媒の浄化性能をさらに向上できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記強制供給経路は、前記二次空気の流れ方向の下流の部分が前記燃焼室毎に分岐された複数の強制分岐経路を有しており、前記ポンプは、前記強制供給経路の前記複数の強制分岐経路よりも上流の部分に配置されていることが好ましい。
この構成によると、強制供給経路の複数の強制分岐経路よりも上流の部分にポンプが配置される。そのため、強制分岐経路ごとにポンプが配置されている場合に比べて、ポンプの数を少なくできる。したがって、車両の大型化を抑制することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、更に、前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の上流に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の下流の位置または前記触媒に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの温度を検出する排ガス温度センサ、前記共有部分の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記共有部分内の温度を検出する第1下流二次空気温度センサ、前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内の圧力を検出する第2上流圧力センサ、前記共有部分の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記共有部分内の圧力を検出する第1下流圧力センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内を通過する気体の流量を検出する第1流量センサ、及び、前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内を通過する気体の流量を検出する第2流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記エンジン本体が少なくとも冷機状態で運転している場合に、前記第1開閉弁または前記第2開閉弁の少なくともいずれか一方を開弁状態となるように制御すると共に、前記第1開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、少なくとも、前記共有部分の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第1専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁または第2開閉弁の少なくともいずれか一方を開弁状態となるように制御している場合に、共有部分の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着を検出する。ここで、共有部分の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分は細いため、詰まりやすい。また、第1専用リード弁は、弁で開閉される通路が狭いため、閉弁状態で固着しやすい。共有部分の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着が生じると、専用排気経路に、二次空気が供給されない。つまり、専用排気経路に供給される二次空気が不足する。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用排気経路と差圧供給経路及び強制供給経路が遮断されるため、専用排気経路内の排気脈動(exhaust pulse)によって、専用排気経路の排ガスが、差圧供給経路及び強制供給経路に逆流しなくなる。また、ポンプから強制的に圧送された二次空気が、強制供給経路内に留まる。共有部分の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着が生じると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。リッチとは、理論空燃比に対して燃料が過剰な状態であり、酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の値が、理論空燃比の値より低い状態をいう。理論空燃比とは、混合気中の酸素と燃料が、過不足なく反応する時の空燃比をいう。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第1下流二次空気温度センサで検出される共有部分内の温度が、低くなる。第2上流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、高くなる。第1下流圧力センサで検出される共有部分内の圧力が、高くなる。第1流量センサで検出される差圧供給経路内を通過する気体の流量が、なくなるまたは少なくなる。第2流量センサで検出される強制供給経路内を通過する気体の流量が、なくなるまたは少なくなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、少なくとも、共有部分の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することができる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
尚、本明細書において、鞍乗型車両の初期状態とは、ポンプ、第1開閉弁、第2開閉弁、第1専用リード弁および第2専用リード弁が正常に動作し、かつ、第1専用リード弁及び第2専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分に詰まりまたは詰まりかけが生じていない状態のことをいう。
本発明の鞍乗型車両において、前記制御部は、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記ポンプから圧送される前記二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用排気経路に供給される二次空気が不足する。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第1下流二次空気温度センサで検出される共有部分内の温度が、高くなる。第2上流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が低くなる。第1下流圧力センサで検出される共有部分内の圧力が低くなる。第2流量センサで検出される大気側二次空気供給通路部内を通過する気体の流量が、なくなるまたは少なくなる。従って、制御部は、酸素センサ、排ガス温度センサ、第1下流二次空気温度センサ、第2上流圧力センサ、第1下流圧力センサ、第2流量センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することができる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記排ガス温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記第1下流圧力センサ、及び、前記第1流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号に基づいて、前記第1開閉弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、第1開閉弁が閉弁状態で固着したことを検出する。第1開閉弁が閉弁状態で固着していると、第1開閉弁より二次空気の流れ方向の下流の差圧供給経路及び共有部分に二次空気が供給されなくなる。つまり、専用排気経路に供給される二次空気がなくなる。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用排気経路と共有部分が連通しているため、専用排気経路内の排気脈動により、専用排気経路の排ガスが、共有部分に逆流する。そのため、第1開閉弁が閉弁状態で固着すると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第1下流二次空気温度センサで検出される共有部分内の温度が、高くなる。第1流量センサで検出される差圧供給経路内を通過する気体の流量が、なくなる。第1上流圧力センサで検出される差圧供給経路内の圧力が、高くなる。第1下流圧力センサで検出される共有部分内の圧力が、高くなる場合がある。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、第1開閉弁が閉弁状態で固着したことを検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気がなくなることを解消することができる。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記排ガス温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記第2上流圧力センサ、前記第1下流圧力センサ、及び、前記第2流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号に基づいて、前記第2開閉弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、第2開閉弁の閉弁状態での固着を検出する。第2開閉弁が閉弁状態で固着していると、第2開閉弁より二次空気の流れ方向の下流の強制供給経路にポンプから圧送される二次空気が供給されなくなる。つまり、専用排気経路に供給される二次空気がなくなる。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用排気経路と共有部分が連通しているため、専用排気経路内の排気脈動により、専用排気経路の排ガスが、共有部分に逆流する。そのため、第2開閉弁が閉弁状態で固着すると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第1下流二次空気温度センサで検出される共有部分内の温度が、高くなる。第2流量センサで検出される強制供給経路内を通過する気体の流量が、なくなる。第2上流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、高くなる。第1下流圧力センサで検出される共有部分内の圧力が、低くなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、第2開閉弁の閉弁状態での固着を検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサと、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の温度を検出する第1上流二次空気温度センサ、前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内の温度を検出する第2上流二次空気温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記第2上流圧力センサ、及び、前記第1下流圧力センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第1専用リード弁の開弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、第1専用リード弁が開弁状態で固着したことを検出する。ここで、第1専用リード弁が開弁状態で固着すると、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している時に、専用排気経路から共有部分に排ガスが逆流する。そのため、鞍乗型車両の初期状態である場合と比較して、第1専用リード弁が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。第1上流二次空気温度センサで検出される差圧供給経路内の温度が高くなる。第2上流二次空気温度センサで検出される強制供給経路内の温度が高くなる。第1下流二次空気温度センサで検出される共有部分内の温度が高くなる。第1上流圧力センサで検出される差圧供給経路内の圧力が、負圧だけでなく、正圧にも変動し、高くなる。第2上流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、負圧だけでなく、正圧にも変動し、高くなる。また、第1下流圧力センサで検出される共有部分内の圧力が、負圧だけでなく、正圧にも変動し、高くなる。ここで、正圧とは、大気圧より大きい圧力のことである。負圧とは、大気圧より小さい圧力のことである。従って制御部は、複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、第1専用リード弁が開弁状態で固着したことを検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、第1専用リード弁の開弁状態で固着を解消することができる。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の温度を検出する第1上流二次空気温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記第1下流圧力センサ、及び、前記第1流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第1開閉弁の開弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、第1開閉弁が開弁状態で固着したことを検出する。ここで、第1開閉弁が開弁状態で固着すると、第1開閉弁及び第2開閉弁が閉弁状態となるように制御されている時に、差圧供給経路に二次空気が供給される。そのため、鞍乗型車両の初期状態である場合と比較して、第1開閉弁が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。酸素センサに基づいて算出される燃料供給量の補正量が収束せずに変化し続ける。第1下流二次空気温度センサで検出される共有部分内の温度が、低くなる。第1上流二次空気温度センサで検出される差圧供給経路内の温度が、低くなる。第1下流圧力センサで検出される共有部分内の圧力が、負圧に変動し、低くなる。第1上流圧力センサで検出される差圧供給経路内の圧力が、負圧に変動し、低くする。また、第1流量センサで検出される差圧供給経路内を通過する気体の流量が大きくなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、第1開閉弁が開弁状態で固着したことを検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、第1開閉弁の開弁状態での固着を解消することができる。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両は、前記共有部分の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第1専用リード弁の閉弁状態での固着を、前記制御部が検出した際に、報知する報知手段を備えることが好ましい。
この構成によると、ライダーまたはメンテナンス作業者が、共有部分の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着を認識することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、更に、前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の上流に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の下流の位置または前記触媒に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの温度を検出する排ガス温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の温度を検出する第1下流二次空気温度センサ、及び、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内を通過する気体の流量を検出する第1流量センサ、の少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記エンジン本体が少なくとも冷機状態で運転している場合に、前記第1開閉弁または前記第2開閉弁の少なくともいずれか一方を開弁状態となるように制御すると共に、前記第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、少なくとも、前記差圧供給経路の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第1専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、少なくとも、差圧供給経路の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着を検出する。ここで、差圧供給経路の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分は細いため、詰まりやすい。また、第1専用リード弁は、弁で開閉される通路が狭いため、閉弁状態で固着しやすい。差圧供給経路の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着が生じると、専用排気経路に、二次空気が供給されない。つまり、専用排気経路に供給される二次空気が不足する。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用排気経路と差圧供給経路が遮断されるため、専用排気経路内の排気脈動によって、専用排気経路の排ガスが、差圧供給経路に逆流しなくなる。差圧供給経路の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着が生じると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第1下流二次空気温度センサで検出される差圧供給経路内の温度が、低くなる。第1流量センサで検出される差圧供給経路内を通過する気体の流量が、なくなるまたは少なくなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、差圧供給経路の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することができる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記排ガス温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の下流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1下流圧力センサ、及び、前記第1流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号に基づいて、前記第1開閉弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、第1開閉弁が閉弁状態で固着したことを検出する。第1開閉弁が閉弁状態で固着していると、第1開閉弁より二次空気の流れ方向の下流の差圧供給経路に二次空気が供給されなくなる。つまり、専用排気経路に供給される二次空気がなくなる。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用排気経路と差圧供給経路が連通しているため、専用排気経路内の排気脈動により、専用排気経路の排ガスが、共有部分に逆流する。そのため、第1開閉弁が閉弁状態で固着すると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第1下流二次空気温度センサで検出される共有部分内の温度が、高くなる。第1流量センサで検出される差圧供給経路内を通過する気体の流量が、なくなる。第1上流圧力センサで検出される差圧供給経路内の圧力が、高くなる。第1下流圧力センサで検出される共有部分内の圧力が、高くなる場合がある。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、第1開閉弁が閉弁状態で固着したことを検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気がなくなることを解消することができる。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の下流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1下流圧力センサ、及び、前記第1流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第1開閉弁の開弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、第1開閉弁が開弁状態で固着したことを検出する。ここで、第1開閉弁が開弁状態で固着すると、第1開閉弁及び第2開閉弁が閉弁状態となるように制御されている時に、差圧供給経路に二次空気が供給される。そのため、鞍乗型車両の初期状態である場合と比較して、第1開閉弁が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。酸素センサに基づいて算出される燃料供給量の補正量が収束せずに変化し続ける。第1下流二次空気温度センサで検出される差圧供給経路内の温度が、低くなる。第1上流二次空気温度センサで検出される差圧供給経路内の温度が、低くなる。第1下流圧力センサで検出される差圧供給経路内の圧力が、負圧に変動し、低くなる。第1上流圧力センサで検出される差圧供給経路内の圧力が、負圧に変動し、低くする。また、第1流量センサで検出される差圧供給経路内を通過する気体の流量が大きくなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、第1開閉弁が開弁状態で固着したことを検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、第1開閉弁の開弁状態での固着を解消することができる。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサと、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の温度を検出する第1上流二次空気温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、及び、前記第1下流圧力センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第1専用リード弁の開弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、第1専用リード弁が開弁状態で固着したことを検出する。ここで、第1専用リード弁が開弁状態で固着すると、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している時に、専用排気経路から強制供給経路に排ガスが逆流する。そのため、鞍乗型車両の初期状態である場合と比較して、第1専用リード弁が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。第1上流二次空気温度センサで検出される差圧供給経路内の温度が高くなる。第1下流二次空気温度センサで検出される強制供給経路内の温度が高くなる。第1上流圧力センサで検出される差圧供給経路内の圧力が、負圧だけでなく、正圧にも変動し、高くなる。また、第1下流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、負圧だけでなく、正圧にも変動し、高くなる。従って、制御部は、複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、第1専用リード弁が開弁状態で固着したことを検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、第1専用リード弁の開弁状態で固着を解消することができる。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両は、前記差圧供給経路の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第1専用リード弁の閉弁状態での固着を、前記制御部が検出した際に、報知する報知手段を備えることが好ましい。
この構成によると、ライダーまたはメンテナンス作業者が、差圧供給経路の第1専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第1専用リード弁の閉弁状態での固着を認識することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、更に、前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の上流に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の下流の位置または前記触媒に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの温度を検出する排ガス温度センサ、前記強制供給経路の前記第2専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記強制供給経路内の温度を検出する第2下流二次空気温度センサ、前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内の圧力を検出する第2上流圧力センサ、前記強制供給経路の前記第2専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記強制供給経路内の圧力を検出する第2下流圧力センサ、及び、前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記強制供給経路内を通過する気体の流量を検出する第2流量センサ、の少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記エンジン本体が少なくとも冷機状態で運転している場合に、前記第1開閉弁または前記第2開閉弁の少なくともいずれか一方を開弁状態となるように制御すると共に、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、少なくとも、前記強制供給経路の前記第2専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第2専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、少なくとも、強制供給経路の第2専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第2専用リード弁の閉弁状態での固着を検出する。ここで、強制供給経路の第2専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分は細いため、詰まりやすい。また、第2専用リード弁は、弁で開閉される通路が狭いため、閉弁状態で固着しやすい。強制供給経路の第2専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第2専用リード弁の閉弁状態での固着が生じると、専用排気経路に、二次空気が供給されない。つまり、専用排気経路に供給される二次空気が不足する。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用排気経路と強制供給経路が遮断されるため、専用排気経路内の排気脈動によって、専用排気経路の排ガスが、強制供給経路に逆流しなくなる。また、ポンプから強制的に圧送された二次空気が、強制供給経路内に留まる。強制供給経路の第2専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第2専用リード弁の閉弁状態での固着が生じると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第2下流二次空気温度センサで検出される強制供給経路分内の温度が、低くなる。第2上流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、高くなる。第2下流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、高くなる。第2流量センサで検出される強制供給経路内を通過する気体の流量が、なくなるまたは少なくなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、強制供給経路の第2専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第2専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することができる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記制御部は、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記ポンプから圧送される前記二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用排気経路に供給される二次空気が不足する。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第2下流二次空気温度センサで検出される共有部分内の温度が、高くなる。第2上流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が低くなる。第2下流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が低くなる。第2流量センサで検出される大気側二次空気供給通路部内を通過する気体の流量が、なくなるまたは少なくなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することができる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記制御部は、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号に基づいて、前記第2開閉弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、第2開閉弁の閉弁状態での固着を検出する。第2開閉弁が閉弁状態で固着していると、第2開閉弁より二次空気の流れ方向の下流の強制供給経路にポンプから圧送される二次空気が供給されなくなる。つまり、専用排気経路に供給される二次空気がなくなる。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用排気経路と強制供給経路が連通しているため、専用排気経路内の排気脈動により、専用排気経路の排ガスが、強制供給経路に逆流する。そのため、第2開閉弁が閉弁状態で固着すると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。第2下流二次空気温度センサで検出される強制供給経路内の温度が、高くなる。第2流量センサで検出される強制供給経路内を通過する気体の流量が、なくなる。第2上流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、高くなる。第2下流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、低くなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、第2開閉弁の閉弁状態での固着を検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、専用排気経路に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサと、前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内の温度を検出する第2上流二次空気温度センサ、前記第2下流二次空気温度センサ、前記第2上流圧力センサ、及び、前記第2下流圧力センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第2専用リード弁の開弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、第2専用リード弁が開弁状態で固着したことを検出する。ここで、第2専用リード弁が開弁状態で固着すると、第1開閉弁及び第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している時に、専用排気経路から強制供給経路に排ガスが逆流する。そのため、鞍乗型車両の初期状態である場合と比較して、第2専用リード弁が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。第2上流二次空気温度センサで検出される強制供給経路内の温度が高くなる。第2下流二次空気温度センサで検出される強制供給経路内の温度が高くなる。第2上流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、負圧だけでなく、正圧にも変動し、高くなる。また、第2下流圧力センサで検出される強制供給経路内の圧力が、負圧だけでなく、正圧にも変動し、高くなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、第2専用リード弁が開弁状態で固着したことを検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給機構のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給機構をメンテナンスすると、第2専用リード弁の開弁状態で固着を解消することができる。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両は、前記強制供給経路の前記第2専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第2専用リード弁の閉弁状態での固着を、前記制御部が検出した際に、報知する報知手段を備えることが好ましい。
この構成によると、ライダーまたはメンテナンス作業者が、強制供給経路の前記第2専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、第2専用リード弁の閉弁状態での固着を認識することができる。
本発明の第一の実施形態に係る自動二輪車の右側面図である。 図1のII―II線断面図である。 エンジンユニットの一部の右側面図である。 エンジンユニットの一部の正面図である。 エンジンユニットの一部の模式図である。 エンジンユニットの一部の模式図である。 図1に示す自動二輪車を下方から見たときの、前輪、後輪、エンジン本体、触媒、エアポンプの位置関係を示す図である。 エンジンユニットの制御ブロック図である。 酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比、酸素センサを通過する時点の排ガスから専用排気通路部に供給される二次空気を除いたガスの酸素濃度から推定される空燃比、および理論空燃比の関係を示すグラフである。 第二の実施形態に係るエンジンユニットの一部の模式図である。 酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比、酸素センサを通過する時点の排ガスから専用排気通路部に供給される二次空気を除いたガスの酸素濃度から推定される空燃比、および理論空燃比の関係の変形例を示すグラフである。
(第一の実施形態)
以下、本発明の第一の実施形態に係る鞍乗型車両について説明する。第一の実施形態に係る鞍乗型車両の一例として、自動二輪車1について説明する。なお、以下の説明において、前後方向とは、自動二輪車1の後述するシート9に着座したライダーから見た車両の前後方向のことであり、左右方向とは、シート9に着座したライダーから見たときの車両の左右方向(車幅方向)のことである。また、各図面の矢印F方向と矢印B方向は、前方と後方を表しており、矢印L方向と矢印R方向は、左方と右方を表しており、矢印U方向と矢印D方向は、上方と下方を表している。
[自動二輪車の全体構成]
図1に示すように、自動二輪車1は、前輪2と、後輪3と、車体フレーム4とを含む。車体フレーム4は、全体として前後方向に延びた形態である。車体フレーム4は、その前部にヘッドパイプ4aを有する。ヘッドパイプ4aには、ステアリングシャフト(図示せず)が回転可能に挿入されている。ステアリングシャフトの上端部は、ハンドルユニット5に連結されている。ハンドルユニット5には、一対のフロントフォーク6の上端部が固定されている。フロントフォーク6の下端部は、前輪2を支持している。
図2に示すように、ハンドルユニット5は、左右方向に延びる1本のハンドルバー12を有する。ハンドルバー12の左右両端には、グリップ13L、13Rが設けられている。右側のグリップ13Rは、エンジンの出力を調整するアクセルグリップである。また、ハンドルバー12には、表示装置14が取り付けられている。図示は省略するが、表示装置14には、車速や、エンジン回転速度などが表示される。
図1に示すように、車体フレーム4には、一対のスイングアーム7が揺動可能に支持されている。スイングアーム7の後端部は、後輪3を支持している。各スイングアーム7の揺動中心よりも後方の箇所は、リアサスペンション8を介して車体フレーム4に接続されている。
車体フレーム4の上部には、シート9と燃料タンク10が支持されている。燃料タンク10は、シート9の前方に配置されている。また、車体フレーム4には、エンジンユニット11が搭載されている。エンジンユニット11は、シート9および燃料タンク10の下方に配置されている。エンジンユニット11は、前輪2の後方で、後輪3の前方に配置されている。エンジンユニット11は、車体フレーム4に直接連結されていても、間接的に連結されていてもよい。また、車体フレーム4には、エンジンユニット11の後述するECU90や、各種センサなどの電子機器に電力を供給するバッテリ(図示せず)が搭載されている。
[エンジンユニットの構成]
エンジンユニット11は、エンジン本体20と、水冷ユニット40と、吸気ユニット50(図6参照)と、排気ユニット60と、二次空気供給機構80(図6参照)とを有する。エンジンユニット11は、水冷式のエンジンユニットである。エンジンユニット11は、3気筒を有する3気筒エンジンである。エンジンユニット11は、気筒ごとに、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程(膨張行程)、および排気行程を繰り返す4ストローク式のエンジンである。3気筒の燃焼行程のタイミングは異なっている。なお、図5は、エンジンユニット11の模式図であって、エンジン本体20の3気筒のうちの1気筒のみを表示し、残りの2気筒の表示を省略している。
水冷ユニット40は、エンジン本体20の熱を吸熱した高温の冷却水の温度を低下させてエンジン本体20に戻す機構である。図1および図2に示すように、水冷ユニット40は、エンジン本体20の上部の前方に配置されるラジエータ41と、エンジン本体20とラジエータ41の間に配置されるファン(図示せず)と、エンジン本体20の右部の前方に配置されるリザーバタンク42を有する。リザーバタンク42は冷却水を貯留する。リザーバタンク42は、エンジン本体20の右部の前方に配置されていなくてもよい。エンジンユニット11は、冷却水を循環させるためのウォーターポンプ(図示せず)を有する。ウォーターポンプは、エンジン本体20の内部に設けられる。
図3に示すように、エンジン本体20は、クランクケース部21と、シリンダ部22とを含む。シリンダ部22は、シリンダボディ22aと、シリンダヘッド22bと、ヘッドカバー22cとを有している。シリンダボディ22aは、クランクケース部21の上端部に取り付けられている。シリンダヘッド22bは、シリンダボディ22aの上端部に取り付けられている。ヘッドカバー22cは、シリンダヘッド22bの上端部に取り付けられている。なお、図3では、シリンダボディ22aの一部の断面を表示している。
クランクケース部21は、クランクケース本体25と、クランクケース本体25の内部に収容されたクランクシャフト27、変速機24、スタータモータ(図示せず)、発電機(図示せず)等を有する。クランクシャフト27には、スタータモータおよび発電機が連結されている。
変速機24は、クランクシャフト27の回転速度と後輪3の回転速度との比を変化させる機構である。変速機24は、図3に示すように、クランクシャフト27よりも後方にその大部分が配置されている。変速機24は、クランクシャフト27の回転を後輪3に伝達する。スタータモータは、バッテリ(図示せず)からの電力により作動し、エンジン始動時にクランクシャフト27を回転させる。発電機は、クランクシャフト27の回転力によって電力を生成する。その電力で、バッテリが充電される。
クランクケース部21は、その下部にオイルパン26を有する。オイルパン26は、クランクケース本体25の下端部に取り付けられている。オイルパン26には、潤滑オイルが貯留されている。クランクケース本体25は、オイルパン26に貯留された潤滑オイルを吸い上げるオイルポンプ(図示せず)を収容している。潤滑オイルは、このオイルポンプにより圧送されて、エンジン本体20内を循環する。図4に示すように、オイルパン26は、右側の部分が窪んでいる。オイルパン26の窪みの内側に、後述する触媒ユニット68の触媒65が配置されている。
クランクケース部21は、その前部にオイルフィルタ45とオイルクーラー46とを有する。オイルクーラー46は、クランクケース部21の左右方向の略中央部に配置されている。オイルフィルタ45は、オイルクーラー46の左方に配置されている。オイルフィルタ45は、潤滑オイルに含まれる異物を除去する。
図5に示すように、クランクケース本体25には、エンジン回転速度センサ71が設けられている。エンジン回転速度センサ71は、クランクシャフト27の回転速度、即ち、エンジン回転速度を検出する。クランクシャフト27の回転速度(エンジン回転速度)とは、単位時間当たりのクランクシャフト27の回転数のことである。
シリンダボディ22aには、3つのシリンダ孔22a1が左右に並んで形成されている。各シリンダ孔22a1の内部にはピストン28が摺動自在に収容されている。3つのピストン28は、3つのコネクティングロッド29を介して1つのクランクシャフト27に連結されている。3つのシリンダ孔22a1の周囲には、冷却水が流れる冷却通路が形成されている。
シリンダヘッド22bには、エンジン本体20の温度を検出するエンジン温度センサ72が設けられている。本実施形態では、エンジン温度センサ72は、冷却水の温度を検出することで、シリンダヘッド22bの温度を間接的に検出する。エンジン温度センサ72は、シリンダヘッド22bの温度を検出してよい。
図3に示すように、3つのシリンダ孔22a1の中心軸線C1は、上下方向に延びる軸線である。詳細には、3つのシリンダ孔22a1の中心軸線C1は、シリンダボディ22aのシリンダヘッド22b側の端部(上端部)が、クランクケース本体25側の端部(下端部)よりも前方に位置するように、上下方向に対して前後方向に傾いている。3つのシリンダ孔22a1の中心軸線C1の上下方向に対する傾斜角度は、45度以下である。
図6に示すように、シリンダヘッド22bの下面とシリンダ孔22a1とピストン28によって、燃焼室30が形成される。本実施形態においては、ピストン28の位置に関わらず、シリンダヘッド22bの下面とシリンダ孔22a1とピストン28によって形成される空間を、燃焼室30とする。燃焼室30には、燃焼室30内の混合気(燃料が混ざった空気)に点火する点火プラグ31の先端部が配置されている。点火プラグ31は、点火コイル(不図示)に接続されている。点火コイルは、点火プラグ31の火花放電を生じさせるための電力を蓄える。点火プラグ31と点火コイルによって、点火装置が構成される。
図3に示すように、シリンダヘッド22bには、各燃焼室30に開口する吸気ポート33と排気ポート34がそれぞれ形成されている。各吸気ポート33は、吸気バルブ35によって開閉される。各排気ポート34は、排気バルブ36によって開閉される。吸気バルブ35および排気バルブ36のそれぞれは、シリンダヘッド22b内に収容された動弁装置(図示せず)によって開閉駆動される。動弁装置は、クランクシャフト27と連動して作動する。
シリンダヘッド22bには、3つのシリンダ吸気通路部22b1が形成されている。各シリンダ吸気通路部22b1の一端に、吸気ポート33が形成されている。シリンダ吸気通路部22b1は、燃焼室30毎に形成されている。シリンダヘッド22bには、3つのシリンダ排気通路部22b2が形成されている。各シリンダ排気通路部22b2の一端に、排気ポート34が形成されている。シリンダ排気通路部22b2は、燃焼室30毎に形成されている。本明細書において、通路部とは、経路を形成する構造物を意味する。経路とは、ガスなどが通過する空間を意味する。シリンダ吸気通路部22b1は、燃焼室30に空気を導入するための通路部である。シリンダ排気通路部22b2は、燃焼行程において燃焼室30で発生した燃焼ガス(排ガス)を排出する通路部である。シリンダヘッド22bの後面(外面)には、3つのシリンダ吸気通路部22b1の他端の開口が左右方向に並んで形成されている。シリンダヘッド22bの前面(外面)には、3つのシリンダ排気通路部22b2の他端の開口が左右方向に並んで形成されている。
吸気ユニット50は、図6に示すように、エアクリーナ51と、エアクリーナ51を含む集合吸気通路部52と、連通部53と、連通部53に接続された3つの独立吸気通路部54と、インジェクタ55と、スロットル弁56とを有する。なお、図3及び図6には、3つの独立吸気通路部54のうちの1つの独立吸気通路部54を示している。エアクリーナ51は、車体フレーム4に支持されている。エアクリーナ51は、大気に面して、空気を吸入する空気吸入口51a(図6参照)を有する。即ち、集合吸気通路部52の一端52aは、空気吸入口51aを有する。エアクリーナ51は、空気吸入口51aから空気を吸い込む。エアクリーナ51は、フィルタ(不図示)を有しており、空気中の異物を除去するものである。
連通部53は、集合吸気通路部52と3つの独立吸気通路部54とを連通させる。これら3つの独立吸気通路部54は、左右に並んで配置され、3つのシリンダ吸気通路部22b1の開口端と接続されている。尚、連通部53がエアクリーナ51に直接接続されても良い。この場合は、吸気ユニット50は、集合吸気通路部52を有さない。これにより、吸気ユニット50の構成部材が大幅に減少する。このため、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。集合吸気通路部52内の通路、3つの集合吸気通路部52内の通路、及び、3つのシリンダ吸気通路部22b1によって、3つの専用吸気経路57が構成されている。1つの集合吸気通路部52、1つの独立吸気通路部54、及び、1つのシリンダ吸気通路部22b1によって、1つの専用吸気経路57が構成されている。専用吸気経路57は、燃焼室30毎に形成される。専用吸気経路57は、大気に面する空気吸入口51aから各吸気ポート33に至る経路である。空気吸入口51aは、大気(空気)を吸入する。空気吸入口51aから吸い込まれた吸気は、専用吸気経路57を吸気ポート33に向かって流れる。以下の説明において、専用吸気経路57における空気の流れ方向の上流および下流を、単に上流および下流という場合がある。
インジェクタ55は、シリンダ吸気通路部22b1内で燃料を噴射するように設けられている。インジェクタ55は、燃焼室30ごとに1つずつ設けられている。インジェクタ55は、燃料ホース(不図示)を介して燃料タンク10(図1参照)に接続されている。燃料タンク10内の燃料は、燃料ポンプ(不図示)によって燃料ホースへと圧送される。
スロットル弁56は、独立吸気通路部54内に配置されている。スロットル弁56は燃焼室30ごとに1つずつ設けられている。3つのスロットル弁56は、アクセルグリップ13Rに設けられるセンサ(図示せず)の信号に基づいて、図示しないモータにより開閉される。尚、3つのスロットル弁56は、スロットルワイヤを介して、アクセルグリップ13Rに接続されても良い。ライダーがアクセルグリップ13Rを回動操作することによって、スロットル弁56の開度が変更される。
独立吸気通路部54には、スロットル開度センサ(スロットルポジションセンサ)73が設けられている。スロットル開度センサ73は、スロットル弁56の位置を検出することにより、スロットル弁56の開度を表す信号を出力する。
排気ユニット60は、図3に示すように、3つの独立排気通路部61と、集合部材62と、集合排気通路部63と、マフラー64とを有する。3つの独立排気通路部61の一端は、3つのシリンダ排気通路部22b2の開口端と接続されている。これにより、排気ユニット60には、エンジン本体20から排出された排ガスが流入する。以下の説明において、排ガスの流れ方向の上流および下流を、単に上流および下流という。3つのシリンダ排気通路部22b2、及び、3つの独立排気通路部61は、3つの専用排気通路部66を構成する。1つの専用排気通路部66は、1つのシリンダ排気通路部22b2と、1つの独立排気通路部61によって構成される。
3つの独立排気通路部61の下流端は、集合部材62に接続されている。集合部材62の下流端は、集合排気通路部63に接続されている。集合排気通路部63内には、排ガスを浄化する触媒65が配置されている。集合排気通路部63は、左右方向に直交する方向に延びている。より詳細には、集合排気通路部63は、集合部材62の下流端から後下向きに傾斜して延びる傾斜部63aと、後方に向かって水平に延びる水平部63bとを有する。触媒65は、水平部63b内に配置されている。触媒ユニット68は、水平部63bと触媒65とで構成されている。
触媒ユニット68は、触媒65を流れる排ガスの流れ方向が、前後方向に延びる方向となるように配置されている。本実施形態では、触媒65を流れる排ガスの流れ方向は、左右方向に直交し且つ水平な方向である。触媒65は、略円柱状に形成されている。触媒65には、円柱の軸方向に貫通する複数の隙間が形成されている。触媒65は、排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NOx)の3物質を酸化または還元することで除去する、いわゆる三元触媒である。三元触媒は、酸化還元触媒の1種である。なお、触媒65は、炭化水素、一酸化炭素、および窒素酸化物のいずれか1つまたは2つを除去する触媒であってもよい。触媒65は、酸化還元触媒でなくてもよい。メイン触媒は、酸化だけで有害物質を除去する酸化触媒であってもよい。触媒は、還元だけで有害物質を除去する還元触媒であってもよい。触媒65は、基材と、この基材の表面に付着された触媒物質とを有する。触媒物質は、担体と貴金属を有する。担体は、貴金属を基材に付着させる機能を有する。貴金属は、排ガスを浄化する機能を有する。貴金属としては、例えば、炭化水素、一酸化炭素、および窒素酸化物をそれぞれ除去する、プラチナ、パラジウム、ロジウムなどが挙げられる。本実施形態の触媒65は、メタル基材の触媒である。なお、触媒65は、セラミック基材の触媒であってもよい。
集合排気通路部63の下流端は、マフラー64に接続されている。マフラー64は、排ガスによる騒音を低減する装置である。マフラー64は、大気に面する大気放出口64a(図1参照)を有する。
3つのシリンダ排気通路部22b2、3つの独立排気通路部61、集合部材62内の通路、集合排気通路部63、及び、マフラー64によって、3つの専用排気経路67を構成する。1つのシリンダ排気通路部22b2、1つの独立排気通路部61、集合部材62、集合排気通路部63、及び、マフラー64によって、1つの専用排気経路67を構成する。専用排気経路67は、燃焼室30毎に形成される。各専用排気経路67は、各排気ポート34から大気放出口64aに至る経路である。燃焼行程において燃焼室30で発生した燃焼ガス(排ガス)は、排気ポート34を介して専用排気経路67に排出される。排ガスは専用排気経路67を大気放出口64aに向かって流れる。排ガスは、大気放出口64aから大気に放出される。
図5及び図6に示すように、専用排気経路67において、触媒65より上流の位置には、酸素センサ74が設けられている。具体的には、酸素センサ74は、集合排気通路部63の触媒65より上流の位置に設けられる。図3に示すように、酸素センサ74は、集合排気通路部63の傾斜部63aの凹部に設けられている。酸素センサ74は、触媒65に流入する排ガスの酸素濃度を検出する。酸素センサ74は、リニアA/Fセンサである。リニアA/Fセンサは、排ガスの酸素濃度に応じたリニアな検出信号を出力する。言い換えると、リニアA/Fセンサは、排ガス中の酸素濃度の変化を連続的に検出する。そして、リニアA/Fセンサで検出された信号に基づいて、空燃比が推定される。尚、空燃比とは、混合気の空気質量を燃料質量で割った無次元数である。
二次空気供給機構80は、図5及び図6に示すように、強制供給機構191及び差圧応動供給機構192を有する。二次空気供給機構80は、エアポンプ81、第2開閉弁82、第1開閉弁83、3つの第1専用リード弁84、及び、二次空気供給通路部89を備える。二次空気供給通路部89は、強制供給通路部91c及び差圧応動供給通路部92cを有する。強制供給機構191は、エアポンプ81、第2開閉弁82、3つの第1専用リード弁84及び、強制供給通路部91cを備える。差圧応動供給機構192は、第1開閉弁83、3つの第1専用リード弁84、及び、差圧応動供給通路部92cを備える。二次空気供給機構80は、専用排気経路67に大気を二次空気として供給する。なお、図3及び図6には、3つの専用二次空気供給通路部87のうちの1つ専用二次空気供給通路部87を示している。3つの第1専用リード弁84のうちの1つの第1専用リード弁84を示している。強制供給通路部91c及び差圧応動供給通路部92cが共有する3つの専用大気側二次空気供給通路部88bのうちの1つの専用大気側二次空気供給通路部88bを示している。
3つの専用二次空気供給通路部87は、図3に示すように、シリンダヘッド22b及びヘッドカバー22cに、燃焼室30毎に(即ち、専用排気通路部66毎)形成されている。図6に示すように、専用二次空気供給通路部87の一端87aは、後述する専用大気側二次空気供給通路部88bの他端88eに接続される。専用二次空気供給通路部87の他端87bは、専用排気通路部66に接続される。具体的には、専用二次空気供給通路部87の他端87bは、シリンダ排気通路部22b2に接続される。専用二次空気供給通路部87の一端87aはヘッドカバー22cの上端部22c1(図3参照)に開口する。3つの第1専用リード弁84は、専用二次空気供給通路部87の一端部87a1に設けられる。専用二次空気供給通路部87の一端87aは、専用大気側二次空気供給通路部88bの他端88eに接続される。そして、3つの第1専用リード弁84は、ヘッドカバー22cの上端部22c1に左右方向に並んで配置されている。第1専用リード弁84は、開弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と専用大気側二次空気供給通路部88bとを連通させる。つまり、第1専用リード弁84は、開弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と強制供給通路部91c及び差圧応動供給通路部92cとを連通させる。また、第1専用リード弁84は、閉弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と専用大気側二次空気供給通路部88bとを遮断する。つまり、第1専用リード弁84は、閉弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と強制供給通路部91c及び差圧応動供給通路部92cとを遮断する。
強制供給機構191は、専用排気経路67に大気を二次空気として強制的に供給する。図6に示すように、強制供給通路部91cは、第2大気側二次空気供給通路部88c、連通部85、及び、専用大気側二次空気供給通路部88bを含む。第2大気側二次空気供給通路部88c及び専用大気側二次空気供給通路部88bは、連通部85に接続される。第2大気側二次空気供給通路部88cの一端部88d1には、エアクリーナ86が設けられる。エアクリーナ86は、大気に面する空気吸入口86aを有する。即ち、第2大気側二次空気供給通路部88cの一端88dは、空気吸入口86aを有する。専用大気側二次空気供給通路部88bの他端88eは、専用二次空気供給通路部87の一端87aに接続される。また、第2大気側二次空気供給通路部88cには、エアポンプ81及び第2開閉弁82が設けられている。第2大気側二次空気供給通路部88cは、3つの配管89a、89b、89cを含む。配管89aは、連通部85と第2開閉弁82とを接続する。配管89bは、第2開閉弁82とエアポンプ81とを接続する。配管89cはエアポンプ81とエアクリーナ86とを接続する。
強制供給経路91aは、強制供給通路部91cの内部に形成される。強制供給経路91aは、第2大気側二次空気供給通路部88c、第2開閉弁82、連通部85、3つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、3つの専用二次空気供給通路部87によって、構成される。第2大気側二次空気供給通路部88c、第2開閉弁82、連通部85、3つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、3つの専用二次空気供給通路部87の内部に、3つの強制供給経路91aが形成される。第2大気側二次空気供給通路部88c、第2開閉弁82、連通部85、1つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、1つの専用二次空気供給通路部87の内部に、1つの強制供給経路91aが形成される。強制供給経路91aは、燃焼室30毎に形成される。強制供給経路91aは、空気吸入口86aから各専用排気通路部66に至る経路である。空気吸入口86aは、大気から空気を吸入する。空気吸入口86aから吸い込まれた空気は、二次空気として、強制供給経路91aを専用排気通路部66に向かって流れる。以下の説明において、強制供給経路91aにおける二次空気の流れ方向の上流および下流を、単に上流および下流という場合がある。
強制供給経路91aの下流部分は、連通部85で3つの経路に分岐されている。この3つの経路は、3つの専用二次空気供給通路部87と、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bによって、形成される。この3つの経路は、燃焼室30毎に設けられる。この3つの経路は、それぞれが、本発明における強制分岐経路に相当する。第2大気側二次空気供給通路部88cの第2開閉弁82より上流には、エアポンプ81が配置される。つまり、強制供給経路91aの途中であって第2開閉弁82及び連通部85よりも上流には、エアポンプ81が配置されている。
エアポンプ81は、モータ駆動式のポンプであり、後述するECU90によってエアポンプ81の作動と停止が制御される。なお、エアポンプとしては、ECU90の制御により、二次空気をシリンダ排気通路部22b2に向けて供給することが可能なエアポンプであれば、どのようなエアポンプでも採用することが可能である。例えば、電磁弁駆動式のエアポンプでもよい。さらに、ECU90が間接的にエアポンプを制御してもよい。例えば、油圧ポンプの動力によって作動するエアポンプでもよい。この場合、ECU90が油圧ポンプの作動と停止を制御することで、当該エアポンプを間接的に制御し、二次空気をシリンダ排気通路部22b2に向けて供給することが可能となる。
第2開閉弁82は、ECU90によって開弁状態と閉弁状態が制御される。つまり、第2開閉弁82は、強制供給経路91aを連通状態と遮断状態とに切り換える。第2開閉弁82は、エアポンプ81よりも下流に配置されている。第2開閉弁82は、第1専用リード弁84よりも上流に配置されている。
差圧応動供給機構192は、専用排気通路部66(シリンダ排気通路部22b2)及び専用二次空気供給通路部87内の圧力と専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力との差圧により、大気を二次空気として、専用排気通路部66(シリンダ排気通路部22b2)に供給する。図6に示すように、差圧応動供給通路部92cは、第1大気側二次空気供給通路部88a、連通部85、及び、専用大気側二次空気供給通路部88bを含む。第1大気側二次空気供給通路部88a及び専用大気側二次空気供給通路部88bは、連通部85に接続される。第1大気側二次空気供給通路部88aの一端部52a1には、エアクリーナ51が設けられる。エアクリーナ51は、大気に面する空気吸入口51aを有する。即ち、第1大気側二次空気供給通路部88aの一端52aは、空気吸入口51aを有する。専用大気側二次空気供給通路部88bの他端88eは、専用二次空気供給通路部87の一端87aに接続される。また、第1大気側二次空気供給通路部88aには、第1開閉弁83が設けられている。第1大気側二次空気供給通路部88aは、2つの配管89d、89eを含む。配管89dは、連通部85と第1開閉弁83とを接続する。配管89eは、第1開閉弁83とエアクリーナ51とを接続する。
差圧応動経路92aは、差圧応動供給通路部92cの内部に形成される。差圧応動経路92aは、第1大気側二次空気供給通路部88a、第1開閉弁83、連通部85、3つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、3つの専用二次空気供給通路部87によって、構成される。第1大気側二次空気供給通路部88a、第2開閉弁82、連通部85、3つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、3つの専用二次空気供給通路部87の内部に、3つの差圧応動経路92aが形成される。第1大気側二次空気供給通路部88a、第1開閉弁83、連通部85、1つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、1つの専用二次空気供給通路部87の内部に、1つの差圧応動経路92aが形成される。差圧応動経路92aは、燃焼室30毎に形成される。差圧応動経路92aは、空気吸入口51aから各専用排気通路部66に至る経路である。空気吸入口51aは、大気から空気を吸入する。空気吸入口51aから吸い込まれた空気は、二次空気として、強制供給経路91aを専用排気通路部66に向かって流れる。以下の説明において、差圧応動経路92aにおける二次空気の流れ方向の上流および下流を、単に上流および下流という場合がある。
差圧応動経路92aの下流部分は、連通部85で3つの経路に分岐されている。この4つの経路は、3つの専用二次空気供給通路部87と、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bによって形成される。この3つの経路は、燃焼室30毎に設けられる。この3つの経路は、それぞれが本発明における差圧分岐経路に相当する。差圧応動経路92aの分岐された3つの経路の途中には、第1専用リード弁84がそれぞれ配置されている。
強制供給経路91aと差圧応動経路92aは、各シリンダ排気通路部22b2の同じ位置に接続される。強制供給経路91aと差圧応動経路92aは、連通部85から各シリンダ排気通路部22b2までの下流の経路を共有する共有部分を有している。共有部分は、3つの専用二次空気供給通路部87、3つの専用大気側二次空気供給通路部88b及び連通部85で構成されている。このように3つの第1専用リード弁84は、共有部分に設けられている。また、共有部分の第1専用リード弁84より下流部分とは、専用二次空気供給通路部87である。
第1開閉弁83は、ECU90によって開弁状態と閉弁状態が制御される。つまり、第1開閉弁83は、差圧応動経路92aを連通状態と遮断状態とに切り換える。第1開閉弁83は、第1専用リード弁84よりも上流に配置されている。
図5及び図6に示すように、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bには、それぞれ、第1下流二次空気温度センサ76bが設けられている。第1下流二次空気温度センサ76bは、連通部85より下流であって、第1専用リード弁84より上流の位置に配置される。即ち、第1下流二次空気温度センサ76bは、強制供給経路91a及び差圧応動経路92aにおいて、第2開閉弁82及び第1開閉弁83より下流に配置される。つまり、第1下流二次空気温度センサ76bは、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bのそれぞれに配置される。各第1下流二次空気温度センサ76bは、各専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度を検出する。尚、第1下流二次空気温度センサ76bは、1つの専用大気側二次空気供給通路部88bに1つ配置されてもよい。
強制供給経路91aにおいて、各第1専用リード弁84は、エアポンプ81及び第2開閉弁82よりも下流に配置されている。差圧応動経路92aにおいて、各第1専用リード弁84は、第1開閉弁83よりも下流に配置されている。各第1専用リード弁84は、ハウジング及び弾性体からなるリード弁体を含む。リード弁体は、ハウジング内に固定される。第1専用リード弁84は、リード弁体の弾性によって、開弁状態と閉弁状態とが切り換えられる。第1専用リード弁84は、開弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と専用大気側二次空気供給通路部88bとを連通させる。つまり、強制供給経路91aと差圧応動経路92aを連通させる。専用二次空気供給通路部87は、第1専用リード弁84より二次空気の流れ方向の下流の部分である。専用大気側二次空気供給通路部88bは、第1専用リード弁84より二次空気の流れ方向の上流の部分である。また、第1専用リード弁84は、閉弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と専用大気側二次空気供給通路部88bとを遮断する。つまり、強制供給経路91aと差圧応動経路92aが遮断される。各第1専用リード弁84は、専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力から専用二次空気供給通路部87内の圧力(すなわち、シリンダ排気通路部22b2内の圧力)を減算した値が所定圧力以上のとき、開弁状態になる。一方、第1専用リード弁84は、専用二次空気供給通路部87の圧力(すなわち、シリンダ排気通路部22b2の圧力)から専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力を減算した値が所定圧力未満のとき、閉弁状態になる。ここで、所定圧力は、正の値である。これにより、第1専用リード弁84は、専用大気側二次空気供給通路部88bから専用二次空気供給通路部87に向かう一方向にのみ、気体の通過を許容する。第1専用リード弁84は、専用二次空気供給通路部87から専用大気側二次空気供給通路部88bに向かう方向には、気体の通過を許容しない。このように、第1専用リード弁84は、専用大気側二次空気供給通路部88bから専用二次空気供給通路部87に向けて空気を流すことが可能な一方向弁である。これにより、専用二次空気供給通路部87から専用大気側二次空気供給通路部88bに向けて排ガスが流れるのを防ぐことができる。
強制供給機構191では、第2開閉弁82が開弁状態のときにエアポンプ81が作動されると、空気吸入口86aから吸い込んだ大気(空気)が専用大気側二次空気供給通路部88bに送られる。すると、専用大気側二次空気供給通路部88b(強制供給経路91aの上流部分)内の圧力が高くなる。このとき、専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が専用二次空気供給通路部87(強制供給経路91aの下流部分)の圧力よりも大きくなる。そして、その差圧が所定圧力以上となると、第1専用リード弁84が開き、空気吸入口86aから吸い込んだ大気(空気)が二次空気として、専用二次空気供給通路部87に供給される。
差圧応動供給機構192では、排気行程において燃焼室30から専用排気通路部66(シリンダ排気通路部22b2)に排ガスが排出される。そのため、専用排気通路部66内では排気脈動が生じる。専用排気通路部66(専用排気経路67)内の排気脈動によって、専用排気通路部66の圧力は、平均排気圧を基準として、正圧と負圧を交互に繰り返す。平均排気圧は、専用排気通路部66内の圧力の平均値である。このとき、第2開閉弁82が閉弁状態であり、第1開閉弁83が開弁状態であると、差圧応動供給通路部92c(専用大気側二次空気供給通路部88b)は大気に開放されているため、大気圧となる。専用排気通路部66が負圧となるとき、専用大気側二次空気供給通路部88b(差圧応動経路92aの上流部分)内の圧力がシリンダ排気通路部22b2と繋がった専用二次空気供給通路部87(差圧応動経路92aの下流部分)の圧力よりも大きくなる。そして、その差圧が所定圧力以上となると、第1専用リード弁84が開き、空気吸入口51aから吸い込んだ大気(空気)が、二次空気として、専用二次空気供給通路部87に供給される。
専用二次空気供給通路部87に供給された二次空気はシリンダ排気通路部22b2に供給される。シリンダ排気通路部22b2に二次空気が供給されることで、専用排気経路67の触媒よりも上流の部分が十分な酸素過剰状態となる。このため、燃焼室30から専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが専用排気経路67で酸化しやすくなる。この結果、触媒65に送られる排ガスの熱量が増加する。加えて、触媒65に供給される排ガス中の酸素濃度が増加するため、触媒の酸化・還元反応が生じやすくなる。それにより、触媒65の温度をより高めることができる。
ここで図3及び図7を参照し、触媒65及びエアポンプ81の配置位置について説明する。なお、図7は、自動二輪車1を下方から見たときの、前輪2、後輪3、エンジン本体20、触媒65、エアポンプ81の位置関係を示す図である。図3に示すように、触媒65は、エンジン本体20の下方に位置している。上下方向から見て、触媒65は、図7に示すように、エンジン本体20と重なっている。触媒65は、自動二輪車1の車幅方向の中心線C2よりも右方に配置されている。
エアポンプ81は、図3に示すように、エンジン本体20の上方に位置している。エアポンプ81は、車体フレーム4に支持されている。上下方向から見て、エアポンプ81は、図7に示すように、エンジン本体20と重なっている。エアポンプ81は、その一部が中心線C2と重なって配置されている。エアポンプ81の車幅方向の中央は、中心線C2よりも左方に配置されている。このように触媒65の車幅方向の中央とエアポンプ81の車幅方向の中央は、中心線C2を挟む位置に配置されている。エアポンプ81の前端は、触媒65の前端よりも前方に配置され、エアポンプ81の後端は、触媒65の後端よりも前方に配置されている。
エアポンプ81と触媒65は、図3に示すように、エアポンプ81の前端と触媒65の前端とを通る第1線分L1とエアポンプ81の後端と触媒65の後端とを通る第2線分L2との間に、シリンダ部22の一部及びクランクシャフト27の一部が配置されるように、配置されている。
エンジンユニット11は、エンジンユニット11の動作を制御するECU(制御部)90(Electronic Control Unit)を有する。図8に示すように、ECU90は、エンジン回転速度センサ71、エンジン温度センサ72、スロットル開度センサ73、酸素センサ74、第1下流二次空気温度センサ76b等の各種センサと接続されている。また、ECU90は、点火コイル(図示せず)、スタータモータ(図示せず)、表示装置14等と接続されている。
ECU90は、センサ71〜74等の信号に基づいて、燃料ポンプおよびインジェクタ55の駆動を制御し、それによって、燃料噴射量および燃料噴射タイミングを制御する。ECU90は、センサ71〜74等の信号に基づいて点火コイルへの通電を制御し、それによって、点火時期(点火プラグ31の放電タイミング)を制御する。さらに、ECU90は、スターターモータ(図示せず)への通電を制御し、それによって、エンジンユニット11の始動を制御する。さらに、ECU90は、エアポンプ81、第2開閉弁82、第1開閉弁83を制御して、専用排気経路67に二次空気を供給する。
ECU90は、CPU、ROM、RAMなどで構成されている。CPUは、ROMやRAMに記憶されたプログラムや各種データに基づいて情報処理を実行する。これにより、ECU90には複数の機能処理部の各機能が実現される。図8に示すように、ECU90は、機能処理部として、二次空気供給制御部91、燃料噴射量制御部92、二次空気不足検出部93、開閉弁開弁異常検出部94、専用リード弁開弁異常検出部95、ポンプ異常検出部96などを有する。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82及びエアポンプ81、第1開閉弁83の開閉状態の作動及び停止を制御する。燃料供給量制御部92は、インジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御する。それによって、燃料供給量制御部92は、燃料供給量を制御する。二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。また、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。また、二次空気不足検出部93は、第2開閉弁82または第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。開閉弁開弁異常検出部94は、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。専用リード弁開弁異常検出部95は、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ポンプ異常検出部96は、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。尚、専用二次空気供給通路部87は、共有部分の専用第1専用リード弁84より下流の部分である。
[二次空気供給制御部の制御]
以下、二次空気供給制御部91の制御の一例を、説明する。二次空気供給制御部91は、エンジン回転速度センサ71、エンジン温度センサ72およびスロットル開度センサ73の信号に基づいて、第2開閉弁82及び第1開閉弁83を開弁状態または閉弁状態となるように制御する。
本明細書において、二次空気供給制御部91が、第2開閉弁82及び第1開閉弁83を開弁状態となるように制御するとは、二次空気供給制御部91から第2開閉弁82及び第1開閉弁83に、第2開閉弁82及び第1開閉弁83を開くための信号が送られることである。尚、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が正常に開弁したか否かは問わない。本明細書において、開弁状態とは、弁が開いた状態のことをいう。第2開閉弁82及び第1開閉弁83が正常の場合、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が開弁状態になるように制御されると、第2開閉弁82及び第1開閉弁83は以下のような状態となる。閉弁状態である第2開閉弁82及び第1開閉弁83は、開弁状態に切り換えられる。開弁状態である第2開閉弁82及び第1開閉弁83は、そのまま開弁状態が維持される。また、本明細書において、二次空気供給制御部91が、第2開閉弁82及び第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御するとは、第2開閉弁82及び第1開閉弁83を閉めるための信号が送られることである。尚、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が正常に閉弁したか否かは問わない。閉弁状態とは、弁が閉じた状態をいう。第2開閉弁82及び第1開閉弁83が正常の場合、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御されると、第2開閉弁82及び第1開閉弁83は以下のような状態となる。開弁状態である第2開閉弁82及び第1開閉弁83は、閉弁状態に切り換えられる。閉弁状態である第2開閉弁82及び第1開閉弁83は、そのまま閉弁状態が維持される。
二次空気供給制御部91は、エンジン始動時の冷機状態で運転している場合、及び、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態であって、二次空気供給運転領域の第1領域で運転している場合に、以下のように制御する。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82を開弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御する。そして、二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を作動させるように制御する。
二次空気供給制御部91は、エンジン温度センサ72の信号に基づいて、エンジン本体20が冷機状態であるか判定する。エンジン本体20の運転状態は、エンジン温度ET1を基準として、冷機状態と、暖機状態とに分けられる。温度ET1は、ECU90に予め記憶される。エンジン温度センサ72が検出したエンジン本体20の温度を温度ETとする。温度ETが温度ET1より高い場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転状態が暖機状態であると判定する。温度ETが温度ET1以下の場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転状態が冷機状態であると判定する。
二次空気供給制御部91は、エンジン回転速度センサ71及びスロットル開度センサ73の信号に基づいて、エンジン本体20の運転領域が二次空気供給運転領域であるか判定する。エンジン本体20の運転領域は、負荷とエンジン回転速度で規定される。エンジン本体20の負荷は、スロットル開度センサ73の信号に基づいて検出される。エンジン本体20のエンジン回転速度は、エンジン回転速度センサ71で検出される。エンジン本体20の運転領域は、スロットル弁56の開度に基づいて、低負荷領域と高負荷領域に分けられる。また、エンジン本体20の運転領域は、エンジン回転速度に基づいて、低回転領域、中回転領域、高回転領域に分けられる。
エンジン本体20の運転領域は、スロットル弁56の開度θ1を基準として、低負荷領域と、高負荷領域とに分けられる。開度θ1は、ECU90に予め記憶される。スロットル開度センサ73で検出されるスロットル弁56の開度を、開度θとする。開度θが開度θ1以下である場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が低負荷領域であると判定する。開度θが開度θ1より大きい場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が高負荷領域であると判定する。尚、開度θ1は、全開状態である開度の1/2以下であってよい。開度θ1は、固定値であってもよく、所定の条件に基づいて変更される変動値でもよい。本明細書において、全開状態とは、開度が100%の状態をいう。
エンジン本体20の運転領域は、第1所定回転速度RS1及び第2所定回転速度RS2を基準として、低回転領域と、中回転領域と、高回転領域とに分けられる。第1所定回転速度RS1は、第2所定回転速度RS2より小さい。第1所定回転速度RS1及び第2所定回転速度RS2は、ECU90に予め記憶される。エンジン回転速度センサ71で検出されるエンジン回転速度を、エンジン回転速度RSとする。エンジン回転速度RSが第1所定回転速度RS1以下である場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が低回転領域であると判定する。エンジン回転速度RSが第1所定回転速度RS1より大きく、第2所定回転速度RS2以下である場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が中回転領域であると判定する。エンジン回転速度RSが第2所定回転速度RS2より大きい場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が高回転領域であると判定する。尚、第1所定回転速度RS1は、エンジン回転速度の最大値の1/3以下であってよい。第2所定回転速度RS2は、エンジン回転速度の最大値の2/3以下であってよい。第1所定回転速度RS1及び第2所定回転速度RS2は、固定値であってもよく、所定の条件に基づいて変更される変動値でもよい。
二次空気供給運転領域の第1領域は、例えば、低回転領域の少なくとも一部の運転領域である。言い換えると、二次空気供給運転領域は、エンジン本体20のエンジン回転速度は、第1所定回転速度RS1以下である。二次空気供給運転領域の第1領域は、スロットル弁56の開度とエンジン回転速度に基づいて、ECU90に予め記憶される。
これにより、エンジン始動時の冷機状態で運転している場合、及び、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態であって、二次空気供給運転領域の第1領域で運転している場合において、強制供給経路91aから各シリンダ排気通路部22b2に二次空気が供給される。つまり、エアポンプ81により、空気吸入口86aから吸い込んだ二次空気がシリンダ排気通路部22b2(専用排気経路67の触媒65よりも上流)に強制的に供給される。このため、専用排気経路67内で未燃焼ガスが燃焼し、排ガスの熱量が増加する。仮に、差圧応動供給機構192だけを介して二次空気をシリンダ排気通路部22b2に供給する構成にしていると、冷機状態で運転した直後は、排気脈動によるシリンダ排気通路部22b2の負圧が小さいため、所望量の二次空気をシリンダ排気通路部22b2側に供給することができない。この結果、未燃焼ガスが燃焼しにくくなり、排ガスの熱量が増加しにくくなる。しかしながら、本実施形態においては、強制供給機構191で強制的にシリンダ排気通路部22b2に二次空気を供給するため、シリンダ排気通路部22b2の負圧の大きさに関わらず二次空気を供給することができる。このため、未燃焼ガスが燃焼しやすくなり、排ガスの熱量が確実に増加する。強制供給経路91aから各シリンダ排気通路部22b2に二次空気が強制的に供給されているときは、第1開閉弁83が閉弁状態であるため、差圧応動経路92aから各シリンダ排気通路部22b2へは二次空気が供給されない。換言すると、エアポンプ81は、差圧応動供給機構192によってシリンダ排気通路部22b2に二次空気が供給されていないときに、作動される。
二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態であって、二次空気供給運転領域の第2領域で運転している場合に、以下のように制御する。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82を閉弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、第1開閉弁83を開弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を停止するように制御する。
二次空気供給運転領域の第2領域は、例えば、中回転領域の少なくとも一部の運転領域である。言い換えると、二次空気供給運転領域は、エンジン本体20のエンジン回転速度は、第1所定回転速度RS1より大きく第2所定回転速度RS2以下である。二次空気供給運転領域の第2領域は、スロットル弁56の開度とエンジン回転速度に基づいて、ECU90に予め記憶される。
つまり、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態であって、エンジン回転速度センサ71の信号に基づくエンジン回転速度がエンジン始動時から第1所定回転速度RS1に達すると、以下のように制御する。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82を閉弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、第1開閉弁83を開弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を停止するように制御する。これにより、差圧応動経路92aから各シリンダ排気通路部22b2に二次空気が供給される。つまり、二次空気の供給経路が強制供給経路91aから差圧応動経路92aに切り換えられる。エンジン回転速度がエンジン始動時から第1所定回転速度に達する頃には、排気脈動によるシリンダ排気通路部22b2の負圧の大きさが安定する。この状態のシリンダ排気通路部22b2の排気脈動により、シリンダ排気通路部22b2内に負圧が発生すると、専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力がシリンダ排気通路部22b2に連通する専用二次空気供給通路部87の圧力よりも大きくなる。よって、各第1専用リード弁84が開き、空気吸入口51aから吸い込んだ二次空気が各シリンダ排気通路部22b2に供給される。これにより、専用排気経路67内で未燃焼ガスが燃焼し、排ガスの熱量が増加する。差圧応動経路92aから各シリンダ排気通路部22b2に二次空気が供給されているときは、第2開閉弁82が閉弁状態であるため、強制供給経路91aから各シリンダ排気通路部22b2へは二次空気が供給されない。換言すると、エアポンプ81は、差圧応動供給機構192によってシリンダ排気通路部22b2に二次空気が供給されているときに、停止される。
二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態であって、二次空気供給運転領域以外で運転している場合に、以下のように制御する。つまり、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態であって、エンジン回転速度が第1所定回転速度よりも大きい第2所定回転速度以上になると、以下のように制御する。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82及び第1開閉弁83を共に閉弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を停止するように制御する。
二次空気供給運転領域以外の領域は、例えば、高回転領域である。言い換えると、二次空気供給運転領域は、エンジン本体20のエンジン回転速度は、第2所定回転速度RS1より大きい。二次空気供給運転領域は、スロットル弁56の開度とエンジン回転速度に基づいて、ECU90に予め記憶される。
つまり、二次空気供給制御部91はエンジン本体20が暖機状態であって、エンジン回転速度がエンジン始動時から第2所定回転速度に達すると、以下のように制御する。エンジン回転速度がエンジン始動時から第2所定回転速度に達する頃には、燃焼室30から排出される排ガスの熱量が高くなる。これにより、燃焼室30から排出される排ガスの熱量が高く、専用排気経路67に二次空気を供給する必要のなくなる。従って、二次空気供給制御部91は、エンジン回転数が高回転時に、エアポンプ81を停止するように制御する。このため、エアポンプ81の利用が少なくなり、エアポンプ81を設けても当該エアポンプ81は小さいものとなる。したがって、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。
尚、二次空気供給制御部91は、エンジン始動時の冷機状態で運転している場合に、以下のように制御してよい。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82を開弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を作動させるように制御する。また、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態であって、二次空気供給運転領域で運転している場合に、以下のように制御してよい。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82を閉弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、第1開閉弁83を開弁状態となるように制御する。二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を停止するように制御する。そして、二次空気供給運転領域は、例えば、低負荷領域の少なくとも一部の運転領域としてよい。
[燃料供給量制御部の制御]
燃料供給量制御部92の制御の一例を、説明する。燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71、エンジン温度センサ72、スロットル開度センサ73、酸素センサ74など各種センサの信号に基づいて、インジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御する。燃料供給量制御部92は、インジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御して、燃料供給量を制御する。本明細書において、燃料供給量の制御には、燃料ポンプから供給される燃料の供給量の制御と、インジェクタ55が噴射する燃料の噴射時間の制御とが含まれる。
燃料供給量制御部92は、上述した二次空気供給制御部91と同様に、エンジン本体20が冷機状態か暖機状態であるか判定する。つまり、燃料供給量制御部92は、エンジン温度センサ72の信号に基づいて、エンジン本体20が冷機状態か暖機状態であるか判定する。また、燃料供給量制御部92は、上述した二次空気供給制御部91と同様に、エンジン本体20の運転領域を判定する。つまり、燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71及びスロットル開度センサ73の信号に基づいて、エンジン本体20の運転領域を判定する。
燃料供給量制御部92は、エンジン本体20が冷機状態で運転する場合に、次のように制御する。エンジン本体20が冷機状態で始動する場合、燃料供給量制御部92は、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて、燃料供給量を決定する。その後、燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71の信号およびスロットル開度センサ73の信号に基づいて、吸入空気量を算出する。また、燃料供給量制御部92は、吸入空気量に基づいて、基本燃料供給量を算出する。燃料供給量制御部92は、基本燃料供給量を、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて補正して、燃料供給量を決定する。ここで、補正に用いる各種センサは、酸素センサ74を含まない。
エンジン本体20が暖機状態であって、且つ、エンジン本体20が二次空気供給領域で運転する場合に、燃料供給量制御部92は、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71の信号およびスロットル開度センサ73の信号に基づいて、吸入空気量を算出する。また、燃料供給量制御部92は、吸入空気量に基づいて、基本燃料供給量を算出する。燃料供給量制御部92は、基本燃料供給量を、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて補正して、燃料供給量を決定する。ここで、補正に用いる各種センサは、酸素センサ74を含まない。
エンジン本体20が暖機状態であって、且つ、エンジン本体20が低負荷領域のうちの二次空気供給領域以外の領域で運転する場合に、燃料供給量制御部92は、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71の信号およびスロットル開度センサ73の信号に基づいて、吸入空気量を算出する。また、燃料供給量制御部92は、吸入空気量に基づいて、基本燃料供給量を算出する。燃料供給量制御部92は、基本燃料供給量を、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて補正して、燃料供給量を決定する。ここで、補正に用いる各種センサは、酸素センサ74を含む。燃料供給量制御部92は、混合気の空燃比が、所定の空燃比になるように、燃料供給量を制御する。所定の空燃比は、理論空燃比に近いことが好ましい。燃焼効率と、触媒の浄化効率を高めることができるからである。
エンジン本体20が高負荷領域で運転する場合、燃料供給量制御部92は、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71の信号および吸気圧センサ(図示せず)の信号に基づいて、吸入空気量を算出する。また、燃料供給量制御部92は、吸入空気量に基づいて、基本燃料供給量を算出する。燃料供給量制御部92は、基本燃料供給量を、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて補正して、燃料供給量を決定する。ここで、補正に用いる各種センサは、酸素センサ74を含む。燃料供給量制御部92は、混合気の空燃比が、所定の空燃比になるように、燃料供給量を制御する。所定の空燃比は、理論空燃比に近いことが好ましい。燃焼効率と、触媒の浄化効率を高めることができるからである。
エンジン本体20が冷機状態である場合、燃料供給量制御部92は、更に、次のように制御する。エンジン本体20が暖機状態であり、且つ、エンジン本体20が二次空気供給運転領域で運転されている場合も、同様に、燃料供給量制御部92は、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、自動二輪車1の初期状態において、以下の5つの条件を満たすように、制御する。本明細書において、自動二輪車1の初期状態とは、エアポンプ81、第2開閉弁82、第1開閉弁83、および、第1専用リード弁84が正常に動作し、かつ、専用二次空気供給通路部87に詰まりまたは詰まりかけが生じていない状態のことをいう。
図9に基づいて、燃料供給量制御部92が満たす5つの条件を説明する。図9のグラフの縦軸は空燃比を示している。図9の例では、理論空燃比14.5を、理論空燃比Sとしている。空燃比が、理論空燃比Sに対して、リッチか、リーンかを示している。上述の通り、リッチとは、理論空燃比Sに対して燃料が過剰な状態であり、酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の値が、理論空燃比の値より低い状態をいう。リーンとは、理論空燃比Sに対して空気が過剰な状態であり、酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の値が、理論空燃比の値より高い状態をいう。理論空燃比とは、混合気中の酸素と燃料が、過不足なく反応する時の空燃比をいう。理論空燃比を理論空燃比Sとする。以下の説明において、自動二輪車1の初期状態において、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比を空燃比X1とする。空燃比X1は、専用排気通路部66に二次空気が供給された場合の空燃比である。すなわち、第2開閉弁82または第1開閉弁83が開弁状態の場合に、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比である。また、自動二輪車1の初期状態において、酸素センサ74を通過する時点の排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたと仮定する。二次空気が除かれたガスの酸素濃度から推定される空燃比を空燃比X0とする。空燃比X0は、仮に、専用排気通路部66に二次空気が供給されない場合の空燃比である。すなわち、仮に、第2開閉弁82および第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御された場合に、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比である。ここで、酸素センサ74の信号は、排ガスの周期的な排出に応じて、変動する。本発明では、酸素センサ74の信号から推定される空燃比は、正圧の値を用いる。
1つ目の条件は、空燃比X1が理論空燃比Sよりリーンであることである。2つ目の条件は、空燃比X0が理論空燃比Sよりリッチであることである。3つ目の条件は、空燃比X1から空燃比X0を減算した値が1以上となることである。4つ目の条件は、空燃比X1と理論空燃比Sとの差W1が、空燃比X0と理論空燃比Sとの差W0より大きいことである。5つ目の条件は、空燃比X1と理論空燃比Sの差W1が、1以上となることである。
尚、燃料供給量制御部92は、酸素センサ74以外の各種センサの信号に基づいて制御する。つまり、酸素センサ74で検出された信号に基づいて、空燃比を調整しない。酸素センサ74を使わなくても、空燃比X0および空燃比X1が、以上の5つの条件を満たして制御するように、二次空気供給機構80の構成は調整される。例えば、二次空気供給通路部89の内径、二次空気供給通路部89の長さ、第2開閉弁82および第1開閉弁83の配置位置、3つの第1専用リード弁84の配置位置、エアクリーナ51,86の配置位置が調整される。
[二次空気不足検出部の制御]
二次空気不足検出部93の制御の一例を、説明する。二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。専用二次空気供給通路部87は、共有部分の第1専用リード弁84より下流部分である。専用二次空気供給通路部87の詰まりとは、3つの専用二次空気供給通路部87の少なくともいずれか1つの専用二次空気供給通路部87が詰まることである。第1専用リード弁84の閉弁状態での固着とは、3つの第1専用リード弁84の少なくともいずれか1つの第1専用リード弁84が閉弁状態で固着することである。第1専用リード弁84の閉弁状態での固着とは、第1専用リード弁84が、全閉状態で固着したことをいう。本明細書において、全閉状態とは、開度が0%の状態をいう。
二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82または第1開閉弁83を開弁状態となるように制御している場合に検出する。検出タイミングは、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。尚、検出タイミングは、ある時点のみでなく、ある時点から所定の時間経過するまでの間も含む。検出タイミングが、ある時点から所定の時間経過するまでの間である場合、センサで検出される信号は、平均値が用いられる。所定の運転領域とは、例えば、予め設定した所定の負荷領域及び所定の回転領域である。尚、所定の負荷領域とは、負荷が所定の負荷の範囲にあることをいう。所定の回転領域とは、エンジン回転速度が所定の回転速度の範囲にあることをいう。これらの定義は、これ以降の説明にも適用される。
二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例を、図9に基づいて、説明する。専用二次空気供給通路部87が詰まる、または、第1専用リード弁84の閉弁状態で固着すると、専用排気通路部66に二次空気が供給されない。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。従って、検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比を空燃比A1とする。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比X1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりを検出する。具体的には、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する場合に用いる二次空気不足検出値を、空燃比D1とする。空燃比D1は、空燃比X0よりリーン側の値である。空燃比D1は、空燃比X0よりリッチ側の値である。空燃比D1は、1つの値であってもよく、ある範囲であってもよい。空燃比D1は、ECU90に予め記憶される。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比D1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。更に、二次空気不足検出部93は、空燃比A1が後述する空燃比D2よりリーン側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着と、後述する専用二次空気供給通路部87の詰まりかけとの2つの判定を切り分けてよい。
二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。第2開閉弁82の閉弁状態での固着とは、第2開閉弁82が、全閉状態で固着したことをいう。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を開弁状態となり、且つ、第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御している場合に、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。検出タイミングは、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、二次空気不足検出部93が、第2開閉弁82の閉弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。
二次空気不足検出部93が、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例を、図9に基づいて、説明する。第2開閉弁82が閉弁状態であると、専用排気通路部66に二次空気が供給されない。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。従って、検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比を空燃比A1とする。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比X1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する場合に用いる二次空気不足検出値を、空燃比D2とする。空燃比D2は、空燃比X0よりリーン側の値である。空燃比D2は、空燃比X1よりリッチ側の値である。空燃比D2は、空燃比D1よりリッチ側または同等の値である。空燃比D2は、1つの値であってもよく、ある範囲であってもよい。空燃比D2は、ECU90に予め記憶される。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比D2よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。
二次空気不足検出部93は、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。第1開閉弁83の閉弁状態での固着とは、第1開閉弁83が、全閉状態で固着したことをいう。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を閉弁状態となり、且つ、第1開閉弁83が開弁状態となるように制御している場合に、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。検出タイミングは、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、二次空気不足検出部93が、第1開閉弁83の閉弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。
二次空気不足検出部93が、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例は、上述した第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
二次空気不足検出部93は、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。専用二次空気供給通路部87の詰まりかけとは、3つの専用二次空気供給通路部87の少なくともいずれか1つの専用二次空気供給通路部87が詰まりかけていることである。即ち、3つの専用二次空気供給通路部87の少なくともいずれか1つの専用二次空気供給通路部87の有効流路面積が、すすなどのデポジットによって狭くなった状態である。尚、有効流路面積が狭くなったとは、有効流路面積がゼロの場合を含まないものとする。これらの定義は、これ以降の説明にも適用される。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82または第1開閉弁83を開弁状態となるように制御している場合に検出する。検出タイミングは、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、二次空気不足検出部93が、第2開閉弁82の閉弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。
二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する場合の制御の一例を、図9に基づいて、説明する。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87を通って専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量よりも少なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。従って、検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比を空燃比A1とする。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比X1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量より少ないことを検出する。専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する場合に用いる二次空気不足検出値を、空燃比D3とする。必要流量を流量F1とする。必要流量とは、自動二輪車1の初期状態において、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82または第1開閉弁83を開弁状態となるように制御している場合に、専用排気通路部66に供給される二次空気の流量である。所定流量を流量F2とする。必要流量F1から所定流量F2を減算した流量を流量F3とする。酸素センサ74を通過する排ガスから、流量F3に相当する二次空気を除いたと仮定する。空燃比D3は、流量F3に相当する二次空気が除かれたガスの酸素濃度に対応する空燃比である。空燃比D3は、空燃比X0よりリーン側の値であり、空燃比X1よりリッチ側の値である。空燃比D3は、空燃比D1よりリーン側の値である。空燃比D3は、1つの値であってもよく、ある範囲であってもよい。空燃比D3は、ECU90に予め記憶される。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比D3よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。更に、二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比D1よりリーン側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着と、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけとの2つの判定を切り分けてよい。
二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出すると、表示装置14に警告を表示する。
[開閉弁開弁異常検出部の制御]
開閉弁開弁異常検出部94の制御の一例を、説明する。開閉弁開弁異常検出部94は、酸素センサ74の信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。ここで、第1開閉弁83の開弁状態での固着とは、第1開閉弁83が全開状態または部分的に開いた状態で固着する異常状態をいう。本明細書において、部分的に開いた状態とは、弁の開度が0%より大きく100%より小さい状態をいう。尚、開閉弁開弁異常検出部94は、第1専用リード弁84が正常状態である場合、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。開閉弁開弁異常検出部94は、第1専用リード弁84が異常状態の場合は、必ずしも第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出しない。以下、開閉弁開弁異常検出部94の制御の一例について、説明する。
開閉弁開弁異常検出部94は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82および第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御している場合に、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。この場合、エンジン本体20は、暖機状態であって、且つ、二次空気供給領域以外の運転領域で運転している。検出タイミングは、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、開閉弁開弁異常検出部94が、第1開閉弁83の開弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。このとき、燃料供給量制御部92は、酸素センサ74の信号に基づいて、フィードバック制御する。具体的には、燃料供給量制御部92は、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、所定の空燃比に近づくように、インジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御する。
自動二輪車1の初期状態において、第2開閉弁82または第1開閉弁83は正常状態である。自動二輪車1の初期状態において、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82および第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御した場合に、専用排気通路部66に二次空気が供給されない。しかしながら、第1開閉弁83が開弁状態で固着すると、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82および第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御した場合であっても、専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給される。そして、酸素センサ74に基づいて算出される燃料供給量の補正量が収束せずに変化し続ける。従って、開閉弁開弁異常検出部94は、補正量の変化に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。
開閉弁開弁異常検出部94は、第1開閉弁83開弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
[専用リード弁開弁異常検出部の制御]
専用リード弁開弁異常検出部95の制御の一例を、説明する。専用リード弁開弁異常検出部95は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ここで、第1専用リード弁84の開弁状態での固着は、第1専用リード弁84が全開状態または部分的に開いた状態で固着する異常状態をいう。尚、専用リード弁開弁異常検出部95は、第2開閉弁82および第1開閉弁83が正常状態である場合に、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。専用リード弁開弁異常検出部95は、第2開閉弁82および第1開閉弁83が異常状態である場合に、必ずしも、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出しない。以下、専用リード弁開弁異常検出部95の制御の一例について、説明する。
専用リード弁開弁異常検出部95は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82および第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御した場合に、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。検出タイミングは、所定の運転領域で運転されているタイミングである。所定の運転領域とは、例えば、予め設定した所定の負荷領域及び所定の回転領域である。ここでいう検出タイミングは、専用リード弁開弁異常検出部95が、第1専用リード弁84の開弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。
自動二輪車1の初期状態において、第1専用リード弁84は正常状態である。自動二輪車1の初期状態において、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82および第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御した場合に、排ガスが、専用排気通路部66から専用二次空気供給通路部87に逆流しない。しかしながら、第1専用リード弁84に開弁状態で固着すると、熱い排ガスが、専用排気通路部66から専用二次空気供給通路部87を通って専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流する。ここで、二次空気の温度は大気温度である。また、排ガスの温度は、大気温度より高い。そのため、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1専用リード弁84に開弁状態での固着が発生した時は、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88bの温度が高くなる。従って、専用リード弁開弁異常検出部95は、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。
具体的には、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度を温度RTとする。専用リード弁開弁異常検出部95は、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出するための指標として、第1専用リード弁開弁異常検出値を用いる。第1専用リード弁開弁異常検出値を温度RT1とする。ここで、温度RT1は、以下の場合に、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度である。その場合とは、自動二輪車1の初期状態における検出タイミングである。ここで、第1下流二次空気温度センサ76bの信号は、排ガスの周期的な排出に応じて、変動する。本明細書において、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度とは、検出タイミングにおける第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用二次空気供給通路部87内の温度の平均値である。温度RT1は、ECU90に予め記憶される。専用リード弁開弁異常検出部95は、温度RTが温度RT1よりも高い場合に、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。
専用リード弁開弁異常検出部95は、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
[ポンプ異常検出部の制御]
ポンプ異常検出部96の制御の一例を、説明する。ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。尚、所定流量とは、自動二輪車1の初期状態において、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量である。ポンプ異常検出部96は、二次空気供給制御部91が、エアポンプ81を作動し、第2開閉弁82を開弁状態となるように、且つ、第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御している場合に検出する。検出タイミングは、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、ポンプ異常検出部96が、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないかどうかの診断を行うタイミングである。
ポンプ異常検出部96が、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する場合の制御の一例を、図9に基づいて、説明する。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用二次空気供給通路部87を通って専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量よりも少なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。従って、検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比を空燃比A1とする。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比X1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量より少ないことを検出する。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する場合に用いるポンプ異常検出値を、空燃比D4とする。必要流量を流量F4とする。所定流量を流量F5とする。必要流量F4から所定流量F5を減算した流量を流量F6とする。酸素センサ74を通過する排ガスから、流量F6に相当する二次空気を除いたと仮定する。空燃比D4は、流量F6に相当する二次空気が除かれたガスの酸素濃度に対応する空燃比である。空燃比D4は、空燃比X0よりリーン側の値であり、空燃比X1よりリッチ側の値である。空燃比D4は、空燃比D1よりリーン側の値である。空燃比D4は、1つの値であってもよく、ある範囲であってもよい。尚、図9では、空燃比D4は、空燃比D3と同じ値であるが、異なる値であってもよい。空燃比D4は、ECU90に予め記憶される。ポンプ異常検出部96は、空燃比A1が空燃比D4よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。
ポンプ異常検出部96は、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出すると、表示装置14に警告を表示する。
第1の実施形態の自動二輪車1によると、下記の効果を有する。
差圧応動経路92a、及び、強制供給経路91aの2つの経路から専用排気経路67の触媒65よりも上流の位置に二次空気が供給される。このため、二次空気の供給量、すなわち酸素供給量が増え、触媒65に送られる排ガスの熱量を増加させることができる。この結果、未燃ガス中に含まれるHC、CO等の未燃物質が、完全燃焼させられる。従って、未燃焼ガス中に含まれるHC、CO等の未燃物質は、二次空気による酸化作用により、浄化される。また、触媒65内の酸素不足を補い、触媒65の浄化を助けることができる。そして、触媒65を不活性状態から早期に活性化でき、触媒65の浄化性能を向上できる。エンジン始動時のエンジン本体20が冷機状態で運転されている場合や低回転時(エンジン回転速度が第2所定回転速度未満の低速の時)等のエンジン本体20が暖機状態であって、且つ、二次空気供給領域で運転されている場合には、触媒65の浄化性能を向上させることができる。このように触媒の浄化性能を向上できるため、触媒65を特定位置に配置させる制限がなくなって、触媒65の配置位置の自由度が向上する。触媒65の配置の自由度が向上することで専用排気経路67の形状の自由度も向上する。専用排気経路67へは2つの経路(差圧応動経路92a及び強制供給経路91a)から二次空気が供給されるが、強制供給経路91aから専用排気経路67へ二次空気を供給するためのエアポンプ81は、差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されているときに停止される。このため、エアポンプ81の利用が少なくなり、小さいエアポンプ81が採用される。したがって、強制供給経路91aから専用排気経路67へと二次空気を強制的に供給するためにエアポンプ81を設けても、当該エアポンプ81は小さいものとなり、さらに専用排気経路67の形状の自由度も向上するため、自動二輪車1の大型化を抑制するように、エアポンプ81と専用排気経路67を配置させることができる。この結果、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。
自動二輪車1の大型化を抑制しつつ触媒65の浄化性能を向上させたい場合では、二次空気供給機構は、強制供給機構だけを有する構成とし、通常、差圧応動供給機構を有する構成は考えられない。強制供給機構191だけを有する構成にすると、エアポンプの大きさが大型化する。専用排気経路67に二次空気を供給するためには、エアポンプを常に作動させる必要がある。こうすると、エアポンプは想定される二次空気の供給量以上の性能を有するものとする必要があり、結局のところ、エアポンプ自体が大型化する。エアポンプが大型化すると、自動二輪車1自体が大型化してしまう。しかしながら、本実施形態においては、二次空気供給機構が、強制供給機構と差圧応動供給機構とを有する。このため、上記のような効果を得ることができる。
また、二次空気供給制御部91は、差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されていないときにエアポンプ81を作動させる。これにより、専用排気経路67内の圧力と専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力(大気圧)との差圧が小さく差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されていないときに強制供給機構191から二次空気を専用排気経路67に供給することができる。このため、二次空気の供給量の低下を抑制することができる。したがって、エンジン始動時のエンジン本体20が冷機状態で運転されている場合や低回転時等のエンジン本体20が暖機状態であって、且つ、二次空気供給領域で運転されている場合に、触媒65をより早期に不活性状態から活性化でき、触媒の浄化性能をさらに向上できる。
また、エンジン始動時のエンジン本体20が冷機状態で運転されている場合は、差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されない。これにより、エンジン始動時に、差圧が小さく差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されていないときでも、強制供給機構191から二次空気を専用排気経路67に供給することができる。このため、エンジン始動時のエンジン本体20が冷機状態で運転されている場合に、触媒65をより早期に不活性状態から活性化でき、触媒の浄化性能をさらに向上できる。
また、差圧応動供給機構192が第1開閉弁83を有し、強制供給機構191が第2開閉弁82を有している。これにより、高回転時等のエンジン本体20が暖機状態であって、且つ、二次空気供給領域以外の運転領域で運転されている場合は、燃焼室30から排出される排ガスの熱量が高いため、専用排気経路67に二次空気を供給する必要がない。高回転時等のエンジン本体20が暖機状態であって、且つ、二次空気供給領域以外の運転領域で運転されている場合に第2開閉弁82及び第1開閉弁83を閉じることで、専用排気経路67内の負圧によって差圧応動経路92a及び強制供給経路91aから専用排気経路67に二次空気が引き込まれるのを防止できる。
また、差圧応動経路92aと強制供給経路91aは、共有部分を有しており、エアポンプ81が、強制供給経路91aの当該共有部分よりも上流に配置されている。これにより、差圧応動経路92aと強制供給経路91aが、専用排気経路67の異なる位置に個別に接続されている場合に比べて、経路を少なくできる。このため、自動二輪車1の大型化をより抑制できる。
また、共有部分に第1専用リード弁84が設けられている。これにより、専用排気経路67を流れる排ガスがエアポンプ81に流れ込むのを、第1専用リード弁84によって阻止することができる。
また、差圧応動経路92aは、連通部85で燃焼室30毎に分岐されており、その差圧分岐経路のそれぞれに第1専用リード弁84が配置されている。これにより、各燃焼室30の排ガスの脈動に応じて各第1専用リード弁84を開弁させて、各差圧分岐経路から各シリンダ排気通路部22b2に二次空気を供給することができる。したがって、各シリンダ排気通路部22b2に適量の二次空気を供給することができ、エンジン始動時や低回転時に、触媒65をより早期に不活性状態から活性化でき、触媒の浄化性能をさらに向上できる。
また、強制供給経路91aは、連通部85で燃焼室30毎に分岐されている。エアポンプ81は、強制供給経路91aの連通部85よりも上流の部分に配置されている。これにより、強制分岐経路ごとにエアポンプ81が配置されている場合に比べて、エアポンプ81の数を少なくできる。したがって、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。
ECU90は、エンジン本体20が冷機状態の場合、及び、暖機状態で且つエンジン本体20が二次空気供給領域の第1領域で運転されている場合に、次のように制御する。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82を開弁状態となるように制御する。また、第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御する。また、エンジン本体20が暖機状態で且つエンジン本体20が二次空気供給領域の第2領域で運転されている場合に、次のように制御する。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82を閉弁状態となるように制御する。また、第1開閉弁83を開弁状態となるように制御する。また、燃料供給量制御部92は、自動二輪車1の初期状態において、上述した5つの条件のうちの1つめの条件と2つ目の条件を満たすようにインジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御する。その結果、空燃比X1が、理論空燃比Sよりリーンになる。空燃比X1は、自動二輪車1の初期状態において、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比である。つまり、自動二輪車1の初期状態では、触媒65に流入する排ガスの酸素濃度から推定される空燃比は理論空燃比Sよりリーンである。また、空燃比X0が、理論空燃比Sよりリッチになる。空燃比X0は、自動二輪車1の初期状態において、酸素センサ74の位置を通過する排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたガスの酸素濃度から推定される空燃比である。つまり、専用排気通路部66に供給される二次空気が不足した場合、触媒65に流入する排ガスの酸素濃度から推定される空燃比は理論空燃比Sよりリッチである。ここで、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態で固着すると、専用排気通路部66に供給される二次空気が不足する。そのため、空燃比X1と空燃比X0とが、理論空燃比Sを挟んだ値となる。すなわち、空燃比X1と空燃比X0の差Wがある。差Wは、空燃比X1から空燃比X0を減算した値である。更に、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここで、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じると、専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されなくなる。そして、自動二輪車1の初期状態と比較して、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比がリッチ側の値になる。つまり、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、空燃比X0となる。そのため、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の変化から、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出することができる。また、二次空気不足検出部93は、第2開閉弁82及び第1開閉弁83の閉弁状態での固着または専用二次空気供給通路部87の詰まりかけも同様に検出することができる。
また、ECU90は、エンジン本体20が冷機状態の場合、及び、エンジン本体20が暖機状態であり、且つ、エンジン本体20が二次空気供給領域で運転されている場合に、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、自動二輪車1の初期状態において、上述した5つの条件のうちの3つ目から5つ目の条件を満たすように制御する。つまり、自動二輪車1の初期状態から、専用二次空気供給通路部87の少なくとも一部が詰まるまで、または、第1専用リード弁84の少なくとも一部が閉弁状態で固着するまでの間で、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度がより変化する。従って、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、容易に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出することができる。また、二次空気不足検出部93は、第2開閉弁82及び第1開閉弁83の閉弁状態での固着または専用二次空気供給通路部87の詰まりかけも同様に検出することができる。
また、ECU90は、次のように制御する。開閉弁開弁異常検出部94は、酸素センサ74の信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。ここで、第1開閉弁83が開弁状態で固着すると、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御されているときに、専用排気通路部66に二次空気が供給される。そのため、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1開閉弁83が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。以下の変化は、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御されているときに生じる。酸素センサ74に基づいて算出される燃料供給量の補正量が収束せずに変化し続ける。従って、開閉弁開弁異常検出部94は、酸素センサ74の信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出することができる。
また、ECU90は、次のように制御する。専用リード弁開弁異常検出部95は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ここで、第1専用リード弁84が開弁状態で固着すると、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御されているときに、専用排気通路部66から専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに熱い排ガスが逆流する。そのため、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1専用リード弁84が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。以下の変化は、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御されているときに生じる。第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が高くなる。従って、専用リード弁開弁異常検出部95は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出することができる。
また、ECU90は、次のように制御する。ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここで、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用二次空気供給通路部87を通って専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量よりも少なくなる。そのため、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。従って、ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。
そして、検出した情報は、ECU90に記録される。この検出した情報によって、差圧応動経路92a及び強制供給経路91aのメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、差圧応動経路92a及び強制供給経路91aの内をメンテナンスすると、専用排気通路部66に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒65の浄化性能を回復させることができる。
(第二の実施形態)
以下、本発明の第二の実施形態に係る鞍乗型車両について説明する。第二の実施形態に係る鞍乗型車両において、二次空気供給機構80の強制供給機構191以外の構成は、第一の実施形態に係る鞍乗型車両と同様であり、その説明を省略する。尚、第二の実施形態に係る二次空気供給機構80は、連通部85に、第1大気側二次空気供給通路部88aと専用大気側二次空気供給通路部88bのみが接続されている点で、第一の実施形態と異なる。つまり、第一の実施形態では、連通部85に、第1大気側二次空気供給通路部88a、専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、第2大気側二次空気供給通路部88cが接続されている。
図10に実線で示すように、強制供給機構291が、上記のエアポンプ81、第2開閉弁82、3つの第2専用リード弁284、及び、強制供給通路部291cを備える。強制供給通路部291cは、第2大気側二次空気供給通路部88c、連通部285、第2専用大気側二次空気供給通路部288b、及び第2専用二次空気供給通路部287を含む。第2専用二次空気供給通路部287の一端287aは、後述する第2専用大気側二次空気供給通路部288bの他端288eに接続される。第2専用二次空気供給通路部287の他端287bは、専用排気通路部66に接続される。具体的には、専用二次空気供給通路部87の他端287bは、独立排気通路部61に接続される。第2大気側二次空気供給通路部88c及び第2専用大気側二次空気供給通路部288bは、連通部285に接続される。第2大気側二次空気供給通路部88cの一端部88d1には、エアクリーナ86が設けられる。エアクリーナ86は、大気に面する空気吸入口86aを有する。即ち、第2大気側二次空気供給通路部88cの一端88dは、空気吸入口86aを有する。また、第2大気側二次空気供給通路部88cには、エアポンプ81及び第2開閉弁82が設けられている。第2大気側二次空気供給通路部88cは、3つの配管89a、89b、89cを含む。なお、3つの第2専用大気側二次空気供給通路部288b、3つの第2専用リード弁284、3つの第2専用二次空気供給通路部287は、左右方向に並んで配置されており、図10には第2専用大気側二次空気供給通路部288b、第2専用リード弁284、第2専用二次空気供給通路部287は、3つのうちの1つだけを示している。
第2専用二次空気供給通路部287は、独立排気通路部61(燃焼室30)毎に接続されている。3つの第2専用リード弁284は、第2専用二次空気供給通路部287の一端部287a1に設けられる。第2専用二次空気供給通路部287の一端287aは、第2専用大気側二次空気供給通路部288bの他端288eに接続される。第2専用リード弁284は、開弁状態のとき、第2専用二次空気供給通路部287と第2専用大気側二次空気供給通路部288bとを連通させる。つまり、第2専用リード弁284は、開弁状態のとき、第2専用二次空気供給通路部287と強制供給通路部291cとを連通させる。また、第2専用リード弁284は、閉弁状態のとき、第2専用二次空気供給通路部287と第2専用大気側二次空気供給通路部288bとを遮断する。つまり、第2専用リード弁284は、閉弁状態のとき、第2専用二次空気供給通路部287と強制供給通路部291cとを遮断する。
強制供給経路291aは、強制供給通路部291cの内部に形成される。強制供給経路291aは、第2大気側二次空気供給通路部88c、第2開閉弁82、連通部285、3つの第2専用大気側二次空気供給通路部288b、及び、3つの第2専用二次空気供給通路部287によって、構成される。第2大気側二次空気供給通路部88c、第2開閉弁82、連通部85、3つの第2専用大気側二次空気供給通路部288b、及び、3つの第2専用二次空気供給通路部287の内部に、3つの強制供給経路291aが形成される。第2大気側二次空気供給通路部88c、第2開閉弁82、連通部85、1つの第2専用大気側二次空気供給通路部288b、及び、1つの第2専用二次空気供給通路部287の内部に、1つの強制供給経路291aが形成される。強制供給経路291aは、燃焼室30毎に形成される。強制供給経路291aは、空気吸入口86aから各専用排気通路部66に至る経路である。空気吸入口86aは、大気から空気を吸入する。空気吸入口86aから吸い込まれた空気は、二次空気として、強制供給経路291aを専用排気通路部66に向かって流れる。以下の説明において、強制供給経路291aにおける二次空気の流れ方向の上流および下流を、単に上流および下流という場合がある。強制供給経路291aと差圧応動経路92aとは、専用排気経路67の互いに異なる位置に接続され、共有部分を有しない。
強制供給経路291aの下流部分は、連通部285で3つの経路に分岐されている。この3つの経路は、3つの第2専用二次空気供給通路部287及び3つの第2専用大気側二次空気供給通路部288bによって形成される。この3つの経路は、それぞれが本発明における強制分岐経路に相当する。強制供給経路291aの分岐された3つの経路の途中には、第2専用リード弁284がそれぞれ配置されている。
第2開閉弁82は、ECU90によって開弁状態と閉弁状態が制御される。つまり、第2開閉弁82は、強制供給経路291aを連通状態と遮断状態とに切り換える。第2開閉弁82は、エアポンプ81よりも下流に配置されている。第2開閉弁82は、第2専用リード弁284よりも上流に配置されている。
図10に示すように、3つの第2専用大気側二次空気供給通路部288bには、それぞれ、第2下流二次空気温度センサ276bが設けられている。第2下流二次空気温度センサ276bは、連通部285より下流であって、第2専用リード弁284より上流の位置に配置される。即ち、第2下流二次空気温度センサ276bは、強制供給経路291aにおいて、第2開閉弁82より下流に配置される。つまり、第2下流二次空気温度センサ276bは、3つの第2専用大気側二次空気供給通路部288bのそれぞれに配置される。各第2下流二次空気温度センサ276bは、各第2専用大気側二次空気供給通路部288b内の温度を検出する。尚、第2下流二次空気温度センサ276bは、1つの第2専用大気側二次空気供給通路部288bに1つ配置されてもよい。図示しないが、第2下流二次空気温度センサ276bは、ECU90に接続される。
[二次空気不足検出部の制御]
第二の実施形態における二次空気不足検出部93の制御の一例を、説明する。尚、第二の実施形態における二次空気供給制御部91の制御及び燃料供給量制御部92の制御の一例は、第一の実施形態の一例と同じであり、その説明を省略する。
二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。専用二次空気供給通路部87は、差圧応動経路92aの第1専用リード弁84より下流部分である。
二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を閉弁状態となるように、且つ、第1開閉弁83を開弁状態となるように制御している場合に検出する。二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態の二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、第2専用二次空気供給通路部287の詰まり、または、第2専用リード弁284の閉弁状態での固着を検出する。第2専用二次空気供給通路部287は、強制供給経路291aの第2専用リード弁284より下流部分である。第2専用二次空気供給通路部287の詰まりとは、3つの第2専用二次空気供給通路部287の少なくともいずれか1つの第2専用二次空気供給通路部287が詰まることである。第2専用リード弁284の閉弁状態での固着とは、3つの第2専用リード弁284の少なくともいずれか1つの第2専用リード弁284が閉弁状態で固着することである。第2専用リード弁284の閉弁状態での固着とは、第2専用リード弁284が、全閉状態で固着したことをいう。
二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を開弁状態となるように、且つ、第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御している場合に検出する。二次空気不足検出部93が、第2専用二次空気供給通路部287の詰まり、または、第2専用リード弁284の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態の二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を開弁状態となり、且つ、第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御している場合に、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。二次空気不足検出部93が、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態の二次空気不足検出部93が、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を閉弁状態となり、且つ、第1開閉弁83が開弁状態となるように制御している場合に、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。二次空気不足検出部93が、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態の二次空気不足検出部93が、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を閉弁状態となるように、且つ、第1開閉弁83を開弁状態となるように制御している場合に検出する。二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態の二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、第2専用二次空気供給通路部287の詰まりかけを検出する。第2専用二次空気供給通路部287の詰まりかけとは、3つの第2専用二次空気供給通路部287の少なくともいずれか1つの第2専用二次空気供給通路部287が詰まりかけていることである。即ち、3つの第2専用二次空気供給通路部287の少なくともいずれか1つの第2専用二次空気供給通路部287の有効流路面積が、すすなどのデポジットによって狭くなった状態である。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を開弁状態となるように、且つ、第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御している場合に検出する。二次空気不足検出部93が、第2専用二次空気供給通路部287の詰まりかけを検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態の二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
[開閉弁開弁異常検出部の制御]
開閉弁開弁異常検出部94の制御の一例を、説明する。開閉弁開弁異常検出部94は、酸素センサ74の信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。開閉弁開弁異常検出部94が、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態の開閉弁開弁異常検出部94が、は第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
[専用リード弁開弁異常検出部の制御]
専用リード弁開弁異常検出部95の制御の一例を、説明する。専用リード弁開弁異常検出部95は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。専用リード弁開弁異常検出部95は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82および第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御した場合に、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。専用リード弁開弁異常検出部95が、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態の専用リード弁開弁異常検出部95が、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
専用リード弁開弁異常検出部95は、第2下流二次空気温度センサ276bの信号に基づいて、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出する。ここで、第2専用リード弁284の開弁状態での固着は、第2専用リード弁284が全開状態または部分的に開いた状態で固着する異常状態をいう。尚、専用リード弁開弁異常検出部95は、第1専用リード弁84、第2開閉弁82および第1開閉弁83が正常状態である場合に、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出する。専用リード弁開弁異常検出部95は、第1専用リード弁84、第2開閉弁82および第1開閉弁83が異常状態である場合に、必ずしも、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出しない。以下、専用リード弁開弁異常検出部95の制御の一例について、説明する。
専用リード弁開弁異常検出部95は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82および第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御した場合に、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出する。検出タイミングは、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、専用リード弁開弁異常検出部95が、第2専用リード弁284の開弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。
自動二輪車1の初期状態において、第2専用リード弁284は正常状態である。自動二輪車1の初期状態において、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82および第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御した場合に、排ガスが、専用排気通路部66から専用二次空気供給通路部87に逆流しない。しかしながら、第2専用リード弁284に開弁状態で固着すると、熱い排ガスが、専用排気通路部66から第2専用二次空気供給通路部287を通って第2専用大気側二次空気供給通路部288bに逆流する。ここで、二次空気の温度は大気温度である。また、排ガスの温度は、大気温度より高い。そのため、自動二輪車1の初期状態と比較して、第2専用リード弁284に開弁状態での固着が発生した時は、第2下流二次空気温度センサ276bで検出される第2専用大気側二次空気供給通路部288bの温度が高くなる。従って、専用リード弁開弁異常検出部95は、第2下流二次空気温度センサ276bで検出される第2専用大気側二次空気供給通路部288b内の温度に基づいて、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出する。
具体的には、第2下流二次空気温度センサ276bで検出される第2専用大気側二次空気供給通路部288b内の温度を温度RRTとする。専用リード弁開弁異常検出部95は、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出するための指標として、第2専用リード弁開弁異常検出値を用いる。第2専用リード弁開弁異常検出値を温度RRT1とする。ここで、温度RRT1は、以下の場合に、第2下流二次空気温度センサ276bで検出される第2専用大気側二次空気供給通路部288b内の温度である。その場合とは、自動二輪車1の初期状態における検出タイミングである。ここで、第2下流二次空気温度センサ276bの信号は、排ガスの周期的な排出に応じて、変動する。本明細書において、第2下流二次空気温度センサ276bで検出される第2専用大気側二次空気供給通路部288b内の温度とは、検出タイミングにおける第2下流二次空気温度センサ276bで検出される第2専用二次空気供給通路部287内の温度の平均値である。温度RRT1は、ECU90に予め記憶される。専用リード弁開弁異常検出部95は、温度RRTが温度RRT1よりも高い場合に、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出する。
専用リード弁開弁異常検出部95は、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
[ポンプ異常検出部の制御]
ポンプ異常検出部96の制御の一例を、説明する。ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ポンプ異常検出部96は、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82を開弁状態となるように、且つ、第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御している場合に検出する。ポンプ異常検出部96が、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する場合の制御の一例は、上述した第一の実施形態のポンプ異常検出部96が、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する場合の制御の一例と同様であり、その説明を省略する。
このような構成により、第2の実施形態の自動二輪車1は、第一の実施形態の自動二輪車1の効果に加えて、下記の効果を有する。
差圧応動経路92aは、強制供給経路291aに関係なく設置でき、強制供給経路291aは、差圧応動経路92aに関係なく設置でき、設置の自由度が高くなる。そのため、自動二輪車1の空きスペースを有効に利用して、二次空気供給機構を配置することが可能となり、自動二輪車1の大型化を抑制できる。
また、強制供給経路291aには、エアポンプ81よりも下流に第2専用リード弁284が設けられているので、専用排気経路67を流れる排ガスがエアポンプ81に流れ込むのを、第2専用リード弁284によって阻止することができる。
二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、第2専用二次空気供給通路部287の詰まり、または、第2専用リード弁284の閉弁状態での固着を検出する。ここで、第2専用二次空気供給通路部287の詰まり、または、第2専用リード弁284の閉弁状態での固着が生じると、専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されなくなる。そして、自動二輪車1の初期状態と比較して、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比がリッチ側の値になる。そのため、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の変化から、第2専用二次空気供給通路部287の詰まり、または、第2専用リード弁284の閉弁状態での固着を検出することができる。また、二次空気不足検出部93は、第2専用二次空気供給通路部287の詰まりかけも同様に検出することができる。
また、専用リード弁開弁異常検出部95は、第2下流二次空気温度センサ276bの信号に基づいて、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出する。ここで、第2専用リード弁284が開弁状態で固着すると、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御されているときに、専用排気通路部66から第2専用二次空気供給通路部287を通って、第2専用大気側二次空気供給通路部288bに熱い排ガスが逆流する。そのため、自動二輪車1の初期状態と比較して、第2専用リード弁284が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。以下の変化は、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御されているときに生じる。第2下流二次空気温度センサ276bで検出される第2専用大気側二次空気供給通路部288b内の温度が高くなる。従って、専用リード弁開弁異常検出部95は、第2下流二次空気温度センサ276bの信号に基づいて、第2専用リード弁284の開弁状態での固着を検出することができる。
そして、検出した情報は、ECU90に記録される。この検出した情報によって、差圧応動経路92a及び強制供給経路91aのメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、差圧応動経路92a及び強制供給経路91aの内をメンテナンスすると、専用排気通路部66に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒65の浄化性能を回復させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。また、後述する変更例は適宜組み合わせて実施することができる。なお、本明細書において「好ましい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味するものである。
上記各実施形態においては、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が冷機状態及び暖機状態であるかを判定し、エンジン本体20が暖機状態である場合に、二次空気供給領域を判定しているが、この構成に限定されない。二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が冷機状態及び暖機状態であるかを判定しなくてよい。つまり、二次空気供給制御部91は、エンジン回転速度のみに基づいて、エアポンプ81、第2開閉弁82,83を制御してよい。
また、二次空気供給制御部91は、エンジン始動時からの経過時間が第1所定時間に達すると、以下のように制御してもよい。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82を閉弁状態になるように制御する。二次空気供給制御部91は、第1開閉弁83を開弁状態になるように制御する。二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を停止するようにを制御する。さらに二次空気供給制御部91は、エンジン始動時からの経過時間が第1所定時間よりも長い第2所定時間以上になると、以下のように制御してもよい。二次空気供給制御部91は、第2開閉弁82及び第1開閉弁83を共に、閉弁状態になるようにする。二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を停止するように制御する。要するに、専用排気経路67へ二次空気の供給する強制供給経路91a及び差圧応動経路92aの切り換えを、エンジン始動時からの経過時間で行ってもよい。
各実施形態の変更例として、二次空気供給制御部91は、エンジン回転速度がエンジン始動時から第1所定回転速度に達する前の、例えば、エンジン本体20が冷機状態の場合に、第1開閉弁83を開弁状態となるように制御してもよい。換言すると、差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されているときの一部でエアポンプ81を作動させてもよい。これにより、差圧応動供給機構192及び強制供給機構191の両方から専用排気経路67に二次空気が供給される。このため、差圧応動供給機構192及び強制供給機構191の一方から専用排気経路67に二次空気を供給する場合に比べて、エアポンプ81の容量を維持しつつ、専用排気経路67に供給する二次空気の供給量を増やすことができる。したがって、触媒65に送られる排ガスの熱量をより増加させて、触媒の浄化性能をさらに向上できる。また、エアポンプ81の容量を維持できるので、自動二輪車1の大型化をより抑制できる。
上記変更例において、換言すると、二次空気供給制御部91は、差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されているときの一部でエアポンプ81を停止させてもよい。これにおいても、差圧応動供給機構192によって二次空気が供給されているときの一部以外ではエアポンプ81を作動させるため、差圧応動経路92a、及び、強制供給経路91aの2つの経路から専用排気経路67の触媒65よりも上流の位置に二次空気が供給されることとなる。このため、二次空気の供給量が増え、触媒65に送られる排ガスの熱量を増加させることができ、触媒の浄化性能を向上できる。第二の実施形態も同様である。
各実施形態の別の変更例として、二次空気供給制御部91は、差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されていないときの一部でエアポンプ81を作動させてもよい。これにおいても、差圧応動供給機構192によって専用排気経路67に二次空気が供給されていないときに強制供給機構191から二次空気を専用排気経路67に供給することができる。このため、二次空気の供給量の低下を抑制することができる。したがって、エンジン始動時や低回転時等のエンジン本体20が冷機状態の場合に、触媒65をより早期に不活性状態から活性化でき、触媒の浄化性能をさらに向上できる。
第二の実施形態の別の変更例として、図10中二点鎖線で示すように、連通部285を設けず、1つの第2専用二次空気供給通路部287を集合部材62に接続し、1つの第2専用リード弁284を第2専用二次空気供給通路部287と第2大気側二次空気供給通路部88cに接続すればよい。この場合、強制供給機構291の構成部材が大幅に減少する。このため、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。
図10に示す第二の実施形態の変更例においては、第2開閉弁82及び第1開閉弁83のうち、少なくとも一方が設けられていなくてもよい。例えば、第1開閉弁83が設けられていない場合、エンジン始動時においても差圧応動経路92aから二次空気が専用排気経路67に供給可能となる。
図10に示す第二の実施形態の変更例においては、第2専用リード弁284が設けられているが、この構成に限定されない、第2専用リード弁284が設けられていなくてもよい。
図10に示す第二の実施形態の変更例においては、第2開閉弁82及び第1開閉弁83は、燃焼室30毎に設けられていてもよい。つまり、専用大気側二次空気供給通路部88b,第2専用大気側二次空気供給通路部288bの途中に第2開閉弁82及び第1開閉弁83がそれぞれ設けられていてもよい。
上記第一の実施形態では、第2開閉弁82及び第1開閉弁83が設けられているが、この構成に限定されない。第2開閉弁82が設けられていなくてもよい。
上記第一の実施形態では、第2開閉弁82及び第1開閉弁83は、燃焼室30毎に設けられていてもよい。つまり、専用大気側二次空気供給通路部88bの途中に第2開閉弁82及び第1開閉弁83がそれぞれ設けられていてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、強制供給機構191及び差圧応動供給機構192が個別にエアクリーナ51、86を有しているが、エアクリーナを共有してもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、吸気ユニット50と差圧応動供給機構192とがエアクリーナ51を共有しているが、エアクリーナを個別に有していてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、燃焼室30毎に設けられた3本の専用大気側二次空気供給通路部88bを使用しているが、この構成に限定されない。連通部85を3つの第1専用リード弁84に直接接続してもよい。こうすれば、専用大気側二次空気供給通路部88bをなくすことが可能となる。また、2以上の第1専用リード弁84にそれぞれ繋がる分岐通路とこれら分岐通路に繋がる主通路とを有する連通部を1以上有し、当該連通部の主通路を専用大気側二次空気供給通路部88bで連通部85と接続してもよい。例えば、4気筒エンジンに採用する場合は、2つの連通部を採用することで、専用大気側二次空気供給通路部88bが4本から2本に減らすことが可能となる。なお、連通部は、複数の第1専用リード弁84と一体的に構成されていてもよいし、個別に構成されていてもよい。このような連通部を有することで、専用大気側二次空気供給通路部88bの本数を減少することができる。
上記各実施形態及び各変形例では、触媒65は、その全体がクランクケース部21の下方に位置するが、この構成に限定されない。触媒65は、専用排気経路67のどこに配置されていてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、触媒65は自動二輪車1の右寄りに配置されているが、この構成に限定されない。触媒65は、自動二輪車1の左寄り又は車幅方向の中央に配置されていてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、触媒65は、触媒65を流れる排ガスの流れ方向が前後方向に延びる方向となるように配置されているが、この構成に限定されない。触媒65は、触媒65を流れる排ガスの流れ方向が左右方向に延びる方向となるように配置されていてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、酸素センサ74は、リニアA/Fセンサである。しかしながら、酸素センサ74は、O2センサであってもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、酸素センサ74は、専用排気経路67の触媒65より上流の位置に設けられている。しかしながら、酸素センサ74は、集合部材62に配置されてよい。また、酸素センサ74は、3つの独立排気通路部61のいずれか1つ以上に配置されてよい。また、酸素センサ74は、3つの専用排気通路部66のいずれか1つ以上に配置されてよい。
上記各実施形態及び各変形例では、二次空気供給制御部91、燃料供給量制御部92、二次空気不足検出部93、開閉弁開弁異常検出部94、専用リード弁開弁異常検出部95、及び、ポンプ異常検出部96は、機能処理部として、ECU90に含まれている。しかしながら、二次空気供給制御部91、燃料供給量制御部92、二次空気不足検出部93、開閉弁開弁異常検出部94、専用リード弁開弁異常検出部95、及び、ポンプ異常検出部96は、ECU90とは別の制御部に構成されてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、燃料供給量制御部92は、上述の5つの条件を満たすように制御する。しかしながら、2つ目の条件を満たさずに制御しても良い。変形例を図11のグラフAに示す。理論空燃比Sは、14.5である。空燃比X0_Aは、酸素センサ74を通過する排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたガスの空燃比である。グラフAに示すように、燃料供給量制御部92が制御する際に、空燃比X0_Aが理論空燃比Sよりリッチでなくてよい。但し、この場合、空燃比X0_Aは理論空燃比Sに近い値であることが好ましい。
また、燃料供給量制御部92は、3つ目の条件を満たさず制御してもよい。変形例を図11のグラフBに示す。空燃比X1_Bは、専用排気通路部66に二次空気が供給された場合の空燃比である。空燃比X0_Bは、酸素センサ74を通過する排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたガスの空燃比である。グラフBに示すように、燃料供給量制御部92が制御する際に、空燃比X1_Bから空燃比X0_Bを減算した値が1以上とならなくてよい。但し、この場合、空燃比X1_Bから空燃比X0_Bを減算した値が、1に近い値であることが好ましい。
また、燃料供給量制御部92は、4つ目の条件を満たさず制御してもよい。変形例を図11のグラフCに示す。空燃比X1_Cは、専用排気通路部66に二次空気が供給された場合の空燃比である。空燃比X0_Cは、酸素センサ74を通過する排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたガスの空燃比である。グラフCに示すように、燃料供給量制御部92が制御する際に、空燃比X1_Cと理論空燃比Sとの差W1_Cが、空燃比X0_Cと理論空燃比Sとの差W0_Cより大きくてよい。
また、燃料供給量制御部92は、5つ目の条件を満たさず制御してもよい。図11のグラフDに示す。空燃比X1_Dは、専用排気通路部66に二次空気が供給された場合の空燃比である。グラフDに示すように、燃料供給量制御部92が制御する際に、空燃比X1_Dと理論空燃比Sの差W1_Dが、1以上とならなくてよい。
上記各実施形態及び各変形例では、エンジン本体20の運転領域を、スロットル弁56の開度に基づいて、低負荷領域、高負荷領域の2つに分けている。しかしながら、エンジン本体20の運転領域を、低負荷領域、中負荷領域、高負荷領域の3つに分けてよい。この場合、エンジン本体20の運転領域は、予め規定した第2開度θ2と第3開度θ3を基準として、低負荷領域と、中負荷領域と、高負荷領域とに分けられる。第2開度θ2は、第3開度θ3より小さい。エンジン本体20の運転領域が低負荷領域であるとは、スロットル弁56の開度θが第2開度θ2より小さいときである。また、エンジン本体20の運転領域が中負荷領域であるとは、スロットル弁56の開度θが第2開度θ2以上であって、且つ、第3開度θ3より小さいときである。また、エンジン本体20の運転領域が高負荷領域であるとは、スロットル弁56の開度が第3開度θ3以上のときである。尚、低負荷領域は、エンジン本体20の運転領域の1/3以下であってよい。すなわち、第2開度θ2は、全開状態であるスロットル開度の1/3以下であってよい。また、低負荷領域は、エンジン本体20の運転領域の1/2以下であってよい。すなわち、第2開度θ2は、全開状態であるスロットル開度の1/2以下であってよい。更に、この場合、二次空気供給運転領域を、低負荷領域及び中負荷領域の少なくとも一部の運転領域としてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、エンジン本体20の運転領域を、エンジン回転速度に基づいて、低回転領域、中回転領域、高回転領域の3つに分けている。しかしながら、エンジン本体20の運転領域を、低回転領域、高回転領域の2つに分けてよい。この場合、エンジン本体20の運転領域は、予め規定した第3所定回転速度RS3を基準として、低回転領域、高回転領域とに分けられる。エンジン本体20の運転領域が低回転領域であるとは、エンジン回転速度が第3所定回転速度RS3より小さいときである。また、エンジン本体20の運転領域が高回転領域であるとは、エンジン回転速度が第3所定回転速度RS3以上のときである。尚、低回転荷領域は、エンジン本体20の運転領域の1/2以下であってよい。すなわち、第3所定回転速度RS3は、エンジン回転速度の最大値の1/2以下であってよい。更に、この場合、二次空気供給運転領域を、低回転領域の少なくとも一部の運転領域としてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。しかしながら、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出すると、警告音を出力してもよい。二次空気不足検出部93が、第2開閉弁82及び第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出した場合も同様である。二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出した場合も同様である。二次空気不足検出部93が、第2専用二次空気供給通路部287の詰まり、または、第2専用リード弁284の閉弁状態での固着を検出した場合も同様である。二次空気不足検出部93が、第2専用二次空気供給通路部287の詰まりかけを検出した場合も同様である。更に、開閉弁開弁異常検出部94、専用リード弁開弁異常検出部95も同様である。
上記各実施形態及び各変形例では、二次空気不足検出部93の検出タイミングは、二次空気供給制御部91が第2開閉弁82または第1開閉弁83を開弁状態となるように制御している場合である。つまり、二次空気不足検出部93の検出タイミングは、エンジン本体20が冷機状態である場合、または、エンジン本体20が暖機状態であって、且つ、エンジン本体20が二次空気供給領域内の所定の運転領域で運転されている場合である。しかしながら、二次空気不足検出部93の検出タイミングは、エンジン本体20が暖機状態で、且つ、二次空気供給運転領域以外の所定の運転領域で運転している場合であってもよい。この場合、ECU90は、検出タイミングにおいて、第2開閉弁82または第1開閉弁83を開弁状態となるように制御する。そして、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。つまり、このような場合、通常、専用排気通路部66に二次空気を供給しない。しかしながら、このような場合であっても、専用排気通路部66に二次空気を供給することにより、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出することができる。第二の実施形態において、第2専用二次空気供給通路部287の詰まり、または、第2専用リード弁284の閉弁状態での固着を検出する検出タイミングも同様である。
上記第一の実施形態では、二次空気不足検出部93は、二次空気不供給検出値を用いて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。しかしながら、二次空気不足検出部93は、後述する二次空気不供給検出閾値を指標として、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。具体的には、二次空気不足検出部93が、空燃比X0と空燃比A1との差または空燃比X1と空燃比A1との差と、予め設定した二次空気不供給検出閾値とを比較してもよい。二次空気不供給検出閾値は、ECU90に予め記憶される。第二の実施形態も同様である。
上記第一の実施形態では、エンジンユニット11は、酸素センサ74及び第1下流二次空気温度センサ76bを有している。しかしながら、第一の実施形態の変形例のエンジンユニット11は、後述するセンサ75、76a1、76a2、77a1、77a2、77b、78a、78bの少なくともいずれか1つをさらに備えてよい。そして、二次空気不足検出部93は、センサ74、75、76b、77a1、77b、78a、78bの少なくともいずれか1つの信号を用いて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。また、二次空気不足検出部93は、センサ74、75、76b、77a1、77b、78aの少なくともいずれか1つの信号を用いて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。また、二次空気不足検出部93は、センサ74、75、76a、76b、77a2、77b、78bの少なくともいずれか1つの信号を用いて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出してよい。また、二次空気不足検出部93は、センサ74、75、76a、76b、77a、77b、78の少なくともいずれか1つの信号を用いて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。また、開閉弁開弁異常検出部94は、センサ74、76a2、76b、77a2、77b、78bの少なくともいずれか1つの信号を用いて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出してよい。また、専用リード弁開弁異常検出部95は、センサ76a1、76a2、76b、77a1、77a2、77bの少なくともいずれか1つの信号を用いて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出してよい。また、ポンプ異常検出部96は、センサ74、75、76b、77a1、77b1、78aの少なくともいずれか1つの信号を用いて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。
図5及び図6に示すように、エンジンユニット11が、排ガス温度センサ75を有してよい。排ガス温度センサ75は、専用排気経路67の触媒65より下流の位置に設けられている。具体的には、排ガス温度センサ75は、集合排気通路部63の触媒65より下流の位置に設けられる。図3に示すように、排ガス温度センサ75は、集合排気通路部63のテーパー部63cに設けられている。排ガス温度センサ75は、触媒65に流入する排ガスの温度を検出する。尚、排ガス温度センサ75は、水平部63bに配置してよい。また、排ガス温度センサ75は、マフラー64内に配置してよい。図8に示すように、排ガス温度センサ75は、ECU90に接続される。
図5及び図6に示すように、エンジンユニット11が、第2上流二次空気温度センサ76a1を有してよい。第2上流二次空気温度センサ76a1は、強制供給経路91aに設けられている。第2上流二次空気温度センサ76a1は、エアポンプ81より下流であって、第2開閉弁82より上流の位置に配置される。つまり、第2上流二次空気温度センサ76a1は、強制供給通路部91cの第2大気側二次空気供給通路部88cに配置される。第2上流二次空気温度センサ76a1は、強制供給経路91a(第2大気側二次空気供給通路部88c)内の温度を検出する。また、エンジンユニット11が、第1上流二次空気温度センサ76a2を有してよい。第1上流二次空気温度センサ76a2は、差圧応動経路92aに設けられている。第1上流二次空気温度センサ76a2は、第1開閉弁83より上流の位置に配置される。つまり、第1上流二次空気温度センサ76a2は、差圧応動供給通路部92cの第1大気側二次空気供給通路部88aに配置される。第1上流二次空気温度センサ76a2は、差圧応動経路92a(第1大気側二次空気供給通路部88a)内の温度を検出する。図8に示すように、第2上流二次空気温度センサ76a1及び第1上流二次空気温度センサ76a2は、ECU90に接続される。
図5及び図6に示すように、エンジンユニット11が、第2上流圧力センサ77a1、第1上流圧力センサ77a2及び3つの第1下流圧力センサ77bを有してよい。第2上流圧力センサ77a1は、強制供給経路91aに設けられている。第2上流圧力センサ77a1は、エアポンプ81より下流であって、第2開閉弁82より上流の位置に配置される。つまり、第2上流圧力センサ77a1は、強制供給通路部91cの第2大気側二次空気供給通路部88cに配置される。第2上流圧力センサ77a1は、強制供給経路91a(第2大気側二次空気供給通路部88c)内の圧力を検出する。第1上流圧力センサ77a2は、差圧応動経路92aに設けられている。第1上流圧力センサ77a2は、第1開閉弁83より上流の位置に配置される。つまり、第1上流圧力センサ77a2は、差圧応動供給通路部92cの第1大気側二次空気供給通路部88aに配置される。第1上流圧力センサ77a2は、差圧応動経路92a(第1大気側二次空気供給通路部88a)内の圧力を検出する。第1下流圧力センサ77bは、それぞれ、専用大気側二次空気供給通路部88bに配置される。第1下流圧力センサ77bは、専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力を検出する。図8に示すように、第2上流圧力センサ77a1、第1上流圧力センサ77a2及び3つの第1下流圧力センサ77bは、ECU90に接続される。上記実施形態では、3つの第1下流圧力センサ77bは、各専用大気側二次空気供給通路部88b内に配置される。しかしながら、3つの第1下流圧力センサ77bは、各専用二次空気供給通路部87に配置されてもよい。
図5及び図6に示すように、エンジンユニット11が、第2流量センサ78a及び第1流量センサ78bを有してよい。第2流量センサ78aは、強制供給経路91aに設けられている。第2流量センサ78aは、エアポンプ81より下流であって、第2開閉弁82より上流の位置に配置される。つまり、第2流量センサ78aは、強制供給通路部91cの第2大気側二次空気供給通路部88cに配置される。第2流量センサ78aは、強制供給経路91a(第2大気側二次空気供給通路部88c)内を通過する気体の流量を検出する。第1流量センサ78bは、差圧応動経路92aに設けられている。第1流量センサ78bは、第1開閉弁83より上流の位置に配置される。つまり、第1流量センサ78bは、差圧応動供給通路部92cの第1大気側二次空気供給通路部88aに配置される。第1流量センサ78bは、差圧応動経路92a(第1大気側二次空気供給通路部88a)内を通過する気体の流量を検出する。図8に示すように、流量センサ78は、ECU90に接続される。第2流量センサ78a及び第1流量センサ78bは、例えば、カルマン渦式流量センサや熱式流量センサである。
第一の実施形態において、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じると、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が少なくなる、または、なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が不足すると、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度が、予め記憶されている所定値以下である時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じると、専用二次空気供給通路部87と専用大気側二次空気供給通路部88bが遮断される。そのため、専用排気通路部66内の排気脈動によって、専用排気通路部66の熱い排ガスが、専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流しなくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、低くなる。二次空気不足検出部93は、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より低い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、以下の場合に、第2上流圧力センサ77a1または第1下流圧力センサ77bの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。その場合とは、二次空気供給制御部91が、第1開閉弁83を閉弁状態になるように、第2開閉弁82を開弁状態になるように、エアポンプ81が作動するように制御している場合である。専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じると、専用二次空気供給通路部87と専用大気側二次空気供給通路部88bが遮断される。ここで、二次空気供給制御部91が、第1開閉弁83を閉弁状態になるように、第2開閉弁82を開弁状態になるように、エアポンプ81が作動するように制御すると、強制供給経路91aに二次空気が圧送される。しかしながら、圧送された二次空気は、専用排気通路部66に供給されず、強制供給通路部91c内に留まる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、強制供給通路部91c内の圧力が高くなる。二次空気不足検出部93は、第1上流圧力センサ77a2で検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内の圧力、または、第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、予め記憶されている所定値より高い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第2上流圧力センサ77a1で検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内の圧力、及び、第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1流量センサ78bまたは第2流量センサ78aの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じた場合、専用排気通路部66に供給される二次空気が不足する。つまり、第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88cを通過する二次空気が少なくなる、または、なくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が少なくなる、または、なくなる。そして、第1流量センサ78bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下となる。また、第2流量センサ78aで検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下となる。二次空気不足検出部93は、第1流量センサ78bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。また、二次空気不足検出部93は、第2流量センサ78aで検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1流量センサ78bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量及び第2流量センサ78aで検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、第1下流二次空気温度センサ76b、第2上流圧力センサ77a1、第1下流圧力センサ77b、第1流量センサ78b及び、第2流量センサ78aのいずれか2つ以上の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出して良い。二次空気不足検出部93が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実に専用排気通路部66に専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、第1専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出することができる。
次に、二次空気不足検出部93が、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。第2開閉弁82が閉弁状態で固着すると、専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されない。専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されないと、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75で検出される触媒65に流入する排ガスの温度が、予め記憶されている所定値以下である時に、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。第2開閉弁82の閉弁状態での固着が生じると、強制供給経路91aが遮断される。専用大気側二次空気供給通路部88bに冷たい二次空気が通過しない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、高くなる。二次空気不足検出部93は、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より高い時に、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第2上流圧力センサ77a1の信号に基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。第2開閉弁82の閉弁状態での固着が生じると、強制供給経路91aが遮断される。そして、エアポンプ81が作動されると、強制供給経路91aに二次空気が圧送される。しかしながら、圧送された二次空気は、専用大気側二次空気供給通路部88bに供給されず、第2大気側二次空気供給通路部88cの第2開閉弁82より上流の部分に留まる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第2大気側二次空気供給通路部88cの第2開閉弁82より上流の部分内の圧力が高くなる。二次空気不足検出部93は、第2上流圧力センサ77a1で検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内の圧力が、予め記憶されている所定値より高い時に、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第2上流圧力センサ77a1で検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1下流圧力センサ77bの信号に基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。第2開閉弁82の閉弁状態での固着が生じると、強制供給経路91aが遮断される。そして、エアポンプ81が作動されると、強制供給経路91aに二次空気が圧送される。しかしながら、圧送された二次空気は、専用大気側二次空気供給通路部88bに供給されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、低くなる。二次空気不足検出部93は、第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、予め記憶されている所定値より低い時に、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第2流量センサ78aの信号に基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。第2開閉弁82の閉弁状態での固着が生じた場合、強制供給経路91aが遮断される。つまり、第2大気側二次空気供給通路部88cを二次空気が通過しない。従って、第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量がなくなる。そして、第2流量センサ78aで検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下となる。二次空気不足検出部93は、第2流量センサ78aで検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第2流量センサ78aで検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、第1下流二次空気温度センサ76b、第2上流圧力センサ77a1、第1下流圧力センサ77b、及び、第2流量センサ78aのいずれか2つ以上の信号に基づいて、第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出して良い。二次空気不足検出部93が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実に第2開閉弁82の閉弁状態での固着を検出することができる。
次に、二次空気不足検出部93が、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83が閉弁状態で固着すると、専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されない。専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されないと、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75で検出される触媒65に流入する排ガスの温度が、予め記憶されている所定値以下である時に、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83の閉弁状態での固着が生じると、差圧応動経路92aが遮断される。専用大気側二次空気供給通路部88bに冷たい二次空気が通過しない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、高くなる。二次空気不足検出部93は、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より高い時に、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1上流圧力センサ77a2の信号に基づいて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83の閉弁状態での固着が生じると、差圧応動経路92aが遮断される。そのため、専用排気通路部66内の排気脈動によって、第1大気側二次空気供給通路部88aが変化しない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1上流圧力センサ77a2で検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内の圧力が、高くなる。二次空気不足検出部93は、第1上流圧力センサ77a2で検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内の圧力が、予め記憶されている所定値より高い時に、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1上流圧力センサ77a2で検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1下流圧力センサ77bの信号に基づいて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83の閉弁状態での固着が生じると、差圧応動経路92aが遮断される。そのため、専用排気通路部66内の排気脈動によって、専用排気通路部66の排ガスが、専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流する。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、低くなる。二次空気不足検出部93は、第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、予め記憶されている所定値より低い時に、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1流量センサ78bの信号に基づいて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83の閉弁状態での固着が生じた場合、差圧応動経路92aが遮断される。つまり、第1大気側二次空気供給通路部88aを二次空気が通過しない。従って、第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量がなくなる。そして、第1流量センサ78bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下となる。二次空気不足検出部93は、第1流量センサ78bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1流量センサ78bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、第1下流二次空気温度センサ76b、第1上流圧力センサ77a2、第1下流圧力センサ77b、及び、第1流量センサ78bのいずれか2つ以上の信号に基づいて、第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出して良い。二次空気不足検出部93が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実に第1開閉弁83の閉弁状態での固着を検出することができる。
次に、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87を通って専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が、所定流量より少なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足と、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。そこで、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけた場合、排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度は、予め記憶されている所定値より低くなる。二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度が、予め記憶されている所定値よりも低い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87の有効流路面積が狭くなる。そのため、専用排気通路部66内の排気脈動によって、専用排気通路部66の排ガスが、専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流しにくくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、低くなる。二次空気不足検出部93は、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より低い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例は、二次空気不足検出部93は、以下の場合に、第2上流圧力センサ77a1または第1下流圧力センサ77bの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。その場合とは、二次空気供給制御部91が、第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御し、第2開閉弁82を開弁状態となるように制御し、エアポンプ81を作動するように制御している場合である。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87の有効流路面積が狭くなる。ここで、二次空気供給制御部91が、第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御し、第2開閉弁82を開弁状態となるように制御し、エアポンプ81を作動するように制御すると、強制供給経路91aに二次空気が圧送される。しかしながら、圧送された二次空気の一部が、専用排気通路部66に供給されず、強制供給通路部91c内に留まる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、強制供給通路部91c内の圧力が高くなる。二次空気不足検出部93は、第1上流圧力センサ77a2で検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内の圧力、または、第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、予め記憶されている所定値より高い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1上流圧力センサ77a2で検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内の圧力、または、第1下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、第1流量センサ78bまたは第2流量センサ78aの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87の有効流路面積が狭くなる。つまり、第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88cを通過する二次空気が少なくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が少なくなる。二次空気不足検出部93は、流量センサ78で検出される第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め第1流量センサ78bまたは第2流量センサ78aで検出される第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、第1下流二次空気温度センサ76b、第2上流圧力センサ77a1、第1下流圧力センサ77b、及び、第1流量センサ78b、第2流量センサ78aのいずれか2つ以上の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出して良い。二次空気不足検出部93が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実に専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出することができる。
上記実施形態では、開閉弁開弁異常検出部94は、酸素センサ74の信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。しかしながら、開閉弁開弁異常検出部94は、上述したセンサの信号を用いて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出してよい。1つの変形例では、開閉弁開弁異常検出部94は、第1上流二次空気温度センサ76a2または第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83が開弁状態で固着すると、二次空気供給制御部91が第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御しても、第1開閉弁83は閉弁状態とならない。そのため、専用排気通路部66内の排気脈動によって、差圧応動経路92aに冷たい二次空気が供給される。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1上流二次空気温度センサ76a2で検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内の温度が、低くなる。また、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、低くなる。開閉弁開弁異常検出部94は、第1上流二次空気温度センサ76a2または第1下流二次空気温度センサ76bで検出される温度が、所定値以下となる場合に、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め第1上流二次空気温度センサ76a2または第1下流二次空気温度センサ76bで検出される温度に基づいて設定される。
別の変形例は、開閉弁開弁異常検出部94は、第1上流二次空気温度センサ76a2及び第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83が開弁状態で固着すると、第1開閉弁83が閉弁状態となるように制御された場合であっても、第1開閉弁83は閉弁状態とならない。そして、専用排気通路部66内の排気脈動によって、差圧応動経路92aに冷たい二次空気が供給される。開閉弁開弁異常検出部94は、2つの二次空気温度センサ76a1、76bで検出される温度の差が、所定の閾値以下となると、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。ここでいう所定の閾値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め、第1上流二次空気温度センサ76a2及び第1下流二次空気温度センサ76bで検出される温度の差である。2つ目の温度は、第1開閉弁83が閉弁状態の場合に、予め、第1上流二次空気温度センサ76a2及び第1下流二次空気温度センサ76bで検出される温度の差に基づいて設定される。
別の変形例は、開閉弁開弁異常検出部94は、第1上流圧力センサ77a2または第1下流圧力センサ77bの信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83が開弁状態で固着すると、二次空気供給制御部91が第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御したとしても、第1開閉弁83は閉弁状態とならない。そして、専用排気通路部66の排気脈動に伴って、差圧応動経路92a内の圧力が負圧へ変動する。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1上流圧力センサ77a2または第1下流圧力センサ77bで検出される差圧応動供給通路部92c内の圧力が、低くなる。開閉弁開弁異常検出部94は、第1上流圧力センサ77a2または第1下流圧力センサ77bで検出される圧力が、予め記憶されている所定値より低い時に、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1上流圧力センサ77a2または第1下流圧力センサ77bで検出される圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、開閉弁開弁異常検出部94は、第1流量センサ78bの信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出してよい。第1開閉弁83が開弁状態で固着すると、二次空気供給制御部91が第1開閉弁83を閉弁状態となるように制御した場合に、第1開閉弁83が閉弁状態とならない。そして、専用排気通路部66内の排気脈動によって、差圧応動経路92aに二次空気が供給される。つまり、専用排気通路部66内の排気脈動に伴って、第1大気側二次空気供給通路部88a内を気体が通過する。開閉弁開弁異常検出部94は、第1流量センサ78bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が所定流量以上となる場合に、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出する。ここでいう所定流量は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め第1流量センサ78bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、開閉弁開弁異常検出部94は、上述した酸素センサ74、第1上流二次空気温度センサ76a2、第1下流二次空気温度センサ76b、第1上流圧力センサ77a2、第1下流圧力センサ77b、及び、第1流量センサ78bのいずれか2つ以上の信号に基づいて、第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出して良い。開閉弁開弁異常検出部94が、2つ以上のセンサの信号を用いた場合、より確実に第1開閉弁83の開弁状態での固着を検出することができる。
上記実施形態では、専用リード弁開弁異常検出部95は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。しかしながら、専用リード弁開弁異常検出部95は、上述したセンサの信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出してよい。1つの変形例は、専用リード弁開弁異常検出部95は、第1上流二次空気温度センサ76a2または第2上流二次空気温度センサ76a1の信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出してよい。第1専用リード弁84が開弁状態で固着していると、専用排気通路部66の排気脈動に伴って、専用大気側二次空気供給通路部88bを通って、第1大気側二次空気供給通路部88aおよび第2大気側二次空気供給通路部88c内に熱い排ガスが逆流する。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1上流二次空気温度センサ76a2または第2上流二次空気温度センサ76a1で検出される第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88c内の温度が、高くなる。二次空気不足検出部93は、第1上流二次空気温度センサ76a2または第2上流二次空気温度センサ76a1で検出される第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88c内の温度が、予め記憶されている所定値より高い時に、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1上流二次空気温度センサ76a2または第2上流二次空気温度センサ76a1で検出される第1大気側二次空気供給通路部88aまたは第2大気側二次空気供給通路部88c内の温度に基づいて設定される。
別の変形例では、専用リード弁開弁異常検出部95は、第1上流圧力センサ77a2、第2上流圧力センサ77a1、または、第1下流圧力センサ77bの信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出してよい。第1専用リード弁84が開弁状態で固着していると、専用排気通路部66の排気脈動に伴って、第1大気側二次空気供給通路部88a、第2大気側二次空気供給通路部88c、または、専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が負圧に変動する。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1上流圧力センサ77a2、第2上流圧力センサ77a1、または、第1下流圧力センサ77bで検出される第1大気側二次空気供給通路部88a、第2大気側二次空気供給通路部88c、または、専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、低くなる。専用リード弁開弁異常検出部95は、第1上流圧力センサ77a2、第2上流圧力センサ77a1、または、第1下流圧力センサ77bで検出される圧力が、予め記憶されている所定値より低い時に、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1上流圧力センサ77a2、第2上流圧力センサ77a1、または、第1下流圧力センサ77bで検出される圧力に基づいて設定される。
尚、専用リード弁開弁異常検出部95は、上述した第1上流二次空気温度センサ76a2、第2上流二次空気温度センサ76a1、第1下流二次空気温度センサ76b、第1上流圧力センサ77a2、第2上流圧力センサ77a1、及び、第1下流圧力センサ77bのいずれか2つ以上の信号に基づいて、第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出して良い。専用リード弁開弁異常検出部95が、2つ以上のセンサの信号を用いた場合、より確実に第1専用リード弁84の開弁状態での固着を検出することができる。
次に、ポンプ異常検出部96が、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、ポンプ異常検出部96は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少なくなると、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が少なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が不足すると、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。ポンプ異常検出部96は、排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度が、予め記憶されている所定値以下である時に、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、ポンプ異常検出部96は、第1下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用排気通路部66内の排気脈動によって、専用排気通路部66の排ガスが、専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流しやすくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、高くなる。ポンプ異常検出部96は、第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より高い時に、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第1下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例は、ポンプ異常検出部96は、第2上流圧力センサ77a1または第1下流圧力センサ77bの信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、自動二輪車1の初期状態と比較して、強制供給通路部91c内の圧力が低くなる。ポンプ異常検出部96は、第2上流圧力センサ77a1または第1下流圧力センサ77bで検出される第2大気側二次空気供給通路部88cまたは専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、予め記憶されている所定値より低い時に、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第2上流圧力センサ77a1または第1下流圧力センサ77bで検出される第2大気側二次空気供給通路部88cまたは専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、ポンプ異常検出部96は、第2流量センサ78aの信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、第2大気側二次空気供給通路部88cを通過する二次空気が少なくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が少なくなる、または、なくなる。そして、第2流量センサ78aで検出され第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下となる。ポンプ異常検出部96は、第2流量センサ78aで検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された第2流量センサ78aで検出される第2大気側二次空気供給通路部88c内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、第1下流二次空気温度センサ76b、第2上流圧力センサ77a1、第1下流圧力センサ77b、及び、第2流量センサ78aのいずれか2つ以上の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出して良い。ポンプ異常検出部96が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実にエアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することができる。
上記第二の実施形態では、エンジンユニット11は、酸素センサ74及び第1下流二次空気温度センサ76bを有している。しかしながら、エンジンユニット11は、第一の実施形態の変形例で説明したセンサ75、76a1、76a2、77a1、77a2、77b、78a、78bに加えて、センサ276b、277bの少なくともいずれか1つをさらに備えてよい。
図10に示すように、エンジンユニット11が、3つの第2下流二次空気温度センサ276bまたは3つの第2下流圧力センサ277bを有してよい。第2下流二次空気温度センサ276bおよび第2下流圧力センサ277bは、それぞれ、第2専用大気側二次空気供給通路部288bに配置される。第2下流二次空気温度センサ276bは、第2専用大気側二次空気供給通路部288b内の温度を検出する。第2下流圧力センサ277bは、第2専用大気側二次空気供給通路部288b内の圧力を検出する。図示しないが、第2下流二次空気温度センサ276bおよび第2下流圧力センサ277bは、ECU90に接続される。上記実施形態では、3つの第2下流二次空気温度センサ276bおよび3つの第2下流圧力センサ277bは、各第2専用大気側二次空気供給通路部288b内に配置される。しかしながら、3つの第2下流二次空気温度センサ276bまたは3つの第2下流圧力センサ277bは、各第2専用二次空気供給通路部287に配置されてもよい。
第二の実施形態の二次空気不足検出部93は、以下の場合において、第一の実施形態の二次空気不足検出部93において用いた第1下流二次空気温度センサ76bおよび第1下流圧力センサ77bの信号の代わりに、第2下流二次空気温度センサ276bおよび第2下流圧力センサ277bの信号を用いる点のみが、第一の実施形態の二次空気不足検出部93と異なる。第二の実施形態の二次空気不足検出部93の詳細な説明は省略する。以下の場合とは、第2専用二次空気供給通路部287の詰まり、または、第2専用リード弁284の閉弁状態での固着を検出する場合である。また、第2開閉弁82の閉弁状態の固着を検出する場合である。また、第2専用二次空気供給通路部287の詰まりかけを検出する場合である。
第二の実施形態の開閉弁開弁異常検出部94と第一の実施形態の開閉弁開弁異常検出部94とは、同様である。第二の実施形態の開閉弁開弁異常検出部94の詳細な説明は省略する。
同様に、第二の実施形態の専用リード弁開弁異常検出部95は、以下の場合において、第一の実施形態の専用リード弁開弁異常検出部95において用いた第1下流二次空気温度センサ76bおよび第1下流圧力センサ77bの信号の代わりに、第2下流二次空気温度センサ276bおよび第2下流圧力センサ277bの信号を用いる。以下の場合とは、第2専用リード弁284の開弁状態の固着を検出する場合である。第二の実施形態の専用リード弁開弁異常検出部95と第一の実施形態の専用リード弁開弁異常検出部95との相違点は、この点のみである。第二の実施形態の専用リード弁開弁異常検出部95の詳細な説明は省略する。
同様に、第二の実施形態のポンプ異常検出部96は、第一の実施形態のポンプ異常検出部96において用いた第1下流二次空気温度センサ76bおよび第1下流圧力センサ77bの信号の代わりに、第2下流二次空気温度センサ276bおよび第2下流圧力センサ277bの信号を用いる点が異なる。第二の実施形態のポンプ異常検出部96と第一の実施形態のポンプ異常検出部96との相違点は、この点のみである。第二の実施形態のポンプ異常検出部96の詳細な説明は省略する。
尚、ECU90は、二次空気不足検出部93を備えなくてよい。ECU90は、開閉弁開弁異常検出部94を備えなくてよい。また、ECU90は、専用リード弁開弁異常検出部95を備えなくてよい。また、ECU90は、ポンプ異常検出部96を備えなくてよい。ECU90が専用リード弁開弁異常検出部95を備えない場合、エンジンユニット11は、第1下流二次空気温度センサ76bを備えなくてよい。
上記各実施形態及び各変形例では、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出している。しかしながら、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出しなくてよい。第二実施形態において、二次空気不足検出部93は、第2専用二次空気供給通路部287の詰まりかけを検出する場合も同様である。
上記各実施形態及び各変形例では、二次空気不足検出部93は、第2開閉弁82または第1開閉弁83が閉弁状態で固着していることを検出している。しかしながら、二次空気不足検出部93は、第2開閉弁82または第1開閉弁83が閉弁状態で固着していることを検出しなくてよい。
上記各実施形態及び各変形例では、インジェクタ55が本発明の燃料供給装置に相当する。しかし、本発明の燃料供給装置は、インジェクタに限らない。本発明の燃料供給装置は、燃焼室内に燃料を供給する装置であればよい。本発明の燃料供給装置は、例えば、負圧により燃焼室に燃料を供給するキャブレターであってもよい。
上記各実施形態及び各変形例のエンジンユニット11は3気筒エンジンであるが、3気筒以外の多気筒エンジンであってもよい。また、上記実施形態のエンジンユニット11は3気筒が車幅方向に並んだ並列型エンジンであるが、複数の気筒が前後方向に配置された直列型エンジンであってもよい。また、並列型と直列型を併用したエンジンであってもよい。また、エンジンユニット11は、単気筒エンジンであってもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、1つのシリンダ孔22a1に対して1つの燃焼室が設けられるが、1つのシリンダ孔に対して主燃焼室と副燃焼室が設けられてもよい。
上記各実施形態及び各変形例では、シリンダ孔22a1の中心軸線C1は、上下方向に延びる軸線であるが、前後方向に延びる軸線であってもよい。
本発明が適用されるエンジンユニット11は空冷式エンジンであってもよい。
上記各実施形態及び各変形例において、複数の燃焼室30は左右方向に隣り合っている。つまり、上記各実施形態及び各変形例のエンジンユニット11は3気筒が車幅方向に並んだ並列型エンジンである。しかし、複数の燃焼室30は、前後方向に沿って隣り合っていてもよい。つまり、複数の気筒が前後方向に配置された直列型エンジンであってもよい。この場合、3つのシリンダ吸気通路部22b1の開口端は、シリンダヘッド22bの表面の左面または右面に形成される。また、3つのシリンダ排気通路部22b2の開口端は、シリンダヘッド22bの表面の左面または右面に形成される。また、並列型と直列型を併用したエンジンであってもよい。
上記各実施形態及び各変形例のエンジン本体20は、3つの燃焼室30を有する。つまり、上記実施形態のエンジンユニット11は3気筒エンジンである。しかしながら、エンジンユニット11は、3気筒以外の多気筒エンジンであってもよい。つまり、エンジンユニット11が有する燃焼室30の数は、2つであっても、4つ以上であってもよい。
燃焼室30の数が4つ以上の場合、全ての燃焼室30から排出された排ガスが合流しなくてもよい。例えば、燃焼室30の数が4つの場合を例に挙げる。右側の2つの燃焼室30から排出された排ガスと、左側の2つの燃焼室30から排出された排ガスが合流しなくてもよい。右側の2つの燃焼室30に対して1つの触媒65が設けられて、左側の2つの燃焼室30に対して別の触媒65が設けられる。
燃焼室30の数が4つ以上の場合、エンジン本体20は、いわゆる、V型エンジンであってもよい。例えば、V型4気筒エンジンは、前後に2つずつ配置された4つの燃焼室を有する。V型エンジンの前部に設けられる燃焼室を、前燃焼室と称する。複数の前燃焼室は、左右方向に隣り合っている。V型エンジンの後部に設けられる燃焼室を、後燃焼室と称する。複数の後燃焼室は、左右方向に隣り合っている。前燃焼室は、シリンダ排気通路部22b2、独立排気通路部61、集合部材62、集合排気通路部63、及び、マフラー64と連通する。前燃焼室は、本発明における「少なくとも1つの燃焼室」に含まれる。
エンジン本体20がV型エンジンの場合、排気ユニット60は、後燃焼室から排出された排ガスが、前燃焼室から排出された排ガスと合流するように構成されてもよい。例えば、後燃焼室に連通する専用排気通路部の下流端が、集合部材62に接続されてもよい。この場合、後燃焼室から排出された排ガスは、触媒65で浄化される。また、例えば、排気ユニット60は、後燃焼室から排出された排ガスが、前燃焼室から排出された排ガスと合流しないように構成されてもよい。この場合、触媒65とは別に、後燃焼室から排出された排ガスを浄化する触媒が設けられる。後燃焼室は、本発明における「少なくとも1つの燃焼室」に含まれる。
例えば、第一実施形態の場合、前燃焼室の専用排気通路部66と後燃焼室の専用排気通路部66に、それぞれ、二次空気供給通路部89を接続する。この場合、前燃焼室の二次空気供給通路部89において、1つの専用大気側二次空気供給通路部88bの他端部に、2つの専用二次空気供給通路部87(第1専用リード弁84)を連通させる連通部を設けてよい。また、後燃焼室の二次空気供給通路部89においても、1つの専用大気側二次空気供給通路部88bの他端部に、2つの専用二次空気供給通路部87(第1専用リード弁84)を連通させる連通部を設けてよい。前燃焼室の専用排気通路部66と後燃焼室の専用排気通路部66に、共通の二次空気供給通路部89を接続してもよい。
本発明の鞍乗型車両は、上記各実施形態の自動二輪車に限定されるものでなない。なお、鞍乗型車両とは、乗員が鞍にまたがるような状態で乗車する車両全般を指している。本発明の鞍乗型車両には、自動二輪車、三輪車、四輪バギー(ATV:AllTerrainVehicle(全地形型車両))、水上バイク、スノーモービル等が含まれる。鞍乗型車両の前輪は2つ以上であってもよい。鞍乗型車両の後輪は2つ以上であってもよい。
本発明および本明細書において、A方向に延びる方向とは、A方向と平行である場合だけを示すものではない。A方向に延びる方向とは、A方向に対して±45°の範囲で傾斜している方向のことである。また、A方向に延びる軸線とは、A方向と平行な軸線だけを示すものではない。A方向に延びる軸線とは、A方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸線を含む。なお、A方向は、特定の方向を指すものではない。A方向を、水平方向や前後方向に置き換えることができる。
本発明および本明細書において、冷間始動時とは、エンジン本体20が冷機状態で運転を開始する時のことである。シリンダ吸気通路部22b1は、先の出願のシリンダ吸気通路22b1のことである。シリンダ排気通路部22b2は、先の出願の排気通路22b2のことである。集合吸気通路部52は、先の出願の吸気管52のことである。独立吸気通路部54は、先の出願の吸気管54のことである。専用吸気経路57は、先の出願の吸気経路57のことである。独立排気通路部61は、先の出願の排気管61のことである。集合排気通路部63は、先の出願の集合排気管63のことである。専用排気経路67は、先の出願の排気経路67のことである。第1専用リード弁84とは、先の出願のリード弁(第1リード弁)84のことである。専用二次空気供給通路部87は、先の出願の供給通路87のことである。第1大気側二次空気供給通路部88aは、先の出願の配管89d〜89eを含む。専用大気側二次空気供給通路部88bは、先の出願の配管88を含む。第2大気側二次空気供給通路部88cは、先の出願の配管89a〜89cを含む。二次空気供給制御部91は、先の出願の空気供給制御部96のことである。燃料噴射量制御部92は、先の出願の燃料噴射量制御部95のことである。強制供給機構191は、先の出願の強制供給機構91のことである。差圧応動供給機構192は、先の出願の差圧応動供給機構92のことである。第2専用リード弁284は、先の出願のリード弁(第2リード弁)284のことである。
尚、本明細書において、通路部とは、経路を形成する構造物を意味する。経路とは、ガスなどが通過する空間を意味する。本明細書において、専用二次空気供給通路部が詰まりかけているとは、専用二次空気供給通路部の有効流路面積が狭くなっていることを意味する。有効流路面積が狭くなったとは、有効流路面積がゼロの場合を含まないものとする。本明細書において、鞍乗型車両の初期状態とは、二次空気供給装置が正常状態であることをいう。本明細書において、二次空気供給装置が正常状態である場合とは、ポンプ、第1開閉弁、第2開閉弁、第1専用リード弁および第2専用リード弁が正常に動作し、かつ、第1専用リード弁及び第2専用リード弁より二次空気の流れ方向の下流の部分に詰まりまたは詰まりかけが生じていない状態のことをいう。本明細書において、全開状態とは、開度が100%の状態をいう。本明細書において、全閉状態とは、開度が0%の状態をいう。本明細書において、部分的に開いた状態とは、開度が0%より大きく100%より小さい状態をいう。本明細書において、開閉弁を開弁状態となるように制御するとは、二次空気供給制御部(制御部)から開閉弁に、開閉弁を開弁させるための信号が送られた状態のことである。開閉弁が正常に開弁したか否かは問わない。開弁状態とは、弁が開いた状態のことをいう。本明細書において、開閉弁を閉弁状態となるように制御するとは、二次空気供給制御部(制御部)から開閉弁に、開閉弁を閉弁させるための信号が送られた状態のことである。開閉弁が正常に閉弁したか否かは問わない。開弁状態とは、弁が閉じた状態のことをいう。本明細書において、空燃比とは、燃焼室内の混合気の空燃比のことである。本明細書において、理論空燃比とは、混合気中の酸素と燃料が、過不足なく反応する時の空燃比をいう。本明細書において、燃料供給量の制御には、燃料ポンプから供給される燃料の供給量の制御と、インジェクタ(燃料供給装置)が噴射する燃料の噴射時間の制御とが含まれる。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 エンジンユニット
14 表示装置(報知手段)
20 エンジン本体
30 燃焼室
51a,86a 空気吸入口
55 インジェクタ(燃料供給装置)
64 放出口
65 触媒
67 専用排気経路
74 酸素センサ
75 排ガス温度センサ
76a1 第2上流二次空気温度センサ
76a2 第1上流二次空気温度センサ
76b 第1下流二次空気温度センサ
77a1 第2上流圧力センサ
77a2 第1上流圧力センサ
77b 第1下流圧力センサ
78a 第2流量センサ
78b 第1流量センサ
80 空気供給機構
81 エアポンプ(ポンプ)
82 第2開閉弁
83 第1開閉弁
84 第1専用リード弁
87 専用二次空気供給通路部
88b 専用大気側二次空気供給通路部(共有部分)
89 二次空気供給通路部
91a,291a 強制供給経路
92a 差圧応動経路
90 ECU(制御部)
91 二次空気供給制御部(制御部)
92 燃料噴射量制御部(制御部)
93 二次空気不足検出部(制御部)
94 開閉弁開弁異常検出部(制御部)
95 専用リード弁開弁異常検出部(制御部)
96 ポンプ異常検出部(制御部)
191,291 強制供給機構
192 差圧応動供給機構
284 第2専用リード弁
276b 第2下流二次空気温度センサ
277b 第2下流圧力センサ

Claims (29)

  1. 少なくとも1つの燃焼室が内部に形成されたエンジン本体と、
    前記燃焼室ごとに設けられ、前記燃焼室から排出された排ガスが流れる専用排気経路と、
    前記専用排気経路内に配置される触媒と、
    前記専用排気経路の前記触媒よりも排ガスの流れ方向の上流の位置に大気を二次空気として供給する二次空気供給機構と、
    前記二次空気供給機構を制御する制御部とを有するエンジンユニットを備えており、
    前記二次空気供給機構は、
    前記専用排気経路内の圧力と大気圧との差圧によって前記二次空気を前記専用排気経路に供給する差圧応動供給機構と、
    前記専用排気経路内に前記二次空気を強制的に供給する強制供給機構とを有し、
    前記差圧応動供給機構は、前記専用排気経路内の圧力と大気圧との差圧により開閉する第1専用リード弁が途中に配置された差圧応動経路を有し、
    前記強制供給機構は、前記二次空気を前記専用排気経路に向かって圧送するポンプが途中に配置された強制供給経路を有し、
    前記制御部は、前記ポンプの作動と停止を制御し、前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されているときの少なくとも一部で前記ポンプを停止させることを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記制御部は、前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されていないときの少なくとも一部で前記ポンプを作動させることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記制御部は、
    前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されているときの一部でポンプを作動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されていないときは、エンジン始動時を含むことを特徴とする請求項2に記載の鞍乗型車両。
  5. 前記制御部は、前記差圧応動供給機構によって前記専用排気経路に前記二次空気が供給されていないときの一部でポンプを停止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  6. 前記差圧応動供給機構は、
    前記差圧応動経路に配置され、前記制御部によって開閉する動作が制御され、前記差圧応動経路を連通状態と遮断状態とに切り換える第1開閉弁を有し、
    前記強制供給機構は、
    前記強制供給経路に配置され、前記制御部によって開閉する動作が制御され、前記強制供給経路を連通状態と遮断状態とに切り換える第2開閉弁とを有し、
    前記制御部は、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御する場合に、前記ポンプを作動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  7. 前記差圧応動経路と前記強制供給経路は、前記専用排気経路の同じ位置に接続されており、前記二次空気の流れ方向の下流の部分を共有する共有部分を有しており、
    前記ポンプは、前記強制供給経路の前記共有部分よりも前記二次空気の流れ方向の上流に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両。
  8. 前記第1専用リード弁が、前記共有部分に設けられており、
    前記第1専用リード弁は、前記共有部分の前記第1専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の下流部分の圧力が前記共有部分の前記第1専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の上流部分の圧力よりも小さいときに開き、前記下流部分の圧力が前記上流部分の圧力よりも大きいときに閉じることを特徴とする請求項7に記載の鞍乗型車両。
  9. 前記差圧応動経路と前記強制供給経路は、前記専用排気経路の異なる位置に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両。
  10. 前記強制供給機構は、
    前記強制供給経路の前記ポンプよりも前記二次空気の流れ方向の下流に配置された第2専用リード弁を有し、
    前記第2専用リード弁は、前記強制供給経路の前記第2専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の下流部分の圧力が前記強制供給経路の前記第2専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の上流部分の圧力よりも小さいときに開き、前記下流部分の圧力が前記上流部分の圧力よりも大きいときに閉じることを特徴とする請求項9に記載の鞍乗型車両。
  11. 前記エンジン本体は、複数の前記燃焼室を有しており、
    前記差圧応動経路は、前記二次空気の流れ方向の下流の部分が前記燃焼室毎に分岐された複数の差圧分岐経路を有しており、
    前記第1専用リード弁が、前記複数の差圧分岐経路のそれぞれに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  12. 前記強制供給経路は、前記二空気の流れ方向の下流の部分が前記燃焼室毎に分岐された複数の強制分岐経路を有しており、
    前記ポンプは、前記強制供給経路の前記複数の強制分岐経路よりも上流の部分に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の鞍乗型車両。
  13. 前記エンジンユニットは、更に、
    前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の上流に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ、または、
    前記酸素センサと、
    前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の下流の位置または前記触媒に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの温度を検出する排ガス温度センサ、
    前記共有部分の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記共有部分内の温度を検出する第1下流二次空気温度センサ、
    前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内の圧力を検出する第2上流圧力センサ、
    前記共有部分の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記共有部分内の圧力を検出する第1下流圧力センサ、
    前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内を通過する気体の流量を検出する第1流量センサ、及び、
    前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内を通過する気体の流量を検出する第2流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記エンジン本体が少なくとも冷機状態で運転している場合に、前記第1開閉弁または前記第2開閉弁の少なくともいずれか一方を開弁状態となるように制御すると共に、前記第1開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、少なくとも、前記共有部分の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第1専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項8に記載の鞍乗型車両。
  14. 前記制御部は、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記ポンプから圧送される前記二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することを特徴とする請求項13に記載の鞍乗型車両。
  15. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記排ガス温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記第1下流圧力センサ、及び、前記第1流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号に基づいて、前記第1開閉弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項13または14に記載の鞍乗型車両。
  16. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記排ガス温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記第2上流圧力センサ、前記第1下流圧力センサ、及び、前記第2流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号に基づいて、前記第2開閉弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  17. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサと、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の温度を検出する第1上流二次空気温度センサ、前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内の温度を検出する第2上流二次空気温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記第2上流圧力センサ、及び、前記第1下流圧力センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第1専用リード弁の開弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  18. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の温度を検出する第1上流二次空気温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記第1下流圧力センサ、及び、前記第1流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第1開閉弁の開弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項13〜17のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  19. 前記共有部分の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第1専用リード弁の閉弁状態での固着を、前記制御部が検出した際に、報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項13〜18のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  20. 前記エンジンユニットは、更に、
    前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の上流に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ、または、
    前記酸素センサと、
    前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の下流の位置または前記触媒に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの温度を検出する排ガス温度センサ、
    前記差圧供給経路の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の温度を検出する第1下流二次空気温度センサ、及び、
    前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内を通過する気体の流量を検出する第1流量センサ、の少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記エンジン本体が少なくとも冷機状態で運転している場合に、前記第1開閉弁または前記第2開閉弁の少なくともいずれか一方を開弁状態となるように制御すると共に、前記第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、少なくとも、前記差圧供給経路の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第1専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項10に記載の鞍乗型車両。
  21. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記排ガス温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の下流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1下流圧力センサ、及び、前記第1流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1開閉弁を開弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号に基づいて、前記第1開閉弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項20に記載の鞍乗型車両。
  22. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記第1下流二次空気温度センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1上流圧力センサ、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の下流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の圧力を検出する第1下流圧力センサ、及び、前記第1流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第1開閉弁の開弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項20または21に記載の鞍乗型車両。
  23. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサと、前記差圧供給経路の前記第1開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記差圧供給経路内の温度を検出する第1上流二次空気温度センサ、前記第1下流二次空気温度センサ、及び、前記第1下流圧力センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第1専用リード弁の開弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項20〜22のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  24. 前記差圧供給経路の前記第1専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第1専用リード弁の閉弁状態での固着を、前記制御部が検出した際に、報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項20〜23のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  25. 前記エンジンユニットは、更に、
    前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の上流に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ、または、
    前記酸素センサと、
    前記専用排気経路の前記触媒より排ガスの流れ方向の下流の位置または前記触媒に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの温度を検出する排ガス温度センサ、
    前記強制供給経路の前記第2専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記強制供給経路内の温度を検出する第2下流二次空気温度センサ、
    前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内の圧力を検出する第2上流圧力センサ、
    前記強制供給経路の前記第2専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記強制供給経路内の圧力を検出する第2下流圧力センサ、及び、
    前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記強制供給経路内を通過する気体の流量を検出する第2流量センサ、の少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記エンジン本体が少なくとも冷機状態で運転している場合に、前記第1開閉弁または前記第2開閉弁の少なくともいずれか一方を開弁状態となるように制御すると共に、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、少なくとも、前記強制供給経路の前記第2専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第2専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項10に記載の鞍乗型車両。
  26. 前記制御部は、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記ポンプから圧送される前記二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することを特徴とする請求項25に記載の鞍乗型車両。
  27. 前記制御部は、前記第1開閉弁を閉弁状態となるように制御し、且つ、前記第2開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号に基づいて、前記第2開閉弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項25または26に記載の鞍乗型車両。
  28. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサと、前記強制供給経路の前記第2開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記強制供給経路の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置の位置に設けられ、前記強制供給経路内の温度を検出する第2上流二次空気温度センサ、前記第2下流二次空気温度センサ、前記第2上流圧力センサ、及び、前記第2下流圧力センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記第2専用リード弁の開弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項25〜27のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  29. 前記強制供給経路の前記第2専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の下流の部分の詰まり、または、前記第2専用リード弁の閉弁状態での固着を、前記制御部が検出した際に、報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項25〜28のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
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