JP2016118205A - 鞍乗型車両 - Google Patents

鞍乗型車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2016118205A
JP2016118205A JP2015249341A JP2015249341A JP2016118205A JP 2016118205 A JP2016118205 A JP 2016118205A JP 2015249341 A JP2015249341 A JP 2015249341A JP 2015249341 A JP2015249341 A JP 2015249341A JP 2016118205 A JP2016118205 A JP 2016118205A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary air
dedicated
air supply
supply passage
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015249341A
Other languages
English (en)
Inventor
貴比古 原
Takahiko Hara
貴比古 原
昌登 西垣
Masataka Nishigaki
昌登 西垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Publication of JP2016118205A publication Critical patent/JP2016118205A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

【課題】触媒の浄化性能を向上でき、鞍乗型車両の重量バランスを向上でき、鞍乗型車両の大型化を抑制することができる鞍乗型車両を提供する。【解決手段】鞍乗型車両は、エンジン本体20と、専用排気経路と、触媒65と、専用二次空気供給経路80aと、電気的に制御されるエアポンプ81とを含むエンジンユニット11を有する。触媒65は、エンジン本体20の下方に配置されている。エアポンプ81は、エンジン本体20の上方に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、鞍乗型車両に関する。
エンジンを搭載する自動二輪車等の鞍乗型車両において、排ガスを浄化する触媒が専用排気経路中に配置されたものが、例えば下記特許文献1に示されている。触媒は、高温となって活性化することで、浄化性能を発揮する。しかしながら、特許文献1においては、触媒がエンジンの下方に配置されているため、専用排気経路を通過する排ガスが触媒に向かう間に冷却される。そのため、触媒を不活性状態から活性化させるのに時間がかかる問題があった。
この問題を解決するために、触媒の配置に工夫を施した鞍乗型車両が、例えば特許文献2に示されている。特許文献2において、触媒は、エンジンのクランクケースの前方で前輪より後方に、車幅方向に横臥して配置される。このように、触媒を、クランクケースの前方で専用排気経路の上流に配置している。この構成により、触媒の配置に必要なスペースが、上下前後方向に大きくなるのを抑制することができる。また、この構成により、前輪の後方の必要なスペースを確保しつつ、触媒を配置することができる。前輪の後方の必要なスペースは、前輪の可動範囲を含む。そして、触媒を専用排気経路の上流に配置するため、燃焼室から触媒までの経路が短い。このため、短い経路で触媒に排気熱を伝えて触媒の不活性状態から活性化を早め、触媒の浄化性能を向上することができる。また、触媒を配置することによる上下前後方向のスペース増大を抑制し、前輪の後方の必要なスペースが確保できる。
特許4537556号公報 特開2014−137001号公報
しかしながら、上記特許文献2においては、スペースを確保しにくいクランクケースの前方に触媒を配置するために、触媒を車幅方向に横臥して配置する必要がある。この結果、触媒を不活性状態から早期に活性化させ、触媒の浄化性能を向上させることが可能である。しかしながら、触媒の配置位置に制限を受けるため、触媒が配置される専用排気経路の形状も制限を受ける。このように触媒の配置位置及び専用排気経路の形状に制限を受けると、鞍乗型車両の重量バランスがとりにくくなる。
本発明は、触媒の浄化性能を向上でき、鞍乗型車両の重量バランスを向上でき、鞍乗型車両の大型化を抑制することができる鞍乗型車両を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の鞍乗型車両は、少なくとも1つの燃焼室が内部に形成されたエンジン本体と、前記燃焼室から排出された排ガスが流れる専用排気経路と、前記専用排気経路内に配置され、少なくとも一部が前記エンジン本体の下方に位置する触媒と、前記専用排気経路の前記触媒よりも排ガスの流れ方向の上流の位置に大気を二次空気として供給する専用二次空気供給経路と、前記専用二次空気供給経路の途中に配置され、電気で制御され、少なくとも一部が前記エンジン本体の上方に位置しており、前記二次空気を前記専用排気経路に向かって圧送するポンプと、前記ポンプの作動及び停止を制御する制御部と、を有するエンジンユニットを備えていることを特徴とする。
本発明の鞍乗型車両は、エンジン本体と、専用排気経路と、触媒と、専用二次空気供給経路と、ポンプと、制御部と、を有するエンジンユニットを備える。エンジン本体は、少なくとも1つの燃焼室が内部に形成される。専用排気経路は、燃焼室から排出された排ガスが流れる。触媒は、専用排気経路内に配置され、少なくとも一部がエンジン本体の下方に位置する。専用二次空気供給経路は、専用排気経路の触媒よりも排ガスの流れ方向の上流の位置に大気(空気)を二次空気として供給する。ポンプは、専用二次空気供給経路の途中に配置され、電気で制御される。ポンプは、少なくとも一部がエンジン本体の上方に位置しており、二次空気を排気経路に向かって圧送する。制御部は、ポンプの作動及び停止を制御する。即ち、エンジンユニットは、二次空気供給経路から専用排気経路へ二次空気を供給することが可能なポンプを備えている。そのため、専用排気経路に、空気供給量、すなわち、酸素供給量が増え、触媒に送られる排ガスの熱量を増加させることができる。さらに触媒がエンジン本体の下方に配置されており、排ガスの温度低下が小さい状態で排ガスを触媒に送ることができる。したがって、触媒の浄化性能を向上できる。特に、エンジン始動時や低回転時等のエンジン本体が冷機状態で運転されている時には、触媒の浄化性能を向上させることができる。このように触媒の浄化性能を向上できるため、触媒をエンジン本体の下方という範囲内で自由に設置できる。ポンプをエンジン本体の上方に配置し、触媒をエンジン本体の下方に配置することで鞍乗型車両の重量バランスがとりやすい。これに加えて、触媒をエンジン本体の下方という範囲内で自由に設置できるので、鞍乗型車両の重量バランスがさらにとりやすくなる。このため、鞍乗型車両の重量バランスを向上できる。
また、触媒をエンジン本体の下方の範囲内で自由に設置できるので、エンジン本体の下方範囲での空きスペースに触媒を設置しやすくなる。触媒の配置の自由度が高く、ポンプと触媒とをエンジン本体に対して上下に分けて配置していることで、鞍乗型車両の重量バランスを維持しつつポンプの配置の自由度が向上する。このため、ポンプもエンジン本体の上方において空きスペースに配置しやすくなる。このように空きスペースを有効利用して触媒及びポンプを配置することができるので、鞍乗型車両の大型化を抑制することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジン本体は、変速機を有しており、前記変速機の少なくとも一部は、前記鞍乗型車両の車幅方向から見て、前記触媒の前端と前記ポンプの前端を通る第1線分と、前記触媒の後端と前記ポンプの後端を通る第2線分との間に配置されていることが好ましい。
この構成によると、触媒とポンプとの間に比較的重い変速機が配置されるので、鞍乗型車両の重量バランスが取りやすくなり、鞍乗型車両の重量バランスを向上できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジン本体は、クランクシャフトを有しており、前記クランクシャフトの少なくとも一部は、前記鞍乗型車両の車幅方向から見て、前記触媒の前端と前記ポンプの前端を通る第1線分と、前記触媒の後端と前記ポンプの後端を通る第2線分との間に配置されていることが好ましい。
この構成によると、触媒とポンプとの間に比較的重いクランクシャフトが配置されるので、鞍乗型車両の重量バランスが取りやすくなり、鞍乗型車両の重量バランスを向上できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジン本体は、シリンダボディとシリンダヘッドとを含むシリンダ部を有しており、前記シリンダ部の少なくとも一部は、前記鞍乗型車両の車幅方向から見て、前記触媒の前端と前記ポンプの前端を通る第1線分と、前記触媒の後端と前記ポンプの後端を通る第2線分との間に配置されていることが好ましい。
この構成によると、触媒とポンプとの間に比較的重いシリンダ部が配置されるので、鞍乗型車両の重量バランスが取りやすくなり、鞍乗型車両の重量バランスを向上できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記触媒と前記ポンプの少なくとも一方は、上下方向から見て、前記鞍乗型車両の車幅方向の中心線と重ならない位置に配置され、前記触媒の前記車幅方向の中央と前記ポンプの前記車幅方向の中央とが、前記上下方向から見て、前記鞍乗型車両の前記中心線を挟む位置に配置されていることが好ましい。
この構成によると、鞍乗型車両の車幅方向の重量バランスが取りやすくなり、鞍乗型車両の重量バランスを向上できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記触媒と前記ポンプは、上下方向から見て、前記鞍乗型車両の車幅方向の中心線と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によると、鞍乗型車両が車幅方向に大型化するのを抑制することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記触媒の前記車幅方向の中央と前記ポンプの前記車幅方向の中央とが、前記上下方向から見て、前記鞍乗型車両の前記中心線を挟む位置に配置されていることが好ましい。
この構成によると、鞍乗型車両の車幅方向の重量バランスが取りやすくなり、鞍乗型車両の重量バランスを向上できる。
本発明の鞍乗型車両において、前記触媒の前記車幅方向の中央と前記ポンプの前記車幅方向の中央とが、前記上下方向から見て、前記鞍乗型車両の前記中心線と重なる位置に配置されていることが好ましい。
この構成によると、鞍乗型車両が車幅方向に大型化するのをさらに抑制することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記専用二次空気供給経路の前記ポンプよりも前記二次空気の流れ方向の下流に配置された開閉弁をさらに備えており、前記制御部は、前記開閉弁を、開弁状態または閉弁状態となるように制御することが好ましい。
この構成によると、エンジン本体が冷機状態で運転されていない時、例えば、高回転時は、燃焼室から排出される排ガスの熱量が高い。そのため、専用排気経路に二次空気を供給する必要がない。従って、高回転時等のエンジン本体が冷機状態で運転されていない時に開閉弁を閉じることで、専用排気経路内の負圧によって専用二次空気供給経路から専用排気経路に二次空気が引き込まれるのを防止することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記専用二次空気供給経路の前記ポンプよりも前記二次空気の流れ方向の下流に配置された専用リード弁をさらに備えており、前記専用リード弁は、前記専用二次空気供給経路の前記専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の上流の部分の圧力から前記専用二次空気供給経路の前記専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の下流の部分の圧力を減算した差圧が所定圧力以上のときに開弁状態であり、前記専用二次空気供給経路を連通させ、前記専用二次空気供給経路の前記専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の上流の部分の圧力から前記専用二次空気供給経路の前記リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の下流の部分の圧力を減算した差圧が前記所定圧力よりも小さいときに閉弁状態であり、前記専用二次空気供給経路を遮断することが好ましい。
この構成によると、専用排気経路を流れる排ガスがポンプに流れ込むのを、専用リード弁によって阻止することができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記専用排気経路は、前記燃焼室ごとに設けられて、前記燃焼室から排出された排ガスが流れる専用排気通路部、及び、前記専用排気通路部の排ガスの流れ方向の下流の端部に接続され、大気に排ガスを放出する放出口を有する大気側排気通路部を含む排気通路部の内部に、前記燃焼室ごとに形成され、前記専用二次空気供給経路は、その一端に大気から空気を吸入する空気吸入口を有する大気側二次空気供給通路部、及び、前記専用排気通路部ごとに設けられ、その一端が前記大気側二次空気供給通路部の他端に接続され、その他端が前記専用排気通路部に接続される専用二次空気供給通路部を含む二次空気供給通路部の内部に、前記専用排気通路部ごとに形成されることが好ましい。
また、前記開閉弁は、前記大気側二次空気供給通路部に設けられることが好ましい。
また、前記専用リード弁は、前記専用二次空気供給通路部ごとに、前記専用二次空気供給通路部の一端部に設けられることが好ましい。
また、前記触媒は、前記大気側排気通路部に設けられることが好ましい。
また、前記エンジンユニットは、更に、前記大気側排気通路部の前記触媒より排ガスの流れ方向の上流に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記大気側排気通路部の前記触媒より排ガスの流れ方向の下流の位置または前記触媒に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの温度を検出する排ガス温度センサ、前記大気側二次空気供給通路部の前記開閉弁より前記二次空気の流れ方向の下流であって、且つ、前記大気側二次空気供給通路部の前記専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内の温度を検出する下流二次空気温度センサ、前記大気側二次空気供給通路部の前記開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記大気側二次空気供給通路部の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内の圧力を検出する上流圧力センサ、前記大気側二次空気供給通路部の前記開閉弁より前記二次空気の流れ方向の下流であって、且つ、前記大気側二次空気供給通路部の前記専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内の圧力を検出する下流圧力センサ、及び、前記大気側二次空気供給通路部の前記開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内を通過する気体の流量を検出する流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備えることが好ましい。
また、前記制御部は、前記エンジン本体が少なくとも冷機状態で運転している場合に、前記開閉弁を開弁状態となるように制御すると共に、前記ポンプを作動し、前記開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、少なくとも、前記専用二次空気供給通路部の詰まり、または、前記専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、専用二次空気供給通路部の詰まり、または、専用リード弁の閉弁状態での固着を検出する。ここで、専用二次空気供給通路部は細いため、詰まりやすい。また、専用リード弁は、弁で開閉される通路が狭いため、閉弁状態で固着しやすい。専用二次空気供給通路部の詰まり、または、専用リード弁の閉弁状態での固着が生じると、専用排気通路部に、ポンプから強制的に圧送された二次空気が供給されない。つまり、専用排気通路部に供給される二次空気が不足する。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用二次空気供給通路部と大気側二次空気供給通路部が遮断されるため、専用排気通路部内の排気脈動(exhaust pulse)によって、専用排気通路部の排ガスが、専用二次空気供給通路部を通って、大気側二次空気供給通路部に逆流しなくなる。また、ポンプから強制的に圧送された二次空気が、大気側二次空気供給通路部に留まる。専用二次空気供給通路部の詰まり、または、専用リード弁の閉弁状態での固着が生じると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。リッチとは、理論空燃比に対して燃料が過剰な状態であり、酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の値が、理論空燃比の値より低い状態をいう。理論空燃比とは、混合気中の酸素と燃料が、過不足なく反応する時の空燃比をいう。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。下流二次空気温度センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の温度が、低くなる。上流圧力センサ及び下流圧力センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の圧力が、高くなる。流量センサで検出される大気側二次空気供給通路部内を通過する気体の流量が、なくなるまたは少なくなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号を用いて、少なくとも、専用二次空気供給通路部の詰まり、または、専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することができる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給経路のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給経路内をメンテナンスすると、専用排気通路部に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
尚、本明細書において、鞍乗型車両の初期状態とは、ポンプ、開閉弁および専用リード弁が正常に動作し、かつ、専用二次空気供給経路に詰まりまたは詰まりかけが生じていない状態のことをいう。
本発明の鞍乗型車両において、前記制御部は、前記開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記ポンプから圧送される前記二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用排気通路部に供給される二次空気が不足する。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。下流二次空気温度センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の温度が、高くなる。流量センサで検出される大気側二次空気供給通路部内を通過する気体の流量が、なくなるまたは少なくなる。上流圧力センサ及び下流圧力センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の圧力が低くなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号を用いて、ポンプから圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することができる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、二次空気供給経路のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、二次空気供給経路内をメンテナンスすると、専用排気通路部に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記制御部は、前記開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記開閉弁の閉弁状態での固着検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、開閉弁の閉弁状態での固着を検出する。開閉弁が閉弁状態で固着していると、開閉弁より二次空気の流れ方向の下流の二次空気供給通路部にポンプから圧送される二次空気が供給されなくなる。つまり、専用排気通路部に供給される二次空気がなくなる。尚、二次空気は、酸素が含まれ、排ガスより冷たい。また、専用排気通路部と専用二次空気供給通路部が連通しているため、専用排気通路部内の排気脈動により、専用排気通路部の排ガスが、専用二次空気供給通路部に逆流する。そのため、開閉弁が閉弁状態で固着すると、鞍乗型車両の初期状態と比較して、以下のように変化する。酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、リッチ側の値になる。排ガス温度センサで検出される排ガスの温度が、低くなる。下流二次空気温度センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の温度が、高くなる。流量センサで検出される大気側二次空気供給通路部内を通過する気体の流量が、なくなる。上流圧力センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の圧力が、高くなる。下流圧力センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の圧力が、低くなる。従って、制御部は、1つまたは複数の上記センサのうちの少なくともいずれか1つの信号を用いて、開閉弁の閉弁状態での固着を検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、専用二次空気供給経路のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、専用二次空気供給経路内をメンテナンスすると、専用排気通路部に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両において、前記エンジンユニットは、前記酸素センサと、前記大気側二次空気供給通路部の前記電磁弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記大気側二次空気供給通路部の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内の温度を検出する上流二次空気温度センサ、前記下流二次空気温度センサ、前記上流圧力センサ、及び、前記下流圧力センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、前記制御部は、前記開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することが好ましい。
この構成によると、制御部は、開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、専用リード弁の開弁状態での固着を検出する。ここで、専用リード弁が開弁状態で固着すると、開閉弁が閉弁状態となるように制御されている時に、専用排気通路部から専用二次空気供給通路部に排ガスが逆流する。そのため、鞍乗型車両の初期状態である場合と比較して、専用リード弁が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。上流二次空気温度センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の温度が高くなる。下流二次空気温度センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の温度が高くなる。上流圧力センサ及び下流圧力センサで検出される大気側二次空気供給通路部内の圧力が、負圧だけでなく、正圧にも変動し、高くなる。ここで、正圧とは、平均排気圧より大きい圧力のことである。負圧とは、平均排気圧より小さい圧力のことである。従って、制御部は、複数の上記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、専用リード弁の開弁状態での固着を検出できる。また、検出した情報は、制御部に記録される。この検出した情報によって、専用二次空気供給経路のメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、専用二次空気供給経路内をメンテナンスすると、専用リード弁の開弁状態での固着を解消することができる。以上により、触媒の浄化性能をより向上させることができる。
本発明の鞍乗型車両は、前記専用二次空気供給通路部の詰まり、または、前記専用リード弁の閉弁状態での固着を、前記制御部が検出した際に、報知する報知手段を備えることが好ましい。
この構成によると、ライダーまたはメンテナンス作業者が、専用二次空気供給通路部の詰まり、または、専用リード弁の閉弁状態での固着を認識することができる。
本発明の実施形態に係る自動二輪車の右側面図である。 図1のII―II線断面図である。 エンジンユニットの一部の右側面図である。 エンジンユニットの一部の正面図である。 エンジンユニットの一部の模式図である。 エンジンユニットの一部の模式図である。 図1に示す自動二輪車を下方から見たときの、前輪、後輪、エンジン本体、触媒、エアポンプの位置関係を示す図である。 エンジンユニットの制御ブロック図である。 酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比、酸素センサを通過する時点の排ガスから専用排気通路部に供給される二次空気を除いたガスの酸素濃度から推定される空燃比、および理論空燃比の関係を示すグラフである。 変更例に係るエンジンユニットの一部を右方から見たときの、エンジン本体、シリンダ部、変速機、クランクシャフト、触媒、エアポンプの位置関係を示す図である。 別の変更例に係る自動二輪車を下方から見たときの、前輪、後輪、エンジン本体、触媒、エアポンプの位置関係を示す図である。 さらに別の変更例に係る自動二輪車を下方から見たときの、前輪、後輪、エンジン本体、触媒、エアポンプの位置関係を示す図である。 酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比、酸素センサを通過する時点の排ガスから専用排気通路部に供給される二次空気を除いたガスの酸素濃度から推定される空燃比、および理論空燃比の関係の変形例を示すグラフである。 さらに別の変更例に係るエンジンユニットの一部の模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、前後方向とは、自動二輪車1の後述するシート9に着座したライダーから見た車両の前後方向のことであり、左右方向とは、シート9に着座したライダーから見たときの車両の左右方向(車幅方向)のことである。また、各図面の矢印F方向と矢印B方向は、前方と後方を表しており、矢印L方向と矢印R方向は、左方と右方を表しており、矢印U方向と矢印D方向は、上方と下方を表している。
[自動二輪車の全体構成]
図1に示すように、自動二輪車1は、前輪2と、後輪3と、車体フレーム4とを含む。車体フレーム4は、全体として前後方向に延びた形態である。車体フレーム4は、その前部にヘッドパイプ4aを有する。ヘッドパイプ4aには、ステアリングシャフト(図示せず)が回転可能に挿入されている。ステアリングシャフトの上端部は、ハンドルユニット5に連結されている。ハンドルユニット5には、一対のフロントフォーク6の上端部が固定されている。フロントフォーク6の下端部は、前輪2を支持している。
図2に示すように、ハンドルユニット5は、左右方向に延びる1本のハンドルバー12を有する。ハンドルバー12の左右両端には、グリップ13L、13Rが設けられている。右側のグリップ13Rは、エンジンの出力を調整するアクセルグリップである。また、ハンドルバー12には、表示装置14が取り付けられている。図示は省略するが、表示装置14には、車速や、エンジン回転速度などが表示される。
図1に示すように、車体フレーム4には、一対のスイングアーム7が揺動可能に支持されている。スイングアーム7の後端部は、後輪3を支持している。各スイングアーム7の揺動中心よりも後方の箇所は、リアサスペンション8を介して車体フレーム4に接続されている。
車体フレーム4の上部には、シート9と燃料タンク10が支持されている。燃料タンク10は、シート9の前方に配置されている。また、車体フレーム4には、エンジンユニット11が搭載されている。エンジンユニット11は、シート9および燃料タンク10の下方に配置されている。エンジンユニット11は、前輪2の後方で、後輪3の前方に配置されている。エンジンユニット11は、車体フレーム4に直接連結されていても、間接的に連結されていてもよい。また、車体フレーム4には、各種センサなどの電子機器に電力を供給するバッテリ(図示せず)が搭載されている。
[エンジンユニットの構成]
エンジンユニット11は、エンジン本体20と、水冷ユニット40と、吸気ユニット50(図6参照)と、排気ユニット60と、二次空気供給機構80(図6参照)とを有する。エンジンユニット11は、水冷式のエンジンユニットである。エンジンユニット11は、3気筒を有する3気筒エンジンである。エンジンユニット11は、気筒ごとに、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程(膨張行程)、および排気行程を繰り返す4ストローク式のエンジンである。3気筒の燃焼行程のタイミングは異なっている。なお、図5は、エンジンユニット11の模式図であって、エンジン本体20の3気筒のうちの1気筒のみを表示し、残りの2気筒の表示を省略している。
水冷ユニット40は、エンジン本体20の熱を吸熱した高温の冷却水の温度を低下させてエンジン本体20に戻す機構である。図1および図2に示すように、水冷ユニット40は、エンジン本体20の上部の前方に配置されるラジエータ41と、エンジン本体20とラジエータ41の間に配置されるファン(図示せず)と、エンジン本体20の右部の前方に配置されるリザーバタンク42を有する。リザーバタンク42は冷却水を貯留する。リザーバタンク42は、エンジン本体20の右部の前方に配置されていなくてもよい。エンジンユニット11は、冷却水を循環させるためのウォーターポンプ(図示せず)を有する。ウォーターポンプは、エンジン本体20の内部に設けられる。
図3に示すように、エンジン本体20は、クランクケース部21と、シリンダ部22とを含む。シリンダ部22は、シリンダボディ22aと、シリンダヘッド22bと、ヘッドカバー22cとを有している。シリンダボディ22aは、クランクケース部21の上端部に取り付けられている。シリンダヘッド22bは、シリンダボディ22aの上端部に取り付けられている。ヘッドカバー22cは、シリンダヘッド22bの上端部に取り付けられている。なお、図3では、シリンダボディ22aの一部の断面を表示している。
クランクケース部21は、クランクケース本体25と、クランクケース本体25の内部に収容されたクランクシャフト27、変速機24、スタータモータ(図示せず)、発電機(図示せず)等を有する。クランクシャフト27には、スタータモータおよび発電機が連結されている。
変速機24は、クランクシャフト27の回転速度と後輪3の回転速度との比を変化させる機構である。変速機24は、図3に示すように、クランクシャフト27よりも後方にその大部分が配置されている。変速機24は、クランクシャフト27の回転を後輪3に伝達する。スタータモータは、バッテリ(図示せず)からの電力により作動し、エンジン始動時にクランクシャフト27を回転させる。発電機は、クランクシャフト27の回転力によって電力を生成する。その電力で、バッテリが充電される。
クランクケース部21は、その下部にオイルパン26を有する。オイルパン26は、クランクケース本体25の下端部に取り付けられている。オイルパン26には、潤滑オイルが貯留されている。クランクケース本体25は、オイルパン26に貯留された潤滑オイルを吸い上げるオイルポンプ(図示せず)を収容している。潤滑オイルは、このオイルポンプにより圧送されて、エンジン本体20内を循環する。図4に示すように、オイルパン26は、右側の部分が窪んでいる。オイルパン26の窪みの内側に、後述する触媒ユニット68の触媒65が配置されている。
クランクケース部21は、その前部にオイルフィルタ45とオイルクーラー46とを有する。オイルクーラー46は、クランクケース部21の左右方向の略中央部に配置されている。オイルフィルタ45は、オイルクーラー46の左方に配置されている。オイルフィルタ45は、潤滑オイルに含まれる異物を除去する。
図6に示すように、クランクケース本体25には、エンジン回転速度センサ71が設けられている。エンジン回転速度センサ71は、クランクシャフト27の回転速度、即ち、エンジン回転速度を検出する。クランクシャフト27の回転速度(エンジン回転速度)とは、単位時間当たりのクランクシャフト27の回転数のことである。
シリンダボディ22aには、3つのシリンダ孔22a1が左右に並んで形成されている。各シリンダ孔22a1の内部にはピストン28が摺動自在に収容されている。3つのピストン28は、3つのコネクティングロッド29を介して1つのクランクシャフト27に連結されている。3つのシリンダ孔22a1の周囲には、冷却水が流れる冷却通路が形成されている。
シリンダヘッド22bには、エンジン本体20の温度を検出するエンジン温度センサ72が設けられている。本実施形態では、エンジン温度センサ72は、冷却水の温度を検出することで、シリンダヘッド22bの温度を間接的に検出する。エンジン温度センサ72は、シリンダヘッド22bの温度を検出してよい。
図3に示すように、3つのシリンダ孔22a1の中心軸線C1は、上下方向に延びる軸線である。詳細には、3つのシリンダ孔22a1の中心軸線C1は、シリンダボディ22aのシリンダヘッド22b側の端部(上端部)が、クランクケース本体25側の端部(下端部)よりも前方に位置するように、上下方向に対して前後方向に傾いている。3つのシリンダ孔22a1の中心軸線C1の上下方向に対する傾斜角度は、45度以下である。
図6に示すように、シリンダヘッド22bの下面とシリンダ孔22a1とピストン28によって、燃焼室30が形成される。本実施形態においては、ピストン28の位置に関わらず、シリンダヘッド22bの下面とシリンダ孔22a1とピストン28によって形成される空間を、燃焼室30とする。燃焼室30には、燃焼室30内の混合気(燃料が混ざった空気)に点火する点火プラグ31の先端部が配置されている。点火プラグ31は、点火コイル(不図示)に接続されている。点火コイルは、点火プラグ31の火花放電を生じさせるための電力を蓄える。点火プラグ31と点火コイルによって、点火装置が構成される。
図3に示すように、シリンダヘッド22bには、各燃焼室30に開口する吸気ポート33と排気ポート34がそれぞれ形成されている。各吸気ポート33は、吸気バルブ35によって開閉される。各排気ポート34は、排気バルブ36によって開閉される。吸気バルブ35および排気バルブ36のそれぞれは、シリンダヘッド22b内に収容された動弁装置(図示せず)によって開閉駆動される。動弁装置は、クランクシャフト27と連動して作動する。
シリンダヘッド22bには、3つのシリンダ吸気通路部22b1が形成されている。各シリンダ吸気通路部22b1の一端に、吸気ポート33が形成されている。シリンダ吸気通路部22b1は、燃焼室30毎に形成されている。シリンダヘッド22bには、3つのシリンダ排気通路部22b2が形成されている。各シリンダ排気通路部22b2の一端に、排気ポート34が形成されている。シリンダ排気通路部22b2は、燃焼室30毎に形成されている。本明細書において、通路部とは、経路を形成する構造物を意味する。経路とは、ガスなどが通過する空間を意味する。シリンダ吸気通路部22b1は、燃焼室30に空気を導入するための通路部である。シリンダ排気通路部22b2は、燃焼行程において燃焼室30で発生した燃焼ガス(排ガス)を排出する通路部である。シリンダヘッド22bの後面(外面)には、3つのシリンダ吸気通路部22b1の他端の開口が左右方向に並んで形成されている。シリンダヘッド22bの前面(外面)には、3つのシリンダ排気通路部22b2の他端の開口が左右方向に並んで形成されている。
吸気ユニット50は、図6に示すように、エアクリーナ51と、エアクリーナ51を含む集合吸気通路部52と、連通部53と、連通部53に接続された3つの独立吸気通路部54と、インジェクタ55と、スロットル弁56とを有する。なお、図3及び図6には、3つの独立吸気通路部54のうちの1つの独立吸気通路部54を示している。集合吸気通路部52は、一端部52a1にエアクリーナ51が設けられる。エアクリーナ51は、車体フレーム4に支持されている。エアクリーナ51は、大気に面して、空気を吸入する空気吸入口51a(図6参照)を有する。即ち、集合吸気通路部52の一端52aは、空気吸入口51aを有する。エアクリーナ51は、空気吸入口51aから空気を吸い込む。エアクリーナ51は、フィルタ(不図示)を有しており、空気中の異物を除去するものである。
連通部53は、集合吸気通路部52と3つの独立吸気通路部54とを連通させる。これら3つの独立吸気通路部54は、左右に並んで配置され、3つのシリンダ吸気通路部22b1の開口端と接続されている。尚、連通部53がエアクリーナ51に直接接続されても良い。この場合は、吸気ユニット50は、集合吸気通路部52を有さない。これにより、吸気ユニット50の構成部材が大幅に減少する。このため、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。また、集合吸気通路部52、3つの独立吸気通路部54、及び、3つのシリンダ吸気通路部22b1によって、3つの専用吸気経路57が構成されている。1つの集合吸気通路部52、1つの独立吸気通路部54、及び、1つのシリンダ吸気通路部22b1によって、1つの専用吸気経路57が構成されている。専用吸気経路57は、燃焼室30毎に形成される。専用吸気経路57は、大気に面する空気吸入口51aから各吸気ポート33に至る経路である。空気吸入口51aは、大気(空気)を吸入する。空気吸入口51aから吸い込まれた吸気は、専用吸気経路57を吸気ポート33に向かって流れる。以下の説明において、専用吸気経路57における空気の流れ方向の上流および下流を、単に上流および下流という場合がある。
インジェクタ55は、シリンダ吸気通路部22b1内で燃料を噴射するように設けられている。インジェクタ55は、燃焼室30ごとに1つずつ設けられている。インジェクタ55は、燃料ホース(不図示)を介して燃料タンク10(図1参照)に接続されている。燃料タンク10内の燃料は、燃料ポンプ(不図示)によって燃料ホースへと圧送される。
スロットル弁56は、独立吸気通路部54内に配置されている。スロットル弁56は燃焼室30ごとに1つずつ設けられている。3つのスロットル弁56は、アクセルグリップ13Rに設けられるセンサ(図示せず)の信号に基づいて、図示しないモータにより開閉される。尚、3つのスロットル弁56は、スロットルワイヤを介して、アクセルグリップ13Rに接続されても良い。ライダーがアクセルグリップ13Rを回動操作することによって、スロットル弁56の開度が変更される。
独立吸気通路部54には、スロットル開度センサ(スロットルポジションセンサ)73が設けられている。スロットル開度センサ73は、スロットル弁56の位置を検出することにより、スロットル弁56の開度を表す信号を出力する。
排気ユニット60は、図3に示すように、3つの独立排気通路部61と、集合部材62と、集合排気通路部63と、マフラー64とを有する。3つの独立排気通路部61の一端は、3つのシリンダ排気通路部22b2の開口端と接続されている。これにより、排気ユニット60には、エンジン本体20から排出された排ガスが流入する。以下の説明において、排ガスの流れ方向の上流および下流を、単に上流および下流という。3つのシリンダ排気通路部22b2、及び、3つの独立排気通路部61は、3つの専用排気通路部66を構成する。1つの専用排気通路部66は、1つのシリンダ排気通路部22b2と、1つの独立排気通路部61によって構成される。
3つの独立排気通路部61の下流端は、集合部材62に接続されている。集合部材62の下流端は、集合排気通路部63に接続されている。集合排気通路部63内には、排ガスを浄化する触媒65が配置されている。集合排気通路部63は、左右方向に直交する方向に延びている。より詳細には、集合排気通路部63は、集合部材62の下流端から後下向きに傾斜して延びる傾斜部63aと、後方に向かって水平に延びる水平部63bとを有する。触媒65は、水平部63b内に配置されている。触媒ユニット68は、水平部63bと触媒65とで構成されている。
触媒ユニット68は、触媒65を流れる排ガスの流れ方向が、前後方向に延びる方向となるように配置されている。本実施形態では、触媒65を流れる排ガスの流れ方向は、左右方向に直交し且つ水平な方向である。触媒65は、略円柱状に形成されている。触媒65は、多孔構造である。多孔構造とは、排ガスの流れ方向に貫通する複数の隙間が形成されている。触媒65は、排ガス中の炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)および窒素酸化物(NOx)の3物質を酸化または還元することで除去する、いわゆる三元触媒である。三元触媒は、酸化還元触媒の1種である。なお、触媒65は、炭化水素、一酸化炭素、および窒素酸化物のいずれか1つまたは2つを除去する触媒であってもよい。触媒65は、酸化還元触媒でなくてもよい。メイン触媒は、酸化だけで有害物質を除去する酸化触媒であってもよい。触媒は、還元だけで有害物質を除去する還元触媒であってもよい。触媒65は、基材と、この基材の表面に付着された触媒物質とを有する。触媒物質は、担体と貴金属を有する。担体は、貴金属を基材に付着させる機能を有する。貴金属は、排ガスを浄化する機能を有する。貴金属としては、例えば、炭化水素、一酸化炭素、および窒素酸化物をそれぞれ除去する、プラチナ、パラジウム、ロジウムなどが挙げられる。本実施形態の触媒65は、メタル基材の触媒である。なお、触媒65は、セラミック基材の触媒であってもよい。
集合排気通路部63の下流端は、マフラー64に接続されている。マフラー64は、排ガスによる騒音を低減する装置である。マフラー64は、大気に面する大気放出口64a(図1参照)を有する。
3つのシリンダ排気通路部22b2、3つの独立排気通路部61、集合部材62、集合排気通路部63、及び、マフラー64によって、3つの専用排気経路67を構成する。1つのシリンダ排気通路部22b2、1つの独立排気通路部61、集合部材62、集合排気通路部63、及び、マフラー64によって、1つの専用排気経路67を構成する。専用排気経路67は、燃焼室30毎に形成される。各専用排気経路67は、各排気ポート34から大気放出口64aに至る経路である。燃焼行程において燃焼室30で発生した燃焼ガス(排ガス)は、排気ポート34を介して専用排気経路67に排出される。排ガスは専用排気経路67を大気放出口64aに向かって流れる。排ガスは、大気放出口64aから大気に放出される。
図5及び図6に示すように、専用排気経路67において、触媒65より上流の位置には、酸素センサ74が設けられている。具体的には、酸素センサ74は、集合排気通路部63の触媒65より上流の位置に設けられる。図3に示すように、酸素センサ74は、集合排気通路部63の傾斜部63aの凹部に設けられている。酸素センサ74は、触媒65に流入する排ガスの酸素濃度を検出する。酸素センサ74は、リニアA/Fセンサである。リニアA/Fセンサは、排ガスの酸素濃度に応じたリニアな検出信号を出力する。言い換えると、リニアA/Fセンサは、排ガス中の酸素濃度の変化を連続的に検出する。そして、リニアA/Fセンサで検出された信号に基づいて、空燃比が推定される。尚、空燃比とは、混合気の空気質量を燃料質量で割った無次元数である。
二次空気供給機構80は、図3、図5及び図6に示すように、エアポンプ81、開閉弁82、3つの専用リード弁84、及び、二次空気供給通路部83を備える。二次空気供給通路部83は、3つの専用二次空気供給通路部87、及び、大気側二次空気供給通路部88を有する。二次空気供給機構80は、専用排気経路67に大気を二次空気として強制的に供給する。なお、図3及び図6には、3つの専用二次空気供給通路部87のうちの1つの専用二次空気供給通路部87、3つの専用リード弁84のうちの1つの専用リード弁84を示している。また、図3及び図6には大気側二次空気供給通路部88が有する3つの専用大気側二次空気供給通路部88bのうちの1つの専用大気側二次空気供給通路部88bを示している。
3つの専用二次空気供給通路部87は、図3に示すように、シリンダヘッド22b及びヘッドカバー22cに、燃焼室30毎(即ち、専用排気通路部66毎)に形成されている。図6に示すように、専用二次空気供給通路部87の一端87aは、後述する大気側二次空気供給通路部88の他端88eに接続される。専用二次空気供給通路部87の他端87bは、専用排気通路部66に接続される。具体的には、専用二次空気供給通路部87の他端87bは、シリンダ排気通路部22b2に接続される。専用二次空気供給通路部87の一端87aが、ヘッドカバー22cの上端部22c1(図3参照)に開口する。3つの専用リード弁84は、ヘッドカバー22cの上端部に左右方向に並んで配置されている。専用リード弁84は、専用二次空気供給通路部87の一端部87a1に設けられる。専用二次空気供給通路部87の一端87aは、大気側二次空気供給通路部88の他端88eに接続される。そして、3つの専用リード弁84は、ヘッドカバー22cの上端部22c1のそれぞれに、左右方向に並んで配置されている。専用リード弁84は、開弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と大気側二次空気供給通路部88とを連通させる。また、専用リード弁84は、閉弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と大気側二次空気供給通路部88とを遮断する。
図6に示すように、大気側二次空気供給通路部88の一端部88d1には、エアクリーナ86が設けられる。エアクリーナ86は、大気に面する空気吸入口86aを有する。即ち、大気側二次空気供給通路部88の一端88dは、空気吸入口86aを有する。大気側二次空気供給通路部88の他端88eは、専用二次空気供給通路部87の一端87aに接続される。大気側二次空気供給通路部88は、共通大気側二次空気供給通路部88aと、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bと、連通部88cを備える。また、共通大気側二次空気供給通路部88aには、エアポンプ81及び開閉弁82が設けられている。共通大気側二次空気供給通路部88aの一端部88d1には、エアクリーナ86が設けられる。即ち、共通大気側二次空気供給通路部88aの一端88dは、空気吸入口86aを有する。共通大気側二次空気供給通路部88aは、開閉弁82を有する。共通大気側二次空気供給通路部88aと3つの専用大気側二次空気供給通路部88bは、連通部88cに接続される。3つの専用大気側二次空気供給通路部88bの他端88eは、それぞれ、3つの専用二次空気供給通路部87の一端87aに接続される。共通大気側二次空気供給通路部88aは、3つの配管89a、89b、89cを含む。配管89aは、連通部88cと開閉弁82とを接続する。配管89bは、開閉弁82とエアポンプ81とを接続する。配管89cはエアポンプ81とエアクリーナ86とを接続する。尚、連通部88cは、開閉弁82と直接接続されても良い。この場合、共通大気側二次空気供給通路部88aは、配管89aを有さない。また、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bは、開閉弁82に接続される。これにより、二次空気供給機構80の構成部材が大幅に減少する。このため、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。
専用二次空気供給経路80aは、二次空気供給通路部83の内部に形成される。二次空気供給通路部83は、共通大気側二次空気供給通路部88a、開閉弁82、連通部88c、3つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、3つの専用二次空気供給通路部87によって、構成される。共通大気側二次空気供給通路部88a、開閉弁82、連通部88c、3つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、3つの専用二次空気供給通路部87の内部に、3つの専用二次空気供給経路80aが形成される。共通大気側二次空気供給通路部88a、開閉弁82、連通部88c、1つの専用大気側二次空気供給通路部88b、及び、1つの専用二次空気供給通路部87の内部に、1つの専用二次空気供給経路80aが形成される。専用二次空気供給経路80aは、燃焼室30毎に形成される。専用二次空気供給経路80aは、空気吸入口86aから各専用排気通路部66に至る経路である。空気吸入口86aは、大気から空気を吸入する。空気吸入口86aから吸い込まれた空気は、専用二次空気供給経路80aを専用排気通路部66に向かって流れる。以下の説明において、専用二次空気供給経路80aにおける二次空気の流れ方向の上流および下流を、単に上流および下流という場合がある。
大気側二次空気供給通路部88の開閉弁82よりも上流には、エアポンプ81が配置されている。つまり、専用二次空気供給経路80aの途中であって、開閉弁82よりも上流には、エアポンプ81が配置されている。
エアポンプ81は、モータ駆動式のポンプであり、後述するECU90によってエアポンプ81の作動と停止が制御される。なお、エアポンプとしては、ECU90の制御により、二次空気をシリンダ排気通路部22b2に向けて供給することが可能なエアポンプであれば、どのようなエアポンプでも採用することが可能である。例えば、電磁弁駆動式のエアポンプでもよい。さらに、ECU90が間接的にエアポンプを制御してもよい。例えば、油圧ポンプの動力によって作動するエアポンプでもよい。この場合、ECU90が油圧ポンプの作動と停止を制御することで、当該エアポンプを間接的に制御し、空気をシリンダ排気通路部22b2に向けて供給することが可能となる。このようにエアポンプ81は、電気的に制御することが可能であればよい。
開閉弁82は、ECU90によって開弁状態と閉弁状態が制御される。つまり、開閉弁82は、専用二次空気供給経路80aを連通状態と遮断状態とに切り換える。専用二次空気供給経路80aにおいて、開閉弁82は、エアポンプ81よりも下流に配置されている。専用二次空気供給経路80aにおいて、開閉弁82は、専用リード弁84よりも上流に配置されている。
図5及び図6に示すように、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bには、それぞれ、下流二次空気温度センサ76bが設けられている。下流二次空気温度センサ76bは、開閉弁82より下流であって、大気側二次空気供給通路部88の他端より上流の位置に配置される。即ち、下流二次空気温度センサ76bは、大気側二次空気供給通路部88において、開閉弁82より下流に配置される。つまり、下流二次空気温度センサ76bは、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bのそれぞれに配置される。各下流二次空気温度センサ76bは、各専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度を検出する。尚、下流二次空気温度センサ76bは、共通大気側二次空気供給通路部88aの配管89aに1つ配置されてもよい。
専用二次空気供給経路80aにおいて、各専用リード弁84は、エアポンプ81よりも下流に配置されている。各専用リード弁84は、ハウジング及び弾性体からなるリード弁体を含む。リード弁体は、ハウジング内に固定される。専用リード弁84は、リード弁体の弾性によって、開弁状態と閉弁状態とが切り換えられる。専用リード弁84は、開弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と大気側二次空気供給通路部88とを連通させる。つまり、専用二次空気供給経路80aを連通させる。専用二次空気供給通路部87は、専用リード弁84より二次空気の流れ方向の下流の部分である。大気側二次空気供給通路部88は、専用リード弁84より二次空気の流れ方向の上流の部分である。また、専用リード弁84は、閉弁状態のとき、専用二次空気供給通路部87と大気側二次空気供給通路部88とを遮断する。つまり、専用二次空気供給経路80aが遮断される。専用リード弁84は、大気側二次空気供給通路部88内の圧力から専用二次空気供給通路部87内の圧力を減算した値が所定圧力以上のとき、開弁状態になる。一方、専用リード弁84は、大気側二次空気供給通路部88内の圧力から専用二次空気供給通路部87内の圧力を減算した値が所定圧力未満のとき、閉弁状態になる。ここで、所定圧力は、正の値である。これにより、専用リード弁84は、大気側二次空気供給通路部88側から専用二次空気供給通路部87に向かう一方向にのみ、気体の通過を許容する。専用リード弁84は、専用二次空気供給通路部87側から大気側二次空気供給通路部88に向かう方向には、気体の通過を許容しない。このように、専用リード弁84は、大気側二次空気供給通路部88側から専用二次空気供給通路部87に向けて空気を流すことが可能な一方向弁である。これにより、専用二次空気供給通路部87側から大気側二次空気供給通路部88に向けて排ガスが流れるのを防ぐことができる。
排気行程において燃焼室30から専用排気通路部66(シリンダ排気通路部22b2)に排ガスが排出される。そのため、専用排気通路部66内では排気脈動が生じる。そして、専用排気通路部66(専用排気経路67)内の圧力が周期的に変動する。即ち、専用排気通路部66内の圧力は、平均排気圧を基準として、正圧と負圧を交互に繰り返す。平均排気圧は、専用排気通路部66内の圧力の平均値である。このときに、開閉弁82が開弁状態でエアポンプ81が作動されると、空気吸入口86aから吸い込んだ大気(空気)が大気側二次空気供給通路部88に送られる。すると、大気側二次空気供給通路部88(専用リード弁84より上流の部分)内の圧力が高くなる。この大気側二次空気供給通路部88内の圧力が、排気脈動におけるシリンダ排気通路部22b2に接続された専用二次空気供給通路部87(専用リード弁84より下流部分)の圧力よりも所定圧力以上大きいときに、専用リード弁84が開弁状態となる。こうして、専用リード弁84が開くことで、空気吸入口86aから吸い込んだ大気が、二次空気として、専用二次空気供給通路部87に供給される。専用二次空気供給通路部87に供給された二次空気はシリンダ排気通路部22b2に供給される。シリンダ排気通路部22b2に二次空気が供給されることで、専用排気経路67の触媒65よりも上流の部分が十分な酸素過剰状態となる。このため、燃焼室30から専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが専用排気経路67で酸化しやすくなる。この結果、触媒65に送られる排ガスの熱量が増加する。加えて、触媒65に供給される排ガス中の酸素濃度が増加するため、触媒の酸化・還元反応が生じやすくなる。それにより、触媒65の温度をより高めることができる。
ここで図3及び図7を参照し、触媒65及びエアポンプ81の配置位置について説明する。なお、図7は、自動二輪車1を下方から見たときの、前輪2、後輪3、エンジン本体20、触媒65、エアポンプ81の位置関係を示す図である。図3に示すように、触媒65は、エンジン本体20の下方に位置している。上下方向から見て、触媒65は、図7に示すように、その全体がエンジン本体20と重なっている。触媒65は、自動二輪車1の車幅方向の中心線C2よりも右方に配置されている。触媒65は中心線C2と重ならない位置に配置されている。
エアポンプ81は、図3に示すように、エンジン本体20の上方に位置している。より詳細には、変速機24の上方に配置されている。エアポンプ81は、車体フレーム4に支持されている。上下方向から見て、エアポンプ81は、図6に示すように、その全体がエンジン本体20と重なっている。エアポンプ81は、その一部が中心線C2と重なって配置されている。エアポンプ81の車幅方向の中央は、中心線C2よりも左方に配置されている。このように触媒65の車幅方向の中央とエアポンプ81の車幅方向の中央は、中心線C2を挟む位置に配置されている。エアポンプ81の前端は、触媒65の前端よりも後方に配置され、エアポンプ81の後端は、触媒65の後端よりも後方に配置されている。
エアポンプ81と触媒65は、図3に示すように、エアポンプ81の前端と触媒65の前端とを通る線分L1(第1線分)とエアポンプ81の後端と触媒65の後端とを通る線分L2(第2線分)との間に、変速機24の一部及びクランクシャフト27の一部が配置されるように、配置されている。
エンジンユニット11は、エンジンユニット11の動作を制御するECU90(Electronic Control Unit)を有する。図8に示すように、ECU90は、エンジン回転速度センサ71、エンジン温度センサ72、スロットル開度センサ73、酸素センサ74、下流二次空気温度センサ76b等の各種センサと接続されている。また、ECU90は、点火コイル(図示せず)、スタータモータ(図示せず)、表示装置14等と接続されている。
ECU90は、センサ71〜74等の信号に基づいて、燃料ポンプおよびインジェクタ55の駆動を制御し、それによって、燃料噴射量および燃料噴射タイミングを制御する。ECU90は、センサ71〜74等の信号に基づいて点火コイルへの通電を制御し、それによって、点火時期(点火プラグ31の放電タイミング)を制御する。さらに、ECU90は、スターターモータ(図示せず)への通電を制御し、それによって、エンジンユニット11の始動を制御する。さらに、ECU90は、エアポンプ81、開閉弁82を制御して、専用排気経路67に二次空気を供給する。
ECU90は、CPU、ROM、RAMなどで構成されている。CPUは、ROMやRAMに記憶されたプログラムや各種データに基づいて情報処理を実行する。これにより、ECU90には複数の機能処理部の各機能が実現される。図8に示すように、ECU90は、機能処理部として、二次空気供給制御部91、燃料噴射量制御部92、二次空気不足検出部93、専用リード弁開弁異常検出部95、ポンプ異常検出部96などを有する。二次空気供給制御部91は、開閉弁82の開閉状態及びエアポンプ81の作動及び停止を制御する。燃料供給量制御部92は、インジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御する。それによって、燃料供給量制御部92は、燃料供給量を制御する。二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。また、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。また、二次空気不足検出部93は、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。専用リード弁開弁異常検出部95は、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ポンプ異常検出部96は、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。
[二次空気供給制御部の制御]
二次空気供給制御部91の制御の一例を説明する。二次空気供給制御部91は、エンジン回転速度センサ71、エンジン温度センサ72およびスロットル開度センサ73の信号に基づいて、開閉弁82を開弁状態または閉弁状態となるように制御する。
本明細書において、二次空気供給制御部91が、開閉弁82を開弁状態となるように制御するとは、二次空気供給制御部91から開閉弁82に、開閉弁82を開くための信号が送られることである。尚、開閉弁82が正常に開弁したか否かは問わない。本明細書において、開弁状態とは、弁が開いた状態のことをいう。開閉弁82が正常の場合、開閉弁82が開弁状態になるように制御されると、開閉弁82は以下のような状態となる。閉弁状態である開閉弁82は、開弁状態に切り換えられる。開弁状態である開閉弁82は、そのまま開弁状態が維持される。また、本明細書において、二次空気供給制御部91が、開閉弁82を閉弁状態となるように制御するとは、開閉弁82を閉めるための信号が送られることである。尚、開閉弁82が正常に閉弁したか否かは問わない。閉弁状態とは、弁が閉じた状態をいう。開閉弁82が正常の場合、開閉弁82が閉弁状態となるように制御されると、開閉弁82は以下のような状態となる。開弁状態である開閉弁82は、閉弁状態に切り換えられる。閉弁状態である開閉弁82は、そのまま閉弁状態が維持される。
二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が冷機状態で運転している場合に、開閉弁82を開弁状態となるように制御する。そして、二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を作動させるように制御する。これにより、大気側二次空気供給通路部88から専用二次空気供給通路部87を通って、各シリンダ排気通路部22b2(専用排気通路部66)に二次空気が供給される。つまり、エアポンプ81により、空気吸入口86aから吸い込んだ大気が二次空気としてシリンダ排気通路部22b2(専用排気経路67の触媒65よりも上流)に強制的に供給される。このため、専用排気経路67内で未燃焼ガスが燃焼し、排ガスの熱量が増加する。
二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態で運転している場合に、次のように制御する。二次空気供給制御部91は、二次空気供給運転領域で運転している場合に、開閉弁82を開弁状態となるように制御する。そして、二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を作動させるように制御する。これにより、大気側二次空気供給通路部88から専用二次空気供給通路部87を通って、各シリンダ排気通路部22b2(専用排気通路部66)に二次空気が供給される。つまり、エアポンプ81により、空気吸入口86aから吸い込んだ大気が二次空気としてシリンダ排気通路部22b2(専用排気経路67の触媒65よりも上流)に強制的に供給される。このため、専用排気経路67内で未燃焼ガスが燃焼し、排ガスの熱量が増加する。また、二次空気供給制御部91は、二次空気供給領域以外の運転領域で運転している場合に、開閉弁82を閉弁状態となるように制御する。そして、二次空気供給制御部91は、エアポンプ81を停止させるように制御する。これにより、燃焼室30から排出される排ガスの熱量が高く、専用排気経路67に空気を供給する必要のない高回転時に、エアポンプ81を停止することができる。
二次空気供給制御部91は、エンジン温度センサ72の信号に基づいて、エンジン本体20が冷機状態であるか判定する。エンジン本体20の運転状態は、エンジン温度ET1を基準として、冷機状態と、暖機状態とに分けられる。温度ET1は、ECU90に予め記憶される。エンジン温度センサ72が検出したエンジン本体20の温度を温度ETとする。温度ETが温度ET1より高い場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転状態が暖機状態であると判定する。温度ETが温度ET1以下の場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転状態が冷機状態であると判定する。
二次空気供給制御部91は、エンジン回転速度センサ71及びスロットル開度センサ73の信号に基づいて、エンジン本体20の運転領域が二次空気供給運転領域であるか判定する。エンジン本体20の運転領域は、負荷とエンジン回転速度で規定される。エンジン本体20の負荷は、スロットル開度センサ73の信号に基づいて検出される。エンジン本体20のエンジン回転速度は、エンジン回転速度センサ71で検出される。エンジン本体20の運転領域は、スロットル弁56の開度に基づいて、低負荷領域と高負荷領域に分けられる。また、エンジン本体20の運転領域は、エンジン回転速度に基づいて、低回転領域と高回転領域に分けられる。
エンジン本体20の運転領域は、スロットル弁56の開度θ1を基準として、低負荷領域と、高負荷領域とに分けられる。開度θ1は、ECU90に予め記憶される。スロットル開度センサ73で検出されるスロットル弁56の開度を、開度θとする。開度θが開度θ1以下である場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が低負荷領域であると判定する。開度θが開度θ1より大きい場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が高負荷領域であると判定する。尚、開度θ1は、全開状態である開度の1/2以下であってよい。開度θ1は、固定値であってもよく、所定の条件に基づいて変更される変動値でもよい。本明細書において、全開状態とは、開度が100%の状態をいう。
エンジン本体20の運転領域は、エンジン回転速度RS1を基準として、低回転領域と、高回転領域とに分けられる。エンジン回転速度RS1は、ECU90に予め記憶される。エンジン回転速度センサ71で検出されるエンジン回転速度を、エンジン回転速度RSとする。エンジン回転速度RSがエンジン回転速度RS1以下である場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が低回転領域であると判定する。エンジン回転速度RSがエンジン回転速度RS1より大きい場合、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20の運転領域が高回転領域であると判定する。尚、エンジン回転速度RS1は、全開状態である開度の1/2以下であってよい。エンジン回転速度RS1は、固定値であってもよく、所定の条件に基づいて変更される変動値でもよい。
例えば、二次空気供給運転領域は、低負荷領域の少なくとも一部の運転領域である。言い換えると、二次空気供給運転領域は、スロットル弁56の開度の範囲が第1開度θ1以下である。また、例えば、二次空気供給運転領域は、低回転領域の少なくとも一部の運転領域である。言い換えると、二次空気供給運転領域は、エンジン本体20のエンジン回転速度は、エンジン回転速度RS1以下である。二次空気供給運転領域は、スロットル弁56の開度とエンジン回転速度に基づいて、ECU90に予め記憶される。
[燃料供給量制御部の制御]
燃料供給量制御部92の制御の一例を、説明する。燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71、エンジン温度センサ72、スロットル開度センサ73、酸素センサ74など各種センサの信号に基づいて、インジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御する。燃料供給量制御部92は、インジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御して、燃料供給量を制御する。本明細書において、燃料供給量の制御には、燃料ポンプから供給される燃料の供給量の制御と、インジェクタ55が噴射する燃料の噴射時間の制御とが含まれる。
燃料供給量制御部92は、上述した二次空気供給制御部91と同様に、エンジン本体20が冷機状態か暖機状態であるか判定する。つまり、燃料供給量制御部92は、エンジン温度センサ72の信号に基づいて、エンジン本体20が冷機状態か暖機状態であるか判定する。また、燃料供給量制御部92は、上述した二次空気供給制御部91と同様に、エンジン本体20の運転領域を判定する。つまり、燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71及びスロットル開度センサ73の信号に基づいて、エンジン本体20の運転領域を判定する。
燃料供給量制御部92は、エンジン本体20が冷機状態で運転する場合に、次のように制御する。エンジン本体20が冷機状態で始動する場合、燃料供給量制御部92は、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて、燃料供給量を決定する。その後、燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71の信号およびスロットル開度センサ73の信号に基づいて、吸入空気量を算出する。また、燃料供給量制御部92は、吸入空気量に基づいて、基本燃料供給量を算出する。燃料供給量制御部92は、基本燃料供給量を、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて補正して、燃料供給量を決定する。ここで、補正に用いる各種センサは、酸素センサ74を含まない。
エンジン本体20が暖機状態であって、且つ、エンジン本体20が二次空気供給領域で運転する場合に、燃料供給量制御部92は、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71の信号およびスロットル開度センサ73の信号に基づいて、吸入空気量を算出する。また、燃料供給量制御部92は、吸入空気量に基づいて、基本燃料供給量を算出する。燃料供給量制御部92は、基本燃料供給量を、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて補正して、燃料供給量を決定する。ここで、補正に用いる各種センサは、酸素センサ74を含まない。る。
エンジン本体20が暖機状態であって、且つ、エンジン本体20が低負荷領域のうちの二次空気供給領域以外の領域で運転する場合に、燃料供給量制御部92は、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71の信号およびスロットル開度センサ73の信号に基づいて、吸入空気量を算出する。また、燃料供給量制御部92は、吸入空気量に基づいて、基本燃料供給量を算出する。燃料供給量制御部92は、基本燃料供給量を、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて補正して、燃料供給量を決定する。ここで、補正に用いる各種センサは、酸素センサ74を含む。燃料供給量制御部92は、混合気の空燃比が、所定の空燃比になるように、燃料供給量を制御する。所定の空燃比は、理論空燃比に近いことが好ましい。燃焼効率と、触媒の浄化効率を高めることができるからである。
エンジン本体20が高負荷領域で運転する場合、燃料供給量制御部92は、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、エンジン回転速度センサ71の信号および吸気圧センサ(図示せず)の信号に基づいて、吸入空気量を算出する。また、燃料供給量制御部92は、吸入空気量に基づいて、基本燃料供給量を算出する。燃料供給量制御部92は、基本燃料供給量を、エンジン温度センサ72などの各種センサの信号に基づいて補正して、燃料供給量を決定する。ここで、補正に用いる各種センサは、酸素センサ74を含む。燃料供給量制御部92は、混合気の空燃比が、所定の空燃比になるように、燃料供給量を制御する。所定の空燃比は、理論空燃比に近いことが好ましい。燃焼効率と、触媒の浄化効率を高めることができるからである。
エンジン本体20が冷機状態である場合、燃料供給量制御部92は、更に、次のように制御する。エンジン本体20が暖機状態であり、且つ、エンジン本体20が二次空気供給運転領域で運転されている場合も、同様に、燃料供給量制御部92は、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、自動二輪車1の初期状態において、以下の5つの条件を満たすように、制御する。本明細書において、自動二輪車1の初期状態とは、エアポンプ81、開閉弁82および専用リード弁84が正常に動作し、かつ、専用二次空気供給通路部87に詰まりが生じていない状態のことをいう。尚、エンジン本体20が冷機状態である場合、開閉弁82は開弁状態となるように、且つ、エアポンプ81が作動するように、制御されている。また、エンジン本体20が暖機状態であり、且つ、エンジン本体20が二次空気供給運転領域で運転されている場合も、同様に、開閉弁82は開弁状態となるように、且つ、エアポンプ81が作動するように、制御されている。
図9に基づいて、燃料供給量制御部92が満たす5つの条件を説明する。図9のグラフの縦軸は空燃比を示している。図9の例では、理論空燃比14.5を、理論空燃比Sとしている。空燃比が、理論空燃比Sに対して、リッチか、リーンかを示している。上述の通り、リッチとは、理論空燃比Sに対して燃料が過剰な状態であり、酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の値が、理論空燃比の値より低い状態をいう。リーンとは、理論空燃比Sに対して空気が過剰な状態であり、酸素センサで検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の値が、理論空燃比の値より高い状態をいう。理論空燃比とは、混合気中の酸素と燃料が、過不足なく反応する時の空燃比をいう。理論空燃比を理論空燃比Sとする。以下の説明において、自動二輪車1の初期状態において、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比を空燃比X1とする。空燃比X1は、専用排気通路部66に二次空気が供給された場合の空燃比である。すなわち、開閉弁82が開弁状態の場合に、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比である。また、自動二輪車1の初期状態において、酸素センサ74を通過する時点の排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたと仮定する。二次空気が除かれたガスの酸素濃度から推定される空燃比を空燃比X0とする。空燃比X0は、仮に、専用排気通路部66に二次空気が供給されない場合の空燃比である。すなわち、仮に、開閉弁82が閉弁状態となるように制御された場合に、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比である。ここで、酸素センサ74の信号は、排ガスの周期的な排出に応じて、変動する。本発明では、酸素センサ74の信号から推定される空燃比は、正圧の値を用いる。
1つ目の条件は、空燃比X1が理論空燃比Sよりリーンであることである。2つ目の条件は、空燃比X0が理論空燃比Sよりリッチであることである。3つ目の条件は、空燃比X1から空燃比X0を減算した値が1以上となることである。4つ目の条件は、空燃比X1と理論空燃比Sとの差W1が、空燃比X0と理論空燃比Sとの差W0より大きいことである。5つ目の条件は、空燃比X1と理論空燃比Sの差W1が、1以上となることである。
尚、燃料供給量制御部92は、酸素センサ74以外の各種センサの信号に基づいて制御する。つまり、酸素センサ74で検出された信号に基づいて、空燃比を調整しない。酸素センサ74を使わなくても、空燃比X0および空燃比X1が、以上の5つの条件を満たして制御するように、二次空気供給機構80の構成は調整される。例えば、二次空気供給通路部83の内径、二次空気供給通路部83の長さ、開閉弁82の配置位置、3つの専用リード弁84の配置位置、エアクリーナ86の配置位置が調整される。
[二次空気不足検出部の制御]
二次空気不足検出部93の制御の一例を、説明する。二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。専用二次空気供給通路部87の詰まりとは、3つの専用二次空気供給通路部87の少なくともいずれか1つの専用二次空気供給通路部87が詰まることである。専用リード弁84の閉弁状態での固着とは、3つの専用リード弁84の少なくともいずれか1つの専用リード弁84が閉弁状態で固着することである。専用リード弁84の閉弁状態での固着とは、専用リード弁84が、全閉状態で固着したことをいう。本明細書において、全閉状態とは、開度が0%の状態をいう。
二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が開閉弁82を開弁状態となるように制御している場合に検出する。検出タイミングは、エンジン本体20が冷機状態であり、且つ、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。尚、検出タイミングは、ある時点のみでなく、ある時点から所定の時間経過するまでの間も含む。検出タイミングが、ある時点から所定の時間経過するまでの間である場合、センサで検出される信号は、平均値が用いられる。所定の運転領域とは、例えば、予め設定した所定の負荷領域及び所定の回転領域である。尚、所定の負荷領域とは、負荷が所定の負荷の範囲にあることをいう。所定の回転領域とは、エンジン回転速度が所定の回転速度の範囲にあることをいう。これらの定義は、これ以降の説明にも適用される。
二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例を、図9に基づいて、説明する。専用二次空気供給通路部87が詰まる、または、専用リード弁84の閉弁状態で固着すると、専用排気通路部66に二次空気が供給されない。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。従って、検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比を空燃比A1とする。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比X1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりを検出する。具体的には、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する場合に用いる二次空気不足検出値を、空燃比D1とする。空燃比D1は、空燃比X0よりリーン側の値である。空燃比D1は、空燃比X0よりリッチ側の値である。空燃比D1は、1つの値であってもよく、ある範囲であってもよい。空燃比D1は、ECU90に予め記憶される。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比D1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。更に、二次空気不足検出部93は、空燃比A1が後述する空燃比D2よりリーン側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着と、後述する専用二次空気供給通路部87の詰まりかけとの2つの判定を切り分けてよい。
二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。開閉弁82の閉弁状態での固着とは、開閉弁82が、全閉状態で固着したことをいう。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が開閉弁82を開弁状態となるように制御している場合に、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。検出タイミングは、エンジン本体20が冷機状態であり、且つ、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、二次空気不足検出部93が、開閉弁82の閉弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。
二次空気不足検出部93が、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する場合の制御の一例を、図9に基づいて、説明する。開閉弁82が閉弁状態であると、専用排気通路部66に二次空気が供給されない。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。従って、検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比を空燃比A1とする。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比X1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する場合に用いる二次空気不足検出値を、空燃比D2とする。空燃比D2は、空燃比X0よりリーン側または同等の値である。空燃比D2は、空燃比X1よりリッチ側の値である。空燃比D2は、空燃比D1よりリッチ側または同等の値である。空燃比D2は、1つの値であってもよく、ある範囲であってもよい。空燃比D2は、ECU90に予め記憶される。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比D2よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。
二次空気不足検出部93は、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
また、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。専用二次空気供給通路部87の詰まりかけとは、3つの専用二次空気供給通路部87の少なくともいずれか1つの専用二次空気供給通路部87が詰まりかけていることである。即ち、3つの専用二次空気供給通路部87の少なくともいずれか1つの専用二次空気供給通路部87の有効流路面積が、すすなどのデポジットによって狭くなった状態である。尚、有効流路面積が狭くなったとは、有効流路面積がゼロの場合を含まないものとする。これらの定義は、これ以降の説明にも適用される。二次空気不足検出部93は、二次空気供給制御部91が開閉弁82を開弁状態となるように制御している場合に検出する。検出タイミングは、エンジン本体20が冷機状態であり、且つ、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいいう、検出タイミングは、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけが生じているかの診断を行うタイミングである。
二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する場合の制御の一例を、図9に基づいて、説明する。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87を通って専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量よりも少なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。従って、検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比を空燃比A1とする。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比X1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量より少ないことを検出する。専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する場合に用いる二次空気不足検出値を、空燃比D3とする。必要流量を流量F1とする。必要流量とは、自動二輪車1の初期状態において、二次空気供給制御部91が開閉弁82を開弁状態となるように制御している場合に、専用排気通路部66に供給される二次空気の流量である。所定流量を流量F2とする。必要流量F1から所定流量F2を減算した流量を流量F3とする。酸素センサ74を通過する排ガスから、流量F3に相当する二次空気を除いたと仮定する。空燃比D3は、流量F3に相当する二次空気が除かれたガスの酸素濃度に対応する空燃比である。空燃比D3は、空燃比X0よりリーン側の値であり、空燃比X1よりリッチ側の値である。空燃比D3は、空燃比D1よりリーン側の値である。空燃比D3は、1つの値であってもよく、ある範囲であってもよい。空燃比D3は、ECU90に予め記憶される。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比D3よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。更に、二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比D1よりリーン側の値であるかどうかに基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着と、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけとの2つの判定を切り分けてよい。
二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出すると、表示装置14に警告を表示する。
[専用リード弁開弁異常検出部の制御]
専用リード弁開弁異常検出部95の制御の一例を、説明する。専用リード弁開弁異常検出部95は、下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ここで、専用リード弁84の開弁状態での固着は、専用リード弁84が全開状態または部分的に開いた状態で固着する異常状態をいう。本明細書において、部分的に開いた状態とは、開度が0%より大きく100%より小さい状態をいう。尚、専用リード弁開弁異常検出部95は、開閉弁82が正常状態である場合に、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。専用リード弁開弁異常検出部95は、開閉弁82が異常状態である場合に、必ずしも、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出しない。以下、専用リード弁開弁異常検出部95の制御の一例について、説明する。
専用リード弁開弁異常検出部95は、二次空気供給制御部91が開閉弁82を閉弁状態となるように制御した場合に、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。この場合、エンジン本体20は、暖機状態であって、且つ、二次空気供給領域以外の運転領域で運転している。検出タイミングは、エンジン本体20が暖機状態であり、且つ、二次空気供給領域以外の所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、専用リード弁開弁異常検出部95が、専用リード弁84の開弁状態での固着が生じているかの診断を行うタイミングである。
自動二輪車1の初期状態において、専用リード弁84は正常状態である。自動二輪車1の初期状態において、二次空気供給制御部91が開閉弁82を閉弁状態となるように制御した場合に、排ガスが、専用排気通路部66から専用二次空気供給通路部87に逆流しない。しかしながら、専用リード弁84に開弁状態で固着すると、熱い排ガスが、専用排気通路部66から専用二次空気供給通路部87を通って専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流する。ここで、二次空気の温度は大気温度である。また、排ガスの温度は、大気温度より高い。そのため、自動二輪車1の初期状態と比較して、専用リード弁84に開弁状態での固着が発生した時は、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88bの温度が高くなる。従って、専用リード弁開弁異常検出部95は、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。
具体的には、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度を温度RTとする。専用リード弁開弁異常検出部95は、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出するための指標として、専用リード弁開弁異常検出値を用いる。専用リード弁開弁異常検出値を温度RT1とする。ここで、温度RT1は、以下の場合に、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度である。その場合とは、自動二輪車1の初期状態における検出タイミングである。ここで、下流二次空気温度センサ76bの信号は、排ガスの周期的な排出に応じて、変動する。本明細書において、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度とは、検出タイミングにおける下流二次空気温度センサ76bで検出される専用二次空気供給通路部87内の温度の平均値である。温度RT1は、ECU90に予め記憶される。専用リード弁開弁異常検出部95は、温度RTが温度RT1よりも高い場合に、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。
専用リード弁開弁異常検出部95は、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。
[ポンプ異常検出部の制御]
ポンプ異常検出部96の制御の一例を、説明する。ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。尚、所定流量とは、自動二輪車1の初期状態において、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量である。ポンプ異常検出部96は、二次空気供給制御部91が開閉弁82を開弁状態となるように制御している場合に検出する。検出タイミングは、エンジン本体20が冷機状態であり、且つ、所定の運転領域で運転されているタイミングである。ここでいう検出タイミングは、ポンプ異常検出部96が、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないかどうかの診断を行うタイミングである。所定の運転領域とは、例えば、予め設定した所定の負荷領域及び所定の回転領域である。
ポンプ異常検出部96が、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する場合の制御の一例を、図9に基づいて、説明する。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用二次空気供給通路部87を通って専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量よりも少なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。従って、検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。検出タイミングにおいて、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比を空燃比A1とする。二次空気不足検出部93は、空燃比A1が空燃比X1よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量より少ないことを検出する。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する場合に用いるポンプ異常検出値を、空燃比D4とする。必要流量を流量F4とする。所定流量を流量F5とする。必要流量F4から所定流量F5を減算した流量を流量F6とする。酸素センサ74を通過する排ガスから、流量F6に相当する二次空気を除いたと仮定する。空燃比D4は、流量F6に相当する二次空気が除かれたガスの酸素濃度に対応する空燃比である。空燃比D4は、空燃比X0よりリーン側の値であり、空燃比X1よりリッチ側の値である。空燃比D4は、空燃比D1よりリーン側の値である。空燃比D4は、1つの値であってもよく、ある範囲であってもよい。尚、図9では、空燃比D4は、空燃比D3と同じ値であるが、異なる値であってもよい。空燃比D4は、ECU90に予め記憶される。ポンプ異常検出部96は、空燃比A1が空燃比D4よりリッチ側の値であるかどうかに基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。
ポンプ異常検出部96は、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出すると、表示装置14に警告を表示する。
本実施形態の自動二輪車1によると、二次空気供給通路部83から各専用排気通路部66(専用排気経路67)へ空気を供給することが可能なエアポンプ81を備えていることで、空気供給量、すなわち、酸素供給量が増える。このため、触媒65に送られる排ガスの熱量を増加させることができる。この結果、未燃ガス中に含まれるHC、CO等の未燃物質が、完全燃焼させられる。従って、未燃焼ガス中に含まれるHC、CO等の未燃物質は、二次空気による酸化作用により、浄化される。また、触媒65内の酸素不足を補い、触媒65の浄化を助けることができる。そして、触媒65を不活性状態から早期に活性化でき、触媒65の浄化性能を向上できる。
さらに触媒65がエンジン本体20の下方に配置されており、排ガスの温度低下が小さい状態で排ガスを触媒65に送ることができる。したがって、触媒65の浄化性能を向上できる。エンジン本体20が冷機状態で運転しているとき等には、触媒65を非活性状態から早期に活性状態に変化させることができる。そして、触媒65の浄化性能を向上できる。
このように触媒65の浄化性能を向上できるため、触媒65をエンジン本体20の下方という範囲内で自由に設置できる。エアポンプ81をエンジン本体20の上方に配置し、触媒65をエンジン本体20の下方に配置することで自動二輪車1の重量バランスがとりやすい。
これに加えて、触媒65をエンジン本体20の下方という範囲内で自由に設置できるので、自動二輪車1の重量バランスがさらにとりやすくなる。このため、自動二輪車1の重量バランスを向上できる。なお、エンジン本体20の下方という範囲内とは、上下方向から見て、触媒65の少なくとも一部がエンジン本体20と重なる位置に触媒65が配置可能な範囲をいう。
また、触媒65をエンジン本体20の下方の範囲内で自由に設置できるので、エンジン本体20の下方範囲での空きスペースに触媒65を設置しやすくなる。触媒65の配置の自由度が高く、エアポンプ81と触媒65とをエンジン本体20に対して上下に分けて配置していることで、自動二輪車1の重量バランスを維持しつつエアポンプ81の配置の自由度が向上する。このため、エアポンプ81もエンジン本体20の上方において空きスペースに配置しやすくなる。このように空きスペースを有効利用して触媒65及びエアポンプ81を配置することができるので、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。
自動二輪車の大型化を抑制したい場合に、触媒がエンジン本体の下方に配置された自動二輪車にエアポンプを採用しても、エアポンプをエンジン本体の上方に配置させると、シートなどの高さが高くなり、その結果、自動二輪車が上下方向に大型化する。このため、通常、触媒がエンジン本体の下方に配置された自動二輪車において、エアポンプをエンジン本体の上方に配置させない。しかしながら、本実施形態においては、エンジン本体20の下方に触媒65を配置し、エンジン本体20の上方にエアポンプ81を配置することで、上記のように触媒65の浄化性能が向上でき、自動二輪車1の重量バランスが向上できる。加えて、触媒65をエンジン本体20の下方の範囲内で自由に設置でき、エアポンプ81と触媒65とをエンジン本体20に対して上下に分けて配置していることで、自動二輪車1の重量バランスを維持しつつエアポンプ81の配置の自由度が向上する。この結果、自動二輪車1の空きスペースを有効利用して触媒65及びエアポンプ81を配置することができるので、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。
エアポンプ81と触媒65が、線分L1と線分L2との間に、変速機24の一部が配置されるように、配置されている。これにより、触媒65とエアポンプ81との間に比較的重い変速機24が配置されるので、自動二輪車1の重量バランスが取りやすくなり、自動二輪車1の重量バランスを向上できる。
エアポンプ81と触媒65が、線分L1と線分L2との間に、クランクシャフト27の一部が配置されるように、配置されている。これにより、触媒65とエアポンプ81との間に比較的重いクランクシャフト27が配置されるので、自動二輪車1の重量バランスが取りやすくなり、自動二輪車1の重量バランスを向上できる。
上下方向から見て、触媒65が中心線C2と重ならず、エアポンプ81が中心線と重なる位置に配置され、触媒65の車幅方向の中央とエアポンプ81の車幅方向の中央が、中心線C2を挟む位置に配置されている。これにより、自動二輪車1の車幅方向の重量バランスが取りやすくなり、自動二輪車1の重量バランスを向上できる。
専用二次空気供給経路80aのエアポンプ81よりも下流に配置された開閉弁82と、二次空気供給制御部91とを有している。これにより、エンジン本体20が冷機状態で運転されていない時、例えば、高回転時は、燃焼室30から排出される排ガスの熱量が高い。そのため、専用排気経路67に二次空気を供給する必要がない。高回転時等のエンジン本体20が冷機状態で運転されていない時に開閉弁82を閉じることで、専用排気経路67内の負圧によって専用二次空気供給経路80aから専用排気経路67に二次空気が引き込まれるのを防止することができる。
専用二次空気供給経路80aのエアポンプ81よりも下流に配置された専用リード弁84を有している。これにより、専用排気経路67を流れる排ガスがエアポンプ81に流れ込むのを、専用リード弁84によって阻止することができる。
ECU90は、エンジン本体20が冷機状態の場合、及び、暖機状態で且つエンジン本体20が二次空気供給領域で運転されている場合に、次のように制御する。二次空気供給制御部91は、開閉弁82を開弁状態となるように制御する。また、燃料供給量制御部92は、自動二輪車1の初期状態において、上述した5つの条件のうちの1つめの条件と2つ目の条件を満たすようにインジェクタ55と燃料ポンプの駆動を制御する。その結果、空燃比X1が、理論空燃比Sよりリーンになる。空燃比X1は、自動二輪車1の初期状態において、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比である。つまり、自動二輪車1の初期状態では、触媒65に流入する排ガスの酸素濃度から推定される空燃比は理論空燃比Sよりリーンである。また、空燃比X0が、理論空燃比Sよりリッチになる。空燃比X0は、自動二輪車1の初期状態において、酸素センサ74の位置を通過する排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたガスの酸素濃度から推定される空燃比である。つまり、専用排気通路部66に供給される二次空気が不足した場合、触媒65に流入する排ガスの酸素濃度から推定される空燃比は理論空燃比Sよりリッチである。ここで、専用排気通路部66に供給される二次空気が不足した場合は、専用二次空気供給経路80aに詰まりが生じた場合などである。そのため、空燃比X1と空燃比X0とが、理論空燃比Sを挟んだ値となる。すなわち、空燃比X1と空燃比X0の差Wがある。差Wは、空燃比X1から空燃比X0を減算した値である。更に、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、専用二次空気供給経路80aの詰まりまたは専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここで、専用二次空気供給経路80aに詰まりまたは専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じると、専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されなくなる。そして、自動二輪車1の初期状態と比較して、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比がリッチ側の値になる。つまり、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比が、空燃比X0となる。そのため、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度から推定される空燃比の変化から、専用二次空気供給経路80aの詰まりまたは専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出することができる。また、二次空気不足検出部93は、開閉弁82の閉弁状態での固着または専用二次空気供給経路80aの詰まりかけも同様に検出することができる。
また、ECU90は、エンジン本体20が冷機状態の場合、及び、エンジン本体20が暖機状態であり、且つ、エンジン本体20が二次空気供給領域で運転されている場合に、次のように制御する。燃料供給量制御部92は、自動二輪車1の初期状態において、上述した5つの条件のうちの3つ目から5つ目の条件を満たすように制御する。つまり、自動二輪車1の初期状態から、専用二次空気供給経路80aの少なくとも一部が詰まるまでの間で、酸素センサ74で検出される排ガスの酸素濃度がより変化する。従って、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74の信号に基づいて、容易に、専用二次空気供給経路80aの詰まりまたは専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出することができる。また、ECU90は、開閉弁82の閉弁状態での固着または専用二次空気供給経路80aの詰まりかけも同様に検出することができる。
また、ECU90は、次のように制御する。専用リード弁開弁異常検出部95は、下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ここで、専用リード弁84が開弁状態で固着すると、開閉弁82が閉弁状態となるように制御されているときに、専用排気通路部66から専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに熱い排ガスが逆流する。そのため、自動二輪車1の初期状態と比較して、専用リード弁84が開弁状態で固着した場合は、以下のように変化する。以下の変化は、開閉弁82が閉弁状態となるように制御されているときに生じる。下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が高くなる。従って、専用リード弁開弁異常検出部95は、下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出することができる。
また、ECU90は、次のように制御する。ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここで、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用二次空気供給通路部87を通って専用排気通路部66に供給される二次空気が所定流量よりも少なくなる。そのため、酸素センサ74で検出される酸素濃度から推定される空燃比は、自動二輪車1が初期状態の場合の空燃比より、リッチ側の値である。従って、ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。
そして、検出した情報は、ECU90に記録される。この検出した情報によって、専用二次空気供給経路80aのメンテナンスをライダー等に促すことが考えられる。そして、専用二次空気供給経路80a内をメンテナンスすると、専用排気通路部66に供給される二次空気の不足が解消される。以上により、触媒65の浄化性能を回復させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。また、後述する変更例は適宜組み合わせて実施することができる。なお、本明細書において「好ましい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」ということを意味するものである。
上記実施形態においては、二次空気供給制御部91は、エンジン回転速度に基づいて、エアポンプ81、開閉弁82を制御しているが、この構成に限定されない。二次空気供給制御部91は、冷間始動時からの経過時間が所定時間に達すると、開閉弁82を「閉弁状態」、及び、エアポンプ81を停止するように、開閉弁82及びエアポンプ81を制御してもよい。要するに、開閉弁82及びエアポンプ81の制御を、エンジン始動時からの経過時間で行ってもよい。
上記実施形態においては、エアポンプ81と触媒65は、線分L1と線分L2との間に、変速機24の一部とクランクシャフト27の一部が配置されるように、配置されているが、この構成に限定されない。エアポンプ81と触媒65は、線分L1と線分L2との間に、変速機24の全体及びクランクシャフト27の全体の少なくともいずれかが配置されるように、配置されていてもよい。また、エアポンプ81と触媒65は、線分L1と線分L2との間に、変速機24の一部及びクランクシャフト27の全体、又は、変速機24の全体及びクランクシャフト27の一部が配置されるように、配置されていてもよい。
上記実施形態においては、エアポンプ81と触媒65は、上下方向から見て、その全体がエンジン本体20と重なる位置に、配置されているが、この構成に限定されない。エアポンプ81と触媒65は、上下方向から見て、その一部がエンジン本体20と重なる位置に、配置されていてもよい。また、エアポンプ81と触媒65は、上下方向から見て、触媒65が中心線C2と重なり、エアポンプ81が中心線C2と重ならない位置に、配置されていてもよい。
変更例として、図10に示すように、エアポンプ81の配置位置を変更してもよい。エアポンプ81は、シリンダ部22の上方に配置されている。エアポンプ81と触媒65は、エアポンプ81の前端と触媒65の前端とを通る線分L3(第1線分)とエアポンプ81の後端と触媒65の後端とを通る線分L4(第2線分)との間に、シリンダ部22の一部及びクランクシャフト27の一部が配置されるように、配置されている。これにより、触媒65とエアポンプ81との間に比較的重いシリンダ部22が配置されるので、自動二輪車1の重量バランスが取りやすくなり、自動二輪車1の重量バランスを向上できる。
図10に示す変更例においては、エアポンプ81と触媒65は、線分L3と線分L4との間に、シリンダ部22の全体及びクランクシャフト27の全体、又は、シリンダ部22の全体が配置されるように、配置されていてもよい。また、エアポンプ81と触媒65は、線分L3と線分L4との間に、シリンダ部22の一部及びクランクシャフト27の全体、又は、シリンダ部22の全体及びクランクシャフト27の一部が配置されるように、配置されていてもよい。
別の変更例として、図11に示すように、触媒65及びエアポンプ81の配置位置を変更してもよい。触媒65及びエアポンプ81は、上下方向から見て、その全体がエンジン本体20と重なっている。触媒65及びエアポンプ81は、上下方向から見て、中心線C2と重なる位置に、配置されている。触媒65の車幅方向の中央とエアポンプ81の車幅方向の中央とが、上下方向から見て、中心線C2を挟む位置に配置されている。これにより、自動二輪車1が車幅方向に大型化するのを抑制することができる。また、自動二輪車1の車幅方向の重量バランスが取りやすくなり、自動二輪車1の重量バランスを向上できる。
図11に示す変更例においては、触媒65及びエアポンプ81は、上下方向から見て、中心線C2と重なる位置であって、左方又は右方の一方に片寄る位置に、配置されていてもよい。
別の変更例として、図12に示すように、触媒65及びエアポンプ81の配置位置を変更してもよい。触媒65及びエアポンプ81は、その全体がエンジン本体20と重なっている。触媒65は、上下方向から見て、触媒65の車幅方向の中央と中心線C2とがちょうど重なる位置に、配置されている。エアポンプ81も、上下方向から見て、エアポンプ81の車幅方向の中央と中心線C2とがちょうど重なる位置に、配置されている。これにより、自動二輪車1が車幅方向に大型化するのをさらに抑制することができる。
上記実施形態では、酸素センサ74は、リニアA/Fセンサである。しかしながら、酸素センサ74は、O2センサであってもよい。
上記実施形態では、酸素センサ74は、専用排気経路67の触媒65より上流の位置に設けられている。しかしながら、酸素センサ74は、集合部材62に配置されてよい。また、酸素センサ74は、3つの独立排気通路部61のいずれか1つ以上に配置されてよい。また、酸素センサ74は、3つの専用排気通路部66のいずれか1つ以上に配置されてよい。
上記実施形態では、二次空気供給制御部91、燃料供給量制御部92、二次空気不足検出部93、開閉弁開弁異常検出部94、専用リード弁開弁異常検出部95、及び、ポンプ異常検出部96は、機能処理部として、ECU90に含まれている。しかしながら、二次空気供給制御部91、燃料供給量制御部92、二次空気不足検出部93、開閉弁開弁異常検出部94、専用リード弁開弁異常検出部95、及び、ポンプ異常検出部96は、ECU90とは別の制御部に構成されてもよい。
上記実施形態では、燃料供給量制御部92は、上述の5つの条件を満たすように制御する。しかしながら、2つ目の条件を満たさずに制御しても良い。変形例を図13のグラフAに示す。理論空燃比Sは、14.5である。空燃比X0_Aは、酸素センサ74を通過する排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたガスの空燃比である。グラフAに示すように、燃料供給量制御部92が制御する際に、空燃比X0_Aが理論空燃比Sよりリッチでなくてよい。但し、この場合、空燃比X0_Aは理論空燃比Sに近い値であることが好ましい。
また、燃料供給量制御部92は、3つ目の条件を満たさず制御してもよい。変形例を図13のグラフBに示す。空燃比X1_Bは、専用排気通路部66に二次空気が供給された場合の空燃比である。空燃比X0_Bは、酸素センサ74を通過する排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたガスの空燃比である。グラフBに示すように、燃料供給量制御部92が制御する際に、空燃比X1_Bから空燃比X0_Bを減算した値が1以上とならなくてよい。但し、この場合、空燃比X1_Bから空燃比X0_Bを減算した値が、1に近い値であることが好ましい。
また、燃料供給量制御部92は、4つ目の条件を満たさず制御してもよい。変形例を図13のグラフCに示す。空燃比X1_Cは、専用排気通路部66に二次空気が供給された場合の空燃比である。空燃比X0_Cは、酸素センサ74を通過する排ガスから、専用排気通路部66に供給される二次空気を除いたガスの空燃比である。グラフCに示すように、燃料供給量制御部92が制御する際に、空燃比X1_Cと理論空燃比Sとの差W1_Cが、空燃比X0_Cと理論空燃比Sとの差W0_Cより大きくてよい。
また、燃料供給量制御部92は、5つ目の条件を満たさず制御してもよい。図13のグラフDに示す。空燃比X1_Dは、専用排気通路部66に二次空気が供給された場合の空燃比である。グラフDに示すように、燃料供給量制御部92が制御する際に、空燃比X1_Dと理論空燃比Sの差W1_Dが、1以上とならなくてよい。
上記実施形態では、エンジン本体20の運転領域を、低負荷領域、高負荷領域の2つに分けている。しかしながら、エンジン本体20の運転領域を、低負荷領域、中負荷領域、高負荷領域の3つに分けてよい。この場合、エンジン本体20の運転領域は、予め規定した第2開度θ2と第3開度θ3を基準として、低負荷領域と、中負荷領域と、高負荷領域とに分けられる。第2開度θ2は、第3開度θ3より小さい。エンジン本体20の運転領域が低負荷領域であるとは、スロットル弁56の開度θが第2開度θ2より小さいときである。また、エンジン本体20の運転領域が中負荷領域であるとは、スロットル弁56の開度θが第2開度θ2以上であって、且つ、第3開度θ3より小さいときである。また、エンジン本体20の運転領域が高負荷領域であるとは、スロットル弁56の開度が第3開度θ3以上のときである。尚、低負荷領域は、エンジン本体20の運転領域の1/3以下であってよい。すなわち、第2開度θ2は、全開状態であるスロットル開度の1/3以下であってよい。また、低負荷領域は、エンジン本体20の運転領域の1/2以下であってよい。すなわち、第2開度θ2は、全開状態であるスロットル開度の1/2以下であってよい。更に、この場合、二次空気供給運転領域を、低負荷領域及び中負荷領域の少なくとも一部の運転領域としてもよい。
上記実施形態では、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出すると、表示装置14に警告を表示する。しかしながら、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出すると、警告音を出力してもよい。二次空気不足検出部93が、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出した場合も同様である。二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出した場合も同様である。更に、開閉弁開弁異常検出部94、専用リード弁開弁異常検出部95も同様である。
上記実施形態では、二次空気不足検出部93の検出タイミングは、エンジン本体20が冷機状態であり、且つ、所定の運転領域で運転されているタイミングである。しかしながら、検出タイミングは、エンジン本体20が暖機状態であって、且つ、エンジン本体20が二次空気供給領域内の所定の運転領域で運転されているタイミングであってもよい。
また、二次空気不足検出部93の検出タイミングは、エンジン本体20が暖機状態で、且つ、二次空気供給運転領域以外の所定の運転領域で運転している場合であってもよい。この場合、ECU90は、検出タイミングにおいて、開閉弁82を開弁状態となるように制御する。そして、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。つまり、このような場合、通常、専用排気通路部66に二次空気を供給しない。しかしながら、このような場合であっても、専用排気通路部66に二次空気を供給することにより、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出することができる。
上記実施形態では、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態で、二次空気供給運転領域で運転している場合に、開閉弁82を開弁状態となるように制御する。しかしながら、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態で、二次空気供給運転領域で運転している場合に、開閉弁82を閉弁状態となるように、且つ、エアポンプ81を停止するように、制御して良い。従って、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が暖機状態で運転している場合に、開閉弁82を閉弁状態となるように、且つ、エアポンプ81を停止するように、制御して良い。つまり、二次空気供給制御部91は、エンジン本体20が冷機状態で運転している場合にのみ、開閉弁82を開弁状態となるように制御して良い。
上記実施形態では、二次空気不足検出部93は、二次空気不供給検出値を用いて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。しかしながら、二次空気不足検出部93は、後述する二次空気不供給検出閾値を指標として、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。具体的には、二次空気不足検出部93が、空燃比X0と空燃比A1との差または空燃比X1と空燃比A1との差と、予め設定した二次空気不供給検出閾値とを比較してもよい。二次空気不供給検出閾値は、ECU90に予め記憶される。
上記実施形態では、エンジンユニット11は、酸素センサ74及び下流二次空気温度センサ76bを有している。しかしながら、エンジンユニット11は、後述するセンサ75、76a、77a、77b、78の少なくともいずれか1つをさらに備えてよい。そして、二次空気不足検出部93は、センサ74、75、76a、76b、77a、77b、78の少なくともいずれか1つの信号を用いて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。また、二次空気不足検出部93は、センサ74、75、76a、76b、77a、77b、78の少なくともいずれか1つの信号を用いて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。また、二次空気不足検出部93は、センサ74、75、76a、76b、77a、77b、78の少なくともいずれか1つの信号を用いて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。また、専用リード弁開弁異常検出部95は、センサ76a、76b、77a、77bの少なくともいずれか1つの信号を用いて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出してよい。また、ポンプ異常検出部96は、センサ74、75、76a、76b、77a、77b、78の少なくともいずれか1つの信号を用いて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。
図5及び図6に示すように、エンジンユニット11が、排ガス温度センサ75を有してよい。排ガス温度センサ75は、専用排気経路67の触媒65より下流の位置に設けられている。具体的には、排ガス温度センサ75は、集合排気通路部63の触媒65より下流の位置に設けられる。図3に示すように、排ガス温度センサ75は、集合排気通路部63のテーパー部63cに設けられている。排ガス温度センサ75は、触媒65に流入する排ガスの温度を検出する。尚、排ガス温度センサ75は、水平部63bに配置してよい。また、排ガス温度センサ75は、マフラー64内に配置してよい。図8に示すように、排ガス温度センサ75は、ECU90に接続される。
図5及び図6に示すように、エンジンユニット11が、上流二次空気温度センサ76aを有してよい。上流二次空気温度センサ76aは、共通大気側二次空気供給通路部88aに設けられている。上流二次空気温度センサ76aは、エアポンプ81より下流であって、開閉弁82より上流の位置に配置される。即ち、上流二次空気温度センサ76aは、大気側二次空気供給通路部88において、開閉弁82より上流に配置される。上流二次空気温度センサ76aは、大気側二次空気供給通路部88(特に、共通大気側二次空気供給通路部88a)内の温度を検出する。
図5及び図6に示すように、エンジンユニット11が、上流圧力センサ77a及び3つの下流圧力センサ77bを有してよい。上流圧力センサ77a及び3つの下流圧力センサ77bは、大気側二次空気供給通路部88に設けられている。上流圧力センサ77aは、エアポンプ81より下流であって、開閉弁82より上流の位置に配置される。即ち、上流圧力センサ77aは、大気側二次空気供給通路部88において、開閉弁82より上流に配置される。つまり、上流圧力センサ77aは、共通大気側二次空気供給通路部88aに配置される。上流圧力センサ77aは、共通大気側二次空気供給通路部88a内の圧力を検出する。また、下流圧力センサ77bは、開閉弁82より下流であって、大気側二次空気供給通路部88の他端より上流の位置に配置される。即ち、下流圧力センサ77bは、大気側二次空気供給通路部88において、開閉弁82より下流に配置される。つまり、3つの下流圧力センサ77bは、それぞれ、専用大気側二次空気供給通路部88bに配置される。下流圧力センサ77bは、専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力を検出する。本実施形態では、3つの下流圧力センサ77bは、各専用大気側二次空気供給通路部88b内に配置される。図8に示すように、上流圧力センサ77a及び下流圧力センサ77bは、ECU90に接続される。上記実施形態では、下流圧力センサ77bは、大気側二次空気供給通路部88に配置される。しかしながら、下流圧力センサ77bは、専用二次空気供給通路部87に配置されてもよい。
図5及び図6に示すように、エンジンユニット11が、流量センサ78を有してよい。流量センサ78は、エアポンプ81より下流であって、開閉弁82より上流の位置に配置される。即ち、流量センサ78は、大気側二次空気供給通路部88において、開閉弁82より上流の位置に配置される。つまり、流量センサ78は、共通大気側二次空気供給通路部88aに配置される。流量センサ78は、共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量を検出する。図8に示すように、流量センサ78は、ECU90に接続される。流量センサ78は、例えば、カルマン渦式流量センサや熱式流量センサである。
まず、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じると、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が少なくなる、または、なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が不足すると、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度が、予め記憶されている所定値以下である時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じると、専用二次空気供給通路部87と大気側二次空気供給通路部88が遮断される。そのため、専用排気通路部66内の排気脈動によって、専用排気通路部66の熱い排ガスが、専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流しなくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、低くなる。二次空気不足検出部93は、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より低い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、上流圧力センサ77aの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じると、専用二次空気供給通路部87と大気側二次空気供給通路部88が遮断される。そして、エアポンプ81が作動されると、大気側二次空気供給通路部88に二次空気が圧送される。しかしながら、圧送された二次空気は、専用排気通路部66に供給されず、大気側二次空気供給通路部88内に留まる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、大気側二次空気供給通路部88内の圧力が高くなる。二次空気不足検出部93は、上流圧力センサ77aで検出される大気側二次空気供給通路部88内の圧力が、予め記憶されている所定値より高い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された上流圧力センサ77aで検出される大気側二次空気供給通路部88内の圧力に基づいて設定される。尚、下流圧力センサ77bも同様であり、その説明を省略する。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、流量センサ78の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出してよい。専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着が生じた場合、専用排気通路部66に供給される二次空気が不足する。つまり、共通大気側二次空気供給通路部88aを通過する二次空気が少なくなる、または、なくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が少なくなる、または、なくなる。そして、流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下となる。二次空気不足検出部93は、流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、下流二次空気温度センサ76b、上流圧力センサ77a、下流圧力センサ77b、及び、流量センサ78のいずれか2つ以上の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出して良い。二次空気不足検出部93が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実に専用排気通路部66に専用二次空気供給通路部87の詰まり、または、専用リード弁84の閉弁状態での固着を検出することができる。
次に、二次空気不足検出部93が、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。開閉弁82が閉弁状態で固着すると、専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されない。専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が供給されないと、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75で検出される触媒65に流入する排ガスの温度が、予め記憶されている所定値以下である時に、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。開閉弁82の閉弁状態での固着が生じると、共通大気側二次空気供給通路部88aと専用大気側二次空気供給通路部88bが遮断される。専用大気側二次空気供給通路部88bに冷たい二次空気が通過しない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、高くなる。二次空気不足検出部93は、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より高い時に、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、上流圧力センサ77aの信号に基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。開閉弁82の閉弁状態での固着が生じると、共通大気側二次空気供給通路部88aと専用大気側二次空気供給通路部88bが遮断される。そして、エアポンプ81が作動されると、共通大気側二次空気供給通路部88aに二次空気が圧送される。しかしながら、圧送された二次空気は、専用大気側二次空気供給通路部88bに供給されず、共通大気側二次空気供給通路部88aに留まる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、共通大気側二次空気供給通路部88a内の圧力が高くなる。二次空気不足検出部93は、上流圧力センサ77aで検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内の圧力が、予め記憶されている所定値より高い時に、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された上流圧力センサ77aで検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、下流圧力センサ77bの信号に基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。開閉弁82の閉弁状態での固着が生じると、共通大気側二次空気供給通路部88aと専用大気側二次空気供給通路部88bが遮断される。そして、エアポンプ81が作動されると、共通大気側二次空気供給通路部88aに二次空気が圧送される。しかしながら、圧送された二次空気は、専用大気側二次空気供給通路部88bに供給されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、低くなる。二次空気不足検出部93は、下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、予め記憶されている所定値より低い時に、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、流量センサ78の信号に基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出してよい。開閉弁82の閉弁状態での固着が生じた場合、共通大気側二次空気供給通路部88aと専用大気側二次空気供給通路部88bが遮断される。つまり、共通大気側二次空気供給通路部88aを二次空気が通過しない。従って、共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量がなくなる。そして、流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下となる。二次空気不足検出部93は、流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、下流二次空気温度センサ76b、上流圧力センサ77a、下流圧力センサ77b、及び、流量センサ78のいずれか2つ以上の信号に基づいて、開閉弁82の閉弁状態での固着を検出して良い。二次空気不足検出部93が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実に開閉弁82の閉弁状態での固着を検出することができる。
次に、二次空気不足検出部93が、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87を通って専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が、所定流量より少なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足と、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。そこで、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけた場合、排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度は、予め記憶されている所定値より低くなる。二次空気不足検出部93は、排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度が、予め記憶されている所定値よりも低い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87の有効流路面積が狭くなる。そのため、専用排気通路部66内の排気脈動によって、専用排気通路部66の排ガスが、専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流しにくくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、低くなる。二次空気不足検出部93は、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より低い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例は、二次空気不足検出部93は、上流圧力センサ77aの信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87の有効流路面積が狭くなる。エアポンプ81が作動されて、大気側二次空気供給通路部88に二次空気が圧送される。しかしながら、圧送された二次空気の一部が、専用排気通路部66に供給されず、大気側二次空気供給通路部88内に留まる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、大気側二次空気供給通路部88内の圧力が高くなる。二次空気不足検出部93は、上流圧力センサ77aで検出される大気側二次空気供給通路部88内の圧力が、予め記憶されている所定値より高い時に、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された上流圧力センサ77aで検出される大気側二次空気供給通路部88内の圧力に基づいて設定される。尚、下流圧力センサ77bも同様であり、その説明を省略する。
別の変形例では、二次空気不足検出部93は、流量センサ78の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出してよい。専用二次空気供給通路部87が詰まりかけると、専用二次空気供給通路部87の有効流路面積が狭くなる。つまり、共通大気側二次空気供給通路部88aを通過する二次空気が少なくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が少なくなる。二次空気不足検出部93は、流量センサ78で検出される専用二次空気供給通路部87内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、二次空気不足検出部93は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、下流二次空気温度センサ76b、上流圧力センサ77a、下流圧力センサ77b、及び、流量センサ78のいずれか2つ以上の信号に基づいて、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出して良い。二次空気不足検出部93が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実に専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出することができる。
上記実施形態では、専用リード弁開弁異常検出部95は、下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。しかしながら、専用リード弁開弁異常検出部95は、上述したセンサの信号に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出してよい。1つの変形例は、専用リード弁開弁異常検出部95は、上流二次空気温度センサ76aの信号に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出してよい。専用リード弁84が開弁状態で固着していると、専用排気通路部66の排気脈動に伴って、専用大気側二次空気供給通路部88bを通って、共通大気側二次空気供給通路部88a内に熱い排ガスが逆流する。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、上流二次空気温度センサ76aで検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内の温度が、高くなる。二次空気不足検出部93は、二次空気温度センサ76で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内の温度が、予め記憶されている所定値より高い時に、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された上流二次空気温度センサ76aで検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内の温度に基づいて設定される。
別の変形例では、専用リード弁開弁異常検出部95は、下流圧力センサ77bの信号に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出してよい。専用リード弁84が開弁状態で固着していると、専用排気通路部66の排気脈動に伴って、専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が負圧に変動する。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、低くなる。専用リード弁開弁異常検出部95は、下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力が、予め記憶されている所定値より低い時に、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された下流圧力センサ77bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の圧力に基づいて設定される。
尚、専用リード弁開弁異常検出部95は、上述した上流二次空気温度センサ76a、下流二次空気温度センサ76b、及び、下流圧力センサ77bのいずれか2つ以上の信号に基づいて、専用リード弁84の開弁状態での固着を検出して良い。専用リード弁開弁異常検出部95が、2つ以上のセンサの信号を用いた場合、より確実に専用リード弁84の開弁状態での固着を検出することができる。
次に、ポンプ異常検出部96が、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する変形例について、以下で説明する。1つの変形例では、ポンプ異常検出部96は、排ガス温度センサ75の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少なくなると、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が少なくなる。つまり、専用排気通路部66に供給される酸素を含んだ二次空気が不足する。専用排気通路部66に酸素を含んだ二次空気が不足すると、専用排気経路67に排出された排ガス中の未燃焼ガスが、完全に燃焼されない。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、触媒65に流入する排ガスの温度が低下する。ポンプ異常検出部96は、排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度が、予め記憶されている所定値以下である時に、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された排ガス温度センサ75で検出される排ガスの温度の平均値に基づいて設定される。
別の変形例では、ポンプ異常検出部96は、下流二次空気温度センサ76bの信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、専用排気通路部66内の排気脈動によって、専用排気通路部66の排ガスが、専用二次空気供給通路部87を通って、専用大気側二次空気供給通路部88bに逆流しやすくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、高くなる。ポンプ異常検出部96は、下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度が、予め記憶されている所定値より高い時に、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここでいう所定値は、例えば、自動二輪車1が初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された下流二次空気温度センサ76bで検出される専用大気側二次空気供給通路部88b内の温度に基づいて設定される。
別の変形例は、ポンプ異常検出部96は、上流圧力センサ77aの信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、自動二輪車1の初期状態と比較して、大気側二次空気供給通路部88内の圧力が低くなる。ポンプ異常検出部96は、上流圧力センサ77aで検出される大気側二次空気供給通路部88内の圧力が、予め記憶されている所定値より低い時に、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された上流圧力センサ77aで検出される大気側二次空気供給通路部88内の圧力に基づいて設定される。尚、下流圧力センサ77bも同様であり、その説明を省略する。
別の変形例では、ポンプ異常検出部96は、流量センサ78の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出してよい。エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないと、共通大気側二次空気供給通路部88aを通過する二次空気が少なくなる。従って、自動二輪車1の初期状態と比較して、共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が少なくなる、または、なくなる。そして、流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下となる。ポンプ異常検出部96は、流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量が、予め記憶されている所定値以下である時に、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出する。ここでいう所定値は、自動二輪車1の初期状態である場合の検出タイミングにおいて、予め検出された流量センサ78で検出される共通大気側二次空気供給通路部88a内を通過する気体の流量に基づいて設定される。
尚、ポンプ異常検出部96は、酸素センサ74、排ガス温度センサ75、下流二次空気温度センサ76b、上流圧力センサ77a、下流圧力センサ77b、及び、流量センサ78のいずれか2つ以上の信号に基づいて、エアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出して良い。ポンプ異常検出部96が、2つ以上のセンサの信号を用いるので、より確実にエアポンプ81から圧送される二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することができる。
尚、ECU90は、二次空気不足検出部93を備えなくてよい。ECU90は、開閉弁開弁異常検出部94を備えなくてよい。また、ECU90は、専用リード弁開弁異常検出部95を備えなくてよい。また、ECU90は、ポンプ異常検出部96を備えなくてよい。ECU90が専用リード弁開弁異常検出部95を備えない場合、エンジンユニット11は、下流二次空気温度センサ76bを備えなくてよい。
上記実施形態では、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出している。しかしながら、二次空気不足検出部93は、専用二次空気供給通路部87の詰まりかけを検出しなくてよい。
上記実施形態では、二次空気不足検出部93は、開閉弁82が閉弁状態で固着していることを検出している。しかしながら、二次空気不足検出部93は、開閉弁82が閉弁状態で固着していることを検出しなくてよい。
別の変更例として、二次空気供給機構80は、3つの専用二次空気供給通路部87が、シリンダヘッド22b及びヘッドカバー22cに形成された構成でなくてもよい。つまり、図14に示すように、二次空気供給機構280は、3つの専用二次空気供給通路部287の他端287bが、集合部材62又は集合排気通路部63の触媒65よりも上流の部分に接続された構成であってもよい。この場合、専用リード弁84は、ヘッドカバー22cの上端部に設けられていない。専用リード弁84は、3つの専用二次空気供給通路部287の一端部287a1に設けられる。また、この変形例のように、連通部88cが設けられていなくてよい。この場合、3つの専用二次空気供給通路部287に対して、1つの専用リード弁84が設けられてもよい。または、3つの専用大気側二次空気供給通路部288bに対して、1つの開閉弁82が設けられていてもよい。この場合、専用二次空気供給経路280aが、大気側専用二次空気供給通路部288及び専用二次空気供給通路部287によって主に構成され、エアクリーナ86から専用排気経路67に繋がる。このように二次空気供給機構280の構成部材が大幅に減少する。このため、自動二輪車1の大型化を抑制することができる。
上記実施形態及び各変更例においては、開閉弁82及び専用リード弁84が設けられているが、少なくとも一方が設けられていなくてもよい。
上記実施形態では、二次空気供給機構80は、各シリンダ排気通路部22b2に空気を供給する構成であるが、この構成に限定されない。二次空気供給機構は、各独立排気通路部61に空気を供給する構成であってもよい。
上記実施形態では、大気側二次空気供給通路部88の一端部88d1に、エアクリーナ86を設けているが、大気側二次空気供給通路部88の一端部88d1にエアクリーナ51を設けてもよい。
上記実施形態では、大気側二次空気供給通路部88は、共通大気側二次空気供給通路部88aと、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bとを備える。しかしながら、大気側二次空気供給通路部88は、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bだけを備えてもよい。この場合、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bのそれぞれの一端部には、エアクリーナ86が設けられる。また、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bの他端は、それぞれ、3つの専用二次空気供給通路部87に接続される。そして、開閉弁82は、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bのそれぞれに1つずつ設けられる。
上記実施形態では、大気側二次空気供給通路部88は、共通大気側二次空気供給通路部88aと、3つの専用大気側二次空気供給通路部88bと、連通部88cとを備える。しかしながら、大気側二次空気供給通路部88は、共通大気側二次空気供給通路部88aだけを備えてもよい。この場合、共通大気側二次空気供給通路部88aの他端部に、3つの専用二次空気供給通路部87(専用リード弁84)を連通させる連通部を設ける。
上記実施形態では、触媒65は、触媒65を流れる排ガスの流れ方向が前後方向に延びる方向となるように配置されているが、この構成に限定されない。触媒65は、触媒65を流れる排ガスの流れ方向が左右方向に延びる方向となるように配置されていてもよい。
上記実施形態では、1つの燃焼室30に、1つの専用排気通路部66が接続されている。しかしながら、1つの燃焼室30に、複数の専用排気通路部が接続されていてもよい。この場合でも、専用リード弁84は、1つの燃焼室30に対して、1つ設けられる。
上記実施形態では、インジェクタ55が本発明の燃料供給装置に相当する。しかし、本発明の燃料供給装置は、インジェクタに限らない。本発明の燃料供給装置は、燃焼室内に燃料を供給する装置であればよい。本発明の燃料供給装置は、例えば、負圧により燃焼室に燃料を供給するキャブレターであってもよい。
上記実施形態では、1つのシリンダ孔22a1に対して1つの燃焼室が設けられるが、1つのシリンダ孔に対して主燃焼室と副燃焼室が設けられてもよい。この場合、主燃焼室と副燃焼室とを合わせたものが、本発明における燃焼室に相当する。
上記実施形態では、シリンダ孔22a1の中心軸線C1は、上下方向に延びる軸線であるが、前後方向に延びる軸線であってもよい。
本発明が適用されるエンジンユニット11は空冷式エンジンであってもよい。
上記実施形態において、複数の燃焼室30は左右方向に隣り合っている。つまり、上記実施形態のエンジンユニット11は3気筒が車幅方向に並んだ並列型エンジンである。しかし、複数の燃焼室30は、前後方向に沿って隣り合っていてもよい。つまり、複数の気筒が前後方向に配置された直列型エンジンであってもよい。この場合、3つのシリンダ吸気通路部22b1の開口端は、シリンダヘッド22bの表面の左面または右面に形成される。また、3つのシリンダ排気通路部22b2の開口端は、シリンダヘッド22bの表面の左面または右面に形成される。また、並列型と直列型を併用したエンジンであってもよい。
上記実施形態のエンジン本体20は、3つの燃焼室30を有する。つまり、上記実施形態のエンジンユニット11は3気筒エンジンである。しかしながら、エンジンユニット11は、3気筒以外の多気筒エンジンであってもよい。つまり、エンジンユニット11が有する燃焼室30の数は、2つであっても、4つ以上であってもよい。
燃焼室30の数が4つ以上の場合、全ての燃焼室30から排出された排ガスが合流しなくてもよい。例えば、燃焼室30の数が4つの場合を例に挙げる。右側の2つの燃焼室30から排出された排ガスと、左側の2つの燃焼室30から排出された排ガスが合流しなくてもよい。右側の2つの燃焼室30に対して1つの触媒65が設けられて、左側の2つの燃焼室30に対して別の触媒65が設けられる。
燃焼室30の数が4つ以上の場合、エンジン本体20は、いわゆる、V型エンジンであってもよい。例えば、V型4気筒エンジンは、前後に2つずつ配置された4つの燃焼室を有する。V型エンジンの前部に設けられる燃焼室を、前燃焼室と称する。複数の前燃焼室は、左右方向に隣り合っている。V型エンジンの後部に設けられる燃焼室を、後燃焼室と称する。複数の後燃焼室は、左右方向に隣り合っている。前燃焼室は、シリンダ排気通路部22b2、独立排気通路部61、集合部材62、集合排気通路部63、及び、マフラー64と連通する。前燃焼室は、本発明における「少なくとも1つの燃焼室」に含まれる。
エンジン本体20がV型エンジンの場合、排気ユニット60は、後燃焼室から排出された排ガスが、前燃焼室から排出された排ガスと合流するように構成されてもよい。例えば、後燃焼室に連通する排気通路部の下流端が、集合部材62に接続されてもよい。この場合、後燃焼室から排出された排ガスは、触媒65で浄化される。また、例えば、排気ユニット60は、後燃焼室から排出された排ガスが、前燃焼室から排出された排ガスと合流しないように構成されてもよい。この場合、触媒65とは別に、後燃焼室から排出された排ガスを浄化する触媒が設けられる。後燃焼室は、本発明における「少なくとも1つの燃焼室」に含まれる。
前燃焼室の専用排気通路部66と後燃焼室の専用排気通路部66に、それぞれ、二次空気供給通路部83を接続する。この場合、前燃焼室の二次空気供給通路部83において、1つの共通大気側二次空気供給通路部88aの他端部に、2つの専用二次空気供給通路部87(専用リード弁84)を連通させる連通部を設けてよい。また、後燃焼室の二次空気供給通路部83においても、1つの共通大気側二次空気供給通路部88aの他端部に、2つの専用二次空気供給通路部87(専用リード弁84)を連通させる連通部を設けてよい。前燃焼室の専用排気通路部66と後燃焼室の専用排気通路部66に、共通の二次空気供給通路部83を接続してもよい。
本発明の鞍乗型車両は、上記実施形態の自動二輪車に限定されるものでなない。なお、鞍乗型車両とは、乗員が鞍にまたがるような状態で乗車する車両全般を指している。本発明の鞍乗型車両には、自動二輪車、三輪車、四輪バギー(ATV:AllTerrainVehicle(全地形型車両))、水上バイク、スノーモービル等が含まれる。鞍乗型車両の前輪は2つ以上であってもよい。鞍乗型車両の後輪は2つ以上であってもよい。
本発明および本明細書において、A方向に延びる方向とは、A方向と平行である場合だけを示すものではない。A方向に延びる方向とは、A方向に対して±45°の範囲で傾斜している方向のことである。また、A方向に延びる軸線とは、A方向と平行な軸線だけを示すものではない。A方向に延びる軸線とは、A方向に対して±45°の範囲で傾斜している軸線を含む。なお、A方向は、特定の方向を指すものではない。A方向を、水平方向や前後方向に置き換えることができる。
本発明および本明細書において、冷間始動時とは、エンジン本体20が冷機状態で運転を開始する時のことである。シリンダ吸気通路部22b1は、先の出願のシリンダ吸気通路22b1のことである。シリンダ排気通路部22b2は、先の出願の排気通路22b2のことである。集合吸気通路部52は、先の出願の吸気管52のことである。独立吸気通路部54は、先の出願の吸気管54のことである。専用吸気経路57は、先の出願の吸気経路57のことである。独立排気通路部61は、先の出願の排気管61のことである。集合排気通路部63は、先の出願の集合排気管63のことである。専用排気経路67は、先の出願の排気経路67のことである。専用リード弁84とは、先の出願のリード弁84のことである。専用二次空気供給通路部87は、先の出願の供給通路87のことである。専用大気側二次空気供給通路部88bは、先の出願の配管88を含む。共通大気側二次空気供給通路部88aは、先の出願の配管89a〜89cを含む。二次空気供給制御部91は、先の出願の空気供給制御部96のことである。燃料噴射量制御部92は、先の出願の燃料噴射量制御部95のことである。
尚、本明細書において、通路部とは、経路を形成する構造物を意味する。経路とは、ガスなどが通過する空間を意味する。本明細書において、専用二次空気供給通路部が詰まりかけているとは、専用二次空気供給通路部の有効流路面積が狭くなっていることを意味する。有効流路面積が狭くなったとは、有効流路面積がゼロの場合を含まないものとする。本明細書において、鞍乗型車両の初期状態とは、二次空気供給装置が正常状態であることをいう。本明細書において、二次空気供給装置が正常状態である場合とは、ポンプ、開閉弁および専用リード弁が正常に動作し、かつ、専用二次空気供給経路に詰まりまたは詰まりかけが生じていない状態のことをいう。本明細書において、全開状態とは、開度が100%の状態をいう。本明細書において、全閉状態とは、開度が0%の状態をいう。本明細書において、部分的に開いた状態とは、開度が0%より大きく100%より小さい状態をいう。本明細書において、開閉弁を開弁状態となるように制御するとは、二次空気供給制御部(制御部)から開閉弁に、開閉弁を開弁させるための信号が送られた状態のことである。開閉弁が正常に開弁したか否かは問わない。開弁状態とは、弁が開いた状態のことをいう。本明細書において、開閉弁を閉弁状態となるように制御するとは、二次空気供給制御部(制御部)から開閉弁に、開閉弁を閉弁させるための信号が送られた状態のことである。開閉弁が正常に閉弁したか否かは問わない。開弁状態とは、弁が閉じた状態のことをいう。本明細書において、空燃比とは、燃焼室内の混合気の空燃比のことである。本明細書において、理論空燃比とは、混合気中の酸素と燃料が、過不足なく反応する時の空燃比をいう。本明細書において、燃料供給量の制御には、燃料ポンプから供給される燃料の供給量の制御と、インジェクタ(燃料供給装置)が噴射する燃料の噴射時間の制御とが含まれる。
1 自動二輪車(鞍乗型車両)
11 エンジンユニット
14 表示装置(報知手段)
20 エンジン本体
30 燃焼室
51a 空気吸入口
55 インジェクタ(燃料供給装置)
64 放出口
65 触媒
67 専用排気経路
74 酸素センサ
75 排ガス温度センサ
76a 上流二次空気温度センサ
76b 下流二次空気温度センサ
77a 上流圧力センサ
77b 下流圧力センサ
78 流量センサ
80a,280a 専用二次空気供給経路
81 エアポンプ(ポンプ)
82 開閉弁
83 二次空気供給通路部
84 専用リード弁
87 専用二次空気供給通路部
87a,88d 一端
87a1 一端部
87b,88e 他端
88 大気側二次空気供給通路部
90 ECU(制御部)
91 二次空気供給制御部(制御部)
92 燃料噴射量制御部(制御部)
93 二次空気不足検出部(制御部)
95 専用リード弁開弁異常検出部(制御部)
96 ポンプ異常検出部(制御部)
C2 中心線
L1,L3 線分(第1線分)
L2,L4 線分(第2線分)

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの燃焼室が内部に形成されたエンジン本体と、
    前記燃焼室から排出された排ガスが流れる専用排気経路と、
    前記専用排気経路内に配置され、少なくとも一部が前記エンジン本体の下方に位置する触媒と、
    前記専用排気経路の前記触媒よりも排ガスの流れ方向の上流の位置に大気を二次空気として供給する専用二次空気供給経路と、
    前記専用二次空気供給経路の途中に配置され、電気で制御され、少なくとも一部が前記エンジン本体の上方に位置しており、前記二次空気を前記専用排気経路に向かって圧送するポンプと、
    前記ポンプの作動及び停止を制御する制御部と、
    を有するエンジンユニットを備えていることを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記エンジン本体は、変速機を有しており、
    前記変速機の少なくとも一部は、前記鞍乗型車両の車幅方向から見て、前記触媒の前端と前記ポンプの前端を通る第1線分と、前記触媒の後端と前記ポンプの後端を通る第2線分との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  3. 前記エンジン本体は、クランクシャフトを有しており、
    前記クランクシャフトの少なくとも一部は、前記鞍乗型車両の車幅方向から見て、前記触媒の前端と前記ポンプの前端を通る第1線分と、前記触媒の後端と前記ポンプの後端を通る第2線分との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  4. 前記エンジン本体は、シリンダボディとシリンダヘッドとを含むシリンダ部を有しており、
    前記シリンダ部の少なくとも一部は、前記鞍乗型車両の車幅方向から見て、前記触媒の前端と前記ポンプの前端を通る第1線分と、前記触媒の後端と前記ポンプの後端を通る第2線分との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両。
  5. 前記触媒と前記ポンプの少なくとも一方は、上下方向から見て、前記鞍乗型車両の車幅方向の中心線と重ならない位置に配置され、
    前記触媒の前記車幅方向の中央と前記ポンプの前記車幅方向の中央とが、前記上下方向から見て、前記鞍乗型車両の前記中心線を挟む位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  6. 前記触媒と前記ポンプは、上下方向から見て、前記鞍乗型車両の車幅方向の中心線と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜4に記載の鞍乗型車両。
  7. 前記触媒の前記車幅方向の中央と前記ポンプの前記車幅方向の中央とが、前記上下方向から見て、前記鞍乗型車両の前記中心線を挟む位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両。
  8. 前記触媒の前記車幅方向の中央と前記ポンプの前記車幅方向の中央とが、前記上下方向から見て、前記鞍乗型車両の前記中心線と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の鞍乗型車両。
  9. 前記専用二次空気供給経路の前記ポンプよりも前記二次空気の流れ方向の下流に配置された開閉弁をさらに備えており、
    前記制御部は、前記開閉弁を、開弁状態または閉弁状態となるように制御すことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  10. 前記専用二次空気供給経路の前記ポンプよりも前記二次空気の流れ方向の下流に配置された専用リード弁をさらに備えており、
    前記専用リード弁は、前記専用二次空気供給経路の前記専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の上流の部分の圧力から前記専用二次空気供給経路の前記専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の下流の部分の圧力を減算した差圧が所定圧力以上のときに開弁状態であり、前記専用二次空気供給経路を連通させ、前記専用二次空気供給経路の前記専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の上流の部分の圧力から前記専用二次空気供給経路の前記専用リード弁よりも前記二次空気の流れ方向の下流の部分の圧力を減算した差圧が前記所定圧力よりも小さいときに閉弁状態であり、前記専用二次空気供給経路を遮断することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の鞍乗型車両。
  11. 前記専用排気経路は、前記燃焼室ごとに設けられて、前記燃焼室から排出された排ガスが流れる専用排気通路部、及び、前記専用排気通路部の排ガスの流れ方向の下流の端部に接続され、大気に排ガスを放出する放出口を有する大気側排気通路部を含む排気通路部の内部に、前記燃焼室ごとに形成され、
    前記専用二次空気供給経路は、その一端に大気から空気を吸入する空気吸入口を有する大気側二次空気供給通路部、及び、前記専用排気通路部ごとに設けられ、その一端が前記大気側二次空気供給通路部の他端に接続され、その他端が前記専用排気通路部に接続される専用二次空気供給通路部を含む二次空気供給通路部の内部に、前記専用排気通路部ごとに形成され、
    前記開閉弁は、前記大気側二次空気供給通路部に設けられ、
    前記専用リード弁は、前記専用二次空気供給通路部ごとに、前記専用二次空気供給通路部の一端部に設けられ、
    前記触媒は、前記大気側排気通路部に設けられ、
    前記エンジンユニットは、更に、前記大気側排気通路部の前記触媒より排ガスの流れ方向の上流に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ、または、前記酸素センサと、前記大気側排気通路部の前記触媒より排ガスの流れ方向の下流の位置または前記触媒に設けられ、前記触媒に流入する排ガスの温度を検出する排ガス温度センサ、前記大気側二次空気供給通路部の前記開閉弁より前記二次空気の流れ方向の下流であって、且つ、前記大気側二次空気供給通路部の前記専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内の温度を検出する下流二次空気温度センサ、前記大気側二次空気供給通路部の前記開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記大気側二次空気供給通路部の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内の圧力を検出する上流圧力センサ、前記大気側二次空気供給通路部の前記開閉弁より前記二次空気の流れ方向の下流であって、且つ、前記大気側二次空気供給通路部の前記専用リード弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内の圧力を検出する下流圧力センサ、及び、前記大気側二次空気供給通路部の前記開閉弁より前記二次空気の流れ方向の上流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内を通過する気体の流量を検出する流量センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記エンジン本体が少なくとも冷機状態で運転している場合に、前記開閉弁を開弁状態となるように制御すると共に、前記ポンプを作動し、前記開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、少なくとも、前記専用二次空気供給通路部の詰まり、または、前記専用リード弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項10に記載の鞍乗型車両。
  12. 前記制御部は、前記開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記ポンプから圧送される前記二次空気の流量が所定流量より少ないことを検出することを特徴とする請求項11に記載の鞍乗型車両。
  13. 前記制御部は、前記開閉弁を開弁状態となるように制御している場合に、1つまたは複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記開閉弁の閉弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項11または12に記載の鞍乗型車両。
  14. 前記エンジンユニットは、前記酸素センサと、前記大気側二次空気供給通路部の前記電磁弁より前記二次空気の流れ方向の上流であって、且つ、前記大気側二次空気供給通路部の前記ポンプより前記二次空気の流れ方向の下流の位置に設けられ、前記大気側二次空気供給通路部内の温度を検出する上流二次空気温度センサ、前記下流二次空気温度センサ、前記上流圧力センサ、及び、前記下流圧力センサの少なくともいずれか1つのセンサと、を備え、
    前記制御部は、前記開閉弁を閉弁状態となるように制御している場合に、複数の前記センサのうちの少なくとも1つの信号に基づいて、前記専用リード弁の開弁状態での固着を検出することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
  15. 前記専用二次空気供給通路部の詰まり、または、前記専用リード弁の閉弁状態での固着を、前記制御部が検出した際に、報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の鞍乗型車両。
JP2015249341A 2014-12-22 2015-12-22 鞍乗型車両 Pending JP2016118205A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014258301 2014-12-22
JP2014258301 2014-12-22

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016118205A true JP2016118205A (ja) 2016-06-30

Family

ID=56243932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015249341A Pending JP2016118205A (ja) 2014-12-22 2015-12-22 鞍乗型車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016118205A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102639284B1 (ko) * 2023-08-17 2024-02-21 주식회사 글로벌제조혁신네트웍 배기가스 제어 및 탄소배출 산정 모니터링 시스템 및그 구동방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102639284B1 (ko) * 2023-08-17 2024-02-21 주식회사 글로벌제조혁신네트웍 배기가스 제어 및 탄소배출 산정 모니터링 시스템 및그 구동방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI612213B (zh) 跨坐型車輛
JP6348180B2 (ja) ビークルおよびv型多気筒4ストロークエンジンユニット
WO2016002952A1 (ja) 鞍乗型車両および単気筒4ストロークエンジンユニット
WO2016002956A1 (ja) ビークルおよびv型多気筒4ストロークエンジンユニット
TWI700429B (zh) 跨坐型車輛及單缸四衝程引擎單元
JP2016118204A (ja) 鞍乗型車両
TWI625458B (zh) Straddle type vehicle
TWI641755B (zh) Straddle type vehicle
WO2016002953A1 (ja) 鞍乗型車両
JP2016118205A (ja) 鞍乗型車両
WO2016002954A1 (ja) 鞍乗型車両