JP2016118026A - 取水装置および取水方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】津波襲来時に全電源が喪失した場合であっても、作業員が介在することなく取水槽の水位を適正レベルに維持できるように、津波襲来に伴う海面水位の上昇時には、海水の流入路を遮断して取水槽からの溢水を防ぐとともに、水位が正常に戻れば通常状態に復帰でき、海面水位のさらなる上昇に伴う防波壁を超える越波発生時には、海水の流入路を開放して越波により侵入した海水の排水ルートを確保できるようにする。【解決手段】取水槽100と、該取水槽の外壁下端部に設けられた流入口104と、該流入口を開閉するための開閉壁1と、ウエイト16と該ウエイトの上面に設けられ、上方に開口部11が形成された容器状のフロート18からなるフロート付きウエイト2と、前記開閉壁と前記フロート付きウエイトとを連結する連結部材3と、前記連結部材を支持する支持部材4とを備え、前記フロート付きウエイトの質量は、前記開閉壁より大きいことを特徴とする。【選択図】図2
Description
本発明の実施形態は、原子力発電設備等に用いられる取水装置および取水方法に関する。
東日本大震災以降、大地震等で発生した津波により、原子力発電所では全交流電源喪失状態にならないように、防波壁の増強等により発電所の敷地前面及び側面からの津波流入に対する浸水防止対策が講じられている。
しかしながら、このような浸水防止対策が講じられても、原子力発電設備等を冷却する海水を貯蔵する取水槽には海水が継続的に流入するため、防波壁を増強しても、津波による海水面の上昇に伴い取水槽の水位が上昇し、溢水することは避けられない。
これに対して、取水槽の取水ポンプエリアに防水壁を設置して取水ポンプへの浸水を防止し、ポンプによる排水機能を確保することにより、取水槽内の水位を所定レベルに維持する試みがなされている。
また、取水槽からの溢水自体を防ぐ試みとして、取水設備全体に水密性及び気密性を有する取水建屋を新たに設置し、取水建屋内の気圧を大気圧より高めに調整することにより、溢水を防ぐ方法が提案されている。
この方法は、別途設置した潮位計測装置等を用いて計測された潮位等をもとに気圧制御装置及び空気供給装置を用いて取水建屋内の気圧を調整する方法で、動力を必要とするアクティブなシステムである。
さらに、水力発電の分野において、水路から流入する流体の流量を調整する試みとして、主ゲートに補助ゲートを追設し、水面に駆動ロッド付きの容器状のフロートを浮かべ、水面の上昇に伴う容器状のフロート上昇に応じて駆動ロッドが補助ゲートのスイッチを入れることで、水路を緊急遮断して水路から流入する流体の流量を調整する方法が考案されている。この方法は水位の変動のみで働くシステムであるため、動力を必要としないパッシブなシステムである。
一般的に、津波が襲来するような過酷な事象に動作する取水装置としては、全交流電源が喪失した状況にあっても動作可能であり、かつ作業員の介在しないことが必要である。
また、取水槽は冷却材として用いる海水を貯蔵する設備であるため、津波襲来に伴う水位上昇に対応した後、海面の水位が下がった場合には通常どおり取水槽へ海水を流入させる必要がある。
さらに、津波襲来に伴う水位上昇に対して、取水槽への海水の流入を遮断できた場合でも、海面水位がさらに上昇し防波壁からの越波が発生した場合には、越波により侵入した海水の排水ルートとして取水槽への海水の流入路を再開放する必要がある。
ところで、上記水密性及び気密性を有する取水建屋を用いて取水建屋内の気圧を調整する方法は、空気供給装置など電源を必要とするもので、全交流電源喪失状態では使用できない問題があった。
また、上記補助ゲートを用いた水路から流入する流体の流量を調整する方法は、基本的には電源を用いないものであるが、補助ゲートが取水口ゲートの下の開口を閉塞した後、設定水位以上になっても閉塞は継続され、補助ゲートは再開放されるものではなく、水位の上昇に対して適切な流量調整がなされない問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、津波襲来時に全電源が喪失した場合であっても、作業員が介在することなく取水槽の水位を適正なレベルに維持することを目的とする。
上記課題を解決するために各実施形態に係る取水装置では、取水槽と、該取水槽の外壁下端部に設けられた流入口と、該流入口を開閉するための開閉壁と、ウエイトと該ウエイトの上面に設けられ、上方に開口部が形成された容器状のフロートからなるフロート付きウエイトと、前記開閉壁と前記フロート付きウエイトとを連結する連結部材と、前記連結部材を支持する支持部材とを備え、前記フロート付きウエイトの質量は、前記開閉壁より大きいことを特徴とする。
以下に述べる本実施形態によれば、津波襲来に伴う海面水位の上昇時には、海水の流入路を遮断して取水槽からの溢水を防ぐとともに、水位が正常に戻れば通常状態に復帰でき、海面水位のさらなる上昇に伴う防波壁を超える越波発生時には、海水の流入路を開放して越波により侵入した海水の排水ルートを確保することができる。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る取水装置30について、図1〜図6を用いて説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る取水装置30について、図1〜図6を用いて説明する。
[構成]
図1は取水装置30の設置現場を示す要部の断面図、図2は図1におけるA方向の正面図である。
本発明の取水装置30は取水槽100に装着され、取水槽100にはポンプ102、取水管19等が設置されている。
図1は取水装置30の設置現場を示す要部の断面図、図2は図1におけるA方向の正面図である。
本発明の取水装置30は取水槽100に装着され、取水槽100にはポンプ102、取水管19等が設置されている。
取水槽100には、海に設置された取水塔105から取水した海水が水路103を通じて導かれ、取水槽100内部の海水101として貯蔵される。
取水槽100は、例えば基礎107上に設置され、外壁15で周囲を囲まれた矩形状をなし、海側の外壁15の下部には水路103の端部が接続され、陸側の外壁15の下部にはポンプ102の取水管19が垂下する領域が形成されている。
取水槽100内部の海水101はポンプ102により汲み上げられて、原子力発電設備の冷却材として利用される。
取水槽100内部の海水101はポンプ102により汲み上げられて、原子力発電設備の冷却材として利用される。
取水槽100の海側の外壁15の内面には、水路103から海水が流入する流入口104が形成され、流入口104を開閉するための取水装置30が装着されている。
取水装置30は、開閉壁1、フロート付きウエイト2、連結部材3、支持部材4、ストッパ5等からなっている。
取水装置30は、開閉壁1、フロート付きウエイト2、連結部材3、支持部材4、ストッパ5等からなっている。
開閉壁1とフロート付きウエイト2とは、支持部材4を介して連結部材3によって接続されており、開閉壁1とフロート付きウエイト2にかかる重力または浮力のバランスにより、開閉壁1が上下方向に移動することにより、流入口104を閉鎖及び開放する。
開閉壁1とフロート付きウエイト2との質量は、通常時に開閉壁1が上昇して流入口104を開状態とするために、フロート付きウエイト2が開閉壁1より大きいものとする必要がある。
開閉壁1の形状は、流入口104の形状、フロート付きウエイト2の重量等を考慮して決定され、またフロート付きウエイト2の形状は、浮力と自重、開閉壁1の重量等を考慮して決定される。
ストッパ5は海側の外壁15の内面に固定され、開閉壁1の上昇時の上限を規定する。
ストッパ5は海側の外壁15の内面に固定され、開閉壁1の上昇時の上限を規定する。
フロート付きウエイト2は、ウエイト16、ウエイト16の上部に設けられた容器状の容器状のフロート18(以下、単にフロートとも記載する。)とからなっている。
フロート18は、上部に海水を流入させることができる開口部11を有し、フロート付きウエイト2は、取水槽100内部の海水101の水位上昇に基づく浮力の作用により上下方向に移動する。
連結部材3はワイヤ等からなり、一端はストッパ5に設けた図示しない穴を貫通して開閉壁1の上端部に取り付けられ、他端はフロート付きウエイト2のフロート18の上端部に取り付けられている。
支持部材4は、取水槽100の海側の外壁15の内面の複数箇所に取り付けられ、連結部材3が装架されることで、開閉壁1およびフロート付きウエイト2の上下動を支持するものである。
支持部材4として滑車を用いると、開閉壁1およびフロート付きウエイト2の上下動が円滑化できる。
なお、開閉壁1及びウエイト16は、コンクリート、金属等からなり、また、フロート18は金属、合成樹脂等からなっており、それぞれの表面には汚れ等の付着防止処理が施されていることが望ましい。
さらに、取水装置30の取水槽100への装着は、取水槽100の新設時に取水槽100の一部として取り付けてもよいし、既設の取水槽100に後付けで取り付けてもよい。
[作用]
次に、図2〜図6を用いて本実施の形態の作用について説明する。
通常時は、図2に示すように、フロート付きウエイト2にかかる重力が開閉壁1にかかる重力よりも大きくなるように設定することにより、開閉壁1が上昇して流入口104が開放されて、海水が取水槽100に流入できる状態となっており、海水面と取水槽100の水位が等しくなっている。
次に、図2〜図6を用いて本実施の形態の作用について説明する。
通常時は、図2に示すように、フロート付きウエイト2にかかる重力が開閉壁1にかかる重力よりも大きくなるように設定することにより、開閉壁1が上昇して流入口104が開放されて、海水が取水槽100に流入できる状態となっており、海水面と取水槽100の水位が等しくなっている。
図3は取水装置30の水位上昇時の動作状態を示す正面図、図4は同設備の水位の更なる上昇時の動作状態を示す正面図、図5は同設備の開放時の動作状態を示す正面図、図6は同設備の通常水位時の動作状態を示す正面図である。
津波襲来時には、津波襲来に伴う海水面の上昇により取水槽100に貯蔵されている取水槽内部の海水101のレベルが上昇する。そして、取水槽100の海水101が、設定された水位を超えた場合、図3に示すように、水位の上昇に伴いフロート付きウエイト2に浮力が発生し、フロート付きウエイト2にかかる重力が開閉壁1にかかる重力よりも小さくなることにより、開閉壁1が下降して、流入口104が閉鎖され、水路103からの海水の流入が止まる。
この後、津波が終了し海水面が正常に戻れば、通常の原子力発電設備の冷却材としてポンプ102により取水槽内部の海水101がくみ上げられることにより、取水槽100の水位が下がり、フロート付きウエイト2の浮力が減少し、フロート付きウエイト2にかかる重力が開閉壁1にかかる重力よりも大きくなることにより、開閉壁1が上昇して、流入口104が再開放される。
一方、津波が継続し海水面がさらに上昇を続け、防波壁106からの越波が発生した場合には、大量の海水が侵入することにより、取水槽100の水位がさらに上昇する。
フロート付きウエイト2の開口部11まで水位が上昇すると、図4に示すように、フロート18の開口部11からフロート18に海水が流入し、フロート付きウエイト2の質量が増加する。
フロート付きウエイト2の質量が増加すると、図5に示すように、フロート付きウエイト2にかかる重力が開閉壁1にかかる重力よりも大きくなることにより、開閉壁1が上昇し、流入口104が再開放され、防波壁106からの越波により侵入した海水の排水ルートが確保される。
この後、津波終了に伴い海水面が正常に戻れば、図6に示すように、流入口104から取水槽100内部の海水101が流出し、取水槽100の水位が低下して流入口104が開いた状態に復帰する。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、一連の開閉壁1の開閉動作は、取水槽100の水位の変動のみにより行われるため、動力を必要とせず、津波襲来に伴う海面水位の上昇時には、海水の流入路を遮断して取水槽100からの溢水を防ぐとともに、水位が正常に戻れば通常状態に復帰でき、海面水位のさらなる上昇に伴う防波壁を超える越波発生時には、海水の流入路を開放して越波により侵入した海水の排水ルートを確保することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、一連の開閉壁1の開閉動作は、取水槽100の水位の変動のみにより行われるため、動力を必要とせず、津波襲来に伴う海面水位の上昇時には、海水の流入路を遮断して取水槽100からの溢水を防ぐとともに、水位が正常に戻れば通常状態に復帰でき、海面水位のさらなる上昇に伴う防波壁を超える越波発生時には、海水の流入路を開放して越波により侵入した海水の排水ルートを確保することができる。
(変形例1)
本変形例が第1の実施形態と異なるのは、連結部材3として支持棒7を用い、左右に設けた支持部材4、4間のほぼ中間部に中間支持具8を用いた点である。
本変形例が第1の実施形態と異なるのは、連結部材3として支持棒7を用い、左右に設けた支持部材4、4間のほぼ中間部に中間支持具8を用いた点である。
図7に示すように、中間支持具8は外壁15に固定され、支持棒7は中間支持具8、支持部材4、4にそれぞれ固定されており、支持部材4、4は上下動可能となっている。
本変形例は、中間支持具8を天秤の支点として、開閉壁1とフロート付きウエイト2が天秤の左右のおもりのように動作するので、例えば、取水槽100内の海水101の水位が上昇してフロート付きウエイト2に浮力が発生する場合には、図8に示すようにフロート付きウエイト2が上昇する。
本変形例では、第1の実施形態による効果に加えて、開閉壁1とフロート付きウエイト2のそれぞれの上下動がバランスよく確実に行うことができる。
(変形例2)
本変形例が第1の実施形態と異なるのは、図9に示すように、開閉壁1とフロート付きウエイト2との連結部材3として支持棒7を用い、支持部材4、4間に渡って回転リンク機構9を用いた点である。
本変形例が第1の実施形態と異なるのは、図9に示すように、開閉壁1とフロート付きウエイト2との連結部材3として支持棒7を用い、支持部材4、4間に渡って回転リンク機構9を用いた点である。
回転リンク機構9は、図9、図10に示すように、両端に複数の節状小片20、20が棒状小片21を介して連結され、端部が支持部材4、4に固定されている。また、支持棒7、7の支持部材4、4側の一端にも同様の複数の節状小片20、20が棒状小片21を介して連結され、端部が支持部材4、4に固定されている。
支持部材4、4は外壁15に対し回転するように設けられている。
支持部材4、4は外壁15に対し回転するように設けられている。
支持部材4に固定された節状小片20、20間の距離、棒状小片21の長さ、並びに支持部材4の径は、フロート付きウエイト2および開閉壁1の上昇、あるいは下降する距離に応じて適宜決定される。
フロート付きウエイト2に浮力が発生する場合には、支持部材4が反時計回りに回転し、実線(図10)で示すようにフロート付きウエイト2が上昇し、開閉壁1が下降する。逆にフロート付きウエイト2の質量が開閉壁1より大きくなった場合には、支持部材4が時計回りに回転し、点線(図10)で示すようにフロート付きウエイト2が下降し、開閉壁1が上昇する。
本変形例では、第1の実施形態による効果に加えて、回転リンク機構9を用いたので、開閉壁1およびフロート付きウエイト2の上昇または下降を回転運動により確実に行うことができる。
(変形例3)
本変形例が第1の実施形態と異なるのは、図11に示すように、取水槽100の海側の外壁15の内面に沿って、取付サポート13を上下方向に複数設け、各取付サポート13の端部に渡って保護管12を取り付けて、保護管12内部に連結部材3を挿通することによって、取水装置30の耐震性を向上させた点である。その際、図12に示すように保護管12内部の長さ方向の適宜箇所に規制部材14を設けて連結部材3の左右の揺動を規制することにより、耐震性をさらに向上することができる。
なお上記変形例1〜3において、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
本変形例が第1の実施形態と異なるのは、図11に示すように、取水槽100の海側の外壁15の内面に沿って、取付サポート13を上下方向に複数設け、各取付サポート13の端部に渡って保護管12を取り付けて、保護管12内部に連結部材3を挿通することによって、取水装置30の耐震性を向上させた点である。その際、図12に示すように保護管12内部の長さ方向の適宜箇所に規制部材14を設けて連結部材3の左右の揺動を規制することにより、耐震性をさらに向上することができる。
なお上記変形例1〜3において、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
[第2の実施形態]
本実施形態は第1の実施形態にフロート付きウエイト2にサイフォン管10を付加したもので、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
本実施形態は第1の実施形態にフロート付きウエイト2にサイフォン管10を付加したもので、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
[構成]
サイフォン管10はフロート付きウエイト2のフロート18の側面を貫通して、フロート18の長さ方向に沿って設けられている。サイフォン管10の一端はフロート18の内壁側面の下端部に臨み、他端はフロート18の外壁側面からウエイト16の上端部に沿って角部で折り曲げられて取水槽100に臨んでいる。
サイフォン管10はフロート付きウエイト2のフロート18の側面を貫通して、フロート18の長さ方向に沿って設けられている。サイフォン管10の一端はフロート18の内壁側面の下端部に臨み、他端はフロート18の外壁側面からウエイト16の上端部に沿って角部で折り曲げられて取水槽100に臨んでいる。
本実施形態では、フロート付きウエイト2のフロート18内に貯留された海水はサイフォン作用により取水槽100へ排出されるので、取水装置30の構成が津波発生前の状態に戻すことができ、第2波の津波に備えることができる。
[作用]
以下、本実施形態の作用について説明する。
津波襲来による海水面の上昇に伴い、開閉壁1が下降し流入口104が閉鎖されている状態からさらに海水面が上昇を続け、防波壁106からの越波が発生し大量の海水が侵入することにより、取水槽100の水位がさらに上昇するまでは第1の実施形態と同様の動作をする。
以下、本実施形態の作用について説明する。
津波襲来による海水面の上昇に伴い、開閉壁1が下降し流入口104が閉鎖されている状態からさらに海水面が上昇を続け、防波壁106からの越波が発生し大量の海水が侵入することにより、取水槽100の水位がさらに上昇するまでは第1の実施形態と同様の動作をする。
図13は、取水槽100の水位がさらに上昇した後、フロート18及びサイフォン管10に海水が流入し、流入した海水によりフロート付きウエイト2の質量が増加して下降することにより、開閉壁1が上昇して流入口104が再開放された状態を示している。その結果、防波壁106からの越波により侵入した海水の排水ルートが確保される。
この後、津波終了による海水面の低下に伴い取水槽100の水位が下がると、図14及び図15の矢印で示したように、サイフォン管10にサイフォンの原理が働くことにより、フロート18内に貯留された海水がサイフォン管10を通って取水槽100に流出し、最終的には取水装置30の構成が図14に示すような津波襲来前の状態に戻すことができる。
[効果]
本実施形態によれば、第1の実施形態による効果に加えて、取水装置30を津波発生前の状態に戻すことができ、第2波以降の津波に備えることができる。
本実施形態によれば、第1の実施形態による効果に加えて、取水装置30を津波発生前の状態に戻すことができ、第2波以降の津波に備えることができる。
(変形例4)
本変形例は、第2の実施形態のサイフォン管10に代えて、図16に示すように逆止弁17をフロート18の下端部に設けたもので、その他の構成は第2の実施形態と同様である。逆止弁17を設ける位置はフロート18の下端部であればいずれの場所でもよい。
本変形例は、第2の実施形態のサイフォン管10に代えて、図16に示すように逆止弁17をフロート18の下端部に設けたもので、その他の構成は第2の実施形態と同様である。逆止弁17を設ける位置はフロート18の下端部であればいずれの場所でもよい。
逆止弁17は、フロート18内の海水を取水槽100に排水するが、取水槽100内の海水101はフロート18内に流入させない機能を有する。なお、取水槽100内の海水101の水位が上昇し、図13のような状態では、フロート18内の海水と取水槽100内の海水101とはほぼ同じ水圧になるので、逆止弁17を通してフロート18内の海水が取水槽100に流出することはない。
本変形例では、第2の実施形態による効果に加えて、逆止弁17により確実にフロート18内の海水を排水することができる。
なお、不測の事態に備えて、連結部材3に図示しないハンドル、電動機などを設置して強制的に流入口104の開閉を行う非常手段を設けてもよい。
以上、本発明のいくつかの実施形態、変形例を説明したが、これらの実施形態等は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態等は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態等は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…開閉壁、2…フロート付きウエイト、3…連結部材、4…支持部材、5…ストッパ、6…滑車、7…支持棒、8…中間支持具、9…回転リンク機構、10…サイフォン管、11…開口部、12…保護管、13…取付サポート、14…規制部材、15…外壁、16…ウエイト、17…逆止弁、18…容器状のフロート、19…取水管、20…節状小片、21…棒状小片、30…取水装置、100…取水槽、101…取水槽内部の海水、102…ポンプ、103…水路、104…流入口、105…取水塔、106…防波壁、107…基礎
Claims (7)
- 取水槽と、該取水槽の外壁下端部に設けられた流入口と、該流入口を開閉するための開閉壁と、ウエイトと該ウエイトの上面に設けられ、上方に開口部が形成された容器状のフロートからなるフロート付きウエイトと、前記開閉壁と前記フロート付きウエイトとを連結する連結部材と、前記連結部材を支持する支持部材とを備え、
前記フロート付きウエイトの質量は、前記開閉壁より大きいことを特徴とする取水装置。 - 前記取水槽には、前記開閉壁の上昇を規制するストッパを設けたことを特徴とする請求項1に記載の取水装置。
- 前記連結部材として支持棒を用い、前記支持部材として回転リンク機構を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の取水装置。
- 前記取水槽の外壁内面に沿って保護管を設け、前記連結部材を前記保護管の内部に配置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の取水装置。
- 前記保護管には、前記連結部材の揺動を規制する規制部材を設けたことを特徴とする請求項4に記載の取水装置。
- 前記フロートは、該容器状のフロート内の水を排水するためのサイフォン管または逆止弁を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の取水装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の取水装置を用いた取水方法であって、前記取水槽の水位が通常時、前記フロートは前記取水槽の水面上にあって前記流入口は開放され、次に、前記取水槽の水位が上昇し、前記フロートが前記取水槽の水面下に没し始めて、前記フロート付きウエイトが上昇し、前記開閉壁が下降した時、前記流入口は閉鎖され、次に、前記取水槽の水位がさらに上昇し、前記フロートが前記取水槽の水面下に没し、前記フロート付きウエイトが下降し、前記開閉壁が上昇した時、前記流入口は開放されることを特徴とする取水方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021110085A (ja) * | 2019-12-30 | 2021-08-02 | 仲二 和田 | 水門門扉の自動開閉装置。 |
JP6913982B1 (ja) * | 2021-02-24 | 2021-08-04 | 日東河川工業株式会社 | 取水装置 |
CN115977038A (zh) * | 2023-02-08 | 2023-04-18 | 山东省水利勘测设计院有限公司 | 一种固定式卷扬启闭机的水压助力启闭方法 |
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2014
- 2014-12-19 JP JP2014257299A patent/JP2016118026A/ja active Pending
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