JP2016117697A - 口腔用組成物及び口腔用組成物の変色防止方法 - Google Patents

口腔用組成物及び口腔用組成物の変色防止方法 Download PDF

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【課題】防腐力が優れると共に製剤変色が防止されたアスコルビン酸エステル又はその塩を含有する口腔用組成物及び該口腔用組成物の変色防止方法を提供する。【解決手段】(A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩を0.1〜1質量%、(B)パラオキシ安息香酸エステルを0.01〜1質量%、及び(C)イプシロンアミノカプロン酸を0.01〜0.1質量%含有してなることを特徴とする口腔用組成物、及び前記(A)成分と(B)成分とを含有する口腔用組成物に(C)成分を配合して、前記(A)、(B)成分の併用による口腔用組成物の変色を防止する、前記口腔用組成物の変色防止方法。【選択図】なし

Description

本発明は、防腐力が優れると共に製剤変色が防止されたアスコルビン酸エステル又はその塩を含有する口腔用組成物及び該口腔用組成物の変色防止方法に関する。
アスコルビン酸は、生体中で酵素活性発現に重要な役割を演じ、多様な生理活性を持つことが知られている。特にプロリル及びリジルヒドロキシラーゼの補酵素として作用し、コラーゲン合成に必須であるとされている。このため、コラーゲンの破壊に伴う歯肉炎、歯周炎の予防、治療に有用であり、口腔用組成物への応用を目的として、従来からアルコルビン酸誘導体が種々開発され、特にアスコルビン酸エステル又はその塩が注目されている。
アスコルビン酸エステル又はその塩を配合した口腔用組成物について、その効果を高めたり、安定化する技術は、種々提案されている(特許文献1〜4参照)。
一方、口腔用組成物において、その防腐力を高め、製剤の雑菌汚染を防ぐことは重要であり、その方法としては防腐剤を配合することが一般的である。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステルなどの種々の成分が知られている。
特開2003−212741号公報 特開2005−239655号公報 特開2005−239654号公報 特開平11−12142号公報
しかしながら、アスコルビン酸エステル又はその塩を配合した口腔用組成物は、防腐力が十分とは言い難く改善の余地があり、また、製剤外観を安定に保持することが難しく、このため、製剤外観を安定に維持しつつ防腐力を向上する技術の開発が望まれた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、防腐力が優れると共に製剤変色が防止されたアスコルビン酸エステル又はその塩を含有する口腔用組成物及び該口腔用組成物の変色防止方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、アスコルビン酸エステル又はその塩として(A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩を0.1〜1質量%含有すると共に、(B)パラオキシ安息香酸エステルを0.01〜1質量%含有する口腔用組成物に、(C)イプシロンアミノカプロン酸を0.01〜0.1質量%配合することによって、変色を防止して製剤外観を安定に維持しつつ防腐力を向上することができ、防腐力が優れると共に製剤変色が防止され、また、味が良く使用感も良好なアスコルビン酸エステル又はその塩を含有する口腔用組成物が得られることを知見した。
更に詳述すると、口腔用組成物、特に歯磨剤組成物にアスコルビン酸のリン酸エステル又はその塩を配合すると、製剤の防腐力が低下し、雑菌汚染を防ぐことができなくなり、また、アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩と共にパラオキシ安息香酸エステルを配合すると、保存後に製剤が変色して外観が悪化し、また、渋味、苦味、異味が発現して味が悪くなるという、新たな課題が生じた。そこで、かかる課題を解消するために本発明者が検討を進めた結果、(A)、(B)、(C)成分を組み合わせて配合すると、上記課題が全て解消し、上記格別顕著な作用効果を付与することができた。
この場合、(A)、(B)、(C)成分を組み合わせると、特に((A)+(B))/(C)の質量比が特定範囲内において、意外にもイプシロンアミノカプロン酸が変色防止剤として作用し、60℃で1ヶ月保存しても(A)、(B)成分の併用系を含む製剤の変色を抑制し得る優れた変色防止効果を与え、これによって、製剤変色を抑制しつつ防腐力を向上することができる。
なお、抗炎症成分であるイプシロンアミノカプロン酸に変色防止作用があることは今まで知られておらず、また、本発明の上記作用効果は、イプシロンアミノカプロン酸に特異なものであり、口腔用組成物用として公知の他の抗炎症成分を(A)、(B)成分に組み合わせてもなし得ない、格別なものである。
従って、本発明は、下記の口腔用組成物及びその変色防止方法を提供する。
〔1〕
(A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩を0.1〜1質量%、
(B)パラオキシ安息香酸エステルを0.01〜1質量%、及び
(C)イプシロンアミノカプロン酸を0.01〜0.1質量%
含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
〔2〕
(A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩が、アスコルビン酸リン酸エステルのナトリウム塩又はマグネシウム塩である〔1〕に記載の口腔用組成物。
〔3〕
((A)+(B))/(C)が質量比として4〜55である〔1〕又は〔2〕に記載の口腔用組成物。
〔4〕
(A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩を0.1〜1質量%と(B)パラオキシ安息香酸エステルを0.01〜1質量%とを含有する口腔用組成物に、(C)イプシロンアミノカプロン酸を0.01〜0.1質量%配合して、前記(A)、(B)成分の併用による口腔用組成物の変色を防止することを特徴とする、前記口腔用組成物の変色防止方法。
〔5〕
((A)+(B))/(C)が質量比として4〜55である〔4〕に記載の変色防止方法。
本発明によれば、防腐力が優れると共に製剤変色が防止されたアスコルビン酸エステル又はその塩を含有する口腔用組成物及び該口腔用組成物の変色防止方法を提供できる。
以下、本発明につき更に詳述する。本発明の口腔用組成物は、(A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩、(B)パラオキシ安息香酸エステル及び(C)イプシロンアミノカプロン酸を含有する。
本発明では、アスコルビン酸エステル又はその塩として(A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩を用いる。
(A)成分のアスコルビン酸リン酸エステル又はその塩としては、アスコルビン酸の2位、3位、5位、6位の水酸基のいずれか1つ又は2つ以上がリン酸エステルになったもの又はその塩である。例えば、アスコルビン酸リン酸エステルとしては、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル、L−アスコルビン酸−3−リン酸エステル、L−アスコルビン酸−6−リン酸エステル等が挙げられ、また、その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できるが、中でも、組成物の安定性の点から、アスコルビン酸の2位又は3位の水酸基がリン酸エステル化された誘導体が好ましく、より好ましくはアスコルビン酸−2−リン酸エステルのマグネシウム塩やナトリウム塩である。
具体的には、市販されているリン酸L−アスコルビルマグネシウム、リン酸L−アスコルビルナトリウム等を使用し得る。
(A)成分のアスコルビン酸リン酸エステル又はその塩の配合量は、組成物全体の0.1〜1%(質量%、以下同様。)であり、好ましくは0.2〜0.8%である。配合量が多いほど歯周疾患の予防・改善効果が十分に発揮されるが、1%を超えると、製剤の防腐力が低下し、十分な防腐力を確保することができなくなる。
(B)成分のパラオキシ安息香酸エステルは、防腐剤であり、具体的にはパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル等のパラオキシ安息香酸アルキルエステルが挙げられ、これらから選ばれる1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。特に、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル、とりわけパラオキシ安息香酸メチルが、防腐力及び使用感(渋味・苦味・異味のなさ)の改善の点で好ましい。
(B)成分の配合量は、組成物全体の0.01〜1%、好ましくは0.02〜0.5%、より好ましくは0.02〜0.4%である。配合量が多いほど製剤の防腐力を確保できるが、1%を超えると(C)成分を配合しても保存後の製剤変色を抑制できず、また、渋味、苦味、異味を抑え使用感を改善することができない。
本発明において、(C)成分のイプシロンアミノカプロン酸は、製剤の変色防止剤として用いられる。
イプシロンアミノカプロン酸の配合量は、組成物全体の0.01〜0.1%であり、好ましくは0.02〜0.08%である。配合量が上記範囲内において、本発明の効果を付与し得るものであり、0.01%に満たなかったり、0.1%を超えると、保存後の変色が抑えられず製剤変色を防止できない。また、渋味、苦味、異味を抑制し、使用感を改善することができない。
本発明では、更に、(A)、(B)、(C)成分の配合比率が特定割合であると、本発明効果がより優れる。この場合、((A)+(B))/(C)が、質量比として4〜55であることが好ましく、より好ましくは10〜37であり、とりわけ13〜37が好ましい。配合比率が上記範囲内であると、防腐力が優れると共に保存後の変色をより抑制することができ、また、渋味、苦味、異味をより抑え使用感をより改善できる。
本発明の口腔用組成物は、練歯磨、液状歯磨、液体歯磨等の歯磨剤、洗口剤等として、通常の方法で調製できる。また、本発明組成物には、その剤型に応じ、上記以外の任意成分を本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて配合することができる。例えば、練歯磨剤等の歯磨剤には、研磨剤、粘稠剤、粘結剤、界面活性剤、更に必要により着色剤、甘味料、香料、pH調整剤、有効成分などを配合することができる。なお、配合量は本発明の効果を妨げない範囲で通常量でよい。
研磨剤としては、シリカゲル、沈降シリカ、アルミノシリケート、ジルコノシリケート等のシリカ系研磨剤、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム系研磨剤、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ゼオライト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、各種合成樹脂系研磨剤などが挙げられる。研磨剤の配合量は、5〜50%、特に5〜30%が好ましい。
粘稠剤としては、プロピレングリコール、エチレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、分子量200〜6000(医薬部外品原料規格記載の平均分子量、以下同様。)のポリエチレングリコ−ル等の多価アルコール、還元でんぷん糖化物、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール等の糖アルコールが挙げられる。粘稠剤の配合量は、通常0.1〜50%、特に0.1〜30%である。
粘結剤としては、有機粘結剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、メチルセルロース、カチオン化セルロース等のセルロース系粘結剤、キサンタンガム、カラギーナン、グアガム、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、無機粘結剤としてゲル化性シリカ、ゲル化性アルミニウムシリカ、モンモリロナイトなどが挙げられる。粘結剤の配合量は、通常0.1〜6%、特に0.1〜3%である。
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤を使用でき、具体的には下記に示すものを配合し得る。
アニオン性界面活性剤:ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストリルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水素添加ココナッツ脂肪酸モノグリセリドモノ硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタルミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム
カチオン性界面活性剤:塩化ジステアリルメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム
非イオン性界面活性剤:ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の糖アルコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのエーテル型又はエステル型の界面活性剤、ラウリン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミド
両性界面活性剤:2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、N−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリンベタインナトリウム等のベタイン系の界面活性剤、N−ラウリルジアミノエチルグリシン、N−ミリスチルジアミノエチルグリシン等のN−アルキルジアミノエチルグリシン。
なお、界面活性剤の配合量は、通常0.1〜10%、特に0.1〜5%が好ましい。
着色剤としては、青色1号、青色4号、緑色3号等の法定色素、カラメル等の天然色素、酸化チタンが挙げられる。
甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパラテーム、ステビオサイド、ステビアエキス、パラメトキシシンナミックアルデヒド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、ぺリラルチンなどが挙げられる。
香料としては、口腔用組成物に一般的に使用される香料成分を使用できる。例えば、メントール、アネトール、カルボン、オイゲノール、リモネン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テレピネオール、シトロネリルアセテート、シネオール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、桂葉油、シソ油、冬緑油、丁字油、ユーカリ油等が挙げられる。
pH調整剤としては、クエン酸、乳酸、リンゴ酸等の有機酸及びその塩類、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等の無機化合物が挙げられる。
各種有効成分としては、デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ等の酵素、モノフルオロリン酸ナトリウム等のアルカリ金属モノフルオロフォスフェート、フッ化ナトリウム、フッ化第1スズ等のフッ化物、トラネキサム酸、アルミニウムクロルヒドロキシアラントイン、アズレン、グリチルリチン酸塩、グリチルレチン酸、塩化ナトリウム、ビタミン類等の抗炎症剤、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化リゾチーム等の殺菌剤、ポリリン酸塩類等の歯石予防剤、ポリビニルピロリドン等のタバコヤニ除去剤、グリシン、プロリン等のアミノ酸類が挙げられる。
以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は特に断らない限りいずれも質量%を示す。
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成の口腔用組成物(歯磨剤)を常法により調製し、下記方法で評価した。結果を表1〜3に示す。
〈防腐力の評価方法〉
口腔用組成物30g中に供試菌株(環境由来の細菌類、真菌類)を約107CFU/gとなるように接種し、1、7、20、30日後の菌数を測定し、以下の基準に基づき防腐力を評価した。○以上のものを防腐力が優れ合格であるとした。
防腐力の評価基準:
◎:7日以内で菌が死滅。
○:8日以上20日以内で菌が死滅。
△:21日以上30日以内で菌が死滅。
×:31日以上菌が死滅しない。
〈保存後(60℃,1ヶ月)の変色のなさの評価方法〉
口腔用組成物をラミネートチューブに50g充填し、各組成物3本を60℃で1ヶ月間又は−5℃で1ヶ月間保存した後、わら半紙上に10cm押し出した。評価者の専門家パネラー5名が、−5℃保存品に比べた60℃保存品の色調変化を観察し、下記の4段階の評点に従って官能評価した。5名の評価結果の平均値を求め、以下の評価基準に基づき、保存後の変色のなさについて判定した。○以上のものを保存後の変色が抑制され合格であると判定した。
評点基準:
4点:変色がまったくない。
3点:変色がわずかに認められる。
2点:変色が認められる。
1点:著しく変色が認められる。
評価基準:
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
使用感(渋味・苦味・異味のなさ)の評価方法
評価者として専門家パネラー10人を用いた官能試験を実施した。口腔用組成物約0.5gを市販品の歯ブラシにのせて3分間ブラッシングを行い、使用中に感じた渋味・苦味・異味のなさを評価した。下記の4段階の評点に従って官能評価し、10名の評価結果の平均値を求め、以下の基準で評価した。○以上のものを使用感(渋味・苦味・異味のなさ)が良く合格であると判定した。
評点基準:
4点:渋味・苦味・異味がまったくない。
3点:渋味・苦味・異味がわずかにある。
2点:渋味・苦味・異味がややある。
1点:渋味・苦味・異味がかなりある。
評価基準:
◎:3.5点以上4.0点以下
○:3.0点以上3.5点未満
△:2.0点以上3.0点未満
×:2.0点未満
使用原料の詳細を下記に示す。
(A)リン酸L−アスコルビルマグネシウム:和光純薬工業社製、生化学用
(A)リン酸L−アスコルビルナトリウム:DSMニュートリションジャパン社製、ステイC50
(B)パラオキシ安息香酸メチル:上野製薬社製
(B)パラオキシ安息香酸ブチル:みどり化学社製、ブチルパラベン
(C)イプシロンアミノカプロン酸:第一ファインケミカル社製、イプシロンAC
その他の成分については、医薬部外品原料規格2006に適合したものを用いた。
Figure 2016117697
Figure 2016117697
Figure 2016117697
表3の比較例に示すように、リン酸L−アスコルビルマグネシウムを口腔用組成物に配合すると防腐力が低下し、また、リン酸L−アスコルビルマグネシウムと共にパラオキシ安息香酸メチルを配合すると保存後に製剤が変色し、味が悪くなり使用感も低下した。そして、この変色、使用感低下は、不適切にイプシロンアミノカプロン酸を配合しても改善せず、また、アズレンを配合しても改善しなかった。これに対して、表1、2の実施例に示すように、(A)、(B)、(C)成分を適切量で組み合わせ配合した本発明の口腔用組成物は、防腐力が優れると共に保存後の変色のなさが優れ、使用感(渋味・苦味・異味のなさ)も良好であった。
以下、処方例を示す。下記の口腔用組成物は、いずれも防腐力が優れると共に保存後の変色のなさが優れ、使用感(渋味・苦味・異味のなさ)も良好であった。
[処方例1]歯磨剤
(A)リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.3%
(B)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(C)イプシロンアミノカプロン酸 0.03%
無水ケイ酸 12%
ソルビット液(70%) 40%
サッカリンナトリウム 0.2%
ラウリル硫酸ナトリウム 1.2%
増粘性シリカ 6%
酸化チタン 0.5%
プロピレングリコール 3%
キサンタンガム 0.7%
ポリアクリル酸ナトリウム 0.4%
クエン酸 0.1%
水酸化ナトリウム 0.1%
香料 0.8%
精製水 バランス
計 100.0%
((A)+(B))/(C)=16.7
[処方例2]洗口液
(A)リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.3%
(B)パラオキシ安息香酸メチル 0.2%
(C)イプシロンアミノカプロン酸 0.03%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60) 0.5%
プロピレングリコール 3%
グリセリン 4.5%
キシリトール 3%
エタノール 2%
クエン酸 0.015%
クエン酸ナトリウム 0.3%
香料 0.2%
精製水 バランス
計 100.0%
((A)+(B))/(C)=16.7

Claims (5)

  1. (A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩を0.1〜1質量%、
    (B)パラオキシ安息香酸エステルを0.01〜1質量%、及び
    (C)イプシロンアミノカプロン酸を0.01〜0.1質量%
    含有してなることを特徴とする口腔用組成物。
  2. (A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩が、アスコルビン酸リン酸エステルのナトリウム塩又はマグネシウム塩である請求項1記載の口腔用組成物。
  3. ((A)+(B))/(C)が質量比として4〜55である請求項1又は2記載の口腔用組成物。
  4. (A)アスコルビン酸リン酸エステル又はその塩を0.1〜1質量%と(B)パラオキシ安息香酸エステルを0.01〜1質量%とを含有する口腔用組成物に、(C)イプシロンアミノカプロン酸を0.01〜0.1質量%配合して、前記(A)、(B)成分の併用による口腔用組成物の変色を防止することを特徴とする、前記口腔用組成物の変色防止方法。
  5. ((A)+(B))/(C)が質量比として4〜55である請求項4記載の変色防止方法。
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