JP2016117240A - インクジェット記録方法及びインクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】高速印刷においても後処理液やインクの転写汚れによる画像品質の低下を防ぐインクジェット記録方法を提供する。【解決手段】記録メディアP上に着色剤を含む水性インクを付与して画像を形成する工程と、画像が形成された記録メディアP上に樹脂を含む後処理液を付与する工程とを備え、さらに次の要件〔1〕及び〔2〕を満たす。〔1〕後処理液の組成中、構造式(1)からなる化合物を含む。〔2〕水性インクの組成中、構造式(1)からなる化合物を含まず、かつSP値が12(cal/cm3)1/2以上の水溶性有機溶剤を含む。(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット記録方法及びインクセットに関する。
近年、インクジェット用インクとしては顔料インクが主流となってきているが、顔料インクにより印刷された印刷物は、顔料が記録メディアの最表面に付着しているため剥がれ落ちやすく、耐擦性に劣るという問題がある。
特許文献1の特開2011−63016号公報や特許文献2の特開2011−105900号公報には、顔料インクにより印刷された印刷物の耐擦性向上のため、記録メディア表面に顔料インクで画像形成した後に、皮膜形成能を有する透明の後処理液を吐出し、記録部分を被覆する皮膜を形成することで印字表面を保護するという方法が開示されているが、従来の画像形成方法では、画像形成した部分全面に透明インクを付与していたため、特に高速印字システムにおいては、搬送コロなどへの転写汚れによる画像品質の低下が生じ、また、特に連帳用途の被記録メディアは、印刷後に再度ロールに巻き取られるため、被記録メディアの接触面同士が張り付く、いわゆるブロッキング現象が生じる問題がある。
特許文献3の特開2014−148159号公報には、上記問題を解決するため、後処理液の付与量を制御した画像形成方法によりインクの転写汚れによる画像品質の低下を防ぎ、かつ、耐ブロッキング性を向上させた技術が開示されている。しかし、印刷がより高速化となった場合、耐ブロッキング性はよいが、後処理液がインク液滴内に沈み込むため画像滲みが生じ、画像品質が低下したり、耐擦性が悪くなったりする。
また、特許文献4の特開2013−163370号公報には、良好な画像品質が可能で耐擦性の向上を目的として、インク中に有機溶剤として特定のアミド化合物を含むことが開示されており、更に同溶剤は後処理液等にも含んでも良いことが開示されている。しかし、印刷がより高速化となった場合、耐擦性が悪くなる。
本発明は、高速印刷においても後処理液やインクの転写汚れによる画像品質の低下が防止され、良好な耐擦性が確保されたインクジェット記録方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るインクジェット記録方法は、記録メディア上に着色剤を含む水性インクを付与して画像を形成する工程と、該画像が形成された記録メディア上に樹脂を含む後処理液を付与する工程とを備えたインクジェット記録方法であって、次の要件〔1〕及び〔2〕を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法である。
〔1〕前記後処理液の組成中、構造式(1)からなる化合物を含む。
〔2〕前記水性インクの組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含まず、かつSP値が12(cal/cm1/2以上の水溶性有機溶剤を含む。
本発明によれば、高速印刷においても後処理液やインクの転写汚れによる画像品質の低下が防止され、良好な耐擦性が確保されたインクジェット記録方法を提供することができる。
インクジェット記録方法によるインクドットと後処理液の付与状態を示す図である。 インクジェット記録方法を用いたインクジェット記録装置の一例の概略図である。 インクジェット記録方法を用いたインクジェット記録装置のほかの一例の概略図である。 前処理工程部において前処理液を塗布する装置構成の一例を示す模式図である。 フルライン型インクジェット装置の模式図である。 図5におけるヘッドユニットの拡大図である。 インクジェット記録装置の模式図である。
以下、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
インクジェット記録において画像形成速度が50〜200m/分程度の高速で画像形成を行おうとすると、後処理液は表面が未乾燥状態のインク上に付与されることになり、後処理液がインク中に沈み込むことで耐擦機能が発揮されず、画像品質として十分な耐擦性が得られない。また、インク印字後に乾燥機構を設け、被記録媒体上のインク表面が乾燥した後、後処理液を付与すれば十分な耐擦性が得られるが、システムの構成上大がかりなものとなり装置が大きくなるだけでなく、コストも高くなる。
そこで検討した結果、後処理液中に疎水性が高く、密度の軽いプロピオン酸アミド系の溶剤を含み、更にインク中には同溶剤を含まず親水性の高い溶剤を含むことにより、インク表面が未乾燥状態であっても後処理液の沈み込みが防止され表面上にとどまることができ、十分な耐擦性を付与できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の実施形態には、次の(1)〜(9)が含まれる。
(1)記録メディア上に着色剤を含む水性インクを付与して画像を形成する工程と、該画像が形成された記録メディア上に樹脂を含む後処理液を付与する工程とを備えたインクジェット記録方法であって、
次の要件〔1〕及び〔2〕を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
〔1〕前記後処理液の組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含む。
〔2〕前記水性インクの組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含まず、かつSP値が12(cal/cm1/2以上の水溶性有機溶剤を含む。
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
(2)単位面積当たりの前記後処理液の付与量が、前記水性インクの付与量の5体積%以上30体積%以下であることを特徴とする(1)に記載のインクジェット記録方法。
(3)前記樹脂が、ウレタン樹脂とビニル重合体を含む樹脂であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のインクジェット記録方法。
(4)前記後処理液が、ポリエチレンワックスを含むことを特徴とする請求項(1)から(3)までのいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(5)前記後処理液を付与する工程の後に、前記記録メディアを乾燥する乾燥工程を備えることを特徴とする(1)から(4)までのいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(6)前記水性インクを付与して画像を形成する工程の前に、前記記録メディア上に前処理液を付与する工程を備えることを特徴とする(1)から(5)までのいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(7)前記前処理液は、カチオンポリマーを含むことを特徴とする(6)に記載のインクジェット記録方法。
(8)前記前処理液の付与工程後であって、前記水性インクを付与して画像を形成する工程前に、前記記録メディアを乾燥する乾燥工程を含むことを特徴とする(6)又は(7)に記載のインクジェット記録方法。
(9)インクジェット記録に用いられるインクセットであって、
着色剤を含む1種以上の水性インクと、樹脂を含む後処理液とからなり、
次の要件〔1〕及び〔2〕を満たすことを特徴とするインクセット。
〔1〕前記後処理液の組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含む。
〔2〕前記水性インクの組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含まず、かつSP値が12(cal/cm1/2以上の水溶性有機溶剤を含む。
(式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
インクジェット記録方法は、記録装置によって記録メディアに画像形成する画像形成工程と、画像形成された記録メディアに後処理液を付与する後処理工程と、を含む。
<後処理液>
本実施形態で用いる後処理液は、搬送時の記録画像の転写汚れを防ぎ、記録メディアのブロッキングを防止するものであり、以下に述べる特定の水溶性有機溶剤、樹脂及び水を含有して、更に必要に応じて界面活性剤、ワックス等その他の成分を含有してなる。
(水溶性有機溶剤)
本実施形態で用いる後処理液には、乾燥による記録ヘッドノズルの詰まり防止、及び/または、記録メディアとの濡れ性向上、浸透速度調整のため、水溶性有機溶剤を含有する。水溶性有機溶剤としては、次の一般式(1)で示されるアミド化合物を有する。
前記一般式(1)で示されるアミド化合物は溶解度パラメーター(以下、SP値)が低く、且つ密度も軽いことから、インク表面未乾燥の状態であっても混ざりにくく、インク表面に後処理液を広げるため十分な耐擦能を発揮することができる。
ここで、SP値としては凝集エネルギー密度から求めるFedors法から算出できる。
前記一般式(1)の添加量は、後処理液全体の20〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がより好ましい。20〜70質量%の範囲であれば、高速印刷においてインク着弾後すぐに後処理液を付与する場合であっても十分な耐擦能が得られる。
前記一般式(1)で表される含窒素系溶剤の市販品としては、例えば、N,N−ジメチル‐β‐メトキシプロピオンアミド(出光興産株式会社製、商品名「エクアミドM‐100」、R=メチル基)、N,N‐ジメチル‐β‐ブトキシプロピオンアミド(出光興産株式会社製、商品名「エクアミドB100」、R=ブチル基)などが挙げられる。
本発明で用いる後処理液には前記一般式(1)以外に他の水溶性有機溶剤(以下、他の水溶性有機溶剤Aという。)を併用しても良い。他の水溶性有機溶剤Aとしては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等があげられる。
これらの中でも平衡水分量が30質量%以上のものが好ましく、40質量%以上のものがより好ましい。ここで、平衡水分量とは他の水溶性有機溶剤Aと水の混合物を一定の温度及び湿度条件下で空気中に解放し、溶液中の水分蒸発と空気中の水分の吸収が平衡状態になったときの水分量をいう。本発明における、平衡水分量は、塩化カリウム飽和水溶液を用いて、温度23±1℃、湿度80±3%に保ったデシケーター内のシャーレに1gの水溶性有機溶剤をいれ、質量変化がなくなるまでの期間保管した後、次の式により求めたものである。
前記多価アルコール類の具体例としては、ジプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、エチレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
前記含窒素複素環化合物の具体例としては、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
前記アミン類の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、3−アミノプロピルジエチルアミン等が挙げられる。
前記含硫黄化合物類の具体例としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジグリコール等が挙げられる。
他の水溶性有機溶剤Aの添加量は特に限定されないが、後処理液全体の5〜80質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。80質量%以下であれば、水溶性有機溶剤や固体湿潤剤の種類によって処理液を付着させた記録メディアの乾燥性が低下することはないし、処理液の凝集能が大きく低下することもない。また5質量%以上であれば、処理液に含まれる水分が蒸発して処理液の粘度が上昇し塗布工程で不具合が生じるようなことはない。
(樹脂)
樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂(ウレタン樹脂とビニル重合体を含む樹脂)、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等を用いることができるが、高い表面硬度を有する皮膜を形成でき、高い耐擦抑制能を有するアクリル変性ウレタン樹脂を含むことが好ましい。
特に、ウレタン樹脂の分子鎖とビニル重合体の分子鎖とが絡み合って、形成されたウレタン樹脂とビニル重合体を有するアクリル変性ウレタン樹脂は、分散安定性に優れ、樹脂の凝集が生じず、後処理液の液滴の着弾後、画像上に薄く均一に広がるため、少量の付与によりノンタックで高硬度な皮膜を形成でき、定着性、印刷物の耐擦性を向上できるため好ましく使用できる。
前記ウレタン樹脂とビニル重合体を有する樹脂は、末端にイソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物とビニルモノマーとを水中に分散し、該ビニルモノマーを重合させた後、前記ウレタンプレポリマーの鎖延長を行うことで得られる。
前記ウレタンプレポリマーは、ジオール成分とジイソシアネート化合物とをジオール成分に対して有機ジイソシアネート成分が化学量論的に過剰となる割合で反応させることで得られる。
前記有機ジイソシアネート成分としては、通常のウレタンポリマーの製造に用いられる各種の脂肪族、脂環式、芳香族等のジイソシアネート化合物を用いることができる。このようなジイソシアネート化合物の具体例としては、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、44′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
前記ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の比較的低分子量のジオールの他、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等を用いることができる。
また、得られるウレタンプレポリマーは、カルボキシル基を含むことが必要であり、該ウレタンプレポリマーにカルボキシル基を導入するには、ジオール成分の一部として、ジメチロールアルカン酸を用いることが好ましい。ジメチロールアルカン酸の具体例としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等を挙げることができる。
該ウレタンプレポリマーの酸価は、15〜60(mg/g)程度の範囲にあることが好ましく、15〜50(mg/g)の範囲がより好ましく、18〜50(mg/g)の範囲が更に好ましい。該ウレタンプレポリマーの酸価が低すぎると、後工程における水への分散状態が悪くなって水性分散液が得られなくなる。ウレタンプレポリマーの酸価は、ジメチロールアルカン酸の使用量により調節される。
前記ウレタンプレポリマーを水分散性とするため、ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基を中和する。該中和剤としは、第三アミン化合物が好ましく、該第三アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。
鎖延長剤としては、活性水素を有する公知の鎖延長剤を用いることができる。このような鎖延長剤としては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、シクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン類、ヒドラジン等が挙げられる。前記ウレタン樹脂の数平均分子量は、1000〜30万であることが好ましい。
前記ビニルモノマーは、イソシアネート基に対して反応性のないビニルモノマーであり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の低級アルキル(C1〜C8)エステル類、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル等が挙げられる。
ビニルモノマーの重合反応のためのラジカル開始剤としては、慣用のラジカル開始剤を用いればよく、例えば、アゾ系開始剤、過硫酸塩系開始剤、パーオキサイド系開始剤等を用いることができる。好適には、パーオキサイド系開始剤とアスコルビン酸又はロンガリットによるレドックス系、過硫酸塩系開始剤と金属亜硫酸塩によるレドックス系等がよい。
ラジカル開始剤の使用量は、ビニルモノマーに対して、0.1〜5質量%程度、好ましくは0.5〜2質量%程度とすればよい。
前記ビニル重合体の数平均分子量は1万〜100万であることが好ましい。
前記ウレタンプレポリマーと前記ビニルモノマーの使用割合は、目的に応じて調節することができるが、ウレタンプレポリマー:ビニルモノマー(固形分重量比)は10:90〜90:10であることが好ましい。
前記ポリウレタンとビニル重合体を含む樹脂エマルションの後処理液中での平均粒径は、50nm以上300nm以下であることが好ましい。50nm未満では粘度が高くなることがあり、300nmを超えると付与量が多くなることがある。
このような、ポリウレタンとビニル重合体を含む樹脂エマルションとしては、市販品を用いてもよく、例えばSU−100(中央理化工業株式会社製)などが挙げられる。
前記樹脂エマルションはガラス転移温度が−30℃以上であり、かつ、最低造膜温度が50℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が−30℃未満では、樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印刷物にタックが生じることがあり、最低造膜温度が50℃を超えると、ヒーター、温風等の乾燥手段を用いても短時間で成膜できないため、実使用が困難となることがある。
前記樹脂エマルションのガラス転移温度は、例えばTMA法、DSC法及びDMA法(引張り法)により測定することができる。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は、例えば最低造膜温度測定装置(MFT型)により測定することができる。
前記樹脂エマルションの含有量は、使用する樹脂エマルションや使用目的にもよるが、後処理液全量に対し、3質量%以上10質量%以下であることが好ましく、5質量%以上10質量%以下含むことがより好ましい。3質量%以上とすることで良好な耐擦性が得られ、10質量%以下とすることで、良好な耐擦性、耐ブロッキング性が得られる。
(界面活性剤)
本実施形態の後処理液は、表面張力を下げて被記録メディアとの濡れ性・浸透性を高め、微粒子層を速やかに形成させるため、界面活性剤を含有する。前記界面活性剤としては、アニオン系・ノニオン系・カチオン系あるいは両性界面活性剤、フッ素系・シリコン系の界面活性剤を使用できる。
界面活性の含有量は、後処理液全量に対し、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましい。
界面活性の含有量を0.01質量%以上とすることで、界面活性剤を添加した効果が好適に発揮され、3.0質量%以下とすることで、記録メディアへの浸透性が良好となり、画像濃度の低下や裏抜けが発生しない、良好な画像を形成することが可能である。
(その他の成分)
前記その他の成分としては、ワックス、ポリエーテル変性シリコーンオイル、浸透剤、防腐防黴剤、pH調整剤、消泡剤等が挙げられる。
(ワックス)
前記ワックスは、画像表面に配向することで画像の耐摩擦性、耐ブロッキング性を向上させることができる。
前記ワックスとしては、水に分散が可能であれば使用することができる。前記ワックスは、融点が120℃以上140℃以下のポリエチレンワックスを含むエマルションであることが好ましい。融点が120℃未満であると前記樹脂微粒子との凝集により後処理液の保存安定性が低下することがあり、140℃を超えるとスリップ効果が低下し、画像の耐摩擦性が低下することがある。
前記ポリエチレンワックスを含むエマルションは、粒子径が0.2μm以下であることが好ましい。
ポリエチレンワックスを含むエマルションとしては、例えば、AQUACER−515(ビックケミー・ジャパン株式会社製)、ポリロンP−502(中京油脂株式会社製)などが挙げられる。
前記ワックスの含有量は、使用するワックスや使用目的にもよるが、後処理液全量に対し、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましく、さらに1質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
(ポリエーテル変性シリコーンオイル)
本実施形態の後処理液は、スリップ性を有し、画像の耐擦性、耐ブロッキング性向上のためポリエーテル変性シリコーンオイルを含むことができる。
ポリエーテル変性シリコーンオイルとは、シリコーンオイルの側鎖、末端、およびその両方にポリエーテル基を導入したものである。
また、シリコーンオイルは、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーによって構成される。シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーとしては、側鎖および両末端のすべてがメチル基であるものが挙げられる。シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーの平均重合度は45〜230であることが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンオイルの含有量は、後処理液全量に対し、0.1質量%以上5質量%以下、より好ましくは、0.5質量%以上3質量%以下、さらには1質量%以上1.5質量%以下であることが好ましい。
ポリジメチルシロキサン主鎖をもつ両末端ポリエーテル変性シリコーンオイルとしては、具体的には、BYK−333、BYK−UV3500(いずれもビックケミー・ジャパン株式会社製)を挙げることができる。
(浸透剤)
本実施形態の後処理液は、被記録メディアとの濡れ性を調整する浸透剤を含むことができる。浸透剤としては、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられ、一種または二種以上を混合して用いてもよい。
浸透剤としては、後処理液全量に対し、0.1質量%以上20質量%以下含有することが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下含有することがより好ましい。ただし、水よりも高沸点の25℃で液体である液体成分の合計含有量は20質量%以下であり、15質量%以下が好ましい。
(防腐防黴剤)
本実施形態の後処理液は、保存安定性、画質安定性の向上のため、防腐防黴剤を含有することができる。
前記防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、イソチアゾリン系化合物、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤の含有量は、後処理液全量に対し、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましい
(防錆剤)
本実施形態の後処理液は、ヘッド等の接液する金属面の腐食防止のため、防錆剤を含有することができる。
防錆剤としては、ベンゾトリアゾール、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
防錆剤含有量は、後処理液全量に対し、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましい。
(pH調整剤)
本実施形態の後処理液は、pH調整剤を含有することができる。pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミン等のアミン類、硼酸、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸等が挙げられる。
pH調整剤の含有量は、後処理液全量に対し、0.01質量%以上3.0質量%以下が好ましく、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましい。
(消泡剤)
本実施形態の後処理液は、消泡剤を含有することができる。消泡剤としては、2,4,7,9-テトラメチル-4,7-デカンジオール、2,5,8,11-テトラメチルドデカン-5,8-ジオール等が挙げられる。消泡剤の含有量は、後処理液全量に対し、0.01質量%以上、10質量%以下が好ましく、0.02質量%以上、5質量%以下がより好ましい。0.01質量%以上であれば、泡を抑える効果が十分に得られる。また、10質量%以下であれば、後処理液に溶解しなくなったりすることはない。
<水性インク>
本実施形態の水性インクは、記録メディアの塗工層を有する面に付与されて画像を形成するものであり、必須成分として着色剤を含む。その他の成分としては、水、水溶性有機溶剤(以下、水性有機溶剤Bという。)、界面活性剤を含有し、必要に応じて、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤等を含有してなる。
(水溶性有機溶剤)
前記水溶性有機溶剤Bとしては、凝集エネルギー密度から算出できるFedors法によるSP値が12.0(cal/cm1/2以上のものを有する。SP値としては12.0(cal/cm1/2以上20.0(cal/cm1/2以下が好ましい。
更に平衡水分量が30質量%以上のものが好ましく、40質量%以上のものがより好ましい。
特に好ましくは多価アルコール類の水溶性有機溶剤であり、その例としては、グリセリン(SP値16.4(cal/cm1/2)、ジグリセリン(SP値15.0(cal/cm1/2)、プロピレングリコール(SP値13.5(cal/cm1/2)、1,2−ブタンジオール(SP値16.4(cal/cm1/2)、1,3−ブタンジオール(SP値12.8(cal/cm1/2)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(SP値12.1(cal/cm1/2)、1,5−ペンタンジオール(SP値12.4(cal/cm1/2)、エチレングリコール(SP値14.8(cal/cm1/2)、ジエチレングリコール(SP値13.0(cal/cm1/2)、トリエチレングリコール(SP値12.1(cal/cm1/2)、1,2,3−ブタントリオール(SP値15.1(cal/cm1/2)、1,2,4−ブタントリオール(SP値15.2(cal/cm1/2)、1,2,6−ヘキサントリオール(SP値13.7(cal/cm1/2)等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤Bの含有量は、水性インク全量に対して30〜70質量%であることが好ましく、30〜50質量%がより好ましい。また、前記範囲は全体としてSP値が12.0以上であれば、別の水溶性有機溶剤を加えたものであってもよい。
水溶性有機溶剤Bの含有量は、水性インク全量に対して70質量%以下であれば、水性インクの粘度が高くなりすぎず、インク吐出装置で安定して吐出することが可能であり、また30質量%以上であれば水分の蒸発によりインク吐出装置上での増粘を抑えることができる。
水性インクは、前記水溶性有機溶剤B以外にも他の水溶性有機溶剤等を含んでもよいが、前記一般式(1)の構造式からなる化合物は含まない。一般式(1)で表される化合物を含ませると耐擦性が低下する。
一般式(1)の構造式からなる化合物が水性インク中に含まないとは、以下の検出方法により検出されないことを意味する。
(検出方法)
水性インクを遠心分離法により上澄み液と沈降物に分離させた後、上澄み液をGC−MS分析にかけデータ解析を行う。
(遠心分離)
装置:日立工機製himac CS150GX
回転速度:150,000rpm
回転時間:1hour
(GC−MS)
装置:島津製作所製QP5000
カラム:Ultra ALLOY−5L=30m、ID=0.25mm Film=0.25μm
カラム昇温:50℃〜330℃
カラム流量:1.0ml/min
Split:1:100
イオン化法:EI法(70eV)
測定質量範囲:m/z33〜600
(データ解析)
解析ソフト:島津製作所製GCMSsolution
(着色剤)
着色剤としては、顔料、自己分散型顔料、樹脂被覆型顔料を用いることができ、顔料は有機顔料、無機顔料いずれであってもよい。
有機顔料としては、例えば、:アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラツク、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
無機顔料としては、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
ブラック顔料としては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.40、No.52、MA7、MA8、No.2200B(以上、三菱化成社製)、RAVEN1255(コロンビア社製)、REGAL400R、REGAL660R、MOGUL L(以上、キヤボット社製)、Color Black FW1、Color Black FW18、Color BlackS170、Color Black S150、Printex35、Printex U(以上、デグッサ社製)等が挙げられる。
水性インク中の、着色剤の含有量は、水性インク全量に対し、2〜12質量%が好ましく、4〜8質量%がより好ましい。
着色剤の含有量を2質量%以上とすることで、着色力が高く、高い画像濃度が得られ、適度な粘度の水性インクが得られることからフェザリングや滲みの発生しない良好な画像を得ることが可能である。また、12質量%以下とすることで、記録装置を放置した場合においても、ノズル内のインクが増粘することが回避され、良好に吐出される。また、適度な粘度の水性インクが得られることから、浸透性に優れ、適切にドットの広がりが生じ、良好な画像濃度の画像が得られる。
浸透剤、界面活性剤、防腐防黴剤、防錆剤、及びpH調整剤、消泡剤は、前記後処理液と同様なものを使用できる。
<前処理液>
本実施形態のインクジェット記録方法は、水性インクを付与して画像を形成する工程の前に、前記記録メディア上に前処理液を付与する工程を備えることが好ましい。前処理液を付与する工程を備えることで、前処理液が水性インクと凝集/増粘作用を引き起こし、低吸収被記録メディアの塗工紙においても高品質な画像を得ることができる。前処理液で記録メディア表面を加工した後、画像形成を行えば更に画像濃度への効果が見られる。
前記前処理液は凝集剤を含む。凝集剤としては、カチオンポリマー、多価金属塩、酸等があげられるが、特にカチオンポリマーが好ましい。
カチオンポリマーとしては、第4級アンモニウム塩型のカチオン性ポリマーが好ましく、例えばジアルキルアリルアンモニウムクロライド重合物、ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級アンモニウム塩重合物、変性ポリビニルアルコールジアルキルアンモニウム塩重合物、ジアルキルジアリルアンモニウム塩重合物等が挙げられる。
その他の水溶性カチオン性ポリマーとしては、カチオン性エピクロルヒドリン縮合物、カチオン性特殊変性ポリアミン化合物、カチオン性ポリアミドポリアミン化合物、カチオン性尿素−ホルマリン樹脂化合物、カチオン性ポリアクリルアミド化合物、カチオン性アルキルケテンダイマー、カチオン性ジシアンジアミド化合物、カチオン性ジシアンジアミド−ホルマリン縮合化合物、カチオン性ジシアンジアミド−ポリアミン縮合化合物、カチオン性ポリビニルホルムアミド化合物、カチオン性ポリビニルピリジン化合物、カチオン性ポリアルキレンポリアミン化合物、カチオン性エポキシポリアミド化合物等が挙げられる。
多価金属塩としては、水溶性2価金属塩及び水溶性1価アルカリ金属塩が挙げられ、水溶性2価金属塩としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マンガン、硫酸ニッケル、硫酸鉄(II)、硫酸銅(II)、硫酸亜鉛、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(II)、硝酸コバルト、硝酸ストロンチウム、硝酸銅(II)、硝酸ニッケル(II)、硝酸鉛(II)、硝酸マンガン(II)、塩化ニッケル(II)、塩化カルシウム、塩化スズ(II)、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、乳酸カルシウム、硝酸カルシウム等が挙げられる。
水溶性1価アルカリ金属塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
酸としては水溶性脂肪族系有機酸が好ましく、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、アジピン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、グルコン酸、ピルビン酸、フマル酸等が挙げられる。また、これら有機酸のアミン塩であっても良い。
凝集剤としては、前処理液全量に対して10〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。10質量%以上であれば、水性インクの顔料凝集能が発揮され良好な画像品質が得ることができ、70質量%以下であれば十分な画像品質を得るのに足りる。
水溶性有機溶剤、浸透剤、界面活性剤、防腐防黴剤、防錆剤、及びpH調整剤は、前記後処理液や水性インクと同様なものを使用できる。
<記録メディア>
本実施形態の記録方法は、塗工層を有する記録メディア(塗工紙)に対して特に有効である。塗工紙としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。ここで塗工紙とは、原紙(支持体)の表面に塗料を塗布し、美観や平滑さを高めた紙のことをいい、表裏両面塗工でも片面塗工でも良い。また、前記塗料はカオリンや炭酸カルシウムなどの白色顔料と、デンプンなどのバインダーを混合したものである。塗工紙の例としては、アート紙、コート紙、軽量コート紙、キャスト紙、微塗工紙などが挙げられる。
塗工紙は、通常、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の転移量が1〜10mL/mである。動的走査吸液計(例えば、協和精工社製K350シリーズD型)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。
<インクジェット記録方法>
以下に、インクジェット記録方法を説明する。
<水性インクを付着させて画像を形成する工程>
水性インクを付着させて画像を形成する工程、すなわち画像形成工程は、前処理液を付着させた記録メディア、又は前処理液乾燥工程、すなわち前処理工程を経た記録メディア、又は前処理工程を経ていない記録メディアに水性インクを吐出して付着させる工程である。
前処理工程を経ることが、画質が良くなるため望ましいが、前処理工程を省略することも可能である。
水性インクの付着方法としては、所定の装置で水性インクに刺激(エネルギー)を加えて吐出させ水性インクを付着させる方法が好ましく、公知の種々のインクジェット記録方法を採用できる。その例としては、ライン化されたヘッドを用いるシングルパス方式により連帳の記録メディアに画像を記録するインクジェット記録方法や、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法が挙げられる。
水性インクを吐出させる手段である記録ヘッドの駆動方式には特に限定はない。駆動方式の例としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いる方式、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録する方式等が挙げられる。
<後処理工程>
後処理工程は、水性インクによって画像が形成された後の記録メディアに後処理液を付与するものであり、該後処理液の付与量が、画像形成のために付与された水性インクの単位面積あたりの付与量より少なく制御されたものであることが好ましい。
後処理液の付与量は、水性インクの単位面積あたりの付与量の5体積%以上30体積%以下であることが好ましい。5体積%以上とすることで、耐ブロッキング性に優れ、30体積%以下とすることで乾燥性に優れた記録が可能となり、記録画像の転写汚れが発生せず、良好な画質を得ることが可能となる。
後処理液の付与方法としては、インクジェット記録による付与が好ましく、後処理液の付与量制御は、ノズルから吐出される滴数を変えることや、ノズルから吐出される1滴あたりの滴重量を変えることにより制御することができる。
図1は、インクドット上に後処理液が着弾した直後の状態の模式図である。図1に示すように、後処理液は着弾後に広がって画像を覆い、また、画像表面に凸部を形成し、該凸部がスペーサとなって画像が直接接触しないことで画像の耐擦性を向上させる。
後処理液の付与は、後処理液の液滴をインク滴よりも小さくし、記録メディア上に形成されたインクドットそれぞれに付与する方法(図1(A))、インク滴と同じ大きさの後処理液の液滴の滴数を少なく付与する方法(図1(C))、また後処理液の液滴の大きさと滴数の両方を調節する方法(図1(B))のいずれであってもよいが、後処理液の付与の観点から後処理液の液滴をインク滴よりも小さくし、記録メディア上に形成されたインクドットそれぞれに付与することが好ましい。
図2は、インクジェット記録方法を実施するための記録装置の一例を示す図である。図2に示すように、記録メディアは搬送ベルト103により搬送される。画像形成工程では、インクジェットノズル101から水性インクが吐出され、記録メディアP上に画像が形成される。後処理工程では、記録メディアPに形成された画像上に後処理液102が付与され、乾燥定着される。
図3は、インクジェット記録方法を実施するための他の記録装置の一例を示す図である。図3に示すように、インクジェット記録方法は、画像形成工程前に、記録メディア上に水性インクと凝集/増粘作用を引き起こし、インク画像品質を向上させる前処理液を塗布する前処理工程を有してもよい。図中、104は前処理液塗布装置、105は温風乾燥装置である。
本発明のインクジェット記録方法は、記録メディアを高速で搬送してインクジェット記録を行うインクジェット記録装置に特に好ましく適用できる。
即ち、記録メディアが搬送部材によって例えば10〜200m/分という高速で搬送される場合に、本実施形態のように後処理液が先に被記録メディアに着弾した水性インク中に沈み込むことを防ぎ、十分な耐擦性を有する記録物を提供することができる。
<前処理液工程>
前処理液を付着させる前処理工程としては、記録メディアの表面に処理液を均一に付着させることができる方法であれば特に制限はない。その例としては、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法等が挙げられる。
記録メディアへの処理液のウエット付着量(記録メディアを乾燥させる前の処理液の付着量)は0.1〜10.0g/mが好ましく、1.0〜3.0g/mがより好ましい。ウエット付着量が0.1g/m以上であれば、記録物の画像の品質(濃度、彩度、カラーブリード、フェザリング)が向上し、10.0g/m以下であれば、記録物の風合いが損なわれることはなく、コスト面でも問題が生じることはない。なお、10.0g/m程度で凝集効果は飽和するため、これ以上付着量を増やしても無意味である。
図4は、後述する図7に示す前処理工程部302において、前処理液を塗布する構成の一例を示す模式図である。ここではロールコート法について説明するが、他の前処理液塗布方法でもよい。
図4に示すように、記録メディア203は搬送ローラーによって前処理液塗布装置204内に搬送される。前処理液塗布装置204には前処理液205が貯留されており、前処理液205は攪拌・供給ローラ206、移送・薄膜化ローラ207a、207bによって塗布ローラ208のローラ面に薄膜状に転写される。そして、塗布ローラ208は、回転する対向ローラ201に押し付けられながら回転し、その間を記録メディア203が通過することにより、表面に前処理液205が塗布される。
また、対向ローラ201は、圧力調整装置209によって、前処理液を塗布するときのニップ圧を調節することが可能であり、これにより前処理液205の塗布量を変化させることができる。また塗布量は、塗布ローラ208の回転速度を変えることにより調節することも可能である。塗布ローラ208、プラテンローラは駆動モーターなどの動力源によって駆動され、その動力源のエネルギーを変えることで回転速度を変化させ、塗布量を調節できる。
このように、画像品質を向上させるための前処理液205を塗布ローラ208で記録メディア203の記録領域に塗布する方法は、噴射ヘッドを用いて処理剤液を記録メディア203に吹き付ける方法に比べて、比較的粘度の高い前処理液205を記録メディア203上に薄く塗布することができ、画像の滲みなどを一段と低減できるという特長を有している。
また図7のように、前処理部302には塗布工程の後に前処理後乾燥部303を設けてもよい。前処理後乾燥部303は、例えば図7のようなヒートローラー311、312からなる。この装置によれば、前処理液を塗布された記録メディア203は、搬送ローラによりヒートローラー311、312に搬送される。ヒートローラー311、312は50〜100℃の高温に熱せられており、前処理液を塗布された記録メディア203は、ヒートローラー311、312からの接触伝熱により水分が蒸発し乾燥する。乾燥手段はこれに限らず、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、温風装置などを用いることもできるし、単体の装置でなく、例えばヒートローラーと温風装置を組み合わせるなどしても良い。また、図示していないが前処理液を塗布する前に記録メディアを加熱しておくこと(プレヒート工程の追加)も有効である。
<画像形成工程>
前処理工程後の記録メディアは、図7に示す画像形成工程部304により画像データに応じた画像が形成される。画像形成工程部304は、フルライン型のヘッドユニットであり、記録メディア搬送方向上流側より、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応可能な4つの記録ヘッドユニット304K、304C、304M、304Yが配設されている。
図5は、ヘッドユニット304K、304C、304M、304Yの配置を示す図である。図5に示すように、例えば、ブラック(K)の記録ヘッド304Kは、搬送方向と直行する方向に短い4つのヘッドユニット304K−1、304K−2、304K−3、304K−4を千鳥状に配列させることにより印刷領域幅を確保している。
図6はヘッドユニット304K−1の拡大図である。図6に示すように、304K−1のノズル面309には多数の印字ノズル310がヘッドユニット304K−1の長手方向に沿って配列されてノズル列を形成している。この例ではノズル列は1列であるが、複数列設けることもできる。
なお、他の記録ユニットヘッド304C、304M、304Yも同様の構成であり、4つの記録ヘッドユニット304K、304C、304M、304Yは同じピッチを保持して搬送方向に配列されている。これにより、1回の記録動作で印刷領域幅全体への画像形成が可能となる。
図7は、記録装置300の構成を示す模式図である。図7に示すように、記録装置300は、記録メディア搬送部301と、記録メディア203に前処理液を付与する前処理工程部302、前処理液が付与された記録メディア203を乾燥させる前処理後乾燥部303とインク収容部304−1を備えた画像形成工程部304、画像形成工程後の記録メディアに後処理液を付与する後処理工程部305、後処理液が付与された記録メディア203を乾燥させる乾燥工程部306が設けられる。
乾燥工程は、例えば図7のようなヒートローラー313、314、及び、温風吹きつけノズルからなる。画像形成後又は後処理後、記録メディア203は、搬送ローラによりヒートローラー313、314に搬送される。ヒートローラー313、314は高温に熱せられており、後処理液を塗布された記録メディア203は、ヒートローラー313、314からの接触伝熱により、水分が蒸発し乾燥する。更に下流において、乾燥手段として温風装置が設けられている。その他に、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置などを用いても良い。
乾燥後の記録メディア203は巻き取り装置308によって巻き取られるが、巻き取り時の押圧が大きいと、裏面へ画像が転写するピッキングなどの現象が起こる可能性がある。
しかし、乾燥効率をよくすれば、水性インク付着量が多い画像を高速印字する場合にも、そのような転写を低減することができる。また、図7のような巻き取り前乾燥部315を追加して設けることも可能である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、表1および表2における数字の単位は「質量%」である。
<後処理液の調整>
下記表1の実施例及び比較例の各欄に示す材料を使用し、100mLビーカー中で、攪拌子を用いて20分間混合攪拌した後、フィルターで濾過して後処理液を調製した。
表1中の化合物の詳細を以下に示す。
・ポリエチレンワックス:(35質量%濃度:有効固形分量)酸化高密度ポリエチレンワックス、ACUACER515,ビックケミー・ジャパン株式会社製
・アクリル変性ウレタン樹脂エマルション:(40質量%濃度:有効固形分量)SU−100N:中央理化工業(株)製
・スチレン−アクリル酸エマルション:分子量50000、酸価130、粒径75nm、マイクロジェルE−1002,日本ペイント(株)製
・パーフルオロアルキルポリエチレンオキシド付加反応物:DSN−403Nダイキン工業社製
<水性インクの調整>
(ブラック顔料分散体1の作製)
ブラック顔料分散体1は、ポリマー溶液と、顔料と、を含む。
(ポリマー溶液の調製)
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g及びメルカプトエタノール0.4g、メチルエチルケトン40gを混合し、65℃に昇温した。
次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン342gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。
滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、濃度が50質量%の[ポリマー溶液]800gを得た。
(ブラック顔料分散体1の調整)
前記[ポリマー溶液]28gとブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7、キャボットスペシャルティケミカルズ社製、商品名:Monarch880)を32g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。
得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、顔料15質量%含有、固形分20質量%の[ブラック顔料分散体1]を得た。
(ブラック顔料分散体2の調製)
CTAB比表面積が150m/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム溶液3,000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。
この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
得られたカーボンブラックを水洗し、乾燥させて、固形分30質量%となるよう純水中に分散させ、充分に撹拌して[ブラック顔料分散体2]を得た。
(シアン顔料分散体3の調整)
顔料をC.I.ピグメントブルー15:3に代えた他は[ブラック顔料分散体1]と同様にして、顔料15質量%含有、固形分20質量%の[シアン顔料分散体3]を得た。
(マゼンタ顔料分散体4の調整)
顔料をC.I.ピグメントレッド122に代えた他は[ブラック顔料分散体1]と同様にして、顔料15質量%含有、固形分20質量%の[マゼンタ顔料分散体4]を得た。
(イエロー顔料分散体5の調整)
顔料をC.I.ピグメントイエロー74に変えた他は[ブラック顔料分散体1]と同様にして、顔料15質量%含有、固形分20質量%の[イエロー顔料分散体5]を得た。
(水性インクの作成)
下記表2の各欄に示す材料を使用し、100mLビーカー中で、攪拌子を用いて20分間混合攪拌した後、フィルターで濾過して各色の水性インクを調製した。
<前処理液の調整>
(カチオンポリマーの作製)
攪拌機、温度計、及び窒素ガス導入管を付けた1000mLのグラス製オートクレーブに、50%ジメチルアミンを200.0g(2.218モル)、30%トリメチルアミンを291.0g(1.477モル)仕込み、窒素置換した後、40℃に冷却しながらエピクロロヒドリン274.0g(2.961モル)を2時間かけて投入し、40℃で1時間反応させ、更に80℃まで昇温し3時間熟成させた。
冷却後、35%塩酸77.0g及び75%リン酸0.82g(対固形分730ppm)によりpHを5.0に調整し、固形分濃度58%、粘度21mPa・s、重量平均分子量3000のカチオンポリマー1を得た。
下記の組成を100mLビーカー中で、攪拌子を用いて20分間混合攪拌して前処理液を調製した。
カチオンポリマー1:60質量%
3−メチル−1,3−ブタンジオール:10質量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール:2質量%
2−アミノ−1,3−プロパンジオール:0.2質量%
1,2,3−ベンゾトリアゾール:0.1質量%
イオン交換水:残量
上記に記した前処理液を使用した後、水性インクと後処理液とからなるインクセットを表3のように使用し、記録メディア(商品名;OKトップコート+、坪量=104.7g/m、王子製紙社製)に図3に示した装置で印字した後、以下のように画像滲み及び耐擦性を評価した。評価結果を下記表3に示す。ここで、評価結果としては水性インク中の最も悪い結果を示している。
<画像滲み>
画像チャートとして10ポイントのHの文字を解像度1200dpiで印字下画像について目視にて滲みを観察した。
判断基準
◎:滲みがない
○:僅かに滲みが認められるが実用上問題なし
△:滲み有り
×:明らかな滲み
<耐擦性>
画像チャートとして6cm四方のべた画像を100dutyで印字した画像について、印字後3時間以上経過した後、クロックメータ(東洋精機社製)に装着した非印字の記録メディア(OKトップコート+)で10往復させ、メディアに付着した水性インクの汚れを目視で観察し、評価した。
◎:汚れがほとんどない
○:汚れはあるが、実用上問題なし
△:やや顕著に汚れが認められる
×:明らかな汚れ
表3中「後処理液付与量」とは「水性インクの付与量に対する後処理液の付与量の割合(体積%)」である。
以上述べたように、本実施形態のインクジェット記録方法は、上述の構造式(1)からなる化合物を含まず、かつSP値が12(cal/cm1/2以上の水性有機溶剤を含む水性インクによって記録メディアに画像形成する画像形成工程と、この画像形成工程の後に、上述の構造式(1)からなる化合物を含む後処理液を記録メディアに付与する後処理工程と、を含むことにより、画像形成速度が速い場合でも後処理液の効果が十分に発揮でき、良好な耐擦性が確保される。
101 インクジェットノズル
102 後処理液
103 搬送ベルト
104 前処理液塗布装置
105 温風乾燥装置
201 対向ローラ
203 記録メディア
204 前処理液塗布装置
205 前処理液
206 攪拌・供給ローラ
207a 移送・薄膜化ローラ
207b 移送・薄膜化ローラ
208 塗布ローラ
209 圧力調整装置
300 インクジェット記録装置
301 記録メディア搬送部
302 前処理工程部
303 前処理後乾燥部
304 画像形成工程部
304K ブラックの記録ヘッド
304K−1 ブラックのヘッドユニット
304K−2 ブラックのヘッドユニット
304K−3 ブラックのヘッドユニット
304K−4 ブラックのヘッドユニット
304C シアンの記録ヘッド
304M マゼンタの記録ヘッド
304Y イエローの記録ヘッド
305 後処理工程部
306 乾燥工程部
307 給紙装置
308 巻き取り装置
309 ノズル面
310 印字ノズル
311 ヒートローラー
312 ヒートローラー
313 ヒートローラー
314 ヒートローラー
315 前乾燥部
特開2011−63016号公報 特開2011−105900号公報 特開2014−148159号公報 特開2013−163370号公報

Claims (9)

  1. 記録メディア上に着色剤を含む水性インクを付与して画像を形成する工程と、該画像が形成された記録メディア上に樹脂を含む後処理液を付与する工程とを備えたインクジェット記録方法であって、
    次の要件〔1〕及び〔2〕を満たすことを特徴とするインクジェット記録方法。
    〔1〕前記後処理液の組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含む。
    〔2〕前記水性インクの組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含まず、かつSP値が12(cal/cm1/2以上の水溶性有機溶剤を含む。
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
  2. 単位面積当たりの前記後処理液の付与量が、前記水性インクの付与量の5体積%以上30体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記樹脂が、ウレタン樹脂とビニル重合体を含む樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記後処理液が、ポリエチレンワックスを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記後処理液を付与する工程の後に、前記記録メディアを乾燥する乾燥工程を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  6. 前記水性インクを付与して画像を形成する工程の前に、前記記録メディア上に前処理液を付与する工程を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  7. 前記前処理液は、カチオンポリマーを含むことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記前処理液の付与工程後であって、前記水性インクを付与して画像を形成する工程前に、前記記録メディアを乾燥する乾燥工程を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット記録方法。
  9. インクジェット記録に用いられるインクセットであって、
    着色剤を含む1種以上の水性インクと、樹脂を含む後処理液とからなり、
    次の要件〔1〕及び〔2〕を満たすことを特徴とするインクセット。
    〔1〕前記後処理液の組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含む。
    〔2〕前記水性インクの組成中、下記構造式(1)からなる化合物を含まず、かつSP値が12(cal/cm1/2以上の水溶性有機溶剤を含む。
    (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
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