JP2016117084A - 未拡管部の検出装置および検出方法、並びに溶接鋼管の製造設備および製造方法 - Google Patents

未拡管部の検出装置および検出方法、並びに溶接鋼管の製造設備および製造方法 Download PDF

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【課題】鋼管の未拡管部を簡便に検出することができる、未拡管部の検出装置および検出方法、並びに鋼管の製造設備および製造方法を提供すること。【解決手段】拡管装置2を用いた複数の拡管工程により拡管される鋼管Sの領域のうち、2つの拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの、拡管装置2の拡管圧力に基づいて、鋼管Sの未拡管部の有無を判定する判定部31を備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、溶接鋼管の未拡管部の検出装置および検出方法、並びに溶接鋼管の製造設備および製造方法に関するものである。
ラインパイプ配管用や構造用等に用いられる大径溶接鋼管を製造する際、鋼管の真円度を高めるための拡管が行われる。具体的には、鋼管の内部に挿入された拡管ヘッドが鋼管を押し広げることで、鋼管が拡管されると同時に鋼管の真円度が向上する。通常、鋼管を拡管する際には、長手方向に分割された鋼管の複数の拡管領域に対応して、複数の拡管工程により拡管が行われることで鋼管の全長が拡管される。このとき、各拡管工程では、拡管ヘッドの長さに応じた複数パスでの拡管が行われる。
特許文献1には、溶接鋼管の管中央部を最初に拡管し、その後拡管されていない管端部の真円度および真直度の少なくともいずれかを測定し、測定結果から管端部の各断面における比較的小径な対向内面に潤滑を施した後に管端部の拡管を行う拡管方法が開示されている。特許文献1に記載の拡管方法によれば、特に管端部における溶接鋼管の真円度および真直度を高精度化することが可能となる。
特開昭56−77033号公報
しかし、特許文献1に記載の拡管方法のように、複数の拡管領域に対して複数の拡管工程で拡管がそれぞれ行われる場合、固定された拡管ヘッドに対して溶接鋼管を移動させることで各拡管領域が拡管される。このとき、溶接鋼管の移動位置を検出する検出器の制御系に異常が発生すると、拡管が行われていない未拡管部が鋼管に発生してしまう。通常、拡管を行う拡管装置に溶接鋼管を配した状態で未拡管部の有無を判定することは難しいため、他の設備へと鋼管を搬送された後に未拡管部の有無が判定される。このとき、未拡管部が有りと判定された溶接鋼管は、拡管装置へと再度搬送され、未拡管部の拡管が行われる。この場合、拡管装置の生産性が低下してしまうことが問題であった。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、溶接鋼管の未拡管部を簡便に検出することができる、未拡管部の検出装置および検出方法、並びに溶接鋼管の製造設備および製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る未拡管部の検出装置は、拡管装置を用いた複数の拡管工程により拡管される溶接鋼管の領域のうち、2つの拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの、拡管装置の拡管圧力に基づいて、溶接鋼管の未拡管部の有無を判定する判定部を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る未拡管部の検出方法は、拡管装置を用いた複数の拡管工程により溶接鋼管を拡管する際に、溶接鋼管の拡管される領域のうち、2つの拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの拡管圧力に基づいて、溶接鋼管の未拡管部の有無を判定することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る溶接鋼管の製造設備は、上記未拡管部の検出装置と、複数の拡管工程で溶接鋼管を拡管する拡管装置とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る溶接鋼管の製造方法は、上記未拡管部の検出方法を用いて、溶接鋼管の未拡管部の有無を判定することを特徴とする。
本発明に係る未拡管部の検出装置および検出方法、並びに溶接鋼管の製造設備および製造方法によれば、溶接鋼管の未拡管部を簡便に検出することができる。
本発明の一実施形態に係る溶接鋼管の製造設備を示す構成図である。 拡管部を示す一部断面図である。 拡管開始時の状態を示す説明図である。 拡管時の状態を示す説明図である。 溶接鋼管の拡管領域を示す説明図である。 第1拡管工程における拡管圧力を示すグラフである。 第2拡管工程における拡管圧力を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<拡管装置の構成>
はじめに、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る溶接鋼管の製造設備1の構成について説明する。本発明の一実施形態に係る溶接鋼管の製造設備1は、図1に示すように、拡管装置2と、検出装置3とを備える。製造設備1で拡管される溶接鋼管である鋼管Sは、UOE方式やブレスベンド方式で成形および溶接された、外径が400mm以上の大径溶接鋼管である。製造設備1では、不図示の他の製造設備にて成形および溶接された鋼管Sを拡管することで、鋼管Sの真円度が向上する。
拡管装置2は、第1拡管部2aと、第2拡管部2bと、制御部2cとを有し、鋼管Sを拡管する加工装置である。
第1拡管部2aは、軸部21aと、拡管ヘッド22aと、駆動部23aと、グリッパ台車24aと、パイプ受けロール251a〜255aとを有する。軸部21aは、図2に示すように、ホーン211aと、ドローバー212aとを有する。拡管ヘッド22aは、コーン221aと、ダイ222aとを有する。
軸部21aのホーン211aは、略円筒状の部材であり、一端が駆動部23aの筐体に固定され、他端がダイ222aに接続される。軸部21aのドローバー212aは、円柱状の部材であり、一端側が駆動部23aの内部に設けられた油圧シリンダ等の駆動手段へと接続され、他端側がコーン221aに固定される。拡管ヘッド22aのコーン221aは、円錐台形を有する部材であり、内部にドローバー212aが挿入された状態でドローバー212aに固定される。拡管ヘッド22aのダイ222aは、略円筒状の部材であり、内部にコーン221aの外周面の傾きに対応したテーパーが形成され、一端側の外周面に外周の径が小さくなるようにさらにテーパーが形成される。つまり、拡管ヘッド22aは、コーン221aがダイ222aに対して楔状に設けられる。また、ダイ222aは、長手方向に400〜1,100mm程度の長さを有し、略円筒状の円周方向に均等な長さに分割した複数の部材からなる。駆動部23aは、内部に油圧シリンダ等の駆動手動を有する装置である。
駆動部23aは、内部に油圧シリンダ等の駆動手段を有し、制御部2cの指示に基づいて、駆動手段に接続されたドローバー212aをドローバー212aの長手方向に平行に移動させる。また、駆動部23aは、ドローバー212aを移動させる際に、シリンダの油圧実績を拡管圧力として判定部31へと送信する。
グリッパ台車24aは、先端に保持部241aを有する。保持部241aは、パイプ受けロール251a〜255aに設けられた鋼管Sの端部を挟持することで、鋼管Sを保持する。グリッパ台車24aは、保持部241aが鋼管Sの端部を保持した状態で、軸部21aの長手方向に平行に移動することで、鋼管Sを移動させる。また、グリッパ台車24aは、制御部2cの指示に基づいて、鋼管Sを保持および移動させる。
パイプ受けロール251a〜255aは、軸部21aの長手方向の中心軸に重畳して、軸部21aの長手方向に並んで設けられる。パイプ受けロール251a〜255aは、鋼管Sを下方から支持し、鋼管Sの軸部21aの長手方向に平行な方向への移動を補助する。
第1拡管部2aは、拡管ヘッド22aが鋼管Sの内部に配された状態で、駆動部23aによってドローバー212aが移動することで、ダイ222aを周方向外方へと広げる。この動作によって、ダイ222aが鋼管Sを内部から押し広げることで、鋼管Sが拡管される。また、第1拡管部2aは、パイプ受けロール251a〜255aに設けられる鋼管Sの一端側に駆動部23a、他端側にグリッパ台車24aがそれぞれ配されることで、鋼管Sの一端側の領域を拡管する。拡管時の動作の詳細については後述する。
第2拡管部2bは、第1拡管部2aと同じ構成を有する。つまり、第2拡管部2bは、軸部21bと、拡管ヘッド22bと、駆動部23bと、グリッパ台車24bと、パイプ受けロール251b〜255bとを有する。なお、第2拡管部2bは、第1拡管部2aと異なり、パイプ受けロール251b〜255bに設けられる鋼管Sの他端側に駆動部23b、一端側にグリッパ台車24bがそれぞれ配される。このため、第2拡管部2bは、第1拡管部2aにて拡管される領域と逆側となる、鋼管Sの他端側の領域を拡管する。
制御部2cは、第1拡管部2aおよび第2拡管部2bの拡管動作を制御することで、鋼管Sの拡管を行う。拡管装置2の拡管動作の詳細については後述する。
検出装置3は、判定部31と、表示部32と、警報部33とを有する。
判定部31は、駆動部23a,23bから拡管圧力を取得および記憶し、取得した拡管圧力に基づいて鋼管Sの未拡管部の有無を判定する。未拡管部の判定方法については後述する。
表示部32は、モニタ等の表示装置であり、判定部31による未拡管部の有無についての判定結果を表示する。警報部33は、スピーカ等の音響装置であり、判定部31により未拡管部が有りと判定された場合に、判定結果を異常として音声等で通知する。
<鋼管の拡管動作>
次に、図3〜図5を参照して、拡管装置2の拡管動作について説明する。本実施形態では、拡管装置2を用いて鋼管Sを拡管する際、第1拡管工程および第2拡管工程の2つの拡管工程で拡管を行うことで、鋼管Sの全長を拡管する。この際、第1拡管工程では、第1拡管部2aを用いて鋼管Sの一端側の第1拡管領域を拡管し、第2拡管工程では、第2拡管部2bを用いて鋼管Sの他端側の第2拡管領域を拡管する。
[第1拡管工程]
はじめに、第1拡管工程について説明する。まず、第1拡管工程では、図3(a)に示すように、鋼管Sを第1拡管部2aのパイプ受けロール251a〜253aの上に配置させる。鋼管Sには、他の製造設備にて略パイプ状に加工され、継ぎ目が溶接されたものが用いられる。
次いで、グリッパ台車24aの保持部241aは、鋼管Sの他端側となるB側の端部を挟持する。さらに、制御部2cは、グリッパ台車24aを拡管開始位置まで移動させる。このとき、グリッパ台車24aは、鋼管Sの長手方向に平行な方向に移動することで、鋼管Sを軸部21aの長手方向に平行な方向に移動させる。拡管開始位置は、図3(b)に示す位置であり、拡管ヘッド22aのダイ222aが鋼管Sの一端側となるA側の端部の内部に部分的に挿入された位置である。
さらに、制御部2cは、駆動部23aを駆動させることで、鋼管Sの拡管を行う。このとき、駆動部23aは、内部に設けられた駆動手段により、ドローバー212aを駆動部23a側へと移動させる。また、図4に示すように、ドローバー212aの移動に伴い、ドローバー212aの先端に固定されたコーン221aが駆動部23a側へと移動する。ここで、コーン221aがダイ222aに対して楔状に設けられているため、コーン221aが駆動部23a側へと移動することで、ダイ222aは周方向外方へと広がり、鋼管Sを内部から押し広げる。この拡管動作により、図5(a)に示すように、鋼管SのA側の際端部の領域である拡管領域dが拡管される。なお、図4では、鋼管Sの端部よりも内側の領域における拡管の様子を示すが、拡管領域dに示す鋼管Sの端部においても、第1拡管部2aが同様に動作することで拡管が同様に行われる。
その後、制御部2cは、駆動部23aを駆動させることでドローバー212aを駆動部23aと反対側へと移動させ、拡管ヘッド22aを拡管する前の状態へと戻す。
次いで、制御部2cは、グリッパ台車24aを所定距離だけ駆動部23a側へと移動させる。所定距離は、ダイ222aの長さやグリッパ台車24aの移動距離の検出精度等によって決定される距離であり、この後連続して行われる拡管ヘッド22aを用いた拡管により未拡管部が発生しない距離に決定される。図5(a)に図示した例において、所定距離は、拡管領域dの長手方向の長さと同じ距離である。また、拡管領域dの長手方向の長さは、ダイ222aの長手方向の長さよりも短く設定される。なお、拡管領域d〜d15の長手方向の長さは、すべて同じ長さである。
さらに、制御部2cは、駆動部23aを駆動させることで、鋼管Sの拡管を行う。鋼管Sの拡管動作は、拡管領域dの拡管をする際と同様に行われ、この動作によって拡管領域dが拡管される。
その後、上記の拡管ヘッド22aを拡管する前の状態へと戻す動作、グリッパ台車24aを所定距離だけ駆動部23a側へと移動させる動作、および鋼管Sの拡管を行う動作が繰り返し行われることで、拡管領域d〜d15が順に拡管される。なお、以下では、上記の一度の拡管動作を拡管パスとも称する。つまり、第1拡管工程では、15回の拡管パスが行われることで、第1拡管領域である拡管領域d〜d15がすべて拡管された状態となる。
拡管領域d15の拡管が完了した後、拡管ヘッド22aは拡管する前の状態へと戻される。次いで、グリッパ台車24aは、図3(a)に示す鋼管Sがはじめにパイプ受けロール251a〜253aに設けられた状態となるまで移動する。さらに、保持部241aによる鋼管Sの保持が解除される。以上の工程により、第1拡管工程が完了する。
[第2拡管工程]
次いで、第2拡管工程について説明する。第2拡管工程では、第2拡管部2bを用いて、第1拡管工程と同様な処理が行われることで、図5(b)の第2拡管領域である拡管領域d16〜d30が拡管される。
具体的には、まず、第1拡管工程にて鋼管Sの第1拡管領域が拡管された後、鋼管Sを第2拡管部2bのパイプ受けロール251b〜253bの上に配置させる。このとき、拡管されていない鋼管SのB側の端部が駆動部23b側に位置するように鋼管Sが配置される。
次いで、グリッパ台車24bの保持部241bが、鋼管SのA側の端部を挟持する。さらに、第1拡管工程と同様に、グリッパ台車24bが拡管開始位置まで移動され、図5(b)に示す拡管領域d16が拡管される。
その後、第1拡管工程と同様に、拡管ヘッド22bを拡管する前の状態へと戻す動作、グリッパ台車24bを所定距離だけ駆動部23b側へと移動させる動作、および鋼管Sの拡管を行う動作が繰り返し行われることで、拡管領域d17〜d30が順に拡管される。第2拡管工程では、計15回の拡管パスが行われることで、第2拡管領域が拡管される。
拡管領域d30の拡管が完了した後、拡管ヘッド22bが拡管する前の状態へと戻され、第2拡管工程が完了する。
上記の第1および第2拡管工程では、第1および第2拡管領域がそれぞれ拡管される。このとき、図5(c)に示すように、第1拡管領域の拡管領域d15および第2拡管領域の拡管領域d30が重複する重複領域dが生じる。本実施形態では、重複領域dが生じるように、拡管領域d15および拡管領域d30を重複させて拡管させることで、鋼管Sの全長が拡管される。
<未拡管部の検出方法>
上記の第1および第2拡管工程の各拡管パスにおいて鋼管Sの位置が調節される際、制御部2cは、グリッパ台車24a,24bの移動距離から鋼管Sの位置を検出する。グリッパ台車24a,24bの移動距離は、グリッパ台車24a,24bに設けられた電動機等の回転駆動部に連結した回転検出器や基準センサ等のセンサの検出結果に基づいて算出される。しかし、これらのグリッパ台車24a,24bの制御系に異常が発生した場合、グリッパ台車24a,24bの移動実績に誤差が生じることとなる。このとき、検出された移動距離が実績に対して長くなる場合、実績の拡管領域長が目標とする拡管領域長よりも短くなってしまうため、拡管が行われない未拡管部が生じてしまう。特に、誤差の影響を大きく受ける鋼管Sの重複領域dにおいては、未拡管部が発生しやすくなる。本実施形態では、このような未拡管部の有無を以下の方法にて判定し、検出するものである。
図6および図7を参照して、本実施形態に係る未拡管部の検出方法について説明する。本実施形態では、判定部31は、第1および第2拡管工程での拡管時における拡管圧力を駆動部23a,23bから取得および記憶する。このとき、拡管圧力は、例えば第1および第2拡管工程が開始されてから、一定時間おきに継続してそれぞれ取得される。
図6および図7は、横軸に時間および縦軸に拡管圧力を示した、第1および第2拡管工程における拡管圧力を示すタイムチャートである。図6および図7では、第1および第2拡管工程における15回の拡管パスに応じて、15個のピークがそれぞれ検出される。このうち、第1および第2拡管工程が開始してから1番目のピークは、図6の2番目〜15番目のピークおよび図7の2番目〜14番目のピークに比べ拡管圧力が低くなる。これは、第1および第2拡管工程における最初の拡管パスが、鋼管Sの内部にダイ222a,222bが部分的に挿入された位置での拡管となり、他の拡管パスに比べて拡管領域の長さが短いために生じる。また、図7の破線領域で示す15番目のピークは、図6の2番目〜15番目のピークおよび図7の2番目〜14番目のピークに比べ拡管圧力が低くなる。これは、第2拡管工程の最終拡管パスとなる15回目の拡管パスが、すでに第1拡管工程によって拡管された重複領域を含む拡管領域を拡管するため、他の拡管パスに比べて実際に拡管される領域の長さが短くなるために生じる。したがって、第2拡管工程の最終拡管パスのピークの拡管圧力が、他のピークの拡管圧力と同等となる場合には、他の拡管パスと同等の長さの拡管が行われたことを示し、鋼管Sの中央部の重複部領域付近において未拡管部が発生している可能性があることを示す。
拡管圧力を取得した後、判定部31は、第1および第2の拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの拡管圧力に基づいて、鋼管Sの未拡管部の有無を判定する。この際、判定部31は、取得した拡管圧力から、ピーク値をそれぞれ抽出する。次いで、判定部31は、検出したピーク値から第2拡管工程における最終拡管パスにおける拡管圧力を抽出し、最終拡管パスにおける拡管圧力が基準圧力よりも大きいか否かで未拡管部の有無を判定する。ここで、基準圧力は、第2拡管工程における1番目および15番目のピーク値を除いた他のピーク値における拡管圧力の平均値の80%であり、判定部31によって予め算出される。判定部31は、最終拡管パスにおける拡管圧力が基準圧力よりも大きい場合に未拡管部が有ると判定し、基準圧力以下である場合に未拡管部が無いと判断する。
未拡管部の有無を判定した後、表示部32は、判定部31による未拡管部の有無についての判定結果を表示する。また、判定部31により未拡管部が有りと判定された場合に、異常を音声等で作業者に対して通知する。
なお、未拡管部が有る場合、作業者は、未拡管部を含み、第2拡管領域と連続するA端側の領域を拡管するように、第2拡管部2bを操作する。この際、第2拡管工程が完了した状態では、拡管ヘッド22bが拡管領域d30に重畳した位置にあるため、グリッパ台車24bを所定距離だけ駆動部23b側へと移動させる動作、および鋼管Sを拡管する動作を行うだけで、未拡管部をなくすことができる。
<変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、第1および第2拡管工程における拡管パス数や、拡管領域の長さは、拡管ヘッド22a,22bの長さや鋼管Sの長さ等の各種製造条件に応じて適宜設定される。
また、上記実施形態では、第1および第2拡管工程の2つの拡管工程により鋼管Sの拡管をするとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、特許文献1に記載のように3つ以上の拡管工程によって、鋼管Sの拡管が行われてもよい。この際、未拡管部の検出は、複数の重複領域に対して上記の検出方法を用いてそれぞれ行われる。
また、上記実施形態では、未拡管部が有ると判定された場合、作業者が第2拡管部2bを操作することで、未拡管部を含む、第2拡管領域と連続するA端側の領域を拡管するとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、未拡管部が有ると判定された場合、判定部31は、さらに追加の拡管動作を行うように、制御部2cに指示を出力してもよい。追加の拡管動作の指示を受けた制御部2cは、駆動部23bおよびグリッパ台車24bを制御することで第2拡管工程の最終拡管パスにて拡管された領域よりもさらにA端側の領域を自動的に拡管する。また、このような追加の拡管動作が行われる際、検出装置3は、追加で行われる拡管時の拡管圧力から、さらに未拡管部の有無を判定してもよい。
さらに、上記実施形態では、基準圧力は、第2拡管工程における1番目および15番目のピーク値、つまり最初と最後の拡管パスにおけるピーク値を除いた他のピーク値における拡管圧力の平均値の80%としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、基準圧力は、第2拡管部2bにおける鋼管Sの移動距離の検出精度等に応じて、他のピーク値における拡管圧力の平均値に対して80%以外の割合の値としてもよい。なお、基準圧力を他のピーク値における拡管圧力の平均値の80%または90%とすることで、ほとんどの設備に適用することができる。さらに、基準圧力は、鋼管Sの材質やサイズ等に応じて予め算出される値や、他の鋼管の拡管実績から決定される値であってもよい。
また、上記実施形態では、判定部31は、第2拡管工程における拡管圧力を用いて、未拡管部の有無を判定したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、判定部31は、上記の拡管圧力を用いた未拡管部の有無を判定すると同時に、さらにグリッパ台車24a,24bから移動距離の実績を取得し、取得した移動距離から未拡管部の有無を判定してもよい。これにより、拡管圧力とグリッパ台車24a,24bの移動距離との異なる2つの指標を用いて未拡管部の有無を二重に検出することができる。
なお、以上の説明は、第1拡管工程を第1拡管部で実施し、第2拡管工程を第2拡管部で実施するものであるが、第1拡管工程および第2拡管工程を共通の1つの拡管部にて実施することも可能である。たとえば、鋼管の長手方向の向きを180度回転する鋼管回転設備を設けておき、第1拡管工程が完了した鋼管の長手方向の向きをこの鋼管回転装置を用いて180度回転させ、第1拡管工程で用いたものと同じ拡管部により第2拡管工程を実施すればよい。
<実施形態の効果>
(1)本発明の実施形態に係る未拡管部の検出装置は、拡管装置2を用いた複数の拡管工程により拡管される鋼管Sの領域のうち、2つの拡管工程によって重複して拡管される重複領域dが拡管されるときの、拡管装置2の拡管圧力に基づいて、鋼管Sの未拡管部の有無を判定する判定部31を備える。
上記構成によれば、判定部31が拡管装置2の拡管圧力から未拡管部の有無を判定するため、拡管装置2による拡管の直後に未拡管部を検出することができる。このため、簡便かつ短時間に未拡管部を検出することができる。また、拡管装置2にて鋼管Sを拡管した後、さらに他の設備にて未拡管部の判定が行われる場合に比べ、他の設備から拡管装置2への搬送や、拡管装置2での追加の拡管に掛かる時間や作業負荷を低減することができ、さらに他の通材を阻害することもなくなるため、生産性を向上させることができる。
ここで、回転検出器等のシステム異常が原因で未拡管部が発生する場合、作業者が異常を早期に発見しやすいため、異常に対して発生直後に対応できることが多い。しかし、基準センサの誤作動等が原因で未拡管部が発生する場合、作業者による異常の発見が困難であるため、後の検査工程等で未拡管部を発見しなければならない。このような場合、上記の種々の理由から生産性が低下してしまう。しかし、上記構成によれば、回転検出器等のシステム異常が原因で未拡管部が発生する場合、および基準センサの誤作動等が原因で未拡管部が発生する場合のいずれの場合においても、拡管直後に未拡管部を検出することができる。
(2)判定部31は、2つの拡管工程のうち後に行われる拡管工程にて、重複領域dが拡管されるときの拡管圧力が基準圧力よりも大きい場合に未拡管部が有ると判定する。
(3)判定部31は、鋼管Sの拡管される領域のうち重複領域d以外の領域を拡管するときの拡管圧力から、基準圧力を算出する。上記構成によれば、基準圧力として同じ鋼管Sの拡管圧力を用いて未拡管部の判定が行われるため、未拡管部を高い精度で検出することができる。
(4)拡管装置2は、複数の拡管パスによって重複領域dを含む鋼管Sの長手方向の一端側を拡管する第1拡管工程、および第1拡管工程の後に複数の拡管パスによって重複領域dを含む鋼管Sの他端側を拡管する第2工程の2つの拡管工程によって鋼管Sを拡管し、判定部31は、第2拡管工程において、重複領域dが拡管されるときの拡管圧力に基づいて、未拡管部の有無を判定する。上記構成によれば、鋼管Sの拡管が2つの拡管工程で行われる一般的な拡管工程においても、重複領域dで発生する未拡管部を簡便に検出することができる。
(5)未拡管部が有ると判定された場合に、異常を通知する警報部33をさらに備える。上記構成によれば、異常として未拡管部が検出されたことを作業者に対して迅速に知らせることができるため、作業者は未拡管部に対する処置を迅速に行うことができる。
(6)判定部31は、未拡管部が有ると判定された場合に、拡管装置2にさらに拡管動作をすることを指示する。上記構成によれば、未拡管部が生じた場合においても、未拡管部に対する処置を自動で行うことができるため、作業者の作業負荷を低減することができる。
(7)本発明の実施形態に係る未拡管部の検出方法は、拡管装置2を用いた複数の拡管工程により鋼管Sを拡管する際に、鋼管Sの拡管される領域のうち、2つの拡管工程によって重複して拡管される重複領域dが拡管されるときの拡管圧力に基づいて、鋼管Sの未拡管部の有無を判定する。
(8)本発明の実施形態に係る鋼管の製造設備は、上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置3と、複数の拡管工程で鋼管を拡管する拡管装置2とを備える。
(9)本発明の実施形態に係る鋼管の製造方法は、上記(7)に記載の未拡管部の検出方法を用いて、鋼管の未拡管部の有無を判定する。
上記(7)〜(9)の構成によれば、(1)と同様な効果を得ることができる。
1 :拡管装置
2 :拡管装置
21 :軸部
211 :ホーン
212 :ドローバー
22 :拡管ヘッド
221 :コーン
222 :ダイ
23 :駆動部
3 :グリッパ台車
31 :保持部
4a〜4e :パイプ受けロール
5 :判定部
6 :表示部
7 :警報部
8 :制御部

Claims (9)

  1. 拡管装置を用いた複数の拡管工程により拡管される鋼管の領域のうち、2つの前記拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの、前記拡管装置の拡管圧力に基づいて、前記鋼管の未拡管部の有無を判定する判定部を備えることを特徴とする未拡管部の検出装置。
  2. 前記判定部は、2つの前記拡管工程のうち後に行われる前記拡管工程にて、前記重複領域が拡管されるときの前記拡管圧力が基準圧力よりも大きい場合に前記未拡管部が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の未拡管部の検出装置。
  3. 前記判定部は、前記鋼管の拡管される領域のうち前記重複領域以外の領域を拡管するときの前記拡管圧力から、前記基準圧力を算出することを特徴とする請求項2に記載の未拡管部の検出装置。
  4. 前記拡管装置は、複数の拡管パスによって前記重複領域を含む前記鋼管の長手方向の一端側を拡管する第1拡管工程、および前記第1拡管工程の後に複数の拡管パスによって前記重複領域を含む前記鋼管の他端側を拡管する第2拡管工程の2つの前記拡管工程によって前記鋼管を拡管し、
    前記判定部は、前記第2拡管工程において、前記重複領域が拡管されるときの前記拡管圧力に基づいて、前記未拡管部の有無を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置。
  5. 前記未拡管部が有ると判定された場合に、異常を通知する警報部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置。
  6. 前記判定部は、前記未拡管部が有ると判定された場合に、前記拡管装置にさらに拡管動作をすることを指示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置。
  7. 拡管装置を用いた複数の拡管工程により鋼管を拡管する際に、
    前記鋼管の拡管される領域のうち、2つの前記拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの拡管圧力に基づいて、前記鋼管の未拡管部の有無を判定することを特徴とする未拡管部の検出方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置と、
    複数の拡管工程で鋼管を拡管する拡管装置とを備えることを特徴とする鋼管の製造設備。
  9. 請求項7に記載の未拡管部の検出方法を用いて、鋼管の未拡管部の有無を判定することを特徴とする鋼管の製造方法。
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