JP2016117084A - 未拡管部の検出装置および検出方法、並びに溶接鋼管の製造設備および製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の一態様に係る未拡管部の検出方法は、拡管装置を用いた複数の拡管工程により溶接鋼管を拡管する際に、溶接鋼管の拡管される領域のうち、2つの拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの拡管圧力に基づいて、溶接鋼管の未拡管部の有無を判定することを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る溶接鋼管の製造設備は、上記未拡管部の検出装置と、複数の拡管工程で溶接鋼管を拡管する拡管装置とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る溶接鋼管の製造方法は、上記未拡管部の検出方法を用いて、溶接鋼管の未拡管部の有無を判定することを特徴とする。
<拡管装置の構成>
はじめに、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る溶接鋼管の製造設備1の構成について説明する。本発明の一実施形態に係る溶接鋼管の製造設備1は、図1に示すように、拡管装置2と、検出装置3とを備える。製造設備1で拡管される溶接鋼管である鋼管Sは、UOE方式やブレスベンド方式で成形および溶接された、外径が400mm以上の大径溶接鋼管である。製造設備1では、不図示の他の製造設備にて成形および溶接された鋼管Sを拡管することで、鋼管Sの真円度が向上する。
第1拡管部2aは、軸部21aと、拡管ヘッド22aと、駆動部23aと、グリッパ台車24aと、パイプ受けロール251a〜255aとを有する。軸部21aは、図2に示すように、ホーン211aと、ドローバー212aとを有する。拡管ヘッド22aは、コーン221aと、ダイ222aとを有する。
グリッパ台車24aは、先端に保持部241aを有する。保持部241aは、パイプ受けロール251a〜255aに設けられた鋼管Sの端部を挟持することで、鋼管Sを保持する。グリッパ台車24aは、保持部241aが鋼管Sの端部を保持した状態で、軸部21aの長手方向に平行に移動することで、鋼管Sを移動させる。また、グリッパ台車24aは、制御部2cの指示に基づいて、鋼管Sを保持および移動させる。
第1拡管部2aは、拡管ヘッド22aが鋼管Sの内部に配された状態で、駆動部23aによってドローバー212aが移動することで、ダイ222aを周方向外方へと広げる。この動作によって、ダイ222aが鋼管Sを内部から押し広げることで、鋼管Sが拡管される。また、第1拡管部2aは、パイプ受けロール251a〜255aに設けられる鋼管Sの一端側に駆動部23a、他端側にグリッパ台車24aがそれぞれ配されることで、鋼管Sの一端側の領域を拡管する。拡管時の動作の詳細については後述する。
制御部2cは、第1拡管部2aおよび第2拡管部2bの拡管動作を制御することで、鋼管Sの拡管を行う。拡管装置2の拡管動作の詳細については後述する。
判定部31は、駆動部23a,23bから拡管圧力を取得および記憶し、取得した拡管圧力に基づいて鋼管Sの未拡管部の有無を判定する。未拡管部の判定方法については後述する。
表示部32は、モニタ等の表示装置であり、判定部31による未拡管部の有無についての判定結果を表示する。警報部33は、スピーカ等の音響装置であり、判定部31により未拡管部が有りと判定された場合に、判定結果を異常として音声等で通知する。
次に、図3〜図5を参照して、拡管装置2の拡管動作について説明する。本実施形態では、拡管装置2を用いて鋼管Sを拡管する際、第1拡管工程および第2拡管工程の2つの拡管工程で拡管を行うことで、鋼管Sの全長を拡管する。この際、第1拡管工程では、第1拡管部2aを用いて鋼管Sの一端側の第1拡管領域を拡管し、第2拡管工程では、第2拡管部2bを用いて鋼管Sの他端側の第2拡管領域を拡管する。
はじめに、第1拡管工程について説明する。まず、第1拡管工程では、図3(a)に示すように、鋼管Sを第1拡管部2aのパイプ受けロール251a〜253aの上に配置させる。鋼管Sには、他の製造設備にて略パイプ状に加工され、継ぎ目が溶接されたものが用いられる。
次いで、グリッパ台車24aの保持部241aは、鋼管Sの他端側となるB側の端部を挟持する。さらに、制御部2cは、グリッパ台車24aを拡管開始位置まで移動させる。このとき、グリッパ台車24aは、鋼管Sの長手方向に平行な方向に移動することで、鋼管Sを軸部21aの長手方向に平行な方向に移動させる。拡管開始位置は、図3(b)に示す位置であり、拡管ヘッド22aのダイ222aが鋼管Sの一端側となるA側の端部の内部に部分的に挿入された位置である。
次いで、制御部2cは、グリッパ台車24aを所定距離だけ駆動部23a側へと移動させる。所定距離は、ダイ222aの長さやグリッパ台車24aの移動距離の検出精度等によって決定される距離であり、この後連続して行われる拡管ヘッド22aを用いた拡管により未拡管部が発生しない距離に決定される。図5(a)に図示した例において、所定距離は、拡管領域d2の長手方向の長さと同じ距離である。また、拡管領域d2の長手方向の長さは、ダイ222aの長手方向の長さよりも短く設定される。なお、拡管領域d2〜d15の長手方向の長さは、すべて同じ長さである。
さらに、制御部2cは、駆動部23aを駆動させることで、鋼管Sの拡管を行う。鋼管Sの拡管動作は、拡管領域d1の拡管をする際と同様に行われ、この動作によって拡管領域d2が拡管される。
拡管領域d15の拡管が完了した後、拡管ヘッド22aは拡管する前の状態へと戻される。次いで、グリッパ台車24aは、図3(a)に示す鋼管Sがはじめにパイプ受けロール251a〜253aに設けられた状態となるまで移動する。さらに、保持部241aによる鋼管Sの保持が解除される。以上の工程により、第1拡管工程が完了する。
次いで、第2拡管工程について説明する。第2拡管工程では、第2拡管部2bを用いて、第1拡管工程と同様な処理が行われることで、図5(b)の第2拡管領域である拡管領域d16〜d30が拡管される。
具体的には、まず、第1拡管工程にて鋼管Sの第1拡管領域が拡管された後、鋼管Sを第2拡管部2bのパイプ受けロール251b〜253bの上に配置させる。このとき、拡管されていない鋼管SのB側の端部が駆動部23b側に位置するように鋼管Sが配置される。
その後、第1拡管工程と同様に、拡管ヘッド22bを拡管する前の状態へと戻す動作、グリッパ台車24bを所定距離だけ駆動部23b側へと移動させる動作、および鋼管Sの拡管を行う動作が繰り返し行われることで、拡管領域d17〜d30が順に拡管される。第2拡管工程では、計15回の拡管パスが行われることで、第2拡管領域が拡管される。
拡管領域d30の拡管が完了した後、拡管ヘッド22bが拡管する前の状態へと戻され、第2拡管工程が完了する。
上記の第1および第2拡管工程の各拡管パスにおいて鋼管Sの位置が調節される際、制御部2cは、グリッパ台車24a,24bの移動距離から鋼管Sの位置を検出する。グリッパ台車24a,24bの移動距離は、グリッパ台車24a,24bに設けられた電動機等の回転駆動部に連結した回転検出器や基準センサ等のセンサの検出結果に基づいて算出される。しかし、これらのグリッパ台車24a,24bの制御系に異常が発生した場合、グリッパ台車24a,24bの移動実績に誤差が生じることとなる。このとき、検出された移動距離が実績に対して長くなる場合、実績の拡管領域長が目標とする拡管領域長よりも短くなってしまうため、拡管が行われない未拡管部が生じてしまう。特に、誤差の影響を大きく受ける鋼管Sの重複領域dSにおいては、未拡管部が発生しやすくなる。本実施形態では、このような未拡管部の有無を以下の方法にて判定し、検出するものである。
図6および図7は、横軸に時間および縦軸に拡管圧力を示した、第1および第2拡管工程における拡管圧力を示すタイムチャートである。図6および図7では、第1および第2拡管工程における15回の拡管パスに応じて、15個のピークがそれぞれ検出される。このうち、第1および第2拡管工程が開始してから1番目のピークは、図6の2番目〜15番目のピークおよび図7の2番目〜14番目のピークに比べ拡管圧力が低くなる。これは、第1および第2拡管工程における最初の拡管パスが、鋼管Sの内部にダイ222a,222bが部分的に挿入された位置での拡管となり、他の拡管パスに比べて拡管領域の長さが短いために生じる。また、図7の破線領域で示す15番目のピークは、図6の2番目〜15番目のピークおよび図7の2番目〜14番目のピークに比べ拡管圧力が低くなる。これは、第2拡管工程の最終拡管パスとなる15回目の拡管パスが、すでに第1拡管工程によって拡管された重複領域を含む拡管領域を拡管するため、他の拡管パスに比べて実際に拡管される領域の長さが短くなるために生じる。したがって、第2拡管工程の最終拡管パスのピークの拡管圧力が、他のピークの拡管圧力と同等となる場合には、他の拡管パスと同等の長さの拡管が行われたことを示し、鋼管Sの中央部の重複部領域付近において未拡管部が発生している可能性があることを示す。
なお、未拡管部が有る場合、作業者は、未拡管部を含み、第2拡管領域と連続するA端側の領域を拡管するように、第2拡管部2bを操作する。この際、第2拡管工程が完了した状態では、拡管ヘッド22bが拡管領域d30に重畳した位置にあるため、グリッパ台車24bを所定距離だけ駆動部23b側へと移動させる動作、および鋼管Sを拡管する動作を行うだけで、未拡管部をなくすことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記実施形態では、第1および第2拡管工程の2つの拡管工程により鋼管Sの拡管をするとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、特許文献1に記載のように3つ以上の拡管工程によって、鋼管Sの拡管が行われてもよい。この際、未拡管部の検出は、複数の重複領域に対して上記の検出方法を用いてそれぞれ行われる。
(1)本発明の実施形態に係る未拡管部の検出装置は、拡管装置2を用いた複数の拡管工程により拡管される鋼管Sの領域のうち、2つの拡管工程によって重複して拡管される重複領域dSが拡管されるときの、拡管装置2の拡管圧力に基づいて、鋼管Sの未拡管部の有無を判定する判定部31を備える。
(3)判定部31は、鋼管Sの拡管される領域のうち重複領域dS以外の領域を拡管するときの拡管圧力から、基準圧力を算出する。上記構成によれば、基準圧力として同じ鋼管Sの拡管圧力を用いて未拡管部の判定が行われるため、未拡管部を高い精度で検出することができる。
(6)判定部31は、未拡管部が有ると判定された場合に、拡管装置2にさらに拡管動作をすることを指示する。上記構成によれば、未拡管部が生じた場合においても、未拡管部に対する処置を自動で行うことができるため、作業者の作業負荷を低減することができる。
(8)本発明の実施形態に係る鋼管の製造設備は、上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置3と、複数の拡管工程で鋼管を拡管する拡管装置2とを備える。
(9)本発明の実施形態に係る鋼管の製造方法は、上記(7)に記載の未拡管部の検出方法を用いて、鋼管の未拡管部の有無を判定する。
上記(7)〜(9)の構成によれば、(1)と同様な効果を得ることができる。
2 :拡管装置
21 :軸部
211 :ホーン
212 :ドローバー
22 :拡管ヘッド
221 :コーン
222 :ダイ
23 :駆動部
3 :グリッパ台車
31 :保持部
4a〜4e :パイプ受けロール
5 :判定部
6 :表示部
7 :警報部
8 :制御部
Claims (9)
- 拡管装置を用いた複数の拡管工程により拡管される鋼管の領域のうち、2つの前記拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの、前記拡管装置の拡管圧力に基づいて、前記鋼管の未拡管部の有無を判定する判定部を備えることを特徴とする未拡管部の検出装置。
- 前記判定部は、2つの前記拡管工程のうち後に行われる前記拡管工程にて、前記重複領域が拡管されるときの前記拡管圧力が基準圧力よりも大きい場合に前記未拡管部が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の未拡管部の検出装置。
- 前記判定部は、前記鋼管の拡管される領域のうち前記重複領域以外の領域を拡管するときの前記拡管圧力から、前記基準圧力を算出することを特徴とする請求項2に記載の未拡管部の検出装置。
- 前記拡管装置は、複数の拡管パスによって前記重複領域を含む前記鋼管の長手方向の一端側を拡管する第1拡管工程、および前記第1拡管工程の後に複数の拡管パスによって前記重複領域を含む前記鋼管の他端側を拡管する第2拡管工程の2つの前記拡管工程によって前記鋼管を拡管し、
前記判定部は、前記第2拡管工程において、前記重複領域が拡管されるときの前記拡管圧力に基づいて、前記未拡管部の有無を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置。 - 前記未拡管部が有ると判定された場合に、異常を通知する警報部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置。
- 前記判定部は、前記未拡管部が有ると判定された場合に、前記拡管装置にさらに拡管動作をすることを指示することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置。
- 拡管装置を用いた複数の拡管工程により鋼管を拡管する際に、
前記鋼管の拡管される領域のうち、2つの前記拡管工程によって重複して拡管される重複領域が拡管されるときの拡管圧力に基づいて、前記鋼管の未拡管部の有無を判定することを特徴とする未拡管部の検出方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の未拡管部の検出装置と、
複数の拡管工程で鋼管を拡管する拡管装置とを備えることを特徴とする鋼管の製造設備。 - 請求項7に記載の未拡管部の検出方法を用いて、鋼管の未拡管部の有無を判定することを特徴とする鋼管の製造方法。
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JP2000042646A (ja) * | 1998-07-31 | 2000-02-15 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 金属管の液圧バルジ加工の制御方法 |
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