まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ遊技機1の前面側(前方側)、奥側(内方側)を背面側(後方側)として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
図1及び図2に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ遊技機1の前方(パチンコ遊技機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿4a(突出部)が、パチンコ遊技機1の前方に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿4aの本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a,27bが配設されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(演出図柄ともいう)を変動(可変)表示する複数の変動表示領域を含む演出表示装置(演出図柄表示装置)9が、遊技盤6に設けられた開口を介して目視できるように、該遊技盤6の背面に設けられている。
また、演出表示装置9は、図8に示すように、遊技盤6から所定距離奥側(後方側)に配置されており、この演出表示装置9の前面側(前方側)には、演出表示装置9の表示と連携されるエフェクト画像が表示される導光板ユニット11が配置されている。なお、導光板ユニット11は、演出表示装置9と同様に遊技盤6よりも背面側に配置されているが、演出表示装置9と導光板ユニット11とは、所定距離K1の間隔を空けて離間配置されている。更に、遊技者の視点位置は、導光板ユニット11の前方側に所定距離K2の間隔を空けた位置とする。
遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示(可変表示ともいう)する特別図柄表示器8(図3参照)が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動(可変)表示を行う。演出表示装置9、導光板ユニット11は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)等の各デバイスによって制御される。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器8bが設けられている。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
これら第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける変動表示と演出表示装置9における演出図柄の変動(可変)表示とは、後述するように、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける変動表示が開始されること連動して開始され、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける変動表示が停止されること連動して停止されるように同期しており、これら演出表示装置9における識別情報である演出図柄の変動(可変)表示も、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aまたは第2始動口15bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(演出図柄の組合せによる停止図柄)を導出表示する。
また、演出表示装置9は、本実施例では、液晶パネル9cと該液晶パネル9cを後方から照らすバックライト9dとを有する液晶表示モジュールにて形成されており(図3参照)、該液晶表示モジュールの液晶パネルにより表示部9aが形成されている。このように、本実施例では液晶表示モジュールを使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら演出表示装置9は、演出図柄等を所定の解像度で表示することのできるものであれば、液晶以外の画像表示形態の表示装置、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクスLED、有機或いは無機のエレクトロルミネッセンス(EL)パネル等の表示装置により構成されてもよい。特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、演出図柄の変動表示(可変表示)を行う。
演出表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する特別図柄保留記憶表示器18(図1参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に各4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L,25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L,27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a,27bが設けられている。尚、以下の説明では、スピーカ27L,27R,27a,27bと総称してスピーカ27と表記する場合がある。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられている。
パチンコ遊技機1に設けられるランプである賞球LED51、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)されるとともに、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LEDについては、発光する光の光量(輝度)も制御(調整)される。また、スピーカ27L,27R,27a,27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下してくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8並びに演出表示装置9における図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
停止時の特別図柄表示器8並びに演出表示装置9における図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8並びに演出表示装置9での変動表示の停止時における図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、演出表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および演出図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および演出図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および演出図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
演出表示装置9において変動表示される演出図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに演出図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに演出図柄の表示結果が導出表示されて演出図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および演出図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と演出表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、演出表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、演出表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、演出表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、演出表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する擬似連等の大当り予告演出が行なわれる場合がある。
この実施例の場合は、大当りとして、後述するように非確変大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
非確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に前述した確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2及び図5を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット(図示略)、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板(図示略)、ランプドライバ基板(図示略)、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、主基板31は基板収納ケース150に収納されており、演出制御基板80は基板収納ケース270に収納されている。これら基板収納ケース150,270は、いずれも透光性を有するアクリル板等の部材により構成されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板90が設けられている。電源基板90には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLED(発光ダイオード)などの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置である。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(例えば、始動口信号等)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース97aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ43が設けられている。球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ43が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および演出図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値MR1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および演出図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板90(図2参照)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、電源基板90からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路58に入力される。電源断信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路58に入力される。クリア信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを演出制御基板80に送信(出力)する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に送信(出力)する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を、出力回路78を介して送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちデモ指定コマンドや変動表示コマンドが含まれる。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、演出表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
また、変動表示コマンドは、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
演出制御基板80には、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9並びに導光板ユニット11での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されているとともに、時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なRTC(リアルタイムクロック)200や、パチンコ遊技機1における後述する各種設定を設定するための設定切替スイッチ300(図2参照)とが搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御や導光板ユニット11の表示制御や輝度制御、並びにスピーカ27L,27R,27a,27bからの音出力制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検出することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。また、該設定切替スイッチ300が操作されることで演出表示装置9に各種設定画面を表示する。設定切替スイッチ300は、図2及び図5に示すように、演出制御基板80にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されており、基板収納ケース270に形成された切欠部270aを介して基板収納ケース270の外方から操作可能となっている。よって、これら設定切替スイッチ300は、パチンコ遊技機1を開放して背面を露出させることのできる遊技場の店員や管理者のみが操作できる。
次に、導光板ユニット11の構造について図9から図11を参照して詳述する。図9に示すように、導光板ユニット11は、前述した演出表示装置9の表示画面と略同一寸法をなし、該演出表示装置9の表示画面を覆うことができる四角形状をなすユニットである。図10に示すように、導光板ユニット11は、光を透過可能な透光性を有する第1導光板11a及び第2導光板11bを有している。この各導光板11a,11bは、前後に重畳して配置されており、該導光板11a,11bを介して演出表示装置9の表示画面を前面側から視認することができる。
なお、本実施例では、第1導光板11aが前面側に配置され、第2導光板11bが背面側に配置されているが、両導光板11a,11bの離間距離は数ミリ程度となっており、各導光板11a,11bから演出表示装置9の表示画面までの所定距離K1は略同一であるとして以下に説明する。
また、図10及び図11に示すように、導光板ユニット11は、各導光板11a,11bの端面に光を入射可能に設けられる発光体としての表示用LED62a,62bと、各導光板11a,11bの背面に所定の画像(静止画像)を表す態様にて設けられ、各導光板11a,11bの端面から内部に入射された表示用LED62a,62bからの入射光を誘導して前面から出射させることで画像を表示する反射部510,511と、各導光板11a,11bと表示用LED62a,62bとの間に配置され、該表示用LED62a,62bからの入射光を各導光板11a,11b側に誘導しながら板厚方向に集光して各導光板11a,11bの端面に向けて出射する前レンズ507a及び後レンズ507bと、非透光性を有する合成樹脂材により四角枠状に形成されたフレーム枠体504と、から主に構成されている。
なお、表示用LED62a,62bは、第1導光板11aに対応する前側の表示用LED62aと、第2導光板11bに対応する後側の表示用LED62bとで構成されている。また、各表示用LED62a,62bは、各導光板11a,11bの上端面に沿って左右方向に複数個並んで配置されている。更に、前列側の表示用LED62aと後列側の表示用LED62aとを同時に点灯させたり、前列側または後列側の表示用LED62a,62bのいずれか一方を点灯させたりすることができる。
フレーム枠体504は、左フレーム504a及び右フレーム504bと、これら左フレーム504a及び右フレーム504bの下端間を連結する下フレーム504c及び上端間を連結する上フレーム504dと、により四角枠状に形成されている。左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cは一体化され上向きコ字形に形成されているとともに、上フレーム504dは、左フレーム504a及び右フレーム504bの上端にネジN1により着脱可能に取り付けられ、上辺を開放可能に設けられている。
左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cの内側面には、第1導光板11aが差し込まれる差込溝508aと、第2導光板11bが差し込まれる差込溝508bと、が長手方向にわたり連続して、かつ平行に形成されており、図10に示すように上フレーム504dを取り外すことで、各導光板11a,11bを上方から差込溝508a、508b内に差し込み及び上方に抜き取り可能とされている。
このように各導光板11a,11bを左フレーム504a、右フレーム504b及び下フレーム504cから取り外し可能に設けることで、各導光板11a,11bを容易に交換することができるため、例えば表面が汚れたり傷付いたり、あるいは表示画像が異なる他の導光板11a,11bへ交換する場合において、各導光板11a,11bのみを容易に交換することができる。
図10に示すように、第1導光板11a及び第2導光板11bは、所定の前後幅寸法(板厚(例えば、5mm))を有するアクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂板により正面視で横長の長方形状に形成されている。尚、導光板11a,11bは、透光性を有していれば必ずしも透明でなくても良く、例えば、着色されていても良いし、半透明とされていても良い。なお、導光板ユニット11に代えて、透光性を有する表示手段(たとえば、透過型の液晶表示装置など)を用いてもよい。
なお、第1導光板11aの背面には、表示用LED62aからの光を反射して前面から出射させるための反射部510が形成されている。この第1導光板11aには、図22(a)に示す第1画像(星の画像)が反射部510として形成されている。
また、第2導光板11bの背面には、表示用LED62bからの光を反射して前面から出射させるための反射部511が形成されている。この第2導光板11bには、図22(b)に示す第2画像(稲妻の画像)が反射部511として形成されている。
これら反射部510,511は、第1導光板11aと第2導光板11bとがフレーム枠体504に差し込まれた状態で前後に重畳する位置に配置される。
これら反射部510,511は、導光板11a,11b内を導光される光の進行方向の断面視が一定ピッチの略三角波形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。具体的には、スタンパーやインジェクションにより導光板11a,11bの背面に凹凸部をつける成型方式にて構成されているが、例えばアクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成しても良い。
尚、本実施例では、導光板11a,11bの背面における反射部510,511を光の進行方向の断面視が略三角波形状の凹凸部としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら反射部510,511の断面形状を略半円形状等、光を前面に向けて反射可能な反射面を構成するものであれば種々に変形可能である。尚、これら反射部510,511は枠線で囲まれた絵柄の画像として表されているが、実際には枠線はなく、上記ドット等の集まりにより絵柄の画像が形成されている。
また、本実施例では、導光板11a,11bにより表示可能とする表示情報として、絵柄が例示されているが、これら以外にも、文字、記号、図柄、あるいは模様等の装飾も含む他の表示情報を表示可能としても良い。
また、上フレーム504dの上面開口には、表示用LED62a,62bが下面に設けられたLED基板514が嵌合されている。このLED基板514を配置することで、上フレーム504dに形成された前後のレンズ溝512a,512bの上面開口に表示用LED62a,62bが対向して配置される。なお、レンズ溝512a,512bには、前レンズ507a及び後レンズ507bが配置される。
各表示用LED62a,62bから出射された出射光は、レンズ507a,507bの上端面に入射される。ここで、レンズ507a,507bの上端面の前後幅寸法L2と発光面の前後幅寸法L4とはほぼ同寸であるため(L2≒L4)、各表示用LED62a,62bからの出射光は、前後方向に拡散せずにほぼ上端面に入射される(図11の部分拡大図参照)。
レンズ507a,507bの上端面からレンズ507a,507bの内に入射された入射光は、下方の導光板11a,11bに向けて誘導される。LEDの光は指向性が高いが、レンズ507a,507bの上端面を通して入射されることで、入射光は左右方向に放射状に拡散される。そして、レンズ面として形成された下端面を通過する際に、鉛直下方に向けて屈折して出射されるようになっている(図11の部分拡大図参照)。
これにより、指向性が高い表示用LED62a,62bからの出射光を、レンズ507a,507bによりある程度左右方向に放射状に拡散させて発光領域を広げることが可能となるとともに、下端面から出射される光は鉛直下方に導光されて放射状に拡がることはないので、各表示用LED62a,62bに対応する鉛直下方領域のみを部分的に発光させることが可能となる。
また、入射光は、下方の導光板11a,11bに向けて誘導されながら、前後(板厚)方向に全反射を繰り返し、該前後方向の略中央位置に向けて集光される。このように、表示用LED62a,62bからの光を前後幅(板厚)方向に拡散させることなく集光して導光板11a,11bの上端面に導くことができる。
そして、入射光が反射部510,511に到達したときに、この反射部510,511により入射光が前面側に向けて反射されることで、遊技者からは、それぞれの反射部510,511に対応する箇所が反射光により発光されることで、所定の絵柄等の画像が表示されるようになる。
なお、前列側の表示用LED62aを点灯させた場合は、第1導光板11aの第1画像(図22(a))が表示され、後列側の表示用LED62bを点灯させた場合は、第2導光板11bの第2画像(図22(b))が表示される。更に、前列側の表示用LED62aと後列側の表示用LED62aとを同時に点灯させることで、各導光板11a,11bの画像(第1画像と第2画像)を同時に表示させることもできる(図22(c))。
図12(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図12(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図12(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9で変動表示される演出図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図12(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの判定結果(事前判定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの判定結果(大当り種別判定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前判定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第4変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前判定結果を示す第5変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置9で演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、第1始動口15aを通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ14aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、第2始動口15bを通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ14bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ通過処理または第2始動口スイッチ通過処理(図14参照)において、始動入賞の発生に基づき、変動表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に判定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用の乱数値がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ81のCPU86は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
コマンドF1XXHは、各種のエラー(図23参照)が発生した場合に、当該エラーの発生を報知することを指定する演出制御コマンド(エラー報知指定コマンド)である。コマンドF2XXHは、各種のエラー状態が解除された場合に、当該エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(エラー解除指定コマンド)である。
具体的には、コマンドF101Hは、賞球エラーが発生した場合(たとえば、賞球個数の設定値と実際の払出数とに食い違いが生じた場合)に、賞球エラーの発生を報知することを指定する演出制御コマンド(賞球エラー報知指定コマンド)である。なお、賞球エラーの報知解除条件は、電源オフであるため賞球エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンドは不要である。
コマンドF102Hは、電波エラーが発生した場合(すなわち、図示していないが主基板31に不正電波を検出するための電波センサが接続されており、その電波センサの検出信号を検出した場合)に、電波エラーの発生を報知することを指定する演出制御コマンド(電波エラー報知指定コマンド)である。なお、電波エラーの報知解除条件は、電源オフであるため電波エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンドは不要である。
コマンドF103Hは、磁気センサ感知エラーが発生した場合(すなわち、図示していないが主基板31に磁気を検出するための磁石センサが接続されており、その磁石センサの検出信号を検出した場合(たとえば、遊技者が遊技領域7に磁石を近づけてパチンコ玉を遊技領域7内の入賞口に誘導する等のような不正行為))に、磁気センサ感知エラーの発生を報知することを指定する演出制御コマンド(磁気センサ感知エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドF203Hは、磁気センサ感知エラー状態が解除された場合に、磁気センサ感知エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(磁気センサ感知エラー解除指定コマンド)である。
コマンドF104Hは、スイッチ(SW)異常エラーが発生した場合(すなわち、入賞口に入った球を検出する場合に、検出原理の異なる2つのスイッチを通過した球数の差数が所定の閾値を超えたときに発生する。検出原理の異なる2つのスイッチとしては、たとえば、入賞口に入った球を近接スイッチのスイッチAと、フォトセンサのスイッチBとで検出する場合がある。)に、スイッチ異常エラーの発生を報知することを指定する演出制御コマンド(スイッチ異常エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドF204Hは、スイッチ異常エラー状態が解除された場合に、スイッチ異常エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(スイッチ異常エラー解除指定コマンド)である。
コマンドF105Hは、不正(異常)入賞(たとえば、特別可変入賞球装置20が閉じている状態時に特別可変入賞球装置20の入賞玉を検出するカウントスイッチ23から検出信号が出力される場合)の報知を指示する演出制御コマンド(不正入賞エラー報知指定コマンド)である。コマンドF205Hは、不正入賞の発生から所定期間(たとえば30秒間)経過後に不正入賞の報知を解除することを指示する演出制御コマンド(不正入賞エラー解除指定コマンド)である。
コマンドF106Hは、遊技枠が開放状態になった場合(すなわち、図示していないドア開放センサの検出信号を検出した場合)に、ドア開放エラーの発生を報知することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー報知指定コマンド)である。また、コマンドF206Hは、遊技枠の開放状態が解除された場合に、ドア開放エラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(ドア開放エラー解除指定コマンド)である。
コマンドF107Hは、下皿(余剰球受皿4)が満タン状態になった場合(すなわち、満タンスイッチ19がオン状態になった場合)に、満タンエラーの発生を報知することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドF207Hは、下皿の満タン状態が解除された場合(すなわち、満タンスイッチ19がオフ状態になった場合)に、満タンエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(満タンエラー解除指定コマンド)である。
コマンドF108Hは、球切れ状態になった場合(すなわち、球切れスイッチ43がオン状態になった場合)に、球切れエラーの発生を報知することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー報知指定コマンド)である。また、コマンドF208Hは、球切れ状態が解除された場合に、球切れエラーの報知を解除することを指定する演出制御コマンド(球切れエラー解除指定コマンド)である。
尚、図12に示す演出制御コマンドは、本パチンコ遊技機1において主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの一部を示すものであり、これらの演出制御コマンド以外の演出制御コマンドが、演出制御基板80に送信される。
図4に示すように、演出制御基板80は、CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、各種の演出において演出表示装置9に表示する画像に関するデータや表示の開始タイミングや終了タイミング等のタイムチャート等が演出の種別毎に記憶されている。また、CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、演出表示装置9に表示する画像の生成やバックライトの発光強度の調整等の演出表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されているとともに、前述したように、RTC200や設定切替スイッチ300も搭載されている。
VDP262は、図4に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納されるCGROM205、フレームバッファ領域(VRAM領域)として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
CPU86は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81(CPU86)と共動して、各スピーカ27R,27L,27a,27bから出力する音を生成する音声処理IC173とD/AコンバータIC177並びに該D/AコンバータIC177にてアナログ信号に変換された音信号(生成音)を増幅するデジタルアンプ175が演出制御基板80に搭載されており、CPU86は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて音番号(ID)データを音声処理IC173に出力して、該音番号(ID)データに対応する音を音声処理IC173に生成させる。
音声処理IC173は、演出制御用マイクロコンピュータ81から音番号データが入力されると、該入力された音番号データに応じた音声や効果音を、各スピーカ27R,27L,27a,27b毎に個別に生成しデジタルアンプ175に出力する。デジタルアンプ175は、D/AコンバータIC177の出力レベルを、演出制御用マイクロコンピュータ81(CPU86)により設定されている音量レベルに応じた音量に増幅して各スピーカ27R,27L,27a,27bに出力する。
音声処理IC173には、図4に示すように、音データROM174がローカルに接続されている。この音データROM174には、音番号(ID)データに対応付けて該音番号(ID)データが該当する演出コマンドにより実施される各種演出に対応した音を出力するための各スピーカ27R,27L,27a,27b毎の音制御データが格納されている。つまり、これら音制御データは、演出期間(例えば飾り図柄の変動期間)において各スピーカ27R,27L,27a,27bから出力する効果音または音声の出力態様(音量レベル、音像を定位される位置、エコー等のエフェクトの有無等)が時系列的に音源データとともに記述されたデータの集まりである。
このように、本実施の形態では、図4に示すように、演出制御基板80には演出制御用マイクロコンピュータ81、音声処理IC173、VDP262が個別に搭載されている。このうち演出制御用マイクロコンピュータ81と音声処理IC173は、同様に演出制御基板80に搭載されている報知用LED400の発光態様によって状態の報知を行うことが可能となっている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81には、前述したRTC200、設定切替スイッチ300がローカルに接続されており、RTC200から出力される時刻データが演出制御用マイクロコンピュータ81に入力され、設定切替スイッチ300からの信号が演出制御用マイクロコンピュータ81に入力されるようになっている。
次に、設定切替スイッチ300について説明する。図6に示すように、設定切替スイッチ300は、0〜Fまでの計16個のチャンネルを備えており、これらチャンネルをツマミ301を回動操作することで切り替えるセレクタスイッチである。本実施例では、図7に示すように、ホール(遊技場)の店員等が設定切替スイッチ300のツマミ301をチャンネル0〜Fのいずれかに切り替えた後にパチンコ遊技機1の電源を入れることで、パチンコ遊技機1の遊技においてスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量の初期値と、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光の光量(輝度)の初期値と、遊技者が調整可能な音量及び光量の調整範囲とを設定することが可能となっている。本実施例では、該設定切替スイッチ300のつまみ301を切り替えることで設定される音量の初期値と光量の初期値及び各チャンネルにおける遊技者が調整可能な音量及び光量の調整範囲とを、ホール設定値と定義する。
具体的には、図7に示すように、光量(輝度)の初期値としては、チャンネル0〜2及びチャンネルB〜Fは、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量が通常量である『100%』に割り当てられており、チャンネル3は、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量が通常量に対する『10%』に割り当てられており、チャンネル4〜7は、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量が通常量に対する『30%』に割り当てられており、チャンネル8〜Aは、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量が通常量に対する『65%』に割り当てられている。尚、本実施例では、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの全てを等しく光量を調整する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの一部のみの光量が調整されるようにしても良い。
一方、音量の初期値としては、チャンネル0には、スピーカ27L,27R,27a,27bから音声が出力されない『0(無音)』に割り当てられており、チャンネル1〜2には、スピーカ27L,27R,27a,27bから極めて小さい音量で音声が出力される『1』に割り当てられており、チャンネル3には、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『1』よりも大きい音量で音声が出力される『2』に割り当てられており、チャンネル4には、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『2』よりも大きい音量で音声が出力される『3』に割り当てられており、チャンネル5には、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『3』よりも大きい音量で音声が出力される『4』に割り当てられており、チャンネル6には、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『4』よりも大きい音量で音声が出力される『5』に割り当てられており、チャンネル7には、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『5』よりも大きい音量で音声が出力される『6』に割り当てられており、チャンネル8には、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『6』よりも大きい音量で音声が出力される『7』に割り当てられている。尚、本実施例では、全てのスピーカ27L,27R,27a,27bの音量を調整するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらスピーカ27L,27R,27a,27bの一部のみの音量が調整されるようにしても良い。
また、音量の初期値としては、チャンネル9には、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『7』よりも大きい音量で音声が出力される『8』に割り当てられており、チャンネルAには、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『8』よりも大きい音量で音声が出力される『9』に割り当てられており、チャンネルBには、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『9』よりも大きい音量で音声が出力される『10』に割り当てられており、チャンネルCには、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『10』よりも大きい音量で音声が出力される『11』に割り当てられており、チャンネルDには、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『11』よりも大きい音量で音声が出力される『12』に割り当てられており、チャンネルEには、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『12』よりも大きい音量で音声が出力される『13』に割り当てられており、チャンネルFには、スピーカ27L,27R,27a,27bから音量『13』よりも大きい音量で音声が出力される『14』に割り当てられている。
更に、本実施例におけるパチンコ遊技機1では、ホール(遊技場)の店員等が設定切替スイッチ300のツマミ301をチャンネル0〜Fのいずれかに切り替えた後にパチンコ遊技機1の電源を入れることで、詳細は後述するが、遊技者が操作ボタン516及び操作レバー600を操作することにより、切り替えられたチャンネル0〜Fに応じた範囲にて、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量及びスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量を、遊技者が調整することが可能となっている。つまり、設定切替スイッチ300のツマミ301をチャンネル0〜Fのいずれかに切り替えることにより、上述した初期値とともに、遊技者が調整可能な光量(輝度)と音量の範囲(調整可能範囲)を設定できるようになっている。
具体的には、チャンネル0〜2では、遊技者は、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量を『100%』、『65%』、『30%』の中から選択して調整可能であるとともに、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量を『0』、『1』の中から選択して調整可能となっている。
また、チャンネル5〜Aでは、遊技者は、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量を『100%』、『65%』、『30%』の中から選択して調整可能であるとともに、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量を『2』、『3』『4』、『5』、『6』、『7』、『8』、『9』の中から選択して調整可能となっており、チャンネルB〜Fでは、遊技者は、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量を『100%』、『75%』、『50%』の中から選択して調整可能であるとともに、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量を『2』、『3』『4』、『5』、『6』、『7』、『8』、『9』、『10』、『11』、『12』、『13』、『14』の中から選択して調整可能となっている。
尚、チャンネル3及びチャンネル4は、パチンコ遊技機1の消費電力を抑えるための節電モードとして、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量を初期値である『10%』または『30%』から遊技者の調整が不可能となっているとともに、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量を初期値である『2』または『3』から遊技者の調整が不可能となっている。このように、パチンコ遊技機1をチャンネル3及びチャンネル4の節電モードに設定することによって遊技者による音量の変更を規制することで、遊技場において火災や地震等の災害が発生した場合に発せられる警報音が、パチンコ遊技機1から出力される音声によってかき消されてしまうことを防止することができ、災害時における遊技者の避難等をスムーズに促すことが出来る。尚、本実施例では、遊技者が操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで設定される音量と光量とを、遊技者設定値と定義する。
更に、パチンコ遊技機1をチャンネル3及びチャンネル4の節電モードに設定することで遊技者による音量及び光量の変更が規制されることによって、例えば、遊技場の経営方針としてパチンコ遊技機1の音量及び光量を小さく設定することで遊技場の消費電力を抑制しようとしても、これに反して遊技者によりパチンコ遊技機1の音量及び光量が大きく設定されてしまい、消費電力の抑制ができなくなってしまうことを防止し、パチンコ遊技機1の節電モードによる消費電力の抑制効果を確保することができる。
尚、本実施例では、遊技者による音量の変更を規制できる節電モードにおいては、音量の初期値を『2』または『3』のみとし、光量の初期値を『10%』または『30%』のみとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、節電モードにおける音量の初期値及び光量の初期値としては、これら以外の初期値を設定できるようにしても良い。
尚、本実施例では、チャンネル5〜Aでは、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量を『100%』、『65%』、『30%』の中から選択して調整可能とし、チャンネルB〜Fでは、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量を『100%』、『75%』、『50%』の中から選択して調整可能としているが、本発明はこれに限定されず、チャンネルB〜Fでは、飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量を、『100%』、『75%』、『50%』に加えて、チャンネル5〜Aにおいて選択して調整可能な『65%』と『30%』を選択して調整可能とすることで、より細かい段階で光量の調整を可能としても良い。
このように、設定切替スイッチ300においてチェンネルを切り換えて起動することで、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量の初期値と、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光の光量(輝度)の初期値を調整できるようになっているのに対し、導光板ユニット11から出力される光の光量(輝度)、つまり、表示用LED62aや表示用LED62bの光の光量(輝度;発光強度)については、図7に示すように、『0』〜『F』のいずれのチェンネルとしても、常に『100%』とされることにより、導光板ユニット11に入射される光の光量(輝度)、つまり、導光板ユニット11から放射される光の光量(輝度)の調整は不可能とされている。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降の図示しないメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503に所定の乱数値の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(演出図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ81である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図13に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS24、S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ81に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
また、CPU56は、満タンスイッチ19や球切れスイッチ43、ドア開放センサなどのエラー検出センサの検出信号に基づくエラー検出処理を実行する(S31)。たとえば、満タンスイッチ19の検出信号に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ81に、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する満タンエラー報知指定コマンドを、ステップS28の演出制御コマンド制御処理で送出する演出制御コマンドにセットして送信する。また、球切れスイッチ43の検出信号に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ81に、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する球切れエラー報知指定コマンドを、ステップS28の演出制御コマンド制御処理で送出する演出制御コマンドにセットして送信する。ドア開放センサの検出信号に応じて、演出制御用マイクロコンピュータ81に、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定するドア開放エラー報知指定コマンドを、ステップS28の演出制御コマンド制御処理で送出する演出制御コマンドにセットして送信する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がハズレ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示態様が「確変大当り(突確)」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当り(突確)図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
図14および図15は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口15aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動口15aへの始動入賞が発生していたら、該始動入賞に対応する変動表示において、大当りとなるかやスーパーリーチとなるか等を判定し、該判定結果を含む始動入賞時判定結果指定コマンドを送信する第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動口15bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14bがオンしていたら、すなわち第2始動口15bへの始動入賞が発生していたら、大当りとなるかやスーパーリーチとなるか等を判定し、該判定結果を含む始動入賞時判定結果指定コマンドを送信する第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14bがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81に対して各種演出制御コマンドを送信するための送信設定を行うとともに、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ81に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ81に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成タイミングであるか、或いは、大入賞口の再開放タイミングであるかを確認する処理を行うことで、所定の開閉パターン(突確大当りのときの開閉パターンと同一開閉パターン)により、大入賞口の開閉制御を行う。最終の閉成タイミングとなった場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)が実行するエラー検出処理(ステップS31)では、各種のエラー検出センサからの検出信号に基づいてエラーを検出するための処理(電波エラー、磁気センサ感知、ドア開放、下皿満タンエラー、球切れエラー)や、各種のセンサからの検出信号に基づいて所定の閾値を超えているか否かによりエラーを判定するための処理(賞球エラー、SW異常エラー、不正入賞エラー)が行なわれている。具体的に、CPU56は、各種のエラー検出センサからエラー検出を示す検出信号を受け付けたか否かを判断し、エラー検出センサがONである(検出信号を受け付けた)場合には、エラー検出をしたセンサに応じたエラー種類のコマンドをセットする。たとえば、CPU56は、電波センサからのエラー検出信号を受け付けた場合には、電波エラーが発生したことを報知することを指定する電波エラー報知指定コマンドをセットする。CPU56は、磁気センサからのエラー検出信号を受け付けた場合には、磁気センサ感知エラーが発生したことを報知することを指定する磁気センサ感知エラー報知指定コマンドをセットする。CPU56は、ドア開放センサからのエラー検出信号を受け付けた場合には、ドア開放エラーが発生したことを報知することを指定するドア開放エラー報知指定コマンドをセットする。CPU56は、満タンスイッチ19からのエラー検出信号を受け付けた場合には、満タンエラーが発生したことを報知することを指定する満タンエラー報知指定コマンドをセットする。CPU56は、球切れスイッチ43からのエラー検出信号を受け付けた場合には、球切れエラーが発生したことを報知することを指定する球切れエラー報知指定コマンドをセットする。
また、CPU56は、各種のセンサからの検出信号を受け付け、当該検出信号に基づいた処理結果に応じたエラー種類のコマンドをセットする。たとえば、CPU56は、実際の払出数を検出するセンサからの検出信号を受け付け、賞球個数の設定値と食い違っていると判定した場合には、賞球エラーが発生したことを報知することを指定する賞球エラー報知指定コマンドをセットする。CPU56は、入賞口に設けられたスイッチA(近接センサ)およびスイッチB(フォトセンサ)からの検出信号を受け付け、スイッチAとスイッチBとを通過した球数の差数が所定の閾値を超えたと判定した場合には、SW異常エラーが発生したことを報知することを指定するSW異常エラー報知指定コマンドをセットする。CPU56は、特別可変入賞球装置20の入賞玉を検出するカウントスイッチ23から検出信号受け付けたときに、特別可変入賞球装置20が閉じている状態であると判定した場合には、不正入賞エラーが発生したことを報知することを指定する不正入賞エラー報知指定コマンドをセットする。なお、複数のセンサから、それぞれの検出信号を受け付けている場合には、各センサに応じたエラー種類のコマンドをセットする。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図16は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、CPU86)が実行するサブCPUメイン処理を示すフローチャートである。
サブCPUメイン処理において、CPU86は、まず、割込禁止に設定する(ステップSs1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップSs2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップSs3)。なお、ステップSs2では、演出制御用マイクロコンピュータ81の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU86は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップSs4)。ステップSs4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施例で用いられる演出制御用マイクロコンピュータ81は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)(いずれも図示せず)も内蔵している。
次いで、CPU86は、RAM85をアクセス可能状態に設定し(ステップSs5)、バックアップ処理として、後述する電源断検出処理(図18参照)におけるステップSd2及びステップSd3の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(ステップSs7)。
バックアップ処理が実行されていない場合(チェックデータが格納されていない場合)は(ステップSs7;No)、ステップSs11に進み、バックアップ処理が実行されている場合(チェックデータが格納されている場合)は(ステップSs7;Yes)、RAM85の所定領域に設けられたバックアップデータ記憶領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップSs8−)。この実施例では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU86は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
後述する電源断検出処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはチェックデータとしてバックアップデータ記憶領域に保存される。ステップSs8では、算出したチェックサムとチェックデータとして保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップデータ記憶領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップデータ記憶領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、バックアップデータ記憶領域に誤ったバックアップデータが記憶されていることになるので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される後述する初期化処理(ステップSs11〜Ss12の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば(ステップSs8;Yes)、CPU86は、演出制御基板80を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理を行う。具体的には、RAM85のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータにより、遊技者が遊技中に設定した装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530、バックライト9d内の各LED等の光量及びスピーカ27L,27R,27a,27bから発せられる音量等の設定データを復旧し(ステップSs9)、RAM85のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータをクリアする(ステップSs10)。そして、ステップSs14の処理に移行する。
尚、本実施例では、演出制御基板80の復旧処理において遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データを復旧した後、バックアップデータをクリアしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データを復旧した後もバックアップデータは保持したままであっても良いし、これらバックアップデータは、SRAMに記憶されることで消えないものであっても良い。また、本実施例におけるバックアップデータとは、前述の遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データの他、電源断検出処理が実行された時点での所定個数(例えば50個)の演出制御コマンドの受信履歴、保留記憶数、パチンコ遊技機1の電源が投入されている累計時間、遊技球の総発射数、パチンコ遊技機1におけるベースや大当り当選確率等の遊技データ、総出玉数等を含んでいる。さらに、本実施例におけるバックアップデータには、各エラーの履歴をバックアップしてもよい。たとえば、不正入賞エラーでアタッカー閉鎖中に10個の球が不正入賞すると異常報知を行なうように設定してある場合に、8個の球が不正入賞した後に電断が発生した時は、8個の球が不正入賞したエラーの履歴をバックアップしておき、電断復旧後2個の球が不正入賞(エラーの履歴と合わせ10個の球が不正入賞)すると異常報知を行なってもよい。
初期化処理では、CPU86は、RAMクリア処理を行う(ステップSs11)。そして、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530、バックライト9d等におけるLEDの光量及びスピーカ27L,27R,27a,27bから発せられる音量等の設定データを初期化する(ステップSs12)。ステップSs10またはステップS12の処理の実行後、CPU86は、演出図柄の変動表示中に実行される演出の決定等に使用するために演出制御基板80に搭載されている乱数回路(図示せず)を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップSs14)。
そして、CPU86は、音声処理IC173とVDP262の初期化処理を開始し(ステップSs15)、音声処理IC173及びVDP262の初期化処理が完了したか否かを判定する(ステップSs17)。これらの初期化の完了判断は、例えば、初期化が完了して動作可能状態に移行したことを示す所定の信号が音声処理IC173やVDP262から出力されてきたか否かにより判定すれば良い。音声処理IC173及びVDP262の初期化処理が完了していない場合は(ステップSs17;No)、ステップSs17の処理を音声処理IC173及びVDP262の初期化処理の完了まで巡回実施し、音声処理IC173及びVDP262の初期化処理が完了した場合は(ステップSs17;Yes)、音声処理IC173の初期化完了報知を、スピーカ27L,27R,27a,27bから所定音量の報知音を出力することで開始する(ステップSs17a)。この所定音量としては、例えば、音量初期値及び遊技者が設定可能な音量における最大音量としての『14』が設定されている。尚、本実施例では、音声処理IC173の初期化完了報知をスピーカ27L,27R,27a,27bから所定音量の報知音を出力するのみで行っているが、本発明はこれに限定されず、音声処理IC173の初期化完了報知は、スピーカ27L,27R,27a,27bから、例えば最大音量『14』による報知音の出力とともに、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの『100%』の光量の発光により行うようにしても良い。そして、該初期化完了報知の報知期間が終了したか否かを判定する(ステップSs17b)。尚、本実施例における初期完了報知の報知期間は10秒に設定されている。初期化完了報知の報知期間が終了していない場合は(ステップSs17b)、ステップSs17bの処理を初期化完了報知期間が終了するまで巡回実施する。
尚、本実施例では、上記したように、初期化処理において初期化完了報知を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら初期化完了報知を、サブCPUタイマ割込処理やループ処理において実行することで、これら音声処理IC173及びVDP262の初期化の期間中においてCPU86が、タイマ割込によって、初期化以外の処理を実行できるようにしても良い。
また、この実施の形態では、音声処理IC173及びVDP262の初期化を同時に実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、音声処理IC173の初期化とVDP262の初期化と初期化の完了判断とを個別に実施するとともに、各初期化の報知音のパターンを異なるようにして、音声処理IC173の初期化とVDP262のいずれの初期化が完了したのかをスピーカ27L,27R,27a,27bからの所定音量の報知音にて報知するようにしても良い。
また、本実施例では、音声処理IC173及びVDP262の初期化の完了報知を所定音量の報知音にて報知しているが、本発明はこれに限定されず、所定音量の報知音における報知は、音声処理IC173及びVDP262の初期化中や、該初期化におけるエラー発生時等に実行するようにしても良い。
初期化完了報知の報知期間が終了した場合は(ステップSs17b;Yes)、遊技者が設定した音量及び光量の遊技者設定値が存在するか否かを判定する(ステップSs18)。遊技者設定値が存在する場合は(ステップSs18;yes)、音量及び光量を該遊技者設定値に設定し(ステップSs19a)、遊技者設定値が存在しない場合は(ステップSs18;No)、CPU86が設定切替スイッチ300にセットされているチャンネルを判定することで、パチンコ遊技機1の音量及び光量に、ホール設定値として該チャンネルに対応する音量の初期値及び光量の初期値を設定する(ステップSs19b)。
これら遊技者設定値やホール設定値が設定されることにより、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの光量が調整される一方、導光板ユニット11の光量は調整されることなく、導光板ユニット11の光量は常に100%に維持される。
次いで、CPU86は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように演出制御用マイクロコンピュータ81に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップSs20)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU86は、まず、割込禁止状態にして(ステップSs21)、表示用乱数更新処理(ステップSs22)初期値用乱数更新処理(ステップSs23)とを実行して、再び割込許可状態にする(ステップSs24)。すなわち、CPU86は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
尚、表示用乱数更新処理とは、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行するであり、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、例えば、演出図柄の変動中における演出の態様を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
本実施の形態では、ステップSs15において音声処理IC173とVDP262の初期化処理を開始した後、ステップSs17aにおいて音声処理IC173のみの初期化完了報知を開始するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなくステップSs17aにおいて音声処理IC173とVDP262の初期化完了報知を同時に実行するようにしても良い。尚、ステップSs17aにおいて音声処理IC173とVDP262の初期化完了報知を同時に実行する場合には、VDP262の初期化完了報知を発光により実行する報知用LED等のスピーカ27L,27R,27a,27bのように、音声処理IC173の初期化完了報知を報知音により報知する報知手段とは異なる報知方法を有する報知手段を個別に設け、該報知用LEDの発光等によってVDP262の初期化完了を遊技者が把握できるようにしても良い。また、音声処理IC173とVDP262の初期化完了報知を個別に実行する場合には、音声処理ICの初期化完了報知とVDP262の初期化完了報知とを異なるタイミングで実行するようにしても良い。
また、本実施例では、電断検出処理において音量及び光量の遊技者設定値をバックアップすることで、電源投入時に該遊技者設定値が存在していれば、パチンコ遊技機1の音量及び光量に該遊技者設定値を設定するようになっているが、本発明はこれに限定されず、電断検出処理においては、音量及び光量の遊技者設定値をバックアップしないようにしても良い。この場合は、電源投入時に設定切替スイッチがセットされているチャンネルをCPU86が判定することで、各チャンネルにおける音量の初期値と光量の初期値とをパチンコ遊技機1の音量と光量に設定すれば良い。
タイマ割込が発生すると、CPU86は、図17に示すステップSs30〜ステップSs39のサブCPUタイマ割込処理を実行する。サブCPUタイマ割込処理において、まず、RAM85の所定領域に記憶されているタイマ割込フラグをクリアし(ステップSs30)、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップSs31)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU86は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップデータ記憶領域に保存する。次いで、コマンド解析処理を実行する(ステップSs32)。ステップSs32にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップSs32にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップSs33)。ステップSs33の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27,27R,27a,27bからの音声出力動作、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530、バックライト9dといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップSs34)。続いて、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行なう報知制御プロセス処理を実行する(Ss35)。その後、演出設定調整処理を実行する(ステップSs37)。ステップSs37の演出設定調整処理では、パチンコ遊技機1における装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530、バックライト9d等の装飾発光体の光量及びスピーカ27L,27R,27a,27bの音量の調整を遊技者の操作により受け付けて設定する。そして、ステップSs37の演出設定調整処理の終了後は、パチンコ遊技機1において遊技が所定時間行われていない(非遊技状態)ことを条件に遊技者によって設定された音量及び光量の設定値を無効化し、音量及び光量をホール設定値に設定する設定無効化処理(ステップSs38)が行われる。その後、割込許可状態に設定し(ステップSs39)、処理を終了する。
図18は、図17に示されたサブCPUタイマ割込処理における電源断検出処理(ステップSs31)を示すフローチャートである。電源断検出処理では、CPU86は、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(ステップSd1)。電源断信号の入力が無い場合は(ステップSd1;No)、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は(ステップSd1Yes)、図32に示す音量及び光量の遊技者設定データを含むバックアップデータを特定し(ステップSd2)、該特定したバックアップデータをRAM85に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(ステップSd3)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを前述したように作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(ステップSd4)、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
図19は、図17に示されたサブCPUタイマ割込処理における演出制御プロセス処理(ステップSs33)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ156から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図20は、図19に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、CPU86は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。尚、変動パターンコマンド格納領域には、主基板31から受信した変動パターンを特定可能な変動パターンコマンドが格納されている。次いで、変動表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した変動表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS822)。この場合、CPU86は、変動表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した表示結果指定コマンドが確変大当りに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合において、CPU86は、例えば、停止図柄として3図柄が奇数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。受信した表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合においては、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが突確或いは小当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドまたは第5変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、予めチャンス目として設定されている図柄の複数の組合せ(例えば「135」、「334」、「787」…などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、ハズレに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(ハズレ図柄)を決定する。尚、演出図柄の組合の中には、ハズレ図柄並びにチャンス目の双方に含まれるものが存在し、小当りの場合とハズレの場合とで同一の停止図柄となる場合が存在する。
これら停止図柄の決定においては、CPU86は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。よって、突確と小当りにおいては、同一の停止図柄が決定される場合があり得る。
そして、ステップS823に進み、予告演出を実施するか否かとともに、実施を決定した予告演出に関する設定を行う予告演出設定処理を実施する。
尚、本実施例では、CPU86がステップS823において予告演出を実施すると決定すると、予告演出を第1導光板11aを用いた予告演出A、第2導光板11bを用いた予告演出B、第1導光板11a及び第2導光板11bを用いた予告演出Cのいずれかに決定する。
予告演出Aは、図22(a)に示すように、表示用LED62aからの入射光を第1導光板11aに誘導することで、反射部510によって施された所定の画像としての第1導光板11aに多数の星が配置された画像を表示する演出であり、予告演出Bは、図22(b)に示すように、表示用LED62bからの入射光を第1導光板11aに誘導することで、反射部510によって施された所定の画像としての第2導光板11bに多数の稲妻状のパターンが配置された画像を表示する演出である。
また、予告演出Cは、図22(b)に示すように、表示用LED62aからの入射光を第1導光板11aに誘導することで、反射部510によって施された所定の画像としての第1導光板11aに多数の星が配置されたエフェクト画像を表示するとともに、表示用LED62bからの入射光を第1導光板11aに誘導することで、反射部511によって施された所定の画像としての第2導光板11bに多数の稲妻状のパターンが配置された画像を表示する演出である。
尚、これら各予告演出においては、導光板11の発光とともに、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等も、所定の点灯パターンにて点灯され、バックライト9dも点灯されることで、演出表示装置9における表示も実行される。また、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28cは、予告演出の開始前の変動表示中や、予告演出の終了後の変動表示中においても、変動パターンに応じた態様の点灯パターンにて点灯されるとともに、大当り図柄が停止することに応じて実行されるファンファーレ演出や、大当り遊技中におけるラウンド演出や、大当り遊技の終了時に実行される大当り終了演出等においても、各演出に対応した所定の点灯パターンにて点灯される。また、バックライト9dは、パチンコ遊技機1の起動中においては、常に点灯される。
そして、ステップS824に進んで、予告演出の実施が決定されているか否か、具体的には、ステップS823の予告演出設定処理において予告演出の実施が決定されることでセットされる予告実行決定フラグがセットされているか否かを判定する。
予告実行決定フラグがセットされている場合には、ステップS825+に進んで、予告演出開始待ち時間を特定し、該特定した待ち時間を予告演出開始待ちタイマにセットした後、ステップS825に進む。
尚、予告演出開始待ちタイマは演出図柄変動中処理(ステップS802)内にて実行される予告演出処理を実行する毎に−1されるようになっており、該予告演出開始待ちタイマがタイマアウトすることでステップS823において設定された予告演出が開始されるようになっている。尚、予告実行決定フラグは、予告演出開始待ちタイマがタイマアウトすることでクリアされる。
一方、予告実行決定フラグがセットされていない場合には、ステップS825+を経由することなくステップS825に進み、変動パターンコマンドに応じた図柄変動制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS826)。
そしてCPU86は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプや導光板ユニット11および演出用部品としてのスピーカ27、操作ボタン516や操作レバー600)の制御を実行する(ステップS827)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP262に指令を出力する。また、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDや導光板ユニット11に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声制御基板に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施例では、CPU86は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、CPU86は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS828)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS829)。なお、所定時間は例えば30msであり、CPU86は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDPがVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新し(ステップS830)、後述する演出図柄変動停止処理においてセットされる設定無効化タイマをリセットして(ステップS830)、演出図柄変動開始処理を終了する。
図21は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、CPU86は、先ず、図柄確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS861)。
図柄確定コマンド受信フラグがセットされていない場合は(ステップS861;No)、演出図柄変動停止処理を終了し、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合は(ステップS861;Yes)、図柄確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS862)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS863)。
次いで、CPU86は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(ステップS865)。大当りとすることに決定されているか否かは、例えば、変動表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動表示結果指定コマンドによって確認できる。
大当りとすることに決定されている場合は(ステップS865;Yes)、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理に応じた値に更新し(ステップS866)、大当りとしないことに決定されている場合は(ステップS865;No)、CPU86は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理に応じた値に更新する。そして、ステップS866またはステップS867の実行後、パチンコ遊技機1において演出図柄の変動表示が実行されない期間を監視する設定無効化タイマに所定期間を設定し(ステップS868)、演出図柄変動停止処理を終了する。
図23は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様の例を示す説明図である。図23に示す「重要度」は、遊技機によって所定の基準で定められるエラー報知の重要度である。当該重要度は、安全性からの基準、不正行為を防止する観点からの基準、遊技者へ注意喚起する観点からの基準、および店舗管理の観点からの基準など様々な基準に基づき定義され、遊技機の製造メーカで設定される。たとえば、安全性に関するエラー、不正な手法で利益を獲得する不正行為の防止に関するエラー、遊技者への注意喚起に関するエラーの順に重要度が高くなるように遊技機の製造メーカで設定し、演出制御基板80のROM84に図23に示すテーブルとして格納する。図23の例では、重要度として「低」、「高」の2種類が設定されており、不正行為の防止に関するエラー(電波エラーや磁気センサ感知など)が「高」、注意喚起に関するエラー(下皿満タンエラーや球切れエラーなど)が「低」に設定されている。なお、エラー報知の重要度の設定・変更を遊技機の製造メーカが行なう場合に限定されるものではなく、遊技場の店員や管理者によって、エラー報知の重要度を設定・変更するようにしてもよい。また、エラーの重要度により、エラー報知の態様を分類するため異常種別を設けている。図23の例では、重要度が「低」に設定されたエラーは、異常種別が第1異常種別であり、重要度が「高」に設定されたエラーは、異常種別が第2異常種別であるとする。
具体的には、賞球エラーは、重要度が「低」であり、異常種別が「第1異常種別」である。賞球エラー報知は、遊技機の電源投入後に賞球エラーが発生してから電源がオフされるまで実行される。演出制御用マイクロコンピュータ81(CPU86)は、賞球エラー報知を行なう場合、遊技枠側の全ランプ(左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530の各LED、賞球LED51)を点灯(全点灯)させるとともに、スピーカ27にエラー音A(音量:大)および演出音(音量:小)を出力させる制御を行なう。また、CPU86は、演出表示装置9に「賞球エラー電源をお切りください」と表示させる制御を行なう。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示(たとえば、飾り図柄の変動表示)が行なわれている場合には、演出表示装置9に「賞球エラー電源をお切りください」という文字列を重畳表示させる。なお、以下の説明では、遊技枠側の全ランプを「枠ランプ」とも総称する。なお、演出音(音量:小)を出力させる制御は、演出音の音量を必ずしも小さく制御する必要はなく、エラー音Aの音量に対して相対的に小さくなるように制御すればよい。たとえば、演出音の音量を小さくせずに、エラー音Aの音量を大きくすればよい。
電波エラーは、重要度が「高」であり、異常種別が「第2異常種別」である。電波エラー報知は、遊技機の電源投入後に電波エラーが発生してから電源がオフされるまで実行される。CPU86は、電波エラー報知を行なう場合、枠ランプを全点灯させるとともにエラー報知のために導光板を点滅発光させる(導光板ユニット11の表示用LED62a、62bやバックライト9dを点滅させる)。さらに、CPU86は、スピーカ27にエラー音B(音量:大)を出力させ、演出音の音量をゼロにさせる制御を行なう。また、CPU86は、演出表示装置9に「電波エラー電源をお切りください」と表示させる制御を行なう。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示が行なわれている場合には、演出表示装置9に「電波エラー電源をお切りください」という文字列を重畳表示させる。
磁気センサ感知エラーは、重要度が「高」であり、異常種別が「第2異常種別」である。磁気センサ感知エラー報知は、遊技機の電源投入から5分間または磁気センサ感知エラーが発生してから当該エラーが解除されるまで実行される。CPU86は、磁気センサ感知エラー報知を行なう場合、枠ランプを全点灯させるとともにエラー報知のために導光板を点滅発光させる。さらに、CPU86は、スピーカ27にエラー音B(音量:大)を出力させ、演出音の音量をゼロにさせる制御を行なう。また、CPU86は、演出表示装置9に「磁気エラー」と表示させる制御を行なう。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示が行なわれている場合には、演出表示装置9に「磁気エラー」という文字列を重畳表示させる。
スイッチ(SW)異常エラーは、重要度が「高」であり、異常種別が「第2異常種別」である。スイッチ異常エラー報知は、遊技機の電源投入から5分間またはエラーが発生してから解除されるまで実行される。CPU86は、スイッチ異常エラー報知を行なう場合、枠ランプを全点灯させるとともにエラー報知のために導光板を点滅発光させる。さらに、CPU86は、スピーカ27にエラー音B(音量:大)を出力させ、演出音の音量をゼロにさせる制御を行なう。また、CPU86は、演出表示装置9に「エラー1」と表示させる制御を行なう。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示が行なわれている場合には、演出表示装置9に「エラー1」という文字列を重畳表示させる。
不正入賞エラーは、重要度が「低」であり、異常種別が「第1異常種別」である。不正入賞エラー報知は、遊技機の電源投入から30秒間またはエラーが発生してから解除されるまで実行される。CPU86は、不正入賞エラー報知を行なう場合、枠ランプを全点灯させ、スピーカ27にエラー音C(音量:大)を出力させ、演出音の音量をゼロにさせる制御を行なう。また、CPU86は、演出表示装置9に「不正入賞エラー」と表示させる制御を行なう。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示が行なわれている場合には、演出表示装置9に「不正入賞エラー」という文字列を重畳表示させる。
ドア開放エラーは、重要度が「低」であり、異常種別が「第1異常種別」である。ドア開放エラー報知は、エラーが発生してから解除されるまで実行される。CPU86は、ドア開放エラー報知を行なう場合、枠ランプを全点灯させ、スピーカ27に「扉が開いています」とのエラー報知音(音量:大)および演出音(音量:小)を出力させる。
ドア開放エラーは、遊技枠の開放状態の発生から開放状態が解除されるまで(たとえば、遊技枠が開放されており、ドア開放センサの検出信号が入力されている間)実行される。CPU86は、ドア開放エラー報知を行なう場合、枠ランプを全点灯させ、スピーカ27に「扉が開いています」とのエラー報知音(音量:大)とともに演出音(音量:小)を出力させる。
下皿満タンエラー報知は、重要度が「低」であり、異常種別が「第1異常種別」である。下皿満タンエラー報知は、下皿の満タン状態の発生から満タン状態が解除されるまで(たとえば、満タンスイッチ19の検出信号が入力されている間)実行される。CPU86は、満タンエラー報知を行なう場合、「玉を抜いて下さい」との音声(音量:大)とともに演出音(音量:小)を出力させる。また、演出表示装置9に「玉を抜いて下さい」と表示させる制御を行なう。この場合、演出表示装置9において遊技演出による表示が行なわれている場合には、演出表示装置9に「玉を抜いて下さい」という文字列を重畳表示させる。
球切れエラーは、重要度が「低」であり、異常種別が「第1異常種別」である。球切れエラー報知は、球切れ発生から球切れ状態が解除されるまで(たとえば、球切れスイッチ43の検出信号が入力されている間)実行される。CPU86は、球切れエラー報知を行なう場合、枠ランプを全点灯させる。
以上から、CPU86は、遊技枠側のランプの発光および導光板の表示によりエラーを遊技者などに報知する。具体的には、CPU86は、エラーの種別が第1異常種別の場合には枠ランプを発光させ、第2異常種別の場合には、枠ランプの発光および導光板の表示によりエラーを報知する。また、効果的なエラー報知を行なうために、CPU86は、エラーが検出されていない場合の導光板の表示態様(発光パターン、表示パターン)と、エラーが検出された場合の表示手段の表示態様とを異ならせる。また、CPU86は、制御を複雑にしないために、第1異常種別の場合の枠ランプの発光態様(全点灯)と、第2異常種別の場合の枠ランプの発光態様(全点灯)とが同じになるように制御している。
また、CPU86は、スピーカ27からエラー報知音を出力させることでエラーを遊技者などに報知する。具体的には、CPU86は、エラーの種別が第1異常種別の場合にはスピーカ27に演出音とともにエラー報知音を出力させ、第2異常種別の場合には、演出音を出力させずにエラー報知音のみを出力させる。また、第1異常種別の場合のエラー報知音は、演出音より大きい音量である。なお、エラー報知で導光板を発光するエラーは、エラー報知で演出音の音量をゼロに制御するエラーとなるように、両エラーを完全に一致させてもよい。
図24は、図17に示されたサブCPUタイマ割込処理における報知制御プロセス処理(Ss35)を示すフローチャートである。報知制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ81(CPU86)は、報知制御プロセスフラグの値に応じてS1900,S1901のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
報知開始処理(S1900)は、コマンド解析処理でセットされる各エラー報知フラグ(賞球エラー報知フラグ、電波エラー報知フラグ、磁気センサ感知エラー報知フラグ、スイッチ異常エラー報知フラグ、不正入賞エラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、下皿満タンエラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)に基づいて、エラーの報知を開始する処理である。エラーの報知を開始すると、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(S1901)に対応した値に変更する。
報知中処理(S1901)は、各エラー報知フラグ(賞球エラー報知フラグ、電波エラー報知フラグ、磁気センサ感知エラー報知フラグ、スイッチ異常エラー報知フラグ、不正入賞エラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、下皿満タンエラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ)に基づいて、エラーの報知を継続する処理である。また、コマンド解析処理でセットされるエラー報知解除フラグに基づいて、エラーの報知を終了する。エラーの報知を終了すると、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(S1901)に対応した値に変更する。
図25は、図24に示された報知制御プロセス処理における報知開始処理(S1900)を示すフローチャートである。報知開始処理において、CPU86は、コマンド解析処理でセットされた報知フラグが存在するか否かを確認する(S1911)。報知フラグがセットされていなければ(S1911においてN)、CPU86は、そのまま処理を終了する。報知フラグがセットされていれば(S1911においてY)、CPU86は、セットされている報知フラグが示すエラー種類とROM84に格納された図23に示すテーブルとに基づいて、当該エラー種類の異常種別が第1異常種別および第2異常種別のいずれであるのかを判定する(S1912)。
次いで、CPU86は、判定された当該エラー種類の異常種別が第1異常種別か否かを確認する(S1913)。第1異常種別ではない場合には(S1913においてN)、CPU86は、後述するS1920からの処理を実行する。第1異常種別である場合には(S1913においてY)、エラー種類(賞球エラー、不正入賞エラー、ドア開放エラー、下皿満タンエラー、球切れエラー)に応じたエラー用プロセステーブルを選択する(S1914)。この実施の形態では、各種エラー報知を行なう際にスピーカ27、枠ランプを制御するためのエラー用のプロセスデータ(エラー用プロセスデータ)が予め用意されている。なお、エラー用プロセスデータの詳細については後述する。
次いで、CPU86は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1915)とともに、エラー用プロセスデータの内容にしたがって枠ランプを制御することで、枠ランプに対応する発光部の発光態様を制御する(S1916)。たとえば、エラー種類がドア開放エラーの場合には、CPU86は、右枠LED28b、左枠LED28cをそれぞれ点滅させることで、左発光部28L、右発光部28Rを点滅発光させる。
次いで、エラー用プロセスデータの内容にしたがって音を制御する(S1917)。たとえば、エラー種類がドア開放エラーの場合には、CPU86は、「扉が開いています」等のエラー報知音とともに当該エラー報知音よりも音量が小さい演出音を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、CPU86は、エラー報知フラグをリセットするとともに、エラー報知タイマおよびエラー報知を行なっていることを示すエラー報知中フラグをセットする(S1918)。そして、CPU86は、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(S1901)に対応した値に変更し(S1919)、処理を終了する。
ここで、S1920からの処理について説明する。
第1異常種別ではない(すなわち、第2異常種別である)場合には(S1913においてN)、エラー種類(電波エラー、磁気センサ感知エラー、スイッチ異常エラー)に応じたエラー用プロセステーブルを選択する(S1920)。この実施の形態では、各種エラー報知を行なう際にスピーカ27、枠ランプ、バックライト9d、導光板ユニット11の表示用LED62a、62bを制御するためのエラー用のプロセスデータ(エラー用プロセスデータ)が予め用意されている。
次いで、CPU86は、エラー用プロセスタイマをスタートさせる(S1921)とともに、エラー用プロセスデータの内容にしたがって枠ランプを制御することで枠ランプに対応する発光部の発光態様を制御する(S1922)。たとえば、エラー種類が電波エラーの場合には、CPU86は、各枠ランプを全点灯させる。
次いで、エラー用プロセスデータの内容にしたがってバックライト9d、表示用LED62a、62bを制御することで導光板の発光態様を制御する(S1923)。たとえば、エラー種類が電波エラーの場合には、CPU86は、バックライト9d、表示用LED62a、62bを制御して導光板を点滅発光させる。
次いで、CPU86は、演出音の音量がゼロになるように制御する(S1924)。具体的には、CPU86は、演出音を出力しているスピーカ27の音量をゼロにする。続いて、CPU86は、エラー用プロセスデータの内容にしたがって音を制御する(S1925)。具体的には、CPU86は、所定のエラー音(たとえばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。そして、CPU86は、上述したS1918からの処理を実行する。
図26は、図24に示された報知制御プロセス処理における報知中処理(S1901)を示すフローチャートである。報知中処理において、CPU86は、エラー用プロセスタイマを−1する(S1960)。
次いで、CPU86は、エラー用プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S1961)。なお、エラー用プロセスタイマがタイムアウトした場合、エラー報知は終了する。エラー用プロセスタイマがタイムアウトしていない場合には(S1961においてN)、CPU86は、後述するS1971の処理を実行する。エラー用プロセスタイマがタイムアウトした場合には(S1961においてY)、CPU86は、エラー報知タイマがタイムアウトしたか否かを判断する(S1962)。エラー報知タイマがタイムアウトした場合(S1962においてY)、CPU86は、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(S1900)に対応した値に変更し(S1973)、演出音の音量がゼロの場合、設定値を所定の音量に戻して(S1974)、処理を終了する。
ここで、エラー用プロセスタイマまたはエラー報知タイマがタイムアウトしている場合には(S1961またはS1962においてN)、CPU86は、エラー報知解除フラグがセットされているか否かを確認する(S1971)。エラー報知解除フラグがセットされていない場合には(S1971においてN)、CPU86は、そのまま処理を終了する。エラー報知解除フラグがセットされている場合には(S1971においてY)、CPU86は、エラー報知を終了させる処理を行なう(S1972)。その後、CPU86は、上述したS1973およびS1974の処理を実行して、処理を終了する。
図27は、エラー報知用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。エラー報知用プロセステーブルとは、CPU86が演出装置の制御を実行して各種エラー報知を行なう際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、CPU86は、エラー報知用プロセステーブルに設定されているデータにしたがって、スピーカ27L,27R,27a,27b、バックライト9d、表示用LED62a、62bおよび枠ランプの制御を行なってエラー報知を行なう。エラー報知用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、エラー用ランプ制御実行データおよびエラー用音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、その音出力状態および光源の発光状態での継続時間が設定されている。CPU86は、エラー報知用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ光源制御実行データに設定されている態様でバックライト9d、表示用LED62a、62bおよび枠ランプの点灯、非点灯状態を制御するとともに、スピーカ27L,27R,27a,27bを用いた音出力を制御する。
図27に示すエラー報知用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROM84に格納されている。また、エラー報知用プロセステーブルは、エラー種類(賞球エラー、電波エラー、磁気センサ感知エラー、スイッチ異常エラー、不正入賞エラー、ドア開放エラー、下皿満タンエラー、球切れエラー)に応じて用意されている。たとえば、CPU86は、エラープロセスデータ1〜8の内容にしたがって、それぞれ賞球エラー報知、電波エラー報知、磁気センサ感知エラー報知、スイッチ異常エラー報知、不正入賞エラー報知、ドア開放エラー報知、下皿満タンエラー報知、球切れエラー報知を実行する。
図28は、枠ランプによる発光態様、導光板による発光態様、スピーカによる音出力の状況の例を示す説明図である。
図28(A)には、検出された異常の異常種別が第1異常種別である場合の異常報知態様の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から変動パターンコマンドを受信すると、表示用LED62a,62bを制御して導光板を用いて変動パターンに応じた発光演出を行なうとともに、変動パターンに応じた演出音をスピーカ27から出力させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から異常報知指定コマンドを受信すると、枠ランプに異常報知表示(全点灯)させるとともに、スピーカ27から異常報知音を演出音の音量より大きな音量で出力させる。また、異常報知指定コマンドを受信して異常報知が開始された場合であっても、演出制御用マイクロコンピュータ81は、導光板を用いた発光演出およびスピーカ27を用いた演出音の出力を継続させる。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ81は、スピーカ27から出力される演出音の音量を異常報知音の音量よりも小さくしてもよい(たとえば、演出音の音量を異常報知音の音量の50%とする)。これにより、演出音を楽しみつつ、遊技者に対して異常報知音を気付かせることができる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、スピーカ27から出力される演出音の音量を異常報知音の音量よりも小さくするために、異常報知音の音量を大きくせずに演出音の音量を小さくしても、演出音の音量を小さくせずに異常報知音の音量を大きくしてもよい。
図28(B)には、検出された異常の異常種別が第2異常種別である場合の異常報知態様の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から変動パターンコマンドを受信すると、バックライト9dおよび表示用LED62a、62bを制御して導光板を用いて変動パターンに応じた発光演出を行なうとともに、変動パターンに応じた演出音をスピーカ27から出力させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156から異常報知指定コマンドを受信すると、枠ランプを異常報知表示(全点灯)させるとともに、バックライト9d、および表示用LED62a、62bを点滅させることにより導光板を用いて異常報知表示を行なう。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ81は、スピーカ27から異常報知音を出力させるとともに、演出音の音量をゼロにするように制御する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出音の音量をゼロにしているが、演出音の出力は継続して行なわれている。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ81は、異常報知音を出力している間、演出音の出力が停止している訳でなく、異常報知が終了すると異常報知音を出力していた期間経過後の演出音から出力が再開される。これにより、異常報知が終了した後に、演出音が最初の音から出力が再開されるなどの不自然な出力がなくなり自然な演出音の出力が可能となる。特に、複数の遊技機がRTC200などで同じタイミングで同じ演出音を出力する場合に、当該演出音を出力している遊技機のうちの1台が異常報知を行なったとしても、当該演出音のタイミングが遊技機間でズレが生じることはない。なお、複数の遊技機間での演出音の出力タイミングを考慮する必要ない遊技機であれば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出音の音量をゼロにするのではなく、異常報知音を出力している間、演出音の出力を停止してもよい。すなわち、第1異常種別よりも重要度の高い第2異常種別では、遊技者に対してより高い注意喚起をするために、導光板でも異常を報知するとともに演出音をゼロにする。本実施形態では、重要度の低い第1異常種別に基づく異常報知音を出力する場合、当該異常報知音により演出音を途切れさせることを防止することができ、演出を楽しんでいる遊技者に不快感を与えることを軽減することができる。
また、図28に示した例では、演出制御用マイクロコンピュータ81が、遊技制御用マイクロコンピュータ156から異常報知指定コマンドを受信すると、すぐに異常報知表示を行なう構成について説明したが、たとえば、通常の遊技状態に比べ大当り中などの出球が多い遊技状態で、異常報知指定コマンドが下皿満タンエラー報知の場合、異常報知音を出力するタイミングを、遊技機の遊技状態に応じて異ならせるため、たとえば、異常報知指定コマンドを受信してから異常報知表示を行なうまでに遅延時間を設けてもよい。さらに、出球が多い大当り(16Rの大当り)と出球が少ない大当り(4Rの大当り)とで異常報知の遅延時間を異ならせてもよい。たとえば、出球が多い大当りの場合に比べ、出球が少ない大当りの場合の異常報知の遅延時間の方を長く設定してもよい。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ81は、下皿満タンエラー報知を好適に遊技者に報知することができる。特に、演出制御用マイクロコンピュータ81は、出球が多い大当りと出球が少ない大当りとで異常報知の遅延時間を異ならせることで、払出される出球の量に応じた適切な報知が可能となる。なお、出球が少ない大当りの場合の異常報知の遅延時間の方が長く設定するのは、出球が少ない大当りの場合の方が自然に下皿満タン状態が解消される可能性が高いためである。もちろん、別の理由から、出球が少ない大当りの場合に比べ、出球が多い大当りの場合の異常報知の遅延時間の方を長く設定してもよい。
さらに、第1異常種別である場合の枠ランプの異常報知表示(全点灯)と、第2異常種別である場合の枠ランプの異常報知表示(全点灯)とが同じ報知態様にしてあるので、演出制御用マイクロコンピュータ81は、複雑な制御をすることなく異常報知表示を行なうことができる。なお、第1異常種別である場合の枠ランプを異常報知表示と、第2異常種別である場合の枠ランプを異常報知表示とが異なる報知態様でもよい。
また、第2異常種別である場合、バックライト9d、および表示用LED62a、62bを点滅させることにより導光板を用いて異常報知表示を行なうので、変動パターンに応じて導光板を発光させる発光態様とは異なる。なお、異ならせる発光態様は、点滅などの発光パターンに限定されず、発光色や輝度などを異ならせてもよい。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ81は、異常報知を好適に実行することが可能となる。
図29及び図30は、図17に示されたサブCPUタイマ割込処理における演出設定調整処理を示すフローチャートである。演出設定調整処理では、CPU86は、先ず、演出図柄プロセスフラグが0であるか否かを判定する(ステップSh1)。演出図柄プロセスフラグが0でない場合は(ステップSh1;No)、ステップSh20に進み、演出図柄プロセスフラグが0である場合は(ステップSh1;Yes)、保留記憶があるか否かを判定する(ステップSh2)。保留記憶数の有無は、主基板31から受信した演出制御コマンドに含まれる第1保留記憶数通知及び第2保留記憶数通知のコマンドを参照すれば良い。保留記憶がある場合は(ステップSh2;Yes)、ステップSh20に進み、保留記憶数が無い場合は(ステップSh2;No)、コマンド受信バッファに未解析コマンドが有るか否かを判定する(ステップSh3)。コマンド受信バッファに未解析コマンドがある場合は(ステップSh3;Yes)、ステップSh20に進み、コマンド受信バッファに未解析コマンドが無い場合は(ステップSh3;No)、遊技者によって操作ボタン516の長押し操作有りか否かを判定する(ステップSh4)。つまり、本実施例では、大当り遊技中または小当り遊技中でなく、且つ保留記憶が存在せず演出図柄が変動していない場合に限り遊技者によって操作ボタン516の長押し操作有りか否かを判定している。
操作ボタン516の長押し操作が無い場合は(ステップSh4;No)、ステップSh20に進み、操作ボタン516の長押し操作が有る場合は(ステップSh4;Yes)、節電モードであるか否か、つまり、設定切替スイッチ300のチャンネルが遊技者により音量及び光量の設定を調整不可能なチャンネル3またはチャンネル4に設定されているか否かを判定する(ステップSh5)。節電モードである場合は(ステップSh5;Yes)、音量・光量の調整が不可能な旨を、演出表示装置9の表示画面に遊技者による表示や、スピーカ27L,27R,27a,27bによるエラー音の出力等により報知する音量・光量調整不可能報知の実行中であるか否かを判定する(ステップSh11)。音量・光量調整不可能報知の実行中でない場合には、音量・光量調整不可能報知を開始するとともに、音量・光量調整不可能報知の実行期間に対応する値を報知タイマにセットした後(ステップSh12)、演出設定調整処理を終了する。
一方、音量・光量調整不可能報知の実行中である場合(ステップSh11;Yes)には、ステップSh13に進んで、報知タイマをマイナス1した後、該マイナス後の報知タイマがタイマアップしたか否かを判定し(ステップSh14)、タイマアップしていない場合(ステップSh14;No)には演出設定調整処理を終了し、タイマアップしている場合(ステップSh14;Yes)には音量・光量調整不可能報知を終了して演出設定調整処理を終了する。
また、節電モードでない場合は(ステップSh5;No)、設定切替スイッチ300により設定されているチャンネルがチャンネルB〜チャンネルFのいずれかであるか否かを判定する(ステップSh6)。設定切替スイッチ300により設定されているチャンネルがチャンネルB〜チャンネルFのいずれかである場合は(ステップSh6;Yes)、演出表示装置9の画面に、音量を『2〜14』の範囲で調整可能且つ、光量を『100%』、『75%』、『50%』のから調整可能な設定調整画面を表示し(図30参照)(ステップSh7)、ステップSh11に進む。
設定切替スイッチ300により設定されているチャンネルがチャンネルB〜チャンネルFのいずれでもない場合は(ステップSh6;No)、設定切替スイッチ300により設定されているチャンネルがチャンネル5〜チャンネルAのいずれかであるか否かを判定する(ステップSh8)。設定切替スイッチ300により設定されているチャンネルがチャンネル5〜チャンネルAのいずれかである場合は(ステップSh8;Yes)演出表示装置9の画面に、音量を『2〜9』の範囲で調整可能且つ、光量を『100%』、『65%』、『30%』のから調整可能な設定調整画面を表示し(ステップSh9)、ステップSh11に進む。
設定切替スイッチ300により設定されているチャンネルがチャンネル5〜チャンネルAのいずれでもない場合は(ステップSh8;No)演出表示装置9の画面に、音量を『0〜1』の範囲で調整可能且つ、光量を『100%』、『65%』、『30%』のから調整可能な設定調整画面を表示し(ステップSh10)、ステップSh11に進む。
尚、これらステップSh7、ステップSh9及びステップSh10における設定調整画面では、具体的には、図33に示すように、スピーカ27L,27R,27a,27bの音量を各ステップにおいて定められた範囲で操作レバー600によって選択可能なダイアログと、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの光量を各ステップにおいて定められた範囲で操作レバー600によって選択可能なダイアログとが表示されている。遊技者は、操作レバー600を前後に傾動させることで両ダイアログの内から1のダイアログを選択可能となっているとともに、操作レバー600を左右に傾動させることで、選択したダイアログにおける音量または光量を変更可能となっている。そして、遊技者は、最後に操作ボタン516を操作することで、スピーカ27L,27R,27a,27bの音量及び装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの光量の設定操作を実行することで、該設定操作における音量及び光量を遊技者設定値として設定可能となっている。つまり、遊技者は、操作レバー600を上下に傾動させることで、音量と光量とから変更を所望する設定を選択し、該選択の後に操作レバー600の左右への傾動と操作ボタン516の操作により、音量と光量とを独立して設定することが可能となっている。
尚、前述したように、本実施例では導光板ユニット11から出力される光の光量(輝度)の調整は不可能であるため、ステップSh7、ステップSh9、ステップSh10で演出表示装置9に表示される設定調整画面において光量の設定操作を実行したとしても導光板ユニット11から出力される光量、具体的には表示用LED62a,62bの光量は変化しない。
このように、本実施例では、ホール(遊技場)側の店員等が設定切替スイッチ300を操作することで、音量の初期値と光量の初期値の双方を一度に設定できるので、多くのパチンコ遊技機1の音量の初期値と光量の初期値とを設定する際に設定切替スイッチ300を操作するのみでパチンコ遊技機1の音量の初期値と光量の初期値とを設定する手間を省くことができる一方で、遊技者は、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量と、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dにて出力される光量とを、所望する音量または光量となるように、操作レバー600及び操作ボタン516の操作により音量及び光量の詳細な設定を行うことが可能となっている。
ステップSh7、ステップSh9またはステップSh10の処理の実行後、CPU86は、遊技者による操作レバー600の上下方向の傾動操作により変更する設定として音量が選択された場合に、操作レバー600の左右方向の傾動操作により変更先の音量が選択された後に操作ボタン516の操作が行われたか否かを判定することで、音量の設定操作を受け付ける音量設定操作受付処理を実行し(ステップSh11)、該音量設定操作受付処理において、音量の設定操作が受け付けられたか否かを判定する(ステップSh12)。音量の設定操作が受け付けられていない場合は(ステップSh12;No)、ステップSh15に進み、音量の設定操作が受け付けられている場合は(ステップSh12;Yes)、音量をSh11の処理で設定した選択数値(設定値)に特定し(ステップSh13)、該特定した選択数値(設定値)を音量の遊技者設定値として更新する(ステップSh14)。
次いで、ステップSh15において、CPU86は、遊技者による操作レバー600の上下方向の傾動操作により変更する設定として光量が選択された場合に、操作レバー600の左右方向の傾動操作により変更先の光量が選択された後に操作ボタン516の操作が行われたか否かを判定することで、光量の設定操作を受け付ける光量設定操作受付処理を実行し(ステップSh15)、該光量設定操作受付処理において、光量の設定操作が受け付けられたか否かを判定する(ステップSh16)。光量の設定操作が受け付けられていない場合は(ステップSh16;No)、ステップSh19に進み、光量の設定操作が受け付けられている場合は(ステップSh16;Yes)、光量をSh15の処理で設定した選択数値(設定値)に特定し(ステップSh17)、該特定した選択数値(設定値)を光量の遊技者設定値として更新する(ステップSh18)。
ステップSh19において、CPU86は、遊技者の操作レバー600及び操作ボタン516の操作によって設定調整画面に表示されている「メニューに戻る」のメニュー項目が選択入力されることで、音量設定操作受付処理または光量設定操作受付処理を終了することが選択されたか否かを判定する(Sh19)。音量設定操作受付処理または光量設定操作受付処理を終了することが選択されていない場合は(ステップSh19;No)、演出設定調整処理を終了し、音量設定操作受付処理または光量設定操作受付処理を終了することが選択された場合は(ステップSh19;Yes)、ステップSh21に進む。
また、図29に戻り、ステップSh20において、CPU86は、音量設定操作受付処理または光量設定操作受付処理のいずれかの実行中であるか否かを判定する(ステップSh20)。音量設定操作受付処理及び光量設定操作受付処理が実行中でない場合は(ステップSh20;No)、さらに、音量・光量調整不可能報知の実行中であるか否かを判定する(ステップSh22)。そして、音量・光量調整不可能報知の実行中である場合(ステップSh22;Yes)には、ステップSh23に進んで、音量・光量調整不可能報知を終了して演出設定調整処理を終了する。一方、音量・光量調整不可能報知の実行中でない場合(ステップSh22;No)には、演出設定調整処理を終了する。
また、音量設定操作受付処理または光量設定操作受付処理のいずれかが実行中である場合は(ステップSh20;Yes)、音量設定操作受付処理または光量設定操作受付処理を終了し(ステップSh21)、演出設定調整処理を終了する。
尚、本実施例の演出設定調整処理においては、設定調整画面において音量や光量を選択済みであっても、決定操作が実行されない状態において遊技球の発射による保留記憶や未解析コマンドが有る状態になったときには、選択済みの音量や光量に設定が更新されることなく演出設定調整処理を終了するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球の発射による保留記憶や未解析コマンドが有る状態になったことによって遊技の開始が特定されたときに、設定調整画面において音量や光量を選択済みである場合には、該選択済みの音量や光量に設定を更新するようにしても良い。
図31は、図17に示されたサブCPUタイマ割込処理における設定無効化処理を示すフローチャートである。設定無効化処理では、CPU86は、先ず、スピーカ27R,27L,27a,27bからの音出力の音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530,バックライト9dの光量に遊技者による遊技者設定値が有るか否かを判定する(ステップSr1)。遊技者設定値が有るか否かは、図32に示すように、RAM85の所定領域に遊技者設定値が記憶されているか否かで判定すれば良い。遊技者設定値が無い場合は(ステップSr1;No)、設定無効化処理を終了し、遊技者設定値が有る場合は(ステップSr1;Yes)、演出制御プロセスフラグを参照し、該演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値であるか否かを判定する(ステップSr3)。つまり、ステップSr3では、大当り遊技中または小当り遊技中ではなく、演出図柄の変動が実行されていない状態であるか否かを判定する。演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値でない場合は(ステップSr3;No)、設定無効化処理を終了し、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値である場合は(ステップSr3;Yes)、設定無効化タイマの値を1減算更新し(ステップSr4)、設定無効化タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップSr5)。なお、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値である場合(ステップSr3;Yes)、発射センサを用いて特定期間内に発射を検出したときに設定無効化タイマを戻すようにすることで、球を発射しているが始動入賞は発生していない状況で遊技者設定がクリアされてしまうことを防止することができる。
設定無効化タイマの値が0でない場合は(ステップSr5;No)、設定無効化処理を終了し、設定無効化タイマの値が0である場合は(ステップSr5;Yes)、図32に示す遊技設定値として記憶されている音量及び光量をクリアし(ステップSr6)、該遊技設定値に替えて、音量及び光量を、設定切替スイッチ300にて設定されているホール設定値の音量及び光量に設定し(ステップSr7)、設定無効化処理を終了する。なお、ステップSr6で遊技者設定をクリアする場合に、何ら遊技者に報知することなく設定をクリアすると不信感を与えてしまう虞も考えられるので、たとえば、「節電モード中のため、設定をクリアします。」との報知を遊技者に行なってもよい。
このように、非遊技状態である場合に音量及び光量の遊技者設定値をクリアしてホール設定値の音量及び光量を設定することで、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技を終了した後、遊技者や遊技場の店員が特別な操作を行うことなく音量及び光量を初期値に戻すことができるので、パチンコ遊技機1の利便性を向上できる上、次の遊技者がパチンコ遊技機1で遊技を開始したとしても、前の遊技者の音量及び光量の設定値が引き継がれてしまうことを抑制することができる。
また、本実施例では、非遊技状態が一定期間継続することで無効化タイマが0となると、遊技者設定値として記憶されている音量及び光量をクリアし、音量及び光量をホール設定値に設定しているが、本発明はこれに限定されず、非遊技状態中に日付が変わった場合は、該非遊技状態が一定期間継続していなくとも、遊技者設定値として記憶されている音量及び光量をクリアし、音量及び光量をホール設定値に設定するようにしても良い。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1においては、導光板11a,11bの内部に入射する光を発光する表示用LED62aや表示用LED62bの発光強度(光量)が調整されてしまうことなく、パチンコ遊技機1に設けられた右発光部28R、左枠LED28b、天ランプモジュール530、演出表示装置9を発光させるための右枠LED28c、左枠LED28b、回転体用LED、バックライト9d等の発光強度(光量)を調整できるので、該発光強度(光量)の調整によって導光板11a,11bの反射部510,511による第1画像や第2画像が視認し難くなってしまうことを防ぐことができる。
また、前記実施例においては、電力供給の停止から復旧したときに、電断検出処理においてバックアップした遊技者設定値に対応した値で装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dの輝度が自動的に遊技者設定データに基づく遊技者設定値に設定されるので、再度、遊技者が設定する面倒を解消することができる。
また、前記実施例においては、遊技終了後に、店員等が特別な操作をしなくとも遊技者設定値に対応した輝度を非操作時設定であるホール設定値の光量(発光強度)に戻されるので、パチンコ遊技機1の利便性を向上させることができるとともに、新たな遊技者に、前の遊技者の遊技者設定値が無用に引き継がれてしまい、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1においては、音量の調整部と光量の調整部とを有する図33の設定調整画面が表示されるため、遊技者は、所望の音量と輝度とを個別に設定することが可能となるので、音量と輝度とを個別に設定できないことによってパチンコ遊技機1の興趣が低下してしまうことを回避できる。
また、前記実施例のパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の設置状況や遊技場の営業状況に応じて遊技者による設定調整画面からの音量と輝度とを設定することを規制したい場合に、設定切替スイッチ300においてチェンネルを「3」または「4」に設定する操作を行うことで、遊技者による設定調整画面からの音量と輝度との設定を制限することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、操作レバー600及び操作ボタン516を操作することで、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量と、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dから出力される光の光量とを遊技者が設定する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前回の遊技において遊技者が設定した音量及び光量の遊技者設定値を、携帯端末901を介してパチンコ遊技機1に入力することで、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技毎に操作レバー600及び操作ボタン516を操作することにより音量と光量とを設定する手間を省くようにしても良い。
具体的に変形例1として図34〜図37に基づいて説明する。図34は、本変形例1における遊技システムを示す構成図である。本変形例の遊技システムは、図34に示すように、遊技場に設置されたパチンコ遊技機1と、インターネットに接続された管理サーバ900と、遊技者が携行する携帯端末(携帯電話機)901と、から構成され、パチンコ遊技機1と管理サーバ900とは、携帯端末901の2次元コード読み取り機能及びインターネットへの接続機能を介してデータのやり取りを行うことが可能となっている。
また、この遊技システムにおけるパチンコ遊技機1は、大当り遊技中または小当り遊技中ではなく、保留記憶が存在せずに演出図柄の変動が実行されていない非遊技状態において、遊技者によって操作ボタン516が操作されることで、図示しないメニュー画面が演出表示装置9の表示画面に表示するようになっている。パチンコ遊技機1は、該メニュー画面において遊技者によって更に操作レバー600及び操作ボタン516が操作されることで、図35に示すように、今回の遊技における遊技関連情報を2次元コードとして出力するようになっている。尚、遊技関連情報としては、今回の遊技における大当り回数、スーパーリーチ回数、クリアミッション数等の遊技に直接関わる遊技情報の他、遊技者設定値として遊技者が設定したスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量の設定値と、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの光量の設定値と、が含まれている。
これら2次元コードに含まれる遊技関連情報は、携帯端末901の2次元コード読み取り機能により読み取られた後、携帯端末901のインターネットへの接続機能により管理サーバ900に送信され、該管理サーバ900に記憶される。
一方、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を開始する際には、遊技者は、携帯端末901を用いて管理サーバ900にアクセスすることで、管理サーバ900から管理サーバ900で記憶されている遊技関連情報を含むパスワードを携帯端末901にて受信する。
また、パチンコ遊技機1は、前記メニュー画面が演出表示装置9の表示画面に表示されている状態で、遊技者によって更に操作レバー600及び操作ボタン516が操作されることで、図36に示すように、遊技者が携帯端末901にて受信した遊技関連情報を含むパスワードを入力するためのパスワード入力画面を表示するようになっている。パチンコ遊技機1は、該パスワード入力画面を表示している状態で遊技者が操作レバー600及び操作ボタン516を操作することで、パスワードを受け付ける。
図37に示すように、パスワードを受け付けたパチンコ遊技機1は、該受け付けたパスワードを解析することで、大当り回数、スーパーリーチ回数、クリアミッション数、遊技者設定値として遊技者が設定したスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量の設定値、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの光量の設定値等の遊技関連情報を抽出する。そして、大当り回数、スーパーリーチ回数、クリアミッション数等の遊技情報を今回の遊技において加算可能なように所定領域にセットし、遊技者設定値として遊技者が設定したスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量の設定値、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dの光量の設定値を遊技情報とは異なる所定領域(遊技者設定データ記憶領域)に格納する。
そして、パチンコ遊技機1が節電モードであるか否か、つまり、設定切替スイッチ300のチャンネルが遊技者により音量及び光量の設定を調整不可能なチャンネル3またはチャンネル4に設定されているか否かを判定する。
パチンコ遊技機1が節電モードである場合は、遊技者設定としてのスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dから出力される光の光量をセットせず、節電モードにおける音量の初期値と光量の初期値とでスピーカ27L,27R,27a,27bからの音量の出力と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dからの光の出力を行う。
また、パチンコ遊技機1が節電モードでない場合は、音量の遊技者設定値がホール設定値の調整可能範囲内、つまり、設定切替スイッチ300のチャンネルが0〜2の場合は、音量が『0』または『1』であるか否か、設定切替スイッチ300のチャンネルが5〜Aの場合は、音量が『2』〜『9』の範囲内であるか否か、設定切替スイッチ300のチャンネルがB〜Fの場合は、音量が『2』〜『14』の範囲内であるか否かを判定する。
音量の遊技者設定値がホール設定値の調整可能範囲内である場合は、パチンコ遊技機1における音量に、遊技者設定値をセットし、音量の遊技者設定値がホール設定値の調整可能範囲外である場合は、パチンコ遊技機1における音量を、遊技者が設定可能な音量の値の中から最も音量の遊技者設定値に近い値をセットする。
具体的には、設定切替スイッチ300によって設定されているチャンネルが0〜2のいずれかである場合、音量の遊技者設定値が『0』または『1』であれば、パチンコ遊技機1における音量に該遊技者設定値をセットし、音量の遊技者設定値が『2』〜『14』のいずれかであれば、パチンコ遊技機1における音量に『1』をセットする。また、設定切替スイッチ300によって設定されているチャンネルが5〜Aのいずれかである場合、音量の遊技者設定値が『2』〜『9』のいずれかであれば、パチンコ遊技機1における音量に該遊技者設定値をセットし、音量の遊技者設定値が『10』〜『14』のいずれかであれば、パチンコ遊技機1における音量に『9』をセットし、音量の遊技者設定値が『0』または『1』であれば、パチンコ遊技機1における音量に『2』をセットする。また、設定切替スイッチ300によって設定されているチャンネルがB〜Fのいずれかである場合、音量の遊技者設定値が『2』〜『14』のいずれかであれば、パチンコ遊技機1における音量に該遊技者設定値をセットし、音量の遊技者設定値が『0』または『1』であれば、パチンコ遊技機1における音量に『2』をセットする。
そして、光量の遊技者設定値と、設定切替スイッチ300によりセットされているチャンネルにおける遊技者が設定可能な光量の値とを比較し、パチンコ遊技機1における光量を、遊技者が設定可能な光量の値の中から最も光量の遊技者設定値に近い値をセットする。
具体的には、設定切替スイッチ300によって設定されているチャンネルが0〜2または5〜Aのいずれかである場合は、光量の遊技者設定値が『100%』、『65%』、『30%』のいずれかであれば、パチンコ遊技機1における光量に該遊技者設定値をセットし、光量の遊技者設定値が『75%』または『50%』であれば、パチンコ遊技機1における光量に『65%』をセットする。また、設定切替スイッチ300によって設定されているチャンネルがB〜Fのいずれかである場合は、光量の遊技者設定値が『100%』であれば、パチンコ遊技機1における光量に該遊技者設定値をセットし、光量の遊技者設定値が『65%』であれば、パチンコ遊技機1における光量に『75%』をセットし、光量の遊技者設定値が『30%』であれば、パチンコ遊技機1における光量に『50%』をセットする。
そして遊技者が前記メニュー画面において操作レバー600及び操作ボタン516を操作することで遊技を終了すると、パチンコ遊技機1は、前記所定領域に格納されている大当り回数、スーパーリーチ回数、クリアミッション数等の遊技情報を今回の遊技における遊技情報に更新し、該更新した遊技情報と遊技者設定としてのスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量を示す音量データ、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dから出力される光の光量を示す光量データと、を含む遊技関連情報から2次元コードを生成し、図35に示すように、生成した2次元コードを演出表示装置9の表示画面に表示する。尚、パチンコ遊技機1は、2次元コードを演出表示装置9の表示画面に表示することで、該パチンコ遊技機1に記憶されている遊技者設定値を消去するようにしても良い。
遊技者は、前述したように、該2次元コードを携帯端末901によって読み取った後、2次元コードに含まれている大当り回数、スーパーリーチ回数、クリアミッション数、音量データ、光量データ等の遊技関連情報を携帯端末901のインターネットへの接続機能を介して管理サーバ900に送信する。
このように、該変形例1におけるパチンコ遊技機1にあっては、遊技者が遊技毎に音量及び光量を別途調整する手間を省くことができるとともに、パチンコ遊技機1側で許容されている許容範囲内で、遊技者が所望する音量及び光量に最も近い音量及び光量を自動的に設定することができる。
尚、該変形例1では、遊技を開始する際に携帯端末901を用いて管理サーバ900にアクセスすることで、管理サーバ900から管理サーバ900で記憶されている遊技関連情報を含むパスワードを携帯端末901にて受信し、遊技者が該パスワードを演出表示装置9の表示画面に表示されるパスワード入力画面から入力することで、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、バックライト9dから出力される光の光量をパチンコ遊技機1に設定可能としたが、本発明はこれに限定されず、管理サーバ900に記憶されている音量の音量データ及び光量の光量データは、携帯端末901を用いて管理サーバ900にアクセスすることで、予め遊技者の所望の設定値に設定可能とし、遊技者がパチンコ遊技機1において遊技を行うためにパスワードを管理サーバ900から受信する際には、予め遊技者の所望の設定値に設定された音量の音量データ及び光量の光量データを含むパスワードが出力され、パチンコ遊技機1において遊技者の所望の設定値の音量及び光量が設定されるようにしても良い。
また、前記実施例では、CPU86が演出図柄変動開始処理のステップS823の処理を実行することで、導光板ユニット11において多数の星が配置された画像または多数の稲妻状のパターンが配置された画像あるいは両方の画像が表示される予告演出A〜Cを実行したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、RTC200から取得する時刻情報に基づいて、複数台のパチンコ遊技機1において一斉に実行される一斉演出等において導光板ユニット11を用いるようにしても良い。尚、このように、導光板ユニット11を用いた一斉演出を実行する場合には、個々のパチンコ遊技機1において光量の調整が遊技者において実施されても、導光板ユニット11の光量は100%に維持されるので、一斉演出を実施する各パチンコ遊技機1において導光板ユニット11の光量が異なって一斉演出の興趣が低下してしまうことを回避できるようになる。
具体的に変形例2として図38に基づいて説明する。図38は、本変形例2での演出制御プロセス処理において実行される特別演出処理を示すフローチャートである。尚、本変形例2の演出制御プロセス処理においては、タイマ割込毎に最初に該特別演出処理を実行した後、演出制御プロセスフラグに応じてステップ800〜ステップS806のいずれかの処理を実行するようになっている。
本変形例2の特別演出処理では、CPU86は、先ず、一斉演出が実行中であるか否かを示す一斉演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS601)。一斉演出実行中フラグがセットされていない場合は(ステップS601;No)、RTC200から現在時刻情報を取得し(ステップS602)、該取得した現在時刻情報が一斉演出の開始時刻を示す時刻情報であるか否かを判定する(ステップS603)。取得した現在時刻情報が一斉演出の開始時刻を示す時刻情報でない場合は(ステップS603;No)、特別演出処理を終了し、取得した現在時刻情報が一斉演出の開始時刻を示す時刻情報である場合は(ステップS603;YEs)、一斉演出実行中フラグをセットする(ステップS604)。なお、本実施の形態では、一斉演出実行中フラグがセットされている場合にエラーが発生すると演出音の音量がゼロになるが、エラーが解除されると演出音の音量は設定した値に戻るので、エラーが発生している遊技機以外の遊技機が実行している演出音とズレが生じずに一斉演出に復帰することができる。つまり、本実施の形態は、実行中の演出を停止してエラー報知を行なっている訳ではない。
そして、一斉演出期間タイマに一斉演出期間を示す値を設定するとともに(ステップS606)、一斉演出制御パターンを選択し(ステップS607)、一斉演出プロセスタイマをスタートする。尚、本実施例で選択される一斉演出制御パターンは、導光板ユニット11において各表示用LED62a,62bを間欠点灯することで各導光板11a,11bにおいて多数の星が配置された画像と稲妻状のパターンが配置された画像を所定間隔毎に表示させていき、パチンコ遊技機1において何らかの現象(例えば、大当り等)が起きそうなことを演出する演出制御パターンである。
尚、本実施例における一斉演出は、演出表示装置9における変動表示や演出の表示とは関わり無く導光板ユニット11の各導光板11a,11bにおいて多数の星が配置された画像と稲妻状のパターンが配置された画像を所定間隔毎に表示させていく演出であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、一斉演出としては、これら導光板ユニット11の各導光板11a,11bにおいて多数の星が配置された画像と稲妻状のパターンが配置された画像の所定間隔毎の表示と、演出表示装置9における表示とを連動させるようにしても良い。
ステップS608の処理の実行後は、CPU86は、一斉演出プロセスデータ1の内容に従って導光板ユニット11の制御を実行し(ステップS609)、特別演出処理を終了する。
また、ステップS601の処理において一斉演出実行中フラグがセットされている場合は(ステップS601;Yes)、CPU86は、一斉演出プロセスタイマを−1するとともに(ステップS630)一斉演出期間タイマを−1し(ステップS631)、一斉演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップS632)。一斉演出期間タイマがタイマアウトしている場合は(ステップS632;Yes)、表示用LED62a,62bを消灯することで各導光板11a,11bに表示されている多数の星が配置された画像と稲妻状のパターンが配置された画像の表示を消去(終了)し(ステップS633)、一斉演出実行中フラグをクリアして(ステップS634)特別演出処理を終了する。
ステップS632の処理において一斉演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は(ステップS632;No)、CPU86は、一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(ステップS635)。一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は(ステップS635;No)、特別演出処理を終了し、一斉演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は(ステップS635;Yes)、一斉演出プロセスデータを切り替えるとともに(ステップS636)、次の一斉演出プロセスタイマをスタートする(ステップS637)。そして、次の一斉演出プロセスデータの内容に従って導光板ユニット11の制御を実行して特別演出処理を終了する。
また、前記実施例では、演出表示装置9に設定調整画面が表示されている状態で遊技者が操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光量(輝度)を遊技者設定値として調整可能とする一方で、導光板ユニット11から出力される光量は調整不可能となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、導光板ユニット11の光量(表示用LED62a,62bから出力される光量)を、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光量とともに操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで調整可能としても良い。
但し、この場合は、変形例3として図39に示すように、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光量の遊技者設定値が『100%』である場合は、導光板ユニット11から出力される光量の遊技者設定値を『100%』に設定する。
そして、操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光量の遊技者設定値を『75%』に設定した場合は、導光板ユニット11から出力される光量の遊技者設定値を『90%』に設定し、操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光量の遊技者設定値を『65%』に設定した場合は、導光板ユニット11から出力される光量の遊技者設定値を『80%』に設定し、操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光量の遊技者設定値を『65%』に設定した場合は、導光板ユニット11から出力される光量の遊技者設定値を『80%』に設定し、操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光量の遊技者設定値を『50%』に設定した場合は、導光板ユニット11から出力される光量の遊技者設定値を『75%』に設定し、操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光量の遊技者設定値を『30%』に設定した場合は、導光板ユニット11から出力される光量の遊技者設定値を『60%』に設定する。尚、これら導光板ユニット11の光量設定は、前述したステップSs19aにおいて、遊技者設定値に基づいて、該遊技者設定値に対応する上記設定値(光量設定)を設定すれば良い。
このように、導光板ユニット11の光量を、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dの光量とともに操作ボタン516及び操作レバー600を操作することで遊技者が調整可能とする場合は、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dの光量の変化割合よりも少ない変化割合とすることで、遊技者設定値よりも導光板ユニット11の光量が高くなるように調整されるので、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dの光量調整によって、各導光板11a,11bの反射部510,511による第1画像や第2画像が視認し難くなってしまうことを防ぐことができる。
また、一斉演出実行中には、遊技者が調整した音量および光量を変更して実行してもよい。たとえば、遊技者が音量および光量を50%に設定していたとしても、一斉演出実行中には、全ての遊技機が一律に音量および光量を100%に設定する。また、遊技機が節電モードに設定されていても、一斉演出実行中には、音量および光量を100%に設定してもよい。もちろん、遊技機が節電モードに設定されているときには、全ての遊技機が一律に音量および光量を50%に設定してもよい。また、一斉演出実行中の音量および光量の設定は、全ての遊技機を一律に設定する場合に限定されず、たとえば、音量および光量が50%未満に設定されている遊技機のみ50%に設定し、音量および光量が50%以上に設定されている遊技機は設定を維持するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技者設定値として、設定切替スイッチ300のセットされているチャンネルに応じて、音量を0〜14の範囲で段階的に設定可能とし、光量を30%〜100%の範囲で段階的に設定可能としたが、本発明はこれに限定されず、遊技者設定値としての音量と光量とは、設定切替スイッチ300のセットされているチャンネルに応じた範囲内であれば、少なくともいずれか一方を無段階に設定可能としても良い。
また、前記実施例では、ホール(遊技場)の店員等が設定切替スイッチ300のつまみ301をチャンネル0〜Fのいずれかに切り替えることで、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量の初期値と、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光の光量の初期値とを、一括して各チャンネルに対応した値に設定したが、本発明はこれに限定されず、音量の初期値を設定するための音量用設定切替スイッチと光量の初期値を設定するための光量用設定切替スイッチとを設けることで、ホール(遊技場)の店員等が音量の初期値と光量の初期値とを個別に設定可能としても良い。
また、前記実施例では、遊技中における所定のタイミングで演出を実行するために操作される操作レバー600及び操作ボタン516を、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dの光量とを設定するために使用したが、本発明はこれに限定されず、これら操作レバー600及び操作ボタン516とは個別に、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量と、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dの光量とを設定するため音量・光量設定用の操作部をパチンコ遊技機1の遊技者が操作可能な位置に設け、遊技者は、該操作部を操作することで、スピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dの光量とを設定するようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技中または小当り遊技中でなく、且つ保留記憶が存在せず演出図柄が変動していない場合に限り、遊技者が操作ボタン516を操作することで演出図柄プロセスフラグが0であり、保留記憶及び未解析コマンドが無い場合、つまり、大当り遊技中または小当り遊技中ではなく、保留記憶が存在せずに演出図柄の変動が実行されていない非遊技状態に限り、操作ボタン516を長押し操作することでスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光の光量を設定可能としたが、本発明はこれに限定されず、演出図柄の変動中や大当り遊技中または小当り遊技中においても、遊技者が操作ボタン516を操作することでスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dから出力される光の光量を設定可能としてもよい。
また、前記実施例では、設定無効化タイマが大当り遊技中または小当り遊技中ではなく、保留記憶が存在せずに演出図柄の変動が実行されていない非遊技状態が所定期間継続する(設定無効化タイマが0となる)ことで、設定無効化処理において音量及び光量の遊技者設定値をクリアしたが、本発明はこれに限定されず、打球誘導レール(図示略)等の遊技球の通過経路近傍に遊技球の発射を検知するための発射センサを設け、該発射センサにおいて遊技球の発射を所定期間検出しないことで設定無効化処理において音量及び光量の遊技者設定値をクリアするようにしても良い。
また、前記実施例では、ホール(遊技場)の店員等が設定切替スイッチ300のツマミ301をチャンネル0〜Fのいずれかに切り替えた後にパチンコ遊技機1の電源を入れることで、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dにて出力される光量の初期値及びスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量の初期値を設定したが、本発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1の電源を入れた後であっても、ホール(遊技場)の店員等が設定切替スイッチ300のツマミ301をチャンネル0〜Fのいずれかに切り替えることで、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、演出表示装置9のバックライト9dにて出力される光量の初期値及びスピーカ27L,27R,27a,27bから出力される音量の初期値を設定できるようにしても良い。
また、前記実施例では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9で変動表示される演出図柄などの変動パターンをCPU86に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンをCPU86に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連や滑り演出等の有無、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、CPU86は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様についてはCPU86の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、パチンコ遊技機1において遊技者が操作ボタン516を長押しすることで音量及び光量を変更可能としたが、本発明はこれに限定されず、音量及び光量を変更可能な構成は、スロットマシンにおいても適用してもよい。スロットマシンにおいて音量及び光量を変更する場合は、例えば、演出用ボタンやMAXベットボタン、リールの停止ボタンの長押し等によってスロットマシンの演出表示装置に図35に示すような音量及び光量を調整可能な設定調整画面を表示し、演出用ボタンやMAXベットボタン、リールの停止ボタン等の操作によって音量及び光量を変更可能とすれば良い。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では実施していないが、導光板ユニット11に第1画像や第2画像を表示するときに、これら第1画像や第2画像の視認性を向上させるために、第1画像や第2画像と同様の画像を、演出表示装置9に表示するようにしても良い。尚、この場合にあっては、演出表示装置9と導光板ユニット11とが、図8に示すように、離間して配置されているために、視差が生じることから、演出表示装置9に表示する第1画像や第2画像の大きさを、視差に対応するように、導光板ユニット11における第1画像や第2画像よりもやや大きい画像を表示するようにすれば良い。
また、前記実施例では、導光板ユニット11を図8に示すように演出表示装置9の前面側に重なるように配置する場合について説明したが、これに限られず、演出表示装置9の表示領域と重ならないように導光板ユニット11を配置してもよい。また、導光板ユニット11は、遊技枠のガラス扉と同じ領域で発光可能に設けられていてもよい。
また、前記実施例では、図8に示すように演出表示装置9の前面側に、演出表示装置9の表示と連携される導光板ユニット11が配置される場合について説明したが、これに限られない。たとえば、可動式の導光板ユニットを用いて、通常は演出表示装置の周辺の空間(遊技盤の裏面側など)に退避させておき、演出実行時にのみ導光板ユニット11を演出表示装置9の前面側に配置させて演出表示装置9の表示と連携されるエフェクト画像を表示してもよい。
また、前記実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信されるエラー報知指定コマンドと図23に示すテーブルに基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ81が、発生している異常の重要度を判定する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ156が、図23に示すテーブルをROM54に格納しておき、異常の重要度まで判定した状態の異常種別を指定するコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81に送信してもよい。演出制御用マイクロコンピュータ81は、受信した異常種別を指定するコマンドに基づき、異常報知を行なう。
また、前記実施例において、図23に示した異常の重要度は、時間帯に応じて設定が変更される場合であってもよい。たとえば、ドア開放エラーは、昼間等の営業時間内においては店員などがドアを開く場合もあるため重要度が「低」として設定されるが、夜間などの営業時間外では通常ドアが開放されることはないため、重要度が「高」として設定される。
また、前記実施例では、発光および音により異常を報知する場合について説明したが、これに限られず、枠ランプもしくは導光板の発光のみ、またはスピーカから出力される音のみにより異常を報知する場合であってもよい。
また、前記実施例では、重要度が「高」と「低」の2種類である場合について説明したが、これに限られず、「高」、「中」、「低」などの3種類であってもよく、またこれ以上の種類があってもよい。さらに、異常種別および重要度が一対一で対応している場合について説明したが、これに限られない。たとえば、異常報知の種別として5つある場合に、異常種別1〜3までは重要度が「低」の異常を対応させるなどとしてもよい。
また、前記実施例では実施していないが、CPU86は、図31のSr3において、演出制御プロセスフラグが変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値であるか否かで設定無効化処理の有無を判断していたが、図柄確定コマンドを受信したか否かで設定無効化処理の有無を判断する場合であってもよい。具体的には、図柄確定コマンドを受信していない場合には、CPU86は設定無効化処理を終了する。図柄確定コマンドを受信している場合には、CPU86は、設定無効化タイマの値を1減算更新する(ステップSr4)。すなわち、CPU86は、タイマのカウントを開始する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156が、図柄確定コマンドと同じタイミングでデモコマンドを送信するように構成されている場合には、CPU86は、図31のSr3において、図柄確定コマンドの代わりにデモコマンドを受信したか否かで設定無効化処理の有無を判断する場合であってもよい。
また、前記実施例では、出球が多い大当りと出球が少ない大当りとで異常報知の遅延時間を異ならせる場合について説明したが、本発明はこれに限られず、大当り中の演出に応じて遅延時間を異ならせてもよい。たとえば、通常の大当り中の演習を行なう場合に比べ、大当り中に遊技者がボタン連打などの操作が必要な演出(たとえば昇格演出など)を行なう場合、遅延時間の方が長く設定してもよい。これにより、遊技者は、異常報知(下皿満タンエラー報知)を解消するための操作(球抜き操作)をせずに、ボタン連打などの操作に集中することができる。
また、前記実施例では、異常報知を実行する場合に導光板を発光させるか否かを店舗側で設定することができるように構成してもよい。
また、前記実施例では、異常報知を実行して導光板を発光させる場合であっても、特別図柄保留記憶表示器18に表示する保留記憶数、リーチの発生時等において演出表示装置9の画面内に縮小して表示され飾り図柄(小図柄)、第4図柄表示領域に表示する第4図柄、および特別図柄表示器8に表示する特別図柄などのすべてまたは一部について遊技者が確認できるようにしてもよい。
また、前記実施例では、枠ランプおよび表示用LED62a,62bを制御することで、異常報知を実行する場合について説明したが、さらに演出表示装置9のバックライト9dを点灯または点滅制することで、異常報知を実行する場合であってもよい。これにより、より多くの異常報知パターンを実現することが可能となる。