まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称することもある)を正面からみた正面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機1の前面側、奥側(内方側)を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
図1及び図2に示すように、パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠100と、この外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠(図示略)と、で主に構成されている。この前面枠の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿部4aの本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図3を参照)が設けられていればよい。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技盤6は、遊技領域7が遊技盤面(前面)側に形成されたベニヤ板からなり、遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)等の遊技に関連する遊技用部品が組み付けられる遊技盤ユニット260が一体的に組み付けられている(図2参照)。
遊技領域7の中央付近には、演出用の飾り図柄(演出図柄ともいう)を変動表示(可変表示ともいう)する複数の変動表示領域を含む演出表示装置9(可変表示装置)が、遊技盤6の開口の臨むように設けられている。演出図柄の可変表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御される。
尚、本実施例では、不透明な遊技盤6を使用しているので演出表示装置9を、遊技盤6の図示しない開口に臨むように配置しているが、透明な遊技盤6を使用する場合には、透明な遊技盤を通して演出表示装置9の表示を遊技者が視認できるので、開口を設けないようにしても良い。
遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図3参照)が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(可変)表示を行う。演出表示装置9は、後述する演出制御基板80(演出実行手段)に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)等の各デバイスによって制御される。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間(可変表示時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間(可変表示時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
これら第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける変動表示と演出表示装置9における演出図柄の変動(可変)表示とは、後述するように、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける変動表示が開始されること連動して開始され、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける変動表示が停止されることと連動して停止されるように同期しており、これら演出表示装置9における識別情報である演出図柄の変動(可変)表示も、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aまたは第2始動口15bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(演出図柄の組合せによる停止図柄)を導出表示する。
演出表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図3参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41(図3参照)が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部には、効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。尚、以下の説明では、スピーカ27L、27R、27a、27bと総称してスピーカ27と表記する場合がある。遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、遊技制御基板(主基板)31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力される信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下してくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8並びに演出表示装置9における図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、例えば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。
停止時の特別図柄表示器8並びに演出表示装置9における図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8並びに演出表示装置9での変動表示の停止時における図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、演出表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる、いわゆる電チューサポート制御が実行される。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および演出図柄の変動表示が所定回数(例えば100回)行なわれるまでの、いずれか一方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13、13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および演出図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および演出図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
演出表示装置9において変動表示される演出図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに演出図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに演出図柄の表示結果が導出表示されて演出図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、演出表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および演出図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と演出表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、演出表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、演出表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、演出表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、演出表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する擬似連等の大当り予告演出が行なわれる場合がある。
この実施例の場合は、大当りとして、後述するように通常大当りCおよび確変大当りAというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りCは、大当り遊技状態の終了後に前述した確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りAは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図2及び図5を参照して説明する。図2は、遊技機を背面から見た背面図である。図2に示すように、パチンコ遊技機1の背面側では、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット(図示略)、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板(図示略)、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。なお、遊技制御基板31は基板収納ケース150に収納されており、演出制御基板80は基板収納ケース270に収納されている。これら基板収納ケース150,270は、いずれも透光性を有するアクリル板等の部材により構成されている。
さらに、パチンコ遊技機1の背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板90が設けられている。電源基板90には、パチンコ遊技機1における遊技制御基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、遊技制御基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
なお、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLED(発光ダイオード)などの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。なお、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置である。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(例えば、始動口信号等)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケース97aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ43が設けられている。球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ43が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球貯留皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図3には、パチンコ機1に搭載されている払出制御基板37、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号のほか、電源断信号およびクリア信号、リセット信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路58と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切り替えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、時刻情報やカレンダ情報等を出力可能なRTC(リアルタイムクロック)と、パチンコ遊技機1における後述する各種設定を設定するための設定切替スイッチ300と、演出制御基板80の動作状況(正常、異常)や異常な回路部分を報知するための1つのLEDから成る報知用LED400と、が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および演出図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R(ランダムR)として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および演出図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路58に入力される。電源断信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路58に入力される。クリア信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
尚、本実施の形態では、主基板31とともに、演出制御基板80にもバックアップ電源が供給されていて、演出制御基板80についても主基板31と同様にバックアップされている。また、本実施の形態では、電断信号の出力回路やバックアップ電源の電源回路を電源基板に設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの電断信号の出力回路やバックアップ電源の電源回路を主基板31に設けるようにしても良いし、主基板31と演出制御基板80とに個別の電断信号の出力回路やバックアップ電源の電源回路を設けるようにしても良い。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを演出制御基板80に送信(出力)する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に送信(出力)する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を、出力回路78を介して送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちデモ指定コマンドや変動表示コマンドが含まれる。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、演出表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
尚、本実施の形態の遊技制御用マイクロコンピュータ156は、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過することで演出制御基板80に対して客待ちデモ指定コマンドを送出しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、始動入賞が発生せず保留記憶数が0且つ大当り遊技中でなければ、特別図柄の変動終了後、前記所定時間の経過を待たずして直ぐに演出制御基板80に対して客待ちデモ指定コマンドを送出するようにしても良い。このように遊技制御用マイクロコンピュータ156が特別図柄の変動終了後、前記所定時間の経過を待たずして直ぐに演出制御基板80に対して客待ちデモ指定コマンドを送出する場合、演出制御基板80は、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドを客待ちデモ指定コマンドと判定した時点から前記所定時間の計測を開始し、該所定時間が経過することで演出表示装置9に所定の客待ちデモを表示させるようにすれば良い。
尚、本実施の形態では、パチンコ遊技機1において遊技者が遊技を行なっていない状態の他、遊技者が遊技を行なっていても、始動入賞が発生せず保留記憶数が0且つ大当り遊技中でないことで演出表示装置に客待ちデモが表示されている状態を非遊技状態として定義する。
また、変動表示コマンドは、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
演出制御基板80には、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御、並びにスピーカ27L、27R、27a、27bからの音出力制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられているステージ装飾LED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。また、該設定切替スイッチ300が操作されることで演出表示装置9に各種設定画面を表示する。設定切替スイッチ300は、図2及び図5に示すように、演出制御基板80にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されており、基板収納ケース270に形成された切欠部270aを介して遊技盤ユニット260の外方から操作可能となっている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、演出制御基板80の動作状況等に応じて報知用LED400の点灯制御を行う。報知用LED400は、設定切替スイッチ300と同様に演出制御基板80にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されており、遊技盤ユニット260の外方から点灯(報知)態様を視認することが可能となっている。
図8(A)は、この実施の形態で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図8(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図8(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9で変動表示される演出図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図8(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前決定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前決定結果及び大当り種別決定結果を通知する第4変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前決定結果を示す第5変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8F00Hは、演出表示装置9で演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、第1始動口15aを通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ14aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、第2始動口15bを通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ14bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、始動入賞記憶表示エリア5Hなどにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値がいずれの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ通過処理または第2始動口スイッチ通過処理(図10参照)において、始動入賞の発生に基づき、変動表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別決定用の乱数値がいずれの決定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての乱数値が含まれる決定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ81のCPU86は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドに設定されている値に基づいて、変動パターン種別決定用の乱数値が所定範囲の決定値に含まれる場合には変動パターン種別を認識できる。
尚、図8に示す演出制御コマンドは、本パチンコ遊技機1において主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの一部を示すものであり、これらの演出制御コマンド以外の演出制御コマンドが、演出制御基板80に送信される。
尚、これら主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドは、全て演出制御基板80において解析できるように、演出制御基板80に予め設定(定義付け)されているので、基本的には、主基板31から送信される演出制御コマンドは、全て演出制御基板80にて解析できるものであるが、これら演出制御コマンドとして、開発段階や動作検証時においてのみ使用される特殊な演出制御コマンドや、兄弟機等の他の遊技機でのみ使用され、該パチンコ遊技機1において削除されず残っている演出制御コマンドが送信されたり、演出制御基板80以外の基板に送信されるコマンドが誤って送信される場合があり、これらのコマンドが送信された場合には、後述するコマンド解析処理において解析することができない未定義コマンドであると判定されるようになっている。
図4に示すように、演出制御基板80は、CPU86、RAM85を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、入力回路260を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、各種の演出において演出表示装置9に表示する画像に関するデータや表示の開始タイミングや終了タイミング等のタイムチャート等が演出の種別毎に記憶されており、RAM85には、後述するように、未定義コマンドの受信履歴や遊技者が設定した遊技者設定値等のデータが記憶されている。また、CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、演出表示装置9に表示する画像の生成やバックライト9cの発光強度の調整等の演出表示装置9の表示制御を行わせる表示制御処理を実施する。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。
VDP262は、図4に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納されるCGROM205、フレームバッファ領域(VRAM領域)として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
CPU86は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81(CPU86)と共動して、各スピーカ27R、27L、27a、27bから出力する音を生成する音声処理IC173とD/AコンバータIC177並びに該D/AコンバータIC177にてアナログ信号に変換された音信号(生成音)を増幅するデジタルアンプ175が演出制御基板80に搭載されており、CPU86は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて音番号(ID)データを音声処理IC173に出力して、該音番号(ID)データに対応する音を音声処理IC173に生成させる。
音声処理IC173は、演出制御用マイクロコンピュータ81から音番号データが入力されると、該入力された音番号データに応じた音声や効果音を、各スピーカ27R、27L、27a、27b毎に個別に生成しデジタルアンプ175に出力する。デジタルアンプ175は、D/AコンバータIC177の出力レベルを、演出制御用マイクロコンピュータ81(CPU86)により設定されている音量レベルに応じた音量に増幅して各スピーカ27R、27L、27a、27bに出力する。
音声処理IC173には、図4に示すように、音データROM174がローカルに接続されている。この音データROM174には、音番号(ID)データに対応付けて該音番号(ID)データが該当する演出コマンドにより実施される各種演出に対応した音を出力するための各スピーカ27R、27L、27a、27b毎の音制御データが格納されている。つまり、これら音制御データは、演出期間(例えば飾り図柄の変動期間)において各スピーカ27R、27L、27a、27bから出力する効果音または音声の出力態様(音量レベル、音像を定位される位置、エコー等のエフェクトの有無等)が時系列的に音源データとともに記述されたデータの集まりである。
このように、本実施の形態では、図5に示すように、演出制御基板80には演出制御用マイクロコンピュータ81、音声処理IC173、VDP262が個別に搭載されている。このうち演出制御用マイクロコンピュータ81と音声処理IC173は、同様に演出制御基板80に搭載されている報知用LED400の発光態様によって状態の報知を行うことが可能となっている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81には、前述したRTC200、設定切替スイッチ300、報知用LED400がローカルに接続されており、RTC200から出力される時刻データが演出制御用マイクロコンピュータ81に入力され、設定切替スイッチ300からの信号が演出制御用マイクロコンピュータ81に入力されるとともに、報知用LED400に駆動信号を出力することで、該報知用LED400の点灯制御を演出制御用マイクロコンピュータ81が実施できるようになっている。
次に、設定切替スイッチ300について説明する。図6に示すように、設定切替スイッチ300は、0〜Fまでの計16個のチャンネルを備えており、これらチャンネルをツマミ301を回動操作することで切り替えるセレクタスイッチである。本実施の形態では、図7(A)に示すように、ホール(遊技場)の店員等が設定切替スイッチのツマミ301をチャンネル0〜Bのいずれかに切り替えた後にパチンコ遊技機1の電源を入れることで、遊技者が遊技を可能な遊技モードと、ホール(遊技場)の店員等が設定切替スイッチのツマミ301をチャンネルD〜Fのいずれかに切り替えた後にパチンコ遊技機1の電源を入れることで、ホール(遊技場)の店員がパチンコ遊技機1の各種設定を行うための設定モードと、を選択可能となっている。尚、本実施の形態では、チャンネルCは予備チャンネルであるため特定の機能を有していないが、パチンコ遊技機1の仕様によってはチャンネルCに特定の機能を与えるようにしても良い。
具体的には、チャンネル0〜Bは、遊技モードに割り当てられている。図7(B)及び図7(C)に示すように、この遊技モードにおいて、チャンネル0及びチャンネル6は、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量レベルを、最も小さいレベル1(ボリューム1)に設定するチャンネルである。また、チャンネル1及びチャンネル7は、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量レベルを、レベル1よりも大きいレベル2(ボリューム2)に設定するチャンネルであり、チャンネル2及びチャンネル8は、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量チャンネルを、レベル2よりも大きいレベル3(ボリューム3)に設定するチャンネルである。
更に、チャンネル3及びチャンネル9は、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量レベルを、レベル3よりも大きいレベル4(ボリューム4)に設定するチャンネルであり、チャンネル4及びチャンネルAは、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量レベルを、レベル4よりも大きいレベル5(ボリューム5)に設定するチャンネルであり、チャンネル5及びチャンネルBは、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量レベルを、レベル5よりも大きいレベル6(ボリューム6)に設定するチャンネルである。本実施の形態ではレベル6(ボリューム6)が最も大きい音量レベルである。
また、チャンネル0〜Bのうち、設定切替スイッチ300がチャンネル0〜5に設定されている場合には、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技中に、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量と、装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の各種発光手段の光量とを調整することが可能となっている。尚、設定切替スイッチ300がチャンネル0〜5に設定されている場合に遊技者が設定可能な音量レベルの最大値(最大レベル)は、各チャンネルに応じたレベル(ボリューム)までであり、該最大値の範囲内においてのみ遊技者が設定可能とされている。
また、チャンネル0〜Bのうち、設定切替スイッチ300がチャンネル6〜Bに設定されている場合には、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技中に、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の各種発光手段の光量のみ調整することが可能となっていて、音量レベルの設定は不能とされている。尚、各種発光手段の光量の調整は、設定切替スイッチ300がチャンネル0〜5に設定されている場合とチャンネル6〜Bに設定されている場合のいずれにおいても4段階まで可能であり、遊技場が設定の上限を設定することはできないが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら光量の調整についても、音量の場合と同様に、遊技場が遊技者による設定の上限を設定できるようにしても良い。尚、本実施の形態では、設定切替スイッチ300がチャンネル6〜Bに設定されている場合には、上述したように、光量の調整のみが可能であって音量の調整が不能とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定切替スイッチ300がこれらチャンネル6〜Bに設定されている場合において、音量の調整のみを可能として光量の調整を不能としても良いし、音量の調整並びに光量の調整の双方を不能としても良い。
一方、図7(A)に示すように、チャンネルD〜Fは、設定モードに割り当てられている。このうちチャンネルDは、パチンコ遊技機1の機種毎の固有な設定を行う機種固有設定処理に割り当てられており、チャンネルEは、バックアップデータの詳細設定やバックアップデータのクリア等を実行する特殊設定処理に割り当てられている。更に、図7(D)に示すように、チャンネルFは、節電モードの設定のオン・オフ、RTCの時刻情報の設定を実行するホール向け設定処理に割り当てられている。
次に、パチンコ機1の動作について説明する。パチンコ機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降の図示しないメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。尚、バックアップRAM領域とは、RAM55の所定領域に設けられた記憶領域である。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、演出表示装置9において変動表示される演出図柄(飾り図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ81である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図9に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ81に対して、変動パターン設定処理において送信設定がなされた演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様を、変動表示結果がハズレ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にハズレ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組合せが停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果を、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様という。
この実施例では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである所定の図柄(小当りの種別に対応する所定記号)が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示態様が後述する「確変大当りB」である場合と同様に演出図柄の変動表示が行われた後、所定の小当り図柄(確変大当りB図柄と同じ図柄。例えば「355」等)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である所定の図柄(記号)が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の変動表示態様という。
図10および図11は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動口15aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち、第1始動口15aへの始動入賞が発生していたら、該始動入賞に対応する変動表示において、大当りとなるかやスーパーリーチとなるか等を判定し、該判定結果を含む始動入賞時判定結果指定コマンドを送信する第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。また、CPU56は、第2始動口15bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14bがオンしていたら、すなわち第2始動口15bへの始動入賞が発生していたら、大当りとなるかやスーパーリーチとなるか等を判定し、該判定結果を含む始動入賞時判定結果指定コマンドを送信する第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS313,S314)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:変動表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ81に対して各種演出制御コマンドを送信するための送信設定を行うとともに、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ81に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ81に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技制御用マイクロコンピュータ156が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ81に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ81に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段である演出制御基板80の動作を説明する。図12は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的には、CPU86)が実行するサブCPUメイン処理を示すフローチャートである。
サブCPUメイン処理において、CPU86は、まず、割込禁止に設定する(ステップSs1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップSs2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップSs3)。なお、ステップSs2では、演出制御用マイクロコンピュータ81の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU86は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップSs4)。ステップSs4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる演出制御用マイクロコンピュータ81は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)(いずれも図示せず)も内蔵している。
次いで、CPU86は、RAM85をアクセス可能状態に設定し(ステップSs5)、設定切替スイッチ300のチェック処理に移行する。
設定切替スイッチ300のチェック処理において、CPU86は、設定切替スイッチ300のチャンネルがD〜Fのいずれかに設定されているか否かを判定する(ステップSs6)。設定切替スイッチ300のチャンネルがD〜Fのいずれかに設定されている場合は(ステップSs6;Yes)、ホール(遊技場)の店員等がパチンコ遊技機1の各種設定を行う演出設定処理(図21参照)を実行し、設定切替スイッチ300のチャンネルがD〜Fのいずれにも設定されていない場合は(ステップSs6;No)、バックアップ処理として、後述する電源断検出処理におけるステップSd2及びステップSd3の処理が実行されているか否かを、所定のバックアップ領域にチェックデータが格納されているか否かに基づいて判定する(ステップSs7)。
バックアップ処理が実行されていない場合(チェックデータが格納されていない場合)は(ステップSs7;No)、ステップSs11に進み、バックアップ処理が実行されている場合(チェックデータが格納されている場合)は(ステップSs7;Yes)、RAM85の所定領域に設けられたバックアップデータ記憶領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップSs8)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU86は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
後述する電源断検出処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはチェックデータとしてバックアップデータ記憶領域に保存される。ステップSs8では、算出したチェックサムとチェックデータとして保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップデータ記憶領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップデータ記憶領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、バックアップデータ記憶領域に誤ったバックアップデータが記憶されていることになるので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される後述する初期化処理(ステップSs11〜Ss12の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば(ステップSs8;Yes)、CPU86は、演出制御基板80を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理を行う。具体的には、RAM85のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータにより、遊技者が遊技中に設定した装飾LED25a,左枠LED28b,右枠LED28c,天ランプモジュール内の各LED等の光量及びスピーカ27L,27R,27a,27bから発せられる音量等の設定データ、未定義コマンド受信履歴を復旧し(ステップSs9)、RAM85のバックアップデータ記憶領域に格納されているバックアップデータをクリアする(ステップSs10)。そして、ステップSs13の処理に移行する。
尚、本実施の形態では、演出制御基板80の復旧処理において遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データ、未定義コマンド受信履歴を復旧した後、バックアップデータをクリアしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データ、未定義コマンド受信履歴を復旧した後もバックアップデータは保持したままであっても良いし、これらバックアップデータは、SRAMに記憶されることで消えないものであっても良い。また、本実施の形態におけるバックアップデータとは、前述の遊技者が遊技中に設定した光量及び音量等の設定データ、未定義コマンド受信履歴の他、節電モードの設定のオン・オフ、電源断検出処理が実行された時点での所定個数(例えば50個)の演出制御コマンドの受信履歴、保留記憶数、パチンコ遊技機1の電源が投入されている累計時間、遊技球の総発射数、パチンコ遊技機1におけるベースや大当り当選確率等の遊技データ、総出玉数等を含んでいる。
初期化処理では、CPU86は、RAMクリア処理を行う(ステップSs11)。そして、装飾LED25a,ステージ装飾LED25b,左枠LED28b,右枠LED28c,天ランプモジュール530等の各種発光手段におけるLEDの光量及びスピーカ27L,27R,27a,27bから発せられる音量等の設定データを、初期化する。ステップSs10またはステップS12の処理の実行後、CPU86は、ホール(遊技場)の店員が設定する音量及び光量のホール設定値が存在する場合は、初期値として、該ホール設定値を作業領域に順次設定する一方、ホール(遊技場)の店員が設定する音量及び光量のホール設定値が存在しない場合(工場の出荷時の状態で、ホールによって設定が実施されていない状態の場合)は、初期値として、予め設定されている初期レベルを作業領域に順次設定する。(ステップSs13)。
尚、本実施の形態では、後述するように、遊技者設定値を無効化する設定無効化処理をサブCPUタイマ割込処理にて実施することで、営業が終了して電源をOFFする前に遊技者設定値がクリアされるので、営業開始前の起動時においては、遊技者設定値が記憶されていないのが通常であるが、これら設定無効化処理が何らかの理由により、遊技者設定値が消去されていない可能性もあるので、例えば、ステップSs13の処理を実行する前に、遊技者設定値が記憶されているか否かを判定し、記憶されている場合には、該遊技者設定値を消去して無効化するようにしても良い。また、ステップSs38の処理を実施せずに、上記したステップSs13の処理の前においてのみ、遊技者設定値を無効とするようにしても良い。
この実施の形態では、設定切替スイッチ300が工場の出荷時の状態である設定の値を初期値として、ホールの設定値とは区別しているが、これら設定切替スイッチ300を変更しないで使用することも、ホールが初期値を選択したことになるので、これら初期値もホール(遊技場)の店員が設定する音量及び光量のホール設定値に含めるようにしても良い。尚、工場の出荷時の設定としては、設定切替スイッチ300を、音量及び光量が最小となる位置にて出荷することが好ましい。
また、ホール(遊技場)による設定切替スイッチ300の操作の有無にかかわらず、設定切替スイッチ300の位置による設定値を、一義的に設定するようにしても良い。
尚、これら設定切替スイッチ300による設定は、電源投入時おいてのみ可能であって、電源投入時おいて設定切替スイッチ300の位置により設定されている設定値が、電源投入後に電源が切れるまで有効とされる。
また、CPU86は、演出図柄の変動表示中に実行される演出の決定等に使用するために演出制御基板80に搭載されている乱数回路(図示せず)を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップSs14)。
そして、CPU86は、音声処理IC173とVDP262の初期化処理を開始するとともに(ステップSs15)、音声処理ICの初期化処理中における状態を報知用LED400の発光態様にて報知する初期化報知を開始する(ステップSs16)。
初期化報知の開始後、CPU86は、音声処理IC173及びVDP262の初期化処理が完了したか否かを判定する(ステップSs17)。これらの初期化の完了判断は、例えば、初期化が完了して動作可能状態に移行したことを示す所定の信号が音声処理IC173やVDP262から出力されてきたか否かを判定することにより判定すれば良い。音声処理IC173及びVDP262の初期化処理が完了していない場合は(ステップSs17;No)、ステップSs17の処理を音声処理IC173及びVDP262の初期化処理の完了まで巡回実施し、音声処理IC173及びVDP262の初期化処理が完了した場合は(ステップSs17;Yes)、音声処理IC173の初期化完了報知を開始する(ステップSs17a)。そして、該初期化完了報知の報知期間が終了したか否かを判定する(ステップSs17b)。尚、本実施の形態における初期完了報知の報知期間は10秒に設定されている。初期化完了報知の報知期間が終了していない場合は(ステップSs17b)、ステップSs17bの処理を初期化完了報知期間が終了するまで巡回実施し、初期化完了報知の報知期間が終了した場合は(ステップSs17b;Yes)、報知用LED400の報知態様を通常の連続点灯状態に移行する(ステップSs18)。
尚、この実施の形態では、上記したように、初期化処理において初期化完了報知を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら初期化完了報知を、サブCPUタイマ割込処理やループ処理において実行することで、これら音声処理IC173及びVDP262の初期化の期間中においてCPU86が、タイマ割込によって、初期化以外の処理を実行できるようにしても良い。
また、この実施の形態では、音声処理IC173及びVDP262の初期化を同時に実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、音声処理IC173の初期化とVDP262の初期化と初期化の完了判断とを個別に実施するとともに、各初期化の報知態様を異なるようにして、音声処理IC173の初期化とVDP262のいずれの初期化が実施されているかを報知用LED400にて報知するようにしても良い。
尚、ステップSs16における音声処理IC173の初期化処理中の報知用LED400は、図26(B)に示すように50ミリ秒の点灯と消灯を繰り返す一方、ステップSs17aにおける音声処理IC173の初期化完了時の報知用LED400は、500ミリ秒の点灯と消灯を10秒間繰り返すようになっている。また、ステップSs18における報知用LED400は、図26(A)に示すように、連続点灯状態として常時点灯するようになっている。報知用LED400が連続点灯状態で常時点灯している状態は、音声処理IC173の初期化処理中でも主基板31からのコマンド受信時、または後述する未使用コマンド受信時でもない、何ら演出制御基板80において異常が発生していないことを示す。
このように、本実施の形態では、CPU86が報知用LED400の点灯及び消灯を制御しているので、パチンコ遊技機1の電源投入後に報知用LEDが点灯しない場合は、少なくともCPU86が搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81に何らかの異常が生じていることが判る。また、パチンコ遊技機1の電源投入後に実行される50ミリ秒の点灯と消灯の繰り返しが長時間続く場合は、音声処理IC173の初期化が終了しないことにより、音声処理IC173に何らかの異常が生じていることが判る。
そして、設定データに基づいて音量の設定値及び光量の設定値を設定する(ステップSs19)。尚、このステップSs19において設定される音量の設定値は、ステップSs11及びステップSs12が実行されているときはホール(遊技場)の店員等が設定切替スイッチ300を用いて設定したホール設定値が設定され、ステップSs9及びステップSs10が実行されているときは遊技者が遊技中に設定した遊技者設定値が設定されるようになっている。また、本実施の形態における光量の設定値は、ステップSs11及びステップSs12が実行されている場合とステップSs9及びステップSs10が実行されている場合とのいずれにおいても、最大値(後述する4)に設定されるようになっている。
ステップSs19の実行後、CPU86は、所定時間(例えば4ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように演出制御用マイクロコンピュータ81に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップSs20)。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU86は、まず、割込禁止状態にして(ステップSs21)、表示用乱数更新処理(ステップSs22)初期値用乱数更新処理(ステップSs23)とを実行して、再び割込許可状態にする(ステップSs24)。すなわち、CPU86は、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして、初期値用乱数更新処理および表示用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする。
尚、表示用乱数更新処理とは、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行するであり、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、例えば、演出図柄の変動中における演出の態様を決定するための判定用乱数を発生するためのカウンタ等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
本実施の形態では、ステップSs15において音声処理IC173とVDP262の初期化処理を開始した後、ステップSs16において音声処理IC173のみの初期化報知を開始するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップSs16においてVDP262のみの初期化報知を開始するようにしても良いほか、ステップSs16において音声処理IC173とVDP262の初期化報知を同時に実行するようにしても良い。尚、ステップSs16において音声処理IC173とVDP262の初期化報知を同時に実行する場合には、音声処理IC173の初期化報知を実行する報知用LEDとVDP262の初期化報知を実行する報知用LEDとを個別に設け、これら報知用LEDによって音声処理IC173とVDP262の初期化報知によって双方の初期化中の状態を個別に把握できるようにしても良い。また、音声処理IC173とVDP262の初期化報知を個別に実行する場合には、音声処理ICの初期化報知とVDP262の初期化報知とを異なるタイミングで実行するようにしても良い。
タイマ割込が発生すると、CPU86は、図13に示すステップSs30〜ステップSs39のサブCPUタイマ割込処理を実行する。サブCPUタイマ割込処理において、まず、RAM85の所定領域に記憶されているタイマ割込フラグをクリアし(ステップSs30)、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップSs31)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU86は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップデータ記憶領域に保存する。次いで、コマンド解析処理を実行する(ステップSs32)。ステップSs32にて実行されるコマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
ステップSs32にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップSs33)。ステップSs33の演出制御プロセス処理では、例えば演出表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27,27R,27a,27bからの音声出力動作、装飾LED25a及びステージ装飾LED25bといった装飾発光体における点灯動作、演出用模型における駆動動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップSs34)その後、省電力モード処理を実行する(ステップSs35)。ステップSs35にて実行される省電力モード処理では、例えば、パチンコ遊技機1を消費電力の少ない省電力状態に移行するための条件が成立したか否かを判定し、省電力状態に移行するための条件が成立しているときに、該省電力状態に移行する処理を行うほか、省電力状態を終了するための条件が成立したか否かを判定して、該省電力状態を終了するための条件が成立したときに、該省電力状態を終了するための設定が行われる。
ステップSs35の省電力モード処理の終了後は、状態報知処理を実行する(ステップSs36)。ステップSs36の状態報知処理では、演出制御基板80に搭載されているCPU86が正常に動作していることや、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156から送信された演出制御コマンドの受信を、報知用LED400の発光態様によって報知する。
ステップSs36の状態報知処理の終了後は、演出設定調整処理を実行する(ステップSs37)。ステップSs37の演出設定調整処理では、パチンコ遊技機1における装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の装飾発光体の光量及びスピーカ27L,27R,27a,27bの音量の調整を遊技者の操作により受け付けて設定する。そして、ステップSs37の演出設定調整処理の終了後は、演出制御基板80に搭載されているRTC200の出力に基づいてその時点の時刻を特定し、該特定した時刻がホール(遊技場)の閉店後の所定時刻である場合において、遊技者によって設定された音量及び光量の設定値を無効化し、ホール(遊技場)の設定値、または、予め設定されている初期レベルに設定する処理が行われる。その後、割込許可状態に設定し(ステップSs39)、処理を終了する。
図14は、図13に示されたサブCPUタイマ割込処理における省電力モード処理(ステップSs35)を示すフローチャートである。省電力モード処理では、CPU86は、先ず、RAM85の所定領域に省電力中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSm1)。省電力中フラグがセットされていない場合は(ステップSm1;No)、省電力タイマがカウント中であるか否かを判定する(Sm2)。省電力タイマがカウント中でない場合は(ステップSm2;No)、演出プロセスフラグが0であるか否かを判定する(ステップSm3)。
演出プロセスフラグが0でない場合は(Sm3;No)、処理を終了し、演出プロセスフラグが0である場合は(Sm3;Yes)、省電力モードの移行設定が有りか否かを判定する(Sm4)。尚、省電力モード移行設定は、後述するホール向け設定処理(ステップSt5)において設定される。省電力モードの移行設定が無い場合は(ステップSm4;No)、処理を終了し、省電力モードの移行設定がある場合は(ステップSm4;Yes)、主基板31からの演出制御コマンドの受信があるか否かを判定する(ステップSm5)。尚、主基板31からの演出制御コマンドの受信があるか否かは、コマンド受信バッファに受信コマンドが有るか否かを判定すれば良い。主基板31から演出制御コマンドの受信がある場合は(ステップSm5;Yes)、処理を終了し、主基板31から演出制御コマンドの受信が無い場合は(ステップSm5;Yes)、遊技者操作入力有りか、つまり、遊技者によりレバースイッチ510a〜510d、ボタンスイッチ516aのいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップSm6)。遊技者操作がある場合は(ステップSm6;Yes)、処理を終了し、遊技者操作がない場合は(ステップSm6;No)、省電力タイマのカウント(例えば、3分に相当するカウント)を開始して処理を終了する。
また、ステップSm2において省電力タイマがカウント中である場合には(ステップSm2;Yes)、省電力タイマを−1し(ステップSm11)、省電力タイマがタイマアップしたか否かを判定する(ステップSm12)。省電力タイマがタイマアップしていない場合は(ステップSm12;No)、処理を終了し、省電力タイマがタイマアップした場合は(ステップSm12;Yes)、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力と装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の各種発光手段におけるLEDを消灯し、省電力状態に移行する(ステップSm13)。そして、ステップSm13の実行後は、RAM85の所定領域に省電力中フラグをセットして処理を終了する。
また、ステップSm1において、省電力中フラグがセットされている場合は(ステップSm1;Yes)、主基板31からの演出制御コマンドの受信があるか否かを判定する(Sm21)。主基板31からの演出制御コマンドの受信がある場合は(ステップSm21;Yes)、ステップSm23に進み、主基板31からの演出制御コマンドの受信がない場合は(ステップSm21;No)、遊技者操作入力有りか、つまり、遊技者によりレバースイッチ510a〜510d、ボタンスイッチ516aのいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップSm22)。遊技者操作がある場合は(ステップSm22;Yes)、ステップSm23に進み、遊技者操作がない場合は(ステップSm22;No)、処理を終了する。
ステップSm21において主基板31からの演出制御コマンドの受信がある場合(ステップSm21;Yes)、またはステップSm22において遊技者操作がある場合は(ステップSm22;Yes)、各スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の各種発光手段におけるLEDを開始して省電力状態を終了し(ステップSm23)、省電力タイマをクリアするとともに(ステップSm23’)、省電力フラグをリセットして(ステップSm24)処理を終了する。尚、ステップSm23で開始されるスピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の各種発光手段におけるLEDの発光の光量は、遊技者設定値が存在していれば遊技者設定値に設定され、遊技者設定値が存在していなければホール設定値に設定される。更に、ホール設定値が存在していない場合、音量及び光量は予め設定されている初期レベルに設定される。
図15は、図13に示されたサブCPUタイマ割込処理における状態報知処理に(ステップSs36)を示すフローチャートである。状態報知処理では、CPU86は、先ず、報知タイマがカウント中であるか否かを判定する(ステップSj1)。報知タイマがカウント中である場合は(ステップSj1;Yes)、ステップSj10に進み、報知タイマがカウント中でない場合は(ステップSj1;No)、主基板31からの演出制御コマンドの受信があるか否かを判定する(Sj2)。主基板31からの演出制御コマンドの受信がない場合は(ステップSj2;No)、処理を終了し、主基板31からの演出制御コマンドの受信がある場合は(ステップSj2;Yes)、RAM85の所定領域に未定義コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップSj3)。
未定義コマンド受信フラグがセットされていない場合は(ステップSj3;No)、所定時間1として50ミリ秒を報知タイマにセットして(ステップSj4)、ステップSj5に進み、未定義コマンド受信フラグがセットされている場合は(ステップSj3;Yes)、所定時間2として1秒を報知タイマにセットした後(ステップSj6)、RAM85の所定領域から未定義コマンド受信フラグをクリアして(ステップSj6+)ステップSj5に進む。そして、ステップSj5において報知用LED400を消灯して処理を終了する。尚、未定義コマンド受信フラグは、コマンド解析処理において受信した演出制御コマンドが変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、図柄確定指定コマンド、第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド及びその他の定義コマンドでないと判定された場合にRAM85に記憶されるようになっている。また、未定義コマンド受信履歴は、後述する電源断検出処理において電源断信号の入力があると判断されることで、音量及び光量の遊技者設定データ等とともにバックアップデータとしてRAM85に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納されるようになっている。
また、ステップSj1において報知タイマがカウント中である場合は(ステップSj1;Yes)、報知タイマを−1し(ステップSj10)、報知タイマがタイマアップしたか否かを判定する(ステップSj11)。報知タイマがタイマアップしていない場合は(ステップSj11;No)、処理を終了し、報知タイマがタイマアップした場合は(ステップSj11;Yes)、報知用LED400を点灯して処理を終了する。
この実施の形態では、上記した状態報知処理を行うことで、演出制御基板80において主基板31から通常の演出制御コマンドを受信した場合には、図26(C)に示すように、報知用LED400を1度だけ50ミリ秒消灯した後に点灯させる一方、図26(D)に示すように、出制御基板80において主基板31から未定義の演出制御コマンドを受信した場合には、報知用LED400を1度だけ1秒(1000ミリ秒)消灯した後に点灯させることで、演出制御基板80において未定義コマンドを受信したこと報知する。
尚、本実施の形態では、主基板31から未定義コマンドを受信した場合には、報知用LED400を1秒間消灯した後に点灯させることで演出制御基板80において未定義コマンドを受信したことを報知しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板80において未定義コマンドを受信したことを報知する手段としては、各スピーカ27L,27R,27a,27bからの音声出力や演出表示装置9による画像表示等のであっても良い。
図16は、図13に示されたサブCPUタイマ割込処理における演出設定調整処理(ステップSs37)を示すフローチャートである。演出設定調整処理では、CPU86は、先ず、演出図柄プロセスフラグが0であるか否かを判定する(ステップSh1)。演出図柄プロセスフラグが0でない場合は(ステップSh1;No)、ステップSh17に進み、演出図柄プロセスフラグが0である場合は(ステップSh1;Yes)、保留記憶があるか否かを判定する(ステップSh2)。保留記憶数の有無は、主基板31から受信した演出制御コマンドに含まれる第1保留記憶数通知及び第2保留記憶数通知のコマンドを参照すれば良い。保留記憶がある場合は(ステップSh2;Yes)、ステップSh17に進み、保留記憶数が無い場合は(ステップSh2;No)、コマンド受信バッファに未解析コマンドが有るか否かを判定する(ステップSh3)。コマンド受信バッファに未解析コマンドがある場合は(ステップSh3;Yes)、ステップSh17に進み、コマンド受信バッファに未解析コマンドが無い場合は(ステップSh3;No)、遊技者によって操作ボタン516の長押し操作有りか否かを判定する(ステップSh4)。
操作ボタン516の長押し操作が無い場合は(ステップSh4;No)、ステップSh17に進み、操作ボタン516の長押し操作が有る場合は(ステップSh4;Yes)、ユーザー調整可能設定有り否か、つまり、設定切替スイッチ300のチャンネルが遊技者により音量の設定値を調整可能な0〜5のいずれかに設定されているか否かを判定する(ステップSh5)。尚、ステップSh4において一度操作ボタン516の長押し操作が有ると判定された場合(ステップSh4;Yes)には、次回のサブCPUタイマ割込処理内で実行される演出設定調整処理でのステップSh4の判定においても、操作ボタン516の長押し操作有り(ステップSh4;Yes)と判定する。このようにステップSh4の処理を実行することで、複数回のサブCPUタイマ割込処理に亘って実行される演出設定調整処理において、操作ボタン516の長押し操作を継続して判定することができる。ユーザー調整可能設定無しの場合は(ステップSh5;No)、ステップSh13に進み、ユーザー調整可能設定有りの場合は(ステップSh5;Yes)、演出表示装置9に図25(A)に示すように、スピーカ27L,27R,27a,27bの音量及び装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の各種発光手段の光量を調整可能な設定調整画面を表示し(ステップSh6)、遊技者による操作レバー600及び操作ボタン516の操作により音量・光量の調整操作を受け付ける第1設定操作受付処理を実行する(ステップSh7)。
尚、本実施の形態における音量のレベル(選択数値)は、設定切替スイッチ300のチャンネル0〜Bと同様にレベル1からレベル6までの6段階に設定されており、光量のレベルは、レベル1〜レベル4までの4段階に設定されている。また、光量のレベルはレベル1が最も小さく、レベル4が最も大きく設定されている。このステップSh6及びステップSh7の設定調整画面では、具体的には、図25(A)に示すように、スピーカ27L,27R,27a,27bの音量のレベル1〜6までを操作レバー600によって選択可能なダイアログと、各種発光手段の光量のレベル1〜4までを操作レバー600によって選択可能なダイアログとが表示されている。遊技者は、操作レバー600を前後に傾動させることで両ダイアログの内から1のダイアログを選択可能となっているとともに、操作レバー600を左右に移動させることで、選択したダイアログにおける音量または光量のレベルを変更可能となっている。そして、遊技者は、最後に操作ボタン516を操作することで、スピーカ27L,27R,27a,27bの音量及び各種発光手段の光量の決定操作を実行可能となっている。
Sh7の処理の実行後、CPU86は、第1設定操作受付処理において音量・光量の調整を決定する決定操作が有りか否かを判定する(ステップSh8)。決定操作が無い場合は(ステップSh8;No)、ステップSh19に進み、決定操作が有る場合は(ステップSh8;Yes)、音量の選択数値は上限以下か、つまり、遊技者が選択した音量のレベル(設定値)が設定切替スイッチで設定されている図23に示すホール設定値以下であるか否かを判定する(ステップSh9)。音量の選択値が上限以下である場合は(ステップSh9;Yes)、音量として遊技者が選択した選択値を特定して(ステップSh10)ステップSh12に進み、音量の選択値が上限を超えている場合は(ステップSh9;No)、音量としてホール設定値でもある上限値を特定する(ステップSh11)。そして、ステップSh10またはステップSh11で特定された数値(遊技者の選択数値またはホール設定値)を、図23に示すように、音量の遊技者設定値として更新する(ステップSh12)。尚、ステップSh11において、ホール設定値が設定されていない場合は、予め設定されている初期レベルをホール設定値である上限値として特定し、ステップSh12の処理で該初期レベルの音量を、音量の遊技者設定として更新する。
ステップSh12の実行後、CPU86は、音量として遊技者が選択した選択値を特定した後(ステップSh16−)、光量の遊技者設定値を更新して(ステップSh16)処理を終了する。
また、ステップSh8において、決定操作が無い場合は(ステップSh8;No)、遊技者の操作レバー600及び操作ボタン516の操作によって設定調整画面に表示されている「メニューに戻る」等が選択入力されることで、設定操作受付処理を終了することが選択されたか否かを判定する(Sh19)。設定操作受付処理を終了することが選択されていない場合は(ステップSh19;No)、処理を終了し、設定操作受付処理を終了することが選択された場合は(ステップSh19;Yes)、ステップSh18に進む。
また、ステップSh5において、ユーザー調整可能設定無しの場合には(ステップSh5;No)、演出表示装置9に図25(B)に示すように、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の各種発光手段の光量のみを調整可能な設定調整画面を表示し(ステップSh13)、遊技者による操作レバー600及び操作ボタン516の操作により光量の調整操作のみを受け付ける第2設定操作受付処理を実行する(ステップSh14)。このステップSh13及びステップSh4の設定調整画面では、具体的には、図25(B)に示すように、各種発光手段の光量のレベル1〜4までを操作レバー600によって選択可能なダイアログが表示されている。遊技者は、操作レバー600を左右に移動させることで、街ダイアログにおける光量のレベルを変更可能となっている。そして、遊技者は、最後に操作ボタン516を操作することで、各種発光手段の光量の決定操作を実行可能となっている。
Sh14の処理の実行後、CPU86は、第2設定操作受付処理において光量の調整を決定する決定操作が有りか否かを判定する(ステップSh15)。決定操作が無い場合は(ステップSh15;No)、処理を終了し、決定操作が有る場合は(ステップSh15;Yes)、ステップSh16−に進む。
更に、ステップSh1において演出図柄プロセスフラグが0でない場合(ステップSh1;No)、ステップSh2において保留記憶が有る場合(ステップSh2;Yes)、ステップSh3において未解析コマンド有りの場合(ステップSh3;Yes)、ステップSh4において操作ボタン516の長押し操作が無い場合(ステップSh4;No)のいずれかの後は、ステップSh7の第1設定操作受付処理またはステップSh14の第2設定操作受付処理の実行中であるか否かを判定する(ステップSh17)。
第1設定操作受付処理とステップSh14の第2設定操作受付処理のいずれも実行中でない場合は(ステップSh17;No)、演出設定調整処理を終了し、第1設定操作受付処理またはステップSh14の第2設定操作受付処理の実行中である場合は(ステップSh17;Yes)、実行中の第1設定操作受付処理または第2設定操作受付処理を終了して(ステップSh18)、演出設定調整処理を終了する。
尚、本実施の形態では、ステップSh9において音量の選択数値が上限以下であるか否かを判定することで、設定可能な音量の範囲を上限値以下に限定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定切替スイッチ300の設定されているチャンネルに応じてそれぞれ音量の下限値を設けることで、該下限値と上限値との間で音量を設定可能としても良い。
また、本実施の形態では、図25に示すように、設定調整画面においてスピーカ27L,27R,27a,27bの音量のレベル1〜6までを操作レバー600によって選択可能なダイアログ及び各種発光手段の光量のレベル1〜4までを操作レバー600によって選択可能なダイアログを表示し、操作レバー600の操作によって各ダイアログから音量及び光量のレベルを選択した後に操作ボタン516を操作することで、音量及び光量の調整を行なっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、パチンコ遊技機1の上皿部3a等に音量及び光量のレベルを直接調整可能な調整パネルを設け、該調整パネルを遊技者が操作することによって音量及び光量の調整を行うようにしても良い。
また、本実施の形態では、ステップSh9において音量の選択数値が設定切替スイッチ300の設定されているチャンネルに応じた上限値以下であるか否かを判定することで、音量を上限値の範囲内で設定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ステップSh6以降の処理においては、音量は上限値を設けずに更新するようにしても良い。
図17は、図13に示されたサブCPUタイマ割込処理における設定無効化処理(ステップSs38)を示すフローチャートである。設定無効化処理では、CPU86は、先ず、スピーカ27R、27L、27a、27bからの音出力の音量と装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530等の各種発光手段の光量に遊技者による調整設定が有るか否かを判定する(ステップSr1)。遊技者による調整設定が有るか否かは、図23に示すように、RAM85の所定領域に遊技者設定値が記憶されているか否かで判定すれば良い。遊技者による調整設定値が無い場合は(ステップSr1;No)、処理を終了し、遊技者による調整設定値が有る場合は(ステップSr1;Yes)、RTC200の出力に基づいて現在時刻を特定する(ステップSr2)。
そして、ステップSr2で特定した時刻がホール(遊技場)の閉店後の所定時刻であるか否かを判定する(ステップSr3)。この本実施の形態における所定時刻とは、ホール(遊技場)の閉店時刻から閉店作業等が完了するまでの期間、つまり、閉店時間を過ぎてからパチンコ遊技機1の電源が確実に投入されている時刻に設定することが望ましい。ステップSr2で特定した時刻がホール(遊技場)閉店後の所定時刻でない場合は(ステップSr3;No)、処理を終了し、ステップSr2で特定した時刻がホール(遊技場)閉店後の所定時刻である場合は(ステップSr3;Yes)、RAM85の所定領域に記憶されている光量、または音量及び光量の遊技者設定値(図23参照)をクリアするとともに(ステップSr4)、音量・光量を設定切替スイッチ300によって設定されているホール設定レベル(ホール設定値)、または、音量・光量のホール設定値が設定されていない場合は、音量・光量の設定レベル(設定値)を予め設定されている初期レベルに設定して処理を終了する。
尚、本実施の形態では、設定無効化処理をサブCPUタイマ割込処理が実行される毎に実行しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、設定無効化処理は、ホール(遊技場)の開店時間直前等の電源投入時においてのみ実行されるようにしても良い。
また、本実施の形態では、ホール(遊技場)の閉店後の所定時間となることでRAM85の所定領域に記憶されている光量、または音量及び光量の遊技者設定値をクリアしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前述した省電力モード処理のステップSm12の処理において省電力タイマがタイマアップした後にRAM85の所定領域に記憶されている光量、または音量及び光量の遊技者設定値をクリアすることで、ホール(遊技場)の営業時間中であっても、パチンコ遊技機1にて遊技が行われていないことを条件にRAM85の所定領域に記憶されている光量、または音量及び光量の遊技者設定値をクリアするようにしても良い。
図18は、図13に示されたサブCPUタイマ割込処理におけるコマンド解析処理(ステップSs39)を示すフローチャートである。コマンド解析処理では、CPU86は、先ず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、CPU86は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)単位にて読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターン指定コマンドであれば(ステップS614)、CPU86は、その変動パターン指定コマンドを、RAM85に形成されている変動パターン指定コマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターン指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、CPU86は、その表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAM85に形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、CPU86は、図柄確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS631)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS632)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS633)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS634)。
受信した制御コマンドがその他の定義コマンドであれば(ステップS636)、CPU86は、受信したコマンドに対応するフラグをセットする(ステップS637)。
受信した演出制御コマンドがその他定義コマンドでもければ(ステップS636;No)、CPU86は受信した演出制御コマンドが未定義コマンドであると判定し、RTC200から時間情報を取得する(ステップS638)。そして、受信した未定義コマンドと時間情報とを、図22に示すように、RAM85の所定領域に記憶されている未定義コマンド受信履歴に追加記憶し(ステップS639)、未定義コマンド受信フラグをRAM85の所定領域にセットする(ステップS640)。
図19は、図13に示されたサブCPUタイマ割込処理における演出制御プロセス処理(ステップSs33)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄(飾り図柄)の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ156から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄(飾り図柄)の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(飾り図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り表示処理(ステップS804)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当り或いは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中或いは小当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):演出表示装置9において、大当り遊技状態或いは小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図20は、図13に示されたサブCPUタイマ割込処理における電源断検出処理(ステップSs31)を示すフローチャートである。電源断検出処理では、CPU86は、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する(ステップSd1)。電源断信号の入力が無い場合は(ステップSd1;No)、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は(ステップSd1Yes)、図23に示す音量及び光量の遊技者設定データ、図22に示す未定義コマンド受信履歴を含むバックアップデータを特定し(ステップSd2)、該特定したバックアップデータをRAM85に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する(ステップSd3)。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを前述したように作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後(ステップSd4)、パチンコ遊技機1のが電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
図21は、図12に示されたサブCPUメイン処理における演出設定処理(Sa25)を示すフローチャートである。演出設定処理では、CPU86は、先ず、設定切替スイッチ300のチャンネルがDに設定されているか否かを判定する(St1)。設定切替スイッチ300のチャンネルがDに設定されている場合は(ステップSt1;Yes)、パチンコ遊技機1の機種毎の固有な設定を行う機種固有設定処理を実行し(ステップSt3)、設定切替スイッチ300のチャンネルがDに設定されていない場合は(ステップSt1;No)、設定切替スイッチ300のチャンネルがEに設定されているか否かを判定する(ステップSt2)。設定切替スイッチ300のチャンネルがEに設定されている場合は(ステップSt2;Yes)、例えば、バックアップデータの詳細設定やバックアップデータのクリア等を実行する特殊設定処理(St4)を実行し、設定切替スイッチ300のチャンネルがEに設定されていない場合は(ステップSt4;No)、設定切替スイッチ300のチャンネルがFに設定されていると判定され、図24に示すように、節電モードの設定のオン・オフ、RTCの時刻情報の設定を実行するホール向け設定処理(ステップSt5)を実行する。このステップSt5におけるホール向け設定処理では、ホール(遊技場)の店員が操作レバ−600及び操作ボタン516を操作することで節電モード(省電力モードの以降設定)のオンとオフを切り替えることと、RTC200の時刻情報の設定とを可能となっている。
以上、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、遊技者が、電断からの復帰時に再度、出力レベルを設定する必要がないので、煩雑さを解消することができるとともに、遊戯者がスピーカ27L,27R,27a,27bの音量や装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の光量の設定をいちいち初期化する煩雑さも解消することができる。
また、翌日の営業開始時に、スピーカ27L,27R,27a,27bの音量や装飾LED25a、ステージ装飾LED25b、天ランプモジュール530、左枠LED28b、右枠LED28c等の光量の設定を確実に初期設定とすることができる。
また、省電力モードへの移行する設定を実施することで、パチンコ遊技機1の電力消費量を低減できるとともに、これら省電力モードへの移行を設定できるので、パチンコ遊技機1の運用上の利便性を向上できる。
また、遊技場側が設定した最大値を超えた出力レベル(設定値)が、遊技者により設定されてしまうことを禁止できるので、これら最大値を超えた出力レベルによる遊技場の運営上において不適切な演出が実行されることを防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、営業終了後において遊技者の設定をクリアする時刻を、RTC200から出力される時刻情報により特定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの時刻を、起動時においてRTC200から出力される時刻情報から特定される時刻と遊技者の設定をクリアする時刻との時間差に該当するカウンタ値を設定しておき、該カウンタ値がカウントアップしたときに、遊技者の設定をクリアする時刻となったと判断するようにしても良く、この場合には、カウンタ値によるカウントを実施する演出制御CPU86が、本発明の計時手段に該当する。
また、前記実施例では、本発明の第3設定手段となる、省電力状態への移行設定を音量や光量の設定と同じく設定切替スイッチ300にて実施する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの設定を個別の設定スイッチにて実施するようにしても良い。
また、前記実施例では、報知用LED400にて、CPU86による制御の状態としてコマンド受信の状態とともに、音声処理IC173及びVDP262による初期化処理の状態を報知する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらCPU86による制御の状態と、音声処理IC173及びVDP262による初期化処理の状態のいずれか一方のみを報知用LED400にて報知するようにしても良い。
また、前記実施例では、制御集積回路を演出制御用マイクロコンピュータ81とし、処理用集積回路を音声処理IC173やVDP262とする、制御集積回路と処理用集積回路とが単一基板に搭載されている形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら制御集積回路を主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ156とし、処理用集積回路を演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81しても良い。尚、この場合にあっては、報知用LEDは、主基板31に設けるようにしても良い。
更には、制御集積回路を主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ156とし、処理用集積回路を主基板31においてソレノイドを駆動する出力回路59としても良い。尚、この場合にあっては、報知用LEDは、主基板31に設ける。
また、前記実施例では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9で変動表示される演出図柄などの変動パターンをCPU86に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンをCPU86に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連や滑り演出等の有無、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、CPU86は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様についてはCPU86の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、報知用LED400を1つのLEDのみとした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら報知用LED400として、報知態様にて報知する内容毎に対応した複数のLEDを設けて、どのような制御の状態や処理状態にあるのかを、どのLEDが点灯しているかによって特定できるようにしても良い。
また、前記実施例では、音声処理IC173とVDP262とを個別の集積回路とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら音声処理IC173とVDP262とを単一の集積回路(IC)としたものであっても良い。