JP2016116485A - 微小粒子捕捉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶液中に含まれる微小粒子を捕捉可能な装置であって、前記捕捉された微小粒子を回収手段で容易に回収可能な装置の提供。【解決手段】微小粒子を捕捉可能な捕捉部を設けた基板10と、基板10と密着させることで前記捕捉部を有した液体保持部40を形成可能な開口部21を設けた可撓性の板20と、可撓性の板20と密着させることで液体保持部40内の液体を密閉可能な蓋体30とを備え、かつ可撓性の板20に設けた開口部の蓋体30側周囲にはシールリップ22を設けており、蓋体30はシールリップ22と密着することで可撓性の板20と着脱可能に密着している微小粒子捕捉装置、及び該捕捉装置と、前記微小粒子を回収可能な回収手段とを備えた、微小粒子回収装置並びに該回収装置をを用いた微小粒子の回収方法。【選択図】図1

Description

本発明は、取り外し可能な蓋体を有した微小粒子を捕捉するための装置であって、前記蓋体を取り外すことで前記捕捉された微小粒子を回収可能な装置に関する。
溶液中に同じ種類の細胞が含まれていたとしても、当該細胞の性質が個々に異なることが知られている(非特許文献1)。一方で、溶液中に含まれる細胞から通常得られる情報は、個々の細胞の情報が平均化された情報となるため、個々の細胞の情報を得ることは難しい。そのため、溶液中に含まれる細胞を個別に解析し、個々の細胞の情報を得ることへの関心が高まっている。
溶液中に含まれる細胞を個別に解析する例として、血中循環癌細胞(Circulating Tumor Cells、以下CTC)の解析があげられる。CTCは癌の転移や再発に重要な役割を果たすと考えられており、CTCの解析が可能になると、癌患者の術後診断や投薬方針を決定することができるため、治療の最適化や効率化につながると考えられる。しかしながら、CTCは未解明な点が多く、またCTCが有する遺伝子の変異やコピー数変化が個々の細胞で異なるという報告もあるため、個別に細胞を解析する必要がある(非特許文献2)。
CTCは血液中に存在する数が血球細胞と比較して非常に少ない。具体的には、血液1mLあたり、赤血球細胞は50億個、白血球細胞は300万から1000万個含まれているのに対し、CTCは10個程度しか含まれない。そのためCTCを解析する際は、多数の血球細胞と少数のCTCとが混合された状態から、CTCを極力ロスすることなく血球細胞から分離した上で解析する必要がある。
溶液中に含まれる細胞を個々に解析する方法として、FACS(Fluorescence−Activated Cell Sorting)や、光ピンセット、誘電泳動、マイクロマニピュレーションを用いた方法が知られている(非特許文献3から5、特許文献1)。FACSとは、蛍光抗体で染色した細胞を液流に乗せて流し、レーザー光の焦点を通過させ、個々の細胞が発する蛍光や前方散乱光、側方散乱光を測定することによって種々の細胞情報を取得し、その情報に基づき特定の細胞を分取する細胞解析方法である。しかしながら特定の細胞を確実に選別することが困難であり、かつソーティングにより細胞が損傷する可能性がある。
光ピンセットは、光を物体に照射した際に生じる光の放射圧を用いて、溶液中の微小粒子を捕捉する技術である。この技術を光学顕微鏡に導入することで、微小粒子(例えば、1つの細胞)を顕微鏡で観察しながら、非接触・非侵襲で捕捉し、三次元的に自由に動かすことができる。誘電泳動は、空間的に不均一な電場で分極した微小粒子(例えば、1つの細胞)に力を作用させて当該微小粒子を操作する技術である。この技術は酵素処理や高電圧を必要としないため前記微小粒子へのダメージが少なく、前記微小粒子を特定の位置へ移動可能な技術である。マイクロマニピュレーションは、マイクロオーダーの微小粒子(例えば、1つの細胞)をマイクロマニピュレーターといった精密な操作が可能な装置を用いて操作する技術である。この技術は高い電場や高い圧力をかける必要がないため前記微小粒子へのダメージが少ない。
前述した、光ピンセット、誘電泳動やマイクロマニピュレーションを用いた方法は、微小粒子を含む溶液の中から当該微小粒子を1個単位で操作可能な方法である。しかしながら、前述した方法により特定の位置に捕捉させた前記微小粒子の採取およびその後の解析には時間がかかる。そのため捕捉から解析までの作業を蓋のない容器で行なうと、作業中に溶液が蒸発し、前記捕捉させた微小粒子が固着して採取できなかったり、乾燥により微小粒子が変質する可能性がある。一方、前記蒸発の問題を解消するために、捕捉および解析作業を蓋のある容器で行なっても、微小粒子を採取するときは一旦、前記蓋を取り外す必要があり、その際、取り外す力により微小粒子の位置が変化し、当該微小粒子が採取できなくなる可能性がある。
前記課題を解決する手段として、光(紫外線)硬化型や熱硬化型のフィルムを蓋として採用する方法もあるが、別途光(紫外線)照射装置や加熱装置が必要なため、装置が大型化する問題がある。
特許5006117号公報
Groria,H.H.,Cancer Research,44,2259−2265(1984) Martina,Auer.et al.,Oncotarget,4,812−813(2013) Fu,AY.et al.,Nature Biotechnology,17,1109−1111(1999) Hellmich,W.et al.,Electrophoresis,26,3689−3696(2005) Voldman,J.,Annual Review of Biomedical Engineering,8,425−454(2006)
本発明の課題は、溶液中に含まれる微小粒子を捕捉可能な装置であって、前記捕捉された微小粒子を回収手段で容易に回収可能な装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の第一の態様は、
微小粒子を捕捉可能な捕捉部を設けた基板と、前記基板と密着させることで前記捕捉部を有した液体保持部を形成可能な開口部を設けた可撓性の板と、前記可撓性の板と密着させることで前記液体保持部内の液体を密閉可能な蓋体とを備えた微小粒子捕捉装置であって、
可撓性の板に設けた開口部の蓋体側周囲にはシールリップを設けており、蓋体は前記シールリップと密着することで可撓性の板と着脱可能に密着している、前記捕捉装置である。
また本発明の第二の態様は、蓋体に、液体保持部内へ液体を導入するための流通部をさらに設けた、前記第一の態様に記載の捕捉装置である。
また本発明の第三の態様は、可撓性の板の蓋体側に可撓性の凸部をさらに複数設け、蓋体はシールリップと密着し、かつ前記凸部と接触することで可撓性の板と着脱可能に密着している、前記第一または第二の態様に記載の捕捉装置である。
また本発明の第四の態様は、凸部の形状が錐体である、前記第三の態様に記載の捕捉装置である。
さらに本発明の第五の態様は、前記第一から第四の態様のいずれかに記載の捕捉装置と、基板に設けた捕捉部に捕捉された微小粒子を吸引することで前記微小粒子を回収可能な回収手段とを備えた、微小粒子回収装置である。
さらに本発明の第六の態様は、以下の(1)から(4)の工程を含む、前記第五の態様に記載の回収装置を用いた、液体に含まれる微小粒子を回収する方法である。
(1)微小粒子を含む液体を液体保持部に導入する工程
(2)液体保持部に導入された液体に含まれる微小粒子を基板に設けた捕捉部に捕捉させる工程
(3)蓋体を可撓性の板から取り外す工程
(4)捕捉部に捕捉された微小粒子を回収手段で回収する工程
また本発明の第七の態様は、前記(2)の工程を誘電泳動力を利用して行なう、前記第六の態様に記載の回収方法である。
また本発明の第八の態様は、前記(3)の工程が、蓋体と可撓性の板との接触面に対し水平方向に蓋体を移動させて取り外す工程である、前記第六または第七の態様に記載の回収方法である。
本発明は、微小粒子を捕捉可能な捕捉部を設けた基板と、前記基板と密着させることで前記捕捉部を有した液体保持部を形成可能な開口部を設けた可撓性の板と、前記可撓性の板と密着させることで前記液体保持部内の液体を密閉可能な蓋体とを備えた微小粒子捕捉装置において、可撓性の板に設けた開口部の蓋体側周囲にはシールリップを設けており、蓋体は前記シールリップと密着することで可撓性の板と着脱可能に密着していることを特徴としている。
本発明は可撓性の板と蓋体との接触面積が小さいため、蓋体を可撓性の板から容易に取り外すことができる。そのため前記取り外す力により、基板に設けた捕捉部に捕捉された微小粒子が移動するリスクを低減させることができる。従って、その後の回収手段による目的とする微小粒子の回収を容易かつ確実に行なうことができる。
本発明の微小粒子捕捉装置の一例を示す分解図である。 図1に示す微小粒子捕捉装置を構成する可撓性の板の断面図である。 本発明の微小粒子回収装置を備えた微小粒子解析装置の一例を示す図である。 本発明の微小粒子捕捉装置において、蓋体を可撓性の板から取り外す工程を示した図である。 実施例で用いた微小粒子捕捉装置を示す分解図である。 図4に示す微小粒子捕捉装置を構成する基板および蓋体の断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の捕捉装置で捕捉する微小粒子の一例として、赤血球や白血球などの血液細胞、がん細胞、臓器組織などの生体試料や、樹脂ビーズ、セラミックス粉体、金属微粒子があげられる。なお本発明の捕捉装置は、捕捉部で捕捉した微小粒子を回収手段で回収することを目的とするため、当該捕捉部で捕捉した微小粒子の移動を制限する必要がある。制限の方法は、微小粒子の性状に応じて適切な方法を採用すればよい。微小粒子が磁性体の場合は捕捉部に磁界を印加し捕捉すればよい。微小粒子が電荷を有していれば捕捉部に電界を印加し捕捉すればよい。微小粒子が細胞などの誘電体であれば、捕捉部と蓋体に交流電荷を印加し誘電泳動力を作用させて捕捉部に導入すればよい。微小粒子がその表面にタンパク質を有している場合は、当該タンパク質の受容体や当該タンパク質に対する抗体を捕捉部に固定化し、タンパク質−受容体相互作用や抗原抗体反応を利用して当該捕捉部へ導入すればよい。微小粒子がその表面に官能基を有している場合は、当該官能基と特異的に結合可能なリガンドを捕捉部に固定化し、当該特異的結合を利用して当該捕捉部へ導入すればよい。またこれらの導入に加え、捕捉部自体に微細な孔を形成することで、捕捉部に捕捉した微小粒子の移動を物理的に制限させてもよい。
なお微小粒子や分散させる液体の導電率が低い(例えば細胞を含む液体や導電率1mS以下(好ましくは200μS以下)の微小粒子を含んだ液体)の場合、誘電泳動力を用いて捕捉部へ導入させると、捕捉部に微小粒子を効率的に導入させることができる点で好ましい。誘電泳動力を用いる場合、具体的には、交流電圧を印加することで誘電泳動を発生させ、保持部内へ微小粒子を導入すればよい。印加する交流電圧は、保持部内の微小粒子の充放電が周期的に繰り返される波形を有した交流電圧であると好ましく、微小粒子が細胞であれば周波数を100kHzから3MHzの間とし、電界強度を1×10から5×10V/mの間とすると特に好ましい(WO2011/149032号および特開2012−013549号公報参照)。
以下、図面を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の微小粒子捕捉装置の一例を図1に示す。また図1に示す微小粒子捕捉装置100を構成する可撓性の板20の断面図を図2に示す。図1に示す微小粒子捕捉装置100は、
微小粒子を捕捉可能な捕捉部(不図示)を設けた基板10と、
基板10と密着させることで前記捕捉部を有した液体保持部40を形成可能な開口部21を設けた可撓性の板20と、
可撓性の板20と密着させることで液体保持部40内の液体を密閉可能な蓋体30とを備えており、
可撓性の板20に設けた開口部21の蓋体側周囲にはシールリップ22を、蓋体30側のその他の領域には可撓性材料からなる円錐状の凸部23を、それぞれ設けており、
蓋体30はシールリップ22と密着し、凸部23と接触することで可撓性の板20と着脱可能に密着している。
基板10は平面状またはほぼ平面状が好ましい。基板10が粗かったり傾斜していると、当該粗い面や傾斜している面に微小粒子が位置した場合、当該微小粒子が容易に移動してしまい、回収が困難となる。また蓋体30を取り外す際のわずかな振動や力の伝搬によっても、前記微小粒子の位置が変化し、回収が困難となる。さらに粗い面や傾斜している面に微小粒子が位置していると、接触面が不均一のため、微小粒子を基板10に設けた捕捉部に固定化する際、強固な力が必要となる。
基板10の材質は、プラスチック、金属、ガラス、セラミックスなどが使用でき、目的に応じて適宜選択または組み合わせればよい。例えば、液体保持部40内の液体に含まれる微小粒子を基板10側から確認したい場合は、透明なガラスやプラスチックを用いればよく、誘電泳動力を用いて微小粒子を基板10に設けた捕捉部に捕捉させたい場合は、金属など導電性を有した材料を用いればよい。また酸化インジウム・スズ薄膜(ITO薄膜)といった導電性を有した透明な薄膜で覆ったガラス板を基板10として用いると、前記2つの目的に合致した基板10となるため好ましい。
可撓性の板20は、基板10と密着させることで液体保持部40を形成させ、蓋体30と適度な圧力で密着させることで液体保持部40内の液体を密閉させるため、可撓性を有する樹脂またはゴムで作製する。可撓性の板20を作製するのに用いる材料の一例として、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム、スチレンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴムがあげられ、液体保持部40に保持する溶媒や使用する温度条件下での安定性や、電気絶縁性、離形性などを考慮し、適宜選択すればよい。中でもシリコーンゴムは、生体に対する反応も少なく、離形性もよい点で、可撓性の板20の材料として好ましい材料といえる。
なお可撓性の板20を用いる代わりに、可撓性を有さない材料を用いて板を作成し、基板10や蓋体30との密着をOリングなどの可撓性を有するゴムパッキンで挟むことで行なう方法もあるが、部品数が増える点、前記板とゴムパッキンとの間の空間に微小粒子を含む液体が流入する可能性がある点、液体保持部40内の液置換や洗浄において液残り等に由来する汚染が発生する可能性がある点で好ましくない方法といえる。また基板10と可撓性の板20とを一体成型する方法もあるが、成型に金型が必要な点、基板10に設ける捕捉部の作成が困難となる点で好ましくない方法といえる。
可撓性の板20に設けた開口部21の蓋体側周囲にはシールリップ22を設けており、シールリップ22と蓋体30とが密着することで、液体保持部40内の液体を密閉させることができる。一方、シールリップ22と蓋体30との接触面積は小さいため、蓋体30を可撓性の板20から取り外す際は、小さな力で取り外すことができる。そのため、捕捉部に捕捉された微小粒子が前記取り外し作業により移動してしまうリスクが低減する。シールリップ22の幅(蓋体30との接触部分)と高さとの比率は、幅に対して高さが高くなると、蓋体30を密着させる際、シールリップ22の形状がくずれるリスクが高まることから、シールリップ22の高さはシールリップ22の幅以下とすると好ましい。なおシールリップ22の幅を広くすると、蓋体30との接触部分が大きくなり、蓋体30を可撓性の板20から取り外す際、大きな力を必要とするため好ましくない。またシールリップ22の高さを極端に低くすると、蓋体30と密着させる際、可撓性の板20の平面部までシールリップ22が押し込まれるため、シールリップ22を設けることによる効果が得られない(つまり、蓋体30を可撓性の板20から取り外す際、大きな力を必要とする)ため好ましくない。従ってシールリップ22の高さは、シールリップ22の幅以下、かつ可撓性の板20の高さ(シールリップ22の高さを除く)の20分の1以上とすると好ましい。
可撓性の板20の蓋体側には、シールリップ22の他に、可撓性の凸部23を複数設けており、蓋体30はシールリップ22と密着し、凸部23と接触することで可撓性の板20と平行に密着している。前記密着状態において、凸部23とシールリップ22による閉鎖空間は発生しない。従って、蓋体30を可撓性の板20から取り外そうとしたときも、前記閉鎖空間による陰圧が発生せず、小さい力で容易に取り外すことができる。凸部23の高さは、蓋体30とシールリップ22と密着させる際、蓋体30と接触できるだけの高さを有していればよく、シールリップ22が有する可撓性や蓋体30と密着させる際の力にもよるが、シールリップ22の高さの0.5から2倍の範囲とすると好ましい。凸部23の形状は蓋体30と接触する方向に対して凸な形状を有し、蓋体30との接触面積を小さくする形状であればよく、一例として、円柱体、角柱体等の柱体や、円錐体、角錐体等の錐体があげられる。中でも凸部23の形状を円錐体、角錐体等の錐体とすると蓋体30を点で接触する形となり、蓋体30を可撓性の板20から取り外す際、凸部23との接触による余計な力をかからないため好ましい。
蓋体30には、液体保持部40内へ液体を導入するための導入口31と液体保持部40内の液体を排出するための排出口32とを設けている。導入口31および排出口32を設けることで、液体保持部40への液体の導入や液体保持部40内の液交換を、蓋体30を可撓製の板20から取り外すことなく行なえる。なお蓋体30は透明な材料(ガラス、プラスチック)で作製してもよく、これにより液体保持部40内の液体に含まれる微小粒子を容易に観察することができる。
本発明の微小粒子捕捉装置に、前記装置の基板に設けた捕捉部に捕捉された微小粒子を吸引することで前記微小粒子を回収可能な回収手段をさらに備えることで、本発明の微小粒子回収装置となる。回収手段により目的とする微小粒子を回収する際、目的とする微小粒子を目視で識別できれば、目的とする微小粒子が捕捉された捕捉部へ回収手段を直接移動させて回収すればよいが、目的とする微小粒子を目視で識別できない場合は、目的とする微小粒子を識別する手段を用いて当該微小粒子を識別した後、当該微小粒子が捕捉された捕捉部へ回収手段を移動させ回収することになる。目的とする微小粒子を識別する手段は、微小粒子の性状に応じて適宜選択すればよく、一例として、粒子の形状で識別する手段、粒子の色(蛍光、発光)で識別する手段、電界や磁界を印加したときの変位の違いで識別する手段があげられる。本発明の微小粒子回収装置を備えた微小粒子解析装置の一例を図3に示す。図3に示す微小粒子解析装置は、
図1に示す微小粒子捕捉装置100と、
微小粒子捕捉装置100をXY方向に移動させるための移動部210と、微小粒子捕捉装置100に設けた捕捉部に捕捉された微小粒子を吸引するノズル220および吸引吐出部部230と、ノズル220で吸引した微小粒子を回収するための回収容器240と、を設けた回収手段200と、
計測部310と解析部320とを設けた、捕捉部に捕捉された微小粒子を識別するための識別手段300と、
を備えている。
図3に示す微小粒子解析装置を用いた微小粒子の回収の一例を以下に示す。
(1)図1に示す微小粒子捕捉装置100を構成する液体保持部40に微小粒子を含む液体を導入する。
(2)液体保持部40に導入された試料に含まれる微小粒子を基板10に設けた捕捉部に捕捉させる(細胞を含む液体のように微小粒子および分散液の導電率が低い場合は、誘電泳動力を利用して導入するとよい)。
(3)蓋体30を可撓性の板20から取り外す。
(4)基板10に設けた捕捉部に照射部(不図示)から光を照射し、当該照射により得られた微小粒子に関する光学情報や電気情報を計測部310で取得する。
(5)計測部310で取得した光学情報や電気情報を解析部320で抽出する。
(6)解析部320で抽出された情報に基づき、回収すべき微小粒子を決定する。
(7)移動部210により、回収すべき微小粒子が捕捉された捕捉部を、ノズル220による吸引位置の直下まで移動させる。
(8)ノズル220を捕捉部まで下降させた後、吸引吐出部230(例えばシリンジポンプ)により前記微小粒子を含む液体を吸引する。
(9)ノズル220を上昇させた後、移動部210により、回収容器240を、ノズル220による吐出位置の直下まで移動させる。
(10)ノズル220を回収容器240近傍まで下降させた後、吸引吐出部230により吸引した液体を回収容器240へ吐出する。
なお前記(3)の操作を行なう際、蓋体30と可撓性の板20との接触面に対し、水平方向に移動させて取り外すとよい(図4(a))。水平方向以外の取り外しかた、例えば図4(b)に示す方法で取り外すと、液体保持部40内の液体が蓋体30に付着し、液体が流動するため、捕捉部に捕捉された微小粒子41が移動するリスクがあるからである。
以下、実施例および参考例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら例の内容に限定されるものではない。
実施例1
実施例で用いた微小粒子捕捉装置100の分解図を図5に、図5に示した微小粒子捕捉装置100を構成する基板10および蓋体30の分解図を図6に、それぞれ示す。基板10は、透明ガラス板10aの上に、孔間隔50μmでアレイ状に約30万個配置された、直径30μm、深さ30μmの細孔を有するITO電極膜10bおよび絶縁体10cを配置した構造となっており、透明ガラス板10a、ITO電極膜10bおよび絶縁体10cで囲まれた空間が捕捉部11として機能する。蓋体30は透明ガラス板30aの下に、ITO電極膜30bを配置した構造となっている。ITO電極膜10bとITO電極膜30bとは導線50で接続されており、信号発生器60により両電極膜へ信号を印加する。可撓性の板20は、図1および2に示す可撓性の板20と同様な構造であり、ジメチルポリシロキサンで成型した厚さ1.0mmの板に、シールリップを高さ200μm、幅2mmで設け、さらに底部250μm、高さ250μmからなる円錐上の凸部を1mm間隔で408個設けている。基板10、可撓性の板20および蓋体30とを密着させた後、金属製の台70およびカバー80で上下方向に挟み、ねじで固定することで微小粒子捕捉装置100を作製した。
作製した微小粒子捕捉装置100を用い、以下に示す方法で目的細胞を回収した。
(1)あらかじめカルセイン−AMで染色した、ヒト非小細胞肺がん由来のSKBR3培養細胞を、300mMマンニトール水溶液に懸濁させた後、当該懸濁液を微小粒子捕捉装置100に導入した。
(2)信号発生器50から、ITO電極膜10bおよびITO電極膜30bへ交流電圧(電圧20Vpp、周波数3MHz、矩形波)を1分間印加し、前記細胞を誘電泳動力により捕捉部11に捕捉させた。
(3)300mMマンニトール水溶液を0.5mL/minで1mL通液し、捕捉部11に捕捉されない細胞を除去した。
(4)微小粒子捕捉装置100を蛍光顕微鏡のステージ上へ載置し観察した。結果、蛍光観察にて目的の細胞が捕捉部に捕捉されていることを確認した。
(5)微小粒子捕捉装置100をステージから取り外した後、カバー80を取り外し、さらに蓋体30を可撓性の板20との接触面に対し水平方向に移動させることで取り外した。蓋体30を取り外す際の力は最大で0.24Nであり、滑らかに取り外すことができた。
(6)蓋体30を取り外した状態の微小粒子捕捉装置100を再び蛍光顕微鏡のステージ上へ載置し観察した。結果、蛍光観察にて目的の細胞が(4)で観察された位置のまま捕捉部に捕捉されていることを確認した。
(7)目的の細胞を回収手段で吸引し、PCRチューブへ吐出することで回収した。前記PCRチューブを蛍光顕微鏡で観察した結果、細胞由来の蛍光を確認し、確かに目的とする細胞が吸引されていることを確認した。
比較例1
可撓性の板20として、シールリップや凸部を設けないシリコーンゴム板(厚さ1.0mm)を用いた他は、実施例1と同様な方法で、細胞を含む液体の導入、蓋体の取り外し、および蛍光顕微鏡での観察を行なった。結果、前記(5)の蓋体30取り外し工程における、蓋体30を取り外す際の力は最大で14Nとなり、可撓性の板20が基板10から外れてしまい、導入した液体が漏出した。また蛍光顕微鏡で観察した結果、捕捉部で捕捉されていた目的細胞の一部が捕捉部から流出していた。
100:微小粒子捕捉装置
10:基板
10a・30a:透明ガラス板
10b・30b:ITO電極膜
10c:絶縁体
11:捕捉部
20:可撓性の板
21:開口部
22:シールリップ
23:凸部
30:蓋体
31:導入口
32:排出口
40:液体保持部
41:(液体保持部内の)微小粒子
50:導線
60:信号発生器
70:金属製の台
80:金属製のカバー
200:回収手段
210:移動部
220:ノズル
230:吸引吐出部
240:回収容器
300:識別手段
310:計測部
320:解析部

Claims (8)

  1. 微小粒子を捕捉可能な捕捉部を設けた基板と、前記基板と密着させることで前記捕捉部を有した液体保持部を形成可能な開口部を設けた可撓性の板と、前記可撓性の板と密着させることで前記液体保持部内の液体を密閉可能な蓋体とを備えた微小粒子捕捉装置であって、
    可撓性の板に設けた開口部の蓋体側周囲にはシールリップを設けており、蓋体は前記シールリップと密着することで可撓性の板と着脱可能に密着している、前記捕捉装置。
  2. 蓋体に、液体保持部内へ液体を導入するための流通部をさらに設けた、請求項1に記載の捕捉装置。
  3. 可撓性の板の蓋体側に可撓性の凸部をさらに複数設け、蓋体はシールリップと密着し、かつ前記凸部と接触することで可撓性の板と着脱可能に密着している、請求項1または2に記載の捕捉装置。
  4. 凸部の形状が錐体である、請求項3に記載の捕捉装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の捕捉装置と、基板に設けた捕捉部に捕捉された微小粒子を吸引することで前記微小粒子を回収可能な回収手段とを備えた、微小粒子回収装置。
  6. 以下の(1)から(4)の工程を含む、請求項5に記載の回収装置を用いた、液体に含まれる微小粒子を回収する方法。
    (1)微小粒子を含む液体を液体保持部に導入する工程
    (2)液体保持部に導入された液体に含まれる微小粒子を基板に設けた捕捉部に捕捉させる工程
    (3)蓋体を可撓性の板から取り外す工程
    (4)捕捉部に捕捉された微小粒子を回収手段で回収する工程
  7. 前記(2)の工程を誘電泳動力を利用して行なう、請求項6に記載の回収方法。
  8. 前記(3)の工程が、蓋体と可撓性の板との接触面に対し水平方向に蓋体を移動させて取り外す工程である、請求項6または7に記載の回収方法。
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