JP2016116446A - 電動機と電動機を備える冷凍機器 - Google Patents

電動機と電動機を備える冷凍機器 Download PDF

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Abstract

【課題】庫内に保管された食品への影響を抑制するため、電動機から生じるアウトガス量の低減を図る。【解決手段】電動機20は、固定子4と、シャフト5と、回転子7と、焼結含油軸受である軸受8と、ハウジング10と、樹脂部であるモールド樹脂11と、を備える。回転子7は、固定子4と対向して位置する。軸受8は、焼結材24とシリコンオイル24cとを含み、シャフト5を回転自在に支持する。軸受8は、シャフト5とともに、ハウジング10に圧入される。軸受8は、シャフト5をラジアル方向に支持する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷蔵庫や冷凍庫などの冷凍機器に用いられる電動機に関するものであり、特に、冷凍機器の庫内に取り付けられる送風機に用いられる電動機に関する。
冷蔵庫や冷凍庫などの冷凍機器は、冷凍機器が有する収納空間で、食品などが保管される。保管された食品などは、収納空間で冷却される。なお、以下の説明において、冷凍機器が有する収納空間を庫内ということもある。
ところで、庫内に用いられる送風機には、有機材料などが使用されることがある。使用された有機材料などからは、ガスが放出されることがある。なお、以下の説明において、放出されるガスは、アウトガスともいう。また、庫内に用いられる送風機は、庫内ファンということもある。
庫内ファンからアウトガスが生じた場合、庫内に保管された食品などの風味を損なうことがある。よって、庫内ファンには、放出されるガスが少なくなるように、低アウトガス性であることが求められる。
ところで、冷蔵庫に代表される冷凍機器は、常時、運転している。よって、冷凍機器に用いられる庫内ファンには、長い駆動寿命を有することが求められる。
庫内ファンの駆動寿命には、庫内ファンに用いられる電動機の構成部品が影響を与える。特に、電動機の構成部品のうち、電動機の回転動作を支える部品は、庫内ファンの駆動寿命に大きな影響を与える。電動機の回転動作には、軸受とシャフトとの摺動部分が大きく関係する。軸受とシャフトとの摺動部分には、摺動動作が円滑に行われるよう、潤滑油が供給される。よって、潤滑油も、庫内ファンの駆動寿命に大きな影響を与える。
従来、直流駆動の庫内ファンに用いられる電動機には、低コストであること、および、長い駆動寿命を有することが求められる。よって、直流駆動の庫内ファンに用いられる電動機には、滑り軸受が使用される。特に、滑り軸受には、軸受内に潤滑油が含浸された焼結含油軸受が多く用いられる。
ところで、軸受に用いられる潤滑油が、長い期間の駆動により減少した場合、軸受とシャフトとの間には金属接触が生じる。軸受とシャフトとの間に金属接触が生じると、庫内ファンに異音が発生することがある。あるいは、軸受とシャフトとの間に金属接触が生じると、シャフトと軸受とが焼き付くことがある。シャフトと軸受とが焼き付くと、庫内ファンは停止する。これらの不具合が生じた場合、庫内ファンは、寿命を迎える。
そこで、庫内ファンに用いられる電動機は、潤滑油を保有する量を増加して、寿命を延ばす工夫がなされてきた。すなわち、電動機は、電動機の内部に大きな空間を確保して、潤滑油を含浸させたフェルトが取り付けられる。潤滑油が含浸されたフェルトは、軸受の周囲に取り付けられる。
図30は、従来の電動機を示す断面図である。
図30に示すように、従来の電動機120は、固定子101と、回転子102と、出力軸側の保持ユニット103と、反出力軸側の保持ユニット104と、を備える。
出力軸側の保持ユニット103は、回転子102を保持する。保持ユニット103は、蓋カバー115が底カバー111に圧入されて、構成される。底カバー111と蓋カバー115との内部には、軸受112と、弾性体であるバネ113と、フェルト114と、が含まれる。軸受112は、回転子102を支持する。バネ113は、軸受112を保持する。フェルト114は、潤滑油を含む。潤滑油は、軸受112と回転子102とが摺動する際、軸受112と回転子102との間に生じる摩擦を少なくする。
反出力軸側の保持ユニット104は、保持ユニット103と同様の構成であり、さらに、スラスト板116を有する。スラスト板116は、回転子102を軸方向、すなわち、スラスト方向に回転子102を支持する(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来の電動機として、フェルトを用いていない電動機が開示されている。他の従来の電動機は、回転子が固定子よりも外側に位置する、アウターロータ型である(例えば、特許文献2参照)。
特開2012−253985号公報 特開平10−178758号公報
しかしながら、従来の電動機には、つぎの改善すべき課題があった。すなわち、従来の電動機に用いられる潤滑油は、基油に合成炭化水素油が使用されている。よって、蒸発した潤滑油が、従来の電動機から庫内に拡散した場合、庫内に保管された食品の風味などを損なうことがあった。
また、図30に示すように、従来の電動機120は、構造上、軸受112が電動機120の外部空間と近い位置に取り付けられる。しかも、従来の電動機120は、軸受112を取り囲むように、潤滑油が含浸されたフェルト114が取り付けられる。従来の電動機120は、フェルト114を用いて、十分な量の潤滑油を電動機120内に確保している。
換言すれば、従来の電動機120は、電動機120内に、多量の潤滑油が存在するため、アウトガス量が多くなる。アウトガス量が多くなれば、従来の電動機120は、食品などの風味を、より損なう可能性が高くなる。
なお、従来の電動機120で使用される合成炭化水素油には、ポリαオレフィン、エステル系、エーテル系、鉱物油系などがある。エステル系には、ジエステルやポリオールエステル等がある。エーテル系には、アルキルジフェニルエーテルなどがある。
また、従来の電動機120には、軸受112の潤滑油として、シリコンオイルを用いることも考えられる。シリコンオイルと合成炭化水素油とを比較した場合、合成炭化水素油は、シリコンオイルよりも有機溶剤系の香りを有する。よって、シリコンオイルを用いれば、合成炭化水素油よりも食品の風味を損なうことが少ない。
しかしながら、軸受112の潤滑油としてシリコンオイルを用いた場合、庫内に拡散したシリコンオイルが、冷凍機器が有するドアスイッチ等の電気的な接点部分に悪影響を与える虞がある。
しかも、シリコンオイルと合成炭化水素油とを比較した場合、シリコンオイルは、合成炭化水素油よりも潤滑性能が劣る。よって、軸受112の潤滑油としてシリコンオイルを用いた場合、軸受部分が回転動作をする際、軸受部分の摩耗が増えることが考えられる。
上述した理由により、軸受112の潤滑油として、シリコンオイルを採用することは、困難であった。
つぎに、特許文献2に開示された、アウターロータ型の電動機は、以下の理由により、冷凍機器に使用することに適していない。
すなわち、一般的に、冷凍機器において、庫内ファンは、庫内ファンが有する電動機の外殻が庫内に固定されて、使用される。電動機は、電動機に含まれるシャフトの軸心方向に沿って外殻が挟み込まれて、庫内に固定される。
一方、アウターロータ型の電動機は、電動機に含まれるシャフトとともに、電動機の外殻が回転する。
よって、電動機の外殻が回転するアウターロータ型の電動機は、電動機の外殻が庫内に固定される庫内ファン用の電動機として、適していない。
また、特許文献2に開示された、アウターロータ型の電動機は、主に、情報機器を冷却するために用いられる。
なお、アウターロータ型の電動機は、冷凍機器のように、長い駆動寿命が求められる使用には適していない。
そこで、本発明における電動機は、庫内に保管された食品への影響を抑制するため、電動機から生じるアウトガス量の低減を図る。
また、本発明における電動機は、庫内ファンの高効率化と小型化、および、長寿命化と高い信頼性の確保とを目的とする。
本発明は、固定子と、シャフトと、回転子と、焼結含油軸受と、ハウジングと、樹脂部と、を備える電動機である。
固定子は、固定子鉄心と、固定子巻線と、を有する。固定子巻線は、固定子鉄心に巻き回される。
シャフトは、回転中心を軸心として、軸心方向に延伸する。
回転子は、固定子と対向して位置する。回転子は、シャフトに取り付けられる。回転子は、平面と、側面と、を有する。平面は、軸心と交差する方向に延伸する。側面は、磁性材を含む。側面は、平面上において、軸心に沿って延伸する。
焼結含油軸受は、焼結材とシリコンオイルとを含み、シャフトを回転自在に支持する。焼結含油軸受は、外周面と、内周面と、第1の端面と、を有する。外周面は、側面と向かい合って位置する。外周面は、軸心に沿って形成される。内周面は、外周面よりもシャフト側に位置する。内周面は、軸心に沿って形成される。内周面は、その表面上にシャフト
と接する、複数の摺接部を含む。第1の端面は、外周面と内周面とを接続する。第1の端面は、軸心方向の一方の端部に位置する。
ハウジングは、開口部と、筒状部と、を有する。開口部は、軸心方向の一方に位置する。筒状部は、外周面および第1の端面と向かい合う、内側表面を含む。筒状部は、軸心に沿って延伸する。
樹脂部は、固定子とハウジングとを保持する。
本発明の電動機は、電動機から発生するアウトガス量を低減して、庫内に保管された食品などへの影響を抑制する。
本発明の実施の形態1における電動機の断面図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる回転子を、図1中、下方から見た概要図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる回転子を、図1中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる他の回転子を、図1中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる他の回転子を、図1中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる回転子を、図1中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる他の回転子を、図1中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態1における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態1における他の電動機の要部断面図 本発明の実施の形態1における他の電動機の断面図 本発明の実施の形態2における電動機の断面図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる回転子を、図14中、下方から見た概要図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる回転子を、図14中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる他の回転子を、図14中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる他の回転子を、図14中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる回転子を、図14中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる他の回転子を、図14中、下方から見た要部拡大図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態2における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態2における他の電動機の要部断面図 本発明の実施の形態3における電動機に用いられる回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態3における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態3における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図 本発明の実施の形態4における冷凍機器を示す説明図 従来の電動機を示す断面図
本発明の各実施の形態における電動機は、後述する構成により、電動機から生じるアウトガス量を低減して、庫内に保管された食品への影響を抑制する。
また、本発明の各実施の形態における電動機は、後述する構成により、高効率であり、長い駆動寿命を得ることができる。
しかも、本発明の実施の形態である電動機は、電動機本体の小型化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面と表とを参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具現化した一例であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
また、以下の説明では、冷凍機器に用いられる庫内ファンの駆動源である電動機が、例示される。庫内ファンは、冷凍機器である、冷蔵庫や冷凍庫等の庫内において、強制的に冷気を循環させる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における電動機の断面図である。図2は、本発明の実施の形態1における電動機に用いられる回転子を、図1中、下方から見た概要図である。
図3から図5は、それぞれ、本発明の実施の形態1における電動機に用いられる回転子を、図1中、下方から見た要部拡大図である。
図6、図8は、それぞれ、本発明の実施の形態1における電動機に用いられる回転子の要部を説明する要部拡大図である。
図7、図9は、それぞれ、本発明の実施の形態1における電動機に用いられる回転子を、図1中、下方から見た要部拡大図である。
図10、図11は、それぞれ、本発明の実施の形態1における電動機に用いられる他の
回転子の要部を説明する要部拡大図である。
図12は、本発明の実施の形態1における他の電動機の要部断面図である。図13は、本発明の実施の形態1における他の電動機の断面図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1における電動機20は、固定子4と、シャフト5と、回転子7と、焼結含油軸受である軸受8と、ハウジング10と、樹脂部であるモールド樹脂11と、を備える。
固定子4は、固定子鉄心1と、固定子巻線3と、を有する。固定子巻線3は、固定子鉄心1に巻き回される。
シャフト5は、回転中心7aを軸心5aとして、軸心方向に延伸する。
回転子7は、固定子4と対向して位置する。回転子7は、シャフト5に取り付けられる。回転子7は、平面7bと、側面7cと、を有する。平面7bは、軸心5aと交差する方向に延伸する。側面7cは、磁性材を含む。側面7cは、平面7b上において、軸心5aに沿って延伸する。
焼結含油軸受である軸受8は、焼結材24とシリコンオイル24cとを含み、シャフト5を回転自在に支持する。焼結含油軸受である軸受8は、外周面8cと、内周面8dと、第1の端面8eと、を有する。外周面8cは、側面7cと向かい合って位置する。外周面8cは、軸心5aに沿って形成される。内周面8dは、外周面8cよりもシャフト5側に位置する。内周面8dは、軸心5aに沿って形成される。内周面8dは、その表面上にシャフト5と接する、複数の摺接部である、第1の摺接部8aと第2の摺接部8bとを含む。第1の端面8eは、外周面8cと内周面8dとを接続する。第1の端面8eは、軸心5a方向の一方の端部に位置する。
ハウジング10は、開口部10aと、筒状部10bと、を有する。開口部10aは、軸心5a方向の一方に位置する。筒状部10bは、外周面8cおよび第1の端面8eと向かい合う、内側表面10cを含む。筒状部10bは、軸心5aに沿って延伸する。
樹脂部であるモールド樹脂11は、固定子4とハウジング10とを保持する。
特に、顕著な作用効果を奏する構成は、以下のとおりである。なお、一部の図面では、図面を見易くするために、撥油剤25の記載を割愛している。
すなわち、図1に示すように、電動機20において、シリコンオイル24cは、雰囲気温度が25℃のとき、粘度が35mPa・sから70mPa・sの範囲のものが使用できる。
また、電動機20において、焼結含油軸受である軸受8は、後述する式2で算出される、ゾンマーフェルト数Sの範囲で使用できる。ゾンマーフェルト数Sは、軸受8の潤滑状態を示す。
すなわち、ηは、シリコンオイル24cの粘度である。nは、シャフト5の回転数である。Pは、シャフト5が焼結含油軸受である軸受8に及ぼす圧力である。rは、シャフト5の半径である。Rは、焼結含油軸受である軸受8の半径である。cは、シャフト5と軸受8との間に生じる片側隙間である。
このとき、片側隙間cは、つぎの式(1)で算出される。
c=R−r ・・・(1)
このとき、ゾンマーフェルト数Sは、つぎの式(2)で算出される。
S=(ηn/P)×(r/c) ・・・(2)
特に、有効な範囲は、ゾンマーフェルト数Sが40から80の範囲である。
また、図1、図2に示すように、電動機20において、回転子7は、さらに、平面7b上に、1つ以上の凸部21を有する。平面7b上には、側面7cが形成される。凸部21は、軸心5aを含む断面において、軸心5a方向に凸となる。凸部21は、軸心5aを中心とする環状である。
なお、図3から図5に示すように、凸部は、つぎの形状でも実現できる。すなわち、図3に示すように、凸部21aは、楕円形の環状でも実現できる。図4に示すように、凸部21bは、六角形の環状でも実現できる。その他、凸部21bは、多角形の環状でも実現できる。図5に示すように、凸部21cは、溝部22を含む環状でも実現できる。
また、図6、図7に示すように、電動機は、2以上の、軸心5aを中心とする環状の凸部21、21dを有することがある。この場合、側面7cが形成される平面7b上において、それぞれの凸部21、21dは、軸心5aを中心とする内径が異なる。
また、図8から図10に示すように、電動機は、2以上の、軸心5aを中心とする環状の凸部21e、21fを有することがある。この場合、軸心5aを含む断面において、それぞれの凸部21e、21fは、平面7bからの高さが異なる。
具体的には、図8、図9に示すように、凸部21e、21fは、一体で、階段状に形成できる。あるいは、図10に示すように、凸部21e、21fは、互いに独立して形成できる。
さらに、図11に示すように、凸部21e、21f、21gは、シャフト5側から側面7c側に向けて、高さが低くなる階段状に形成できる。あるいは、凸部は、シャフト5側から側面7c側に向けて、高さが高くなる階段状に形成できる。
また、図12に示すように、電動機20において、樹脂部であるモールド樹脂11は、平面7bと向かい合う面11aに、平面7bが有する凸部21dに対向して凹となる、凹状段差部11bをさらに有する。
また、図1に示すように、電動機20において、回転子7は、撥油部23を有する。平面7b上において、撥油部23は、凸部21よりも側面7c側に位置する。撥油部23は、撥油剤25を保持する。撥油部23は、軸心5aを中心とする環状である。
また、図1に示すように、第2の端面8fは、焼結含油軸受である軸受8が有する第1の端面8eの反対側に位置する。電動機20は、平面7bと、平面7bと対向して位置する第2の端面8fとの間の距離をA1とする。電動機20は、平面7bと、ハウジング10が有する開口部10aとの間の距離をA2とする。電動機20は、側面7cと、ハウジング10を保持する樹脂部であるモールド樹脂11の表面11cとの間の距離をA3とする。
このとき、回転子7は、距離A1、A2、A3がいずれも1mm以下である。
また、図1に示すように、電動機20において、焼結材24は、粉体24aと、皮膜材24bと、を含む。粉体24aは、鉄を主成分とする。皮膜材24bは、粉体を被覆する。皮膜材24bは、銅を含む。
さらに、図面を用いて、詳細に説明する。
図1に示すように、固定子4は、固定子鉄心1と固定子巻線3との間にインシュレータ2を有する。インシュレータ2は、固定子鉄心1と固定子巻線3とを絶縁する。固定子鉄心1には、固定子巻線3が巻き回される。
固定子4の内側には、回転子7が挿入される。電動機20は、回転子7が固定子4の内側に位置して、回転する。電動機20は、インナーロータ型電動機ともいう。
回転子7は、永久磁石であるフェライト樹脂を含む磁石6を有する。シャフト5は、磁石6の中央を貫通して、磁石6に取り付けられる。シャフト5は、焼結含油軸受である軸受8とともにハウジング10に圧入される。ハウジング10は、金属材料で形成される。軸受8は、シャフト5と接する内側に、第1の摺接部8aと第2の摺接部8bとを有する。シャフト5は、軸受8でラジアル方向に支持される。シャフト5は、スラスト板9でスラスト荷重が支持される。軸受8には、潤滑油としてシリコンオイル24cが含浸されている。潤滑油であるシリコンオイル24cは、シャフト5と軸受8との金属接触を防止する。本実施の形態1において、シリコンオイル24cは、雰囲気温度が25℃のとき、粘度が35mPaのものを用いることができる。
さらに、電動機20には、制御回路を含む、駆動回路が実装された回路配線板14が内蔵される。回路配線板14には、コネクタ13を介してリード線13a等が接続される。回路配線板14は、リード線13aを介して、電動機20の外部から、電源電圧や制御信号等を入力したり、出力したりする。
本実施の形態1における電動機20は、固定子4と、ハウジング10と、回路配線板14と、コネクタ13とが、モールド樹脂11で一体に成型される。
ハウジング10は、中空の円筒状をしたカップ形状である。ハウジング10の内周径は、軸受8の外周径より狭い。よって、軸受8をハウジング10に圧入すれば、シャフト5は、軸受8を介して、ハウジング10によりラジアル方向に支持される。シャフト5は、ハウジング10を介して、モールド樹脂11にも支持される。
さらに、回転子7が、モールド樹脂11の内周側に挿入される。また、蓋カバー12が、モールド樹脂11に圧入される。
モールド樹脂11を成す樹脂材料は、適宜、熱硬化性樹脂の不飽和ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂などから選択できる。また、モールド樹脂11を成す樹脂材料は、適宜、熱可塑性樹脂のポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンテレフタレート系樹脂などからも選択できる。本実施の形態1におけるモールド樹脂11は、熱硬化性樹脂の不飽和ポリエステル樹脂を選択した。
上述した電動機20は、庫内ファンに用いることができる。電動機20が有する回路配線板14には、コネクタ13を介して、電源電圧および制御信号等が供給される。固定子巻線3には、回路配線板14に実装された駆動回路から駆動電流が供給される。固定子巻線3に駆動電流が流されると、固定子鉄心1には、磁界が発生する。
固定子鉄心1から生じた磁界と磁石6から生じた磁界とが、吸引したり、反発したりすることで、回転子7は、シャフト5を回転中心とする、回転動作を行う。
本実施の形態1における電動機20は、磁石6とシャフト5とが、一体に成型されている。本構成とすれば、シャフト5の外径面5bと磁石6の内径面6bとの間を伝って、軸受8に含まれるシリコンオイル24cが、電動機20の外部に漏れることを防止できる。
シリコンオイル24cは、シリコン系オイルが使用できる。なお、同様の作用効果を得ることができれば、他のオイルを用いることもできる。
磁石6は、軸受8の外周を囲う、カップ形状である。磁石6は、内径側に、階段状の段差が形成される。
モールド樹脂11は、軸受8が圧入されたハウジング10の外周を覆っている。磁石6に形成された階段状の段差は、モールド樹脂11の表面11cと対向している。
なお、カップ形状をした磁石6の側面7cとモールド樹脂11の表面11cとのクリアランス距離A3は、1mmである。
本構成とすれば、軸受8を含む、回転動作の主要部分が、電動機20を取り巻く外気と接することを抑制できる。
すなわち、軸受8を含む、回転動作の主要部分は、モールド樹脂11と磁石6とが成す隙間を大きく迂回して、電動機20の外気と接する。モールド樹脂11と磁石6とが成す隙間は、複数回の屈折が施されるとともに、1mmの幅で形成される。よって、モールド樹脂11と磁石6とが成す隙間は、空気の循環を妨げる構造となっている。
したがって、回転子7が回転することで、軸受8に含まれるシリコンオイル24cが蒸気となっても、蒸気となったシリコンオイルは、軸受8の周囲に留まる。つまり、軸受8に含まれるシリコンオイル24cは、蒸発し難くなる。この結果、本実施の形態1における電動機20は、長い駆動寿命を得ることできる。
ところで、軸受8は、鉄粉に銅を被膜した焼結材24で形成されている。
従来、冷蔵庫の内部に用いられる電動機には、耐食性が求められていた。よって、従来の電動機は、銅粉を焼結材としていた。したがって、従来の軸受は、磁性を有していなかった。この結果、従来の電動機において、スラスト方向の磁気吸引力は、磁石と固定子鉄心との間でのみ発生していた。
しかしながら、本実施の形態1における電動機20に用いられる軸受8は、鉄粉に銅を皮膜した粉体を焼結して形成される。よって、軸受8は、耐食性を確保しながら、磁性を有することができる。
本構成により、広義の回転子を成す部材は、磁性を有する、カップ形状に形成された磁石6と、軸受8と、金属製のハウジング10と、で構成される。よって、広義の回転子は、従来の電動機と比べて、より強い磁気吸引力を発生できる。
したがって、本実施の形態1における電動機20は、電動機20がシャフト5を鉛直下向きとなる姿勢に取り付けられたとしても、軸受8と磁石6とが接触することはない。よ
って、本実施の形態1における電動機20は、信頼性が低下することを防止できる。
また、磁石6は、カップ形状である。よって、電動機20が、シャフト5を鉛直下向きにした姿勢で駆動される場合でも、シリコンオイルが電動機20の外部へ漏れることを抑制できる。したがって、電動機20が用いられる庫内ファンが、冷蔵庫の収納室などに取り付けられたとしても、収納室を汚すことを防止できる。収納室には、食品等が保存されるため、衛生的な状態を維持できる。
また、図1に示すように、磁石6のカップ状の底部を成す平面7bには、リブである凸部21が形成される。凸部21の外周側に位置する、撥油部23には、撥油剤25が塗布される。
本構成とすれば、電動機20がシャフト5を鉛直下向きにした姿勢で駆動される場合でも、軸受8に含まれるシリコンオイル24cは、凸部21の内周側に留まる。つまり、軸受8に含まれるシリコンオイル24cが、磁石6の側面7c面へ流れることを防止できる。よって、本実施の形態1における電動機20は、軸受8に含まれるシリコンオイル24cの漏れを、より一層、抑制できる。
この結果、本実施の形態1における電動機20は、さらに、長い駆動寿命を得ることができる。
なお、磁石6に撥油剤25を塗布する際、凸部21は、撥油剤25がシャフト5側に向かって流れることを防止できる。よって、凸部21は、撥油剤25を塗布する作業において、撥油剤25を塗布する位置を決めることにも有効である。
ここで、軸受を中心とする摺動部分について、詳細に説明する。なお、後述する説明において、潤滑油の粘度とゾンマーフェルト数とは、雰囲気温度が25℃のときの数値を示す。
図30に示すように、従来の電動機120は、一対の軸受112を有する。一方の軸受112は、出力軸側に位置する。他方の軸受112は、反出力軸側に位置する。電動機120において、シャフトは、一対の軸受112で支持される。
電動機120が有する潤滑油は、粘度が20mPa以下のものが使用される。また、電動機120における軸受112は、電動機120の消費電力を削減するため、ゾンマーフェルト数Sが40より下の範囲で使用される。
図1に示すように、本実施の形態1における電動機20において、軸受8は、シャフト5に沿って、一体で構成される。軸受8は、軸受8とシャフト5とが接する面に、複数の摺接部である、第1の摺接部8aと第2の摺接部8bとを含む。本構成とすれば、軸受8でシャフト5の回転動作を支持する際、軸受8による同軸度が高くなる。よって、電動機20は、軸受8で生じる摺動損失を抑制できる。したがって、電動機20は、消費電力を抑制できる。
この結果、電動機20は、ゾンマーフェルト数Sが40以上であっても、消費電力を少なくできる。
ところで、軸受の潤滑状態を示すゾンマーフェルト数Sは、値が大きくなる程、流体潤滑性が高くなる。よって、ゾンマーフェルト数Sの値が大きくなれば、軸受8とシャフト5との間に生じる油膜の厚みを厚くすることができる。
本実施の形態1における電動機20に用いられるシリコンオイル24cは、従来の電動機120に用いられる合成炭化水素油と比べて、摺動性が劣る。しかしながら、ゾンマーフェルト数Sが40以上のシリコンオイル24cであれば、電動機20は、軸受8に求められる耐摩耗性を確保できる。よって、本実施の形態1における電動機20は、より長い駆動寿命を有する軸受8を得ることができる。
なお、本実施の形態1における電動機20に用いられるシリコンオイル24cは、ゾルマーフェルト数Sの上限値が80である。ゾルマーフェルト数Sの値が80を超えると、軸受8の摺動損失は増える。よって、電動機20の消費電力は大きくなる。
つまり、本実施の形態1における電動機20において、最適なゾンマーフェルト数Sの範囲は40から80である。
電動機20において、ゾンマーフェルト数Sの値が40から80となるように、シリコンオイル24cの粘度は、35mPaから70mPaのものが用いられる。本実施の形態1における電動機20では、従来の電動機120で用いる潤滑油よりも高い粘度の潤滑油を用いることができる。
一例として、本実施の形態1における電動機20と、図30に示した従来の電動機120とを比較した結果を、以下に示す。
なお、上述したように、式(1)を用いれば、軸受の潤滑状態を示す、ゾンマーフェルト数Sを得ることができる。
(実施例1)
上述した構成を成す電動機20を用いて、耐久試験を行った。
本実施の形態1における電動機20は、雰囲気温度25℃における粘度が35mPaのシリコンオイル24cを用いた。このシリコンオイル24cを用いた場合、上述した式(1)より、雰囲気温度25℃におけるゾンマーフェルト数Sは、40であった。
耐久試験の条件は、つぎのとおりである。すなわち、電動機20は、雰囲気温度25℃で、駆動された。電動機20は、3500r/mの回転数で駆動された。電動機20は、5000時間駆動された。
測定した項目は、トータルアウトガス量比率と、軸受の磨耗量比率である。
トータルアウトガス量比率とは、耐久試験前の電動機が有する潤滑油量に対する、耐久試験後の電動機に残留している潤滑油量の比率をいう。例えば、トータルアウトガス量比率が100の場合、耐久試験の前後で、電動機が有する潤滑油量に変化が生じなかったことを表している。また、トータルアウトガス量比率が50の場合、耐久試験の前後で、電動機が有する潤滑油量が半減したことを表している。
軸受の磨耗量比率とは、耐久試験の前後において、磨耗した軸受の量の比率である。例えば、軸受の磨耗量比率が100の場合、耐久試験の前後で、電動機が有する軸受に磨耗が生じなかったことを表している。また、軸受の磨耗量比率が50の場合、耐久試験の前後で、電動機が有する軸受が半分になるまで磨耗したことを表している。
測定は、いずれも重量比で行った。つまり、トータルアウトガス量比率は、耐久試験の
前後で、電動機の内部に存在する潤滑油の重量を測定した。また、軸受の磨耗量比率は、耐久試験の前後で、軸受の重量を測定した。
耐久試験の結果を実施例1として、表1に記載する。
(比較例1)
図30に示すように、比較例1として、特許文献1に開示された電動機120を用いた。電動機120で用いられた、軸受112の材料と、モールド樹脂の材料と、磁石の材料と、撥油剤と、シャフトと、スラスト板116とは、実施例1と同様のものである。電動機120は、雰囲気温度25℃における粘度が15mPaの合成炭化水素油を用いた。この合成炭化水素油を用いた場合、上述した式(1)より、雰囲気温度25℃におけるゾンマーフェルト数Sは、35であった。
耐久試験の条件は、実施例1と同条件下で行った。耐久試験の結果を比較例1として、表1に記載する。
Figure 2016116446
表1に示すように、実施例1において、耐久試験の前後におけるトータルアウトガス量は、100%である。すなわち、実施例1において、耐久試験の前後における潤滑油量は、ほぼ変化が見られなかった。
また、実施例1において、耐久試験の前後における軸受の磨耗量は、100%である。すなわち、実施例1において、耐久試験の前後における軸受の磨耗は、ほぼ見られなかった。
一方、比較例1において、耐久試験の前後におけるトータルアウトガス量は、8%である。すなわち、比較例1において、耐久試験の前後における潤滑油量は、大きく減少した。
また、比較例1において、耐久試験の前後における軸受の磨耗量は、99%である。すなわち、比較例1において、耐久試験の前後における軸受の磨耗は、ほぼ見られなかった。
以上の結果から明らかなように、実施例1と比較例1とを比較した場合、実施例1の電動機20は、アウトガス量を大幅に抑制することができた。しかも、実施例1の電動機20は、潤滑油としてシリコンオイル24cを用いている。よって、実施例1の電動機20を用いれば、電動機20から僅かにシリコンオイルが放出されたとしても、庫内に保管された食品などへ与える影響は少ない。
また、電動機20から庫内に放出されるシリコンオイルの量が微量のため、庫内に放出されたシリコンオイルが、庫内のスイッチなどの電気的な接点部分に悪影響を与えることを抑制できる。
さらに、実施例1と比較例1とを比較した場合、実施例1の電動機20に用いられた軸受8は、比較例1に用いられる軸受112と同等の磨耗量に抑制できていることが確認できた。
換言すれば、実施例1の電動機20は、フェルトを用いることなく、軸受8の磨耗を抑制できる。しかも、実施例1の電動機20は、電動機20から放出されるシリコンオイルの量を抑制できる。よって、実施例1の電動機20が、予め保有するシリコンオイル24cの量を少なくできる。
よって、本発明の実施の形態1における電動機を用いれば、冷凍機器の内部に用いられる庫内ファンは、電動機から生じるアウトガス量を低減して、庫内に保管された食品への影響を抑制できる。また、本発明の実施の形態1における電動機は、高効率であり、長い駆動寿命を得ることができる。
しかも、本発明の実施の形態1における電動機は、電動機本体の小型化を図ることができる。
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2における電動機の断面図である。図15は、本発明の実施の形態2における電動機に用いられる回転子を、図14中、下方から見た概要図である。
図16から図18は、それぞれ、本発明の実施の形態2における電動機に用いられる回転子を、図14中、下方から見た要部拡大図である。
図19、図21は、それぞれ、本発明の実施の形態2における電動機に用いられる回転子の要部を説明する要部拡大図である。
図20、図22は、それぞれ、本発明の実施の形態2における電動機に用いられる回転子を、図14中、下方から見た要部拡大図である。
図23、図24は、それぞれ、本発明の実施の形態2における電動機に用いられる他の回転子の要部を説明する要部拡大図である。
図25は、本発明の実施の形態2における他の電動機の要部断面図である。
なお、本実施の形態1における電動機と同様の構成については、同じ符号を付して、説明を援用する。
図14、図15に示すように、電動機20bにおいて、回転子7dは、さらに、平面7b上に、1つ以上の凹部26を有する。平面7b上には、側面7cが形成される。凹部26は、軸心5aを含む断面において、軸心5a方向に凹となる。凹部26は、軸心5aを中心とする環状である。
なお、図16から図18に示すように、凹部は、つぎの形状でも実現できる。すなわち、図16に示すように、凹部26aは、楕円形の環状でも実現できる。図17に示すように、凹部26bは、六角形の環状でも実現できる。その他、凹部26bは、多角形の環状でも実現できる。図18に示すように、凹部26cは、溝部22を含む環状でも実現できる。
また、図19、図20に示すように、電動機は、2以上の、軸心5aを中心とする環状の凹部26、26dを有することがある。この場合、側面7cが形成される平面7b上において、それぞれの凹部26、26dは、軸心5aを中心とする内径が異なる。
また、図21から図23に示すように、電動機は、2以上の、軸心5aを中心とする環状の凹部26e、26fを有することがある。この場合、軸心5aを含む断面において、それぞれの凹部26e、26fは、平面7bからの高さが異なる。
具体的には、図21、図22に示すように、凹部26e、26fは、一体で、階段状に形成できる。あるいは、図23に示すように、凹部26e、26fは、互いに独立して形成できる。
さらに、図24に示すように、凹部26e、26f、26gは、シャフト5側から側面7c側に向けて、深さが浅くなる階段状に形成できる。あるいは、凹部は、シャフト5側から側面7c側に向けて、深さが深くなる階段状に形成できる。
また、図25に示すように、電動機20bにおいて、樹脂部であるモールド樹脂11は、平面7bと向かい合う面11aに、平面7bが有する凹部26dに対向して凸となる、凸状段差部11dをさらに有する。
また、図14に示すように、電動機20bにおいて、回転子7dは、撥油部23を有する。平面7b上において、撥油部23は、凹部26よりも側面7c側に位置する。撥油部23は、撥油剤25を保持する。撥油部23は、軸心5aを中心とする環状である。
また、図14に示すように、第2の端面8fは、焼結含油軸受である軸受8が有する第1の端面8eの反対側に位置する。電動機20bは、平面7bと、平面7bと対向して位置する第2の端面8fとの間の距離をA1とする。電動機20bは、平面7bと、ハウジング10が有する開口部10aとの間の距離をA2とする。電動機20は、側面7cと、ハウジング10を保持する樹脂部であるモールド樹脂11の表面11cとの間の距離をA3とする。
このとき、回転子7は、距離A1、A2、A3がいずれも1mm以下である。
また、図14に示すように、電動機20bにおいて、焼結材24は、粉体24aと、皮膜材24bと、を含む。粉体24aは、鉄を主成分とする。皮膜材24bは、粉体を被覆する。皮膜材24bは、銅を含む。
本構成とすれば、電動機20bがシャフト5を鉛直下向きにした姿勢で駆動される場合でも、軸受8に含まれるシリコンオイル24cは、凹部26内に留まる。つまり、軸受8に含まれるシリコンオイル24cが、磁石6の側面7c面へ流れることを防止できる。よって、本実施の形態2における電動機20bは、軸受8に含まれるシリコンオイル24cの漏れを、より一層、抑制できる。
この結果、本実施の形態2における電動機20bは、電動機20bから生じるアウトガス量を低減して、さらに、長い駆動寿命を得ることができる。
なお、磁石6に撥油剤25を塗布する際、凹部26は、撥油剤25がシャフト5側に向かって流れることを防止できる。よって、凹部26は、撥油剤25を塗布する作業において、撥油剤25を塗布する位置を決めることにも有効である。
(実施の形態3)
図26から図28は、それぞれ、本発明の実施の形態3における電動機に用いられる回転子の要部を説明する要部拡大図である。
なお、本実施の形態1、2における電動機と同様の構成については、同じ符号を付して、説明を援用する。
図26、図27に示すように、電動機において、回転子7eは、平面7b上に、1つ以上の凸部21と、1つ以上の凹部26と、を有する。平面7b上には、側面7cが形成される。
凸部21は、軸心5aを含む断面において、軸心5a方向に凸となる。凸部21は、軸心5aを中心とする環状である。
凹部26は、軸心5aを含む断面において、軸心5a方向に凹となる。凹部26は、軸心5aを中心とする環状である。
また、図28に示すように、電動機において、回転子7eは、平面7b上に、1つの凸部21と、2つの凹部26、26dと、を有する。平面7b上には、側面7cが形成される。
凸部21は、軸心5aを含む断面において、軸心5a方向に凸となる。凸部21は、軸心5aを中心とする環状である。
凹部26、26dは、軸心5aを含む断面において、軸心5a方向に凹となる。凹部26、26dは、軸心5aを中心とする環状である。
本実施の形態3で示すように、上述した実施の形態1と実施の形態2とは、組み合わせて用いることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施の形態1から3における電動機は、電動機に用いられる回転子の平面に、1つ以上の凸部と、1つ以上の凹部と、を有する。凸部と凹部とは、組み合わせて形成することもできる。
本構成とすれば、電動機が、電動機が有するシャフトがいずれの方向となるように取り付けられたとしても、シリコンオイルを電動機内に留めることができる。
よって、本構成の電動機は、電動機本体の軸心方向の高さを抑制できる。また、本構成の電動機は、長い駆動寿命を得ることができる。
(実施の形態4)
図29は、本発明の実施の形態4における冷凍機器を示す説明図である。
なお、本実施の形態1から3における電動機と同様の構成については、同じ符号を付して、説明を援用する。
図29に示すように、本発明の実施の形態4における冷凍機器である冷蔵庫40は、送風機31と、制御部32と、を備える。
送風機31は、実施の形態1から3で説明した電動機20と、羽根車30と、を有する。羽根車30は、シャフト5に取り付けられる。
制御部32は、送風機31を駆動する。
本構成の冷蔵庫とすれば、実施の形態1から3で説明した電動機が奏する作用効果を、得ることができる。
よって、本発明の実施の形態1から3における電動機によれば、冷凍機器に取り付けられる庫内ファンにおいて、電動機の高効率と小型化を図ることができる。
また、本発明の実施の形態1から3における電動機によれば、冷凍機器に取り付けられる庫内ファンにおいて、長い駆動寿命と高い信頼性を確保することができる。
本発明の電動機は、例えば、冷蔵庫や冷凍庫などの冷凍機器が有する収納室に取り付けられる、庫内ファンに用いることができる。
1 固定子鉄心
2 インシュレータ
3 固定子巻線
4,101 固定子
5 シャフト
5a 軸心
5b 外径面
6 磁石
6b 内径面
7,7d,7e,102 回転子
7a 回転中心
7b 平面
7c 側面
8 軸受(焼結含油軸受)
8a 第1の摺接部(摺接部)
8b 第2の摺接部(摺接部)
8c 外周面
8d 内周面
8e 第1の端面
8f 第2の端面
9,116 スラスト板
10 ハウジング
10a 開口部
10b 筒状部
10c 内側表面
11 モールド樹脂(樹脂部)
11a 面
11b 凹状段差部
11c 表面
11d 凸状段差部
12,115 蓋カバー
13 コネクタ
13a リード線
14 回路配線板
20,20a,20b,120 電動機
21,21a,21b,21c,21d,21e,21f,21g 凸部
22 溝部
23 撥油部
24 焼結材
24a 粉体
24b 皮膜材
24c シリコンオイル
25 撥油剤
26,26a,26b,26c,26d,26e,26f,26g 凹部
30 羽根車
31 送風機
32 制御部
40 冷蔵庫(冷凍機器)
103,104 保持ユニット
111 底カバー
112 軸受
113 バネ
114 フェルト

Claims (16)

  1. 固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に巻き回される固定子巻線と、
    を有する固定子と、
    回転中心を軸心として、軸心方向に延伸するシャフトと、
    前記固定子と対向して位置するとともに前記シャフトに取り付けられ、
    前記軸心と交差する方向に延伸する平面と、
    磁性材を含み、前記平面上において、前記軸心に沿って延伸する側面と、
    を有する回転子と、
    焼結材とシリコンオイルとを含み、前記シャフトを回転自在に支持して、
    前記側面と向かい合って位置するとともに前記軸心に沿って形成される外周面と、
    前記外周面よりも前記シャフト側に位置するとともに前記軸心に沿って形成され、その表面上に前記シャフトと接する、複数の摺接部を含む、内周面と、
    前記外周面と前記内周面とを接続し、前記軸心方向の一方の端部に位置する第1の端面と、
    を有する焼結含油軸受と、
    前記軸心方向の一方に位置する開口部と、
    前記外周面および前記第1の端面と向かい合う、内側表面を含むとともに前記軸心に沿って延伸する筒状部と、
    を有するハウジングと、
    前記固定子と前記ハウジングとを保持する樹脂部と、
    を備える、電動機。
  2. 前記シリコンオイルは、雰囲気温度が25℃のとき、粘度が35mPa・sから70mPa・sの範囲である、請求項1に記載の電動機。
  3. 前記焼結含油軸受は、前記シリコンオイルの粘度をη、前記シャフトの回転数をn、前記シャフトが前記焼結含油軸受に及ぼす圧力をP、前記シャフトの半径をr、前記焼結含油軸受の半径をR、前記シャフトと前記焼結含油軸受との間に生じる片側隙間をc(但し、c=R−r)とするとき、
    S=(ηn/P)×(r/c)
    で算出される、ゾンマーフェルト数Sが40から80の範囲である、請求項2に記載の電動機。
  4. 前記回転子は、さらに、前記側面が形成される前記平面上に、前記軸心を含む断面において前記軸心方向に凸となる、1つ以上の、前記軸心を中心とする環状の凸部を有する、請求項1に記載の電動機。
  5. 2以上の、前記軸心を中心とする環状の凸部を有する場合、それぞれの前記凸部は、前記側面が形成される前記平面上において、前記軸心を中心とする内径が異なる、請求項4に記載の電動機。
  6. 2以上の、前記軸心を中心とする環状の凸部を有する場合、それぞれの前記凸部は、前記軸心を含む断面において、前記平面からの高さが異なる、請求項4に記載の電動機。
  7. 前記回転子は、さらに、前記側面が形成される前記平面上に、前記軸心を含む断面において前記軸心方向に凹となる、1つ以上の、前記軸心を中心とする環状の凹部を有する、請求項1に記載の電動機。
  8. 2以上の、前記軸心を中心とする環状の凹部を有する場合、それぞれの前記凹部は、前記側面が形成される前記平面上において、前記軸心を中心とする内径が異なる、請求項7に記載の電動機。
  9. 2以上の、前記軸心を中心とする環状の凹部を有する場合、それぞれの前記凹部は、前記軸心を含む断面において、前記平面からの深さが異なる、請求項7に記載の電動機。
  10. 前記樹脂部は、さらに、前記平面と向かい合う面に、前記平面が有する凸部に対向して凹となる、凹状段差部を有する、請求項4に記載の電動機。
  11. 前記樹脂部は、さらに、前記平面と向かい合う面に、前記平面が有する凹部に対向して凸となる、凸状段差部を有する、請求項7に記載の電動機。
  12. 前記回転子は、さらに、前記平面上において、前記凸部よりも前記側面側に位置するとともに撥油剤を保持する、前記軸心を中心とする環状の撥油部を有する、請求項4に記載の電動機。
  13. 前記回転子は、さらに、前記平面上において、前記凹部よりも前記側面側に位置するとともに撥油剤を保持する、前記軸心を中心とする環状の撥油部を有する、請求項7に記載の電動機。
  14. 前記平面と、前記平面と対向して位置する前記焼結含油軸受が有する前記第1の端面の反対側に位置する第2の端面との間の距離をA1、前記平面と、前記ハウジングが有する前記開口部との間の距離をA2、前記側面と、前記ハウジングを保持する前記樹脂部の表面との間の距離をA3、とするとき、前記回転子は、前記A1、A2、A3がいずれも1mm以下である、請求項1に記載の電動機。
  15. 前記焼結材は、
    鉄を主成分とする粉体と、
    前記粉体を被覆する、銅を含む皮膜材と、
    を含む、請求項1に記載の電動機。
  16. 請求項1に記載の電動機と、
    前記シャフトに取り付けられる羽根車と、
    を有する送風機と、
    前記送風機を駆動する制御部と、
    を備える冷凍機器。
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