JP2016116378A - インバータの制御装置 - Google Patents

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敦裕 松田
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伸二 山口
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竹男 鈴木
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Abstract

【課題】意図しない車両後退を抑制しつつ、インバータの破損を簡易な制御で回避可能なインバータの制御装置を提供する。【解決手段】インバータの制御装置は、車両の走行用モータの熱負荷に対応する制御パラメータが第1制御閾値以上になった場合に、前記走行用モータの出力トルクを第1制限値以下に制限する第1出力トルク制限部を有するインバータを制御する制御装置であって、前記制御パラメータを取得する制御パラメータ取得部と、前記制御パラメータが、前記第1制御閾値よりも小さい値を有する第2制御閾値以上となった場合に、前記出力トルクを前記第1制限値よりも大きい値を有する第2制限値に制限する第2出力トルク制限部と、を備える。【選択図】 図1

Description

本開示は、車両の走行用モータを駆動するインバータの制御装置に関する。
電動車両(電気自動車及びハイブリッド電気自動車を含む)では、バッテリに蓄えられた直流電力を、IGBT等のスイッチング素子を備えるインバータで三相交流に変換して走行用モータに供給することにより、動力が得られる。この種のインバータでは、走行用モータの回転が停止した状態で大きなトルクがかけ続けられた場合(例えば、ブレーキペダルを踏まずに、アクセルペダルの操作のみによって上り坂の途中に停車する場合。以下、適宜「ストール状態」という)、特定のIGBTに大電流が流れ続けることによって、インバータが破損するおそれがある。このような事態を回避するために、インバータの熱負荷を評価するための制御パラメータを算出し、当該制御パラメータが所定値に到達すると、走行用モータのトルク指令値を強制的に制限する保護回路を備えたものが知られている。
このようなインバータの保護制御に関する技術として、例えば特許文献1及び2がある。
特許文献1には、ストール状態が所定期間以上に亘って継続した場合に、上述のインバータの保護機能によってトルク指令値が強制的に制限された際に、走行用モータのトルクが失われることによって急激な車両後退が生じないようにトルク指令値の制限量を軽減することが記載されている。
また、特許文献2には、ストール状態が発生した際に、保護回路によるトルク制限量に比べてトルク指令値が大きい場合に、素子保護のための制限トルク(出力制限)から所定の値ずつ低減されるものであるリミットトルクをモータから出力すべくインバータ回路を制御することにより、ストール状態からの脱出を容易にすることが記載されている。
特開平7−336807号公報 特開平11−215687号公報
上記特許文献1及び2は、インバータの制御ユニットで実施される制御内容を改良することによって、保護回路の作動時に生じる車両の後退を抑制している。しかしながら、インバータの制御ユニットで実施される制御内容を変更することはコスト的に負担が大きく、例えば、保護回路を有する既存のインバータを流用する場合には適さない。
尚、インバータの保護回路の駆動を回避するためには、モータ/インバータを大容量化したり、或いは多段変速機を採用することも考えられるが、いずれも重量やコストが増加するため好ましくない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、意図しない車両後退を抑制しつつ、インバータの破損を簡易な制御で回避可能なインバータの制御装置を提供することを目的とする。
本発明の少なくとも一実施形態に係るインバータの制御装置は、
車両の走行用モータの熱負荷に対応する制御パラメータが第1制御閾値以上になった場合に、前記走行用モータの出力トルクを第1制限値以下に制限する第1出力トルク制限手段を有するインバータを制御する制御装置であって、
前記制御パラメータを取得する制御パラメータ取得部と、
前記制御パラメータが、前記第1制御閾値よりも小さい第2制御閾値以上となった場合に、前記出力トルクが前記第1制限値よりも大きい第2制限値に近づくように制限する第2出力トルク制限手段と、を備える。
上記(1)の構成によれば、保護回路を備えるインバータにおいて、保護回路の制御用に用いられている制御パラメータを取得し、当該制御パラメータが第2制御閾値より大きくなったか否かに基づいて、トルク指令値の制限を行う。これにより、保護回路を備えるインバータにおいて、インバータのコントロールユニット自体の構成を変更することなく、インバータの保護を図りながら意図しない車両の後退を効果的に回避できる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、意図しない車両後退を抑制しつつ、インバータの破損を簡易な制御で回避可能なインバータの制御装置が提供される。
本発明の一実施形態に係るインバータの制御装置を含むシステム構成を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態における制御パラメータと実トルクの時間推移を示す図である。 図2Aに対応した加速度の時間推移を示す図である。 図2Aに対応した車両の後退量の時間推移を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るインバータ2の制御装置3を含むインバータ2の保護制御システム1の構成を概略的に示す図である。図1に示されるように、インバータ2の保護制御システム1(以下、保護制御システム1)は、インバータ2と、制御装置3と、備える。
本実施形態に係る保護制御システム1は、電動車両に搭載された走行用モータ(以下、モータ4)にバッテリ6から電力を供給する電力供給経路上に設けられたインバータ2を保護対象とする。バッテリ6は例えばリチウムイオン電池のような二次電池であり、モータ4の力行時には、当該バッテリ6に蓄えられた直流電力がインバータ2によって交流変換されて供給されることにより、モータ4が駆動される。一方、回生時にはモータ4によって発電された交流電力が、インバータ2によって直流変換されることによって、バッテリ6に充電が行われる。このようなインバータ2による直流電力―交流電力間の変換は、インバータ2が備える主にスイッチング素子24によって実施されるが、具体的な回路構成については公知の例に従うこととし、ここでは詳述は割愛する。
力行時におけるインバータ2の制御は、後述する車両制御ユニット(車両制御ECU5)からのトルク指令値τrに対応する実トルク値τcがモータ4から出力されるように実施される。より詳細には、インバータ2が有する複数のスイッチング素子24が切替ることでバッテリ6(直流電源)からの直流電力は交流電力に変換される。そして、この電力変換を通して周波数や電流量が調整され、トルク指令値τrに応じた駆動電力がインバータ2によってモータ4に供給される。また、インバータ2によって直流電力は3相交流電力に変換されており、スイッチング素子24は、高速スイッチングが可能なIGBT(Insulated Gate Bipolar Τransistor)が用いられているが、これには限定されない。
また、インバータ2は保護機能を実行する保護機能部(第1出力トルク制限部)22を備えている。すなわち、保護機能部22では、車両の走行用モータ4の熱負荷に対応する制御パラメータVが第1制御閾値以上になった場合に、走行用モータ4の出力トルクが第1制限値以下に制限されることにより保護機能が発揮される。保護機能部22は、例えば、インバータ2の破損につながる状態を制御パラメータV(後述)によって監視しており、制御パラメータVがスイッチング素子24の保護のために設けられた所定の閾値(第1制御閾値)以上となった場合に、モータ4のトルク指令値τrを所定の制限値以下に制限するよう構成される。そして、この保護機能部22(第1出力トルク制限部)によって、過大なトルク(閾値トルクτthより大きなトルク)が付与されているにもかかわらずモータ4の回転がほぼ停止している、いわゆるストール状態において、大電流が許容時間を超えて流れることによる破損からインバータ2は保護されている。逆に、ストール状態になった場合でも、過大なトルクが解消された場合や、モータ4が回転を開始した場合には、特定のスイッチング素子24に大電流が流れない状態となるため、ストール状態は解消される。
このように、インバータ2の保護機能が実行されると、保護機能部22によってトルク指令値τrが強制的に低下されるため(図2A参照)、この低下されたトルク指令値τr(制限トルク指令値τr´)に基づいてインバータ2によりモータ4が駆動される。その結果、モータ4の駆動のための電力が低減されるため、特定のスイッチング素子24に流れていた電流量が減る。上り坂の場合には、トルク指令値τrが低下されることで前進と後退のバランスが崩れることで車両が後退し、モータ4が後退方向へ回転する。このように電流量の減少やモータ4の回転による特定のスイッチング素子24のみへ大電流が流れることが解消される。なお、図1に示される実施形態では、保護機能が働くと、最大トルク値の10%に相当する値にトルク指令値は制限されており、これによって、過大なトルクを解消し、ストール状態の解消が行われている。
上述の制御パラメータVは、スイッチング素子24の状態を判定するためのものであり、インバータ2の保護機能の実行判断を行うために監視される任意のパラメータである。具体的には、制御パラメータVは、スイッチング素子24の電流や温度であっても良いし、これらからの演算値であっても良い。あるいは、制御パラメータVは、ストール状態からの経過時間に従って上昇するように構成されるパラメータであっても良い。また、制御パラメータVは、ストール状態の開始を0%とし、保護機能による保護が実行される値を100%(すなわち、第1制御閾値)とする百分率で管理されても良い。
例えば、制御パラメータVがスイッチング素子24の素子温度とした例を具体的に説明すると、周知のように、ストール状態になることにより電流が特定のスイッチング素子24を流れる。すると、上記の素子温度は、異常発熱により、ストール状態となってからの経過時間に応じて上昇し、第1制御閾値に到達することになる。逆に、保護機能の実行や、モータ4の回転あるいはトルクが小さくなるなどによりストール状態が解消されると、スイッチング素子24の素子の発熱が止まるため、経過時間に従って上記の素子温度は低下し通常の作動温度に戻る。一方、制御パラメータVを百分率で管理する場合には、素子温度の通常状態の温度と素子の保護処理が必要な温度をそれぞれ0%と100%とする場合には、素子の発熱に伴って制御パラメータVは0%から経過時間に従って上昇し、第1制御閾値である100%に到達することになる。また、素子の発熱が停止することにより経過時間に従って100%から0%に戻る。
図1に示される実施形態では、ストール状態は、トルク指令値τrが閾値トルクτthより大きく(τr>τth)かつモータ4の回転数Nが0という条件で検出されている。また、制御パラメータVは百分率で管理されており、ストール状態の検出からの経過時間に従って0%から100%となるように構成されている。そして、制御パラメータVが100%になることによりインバータ2の保護機能が実行されると、トルク指令値τrが制限トルク指令値τr´に変更される。
一方、制御パラメータVは、ストール状態の解消からの経過時間に伴って100%から0%に低下するように構成されている。また、ストール状態が継続している場合でも、制御パラメータVが0%になるとインバータ2の保護機能の実行が解除されるよう構成されている。この保護機能の実行解除によって、制限トルク指令値τr´は車両制御ECU5からのトルク指令値τrに戻されることになる。つまり、ストール状態が解消されていない場合には、保護機能の実行解除によって制御パラメータVは再度上昇することになるため、保護機能の実行と実行解除が繰り返されることになる。
なお、上記の制御パラメータVが0%から100%となる許容時間は、トルク指令値τrの関数で求めても良く、トルク指令値τrが大きくなるほど電流量は大きくなるため、許容時間は電流量が大きくなるほど短く設定されるようにしても良い。また、保護機能の実行解除までの上述の所定時間は、スイッチング素子24の保護に必要な任意の時間となる。
また、他の幾つかの実施形態では、制御パラメータVは、上述した素子温度などの少なくとも1つとしても良いし、直接あるいは百分率で管理しても良いことは当然である。
そして、上記に説明した制御パラメータVは、下記に説明する制御装置3によっても監視される。
この制御装置3は、制御パラメータVに基づいてトルク指令値τrを制御する。すなわち、制御装置3は、インバータ2の保護機能部22が取得する制御パラメータVを取得することが可能となるように保護機能部22と接続されている。また、制御パラメータVをインバータ2の保護機能部22から取得することで、制御パラメータVに基づいてトルク指令値Τrを制御するよう構成される。このため、制御装置3は、以下に説明する制御パラメータV取得部31と、第2出力トルク制限部32とを備える。
制御パラメータV取得部31は、インバータ2の有する制御パラメータVを取得する。具体的には、インバータ2(保護機能部22)と通信することで制御パラメータVを取得する。この通信は、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)などからなる車載ネットワークを介して取得しても良い。あるいは、インバータ2の保護機能部22は制御パラメータVを監視するので、保護機能部22と制御パラメータV取得部31とを直接接続しても良い。
第2出力トルク制限部32は、制御パラメータVが、第1制御閾値よりも小さい値を有する第2制御閾値以上となった場合に、出力トルクを前記第1制限値よりも大きい値を有する第2制限値に制限する。すなわち、インバータ2の保護機能の実行により、例えば、インバータ2の保護機能部22によって最大トルク値の10%に相当する値などにトルク指令値が急激に低下される前に、制御パラメータVと第2制御閾値との比較に基づいてストール状態が第2出力トルク制限部32によって検知される。また、第2出力トルク制限部32による検知がなされた場合でもトルク指令値τrは低下されるが、急激なトルク指令値τrの低下が生じないように、インバータ2の保護機能部22による制限値よりも大きい値に低下される。これによって、上り坂などにおける車両の後退量を抑制される。
具体的には、図1に示される実施形態では、第2出力トルク制限部32は、車両制御ユニット5のトルク指令部51に指示することで、トルク指令値τrを低下させている。すなわち、車両制御ユニット5は電子制御ユニット(ECU)であり、アクセルペダル7の操作量Accと、モータ4の回転数Nに基づいてトルク指令値τrを算出し、インバータ2に指令するよう構成されており、この機能がトルク指令部51によって担当されている。但し、この実施形態に限定されず、他の幾つかの実施形態では、トルク指令部51は、アクセルペダル7の操作量Accおよびインバータ2からの実トルク値τcに基づいて上述のトルク指令値τrを算出しても良い。
このような構成を備える保護制御システム1による制御の実行結果を、インバータ2の保護機能のみの場合(参考例)と比較しながら図2A〜図2Cを用いて説明する。図2Aは、本発明の一実施形態における制御パラメータVと実トルク値τcの時間推移を示す図である。図2Bは、図2Aに対応した加速度の時間推移を示す図である。また、図2Cは、図2Aに対応した車両の後退量の時間推移を示す図である。
図2Aに示されるように、時刻t0においてインバータ2によってストール状態が検出されており、制御パラメータVは、時刻t0以降において0%から経過時間に従って上昇している。具体的には、モータ4の回転数Nが0となっていると共に、トルク指令値τrが閾値トルクτthよりも大きい値となっており(τr>τth)、それに従って、実トルク値τcは閾値トルクτthよりも大きな値となっている。
そして、制御装置3を備えていない参考システム(参考例)においては、インバータ2のみによって制御パラメータVが監視されている。このため、図2Aの細破線で示されるように、制御パラメータVは時刻t1を経過した後に100%(第1制御閾値)に達している。このため、100%となった制御パラメータVの検出によりインバータ2の保護機能が実行されている。その結果、図2Aの細実線で示されるように、保護機能の実行開始タイミングで、時刻t0以降一定に推移していた実トルク値τcが急激に低下させられている。また、この実トルク値τcの激減(例えば、最大トルクの10%の値)に応じて、制御パラメータVは経過時間に従って100%から時刻t5まで徐々に低下している。
また、このような制御に伴って、図2Bの細線で示されるように、インバータ2の保護機能の実行のタイミングで、車両の加速度が0から後退側に大幅に増加し(図2Bの例示では約ー1.8)している。これと共に、図2Cの細線で示されるように、加速度に応じて後退量が経過時間に従って増加している(図2Cの例示では、時刻t3付近でー10)。
これに対して、制御装置3を備えている保護制御システム1では、図2Aの太破線で示されるように、時刻t0と時刻t1の間において制御パラメータが50%(第2制御閾値)に達した時刻tsから、トルク指令値τrを低減する処理を開始している。より具体的には、図2Aの太実線で示されるように、時刻t0から一定に推移していた実トルク値τcが緩やかに低下するように、時刻tsにおいてトルク指令値τrが減少側に変化されている。より詳細には、第2制御閾値以上となった場合に、トルク指令値τrに所定の係数を演算(乗算など)することで第2制限値以下に制限すると共に、制御パラメータの値に応じてこの所定の係数を変化させることで(すなわち、所定の係数は制御パラメータの関数)、第2制限値を制御パラメータの値に応じて変化させている。このトルク指令値τrの減少による実トルク値τcの低下の結果、時刻t1を経過した後の時刻tpにおいて、車両の後退が検出され(図2B〜図2C参照)ている。すなわち、モータ4の回転数Nが0ではなくなっており、ストール状態が解消されたため、制御パラメータVも100%に到達することなく、時刻tpから低下に転じている。
図2Aの例示では、この時刻tpからの制御パラメータの低下に応じて第2制限値が上昇しており、これによってトルク指令値τrが増加された結果、実トルク値τcが上昇している。この時、最大トルクの10%などの制限値以下に制限するといったインバータ2の保護機能による制限は行われていないため、運転者により要求されるようにトルク指令値τrを増加させることができる。また、車両の後退量およびその加速度は参考システムに比べてわずかであり、車両がわずかに後退した時点で運転者が後退に気付くと共に、大きく後退する前に運転者は対応することも可能となる。
その後、図2Aの例示では、実トルク値τcは、太実線で示されるように、時刻t1と時刻t2の間で上昇し、時刻t5において時刻t0と同じ水準にまで実トルク値τcが上昇している。これに伴って、図2Bに示されるように加速度も時刻t4から前進側に転じており、図2Cに示されるように後退量は小さくなる方向に変化している。また、時刻tp以降ではストール状態は解消されているため、図2Aの太実線で示されるように、制御パラメータVも時刻tp以降において時刻t5まで徐々に低下している。
上記の構成によれば、インバータ2において、保護回路の制御用に用いられている制御パラメータVを取得し、当該制御パラメータVが第2制御閾値より大きくなったか否かに基づいて、トルク指令値τrの制限を行う。これにより、保護機能部22を備える既存のインバータ2において、インバータ2のコントロールユニットの構成を変更することなく、インバータ2の保護を図りながら意図しない車両の後退を回避することができる。すなわち、制御装置3は、インバータ2で監視されている既存の制御パラメータVを利用するのみで、インバータ2とは別の装置である。また、インバータ2の保護機能が働く前に、第2制御閾値を用いる制御装置3によってトルクが絞られるため、制御パラメータVが第1制御閾値に達すことはなく、インバータ2が破損することもない。さらに、第2制御閾値によってトルクは緩やかに絞られるため、車両の後退量や後退加速度はインバータ2の保護機能の実行よりも低減される。このため、車両の後退量が大きくならないうちに運転者が車両の後退を認知することが可能であり、運転者の意図にそって車両を前進に転ずることができる。
なお、図1に示される実施形態では、制御装置3は車両制御ユニット5に設けられており、車両制御ユニット5の一機能部として構成されている。他の幾つかの実施形態では、制御装置3は、車両制御ユニット5とは別個に設けられた装置であっても良く、また、制御装置3は単独のECUとして構成されても良い。
また、他の幾つかの実施形態では、制御装置3は、インバータ2による制限が予測される場合に報知するように構成された報知手段を更に備える。例えば、幾つかの実施形態では、制御パラメータVが第2制御閾値以上となった場合にインバータ2による制限が予測されると判断しても良い。図2Aの例示では、時刻tsにおいて制御パラメータVが第2制御閾値以上となっている。このため、報知のための警報は、時刻tsから行われている。なお、報知は、警報音や警報アナウンスなどの音によって行っても良いし、音に加えてカーナビ等のディスプレイに表示しても良い。
また、その他の幾つかの実施形態では、制御装置3は、制御パラメータVが、第1制御閾値より小さく、且つ、第2制御閾値より大きく設定された第3制御閾値を超えた場合に報知するように構成された報知手段を更に備える。すなわち、制御パラメータVが第3制御閾値より大きくなった場合、今後、制御パラメータが第1制御閾値を超えて保護機能が作動する可能性が高いと判断してドライバーに報知する。上記実施形態では、基本的に制御パラメータVが第2制御閾値を超えた段階でトルク指令値τrの制限が行われるが、この制限によっても制御パラメータVの上昇を抑えきれない場合、インバータ2の破損を回避するために保護機能を作動させる必要がある。保護回路が作動すると、前述のような意図しない車両の後退が発生し得るが、ドライバーにその旨の報知をしておくことによって、ドライバーに対して後退への対応準備を促すことができる。
上記の構成によれば、例えば、制御装置3によってトルクの絞り(制限)が開始されるのと同時に警報が行われるため、運転者のブレーキ操作を促すことができ、車両の後退を防止することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 インバータの保護制御システム
2 インバータ
22 保護機能部
24 スイッチング素子
3 制御装置
31 制御パラメータ取得部
32 出力トルク制限部
4 走行用モータ(モータ)
5 車両制御ECU
51 トルク指令部
6 バッテリ
7 アクセルペダル
Acc アクセルペダルの操作量
N モータの回転数
τr トルク指令値
τc 実トルク値
τth 閾値トルク
V 制御パラメータ
t 時刻

Claims (1)

  1. 車両の走行用モータの熱負荷に対応する制御パラメータが第1制御閾値以上になった場合に、前記走行用モータの出力トルクを第1制限値以下に制限する第1出力トルク制限部を有するインバータを制御する制御装置であって、
    前記制御パラメータを取得する制御パラメータ取得部と、
    前記制御パラメータが、前記第1制御閾値よりも小さい値を有する第2制御閾値以上となった場合に、前記出力トルクを前記第1制限値よりも大きい値を有する第2制限値に制限する第2出力トルク制限部と、
    を備えることを特徴とするインバータの制御装置。
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