JP2016115885A - 有機el素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光特性および発光寿命の向上に適した有機EL素子を提供する。【解決手段】陽極20と陰極60との間にて、陽極20側から低分子材料よりなる正孔注入層30、分子量が10000以上の高分子発光材料よりなる発光層50が順次積層されてなる有機EL素子であって、正孔注入層30と発光層50との間には、架橋された高分子よりなる正孔輸送性を有する高分子架橋層40が介在されている。高分子架橋層40は、架橋された高分子と、正孔注入層30と同一の低分子材料とが混合された混合層41よりなる。【選択図】図1

Description

本発明は、高分子発光材料を発光層とする有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子、および、そのような有機EL素子の製造方法に関する。
従来より、陽極と陰極との間にて、少なくとも陽極側から低分子材料よりなる正孔注入層、高分子発光材料よりなる発光層が順次積層されてなる有機EL素子が提案されている(特許文献1参照)。具体的に、高分子発光材料とは、分子量が10000以上のものであり、低分子材料とは分子量が700以上2000以下のものである。
特開2009−277917号公報
このような有機EL素子においては、発光特性の向上や発光寿命の向上が要望されている。しかし、上記特許文献1のものでは、低分子材料よりなる正孔注入層の直上に発光層が積層されているので、正孔注入層の低分子材料が発光層に混合し、発光特性および発光寿命の悪化を招く可能性がある。また、発光層から正孔注入層へ電子が移動することで、発光特性の悪化を招くおそれもある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、発光特性および発光寿命の向上に適した有機EL素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、陽極(20)と陰極(60)との間にて、少なくとも陽極側から低分子材料よりなる正孔注入層(30)、分子量が10000以上の高分子発光材料よりなる発光層(50)が順次積層されてなる有機EL素子であって、正孔注入層と発光層との間には、架橋された高分子よりなる正孔輸送性を有する高分子架橋層(40)が介在されていることを特徴とする。
それによれば、正孔注入層と発光層との間に正孔輸送性の架橋された高分子よりなる高分子架橋層が介在することで、正孔注入層から発光層への正孔の注入が効果的に行える。そして、高分子架橋層は架橋された高分子であるから、正孔注入層の低分子材料が発光層に混合するのを抑制でき、また、発光層から正孔注入層側への電子の移動を防止することができる。よって、本発明によれば、発光特性および発光寿命の向上に適した有機EL素子を提供できる。
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の有機EL素子において、高分子架橋層は、架橋された高分子と、正孔注入層と同一の低分子材料とが混合された混合層(41)よりなることを特徴とする。
それによれば、高分子架橋層には正孔注入層と同じ低分子材料が混合されているから、正孔注入層と高分子架橋層との界面における正孔注入性が良好になる。
さらに、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の有機EL素子において、高分子架橋層としての混合層において、低分子材料の濃度が正孔注入層側から発光層側へ連続的に小さくなっていることを特徴とする。
それによれば、高分子架橋層としての混合層内において、電気特性が連続的に変化するのでスムーズに電流が流れる。また、当該混合層内において光学特性(たとえば屈折率)が連続的に変化するため、当該混合層と発光層および正孔注入層との界面における光学的損失(たとえば反射)が小さいものにできる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項2または3に記載の有機EL素子において、高分子架橋層としての混合層は、正孔注入層側の部分が、架橋された高分子と、正孔注入層と同一の低分子材料とが混合された混合部(411)とされ、発光層側の部分が、架橋された高分子よりなり且つ低分子材料を含まない低分子非含有部(412)とされたものとなっていることを特徴とする。
それによれば、高分子架橋層における発光層側の部分に低分子材料が存在しないので、当該低分子材料の発光層への拡散を防止しやすくなり、信頼性向上が期待できる。
さらに、請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の有機EL素子において、混合部、低分子非含有部は、それぞれ別体の層であり、高分子架橋層としての混合層は、混合部を構成する層と低分子非含有部を構成する層とが積層されたものであることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれか1つに記載の有機EL素子の製造方法であって、陽極の上に正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に高分子架橋層としての混合層を形成する工程と、高分子架橋層の上に発光層を形成する工程とを備え、
混合層を形成する工程では、架橋された高分子となる原料を溶媒に混合させた原料溶液を、正孔注入層の上に塗布することにより、正孔注入層中の低分子材料を溶媒に溶解させて原料溶液に含有させた状態とし、この状態で原料を架橋させて混合層を形成することを特徴とする。
それによれば、請求項2〜請求項4に記載の有機EL素子を適切に製造できる。具体的には、低分子材料の溶媒への溶解の度合たとえば溶解性、溶解時間、溶解時の温度、塗布厚さの制御等)を調整することで、原料溶液の全体に低分子材料を溶解させたり、原料溶液のうち正孔注入層側に偏って低分子材料を溶解させたりすることができる。特に、後者の場合によれば、請求項3や請求項4に記載の有機EL素子を適切に製造できる。
請求項15に記載の発明は、請求項5に記載の有機EL素子の製造方法であって、陽極の上に正孔注入層を形成する工程と、正孔注入層の上に高分子架橋層としての混合層を形成する工程と、高分子架橋層の上に発光層を形成する工程とを備え、
混合層を形成する工程では、架橋された高分子となる原料を溶媒に混合させた第1の原料溶液を、正孔注入層の上に塗布することにより、正孔注入層中の低分子材料を溶媒に溶解させて第1の原料溶液に含有させた状態とし、この状態で第1の原料溶液中の原料を架橋させて混合部を構成する層を形成した後、その上に、原料を溶媒に混合させた第2の原料溶液を塗布し、第2の原料溶液中の原料を架橋させて低分子非含有部を構成する層を形成することを特徴とする。
それによれば、請求項5に記載の有機EL素子を適切に製造できる。ここで、原料を溶媒に混合させた第2の原料溶液を、混合部を構成する層の上に塗布したとき、混合部を構成する層は、架橋された高分子内に低分子材料が閉じ込められたものであるから、当該低分子材料は、第2の原料溶液中に溶解してくることはない。そのため、低分子非含有部を構成する層が適切に形成される。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態にかかる有機EL素子の概略断面図である。 第1実施形態にかかる有機EL素子における低分子材料としてのトリフェニルアミン有導体材料の化学構造の一例を示す図である。 第1実施形態にかかる有機EL素子における低分子材料としてのトリフェニルアミン有導体材料の化学構造の一例を示す図である。 第1実施形態にかかる有機EL素子における低分子材料としてのトリフェニルアミン有導体材料の化学構造の一例を示す図である。 第1実施形態にかかる有機EL素子における低分子材料としてのトリフェニルアミン有導体材料の化学構造の一例を示す図である。 第1実施形態にかかる有機EL素子における低分子材料としてのトリフェニルアミン有導体材料の化学構造の一例を示す図である。 第1実施形態にかかる高分子架橋層における架橋された高分子となる原料としての高分子材料の化学構造の一例を示す図である。 第1実施形態にかかる架橋された高分子となる原料としての高分子材料における架橋基のバリエーションを示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる有機EL素子の概略断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる有機EL素子を用いた表示装置の概略断面図である。 実施例1、実施例2および比較例1にかかる有機EL素子における、電流密度と発光効率との関係を示す図である。 実施例1、実施例2および比較例1にかかる有機EL素子における、発光時間と相対輝度との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる有機EL素子1について、図1を参照して述べる。この有機EL素子1は、たとえば表示装置における画素等の発光素子として適用されるものである。
この有機EL素子1は、基板10の上に形成されたホール注入電極として機能する陽極20と電子注入電極として機能する陰極60との間に、陽極20側から正孔注入層30、高分子架橋層40、発光層50が順次積層されてなるものである。
陽極20は、基板10上にスパッタリング等により形成され、陽極20の上に、低分子材料よりなる正孔注入層30を蒸着等によって積層した後、正孔注入層30の上に、架橋された高分子よりなる正孔輸送性を有する高分子架橋層40が、塗布法等により形成されている。
そして、高分子架橋層40の上に塗布法または印刷法等により分子量が10000以上の高分子発光材料よりなる発光層50が形成され、発光層50の上には、陰極60が蒸着法等によって積層されている。このような有機EL素子1は、陰極60まで形成した後、最後に乾燥窒素雰囲気中にて図示しない封止缶を基板10の素子形成側に貼り合わせ、封止している。
基板10は、例えばガラスなどの透明基板であるが、ガラスには限られず、バリア膜付きの樹脂基板や金属基板等様々なものを用いることができる。
陽極20は、透明または半透明の電極を形成することのできる任意の導電性物質とすることができる。具体的には、酸化物として酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化亜鉛アルミニウム、酸化亜鉛ガリウム、酸化チタンニオブ等を使用し、スパッタリングなどによって積層することができる。このうち、ITOは、特に、低抵抗であること、耐溶剤性があること、透明性に優れていることなどの利点を有する材料である。
ITOなどの導電性層の表面に、または、基板10の上に、アルミニウム、金、銀等の金属材料を蒸着して半透明導電層を形成しても良いし、ポリアニリン等の有機半導体を用いて陽極20としても良い。また、更にその他の方法を用いて陽極20としても良い。
また、陽極20は、必要に応じて、成膜後にエッチングによってディスプレイなどにおいて要求される形状にパターニングしたり、UV処理やプラズマ処理などにより表面の活性化を行ってもよい。
陰極60は、仕事関数の低い材料を用いること、特に、発光層50との界面が低仕事関数であることが望まれ、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属とアルミニウム等の金属電極との積層、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物とアルミニウム等の金属電極との積層などを用いることができる。
具体的には、陰極60としては、Al/Ca(発光層側)、Al/Ba(発光層側)、Al/Li(発光層側)、Al/LiF(発光層側)、Al/CsF(発光層側)、Al/CaF(発光層側)、Al/Ca/LiF(発光層側)とする積層構造などが採用可能であり、これらの積層構造は、例えば真空蒸着法などによって形成することができる。
正孔注入層30の材料については後に詳しく説明するが、この正孔注入層30は、低分子材料を真空蒸着法等を用いて成膜することで、膜の純度、密度、平坦性に優れた高品質な膜を得ることができる。
正孔注入層30の形成方法としては、真空蒸着法以外にも、インクジェット法や静電スプレー法や一般的な押圧による転写法及びレーザー転写(LITI)法などによる印刷法や、スピンコート等による塗布法、気相成長法などもある。但し、有機EL素子の高温度高湿度耐久性の向上の観点から、正孔注入層30の膜質が重要であり、上記のように、膜の純度、密度、平坦性などの観点より、真空蒸着法を用いることが最も望ましい。
また、真空蒸着法によって低分子材料を蒸着形成した後、高分子架橋層40を形成する前に、正孔注入層30の熱処理をすることが望ましい。この熱処理により、正孔注入層30、特に高分子架橋層40との界面となる表面を平滑かつ緻密な状態とすることができ、高分子架橋層40の形成に用いられる溶媒への耐性(耐溶媒性)を向上させることができる。
この熱処理温度は、正孔注入層30の低分子材料のガラス転移点以上か、ガラス転移点がない材料の場合には、融点以上の温度とする。なお、この熱処理は、真空蒸着の成膜室内でも良いし、別途加熱部に搬送されて実行されてもよいが、いずれの場合も、低分子材料の酸素、水分などによる劣化を防ぐため、非酸化雰囲気で加熱することが望ましく、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスの雰囲気中もしくは真空中で実行する。
なお、真空蒸着において、正孔注入層30を例えば画素毎の所望形状にパターニングする必要がある場合には、蒸着源と被蒸着対象である基板との間に、目的とするパターンに開口部が形成された蒸着マスクを配し、蒸着と同時に正孔注入層30をパターニングする。
高分子架橋層40の材料については、後に詳しく説明するが、本実施形態の高分子架橋層40は、架橋された高分子と、正孔注入層と同一の低分子材料とが混合された混合層41よりなるもので、正孔輸送層として機能するものである。ここで、混合層41中の低分子材料の濃度としては、特に限定するものではないが、たとえば1重量%以上50重量%以下程度とすることができる。
高分子架橋層40の形成方法の詳細は後述するが、大きくは、架橋された高分子となる原料を溶媒に混合させた原料溶液を、正孔注入層30の上に塗布することにより形成される。これにより、正孔注入層30中の低分子材料を溶媒に溶解させて原料溶液に含有させた状態とし、この状態で原料を架橋させて混合層41を形成することができる。
高分子架橋層40の上に高分子発光材料を用いて発光層50を形成する方法としては、いわゆるウエット処理と呼ばれる方法が採用できる。このウエット処理は、溶媒に原料である高分子発光材料を分散させた原料溶液を被形成面に付着させる方法であり、スピンコート法、ディップコート法、スプレー法などの塗布法や、上述のようなインクジェット法、転写、LITI法などの印刷法などがあげられる。
ここで、上述のように、本実施形態では、高分子架橋層40は、原料を、架橋された高分子の架橋温度に供して形成するものであり、発光層50としては、高分子発光材料の塗布層または印刷層が形成されるものである。そして、発光層50の原料溶液の積層後、溶媒を乾燥させる乾燥工程が施される。
このとき、正孔注入層30の低分子材料は、そのガラス転移点、またはガラス転移点のない材料の場合にはその融点が、高分子架橋層40の架橋された高分子の架橋温度以上であることが望ましい。さらに、当該架橋温度は、発光層50の塗布または印刷形成後に実行される乾燥温度以上であることが望ましい。それによれば、当該架橋温度による正孔注入層30への熱的ダメージ、および、当該乾燥温度による正孔注入層30および高分子架橋層40への熱的ダメージを抑制できる。
以上に説明した有機EL素子1の各層を形成する際の各工程間の搬送は、特に限定されるものではないが、乾燥雰囲気もしくは真空中で搬送することが望ましい。
次に正孔注入層30、高分子架橋層40、及び発光層50について具体的に説明する。
[正孔注入層および混合層としての高分子架橋層に用いられる低分子材料]
上述したように、正孔注入層30の低分子材料と、混合層41としての高分子架橋層40に混合された低分子材料とは同一のものである。この低分子材料とは、分子量が700以上2000以下のものであることが望ましい。
分子量が700以上であることで、混合層41としての高分子架橋層40上に、発光層50の原料溶液を塗布したときに、混合層41中の低分子材料の発光層50側への拡散を抑制することができる。分子量が2000以下であることで、正孔注入層30を真空蒸着法で膜を形成する場合に、この材料を加熱蒸着させることが容易となる。
更に、本実施形態において、低分子材料は正孔注入層30、正孔輸送層としての高分子架橋層40として用いられるため、正孔輸送性の高い材料であることが必要である。一例として、トリフェニルアミン誘導体材料を採用することが望ましい。
このトリフェニルアミン誘導体材料の具体例としては、その具体例に限定されるものではないが、図2から図6に示すような化合物が挙げられる。なお、図3、図4、図5、図6に示される化合物(1)、(2)、(3)、(4)は、それぞれ上記特許文献1における化学式(1)、(2)、(3)、(4)に相当する。
これらトリフェニルアミン誘導体材料は、真空蒸着法により正孔注入層30を形成することができる。また、これらの材料が正孔注入層30に用いられる場合には、真空蒸着後の熱処理は、これら、用いる材料のガラス転移点以上とする。
低分子材料として、上記トリフェニルアミン誘導体材料の内、対称中心を有する材料は、比較的球体に近い分子形状となり、薄膜にした場合に分子が配列しやすく、発光層50の原料溶液の溶媒に対する耐溶媒性が向上するので好ましい。その中でも特にスターバーストアミンは分子が配列しやすく、耐溶媒性に優れた薄膜が形成されるのでより好ましい。なお、図2〜図6に示すトリフェニルアミン誘導体材料はいずれもこのトリフェニルアミンが星形に配列した部分を持つ。
上述のように低分子材料の分子量は2000以下であることが好適である。ここで、本実施形態において、正孔注入層30を形成するための低分子材料の真空蒸着において、その昇華温度は、真空度1Pa時において、300℃以上である。
したがって、分子量が2000を超えると、蒸着の効率性が低下すると共に、昇華温度はさらに高温となるため、加熱により昇華するだけでなく、分子の分解が発生する可能性がある。分解が起きる場合、正孔輸送能力などに悪影響を及ぼし、有機EL素子1の駆動電圧上昇等につながる。したがって、分子量は、2000以下の材料を採用することが好ましい。
その他、低分子材料としては、銅フタロシアニン、Tetracyanoethylene、2,3,5,6−Tetrafluoro−7,7,8,8−tetracyanoquinodimethane、2−[4−((Bis(2−hydroxyethyl)aminophenyl)−cyanomethylene)−2,5−cyclohexadien−1−yldiene]malononitrile、2,3−Dichloro−5,6−dicyano−1,4−benzoquinone、2,6−Dimethylbenzoquinone、ポリアニリン等があげられる。なお、これらその他の低分子材料を用いた正孔注入層30についても、成膜品質の高い真空蒸着法によって形成することができる。
[高分子架橋層の架橋された高分子]
本実施形態では、上述のように、高分子架橋層40は、架橋された高分子と、正孔注入層30と同一の低分子材料とが混合された混合層41よりなる。この混合層41における低分子材料としては、上記したものと同一である。
架橋された高分子とは、当該高分子となる原料すなわち架橋性および正孔輸送性を有する材料を架橋することによって形成された高分子である。当該原料としての材料としては、一分子中に架橋性を有する部分と正孔輸送性を有する部分とを含む高分子材料が望ましい。
そのような高分子材料としては、典型的には、特開2008−248241号公報に記載されたものを採用でき、その一例が図7に示されている。この図7の高分子材料は、特開2008−248241号公報における化学式3に示されるものである。この図7の高分子材料においては、オキセタン基が架橋性を有する部分であり、トリフェニルアミン骨格の部分が正孔輸送性を有する部分である。
また、当該原料としての高分子材料における架橋性を有する部分、すなわち、架橋基とは、熱および/または活性エネルギー線の照射により、近傍に位置する他の分子の同一または異なる基と反応して、新しい化学結合を生成する基を含む基をいう。なお、活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、赤外線、マイクロ波等が挙げられる。
具体的に架橋基としては、特に制限されるものではないが、不飽和二重結合、環状エーテル、ベンゾシクロブタン等を含む基が好ましい。中でも、図8に示される架橋基群から選ばれる基を含む基であることが好ましい。ここで、図8の化学式中、R1〜R5は、各々独立に、水素原子またはアルキル基を示す。当該アルキル基としては、炭素数1〜20のものが挙げられ、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。
たとえば、図7に示される高分子材料においては、架橋性を有する部分であるオキセタン基は、図8に示した架橋基群の中から、上記図7中のオキセタン基以外の基に置換されたものであってもよい。
また、上述したが、混合層41としての高分子架橋層40の形成方法は、原料としての上記高分子材料を溶媒に混合させた原料溶液を、正孔注入層30の上に塗布することにより形成される。そして、正孔注入層30中の低分子材料を溶媒に溶解させて原料溶液に含有させた状態とし、その後熱処理や減圧処理等の乾燥工程により溶媒を除去した後、原料を架橋させて混合層41を形成する。なお、この架橋温度は、たとえば150℃以上250℃以下程度であり、加熱時間はたとえば5分〜2時間程度である。
これにより、たとえば上記図7に示される複数の高分子材料において架橋基間で架橋が起こり、架橋された高分子が形成されるのである。ここで、高分子架橋層40の原料溶液に用いる溶媒としては、フェニルヘキサン、トルエン、キシレン、メチシレン、パラシメン等の芳香族溶媒等が好適である。
また、架橋された高分子は、低分子材料の分子構造の少なくとも一部と同じ分子構造(たとえばトリフェニルアミン構造等)を含むものであることが望ましい。それによれば、高分子架橋層40が本実施形態のような混合層41である場合、架橋された高分子と低分子材料との相溶性が高くなり、これら両者間の偏析等が発生しにくくなる。そのため、架橋された高分子中に低分子材料が均一に分散した混合層41を実現しやすい。
[発光層の高分子発光材料]
高分子発光材料は塗布形成後の表面平坦性や低素子駆動電圧化を考えて、平均分子量が10000以上であることが望ましい。高分子発光材料としては、例えば、ポリフルオレン(PF)系高分子、ポリフェニレンビニレン(PPV)系高分子、ポリビニルカルバゾール(PVK)系高分子などを用いることができ、蛍光性色素や燐光性色素を前記高分子やポリスチレン系高分子、ポリチオフェン系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子等に分散させたもの等も用いることができる。
更に、他の高分子としては、ポリフェニレンエチニレン(PPE)系高分子、ポリフェニレン(PP)系高分子、ポリパラフェニレン(PPP)系高分子、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系高分子などを採用することも可能である。なお、これらの高分子は、単独で用いても良いが、2種以上を混合して用いても良いし、低分子材料などと混合して用いても良い。
発光層50の塗布または印刷において用いられる、これら高分子発光材料の溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、テトラリン、メシチレン、安息香酸エチル、安息香酸メチル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水などの、単独または混合溶媒(溶剤)を用いることができる。これら溶剤に溶解させて発光層50の原料溶液を調製し、得られた原料溶液を、上述のように、塗布法や印刷法などのウエット処理によって高分子架橋層40上に付着させる。その後、溶媒を乾燥除去することで発光層50を形成することができる。
上記溶媒のうちでも特に、トルエン、キシレン、アニソール、メチルアニソール、ジメチルアニソール、テトラリン、メシチレン、安息香酸エチル、安息香酸メチル等の芳香族系溶媒は、高分子有機発光材料の溶解性が良く扱いも容易であることから、より好ましい溶媒である。また、塗布法としてはスピンコート法、ディップコート法、スプレー法など、印刷法としては、インクジェット法、転写法等の手法を用いることができる。
ポリフルオレン系高分子の一例としては、発光材料の一種であるPoly[9,9−di−(2’−ethylhexylfluorenyl−2,7’−diyl)]高分子発光材料が挙げられる。この発光材料は、例えばキシレン溶媒に溶解させることができる。
ポリフェニレンビニレン系高分子の一例としては、発光材料の一種であるPoly(2−methoxy−5−(2’−ethylhexyloxy)−1,4−phenylenevinylene)高分子発光材料が挙げられる。この発光材料も、例えばキシレン溶媒に溶解させることができる。
ポリビニルカルバゾール系高分子材料は、例えば、2−(4−Biphenylyl)−5−phenyl−1,3,4−oxadiazole低分子材料と混合して溶媒に溶かして用いることができる。この場合の溶媒としては、例えば、ジクロロエタンを用いることができる。
なお、いずれの高分子発光材料及びこれを溶かした溶媒を用いて、発光層50を高分子架橋層40の上に形成した後には、溶媒を除去するための乾燥処理を実行する。乾燥処理は、たとえば120℃程度で、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスなど非酸化雰囲気中にて実行される。
ところで、本実施形態によれば、正孔注入層30と発光層50との間に正孔輸送性の架橋された高分子よりなる高分子架橋層40が介在することで、正孔注入層30から発光層50への正孔の注入が効果的に行える。
そして、高分子架橋層40は架橋された高分子であるから、正孔注入層30の低分子材料が発光層50に混合するのを抑制でき、また、発光層50から正孔注入層30側への電子の移動を防止することができる。よって、本実施形態によれば、発光特性および発光寿命の向上に適した有機EL素子1を提供できる。また、本実施形態の作用効果が高いレベルで発揮されれば、発光層50は低分子材料が全く含まれないものにできる。
特に、本実施形態では、高分子架橋層40は、架橋された高分子と、正孔注入層30と同一の低分子材料とが混合された混合層41よりなるものとしている。それによれば、高分子架橋層40には正孔注入層30と同じ低分子材料が混合されているから、正孔注入層30と高分子架橋層40との界面における正孔注入性が良好になる。
このような本実施形態の有機EL素子1は、上述したように、陽極20の上に正孔注入層30を形成する工程と、正孔注入層30の上に高分子架橋層40としての混合層41を形成する工程と、高分子架橋層40の上に発光層50を形成する工程とを備えた製造方法により製造される。
ここで、混合層41を形成する工程では、上述のように、架橋された高分子となる原料をフェニルヘキサン等の溶媒に混合させた原料溶液を、正孔注入層30の上に塗布することにより、正孔注入層30中の低分子材料を溶媒に溶解させて原料溶液に含有させた状態とし、この状態で原料を架橋させて混合層41を形成する。これにより、本実施形態の有機EL素子1を適切に製造できる。
[第1実施形態の他の例]
また、本実施形態の有機EL素子1においては、高分子架橋層40としての混合層41において、低分子材料の濃度が正孔注入層30側から発光層50側へ連続的に小さくなっているものとしてもよい。
このような濃度変化を有する高分子架橋層40としての混合層41は、具体的には、上記した混合層41を形成する工程において、低分子材料の溶媒への溶解度合(たとえば溶解性、溶解時間、溶解時の温度、塗布厚さの制御等)を調整することで、原料溶液のうち正孔注入層側に偏って低分子材料を溶解させることで形成できる。
それによれば、高分子架橋層40としての混合層41内において、電気特性が連続的に変化するのでスムーズに電流が流れる。また、当該混合層41内において光学特性(たとえば屈折率)が連続的に変化するため、当該混合層41と発光層50との界面、および、当該混合層41と正孔注入層30との界面における光学的損失(たとえば反射)が小さいものにできる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態にかかる有機EL素子2について、図9を参照して、上記第1実施形態との相違点を中心に述べることとする。
図9に示されるように、本実施形態の有機EL素子2では、高分子架橋層40としての混合層41が、正孔注入層30側の部分を、架橋された高分子と正孔注入層30と同一の低分子材料とが混合された混合部411とし、発光層50側の部分を、架橋された高分子よりなり且つ当該低分子材料を含まない低分子非含有部412としている。
図9の例では、混合部411、低分子非含有部412は、それぞれ別体の層であり、高分子架橋層40としての混合層41は、混合部411を構成する層と低分子非含有部412を構成する層との2層が積層されたものとされている。
本実施形態によれば、高分子架橋層40における発光層50側の部分に低分子材料が存在しないので、当該低分子材料の発光層50への拡散を防止しやすくなる。その結果、有機EL素子2の信頼性向上が期待できる。
このような2層の混合層41を有する本実施形態の有機EL素子2の製造方法は、次のようなものとされる。本製造方法も、陽極20の上に正孔注入層30を形成する工程と、正孔注入層30の上に高分子架橋層40としての混合層41を形成する工程と、高分子架橋層40の上に発光層50を形成する工程とを備えたものである。
ここで、本実施形態の混合層41を形成する工程では、まず、第1段階として、架橋された高分子となる原料を溶媒に混合させた第1の原料溶液を、正孔注入層30の上に塗布する。これにより、正孔注入層30中の低分子材料を溶媒に溶解させて第1の原料溶液に含有させた状態とし、この状態で第1の原料溶液中の原料を架橋させて混合部411を構成する層を形成する。
そして、混合層41を形成する工程の第2段階として、混合層41を形成する層の上に、架橋された高分子となる原料を溶媒に混合させた第2の原料溶液を塗布し、第2の原料溶液中の原料を架橋させて低分子非含有部412を構成する層を形成する。これにより、本実施形態における2層よりなる混合層41が形成される。
このような製造方法によれば、本実施形態の有機EL素子2を適切に製造できる。ここで、原料を溶媒に混合させた第2の原料溶液を、混合部411を構成する層の上に塗布したとき、混合部411を構成する層は、架橋された高分子内に低分子材料が閉じ込められたものであるから、当該低分子材料は、第2の原料溶液中に溶解してくることはない。そのため、低分子非含有部412を構成する層が適切に形成される。
[第2実施形態の他の例]
なお、高分子架橋層40としての混合層41が、正孔注入層30側の部分を混合部411とし、発光層50側の部分を低分子非含有部412とする場合、図9の例のように、混合部411、低分子非含有部412がそれぞれ、別体の層でなくてもよい。つまり、1層の混合層41中にて混合部411と低分子非含有部412とが存在するものであってもよい。
このような高分子架橋層40としての混合層41は、上記第1実施形態の他の例に示した製造方法により形成できる。具体的には、上記した混合層41を形成する工程において、低分子材料の溶媒への溶解度合を調整することで、原料溶液のうち正孔注入層30側に偏って低分子材料を溶解させ、発光層50側までは低分子材料が拡散していかないようにすればよい。これにより、1層の混合層41において混合部411と低分子非含有部412とが存在する高分子架橋層40が形成される。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態にかかる有機EL素子を備えた表示装置について、図10を参照して述べる。この表示装置は、異なる表示色を表示する複数の画素R(赤)、G(緑)、B(青)を備え、複数の画素R、G、Bのそれぞれを、上記第1実施形態に示した有機EL素子(図1参照)により構成したものである。
ここにおいて、本実施形態の表示装置においては、表示色の異なる画素同士では、有機EL素子における高分子架橋層40としての混合層41の構成を異なるものとしている。
たとえば、本実施形態のように、R(赤)、G(緑)、B(青)の3個の異なる表示色の画素を備える表示装置において、適切な高分子架橋層40の構成は各表示色で相違する。そのため、表示色の異なる画素R、G、B同士では、高分子架橋層40の構成を異なるものとすることで、適切な表示色の表示が可能となる。
具体的に、高分子架橋層40としての混合層41の構成を異ならせることとは、層厚、低分子材料の濃度または濃度分布、架橋された高分子の種類等を異ならせることである。図10では、画素R、G、Bを有する表示装置において、表示色の異なる画素間において高分子架橋層40としての混合層41の膜厚を異ならせた例を示している。
なお、ここでは、R、G、Bの3色の画素を有する表示装置を示したが、1個の画素としてはRGB以外の単色を表示するものであればよい。また、表示装置としては、2色以上の異なる表示色を表示する画素を有するものであればよい。また、各画素を構成する有機EL素子としては、上記第1実施形態以外にも、上記第2実施形態に示される有機EL素子であってもよいことはもちろんである。
以下、上記第1および第2実施形態について、実施例及び比較例を参照して、より具体的に述べることとする。
[実施例1]
ガラス基板10上に陽極20としてITO電極を形成した。次に、正孔注入層30として、上記図2に示される低分子材料としての化合物を、真空蒸着法で30nmの厚さに形成した。
次に、上記図7に示される高分子材料をフェニルヘキサン溶媒に1.2重量%、溶解させた高分子架橋層40の原料溶液を調製し、この原料溶液をスピンコート法で正孔注入層30の上に高分子架橋層40として30nmの厚さに形成した。このとき、正孔注入層30の低分子材料は、溶媒に溶けて、当該原料溶液中に混合される。
この原料溶液を真空乾燥して溶媒を除去した後、真空中でホットプレートを用いて、190℃、60分、加熱することにより、上記図7に示される高分子材料を架橋させて、架橋された高分子と低分子材料とが混合した高分子架橋層40としての混合層41を形成した。
なお、混合層41における混合状態、すなわち、混合層41中の層厚方向における低分子材料濃度は、架橋後に2次イオン質量分析法やエリプソメトリー等の測定を行うことにより、確認できる。
次に、この高分子架橋層40の上に、高分子発光材料を溶媒に分散させてなる発光層50の原料溶液をスピンコート成膜した。ここでは、発光層50の原料溶液としては、ポリフルオレン系高分子であるPoly[9,9−di−(2’−ethylhexylfluorenyl−2,7’−diyl)]高分子発光材料を原料とし、これをトルエン溶媒に1.2重量%、混合させたものとし、スピンコート成膜においては、60nmの厚さに形成した。
その後、真空加熱装置にて、発光層50の原料溶液を、160℃、60分、加熱することにより、高分子架橋層40の上に発光層50を形成した。その後、発光層50の上に、陰極60として、Ca/Al電極を真空蒸着法で形成した。こうして、実施例1の有機EL素子を作成した。
[実施例2]
ガラスよりなる基板10上に、上記実施例1と同様にして、陽極20としてITO電極、正孔注入層30、高分子架橋層40としての混合層41を形成した。
次に、上記図7に示される高分子材料をフェニルヘキサン溶媒に1.2重量%、溶解させた高分子架橋層40の原料溶液を調製し、この原料溶液をスピンコート法で高分子架橋層40の上に、もう1層の高分子架橋層40を30nmの厚さに形成した。このもう1層の高分子架橋層40の形成方法は、下地の高分子架橋層40の形成方法、すなわち、上記第1実施例と同様である。
ここで、本実施例2では、下側の混合層41としての高分子架橋層40が、上記第2実施形態における混合部411を構成する層となり、その上側の高分子架橋層40は、上記第2実施形態における低分子非含有部412を構成する層となる。つまり、本実施例2においては、上記第2実施形態に示した2層の積層構成とされた高分子架橋層40が形成される。
次に、この2層構造の高分子架橋層40の上に、上記第1実施例と同様にして、発光層50、陰極60を順次で形成した。こうして、実施例2の有機EL素子を作成した。
[比較例1]
上記第1実施例において、高分子架橋層40を形成しないこと以外は、上記第1実施例と同様にして、基板10の上に、陽極20、正孔注入層30、発光層50、陰極60が順次積層された有機EL素子を作成した。つまり、この比較例1の有機EL素子は上記した従来の特許文献1に記載の有機EL素子に相当するものである。
そして、これら実施例1、2および比較例1の有機EL素子について、電流密度(単位:mA/cm)と発光効率(単位:cd/m)との関係、および、発光時間(hr)と相対輝度との関係を調べた。前者の関係は図11、後者の関係は図12に示される。なお、相対輝度は、初期輝度を1に規格化したときの時間経過に伴う輝度の値である。
図11、図12に示されるように、高分子架橋層40を有する実施例1、2は、比較例1に比べて、発光効率、発光寿命ともに大幅に優れたものであることが確認された。特に、上記第2実施形態に相当する混合部411と低分子非含有部412とを有する高分子架橋層40を備えた有機EL素子は、発光効率、発光寿命がより一層優れたものとなっている。
(他の実施形態)
なお、上記第1実施形態において、高分子架橋層40としては、架橋された高分子のみよりなり、低分子材料が入っていないものでもよい。この場合、上記製造方法において、高分子架橋層40を形成するときの溶媒を、低分子材料が溶解しないものにする等により実現できる。
また、上記第1実施形態に示したような高分子架橋層40としての混合層41、および、上記第2実施形態に示した1層の混合層41中に混合部411と低分子非含有部412とを有する高分子架橋層40を備える有機EL素子の製造方法としては、次のようなものであってもよい。
この製造方法では、まず、陽極20の上に正孔注入層30を形成する工程を行う。その後、正孔注入層30の上に架橋された高分子となる原料を第1の溶媒に混合させた原料溶液を、正孔注入層30の上に塗布し、原料を架橋させることにより架橋された高分子よりなる層を形成する工程を行う。その後、架橋された高分子よりなる層の上に、発光層50の原料を第2の溶媒に混合させた原料溶液を塗布して、発光層50を形成する工程を行う。
ここで、発光層50を形成する工程では、第2の溶媒が架橋された高分子よりなる層を通して正孔注入層30の低分子材料を溶解させる。これにより、正孔注入層30中の低分子材料を架橋された高分子よりなる層に含有させて、高分子架橋層40としての混合層41を形成する。
これによれば、上記第1実施形態や第2実施形態に示した高分子架橋層40としての混合層41を適切に形成できる。つまり、第1の溶媒は比較的、低分子材料が溶解しにくく、第2の溶媒は比較的、低分子材料が溶解しやすいものとする。たとえば、この溶媒における溶解性は、溶解度パラメータ(以下、SP値という)を考慮すればよい。この場合、第2の溶媒として、正孔注入層30の低分子材料とのSP値差が第1の溶媒よりも小さいものを用いるようにすればよい。
たとえば、架橋された高分子となる原料の原料溶液に用いられる第1の溶媒としては、パラシメン等が挙げられ、一方、発光層の原料の原料溶液に用いられる第2の溶媒としては、メシチレン等が挙げられる。
また、上記各実施形態にかかる有機EL素子の高分子架橋層40としての混合層41においては、低分子材料のHOMOと架橋された高分子のHOMOとの差が0.1eV以内であることが望ましい。これによれば、高分子架橋層40としての混合層41内における正孔の流れをスムーズにしやすくなり、正孔輸送性が向上し、発光特性や発光寿命の向上が期待できる。
また、上記各実施形態にかかる有機EL素子の高分子架橋層40としての混合層41においては、低分子材料のLUMOが架橋された高分子のLUMOよりも浅い(小さい)ことが望ましい。これによれば、高分子架橋層40としての混合層41内において電子を流れにくくすることができるため、高分子架橋層40の電子輸送による劣化を防ぐことができる上、発光層界面に効率的に電子を蓄積することができ、発光特性や発光寿命の向上が期待できる。
また、有機EL素子として、上記実施形態では、陽極20と陰極60との間にて、陽極20側から正孔注入層30、高分子架橋層40、発光層50が順次積層されてなる構成のものとしたが、陽極20と陰極60との間に、さらに別の層が介在したものであってもよい。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能であり、また、上記各実施形態は、上記の図示例に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
20 陽極
30 正孔注入層
40 高分子架橋層
41 混合層
50 発光層
60 陰極

Claims (17)

  1. 陽極(20)と陰極(60)との間にて、少なくとも前記陽極側から低分子材料よりなる正孔注入層(30)、分子量が10000以上の高分子発光材料よりなる発光層(50)が順次積層されてなる有機EL素子であって、
    前記正孔注入層と前記発光層との間には、架橋された高分子よりなる正孔輸送性を有する高分子架橋層(40)が介在されていることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記高分子架橋層は、前記架橋された高分子と、前記正孔注入層と同一の前記低分子材料とが混合された混合層(41)よりなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記高分子架橋層としての前記混合層において、前記低分子材料の濃度が前記正孔注入層側から前記発光層側へ連続的に小さくなっていることを特徴とする請求項2に記載の有機EL素子。
  4. 前記高分子架橋層としての前記混合層は、前記正孔注入層側の部分が、前記架橋された高分子と、前記正孔注入層と同一の前記低分子材料とが混合された混合部(411)とされ、前記発光層側の部分が、前記架橋された高分子よりなり且つ前記低分子材料を含まない低分子非含有部(412)とされたものとなっていることを特徴とする請求項2または3に記載の有機EL素子。
  5. 前記混合部、前記低分子非含有部は、それぞれ別体の層であり、前記高分子架橋層としての前記混合層は、前記混合部を構成する層と前記低分子非含有部を構成する層とが積層されたものであることを特徴とする請求項4に記載の有機EL素子。
  6. 前記低分子材料とは、分子量が700以上2000以下のものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  7. 前記発光層には、前記低分子材料が含まれていないことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  8. 前記発光層として、前記高分子発光材料の塗布層または印刷層が形成されるものであり、
    前記正孔注入層の前記低分子材料は、そのガラス転移点、またはガラス転移点のない材料の場合にはその融点が、前記高分子架橋層の前記架橋された高分子の架橋温度以上であり、
    さらに、当該架橋温度は、前記発光層の塗布または印刷形成後に実行される乾燥温度以上であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  9. 前記低分子材料はトリフェニルアミン誘導体材料であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  10. 前記トリフェニルアミン誘導体材料は、対称中心構造を有することを特徴とする請求項9に記載の有機EL素子。
  11. 前記トリフェニルアミン誘導体材料は、スターバーストアミンであることを特徴とする請求項10に記載の有機EL素子。
  12. 前記架橋された高分子は、前記低分子材料の分子構造の少なくとも一部と同じ分子構造を含むものであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の有機EL素子。
  13. 前記同じ分子構造とは、トリフェニルアミン構造であることを特徴とする請求項12に記載の有機EL素子。
  14. 請求項2ないし4のいずれか1つに記載の有機EL素子の製造方法であって、
    前記陽極の上に前記正孔注入層を形成する工程と、前記正孔注入層の上に前記高分子架橋層としての前記混合層を形成する工程と、前記高分子架橋層の上に前記発光層を形成する工程とを備え、
    前記混合層を形成する工程では、前記架橋された高分子となる原料を溶媒に混合させた原料溶液を、前記正孔注入層の上に塗布することにより、前記正孔注入層中の前記低分子材料を前記溶媒に溶解させて前記原料溶液に含有させた状態とし、この状態で前記原料を架橋させて前記混合層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  15. 請求項5に記載の有機EL素子の製造方法であって、
    前記陽極の上に前記正孔注入層を形成する工程と、前記正孔注入層の上に前記高分子架橋層としての前記混合層を形成する工程と、前記高分子架橋層の上に前記発光層を形成する工程とを備え、
    前記混合層を形成する工程では、前記架橋された高分子となる原料を溶媒に混合させた第1の原料溶液を、前記正孔注入層の上に塗布することにより、前記正孔注入層中の前記低分子材料を前記溶媒に溶解させて前記第1の原料溶液に含有させた状態とし、この状態で前記第1の原料溶液中の前記原料を架橋させて前記混合部を構成する層を形成した後、
    その上に、前記原料を前記溶媒に混合させた第2の原料溶液を塗布し、前記第2の原料溶液中の前記原料を架橋させて前記低分子非含有部を構成する層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  16. 請求項2ないし4のいずれか1つに記載の有機EL素子の製造方法であって、
    前記陽極の上に前記正孔注入層を形成する工程と、
    前記正孔注入層の上に前記架橋された高分子となる原料を第1の溶媒に混合させた原料溶液を、前記正孔注入層の上に塗布し、前記原料を架橋させることにより前記架橋された高分子よりなる層を形成する工程と、
    前記架橋された高分子よりなる層の上に、前記発光層の原料を第2の溶媒に混合させた原料溶液を塗布して、前記発光層を形成する工程と、を備え、
    前記発光層を形成する工程では、前記第2の溶媒が前記架橋された高分子よりなる層を通して前記正孔注入層の前記低分子材料を溶解することにより、前記正孔注入層中の前記低分子材料を前記架橋された高分子よりなる層に含有させて、前記混合層を形成することを特徴とする有機EL素子の製造方法。
  17. 異なる表示色を表示する複数の画素(R、G、B)を備え、
    前記複数の画素のそれぞれを請求項2ないし5のいずれか1つに記載の有機EL素子により構成した表示装置であって、
    前記表示色の異なる前記画素同士では、前記有機EL素子における前記高分子架橋層としての前記混合層の構成を異なるものとしたことを特徴とする表示装置。
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