JP2016114970A - 地図データ生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】実際の道路の接続関係や交差関係を維持しながら地図データの簡略化を行うこと。【解決手段】地図データ生成装置は、道路を表現したリンクデータが含まれている地図データを記憶する地図データ記憶部20と、リンクデータが交差する部分において、そのリンクデータを複数の線分に分割するリンクデータ分割部40と、分割された分割線分を構成する構成点の一部を削除することにより分割線分を簡略化する分割線分簡略化部60と、簡略化された複数の分割線分の位置関係に基づいて簡略化の適否を判定する判定部80とを備える。ここで、分割線分簡略化部60は、判定部80において複数の分割線分の位置関係が簡略化の前の位置関係と比較して変化していると判定された場合には、分割線分を構成する構成点の削除数を変更する。【選択図】図1

Description

本発明は、地図データ生成装置に関するものである。
従来から、簡略化した地図データを自動作成する技術がある。例えば、簡略化前の特徴的な道路形状を簡略化後の道路形状でも維持させつつデータサイズを削減させる技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術は具体的に、道路形状の構成点を削除することによる地図データの簡略化を行う際に、道路形状の処理単位を変曲点において分割して処理することで、簡略化前の特徴的な道路形状を簡略化後の道路形状へ反映するというものである。
また、簡略化前の道路形状同士の交差などの相対的な位置関係を保障しつつ簡略化処理を行う技術についても提案されている(特許文献2参照)。この技術は、具体的に、道路ネットワークの接続関係や位置関係に簡略化前後で矛盾が生じづらくなるように、簡略化処理を行う際の評価関数に拘束条件を設定し、簡略化後に道路ネットワークの接続関係や位置関係に矛盾が生じているか判定を行うものである。
特開2013−174796号公報 特開2007−101767号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、変曲点で道路形状を分割することで特徴的な道路形状を保障しながら簡略化を行っているものの、簡略化後における道路形状同士の相対的な位置関係については保障されていなかった。具体的には、簡略化処理の前後において道路の一部の区間で位置が逆に表示される場合があった。一方、特許文献2に記載の技術では、道路形状同士の相対的な位置関係は保障されている。しかしながら、簡略化処理後の地図データに存在する道路形状同士の交差が、簡略化処理前から存在するものなのか、簡略化処理により新たに発生したものなのかを、全ての交差箇所について簡略化処理前の地図データと比較して判定を行う必要があり、処理負荷が増大していた。また、地図データをCDやDVD、SDメモリ等の記録媒体へ記録する場合には、記録できる地図データの容量に制限がある。このような記録媒体へ地図データを記録する場合に、地図データの簡略化処理を行うことで、地図データのデータ量を記録媒体の記録容量に応じて削減することについては、いずれの文献にも開示されていない。
本発明は、このような従来の地図データを簡略化する装置が有する課題を解決しようとするものである。
本発明は、上記の課題を解決することのできる地図データ生成装置、および地図データ生成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、道路を表現したリンクデータが含まれている地図データを記憶する記憶部と、前記リンクデータが交差する部分において、該リンクデータを複数の線分に分割するリンクデータ分割部と、分割された分割線分を構成する構成点の一部を削除することにより前記分割線分を簡略化する分割線分簡略化部と、簡略化された前記複数の分割線分の位置関係に基づいて簡略化の適否を判定する判定部とを備え、前記分割線分簡略化部は、前記判定部において前記複数の分割線分の位置関係が簡略化の前の位置関係と比較して変化していると判定された場合には、前記分割線分を構成する前記構成点の削除数を変更することを特徴とする。
また、本発明は、分割線分簡略化部において、設定されている前記地図データのデータ容量に収まるデータ量となるように前記構成点の削除数を変更することを特徴とする。
なお、上述した特徴は、本発明の特徴のすべてを列挙したものではなく、これらを要部とする構成(または方法)もまた発明となり得る。
本発明によれば、リンクデータ分割部は、リンクデータ同士が交差する部分において、リンクデータを複数の線分に分割する。さらに、分割された線分の構成点の一部を削除して簡略化処理を行った後、簡略化処理前の分割線分同士の位置関係と簡略化処理後の分割線分同士の位置関係に基づいて簡略化処理の適否を判定部において判定する。簡略化処理前のリンクデータ同士が交差する部分において、リンクデータを複数の線分へ分割しておくことにより、簡略化処理後に分割線分同士の交差が発生している部分は簡略化処理により発生した交差であることが明らかとなる。つまり、簡略化処理により新たに生成された分割線分同士の交差を、簡略化処理前のリンクデータ同士の位置関係と簡略化処理後のリンクデータ同士の位置関係とを比較することなく容易に抽出することができる。したがって、コンピュータが、簡略化処理前のリンクデータ同士の位置関係と簡略化処理後のリンクデータ同士の位置関係とを記憶部から読み出して比較する必要がなく、処理負荷を軽減できる。
さらに、本発明によれば、判定部において、簡略化された複数の線分の位置関係が簡略化処理の前後で変化していないかを判定する。判定の結果、簡略化処理の前後で位置関係が変化している場合、分割線分簡略化部は、位置関係の変化が発生しなくなるまで簡略化のための閾値を変更して簡略化の程度、換言すれば構成点の削除点数を変更する。よって、本発明によれば、リンクデータの相対的な位置関係を簡略化の前後において維持しつつリンクデータの簡略化(データ量の削減)を行える。したがって、データ量を削減しつつ、実際の道路の接続関係や交差関係が維持された地図データを提供することができる。
また、本発明によれば、設定されている地図データのデータ容量に応じて、分割線分簡略化部において分割線分を構成する構成点の削除数を変更する。分割線分簡略化部は、分割線分の簡略化処理後、地図データ全体に含まれる構成点の数を計数し、設定されている地図データのデータ容量の範囲に収まるか否かを判定する。判定の結果、設定されているデータ容量の範囲外である場合には、簡略化と構成点数の計数を繰り返し、地図データがデータ容量の範囲に収まるようになるまで簡略化処理を行う。したがって、本発明によれば、記録媒体のデータ容量制限の範囲内に収まる地図データを自動で作成することができる。
地図データ作成システムの構成図。 実施形態1における地図データ簡略化処理のフローチャート。 実施形態2における地図データ簡略化処理のフローチャート。 実施形態2における地図データ簡略化処理のフローチャート。 処理結果一時記憶エリア74に記憶されるデータのデータ構造。 仮ノードデータを含む道路ネットワークデータ。 仮ノードデータを含む道路ネットワークデータ。 立体的に交差する道路。 立体的に交差する道路における道路ネットワークデータ。 立体的に交差する道路におけるリンクデータの構成点。 リンクデータ分割処理前におけるリンクデータのデータ構造。 リンクデータ分割処理後におけるリンクデータのデータ構造。 リンクデータ分割処理前後における道路ネットワークデータ。 ダグラスパッカーアルゴリズムによる分割線分簡略化処理。 交差判定処理を説明する図。 重なり判定処理を説明する図。 内外判定処理を説明する図。 閾値設定機能62において用いられる閾値設定のためのデータ。 実施形態2における2回目以降の閾値設定処理の概念図。 転位処理の説明図。 同一リンクに含まれる分割線分の交差判定を説明する図。 存在領域判定処理を説明する図。
以下、本発明を具体化した実施例について説明する。
図1に示すように、本実施例における地図データ作成システム10は、端末装置16、表示部としてのディスプレイ12、入力部としてのキーボード14及びマウス18を含んで構成されている。
端末装置16は、地図データ記憶部としてのハードディスク20,一時記憶部としてのメモリ70,座標変換部30,リンクデータ分割部40,分割線分結合部50,分割線分簡略化部60,判定部80を含んで構成される。なお、ここでは説明の便宜上、各構成要素をそれぞれ独立したブロックで示してあるが、図示の各ブロック構成要素は、この端末装置16を構成するCPU(Central Processing Unit)や記憶装置としてのメモリといったハードウエアに、後述する各処理を実施するためのソフトウエアを組み込むことにより構成される。
ディスプレイ12は、端末装置16から出力された情報を表示する。端末装置16から出力された情報とは、例えば、地図データを簡略化する範囲の指定画面や、簡略化後の地図データの表示画面などである。
キーボード14やマウス18は、ユーザからの指示入力を受け付ける。本実施形態において、キーボード14やマウス18からは地図データを簡略化する処理範囲、紙媒体への印刷出力を行うか記録媒体へのデータ出力を行うかの選択、印刷出力の際の印刷サイズや解像度、データ出力の際のデータサイズや縮尺などが入力される。
地図データ作成システム10で生成された地図データは、地図データ作成システム10と接続された図示しない出力部から出力される。出力部としては、例えばプリンタや記録媒体書込装置等がある。プリンタからは、生成された地図データを用いた道路地図等が印刷される。記録媒体書込装置からは、生成された地図データがナビゲーション装置で用いられる道路地図データとしてDVDやSDメモリ等の記録媒体に書き込まれる。
ハードディスク20には、道路を表現したリンクデータと交差点を表現したノードデータとから構成されている道路ネットワークデータを含む地図データが記憶されている。ノードデータには交差点の位置を表す位置情報、交差点に接続する道路を認識する情報等が含まれる属性データ及び固有のノードID等が含まれている。リンクデータには複数の構成点の位置を表す位置情報、道路の種別や道路幅等の道路属性情報及び固有のリンクID等が含まれている。ノードデータ及びリンクデータに含まれる位置情報は、測地系と呼ばれる、経度・緯度及び標高の座標で規定される。リンクデータは、複数の構成点で構成されている。したがって、リンクデータは構成点の数が多いほど実際の道路形状に近似した、滑らかな形状での表現が可能となる。その反面、構成点の数が多いほどデータ量は増大する。
メモリ70は、RAM(Random Access Memory)などで構成される。メモリ70には、端末装置16における演算結果が一時的に記憶される。メモリ70は、簡略化処理の対象となる分割線分が記憶される簡略化対象一時記憶エリア72及び閾値設定処理のために前回までの処理結果が記憶される処理結果一時記憶エリア74及び分割線分簡略化処理が行われた分割線分が記憶される簡略化後線分一時記憶エリア76を含んで構成される。
簡略化対象一時記憶エリア72には、リンクデータ分割部40におけるリンクデータの分割処理により生成された分割線分が一時的に記憶される。
処理結果一時記憶エリア74に記録されるデータ例を図5に示した。分割線分簡略化部60は、前回及び今回の分割線分簡略化部60における処理結果の構成点数及び閾値及び構成点判定機能66における判定結果を処理結果一時記憶エリア74に記憶する。処理結果一時記憶エリア74に記憶されたデータは、閾値設定機能62における閾値の設定処理に用いられる。初めてリンクデータの簡略化処理を行う際には、分割線分簡略化部60は、処理結果一時記憶エリア74の前回の処理結果及び判定結果の欄にそれぞれ何も存在しないことを意味する値を記憶するとともに、今回の処理結果及び判定結果の欄に今回の処理結果及び判定結果を記憶する。また、2回目以降の簡略化の際には、分割線分簡略化部60は、処理結果一時記憶エリア74の前回の処理結果及び判定結果欄に記憶されたデータを破棄し、今回の処理結果及び判定結果欄に記憶されていたデータを前回の処理結果及び判定結果欄に記憶する。そして、分割線分簡略化部60は、処理結果一時記憶エリア74の今回の処理結果及び判定結果欄に今回の処理結果及び判定結果を記憶する。
簡略化後線分一時記憶エリア76には、分割線分簡略化部60による分割線分簡略化処理により生成された簡略化処理後の分割線分が一時的に記憶される。判定部80は、分割線分同士の相対的な位置関係に変化があると判定された簡略化処理後の分割線分に、簡略化失敗フラグを付与する。そして、判定部80は、簡略化失敗フラグが付与された分割線分を簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶する。また、判定部80は、分割線分同士の相対的な位置関係に変化がないと判定された簡略化処理後の分割線分に、簡略化成功フラグを付与する。そして、判定部80は、簡略化成功フラグが付与された分割線分を簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶する。
座標変換部30は、ハードディスク20に記憶されている道路ネットワークデータを測地系から平面直角座標系へ変換する。
また、座標変換部30は、道路ネットワークデータについて座標変換処理を実行する。具体的に、座標変換部30は道路ネットワークデータの座標を平面直角座標系から出力フォーマットに合わせた出力座標系へと変換する。本実施形態では座標変換部30が平面直角座標系から出力座標系への座標変換処理を行うことにより、平面直角座標系で表された座標が出力先の印刷フォーマットや、データフォーマットに対応した出力座標系に変換される。平面直角座標系とは、ある点を原点と定め、XY座標にて相対的な位置を表現するという地図投影法の一種である。一般的に国内の紙地図や電子地図に用いられる、ある程度狭い範囲の地図データは平面直角座標系で表現されているため、このような座標変換処理を行う必要がある。なお、座標変換処理には、ガウスの等角影法など一般的に知られた方法が採用される。
座標変換部30は、地図データの出力先が印刷物である場合、指定された用紙サイズと解像度とに合致するように全ての座標について座標変換処理を行う。また、地図データをデジタルデータとしてディスプレイ等へ出力する場合には、座標変換部30は、予め設定されているディスプレイサイズと解像度とに合致するように、印刷物の場合と同様に座標変換処理を行う。
リンクデータ分割部40は、座標変換部30によって座標変換処理された道路ネットワークデータに含まれるリンクデータ同士が実質的に交差する点において、リンクデータを複数の分割線分に分割する。リンクデータが実質的に交差する点には、実際の道路では交差点と呼ばれる平面的に道路が交差する場所及び高速道路等の高架道路と一般道路とが立体的に交差する場所などが含まれる。
ここで、リンクデータ分割部40におけるリンクデータの分割処理を行わずに、分割線分簡略化部60がリンクデータの簡略化処理を行う場合を考える。この場合、簡略化処理後の道路ネットワークデータに含まれるリンクデータ同士の交点が、簡略化処理前の道路ネットワークデータにも存在していた交点なのか、簡略化処理により新たに発生した交点なのかを、判定部80が簡略化処理前後の道路ネットワークデータ同士を比較することにより判定する処理が必要になる。
一方、リンクデータ分割部40がリンクデータの分割処理を行うと、簡略化処理前の道路ネットワークデータに存在していた交点を削除することができる。よって、簡略化処理後の道路ネットワークデータに存在する交点がすべて簡略化処理により発生した交点であることを、判定部80は、簡略化処理前後の道路ネットワークデータ同士の比較を行うことなく判定することができる。
リンクデータ分割部40は、平面的に道路が交差する点に付与されるノードデータを分割点として抽出する。一方、立体的に道路が交差する点にはノードデータが存在しないため、別の処理により分割点を抽出する。具体的には、リンクデータ分割部40は、立体的に道路が交差する点において、リンクデータを構成する構成点の位置座標を用いて演算を行うことにより、分割点としての交点の抽出を行う。そして、リンクデータ分割部40は、抽出された分割点においてリンクデータを分割するとともに、簡略化対象一時記憶エリア72に分割後のリンクID及び位置座標情報が含まれる分割線分を記憶する。
リンクデータには、交差点以外の場所でも経路探索や経路案内の便宜上、ノードデータ(以下、通常のノードデータと区別するために「仮ノードデータ」ともいう。)が付与されることがある。仮ノードデータが付与される場所の例としては、トンネルなど道路種別が変化する地点や車線数が変化する地点などが挙げられる。表示用としてリンクデータが加工処理される場合、リンクデータは道路種別や交差点を表すノードデータによって分割されないことが望ましい。また、リンクデータの始終点にあたるノードデータは、道路形状の特徴点として扱われるため、位置が移動することのないように道路形状の加工処理が行われることが望ましい。このため、リンクデータ分割部40は、仮ノードデータをリンクデータの分割処理の対象から除外する。なお、ノードデータが仮ノードデータであるか否かの判別は、リンクデータ分割部40が構成点の道路属性情報に含まれる道路種別情報を参照することにより行う。
図6は、トンネル付近の道路ネットワークデータを表現した図である。トンネルに対応するリンクL2の端部に、仮ノードデータN1,N2が付与されている。また、通常の道路同士が交差する交差点には、ノードN3、ノードN4が付与されている。このリンクデータが表示用として加工処理される場合、リンクL1からリンクL3について1本の連続した道路として加工処理が行われると、より滑らかに交差点間を結ぶリンクデータが作成されるようになる。
また、図7は、車線数が変化する地点に仮ノードデータが付与された道路ネットワークデータを表現した図である。リンクL10は1車線の道路であり、リンクL11は2車線の道路である。車線数が変化する地点に仮ノードデータとしてノードN10が付与されており、リンクL10及びリンクL11はともに同一の道路種別(例えば、国道)のリンクデータであるとする。ここで、道路種別によってリンクデータの色や線幅を決定する表示用の加工処理を行う場合を考える。この場合、車線数が変化するものの表示上は同一のリンクデータの色や線幅で表示させるため、リンクL10及びリンクL11は1本の連続した道路として道路形状の加工処理が行われる。
リンクデータ分割部40が仮ノードデータにおいてリンクデータの分割を行うと仮定すると、仮ノードデータで分割された分割線分毎に道路形状の加工処理を行うこととなるため、表示用としては相応しくない道路形状を持つリンクデータが作成されることがある。したがって、リンクデータ分割部40は、仮ノードデータが付与される地点ではリンクデータの分割処理を実行しない。すなわち、リンクデータ分割部40は、道路ネットワークデータに含まれる全てのノードデータから仮ノードデータを除外して分割点の抽出を行うようにする。
分割線分簡略化部60は、閾値設定機能62、分割線分形状簡略化機能64及び構成点判定機能66を含んで構成される。
閾値設定機能62は、分割線分形状簡略化機能64において分割線分の簡略化処理を行う際に用いる閾値を設定する。閾値とは、分割線分形状簡略化機能64での簡略化処理において、分割線分に含まれる構成点の削除の基準となる値である。例えば、図14に示すように、ダグラスパッカーアルゴリズムは始点及び終点を接続した線分から、閾値以上の距離で且つ最も離れた構成点を特徴点と判定する処理を繰り返し行い、特徴点以外の構成点を削除するというアルゴリズムである。分割線分簡略化部60が、ダグラスパッカーアルゴリズムを用いて構成点の削除を行う場合には、閾値を大きく設定するほど構成点の削除数は多くなり、簡略化処理結果の分割線分は、より簡略的な形状となる。
判定部80が、簡略化処理の前後で分割線分の相対的な位置関係が変化していると判定した場合、閾値設定機能62は閾値の再設定処理を行う。閾値の再設定処理は、処理結果一時記憶エリア74に記憶された前回までに実行された処理結果に基づいて、閾値を増減させることにより行う。
分割線分形状簡略化機能64は、簡略化対象一時記憶エリア72に記憶された分割線分に対して簡略化処理のためのアルゴリズムを用いて分割線分の構成点を削除することにより、分割線分の簡略化処理を行う。この際、分割線分形状簡略化機能64は、閾値設定機能62が設定した閾値を用いて簡略化処理を行い、構成点の削除を行う。また、分割線分形状簡略化機能64は、簡略化処理を行った結果の道路ネットワークデータを処理結果一時記憶エリア74に記憶する。複数回にわたって分割線分形状簡略化処理が行われると、簡略化後線分一時記憶エリア76に前回の簡略化処理結果の分割線分が記憶されていることになる。そこで、分割線分形状簡略化機能64は、簡略化処理前の分割線分が同一である複数の簡略化後の分割線分のうち、最新の分割線分形状簡略化処理により生成された分割線分を簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶する。分割線分形状簡略化機能64において利用される形状変換アルゴリズムとしては、ラングの簡略化アルゴリズムやダグラスパッカーアルゴリズムなど、一般的に知られた方法が挙げられる。
構成点判定機能66は、分割線分形状簡略化機能64によって簡略化された分割線分の構成点の数を計数し、処理結果一時記憶エリア74に記憶する。また、構成点判定機能66は、出力される地図データに含まれるべき構成点数の範囲(以下、「目標構成点数範囲」ともいう)を演算する。そして、構成点判定機能66は、処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数が目標構成点範囲内か否かを判定する。
デジタルデータとして記録媒体に記録される地図データには、地図全体に関する情報と、道路形状に関する情報とがある。地図全体に関する情報には、例えば、縮尺の情報が含まれる。道路形状に関する情報には、例えば、道路種別情報や右左折レーンの情報、走行コスト、リンクデータの構成点などが含まれる。デジタル地図データを記録媒体に記録する場合、記録可能な地図データの上限容量が決まっている。そこで、本実施形態では、リンクデータの構成点を目標構成点数範囲内まで削減し、地図データの総データ量が記録媒体に記録可能な上限容量内に収まるデータ量となるように調整する。
構成点判定機能66における目標構成点範囲の上限値の演算は、記録媒体に記録可能な上限容量及び記録したい地図データの容量を用いて行う。また、構成点判定機能66は、目標構成点数の上限値の所定割合を目標構成点範囲の下限値として設定する。この所定割合は任意に設定することができる。構成点数の下限値を設定する理由は、可能な限り、実際の道路形状に近い形状で道路形状の表現を行うためである。例えば、本発明における地図データ作成装置によって作成された簡略化後の道路ネットワークデータに対して、後述する転位処理等の道路形状変換処理を行う場合には、可能な限り多くの構成点を含む道路ネットワークデータであった方が、道路形状変換処理後の道路形状が実際の道路形状に近い形となる。
また、構成点判定機能66は、分割線分形状簡略化機能64によって削減された分割線分の構成点数が目標構成点範囲内であるか否かの判定処理を行う。この判定は、構成点判定機能66が目標構成点範囲と処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数とを比較することにより行う。処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数が目標構成点範囲内である場合には、構成点判定機能66は、分割線分結合部50に簡略化処理後の分割線分を送信する。その一方で、処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数が目標構成点範囲外である場合には、構成点判定機能66は判定結果を処理結果一時記憶エリア74に記憶する。さらに、閾値設定機能62が閾値の再設定処理を実行するとともに、分割線分形状簡略化機能64が、再度分割線分の簡略化処理を行う。
記録媒体は、記録可能な容量に制限がある。一方、閾値設定機能62が、構成点の削除数が増加するように閾値を演算して設定しても、分割線分簡略化部60による簡略化処理で分割線分同士の相対的な位置関係の変化を解消しようとすると構成点の削除数に限界が生じる。このため、分割線分簡略化部60における分割線分の簡略化処理によって分割線分同士の相対的な位置関係に変化が発生したとしても、記録媒体へ記録可能なデータ容量内の地図データを生成することを優先せざるを得ない場合がある。そこで、構成点判定機能66は、処理結果一時記憶エリア74に記憶された今回の処理結果の構成点数と前回の処理結果の構成点数とが同一となる場合、判定部80による相対位置判定を中止する。この処理により、地図データ作成システム10は、記憶媒体の容量に応じて可能な限り分割線分同士の相対的な位置の変化を解消した地図データを作成することが可能となる。
判定部80は、存在領域判定機能81、交差判定機能82、重なり判定機能84及び内外判定機能86を含んで構成される。
存在領域判定機能81は、分割線分同士の位置関係の変化の判定(交差判定、重なり判定、内外判定を含む。以下、「相対位置変化判定」ともいう。)の対象となる分割線分の組み合わせを抽出する。
交差判定機能82は、存在領域判定機能81によって相対位置変化判定の必要があると判定された分割線分の組み合わせに対して、分割線分形状簡略化機能64による簡略化処理後の分割線分同士の位置関係に変化がないかを判定する。
重なり判定機能84は、交差判定機能82によって簡略化後の分割線分同士の位置関係に変化がないと判定された分割線分の組み合わせに対して、分割線分形状簡略化機能64による簡略化処理後の分割線分同士の位置関係に変化がないかを判定する。
内外判定機能86は、重なり判定機能84によって簡略化後の分割線分同士の位置関係に変化がないと判定された分割線分の組み合わせに対して、分割線分形状簡略化機能64による簡略化処理後の分割線分同士の位置関係に変化がないかを判定する。
次に、以上のように構成される地図データ作成システム10を用いて地図データ生成処理を実行する方法について説明する。
<実施形態1>
図2のフローチャートを用いて、地図データを紙媒体へ印刷する場合の地図データ作成システムの処理について説明する。地図データが紙媒体へ印刷される場合には、簡略化後の地図データの容量に制限がない。そこで、地図データ作成システム10は、リンクデータ同士の相対的な位置関係が維持されることを優先した簡略化を行う。
端末装置16は、ユーザが入力する簡略化処理を行う対象の地図データの範囲、入力データ及び出力データの縮尺、出力する用紙サイズ、解像度の設定を受け付ける(ステップS11)。
端末装置16は、ディスプレイ12に図示しない地図データ設定入力画面を表示させる。そして、端末装置16は、キーボード14やマウス18を介してユーザから入力された、地図データ設定入力画面に記載の設定項目のデータを受け付ける。設定項目は、例えば、入力データの縮尺として25000分の1、出力データの縮尺として250000分の1、用紙サイズA3(297mm×420mm)、解像度300dpiという設定である。また、端末装置16は、ユーザにより入力された、出力対象の地図データの左下、右上にあたる位置座標により出力対象の地図データの範囲の設定受け付ける。
本実施形態における地図データ作成装置は、簡略化を行う対象の入力データよりも縮尺が大きな地図を出力データとして作成するため、入力データの縮尺及び出力データの縮尺の設定が行われる。そして、端末装置16は、設定された範囲と縮尺の地図データをハードディスク20から読み出す。
座標変換部30は、ハードディスク20から、ユーザによって設定された範囲の地図データを読み出すとともに、地図データに含まれる道路ネットワークデータの位置座標情報を出力座標系の座標情報に変換する(ステップS12)。
一例として、出力用紙サイズがA3(11.69インチ×16.54インチ)、解像度300dpiの場合の変換処理について説明を行う。
まず、座標変換部30は、ハードディスク20から読み出した測地座標系の地図データから、単位をメートル(m)とした平面直角座標系の地図データを作成する。測地系座標から平面直角座標への変換処理は、ガウスの等角影法など一般的に用いられる座標変換方法を使用して行われる。次に、座標変換部30は、平面直角座標系の地図データから、単位をポイント(pt)とした出力座標系の地図データを作成する。これは、平面直角座標系における1メートルを1ポイントに換算することによって行われる。そして、座標変換部30は、出力座標系の地図データの各構成点を、出力用紙のサイズに合わせてそれぞれスケーリングする。スケーリングとは、出力用紙サイズがA3(11.69インチ×16.54インチ)、解像度300dpiであることから、地図データの左下にあたる座標を原点(0ポイント、0ポイント)、右上にあたる座標を最大値(3508ポイント×4961ポイント)となるように、各構成点の値を変換することである。
以上のように、座標変換部30は、出力媒体に合わせた単位(1ピクセル(pixel)または、1ドット(dots))と、出力座標系における1ポイントとの比率を1対1に規定した出力座標系の地図データを作成する。
閾値設定機能62は、後述する分割線分形状簡略化処理(ステップS15)で使用する簡略化処理の閾値を計算して設定する処理を行う(ステップS13)。座標変換処理(ステップS12)により、地図データにおける1ポイントのサイズが1ピクセルのサイズと同等となるように変換されているため、1ポイント×1ポイントの正方形は、プリンタが印刷を行う際の最小単位であるといえる。つまり、この範囲に含まれる最大の線分である√2ピクセルより変化量の少ない構成点は、印刷上意味のない(表現不可能である)構成点であるといえる。したがって、後述する分割線分形状簡略化処理(ステップS15)では、これら印刷上意味のない構成点を簡略化処理によって削除するため、閾値設定機能62が閾値設定処理(ステップS13)において、閾値を√2ピクセルに設定する。
リンクデータ分割部40は座標変換処理(ステップS12)が完了した道路ネットワークデータに対して、リンクデータの分割処理を行う(ステップS14)。まず、リンクデータ分割部40は、分割点として不要なノードデータである仮ノードデータの抽出を行う。仮ノードデータの抽出は、構成点に付与された道路属性情報を参照することにより行われる。例えば、図6では、リンクL1の構成点には、通常の道路であることを示す道路属性情報が付与されており、リンクL2の構成点にはトンネルであることを示す道路属性情報が付与されている。リンクデータ分割部40は、これらの道路属性情報を参照し、道路属性情報が変化する点に付与されるノードデータが仮ノードデータであると判別する。リンクデータ分割部40は、仮ノードデータであると判別したノードデータに対して、仮ノードデータであることを示すフラグを付与する。
リンクデータ分割部40は、仮ノードデータフラグの付与が完了した道路ネットワークデータに対して、リンクデータの分割点としてのノードデータの抽出を行う。リンクデータ分割部40は、座標変換処理が完了した道路ネットワークデータに含まれるノードデータのうち、仮ノードデータフラグが付与されたノードデータ以外の全てのノードデータを分割点として抽出する。
次に、リンクデータ分割部40は、実質的に道路が交差する点において、リンクデータの分割点としての交点の抽出を行う。図8は現実の道路構造を示している。道路D20及び道路D21は高架道路であり、道路D22は道路D20より低い場所を通る道路である。図9に図8の道路に対応する道路ネットワークデータを示す。道路D20及び道路D21が平面的に交差している点にはノードN20が付与されているが、道路D20及び道路D22が立体的に交差している点であるM20には、ノードデータが付与されていない。このような実質的に道路が交差する場所においてもリンクデータを分割するために、リンクデータ分割部40はリンクデータ同士の交点の抽出を行う。
図10に、リンクデータ同士の交点の例を示す。リンクL20は、構成点C20及び構成点C22を接続する線分Aを含むリンクデータであり、リンクL22は、構成点C21及び構成点C23を接続する線分Bを含むリンクデータである。リンクL20及びリンクL22は、線分A及び線分Bの交点である交点M20において交差している。リンクデータ分割部40は、この交点M20をリンクL20及びリンクL22の実質的な交差点と判別し、分割点として抽出する。また、リンクデータ同士の交点の抽出は、同一リンクによる交点に対しても行われる。図21に同一リンクで交点が発生する例を示した。図21に示したリンクL200はノードN200及びノードN210を端点とするリンクであり、交点Zにおいて交差している。リンクデータ分割部40は、このような同一リンクに含まれる交点についてもリンクデータの分割点として抽出する。なお、この交点抽出処理は、リンクデータの構成点同士を接続する線分の全ての組み合わせに対してリンクデータ分割部40が行う。
ノードデータ及び実質的な交差点を含む分割点の抽出が完了すると、リンクデータ分割部40は、抽出された分割点においてリンクデータを分割する。分割処理前のリンクデータのデータ構造を図11に、簡略化対象一時記憶エリア76に記憶される分割処理後の分割線分のデータ構造を図12に、分割処理前のリンクデータ及び分割処理後の分割線分のイメージを図13に示した。リンクID1000のリンクデータは、ノードN1000を分割点として分割されるリンクデータである。この場合は、分割処理によりリンクデータの数が増減することはないので、リンクデータ分割部40は、リンクID1000に対して処理ID1000を付与する。リンクID1001のリンクデータは、実質的な交差点M1001を含むリンクデータである。分割処理後は、実質的な交差点でリンクデータが分割されるため、リンクデータ分割部40は、処理IDとしてID1001−1及びID1001−2を付与する。リンクID1002及びリンクID1003は、分割処理前には、ノードN1002を境界として2つのリンクデータとして管理されていた。しかし、これらのリンクデータは実質上、連続した1つのリンクデータとしてリンクデータ簡略化処理を行うことが望ましい。よって、リンクデータ分割部40は、分割処理後のリンクID1002及びリンクID1003のリンクデータに対して、処理ID1002を付与する。
リンクデータ分割部40は、座標変換処理(ステップS12)が行われた全てのリンクデータに対してリンクデータ分割処理(ステップS14)を行い、生成された分割線分を簡略化対象一時記憶エリア72に記憶する。
分割線分形状簡略化機能64は、簡略化対象一時記憶エリア72に記憶された分割線分を読み出し、ダグラスパッカーアルゴリズムを用いて分割線分を構成する構成点を削除することで、分割線分の簡略化処理を行う(ステップS15)。
図14を用いて、ダグラスパッカーアルゴリズムを用いた分割線分の簡略化処理(ステップS15)を説明する。予め、閾値設定機能62が閾値としてTH4の値を設定したとする。分割線分形状簡略化機能64は、ノードN30及びノードN31を端点とする分割線分L30を簡略化するために、ノードN30及びノードN31を接続する仮線分T30を作成する。そして、分割線分形状簡略化機能64は、仮線分T30から閾値TH4を超えて離れている構成点のうち、仮線分T30から最も離れている構成点Aを抽出する。この構成点Aは構成点の削除の際、削除の対象から除外される構成点である。さらに、分割線分形状簡略化機能64は、構成点A及びノードN30を接続する仮線分T31を作成し、仮線分T30と同様の方法により構成点Bを抽出する。ここで、構成点B及びノードN30を接続する仮線分を作成すると、仮線分から閾値TH4を超えて離れている構成点が存在しなくなる。よって、分割線分形状簡略化機能64は、ノードN30、構成点B、構成点A及びノードN31を接続する線分を簡略化後の分割線分K30として生成する。
判定部80は、同一リンクに含まれる分割線分同士の組み合わせも含め、すべての分割線分の組み合わせに対して、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)によって、分割線分同士の相対的な位置関係の変化が発生していないかを判定する(ステップS16)。相対的な位置関係の変化には、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)の前には発生していなかった分割線分同士の交差や重複が発生すること及び分割線分が含まれる領域の位相関係が変化することが含まれる。
また、複数回にわたって分割線分形状簡略化処理(ステップS15)が行われると、簡略化後線分一時記憶エリア76に前回の簡略化処理結果の分割線分が記憶されていることになる。そこで、判定部80は、簡略化処理前の分割線分が同一である複数の簡略化後の分割線分のうち、最新の分割線分形状簡略化処理(ステップS15)により生成された分割線分を簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶する。
存在領域判定機能81は、2つの分割線分の組み合わせに対して、相対位置変化判定を行う必要があるかを判定する。まず、存在領域判定機能81は、判定対象の分割線分に対して、それぞれ簡略化前の分割線分の位置座標の最小値及び最大値より、分割線分の存在する領域(以下、「存在領域」という)を設定する。次に、存在領域判定機能81は、互いの分割線分に対応する存在領域同士が重なっているかを判定する。
図22(a)に示した、分割線分L110及び分割線分L120は、ノードN111、ノードN112、ノードN121、ノードN122において分割されている。図22(b)には、分割線分L110の存在領域R110及び分割線分L120の存在領域R120を示した。存在領域判定機能81は、存在領域R110及び存在領域R120が、領域Q22において重なっていることを検出する。そして、存在領域判定機能81は分割線分L110及び分割線分L120が、相対位置変化判定の必要な分割線分の組み合わせであると判定する。
交差判定機能82は、存在領域判定機能81が相対位置変化判定の必要があると判定した分割線分の組み合わせに対して、分割線分同士の構成点の位置座標情報を用いて交差が発生しているか否かを判定する。
分割線分同士の交差が発生する例を図15に示した。図15(a)は、分割線分形状簡略化機能64における簡略化処理を行う前の分割線分L40及び分割線分L41を示したものである。分割線分L40はノードN40及びノードN41を端点とする線分であり、分割線分L41も同様に、ノードN40及びノードN41を端点とする線分である。本実施形態では、道路ネットワークデータに存在する実質的なリンクデータ同士の交差部分において、リンクデータ分割部40がリンクデータを予め全て分割している。このため、分割線分形状簡略化機能64による簡略化処理を行う前の分割線分は互いに交差のない状態となる。図15(b)は、分割線分L40及び分割線分L41に対して、それぞれ分割線分形状簡略化機能64における簡略化処理を行った結果の分割線分F40及び分割線分L41を示したものである。分割線分F40及び分割線分L41は交点P40において交差している。この交点P40の抽出は、交差判定機能82が、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)後における分割線分の構成点同士を接続する線分の交点を抽出することにより行う。この交点の求め方は、リンクデータ分割処理(ステップS14)における実質的な交差点の抽出処理と同様である。このように分割線分形状簡略化処理(ステップS15)後に分割線分同士の交差が発生した場合、交差判定機能82は交差判定対象とされた分割線分に対し、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)によって位置関係が変化したと判定する。一方、交差判定機能82は、分割線分同士の交差が発生していない場合、分割線分同士で位置関係に変化がないと判定する。
交差判定機能82は、分割線分同士の交点が抽出された分割線分に簡略化失敗フラグを付与し、分割線分同士の交点が抽出されなかった分割線分には、簡略化成功フラグを付与する。
次に、重なり判定機能84は、交差判定機能82が分割線分同士の相対位置関係は変化していないと判定し、簡略化成功フラグを付与した分割線分同士に対して、重なりが発生しているか否かを判定する。
分割線分同士の重なりが発生する例を図16に示した。図16(a)に、分割線分形状簡略化機能64における簡略化処理を行う前の分割線分を示す。分割線分L510は、構成点C510及び構成点C511を含む分割線分であり、分割線分L520は、構成点C521及び構成点C522を含む分割線分である。図16(b)に、分割線分L510及び分割線分L520に対して、それぞれ分割線分形状簡略化機能64における簡略化処理を行った結果の分割線分F510及び分割線分F520を示す。分割線分F510及び分割線分F520は、区間Q50において重なっている。このように、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)後に分割線分の重なりが発生した場合、重なり判定機能84は重なり判定対象とされた分割線分に対し、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)によって分割線分の位置関係が変化したと判定する。一方、重なり判定機能84は、分割線分同士の重なりが発生していない場合、分割線分同士で位置関係に変化がないと判定する。
重なり判定機能84は、分割線分同士の重なりがあると判定した分割線分には簡略化失敗フラグを付与し、分割線分同士の重なりがないと判定した分割線分には簡略化成功フラグを付与する。
次に、内外判定機能86は、重なり判定機能84が分割線分同士の重なりなしと判定し、簡略化成功フラグを付与した分割線分同士に対して、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)の前後において分割線分を含む領域(以下、変化領域とよぶ)をそれぞれ作成し、変化領域同士の重なりが発生しているか否かを判定する。
図17(a)に、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)前の分割線分を示す。分割線分L710は、構成点C710及び構成点C711を含む分割線分であり、分割線分L610は、構成点C610及び構成点C611を含む分割線分である。
図17(b)に、分割線分形状簡略化機能64が、閾値TH861で分割線分形状簡略化処理(ステップS15)を行った後の分割線分を示す。分割線分形状簡略化機能64は、分割線分L710を分割線分F710へ、分割線分L610を分割線分F610へと形状変換している。
内外判定機能86は、分割線分L710及び分割線分F710に囲まれた変化領域R710を形成する。同様に、内外判定機能86は、分割線分L610及び分割線分F610に囲まれた変化領域R610を形成する。すると、変化領域R710及び変化領域R610は、領域Q86において重なる。このように、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)後に変化領域同士の重なりが発生した場合、内外判定機能86は、内外判定対象とされた分割線分に対し、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)によって分割線分の位置関係が変化したと判定する。
図17(c)に、分割線分形状簡略化機能64が、閾値TH862で分割線分形状簡略化処理(ステップS15)を行った後の分割線分を示す。分割線分形状簡略化機能64は、分割線分L710を分割線分K711に形状変換している。また、分割線分形状簡略化機能64は、分割線分L610を分割線分K611に形状変換している。内外判定機能86は、分割線分L710及び分割線分K711に囲まれた変化領域R711を形成する。同様に、内外判定機能86は、分割線分L610及び分割線分K611に囲まれた変化領域R611を形成する。すると、変化領域R711及び変化領域R611は重ならない。 このように、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)後に変化領域同士の重なりが発生していない場合、内外判定機能86は、内外判定対象とされた分割線分に対し、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)によって分割線分の位置関係が変化していないと判定する。
内外判定機能86は、位置関係が変化したと判定した分割線分に簡略化失敗フラグを付与し、位置関係の変化が発生していないと判定した分割線分に簡略化成功フラグを付与する。
簡略化対象一時記憶エリア72へ記憶された分割線分に対して、閾値設定機能62は、再度、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)を行うための閾値の設定を行う(ステップS17)。この閾値再設定処理では、閾値設定機能62は前回の処理結果と比較して削除する構成点数を減少させるような閾値を設定する。したがって、閾値再設定処理(ステップS17)の後の分割線分形状簡略化処理(ステップS15)で得られる分割線分形状は、前回の分割線分の形状簡略化処理で得られた分割線分形状と比較して、より、分割線分の形状簡略化処理の前の分割線分形状に近づく。
閾値再設定処理では、前回の閾値から、初回の閾値に0乃至1の間の値である係数を掛けた値を減ずることにより求められた値を新たな閾値として算出する。例えば、閾値設定処理(ステップS13)で閾値を√2ピクセルに設定してから初めての閾値再設定処理(ステップS17)で、係数として0.1を用いるとすると、閾値設定機能62が設定する閾値は、0.9×√2ピクセルとなる。
閾値再設定処理(ステップS17)により設定された新たな閾値を用いて、簡略化対象一時記憶エリア72に記憶された分割線分に対し、分割線分形状簡略化機能64が分割線分形状簡略化処理(ステップS15)を行う。そして、再度、相対位置判定処理(ステップS16)及び閾値再設定処理(ステップS17)が行われる。
例えば、図17(b)に示したように、内外判定機能86によって分割線分同士の相対的な位置関係が変化していると判定された場合、閾値設定機能62は閾値再設定処理(ステップS17)を行い、前回の閾値であるTH861よりも小さな閾値TH862を設定する。この新たな閾値TH862を用いて簡略化対象一時記憶エリア72に記憶されている分割線分L610及び分割線分L710に対して、分割線分形状簡略化機能64が分割線分形状簡略化処理(ステップS15)を行うと、図17(c)に示すように、分割線分L610は分割線分K611へ簡略化されるとともに、分割線分L710は分割線分K711へと簡略化され、分割線分L610及び分割線分L710の相対的な位置関係が維持される。
このように、地図データ作成システム10は、閾値再設定処理(ステップS17)及び分割線分形状変換処理(ステップS15)及び相対位置判定処理(ステップS16)を、相対位置判定処理(ステップS16)において簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された全ての分割線分の相対的な位置の変化がないと、判定部80が判定するまで繰り返し行う。
判定部80が簡略化後線分一時記憶エリア72に記憶された全ての分割線分について相対的な位置の変化がないと判定すると、分割線分結合部50が分割線分結合処理(ステップS18)を行う。分割線分結合処理は、リンクデータ分割処理(ステップS14)が分割した分割点において分割線分を結合する処理である。分割線分結合部50は簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された分割線分を読み出し、分割点において分割線分を結合して出力部へリンクデータを送信する。
分割線分結合処理(ステップS18)が完了すると、プリンタは、ユーザからのキーボード14やマウス18を介した指示により地図データを印刷する(ステップS19)。
<実施形態1の効果>
以上説明した本実施例によれば、判定部80は、簡略化された複数の分割線分の位置関係が分割線分形状簡略化処理(ステップS15)の前後で変化していないか判定する。その結果、簡略化処理前後で位置関係が変化していると判定された場合、分割線分簡略化部60は、分割線分の相対的な位置関係の変化が発生しなくなるまで簡略化処理のための閾値を変更して簡略化の程度を変更する。よって、リンクデータの相対的な位置関係を保障しつつ、地図の印刷や表示の際に表現することのできない不要な構成点を削除することが可能となる。したがって、実際の道路の接続関係や交差関係と簡略化処理後の道路の接続関係や交差関係とが合致した地図データを提供することができる。
さらに、リンクデータ分割処理(ステップS14)により、簡略化処理前のリンクデータ同士が交差する部分において、リンクデータを複数の線分へ分割しておくため、分割線分形状簡略化処理(ステップS15)後に分割線分同士の交差が発生している部分は簡略化処理により発生した交差であることが明らかとなる。つまり、簡略化処理により新たに生成された分割線分同士の交差を、簡略化処理前のリンクデータ同士の位置関係と簡略化後の分割線分同士の位置関係とを比較することなく容易に抽出することができる。したがって、端末装置16が、簡略化処理前のリンクデータ同士の位置関係と簡略化処理後の分割線分同士の位置関係とを、ハードディスク20に記憶された道路ネットワークデータ及び簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された道路ネットワークデータを用いて比較する必要がなく、処理負荷を軽減できる。
<実施形態2>
図3及び図4のフローチャートを用いて、地図データが記録媒体へ記録される場合のリンクデータ簡略化処理について説明する。記録媒体は、容量に制限がある。そこで、地図データ作成システム10は、地図データのデータ容量が記録媒体の記録容量内となるような簡略化処理を行う。このような簡略化処理においては、地図データのデータ容量を記録媒体の記録容量内とすることが優先されるため、実施形態1とは異なり、判定部80がリンクデータ同士の相対的な位置関係の変化を許容する場合がある。
端末装置16は、簡略化処理対象の地図データの範囲及び地図データを表示する際の最小縮尺の設定を受け付ける(ステップS20)。地図データを表示する際の最小縮尺とは、ナビゲーション装置等がDVDやSDメモリ等の記録媒体から地図データを読み出して表示する際の最小の縮尺を意味する。ハードディスク20には、地図データの描画速度を向上させるために、同一の道路に対して予め複数の縮尺に応じた表示用のリンクデータが記憶されている。そこで、本実施形態では、この複数の表示用リンクデータのうち、最も小さな縮尺のリンクデータを用いて簡略化処理を行う。こうすることで、ハードディスク20に記憶された地図のうち、最も詳細な地図を表示させる場合にも、リンクデータ同士の相対的な位置関係が保障されることになる。
地図データの範囲や地図データを表示する際の最小縮尺の設定は、実施形態1のデータ入力処理(ステップS13)と同様の方法により行われる。端末装置16は、設定された範囲と縮尺の地図データをハードディスク20から読み出す。
次に、データ入力処理(ステップS20)によりハードディスク20から読み出された地図データに対して、座標変換部30が座標変換処理(ステップS21)を行う。この座標変換処理は、実施形態1の座標変換処理(ステップS12)と同様の方法により行われる。座標変換処理は、簡略化処理対象の道路ネットワークデータに含まれるリンクデータの構成点全てについて行われる。
座標変換処理(ステップS21)が完了した道路ネットワークデータに対して、リンクデータ分割部40がリンクデータ分割処理(ステップS22)を行う。このリンクデータ分割処理は、実施形態1のリンクデータ分割処理(ステップS14)と同様の方法により行われる。リンクデータ分割部40は、簡略化対象の道路ネットワークデータに含まれる全てのリンクデータに対して分割処理を行い、分割後の分割線分を簡略化対象一時記憶エリア72へ記憶する。
リンクデータ分割処理(ステップS22)が完了すると、構成点判定機能66が、構成点数判定のための目標構成点数の範囲を設定する。構成点判定機能66は、まず、目標構成点数の範囲の上限値の演算を行う。目標構成点範囲の上限値は、構成点判定機能66が記録媒体に記録可能な地図データの全体容量から、地図全体に関する情報の容量及び道路形状に関する情報の容量のうちリンクデータの構成点以外の情報の容量を減算した容量を、1つの構成点あたりの容量で除算することで算出する。また、構成点判定機能66は、上限値の所定割合を目標構成点数の範囲の下限値として設定する。
例えば、簡略化後の地図データを記録する記録媒体の容量を4.7GB、リンクデータの構成点以外の地図情報を記憶するための容量を3.7GBとする。また、リンクデータの構成点1つあたりの容量を8byteとする。このような記録媒体において、構成点を記録することが可能な容量は、
1.0GB = 4.7GB − 3.7GB・・・(1)
であり、このような記録媒体に記録可能な構成点数の上限値は、
約131072点 = 1.0GB / 8byte・・・(2)
である。また、目標構成点数の下限値を上限値の80%とすると、目標構成点数の下限値は、約104857点となる。したがって、本実施形態2における目標構成点数の範囲は104857点乃至131072点となる。
構成点判定機能66は、次に、簡略化対象一時記憶エリア72へ記憶された分割線分に含まれる構成点数を計数し、処理結果一時記憶エリア74に記憶する。
構成点判定機能66は、処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数が、目標構成点数の上限値を超過するか否かを判定する(ステップS23)。処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数が目標構成点数の範囲の上限値以下である場合、フローは、分割線分結合処理(ステップS26)へ進む。処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数が目標構成点数の上限値を超過する場合、フローは、目標構成点数判定処理(ステップS24)へ進む。
目標構成点数判定処理(ステップS24)では、構成点判定機能66が、処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数について、目標構成点数の範囲の上限値以下かつ下限値以上の範囲にあるか否かを判定する。構成点判定機能66が処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数について、目標構成点数の範囲上限値以下かつ下限値以上の範囲外であると判定した場合、構成点判定機能66は、判定結果を処理結果一時記憶エリア74の今回結果欄に記憶する。例えば、処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数が140000点で目標構成点数の上限値を超過する場合、構成点判定機能66は、処理結果一時記憶エリア74の今回結果欄に、構成点数:140000点、閾値:閾値なし、構成点判定結果:目標構成点数を超える旨をそれぞれ記憶する。一方、処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数について、構成点判定機能66が目標構成点数の上限値以下かつ下限値以上の範囲内であると判定した場合、フローは、分割線分結合処理(ステップS26)へ進む。
構成点判定機能66が処理結果一時記憶エリア74に記憶された構成点数について、目標構成点数の上限値以下かつ下限値以上の範囲外であると判定すると、分割線分形状簡略化機能64が簡略化処理(ステップS25)を行う。図4のフローチャートを用いて簡略化処理を説明する。簡略化処理は、処理結果破棄処理(ステップS30)、閾値設定処理(ステップS31)、分割線分形状簡略化処理(ステップS32)、相対位置判定要否判定処理(ステップS33)、相対位置判定処理(ステップS34)及び閾値再設定処理(ステップS35)を含む。
まず、構成点判定機能66は、簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された分割線分を破棄する(ステップS30)。初めて簡略化処理(ステップS25)が行われる場合には、簡略化後線分一時記憶エリア76に分割線分が記憶されていない。しかしながら、簡略化処理(ステップS25)が複数回行われる場合、すなわち、構成点判定機能66が目標構成点数判定処理(ステップS24)において、構成点数が目標構成点数の範囲外であると判定したとき、前回の簡略化処理(ステップS25)において記憶された分割線分が簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶されている。そこで、構成点判定機能66は、簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された分割線分を破棄する。
次に、閾値設定機能62が処理結果一時記憶エリア74に記憶された前回構成点数判定結果及び今回構成点数判定結果のデータを用いて閾値設定処理を行う(ステップS31)。閾値設定機能62は、図18に示したパターンのうち、今回の閾値設定がどのパターンに当てはまるのかを判定し、閾値を設定する。例えば、初めて閾値設定処理(ステップS31)を行う場合、処理結果一時記憶エリア74に記憶されている前回構成点数判定結果が「なし」であるため、閾値設定機能62は、図18のパターンAの閾値√2を閾値として設定する。
そして、分割線分形状簡略化機能64が閾値設定処理(ステップS31)により設定された閾値を用いて、分割線分形状簡略化処理(ステップS32)を行う。この分割線分形状簡略化処理(ステップS32)は実施形態1の分割線分形状簡略化処理(ステップS15)と同様の方法により行われる。
簡略化対象一時記憶エリア72へ記憶された分割線分全てについて分割線分形状簡略化処理(ステップS32)が完了すると、構成点判定機能66が簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された分割線分に含まれる分割線分の構成点数を計数する。構成点判定機能66は、計数された結果を、処理結果一時記憶エリア74に記憶する。次に、構成点判定機能66が、判定部80による相対位置判定処理(ステップS34)が必要であるか否かの判定を処理結果一時記憶エリア74に記憶された前回構成点数及び今回構成点数を比較することにより行う(ステップS33)。具体的には、処理結果一時記憶エリア74に記憶された前回構成点数が今回構成点数と同一値である場合、構成点判定機能66は、相対位置判定処理(ステップS34)が不要であると判定する。また、処理結果一時記憶エリア74に記憶された前回構成点数が今回構成点数と異なる場合には、構成点判定機能66は、相対位置判定処理(ステップS34)が必要であると判定する。また、前回構成点数がなしである場合にも、構成点判定機能66は、相対位置判定処理(ステップS34)が必要であると判定する。
構成点判定機能66によって相対位置判定処理(ステップS34)が必要であると判定された場合、判定部80は、簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された分割線分に対して相対位置判定処理(ステップS34)を行う。この相対位置判定処理(ステップS34)は、実施形態1の相対位置判定処理(ステップS16)と同様の方法により行われる。判定部80は、分割線分同士の位置関係の変化があると判定した分割線分へ簡略化失敗フラグを付与する。また、判定部80は、分割線分同士の位置関係の変化がないと判定した分割線分へ簡略化成功フラグを付与する。また、簡略化後線分一時記憶エリア76へ記憶された分割線分全てについて、判定部80が分割線分同士の位置関係の変化がないと判定した場合、簡略化処理(ステップS25)は終了する。
判定部80によって相対位置判定処理(ステップS34)においてリンクデータの相対的な位置関係の変化があると判定された場合、閾値設定機能62は閾値再設定処理を行う(ステップS35)。閾値再設定処理(ステップS35)は、実施形態1における閾値再設定処理(ステップS17)と同様の方法により行われる。
閾値再設定処理(ステップS35)が終了すると、簡略化対象一時記憶エリア72に記憶されている分割線分のうち、簡略化後線分一時記憶エリア76において簡略化失敗フラグが付与されている分割線分に対して、再設定された閾値を用いて分割線分形状簡略化機能64が分割線分形状簡略化処理(ステップS32)を行う。この際、簡略化後線分一時記憶エリア76には、前回の分割線分簡略化処理(ステップS32)により簡略化された分割線分が記憶されている。そこで、分割線分形状簡略化機能64は、簡略化処理前のリンクIDが同一の分割線分については、最新の簡略化結果の分割線分を簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶する。そして、閾値再設定処理(ステップS35)、分割線分形状簡略化処理(ステップS32)、相対位置判定要否判定処理(ステップS33)及び相対位置判定処理(ステップS34)は、構成点判定機能66が相対位置判定要否判定(ステップS33)で分割線分同士の位置関係の判定が不要であると判定するか、判定部80が相対位置判定処理(ステップS34)において簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された全ての分割線分の相対的な位置関係の変化がないと判定するまで繰り返し行われる。
簡略化処理(ステップS25)が終了すると、構成点判定機能66は、構成点判定機能66が相対位置判定要否判定処理(ステップS33)で分割線分同士の位置関係の判定が不要であると判定するか、判定部80が相対位置判定処理(ステップS34)で分割線分同士の位置関係の変化がないと判定した道路ネットワークデータに対して構成点判定処理(ステップS24)を行う。構成点判定機能66による構成点判定処理(ステップS24)において構成点数が目標構成点数の範囲外であると判定された場合、分割線分簡略化部60は、簡略化処理(ステップS25)及び構成点判定処理(ステップS24)を実行する。これらの処理は、構成点判定機能66によって簡略化対象の道路ネットワークデータに含まれる構成点数は目標構成点数の範囲内であると判定されるまで繰り返し行われる。
構成点判定機能66による構成点判定処理(ステップS24)において構成点数が目標構成点数の範囲外であると判定されると、分割線分形状簡略化機能64が再び簡略化処理(ステップS25)を行う。この簡略化処理(ステップS25)における閾値設定(ステップS31)では、閾値設定機能62が、処理結果一時記憶エリア74に記憶された今回処理結果及び前回処理結果の構成点判定結果のデータを用いて閾値の設定を行う。閾値設定機能62が閾値設定処理(ステップS31)を複数回にわたって行う場合、既に処理結果一時記憶エリア74の前回構成点判定結果に目標構成点数範囲内か否かの情報が記憶されているため、閾値設定機能62は、図18のパターンB乃至パターンEのいずれかの閾値を設定する。
ここで、パターンB乃至パターンEの閾値設定のための演算式について図19を用いて説明する。図19に構成点数及び閾値の関係を例示した。この例では、閾値設定機能62が設定した前回の閾値に比べ、今回の閾値が大きすぎた結果、簡略化処理対象の道路ネットワークデータに含まれる構成点数が目標構成点数の範囲未満となっている。つまり、図19の例は、図18のパターンDの場合に当てはまる。よって、閾値設定機能62は次回の閾値として、前回設定した閾値と今回設定した閾値との間の値を設定することが好ましい。そこで、パターンDの場合、閾値設定機能62は、今回の閾値から前回の閾値と今回の閾値との中央値を減算した値を次回の閾値として設定する。
ステップS23において構成点数が目標構成点数の上限値以下であると構成点判定機能66によって判定された場合及び構成点判定処理(ステップS24)により簡略化対象の道路ネットワークデータに含まれる構成点数が目標構成点数の範囲内であると判定された場合には、分割線分結合部50が分割線分結合処理(ステップS26)を行う。構成点判定機能66がステップS23において構成点数が目標構成点数の上限値以下であると判定した場合、分割線分結合部50は簡略化対象一時記憶エリア72に記憶された分割線分を読み出し、分割点において分割線分を結合してリンクデータを生成する。また、構成点判定処理(ステップS24)を経て、分割線分結合部50が分割線分結合処理(ステップS26)を行う場合、分割線分結合部50は簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された分割線分を読み出し、分割点において分割線分を結合してリンクデータを生成する。分割線分結合処理(ステップS26)が完了すると、出力部は、分割線分結合部50が分割線分結合処理(ステップS26)により作成したリンクデータを含む地図データを記録媒体に記録する(ステップS27)。
<実施形態2の効果>
本実施形態2の効果としては、実施形態1の効果に加えて、以下に記載する効果を奏する。本実施形態2によれば、キーボード14やマウス18を介してユーザにより設定された地図データのデータ容量の制限に応じて、閾値設定機能62が閾値の設定を変更することで、リンクデータの構成点の削除数を変更する。構成点判定機能66は、簡略化処理(ステップS25)の後、簡略化対象の道路ネットワークデータ全体に含まれる構成点の数を計数し、設定されている地図データのデータ容量の範囲に収まるか否かを判定する。構成点判定機能66による判定の結果、設定されているデータ容量の範囲外である場合には、地図データのデータ容量が設定されているデータ容量の範囲に収まるようになるまで簡略化処理(ステップS25)と構成点数判定処理(ステップS24)とが繰り返される。したがって、本実施形態によれば、リンクデータの相対的な位置関係を可能な限り保証しつつ、地図の印刷や表示の際に表現することのできない不要な構成点を削除することで、記録媒体のデータ容量制限の範囲内の地図データを自動で作成することができる。
<変形例1>
上記実施形態において、端末装置16にハードディスク20が含まれる構成としたが、端末装置16とハードディスク20とがインターネットを介して接続されている構成としてもよい。
<変形例2>
上記実施形態において、端末装置16に座標変換部30、リンクデータ分割部40、分割線分結合部50、分割線分簡略化部60、メモリ70及び判定部80が含まれる構成としたが、端末装置16と座標変換部30、リンクデータ分割部40、分割線分結合部50、分割線分簡略化部60、メモリ70及び判定部80とがインターネットを介して接続されている構成としてもよい。
<変形例3>
上記実施形態において、出力部において印刷物や記録媒体として簡略化後の地図データを出力することとしたが、そのほか、出力部がインターネットを介して簡略化後の地図データを顧客へ送信する構成を採用してもよい。
<変形例4>
上記実施形態において、座標変換部30は、ハードディスク20に記憶されている地図データの位置座標を測地系から平面直角座標系へ変換する処理を行ったが、ハードディスク20に予め平面直角座標系の地図データが記憶されている場合においては、座標変換部30における測地系から平面直角座標系への座標変換は必要ない。
<変形例5>
上記実施形態において、リンクデータ分割部40は、ノードデータが仮ノードデータであるか否かの判定を、分割線分の構成点に付与されている道路属性情報により行うこととしたが、その他、仮ノードデータに対して仮ノードデータであることを示す道路属性情報が直接的に付与されている場合には、その道路属性情報を用いて判別してもよい。
<変形例6>
上記実施形態において、判定部80による相対位置変化判定処理は、存在領域判定機能81が相対位置変化判定の必要があると判定した分割線分に対してのみ行っているが、その他、判定部80による相対位置変化判定処理を簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された全ての分割線分に対して行ってもよい。
<変形例7>
上記実施形態において、分割線分形状簡略化機能64は、簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された分割線分に対して簡略化失敗フラグまたは簡略化成功フラグのいずれかを付与することとした。しかし、その他にも、メモリ70へ簡略化失敗線分一時記憶エリア及び簡略化成功線分一時記憶エリアを設け、簡略化後線分一時記憶エリア76に記憶された分割線分を簡略化失敗線分一時記憶エリアまたは簡略化成功線分一時記憶エリアへコピーして記憶しもよい。この場合、次回の分割線分形状簡略化処理の際に分割線分形状簡略化機能64は、簡略化失敗線分記憶エリアに記憶された分割線分に対応する分割線分を簡略化対象一時記憶エリア72から読み出して分割線分形状簡略化処理の対象とする。さらに、実施形態2において、構成点判定機能66が相対位置判定処理は不要であると判定した場合、分割線分結合部50は、簡略化失敗線分一時記憶エリア及び簡略化成功線分一時記憶エリアに記憶された分割線分を用いて分割線分結合処理(ステップS26)を行う。
<変形例8>
上記実施形態に加え、データ出力処理の前に転位処理を行うようにしてもよい。転位処理とは、リンクデータが重複する場合に、重複したリンクデータのいずれかをずらして描画することで、重複したリンクデータを見やすく表示するようにする処理である。例えば、図20のリンクL80は高架道路、リンクL82はリンクL80より低いところを通る一般道路であるとする。図20(a)では、リンクL82の右端は、リンクL80の下に隠れており、描画されていない。このように、高架道路と一般道路が狭い範囲で並走している場所ではリンクの重複が発生することがある。そこで、地図データ作成システム10に含まれる図示しない転位処理部が、重複するリンクの判定を行い、重複すると判定したリンクのいずれかの構成点を、重複する他方のリンクの構成点と重複しない位置へと移動する。転位処理を行った結果を図20(b)に示した。図20(b)では、転位処理部がリンクL82の構成点を移動したことにより、リンクL82の右端も描画されるようになっている。
10…地図データ作成システム、
12…表示部としてのディスプレイ、
14…入力部としてのキーボード、
16…端末装置としてのコンピュータ、
18…入力部としてのマウス、
20…地図データ記憶部としてのハードディスク、
30…座標変換部、
40…リンクデータ分割部、
50…分割線分結合部、
60…分割線分簡略化部、
62…閾値設定機能、
64…分割線分形状簡略化機能、
66…構成点判定機能、
70…一時記憶部としてのメモリ、
72…簡略化対象一時記憶エリア、
74…処理結果一時記憶エリア、
76…簡略化後線分一時記憶エリア、
80…判定部、
81…存在領域判定機能、
82…交差判定機能、
84…重なり判定機能、
86…内外判定機能。

Claims (4)

  1. 道路を表現したリンクデータが含まれている地図データを記憶する記憶部と、
    前記リンクデータが交差する部分において、該リンクデータを複数の線分に分割するリンクデータ分割部と、
    分割された分割線分を構成する構成点の一部を削除することにより前記分割線分を簡略化する分割線分簡略化部と、
    簡略化された前記複数の分割線分の位置関係に基づいて簡略化の適否を判定する判定部と
    を備え、
    前記分割線分簡略化部は、前記判定部において前記複数の分割線分の位置関係が簡略化の前の位置関係と比較して変化していると判定された場合には、前記分割線分を構成する前記構成点の削除数を変更する
    地図データ生成装置。
  2. 請求項1に記載の地図データ生成装置において、
    前記分割線分簡略化部は、設定されている前記地図データのデータ容量に収まるデータ容量となるように前記構成点の削除数を変更する
    地図データ生成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の地図データ生成装置において、
    前記判定部は、
    前記簡略化された複数の分割線分が交差しているか否かの判定処理、重なり合っているか否かの判定処理、前記簡略化の前後で作成した、前記分割線分に囲まれた複数の領域同士の位置関係が変化しているか否かの判定処理のうち、少なくとも1つの判定処理を実行する地図データ生成装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の地図データ生成装置において、
    前記分割線分簡略化部は、前記判定部によって位置関係が変化すると判定された場合であって、かつ前記分割線分を構成する構成点の削除数が複数回にわたって同一値である場合に簡略化処理を中止する
    地図データ生成装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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