JP6174939B2 - 地図注記処理装置、地図注記処理方法および地図情報提供装置 - Google Patents

地図注記処理装置、地図注記処理方法および地図情報提供装置 Download PDF

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この発明は、提供する地図画像を、所定の大きさの矩形の分割地図画像の複数個を合成することにより生成する場合において、分割地図画像上に描画する文字や数字などからなる地図注記を決定する地図注記処理装置および処理方法に関し、特に、地図上で重なりを生じる地図注記の処理に関する。
ディスプレイの表示画面に表示される地図画像(電子地図)は、山や河川などの自然物の名称や、建物、施設などの名称を示す地図注記が、これら地図注記を除く地形図や建物の図形などの情報(図形データ)に重畳されたものとなっている。地図注記は、表示される量が多すぎても少なすぎても利用者の読図性を低下させるが、特に、表示された地図上において、地図注記の文字が重なってしまうと、その地図は判読しにくいものとなってしまう。すなわち、一般に、縮尺率が小さい対象地図(狭い地域範囲の地図)の場合には、地図注記は重なりが生じることは少ないが、縮尺率が大きい対象地図(広い地域範囲の地図)になると、所定の大きさの対象地図上に表示する地図注記が多くなるために、地図注記の重なりが生じる確率が高くなる。そこで、従来、この地図注記の重なりの問題を改善するための種々の提案がなされている。
例えば特許文献1(特開平8−63575号公報)には、地図注記を予め定めた優先順位に従って描画してゆき、既に描画された地図注記と表示上重なりが生じる地図注記は表示しないとする重なり排除処理技術が開示されている。すなわち、図10に示すように、先に描画された地図注記(図では、地図注記が記述される表示枠を四角枠で示している。以下同様である)201の表示枠のエリアに、後から描画しようとする地図注記202の表示枠のエリアの少なくとも一部が重なる場合(以下、説明の簡単のため、単に地図注記が重なると記述する)、先に描画された地図注記201の注記文字を残し、後から描画しようとする地図注記202の注記文字は、描画しないように処理する。なお、図10の地図画像の描画範囲MPにおいて実線で示すのは、地図画像上に描画されて残る地図注記の表示枠であり、また、一点鎖線で示す重なり排除処理により描画されない地図注記の表示枠を示している。他の図においても同様である。
また、既に描画された地図注記と重なりが生じる地図注記は表示しないとするのではなく、図11に示すように、重なりが生じた地図注記の描画位置を上下左右のいずれかに移動して、地図注記が重ならないようにする重なり排除処理方法も知られている。図11の例では、後から描画しようとする地図注記202は、下方に移動させた地図注記202´として、地図注記201との重なりを回避することで、地図注記202をも描画可能としている。
ところで、インターネットを通じた地図提供サービスにおいては、サーバと、クライアント装置との間における通信速度や通信容量を考慮すると、サーバからは、提供する地図範囲の電子地図画像を一度に送ることが実質上困難である場合がある。そこで、提供しようとする電子地図画像を、所定の大きさの矩形の分割地図画像(以下、タイル地図画像という)の複数個を合成することにより生成するようにして、サーバからは当該タイル地図画像の単位で、クライアント端末に送るようにしている。クライアント端末では、タイル地図画像を合成することで、要求した電子地図画像を表示画面に表示するようにする。
この場合において、タイル地図画像のそれぞれにおける地図注記の描画において、上記の重なり排除処理技術を適用した場合、タイル地図画像の境目において、地図注記の途切れや、位置ずれなどの不整合が生じることがある。この不整合は、地図注記の重なりが複数個の地図注記に渡って連鎖して生じる場合に発生する。
図12を用いて、上記の地図注記の途切れや、位置ずれなどの不整合について説明する。図12の例においては、3個の地図注記203,204,205の間に連鎖した重なりが生じている状態を示している。そして、図12の例においては、地図注記204は、隣り合う2つのタイル地図画像Ti,j及びタイル地図画像Ti+1,jに跨って存在し、かつ、その地図注記204が他の地図注記203及び地図注記205と一部が重なっているものとしている。そして、地図注記203は、左側のタイル地図画像Ti,jにのみ存在し、地図注記205は、右側のタイル地図画像Ti+1,jにのみ存在しているとしている。
この図12の例において、前述したように、上記の図10の場合の重なり排除処理であって、左側に存在する地図注記を優先するとした重なり排除処理を、それぞれのタイル地図画像Ti,j及びタイル地図画像Ti+1,jにおける地図注記の描画処理に適用する。すると、左側のタイル地図画像Ti,jにおいては、図13(A)に示すように、地図注記203と地図注記204とが重なると判定され、そして、優先順位が高い左側の地図注記203は描画する地図注記と判定され(図では実線で示す)、地図注記204は描画しないと判定される(図では一点鎖線及び×印を付して示す)。
次に、同様の重なり排除処理を隣のタイル地図画像Ti+1,jに適用する。すると、図13(B)に示すように、右側のタイル地図画像Ti+1,jにおいては、地図注記204と地図注記205とが重なると判定され、そして、優先順位が高い左側の地図注記204は描画する地図注記と判定され(図では実線で示す)、地図注記205は描画しないと判定される(図では一点鎖線及び×印を付して示す)。
この結果、隣り合う2つのタイル地図画像Ti,j及びタイル地図画像Ti+1,jを合成した地図画像においては、図13(C)に示すように、当該2つのタイル地図画像Ti,j及びタイル地図画像Ti+1,jに跨る地図注記204は、タイル地図画像Ti,jでは描画されず(図中、一点鎖線で示す)、タイル地図画像Ti+1,jでは描画される(図中、実線で示す)こととなって、この地図注記204の一部しか表示されない、いわゆる注記切れの状態となる。
また、前述したように、上記の図11の場合の重なり排除処理を適用すると、左側のタイル地図画像Ti,jにおいては、図14(A)に示すように、地図注記203はそのまま描画する地図注記と判定され、地図注記204は、地図注記203と重ならない地図注記204´の位置に移動させて描画する地図注記と判定される。
また、同様の重なり排除処理を隣のタイル地図画像Ti+1,jに適用すると、図14(B)に示すように、地図注記204の地図注記はそのままの位置で描画する地図注記と判定され(図では実線で示す)、地図注記205は、地図注記204と重ならない地図注記205´の位置に移動させて描画する地図注記と判定される。
この結果、隣り合う2つのタイル地図画像Ti,j及びタイル地図画像Ti+1,jを合成した地図画像においては、図14(C)に示すように、当該2つのタイル地図画像Ti,j及びタイル地図画像Ti+1,jに跨る地図注記204は、タイル地図画像Ti,jでは、地図注記204´の位置に移動され、タイル地図画像Ti+1,jでは元の位置に描画されることとなって、当該地図注記204は、ずれた位置に表示される状態となる。
図13に示すような注記切れや図14に示すような注記ずれが生じるのは、地図注記の重なり排除処理を行う対象領域範囲が、それぞれのタイル地図画像の範囲のみであるからであり、互いに重なりを生じている地図注記203,204,205について、タイル地図画像Ti,jでは、地図注記203を起点として重なり排除処理を行い、タイル地図画像Ti+1,jでは、地図注記204を起点として重なり排除処理を行っているかである。
これを回避するためには、連鎖的に重なりを生じている複数個の地図注記についての重なり排除処理を行う際の起点を、隣り合う2つのタイル地図画像Ti,j及びタイル地図画像Ti+1,jで同じにできればよい。そのためには、例えばタイル地図画像Ti+1,jにおける地図注記の描画の際には、地図注記の重なり排除処理を行う対象領域範囲をタイル地図画像Ti,jをも含めた広い領域とすればよい。
以上の点を考慮して、従来から、タイル地図画像の地図注記を描画する際には、タイル地図画像の領域の周囲の余白領域をも含んだ広い領域を重なり排除処理の処理対象範囲として描画する地図注記を決定するようにして、注記切れや注記ずれなどの不整合が生じることがないようにしていた。
特開平8−63575号公報
ところで、インターネットを通じた地図提供サービスにおいては、サーバは、日本の各地の地図画像を提供する必要がある。したがって、タイル地図画像における地図注記の重なり排除処理を伴った描画する地図注記の決定処理を行うための自タイル地図画像の領域の周囲の余白領域をも含んだ対象領域範囲の大きさは、日本の各地の地図を提供する場合においても、上述した地図注記の途切れや位置ずれなどの不整合が生じないように考慮している。
そのため、従来は、日本全域における最も大きさが大きな地図注記について重なりの連鎖が発生しても上述したような地図注記の不整合が生じないような大きな余白領域を設定する必要があった。例えば、図15に示すように、提供しようとする対象のタイル地図画像がTi,jの場合に、その上下左右に、それぞれ2個分のタイル地図画像の領域を余白領域として設定して、重なり排除処理を伴う描画する地図注記の決定処理の対象処理領域としている。そして、重なり排除処理を伴う描画する地図注記の決定処理した後に、必要なタイル地図画像Ti,jの領域において描画するとして決定されている地図注記を抽出して、それをタイル地図画像の地図図形画像上に描画して、提供するタイル地図画像を生成するようにしている。
このため、一つのタイル地図画像Ti,jにおける描画する地図注記の決定処理の領域範囲が大きなものとなり、描画する地図注記の決定処理に長時間がかかってしまっているという問題があった。
この発明は、タイル地図画像に描画する地図注記を、重なり排除処理を行いながら決定する場合の処理速度を、より高速化することができるようにした地図注記処理装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
提供する地図画像を、所定の大きさの矩形の分割地図画像の複数個を合成することにより生成する場合において使用される装置であって、前記分割地図画像に描画する地図注記を決定する地図注記処理装置で
あって、
地図注記の表示用データと、前記地図注記の地図上位置を特定するための情報と、を含む地図注記データを格納する地図注記データ格納手段と、
提供する前記地図画像を生成するための複数の前記分割地図画像のうち、描画対象とする対象分割地図画像の範囲及びその周囲の所定範囲の領域からなる処理対象範囲を設定する設定手段と、
前記地図注記データ格納手段に格納されている前記地図注記の地図上位置を特定するための情報を用いて、前記処理対象範囲中に含まれる前記地図注記の大きさを計算する計算手段と、
前記処理対象範囲において、前記計算手段で計算された前記地図注記の大きさが小さい前記地図注記から順に描画する地図注記として決定する手段であって、既に描画する注記として決定した地図注記と重なると判断したときには、前記重なると判断した前記地図注記について、重なり排除処理を行う描画注記決定手段と、
前記描画注記決定手段で前記描画するものとして決定された前記処理対象範囲の地図注記から、前記対象分割地図画像の範囲の地図注記を抽出して、前記対象分割地図画像用の地図注記とする抽出手段と、
を備える地図注記処理装置を提供する。
上述の構成の請求項1の発明においては、提供する前記地図画像を生成するための複数の前記分割地図画像のうち、描画対象とする対象分割地図画像(タイル地図画像)の範囲及びその周囲の所定範囲の余白領域からなる処理対象範囲が設定手段により設定される。この設定された処理対象範囲中に含まれる地図注記の注記エリアの大きさが計算手段で計算される。そして、描画注記決定手段は、その計算の結果に基づいて、処理対象範囲において、大きさが小さい地図注記から順に、描画する地図注記として決定する。そして、先に描画する地図注記として決定した地図注記と重なりが生じる地図注記については、重なり排除処理を行う。
処理対象範囲の全ての地図注記について、描画注記決定手段での処理が終了したら、抽出手段は、描画するとして決定された処理対象範囲の地図注記の中から、描画対象とする対象分割地図画像(タイル地図画像の範囲を抽出して、当該タイル地図画像用の地図注記とする。
上述の構成の請求項1の発明によれば、大きさが小さい地図注記を高優先順位として先に描画する地図注記として決定するために、大きさが大きい地図注記は、重なり排除処理により削除されたり、移動されたりする確率が高くなる。そのために、地図注記の重なりの連鎖を考慮する場合に、当該大きさが大きい地図注記を考慮しなくてよくなる。このため、タイル地図画像の地図注記を決定する際の処理対象範囲の余白領域の大きさを小さくすることができて、処理速度が従来に比べて高速になる。
この発明による地図注記処理装置によれば、タイル地図画像の地図注記を、重なり排除処理を行いながら決定する場合の処理速度を、より高速化することができる。
この発明による地図情報提供装置の一実施形態であるシステムの構成例を説明するための図である。 この発明の実施形態において、分割地図画像を説明するために用いる図である。 図1の実施形態のシステムにおいて重なり排除処理に使用する地図注記優先順位テーブルの一例を示す図である。 図1の実施形態のシステムにおける地図情報提供サーバのハードウエア構成例を示すブロック図である。 図1の実施形態のシステムにおける地図情報提供サーバにおいて、分割地図画像に描画する地図注記を決定する際の処理対象範囲の例を説明するための図である。 図1の実施形態のシステムにおける地図情報提供サーバにおいて、地図注記の大きさの計測及び地図注記の重なりを説明するために用いる図である。 図1の実施形態のシステムにおける地図情報提供サーバの処理動作例を説明するためのフローチャートを示す図である。 図1の実施形態のシステムにおける地図情報提供サーバの処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 図1の実施形態のシステムにおける地図情報提供サーバの処理動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 地図注記が重なりを生じた場合における重なり排除処理の一例を説明するための図である。 地図注記が重なりを生じた場合における重なり排除処理の他の一例を説明するための図である。 タイル地図画像において、地図注記の途切れや、位置ずれなどの不整合が生じることを説明するために用いる図である。 タイル地図画像において生じる地図注記の途切れの例を説明するための図である。 タイル地図画像において生じる地図注記の位置ずれの例を説明するための図である。 重なり排除処理を伴う描画する地図注記の決定処理の従来の対象処理領域の一例を示す図である。
図1は、この発明による地図情報提供装置の実施形態を構成するシステムの全体の構成例を示す図である。この実施形態は、地図情報提供装置が、インターネットなどの通信ネットワークを通じて接続されるクライアント端末とサーバとからなるシステムとして構成される場合である。そして、図1の例のシステムにおいては、この発明の地図注記処理装置の実施形態は、サーバに搭載された構成である。
図1に示すように、この実施形態の地図情報提供装置としてのシステムにおいては、地図サイト(Webサイト)の地図情報提供サーバ1と、クライアント装置の例としてのパソコン2やスマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話端末3などが通信ネットワーク(インターネットを含む)4を通じて接続されて構成されている。図1では、クライアント装置の例としてパソコン2及び高機能携帯電話端末3を示したが、クライアント装置は、パッド型携帯端末など、その他種々の端末装置の構成とすることもできる。
地図情報提供サーバ1は、この例では、地図図形データ格納部11と、地図注記データ格納部12とを備える。
地図図形データ格納部11は、この例では日本全国の地図図形データを格納する。この場合、地図図形データは、地図注記を除いた地形図、すなわち、土地の起伏・形態・水系、道路、鉄道、施設など、地表に分布する地物の配置などを描画するための地図図形画像を描画するための地図図形データであって、それぞれの図形の形状を、描画する位置の情報である緯度・経度の情報に対応付けられて、地図図形データ格納部11に格納されている。また、地図図形データとしては、地図のそれぞれの縮尺に応じた地図図形データが、それぞれの縮尺の値に対応して地図図形データ格納部11に格納されている。
また、地図注記データ格納部12は、施設や場所等の地図上の対象物に関する地図注記を地図上に表示するための地図注記データを格納する。地図注記は、施設や場所等の地図上の対象物に関する情報を文字や記号、数字などによって表わすものである。例えば、地図注記は、行政区画、道路、鉄道、建物、公園、山、河川などの対象物の名称を文字によって表わし、また、標高等を数字によって表わすものも含む。また、地図注記は、対象物の名称を特定のアイコンに表示したり、特定のマークで表わしたりする場合も含む。
地図注記データは、上述のような地図上の対象物のそれぞれに関する地図注記を構成する文字(数字を含む)や記号を表示するための表示用データと、それぞれの地図注記の地図上の表示位置を特定するための緯度・経度のデータとからなる。そして、地図データの地図図形情報と同様に、地図注記データは、地図のそれぞれに応じた地図注記データが、それぞれの縮尺の値に対応して地図注記データ格納部12に格納されている。
なお、この実施形態では、冒頭で述べたように、地図画像は、所定の大きさの矩形の分割地図画像、すなわち、タイル地図画像の複数個を合成することにより生成するようにしているので、地図注記も、タイル地図画像のそれぞれについて描画する。すなわち、図2は、所定の地域範囲の地図範囲を想定した地図画像を示しており、地図のそれぞれの縮尺N1,N2,・・・,Ni,・・・Nn(i=1,2・・・n)に応じた地図画像は、それぞれの縮尺に応じたタイル地図画像TL1,TL2,・・・,TLi,・・・,TLn(i=1,2・・・n)の複数個を合成することにより生成される。なお、タイル地図画像TLiの大きさは、表示画面のピクセル数(画素数)で表したときには、この実施形態では、例えば、縦×横=256ピクセル×256ピクセルからなるものとしている。
地図の縮尺Niに応じたタイル地図画像TLiは、それぞれの縮尺Niの地図図形データから抽出されて描画されたタイル地図画像の地図図形データと、それぞれの縮尺Niの地図注記データを用いて後述するようにして描画すると決定されたタイル地図画像の地図注記データとが用いられて構成される。
また、この実施形態では、地図注記は、施設や場所などの属性に応じて複数のレイヤに分けられて管理されている。すなわち、地図注記は、この例では、例えば図3に示すように、「文化施設名称」、「自然緑地名称」、「山名称」、「水域名称」、「官公庁名称」、「商業施設名称」、「宗教施設名称」などのように、施設や場所などの属性に応じたグループをレイヤとして、複数のレイヤに分けられて管理されている。
地図注記データ格納部12には、各地図注記データとしては、前述した文字や記号、数字からなる地図注記の表示情報と、緯度・経度からなる当該地図注記の表示位置情報とに加えて、いずれのレイヤに属するかを識別するためのレイヤ情報も、対応付けられて記憶されている。そして、地図注記のレイヤには、その属性の重要度に応じた優先順位が、図3に示すように、予め付与されている。
クライアント装置の一例を構成するパソコン2は、パソコン本体21と、表示装置22と、操作入力手段としてのマウス23と、キーボード24と、を備える。また、クライアント装置の他の一例を構成する高機能携帯電話端末3は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示画面31を備えると共に、この表示画面31には、操作入力手段としてのタッチパネル32が貼り付けられて設けられている。
パソコン2や携帯電話端末3などのクライアント装置は、地図情報提供サーバ1に通信ネットワーク4を通じてアクセスして地図情報サービスの要求をすることにより、当該地図情報サービスの提供を支援する支援プログラムを受信して、この支援プログラムの支援の下、地図情報サービスの提供を受けるができるように構成されている。すなわち、先ず、パソコン2や携帯電話端末3などのクライアント装置は、前記支援プログラムの支援の下、地図情報提供サーバ1に、提供を受けたい地域や縮尺の指定を含む地図情報要求を送る。
地図情報提供サーバ1は、この地図情報要求を受け取ると、指定された地域および縮尺から、提供する対象地図(地図範囲)を認識し、その対象地図を複数個のタイル地図画像に分割する。そして、地図情報提供サーバ1は、それぞれのタイル地図画像を構成する地図図形データを地図図形データ格納部11から読み出して、その地図図形画像を描画する。
また、地図情報提供サーバ1は、提供する対象地図(地図範囲)のタイル地図画像のそれぞれに表示すべき地図注記を決定するために、地図注記データ格納部12から対象のタイル地図画像の範囲及びその余白の領域を含む範囲を処理対象範囲として地図注記データを読み出し、その読み出した地図注記データに対して重なり排除処理を伴う描画する地図注記の決定処理を行う。この重なり排除処理を伴う描画する地図注記の決定処理については後で詳述する。
地図情報提供サーバ1は、余白を含む対象領域範囲において、描画する地図注記の決定処理を終了した地図注記の中から、対象のタイル地図画像の範囲の地図注記を抽出する。そして、地図情報提供サーバ1は、抽出した地図注記を、先に生成したタイル地図画像の地図図形画像上に描画して合成し、タイル地図画像を生成する。そして、地図情報提供サーバ1は、その生成したタイル地図画像の情報を、クライアント装置に提供する。
パソコン2や携帯電話端末3などのクライアント装置は、前記支援プログラムにより、地図情報提供サーバ1から、対象地図の情報をタイル地図画像毎に取得し、取得したタイル地図画像の複数個を結合合成することで、対象地図の画像情報を生成して表示画面に表示する。
[地図情報提供サーバ1のハードウエア構成例]
図4は、地図情報提供サーバ1のハードウエア構成例を示すブロック図である。この例の地図情報提供サーバ1は、コンピュータ装置からなる構成を備える。すなわち、図4に示すように、この例の地図情報提供サーバ1においては、システムバス100に対して制御部101と、前述した地図図形データ格納部11と、前述した地図注記データ格納部12とが接続されている。
また、この例では、システムバス100には、さらに、通信インターフェース102、受信情報処理部103、送信情報生成部104、地図注記優先順位テーブル格納部105、地図図形データ処理部106、地図注記データ処理部107、タイル地図画像生成部108、が接続されている。
制御部101は、この地図情報提供サーバ1の全体の動作を制御するものであり、地図情報提供サーバ1における各種制御処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリを内蔵している。制御部101は、この内蔵メモリに記憶されているプログラムにしたがった制御処理を実行する。
通信インターフェース102は、通信ネットワーク4を通じてクライアント装置と通信するためのインターフェースである。受信情報処理部103は、制御部101の制御の下、通信インターフェース102を通じて受信した受信情報を解析し、その解析結果を、システムバス100を通じて制御部101に供給したりする機能処理部である。送信情報生成部104は、制御部101の制御の下、通信インターフェース102を通じてクライアント装置に送信する送信情報を生成する機能処理部である。
地図注記優先順位テーブル格納部105は、前述の図3に示したような地図注記優先順位テーブルを格納している。
地図図形データ処理部106は、クライアント装置から地図取得要求があった時に、その要求された対象地図(地図範囲)を構成する複数個のタイル地図画像の地図図形画像のそれぞれを、地図図形データ格納部11から読み出した地図図形データを用いて描画して生成し、その地図図形画像をタイル地図画像生成部108に供給する。
地図注記データ処理部107は、クライアント装置から地図取得要求があった時に、地図注記データ格納部12に格納されている地図注記データを用いて、その要求された対象地図(地図範囲)を構成する複数個のタイル地図画像のそれぞれの地図注記として描画する地図注記を決定し、タイル地図画像生成部108に供給する。
この場合に、前述もしたように、地図注記データ処理部107は、それぞれのタイル地図画像の範囲のみではなく、その周辺の余白を含む範囲を、描画する地図注記の決定処理を行う処理対象範囲OBJとして、地図注記データ格納部12から地図注記データを読み出して、それぞれのタイル地図画像についての描画する地図注記の決定処理を行うようにする。この実施形態では、図5に示すように、タイル地図画像Ti,jにおいて描画する地図注記の決定処理の処理対象範囲OBJは、当該タイル地図画像Ti,jの範囲と、その周囲の上下左右の1個分のタイル地図画像の範囲とされる。すなわち、図5に示すように、タイル地図画像Ti,jにおいて描画する地図注記の決定処理の処理対象範囲OBJは、タイル地図画像Ti,jの範囲と、その周囲のタイル地図画像Ti−1,j+1、タイル地図画像Ti,j+1、タイル地図画像Ti+1,j+1、タイル地図画像Ti−1,j、タイル地図画像Ti+1,j、タイル地図画像Ti−1,j−1、タイル地図画像Ti,j−1、タイル地図画像Ti+1,j−1の範囲を、余白として含む領域をとする。
この実施形態における処理対象範囲OBJは、タイル地図画像Ti,jを中心とした9個分のタイル地図画像の範囲分となる。従来のタイル地図画像において描画する地図注記の決定処理の処理対象範囲は、図15に示したように、タイル地図画像Ti,jを中心とした25個分のタイル地図画像の範囲分となるのに比較して、大幅に処理対象範囲は削減されている。
そして、この実施形態では、地図注記データ処理部107は、タイル地図画像のそれぞれにおいて描画する地図注記の決定処理を次のようにして行う。まず、処理対象範囲OBJの地図注記データを、地図注記データ格納部12から読み出す。そして、この実施形態では、この処理対象範囲OBJの地図注記について、地図注記優先順位テーブル格納部105の地図注記優先順位テーブルに従った優先順位であって、表示枠エリアの小さい地図注記から順に描画する地図注記とするか否かを決定するようにする。
すなわち、対象となる地図注記が、既に描画するとして決定された地図注記と重なりを生じていないときには、当該地図注記は、描画する地図注記と決定する。そして、対象となる地図注記が、既に描画するとして決定された地図注記と重なりを生じたときには、当該地図注記については、描画する地図注記としないと決定、あるいは重なりが生じないように表示枠エリアを移動させて描画する地図注記と決定する重なり排除処理を実行する。そして、処理対象範囲OBJの全ての地図注記について、描画するか否かの決定処理が終了したら、処理対象範囲OBJの中央のタイル地図画像のエリアにおいて、描画すると決定されている地図注記を抽出し、当該抽出した地図注記を、目的のタイル地図画像の地図注記とする。
地図注記データ処理部107は、以上の処理機能を実現するために、この実施形態では、機能手段として、属性優先順位判定部1071、注記大きさ計測部1072、注記大きさ順ソート部1073、注記重なり判定部1074、描画注記決定部1075、提供地図注記抽出部1076を備えている。
属性優先順位判定部1071は、処理対象範囲OBJに含まれる全地図注記を、地図注記優先順位テーブル格納部105の地図注記優先順位テーブルを参照することにより、その属性に従って付与されている優先順位を判定し、その判定結果に基づいて、優先順位が同じ順位の地図注記を集めた群単位に分ける。
注記大きさ計測部1072は、この実施形態では、地図注記の属性に基づく優先順位の群のそれぞれにおいて、地図注記の大きさを計測する。地図注記の大きさは、この実施形態では、地図注記の表示枠エリアの大きさであり、その中に表示する注記文字列の表示枠(矩形枠)の大きさとして検出する。
図6は、この地図注記の文字列の表示枠と、後述する地図注記の重なりの判別方法を説明するための図である。この図6の例においては、横軸方向を経度、縦軸方向を緯度として、この例では処理対象範囲OBJの領域50を矩形枠で示している。
注記大きさ計測部1072は、それぞれの地図注記の地図注記データに含まれる表示位置情報(緯度・経度など)を用いて、領域50上において、それぞれの地図注記の文字列の表示枠(矩形枠)を生成し、その大きさを算出する。図6の例では、地図注記「A」の表示枠51と、地図注記「B」の表示枠52を、一例として示している。
なお、地図注記データに含まれる表示位置情報としては、地図注記の文字列の矩形の表示枠を特定するためには、前記矩形枠の対角の2点、すなわち、表示枠51、52の例えば左上隅の頂点51a,52aと右下隅の頂点51b,52bの位置情報(緯度、経度)からなるもので良い。地図注記の表示位置情報としては、これに限らず、1点(例えば左上隅)の位置情報と、地図注記を表示する矩形枠の幅と長さの情報から構成しても良い。
注記大きさ計測部1072は、地図注記の属性に基づく優先順位の群のそれぞれについて計測した注記の大きさの情報を注記大きさ順ソート部1073に伝達する。注記大きさ順ソート部1073は、地図注記の属性に基づく優先順位の群毎に、注記大きさ計測部1072で計測された地図注記の大きさが小さいもの順に並べる。地図注記データ処理部107の描画注記決定部1075では、当該大きさが小さい地図注記を高優先順位として、当該大きさが小さい地図注記順に当該地図注記を描画するとして決定するか否かの決定処理を行う。
注記重なり判定部1074は、対象地図注記が描画する地図注記として決定するか否かの処理を行う際に、既に描画すると決定した地図注記との重なりが生じていないかどうか判定し、その判定結果を描画注記決定部1075に供給する。この場合、注記重なり判定部1074は、地図注記の表示枠が矩形枠であるので、地図注記データに含まれる表示位置情報から、当該表示枠の4隅の頂点の緯度・経度を認識し、その4隅の頂点位置のいずれかが他の地図注記の表示枠の領域範囲(4隅の頂点で定まる領域)内にある場合には、地図注記の表示枠の重なりがあるとして検出する。
すなわち、注記重なり判定部1074は、例えば、図6の例の地図注記「A」と、地図注記「B」とでは、地図注記「A」の表示枠51の右下隅の頂点51bが、地図注記「B」の表示枠52内にあることを検出することにより、地図注記「A」と地図注記「B」とが重なりを生じていることを検出する。あるいは、注記重なり判定部1074は、地図注記「B」の表示枠52の左上隅の頂点52aが、地図注記「A」の表示枠51内にあることを検出することによっても、地図注記「A」と地図注記「B」とが重なりを生じていることを検出する。
描画注記決定部1075は、重なり排除処理を行ないながら、描画する地図注記とするか否かを決定する。描画注記決定部1075は、注記重なり判定部1074で、既に描画するとして決定された地図注記と、これから判断しようとする対象地図注記とが重なりを生じていると検出したときには、その対象地図注記について重なり排除処理をする。この重なり排除処理においては、勝ち負け判定としては、既に描画するとして決定されている大きさが小さい地図注記が勝利を収める。そして、負けた方の、対象地図注記は、描画しないと決定、あるいは、地図注記の表示枠が重ならない位置に移動させて描画すると決定する。
なお、重なり排除処理として、描画しないとするか、移動して描画するとするかは、地図注記の属性に応じた優先順位に応じて、予め定めておくようにすることができる。すなわち、優先順位が高い地図注記は、できるだけ、描画するようにする方が望ましいために、地図注記の表示枠が重ならない位置に移動して描画するように定める。
提供地図注記抽出部1076は、地図注記データ処理部107において、一つのタイル地図画像についての処理対象範囲OBJにおける描画する地図注記の決定処理が終了したときに、目的とするタイル地図画像に対応する領域について描画すると決定された地図注記を抽出する。そして、提供地図注記抽出部1076は、抽出した目的とするタイル地図画像に対応する領域に描画すると決定された地図注記の情報をタイル地図画像生成部108に供給する。
タイル地図画像生成部108は、地図図形データ処理部106で生成された目的とするタイル地図画像の地図図形画像上に、地図注記データ処理部107から送られてくる目的とするタイル地図画像の地図注記画像を描画して合成して、クライアント装置に提供するタイル地図画像の画像情報を生成する。
そして、タイル地図画像生成部108は、生成したタイル地図画像の画像情報を、送信情報生成部104及び通信インターフェース102を通じて、クライアント装置に送信するようにする。
なお、図4の地図情報提供サーバ1の構成において、受信情報処理部103、送信情報生成部104、地図図形データ処理部106、地図注記データ処理部107及びタイル地図画像生成部108のそれぞれの処理機能は、制御部101が、内蔵するメモリに格納されているソフトウエアプログラムにしたがって実行するソフトウエア機能として構成することができるものであるが、便宜上、機能ブロックとして記載したものである。
[地図情報提供サーバ1における地図画像の生成処理動作及びタイル地図画像の単位での地図注記描画処理動作の説明]
図7は、地図情報提供サーバ1における地図画像の生成処理動作の一例を説明するためのフローチャートである。以下の説明においては、この図7のフローチャートの各ステップの処理は、制御部101が、受信情報処理部103、送信情報生成部104、地図図形データ処理部106、地図注記データ処理部107及びタイル地図画像生成部108のそれぞれの処理機能を、ソフトウエア処理機能として実行する場合として説明する。
制御部101は、クライアント装置からの地図取得要求を受信したか否か判別し(ステップS1)、受信していないと判別したときには、その他の処理を行い(ステップS2)、その後、ステップS101に処理を戻す。
そして、ステップS101で、クライアント装置からの地図取得要求を受信したと判別したときには、制御部101は、地図取得要求に含まれる地図地域範囲を指定する情報と、指定された縮尺の情報から、クライアント装置に提供する地図の縮尺及び地域範囲を特定する(ステップS3)。
次に、制御部101は、作成する地図画像を複数個のタイル地図画像に分割する(ステップS4)。そして、制御部101は、その複数個のタイル地図画像のうちの最初のタイル地図画像を指定する(ステップS5)。
次に、制御部101は、指定されたタイル地図画像の背景となる地図図形画像を、地図図形データ格納部11から読み出した地図図形データを用いて描画する(ステップS6)。次に、制御部101は、指定されたタイル地図画像に描画する地図注記を、地図注記データ格納部12から読み出した地図注記データを用いて決定する(ステップS7)。
次に、制御部101は、ステップS6で描画したタイル地図画像の背景となる地図図形画像上に、ステップS7で決定した当該タイル画像に描画する地図注記を描画することで、クライアント装置に提供するタイル地図画像の画像情報を生成し、その生成したタイル地図画像の画像情報を、地図取得要求してきたクライアント装置に送信する(ステップS8)
次に、制御部101は、ステップS4で定められた複数個のタイル地図画像の全てについて、クライアント装置への画像情報の送信が終了したか否か判別し(ステップS9)、終了してはいないと判別したときには、次のタイル地図画像を指定し(ステップS10)、処理をステップS6に戻し、このステップS6以降の処理を繰り返す。
また、制御部101は、ステップS9で、複数個のタイル地図画像の全てについて、クライアント装置への画像情報の送信が終了したと判別したときには、この処理ルーチンを終了する。
次に、上述の図7のフローチャートにおける図7の一つのタイル地図画像について描画する地図注記の決定処理についての処理動作を、図8及びその続きである図9を参照して説明する。なお、この図8及び図9のフローチャートについて以下の説明においても、各ステップの処理は、制御部101が、受信情報処理部103、送信情報生成部104、地図図形データ処理部106、地図注記データ処理部107及びタイル地図画像生成部108のそれぞれの処理機能を、ソフトウエア処理機能として実行する場合として説明する。
先ず、制御部101は、処理対象のタイル地図画像の範囲を特定する(ステップS21)。そして、特定したタイル地図画像の範囲及びその周辺のタイル地図画像からなる、図5に示した描画する地図注記の決定処理の処理対象範囲OBJを決定し、その決定した処理対象範囲OBJの地図注記データを、地図注記データ格納部12から読み出して、第1のバッファメモリに格納する(ステップS22)。
次に、制御部101は、地図注記優先順位テーブル格納部105の地図注記優先順位テーブルを参照することにより、その属性に従って付与されている優先順位のなかで、最も高い優先順位の属性(レイヤ)を認識し、その属性(レイヤ)の地図注記データを、第1のバッファメモリに格納した地図注記データから抽出して読み出し、第2のバッファメモリに格納する(ステップS23)。
次に、制御部101は、第2のバッファメモリに格納されている地図注記データの表示位置情報を用いて、それぞれの地図注記の大きさを計算する(ステップS24)。次に、制御部101は、計算して求めた地図注記の大きさに基づいて、地図注記を、大きさの小さいもの順に並べ(ステップS25)、最も大きさ小さい地図注記を最初の処理対象の地図注記とする(ステップS26)。
そして、制御部101は、処理対象の地図注記が、既に描画すると決定した他の地図注記と地図画像上で表示枠が重なるか否か判別する(ステップS31)。このステップS31で、処理対象の地図注記が、既に描画すると決定した他の地図注記と地図画像上で表示枠が重ならないと判別したときには、制御部101は、処理対象の地図注記を描画する地図注記と決定し、当該地図注記に対応して決定フラグを立てる(ステップS32)。
また、ステップS31で、処理対象の地図注記が、既に描画すると決定した他の地図注記と地図画像上で表示枠が重なっていると判別したときには、制御部101は、当該処理対象の地図注記を描画する地図注記から除外する。したがって、この時には、処理対象の地図注記には決定フラグは立てない(ステップS33)。あるいは、このステップS33では、制御部101は、表示枠が重なった処理対象の地図注記の地図画像上の表示枠の位置を、表示枠が他の地図注記の表示枠と重ならないように移動させて、描画する地図注記として決定し、決定フラグを立てるようにする。
ステップS32またはステップS33の次には、制御部101は、第2のバッファメモリに、未処理の地図注記が残っているか否か判別し(ステップS34)、残っていると判別したときには、第2のバッファメモリの次の地図注記を指定して(ステップS35)、処理をステップS31に戻し、このステップS31以降の処理を繰り返す。
また、ステップS34で、第2のバッファメモリに、未処理の地図注記が残っていないと判別したときには、制御部101は、第1のバッファメモリに未処理の地図注記が残っているか否か判別する(ステップS36)。このステップS36で、第1のバッファメモリに未処理の地図注記が残っていると判別したときには、制御部101は、次の優先順位の属性(レイヤ)の地図注記の群を読み出して、第2のバッファメモリに格納し(ステップS37)、その後、処理をステップS24に戻し、このステップS24以降の処理を繰り返す。
また、ステップS36で、第1のバッファメモリに未処理の地図注記が残っていないと判別したときには、制御部101は、処理対象範囲OBJの全ての地図注記についての処理が終了したと判断して、当該処理対象範囲OBJにおいて描画すると決定したすべての地図注記のうちから、対象のタイル地図画像の領域の地図注記を抽出する(ステップS38)。
次に、制御部101は、抽出した地図注記の地図注記データを用いて、先に描画されている対象のタイル地図画像の範囲の地図図形画像上において、当該地図注記を描画する(ステップS39)。以上で、この処理ルーチンは、終了となる。
以上のようにして、上述の実施形態によれば、タイル地図画像として描画する地図注記は、その大きさが小さい順に描画する地図注記として決定されるので、大きさが大きい、あるいは長い地図注記は、それよりも大きさが小さい地図注記が描画する地図注記として決定された後に、描画するか否かの決定処理の対象となる。したがって、当該大きさ大きい、あるいは長い地図注記が、それよりも小さい地図注記と重なりを生じている場合には、常に、当該大きさ大きい、あるいは長い地図注記に対して重なり排除処理が実行される。このため、当該大きさ大きい、あるいは長い地図注記を含んで重なりの連鎖が生じている場合においても、当該大きさ大きい、あるいは長い地図注記で、その重なりの連鎖が断たれることになる。
したがって、タイル地図画像において地図注記を描画するか否かの決定処理をするための処理対象範囲OBJの範囲は、従来のように地図注記の大きさの最大のものについて重なりの連鎖を考慮した範囲とする必要がなくなるので、従来の場合に比して、余白分を狭くした狭い範囲とすることができる。したがって、タイル地図画像において地図注記を描画するか否かの決定処理の処理速度が、従来に比べて格段に速くなるという効果がある。
しかも、上述の実施形態においては、地図注記を属性に応じて優先順位を定めて、地図注記の地図表記上の重要度に従った優先順位で、その属性(レイヤ)の群毎について、描画するか否かの決定処理をするようにしたので、地図表記上、重要な地図注記は、地図画像上に残る確率が高くなり、利用者にとっては好適である。
なお、地図注記の属性に応じた優先順位を、地図の用途に応じて利用者が定めるようにすることで、より好適な地図画像が得られるものである。
以上の実施形態の説明では、タイル地図画像に描画する地図注記を決定する際の処理対象範囲の余白は、タイル地図画像単位の領域範囲としたが、そのようにする必要はなく、自タイル地図画像の周囲の任意の大きさの領域範囲としても、もちろんよい。
また、上述の実施形態では、縮尺に関わらず、タイル地図画像において地図注記を描画するか否かの決定処理をするための処理対象範囲OBJの大きさは、同一としたが、縮尺に応じて、処理対象範囲OBJの大きさを変えるようにしてもよい。
[その他の実施形態又は変形例]
以上の実施形態では、地図情報提供サーバ1は、地図図形データ処理部106で地図図形データに基づいて描画した地図図形画像上に、地図注記データ処理部107で描画すると決定した地図注記を描画して合成したタイル地図画像の情報を、クライアント装置に、通信ネットワーク4を通じて送信するようにした。しかし、地図情報提供サーバ1は、合成描画する前の地図図形画像と、描画すると決定した地図注記とを、クライアント装置に送り、クライアント装置が、地図図形画像上に地図注記を描画して、タイル地図画像を生成するようにしてもよい。
また、地図情報提供サーバ1は、タイル地図画像を生成するための地図図形データと、処理対象範囲0BJの地図注記データとを、クライアント装置に送り、クライアント装置において、地図図形画像の描画及び描画する地図注記の決定を行うと共に、地図図形画像上に、描画すると決定した地図注記の描画を行って、タイル地図画像を生成するようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、地図情報提供装置は、地図情報提供サーバ1とクライアント装置とを通信ネットワークを通じて接続する構成としたが、地図情報提供サーバ1の機能とクライアント装置の機能を一体化した、いわゆるスタンドアローンの装置の構成としても勿論よい。
1…地図情報提供サーバ、2…クライアント装置の例としてのパソコン、3…クライアント装置の例としての携帯電話端末、4…通信ネットワーク、11…地図図形データ格納部、12…地図注記データ格納部、101…制御部、106…地図図形データ処理部、107…地図注記データ処理部、108…タイル地図画像生成部、1071…属性優先順位判定部、1072…注記大きさ計測部、1073…注記大きさ順ソート部、1074…注記重なり判定部、1075…描画注記決定部、1076…提供地図注記抽出部

Claims (7)

  1. 提供する地図画像を、所定の大きさの矩形の分割地図画像の複数個を合成することにより生成する場合において使用される装置であって、前記分割地図画像に描画する地図注記を決定する地図注記処理装置であって、
    地図注記の表示用データと、前記地図注記の地図上位置を特定するための情報と、を含む地図注記データを格納する地図注記データ格納手段と、
    提供する前記地図画像を生成するための複数の前記分割地図画像のうち、描画対象とする対象分割地図画像の範囲及びその周囲の所定範囲の領域からなる処理対象範囲を設定する設定手段と、
    前記地図注記データ格納手段に格納されている前記地図注記の地図上位置を特定するための情報を用いて、前記処理対象範囲中に含まれる前記地図注記の大きさを計算する計算手段と、
    前記処理対象範囲において、前記計算手段で計算された前記地図注記の大きさが小さい前記地図注記から順に描画する地図注記として決定する手段であって、既に描画する注記として決定した地図注記と重なると判断したときには、前記重なると判断した前記地図注記について、重なり排除処理を行う描画注記決定手段と、
    前記描画注記決定手段で前記描画するものとして決定された前記処理対象範囲の地図注記から、前記対象分割地図画像の範囲の地図注記を抽出して、前記対象分割地図画像用の地図注記とする抽出手段と、
    を備える地図注記処理装置。
  2. 前記地図注記についての前記重なり排除処理は、前記重なると判断された前記地図注記を描画対象から除外する処理である
    ことを特徴とする請求項1に記載の地図注記処理装置。
  3. 前記地図注記についての前記重なり排除処理は、前記重なると判断された前記地図注記を、他の地図注記と重ならないように描画位置を移動させる処理である
    ことを特徴とする請求項1に記載の地図注記処理装置。
  4. 前記地図注記は、属性に応じてグループ化されていると共に、前記属性について優先順位が設定されており、
    前記描画注記決定手段は、前記属性についての前記優先順位に応じて、前記重なると判断された前記地図注記について、描画対象から除外する処理を行うか、他の地図注記と重ならないように描画位置を移動させる処理を行うかを決める
    ことを特徴とする請求項1に記載の地図注記処理装置。
  5. 前記地図注記は、属性に応じてグループ化されていると共に、前記属性について優先順位が設定されており、
    前記計算手段における前記計算及び前記描画注記決定手段における前記重なり排除処理を伴う前記描画する地図注記の決定処理は、前記属性の優先順位に従って、前記グループ毎に実行される
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の地図注記処理装置。
  6. 提供する地図画像を、所定の大きさの矩形の分割地図画像の複数個を合成することにより生成する場合において使用される、前記分割地図画像に描画する地図注記を決定する地図注記処理装置における地図注記処理方法であって、
    提供する前記地図画像を生成するための複数の前記分割地図画像のうち、描画対象とする対象分割地図画像の範囲及びその周囲の所定範囲の領域からなる処理対象範囲を設定する設定工程と、
    地図注記の表示用データと、前記地図注記を描画する注記エリアの地図上位置を特定するための情報と、を含む地図注記のデータを格納する地図注記データ格納手段に格納されている前記地図注記を描画する注記エリアの地図上位置を特定するための情報を用いて、前記処理対象範囲中に含まれる前記地図注記の前記注記エリアの大きさを計算する計算工程と、
    前記処理対象範囲において、前記計算工程で計算された前地図記注記の大きさが小さい前記地図注記から順に描画する注記として決定する工程であって、既に描画する注記として決定した地図注記と重なると判断したときには、前記重なると判断した前記地図注記について、重なり排除処理を行う描画注記決定工程と、
    前記描画注記決定工程で前記描画するものとして決定された前記処理対象範囲の地図注記から、前記対象分割地図画像の範囲の地図注記を抽出して、前記対象分割地図画像用の地図注記とする抽出工程と、
    を有する地図注記処理方法。
  7. 提供する地図画像を、所定の大きさの矩形の分割地図画像の複数個を合成することにより生成する地図情報提供装置において、
    地図注記を除く地図図形画像を描画するための地図図形データを格納する地図図形データ格納手段と、
    前記地図図形データ格納手段から前記分割地図画像の範囲の地図図形データを読み出して、前記地図注記を除く前記分割地図画像の地図図形画像を描画する地図図形画像描画手段と、
    前記地図注記の表示用データと、前記地図注記の地図上位置を特定するための情報と、を含む地図注記データを格納する地図注記データ格納手段と、
    提供する前記地図画像を生成するための複数の前記分割地図画像のうち、描画対象とする対象分割地図画像の範囲及びその周囲の所定範囲の領域からなる処理対象範囲を設定する設定手段と、
    前記地図注記データ格納手段に格納されている前記地図注記の地図上位置を特定するための情報を用いて、前記処理対象範囲中に含まれる前記地図注記の大きさを計算する計算手段と、
    前記処理対象範囲において、前記計算手段で計算された前記地図注記の大きさが小さい前記地図注記から順に描画する地図注記として決定する手段であって、既に描画する注記として決定した地図注記と重なると判断したときには、前記重なると判断した前記地図注記について、重なり排除処理を行う描画注記決定手段と、
    前記描画注記決定手段で前記描画するものとして決定された前記処理対象範囲の地図注記から、前記対象分割地図画像の範囲の地図注記を抽出して、前記対象分割地図画像用の地図注記とする抽出手段と、
    前記地図図形画像描画手段で描画した前記地図図形画像上に、前記抽出手段で抽出した前記地図注記を描画して、前記分割地図画像を生成する手段と、
    を備える地図情報提供装置。
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