JP2016114907A - 導電性弾性ベルト、導電性弾性ベルトユニット、画像形成装置 - Google Patents

導電性弾性ベルト、導電性弾性ベルトユニット、画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張を抑制する導電性弾性ベルトを提供すること。【解決手段】導電性のゴム基材と、前記導電性のゴム基材上に設けられた保護層であって、離型層と、前記導電性のゴム基材および前記離型層の間に設けられ、前記離型層よりもマルテンス硬度が低い中間層と、を含む保護層と、を有する導電性弾性ベルト。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性弾性ベルト、導電性弾性ベルトユニット、画像形成装置に関する。
例えば、特許文献1には、ゴム、エラストマーなどの伸縮性材料の成型物の表面に、溶剤可溶性ナイロン、ナイロンの架橋剤、該成型物への接着性改良剤、及び有機溶媒を含有するナイロン被膜形成用組成物の被膜が形成された、ベルト等に用いるナイロン被覆成型物が開示されている。
また、特許文献2には、弾性体基材層に潤滑層形成塗料を塗布して塗膜層を形成し、塗膜層を乾燥して潤滑層とする乾燥工程を有する製造方法により得られた半導電性シームレスベルトが開示されている。
特許文献3には、半導電性ゴムからなる弾性層と表面層とを有する半導電性ベルトであって、表面層はポリ四フッ化エチレン樹脂微粉末を含有する樹脂層からなり、表面層のSPM法で測定した硬度対応ピーク電圧値が−6.35V以下である半導電性ベルトが開示されている。
さらに、特許文献4には、添加物の厚み方向の偏在により表面と裏面とで異なる性質を持つ単一層からなる基材を有するシームレスベルトが開示されている。
特許文献5には、シート状基体の表面に、耐熱性弾性層とフッ素樹脂層とが順次積層された電子写真用の定着用ベルトであって、表面の厚み方向の圧力に対する歪み量の関係を示すグラフの傾きをKとしたとき、K≧2.0×10−11m/Paであり、表面の厚み方向の圧力に対する復元率をRとしたとき、R≧60%である定着用ベルトが開示されている。
特許文献6には、基層に積層された弾性層と感光層とを有し、さらに、弾性層と感光層との間に、弾性層のヤング率よりも大きく、感光層のヤング率よりも小さいヤング率を示す緩衝層を有する中間転写ベルトが開示されている。
特許文献7には、弾性層上に表面層を有し、表面層が潤滑性粒子を表面層全体の全固形分に対して、10質量%以上80質量%以下含有し、表面層における潤滑性粒子の分布が、3.0≧表面層表面の潤滑性粒子量/表面層内部の潤滑性粒子量≧0.8の範囲であり、表面粗さが0.1μm以上3μm以下の範囲である中間転写体が開示されている。
特許文献8には、ベース層、弾性層および表層の少なくとも3層が内周面から外周面に向かって順次積層され、表層が、フッ素樹脂1質量部に対してフッ素ゴムを1質量部より多く、5質量部以下の割合で含むゴムラテックスおよび硬化剤を有する多層ベルトが開示されている。
特開2001−131477号公報 特開2005−284119号公報 特開2010−122314号公報 特開2002−012681号公報 特開平11−174885号公報 特開2004−279738号公報 特開平10-039647号公報 特開2010−15143号公報
本発明の課題は、導電性弾性ベルトが、ゴム基材と離型層の2層のみの構造から形成されている場合に比べて、又は、離型層のマルテンス硬度が中間層のマルテンス硬度よりも小さい場合に比べて、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張を抑制する導電性弾性ベルトを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
導電性のゴム基材と、
前記導電性のゴム基材上に設けられた保護層であって、離型層と、前記導電性のゴム基材および前記離型層の間に設けられ、前記離型層よりもマルテンス硬度が低い中間層と、を含む保護層と、
を有する導電性弾性ベルトである。
請求項2に係る発明は、
前記離型層のマルテンス硬度が10N/mm以上25N/mm以下であり、前記中間層のマルテンス硬度が5N/mm以上10N/mm未満である請求項1に記載の導電性弾性ベルトである。
請求項3に係る発明は、
前記離型層が、ウレタン樹脂と、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、黒鉛、窒化ホウ素、シリカ、及びポリアミド粉からなる群から選ばれる少なくとも1種の潤滑剤と、を含有する請求項1または請求項2に記載の導電性弾性ベルトである。
請求項4に係る発明は、
前記離型層が、さらに補強剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルトである。
請求項5に係る発明は、
前記保護層の総厚みが1μm以上15μm以下であり、前記離型層と前記中間層との厚みの比(前記離型層の厚み/前記中間層の厚み)が、1/10以上10/1以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルトである。
請求項6に係る発明は、
前記導電性弾性ベルトの体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であり、前記離型層面から測定した前記導電性弾性ベルトの表面抵抗率が10Ω/□以上1011Ω/□以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルトである。
請求項7に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルトと、
前記導電性弾性ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
を備えたベルトユニットである。
請求項8に係る発明は、
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルトを備える画像形成装置である。
請求項1、3、又は4に係る発明によれば、導電性弾性ベルトが、ゴム基材と離型層の2層のみの構造から形成されている場合に比べて、又は、離型層のマルテンス硬度が中間層のマルテンス硬度よりも小さい場合に比べて、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張が抑制される導電性弾性ベルトが提供される。
請求項2に係る発明によれば、離型層のマルテンス硬度が10N/mm未満25N/mmを超え、中間層のマルテンス硬度が5N/mm未満10N/mm以上である場合に比べて、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張が抑制される導電性弾性ベルトが提供される。
請求項5に係る発明によれば、離型層と中間層との厚みの比(離型層の厚み/中間層の厚み)が、10/1を超える場合に比べて、離型層の亀裂の拡張が抑制される導電性弾性ベルトが提供される。
請求項6に係る発明によれば、導電性弾性ベルトの体積抵抗率が10Ωcm未満であり、導電性弾性ベルトの離型層面から測定した表面抵抗率が10Ω/□未満である場合に比べて、離型層の亀裂の拡張が抑制される導電性弾性ベルトが提供される。
請求項7、又は8に係る発明によれば、導電性弾性ベルトが、ゴム基材と離型層の2層の構造から形成されている導電性弾性ベルト、又は、離型層のマルテンス硬度が中間層のマルテンス硬度よりも小さい導電性弾性ベルト、を適用した場合に比べて、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張が抑制される導電性弾性ベルトを備えるベルトユニット、又は画像形成装置が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<導電性弾性ベルト>
本実施形態に係る導電性弾性ベルトは、導電性のゴム基材と、この導電性のゴム基材上に設けられた保護層とを有する。さらに、この保護層は、離型層と、中間層とを含み、この中間層は、導電性のゴム基材および前記離型層の間に設けられている。そして、この中間層のマルテンス硬度は、離型層のマルテンス硬度よりも低くなるように形成されている。
本実施形態に係る導電性弾性ベルトは、上記構成を有することにより、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張が抑制される。この理由は定かではないが、以下のように推測される。
例えば、導電性のゴム基材上に、離型層からなる保護層を設けた導電性弾性ベルト(すなわち、中間層を有しない導電性弾性ベルト)は、例えば、電子写真方式の複写機、画像形成装置において用いられている、記録媒体を搬送する記録媒体搬送ベルト(以下、「用紙搬送ベルト」と称する)に適用される場合がある。上記の導電性弾性ベルトを用紙搬送ベルトに適用した場合、環境及び繰り返し屈曲回転運動による伸張変化に伴い離型層に亀裂(以下、「亀裂」を「クラック」と称することがある)が発生しやすいことがあった。この離型層の亀裂は、用紙搬送剥離時の放電現象によるオゾン劣化やブレード等のクリーニング負荷による物理的変形、画像形成装置の使用環境の変化に伴う弾性ベルトの伸長負荷の変化により、ベルト基材の伸長に離型層が追従し難いこと等によって生じる。
この離型層の亀裂は、画像形成装置の使用環境の変化に伴う弾性ベルトの伸長作用等により、離型層に生じた亀裂どうしが、連結していき、亀裂が拡張されやすいことがある。亀裂が拡張されると、例えば、用紙搬送ベルトの表面に付着した付着物を掻き取るクリーニングブレードが、用紙搬送ベルトに対して入り込みやすくなり、さらに、亀裂が拡張されやすくなる。そのうえ、クリーニングブレードの端部に欠けが生じてしまい、クリーニング性が低下することがある。また、離型層の耐摩耗性が低い場合、クリーニングブレードによって、離型層が摩耗することで、クリーニング性が低下することがある。また、クリーニングブレードが用紙搬送ベルトに対して入り込みやすくなるため、離型層に生じた亀裂が、さらに、亀裂が拡張されやすくなる。
一方で、亀裂の発生を抑制するように、高硬度の離型層を形成した場合には、トナーや紙粉等による汚れが固着(フィルミング)することがある。そのため、離型層の硬度を高めることにより、離型層の耐摩耗性が高くなりすぎると、ブレード等のクリーニング性が低下することがある。
上記のように、離型層の耐摩耗性が低くすぎると、離型層に温度変化や伸張変化による亀裂が生じやすく、さらに、生じた亀裂がさらに連続して拡張されやすくなる。その結果、クリーニング性が低下しやすくなる。また、離型層の耐摩耗性が高すぎても、クリーニング性が低下しやすくなる。つまり、離型層は、摩耗性が適度に抑えられていることにより、クリーニング性の低下が抑制されやすくなると考えられる。
これに対して、本実施形態に係る導電性弾性ベルトは、中間層および離型層を有し、中間層のマルテンス硬度が離型層のマルテンス硬度よりも低くなるように形成された保護層を有している。そして、離型層のマルテンス硬度よりも低いマルテンス硬度を示す中間層を有していることにより、使用環境の変化に伴って導電性弾性ベルトが伸長した場合でも、中間層に緩衝作用が生じるため、離型層に生じた亀裂が連結して拡張することが抑制される。
また、中間層のマルテンス硬度が離型層のマルテンス硬度よりも低い、すなわち、離型層のマルテンス硬度が、中間層のマルテンス硬度よりも高いことにより、離型層は適度な摩耗性を有している。
その結果、本実施形態に係る導電性弾性ベルトは、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張が抑制されると考えられる。
なお、適度な摩耗性を有している場合には、多量(例えば、10万枚)に画像形成を行っても、ベルトの駆動トルクの変化は小さいが、適度な摩耗性を有していない場合には、多量(例えば、10万枚)に画像形成を行うと、表面性低下とクラックによるベルトの駆動トルクの変化が大きくなるという現象がみられることがある。
前述のように、従来の導電性弾性ベルトは、使用環境の変化に伴う伸長作用等により、離型層に生じた亀裂が拡張するやすくなる。また、離型層は、適度な摩耗性を有していない場合には、ベルトの駆動トルクの変化が大きくなることがある。これらの現象は、特に、低温低湿度環境下で使用された後に、高温高湿度環境下で使用されるというように、使用環境が繰り返し変化する場合に、顕著に発生しやすい。
しかしながら、本実施形態に係る導電性弾性ベルトは、上記構成を有することにより、使用環境や連続使用によるベルト屈曲運動が、上記のように繰り返される場合であっても、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張が抑制される。
また、本実施形態に係る導電性弾性ベルトは、中間層を有していることで、離型層に生じた亀裂が、導電性のゴム基材にまで達することが抑制される。さらに、中間層を有していることで、導電性弾性ベルトに緩衝作用が付与され、クリーニングブレードの押圧力によって生じる離型層の亀裂の発生が抑制される。
上記では、本実施形態に係る導電性弾性ベルトの一例として、用紙搬送ベルトに適用した場合について説明したが、中間転写ベルト等の他の導電性弾性ベルトに適用した場合でも、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張が抑制される。
なお、導電性弾性ベルトは、基材の弾性に追従して柔軟性を維持させつつ保護層の劣化に伴う用紙搬送性の低下、基材のオゾン劣化耐性を抑制し、かつ蛇行防止機能を保持させるように形成されている。
〔マルテンス硬度〕
前述のように、本実施形態に係る導電性弾性ベルトにおいて、保護層は、離型層と、中間層とを有しており、この中間層のマルテンス硬度は、離型層のマルテンス硬度よりも低くなるように形成されている。
マルテンス硬度とは、一定の深さの凹みに作るのに要した荷重で硬さの度合いを示した指標である。本実施形態に係る導電性弾性ベルトにおいて、中間層、及び離型層のマルテンス硬度は、以下の方法によって測定される。
測定対象となる導電性弾性ベルトのゴム基材上に、中間層を形成したベルト試料を用意する。つまり、測定対象となる導電性弾性ベルトのゴム基材と同じ組成のベルト基材を準備し、このベルト基材の上に、測定対象となる導電性弾性ベルトの中間層と同じ組成の中間層を形成してベルト試料を用意する。そして、このベルト試料をダイナミック超微小硬度計DUH−211(島津製作所社製)の測定装置にセットし、対面90度のピラミッド形状のダイヤモンドを用いて、中間層に、0.01mmの引っ掻き幅が生じるときの荷重を測定し、中間層のマルテンス硬度を測定する。
別途、測定対象となる導電性弾性ベルトを用意する。そして、中間層のマルテンス硬度の測定と同様の手順により、離型層のマルテンス硬度を測定する。
なお、マルテンス硬度の測定条件は三角推圧子稜間角115°で、試験力: 0.5mN、負荷速度:0.03mN/秒、負荷保持時間:5秒で測定を行う。
上記のように、中間層のマルテンス硬度は、離型層のマルテンス硬度よりも低くなるように形成されている。離型層の摩耗をより適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張をより抑制する観点から、離型層のマルテンス硬度と中間層のマルテンス硬度との差は、5N/mm以上が好ましく、7N/mm以上であることがさらに好ましい。また、上限としては、特に限定されないが、例えば、10N/mm以下であることがよい。
本実施形態に係る導電性弾性ベルトは、離型層の摩耗をより適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張をより抑制する観点から、離型層のマルテンス硬度が5N/mm以上25N/mm以下であることが好ましく、中間層のマルテンス硬度が5N/mm以上15N/mm以下であることが好ましい。また、離型層のマルテンス硬度が5N/mm以上20N/mm以下であることがより好ましく、中間層のマルテンス硬度が5N/mm以上10N/mm未満であることがより好ましい。
(体積抵抗率と表面抵抗率)
本実施形態に係る導電性弾性ベルトは、離型層の摩耗を適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張を抑制する観点から、体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であり、離型層面側から測定した前記導電性弾性ベルトの表面抵抗率が10/□以上1011□以下であることが好ましい。また、表面抵抗率、及び離型層面側から測定した表面抵抗率が上記範囲であると、感光体や用紙間の剥離放電に伴うオゾン劣化によって生じる離型層の亀裂の発生が抑制される。
本実施形態に係る導電性弾性ベルトの表面抵抗率及び体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ)を用い、JIS K 6911(1995年)に従って測定する。
表面抵抗率ρs(Ω/□)は下記式により算出する。ここで、下記式において、d(mm)は円柱状電極部の外径、D(mm)はリング状電極部の内径を示す。また、電圧V(V)は印加電圧、電流I(A)は電圧を印加したときに流れる電流を示す。
式:ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
なお、表面抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部の外径Φ16mm、リング状電極部の内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
体積抵抗率の測定は、表面抵抗率の測定で使用した装置を用いて測定する。但し、円形電極において、表面抵抗率測定時の板状絶縁体に代えて第二電圧印加電極を備える。そして、下記式により、体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出する。ここで、下記式において、tは導電性弾性ベルトのTの厚さを示す。また、電圧V(V)は印加電圧、電流I(A)は電圧を印加したときに流れる電流を示す。
式ρv=2.011×(V/I)×t
なお、体積抵抗率は、円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのURプローブ:円柱状電極部の外径Φ16mm、リング状電極部の内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、22℃/55%RH環境下、電圧500V、10秒印加後の電流値を求め算出する。
ここで、上記式に示される2.011は、抵抗率に変換するための電極係数であり、円柱状電極部の外径d(mm)、試料の厚さt(cm)より、πd/4tとして算出される。また、導電性弾性ベルトの厚さは、サンコー電子社製渦電流式膜厚計CTR−1500Eを使用し測定する。
次に、本実施形態に係る導電性弾性ベルトを構成する各層の材料について詳細に説明する。
〔導電性のゴム基材〕
本実施形態に係る導電性弾性ベルトの導電性のゴム基材は、導電性を有するゴム材料から構成される。導電性のゴム基材は、例えば、ゴム材料と導電剤とを含み、必要に応じて、その他の添加剤とを含んでいてもよい。
なお、導電剤とは、例えば、体積抵抗率で10Ωcm未満の材料を示す。
(ゴム材料)
ゴム材料としては、具体的には、例えば、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロロヒドリンゴム(CO)、ブチルゴム(IIR)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム(Si,Q)、フッ素ゴム(FKM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加されたNBR(HNBR)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エピクロロヒドリン・エチレンオキシドゴム(ECO)、エピクロロヒドリン・エチレンオキシド・アリルグリシジルエーテルゴム(GECO)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、天然ゴム(NR)等が挙げられる。これらのゴム材料は、1種単独でもよく、2種以上を混合して用いてもよい。なお、以下の説明において、ゴム材料を上記のカッコ内に示した略号で記載する場合がある。
これらのゴム材料の中でも、比較的剛性が高く、それ自体が半導電性に近い体積抵抗率を有し、成形型内での流動性が良好であるという観点から、NBR、HNBR、CR、CO、ECO、Uが好ましい。また、難燃性が向上する点で、CRが好ましく、耐オゾン劣化性が向上する点で、EPDMが好ましい。これらのゴム材料の中でも、CR、NBRは、それ自体がイオン導電特性を有する点でより好ましい。また、エピクロロヒドリンゴム系のCOやECOを配合することにより、体積抵抗率を調整しやすくなる点で、CRおよびNBRに加えて、COやECOを配合することがさらに好ましい。ゴム相溶性や加硫バランス調整、および耐オゾン性の向上の面と上記の観点から、CRとNBRとEPDMとCO(又はECO)が混合されたゴム材料が特に好ましい。
(導電剤)
導電剤としては、電子導電剤とイオン導電剤とが挙げられ、電子導電剤とイオン導電剤とのいずれか一方、または両方を併用して用いてもよい。導電性弾性ベルトの電気的特性(体積抵抗率)の環境安定性の観点から、電子導電剤とイオン導電剤とを併用することが好ましい。
電子導電剤としては、具体的には、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化錫、酸化インジウム、酸化チタン、酸化錫−酸化アンチモン固溶体、酸化錫−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの粉末が挙げられる。
ここで、カーボンブラックとして具体的には、オリオンエンジニアドカーボンズ社製の「スペシャルブラック350」、同「スペシャルブラック100」、同「スペシャルブラック250」、同「スペシャルブラック5」、同「スペシャルブラック4」、同「スペシャルブラック4A」、同「スペシャルブラック550」、同「スペシャルブラック6」、同「カラーブラックFW200」、同「カラーブラックFW2」、同「カラーブラックFW2V」、キャボット社製「MONARCH1000」、キャボット社製「MONARCH1300」、キャボット社製「MONARCH1400」、同「MOGUL−L」、同「REGAL400R」等が挙げられる。
電子導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
電子導電剤の含有量は、例えば、ゴム材料100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、15質量部以上35質量部以下であることがより好ましい。
イオン導電剤としては、具体的には、例えば、四級アンモニウム塩(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、オクタドデシルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸・ジメチルエチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エトサルフェート塩、ハロゲン化ベンジル塩(例えば、臭化ベンジル塩、塩化ベンジル塩等)等);脂肪族スルホン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩;高級アルコールエチレンオキサイド付加硫酸エステル塩;高級アルコール燐酸エステル塩;高級アルコールエチレンオキサイド付加燐酸エステル塩;各種ベタイン;高級アルコールエチレンオキサイド;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;多価アルコール脂肪酸エステル;各種イオン液体やフッ素系帯電防止剤;ポリアニリン、ポリピロール、ポリサルフォン、ポリアセチレン等の導電性高分子等が挙げられる。
イオン導電剤の含有量は、例えば、ゴム材料100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲であることが好ましく、0.5質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
さらに、ゴム材料には、上記に挙げた成分以外に、以下のゴム用配合原料を使用してもよい。例えば、充填剤として酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ等が挙げられる。また、酸化亜鉛(亜鉛華)等の絶縁性充填剤を添加してゴム基材の体積抵抗率を調整してもよい。これら充填剤の形状としては特に限定されず、粒子状、長繊維状などの形状のものが使用される。
また、ゴム用薬品として、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、プロセスオイル等が挙げられ、着色剤として、各種顔料が挙げられる。
導電性のゴム基材の厚みは、例えば、用紙搬送ベルトに適用した場合、ベルトとしての強度を保持する観点や、永久伸び変化抑制、蛇行抑制する等の観点から、100μm以上1000μm以下、より好ましくは300μm以上600μm以下とすることが好ましい。
導電性のゴム基材の体積抵抗率は、保護層を形成した導電性弾性ベルトの体積抵抗率の安定性等を得る観点から、10Ω/cm以下であることが好ましく、10Ω/cm以下がより好ましい。また、10Ω/cm以上であることが好ましく、10Ω/cm以上がより好ましい。体積抵抗率は、上記の導電剤の含有量や、使用するゴム材料等によって調整される。
〔保護層〕
保護層は、中間層と離型層とを含んで形成される。保護層は、中間層と離型層との2層の構造で形成されてもよいが、必要に応じて、ゴム基材と中間層との間、中間層と離型層との間に接着層を設けてもよい。中間層は、1層でもよいが、離型層のマルテンス硬度よりも低く形成されている限り、2層以上の構造に形成されてもよい。
また、本実施形態に係る導電性弾性ベルトの保護層において、接着層を含む場合、接着層のマルテンス硬度は、離型層のマルテンス硬度よりも低いことが好ましい。ただし、導電性弾性ベルトの製造工程が煩雑となるため、接着層は含まないことが好ましい。なお、接着層は中間層の概念には含まれないものである。
(離型層)
離型層は、離型層の摩耗をより適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張をより抑制する観点から、樹脂を含むことが好ましい。また、必要に応じて、樹脂に加えて、潤滑剤、及び補強剤のいずれか一方、または両方を含んでいてもよい。
−樹脂−
樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、シリコーン樹脂、又はフッ素含有樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でも、使用環境の変化に伴うベルト基材の伸長に追従しやすくなる点で、ポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。
マルテンス硬度を調整する点で、上記の樹脂は、架橋剤により架橋させていてもよい。架橋剤としては、例えば、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、シランカップリング剤等の架橋剤が挙げられる。
離型層に用いる樹脂として、上記の点から、ポリウレタン樹脂を用いる場合、例えば、主剤と硬化剤とが混合されている1液型のポリウレタン樹脂、または、主剤と硬化剤とを用いる2液硬化型のポリウレタン樹脂等が挙げられ、いずれのポリウレタン樹脂を用いてもよい。
2液硬化型のポリウレタン樹脂を用いる場合、主剤としては、硬化剤であるイソシアネート基と反応し得る官能基を有する樹脂が挙げられる。例えば、具体的には、分子内に水酸基を有するアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリオレフィンポリオール等のポリオールが挙げられる。これらの主剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
また、イソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族イソシアネート;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート3量体;イソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート3量体;HDIとトリレンジイソシアネート(TDI)との混合イソシアヌレート3量体;その他イソシアヌレート3量体、アダクト体、ビュレット体等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
ここで、ポリオールとイソシアネート化合物は、ポリオール中の水酸基(OH基)に対するイソシアネート基(NCO基)のモル比(NCO/OH)が1.0以上1.5以下の範囲となる配合比で混合することが好ましい。1.0以上1.3以下の範囲がより好ましく、1.0以上1.15以下の範囲さらに好ましい。
−潤滑剤−
離型層には、さらに、離型層の離型性がより向上する点で、潤滑剤を含むことが好ましい。この潤滑剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン、黒鉛、窒化ホウ素、シリカ、ポリアミド粉等が挙げられる。これらの中でも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン、及び黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの潤滑剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、離型層の離型性がより向上する点から、PTFEを用いることがより好ましい。
離型層に含有する潤滑剤の含有量は、離型層の摩耗をより適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張をより抑制する観点から、離型層に含有する樹脂100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下であることがさらに好ましい。潤滑剤の含有量がこの範囲であることで、さらに離型性が高まる。
−補強剤−
離型層には、離型層の摩耗をより適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張をより抑制する点で、さらに、補強剤を含有することが好ましい。補強剤は、上記に挙げた潤滑剤以外の粒子であり、離型層を補強する効果を有する樹脂粒子、又は無機粒子である。
補強剤としては、具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフルオライド共重合体(THV)、及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)等のフッ素含有化合物の樹脂粒子;ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等のフッ素樹脂以外の樹脂粒子;カーボンブラック、シリカ、酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ケイ素アンチモン、酸化アルミニウム等の無機粒子が挙げられる。これらの補強剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、カーボンブラックを用いることが好ましい。
離型層に含有する補強剤の含有量は離型層の摩耗をより適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張をより抑制する観点から、補強層に含有する樹脂100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、10質量部以上30質量部以下であることがさらに好ましい。
(中間層)
中間層に用いる材料は、離型層のマルテンス硬度よりも低くなるように形成し、離型層、及びゴム基材と剥離しない限り、特に限定されない。中間層の緩衝作用による、離型層の亀裂の拡張をより抑制する観点から、中間層には、樹脂を含むことが好ましい。また、必要に応じて、樹脂に加えて、潤滑剤、及び補強剤のいずれか一方、または両方を含んでいてもよい。しかしながらその配合割合を制御することにより、硬度や界面接着性、柔軟性などが調整されることから同材料系でも添加剤の配合内容とその比率調整による積層化で対応してもよい。
−樹脂−
中間層には、離型層に用いる樹脂で例示した樹脂を用いることができる。具体的には、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、シリコーン樹脂、又はフッ素含有樹脂等が挙げられる。中でも、離型層との密着性が向上する点で、離型層に使用した樹脂と同じ種類の樹脂を用いることが好ましい。一例としては、離型層にポリウレタン樹脂を用いた場合には、中間層にもポリウレタン樹脂を用いることが好ましい。ただし、中間層のマルテンス硬度やその界面の密着性を調整する点や、中間層の緩衝作用の点から、中間層に用いる樹脂は、架橋させない、または架橋させる程度を離型層よりも小さくするほうが好ましい。
−潤滑剤−
中間層には、離型層に用いる潤滑剤で例示した潤滑剤を用いることができる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、二硫化モリブデン、及び黒鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の潤滑剤が挙げられる。
−補強剤−
中間層には、離型層に用いる補強剤で例示した、無機粒子、及び樹脂粒子の補強剤を用いることができる。具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・ビニリデンフルオライド共重合体(THV)、及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)等のフッ素含有化合物の樹脂粒子;ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等のフッ素樹脂以外の樹脂粒子;カーボンブラック、シリカ、酸化チタン、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化ケイ素アンチモン、酸化アルミニウム等の無機粒子が挙げられる。
中間層に、上記の潤滑剤や補強剤を用いる場合、離型層のマルテンス硬度よりも低くなるように形成する点で、中間層の潤滑剤、及び補強剤の含有量は、離型層中の含有量よりも少ないことが好ましい。また、潤滑剤、及び補強剤は、中間層に含まなくてもよい。
(保護層の厚み、及び中間層と離型層との厚みの比)
保護層は、離型層の摩耗をより適度に抑えつつ、離型層の亀裂の拡張をより抑制する点で、総厚みが、1μm以上15μm以下であり、離型層と中間層との厚みの比(離型層の厚み/中間層の厚み)が、1/10以上10/1以下であることが好ましい。総厚みが、2μm以上15μm以下であり、離型層と中間層との厚みの比が、1/8以上8/1以下であることがより好ましく、総厚みが、3μm以上10μm以下であり、離型層と中間層との厚みの比が、1/5以上5/1以下であることがさらに好ましい。
(保護層の厚み、及び中間層と離型層との厚みの測定方法)
保護層の厚み、及び中間層の厚みと離型層との厚みの測定方法は、以下のようにして行う。例えば、塗膜の各比重から塗布量に対してその重量差より換算して平均的な膜厚を算出する方法や、塗布する際に基材の膜厚を予め測定しておき、塗布後の乾燥膜厚からその差を測定する方法を用いる。膜厚は直接マイクロメーターやレーザー粗さ計、うず電流測定計等の測定機器を用いる。上記測定方法により得られた中間層の厚みと、離型層との厚みとから、中間層と離型層との厚みの比(離型層の厚み/中間層の厚み)を算出する。
<導電性弾性ベルトの製造方法>
次に、本実施形態に係る導電性弾性ベルトの製造方法について説明する。
(導電性のゴム基材の製造)
導電性のゴム基材の製造方法については、導電性のゴム基材が得られる限り、特に限定されない。例えば、ゴム材料と導電剤とを混練し、加硫剤、加硫促進剤等の各種添加剤を加えて押出加工を行った後、加硫処理を行い、導電性のゴム基材が得られる。例えば、具体的に、クロロプレンゴム(CR)とアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)とエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)とエピクロロヒドリンゴム(CO)アリルグリシジルエーテル共重合体(GECO)とをブレンドした材料を一例として挙げると、以下のように製造される。
導電性のゴム基材を製造するには、CR、NBR、EPDM、及びCOに対し、電子導電剤やイオン導電剤等の導電剤を混入分散させた後、これらのクロロプレンゴムとEPDMとを加圧式ニーダー等の混練機で混練させ、加硫剤、加硫促進剤等を加えて押出加工を行う。
導電性のゴム基材を得るための上記の混練されたゴム材料を押出成形する場合には、加硫マンドレルと呼ばれる、ベルト内径と同サイズの外径を持つ金属製のシリンダに、混練したゴム材料を覆い被せた状態で予め定めた条件(例えば、170℃で1時間)にて加硫させる。その後、研磨用マンドレルに加硫したゴム材料を被せて、導電性のゴム基材の内周面と外周面とを研磨し、厚みと、表面の平滑性を調整して導電性のゴム基材が得られる。
(保護層の形成)
保護層の形成方法は、導電性のゴム基材上に、中間層と離型層とを有する保護層を形成し得る限り、特に限定されない。例えば、一例としては、中間層を形成するための樹脂を含む中間層用塗布液と、離型層を形成するための潤滑剤および補強剤を含有した樹脂と樹脂を架橋するための架橋剤とを含む離型層用塗布液と、を準備する。そして、導電性のゴム基材上に、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の塗布方法により、中間層用塗布液を塗布し、ついで、離型層用塗布液を塗布する。その後、導電性のゴム基材上に付着した中間層用塗布液と離型層用塗布液とを同時に加熱硬化処理を行う方法が挙げられる。中間層用塗布液の塗布後、離型層用塗布液の塗布のいずれか一方、又は、その両方において、硬化処理を行う前に、予備乾燥を行い、塗膜を乾燥固化させてもよい。
他の形成方法の一例としては、導電性のゴム基材上に付着した中間層用塗布液を加熱して硬化処理を行う。次いで、乾燥した中間層上に、離型層用塗布液を塗布した後、加熱して硬化処理を行う方法が挙げられる。
上記に挙げた例のように、中間層と離型層とを塗布液を用いて形成する場合、塗布液は水系、又は溶剤系のいずれの塗布液でもよい。作業環境の点で、水系の塗布液を用いることが好ましい。また、水系である場合には、エマルション、ディスパージョンのいずれの形態であってもよい。なお、溶剤系とは、有機溶媒により固形分が溶解又は分散されている形態であり、水系とは、水、又は水と水混和性有機溶媒(例えば、アルコール)との混合溶媒により固形分が溶解、又は分散されている形態のことを示す。
<その他の用途>
本実施形態の導電性弾性ベルトは、電子写真方式の画像形成装置における用紙搬送ベルトとして好適に用いられる。また、中間転写ベルトにも適用してもよい。その他、定着装置を通過した後の用紙を冷却するための冷却ベルト、駆動ベルト等の他の導電性弾性ベルトに適用してもよい。
<画像形成装置>
次に、本実施形態に係る導電性弾性ベルトを適用した画像形成装置の一例について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、例えば、電子写真感光体と、電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段を備える装置、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置、トナー像の転写後、帯電前の電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置、トナー像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置、電子写真感光体の温度を上昇させ、相対温度を低減させるための電子写真感光体加熱部材を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
直接転写方式の装置の場合、例えば、転写手段は、記録媒体を搬送する用紙搬送ベルトと、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接記録媒体に転写する転写部材と、を有する構成が適用される。そして、この用紙搬送ベルトに、本実施形態に係る導電性弾性ベルトが適用される。
また、中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー像が転写される中間転写体と、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写体(中間転写ベルト)の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。そして、この中間転写ベルトに、本実施形態に係る導電性弾性ベルトが適用される。
本実施形態に係る画像形成装置は、乾式現像方式の画像形成装置、湿式現像方式(液体現像剤を利用した現像方式)の画像形成装置のいずれであってもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態の導電性弾性ベルトを適用した一例として、電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を直接、記録媒体に転写する直接転写方式の装置の用紙搬送ベルトとして備えた画像形成装置の構成を概略的に示している。
図1に示す画像形成装置100は、矢印A方向に回転する電子写真感光体10の周囲に、電子写真感光体10の表面を帯電する帯電装置11(帯電手段の一例)、帯電した電子写真感光体10の表面に露光ビームBmを照射して静電潜像を形成する露光装置12(静電潜像形成手段の一例)、トナーを収容し、電子写真感光体10上の静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置13(現像手段の一例)、電子写真感光体10上の残留トナーを除去するクリーニング装置17(クリーニング手段の一例)を備えている。そして、このクリーニング装置17には、クリーニングブレード17a、潤滑材18を電子写真感光体10の表面に供給する繊維状部材16(ロール状)が設けられている。
さらに、図1に示す画像形成装置100は、転写ユニット20、記録媒体Pに転写された未定着トナー像を定着する定着装置60、各装置(各部)の動作を制御する制御部(不図示)を備えている。
上記の転写ユニット20(転写手段の一例)は、転写部15における静電転写に先立って電子写真感光体10上のトナー像を帯電する転写前帯電装置14、電子写真感光体10上に形成されたトナー像を転写部15において記録媒体P(例えば、記録紙(用紙))に転写する用紙搬送ベルト21を備えている。
また、転写ユニット20は、駆動ロール22と従動ロール23とによって張力を持って架け渡された用紙搬送ベルト21(導電性弾性ベルトを適用した一例)と、用紙搬送ベルト21の内側に配設され、用紙搬送ベルト21を介して電子写真感光体10に押圧される転写ロール24とを備えている。さらに、駆動ロール22を通過した後に用紙搬送ベルト21の表面上の付着物を掻き取るクリーニングブレード25が設けられている。
転写ユニット20は、矢印B方向に回転する用紙搬送ベルト21により、転写部15に搬送されてくる記録媒体Pに電子写真感光体10上のトナー像を転写する機能と、転写部15においてトナー像が転写された記録媒体Pを定着装置60まで搬送する機能とを有している。
また、本実施形態の画像形成装置は、記録媒体Pを収容する記録媒体収容部50、この記録媒体収容部50に集積された記録媒体Pを予め定められたタイミングで取り出して搬送する取り出しロール51、取り出しロール51により繰り出された記録媒体Pを搬送する搬送ロール52、搬送された記録媒体Pを予め定められたタイミングで転写部15に送り込む位置決めロール54、位置決めロール54から送り出された記録媒体Pを転写部15に導く案内部55、転写ユニット20によりトナー像が転写されて搬送されてくる記録媒体Pを定着装置60へ導く案内部56を備えている。
なお、本実施形態の導電性弾性ベルトを適用した一例として、用紙搬送ベルトとして備えた画像形成装置を例に挙げて説明したが、例えば、本実施形態の導電性弾性ベルトは、中間転写ベルトとして備えた画像形成装置に適用してもよい。
<導電性弾性ベルトユニット>
次に、本実施形態に係る導電性弾性ベルトを適用した導電性弾性ベルトユニット(以下、「ベルトユニット」と称する)について説明する。
本実施形態に係る導電性弾性ベルトが適用されたベルトユニットは、導電性弾性ベルトと、張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、を備えている。例えば、導電性弾性ベルトは、互いに対向して配置された駆動ロール及び従動ロールにより張力がかかった状態で掛け渡されている。
本実施形態に係る導電性弾性ベルトを、例えば、用紙搬送ベルトとして適用した場合、ベルトユニットは、上記の各ロール(駆動ロール及び従動ロール)に加えて、感光体(像保持体)表面のトナー像を記録媒体に転写させるための転写ロールを備えたものであってもよい。例えば、図1に示す画像形成装置において、駆動ロール22と従動ロール23とによって張力がかかった状態で架け渡された用紙搬送ベルト21と、用紙搬送ベルト21の内側に配設され、用紙搬送ベルト21を介して電子写真感光体10に押圧される転写ロール24とを備えたユニットは、本実施形態に係る導電性弾性ベルトを用紙搬送ベルトとして適用した場合のベルトユニットの一例である。
また、例えば、中間転写ベルトとして適用した場合、上記の各ロール(駆動ロール及び従動ロール)に加えて、感光体(像保持体)表面のトナー像を中間転写ベルト(導電性弾性ベルトを適用した他の一例)上に1次転写させるためのロールと、中間転写ベルト上に転写されたトナー像をさらに記録媒体に2次転写させるためのロールが配置されていてもよい。
なお、張力がかかった状態で掛け渡すためのロールの数や位置は限定されず、使用態様に応じて配置すればよい。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<実施例1>
ゴム材料として、クロロプレンゴム(CR)(WRT:昭和電工社製)30部、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)(エスプレン505:住友化学社製)70部を加圧式ニーダーで混錬し、電子導電剤として、カーボンブラック(アセチレンブラック:電気化学工業社製)30部、充填剤として、酸化亜鉛(日本化学工業社製)5部、酸化マグネシウム(共和化学社製)5部、硫黄加硫剤(サルファックスPMC:鶴見化学工業社製)1部、加硫促進剤(ノクセラーTS,ノクセラーDT:いずれも大内新興化学工業社製)各1部を投入し、2本加熱ロールでさらに混錬した。
この混練物をベルト状(95mmφ)に肉厚1.2mmで押出加工し、アルミニウム製ドラム面に被覆成形させた。この後、飽和蒸気高圧缶で、170℃、1時間加硫させた。次いで、円筒研磨で0.45mmの厚さになるように研磨して、導電性のゴム基材(ゴム硬度5.5度)を作製した。
次に、導電性のゴム基材上に、中間層と離型層とを含む保護層を形成した。
上記で得た導電性のゴム基材の上に、中間層用塗布液として、黒鉛を含有した1液型の水系ポリウレタン樹脂(ボンデライトL−GP154(鉛筆硬度B、黒鉛5質量部含有):ヘンケル社製)を、スプレーコートによって、2μm(乾燥固化後の膜厚)になるように塗布し、室温で乾燥固化させた。次いで、乾燥固化した中間層用塗布液の塗膜上に、離型層用塗布液として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含有した2液硬化型の水系ポリウレタン樹脂(ボンデライトS−FN345(鉛筆硬度H、PTFE15質量部含有):ヘンケル社製)を、スプレーコートによって、3.2μm(乾燥固化後の膜厚)になるように塗布した。その後、ゴム基材上に乾燥固化させた中間層とともに、120℃、30分加熱して、硬化処理を行い、導電性弾性ベルトを得た。
この導電性弾性ベルトに対して引張試験を行い、引張伸長率とクラックの関係について評価を行った。実施例1の導電性弾性ベルトは、引張伸長率として97%まで伸張させても、G3以上のクラックの悪化は見られなかった。なお、クラックは、後述する亀裂の評価基準に準じて評価を行った(以下の実施例、及び比較例も同じ)。
<実施例2>
中間層用塗布液として、フッ素ゴムエマルション(GL252EA:ダイキン工業社製)を用い、3μm(乾燥固化後の膜厚)になるように塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性弾性ベルトを得た。
この導電性弾性ベルトに対して引張試験を行い、引張伸長率とクラックの関係について評価を行った。実施例2の導電性弾性ベルトは、引張伸長率として40%まで伸張させても、G2以下のクラックを保持していた。
<実施例3>
中間層用塗布液として、紫外線硬化型ポリウレタン樹脂(アロニックスM−1310/アロニックスM−110=80部/20部:いずれも東亜合成社製、ポリエステル系ポリウレタン)100部と光重合開始剤(イルガキュア184:BASF社製)1部とを用いて調製し、ロールコートによって、2μm(乾燥固化後の膜厚)になるように塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性弾性ベルトを得た。
<実施例4>
ゴム材料として、CRを20部、EPDMを45部、エピクロロヒドリンゴム(CO)を30部とし、電子導電剤として、カーボンブラックを30部、及び、イオン導電剤として、過塩素酸リチウム(和光純薬工業社製)を1部としたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性弾性ベルトを得た。
この導電性弾性ベルトに対して引張試験を行い、引張伸長率とクラックの関係について評価を行った。実施例4の導電性弾性ベルトは、引張伸長率を35%まで伸張させても、G2以下のクラックを保持していた。
<実施例5>
離型層用塗布液として、二硫化モリブデン配合のL−GPM210(ヘンケル社製)を用いて、2.7μm(乾燥固化後の膜厚)になるように塗布したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性弾性ベルトを得た。
この導電性弾性ベルトに対して引張試験を行い、引張伸長率とクラックの関係について評価を行った。実施例5の導電性弾性ベルトは、引張伸長率を40%まで伸張させても、G2以下のクラックを保持していた。
<比較例1>
中間層を形成せず、離型層用塗布液のみを塗布して離型層を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、導電性弾性ベルトを得た。この導電性弾性ベルトは、導電性のゴム基材上に、離型層のみ形成されている導電性弾性ベルトである。
この導電性弾性ベルトに対して引張試験を行い、引張伸長率とクラックの関係について評価を行った。比較例1の導電性弾性ベルトは、引張伸長率を5%まで伸張すると、G3のクラックが発生した。
<比較例2>
離型層用塗布液として、実施例1の離型層用塗布液のPTFE含有量を半減した(ドックタイトT820F)を用いて離型層を設けた以外は、比較例1と同様にして、導電性弾性ベルトを得た。
この導電性弾性ベルトに対して引張試験を行い、引張伸長率とクラックの関係について評価を行った。比較例2の導電性弾性ベルトは、引張伸長率を11%まで伸張すると、G3のクラックが発生した。
<評価>
各実施例、及び各比較例で得られた導電性弾性ベルトについて、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
〔マルテンス硬度〕
各実施例、及び各比較例で得られたゴム基材上に、各例の中間層を形成した導電性弾性ベルト試料を準備して、既述の方法により、中間層のマルテンス硬度を測定した。また、各実施例、及び各比較例で得られた導電性弾性ベルトを用意して、既述の方法により、離型層のマルテンス硬度を測定した。
〔離型層および中間層の厚み〕
既述の方法で測定を行い、保護層の総厚み、離型層と中間層との厚みの比(離型層の厚み/中間層の厚み)を算出した。
〔離型層の亀裂の評価〕
各導電性弾性ベルトを、富士ゼロックス社製D110(モノクロ複合機)の用紙搬送ベルトとして装着し、A4普通紙を用いて画像の形成を行った。画像形成は、以下の条件で行った。まず、低温低湿度環境下(10℃、相対湿度15%RH)で2万枚の画像形成を行い、高温高湿度環境下(30℃、相対湿度80%RH)で2万枚の画像形成を行う。さらに、低温低湿度環境下(条件同じ)で2万枚、高温高湿度環境下(条件同じ)で2万枚、低温低湿度環境下(条件同じ)で2万枚の画像形成を繰り返し行い、合計で10万枚の画像を形成した。10万枚の画像を形成した後に、導電性弾性ベルトの離型層面を観察して亀裂の状態の評価を行った。
評価基準は以下のとおりである。
G1:離型層部分ではほとんどクラックは見られない
G2:離型層で一部亀裂発生がみられる
G3:離型層で短いクラックが発生
G4:離型層で一部長いクラックが発生
G5:離型層で全面に長いクラックが発生
〔離型層の摩耗性の評価〕
各導電性弾性ベルトを、富士ゼロックス社製D110(モノクロ複合機)の用紙搬送ベルトとして装着し、上記の離型層の亀裂の評価と同様の条件で、A4普通紙を用いて画像形成を行った。高温高湿度環境下で画像を形成した8万枚の画像を形成した後の用紙搬送ベルトの駆動トルクを測定し、さらに、低温低湿度環境下で画像を形成した10万枚の画像を形成した後の用紙搬送ベルト(導電性弾性ベルト)の駆動トルクを測定して、両者の駆動トルクの差(「10万枚の画像形成したときの駆動トルク」−「8万枚の画像形成したときの駆動トルク」)を算出した。なお、駆動トルクは、トルクゲージ(富士ゼロックスで作製)を用紙搬送ベルトの離型層面側に装着して測定した。駆動トルクの差が大きい場合には、離型層は摩耗が適度に抑制されていないことになる。
評価基準は以下のとおりである。
G1:0.2kgf・cm以上0.7kgf・cm以下
G2:0.8kgf・cm以上1.0kgf・cm以下(スミヤ発生:画像濃度むら)
G3:1.1kgf・cm以上(ブレードメクレ、クリーニング不良発生)
下記の表1において、中間層の「無」は、中間層を形成していないことを、「PU」はポリウレタンを、「PTFE」は、ポリテトラフルオロエチレンを、「C.B」はカーボンブラックを、「2硫化Mo」は、二硫化モリブデンを、それぞれ表す。
上記結果から、本実施例では、比較例に比べ、離型層の亀裂の拡張が抑制されていることがわかる。また、本実施例では、比較例に比べ、導電性弾性ベルトの駆動トルク差が小さいことから、離型層の摩耗が適度に抑えられていることがわかる。
10 電子写真感光体
11 帯電装置
12 露光装置
13 現像装置
14 転写前帯電装置
15 転写部
17 クリーニング装置
20 転写ユニット
21 用紙搬送ベルト
22 駆動ロール
23 従動ロール
24 転写ロール
50 記録媒体収容部
51 取り出しロール
52 搬送ロール
54 位置決めロール
55 案内部
56 案内部
60 定着装置
100 画像形成装置

Claims (8)

  1. 導電性のゴム基材と、
    前記導電性のゴム基材上に設けられた保護層であって、離型層と、前記導電性のゴム基材および前記離型層の間に設けられ、前記離型層よりもマルテンス硬度が低い中間層と、を含む保護層と、
    を有する導電性弾性ベルト。
  2. 前記離型層のマルテンス硬度が10N/mm以上25N/mm以下であり、前記中間層のマルテンス硬度が5N/mm以上10N/mm未満である請求項1に記載の導電性弾性ベルト。
  3. 前記離型層が、ウレタン樹脂と、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、黒鉛、窒化ホウ素、シリカ、及びポリアミド粉からなる群から選ばれる少なくとも1種の潤滑剤と、を含有する請求項1または請求項2に記載の導電性弾性ベルト。
  4. 前記離型層が、さらに補強剤を含有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルト。
  5. 前記保護層の総厚みが1μm以上15μm以下であり、前記離型層と前記中間層との厚みの比(前記離型層の厚み/前記中間層の厚み)が、1/10以上10/1以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルト。
  6. 前記導電性弾性ベルトの体積抵抗率が10Ωcm以上10Ωcm以下であり、前記離型層面から測定した前記導電性弾性ベルトの表面抵抗率が10Ω/□以上1011Ω/□以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルト。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルトと、
    前記導電性弾性ベルトを張力がかかった状態で掛け渡す複数のロールと、
    を備えた導電性弾性ベルトユニット。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の導電性弾性ベルトを備える画像形成装置。
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