JP2016114371A - テラヘルツ波計測装置 - Google Patents

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一雄 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】計測効率を向上させる。
【解決手段】テラヘルツ波計測装置(100)は、レーザ光(LB1)が照射されることでテラヘルツ波(THz)を発生する発生手段(110)と、レーザ光(LB2)が照射されることで計測対象物(10)に照射されたテラヘルツ波を検出する検出手段(130)と、レーザ光を反射することで検出手段に照射されるレーザ光の光路長を調整可能な調整手段(120)と、計測対象物を移動可能な移動手段(170)と、調整手段がレーザ光を反射することで光路長を調整している調整期間と計測対象物が所望の計測位置に位置する移動タイミングとが同期するように、調整手段及び移動手段の少なくとも一方を制御する制御手段(150)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばテラヘルツ波を用いて計測対象物の特性を計測するテラヘルツ波計測装置の技術分野に関する。
テラヘルツ波計測装置として、テラヘルツ時間領域分光法(Terahertz Time−Domain Spectroscopy)を利用する装置が知られている。テラヘルツ波計測装置は、以下の手順で、計測対象物の特性を計測する。まず、超短パルスレーザ光(例えば、フェムト秒パルスレーザ光)を分岐することで得られる一のレーザ光であるポンプ光(言い換えれば、励起光)が、バイアス電圧が印加されているテラヘルツ波発生素子に照射される。その結果、テラヘルツ波発生素子は、テラヘルツ波を発生する。テラヘルツ波発生素子が発生したテラヘルツ波は、計測対象物に照射される。計測対象物に照射されたテラヘルツ波は、計測対象物からの反射テラヘルツ波又は透過テラヘルツ波として、超短パルスレーザ光を分岐することで得られる他のレーザ光であって且つポンプ光に対する光学的な遅延(つまり、光路長差)が付与されたプローブ光(言い換えれば、励起光)が照射されているテラヘルツ波検出素子に照射される。その結果、テラヘルツ波検出素子は、計測対象物で反射又は透過したテラヘルツ波を検出する。当該検出されたテラヘルツ波(つまり、時間領域のテラヘルツ波であり、電流信号)をフーリエ変換することで、当該テラヘルツ波のスペクトル(つまり、振幅及び位相の周波数応答特性)等が取得される。その結果、当該テラヘルツ波のスペクトルを解析することで、計測対象物の特性が計測される。
ここで、プローブ光(或いは、ポンプ光、以下同じ)に付与される光学的な遅延は、入射する光を再帰反射することが可能な再帰反射鏡を含む光遅延器に対してプローブ光を入射させることで付与されることが多い。尚、ここでいう「再帰反射」とは、入射光を、当該入射光の入射方向と平行な方向に向けて反射する状態を示す。尚、光遅延器の一例として、例えば回転可能な複数の再帰反射鏡(或いは、プリズム)を備える光遅延器があげられる。
このような光遅延器をテラヘルツ波計測装置が備えている場合には、テラヘルツ波検出素子は、光遅延器がプローブ光を実際に再帰反射している期間(つまり、プローブ光に光学的な遅延を実際に付与している期間)中に、テラヘルツ波を検出する。
一方で、計測対象物の複数箇所の特性を計測するために、計測対象物及びテラヘルツ波検出素子(或いは、テラヘルツ波検出素子を含むヘッド)の少なくとも一方は、移動可能なステージ(或いは、スライダ、以下同じ)に搭載されることがある。この場合、ステージが移動すると、テラヘルツ波検出素子と計測対象物との間の相対的な位置関係が変わる。その結果、計測対象物におけるテラヘルツ波の検出位置が移動する。従って、計測対象物の複数箇所においてテラヘルツ波が検出されるがゆえに、テラヘルツ波計測装置は、計測対象物の複数箇所の特性を計測することができる。
特開2013−174548号公報
上述した特許文献1に記載したテラヘルツ波計測装置は、計測対象物の複数箇所の特性を計測するために、計測対象物のある測定箇所にテラヘルツ波が照射されるように計測対象物を移動させた後に停止させ、当該測定箇所に照射されたテラヘルツ波を検出している。しかしながら、特許文献1に記載したテラヘルツ波計測装置は、計測対象物の移動及び停止を繰り返しながら計測対象物の特性を計測する必要があるがゆえに、計測に要する時間が相対的に長くなってしまう(つまり、計測効率が相対的に悪化してしまう)という技術的問題が生ずる。
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、計測効率を向上させることが可能なテラヘルツ波計測装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するテラヘルツ波計測装置は、レーザ光が照射されることでテラヘルツ波を発生すると共に、発生した前記テラヘルツ波を計測対象物に照射する発生手段と、前記レーザ光が照射されることで、前記計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、前記レーザ光を反射することで前記発生手段及び前記検出手段の少なくとも一方に照射される前記レーザ光の光路長を調整可能な調整手段と、前記計測対象物における前記テラヘルツ波の照射位置及び検出位置のうちの少なくとも一方が前記計測対象物の表面に沿って移動するように、前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物のうち少なくとも一つを移動可能な移動手段と、前記調整手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している調整期間と前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物のうち少なくとも一つが所望の計測位置に位置する移動タイミングとが同期するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する制御手段とを備える。
本実施例のテラヘルツ波計測装置の構成を示すブロック図である。 本実施例の光遅延器の構成を示す上面図である。 テラヘルツ波発生素子及びテラヘルツ波検出素子の夫々の構成を示す斜視図である。 光学遅延機構及び走査機構の夫々の駆動状態の制御動作が行われている場合にテラヘルツ波計測装置が参照する又は生成する各種制御信号の波形を示すタイミングチャートである。 時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期していない場合にテラヘルツ波計測装置が参照する又は生成する各種制御信号の波形を示すタイミングチャートである。
以下、本発明のテラヘルツ波の実施形態について説明を進める。
<1>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置は、レーザ光が照射されることでテラヘルツ波を発生すると共に、発生した前記テラヘルツ波を計測対象物に照射する発生手段と、前記レーザ光が照射されることで、前記計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、前記レーザ光を反射することで前記発生手段及び前記検出手段の少なくとも一方に照射される前記レーザ光の光路長を調整可能な調整手段と、前記計測対象物における前記テラヘルツ波の照射位置及び検出位置のうちの少なくとも一方が前記計測対象物の表面に沿って移動するように、前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物のうち少なくとも一つを移動可能な移動手段と、前記調整手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している調整期間と前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物のうち少なくとも一つが所望の計測位置に位置する移動タイミングとが同期するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する制御手段とを備える。
本実施形態のテラヘルツ波計測装置によれば、発生手段、検出手段、調整手段、移動手段及び制御手段の動作により、計測対象物に照射されたテラヘルツ波が検出される。検出されたテラヘルツ波は、計測対象物の特性の計測に利用される。以下、テラヘルツ波の検出方法の概略について、簡単に説明する。
発生手段は、当該発生手段にレーザ光が励起光(例えば、ポンプ光)として照射されることで、テラヘルツ波を発生させる。発生手段が発生したテラヘルツ波は、計測対象物に照射される。
検出手段は、当該検出手段にレーザ光が励起光(例えば、プローブ光)として照射されることで、計測対象物によって反射された又は計測対象物を透過したテラヘルツ波を検出する。
調整手段は、レーザ光を反射すると共に、反射したレーザ光を発生手段及び検出手段の少なくとも一方に導く。ここで、調整手段は、レーザ光を反射することで、レーザ光の状態を連続的に変化させることができる。このため、調整手段は、レーザ光の状態を連続的に変化させると共に、当該連続的に状態が変化しているレーザ光を発生手段及び検出手段の少なくとも一方に導くとも言える。このとき、調整手段は、発生手段及び検出手段のうちの少なくとも一方に照射されるレーザ光の光路長を調整する。例えば、調整手段がレーザ光を反射する反射鏡を備えている場合には、調整手段は、反射鏡を物理的に移動させることで、レーザ光の光路長を調整してもよい。その結果、調整手段は、発生手段に照射されるレーザ光の光路と検出手段に照射されるレーザ光の光路との間の光路長差を適宜調整することができる。このような光路長差の調整は、サブピコ秒というオーダーで現れるテラヘルツ波の波形(典型的には、時間波形であり、以下同じ)を好適に検出するために行われる。
移動手段は、計測対象物におけるテラヘルツ波の照射位置及びテラヘルツ波の検出位置のうちの少なくとも一方が計測対象物の表面に沿って移動するように、発生手段、検出手段及び計測対象物の少なくとも一つを移動させる。その結果、検出手段は、テラヘルツ波を、計測対象物の複数個所において順に検出することができる。或いは、発生手段は、テラヘルツ波を、計測対象物の複数個所に対して順に照射することができる。このため、テラヘルツ波計測装置は、計測対象物の複数個所の特性の夫々を計測することができる。
本実施形態では特に、制御手段は、調整期間と移動タイミングとが同期するように、調整手段及び移動タイミングの少なくとも一方を調整する。
調整期間は、調整手段がレーザ光を反射している期間である。言い換えれば、調整期間は、調整手段がレーザ光の状態を連続的に変化させている期間であるとも言える。つまり、調整期間は、調整手段が光路長の一連の調整を行う期間である。光路長の調整に起因してテラヘルツ波の波形が検出されることを考慮すれば、調整期間中に検出されたテラヘルツ波の波形は、有効なテラヘルツ波の波形(例えば、計測対象物の特性の計測にとって有益なテラヘルツ波の波形)であると言える。一方で、調整期間以外の期間である非調整期間中に検出されたテラヘルツ波は有効でないテラヘルツ波の波形(例えば、計測対象物の特性の計測にとって有益でないテラヘルツ波の波形)であると言える。つまり、調整期間は、有効なテラヘルツ波の波形が検出されている期間であると言える。
移動タイミングは、計測対象物におけるテラヘルツ波による計測位置の基準となるタイミングである。発生手段、検出手段及び計測対象物の少なくとも一つの移動に起因して計測対象物におけるテラヘルツ波の照射位置及び検出位置の少なくとも一方が移動することを考慮すれば、移動タイミングは、計測対象物におけるテラヘルツ波の検出位置が所望の計測位置に位置するタイミングであるとも言える。或いは、移動タイミングは、計測対象物におけるテラヘルツ波の照射位置が所望の計測位置に位置するタイミングであるとも言える。加えて、後に詳述するように、テラヘルツ波の照射位置及び検出位置の少なくとも一方が所望の計測位置に位置するタイミングで、検出手段の検出結果(つまり、テラヘルツ波の波形)が当該所望の計測位置と対応付けてメモリ等に保存される。従って、移動タイミングは、検出手段の検出結果を当該所望の計測位置に対応付けた上でメモリ等に保存するタイミングであるとも言える。
このように、本実施形態では、調整期間と移動タイミングとが同期している。このため、調整期間と当該調整期間に同期した移動タイミングとの間の時間差が、計測位置が変わるたびににばらつく(言い換えれば、変動する)ことは殆ど又は全くない。従って、本実施形態のテラヘルツ波計測装置は、調整期間中に検出手段が検出したテラヘルツ波の波形を、当該調整期間に同期して一定の周期で到来する移動タイミングの到来の都度、当該移動タイミングに対応する計測位置にそのまま対応付けて取得(言い換えれば、保存、以下同じ)することができる。言い換えれば、本実施形態のテラヘルツ波計測装置は、移動タイミングが到来する都度、当該移動タイミングに同期して一定の周期で到来する調整期間中に検出手段が検出したテラヘルツ波の波形を、当該到来した移動タイミングに対応する計測位置にそのまま対応付けて取得することができる。従って、テラヘルツ波計測装置による計測効率が相対的に向上する。
仮に調整期間と移動タイミングとが同期していなければ、テラヘルツ波計測装置は、調整期間中に検出手段が検出したテラヘルツ波の波形を、当該調整期間に同期していない(言い換えれば、調整期間に対してランダムなタイミングで到来する)移動タイミングの到来を待った上で、当該到来した移動タイミングに対応する計測位置に対応付けて取得する必要がある。つまり、テラヘルツ波計測装置は、ランダムなタイミングで到来する移動タイミングの到来を待つ必要がある。この移動タイミングの待ち時間のため、調整期間と移動タイミングとが同期していない場合には、テラヘルツ波計測装置による計測効率が相対的に悪化する可能性がある。しかるに、本実施形態では、調整期間と移動タイミングとが同期しているがゆえに、テラヘルツ波計測装置は、調整期間中に検出手段が検出したテラヘルツ波の波形を、当該調整期間に同期した(言い換えれば、調整期間に対して一定のタイミングで到来する)移動タイミングが到来する都度、当該到来した移動タイミングに対応する計測位置にそのまま対応付けて取得することができる。このため、テラヘルツ波計測装置による計測効率が相対的に向上する。
調整期間と移動タイミングとが同期しておらず、且つ、テラヘルツ波計測装置が移動タイミングを待たない場合には、調整期間と当該調整期間に同期した移動タイミングとの間の時間差が、計測位置が変わるたびにばらつく可能性がある。その結果、計測対象物の複数個所において計測されたテラヘルツ波の波形から得られる計測結果の精度が悪化してしまう可能性がある。というのも、調整期間中に実際にテラヘルツ波による計測が行われた計測位置と、当該計測位置において計測されたテラヘルツ波の検出結果が保存される際に当該検出結果に対応付けられる位置情報との間のずれ量が、計測の都度変動してしまうからである。このとき、取得した複数のテラヘルツ波で構成される多次元データの位置関係が一定の間隔でないために、例えばその多次元データを用いて画像化した場合には、画像の歪み等の劣化が生じる可能性がある。しかるに、本実施形態では、調整期間と移動タイミングとが同期している。このため、調整期間と当該調整期間に同期した移動タイミングとの間の時間差が、計測位置が変わるたびにばらつくことは殆ど又は全くない。従って、計測対象物の複数個所において計測されたテラヘルツ波の波形から得られる計測結果の精度が悪化してしまうことは殆ど又は全くない。このため、テラヘルツ波計測装置による計測精度が相対的に向上する。
<2>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期することで前記調整期間に対する前記移動タイミングの時間的関係が固定されるように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する。
この態様によれば、調整期間と当該調整期間に同期した移動タイミングとの間の時間差が、計測位置が変わるたびにばらつくことは殆ど又は全くない。従って、テラヘルツ波計測装置による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
<3>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期することで前記調整期間中の基準時刻と前記移動タイミングとの間の時間差が固定されるように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する。
この態様によれば、調整期間と当該調整期間に同期した移動タイミングとの間の時間差が、計測位置が変わるたびにばらつくことは殆ど又は全くない。従って、テラヘルツ波計測装置による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
<4>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記調整手段は、前記レーザ光を反射可能な第1反射手段と、前記レーザ光を反射可能な第2反射手段とを少なくとも備えており、前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期することで、前記第1再帰反射手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している第1調整期間に対する前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが所望の第1計測位置に位置する第1移動タイミングの時間的関係と、前記第2反射手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している第2調整期間に対する前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが所望の第2計測位置に位置する第2移動タイミングの時間的関係とが一致するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する。
この態様によれば、調整期間と当該調整期間に同期した移動タイミングとの間の時間差が、レーザ光を反射している反射手段毎にばらつくことは殆ど又は全くない。従って、テラヘルツ波計測装置による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
<5>
上述の如く調整手段が第1及び第2反射手段を備えるテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記制御手段は、前記第1調整期間中の基準時刻と前記第1移動タイミングとの間の第1時間差と、前記第2調整期間中の基準時刻と前記第2移動タイミングとの間の第2時間差とが一致するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する。
この態様によれば、調整期間と当該調整期間に同期した移動タイミングとの間の時間差が、レーザ光を反射している反射手段毎にばらつくことは殆ど又は全くない。従って、テラヘルツ波計測装置による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
<6>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記調整手段は、第1基準信号に基づいて定まる調整態様で前記光路長を調整し、前記移動手段は、第2基準信号に基づいて定まる移動態様で前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つを移動し、前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、前記第1基準信号及び前記第2基準信号の少なくとも一方を生成する。
この態様によれば、テラヘルツ波計測装置は、調整手段による光路長の調整態様を実質的に規定する第1基準信号及び移動手段による前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つの移動態様を実質的に規定する第2基準信号の少なくとも一方を生成することで、調整期間と移動タイミングとを比較的容易に同期させることができる。
<7>
上述の如く第1及び第2基準信号の少なくとも一方を生成するテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、互いに同一となる前記第1基準信号及び前記第2基準信号を生成する。
この態様によれば、テラヘルツ波計測装置は、互いに同一となる第1基準信号及び第2基準信号を生成することで、調整期間と移動タイミングとを比較的容易に同期させることができる。
<8>
上述の如く第1及び第2基準信号の少なくとも一方を生成するテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記制御手段は、前記調整手段が所望の調整態様で前記光路長を調整するように前記第1基準信号を生成し、前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、前記第1基準信号に基づいて前記第2基準信号を生成する。
この態様によれば、テラヘルツ波計測装置は、第1基準信号を先に生成した後に、当該生成した第2基準信号に基づいて第2基準信号を生成することができる。その結果、テラヘルツ波計測装置は、調整期間と前記移動タイミングとを比較的容易に同期させることができる。
<9>
上述の如く第1及び第2基準信号の少なくとも一方を生成するテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記制御手段は、前記移動手段が所望の移動態様で前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つを移動させるように前記第2基準信号を生成し、前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、前記第2基準信号に基づいて前記第1基準信号を生成する。
この態様によれば、テラヘルツ波計測装置は、第2基準信号を先に生成した後に、当該生成した第2基準信号に基づいて第1基準信号を生成することができる。その結果、テラヘルツ波計測装置は、調整期間と移動タイミングとを比較的容易に同期させることができる。
<10>
上述の如く第1及び第2基準信号の少なくとも一方を生成するテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記調整手段は、夫々が前記レーザ光を反射可能なm(但し、mは1以上の整数)個の反射手段と、当該m個の反射手段を回転駆動する回転手段を備え、前記第1基準信号は、周期がTrとなる第1パルスが、前記回転手段が1回転する間にn(但し、nは1以上の整数)回繰り返し現れるパルス信号であり、前記第2基準信号は、周期がTsとなる第2パルスが繰り返し現れるパルス信号であり、前記調整期間は、前記第1パルスがn/m個現れる毎に当該調整期間中の基準時刻が到来する期間であり、前記移動タイミングは、前記第2パルスがk個現れる毎に到来するタイミングであり、前記制御手段は、Tr×(n/m)=A×Ts×k又はTr×(n/m)=(1/A)×Ts×k(但し、Aは自然数)という条件式が成立するように、前記第1基準信号及び前記第2基準信号の少なくとも一方を生成する。
この態様によれば、テラヘルツ波計測装置は、上述した条件式が成立するように第1基準信号及び第2基準信号を生成することで、調整期間と移動タイミングとを比較的容易に同期させることができる。
<11>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記移動タイミングの到来をトリガとして、当該移動タイミングに同期した前記調整期間中の前記検出手段による前記テラヘルツ波の検出結果を前記所望の計測位置と対応付けて保存する保存手段を更に備える。
この態様によれば、テラヘルツ波計測装置は、移動タイミングが到来する都度、当該移動タイミングに同期して一定の周期で到来する調整期間中に検出手段が検出したテラヘルツ波の波形を、当該到来した移動タイミングに対応する計測位置に対応付けて取得(保存)することができる。言い換えれば、テラヘルツ波計測装置は、調整期間中に検出手段が検出したテラヘルツ波の波形を、当該調整期間に同期して一定の周期で到来する移動タイミングの到来の都度、当該移動タイミングに対応する計測位置に対応付けて取得することができる。従って、テラヘルツ波計測装置による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
<12>
上述の如く保存手段を備えるテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記調整手段は、前記レーザ光を反射可能な第1反射手段と、前記レーザ光を反射可能な第2反射手段とを少なくとも備えており、前記保存手段は、(i)前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが所望の第1計測位置に位置する第1移動タイミングの到来をトリガとして、前記第1反射手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している第1調整期間中の前記検出手段による前記テラヘルツ波の検出結果を前記所望の第1計測位置と対応付けて保存し、(ii)前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが所望の第2計測位置に位置する第2移動タイミングの到来をトリガとして、前記第2反射手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している第2調整期間中の前記検出手段による前記テラヘルツ波の検出結果を前記所望の第2計測位置と対応付けて保存する。
この態様によれば、テラヘルツ波計測装置は、移動タイミングが到来する都度、当該移動タイミングに同期して一定の周期で到来する調整期間中に検出手段が検出したテラヘルツ波の波形を、当該到来した移動タイミングに対応する計測位置に対応付けて取得(保存)することができる。言い換えれば、テラヘルツ波計測装置は、調整期間中に検出手段が検出したテラヘルツ波の波形を、当該調整期間に同期して一定の周期で到来する移動タイミングの到来の都度、当該移動タイミングに対応する計測位置に対応付けて取得することができる。従って、テラヘルツ波計測装置による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
<13>
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の他の態様では、前記移動手段は、前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つを連続的に移動可能であり、前記制御手段は、前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが連続的に移動している期間中に前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する。
この態様によれば、テラヘルツ波計測装置は、発生手段、検出手段及び計測対象物の少なくとも一つを連続的に移動させると同時に調整手段によるレーザ光の反射を行っても、調整期間中に計測対象物に照射されたテラヘルツ波の波形を当該調整期間に同期した移動タイミングに対応する計測位置に対応付けて好適に取得することができる。このため、テラヘルツ波計測装置による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
本実施形態のテラヘルツ波計測装置の作用及び他の利得については、以下に示す実施例において、より詳細に説明する。
以上説明したように、本実施形態のテラヘルツ波計測装置は、発生手段と、検出手段と、調整手段と、移動手段と、制御手段とを備える。従って、テラヘルツ波計測装置による計測効率が相対的に向上する。
以下、図面を参照しながら、本発明のテラヘルツ波計測装置の実施例についての説明を進める。
(1)テラヘルツ波計測装置の構成
初めに、図1を参照しながら、本実施例のテラヘルツ波計測装置100の構成について説明する。図1は、本実施例のテラヘルツ波計測装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、テラヘルツ波計測装置100は、テラヘルツ波THzを計測対象物10に照射すると共に、計測対象物10を透過した又は計測対象物10が反射したテラヘルツ波THz(つまり、計測対象物10に照射されたテラヘルツ波THz)を検出する。尚、図1に示す例では、テラヘルツ波計測装置100は、計測対象物10が反射したテラヘルツ波THzを検出している。
テラヘルツ波THzは、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後の周波数領域(つまり、テラヘルツ領域)に属する電磁波である。テラヘルツ領域は、光の直進性と電磁波の透過性を兼ね備えた周波数領域である。テラヘルツ領域は、様々な物質が固有の吸収スペクトルを有する周波数領域である。従って、テラヘルツ波計測装置100は、計測対象物10に照射されたテラヘルツ波THzの周波数スペクトルを解析することで、計測対象物10の特性を計測することができる。尚、以下では、説明の便宜上、テラヘルツ波計測装置100は、計測対象物10に照射されたテラヘルツ波THzの周波数スペクトルを解析することで、テラヘルツ波THzが照射された位置における計測対象物10の断面画像を取得するものとする。
計測対象物10に照射されたテラヘルツ波THzの周波数スペクトルを取得するために、テラヘルツ波計測装置100は、テラヘルツ時間領域分光法(Terahertz Time−Domain Spectroscopy)を採用している。テラヘルツ時間領域分光法は、テラヘルツ波THzを計測対象物10に照射すると共に、計測対象物10を透過した又は計測対象物10から反射したテラヘルツ波THzの時間波形をフーリエ変換することで、当該テラヘルツ波の周波数スペクトル(つまり、周波数毎の振幅及び位相)を取得する方法である。
ここで、テラヘルツ波THzの周期は、サブピコ秒のオーダーの周期であるがゆえに、当該テラヘルツ波THzの波形(典型的には、時間波形であり、以下同じ)を直接的に検出することが技術的に困難である。そこで、テラヘルツ波計測装置100は、時間遅延走査に基づくポンプ・プローブ法を採用する、テラヘルツ波THzの波形を間接的に検出する。
図1に示すように、このようなテラヘルツ時間領域分光法及びポンプ・プローブ法を採用するテラヘルツ波計測装置100は、パルスレーザ装置101と、「発生手段」の一具体例であるテラヘルツ波発生素子110と、ビームスプリッタ161と、反射鏡162と、反射鏡163と、ハーフミラー164と、「調整手段」の一具体例である光学遅延機構120と、「検出手段」の一具体例であるテラヘルツ波検出素子130と、I−V(電流−電圧)変換部140と、制御部150と、「移動手段」の一具体例である走査機構170とを備えている。
パルスレーザ装置101は、当該パルスレーザ装置101に入力される駆動電流に応じた光強度を有するサブピコ秒オーダー又はフェムト秒オーダーのパルスレーザ光LBを生成する。パルスレーザ装置101が生成したパルスレーザ光LBは、不図示の導光路(例えば、光ファイバ等)を介して、ビームスプリッタ161に入射する。
ビームスプリッタ161は、パルスレーザ光LBを、ポンプ光LB1とプローブ光LB2とに分岐する。ポンプ光LB1は、不図示の導光路を介して、テラヘルツ波発生素子110に入射する。一方で、プローブ光LB2は、不図示の導光路及び反射鏡162を介して、光学遅延機構120に入射する。
光学遅延機構120は、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の差分(つまり、光路長差)を調整する。具体的には、光学遅延機構120は、プローブ光LB2の光路長を調整することで、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の光路長差を調整する。尚、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の光路長差を調整することで、ポンプ光LB1がテラヘルツ波発生素子110に入射するタイミング(或いは、テラヘルツ波発生素子110がテラヘルツ波THzを発生させるタイミング)と、プローブ光LB2がテラヘルツ波検出素子130に入射するタイミング(或いは、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミング)との時間差を調整し、テラヘルツ波THzの波形(時間波形、以下同じ)を走査することができる。例えば、光学遅延機構120によってプローブ光LB2の光路が0.3ミリメートル(但し、空気中での光路長)だけ長くなると、プローブ光LB2がテラヘルツ波検出素子130に入射するタイミングが1ピコ秒だけ遅くなる。この場合、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミングが、1ピコ秒だけ遅くなる。テラヘルツ波検出素子130に対して同一の波形を有するテラヘルツ波THzが数十MHz程度の間隔で繰り返し入射することを考慮すれば、テラヘルツ波検出素子130がテラヘルツ波THzを検出するタイミングを徐々にずらすことで、テラヘルツ波検出素子130は、テラヘルツ波THzの波形を間接的に検出することができる。つまり、後述するロックイン検出部152は、テラヘルツ波検出素子130の検出結果に基づいて、テラヘルツ波THzの波形を検出することができる。
ここで、図2を参照して、光学遅延機構120の構成について説明する。図2は、光学遅延機構120の構成を示す平面図及び断面図である。尚、図2に示す光学遅延機構120はあくまで一例であり、図2に示す構成とは異なる構成を有する光遅延器が用いられてもよい。
図2(a)及び図2(b)に示すように、光学遅延機構120は、夫々が「再帰反射手段」の一具体例である複数の(図2では、4つの)再帰反射鏡121(121aから121d)と、回転基板122と、モータ(例えば、DC(Direct Current:直流)モータ)123と、ロータリーエンコーダ124と、フォトインタラプタ125と、フォトリフレクタ126とを備えている。尚、図2(b)は、図2(a)に示す光学遅延機構120のII−II’断面図である。
各再帰反射鏡121は、当該各再帰反射鏡121に入射してくるプローブ光LB2を再帰反射する。つまり、各再帰反射鏡121は、当該各再帰反射鏡121に入射してくるプローブ光LB2を、当該プローブ光LB2の入射方向と平行な方向に向けて反射する。各再帰反射鏡121は、当該各再帰反射鏡121に入射してくるプローブ光LB2を、光学遅延機構120の外部(例えば、反射鏡163)に向けて反射する。
複数の再帰反射鏡121は、回転基板122の回転軸122aを中心とする円周C上に、等間隔に配置されている。回転基板122の回転軸122aは、モータ123の回転軸123aに連結されている。従って、回転基板122は、モータ123の動作により回転可能である。その結果、複数の再帰反射鏡121の夫々は、回転基板122の回転に伴って、円周C上を周回する。このような再帰反射鏡121の移動により、プローブ光LB2の光路長が調整される。
ロータリーエンコーダ124は、回転基板122に連結されている環状の部材である。従って、ロータリーエンコーダ124は、回転基板122の回転に合わせて回転する。ロータリーエンコーダ124は、回転基板122の外縁に沿って等間隔で且つ環状に配列されている複数のスリット124aを備えている。各スリット124aには、各スリット124aに固有の識別番号が付与されている。尚、図2(a)中の各スリット124aに記載されている数字は、各スリット124aの識別番号を示している。
フォトインタラプタ125は、発光素子125a及び受光素子125bを備えている。発光素子125aと受光素子125bとの間には、回転するロータリーエンコーダ124が配置される。発光素子125aが発したレーザ光は、当該発光素子125aと受光素子125bとの間にスリット124aが位置するタイミングで受光素子125bによって受光される。一方で、発光素子125aが発したレーザ光は、当該発光素子125aと受光素子125bとの間にスリット124aが位置しないタイミングで受光素子125bによって受光されることはない。従って、制御部150は、受光素子125bの受光結果(具体的には、受光素子125bから出力されるパルス状の回転周期検出信号)を監視することで、回転基板122の回転周期(つまり、回転速度)を検出することができる。
回転基板122の側面の一部には更に、回転基板122の回転位相(つまり、回転角度)の基準位置を示すマーカ122bが設置されている。従って、マーカ122bは、回転基板122の側面上の1箇所に設置される。図2(a)に示す例では、マーカ122bが示す基準位置は、識別番号が0となるスリット124a#0が形成される位置であるものとする。
フォトリフレクタ126は、マーカ122bが設置されている回転基板122の側面に対して、レーザ光を照射する。フォトリフレクタ126が照射したレーザ光は、回転基板122の側面によって反射される。回転基板122の側面によって反射されたレーザ光は、フォトリフレクタ126によって検出される。ここで、回転基板122の側面のうちマーカ122bが設置されている箇所によって反射されたレーザ光の強度は、回転基板122の側面のうちマーカ122bが設置されていない箇所によって反射されたレーザ光の強度とは異なる。このため、フォトリフレクタ126の受光結果は、回転基板122が1回転する毎に1つのパルスが現れるパルス信号となる。従って、制御部150は、フォトリフレクタ126の受光結果(具体的には、フォトリフレクタ126から出力されるパルス状の回転位相検出信号)を監視することで、ロータリーエンコーダ124の回転位相(即ち、回転基板122の回転位相)の基準位置を検出することができる。
制御部150は、回転基板122の回転周期を示す回転周期信号及び回転位相を示す回転位相信号に基づいて、回転基板122の回転位相を検出することができる。つまり、制御部150は、パルス状の回転周期検出信号の各パルスがいずれのスリット124aに対応するパルスであるかを検出することができる。ここで、回転基板122の回転位相が再帰反射鏡121によるプローブ光LB2の再帰反射の状態に関連していることを考慮すれば、制御部150は、回転周期信号及び回転位相信号に基づいて、どの再帰反射鏡121がプローブ光LB2を再帰反射しているかを検出することができる。例えば、識別番号が22から23及び0から2となるスリット124aに対応するパルスが回転周期検出信号として検出されている期間中には、制御部150は、再帰反射121aがプローブ光LB2を再帰反射していると検出することができる。例えば、識別番号が4から8となるスリット124aに対応するパルスが回転周期検出信号として検出されている期間中には、制御部150は、再帰反射121bがプローブ光LB2を再帰反射していると検出することができる。例えば、識別番号が10から14となるスリット124aに対応するパルスが回転周期検出信号として検出されている期間中には、制御部150は、再帰反射121cがプローブ光LB2を再帰反射していると検出することができる。例えば、識別番号が16から20となるスリット124aに対応するパルスが回転周期検出信号として検出されている期間中には、制御部150は、再帰反射121dがプローブ光LB2を再帰反射していると検出することができる。
再び図1において、光学遅延機構120から出射したプローブ光LB2は、反射鏡163及び不図示の導光路を介して、テラヘルツ波検出素子130に入射する。
ここで、図3を参照しながら、ポンプ光LB1が照射されるテラヘルツ波発生素子110及びプローブ光LB2が照射されるテラヘルツ検出素子130について更に詳細に説明する。図3は、テラヘルツ波発生素子110及びテラヘルツ波検出素子130の夫々の構成を示す斜視図である。尚、図3に示すテラヘルツ波発生素子110及びテラヘルツ波検出素子130の構成はあくまで一例であり、図3に示す構成とは異なる構成を有する光伝導アンテナ又は光伝導スイッチが、テラヘルツ波発生素子110及びテラヘルツ波検出素子130として用いられてもよい。
図3(a)に示すように、テラヘルツ波発生素子110は、基板111と、アンテナ(言い換えれば、伝送線路)112と、アンテナ(言い換えれば、伝送線路)113とを備えている。
基板111は、例えば、GaAs(Gallium Arsenide)基板等の半導体基板である。アンテナ112及びアンテナ113の夫々は、長手方向に延在する形状を有するモノポールアンテナである。アンテナ112及びアンテナ113は、短手方向に沿って並列するように基板111上に配置される。アンテナ112とアンテナ113との間には、数マイクロメートル程度のギャップ(つまり、間隙)114が確保される。従って、アンテナ112及びアンテナ113全体として、ダイポールアンテナを構成する。
ギャップ114には、アンテナ112及びアンテナ113を介して、制御部150が備えるバイアス電圧生成部151から出力されるバイアス電圧が印加されている。有効なバイアス電圧(例えば、0Vでないバイアス電圧)がギャップ114に印加されている状態でポンプ光LB1がギャップ114に照射されると、テラヘルツ波発生素子110には、ポンプ光LB1による光励起によってキャリアが発生する。その結果、テラヘルツ波発生素子110には、発生したキャリアに応じたサブピコ秒オーダーの又はフェムト秒オーダーのパルス状の電流信号が発生する。その結果、テラヘルツ波発生素子110には、当該パルス状の電流信号に起因したテラヘルツ波THzが発生する。
図3(b)に示すように、テラヘルツ波検出素子130もまた、テラヘルツ波発生素子110と同様の構成を有している。つまり、テラヘルツ波検出素子130は、基板131と、アンテナ(言い換えれば、伝送線路)132と、アンテナ(言い換えれば、伝送線路)133とを備えている。基板131、アンテナ132及びアンテナ133は、夫々、基板111、アンテナ112及びアンテナ113と同様の構成を有している。
プローブ光LB2がギャップ134に照射されると、テラヘルツ検出素子130には、プローブ光LB2による光励起によってキャリアが発生する。プローブ光LB2がギャップ134に照射されている状態でテラヘルツ検出素子130にテラヘルツ波THzが照射されると、ギャップ134には、テラヘルツ波THzの光強度に応じた信号強度を有する電流信号が発生する。当該電流信号は、アンテナ132及びアンテナ133を介して、I−V変換部140に出力される。
再び図1において、テラヘルツ波発生素子110から出射したテラヘルツ波THzは、ハーフミラー164を透過する。ハーフミラー164を透過したテラヘルツ波THzは、計測対象物10に照射される。計測対象物10に照射されたテラヘルツ波THzは、計測対象物10によって反射される。計測対象物10によって反射されたテラヘルツ波THzは、ハーフミラー164によって反射される。ハーフミラー164によって反射されたテラヘルツ波THzは、テラヘルツ波検出素子130に入射する。
その結果、テラヘルツ波検出素子130は、テラヘルツ波THzを検出する。つまり、テラヘルツ波検出素子130からは、テラヘルツ波THzの強度に応じた信号強度を有する電流信号が出力される。
テラヘルツ波THzの照射及び検出と並行して、走査機構170は、計測対象物10を移動させる。例えば、走査機構170は、計測対象物10を、テラヘルツ波THzが計測対象物10に入射する方向(図1中の左右方向)に直交する面内に沿って移動させてもよい。従って、テラヘルツ波THzによる計測位置(つまり、計測が行われる位置)は、計測対象物10の表面に沿って移動する。その結果、制御部150は、計測対象物10の特性をいわば3次元的に計測することができる。つまり、制御部150は、計測対象物10の断面画像をいわば3次元的に取得することができる。
計測対象物10を移動させるために、走査機構170は、例えば、ステージと、当該ステージを移動させるサーボモータとを備えていてもよい。ステージ上には、計測対象物10が搭載される。サーボモータは、後述する走査機構駆動信号が定める態様で駆動する。その結果、サーボモータは、ステージ(つまり、ステージ上に搭載された計測対象物)を所望の移動態様で移動させることができる。
但し、走査機構170は、計測対象物10を移動させることに加えて又は代えて、テラヘルツ波発生素子110及びテラヘルツ波検出素子130のうちの少なくとも一方を移動させてもよい。この場合であっても、テラヘルツ波THzによる計測位置は、計測対象物10の表面に沿って移動する。
テラヘルツ波検出素子130から出力される電流信号は、I−V変換部140によって、電圧信号に変換される。
制御部150は、テラヘルツ波検出素子130の検出結果(つまり、I−V変換部140が出力する電圧信号)を解析する。テラヘルツ波検出素子130の検出結果を解析するために、制御部150は、ロックイン検出器152と、データ処理部153とを備える。
ロックイン検出部152は、電圧信号に対して、バイアス電圧生成部151が生成するバイアス電圧を参照信号とする同期検波を行う。その結果、ロックイン検出部152は、テラヘルツ波THzのサンプル値を検出する。その後、ポンプ光LB1の光路長とプローブ光LB2の光路長との間の光路長差を適宜調整しながら同様の動作が繰り返されることで、ロックイン検出部152は、テラヘルツ波THzの波形(時間波形)を検出することができる。
データ処理部153は、ロックイン検出部152の検出結果をバッファに取り込むことで、テラヘルツ波THzの波形を示す波形信号を取得することができる。このとき、データ処理部153は、後に詳述する時間波形取込信号がアクティブとなる期間中に、ロックイン検出部152の検出結果をバッファに取り込む。更に、データ処理部153は、取得した波形信号を計測対象物10の走査位置を示す位置情報に対応付けると共に、位置情報に対応付けられた波形信号を画像データ(例えば、計測対象物10の断面画像を示す画像データ)としてFIFO(First In First Out)方式等を採用するメモリに保存する。このとき、データ処理部153は、後に詳述する画像データ保存信号がアクティブとなるタイミングで、取得した波形信号を画像データ保存信号がアクティブとなった時点での計測対象物10の走査位置を示す位置情報に対応付けると共に、位置情報に対応付けられた波形信号をメモリに保存する。更に、データ処理部153は、メモリに保存した波形信号をフーリエ変換することで、当該テラヘルツ波THzの周波数スペクトル(つまり、周波数毎の振幅及び位相)を取得する。更に、データ処理部153は、テラヘルツ波THzの周波数スペクトルを解析することで、計測対象物10の特性を計測する。
制御部150は更に、光学遅延機構120の駆動状態(特に、回転基板122の回転状態)及び走査機構170の駆動状態を制御する。光学遅延機構120及び走査機構170の夫々の駆動状態を制御するために、制御部150は更に、「制御手段」の一具体例であるタイミング生成部154と、光学遅延機構駆動部155と、走査機構駆動部156とを備える。
以下、主としてタイミング生成部154、光学遅延機構駆動部155及び走査機構駆動部156によって行われる光学遅延機構120及び走査機構170の夫々の駆動状態の制御動作について更に説明する。
(2)光学遅延機構120及び走査機構170の駆動状態の制御動作
続いて、図4を参照しながら、主としてタイミング生成部154、光学遅延機構駆動部155及び走査機構駆動部156によって行われる光学遅延機構120及び走査機構170の夫々の駆動状態の制御動作について説明する。図4は、光学遅延機構120及び走査機構170の夫々の駆動状態の制御動作が行われている場合にテラヘルツ波計測装置が参照する又は生成する各種制御信号の波形を示すタイミングチャートである。
図4に示すように、タイミング信号生成部154は、回転基板122の駆動状態を規定するための回転周期基準信号を生成する。回転周期基準信号は、複数のパルスが周期Trで繰り返し現れるパルス信号である。タイミング信号生成部154は、生成した回転周期基準信号を光学遅延機構駆動部155に対して出力する。尚、回転周期基準信号は、「第1基準信号」の一具体例である。
光学遅延機構駆動部155は、フォトインタラプタ125の検出結果である回転周期検出信号を取得する。図4に示すように、回転周期検出信号は、例えば、(i)発光素子125aと受光素子125bとの間にスリット124aが位置するタイミングで信号レベルがハイレベルとなり、(ii)発光素子125aと受光素子125bとの間にスリット124aが位置しないタイミングで信号レベルがローレベルとなるパルス状の信号である。加えて、ロータリーエンコーダ124が備えるスリット124aの数をnとすると、回転周期検出信号は、回転基板122が360°/nだけ回転する毎にパルスが現れるパルス状の信号である。図2(a)に示す例では、n=24であるため、回転周期検出信号は、回転基板122が360°/24=15°だけ回転する毎にパルスが現れるパルス状の信号である。
光学遅延機構駆動部155は、回転周期基準信号と回転周期検出信号とが同期するように、光学遅延機構120の動作状態を制御する。その結果、回転基板122は、回転周期基準信号が規定する駆動態様で駆動する。つまり、回転基板122は、回転周期基準信号が規定する回転態様で回転する。
尚、ここで言う「回転周期基準信号と回転周期検出信号とが同期する」状態は、回転周期検出信号の周波数が回転周期基準信号の周波数と一致し且つ回転周期検出信号の位相が回転周期基準信号の位相と一致する状態を意味する。従って、光学遅延機構駆動部155は、回転周期検出信号の周波数と回転周期基準信号の周波数とを比較することで周波数エラーを検出する。更に、光学遅延機構駆動部155は、回転周期検出信号の位相と回転周期基準信号の位相とを比較することで位相エラーを検出する。その後、光学遅延機構駆動部155は、回転周波数を補償するように周波数エラーに基づいてモータ123をフィードバック制御する。更に、光学遅延機構駆動部155は、回転位相を補償するように位相エラーに基づいてモータ123をフィードバック制御する。
但し、ここで言う「回転周期基準信号と回転周期検出信号とが同期する」状態は、回転周期検出信号の周波数が回転周期基準信号の周波数と一致している一方で回転周期検出信号の位相が回転周期基準信号の位相に対して時間の経過と共に変動しない所定量だけずれている状態を意味していてもよい。或いは、ここで言う「回転周期基準信号と回転周期検出信号とが同期する」状態は、回転周期検出信号の周波数が回転周期基準信号の周波数のA倍又は1/A倍(但し、Aは自然数)となる状態を意味していてもよい。
光学遅延機構駆動部155は、回転周期検出信号に加えて、フォトリフレクタ126の検出結果である回転位相検出信号を取得する。光学遅延機構駆動部155は、取得した回転周期検出信号及び回転位相検出信号を、データ処理部153に出力する。
データ処理部153は、回転周期検出信号及び回転位相検出信号に基づいて、回転基板122の回転位相を検出する。具体的には、データ処理部153は、回転周期検出信号のパルスが現れる都度(つまり、回転周期検出信号がローレベルからハイレベルに遷移する都度)、回転位相を検出するためのカウント値をカウントアップする。更に、データ処理部153は、回転周期検出信号のパルスが現れるタイミングで回転位相検出信号のパルスが現れる(つまり、回転周期検出信号がローレベルからハイレベルに遷移するタイミングで回転位相検出信号がハイレベルになる)場合には、カウント値をゼロにリセットする。このようにカウントされるカウント値は、スリット124aを識別するための識別番号(つまり、回転位相)に対応している。その結果、データ処理部153は、回転周期検出信号に含まれる各パルスと、0から23までの識別番号が付与される複数のスリット124aの夫々との対応付けを特定することができる。図4中の回転周期検出信号の各パルスに付与されている数字は、各パルスに対応するスリット124aの識別番号(つまり、カウント値)を示している。スリット124aの識別番号が実質的に回転基板122の回転位相に対応していることを考慮すれば、データ処理部153は、回転基板122の回転位相を検出することができる。
回転基板122の回転位相が検出されると、データ処理部153は、回転基板122の回転位相に基づいて、ロックイン検出部152の検出結果(つまり、ロックイン検出部152が検出したテラヘルツ波THzの波形)をデータ処理部153がバッファに取り込む期間を規定する時間波形取込信号を生成する。具体的には、上述したように、テラヘルツ波計測装置100は、ポンプ・プローブ法を用いてテラヘルツ波THzの波形を検出している。従って、ロックイン検出部152は、プローブ光LB2の光路長が調整されている期間中に、テラヘルツ波THzの波形を好適に検出することができる。逆に言えば、ロックイン検出部152は、プローブ光LB2の光路長が調整されていない期間中には、テラヘルツ波THzの波形を好適に検出することができない。プローブ光LB2の光路長が調整されている期間は、再帰反射鏡121がプローブ光LB2を再帰反射している期間と一致する。従って、データ処理部153は、テラヘルツ波THzの波形を示す波形信号を好適に取得するために、再帰反射鏡121がプローブ光LB2を再帰反射している期間中にロックイン検出部152の検出結果をバッファに取り込むことが好ましい。このため、データ処理部153は、再帰反射鏡121がプローブ光LB2を再帰反射している期間中にアクティブとなる時間波形取込信号を生成する。尚、時間波形取込信号がハイレベルとなる期間は、「調整期間」の一具体例である。また、以下では、「信号がアクティブとなる」状態の一例として、「信号の信号レベルがハイレベルとなる状態」を用いて説明を進める。
具体的には、カウント値が22から23及び0から2となるパルス(つまり、識別番号が22から23及び0から2となるスリット124aに対応するパルス)が回転周期検出信号として検出されている期間中には、データ処理部153は、再帰反射121aがプローブ光LB2を再帰反射していると検出することができる。従って、データ処理部153は、カウント値が22から23及び0から2となるパルスが回転周期検出信号として検出されている期間中にハイレベルとなる時間波形取込信号を生成する。例えば、カウント値が4から8となるパルス(つまり、識別番号が4から8となるスリット124aに対応するパルス)が回転周期検出信号として検出されている期間中には、データ処理部153は、再帰反射121bがプローブ光LB2を再帰反射していると検出することができる。従って、データ処理部153は、カウント値が4から8となるパルスが回転周期検出信号として検出されている期間中にハイレベルとなる時間波形取込信号を生成する。例えば、カウント値が10から14となるパルス(つまり、識別番号が10から14となるスリット124aに対応するパルス)が回転周期検出信号として検出されている期間中には、データ処理部153は、再帰反射121cがプローブ光LB2を再帰反射していると検出することができる。従って、データ処理部153は、カウント値が10から14となるパルスが回転周期検出信号として検出されている期間中にハイレベルとなる時間波形取込信号を生成する。例えば、カウント値が16から20となるパルス(つまり、識別番号が16から20となるスリット124aに対応するパルス)が回転周期検出信号として検出されている期間中には、データ処理部153は、再帰反射121dがプローブ光LB2を再帰反射していると検出することができる。従って、データ処理部153は、カウント値が16から20となるパルスが回転周期検出信号として検出されている期間中にハイレベルとなる時間波形取込信号を生成する。
このように生成される時間波形取込信号は、複数の矩形波が周期Twで繰り返し現れる矩形波状の信号となる。ここで、ロータリーエンコーダ124が備えるスリット124aの数(つまり、回転基板122が1回転する間に検出される回転周期検出信号に含まれるパルスの数)をnとし、回転基板122上に設置されている再帰反射鏡121の数をmとすると、時間波形取込信号に含まれる矩形波の周期Twと回転周期基準信号に含まれるパルスの周期Trとの間には、Tw=Tr×(n/m)という関係が成立する。図2(a)に示す例では、n=24であり且つm=4であるため、Tw=Tr×(24/4)=6×Trという関係が成立する。但し、Tw=Tr×(n/m)という関係が成立するのは、「回転周期基準信号と回転周期検出信号とが同期する」状態が、回転周期検出信号の周波数と回転周期基準信号の周波数と一致する状態を意味する場合である。一方で、「回転周期基準信号と回転周期検出信号とが同期する」状態が、回転周期検出信号の周波数と回転周期基準信号の周波数のA倍又は1/A倍(但し、Aは自然数)となる状態を意味する場合には、Tw=(Tr/A)×(n/m)又はTw=(Tr×A)×(n/m)という関係が成立する。
データ処理部153は、このような時間波形取込信号がハイレベルとなっている期間中に、ロックイン検出部152の検出結果をバッファに取り込む。一方で、データ処理部153は、時間波形取込信号がローレベルとなっている期間中には、ロックイン検出部152の検出結果をバッファに取り込まなくてもよい。
一方で、タイミング信号生成部154は更に、走査機構170の駆動状態を規定するための走査機構基準信号を生成する。走査機構基準信号は、複数のパルスが周期Tsで繰り返し現れるパルス信号である。タイミング信号生成部154は、生成した走査機構基準信号を走査機構駆動部156に対して出力する。尚、走査機構基準信号は、「第2基準信号」の一具体例である。
走査機構駆動部156は、走査機構基準信号から予め定められた数のパルスを抜き出すことで得られる走査機構駆動信号を生成する。従って、走査機構駆動信号は、予め定められた数のパルスが周期Tsで繰り返し表れるパルス信号となる。ここで、上述したように、走査機構170は、計測対象物10が搭載されるステージと、当該ステージを移動させるサーボモータとを備えている。サーボモータは、パルスが入力される都度、ステージを一定の基準ステップ量だけ移動させるように駆動する。このため、走査機構駆動信号に含まれるパルスの数及びパルスの出現タイミングを適宜調整することで、サーボモータは、ステージを所望のタイミングで所望量だけ移動させるように駆動することができる。従って、走査機構駆動部156は、ステージ(つまり、計測対象物10)を所望の移動経路に沿って移動させることが可能な走査機構駆動信号を生成する。
ここで、上述したように、データ処理部153は、時間波形取込信号がハイレベルとなる期間中にバッファに取り込んだロックイン検出部152の検出結果(つまり、波形信号)を位置情報に対応付け、且つ、位置情報に対応付けた波形信号をメモリに保存する。本実施例では、データ処理部153は、計測対象物10が所定量移動する毎に、バッファに取り込んだ波形信号を位置情報と対応付け、且つ、位置情報に対応付けた波形信号をメモリに保存する。
波形信号と位置情報との対応付け及び位置情報に対応付けた波形信号のメモリへの保存のタイミングは、画像データ保存信号によって規定される。従って、データ処理部153は、走査機構駆動部156が生成する走査機構駆動信号に基づいて、計測対象物10が所定量移動する都度アクティブになる画像データ保存信号を生成する。具体的には、図4に示すように、データ処理部153は、走査機構駆動信号に含まれるパルスがk(但し、kは自然数)個現れる都度1個のパルスが現れる画像データ保存信号を生成する。図4に示す例では、データ処理部153は、走査機構駆動信号に含まれるパルスが6個現れる都度1個のパルスが現れる画像データ保存信号を生成している。このため、画像データ保存信号に含まれるパルスの周期Tdは、Td=Ts×kという関係を満たす。
データ処理部153は、画像データ保存信号中にパルスが現れる都度、バッファに取り込んだ波形信号を位置情報と対応付け、且つ、位置情報に対応付けた波形信号をメモリに保存する。具体的には、データ処理部153は、画像データ保存信号中にパルスが現れると、当該パルスが現れるまでにバッファへの取り込みが完了した最新の波形信号であって且つ位置情報との対応付けが完了していない波形信号を位置情報と対応付ける。このとき、波形信号に対応付けられる位置情報は、画像データ保存信号中にパルスが現れた時点での計測対象物10の走査位置を示す位置情報となる。その後、データ処理部153は、位置情報に対応付けた波形信号をメモリに保存する。
ここで、走査機構駆動部156は、走査機構駆動信号に含まれるパルスの数をカウントすることで、計測対象物10の走査位置(言い換えれば、計測対象物10の現在位置ないしは計測対象物10上におけるテラヘルツ波THzによる計測位置)を検出することができる。従って、走査機構駆動部156は、計測対象物10の走査位置を適宜検出すると共に、検出した計測対象物10の走査位置を示す位置情報をデータ処理部153に出力することが好ましい。その結果、データ処理部153は、波形信号に対応付けるべき位置情報を好適に取得することができる。
より具体的には、図4に示すように、時刻t11から時刻t12までの期間中には、時間波形取込信号がハイレベルとなるため、データ処理部153は、時刻t11から時刻t12までの期間中のロックイン検出部152の検出結果である波形信号#1をバッファに取り込む。波形信号#1のバッファへの取り込みは、時刻t12に完了する。一方で、時刻t12の時点で画像データ保存信号中にパルスP#1が現れる。このため、データ処理部153は、パルスP#1が現れるまでにバッファへの取り込みが完了した最新の波形信号#1を、パルスP#1が現れた時刻t12の時点での計測対象物10の走査位置を示す位置情報と対応付ける。その後、データ処理部10は、位置情報と対応付けられた波形信号#1をメモリに保存する。
その後、時刻t21から時刻t22までの期間中には、時間波形取込信号が再びハイレベルとなるため、データ処理部153は、時刻t21から時刻t22までの期間中のロックイン検出部152の検出結果である波形信号#2をバッファに取り込む。波形信号#2のバッファへの取り込みは、時刻t22に完了する。一方で、時刻t22の時点で画像データ保存信号中にパルスP#2が現れる。このため、データ処理部153は、パルスP#2が現れるまでにバッファへの取り込みが完了した最新の波形信号#2を、パルスP#2が現れた時刻t22の時点での計測対象物10の走査位置を示す位置情報と対応付ける。その後、データ処理部10は、位置情報と対応付けられた波形信号#2をメモリに保存する。
以降、同様の動作が繰り返される。
本実施例では、タイミング生成部154は、ロックイン検出部152の検出結果である波形信号をデータ処理部153がバッファに取り込む期間を規定する時間波形取込信号と、バッファに取り込んだ波形信号に位置情報を対応付け且つ位置情報を対応付けた波形信号をメモリに保存するタイミングを示す画像データ保存信号とが同期するように、回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成する。
本実施例における「時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期する」状態は、時間波形取込信号の周期が画像データ保存信号の周期と一致する状態を意味する。但し、「時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期する」状態は、時間波形取込信号の周期が画像データ保存信号の周期のA倍又は1/A倍(但し、Aは自然数)となる状態を意味していてもよい。
ここで、上述したように、時間波形取込信号に含まれる矩形波の周期Twは、Tw=Tr×(n/m)という数式で表現される。また、上述したように、画像データ保存信号に含まれるパルスの周期Tdは、Td=Ts×kという数式で表現される。従って、タイミング生成部154は、Tw=Tdという関係が成立するように、回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成する。つまり、タイミング生成部154は、Tr×(n/m)=Ts×kという関係が成立するように、回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成する。
図4に示す例では、n=24であり、m=4であり且つk=6であるため、タイミング生成部154は、Tr×(24/4)=Ts×6という数式が成立するように、回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成する。つまり、タイミング生成部154は、Tr=Tsという数式が成立するように、回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成する。つまり、タイミング生成部154は、同一の周期でパルスが現れる回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成する。
図4に示す例では、タイミング生成部154は、同一の周期でパルスが現れることに加えてパルスの位相が揃っている回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成している。つまり、タイミング生成部154は、互いに同一となる回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成している。しかしながら、タイミング生成部154は、同一の周期でパルスが現れる一方で、パルスの位相が所定量ずれている回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成してもよい。この場合であっても、上述したTw=Tdという関係が成立する限りは、時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期する状態が実現される。
尚、タイミング生成部154は、回転周期基準信号をまず作成し、その後に、生成した回転周期基準信号に含まれるパルスの周期Trを用いて、上述したTr×(n/m)=Ts×kという関係を満たす走査機構基準信号を生成してよい。つまり、タイミング生成部154は、複数のパルスが周期Trで繰り返し現れる回転周期基準信号をまず作成し、その後に、複数のパルスが周期Ts=Tr×(n/m)/kで現れる走査機構基準信号を生成してもよい。
或いは、タイミング生成部154は、走査機構基準信号をまず作成し、その後に、生成した走査機構基準信号に含まれるパルスの周期Tsを用いて、上述したTr×(n/m)=Ts×kという関係を満たす回転周期基準信号を生成してよい。つまり、タイミング生成部154は、複数のパルスが周期Tsで繰り返し現れる走査機構基準信号をまず作成し、その後に、複数のパルスが周期Tr=Ts×k/(n/m)で現れる回転周期基準信号を生成してもよい。
以上説明したように、本実施例のテラヘルツ波計測装置100は、時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期するように、回転周期基準信号及び走査機構基準信号を生成する。その結果、ロックイン検出部152の検出結果である波形信号の取り込みが完了するタイミングと、データ処理部153が波形信号に位置情報を対応付け且つ位置情報を対応付けた波形信号を保存するタイミングとが同期する。つまり、波形信号の取り込みが完了するタイミングと波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過に係らず固定される。
図4に示す例では、波形信号の取り込みが完了するタイミングと波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過に係らずゼロになっている。波形信号の取り込みが完了するタイミングと波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過に係らずゼロになると、以下に示す技術的効果が得られる。具体的には、データ処理部153は、波形信号の取り込みが完了した後に即座に取り込んだ波形信号を位置情報と対応付け且つ位置情報と対応付けた波形信号を保存することができる。従って、データ処理部153は、波形信号の取り込みが完了した後に、取り込んだ波形信号を位置情報と対応付けるタイミングを待たなくてもよくなる。従って、テラヘルツ波計測装置100による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
更には波形信号の取り込みが完了するタイミングと波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過に係らず固定されると、以下に示す技術的効果が得られる。具体的には、データ処理部153は、波形信号の取り込みが完了してから固定された一定時間が経過したタイミングで、取り込んだ波形信号を位置情報と対応付け且つ位置情報と対応付けた波形信号を保存することができる。従って、テラヘルツ波計測装置100による計測効率及び計測精度が相対的に向上する。
参考までに、図5に示すように、時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期していない場合には、波形信号の取り込みが完了するタイミングと、波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過と共に変動してしまう可能性がある。
具体的には、時刻t11’から時刻t12’までの期間中には、時間波形取込信号がハイレベルとなるため、データ処理部153は、時刻t11’から時刻t12’までの期間中のロックイン検出部152の検出結果である波形信号#1をバッファに取り込む。波形信号#1のバッファへの取り込みは、時刻t12’に完了する。一方で、時刻t12’の時点で画像データ保存信号中にパルスP#1が現れる。このため、データ処理部153は、パルスP#1が現れるまでにバッファへの取り込みが完了した最新の波形信号#1を、パルスP#1が現れた時刻t12’の時点での計測対象物10の走査位置を示す位置情報と対応付ける。この場合の波形信号#1の取り込みが完了するタイミングと波形信号#1に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量は、ゼロである。
その後、時刻t21’から時刻t22’までの期間中には、時間波形取込信号がハイレベルとなるため、データ処理部153は、時刻t21’から時刻t22’までの期間中のロックイン検出部152の検出結果である波形信号#2をバッファに取り込む。波形信号#2のバッファへの取り込みは、時刻t22’に完了する。一方で、時刻t22’よりも早い時刻t22’’の時点で画像データ保存信号中にパルスP#2が現れる。しかしながら、時刻t22’’の時点で波形信号#2のバッファへの取り込みが完了しておらず且つ波形信号#1の位置情報との対応付けが完了している。このため、データ処理部153は、パルスP#2が現れた場合であっても、波形信号を位置情報と対応付けることができない。他方で、時刻t22’よりも遅い時刻t32’’の時点で画像データ保存信号中にパルスP#3が現れる。このため、データ処理部153は、パルスP#3が現れるまでにバッファへの取り込みが完了した最新の波形信号#2を、パルスP#3が現れた時刻t32’’の時点での計測対象物10の走査位置を示す位置情報と対応付ける。この場合の波形信号#2の取り込みが完了するタイミングと波形信号#2に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量は、ずれ量#2(=時刻t32’’−時刻t22’≠0)である。
その後、時刻t31’から時刻t32’までの期間中には、時間波形取込信号がハイレベルとなるため、データ処理部153は、時刻t31’から時刻t32’までの期間中のロックイン検出部152の検出結果である波形信号#3をバッファに取り込む。波形信号#3のバッファへの取り込みは、時刻t32’に完了する。一方で、時刻t32’よりも遅い時刻t42’’の時点で画像データ保存信号中にパルスP#4が現れる。このため、データ処理部153は、パルスP#4が現れるまでにバッファへの取り込みが完了した最新の波形信号#3を、パルスP#4が現れた時刻t42’’の時点での計測対象物10の走査位置を示す位置情報と対応付ける。この場合の波形信号#3の取り込みが完了するタイミングと波形信号#3に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量は、ずれ量#3(=時刻t42’’−時刻t32’≠0≠ずれ量#2)である。
このように時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期していない場合には、波形信号の取り込みが完了するタイミングと、波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過と共に変動してしまう。この場合、データ処理部153は、取り込んだ波形信号を位置情報と対応付け且つ位置情報と対応付けた波形信号を保存するために、波形信号の取り込みが完了してからランダムに変動する時間の経過を待つ必要がある。或いは、データ処理部153は、波形信号を位置情報に対応付けるタイミングが到来しているにも係らず、当該タイミングで位置情報を対応付けるべき波形信号の取り込みが完了していないがゆえに、計測対象物10の移動を一旦停止する必要が生ずる。その結果、時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期していない場合には、テラヘルツ波計測装置100による計測効率が相対的に悪化する可能性がある。
しかるに、本実施例では、時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期している。従って、波形信号の取り込みが完了するタイミングと、波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過と共に変動することは殆ど又は全くない。従って、時間波形取込信号と画像データ保存信号とが同期していない場合に生じ得るテラヘルツ波計測装置100による計測効率の悪化が好適に防止される。典型的には、テラヘルツ波計測装置100は、計測対象物10が移動させ続けたまま、波形信号の取り込み並びに波形信号と位置情報との対応付け及び位置情報が対応付けられた波形信号の保存を行うことができる。従って、テラヘルツ波計測装置100による計測効率が相対的に向上する。
更に、波形信号の取り込みが完了するタイミングと波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過に係らず固定されると、以下に示す技術的効果が更に得られる。具体的には、波形信号の取り込みが完了するタイミングと波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過と共に変動すると、計測対象物10の複数個所において計測されたテラヘルツ波THzの波形から得られる計測結果の精度が悪化してしまう可能性がある。というのも、時間波形取込信号がアクティブとなる期間中にテラヘルツ波THzが計測された計測位置と、当該計測位置において計測されたテラヘルツ波の検出結果である波形信号がメモリに保存される際に当該波形信号に対応付けられる位置情報が示す走査位置との間のずれ量が、計測の都度変動してしまう可能性があるからである。しかるに、本実施例では、波形信号の取り込みが完了するタイミングと波形信号に位置情報が対応付けられるタイミングとの間のずれ量が、時間の経過に係らず固定される。従って、時間波形取込信号がアクティブとなる期間中にテラヘルツ波THzが計測された計測位置と、当該計測位置において計測されたテラヘルツ波の検出結果である波形信号がメモリに保存される際に当該波形信号に対応付けられる位置情報が示す走査位置との間のずれ量が、計測の都度変動してしまうことは殆ど又は全くない。その結果、計測対象物10の複数個所に照射されたテラヘルツ波THzの波形から得られる計測結果の精度が悪化することは殆ど又は全くない。典型的には、テラヘルツ波計測装置100は、計測対象物10の3次元的な断面画像を高精度に取得することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うテラヘルツ波計測装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10 計測対象物
100 テラヘルツ波計測装置
101 パルスレーザ装置
110 テラヘルツ波発生素子
121 再帰反射鏡
122 回転基板
124 ロータリーエンコーダ
124a スリット
130 テラヘルツ波検出素子
150 制御部
152 ロックイン検出部
153 データ処理部
154 タイミング生成部
155 光学遅延機構駆動部
156 走査機構駆動部
LB1 ポンプ光
LB2 プローブ光
THz テラヘルツ波

Claims (13)

  1. レーザ光が照射されることでテラヘルツ波を発生すると共に、発生した前記テラヘルツ波を計測対象物に照射する発生手段と、
    前記レーザ光が照射されることで、前記計測対象物に対して照射された前記テラヘルツ波を検出する検出手段と、
    前記レーザ光を反射することで前記発生手段及び前記検出手段の少なくとも一方に照射される前記レーザ光の光路長を調整可能な調整手段と、
    前記計測対象物における前記テラヘルツ波の照射位置及び検出位置のうちの少なくとも一方が前記計測対象物の表面に沿って移動するように、前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物のうち少なくとも一つを移動可能な移動手段と、
    前記調整手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している調整期間と前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物のうち少なくとも一つが所望の計測位置に位置する移動タイミングとが同期するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とするテラヘルツ波計測装置。
  2. 前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期することで前記調整期間に対する前記移動タイミングの時間的関係が固定されるように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ波計測装置。
  3. 前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期することで前記調整期間中の基準時刻と前記移動タイミングとの間の時間差が固定されるように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のテラヘルツ波計測装置。
  4. 前記調整手段は、前記レーザ光を反射可能な第1反射手段と、前記レーザ光を反射可能な第2反射手段とを少なくとも備えており、
    前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期することで、前記第1反射手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している第1調整期間に対する前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが所望の第1計測位置に位置する第1移動タイミングの時間的関係と、前記第2反射手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している第2調整期間に対する前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが所望の第2計測位置に位置する第2移動タイミングの時間的関係とが一致するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のテラヘルツ波計測装置。
  5. 前記制御手段は、前記第1調整期間中の基準時刻と前記第1移動タイミングとの間の第1時間差と、前記第2調整期間中の基準時刻と前記第2移動タイミングとの間の第2時間差とが一致するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載のテラヘルツ波計測装置。
  6. 前記調整手段は、第1基準信号に基づいて定まる調整態様で前記光路長を調整し、
    前記移動手段は、第2基準信号に基づいて定まる移動態様で前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つを移動し、
    前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、前記第1基準信号及び前記第2基準信号の少なくとも一方を生成する
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のテラヘルツ波計測装置。
  7. 前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、互いに同一となる前記第1基準信号及び前記第2基準信号を生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載のテラヘルツ波計測装置。
  8. 前記制御手段は、前記調整手段が所望の調整態様で前記光路長を調整するように前記第1基準信号を生成し、
    前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、前記第1基準信号に基づいて前記第2基準信号を生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載のテラヘルツ波計測装置。
  9. 前記制御手段は、前記移動手段が所望の移動態様で前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つを移動させるように前記第2基準信号を生成し、
    前記制御手段は、前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、前記第2基準信号に基づいて前記第1基準信号を生成する
    ことを特徴とする請求項6に記載のテラヘルツ波計測装置。
  10. 前記調整手段は、夫々が前記レーザ光を反射可能なm(但し、mは1以上の整数)個の反射手段と、当該m個の反射手段を回転駆動する回転手段を備え、
    前記第1基準信号は、周期がTrとなる第1パルスが、前記回転手段が1回転する間にn(但し、nは1以上の整数)回繰り返し現れるパルス信号であり、
    前記第2基準信号は、周期がTsとなる第2パルスが繰り返し現れるパルス信号であり、
    前記調整期間は、前記第1パルスがn/m個現れる毎に当該調整期間中の基準時刻が到来する期間であり、
    前記移動タイミングは、前記第2パルスがk個現れる毎に到来するタイミングであり、
    前記制御手段は、Tr×(n/m)=A×Ts×k又はTr×(n/m)=(1/A)×Ts×k(但し、Aは自然数)という条件式が成立するように、前記第1基準信号及び前記第2基準信号の少なくとも一方を生成する
    ことを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載のテラヘルツ波計測装置。
  11. 前記移動タイミングの到来をトリガとして、当該移動タイミングに同期した前記調整期間中の前記検出手段による前記テラヘルツ波の検出結果を前記所望の計測位置と対応付けて保存する保存手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のテラヘルツ波計測装置。
  12. 前記調整手段は、前記レーザ光を反射可能な第1反射手段と、前記レーザ光を反射可能な第2反射手段とを少なくとも備えており、
    前記保存手段は、(i)前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが所望の第1計測位置に位置する第1移動タイミングの到来をトリガとして、前記第1反射手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を調整している第1調整期間中の前記検出手段による前記テラヘルツ波の検出結果を前記所望の第1計測位置と対応付けて保存し、(ii)前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが所望の第2計測位置に位置する第2移動タイミングの到来をトリガとして、前記第2反射手段が前記レーザ光を反射することで前記光路長を実際に調整している第2調整期間中の前記検出手段による前記テラヘルツ波の検出結果を前記所望の第2計測位置と対応付けて保存する
    ことを特徴とする請求項11に記載のテラヘルツ波計測装置。
  13. 前記移動手段は、前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つを連続的に移動可能であり、
    前記制御手段は、前記発生手段、前記検出手段及び前記計測対象物の少なくとも一つが連続的に移動している期間中に前記調整期間と前記移動タイミングとが同期するように、前記調整手段及び前記移動手段の少なくとも一方を制御する
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のテラヘルツ波計測装置。
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